(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】空調装置
(51)【国際特許分類】
F25B 49/02 20060101AFI20240123BHJP
F24F 11/36 20180101ALI20240123BHJP
【FI】
F25B49/02 520M
F24F11/36
(21)【出願番号】P 2020040078
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】二渡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】宇田川 陽介
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-052819(JP,A)
【文献】国際公開第2017/187618(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/170651(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/151641(WO,A1)
【文献】特開2020-034253(JP,A)
【文献】特開2011-116419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 49/02
F24F 11/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ室の冷房に適用される空調装置であって、冷媒経路内に冷媒を循環させることにより冷房能力を発揮する空調装置において、
冷媒を圧縮する圧縮機と、
圧縮された冷媒を冷却する放熱器と、
前記放熱器に冷却用の室外空気を送風する室外送風機と、
前記放熱器から流出した冷媒を減圧する減圧器
であって、絞り開度が変更可能な膨張弁により構成された減圧器と、
室内に配置され、室内に供給される空気と前記減圧器から流出した冷媒とを熱交換する蒸発器と、
前記蒸発器と熱交換された空気を室内に送風するための室内送風機と、
前記冷媒経路からの冷媒漏れを検出する漏れ検出器
であって、室外漏れ検出器及び室内漏れ検出器を有して構成された漏れ検出器と、
漏れ出た冷媒の濃度が予め決められた濃度以上となったときに、
前記圧縮機に吸入される冷媒の過熱度を予め決められた値以上に維持した状態で冷媒漏れが検出される前に比べて前記冷媒経路内の圧力を低下させる圧力制御モードを実行することが可能な制御部とを備え、
室外機を前記放熱器、前記室外送風機及び前記室外漏れ検出器を有するものとして構成し、室内機を前記圧縮機、前記減圧器、前記蒸発器、前記室内送風機及び前記室内漏れ検出器を有するものとして構成したとき、
前記室外漏れ検出器は、前記室外機内に漏れ出た冷媒を検出し、前記室内漏れ検出器は、前記室内機内に漏れ出た冷媒を検出し、
前記室外機内で冷媒漏れが検出された場合には、前記制御部は、前記圧力制御モードとして、冷媒漏れが検出される前に比べて前記室外送風機の送風量を増大させ、
前記室内機内で冷媒漏れが検出された場合には、前記制御部は、前記圧力制御モードとして、前記室内送風機の送風量を予め決められた送風量以上に維持し、冷媒漏れが検出される前に比べて前記室外送風機の送風量を増大させ、冷媒漏れが検出される前に比べて前記圧縮機の回転数を低下させ、かつ、冷媒漏れが検出される前に比べて前記減圧器の絞り開度を大きくする空調装置。
【請求項2】
前記制御部は、漏れ出た冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値以下となるまで前記圧力制御モードを実行する請求項
1に記載の空調装置。
【請求項3】
冷媒として、微燃性の冷媒を用いた請求項1
又は2に記載の空調装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、微燃性の冷媒を用いた空調装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の空調装置は、漏洩検知部において冷媒の漏洩が検知された場合に、膨張弁(減圧器)を全開状態として冷媒を減圧することにより、冷媒の漏洩速度を低下させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、微燃性の冷媒を用いた空調装置において、冷媒漏れに対応可能な空調装置の一例を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
冷媒経路(L1)内に冷媒を循環させることにより、低温側の熱を高温側に移動させる空調装置(以下、冷凍機という。)は、例えば、以下の構成要件のうち少なくとも1つを備えることが望ましい。
【0006】
すなわち、当該構成要件は、冷媒を圧縮する圧縮機(4)と、圧縮された冷媒を冷却する放熱器(5)と、放熱器(5)から流出した冷媒を減圧する減圧器(7)と、室内に配置され、室内に供給される空気と減圧器(7)から流出した冷媒とを熱交換する蒸発器(8)と、冷媒経路(L1)からの冷媒漏れを検出する漏れ検出器(10A、10B)と、漏れ出た冷媒の濃度が予め決められた濃度以上となったときに、冷媒漏れが検出される前に比べて冷媒経路(L1)内の圧力を低下させる圧力制御モードを実行することが可能な制御部(9)とを備え、制御部(9)は、圧力制御モードの実行時には、圧縮機(4)に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持した状態で冷媒経路(L1)内の圧力を低下させることである。
