IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTドコモの特許一覧

<>
  • 特許-情報処理装置 図1
  • 特許-情報処理装置 図2
  • 特許-情報処理装置 図3
  • 特許-情報処理装置 図4
  • 特許-情報処理装置 図5
  • 特許-情報処理装置 図6
  • 特許-情報処理装置 図7
  • 特許-情報処理装置 図8
  • 特許-情報処理装置 図9
  • 特許-情報処理装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0207 20230101AFI20240123BHJP
【FI】
G06Q30/0207
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020087316
(22)【出願日】2020-05-19
(65)【公開番号】P2021182246
(43)【公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本庄 匡
(72)【発明者】
【氏名】相野 宏文
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168836(JP,A)
【文献】特開2013-037428(JP,A)
【文献】特開2019-061455(JP,A)
【文献】特開2016-045693(JP,A)
【文献】特開2014-010716(JP,A)
【文献】国際公開第2015/033575(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G07G 1/00-5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の食材の組み合わせと、当該2以上の食材を組み合わせて購入した場合にユーザに与えられる特典に関する特典情報とを対応付けて記憶する特典情報記憶部と、
各々のユーザが過去に購入した食材又は当該ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報を記憶する食材情報記憶部と、
第1の食材をユーザが手に取った場合に、当該第1の食材と、前記食材情報記憶部に記憶されている食材情報が示す食材とを少なくとも用いた料理に関する料理情報を検索する検索部と、
前記特典情報記憶部に記憶されている内容を参照して、検索された前記料理情報が示す料理において用いられる食材群のうち、前記第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材に関する食材情報を抽出する抽出部と、
前記第1の食材と前記第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる前記特典情報、前記第1の食材と前記第2の食材とを少なくとも用いた料理に関する前記料理情報、及び、抽出された前記第2の食材に関する食材情報を、前記ユーザのユーザ端末において提示させる提示部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提示部は、
前記ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、前記特典が大きい第2の食材を用いた料理に関する前記料理情報について、提示の優先度を高くする
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、
前記ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、販売者が設定した優先度が高い前記第2の食材を用いた料理に関する前記料理情報について、提示の優先度を高くする
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記検索部は、
前記食材情報記憶部に記憶されている食材情報のうち、ユーザが過去に購入した食材、又は、ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報のうちいずれか一方を他方に比べて重み付けをして前記検索を行う
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
食材情報記憶部は、ユーザが過去に購入した食材のうち、現時点における当該食材の残存量を推定して記憶する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検索部は、ユーザが手に取った第1の食材の数又は量を推定し、推定した第1の食材の数又は量に応じた料理情報を検索する
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記検索部は、ユーザが第1の食材を手に取ったあとに陳列場所に戻す行為を行った場合には、当該行為よりも後において、陳列場所に戻された第1の食材を用いた料理に関する料理情報について、当該第1の食材を用いない料理に関する料理情報に比べて、検索の優先度を低くする
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記特典情報は有効期間が決められており、
前記提示部は、前記第1の食材をユーザが手に取ったタイミング又は前記第2の食材をユーザが手に取ったタイミングのうち少なくともいずれか一方のタイミングが前記有効期間の範囲内であるときに、前記第1の食材と前記第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる特典に関する前記特典情報を提示する
