(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ゲームプログラム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/63 20140101AFI20240123BHJP
A63F 13/814 20140101ALI20240123BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20240123BHJP
A63F 13/54 20140101ALI20240123BHJP
【FI】
A63F13/63
A63F13/814
A63F13/533
A63F13/54
(21)【出願番号】P 2020087504
(22)【出願日】2020-05-19
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】514039129
【氏名又は名称】株式会社バイキング
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】尾畑 心一朗
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-081011(JP,A)
【文献】特開2015-150302(JP,A)
【文献】特開2018-051222(JP,A)
【文献】特開2005-081007(JP,A)
【文献】特開2017-059893(JP,A)
【文献】“アイドルマスター ライブフォーユー!”,「電撃オンラインD Vol.2 電撃PlayStation 2/1増刊号」,日本,メディアワークス,2008年02月01日,第14巻,第4号,pp.98,99
【文献】“オメガクインテット”,「週刊ファミ通 2014 10/9 増刊号」,日本,株式会社KADOKAWA,2014年09月25日,第29巻,第41号,pp.104-109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98,9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲を選択する選択ステップと、
前記楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌を設定する設定ステップと、
前記選択ステップにおいて選択された前記楽曲に対して、前記区間毎に前記設定ステップにおいて設定されたキャラクタの歌を合成する合成ステップと、
前記合成ステップにおいて前記歌が合成された前記楽曲を、前記ユーザが聴取可能なスピーカに出力する出力ステップと、
を含む処理をコンピュータに実行させ
、
前記設定ステップでは、タッチパネルに対して複数のキャラクタ毎に前記区間の設定可否を選択させる選択ボタンを表示させ、前記ユーザによるスワイプ操作により選択された前記選択ボタンと対応する前記区間におけるキャラクタの歌の設定を有効とし、
前記設定ステップにおいて、前記タッチパネルに表示された一の前記選択ボタンが長押しされた場合、前記出力ステップでは前記楽曲における前記選択ボタンが長押しされた前記区間が前記スピーカに出力される、
処理をコンピュータに実行させるゲームプログラム。
【請求項2】
楽曲を選択する選択部と、
前記楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌を設定する
設定ステップを行う設定部と、
前記選択部が選択した前記楽曲に対して、前記区間毎に
前記設定ステップにおいて前記設定部が設定したキャラクタの歌を合成する合成部と、
前記合成部により前記歌が合成された前記楽曲を、前記ユーザが聴取可能なスピーカに出力する出力部と、
を備え
、
前記設定部は、タッチパネルに対して複数のキャラクタ毎に前記区間の設定可否を選択させる選択ボタンを表示させ、前記ユーザによるスワイプ操作により選択された前記選択ボタンと対応する前記区間におけるキャラクタの歌の設定を有効とし、
前記設定ステップにおいて、前記タッチパネルに表示された一の前記選択ボタンが長押しされた場合、前記出力部は前記楽曲における前記選択ボタンが長押しされた前記区間を前記スピーカに出力する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、違和感のないゲーム体験を実現することが可能なゲームシステムが開示されている。当該ゲームシステムにおけるゲームでは、コンサート会場のステージに、再生される楽曲の進行に応じて歌唱、ダンス等の動作を行う複数のキャラクタが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームにおいて、複数のキャラクタが歌うパートに変化が無いとゲームが単調である。
【0005】