【0007】
これにより、圧縮機(4)に液相冷媒が吸入されてしまうこと(以下、液圧縮ともいう。)が抑制されながら、多くの冷媒が冷凍機から漏れ出てしまうことが抑制され得る。
【0008】
すなわち、制御部(9)は、漏れ出た冷媒の濃度が予め決められた濃度以上となったときに、冷媒漏れが検出される前に比べて冷媒経路(L1)内の圧力を低下させる。このため、冷媒経路(L1)内と外部との圧力差が小さくなるので、冷媒の漏れが抑制される。
【0009】
しかし、蒸発器(8)から液相冷媒が流出し、当該液相冷媒が圧縮機(4)に吸引されると、液圧縮により冷凍機の効率が著しく低下する。これに対して、当該冷凍機では、圧縮機(4)に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持されるので、冷凍機の効率が著しく低下してしまうことが抑制され得る。
【0010】
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本開示は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る空調装置を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る空調装置の圧力制御モードを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の「発明の実施形態」は、本開示の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
【0013】
なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載されたものである。本開示に示された発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
【0014】
少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位は、「1つの」等の断りがされた場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材は2以上設けられていてもよい。本開示に示された発明は、少なくとも符号が付されて説明された部材又は部位等の構成要素を備える。
【0015】
(第1実施形態)
<1.空調装置の概要>
本実施形態は、サーバ室の冷房に適用される空調装置に本開示に係る空調装置(冷凍機)の一例が適用されたものである。空調装置1は、
図1に示されるように、室外機2、室内機3及び制御部9等を少なくとも有する。
【0016】
室外機2は、放熱器5、室外送風機6A及び室外漏れ検出器10A等を有する。室内機3は、圧縮機4、減圧器7、蒸発器8、室内送風機6B及び室内漏れ検出器10B等を少なくとも有する。
【0017】
圧縮機4、放熱器5、減圧器7及び蒸発器8それぞれは、冷媒配管を介して直列に接続されている。冷媒は、圧縮機4→放熱器5→減圧器7→蒸発器8→圧縮機4の順に循環する。以下、当該冷媒の循環経路を冷媒経路L1という。なお、本実施形態に係る冷媒は、微燃性の冷媒である。
【0018】
<1.1 蒸気圧縮式冷凍機>
圧縮機4、放熱器5、減圧器7及び蒸発器8は、低温側の熱を高温側に移動させる蒸気圧縮式冷凍機を構成している。圧縮機4は冷媒を圧縮する電動式圧縮機である。放熱器5は圧縮された冷媒を冷却する。
【0019】
なお、本実施形態では、圧縮機4の吐出圧、つまり高圧側圧力は、冷媒の臨界圧力未満である。このため、圧縮機4から吐出された気相冷媒は、放熱器5で冷却されて液相冷媒となる。つまり、本実施形態に係る放熱器5は凝縮器として機能する。
【0020】
減圧器7は、放熱器5から流出した冷媒を減圧する。本実施形態に係る減圧器7は、絞り開度が変更可能な電気式膨張弁により構成されている。蒸発器8は、室内に配置されて室内に供給される空気と減圧器7から流出した冷媒とを熱交換する。これにより、当該空気が冷却される。
【0021】
<漏れ検出器及び制御部>
室外漏れ検出器10A及び室内漏れ検出器10Bは、冷媒経路L1からの冷媒漏れを検出する。具体的には、室外漏れ検出器10Aは、主に室外機2内に漏れ出た冷媒を検出する。室内漏れ検出器10Bは、主に室内機3内に漏れ出た冷媒を検出する。以下、漏れ検出器10A、10Bを総称する場合には検出器10と記す。
【0022】
制御部9は、圧縮機4、減圧器7、室外送風機6A及び室内送風機6B等、つまり蒸気圧縮式冷凍機の作動を制御するコントローラである。当該制御部9には、少なくとも検出器10の検出信号が入力されている。
【0023】
制御部9は、当該検出信号を利用して冷媒漏れが発生しているか否かを判断する。なお、制御部9は、CPU、ROM及びRAM等を有するマイクロコンピュータにて構成されている。
【0024】
上記の判断、及び蒸気圧縮式冷凍機の作動制御を実行するためのプログラムは、ROM等の不揮発性記憶部(図示せず。)に予め記憶されている。なお、本実施形態に係る制御部9は、室外機2又は室内機3内に配置されている。
【0025】
<2.蒸気圧縮式冷凍機の作動制御>
<2.1 通常時の作動制御>