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
過去に提示された前記料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの料理に関する嗜好を推定する嗜好推定部を備え、
前記検索部は、前記嗜好推定部により推定された嗜好に関する情報を用いて前記検索を行う
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
過去に提示された前記料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの食事における栄養のバランスを解析する解析部を備え、
前記検索部は、前記解析部により解析された結果を用いて前記検索を行う
ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材の販売促進のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食材の販売促進のための仕組みとして、例えば特許文献1には、自動小売装置から食材が購入者によって取り出されると、取り出された食材に応じた広告情報や推薦情報を含むビデオ又はメディア・プレゼンテーションがディスプレイにおいて提示されるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-99833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザが興味を持った食材を含む料理を作るために必要な他の食材の販売を促進することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明は、2以上の食材の組み合わせと、当該2以上の食材を組み合わせて購入した場合にユーザに与えられる特典に関する特典情報とを対応付けて記憶する特典情報記憶部と、各々のユーザが過去に購入した食材又は当該ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報を記憶する食材情報記憶部と、第1の食材をユーザが手に取った場合に、当該第1の食材と、前記食材情報記憶部に記憶されている食材情報が示す食材とを少なくとも用いた料理に関する料理情報を検索する検索部と、前記特典情報記憶部に記憶されている内容を参照して、検索された前記料理情報が示す料理において用いられる食材群のうち、前記第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材に関する食材情報を、前記食材情報記憶部から抽出する抽出部と、前記第1の食材と前記第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる前記特典情報、前記第1の食材と前記第2の食材とを少なくとも用いた料理に関する前記料理情報、及び、抽出された前記第2の食材に関する食材情報を、前記ユーザのユーザ端末において提示させる提示部とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
【0006】
前記提示部は、前記ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、前記特典が大きい第2の食材を用いた料理に関する前記料理情報について、提示の優先度を高くするようにしてもよい。
【0007】
前記提示部は、前記ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、販売者が設定した優先度が高い前記第2の食材を用いた料理に関する前記料理情報について、提示の優先度を高くするようにしてもよい。
【0008】
前記検索部は、前記食材情報記憶部に記憶されている食材情報のうち、ユーザが過去に購入した食材、又は、ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報うちいずれか一方を他方に比べて重み付けをして前記検索を行うようにしてもよい。
【0009】
食材情報記憶部は、ユーザが過去に購入した食材のうち、現時点における当該食材の残存量を推定して記憶するようにしてもよい。
【0010】
前記検索部は、ユーザが手に取った第1の食材の数又は量を推定し、推定した第1の食材の数又は量に応じた料理情報を検索するようにしてもよい。
【0011】
前記検索部は、ユーザが第1の食材を手に取ったあとに陳列場所に戻す行為を行った場合には、当該行為よりも後において、陳列場所に戻された第1の食材を用いた料理に関する料理情報について、当該第1の食材を用いない料理に関する料理情報に比べて、検索の優先度を低くするようにしてもよい。
【0012】
前記特典情報は有効期間が決められており、前記提示部は、前記第1の食材をユーザが手に取ったタイミング又は前記第2の食材をユーザが手に取ったタイミングのうち少なくともいずれか一方のタイミングが前記有効期間の範囲内であるときに、前記第1の食材と前記第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる特典に関する特典情報を提示するようにしてもよい。
【0013】
過去に提示された前記料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの料理に関する嗜好を推定する嗜好推定部を備え、前記検索部は、前記嗜好推定部により推定された嗜好に関する情報を用いて前記検索を行うようにしてもよい。
【0014】
