(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
A63F7/02 308L
A63F7/02 326C
A63F7/02 326G
A63F7/02 312A
A63F7/02 304D
(21)【出願番号】P 2020105244
(22)【出願日】2020-06-18
【審査請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 朋也
【審査官】下村 輝秋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-184009(JP,A)
【文献】特開2020-081467(JP,A)
【文献】特開2018-153203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体枠と、
前記本体枠を取り付け可能な外枠と、
遊技領域が形成された遊技盤と、
受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
前記受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルと、上方において前方に突出する意匠部と、を備え、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記遊技盤は、前記遊技領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路を備え、
前記遊技球通路の下面のうち、前記遊技球通路の上面の頂点の直下に位置する部分を通り、前記遊技球通路の上面の短手方向に延びる水平線を基準線とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部とすると、
前記第1意匠部は、前記基準線よりも上方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の半径以上となっており、
前記第2意匠部は、前記基準線よりも下方に位置
し、
前記第2の孔は、前記第1の孔よりも大きく、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さい、遊技機。
【請求項2】
本体枠と、
前記本体枠を取り付け可能な外枠と、
遊技領域が形成された遊技盤と、
上皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
下皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルと、上方において前方に突出する意匠部と、を備え、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記遊技盤は、前記遊技領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路を備え、
前記遊技球通路の下面のうち、前記遊技球通路の上面の頂点の直下に位置する部分を通り、前記遊技球通路の上面の短手方向に延びる水平線を基準線とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部とすると、
前記第1意匠部は、前記基準線よりも上方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の半径以上となっており、
前記第2意匠部は、前記基準線よりも下方に位置し、
前記第2の孔は、前記第1の孔よりも大きく、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さい、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技媒体(遊技球)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0003】
このような遊技機は、発射装置から発射された遊技球が移動する遊技領域を形成する遊技盤を備えている。遊技領域に導かれた遊技球は、釘や風車に衝突しながら落下するようになっている。また、このような遊技機は、ハンドルを備え、ハンドルの操作に応じた強さで発射装置から遊技球が発射され、遊技領域に導かれるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遊技機では、部品が故障する可能性を低減することが求められている。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、部品が故障する可能性が低減された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、
本体枠と、前記本体枠を取り付け可能な外枠と、遊技領域が形成された遊技盤と、を備えた遊技機であって、
前記本体枠は、回転操作が可能に形成されたハンドルと、上方において前方に突出する意匠部と、を備え、
前記ハンドルは、径方向外側に向かって突出する指掛部を備え、
前記ハンドルは、初期位置から最大回転位置まで回転可能であり、
前記初期位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記最大回転位置において、前記指掛部が前記本体枠の右側の縁よりも右に突出せず、
前記遊技盤は、前記遊技領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路を備え、
前記遊技球通路の下面のうち、前記遊技球通路の上面の頂点の直下に位置する部分を通り、前記遊技球通路の上面の短手方向に延びる水平線を基準線とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部とすると、
前記第1意匠部は、前記基準線よりも上方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の半径以上となっており、
前記第2意匠部は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の直径以上となっていることを特徴とする。
【0008】
このような構成によれば、本体枠を箱などに入れた場合であっても、指掛部が箱などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。また、このような構成によれば、第2意匠部は、基準線よりも下方に位置するとともに、基準線からの距離が遊技球の直径以上となるので、意匠部を大型化することができる。また、このように意匠部を大型化しつつも、基準線と第1意匠部との間隔を遊技球の半径以上としたことにより、遊技球が弱く打ち出された場合(遊技球通路の下面に沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。本実施形態に係る遊技機は、遊技球の視認性が確保できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遊技機によれば、部品が故障する可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、扉が開放された状態を示す斜視図である。
【
図5】同、ハンドルを示すものであって、(a)は前方側から見た斜視図であり、(b)は後方側から見た斜視図である。
【
図6】同、ハンドルユニットをハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【
図7】同、扉ユニットの一部を正面側から見た図である。
【
図8】同、扉ユニットの一部を正面側から見た図である。
【
図9】同、扉ユニットの一部を示すものであって、ハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【
図10】同、ハンドルを前方側から見た斜視図であり、フェイスカバーを取り外した状態である。
【
図11】同、ハンドルの操作トルクおよび操作角度を示す図(その1)である。
【
図12】同、ハンドルの操作トルクを示すグラフ(その1)である。
【
図13】同、ハンドルの操作トルクおよび操作角度を示す図(その2)である。
【
図14】同、ハンドルの操作トルクを示すグラフ(その2)である。
【
図15】同、前枠および内枠を正面側から見た斜視図である。
【
図16】同、前枠および内枠をハンドルの軸方向前方側から見た図である。
【
図17】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図20】同、受皿ユニットを背面側から見た図である。
【
図21】同、下流側球抜きユニットの分解斜視図である。
【
図22】同、下流側球抜き孔の閉状態を説明するための図である。
【
図23】同、下流側球抜き孔の開状態を説明するための図である。
【
図24】同、上流側球抜きユニットの分解斜視図である。
【
図25】同、上流側球抜き孔の閉状態を説明するための図である。
【
図26】同、上流側球抜き孔の開状態を説明するための図である。
【
図27】同、上流側球抜きボタンを遊技球の直径未満の所定量操作したときの上流側球抜き孔の状態を説明するための図である。
【
図28】同、遊技機の下部を下側から見た図である。
【
図29】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その正面図である。
【
図32】同、外レールとレールベースと遊技盤とを示す分解斜視図である。
【
図34】同、レールベースおよび外レールを背面側から見た図であって、その全体図と一部拡大図である。
【
図35】同、レールベースおよび外レールの右上部を背面側から見た斜視図である。
【
図36】同、レールベースおよび外レールの左下部を背面側から見た斜視図である。
【
図37】同、遊技球と、孔との関係について説明するための概略断面図である。
【
図38】同、外レールと遊技盤とを正面から見た図であり、外レールの孔の位置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0012】
図1は、遊技機100の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。
遊技機100(パチンコ遊技機100)は、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けて遊技機100による遊技を行う。なお、遊技機100における遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。
【0013】
遊技機100は、略矩形枠状(縦長の矩形枠状)に形成された外枠102と、外枠102にヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた内枠104(中枠)と、内枠104に、ヒンジ機構を介して開閉自在に取り付けられた前枠300と、を備えている。内枠104は、外枠102と同様に、略矩形枠状に形成されている。内枠104は、遊技盤108(遊技盤ユニット)を保持している。具体的には、遊技盤ユニットは、前枠300を前方へ開放した状態で内枠104(内枠アセンブリ)に対して着脱可能となっている。
【0014】
前枠300には、ガラスユニット110(透過板)が取り付けられている。具体的には、前枠300の中央部には窓が形成されており、その窓にガラスユニット110が取り付けられている。ガラスユニット110は、例えば窓の形状に合わせてカットされた2枚の透明板(ガラス板)を組み合わせたものである。なお、本実施形態では、ガラスユニット110を用いるものとするが、樹脂製であってもよい。
【0015】
ここで、前枠300と内枠104とを備える構成を「本体枠」とする。本体枠は、外枠102に対して着脱可能(開閉自在)となっている。本体枠を外枠102に対して閉じると、遊技盤108とガラスユニット110とが所定の間隔(隙間)を介して略平行に対面するようになっている。このとき、遊技機100の正面側から、ガラスユニット110を介して遊技盤108が視認可能となる。
【0016】
なお、前枠300という場合、略矩形状を有する枠部材(後述する扉ベース310)のみを指してもよく、当該枠部材と当該枠部材に取り付けられたすべての部材(意匠部材等を含む)とが一体となったユニット全体を指してもよい。
【0017】
また、遊技機100は、遊技の進行中等に演出を行う演出装置を備えている。演出装置としては、液晶表示装置からなる演出表示装置114、可動装置からなる演出役物装置116、スピーカからなる音声出力装置118(
図3参照)、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置120、および、操作を受け付ける演出操作装置208(
図3参照)等がある。演出表示装置114、演出役物装置116、音声出力装置118、演出照明装置120、および演出操作装置208は、内枠104内に設けられた制御基板の制御に基づいて、所定の演出を実行する。
【0018】
遊技盤108には、厚さ方向(遊技機100の前後方向)に貫通する貫通孔108a(
図2参照)が形成されている。遊技盤108の背面には、演出表示装置114が設けられている。演出表示装置114は、画像を表示する画像表示部を備えている。画像表示部は、内枠104内に配置され、貫通孔108aを介して露出しており、正面側から、画像表示部に表示される画像を視認できるようになっている。
【0019】
演出役物装置116は、内枠104内において演出表示装置114よりも前面に配置され、通常、遊技盤108の背面側に退避しているが、遊技の進行中などに、演出表示装置114の前面まで可動して、遊技者に大当たりの期待感を付与する。
【0020】
演出照明装置120は、前枠300に設けられており、例えば、ガラスユニット110を囲むように複数設けられている。演出照明装置120は、LED等を備え、例えば演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0021】
図3に示すように、音声出力装置118は、外枠102に設けられている。音声出力装置118は、演出表示装置114に表示される画像等に合わせて、遊技機100の正面側に向けて音、音声、BGM等を出力する。下方に位置する外枠102は所定の幅を有しており、音声出力装置118(スピーカ)は、外枠102の構成部品となっている。
【0022】
図3は、遊技機100を正面側(前方)から見た概略図である。演出操作装置208(演出操作ユニット208)は、演出に関する操作(所定の操作)を受け付け可能に構成された演出操作部を備えている。演出操作部が操作されると、演出内容(演出表示装置の表示)が切り替わったり、所定の演出が発生するようになっている。遊技機100を正面側から見た右側には、鍵部209(シリンダ)が設けられている。所定の鍵を鍵部209に差し込んで反時計回りに回転させる(捻る)と、前枠300を前方側に開放させることができ、時計回りに回転させる(捻る)と、前枠300および内枠104(すなわち本体枠)を前方側に開放させることができる。
【0023】
図2は、遊技盤108を正面側から見た図である。遊技盤(遊技板)108は、例えば透明な合成樹脂(例えばアクリル)で形成されている。遊技盤108には、略円形状の外レール114bと、外レール114bに沿うように円弧状に形成された内レール114aと、が設けられている。発射機構(発射装置)(図示せず)から発射された遊技球は、内レール114aと外レール114bとの間を上昇して、遊技領域116に導かれる。遊技領域116(盤面)は、遊技盤108とガラスユニット110との間に形成される空間であって、遊技球が移動(流下、転動)可能な領域となっている。遊技盤108には、多数の遊技釘や風車が設けられており、遊技領域116に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に移動(流下、転動)するようにしている。
【0024】
外レール114bは、遊技盤108の下方から左上方に向けて時計回り方向に延びているとともに、遊技盤108の鉛直方向(上下方向)の略中央から右上方に向けて時計回り方向に延びている。外レール114bは、遊技盤108における下部から上部に亘って湾曲して延在しており、遊技領域116を囲繞形成している。すなわち、外レール114bに囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域116となっている。また、内レール114aは、遊技盤108における左側であって、遊技領域116における外レール114bよりも内側に設けられている。
【0025】
遊技領域116は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にし、遊技球の打ち分けが可能な第1遊技領域116aおよび第2遊技領域116bを含む。第1遊技領域116aは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の左側に位置し、第2遊技領域116bは、遊技機100に正対した遊技者から見て遊技領域116の右側に位置している。外レール114bおよび内レール114aが、遊技領域116の左側にあることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第1遊技領域116a(左打ち領域)に進入し、発射機構によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は第2遊技領域116b(右打ち領域)に進入することとなる。操作ハンドル340を操作して遊技球を第1遊技領域116aに打ち込むことを、左打ちを実行するといい、操作ハンドル340を操作して遊技球を第2遊技領域116bに打ち込むことを、右打ちを実行するという。
【0026】
また、遊技領域116には、遊技球が入球可能な一般入賞口118および始動入賞口120(始動口)が設けられている。一般入賞口118および始動入賞口120に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球(入賞により獲得した遊技球)が遊技者に払い出される。なお、賞球数は1個以上であれば何個でもよい。また、一般入賞口118、始動入賞口120のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。
【0027】
始動入賞口120は、遊技領域116における下側の中央(左右方向中央)に設けられている。具体的な説明を省略するが、始動入賞口120に遊技球が入球すると、所定の遊技利益を付与するか否かを決定する大役抽選が行われ、大役抽選で大当たりに当選すると大役遊技が実行される。大役遊技は、複数回のラウンド遊技で構成されており、各ラウンド遊技中は、大入賞口が開放される。大入賞口は、第2遊技領域116bに設けられている。各ラウンド遊技は、その開始から所定時間が経過するか、もしくは、予め設定された上限数の遊技球が大入賞口に入球すると終了する。大入賞口に遊技球が入球すると、所定数の賞球が遊技者に払い出されることから、大役遊技の実行により、遊技者は多量の賞球を獲得することができる。
【0028】
遊技領域116の最下部にはアウト口122(排出口)が設けられている。一般入賞口118、始動入賞口120、および大入賞口のいずれにも入球しなかった遊技球は、アウト口122を介して遊技領域116から遊技盤108の背面側に排出される。
【0029】
また、遊技領域116には、左打ち領域116aと右打ち領域116bとを繋ぐ上部通路114cが含まれている。この上部通路114cは、貫通孔108aの上方に設けられている。
【0030】
本実施形態に係る遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0031】
メイン基板は、入力手段(各種センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(払出装置等)の動作制御を行う。