本発明は、ゲーム上で複数のキャラクタが歌唱する場合において、単調さを抑制可能なゲームプログラム及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様はゲームプログラムであって、楽曲を選択する選択ステップと、前記楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌を設定する設定ステップと、前記選択ステップにおいて選択された前記楽曲に対して、前記区間毎に前記設定ステップにおいて設定されたキャラクタの歌を合成する合成ステップと、前記合成ステップにおいて前記歌が合成された前記楽曲を、前記ユーザが聴取可能なスピーカに出力する出力ステップと、を含む処理をコンピュータに実行させる。
【0007】
第1の態様のゲームプログラムは、複数のキャラクタによる歌唱が行われるゲームの処理において適用される。当該ゲームプログラムが実行されるコンピュータでは、楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌が設定され、選択された楽曲に対して、区間毎に設定されたキャラクタの歌が合成され、歌が合成された楽曲がスピーカに出力される。第1の態様によれば、ゲーム上で複数のキャラクタが歌唱する場合において、楽曲のパート毎に歌うキャラクタを変えることができ、ゲームの単調さを抑制することができる。
【0008】
第2の態様のゲームプログラムは、第1の態様のゲームプログラムにおいて、前記設定ステップでは、タッチパネルに対して複数のキャラクタ毎に前記区間の設定可否を選択させる選択ボタンを表示させ、前記ユーザによるスワイプ操作により選択された前記選択ボタンと対応する前記区間におけるキャラクタの歌の設定を有効とする。
【0009】
第2の態様のゲームプログラムが実行されるコンピュータによれば、楽曲の各区間におけるユーザの選択をタッチパネルに対するスワイプ操作で可能とすることで、選択用の画面において素早い選択が可能である。
【0010】
第3の態様のゲームプログラムは、第2の態様のゲームプログラムにおいて、前記設定ステップでは、前記タッチパネルの前記選択ボタンと共に表示された各キャラクタに対応する全選択ボタンが選択されることにより、選択された前記全選択ボタンに対応するキャラクタの全ての前記区間の設定が有効とされる。
【0011】
第3の態様のゲームプログラムが実行されるコンピュータによれば、キャラクタ毎に設けられた全選択ボタンを選択することで楽曲の全区間を一括で選択することができ、選択用の画面において素早い選択が可能である。
【0012】
第4の態様のゲームプログラムは、第2又は第3の態様のゲームプログラムであって、前記設定ステップにおいて、何れの前記選択ボタンも選択されていない場合、前記出力ステップにおいて、予め設定された態様の前記楽曲が出力される。
【0013】
第4の態様のゲームプログラムが実行されるコンピュータによれば、予め設定された態様で楽曲を提供することができ、オリジナルの楽曲をユーザに提供することができる。
【0014】
第5の態様のゲームプログラムは、第2~第4の態様の何れか一のゲームプログラムであって、前記設定ステップにおいて、何れか一の前記選択ボタンが選択されており、かつ何れの前記選択ボタンも選択されていない前記区間がある場合、前記出力ステップが実行されない。
【0015】
第5の態様のゲームプログラムが実行されるコンピュータによれば、一部の区間に歌が割り付けられていない楽曲の再生を抑制することができる。
【0016】
第6の態様のゲームプログラムは、第2~第5の態様の何れか一のゲームプログラムであって、前記設定ステップにおいて、前記タッチパネルに表示された一の前記選択ボタンが長押しされた場合、前記出力ステップでは前記楽曲における前記選択ボタンが長押しされた前記区間が前記スピーカに出力される。
【0017】
第6の態様のゲームプログラムが実行されるコンピュータでは、全区間に対してキャラクタが割り付けられた楽曲を再生する前に、選択ボタンが長押しされた区間における試聴を可能とする。これにより、区間が楽曲のどの部分かユーザは把握することができる。
【0018】
第7の態様は情報処理装置であって、楽曲を選択する選択部と、前記楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌を設定する設定部と、前記選択部が選択した前記楽曲に対して、前記区間毎に前記設定部が設定したキャラクタの歌を合成する合成部と、前記合成部により前記歌が合成された前記楽曲を、前記ユーザが聴取可能なスピーカに出力する出力部と、を備えている。
【0019】