過去に提示された前記料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの食事における栄養のバランスを解析する解析部を備え、前記検索部は、前記解析部により解析された結果を用いて前記検索を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザが興味を持った食材を含む料理を作るために必要な他の食材の販売を促進することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。
図2】ユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3】サーバ装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】販売装置30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5】サーバ装置20の機能構成の一例を示すブロック図である。
図6】サーバ装置20に記憶される購入食材情報を例示する図である。
図7】サーバ装置20に記憶される料理データベースを例示する図である。
図8】サーバ装置20に記憶される特典データベースを例示する図である。
図9】ユーザ端末10にてユーザに提示される情報を例示する図である。
図10】情報処理システム1の動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[構成]
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システム1は、複数のユーザがそれぞれ利用する複数のユーザ端末10と、食材及び料理に関する情報をこれらのユーザに提供するサーバ装置20と、例えばコンビニエンスストアやスーパーマーケット等の施設に設置された複数の販売装置30と、これらを通信可能に接続する無線通信網又は有線通信網を含むネットワーク2とを備えている。ユーザ端末10は、例えばスマートホン、ウェアラブル端末又はタブレットなどの、無線を介してネットワーク2に接続可能なコンピュータである。サーバ装置20は、単体のコンピュータで実現されてもよいし、複数のコンピュータの集合体によって実現されてもよい。販売装置30は、食材を収容する収容空間を備えており、その収容空間に設けられた陳列場所には複数の食材が陳列されている。ユーザは所定の手順を経て、この食材を購入することができる。
【0018】
情報処理システム1は、販売装置30により販売されている或る食材に対してユーザが興味を持ち、それを販売装置30から取り出して手に取ると、その食材を含む料理のレシピ等に関する情報をユーザに提示し、さらに、その料理を作るのに必要な他の食材について、割引やポイント付与等の特典に関する情報とともにユーザに提示する。これにより、ユーザは、自らが手に取った食材で作ることが可能な料理について知ることができ、さらに、その料理を作るのに必要な他の食材としてどのようなものがあり、それを購入するとどのような特典を得ることができるかを知ることが可能となる。これにより、食材を販売する販売者は、ユーザが手に取った食材や、ユーザに提示した料理を作るのに必要な他の食材について、その販売を促進することが可能となる。
【0019】
図2は、ユーザ端末10のハードウェア構成を示す図である。ユーザ端末10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータとして構成されている。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末10のハードウェア構成は、図2に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、ユーザ端末10を構成してもよい。
【0020】
ユーザ端末10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0021】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。また、例えばベースバンド信号処理部や呼処理部などがプロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0022】
プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、後述する動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。ユーザ端末10の機能ブロックは、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。各種の処理は、1つのプロセッサ1001によって実行されてもよいが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、ネットワーク2経由でユーザ端末10に送信されてもよい。
【0023】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本実施形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0024】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0025】