【0032】
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、後述する演出操作装置208に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置の動作制御を行う。
【0033】
次に、扉ユニット300の詳細について説明する。
図4は、扉ユニット300の分解斜視図である。扉ユニット300は、板状の扉ベース310、受皿ユニット320、およびハンドルユニット330等を備えている。なお、扉ベース310の背面側には、ガラスユニット110(
図1参照)を取り付けることが可能となっている。
【0034】
受皿ユニット320は、前方側へ突出した形状を有し、受皿を備えている。受皿は、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)を貯留可能に形成されている。受皿ユニット320は、扉ベース310の前面側の下方に取り付けられる(組み付けられる)。受皿ユニット320は、扉ベース310の後方側からのネジ締めにより、扉ベース310に固定される。なお、受皿ユニット320の中央には、凹部が設けられており、この凹部に
図3で示した演出操作ユニット208が取り付けられるようになっている。
【0035】
ハンドルユニット330は、前方側へ突出するように設けられたハンドル340と、ハンドルベース350と、を備えている。ハンドル340は、回転操作可能に形成されている。ハンドル340を回転させ発射操作が行われると、ハンドル340の回転角度(操作角度)(回転量)(回転操作量)に応じた強度(射出力)(勢い)で発射機構(発射装置)から遊技球が発射されるようになっている。ハンドルユニット330は、扉ベース310における右下部(前枠における右下部)(受け皿ユニット320の右下)に取り付けられる(組み付けられる)。ハンドルユニット330は、扉ベース310の後方側からのネジ締めにより、扉ベース310に固定される。
【0036】
図4に示すように、本実施形態では、受皿ユニット320と、ハンドルユニット330とを、個別に(別々に)扉ベース310に固定することができるようになっている。このため、例えば、受皿ユニット320を扉ベース310に固定したまま、ハンドルユニット330を扉ベース310から取り外したり、ハンドルユニット330を扉ベース310に固定したまま、受皿ユニット320を扉ベース310から取り外すことができる。すなわち、受皿ユニット320またはハンドルユニット330のいずれか一方のみを取り外し、点検、交換等の作業を行うことができる。これにより、柔軟に作業を行うことができ、作業の効率を向上させることができる。なお、本実施形態では、受皿ユニット320を扉ベース310から取り外さずに、演出ユニット208だけを着脱することが可能となっている。
【0037】
また、ハンドルユニット330は、ハンドル340と、ハンドルベース350とが、それぞれ別々に扉ベース310にネジ締め固定されている。このため、ハンドルベース350を扉ベース310に固定したまま、ハンドル340だけを扉ベース310から取り外すことができる。ハンドル340は、ハンドルベース350に比べて交換頻度が多い部品である。ハンドル340だけを交換可能とすることで、交換にかかる費用を抑えることができる。なお、ハンドル340の固定に用いるネジと、ハンドルベース350の固定に用いるネジとで、ネジの色を変えてもよい。例えば、ハンドル340の固定に用いるネジを赤色とする。このようにネジの色を変えることで、作業者がどのネジを外せばよいか容易に理解でき、ミスを防ぐとともに作業の効率を向上させることができる。また、ハンドル340用のネジ孔(ネジ穴)の近傍に例えば「H」という識別文字を付してもよい。
【0038】
扉ベース310から部品を取り外すときは、まず、受皿ユニット320を取り外し、次いで、ハンドル340を取り外し、次いで、ハンドルベース350を取り外す。なお、ハンドル340およびハンドルベース350は、同時に取り外すこととしてもよい。
【0039】
(ハンドル340)
図5(a)は、ハンドル340を前方側から見た斜視図であり、
図5(b)は、ハンドル340を後方側から見た斜視図である。ハンドル340は、本体部341、ハンドルリング342(ハンドル)、発射停止ボタン343、およびカバー344等を備えている。本体部341は、取付相手部材としての扉ベース310に固定され、ハンドルリング342を回転可能に支持する。ハンドルリング342は、本体部341の周囲を、初期位置から最大回転位置までの所定の回転量(所定の操作角度)の範囲内で、回転可能となっている。最大回転位置とは、初期位置に対する回転量が最大となる位置である。最大回転位置とは、ハンドルリング342の所定の部位がメカエンド(ストッパー)に当接(接触)した瞬間の位置であって、当接した後にさらに力を加えて、ハンドルリング342の所定の部位をメカエンドに圧接させ、荷重(反力)が急激に増加する位置は含まない。発射停止ボタン343は、押下操作が可能となっており、ハンドルリング342を所定の回転量だけ回転させている状態で、遊技球の発射を停止可能とするために設けられている。また、カバー344(フェイスカバー)は、ハンドルリング342よりも前方側を覆うために設けられている。
【0040】
図6は、ハンドルユニット330を、ハンドル340の軸方向前方側から見た図である。ここで、
図6に示すように、ハンドル340の中心(回転軸)を中心P(回転軸P)とする。
図6は、ハンドルリング342が初期位置にある状態を示している。ハンドルリング342は、正面から見て、中心Pを回転軸として、反時計回り方向に弾性部材(リングバネ、スプリング:図示せず)によって付勢されている。したがって、ハンドルリング342を初期位置から時計回り方向に回転させる際には、弾性部材の付勢力に抗して操作をする(力を加える)必要がある。また、ハンドルリング342を時計回り方向に所定の回転量だけ回転させている状態で操作を解除すると(力を加えるのをやめると)、弾性部材の付勢力によってハンドルリング342が初期位置に復帰(自動復帰)するようになっている。
【0041】
(ハンドルリング342)
ハンドルリング342は、リング部350a、第1指掛部351、第2指掛部352、および第3指掛部353を備えている。第1指掛部351~第3指掛部353は、環状のリング部350aの外周面に、周方向に沿って、リング部350aの外周面から径方向外側に向かって突出するように形成されている。第1指掛部351~第3指掛部353は、正面から見ると、略三角形状(山なり状)となっている。第1指掛部351~第3指掛部353を、それぞれの先端が上側となるようにして見た場合、左側の斜面の方が右側の斜面よりも傾斜の大きい斜面(傾きの急な斜面)となっている。左側の斜面が右側の斜面よりも急な斜面となっているため、指を引っ掛けやすくなっている。
【0042】
仮に第1指掛部351~第3指掛部353が設けられていない場合、リング部350aの外周面を握って回転操作をしなければならないこととなるが、第1指掛部351~第3指掛部353が設けられている場合には、指を引っ掛けて回転操作を行うことができる。このため、遊技者は、より容易に回転操作を行うことができる。これにより、遊技者の負担を軽減できる。
【0043】
扉ユニット300は、扉ユニット300単体で扱われることのある構成部品である。すなわち、扉ユニット300だけを着脱(交換)するという作業や、扉ユニット300だけを輸送するという作業が行われる構成部品である。したがって、扉ユニット300だけを床などの面に置くという状況や、扉ユニット300だけを箱等の梱包部材に入れるという状況が発生し得る。
【0044】
図7は、扉ユニット300を正面から見た図である。
図7に示すように、扉ユニット300(前枠300)の下側の縁を下縁S1とする。下縁S1は、前枠300の下側の最外形を構成している。仮に、第1指掛部351~第3指掛部353のすべてまたは一部が下縁S1よりも下(下方)に突出している場合、前枠300を床などに置いた際に床と接触し、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損するおそれがある。
【0045】
(初期位置:下方)
図7は、ハンドルリング342が初期位置にある状態を示している。初期位置では、第1指掛部351の先端部が左上側を向いている。第2指掛部352の先端部が上側を向いている。第3指掛部353の先端部が右上側を向いている。本実施形態では、初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。このため、前枠300を床などに置いた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0046】
(最大回転位置:下方)
図8は、扉ユニット300を正面から見た図であり、ハンドルリング342が最大回転位置にある状態を示している。最大回転位置とは、ハンドルリング342の初期位置からの回転量(操作量)が最大となる位置である。最大回転位置では、第1指掛部351の先端部が上側を向いている。第2指掛部352の先端部が右側を向いている。第3指掛部353の先端部が下側を向いている。本実施形態では、最大回転位置において、第3指掛部353の先端部が最も下縁S1に接近している。
【0047】
本実施形態では、最大回転位置においても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。このため、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を床などに置いた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0048】
本実施形態では、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の下縁S1よりも下方に突出していない。なお、本実施形態では、最大回転位置において、第3指掛部353の先端部が最も下縁S1に接近しているものとした。ただし、いずれかの指掛部の先端部が最も下縁S1に接近するのは、最大回転位置でなくてもよい。つまり、いずれかの指掛部の先端部が最も下縁S1に接近する位置を所定の回転位置とすると、所定の回転位置において、すべての指掛部が下縁S1よりも下方に突出しないようになっていればよい。
【0049】
図7に戻る。扉ユニット300(前枠300)の右側の縁を右縁T1とする。右縁T1は、前枠300の右側の最外形を構成している。仮に、第1指掛部351~第3指掛部353のすべてまたは一部が右縁T1よりも右側(右方)に突出している場合、前枠300を箱などに入れた際に箱と接触し、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損するおそれがある。
【0050】
(初期位置:右側)
本実施形態では、初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の右縁T1よりも右側(右方)に突出していない。このため、前枠300を箱などに入れた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が箱などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0051】
(最大回転位置:右側)
図8に示すように、最大回転位置において、第2指掛部352の先端部が最も右縁T1に接近している。本実施形態では、最大回転位置においても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠300の右縁T1よりも右側に突出していない。このため、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を箱などに入れた場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が箱などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0052】
本実施形態では、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353が、前枠300の右縁T1よりも右側に突出していない。なお、本実施形態では、最大回転位置において、第2指掛部352の先端部が最も右縁T1に接近しているものとした。ただし、いずれかの指掛部の先端部が最も右縁T1に接近するのが、最大回転位置でなくてもよい。つまり、いずれかの指掛部の先端部が最も右縁T1に接近する位置を所定の回転位置とすると、所定の回転位置において、すべての指掛部が右縁T1よりも右側に突出しないようになっていればよい。
【0053】
図9は、前枠300の右下部を、ハンドル340の回転軸方向前方側から見た図である。(1)ハンドル340の中心Pから第1指掛部351の先端部までの長さ(距離)(寸法)D1は、53.4mmとなっている。(2)ハンドル340の中心Pから第2指掛部352の先端部までの長さD2は、45.6mmとなっている。(3)ハンドル340の中心Pから第3指掛部353の先端部までの長さD3は、39.3mmとなっている。(4)ハンドル340の中心Pからハンドルリング342の外周面までの長さEは、34.6mmとなっている。すなわち、ハンドルリング342の指掛部が設けられていない箇所の半径Eは、34.6mmとなっている。(5)ハンドル340の中心Pから扉ユニット300の下縁S1までの長さFは、40.0mmとなっている。(6)ハンドル340の中心Pから扉ユニット300の右縁T1のまでの長さGは、49.1mmとなっている。
【0054】
本実施形態では、ハンドルユニット330が、前枠300の右下部に設けられているものを示したが、ハンドルユニット330は、内枠104の右下部に設けられていてもよい。
図15は、ハンドルユニット330が内枠104の右下部に取り付けられた状態を示す右側面図である。また、
図16は、当該状態の右下部を、ハンドル340の回転軸方向前方側から見た図である。
図15および
図16は、前枠300と内枠104とが一体となった状態を示しているともいえる。ここで、前枠300および内枠104(すなわち本体枠)の下側の縁を下縁S2とする。下縁S2は、本体枠の下側の最外形を構成している。また、本対枠の右側の縁を右縁S2とする。右縁S2は、本体枠の右側の最外形を構成している。
【0055】
初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。また、最大回転位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。また、ハンドルリング342が、いかなる回転位置であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりも下方に突出していない。
このため、本体枠を床などに置いた場合であっても、指掛部が床などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
なお、本体枠の下側の縁(下縁)という場合に、前枠300の下側の縁や内枠104の下側の縁よりも受皿ユニット320(受皿)の下側の縁(底面)が下方に位置している場合には、当該受皿ユニット320の下側の縁(底面)を本体枠の下側の縁としてもよい。
【0056】
初期位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。また、最大回転位置において、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。また、ハンドルリング342が、いかなる回転位置であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の右縁T2よりも右方に突出していない。
このため、本体枠を箱などに入れた場合であっても、指掛部が箱などに接触せず、ハンドルが破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0057】
図16に示すように、D1、D2、D3、およびEは
図9と同一であるが、ハンドル340の中心Pから本体枠の下縁S2までの長さFは、45.0mmとなっている。また、ハンドル340の中心Pから本体枠の右縁T2のまでの長さGは、51.1mmとなっている。
【0058】
上記では、内枠104の下縁の位置が、前枠300の下縁の位置よりも下方に位置する(突出する)ものとしたが、前枠300の下縁の位置と、内枠104の下縁の位置とは、略同一となっていてもよい。また、前枠300の下縁の位置が、内枠104の下縁の位置よりも下方に位置していてもよい。
【0059】
図9に示す状態でも
図16に示す状態でも、長さD3は、長さFよりも小さくなっている。よって、最大回転位置(
図8に示す状態)まで回転させた場合であっても、第3指掛部353が下縁S1,S2よりも下方に突出することはない。
【0060】
長さD2は、長さGよりも小さくなっている。よって、最大回転位置(
図8に示す状態)まで回転させた場合であっても、第2指掛部352が右縁T1,T2よりも右側に突出することはない。
【0061】
一方、長さD1は、長さFよりも大きくなっている。よって、仮にハンドルリング342を、第1指掛部351が下方となる位置(第1指掛部351の先端部が下方を向く位置)まで回転させた場合、第1指掛部351が下縁S1,S2よりも下方に突出することとなる。しかし、本実施形態では、第1指掛部351が下方となる位置までハンドルリング342が回転しないようになっている。よって、第1指掛部351が下縁S1,S2よりも下方に突出することはない。
【0062】
また、長さD1は、長さGよりも大きくなっている。よって、仮にハンドルリング342を、第1指掛部351が右側となる位置(第1指掛部351の先端部が右側を向く位置)まで回転させた場合、第1指掛部351が右縁T1,T2よりも右側に突出することとなる。しかし、本実施形態では、第1指掛部351が右側となる位置までハンドルリング342が回転しないようになっている。よって、第1指掛部351が右縁T1,T2よりも右側に突出することはない。
【0063】
このように第1指掛部351は、その先端部が下方(下側)を向く位置や、その先端部が右側を向く位置まで回転しないようになっている。よって、長さD1を長さD2および長さD3よりも大きくすることができる。長さD1を大きくすることで指をより引っ掛けやすくなるという効果が得られる。なお、本実施形態では、長さD1は長さD2よりも大きく、長さD2は長さD3よりも大きくなっている。
【0064】
なお、本実施形態では、ハンドルリング342に設けられている指掛部の数を3つとしたが、指掛部の数はこれに限られるものではなく、少なくとも1つ以上設けられていればよい。また、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)は、第1指掛部351に限らず、他の指掛部であってもよい。突出量とは、径方向外側への突出量であり、例えばハンドルリング342における指掛部が設けられていない箇所(リング部350a)からの指掛部の突出量である。
【0065】