第7の態様の情報処理装置は、複数のキャラクタによる歌唱が行われるゲームの処理を実行する。当該情報処理装置では、楽曲を分割した区間毎に複数のキャラクタからユーザが選択した一又は複数のキャラクタの歌が設定され、選択された楽曲に対して、区間毎に設定されたキャラクタの歌が合成され、歌が合成された楽曲がスピーカに出力される。第7の態様によれば、ゲーム上で複数のキャラクタが歌唱する場合において、楽曲のパート毎に歌うキャラクタを変えることができ、ゲームの単調さを抑制することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ゲーム上で複数のキャラクタが歌唱する場合において、単調さを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】実施形態に係るスマートフォン及びサーバの接続状態を示す図である。
【
図2】実施形態のスマートフォンのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】実施形態のスマートフォンにおけるROMの構成を示すブロック図である。
【
図4】実施形態のスマートフォンにおける音楽ゲームの機能構成の例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態の音楽ゲームの流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態の音楽ゲームにおける編集画面の例を示す図である。
【
図7】実施形態の音楽ゲームにおける歌割り画面の例を示す図である。
【
図8】実施形態の音楽ゲームにおける歌割り画面であって、スワイプによる操作例を示す図である。
【
図9】実施形態の音楽ゲームにおける歌割り画面であって、(A)は切替ボタンが全てOFFの例を示し、(B)は切替ボタンが全てONの例を示す図である。
【
図10】実施形態の音楽ゲームにおけるライブ画面の例を示す図である。
【
図11】実施形態の音楽ゲームにおける仮想空間の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の本実施形態であって、音楽ゲームに係るゲームプログラム110がインストールされたスマートフォン12について図を用いて説明する。スマートフォン12は、情報処理装置の一例である。
【0023】
(構成)
図1に示されるように、本実施形態のスマートフォン12は、ネットワークNを介してサーバ14と接続されている。サーバ14は、ゲームプログラム110及び後述する楽曲データ120を配信する機能を有している。サーバ14は、スマートフォン12から送信された後述するユーザデータ130を管理及び記憶する機能を有していてもよい。
【0024】
図2に示されるように、スマートフォン12は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、RAM(Random Access Memory)20C、通信I/F(Interface)20D、タッチパネル20E及びスピーカ20Fを含んで構成されている。CPU20A、ROM20B、RAM20C、通信I/F20D、タッチパネル20E及びスピーカ20Fは、内部バス20Gを介して相互に通信可能に接続されている。なお、通信I/F20D、タッチパネル20E及びスピーカ20Fは、図示しない入出力I/F(Interface)を介して内部バス20Gに接続されていてもよい。
【0025】
CPU20Aは、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする中央演算処理ユニットである。CPU20Aは、ROM20Bからプログラムを読み出し、RAM20Cを作業領域としてプログラムを実行する。
【0026】
ROM20Bは、各種プログラム及び各種データを記憶している。
図3に示されるように、本実施形態のROM20Bには、オペレーティングシステム100、ゲームプログラム110、楽曲データ120及びユーザデータ130が記憶されている。
【0027】
オペレーティングシステム100は、スマートフォン12を各種アプリケーションが実行されるコンピュータとして機能させるためのモバイルオペレーティングシステムである。ゲームプログラム110は、本実施形態に係る音楽ゲームを実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0028】
楽曲データ120は、音楽ゲームにおいて再生可能なデータあって、音声データの他、映像データを含んでいる。ユーザデータ130は、音楽ゲームを行うユーザに係るユーザID等の個人データを含んでいる。例えば、ユーザデータ130には、ダウンロード済みの楽曲データ120に係る情報、ユーザが保有しているポイント情報、及び課金情報等が記憶されている。
【0029】
図2に示されるように、RAM20Cは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。
【0030】
通信I/F20Dは、ネットワークNに接続するための無線通信モジュールである。当該無線通信モジュールは、例えば、5G、LTE、Wi-Fi(登録商標)等の通信規格が用いられる。
