(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240123BHJP
A63F 5/04 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A63F7/02 328
A63F7/02 301C
A63F7/02 336
A63F5/04 611B
(21)【出願番号】P 2020085910
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 安隆
(72)【発明者】
【氏名】奈良崎 哲太
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-141469(JP,A)
【文献】特開2016-123803(JP,A)
【文献】特開2017-080004(JP,A)
【文献】特開2005-318945(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機とを管理対象とする遊技場用システムにおいて、
通信形態の異なる第1遊技装置と第2遊技装置との何れが遊技機に対応して設けられても遊技情報を管理可能な管理手段と、
前記第1遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第1通信設定、前記第2遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第2通信設定、前記第1遊技機と前記第2遊技機との何れが接続されるかを示す種別設定が可能な種別設定手段と、
前記第2通信設定における遊技情報の項目単位で有効とするかを示す有効設定が可能な有効設定手段と、
前記種別設定手段における種別設定にて前記第
2遊技機
が接続される旨が設定された場合に、
少なくとも有効設定について有効ではない旨が設定される項目について前記第1通信設定に応じた通信処理を行う通信手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機とを管理対象とする遊技場用システムにおいて、
通信形態の異なる第1遊技装置と第2遊技装置との何れが遊技機に対応して設けられても遊技情報を管理可能な管理手段と、
前記第1遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第1通信設定、前記第2遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第2通信設定、前記第1遊技機と前記第2遊技機との何れが接続されるかを示す種別設定が可能な種別設定手段と、
前記第2通信設定における遊技情報の項目単位で有効とするかを示す有効設定が可能な有効設定手段と
、
前記種別設定手段における種別設定にて前記第2遊技機が接続される旨が設定された場合
であっても、
前記第2通信設定において項目が対応付けられていなければ前記第1通信設定に応じた通信処理を行う
通信手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項3】
信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機とを管理対象とする遊技場用システムにおいて、
前記第1遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第1通信設定、前記第2遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第2通信設定、前記第1遊技機と前記第2遊技機との何れが接続されるかを示す種別設定が可能な種別設定手段と、
前記第2通信設定における遊技情報の項目単位で有効とするかを示す有効設定が可能な有効設定手段と、
特定の項目について、有効設定が有効でない場合、又は前記第2通信設定において項目が対応付けられていな
い場合に、当該項目だけでなく他の項目も前記第1通信設定に応じた通信処理を行う
通信手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項4】
信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機とを管理対象とする遊技場用システムにおいて、
前記第1遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する設定であって、出力端子と項目とを対応付ける設定である第1通信設定、前記第2遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する設定であって、電文上の情報配置と項目とを対応付ける設定である第2通信設定、前記第1遊技機と前記第2遊技機との何れが接続されるかを示す種別設定が可能な種別設定手段と、
前記第2通信設定における遊技情報の項目単位で有効とするかを示す有効設定が可能な有効設定手段と、
前記種別設定手段における種別設定にて前記第1遊技機に接続される旨が設定された場合に、前記第2通信設定にて有効である項目があるか否かに関わらず前記第1通信設定に応じた通信処理を行う通信手段と、を備える遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技信号を出力する遊技機としてはパルス出力する第1遊技機が多数を占めていた。しかしながら、パルス出力に代えてシリアル出力する第2遊技機も登場しつつある。この点を考慮し、例えば特許文献1にはパルス出力とシリアル出力との双方に対応する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、実際の運用を想定すると、第1遊技機から第2遊技機に入替える場合だけでなく、第2遊技機から第1遊技機に入替える場合もあるため、上記した特許文献1の図面の[