上記のように、指掛部は、初期位置および最大回転位置において、本体枠の下縁S2よりも下よりも下に突出せず、本体枠の右縁T2よりも右に突出していない。また、初期位置および最大回転位置において、指掛部が、本体枠の下縁S2よりも下に突出しておらず、最大回転位置において、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)が、先端部が下(真下)を向く位置(先端部が本体枠の下縁S2に最も接近する位置)に存在しないようにしてもよい。換言すると、ハンドルリング342が初期位置から最大回転位置まで回転すると、最大指掛部の先端部は、弧を描く回転軌道の上を移動するが、最大回転位置において、最大指掛部の先端部は、当該先端部の回転軌道における最下点に位置していない。その場合、最大指掛部は、本体枠の下縁S2に最も接近する位置まで回転し、さらにその位置を超えて、本体枠の下縁S2から離れた位置まで回転するようにしてもよい。また、初期位置および最大回転位置において、指掛部が、本体枠の右縁T2よりも右に突出しておらず、最大回転位置において、最も突出量の大きい指掛部(最大指掛部)が、先端部が右(真右)を向く位置(先端部が本体枠の右縁T2に最も接近する位置)に存在しないようにしてもよい。換言すると、ハンドルリング342が初期位置から最大回転位置まで回転すると、最大指掛部の先端部は、弧を描く回転軌道の上を移動するが、最大回転位置において、最大指掛部の先端部は、当該先端部の回転軌道における最も右側の点に位置していない。その場合、最大指掛部は、本体枠の右縁T2に最も接近する位置まで回転し、さらにその位置を超えて、本体枠の右縁T2から離れた位置まで回転するようにしてもよい。
【0066】
図4で示した受皿ユニット320の底面(下面)およびハンドルユニット330の底面(下面)に、後方側から前方側(手前側)に向かうにつれて上方に緩やかに傾斜するテーパー面(抜き勾配)が設けられている。これを「前枠下部の傾斜面」という。前枠下部の傾斜面が設けられている場合、前枠300を床などの面に置いた際に、前枠下部の傾斜面が床などの面に接触することがある。すなわち、前枠300を例えば床に置いた場合に、前枠下部の傾斜面が床と接触し、前枠300が水平面に垂直な方向に対して、僅かに前方側に傾いた姿勢(前傾姿勢)となることがある。この姿勢では、ハンドルリング342(ハンドル340)がより床と接近する。
【0067】
ハンドルリング342が初期位置にある場合、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。この場合、前枠300を床などに置き、仮に前枠下部の傾斜面が床などと接触した場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0068】
ハンドルリング342が最大回転位置にある場合、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。この場合、ハンドルリング342が最大回転位置となっている状態で、前枠300を床などに置き、仮に前枠下部の傾斜面が床などと接触した場合であっても、第1指掛部351~第3指掛部353が床などに接触せず、ハンドルリング342(ハンドル340)が破損することはない。このため、部品が破損するリスクを低減できる。
【0069】
また、ハンドルリング342がどの回転位置(いかなる回転位置)であっても、ハンドルリング342の第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出しないようにしてもよい。
【0070】
なお、初期位置や最大回転位置を含む所定の回転位置において、第1指掛部351~第3指掛部353の少なくとも一部が、前枠下部の傾斜面よりも下方に突出するようにしてもよい。その場合でも、第1指掛部351~第3指掛部353のいずれもが、本体枠の下縁S2よりは下方に突出していないようにする。このように構成することで、部品が破損するリスクを低減できる。
【0071】
次にハンドル340の操作トルクおよび操作角度について説明する。
図10に示すように、ハンドル340の内部には、弾性部材Zとしてのバネ(スプリング)が配置されている。ハンドルリング342は時計回り方向に、バネの付勢力に抗して操作(回転操作)することができるようになっている。また、ハンドルリング342を、所定の量(角度)だけ回転させた状態で操作を解除すると、スプリングの付勢力(反力)によってハンドルリング342が初期位置に自動復帰するようになっている。
【0072】
(初動)
ここで、ハンドルリング342の回転の開始(初動)(始動)(初期位置からの回転)に必要な操作トルクを第1操作トルク(初動トルク)とする。
(左打ち)
左打ち時に、遊技領域116における、発射口117(
図2参照)を通過した遊技球を着弾させる目標位置を左打ちの目標位置(目標領域)とする。なお、左打ちの目標領域(ターゲット領域)は、いわゆるブッコミ(ぶっこみ)と呼ばれる領域である。ターゲット領域は、通常遊技状態の時に、遊技者がその領域を狙って遊技球を打ち込むことが最も各種入賞装置(入賞口)への入球率が高いと言われる理想的な領域である。
また、遊技球を左打ちの目標位置に着弾させることが可能な、ハンドルリング342の位置(回転位置)を、左打ち基準位置とする。また、ハンドルリング342の初期位置から左打ち基準位置までの回転に必要な操作トルクを第2操作トルクとする。また、ハンドルリング342の初期位置から左打ち基準位置までの操作角度(操作角)を第1操作角度とする。
【0073】
(右打ち)
右打ち時におけるハンドルリング342の位置(回転位置)を、右打ち基準位置(最大回転位置)とする。また、ハンドルリング342の初期位置から最大回転位置までの回転に必要な操作トルクを第3操作トルクとする。また、ハンドルリング342の初期位置から最大回転位置までの操作角度(操作角)を第2操作角度とする。第2操作角度は、フルストロークである。
【0074】
(実施例1)
図11に示すように、本実施形態に係る遊技機では、第1操作トルクは6.8[N・mm]となっている。また、第2操作トルクは13.6[N・mm]となっている。また、第3操作トルクは23.8[N・mm]となっている。本実施形態では、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きく、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくなっている。なお、比較例として示すハンドルでは、第1操作トルクは31[N・mm]、第2操作トルクは69[N・mm]、第3操作トルクは152[N・mm]となっている。
図12は、それらの関係をグラフで示したものである。
【0075】
第1操作トルク、第2操作トルクおよび第3操作トルクがいずれも比較的小さい値となっている。このため、遊技者は、より少ない力でハンドルリング342を回転させることができる。すなわち、遊技者は、ハンドルリング342の操作を軽いと感じることができる。これにより、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。また、ハンドルリング342は自動復帰する際、ストッパー(図示せず)に当接して回転が停止するようになっているが、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、自動復帰した際にストッパーに加わる衝撃が小さくなる。このため、ストッパーの消耗(摩耗)を抑制し、操作頻度の多い部品であるハンドル340の故障リスクを低減できる。すなわち、ハンドル340の耐久性を向上させることができる。
【0076】
また、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、ハンドルリング342と本体部341(
図5参照)との間に作用する摩擦の力を小さくすることができる。このため、当該摩擦の力が大きいことに起因する摩耗を押さえることができ、部品の耐久性を向上させることができる。
【0077】
本実施形態では特に、第1操作トルクが6.8[N・mm]であり、10[N・mm]を下回る値となっている。このように第1操作トルクが小さくなっているため、ハンドルリング342の初動に必要な力が小さく、より少ない力でハンドルリング342の回転を開始させることができる。なお、スプリングの付勢力(反力)をより小さくし、第1操作トルクを6.8[N・mm]未満とすると、ハンドルリング342と本体部341との間などに作用する摩擦の力によって、ハンドルリング342が初期位置まで戻らなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、第1操作トルクを、初期位置に自動復帰することができる最小限のトルクとしている。よって、初動を軽くしつつ自動復帰を可能とするためには、第1操作トルクを6.8[N・m]以上とすることが好ましい。
【0078】
また、本実施形態では、第3操作トルクは第2操作トルクよりも大きくなっているが、第3操作トルクの値(23.8[N・mm])は、第2操作トルクの値を2倍した値(27.2[N・mm])以下となっている。比較例のように第3操作トルクの値(152[N・mm])が、第2操作トルクの値を2倍した値(138[N・mm])よりも大きくなっている場合、左打ち基準位置から最大回転位置(右打ち基準位置)までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、左打ち基準位置から最大回転位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本実施形態では、第3操作トルクの値が、第2操作トルクを2倍した値以下となっており、第2操作トルクと第3操作トルクの差が小さくなっているため、左打ち基準位置から最大回転位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第2操作トルクと第3操作トルクとの差が小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。
【0079】
また、本実施形態では、第2操作トルクは第1操作トルクよりも大きくなっているが、第2操作トルクの値(13.6[N・mm])は、第1操作トルクの値を2倍した値(13.6[N・mm])以下となっている。比較例のように第2操作トルクの値(69[N・mm])が、第1操作トルクを2倍した値(62[N・mm])よりも大きくなっている場合、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、初期位置から左打ち基準位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本実施形態では、第2操作トルクの値が、第1操作トルクを2倍した値以下となっており、第1操作トルクと第2操作トルクとの差が小さくなっているため、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第1操作トルクと第2操作トルクとの差を小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0080】
また、
図11に示すように、第1操作トルクと第2操作トルクとの差(変位量)を増加量Aとする。本実施形態では、増加量Aは、6.8[N・mm]となっている。また、第2操作トルクと第3操作トルクとの差(変位量)を増加量Bとする。本実施形態では、増加量Bは、10.2[N・mm]となっている。本実施形態では、増加量Aを2倍した値(13.6)が増加量B(10.2)よりも大きくなっている(2A>B)。換言すると、増加量Bは増加量Aを2倍した値以下となっている。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合であっても、後者の増加量が前者の増加量に比べて極端に大きくはなっていない。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が小さく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じることがないため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚えることがない。これにより、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
【0081】
一方、比較例では、増加量Aは、38[N・mm]となっており、増加量Bは、83[N・mm]となっている。増加量Bは、増加量Aを2倍した値よりも大きい。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合、後者の増加量が前者の増加量に比べて極めて大きくなっている。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が大きく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じる。このため、遊技者が疲れやすく、遊技者の負担が大きい。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚える場合がある。
【0082】
本実施形態では、
図12に示すように、初動トルクを小さくするとともに、操作トルクのトルクカーブを寝かせたトルクカーブとしている。初動トルクが小さく、かつトルクの変位量(増加量)が小さいため、遊技者が疲れにくいものとなっている。一方で、比較例では、初動トルクが大きくなっており、かつ操作トルクのトルクカーブが二次曲線状となっている。初動トルクが大きい上に、トルクの変位量(増加量)も大きいため、遊技者が疲れやすいものとなっている。
【0083】
図11に戻る。本実施形態では、第1操作角度は49°となっている。また、第2操作角度は100°となっている。フルストローク(第2操作角度)の略半分の操作角度で左打ちと右打ちとが区切られている。このため、遊技者が直感的に、左打ちと右打ちとの境界を認識しやすい。また、第2操作角度が100°となっており、例えば第2操作角度が120°である場合に比べて小さい角度となっている。このため、右打ちをする際に、手を回転させる量をより小さくできる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0084】
また、第1操作角度は第2操作角度(フルストローク)の半分以下となっている。このため、フルストロークの半分以下の操作角度で左打ちを行うことができる。また、フルストロークの半分以下の操作角度では、右打ちとならないようになっている。これにより、遊技者が左打ちと右打ちとを明確に区別することができる。
【0085】
(実施例2)
図13に示すように、第1操作トルクは27.2[N・mm]となっている。また、第2操作トルクは54.4[N・mm]となっている。また、第3操作トルクは95.2[N・mm]となっている。2操作トルクが第1操作トルクよりも大きく、第3操作トルクが第2操作トルクよりも大きくなっている。なお、比較例として示すハンドルでは、第1操作トルクは31[N・mm]、第2操作トルクは69[N・mm]、第3操作トルクは152[N・mm]となっている。
図14は、それらの関係をグラフで示したものである。
【0086】
第1操作トルク、第2操作トルクおよび第3操作トルクが比較例よりも小さい値となっている。このため、遊技者は、より少ない力でハンドルリング342を回転させることができる。すなわち、遊技者は、ハンドルリング342の操作を軽いと感じることができる。これにより、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。また、ハンドルリング342は自動復帰する際、ストッパー(図示せず)に当接して回転が停止するようになっているが、第1操作トルク~第3操作トルクがいずれも小さい値となっているため、自動復帰した際にストッパーに加わる衝撃が小さくなる。このため、ストッパーの消耗(摩耗)を抑制し、操作頻度の多い部品であるハンドル340の故障リスクを低減できる。すなわち、ハンドル340の耐久性を向上させることができる。
【0087】
また、第1操作トルク~第3操作トルクが比較例よりも小さい値となっているため、ハンドルリング342と本体部341(
図5参照)との間に作用する摩擦の力を小さくすることができる。このため、当該摩擦の力が大きいことに起因する摩耗を押さえることができ、部品の耐久性を向上させることができる。
【0088】
また、第1操作トルクが27.2[N・mm]であり、6.8[N・mm]以上となっているため、初動を軽くしつつハンドルリング342の自動復帰が可能となっている。
【0089】
また、第3操作トルクは第2操作トルクよりも大きくなっているが、第3操作トルクの値(95.2[N・mm])は、第2操作トルクの値を2倍した値(108.8[N・mm])以下となっている。比較例のように第3操作トルクの値(152[N・mm])が、第2操作トルクの値を2倍した値(138[N・mm])よりも大きくなっている場合、左打ち基準位置から最大回転位置(右打ち基準位置)までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、左打ち基準位置から最大回転位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本例では、第3操作トルクの値が、第2操作トルクを2倍した値以下となっており、第2操作トルクと第3操作トルクの差が小さくなっているため、左打ち基準位置から最大回転位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第2操作トルクと第3操作トルクとの差が小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくくなり、遊技者の負担を軽減することができる。
【0090】
また、第2操作トルクは第1操作トルクよりも大きくなっているが、第2操作トルクの値(54.4[N・mm])は、第1操作トルクの値を2倍した値(54.4[N・mm])以下となっている。比較例のように第2操作トルクの値(69[N・mm])が、第1操作トルクを2倍した値(62[N・mm])よりも大きくなっている場合、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に上昇することとなる。その場合、初期位置から左打ち基準位置まで回転させるのにより大きな力を要することとなる。本例では、第2操作トルクの値が、第1操作トルクを2倍した値以下となっており、第1操作トルクと第2操作トルクとの差が小さくなっているため、初期位置から左打ち基準位置までの間に操作トルクが急激に増大せず、遊技者は第1操作トルクと第2操作トルクとの差を小さいと感じる。このため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。
【0091】
また、
図13に示すように、第1操作トルクと第2操作トルクとの差(変位量)を増加量Aとする。増加量Aは、27.2[N・mm]となっている。また、第2操作トルクと第3操作トルクとの差(変位量)を増加量Bとする。増加量Bは、40.8[N・mm]となっている。本実施形態では、増加量Aを2倍した値(54.4)が増加量B(40.8)よりも大きくなっている(2A>B)。換言すると、増加量Bは増加量Aを2倍した値以下となっている。よって、初期位置から左打ち基準位置までの間の操作トルクの増加量と、左打ち基準位置から最大回転位置までの間の操作トルクの増加量とを比較した場合であっても、後者の増加量が前者の増加量に比べて極端に大きくはなっていない。したがって、増加量Aと増加量Bとの差が小さく、左打ちに比べて右打ちが極端に重いと感じることがないため、遊技者が疲れにくく、遊技者の負担を軽減することができる。また、遊技者が、左打ちと右打ちとの間で、操作トルクが大きく異なることによる違和感を覚えることがない。これにより、遊技者が快適に遊技を行うことができる。
【0092】
本実施形態では、
図14に示すように、操作トルクのトルクカーブを寝かせたトルクカーブとしている。トルクの変位量(増加量)が小さいため、遊技者が疲れにくいものとなっている。一方で、比較例では、操作トルクのトルクカーブが二次曲線状となっている。トルクの変位量(増加量)も大きいため、遊技者が疲れやすいものとなっている。
【0093】
第1操作トルクは、実施例1で示した6.8[N・mm]~実施例2で示した27.