通信装置1004は、ネットワーク2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、無線通信を実現する場合には、例えばLTE(Long Time Evolution)等の通信規格に従ってネットワーク2を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)である。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。また、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェースなどがこの通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0026】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キー、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、カメラ、センサ、2次元コードリーダ、GPSユニット、各種の入力インターフェースなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ、各種の出力インターフェースなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0027】
プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバスによって接続される。バスは、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0028】
ユーザ端末10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0029】
図3は、サーバ装置20のハードウェア構成を示す図である。サーバ装置20は、物理的には、プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータとして構成されている。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。サーバ装置20のハードウェア構成は、図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、サーバ装置20を構成してもよい。
【0030】
サーバ装置20における各機能は、プロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信を制御したり、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ2001、メモリ2002、ストレージ2003、通信装置2004、及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。なお、サーバ装置20は、ユーザ端末10の入力装置1005又は出力装置1006と同等のハードウェアを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。
【0031】
図4は、販売装置30のハードウェア構成を示す図である。販売装置30は、物理的には、プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006、駆動機構3007及びこれらを接続するバスなどを含むコンピュータとして構成されている。販売装置30には、例えば冷蔵室、冷凍室、保温室又は常温室等の、食材を収容する収容空間が設けられている。駆動機構3007は、この収容空間を外部空間と区切る開閉ドアのロック機構を駆動する。入力装置3005は、撮像部としてカメラを含む。これらの各装置は図示せぬ電源から供給される電力によって動作する。販売装置30のハードウェア構成は、図4に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。また、それぞれ筐体が異なる複数の装置が通信接続されて、販売装置30を構成してもよい。
【0032】
販売装置30における各機能は、プロセッサ3001、メモリ3002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ3001が演算を行い、通信装置3004による通信を制御したり、メモリ3002及びストレージ3003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。プロセッサ3001、メモリ3002、ストレージ3003、通信装置3004、入力装置3005、出力装置3006及びこれらを接続するバスは、ユーザ端末10について説明したプロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006及びこれらを接続するバスと、ハードウェアとしては同様であるため、その説明を省略する。
【0033】
図5は、情報処理システム1の機能構成を示すブロック図である。サーバ装置20において上記ハードウェアが連携することによって、取得部21、判別部22、食材情報記憶部23、料理情報記憶部24、検索部25、特典情報記憶部26、抽出部27、及び提示部28という機能が実現される。
【0034】
取得部21は、各種の情報をユーザ端末10又は販売装置30からネットワーク2経由で取得する。例えば取得部21は、販売装置30のカメラによって撮像された画像データを販売装置30からネットワーク2経由で取得する。
【0035】
判別部22は、取得部21によって販売装置30から取得された画像データを解析して、どの食材がユーザの手に持たれたか、さらにその食材がユーザの持つショッピング用の籠に入れられたか又はその食材が販売装置30の陳列場所に戻されたかを判別する。具体的には、判別部22は、上記画像データに対して特徴量抽出やパターンマッチング等の画像解析技術を用いて解析を行い、ユーザの手、食材及び籠のそれぞれの外観からその位置をそれぞれ認識し、これらの位置関係から、ユーザの手に持たれた食材、ショッピング用の籠に入れられた食材、及び、陳列場所に戻された食材をそれぞれ判別する。
【0036】