【0031】
タッチパネル20Eは、スマートフォン12の前面に設けられ、画像を表示する表示部としてのモニタと、ユーザの手指による操作を受け付ける操作部としてのタッチセンサと、が組み合わされた装置である。
【0032】
スピーカ20Fは、スマートフォン12の側面等に設けられ、音声を出力するものである。なお、音声はスマートフォン12に接続されたイヤホン又はヘッドホンから出力してもよい。この場合、スマートフォン12とイヤホン又はヘッドホンとは、図示しないコネクタによる有線通信により、又はBluetooth(登録商標)による無線通信により接続される。
【0033】
図4は、スマートフォン12の機能構成の例を示すブロック図である。各機能構成は、CPU20AがROM20Bに記憶されたゲームプログラム110を読み出し、これを実行することによって実現される。本実施形態のCPU20Aは、ゲームプログラム110の実行により選択部200、実行部210、設定部220、受付部230、切替部240及び出力部250として機能する。
【0034】
選択部200は、楽曲データ120を参照し、一又は複数の楽曲から一の楽曲を選択する機能を有している。
【0035】
実行部210は、
図11に示されるように、仮想空間VSにおいて複数のキャラクタCHによるイベントを実行する機能を有している。本実施形態の実行部210は、イベントとして、仮想空間VSの仮想ステージST上において、複数のキャラクタCHによるライブを実行する。具体的に、実在のアーティスを模したキャラクタ(A)CHA、キャラクタ(B)CHB、キャラクタ(C)CHC、キャラクタ(D)CHD及びキャラクタ(E)CHEからなる5人によるライブが実行される。実行部210は、合成部の一例である。
【0036】
図4に示す設定部220は、楽曲を分割した区間(パート)毎に複数のキャラクタCHからユーザが選択した一又は複数のキャラクタCHの歌を設定する機能を有している。具体的に、設定部220は、タッチパネル20Eに対して複数のキャラクタCH毎に区間の設定可否を選択させる選択ボタンとしての切替ボタン72を表示させ、ユーザが操作した切替ボタン72と対応する区間におけるキャラクタCHの歌の設定を有効とする(
図7参照)。
【0037】
受付部230は、実行部210が実行するイベントをタッチパネル20Eに表示させる場合に、主として表示させるキャラクタCHを受け付ける機能を有している。具体的に、受付部230は、タッチパネル20Eに対して複数のキャラクタCHに対応するアイコン80を表示させ、ユーザが選択したアイコン80を主としてタッチパネル20Eに表示させるキャラクタCHとして受け付ける(
図10参照)。
【0038】
切替部240は、受付部230が受け付けたキャラクタCHを追従して撮像するように、複数の仮想カメラVCを相互に切り替える機能を有している。
図11に示されるように、仮想空間VSには6台の仮想カメラC1~C6が配置されている。切替部240は実行部210が実行するイベントにおいて、ユーザの選択により受け付けられたキャラクタCHを追従して撮像するように、6台の仮想カメラC1~C6を相互に切り替える。なお、本実施形態では、6台の仮想カメラC1~C6を切り替えることとして説明しているが、これは、1台の仮想カメラVCに与えられた6つの視点を切り替えることと同義である。
【0039】
出力部250は、実行部210が実行するイベントにおけるライブ画像をタッチパネル20Eに出力し、ライブ音声をスピーカ20Fに出力する機能を有している。
【0040】
(ゲームの流れ)
本実施形態において実行される音楽ゲームの流れは
図5に示すとおりである。
ユーザがスマートフォン12のタッチパネル20Eに表示された図示しない起動アイコンをタップすると、ゲームプログラム110が起動する。
【0041】
まず、図示しない楽曲選択画面がタッチパネル20E上に表示される(ステップS10)。楽曲選択画面では、楽曲データ120に記憶されている楽曲に係る楽曲リスト(図示せず)が表示されており、ユーザが一の楽曲に係るアイコンをタップすることにより一の楽曲が選択可能である。
【0042】
また、楽曲選択画面において、ユーザが楽曲購入ボタン(図示省略)をタップすることで、楽曲購入画面に遷移する(ステップS11)。楽曲購入画面において、ユーザが購入を希望する楽曲を選択し、課金操作を行うことにより、サーバ14から希望した楽曲がダウンロードされる。ダウンロードされた楽曲は、楽曲データ120に追加される。楽曲の購入が終了すると、楽曲選択画面に戻ることができる。
【0043】
楽曲選択画面において楽曲の選択が終了すると、
図6に示す編集画面52に遷移する(
図5のステップS20)。編集画面52は、キャラクタ画像60A~60E、キャラクタCH毎に設けられた編集ボタン62、設定ボタン64、歌割りボタン66、ライブ実行ボタン68を含んでいる。
【0044】