2[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第2操作トルクは、実施例1で示した13.6[N・mm]~実施例2で示した54.4[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第3操作トルクは、実施例1で示した23.8[N・mm]~実施例2で示した95.2[N・mm]の範囲内としてもよい。また、第3操作トルク(右打ち基準位置)は、100[N・mm]以下であることが好ましい。
【0094】
(第2の実施の形態)
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技球(遊技媒体)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。このような遊技機に代表される所定の遊技機は、遊技球を貯留する受皿を備えており、ボタン操作に基づいて受皿から遊技球を排出することが可能となっている。従来の遊技機では、一部の操作に関して操作性が悪いという問題があった。本実施形態では、快適に操作できる遊技機を提供する。
【0095】
以下、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施の形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機(例えば、スロットマシン、メダルレス遊技機等)であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、パチンコ遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、パチンコ遊技機側が「後」を意味し、「上下」とはパチンコ遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。なお、本発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0096】
図17は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10を備えている。
なお、本実施形態の遊技機で用いられる遊技球の直径は約11mmとなっている。
第1の実施の形態で示した「受皿ユニット320、受皿」は、第2の実施形態における「受皿ユニット100、受皿16」に、任意に変形等することが可能である。また、第1の実施の形態で示した「ハンドルユニット330」は、第2の実施の形態における「グリップユニット20」に、任意に変形等することが可能である。
図17では図示を省略しているが、パチンコ遊技機1は内枠を備えており、前枠10と内枠とを有する本体枠を備えている。外枠2は、本体枠を取り付け可能となっている。本体枠は、グリップユニット20(ハンドル)と、受皿ユニット100(受皿16)と、を有している。
【0097】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ(照明装置)12が設けられている。
【0098】
また、前枠10の上部には、左右方向に長尺な意匠部材(照明装置)13が設けられている。また、意匠部材13は、その前面が、遊技領域4およびガラスユニット8よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。意匠部材13には機種名等を表わすロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。
【0099】
また、前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が複数設けられている。
【0100】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための受皿16が設けられており、受皿16の内側側面(背面16e)の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口18が設けられている。また、受皿16の内側側面(背面16e)の右部には、受皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口22(
図22、
図23参照)が設けられている。
【0101】
前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施の形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0102】
受皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。
【0103】
図18は、
図17で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図18に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0104】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。このディスプレイ枠34には意匠部材38が設けられている。なお、本実施の形態では、意匠部材38を液晶ディスプレイ32の上方に設けた場合を示すが、意匠部材38の位置はこれに限るものではない。
【0105】
本実施の形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0106】
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0107】
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
【0108】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図18は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0109】
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図18は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0110】
遊技球の発射装置は、
図17で示したグリップユニット(操作ハンドル)20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0111】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0112】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0113】
メイン基板は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
【0114】
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
【0115】
前枠10の下部には、受皿ユニット100が設けられている。受皿ユニット100は、
図19および
図20に示すように、受皿16の前面16a、下面16bおよび左右の側面16c,16dを構成する皿部材110と、受皿16の背面16eを構成するベース部材(板状部材)111と、受皿16に貯留された遊技球を排出するための下流側球抜きユニット(第1球抜きユニット)112および上流側球抜きユニット(第2球抜きユニット)113と、受皿16から排出された遊技球が通過する第1通路114および第2通路115と、受皿ユニット100の上面の右側部分を構成し各種ボタンが配置されるボタン配置部116と、を有している。
なお、ボタン配置部116には、球貸しボタン(図示せず)、返却ボタン91、方向キー92、音量調整ボタン93、光量調整ボタン94等が設けられている(
図17参照)。ここで、玉貸しボタンは、遊技球の貸し出しを受ける際に操作されるボタンである。また、返却ボタン91は、遊技者が保有している遊技球を受皿16に排出する際に操作されるボタンである。また、方向キー92は、演出に関する選択等を行う際に操作されるボタンである。また、音量調整ボタン93および光量調整ボタン94は、それぞれ音量または光量を調整する際に操作されるボタンである。
【0116】
受皿16には、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)が貯留される。すなわち、受皿16には、払出口18から排出された遊技球が貯留される。受皿16の下面16bは、
図20に示すように、左側から右側に向かうにつれて下側に向かう傾斜面となっている。また、受皿16は、左側から右側(上側から下側)に向かうにつれて前後方向の幅が狭くなっている。そして、受皿16に排出された遊技球は、一列に整列されながら、受皿16の右下部に向かうようになっている。換言すると、受皿16の右下部には、遊技球を一列に整列させる整列通路103が形成されている。また、整列通路103(受皿16)の右下端部には、受皿16から遊技球を排出可能な孔(球抜き孔)として、下流側球抜き孔118(第1の孔)が形成されている。
【0117】
また、受皿16の下面16bの左側部分には、受皿16から遊技球を排出可能な孔(球抜き孔)として、上流側球抜き孔119(第2の孔)が形成されている。また、上流側球抜き孔119は、払出口18の前方に設けられており、前後方向において、少なくとも一部が払出口18と重複している。
【0118】
下流側球抜き孔118と上流側球抜き孔119とは、それぞれ開状態と閉状態とを有している。開状態においては、球抜き孔118,119は開放された状態となり、遊技球が球抜き孔118,119を通って落下することが可能となる。また、閉状態においては、球抜き孔118,119は、下流側球抜きユニット112または上流側球抜きユニット113によって閉塞された状態となり、遊技球が球抜き孔118,119を通って落下することが不可能となる。
なお、ここで閉塞とは、球抜き孔118,119が隙間なく閉じられた状態のみを示すものではなく、遊技球が通過することができない程度に閉じられた状態を意味する。
【0119】
下流側球抜きユニット112は、下流側球抜き孔118に対応して設けられている。そして、下流側球抜きユニット112を操作することで、下流側球抜き孔118の開状態と閉状態とを切り替えることが可能となっている。また、上流側球抜きユニット113は、上流側球抜き孔119に対応して設けられている。そして、上流側球抜きユニット113を操作することで、上流側球抜き孔119の開状態と閉状態とを切り替えることが可能となっている。
【0120】
下流側球抜きユニット112は、
図21に示すように、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)と、リンク部材122と、スライド部材124と、下流側蓋125(第1の蓋:第1の開閉手段)と、ピン126と、ばね128と、を備えている。また、ベース部材111等における、これら下流側球抜きボタン120、リンク部材122、スライド部材124およびばね128等が取り付けられる部分(後述する突出部200,202,202およびベース部材側フック204等)も下流側球抜きユニット112の一部を構成しているといえる。
【0121】
下流側球抜きボタン120は、遊技者等による押下操作が可能となっている。下流側球抜きボタン120は、遊技者等が触れる押下部130と、押下部130の下方(裏側)に突出する突出部132と、係止部134,134と、を備えている。また、押下部130と、突出部132と、係止部134とは、樹脂材料により一体的に形成されている。
【0122】
押下部130は、略方形箱状となっている。また、突出部132は、角柱状となっており、押下部130の下面よりも下方に突出している。また、係止部134は、押下部130の左右の側面の下方位置に設けられており、左右方向外側に突出する爪を有している。
【0123】
下流側球抜きボタン120は、ボタン配置部116に設けられる。具体的には、下流側球抜きボタン120は、非操作時において、押下部130が、ボタン配置部116の上面よりも上方に突出するようにして、ボタン配置部116に配置される(
図17、
図20参照)。また、非操作時においては、係止部134の爪が、ボタン配置部116の下面に係止されることで、押下部130の上方への動きが規制されている。この非操作時における下流側球抜きボタン120(押下部130)の位置を初期位置(第1初期位置)とすると、下流側球抜きボタン120(押下部130)は、初期位置から下方に向けて移動するように押し込むことが可能となっている。
【0124】
リンク部材122は、略円筒状の円筒状部140と、第1アーム142と、第2アーム144と、補強板146とを備えている。また、円筒状部140と、第1アーム142と、第2アーム144と、補強板146とは、樹脂材料により一体的に形成されている。
【0125】
円筒状部140は、軸を前後方向に向けた状態となっている。また、第1アーム142および第2アーム144は、円筒状部140の外周面から径方向外側に延びるように形成されている。また、第1アーム142と第2アーム144とは、円筒状部140の周方向において互いに離れた位置に形成されている。具体的には、第1アーム142の基端部は、円筒状部140の外周面の左側部分に接続されている。そして、この基端部から、円筒状部140の径方向外側に向けて第1アーム142の先端部が延びている。また、第2アーム144の基端部は、円筒状部140の外周面の下側部分に接続されている。そして、この基端部から、円筒状部140の径方向外側に向けて第2アーム144の先端部が延びている。すなわち、第1アーム142の基端部と、第2アーム144の基端部とは、円筒状部の140の周方向において所定角度(例えば、約90度)離れた位置において、円筒状部140と接続されている。また、第1アーム142の先端部と、第2アーム144の先端部とは、円筒状部の140の周方向において所定角度(例えば、約90度)離れた位置に配置されている。
【0126】
第1アーム142の先端部には、下流側球抜きボタン120の突出部132が当接する当接面150が形成されている。具体的には、第1アーム142の先端部は、円筒状となっており、この先端部の外周面(外側の曲面)の上側部分が、突出部132が当接する当接面150となっている。また、第2アーム144の先端部には、ピン126が挿入されるピン挿入孔152が形成されている。ピン126は、丸棒状であり、第2アーム144の先端部から後方に突出するようにして設けられる。
【0127】
また、第1アーム142と第2アーム144との間には、第1アーム142と第2アーム144とをつなぐ板状の補強板146が設けられている。そして、この補強板146が、第1アーム142と第2アーム144とを補強している。
【0128】
円筒状部140には、ベース部材111の背面から後方に突出する円筒状の突出部200が挿入される(
図22(a)、
図23(a)参照)。そして、リンク部材122は、円筒状部140を中心として(突出部200を軸として)、周方向に回転可能になっている。換言すると、第1アーム142および第2アーム144は、円筒状部140の中心軸を回動の中心として、回動するようになっている。
【0129】
スライド部材124は、略直方体状のスライド部材本体160を有している。また、スライド部材本体160の右端部には、ピン126が挿入される方形状のピン挿入孔161が形成されている。このピン挿入孔161は、左右方向の幅が、ピン126の直径と略等しくなっており、上下方向の幅が、ピン126の直径よりも長くなっている。そして、ピン126は、ピン挿入孔161に対して、左右方向にはほとんど動けないようにされているとともに、上下方向に動くことが可能にされている。
【0130】
スライド部材本体160には、左右方向に並べて、2つの孔162,162が形成されている。この2つの孔162,162それぞれには、ベース部材111の背面から後方に突出する円筒状の突出部202,202が挿入される(
図22(a)、