図4]のように項目単位でパルスかシリアルかを選択する設定操作であると、例えば上記したような入替が頻繁に生じた場合、何れかの項目について本来であればパルスと設定すべき項目をシリアルと設定したままにするといった操作ミスにより遊技情報が特定不可となる虞が想定され得る。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたもので、その目的は、パルス出力とシリアル出力とのような信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機との入替えに対応する場合であっても適切に遊技情報を特定可能な遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した発明によれば、信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機とを管理対象とする構成において、第1遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第1通信設定、第2遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する第2通信設定、第1遊技機と第2遊技機との何れが接続されるかを示す種別設定が可能であり、種別設定にて第2遊技機が接続される旨が設定された場合に、少なくとも有効設定について有効ではない旨が設定される項目について第1通信設定に応じた通信処理を行うので、パルス出力とシリアル出力のような信号出力形態の異なる第1遊技機と第2遊技機との入替えに対応する場合であっても適切に遊技情報を特定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、遊技場用システム1において、遊技場内には、管理遊技機2、メダルレス遊技機3、管理遊技機2やメダルレス遊技機3と1対1に接続されている遊技装置4,5、遊技装置4,5に接続されている通信パルス変換器6,7、複数の遊技装置4,5を管理する台コンピュータ8、複数の台コンピュータ8を管理する島コンピュータ9、複数の島コンピュータ9を管理する台情報管理装置10、場内管理装置11等が設置されている。通信パルス変換器6,7は、通信手段に相当する。場内管理装置11は、種別設定手段、管理手段及び有効設定手段に相当する。
【0009】
島コンピュータ9は台コンピュータ8の上位に位置し、台情報管理装置10は島コンピュータ9の上位に位置する。遊技場外には、場内管理装置11との間でインターネット12を介して通信可能な場外管理装置13、場外管理装置13と通信可能なセンタサーバ14等が設置されている。
【0010】
管理遊技機2は、遊技装置4と対応して動作可能な封入式の遊技機であり、持玉払出操作や貸出操作が行われると、遊技者から受付けた貨幣価値を対価として遊技価値である遊技玉が遊技装置4からデータ上供給され、その遊技玉数がデジタル表示される。管理遊技機2は、遊技玉数が1玉以上であれば遊技玉の発射が可能である一方、遊技玉数が0玉であれば遊技玉の発射が不可となる。遊技玉は、管理遊技機2の計数ボタンの押下による計数操作が行われると、遊技装置4にて持玉として計数される。メダルレス遊技機3は、遊技装置5と対応して動作可能な封入式の遊技機であり、玉がメダルであるといった周知の遊技機上の相違点を除いて上記した管理遊技機2と同様である。
【0011】
遊技装置4,5は、セキュリティ基板を搭載し、場外管理装置13との間で認証を行うことで管理遊技機2やメダルレス遊技機3と接続して動作可能となる。管理遊技機2やメダルレス遊技機3は、セキュリティ基板との間で専用PIF通信を行い、その専用PIF通信により通信内容が隠蔽されている。管理遊技機2の台データは遊技装置4を経由して上位装置へ送信され、メダルレス遊技機3の台データは遊技装置5を経由して上位装置へ送信される。
【0012】
通信パルス変換器6,7は、それぞれ遊技装置4,5と接続されており、遊技装置4,5から電文入力された遊技情報をパルスに変換して出力するための装置であり、パルス信号にて遊技情報を特定するために設けられる装置である。遊技装置4,5と、遊技情報を管理する台コンピュータ8、島コンピュータ9、台情報管理装置10等とが同一メーカであるといったように遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応可能な場合には、通信パルス変換器6,7は不必要であるが、それらが異なるメーカであるといったように遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応不可な場合には、通信パルス変換器6,7は必要になる。本実施形態では、通信パルス変換器6,7は不必要だが、遊技装置4,5と通信パルス変換機6,7との接続が確認できないと、遊技装置4,5からの情報として0データしか送信できないといったように遊技装置4,5における機能が抑制されるため、通信パルス変換機6,7とも接続されるものの、管理遊技機2やメダルレス遊技機3から通知される台データ、遊技装置4,5にて発生した売上データ等の遊技情報は台コンピュータ8のような上位装置へ通信パルス変換機6,7を介さず送信されることを例示するが、そのような対応が不能な場合には、通信パルス変換器6,7にてパルスに変換されて上位装置へ送信される。
【0013】
各装置間で通信されるデータは以下の通りである。
(ア)管理遊技機2から遊技装置4へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、照合情報(シリアル通信)
(イ)メダルレス遊技機3から遊技装置5へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、照合情報(シリアル通信)
(ウ)遊技装置4,5から通信パルス変換器6,7へ送信されるデータ
=台データ、遊技玉情報、接続状況の問合せを示す接続問合せ(シリアル通信)
(エ)通信パルス変換器6,7から遊技装置4,5へ送信されるデータ
=接続状況の応答結果を示す接続応答結果(シリアル通信)
(オ)遊技装置4,5から台コンピュータ8へ送信されるデータ
=遊技玉情報、台情報管理装置10向け情報(CAN、イーサネット通信)
(カ)台コンピュータ8から島コンピュータ9を介して台情報管理装置10へ送信されるデータ
=遊技玉情報(島コンピュータ9まで)、台情報管理装置10向け情報(CAN、イーサネット通信)
(キ)遊技装置4,5から場内管理装置11を介して場外管理装置13へ送信されるデータ
=売上データ、鍵データ、照合情報や接続応答結果等を含むセキュリティ情報(イーサネット通信)