編集ボタン62は、仮想空間VSにおいて実行されるライブに出演するキャラクタCHの衣装を変更するためのボタンである。編集ボタン62には、「EDIT」の文字が付されている。ユーザが編集ボタン62をタップすると、ライブ衣装画面に遷移し、タップした編集ボタン62に対応するキャラクタCHの衣装を変更することができる。変更された衣装は、編集画面52上のキャラクタのCHキャラクタ画像60A~60Eに反映される。
【0045】
設定ボタン64は、ライブに係る設定を行うためのボタンである。設定ボタン64には、「設定」の文字が付されている。ユーザが設定ボタン64をタップすると、図示しない設定画面に遷移し、ライブにおける特殊効果設定、BGM及び効果音の音量調整、観客の声援の調整を行うことができる。
【0046】
歌割りボタン66は、楽曲選択画面において選択された楽曲において各キャラクタCHが歌うパートを割り振る(以下、「歌割り」と称する。)ためのボタンである。歌割りボタン66には、「歌割り」の文字が付されている。
【0047】
ライブ実行ボタン68は、楽曲選択画面、編集画面52、設定画面、及び歌割り画面54等において設定された条件に基づいて、仮想空間VSにおいてキャラクタCHによるライブを実行させるためのボタンである。ライブ実行ボタン68には、「PLAY」の文字が付されている。
【0048】
編集画面52においてユーザが歌割りボタン66をタップすると、
図7に示す選択画面としての歌割り画面54に遷移する(
図5のステップS21)。歌割り画面54は、キャラクタCHの画像からなる全選択ボタンとしてのアイコン70と、各キャラクタCHに歌を歌わせるか否かを選択させる切替ボタン72と、決定ボタン74と、を含んでいる。アイコン70は、キャラクタ(A)CHA~キャラクタ(E)CHEの各キャラクタCHに対応するアイコン70A~70Eを有している。切替ボタン72は、各キャラクタCHに対して、楽曲を分割した区間毎に設けられている。歌割り画面54における処理の詳細については後述する。ユーザが決定ボタン74をタップすると、再び編集画面52に遷移する(
図5のステップS20)。
【0049】
編集画面52においてユーザがライブ実行ボタン68をタップすると、
図10に示すライブ画面56に遷移する(
図5のステップS30)。ライブ画面56は、アイコン80、メインボタン82、非表示ボタン84、再生・一時停止ボタン85及びライブ画像86を含んでいる。
【0050】
アイコン80は、キャラクタCHの画像からなるボタンであって、キャラクタ(A)CHA~キャラクタ(E)CHEの各キャラクタCHに対応するアイコン80A~80Eを有している。メインボタン82は、「MAIN」の文字が付されている。アイコン80及びメインボタン82の機能については後述する。本実施形態のアイコン80及びメインボタン82は、ライブ画像86の下方に隣接して表示されているが、これに限らず、ライブ画像86に重畳して表示されていてもよい。
【0051】
非表示ボタン84は、アイコン80及びメインボタン82を非表示にする機能を有している。アイコン80及びメインボタン82を非表示にすることで、ライブ画像86の表示範囲が拡大される。再生・一時停止ボタン85は、イベントとして実行されるライブを再生又は一時停止させるためのボタンである。本実施形態の非表示ボタン84及び再生・一時停止ボタン85は、ライブ画像86の上方において、ライブ画像86に重畳して表示されている。
【0052】
ライブ画像86は、仮想空間VSに設けられた仮想カメラC1~C6がキャラクタCHを撮像している画像である。ライブ画像86には、
図11に示す仮想ステージST上のキャラクタCHの他、各仮想カメラVCのアングルによっては、観客席SSの観客(ただし、サイリウム等にて簡略化されて表現されている)が表示されている。ユーザがメインボタン82を操作すると、予め設定された態様で切り替えられた各仮想カメラVCの撮像画像がライブ画像86として表示される。また、ユーザがアイコン80A~80Eの何れかのボタンをタップすると、タップされたアイコン80に対応するキャラクタCHを追従するように各仮想カメラVCを切り替えながら撮像した撮像画像がライブ画像86として表示される。ライブ画面56における処理の詳細については後述する。
【0053】
なお、ライブ画像86では、ユーザがタッチパネル20Eに対してタップやスワイプなどの画面操作をすることで、キャラクタCHを応援する応援演出が行われる。ユーザが応援すると仮想ステージST上のキャラクタCHや、観客席SSの観客にエフェクトが付く。また、ユーザが応援をするほど観客の合いの手が盛り上がる等々、会場の熱が高まっていき、楽曲の指定箇所に差し掛かった時に一定以上の会場のボルテージがあると特別な演出が見られる。演出の指定箇所や内容は楽曲により変わる。
【0054】