図23(a)参照)。孔162,162は、方形状となっている。また、孔162,162は、上下方向の幅が、突出部202,202の直径と略等しくなっており、左右方向の幅が、突出部202,202の直径よりも長く(例えば、直径よりも11mm以上長く)なっている。そして、孔162,162(スライド部材124)は、突出部202,202(ベース部材111)に対して上下方向にはほとんど動けないようにされているとともに、左右方向に動くことが可能にされている。すなわち、孔162,162と突出部202,202とによって、スライド部材124の動く方向を左右方向に制限する動作方向制限部が形成されている。
【0131】
また、スライド部材本体160の上部には、ばね128が掛けられるスライド部材側フック164が設けられている。ばね128は、引張ばねとなっており、左右方向に伸縮可能となっている。また、ばね128は、左右の両端部に円形のフック128a,128bを有している。そして、ばね128の右端部のフック128bが、スライド部材側フック164に掛けられている。また、ベース部材111の背面には、ばね128の左端部のフック128aが掛けられるベース部材側フック204が設けられている(
図22(a)、
図23(a)参照)。そして、ばね128の左端部のフック128aが、ベース部材側フック204に掛けられている。
【0132】
スライド部材124(スライド部材本体160)の左端部には、下流側蓋125が設けられている。また、下流側蓋125は、スライド部材124から左方に突出するようにして設けられている。また、下流側蓋125は、略方形板状となっている。また、下流側蓋125とスライド部材124とは、樹脂材料によって一体的に形成されている。
【0133】
下流側蓋125は、下流側球抜き孔118を開閉する蓋である。下流側蓋125は、スライド部材124の左右方向への動きに連動して左右方向に動くようになっている。そして、下流側蓋125は、左側に位置するときには下流側球抜き孔118を閉塞し、右側に位置するときには下流側球抜き孔118を開放するようになっている。換言すると、下流側蓋125は、下流側球抜き孔118を閉塞する閉位置と、下流側球抜き孔118を開放する開位置との間で移動可能となっている。
【0134】
下流側球抜きユニット112は、下流側球抜きボタン120の上下方向への動きに伴って、下流側蓋125が左右方向に動くようになっている。すなわち、遊技者等の下流側球抜きボタン120に対する操作に基づいて、下流側蓋125を動かし、下流側球抜き孔118を開閉させることが可能となっている。
【0135】
下流側球抜きユニット112の動作を
図22および
図23を参照しながら説明する。なお、
図22は、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にあり、下流側蓋125が閉位置にある状態を示す図である。なお、
図22(a)は、ベース部材111を含めて示す図であり、
図22(b)は、ベース部材111を省略して示す図である。また、
図23は、下流側球抜きボタン120が最大まで押し込まれた位置(最大押下位置)にあり、下流側蓋125が開位置にある状態を示す図である。なお、
図23(a)は、ベース部材111を含めて示す図であり、
図23(b)は、ベース部材111を省略して示す図である。
【0136】
まず、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にある場合、下流側蓋125は閉位置に位置している。すなわち、このとき下流側球抜き孔118は閉状態となっている。そして、下流側球抜きボタン120が初期位置から下方に動かされると(遊技者によって押下されると)、リンク部材122の第1アーム142の先端部が、下流側球抜きボタン120の突出部132によって、上方から下方に向かって押される。すると、第1アーム142は、円筒状部140を中心として、下方に向かって(反時計回りに)回転する。また、これと同時に、第2アーム144は、円筒状部140を中心として右方に向かって(反時計回りに)回転する。また、第2アーム144が右方に向かって回転すると、ピン126が、スライド部材124のピン挿入孔161の内側で上下に動きながらスライド部材124を右方に引っ張る。すると、スライド部材124は、ばね128の弾性力に反して右方に動く。そして、これに伴い下流側蓋125が右方に動く。すると、下流側蓋125が開位置となり、下流側球抜き孔118が開放される。
なお、下流側球抜きボタン120を最大まで押下するとスライド部材124の孔162,162とベース部材111の突出部202,202とが当接し、それ以上の下流側球抜きボタン120の下方への移動と、スライド部材124の右方への移動とが規制される。
【0137】
また、遊技者が、下流側球抜きボタン120から手を放すと、ばね128の弾性力によって、スライド部材本体160が左方に引っ張られる。そして、これに伴い下流側蓋125が左方に動く。また、スライド部材本体160の動きが、ピン126およびリンク部材122を介して下流側球抜きボタン120に伝わり、下流側球抜きボタン120が初期位置に戻る。すなわち、下流側球抜きボタン120は、非操作時においては、ばね128の弾性力によって、初期位置に配置されるようになっている。換言すると、下流側球抜きボタン120は、上方に向かって付勢されている。
【0138】
このように、リンク部材122と、スライド部材124と、ピン126とによって、下流側球抜きボタン120の上下方向の動きを下流側蓋125の左右方向の動きに変え、下流側蓋125の左右方向の動きを下流側球抜きボタン120の上下方向の動きに変えるリンク機構が形成されている。
【0139】
ここで、リンク部材122の回転の中心(円筒状部140の中心軸)からピン126(第2アーム144の先端部)までの距離L2は、リンク部材122の回転の中心から下流側球抜きボタン120と第1アーム142とが接する部分(第1アーム142の先端部:当接面150)までの距離L1の2倍以上となっている。したがって、第1アーム142が下方に動いた量の2倍以上、第2アーム144が右方に動くようになっている。すなわち、下流側球抜きボタン120に対する押下量の2倍以上、下流側蓋125が右方に動くようになっている。すなわち、リンク機構は、下流側球抜きボタン120の操作量を増加させて下流側蓋125に伝えるようになっている。
【0140】
本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、下流側球抜き孔118を開放するために必要な、下流側球抜きボタン120に対する操作量は、遊技球の直径未満に設定されている。具体的には、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm押下すると、下流側蓋125が右方に約11mm動くようになっている。換言すると、下流側球抜きボタン120を初期位置から遊技球の直径未満の所定量(約4mm)押下すると、下流側球抜き孔118の開口幅W1(下流側蓋125の先端から、当該先端に対向する下流側球抜き孔118の縁までの距離)が11mm以上となるようになっている。さらに換言すると、本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、下流側球抜き孔118を開放するために必要な、下流側球抜きボタン120に対する操作量は、遊技球の半径未満に設定されている。
【0141】
また、下流側球抜きボタン120を最大まで押下すると、下流側球抜き孔118の開口幅W1は、約14mmとなるようになっている。すなわち、下流側球抜きボタン120を最大まで押下すると、下流側球抜き孔118は、遊技球の直径+3mm程度開くとともに、遊技球の直径の2倍未満の開き具合となるようになっている。換言すると、下流側球抜き孔118は、下流側球抜きボタン120を最大まで押下しても、遊技球2個が同時に通過することは不可能なようにされている。
【0142】
また、下流側球抜きボタン120の押下可能な最大量(最大操作量)は、遊技球の直径以下(直径未満(約6mm))に設定されている。換言すると、下流側球抜きボタン120は、遊技球の直径以下(直径未満)の所定量押し込むと、それ以上は押し込めないようになっている。具体的には、下流側球抜きボタン120の最大操作量は、遊技球の半径以上、直径以下に設定されている。また、下流側球抜きボタン120の直径の約半分に設定されているともいえる。なお、ここで直径の約半分とは、直径の半分からおおよそ±1.5mm以内(約4mm~7mm)の範囲を意味する。
【0143】
なお、本実施形態の遊技機では、
図23(b)に示すように、下流側球抜きボタン120が非操作時の初期位置にある場合でも、下流側蓋125の先端と、下流側球抜き孔118の縁との間には、下流側蓋125の動作方向(左右方向)において、遊技球の直径未満の所定幅W2の隙間が形成されている。これにより、より少ない操作量で、下流側球抜き孔118から遊技球を落下させることが可能となっている。
【0144】
なお、下流側蓋125が、下流側球抜き孔118を閉塞した状態においては、遊技球は、受皿16上の右下端部から供給口22を通って発射装置に導かれるようになっている。
【0145】
次に、上流側球抜きユニット113について説明する。
【0146】
上流側球抜きユニット113は、
図24に示すように、上流側蓋300(第2の蓋:第2の開閉手段)と、ねじりばね302と、カバー部材304と、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)と、スライド部材308と、ラッチ310と、球抜きベース312(ベース部材)と、を備えている。
【0147】
上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を閉塞する蓋部320と、蓋部320(蓋部320の回転)を支持する支持部322と、を備えている。蓋部320は、略円形の板状に形成されている。また、蓋部320は、上流側球抜き孔119を下側から覆うことが可能な大きさとなっている。また、支持部322は、蓋部320の前側の縁から前方に突出して形成されている。また、蓋部320と支持部322とは、樹脂材料によって一体的に形成されている。
【0148】
支持部322には、後述するカバー部材304の突出部332が挿入される挿入孔324が形成されている。また、支持部322には、下方に突出する円筒状のガイド突出部326が設けられている。
【0149】
カバー部材304は、略方形の板状となっている。また、カバー部材304の右後部には、遊技球が通過する遊技球通過孔330が形成されている。また、カバー部材304の上面であって、遊技球通過孔330の前方位置には、円筒状の突出部332が設けられている。
【0150】
また、カバー部材304の上面には、円弧状のレール334が3本形成されている。3本のレール334は、円弧状の突条となっており、円弧の中心は突出部332(突出部332の中心軸)となっている。
【0151】
また、カバー部材304には、上流側蓋300のガイド突出部326が挿通されるガイド孔336が設けられている。また、ガイド孔336は、円弧状の孔となっており、円弧の中心は突出部332(突出部332の中心軸)となっている。ガイド孔336は、遊技球通過孔330の前方であって、突出部332の右方に設けられている。また、ガイド孔336は、その幅(円弧の径方向における長さ)が、ガイド突出部326の外径と略一致しているとともに、その長さ(円弧の周方向における長さ)が、ガイド突出部326の外径よりも長くなっている。
【0152】
また、カバー部材304の上面には、ねじりばね302の腕の1つを受ける壁部338が設けられている。壁部338は、左右方向に延びて形成されている。また、壁部338は、突出部332の前方左側に設けられている。
【0153】
上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332が、上流側蓋300の挿入孔324に挿入された状態で、カバー部材304の上に配置される。また、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として回転可能な状態となっている。ここで、上流側蓋300のガイド突出部326は、カバー部材304のガイド孔336に挿通された状態となる。したがって、ガイド突出部326は、ガイド孔336の長さ方向の範囲内で動くことが可能となっている。すなわち、ガイド突出部326とガイド孔336とによって、上流側蓋300の移動範囲(可動範囲)を制限する移動範囲制限部が形成されている。
【0154】
また、ねじりばね302は、その内側にカバー部材304の突出部332が通された状態で、カバー部材304と上流側蓋300との間に配置される。なお、カバー部材304の下面には、挿入孔324と連通する穴を有し下方に突出する円筒状の突出部(図示せず)が設けられている。そして、当該突出部の内側にカバー部材304の突出部332が挿入されるとともに、当該突出部を囲うようにねじりばね302が配置されるようになっている。また、カバー部材304の下面には、ねじりばね302の腕の1つを固定する固定部(図示せず)が設けられている。そして、ねじりばね302は、その腕の1つが当該固定部に固定されるとともに、他の腕がカバー部材304の壁部338に押し当てられている。これにより、上流側球抜き孔119を閉じる方向への力が、ねじりばね302から上流側蓋300に加わるようになっている。
なお、カバー部材304の突出部332にはねじ穴が設けられている。そして、上流側蓋300の挿入孔324に挿通されたねじ333(
図25、
図26参照)が当該ねじ穴にねじ込まれることで、上流側蓋300がカバー部材304に取り付けられている。
【0155】
また、上流側蓋300は、回転する際に、カバー部材304のレール334の上を滑るようにして回転するようになっている。したがって、上流側蓋300とカバー部材304との間に生じる摩擦を低減し、上流側蓋300を少ない力で回転させることが可能となる。
【0156】
また、カバー部材304の下面には、前後方向に延びる突条部340が設けられている。
【0157】
また、カバー部材304の3つの角部(右前側、右後側および左後側の角部)には、それぞれ、ねじ345(
図25、
図26参照)が挿通されるねじ挿通孔342が形成されている。
【0158】
スライド部材308は、前後方向に移動可能な状態で球抜きベース312とカバー部材304との間に配置される。スライド部材308は、略平板状に形成されている。また、スライド部材30の左前部には、上流側球抜きボタン306が固定されるボタン固定部350が形成されている。そして、このボタン固定部350に、上流側球抜きボタン306が、ねじ止めによって固定されている。
【0159】
また、スライド部材308の左後部には、後方に突出するロック突起352が形成されている。ロック突起352は、後方に向けて棒状に延びた支持部と、支持部の先端において左右方向に広がった先端部とを有している。
【0160】
また、スライド部材308の右側部分は、前後方向の幅の短い略方形枠状の枠状部353となっている。また、枠状部353には、上流側蓋300のガイド突出部326が挿入されるガイド挿入孔354が形成されている。ガイド挿入孔354は、その前後方向の長さが、ガイド突出部326の外径と略一致しているとともに、その左右方向の長さが、ガイド突出部326の外径よりも長くなっている。すなわち、ガイド突出部326は、ガイド挿入孔354に対して、前後方向にはほとんど動けないようにされているとともに、左右方向に動くことが可能にされている。また、枠状部353の前面は、後述する球抜きベース312の前壁372に当接する当接面355となっている。
【0161】
また、スライド部材308の下面には、円筒状のばね360の一端部が挿入される突起(図示せず)およびばね360の一端が押し当てられる壁部(図示せず)が設けられている(後述する球抜きベース312の突起382および壁部380参照)。
【0162】
また、スライド部材308の上面には、前後方向に延びる溝356が形成されている。溝356は、カバー部材304の突条部340に沿った形状となっている。また、スライド部材308の下面には、前後方向に延びる凸部358が設けられている。
【0163】
球抜きベース312は、上流側球抜きユニット113の最下部に配置され上流側球抜きユニット113の底部を構成する。球抜きベース312は、略方形の板状となっている。また、球抜きベース312の左前部は、後方に向かって切り欠かれた形状となっており、切り欠き部370が形成されている。そして、上流側球抜きボタン306は、押し込み操作される際に、切り欠き部370の内側に押し込まれるようになっている。
【0164】