(ク)場外管理装置13からセンタサーバ14へ送信されるデータ
=鍵データ、照合情報、照合情報を含むセキュリティ情報(イーサネット通信)
尚、総払出数や総投入数といった性能情報を遊技機照合情報に追加、或いは変えてセンタサーバ14との通信対象としても良い。又、場外管理装置13とセンタサーバ14とがインターネット12を介して接続される場合もある。
【0014】
次に、管理遊技機2及び遊技装置4について説明する。これ以降、管理遊技機2及び遊技装置4について説明するが、メダルレス遊技機3及び遊技装置5についても同様である。
管理遊技機2は、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を変換した遊技玉数を記憶しており、その記憶している遊技玉(遊技価値)が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の獲得玉(獲得価値)として加算する。
【0015】
図2に示すように、管理遊技機2は、パチンコ玉が発射される盤面15、発射装置を構成する操作ハンドル16、残高を遊技玉に変換するための貸出ボタン17、カード(一般カードや会員カード、記録媒体)を発行するための返却ボタン18、残高を表示する残高表示部19、遊技玉を持玉に変換するための計数ボタン20、遊技玉数を表示する遊技玉表示部21を有する。盤面15には、普図表示部22、普図保留表示部23、特図表示部24、普図入賞口25、一般入賞口26,27、第1保留数表示部28、第2保留数表示部29、第1始動口30、第2始動口31、大入賞口32を有する。又、計数ボタン20及び遊技玉表示部21の下方に、装飾用パネル33を有する。
【0016】
管理遊技機2は以下のように動作する。
(1)第1始動口30は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口31は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口26,27への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部24にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0017】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0018】
(3)遊技機設定値(モード)が6段階で設けられ、このモードにより、大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常)と確変状態(確変)とを対象として調整可能となっている。又、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であれば良い。
【0019】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口32を開放する。1Rの上限入賞数は10個であり、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口30に入賞した場合は、2Rが10%であり、4Rが50%であり、8Rが40%であるが、第2始動口31に入賞した場合は、4Rが10%であり、8Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口30よりも第2始動口31の方が高く設定される。
【0020】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口31の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0021】
(6)第2始動口31は普図入賞口25への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。又、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで第2始動口31の入賞率が高くなる。
【0022】
(7)大入賞口32や第2始動口31が盤面15の右側にあることから時短中や大当り中には盤面15の右側を狙って打つ所謂右打ちが行われる。以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0023】
管理遊技機2及び当該管理遊技機2に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口26,27への始動入賞等の遊技の進行に伴って、所定周期(例えば200ミリ秒周期)で前回送信からの差分を送信対象とし、以下に示す遊技情報を出力する。
アウト情報=消費価値(アウト)を特定可能な情報である。消費(使用、打込、回収)玉単位にて送信され、管理遊技機2からは1玉単位にて送信され、通信パルス変換器6からは10玉単位にて送信される。
セーフ情報=入賞付与価値(セーフ)を特定可能な情報である。入賞に応じた玉単位にて送信され、管理遊技機2からは1玉単位にて送信され、通信パルス変換器6からは10玉単位にて送信される。
状態情報=通常状態や大当り状態等の情報送信時の状態を示す情報である。
【0024】
遊技装置4は、管理遊技機2の遊技状態や遊技装置4の状態を示す状態表示灯34、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口35、遊技者からの操作入力を受付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部36、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技ボタン37、カードが挿入されるカード挿入口38、遊技者の顔を含む上半身を撮影するカメラ39(
図2では保護カバーのみを図示)等を有する。
【0025】