図5に示されるように、楽曲が終了すると、ゲームを終了するか否かの判定が実行される(ステップS40)。ユーザが終了ボタン(図示せず)等を操作し、ゲームの終了が確定された場合(ステップS40でYES)、音楽ゲームは終了する。一方、ゲームの終了が確定していない場合(ステップS40でNO)、ステップS10の楽曲選択画面に戻る。
【0055】
(制御の流れ)
本実施形態の音楽ゲームにおいて実行される処理について
図4~
図11を用いて説明する。
【0056】
上述のように、ユーザがスマートフォン12のタッチパネル20Eに表示された図示しない起動アイコンをタップすると、ゲームプログラム110が実行される。これにより、CPU20Aは、選択部200として選択ステップを行い、実行部210として実行ステップ(合成ステップ)を行う。また、CPU20Aは、設定部220として設定ステップを行い、受付部230として受付ステップを行い、切替部240として切替ステップを行い、出力部250として出力ステップを行う。
【0057】
図5のステップS10において、選択部200はタッチパネル20Eに対して楽曲選択画面(図示せず)を表示させる。そして、選択部200は、楽曲選択画面においてユーザにより選択された一の楽曲を実行部210及び設定部220に通知する。
【0058】
図5のステップS20において、設定部220はタッチパネル20Eに対して表示させた編集画面52及び設定画面において、ユーザが操作した内容を実行部210が実行するライブに反映させる。
【0059】
次に、
図5のステップS21において、設定部220はタッチパネル20Eに対して
図7に示す歌割り画面54を表示させると共に、次の処理を実行する。
【0060】
設定部220は、歌割り画面54において、ユーザによる切替ボタン72の操作情報を受け付ける。設定部220は、切替ボタン72が操作される毎に切替ボタン72を淡色表示である「OFF」と濃色表示である「ON」とで切り替える。設定部220は、切替ボタン72が「ON」になることで、当該区間を歌うキャラクタCHを有効化する。
図7の例では、設定部220は、楽曲においてAメロをキャラクタ(A)CHA及びキャラクタ(D)CHD、Bメロをキャラクタ(A)CHA及びキャラクタ(B)CHB、Cメロをキャラクタ(A)CHA及びキャラクタ(C)CHC、サビ1をキャラクタ(A)CHA、キャラクタ(B)CHB、キャラクタ(C)CHC及びキャラクタ(D)CHD、並びにサビ2をキャラクタ(A)CHAが歌うことを設定する。
【0061】
なお、歌割り画面54において、切替ボタン72が長押しされた場合、出力部250は、切替ボタン72に対応する区間の楽曲に係る音声をスピーカ20Fに出力する。
【0062】
本実施形態において、切替ボタン72に対する操作は、タップに限らずスワイプも受け付ける。例えば、
図8に示されるように、ユーザが歌割り画面54が表示されているタッチパネル20Eを指Fでなぞると、なぞられた軌跡上の切替ボタン72が有効化される。
【0063】
また、設定部220は、ユーザが一のキャラクタCHのアイコン70をタップした場合、全ての区間においてタップしたアイコン70に係るキャラクタCHの設定を有効にする。例えば、
図9(A)に示されるように、全区間の切替ボタン72が「OFF」の場合に、ユーザがキャラクタ(A)CHAのアイコン70Aを指Fでタップすると、
図9(B)に示されるように、全区間の切替ボタン72が「ON」に変化し、有効化される。
【0064】
なお、何れか一の切替ボタン72が選択されており、その他、何れの切替ボタン72も選択されていない区間がある場合、設定部220はユーザによる決定ボタン74のタップを受け付けない。すなわち、出力部250による処理は実行されない。
【0065】
設定部220は、ユーザが決定ボタン74をタップすると、楽曲の各区間におけるキャラクタCHの歌割りの設定を実行部210に通知する。なお、設定部220は、ユーザが何れの切替ボタン72を選択しなかった場合、すなわち、歌割り画面54において、全ての切替ボタン72が「OFF」の場合、予め用意したデフォルトの設定を行う。
【0066】
次に、
図5のステップS30において、次の処理が実行される。まず、実行部210は、仮想空間VSにおいて複数のキャラクタCHが楽曲に係るライブを行うイベントを実行する。当該イベントは、設定部220が設定した条件に従って実行される。すなわち、実行部210は、各キャラクタCHがライブ衣装画面において設定された衣装をまとい、設定画面において設定された音量等で演奏される楽曲に合わせて、歌割り画面54において設定されたパート(区間)を歌うライブを実行する。
【0067】
なお、歌割り画面54において全ての切替ボタン72が「OFF」であって、設定部220がデフォルトの設定をしている場合、出力部250は、予め設定された態様の楽曲を出力する。例えば、デフォルトとして、AメロからCメロにかけて各キャラクタCHが順番に歌い、サビ1及びサビ2を全キャラクタCHが同時に歌う設定を設定部220が行っている場合、出力部250は切替ボタン72が「OFF」であっても設定されたデフォルトの態様に沿ってキャラクタCHの歌が合成された楽曲を出力する。