また、球抜きベース312の前縁の右側部分(切り欠き部370を除く部分)には、上方に突出する壁部(前壁372)が、形成されている。
【0165】
また、球抜きベース312の右後部には、遊技球が通過する遊技球通過孔374が形成されている。遊技球通過孔374は、カバー部材304の遊技球通過孔330の下方に設けられており、内径(孔の形)が、遊技球通過孔330と略一致している。
なお、遊技球通過孔330,374は、その内径が、上流側蓋300の蓋部320の外径よりも小さくなっている。そして、上流側蓋300が閉じた状態において、遊技球通過孔330,374が上方から完全に覆い隠されるようになっている(
図25(b)参照)。
【0166】
また、球抜きベース312の上面の左後部には、ラッチ310が固定されるラッチ固定部376が設けられている。また、ラッチ固定部376に固定されたラッチ310は、スライド部材308のロック突起352の後方に位置するようになっている。
【0167】
球抜きベース312の上面の左右方向における中央部(遊技球通過孔374とラッチ固定部376との間)には、スライド部材308を案内する溝378が設けられている。この溝378は、前後方向に延びて形成されており、スライド部材308の凸部358に沿った形状となっている。また、溝378の後部には、球抜きベース312の上面から上方に突出する壁部380が設けられている。また、壁部380の前面には、前方に突出する突起382が設けられている。この突起382は、円筒状のばね360の一端部に挿入されるようになっている。また、壁部380には、ばね360の一端が押し当てられるようになっている。そして、当該壁部380と、スライド部材308の下面に設けられた前記壁部との間に、ばね360が、前後方向に伸縮可能な状態で配置されるようになっている。
【0168】
また、球抜きベース312の3つの角部(右前側、右後側および左後側の角部)には、それぞれ、ねじ345をねじ込むためのねじ穴384が形成されている。
【0169】
球抜きベース312とカバー部材304とは、カバー部材304のねじ挿通孔342に挿通されたねじ345が球抜きベース312のねじ穴384にねじ込まれることで互いに固定される。ここで、スライド部材308は、球抜きベース312とカバー部材304とに挟まれた状態となっている。また、球抜きベース312の溝378にスライド部材308の凸部358が挿入されるとともに、スライド部材308の溝356にカバー部材304の突条部340が挿入された状態となっている。そして、スライド部材308は、球抜きベース312の溝378およびカバー部材304の突条部340に案内されて前後方向に移動するようになっている。また、スライド部材308の枠状部353は、球抜きベース312の前壁372と遊技球通過孔374との間に配置され、これらの間で前後に移動するようになっている。
【0170】
また、上流側蓋300は、スライド部材308の前後方向への動きに連動して左右方向に回転するようになっている。そして、上流側蓋300は、右側に位置するときには上流側球抜き孔119を閉塞し、左側に位置するときには上流側球抜き孔119を開放するようになっている。換言すると、上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を閉塞する閉位置と、上流側球抜き孔119を開放する開位置との間で移動可能となっている。すなわち、上流側蓋300は、上流側球抜き孔119を開閉する蓋となっている。換言すると、上流側球抜きユニット113は、上流側球抜きボタン306の前後方向への動きに伴って、上流側蓋300が左右方向に動くようになっている。すなわち、遊技者等の上流側球抜きボタン306に対する操作に基づいて、上流側蓋300を動かし、上流側球抜き孔119を開閉させることが可能となっている。
【0171】
上流側球抜きユニット113の動作を
図25および
図26を参照しながら説明する。なお、
図25は、上流側球抜きボタン306が非操作時の初期位置にあり、上流側蓋300が閉位置にある状態を示す図である。なお、
図25(a)は、皿部材110およびカバー部材304を含めて示す図であり、
図25(b)は、皿部材110およびカバー部材304を省略して示す図である。また、
図26は、上流側球抜きボタン306が押し込まれスライド部材308がラッチ310によって保持された位置にあり、上流側蓋300が開位置にある状態を示す図である。なお、
図26(a)は、皿部材110およびカバー部材304を含めて示す図であり、
図26(b)は、皿部材110およびカバー部材304を省略して示す図である。
【0172】
なお、以下では、上流側球抜きボタン306が操作されておらず、スライド部材308がラッチ310によって保持されていないときの、上流側球抜きボタン306の状態を上流側球抜きボタン306の初期状態とする。換言すると、上流側球抜きボタン306が前方に(最も)突出した状態を初期状態とする。また、初期状態における上流側球抜きボタン306の位置を初期位置(第2初期位置)とする。
【0173】
まず、上流側球抜きボタン306が非操作時の初期位置にある場合、上流側蓋300は閉位置に位置している。この状態においては、上流側球抜き孔119は、上流側蓋300によって閉塞されており、上流側球抜き孔119から遊技球を落下させることができないようになっている。
なお、本実施形態の遊技機では、上流側蓋300の蓋部320の外縁部には、フランジ部390が形成されている。フランジ部390は、蓋部320の中央部分よりも下方において、蓋部320の径方向外側に突出して設けられている。また、フランジ部390は、蓋部320の、上流側蓋300が閉じるときの移動方向前方部分(右側部分)に設けられている。また、フランジ部390は、上流側蓋300が上流側球抜き孔119を閉塞した状態において、受皿16の下方に入り込んだ状態となっている(上流側球抜き孔119の縁よりも外側に突出している)。そして、上流側球抜きボタン306が初期位置にある場合、平面視(上方から見た場合)において、上流側球抜き孔119は、上流側蓋300によって隙間なく塞がれた状態となっている。換言すると、上流側蓋300によって、上流側球抜き孔119が完全に閉塞され、上流側球抜き孔119から下方にある部材を視認することはできない状態とされている。一方、前述のように、下流側球抜きボタン120が初期位置にある場合、下流側蓋125と下流側球抜き孔118との間には隙間が形成されている。しかし、下流側球抜き孔118の上方には、下流側球抜き孔118を覆う覆い部材392が配置されている(
図20参照)。したがって、この覆い部材392によって、平面視において、下流側球抜き孔118から下方にある部材を視認することはできない状態となっている。なお、この覆い部材392は、受皿16の右下端部に導かれる遊技球を上下方向において一列に整列させる機能を有している。
【0174】
上流側球抜きボタン306が初期位置から後方に動かされると(遊技者によって押下されると)、上流側球抜きボタン306と一体化されたスライド部材308が、後方に向かって動かされる。すると、スライド部材308のガイド挿入孔354の内側に挿入された上流側蓋300のガイド突出部326が、後方に向かって押される。すると、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として、左回り(平面視において反時計回り)に回転する。換言すると、上流側蓋300は、左方に向かって動く。すると、上流側蓋300が開位置となり、上流側球抜き孔119が開放される。
【0175】
また、上流側球抜きボタン306が初期位置から所定量以上後方に動かされると、スライド部材308のロック突起352がラッチ310に押し込まれる。すると、ラッチ310が閉じてロック突起352の先端部を把持する。これによって、スライド部材308がラッチ310に保持(ラッチ)された状態となり、上流側球抜きボタン306が押し込まれた状態で固定される。
【0176】
スライド部材308がラッチ310に保持された状態においては、
図26に示すように、上流側球抜き孔119は、完全に開放された状態となる。すなわち、この状態においては、上流側球抜き孔119と上流側蓋300とは、上下方向において一切重複しておらず、平面視において上流側球抜き孔119から上流側蓋300を視認することができない状態となっている。また、上流側球抜き孔119の下方には、カバー部材304の遊技球通過孔330および球抜きベース312の遊技球通過孔374が配置されているが、遊技球通過孔330,374の内径は、上流側球抜き孔119の内径よりも大きくなっており、平面視において上流側球抜き孔110から遊技球通過孔330,374の縁を視認することはできない状態となっている。換言すると、この状態においては、上流側球抜き孔119から上下方向に真っ直ぐ落下(垂直に落下)する遊技球は、上流側蓋300や遊技球通過孔330,374の縁に当たらないようになっている。
なお、スライド部材308がラッチ310に保持された状態において、上流側蓋300の一部が、上流側球抜き孔119の径方向内側に突出していてもよい。また、上流側蓋300の当該一部が、(開状態において)上流側球抜き孔119の径方向内側に向かうにつれて下方に向かう傾斜面等を有しており、上流側球抜孔119からの遊技球の落下を補助する役目を有していてもよい。
【0177】
また、ラッチ310が閉じた状態(ロック突起352を把持した状態)において、スライド部材308が再度押し込まれると、ラッチ310はロック突起352を解放して、スライド部材308の前方への移動を許容する。ここで、スライド部材308が押し込まれた状態(ラッチ310がロック突起352を把持した状態や、ラッチ310がロック突起352を解放した瞬間の状態)においては、スライド部材308の下面に設けられた前記壁部と、球抜きベース312の上面に設けられた壁部380との間でばね360が圧縮された状態となっている。したがって、スライド部材308を前方に押し戻すように、ばね360の弾性力が働く。このとき、ラッチ310がロック突起352を把持した状態であれば、スライド部材308の前方への動きが規制され、スライド部材308および上流側球抜きボタン306は押し込まれた状態で固定される。一方、ラッチ310がロック突起352を解放すると、ばね360の弾性力によって、スライド部材308および上流側球抜きボタン306が前方に押し戻される。
【0178】
ばね360の弾性力によってスライド部材308が前方に押し戻されると、スライド部材のガイド挿入孔354の内側に挿入された上流側蓋300のガイド突出部326が、前方に向かって引き戻される。すると、上流側蓋300は、カバー部材304の突出部332(突出部332の中心軸)を中心として、右回り(平面視において時計回り)に回転する。換言すると、上流側蓋300は、右方に向かって動く。すると、上流側蓋300が閉位置となり、上流側球抜き孔119が閉塞される。
【0179】
また、前述のように、本実施形態の遊技機では、上流側球抜き孔119を閉じる方向への力が、ねじりばね302から上流側蓋300に加わるようになっている。すなわち、上流側蓋300が開いた状態においては、上流側蓋300を閉位置に戻すようにねじりばねの弾性力が働く。また、この力は、上流側蓋300のガイド突出部326を介してスライド部材308に伝えられる。すなわち、ねじりばね302の弾性力が、スライド部材308および上流側球抜きボタン306を前方に戻す方向に働く。
【0180】
したがって、非操作時であって、スライド部材308がラッチ310によって保持されていない状態においては、ばね360の弾性力とねじりばね302の弾性力とによって、上流側蓋300が閉位置に戻されるとともに、上流側球抜きボタン306が初期位置に戻される。すなわち、上流側球抜きボタン306は、非操作時であって、スライド部材308がラッチ310によって保持されていない状態においては、初期位置に配置されるようになっている。換言すると、上流側球抜きボタン306は、前方に向かって付勢されている。
【0181】
また、上流側蓋300の回転の中心(カバー部材304の突出部332の中心軸)から蓋部320の中心までの距離L4は、上流側蓋300の回転の中心からガイド突出部326(ガイド突出部326とガイド挿入孔354との当接部:上流側蓋300がスライド部材308によって押される部分)までの距離L3の2倍以上となっている。したがって、スライド部材308が後方に動くことによってガイド突出部326が回転する長さの2倍以上、蓋部320が回転移動することとなる。
【0182】
本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、上流側球抜き孔119を開放するために必要な、上流側球抜きボタン306に対する操作量は、遊技球の直径未満に設定されている。具体的には、
図27に示すように、上流側球抜きボタン306を初期位置から約4mm押下すると、遊技球Bが少なくとも1個通過可能となるように上流側球抜き孔119が開放される。すなわち、上流側球抜きボタン306を初期位置から遊技球の直径未満の所定量(約4mm)押下すると、上流側球抜き孔119の開口幅W3(上流側蓋300の先端から、当該先端に対向する上流側球抜き孔119の縁までの距離)が11mm以上となるようになっている。また、本実施形態の遊技機では、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように、上流側球抜き孔119を開放するために必要な、上流側球抜きボタン306に対する操作量は、遊技球の半径未満に設定されている。
【0183】
また、上流側球抜きボタン306を最大まで押下すると、上流側球抜き孔119の開口幅W3は、遊技球の直径の2倍(22mm)よりも大きくなるようになっている。なお、本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306を最大まで押下すると、スライド部材308がラッチ310によって保持されるが、この状態において上流側球抜きボタン306から手を離すと、上流側球抜きボタン306(スライド部材308)は、前側に若干(例えば、約3mm)戻ることとなる。しかし、本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306を最大まで押下している状態と、スライド部材308がラッチ310を保持している状態とのいずれにおいても、上流側球抜き孔119は完全に開放されるようになっている。そして、このときには、上流側球抜き孔119は、少なくとも2個の遊技球が同時に通過可能な状態となる。本実施形態の遊技機では、上流側球抜き孔119は、3個以上、より具体的には4個以上の遊技球が同時に通過可能な状態となる。また、このときに、上流側球抜き孔119は、3個の遊技球を同一直線状に並べた状態で、この3個の遊技球を同時に通過させることはできないようになっている。換言すると、上流側球抜き孔119は、いずれの部分でも縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の3倍未満となっている。さらに換言すると、上流側球抜き孔119は、互いに交差(直交)する2方向における縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の3倍未満となっている。また、上流側球抜き孔119は、互いに交差(直交)する2方向における縁から縁までの直線距離(差渡し:直径)が遊技球の直径の2倍よりも大きくなっている。
このように、差渡しが遊技球の直径の2倍よりも大きくなっていることで、2個の遊技球が同時に上流側球抜き孔119を通過しようとした際に、上流側球抜き孔119に引っ掛かって詰まってしまうことを防止できる。また、差渡しが遊技球の直径の3倍未満となっていることで、このような遊技球の詰まりをさらに確実に防止することができる。
【0184】
また、上流側球抜きボタン306の押下可能な最大量(最大操作量)は、遊技球の直径以上(直径を越える長さ)に設定されている。換言すると、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、下流側球抜きボタン120の最大操作量よりも大きく設定されている。本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、約14.5mmに設定されている。すなわち、上流側球抜きボタン306の最大操作量は、遊技球の直径以上、直径の2倍未満(1.5倍未満)に設定されている。
【0185】