食材情報記憶部23は、各々のユーザが過去に購入した食材、又は、当該ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報を記憶する。ユーザが過去に購入した食材とは、ユーザが販売装置30を利用して過去に会計を済ませて購入した食材のことである。ユーザが購入を予定している食材とは、現時点においてユーザによって販売装置30から取り出されてショッピング用の籠に入れられている食材のことである。図6に例示するように、食材情報記憶部23は、各々のユーザのユーザ識別情報と、食材識別情報(ここでは食材の名称)と、過去に購入した食材又は購入を予定している食材の別を意味する判別情報とを対応付けて、食材情報として記憶する。図6の例において、例えばユーザ識別情報「UID001」のユーザは、過去に「キャベツ」と「玉ねぎ」を購入しており、現時点で、「ニンジン」と「牛豚ひき肉」を販売装置30から取り出してショッピング用の籠に入れていることが示されている。
【0037】
料理情報記憶部24は、図7に例示するような料理情報を含む料理データベースを記憶している。この料理データベースにおいては、各料理の料理識別情報(ここでは料理名)とその料理の材料や調理手順等を含むレシピとが対応付けられた料理情報が含まれている。料理の材料は、その料理を作るのに必要な食材の食材識別情報(食材の名称)と、所定人数分(例えば1人分)についてその料理を作るのに必要な食材の数又は量とを含んでいる。例えば図7で例示されているカレーライスのレシピとしては、例えば玉ねぎ、ジャガイモ、牛肉、カレールーといった材料とその調理手順に関する情報が含まれている。
【0038】
検索部25は、或る食材(第1の食材をという)をユーザが販売装置30から取り出して手に取ったことが判別部22により判別された場合に、その第1の食材と、料理情報記憶部24に記憶されている料理情報が示す他の食材(つまり、各々のユーザが過去に購入した食材又は当該ユーザが購入を予定している食材)とを少なくとも用いた料理に関する料理情報を検索する。つまり、検索部25は、料理情報記憶部24に記憶されている料理情報のうち、第1の食材及び上記他の食材を材料とする料理情報を検索する。なお、サーバ装置20は、図7に例示したような料理データベースを自ら記憶していなくてもよく、検索部25がこのような料理情報を記憶した外部データベースを検索するようにしてもよい。つまり、例えば検索部25は、判別部22により判別された第1の食材及び料理情報記憶部24に記憶されている他の食材を検索キーとして、インターネット上の記憶装置や、サーバ装置20以外の記憶装置を検索するようにしてもよい。
【0039】
特典情報記憶部26は、図8に例示するように、2以上の食材の組み合わせと、当該2以上の食材を組み合わせて購入した場合にユーザに与えられる特典に関する特典情報とを対応付けて記憶する。特典情報には、特典が付与される期間である有効期間が決められている。図8の例において、ユーザが例えば10/1の10:00~12:00の間に「ジャガイモ」と「カレールー」を組み合わせて購入した場合には、これら「ジャガイモ」及び「カレールー」の購入金額から5%が割り引かれるという特典がそのユーザに与えられることが示されている。このように組み合わせて購入した場合に特典がユーザに与えられるような2以上の食材を、以下、特典付き食材という。なお、本実施形態においてユーザに特典が与えられるのは、2以上の特典付き食材を1回の決済において購入した場合に限られる。
【0040】
抽出部27は、検索部25により検索された料理情報が示す料理において用いられる食材群のうち、第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材に関する食材情報を抽出する。つまり、第1の食材及び第2の食材は、組み合わせて購入した場合にユーザに特典が与えられる特典付き食材である。例えば図6~8の例において、ユーザが第1の食材(ジャガイモとする)を手に取ると、その第1の食材(ジャガイモ)と、料理情報記憶部24に記憶されている料理情報が示す他の食材(キャベツ、玉ねぎ、ニンジン、牛豚ひき肉…)とを少なくとも用いた料理(カレーライスとする)が検索部25により検索され、さらに、その料理(カレーライス)において用いられる食材群のうち第1の食材(ジャガイモ)と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材(カレールー)が抽出部27により抽出される。ここで、2以上の特典付き食材のうち、少なくともいずれか1つの食材をユーザが最初に手に取ったタイミングが図8で説明した有効期間内であれば、他の食材を手に取ったタイミングがその有効期間内でなくても、そのユーザには特典が付与される。例えば特典付き食材A,Bのうち、ユーザが一方の食材Aを最初に手に取ったタイミングが有効期間内であれば、食材Bを手に取ったタイミングが有効期間内でなくても、そのユーザには特典が付与される。また、特典付き食材A,Bのうち、ユーザが一方の食材Aを最初に手に取ったタイミングが有効期間内でなくても、他方の食材Bを手に取ったタイミングが有効期間内であれば、そのユーザには特典が付与される。また、特典付き食材A,Bのうち、ユーザが食材Aを手に取ったタイミングと食材Bを手に取ったタイミングとの双方が有効期間内であってももちろん、そのユーザには特典が付与される。
【0041】