【0068】
また、実行部210がライブを実行している場合、出力部250は当該ライブにおけるライブ画像86をタッチパネル20Eに出力すると共に、ライブ音声をスピーカ20Fに出力する。ここで、タッチパネル20Eに出力されるライブ画像86は、仮想空間VSに設置された仮想カメラC1~C6の何れかにより撮像された画像である。また、スピーカ20Fに出力されるライブ音声は、実行部210においてキャラクタCHの歌が合成された楽曲に係る音声である。
【0069】
一方、実行部210がイベントを実行している期間中、受付部230は、アイコン80及びメインボタン82をタッチパネル20Eに表示させると共に、ユーザによるアイコン80及びメインボタン82に係る操作情報を受け付ける。ユーザが何れか一のアイコン80をタップした場合、受付部230は操作されたアイコン80に対応するキャラクタCHを仮想カメラVCが追従するキャラクタCHとして受け付け、切替部240に通知する。また、ユーザがメインボタン82をタップした場合、受付部230は仮想カメラVCが追従するキャラクタCHを特定しない非選択モードとして受け付け、切替部240に通知する。
【0070】
そして、受付部230から通知されたキャラクタCH又は非選択モードの情報に基づいて、切替部240は仮想カメラC1~C6を切り替える処理を実行する。例えば、
図10に示すアイコン80Cがタップされた場合、
図11に示されるように、切替部240はキャラクタ(C)CHCを含む全キャラクタCHを撮像する仮想カメラC1及びC6、並びにキャラクタ(C)CHCを中心に撮像する仮想カメラC2~C5を相互に切り替える。また例えば、
図10に示すメインボタン82がタップされた場合、切替部240は、予め定めた順番、又はランダムで
図11に示す仮想カメラC1~C6を切り替える。
【0071】
切替部240による仮想カメラC1~C6の切り替えに伴い、当該切り替えに係る情報を取得した実行部210は、切り替えられた仮想カメラC1~C6による撮像画像をライブ画像86として生成し、出力部250を介してタッチパネル20Eに出力する。
【0072】
(実施形態のまとめ)
本実施形態では、サーバ14からダウンロードしたゲームプログラム110により、音楽ゲームが実行される。当該音楽ゲームでは、楽曲を複数に分割した区間毎に歌を歌うキャラクタCHを割り当てる歌割りを設定することができ、仮想空間VSにおけるライブが再生されるライブ画面56において、主に画面に表示させたいキャラクタCHを設定することができる。
【0073】
(歌割りの作用効果)
本実施形態の音楽ゲームでは、歌割りにおいて、楽曲を分割した区間(パート)毎に複数のキャラクタCHからユーザが選択した一又は複数のキャラクタCHの歌が設定される。そして、選択された楽曲に対して、区間毎に設定されたキャラクタCHの歌が合成され、歌が合成された楽曲がスピーカ20Fに出力される。本実施形態によれば、ゲーム上で複数のキャラクタCHが歌唱する場合において、楽曲のパート毎に歌うキャラクタCHを変えることができ、音楽ゲームにおいて楽曲を再生する場合の単調さを抑制することができる。例えば、オリジナルの楽曲にはないソロパートやコーラスを実現できる。
【0074】
また、本実施形態では、タッチパネル20Eに対して複数のキャラクタCH毎に区間の設定可否を選択させる切替ボタン72を表示させ、ユーザによるスワイプ操作により選択された切替ボタン72と対応する区間におけるキャラクタCHの歌の設定を有効とする。そのため、本実施形態によれば、楽曲の各区間におけるユーザの選択をタッチパネル20Eに対するスワイプ操作で可能とすることで、歌割り画面54において素早い選択が可能である。
【0075】
また、本実施形態では、歌割り画面54において切替ボタン72と共に表示された一のキャラクタCHのアイコン70が選択されることにより、選択されたアイコン70に係るキャラクタCHに対して全ての区間の設定を有効とする。本実施形態によれば、キャラクタCHのアイコン70をタップすることで楽曲の全区間を一括で選択させることで、歌割り画面54において素早い選択が可能である。
【0076】
また、本実施形態では、歌割り画面54において、何れの切替ボタン72も選択されていない場合、出力部250において、予め設定された態様の楽曲が出力される。本実施形態によれば、予め設定された態様で楽曲を提供することができ、オリジナルの楽曲をユーザに提供することができる。
【0077】