本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)は、遊技球の直径未満の操作量で、下流側球抜き孔118(第1の孔)を遊技球が通過可能な状態とし、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)は、遊技球の直径未満の操作量で、上流側球抜き孔119(第2の孔)を遊技球が通過可能な状態とするので、下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119から遊技球を排出させるために必要な、下流側球抜きボタン120または上流側球抜きボタン306に対する操作量を少なくすることができる。したがって、少ない操作量で、受皿16からの球抜きが可能となり、操作の負担を軽減することができる。
【0186】
また、本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120に対する操作量の最大値は、遊技球の直径以下(直径未満)であり、上流側球抜きボタン306に対する操作量の最大値は、遊技球の直径以上(直径を越える長さ)であり、上流側球抜きボタン306に対する操作量が最大値となる位置まで上流側球抜きボタン306を操作すると、上流側球抜き孔119は、少なくとも2つの遊技球が同時に通過可能な状態となる。したがって、下流側球抜きボタン120は、少ない操作量で最大操作量に到達するので、操作の負担を軽減することができる。また、上流側球抜きボタン306については、最大操作量を遊技球の直径以上としたことで、最大操作量まで操作したときの上流側球抜き孔119の排出能力を向上させることができる。また、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで、最大操作量が異なっていることにより(操作量と孔の排出能力とが関連付けられることにより)、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との判別がし易くなるとともに、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない箇所から遊技球を排出してしまうといった誤操作や、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。また、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜きボタン120は、遊技者が手を離すと、初期位置に戻るようになっているため、下流側球抜き孔118からの球抜きを続けるためには、下流側球抜きボタン120を押下し続けなければならない。しかし、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜きボタン120は、少ない操作量で最大操作量に到達するので、少ない負担で下流側球抜きボタン120を押下し続けることが可能となる。一方、上流側球抜きボタン306は、ラッチ310によって保持されるようになっているので、上流側球抜きボタン306を押下し続けなくても、上流側球抜き孔119からの球抜きを続けることができる。そして、このような上流側球抜きボタン306については、最大操作量を遊技球の直径以上としたことで、受皿16から短時間に多量の遊技球を排出することが可能となった。
【0187】
また、本実施形態の遊技機においては、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔自体の大きさが小さくなっている。すなわち、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔の直径(差渡し)(縁から縁までの直線距離の最長長さ)が短くなっている。換言すると、下流側球抜き孔118は、上流側球抜き孔119に比べ、孔の面積が小さくなっている。
【0188】
なお、少なくとも1個の遊技球が通過可能となるように球抜き孔(下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119)を開放するために必要な操作量(球1個分の操作量)は、下流側球抜きボタン120の方が、上流側球抜きボタン306よりも大きくなっていてもよい。具体的には、例えば、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm動かすと、下流側球抜き孔118を遊技球が通過可能な状態となり、上流側球抜きボタン306を初期位置から約3mm動かすと、上流側球抜き孔119を遊技球が通過可能な状態となるようにしてもよい。換言すると、球1個分の操作量は、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで異なっていてもよく、両ボタンについての球1個分の操作量同士の差が、最大操作量同士の差よりも小さくなっていればよい。このような構成によれば、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306とで、球1個分の操作量が異なっていることにより(操作量と孔の排出能力とが関連付けられることにより)、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との判別がし易くなるとともに、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない箇所から遊技球を排出してしまうといった誤操作や、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。また、このような構成によれば、下流側球抜きボタン120の球1個分の操作量が、上流側球抜きボタン306の球1個分の操作量よりも大きくなり、かつ、下流側球抜きボタン120の最大操作量が、上流側球抜きボタン306の最大操作量よりも小さくなる。
【0189】
なお、上流側球抜きボタン306の球1個分の操作量は、下流側球抜きボタン120の球1個分の操作量よりも小さく、上流側球抜きボタン306についての球1個分の操作量分、上流側球抜きボタン306を動かすのに必要な操作荷重は、下流側球抜きボタン120についての球1個分の操作量分、下流側球抜きボタン120を動かすのに必要な操作荷重よりも小さくなっていてもよい。具体的には、例えば、上流側球抜きボタン306を初期位置から約3mm動かすと、上流側球抜き孔119を遊技球が通過可能な状態となり、下流側球抜きボタン120を初期位置から約4mm動かすと、下流側球抜き孔118を遊技球が通過可能な状態となり、上流側球抜きボタン306を約3mm動かすために必要な操作荷重を例えば2Nとし、下流側球抜きボタン120を約4mm動かすために必要な操作荷重を約4Nとしてもよい。換言すると、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120に(それぞれに対しての操作量が最大操作量とならない範囲で)同一の大きさの荷重を加えると、上流側球抜き孔119の方が下流側球抜き孔118よりも大きく開くようになっていてもよい。このような構成によれば、上流側球抜きボタン306は、下流側球抜きボタン120よりも小さい操作量で球抜きが可能となるとともに、下流側球抜きボタン120よりも小さい操作荷重で球抜きが可能となる。このため、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
なお、下流側球抜きボタン120と上流側球抜きボタン306との球1個分の操作量の大小関係に関わらず、上流側球抜きボタン306についての球1個分の操作量分、上流側球抜きボタン306を動かすのに必要な操作荷重を、下流側球抜きボタン120についての球1個分の操作量分、下流側球抜きボタン120を動かすのに必要な操作荷重よりも小さくしてもよい。
【0190】
また、本実施形態の遊技機によれば、上流側球抜きボタン306における最大操作量(約14.5mm)に対する球1個分の操作量(約3mmあるいは約4mm)の割合は、下流側球抜きボタン120における最大操作量(約6mm)に対する球1個分の操作量(約4mm)の割合よりも小さい。このため、上流側球抜きボタン306を操作した方が迅速に遊技球の排出を行えるような感覚を与えることができる。したがって、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
【0191】
また、本実施形態の遊技機によれば、下流側球抜きボタン120に対する操作が最大操作量である場合は、下流側球抜き孔118を2つ以上の遊技球が同時に通過することが不可能な状態であり、上流側球抜きボタン306に対する操作が最大操作量である場合は、上流側球抜き孔119を2つ以上の遊技球が同時に通過することが可能な状態であり、上流側球抜きボタン306についての最大操作量は、下流側球抜きボタン120についての最大操作量よりも大きい。このため、下流側球抜きボタン120の最大操作量と上流側球抜きボタン306の最大操作量との関係が、遊技球の排出効率にリンクしている。よって、上流側球抜きボタン306を操作した方が迅速に遊技球の排出を行えるような感覚を与えることができる。したがって、受皿16に所定量以上の遊技球が貯留され受皿16が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な上流側球抜きボタン306の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。
【0192】
なお、下流側球抜きユニット112または上流側球抜きユニット113における、ボタン(下流側球抜きボタン120または上流側球抜きボタン360)の操作量に対して、蓋(下流側蓋125または上流側蓋300)の移動量を多くするための機構としては、前述の機構に限らず、周知の各種伝達機構を採用することができる。また、下流側球抜きボタン120(第1の操作手段)または上流側球抜きボタン360(第2の操作手段)は、前述のような押しボタンに限らず、スライド式の操作手段(例えば、左右方向にスライドさせるレバー)等であってもよい。
【0193】
また、
図19に示すように、上流側球抜きユニット113は、皿部材110の左部の下側に、ねじ止めによって固定されている。そして、上流側球抜きボタン306は、受皿16よりも下方に配置されている。また、
図28に示すように、上流側球抜きボタン306は、前枠10の外装部品に設けられた開口から前方に突出して設けられている。
【0194】
上流側球抜きボタン306と上流側球抜きボタン306を囲う部分とは、異なる色となっている。すなわち、上流側球抜きボタン306を露出させる開口を形成する周辺部材(外装部品)は、上流側球抜きボタン306とは異なる色となっている。本実施形態の遊技機では、上流側球抜きボタン306が赤色であるのに対し、周辺部材は白色となっている。
【0195】
また、前述のように、下流側球抜きボタン120はボタン配置部116に設けられるが、下流側球抜きボタン120とボタン配置部116とは、異なる色となっている。本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120が赤色であるのに対し、ボタン配置部116は黒色となっている。
【0196】
このように、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120の色を、それぞれボタンを囲う周辺部材の色と異なる色とすることで、ボタンの視認性を向上させることができる。したがって、遊技者がボタンを容易に発見できるようになる。
【0197】
また、上流側球抜きボタン306と下流側球抜きボタン120とは、同色(同系色)の樹脂材料により形成されている。また、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120は、全体にわたって一色で形成されている。また、ボタン配置部116に配置された他のボタン(球貸しボタン、返却ボタン91、方向キー92、音量調整ボタン93、光量調整ボタン94等)は、全て、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120とは、異なる色の樹脂材料により形成されている。したがって、どのボタンが球抜き用のボタンなのかわかりやすく、遊技者がボタンをより容易に発見することができる。
なお、上流側球抜きボタン306と下流側球抜きボタン120との他には、これらのボタンと同色の樹脂材料により成形されたボタンが無いようにしてもよい。すなわち、当該色を、受皿16から遊技球を排出させるためのボタンの専用色としてもよい。また、上流側球抜きボタン306および下流側球抜きボタン120以外のボタン(他のボタン)は、専用色を含んでいても良いが、その場合、他のボタンは、専用色以外の色も含んでいることが好ましい。
【0198】
また、本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)の押圧面(ボタンを押下する際に遊技者等が触れる面:上面)(操作面)は、(ほぼ)平らに形成されている。一方、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)の押圧面(ボタンを押下する際に遊技者等が触れる面:前面)(操作面)には、凹凸が形成されている。換言すると、上流側球抜きボタン306の押圧面は、下流側球抜きボタン120の押圧面に比べ、凹凸の多い形状となっている。上流側球抜きボタン306は、外装部品に囲われていることや、受皿16よりも下方において前方に突出して設けられていることから、視認し難くなっているが、凹凸が比較的多く設けられていることにより、遊技者がボタンを探ることが容易となっている。また、下流側球抜きボタン120は、受皿ユニット100の上面を構成するボタン配置部116に設けられているため、視認しやすくなっているが、凹凸が比較的少なくされていることにより、ボタンであることが判別しやすくなっている。
【0199】
また、本実施形態の遊技機では、下流側球抜きボタン120(第1のボタン:第1の操作手段)の操作面は、上流側球抜きボタン306(第2のボタン:第2の操作手段)の操作面よりも面積が小さくなっている。ここで操作面とは、操作手段が如何なる位置に操作されている場合であっても、遊技者の接触できる範囲が変わらない面、遊技者の視認できる範囲が変わらない面をいう。換言すると、操作手段が操作されたことによって周囲の部材によって隠れてしまうような面は、操作面に含まれない。このような構成によれば、操作面の大きさが、操作手段の操作量に関連付けられるので、機能が共通する双方の操作手段に対する操作感覚が掴みやすくなる。したがって、遊技者が意図しない数の遊技球を排出してしまうといった誤操作を防止できる。
【0200】
なお、下流側球抜き孔118から排出された遊技球は、第1通路114を通って下方に導かれる。また、上流側球抜き孔119から排出された遊技球は、第2通路115を通って下方に導かれる。また、第1通路114は、第2通路115に合流している。また、第2通路は、遊技機の下面に設けられた孔400に繋がっている(
図28参照)。そして、下流側球抜き孔118または上流側球抜き孔119から排出された遊技球は、この孔400から遊技機の外部に排出されるようになっている。
【0201】
なお、本実施形態の遊技機では、受皿16は1つとしたが、複数の受皿を有することとしてもよい。例えば、一般に、上皿(第1の受皿)と下皿(第2の受皿)との2つの受皿を有する遊技機が知られている。この種の遊技機では、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)が上皿に貯留される。下皿は、上皿よりも下方位置に設けられており、例えば、上皿が満杯の状態(上皿に所定量以上の遊技球が貯留されている状態)でさらに払い出された遊技球等が貯留される。また、上皿に設けられた球抜き孔からは下皿に向けて遊技球を排出可能となっている。本実施形態の遊技機の構成をこの種の遊技機に適用してもよい。具体的には、例えば、上皿に下流側球抜き孔118と同様の球抜き孔を設けるとともに、当該球抜き孔に対応する下流側球抜きユニット112を設けてもよい。換言すると、本実施形態における下流側球抜き孔118および下流側球抜きユニット112を、上皿に対して設けられたものとして読み替えてもよい。また、例えば、下皿に上流側球抜き孔119と同様の球抜き孔を設けるとともに、当該球抜き孔に対応する上流側球抜きユニット113を設けてもよい。換言すると、本実施形態における上流側球抜き孔119および上流側球抜きユニット113を、下皿に対して設けられたものとして読み替えてもよい。