遊技装置4は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、管理遊技機2と遊技装置4との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で管理遊技機2の貸出ボタン17を押下すると(貸出操作、付与操作)、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値、詳細は後述する)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レート)に応じた対価分を残高から引落とす。尚、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0026】
(2)管理遊技機2では遊技玉を管理しており、盤面15への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉を減算し、入賞に応じて遊技玉を加算する(入賞付与処理)。遊技装置4は持玉(発行対象価値)を管理し、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技ボタン32の押下に応じて貸出1単位分の持玉を変換玉として遊技玉に変換する変換処理を行う(遊技変換処理、対価付与処理)。この場合、変換率を別途設けている(以下の計数処理についても同様)。
【0027】
(3)遊技に応じて管理遊技機2の遊技玉が増加した場合、管理遊技機2の計数ボタン20の押下に応じて遊技玉を計数玉として持玉に変換する計数処理を行う(発行変換処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉を変換対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置4では残高や持玉が残存する状態で管理遊技機2の返却ボタン18を押下する等の発行操作を行うと、遊技装置4にストックされていた持玉券に残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。尚、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0028】
(4)発行処理には管理遊技機2における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(「0」)以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、管理遊技機2と一定間隔(例えば200ミリ秒毎に)で通信(アウト情報等も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が通知され、発行条件が成立すると発行処理を許容する。管理遊技機2から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すれば良いが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用しても良い。
【0029】
(5)発行された持玉券により特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高(残貨幣価値)は残高精算機にて貨幣(貨幣価値)に精算可能とされる。尚、遊技装置4が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示することができるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としても良い。又、持玉や残高を持玉券に対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話機等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論良い。
【0030】
(6)中継装置とのシリアル通信により台情報管理装置10にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額及び持玉券の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としても良い。尚、管理遊技機2との通信は、中継装置を介さずに直接通信しても良いし、中継装置を介して通信しても良い。
【0031】
遊技場内には、
図3に示すように、ユニットストッカ(以下、単にストッカと称する)40が設置されており、その収納部41には複数台の遊技装置4が予備機として収納されており、故障のようなトラブルが生じた場合の端末交換に備えている。
【0032】
遊技場用システム1では、前述した[発明が解決しようとする課題]で説明した通り、パルス出力する第1遊技機とシリアル出力する第2遊技機との入替が頻繁に生じた場合、何れかの項目について本来であればパルスと設定すべき項目をシリアルと設定したままにするといった操作ミスにより遊技情報が特定不可となる虞がある。この点に関し、本実施形態では以下に示す構成を採用している。
【0033】
前述したように遊技装置4と台情報管理装置10等とが同一メーカであり、遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応可能であれば、管理遊技機2から遊技装置4、台コンピュータ8、島コンピュータ9を経由して台情報管理装置10へ遊技情報がシリアル通信により送信される。遊技装置4と台情報管理装置10等とが別メーカであり、遊技装置4の電文情報を台情報管理装置10側で対応不能であれば、管理遊技機2から遊技装置4を経由して通信パルス変換器6へ遊技情報がシリアル通信により送信され、通信パルス変換器6にてパルス変換されて台コンピュータ8へパルス通信により送信され、台コンピュータ8から島コンピュータ9を経由して台情報管理装置10へ遊技情報がシリアル通信により送信される。又、実際に遊技玉を払出す払出式遊技機が接続されている場合には、払出式遊技機から台コンピュータ8へパルス通信により遊技情報が送信され、台コンピュータ8から島コンピュータ9を経由して台情報管理装置10へ遊技情報がシリアル通信により送信される。
【0034】
台番と機種情報とを対応付ける図示しない機種設定により、設定対象の機種が管理遊技機2及び払出式遊技機の何れであるかを機種単位で設定し、払出式遊技機の場合には、従来通り、図示しない台スロット設定にてパルス信号の出力端子と管理装置側の項目とを対応付ける一方、管理遊技機2の場合には、以下に示す通りに対応付ける。台スロット設定は、出力端子と項目とを対応付ける設定である第1通信設定に相当する。