また、本実施形態では、歌割り画面54において、何れか一の切替ボタン72が選択されており、かつ何れの切替ボタン72も選択されていない区間がある場合、ライブ画面56には遷移しない。そのため、本実施形態によれば、一部の区間に歌が割り付けられていない楽曲の再生を抑制することができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、歌割り画面54において表示された一の切替ボタン72が長押しされた場合、出力部250は楽曲の長押しされた区間をスピーカ20Fに出力する。本実施形態によれば、全区間に対してキャラクタCHが割り付けられた楽曲を再生する前に、切替ボタン72が長押しされた区間における試聴を可能とする。これにより、区間が楽曲のどの部分かユーザは把握することができる。
【0079】
なお、歌割り画面54において表示された一の切替ボタン72が長押しされた場合、出力部250は長押しされた区間においてキャラクタCHの歌が合成された楽曲をスピーカ20Fに出力してもよい。
【0080】
(ライブ画面の作用効果)
本実施形態の音楽ゲームでは、仮想空間VSにおいてライブ中のキャラクタCHを各仮想カメラVCで撮像した画像をタッチパネル20Eに表示させ、ユーザがタップやスワイプなどの操作をすることで、キャラクタCHを応援することを可能としている。
【0081】
スマートフォン12では、CPU20Aが複数のキャラクタCHからユーザにより選択されたキャラクタCHを受け付け、受け付けたキャラクタCHを追従して撮像するように、仮想カメラC1~C6を相互に切り替える。そして、CPU20Aは、切り替えた仮想カメラVCが撮像している撮像画像をタッチパネル20Eに出力することで、ライブの流れに合わせて選択したキャラクタCHを追従する画像がタッチパネル20Eに表示される。したがって、本実施形態によれば、ユーザが選択したキャラクタCHを実際のライブ映像のように複数のアングルから見せることができる。
【0082】
また、本実施形態の音楽ゲームでは、ライブ画面56においてメインボタン82をユーザが操作した場合、所定の態様で仮想カメラC1~C6が切り替えられた画像がタッチパネル20Eに対して出力される。ここで、「所定の態様」には、予め定められた順番、ランダムの態様、ゲーム中に発生するイベント、取得したポイント等が閾値を超えた場合などの態様がある。本実施形態によれば、ユーザが意図しない態様によりキャラクタCHを複数のアングルから見せることができる。
【0083】
さらに、本実施形態の音楽ゲームでは、楽曲の再生中はアイコン80及びメインボタン82の操作を有効化させて、ユーザが選択したいキャラクタCHを選択することを可能としている。そのため、本実施形態によれば、イベントの実行中にユーザが気変わりして他のキャラクタCHの画像を見たくなった場合には、当該他のキャラクタCHの画像に切り替えることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、ライブ画面56においてキャラクタCHを選択する際に一のアイコン80しか有効化できず、一のキャラクタCHしか追従することができない。しかし、これに限らず、複数のアイコン80を操作、有効化できてもよい。例えば、ユーザがアイコン80B及びアイコン80Dをタップした場合、キャラクタ(B)CHB及びキャラクタ(D)CHDの両方を追従するように仮想カメラC1~C6が切り替えて、キャラクタ(B)CHB及びキャラクタ(D)CHDの両方を常に含むライブ画像86を生成してもよい。また例えば、ユーザがアイコン80A及びアイコン80Eをタップした場合、ライブ画像86を2分割し、一方にキャラクタ(A)CHAを表示させ、他方にキャラクタ(E)CHEを表示させるように、それぞれ仮想カメラC1~C6を切り替えてもよい。
【0085】
(その他)
本実施形態のゲームプログラム110は、ROM20Bに予め記憶された態様で説明したが、これに限らず、ゲームプログラム110は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。
【0086】
本実施形態の音楽ゲームは、スマートフォン12において、ROM20Bに記憶されているゲームプログラム110がCPU20Aにおいて実行されることで、実現されるが、これに限らない。例えば、サーバ14として、ゲームプログラム110を実装したAPサーバ(Application Server)を設け、当該APサーバにおいて音楽ゲームを実現してもよい。
【0087】
本実施形態のゲームプログラム110がインストールされる情報処理装置は、スマートフォン12に限らず、タブレット、パーソナルコンピュータ等の装置を含む。すなわち、本実施形態の音楽ゲームは、タブレット、パーソナルコンピュータ等の装置においても実行可能である。
【符号の説明】
【0088】
12 スマートフォン(情報処理装置)
20E タッチパネル(表示部)
20F スピーカ
70 アイコン(全選択ボタン)
72 切替ボタン(選択ボタン)
110 ゲームプログラム
200 選択部
210 実行部(合成部)
220 設定部
230 受付部
240 切替部
250 出力部
CH キャラクタ
VC 仮想カメラ
VS 仮想空間