提示部28は、第1の食材と第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる特典に関する特典情報、検索部25により検索された料理(ここでは結局、第1の食材と第2の食材とを少なくとも用いた料理となる)に関する料理情報、及び、抽出部27により抽出された第2の食材に関する食材情報を、ネットワーク2経由でユーザ端末10に送信する。これにより、ユーザ端末10は、この特典情報、料理情報及び食材情報を表示等の方法でユーザに提示する。ここで図9は、ユーザ端末10において提示されるこれらの情報を例示する図である。図9では、第1の食材(ジャガイモとする)と第2の食材(カレールーとする)とを組み合わせて購入した場合に与えられる特典に関する特典情報として「ジャガイモと、さらにカレールーを買うと、今なら合わせて5%オフ!」というメッセージと、第1の食材と第2の食材とを少なくとも用いた料理に関する料理情報として「これらを使ってカレーライスを作ろう」というメッセージ及びそのレシピを表示するためのハイパーリンクであるソフトボタン「レシピ」と、第2の食材に関する食材情報として「カレールー」という食材名が表示されている。なお、提示部28は、これらの情報のほかに、カレーライスを作るのに必要な他の食材(つまり、そのユーザが過去に購入した食材又は当該ユーザが購入を予定している食材)に関する情報(例えば「カレーライスを作るのに必要な玉ねぎやニンジンは既にあります」というメッセージ)を提示してもよい。
【0042】
[動作]
次に、図10を参照して、情報処理システム1の動作について説明する。なお、以下の説明において、サーバ装置20を処理の主体として記載する場合には、具体的にはプロセッサ2001、メモリ2002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ2001が演算を行い、通信装置2004による通信や、メモリ2002及びストレージ2003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することにより、処理が実行されることを意味する。ユーザ端末10及び販売装置30についても同様である。
【0043】
まず、ユーザは販売装置30の前に行き、ユーザ端末10を操作して所定のプログラムを起動する。販売装置30の正面等には、この販売装置30の識別情報である装置識別情報が符号化された2次元コードが記されている。ユーザはこの2次元コードをユーザ端末10のカメラで撮像することで読み取らせると(ステップS1)、ユーザ端末10は読み取った装置識別情報と、自端末に記憶されているユーザ識別情報とをネットワーク2経由でサーバ装置20に送信する(ステップS10)。
【0044】
サーバ装置はこれらの識別情報の正当性を予め登録されたものと照合する等にして確認を行うと、装置識別情報によって識別される販売装置30に対し、ドアを開錠するよう指示する開錠指示をネットワーク2経由で送信する(ステップS11)。これに応じて、販売装置30はドアを開錠する。これにより、ユーザは販売装置30内の食材にアクセス可能となる。
【0045】
ユーザが販売装置30のドアを開けて興味のある食材を手に取ると、販売装置30のカメラによってその様子が撮像され(ステップS12)、撮像された画像を示す画像データ(ここでは動画データ)が逐次、サーバ装置20に送信される(ステップS13)。サーバ装置20において取得部21は、この画像データを販売装置30からネットワーク2経由で取得する。
【0046】
サーバ装置20において判別部22は、販売装置30から取得された画像データを解析して、どの食材がユーザの手に持たれたか、さらにその食材がユーザの持つショッピング用の籠に入れられたか又はその食材が陳列場所に戻されたかを判別する(ステップS14)。ここで、ショッピング用の籠に入れられた食材に関する情報は、購入予定の食材に関する情報として、食材情報記憶部23に記憶される。
【0047】
次に、サーバ装置20において検索部25は、或る食材(第1の食材とする)をユーザが手に取ったことが判別部22により判別された場合に、その第1の食材と、料理情報記憶部24に記憶されている料理情報が示す他の食材とを少なくとも用いた料理に関する料理情報を検索する(ステップS15)。
【0048】
次に、サーバ装置20において抽出部27は、検索部25により検索された料理情報が示す料理において用いられる食材群のうち、第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材に関する食材情報を抽出する(ステップS16)。
【0049】
そして、サーバ装置20において提示部28は、第1の食材と第2の食材とを組み合わせて購入した場合に与えられる特典情報、第1の食材と第2の食材とを少なくとも用いた料理に関する料理情報、及び、抽出された第2の食材に関する食材情報を、提示情報としてネットワーク2経由でユーザ端末10に送信する(ステップS17)。ユーザ端末10は、この提示情報を表示等の方法でユーザに提示する(ステップS18)。
【0050】
なお、食材の代金の決済に関しては、所定の方法で行われる。例えば販売装置30のドアがユーザにより閉められると、サーバ装置20は、ショッピング用の籠に入れられた食材に関する決済を行ってもよいし、ユーザが有人のレジに赴いて決済を行ってもよい。代金が決済された食材は、購入済の食材に関する情報として、食材情報記憶部23に記憶される。購入済の食材に関する情報は、例えば食材ごとに決められた期間が経過したり、ユーザによって消費したことがユーザ端末10等から通知されると、食材情報記憶部23から削除される。
【0051】
以上説明した実施形態によれば、ユーザが興味を持った食材を含む料理を作るために必要な他の食材の販売を促進することが可能となる。
【0052】
[変形例]
本発明は、上述した実施形態に限定されない。上述した実施形態を以下のように変形してもよい。また、以下の2つ以上の変形例を組み合わせて実施してもよい。
[変形例1]