冷媒漏れが発生していない場合、又は漏れ出た冷媒(以下、漏れ冷媒という。)の濃度が予め決められた濃度(以下、閾値濃度という。)未満の場合(以下、通常時という。)、制御部9は、室内の温度が予め決められた所定温度範囲となるように、室内に供給する空気の温度及び風量を制御する。
【0026】
なお、本実施形態に係る空調装置1では、減圧器7の開度、圧縮機4の回転数、室外送風機6A及び室内送風機6Bのうち少なくとも1つが制御されることにより、圧縮機4に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持される。
【0027】
<2.2 漏れ発生時の作動制御>
制御部9は、漏冷媒の濃度が閾値濃度以上となったときに、圧力制御モードを実行する。圧力制御モードは、圧縮機4に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持された状態で、冷媒経路L1内の圧力を冷媒漏れが検出される前に比べて低下させる制御モードである。
【0028】
<圧力制御モードの詳細(
図2参照)>
図2に示される制御は制御部9にて実行される。当該制御を実行するためのプログラムは不揮発性記憶部に予め記憶されている。当該制御は、圧縮機4の起動後、所定時間毎に定期的に自動的に実行される。
【0029】
当該制御が実行されると、制御部9は、検出器10の検出信号を利用して漏れ冷媒の濃度が閾値濃度以上であるか否かを判断する(S1)。冷媒漏れが発生していない場合、又は漏れ冷媒の濃度が閾値濃度未満であると判断された場合には(S1:NO)、制御部9は本制御を終了させる。
【0030】
漏れ冷媒の濃度が閾値濃度以上であると判断された場合には(S1:YES)、制御部9は、室外機2で冷媒漏れが発生したか否かを判断する(S3)。つまり、制御部9は、室外漏れ検出器10A及び室内漏れ検出器10Bの検出信号を利用し、いずれの検出器10から冷媒漏れが発生したかを判断する。
【0031】
室外機2で冷媒漏れが発生したと判断された場合には(S3:YES)、制御部9は、高圧圧力を低下させることを目的として、室外送風機6Aの送風量を冷媒漏れが検出される前に比べて増加させる(S5)。
【0032】
なお、送風量が既に最大送風量であるときには、制御部9は、送風量を最大送風量に維持する。高圧圧力とは、圧縮機4の吐出口から減圧器7の冷媒入口に至る冷媒経路L1の圧力をいう。
【0033】
次に、制御部9は、検出器10(室外漏れ検出器10A)の検出信号を利用して、漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値(例えば、0)以下となったか否かを判断する(S7)。
【0034】
漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値より大きいと判断された場合には(7:NO)、制御部9はS5を実行する。漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値以下であると判断された場合には(S7:YES)、制御部9は本制御を終了させる。
【0035】
室外機2で冷媒漏れが発生していないと判断された場合(S3:YES)、つまり室内機3で冷媒漏れが発生していると判断された場合、制御部9は、室内送風機6Bの送風量を予め決められた送風量以上(例えば、最大送風量)にする(S9)。
【0036】
次に、制御部9は、高圧圧力及び低圧圧力を低下させることを目的として、以下の(a)~(c)の制御を実行する(S11)。なお、低圧圧力とは、減圧器7の冷媒出口から圧縮機4の吸入口に至る冷媒経路L1の圧力をいう。
【0037】
(a)室外送風機6Aの送風量を冷媒漏れが検出される前に比べて増加させる制御
(b)圧縮機4の回転数を冷媒漏れが検出される前に比べて低下させる制御
(c)減圧器7の絞り開度を冷媒漏れが検出される前に比べて大きくする制御
このとき、制御部9は、室外送風機6Aの送風量が既に最大送風量であるときには、送風量を最大送風量に維持する。制御部9は、圧縮機4の回転数が既に最小回転数であるときは、当該回転数を最小回転数に維持する。
【0038】
制御部9は、絞り開度が既に最大開度であるときには、絞り開度を最大開度に維持する。なお、S11は、圧縮機4に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持可能な範囲で実行される。
【0039】
その後、制御部9は、検出器10(室内漏れ検出器10B)の検出信号を利用して、漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値(例えば、0)以下となったか否かを判断する(S13)。
【0040】
漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値より大きいと判断された場合には(S13:NO)、制御部9はS11を継続する。漏れ冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値以下であると判断された場合には(13:YES)、制御部9は本制御を終了させる。
【0041】
上述したように、制御部9は、圧縮機4に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持した状態で、上記S5、S9及びS11を実行する。なお、制御部9は、圧縮機4に吸入される冷媒の温度及び圧力に基づいて過熱度を判断する。
【0042】
<本実施形態に係る空調装置の特徴>