【0035】
場内管理装置11は、
図4に示すように、通信マッピング設定を表示する。管理遊技機2からシリアル送信される電文は遊技情報の項目別に区別され、アウト、セーフ、特賞1(特1)、特賞2(特2)及びスタート回数(有効S)に区分される。
図5から
図9は、それぞれアウト、セーフ、特賞1、特賞2及びスタート回数へのマッピングを示している。尚、電文上の「予備*」は遊技機単位でユニークな項目や出力条件等が設定される。通信マッピング設定では、管理装置側の項目を、管理遊技機2の電文における何れの項目として特定するかを設定するための設定情報となる。即ち、「取得」欄で「する」又は「しない」の何れかを選択可能であり、「する」が設定された場合であれば、「通信」欄で設定された遊技情報が特定対象となる一方、「しない」が設定された場合であれば、上記した台スロット設定を参照して遊技情報が対応付けられる。
図4では、「基本系」のタブが選択(識別表示)されているので、アウト、セーフ等の基本系の項目が設定されているが、「特賞系」のような他のタブを選択することで、これ以外の対応する項目を設定可能となる。
図4では、識別表示の箇所を太線で囲って示している。通信マッピング設定は、電文上の情報配置と項目とを対応付ける設定である第2通信設定に相当する。
【0036】
「基本系」における「アウト」及び「セーフ」は何れの遊技機においても必須の遊技情報であるので、この項目の「取得」が「しない」となった場合、設定更新時に他の項目についても「しない」が設定され、パルス入力に対応すべく上記した台スロット設定により遊技情報を対応付ける。一方で、例えば「不正・点検系」における項目のような他の項目は必須とは言えず機種によっては必ずしも必要な遊技情報ではないので、例え「取得」が「しない」となっても当該項目のみが「台スロット設定」の参照対象になる。更に管理遊技機2と設定され、通信マッピング設定の「通信」欄が設定されていない場合には、台スロット設定の参照対象となり、特定の項目の設定が行われていない場合には他の項目も台スロット設定の参照対象となる。
【0037】
以上に説明したように本実施形態によれば、次に示す作用効果を得ることができる。
遊技場用システム1において、払出式遊技機の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する台スロット設定、管理遊技機2の信号出力形態に対応した遊技情報の特定方法に関する通信マッピング設定、払出式遊技機と管理遊技機2との何れが接続されるかを示す種別設定が可能であり、種別設定にて払出式遊技機に接続される旨が設定された場合に、通信マッピング設定に優先して台スロット設定に応じた通信処理を行うので、パルス出力とシリアル出力のような信号出力形態の異なる払出式遊技機と管理遊技機2との入替えに対応する場合であっても適切に遊技情報を特定可能となる。
【0038】
通信形態の異なる遊技装置4が遊技機に対応して設けられても遊技情報を管理可能であって、マッピング設定における遊技情報の項目単位で有効とするかを示す有効設定が可能であり、種別設定にて管理遊技機2が接続される旨が設定された場合に少なくとも有効設定について有効ではない旨が設定される項目について台スロット設定に応じた通信処理を行うので、例えば管理装置側と遊技装置4とが異なるメーカであるような管理装置側と遊技装置4との間で情報開示されていないといった理由に基づき通信パルス変換器6,7にて電文に示される遊技情報をパルス信号に変換する場合に、種別設定による管理遊技機2との設定を残したまま台スロット設定によりパルス信号によって遊技情報を特定可能となる。
【0039】
通信形態の異なる遊技装置4が遊技機に対応して設けられても遊技情報を管理可能であって、種別設定にて管理遊技機2が接続される旨が設定された場合であってもマッピング設定において項目が対応付けられていなければ台スロット設定に応じた通信処理を行うので、例えば管理装置側と遊技装置4とが異なるメーカであるような管理装置側と遊技装置4との間で情報開示されていないといった理由に基づき通信パルス変換器6,7にて電文に示される遊技情報をパルス信号に変換する場合に、種別設定による管理遊技機2との設定を残したまま台スロット設定によりパルス信号によって遊技情報を特定可能となる。
【0040】
台スロット設定は出力端子と項目とを対応付ける設定であり、マッピング設定は電文上の情報配置と項目とを対応付ける設定であるので、パルス出力する従来の払出式の遊技機とシリアル出力する管理遊技機2とを管理対象としても適切に遊技情報を特定可能となる。
【0041】
例えば基本系のアウト等の特定の項目について、有効設定が有効でない場合、又は通信マッピング設定において項目が対応付けられていない場合に当該項目だけでなく他の項目も台スロット設定に応じた通信処理を行うので、設定漏れが生ずる虞を更に軽減可能となる。
【0042】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形又は拡張したり、各変形例を上記した実施形態と組み合わせたり各変形例を組み合わせたりしてどのように組み合わせても良いし、適宜、採用しない構成を設けても良い。
信号出力形態の異なる例示として、パルス通信とシリアル通信とを例示したが、例えばCAN通信やイーサネット通信といったような例示しない信号出力形態を対象としても良い。
上記した各数値は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
各設定値は、管理者が任意に操作入力により設定しても良いし、予め管理装置の製造メーカにて設定しても良いし、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。又、過去の遊技情報を基準値として設定しても勿論良い。
【0043】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定しても良い。数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良いし、適宜採用しない項目を設けても良い。
【符号の説明】
【0044】
図面中、1は遊技場用システム、6,7は通信パルス変換器(通信手段)、11は場内管理装置(種別設定手段、管理手段、有効設定手段)である。