提示部28は、ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、特典の価値が大きい第2の食材を用いた料理に関する料理情報について、提示の優先度を高くしてもよい。ここでいう提示の優先度については、提示が表示によるものである場合には、最も目立つと思われる表示エリア(例えばユーザ端末10の画面スクロールが上下の場合には最上段の表示エリア)を最高の優先度とし、最も目立たないと思われる表示エリア(例えばユーザ端末10の画面スクロールが上下の場合には最下段の表示エリア)を最低の優先度にするなどが考えられる。
【0053】
[変形例2]
上記の提示の優先度を食材の販売者が任意に設定してもよい。つまり、提示部28は、ユーザが手に取った第1の食材と組み合わせて購入した場合に特典が与えられる第2の食材が複数ある場合には、販売者が設定した優先度が高い第2の食材を用いた料理に関する料理情報について、提示の優先度を高くしてもよい。販売者が設定した優先度は、食材情報記憶部23に記憶されるようになっている。
【0054】
[変形例3]
料理情報を検索する際において、購入済の食材を購入予定の食材よりも優先して検索したり、又は、購入予定の食材を購入済の食材よりも優先して検索したりしてもよい。前者は、既に購入した食材、つまりユーザが早く消費しなければならない食材を主に含む料理を検索するのに適しており、後者は、ショッピング用の籠に入れた食材、つまり、ユーザが現時点で食べたいと思っているであろう食材を主に含む料理を検索するのに適している。ここで、優先して検索する、とは、検索時に重みを付けるという意味である。例えば食材Xよりも食材Yに重みを付けて検索するとは、例えば食材X及び食材Yを含む料理群において、食材Xの数又は量よりも食材Yの数又は量のほうが多い料理を検索することである。また、例えば食材Xよりも食材Yに重みを付けて検索するとは、例えば食材X及び食材Yを含む料理群を検索した結果のうち、食材Xの数又は量よりも食材Yの数又は量のほうが多い料理を検索結果として、より上位のものとして出力するということであってもよい。このように、検索部25は、食材情報記憶部23に記憶されている食材情報のうち、ユーザが過去に購入した食材、又は、ユーザが購入を予定している食材に関する食材情報うちいずれか一方を他方に比べて重み付けをして検索を行ってもよい。
【0055】
[変形例4]
食材情報記憶部23は、ユーザが過去に購入した食材のうち、現時点における当該食材の残存量を推定して記憶するようにしてもよい。そして、検索部25は、現時点における当該食材の残存量の範囲内で作ることが可能な料理に関する料理情報を検索するようにしてもよい。現時点における食材の残存量の推定は、例えばユーザが購入した食材のうち、現時点で残存する食材の数又は量をユーザ端末10に入力してサーバ装置20に通知することで実現可能である。また、食材情報記憶部23に食材情報が購入済として記憶された時点から、時間の経過とともに食材に応じたペースで、その食材の残存量を徐々に減らしていくようしてもよい。そして、検索部25は、ユーザが手に取った第1の食材と、料理情報記憶部24に記憶されている他の食材の残存量を考慮して料理情報を検索する。
【0056】
[変形例5]
ユーザが手に持っている食材の量を考慮して料理情報を検索するようにしてもよい。つまり、検索部25は、ユーザが手に取った第1の食材の数又は量を推定し、推定した第1の食材の数又は量に応じた料理情報を検索するようにしてもよい。ユーザが手に持っている食材の量は、例えば特徴量抽出やパターンマッチング等の画像解析技術により、食材の外観(特にユーザの手の大きさと比べたときの食材の大きさ)から推定可能である。
【0057】
[変形例6]
ユーザが販売装置30から取り出していったん手にとったあとにその販売装置30の陳列場所に戻した食材Zがある場合には、それ以降、ユーザが他の食材を手に取ったときに、上記食材Zを含むような料理は除外して、料理情報を検索するようにしてもよい。ユーザが販売装置30の陳列場所に戻した食材はそのユーザが食べたくない食材であると意思決定したと推定されるからである。つまり、検索部25は、ユーザが第1の食材を手に取ったあとに陳列場所に戻す行為を行った場合には、当該行為よりも後において、陳列場所に戻された第1の食材を用いた料理に関する料理情報について、当該第1の食材を用いない料理に関する料理情報に比べて、検索の優先度を低くするようにしてもよい。ここで検索の優先度を低くするとは、第1の食材を用いた料理に関する料理情報は検索対象から除外するとか、第1の食材の使用量が閾値以上の料理に関する料理情報は検索対象から除外するという例が考えられる。
【0058】
[変形例7]
サーバ装置20が料理を食べる人の数を設定する設定部を備えている場合において、検索部25は、その数に応じた料理に関する情報を検索したときに、その人の数に応じた料理に関する情報が無い場合には、推定された数又は量の範囲内で作ることが可能な料理の分量に関する情報を検索するようにしてもよい。例えば4人分の料理を作ることが設定された場合において、推定された食材の数又は量が少ないために4人分の料理情報が検索できなかったとき、例えば2人分の料理情報が検索できたのであれば、その2人分の料理情報を検索結果として出力するようにしてもよい。
【0059】
[変形例8]
ユーザの過去の料理の履歴から料理に関する嗜好を解析し、そのような嗜好に合致する料理情報を検索するようにしてもよい。料理に関する嗜好とは、例えば暖かい料理が好きとか、栄養のバランスがとれた料理が好きとか、カロリーが少ない料理が好きといった具合である。このため、図7に例示した料理データベースには、暖かい/冷たいとか、栄養素に関する情報とか、カロリーが少ない/多いといったような、各々の料理の属性情報が含まれている。このように、サーバ装置20は、過去に提示された料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの料理に関する嗜好を推定する嗜好推定部を備え、検索部25は、推定された嗜好に関する情報を用いて検索を行うようにしてもよい。