上記S5、S9及びS11(制御(a)~制御(c))のうち少なくとも1つが実行されると、冷媒漏れが検出される前に比べて冷媒経路L1内の圧力が低下する。このため、冷媒経路L1内と外部との圧力差が小さくなるので、冷媒の漏れが抑制される。
【0043】
したがって、本実施形態に係る空調装置1では、液圧縮による蒸気圧縮式冷凍機の効率が著しく低下してしまうことが抑制されながら、多くの冷媒が冷凍機から漏れ出てしまうことが抑制され得る。
【0044】
制御部9は、圧力制御モードの実行時には、室内送風機6Bの送風量を予め決められた送風量以上(本実施形態では、最大風量)に維持した状態とする。これにより、低圧圧力を低下させつつ、室内機3から漏れ出た冷媒が速やかに拡散するので、漏れ冷媒の濃度が速やかに低下し得る。
【0045】
制御部9は、圧力制御モードの実行時には、冷媒漏れが検出される前に比べて圧縮機4の回転数を低下させる。これにより、冷媒経路L1内の圧力が低下するので、冷媒の漏れが抑制され得る。
【0046】
制御部9は、圧力制御モードの実行時には、冷媒漏れが検出される前に比べて減圧器7の開度を大きくする。これにより、高圧圧力が低下するので、冷媒の漏れが抑制され得る。
【0047】
制御部9は、圧力制御モードの実行時には、冷媒漏れが検出される前に比べて室外送風機6Aの送風量を増大させる。これにより、高圧圧力が低下するので、冷媒の漏れが抑制され得る。なお、室外機2から冷媒漏れが発生した場合においては、室外機2から漏れ出た冷媒が速やかに拡散するので、漏れ冷媒の濃度が速やかに低下し得る。
【0048】
制御部9は、漏れ出た冷媒の濃度の上昇率が予め決められた値以下となるまで圧力制御モードを実行する。これにより、漏れ冷媒の濃度を確実に低下させることが可能となり得る。
【0049】
(その他の実施形態)
上述の実施形態に係るS11では、制御(a)~制御(c)が実行された。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、S11において、制御(a)~制御(c)のうち少なくとも1つが実行される構成であってもよい。
【0050】
上述の実施形態では、S11の実行前にS9が実行される構成であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、S9が廃止された構成であってもよい。
【0051】
上述の実施形態では、室外機2で冷媒漏れが発生した場合と室内機3で冷媒漏れが発生した場合とで圧力制御モードの内容が相違していた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、室外機2で冷媒漏れが発生した場合と室内機3で冷媒漏れが発生した場合とで圧力制御モードの内容が同一であってもよい。
【0052】
なお、室外機2及び室内機3の両方で冷媒漏れが発生した場合、又は漏れ発生箇所によらず、圧力制御モードの内容を同一とする場合には、例えば、上記S9~S13が実行されることが望ましい。
【0053】
上述の実施形態に係る制御部9は、圧縮機4の回転数を制御した。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、圧縮機4の回転数は、圧縮機4の吐出流量と略同意義であるので、当該開示は、例えば、圧縮機4の吐出流量をパラメータとして圧縮機4の作動が制御される構成であってもよい。
【0054】
上述の実施形態に係る空調装置1は、微燃性の冷媒を用いた冷凍機であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、微燃性の冷媒以外の冷媒を用いた冷凍機にも適用可能である。
【0055】
上述の実施形態に係る空調装置1では、圧縮機4及び減圧器7が室内に配置された構成であった。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、圧縮機4及び減圧器7が室外に配置された構成の空調装置1であってもよい。
【0056】
上述の本実施形態に係る制御部9は、室外機2又は室内機3内に配置されていた。しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、室外機2又は室内機3以外に制御部9が配置された構成であってもよい。
【0057】
上述の本実施形態に係る空調装置1(冷凍機)は、減圧器7の開度、圧縮機4の回転数、室外送風機6A及び室内送風機6Bのうち少なくとも1つを制御することにより、圧縮機4に吸入される冷媒の過熱度が予め決められた値以上に維持した。
【0058】
しかし、本開示はこれに限定されるものではない。すなわち、当該開示は、例えば、圧縮機4の吸入側に気液分離器を配置し、圧縮機4に液相冷媒が吸入されることを防止した構成であってもよい。
【0059】
さらに、本開示は、上述の実施形態に記載された開示の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態が組み合わせられた構成、又は上述の実施形態において、図示された構成要件もしくは符号を付して説明された構成要件のうちいずれかが廃止された構成でもよい。
【符号の説明】
【0060】
1… 空調装置 2… 室外機 3… 室内機
4… 圧縮機 5… 放熱器 6A… 室外送風機
6B… 室内送風機 7… 減圧器 8… 蒸発器
9… 制御部 10A… 室外漏れ検出器
10B… 室内漏れ検出器 L1… 冷媒経路