【0060】
[変形例9]
サーバ装置20は、過去に提示された料理情報のうちユーザにより指定された料理情報を解析して、当該ユーザの食事における栄養のバランスを解析する解析部を備え、検索部25は、解析部により解析された結果を用いて検索を行うようにしてもよい。具体的には、ユーザが過去にとった料理の栄養のバランスとして、ビタミンが足りないとか、炭水化物が多いといった解析結果であれば、検索部25は、ビタミンが多いとか、炭水化物が少ない料理の料理情報を検索する。このため、このため、図7に例示した料理データベースには、各料理の栄養素に関する情報が含まれている。
【0061】
[変形例10]
本発明における食材の販売方法は、実施形態に例示したような、いわゆる自動販売を行うような販売装置30を用いたものに限らず、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等での通常の販売方法であってもよい。この場合、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに、実施形態に係る販売装置30が備えるようなカメラが設置されている。また、ユーザの手に持たれた食材、ショッピング用の籠に入れられた食材、陳列場所に戻された食材の判別は画像データを用いたものに限らず、例えば非接触ICや近距離無線通信等の任意の技術を用いて実現可能である。
【0062】
[その他の変形例]
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0063】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信制御部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0064】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ装置20は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。また、本開示の一実施の形態におけるサーバ装置20の機能をユーザ端末10が実装してもよい。つまり、ユーザ端末10が、ユーザによって購入された各食材の識別情報及び価格を含む領収書データを取得する領収書データ取得部と、取得された領収書データに含まれる各食材の識別情報及び価格に基づいて、各食材の数又は量を推定する購入数量推定部と、取得された領収書データに含まれる1以上の食材を用いて、当該食材について推定された数又は量の範囲内で作ることが可能な料理に関する料理情報を検索する検索部と、検索された料理情報を出力する出力部とを備える情報処理装置として機能してもよい。
【0065】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0066】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0067】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0068】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0069】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0070】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の識別情報で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0071】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0072】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0073】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0074】
本開示において使用する「第1」、「第2」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0075】
上記の各装置の構成における「部」を、「手段」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0076】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0077】
本開示において、例えば、英語でのa,an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0078】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1:情報処理システム、2:ネットワーク、10:ユーザ端末、20:サーバ装置、21:取得部、22:判別部、23:食材情報記憶部、24:料理情報記憶部、25:検索部、26:特典情報記憶部、27:抽出部、28:提示部、1001:プロセッサ、1002:メモリ、1003:ストレージ、1004:通信装置、1005:入力装置、1006:出力装置、2001:プロセッサ、2002:メモリ、2003:ストレージ、2004:通信装置、30:販売装置、3001:プロセッサ、3002:メモリ、3003:ストレージ、3004:通信装置、3005:入力装置、3006:出力装置、3007:駆動機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10