【0202】
本実施形態に係る遊技機は、
受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
前記受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
前記第2の孔は、前記第1の孔よりも大きく、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さいことを特徴とする。
【0203】
また、本実施形態に係る遊技機は、
第1の受皿から遊技球を排出可能な第1の孔と、
第2の受皿から遊技球を排出可能な第2の孔と、
前記第1の孔を開閉可能な第1の開閉手段と、
前記第2の孔を開閉可能な第2の開閉手段と、
前記第1の開閉手段を動かす操作を受け付ける第1の操作手段と、
前記第2の開閉手段を動かす操作を受け付ける第2の操作手段と、を備え、
前記第2の孔は、前記第1の孔よりも大きく、
前記第1の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第1の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段は、遊技球の直径未満の操作量で、前記第2の孔を遊技球が通過可能な状態とし、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量よりも小さく、
前記第2の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第2の操作手段を動かすのに必要な操作荷重は、前記第1の操作手段についての前記直径未満の操作量分、前記第1の操作手段を動かすのに必要な操作荷重よりも小さいことを特徴とする。
【0204】
このような構成によれば、第1の孔または第2の孔から遊技球を排出させるために必要な、第1の操作手段または第2の操作手段に対する操作量を少なくすることができる。したがって、少ない操作量で、受皿からの球抜きが可能となるので、操作の負担を軽減することができる。また、このような構成によれば、第2の操作手段は、第1の操作手段よりも小さい操作量で球抜きが可能となるとともに、第1の操作手段よりも小さい操作荷重で球抜きが可能となる。このため、受皿に所定量以上の遊技球が貯留され受皿が満タン状態となった場合(満タンエラーが発生した場合)など、迅速な球抜きが望まれる場合に、効率的な球抜きを実行可能な第2の操作手段の操作を促すための体感的な動機を与えることができる。本実施形態に係る遊技機は、快適に操作できる。
【0205】
(第3の実施の形態)
遊技機として、遊技盤および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技球(遊技媒体)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。このような遊技機に代表される所定の遊技機は、遊技球を案内するレールを備えている。ところで、遊技機では、遊技機を装飾する意匠部の大型化に対する要望が高まっているが、意匠部の大型化に伴い、レールに沿って転がる遊技球等、遊技領域内における遊技球の視認性が損なわれるという問題があった。本実施形態では、遊技球の視認性が確保できる遊技機を提供することを目的とする。
【0206】
以下、本発明の第3の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では遊技機の一つであるパチンコ遊技機について説明するが、その他の遊技機(例えば、スロットマシン等)であってもよい。以下の説明において、基本的に「前後」とは、遊技機の前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、遊技機側が「後」を意味し、「上下」とは遊技機の上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とは遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各構成の自由な組み合わせ、あるいは各構成の任意の変形、もしくは各構成の省略が可能である。
【0207】
図29は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の外観構成を示す斜視図である。本実施形態の遊技機は、遊技場から貸し出された遊技球(遊技媒体)を用いて遊技を行うものであり、遊技機の外側面を形成する外枠2と、遊技機の内部に設けられ、遊技球が移動する遊技領域4を形成する遊技盤6と、遊技盤6を遊技者が視認可能かつ接触不可能にするガラスユニット8と、ガラスユニット8が取り付けられている前枠10とを備えている。
図29では図示を省略しているが、パチンコ遊技機1は内枠を備えており、前枠10と内枠とを有する本体枠を備えている。外枠2は、本体枠を取り付け可能となっている。また、パチンコ遊技機1は、受皿(上皿16および下皿24)を有する受皿ユニットを備えている。本体枠は、グリップユニット20(ハンドル)と、受皿ユニットと、を有している。
第1の実施の形態で示した「受皿ユニット320、受皿」は、第3の実施形態において「受皿ユニット、受皿」に、任意に変形すること等が可能である。また、第1の実施の形態で示した「ハンドルユニット330」は、第3の実施の形態において「グリップユニット20」に、任意に変形すること等が可能である。また、第1の実施の形態で示した「前枠300、外枠102」は、第3の実施の形態における「前枠10、外枠2」に、任意に変形等することが可能である。また、第1の実施の形態で示した「内枠104、本体枠」は、第3の実施の形態における「内枠、本体枠」に、任意に変形等することが可能である。また、第1の実施の形態で示した「遊技盤108」は、第3の実施の形態における「遊技盤6」に、任意に変形等することが可能である。また、詳細は後述するが、本実施形態では、前枠10の上部に意匠部(意匠部材)84が設けられている。第1の実施の形態で示した「前枠300、本体枠」には、本実施形態で示す意匠部84を付加等することが可能である。また、第1の実施の形態で示した「遊技盤108」には、本実施形態で示す遊技球通路80を付加等することが可能である。
【0208】
前枠10のうちガラスユニット8を取り囲む部分は、光を透過する半透明の素材により構成されており、半透明の素材により構成されている部分の内部には、遊技を盛り上げるための演出光などを出力する複数の前枠ランプ12が設けられている。また、前枠10には、遊技を盛り上げるための演出音などを出力するスピーカ14が複数設けられている。
【0209】
前枠10の下部中央には、遊技球を貯留するための上皿16が設けられており、上皿16の内側側面の左部には、遊技機から遊技者に遊技球を払い出すための払出口が設けられている。前枠10の下部右側には、グリップユニット20が設けられており、遊技者がグリップユニット20を遊技機に向かって右回りに回転させる操作を行うと、遊技機の内部に設けられた図示しない発射装置が作動して、遊技領域4内に遊技球が発射されるようになっている。なお、本実施形態の発射装置は、1分間に99個(1秒間に1.65個)の遊技球を発射することができる。
【0210】
上皿16の内側側面の右部には、上皿16から遊技球を発射装置に供給するための供給口が設けられている。また、上皿16の下方には、上皿16に遊技球を貯留しきれなくなった場合に余剰の遊技球を貯留しておく下皿24が設けられている。
【0211】
上皿16の縁部の手前側には、演出操作装置26が設けられており、遊技者が演出操作装置26を操作すると、遊技機で行われる演出が変化する。詳細には演出操作装置26は、押しボタンスイッチおよびロータリースイッチ(ジョグダイヤル)を内蔵しており、演出操作装置26を押下する操作と、演出操作装置26を回転させる操作を検出することができるようになっている。
【0212】
図30は、
図29で示した遊技盤6の外観構成を示す正面図である。
図30に示すように遊技盤6には、円形状に外レール28が設けられており、外レール28に囲まれた領域が、遊技球が移動する遊技領域4となっている。また、遊技領域4の左端部には、外レール28に沿うように円弧状に内レール30が設けられており、外レール28と内レール30は、遊技盤6の下方に設けられた図示しない発射装置から発射された遊技球を遊技領域4に誘導する。
【0213】
遊技盤6の中央部には、遊技を盛り上げるための演出画像等を表示する液晶ディスプレイ32と、液晶ディスプレイ32を取り囲むように形成されたディスプレイ枠34を備える演出ユニット36が設けられている。
【0214】
本実施形態では、液晶ディスプレイ32の手前側を遊技球が通過できないようになっており、発射装置から発射された遊技球は、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4か右側の遊技領域4を落下するようになっている。そして遊技領域4には、遊技盤6の表面に交差するように図示しない多数の遊技釘が打ち付けられており、遊技領域4を移動する遊技球の移動方向がランダムに変化するようになっている。
【0215】
ディスプレイ枠34の左部には、液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を落下する遊技球が通過できる開口40が形成されており、この開口40を通過した遊技球はディスプレイ枠34に設けられている通路42を通過して、液晶ディスプレイ32の下方に設けられたステージ44に落下するようになっている。このステージ44の上面は滑らかな曲面となっているとともに、ステージ44とガラスユニット8との間に遊技球がステージ44から下方に落下できる隙間が形成されており、通路42からステージ44上に落下した遊技球がステージ44上を左右に往復移動した後にステージ44の中央部付近から下方に落下するようになっている。
【0216】
ステージ44の中央部の下方には、第1始動入賞口46が設けられている。
また、液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、通過ゲート48が設けられている。また、通過ゲート48の下方に、第2始動入賞口50が設けられている。この第2始動入賞口50には、第2始動入賞口50に遊技球が進入しにくい縮小状態(進入を補助しない状態・非補助状態)と遊技球が進入しやすい拡大状態(進入を補助する状態・補助状態)との間で動作可能な補助部材を備える普通役物52が設けられている。
【0217】
液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4には、第2始動入賞口50の下方に、大入賞口54が設けられている。この大入賞口54には、大入賞口54を塞ぐ可動部材を備える特別役物56が設けられている。特別役物56は、大入賞口54に遊技球が進入不可能な閉状態と、大入賞口54に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図30は閉状態を示している)。特別役物56は、大当たりが当選すると開始される特別遊技状態において、所定条件下で開状態となるように制御される。
【0218】
大入賞口54の下方には、大入賞通路58が下方に向かって設けられている。大入賞通路58の下端には、通常進入口62が設けられている。また、大入賞通路58の下方には、大入賞通路58の途中から下方に向かって分岐するように特定通路65が設けられている。この特定通路65には、特定通路65を塞ぐ可動部材を備える特定役物66が設けられている。特定役物66は、特定通路65に遊技球が進入不可能な閉状態と、特定通路65に遊技球が進入可能な開状態との間で動作可能に構成されている(
図30は閉状態を示している)。特定役物66は、特別遊技状態において所定条件下で開状態となるように制御される。特定通路65の下端には、特定進入口68が設けられている。また、遊技領域4の最下部には、いずれの入賞口にも進入せずに遊技領域4を落下した遊技球を遊技機の内部に回収するアウト口69が設けられている。
【0219】
遊技球の発射装置は、
図29で示したグリップユニット20の回転量を調整することにより遊技球の射出力が変化するように構成されており、グリップユニット20の回転量が少ない場合には液晶ディスプレイ32の左側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射され、グリップユニット20の回転量が多い場合には液晶ディスプレイ32の右側の遊技領域4を遊技球が落下するように遊技球が発射される。
【0220】
遊技者は、遊技状況に応じてグリップユニット20の回転量を調整し、遊技球が左側の遊技領域4を落下して、あるいは開口40と通路42とステージ44を通過して第1始動入賞口46に進入するように遊技球を発射させたり(左打ち)、遊技球が右側の遊技領域4を落下して、通過ゲート48を遊技球が通過するように、あるいは第2始動入賞口50に遊技球が進入するように、あるいは大入賞口54に遊技球が進入するように遊技球を発射させたりする(右打ち)。
【0221】
遊技盤6の右下部であって、遊技領域4の外側には、遊技機の各種状態をランプ等の点灯および消灯により示す状態表示部70が設けられている。本実施形態の遊技機は、メイン基板およびサブ基板を含む制御基板によって制御される。そして、メイン基板やサブ基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM(情報記憶媒体の一例)、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0222】
メイン基板は、入力手段(第1始動入賞口センサ、通過ゲートセンサ、第2始動入賞口センサ、大入賞口センサ、通常進入口センサ、特定通路センサ、払出センサ等)からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、出力手段(状態表示駆動装置、普通役物駆動装置、特別役物駆動装置、特定役物駆動装置、払出装置等)の動作制御を行う。
【0223】
サブ基板は、メイン基板から送られてくるコマンドや、演出操作装置26に対する操作を検出する演出操作センサからの入力信号を受けて、遊技の進行状況に合わせた演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて、演出装置(演出表示装置、音響装置、演出物駆動装置等)の動作制御を行う。
【0224】
本実施形態の遊技機では、
図30に示すように、遊技領域4が左側に位置する左打ち領域4aと右側に位置する右打ち領域4bとに区画されており、遊技者が遊技球の発射強度を変化させることにより、異なる領域に遊技球を落下させることができるようになっている。
【0225】
また、遊技領域4の上端部(上部)には、左打ち領域4aと右打ち領域4bとを繋ぐ遊技球通路80が設けられている。そして、所定の発射強度以上で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路80を通過して右打ち領域4bに進む一方、所定の発射強度未満で発射装置から発射された遊技球は遊技球通路80を通過せずに左打ち領域4aに進むようになっている。
【0226】
遊技球通路80は、外レール28と、この外レール28に沿って、外レール28よりも下方に設けられたレール81とによって形成されている。また、遊技球通路80は、外レール28の上端を含んで形成されている。また、遊技球通路80の幅(外レール28とレール81との間隔)は、最も狭い部分で、遊技球1個分の直径よりも長く、遊技球2個分の直径よりも短くなっている。また、この遊技球通路80の幅が最も狭くなる部分は、遊技球通路80の頂部、換言すると外レール28の上端(頂部:頂点)とレール81の当該上端に対向する部分によって形成される部分、さらに換言すると遊技領域4の上端に位置する部分となっている。
【0227】
また、本実施形態の遊技機では、
図29および
図31に示すように、前枠10の上部に、左右方向に長尺な略方形箱状の意匠部(意匠部材)84が設けられている。また、意匠部84は、左右方向の長さが前枠10の左右方向の長さの半分以上となっている。また、意匠部84は、その前面が、遊技領域4およびガラスユニット8よりも前方に位置するよう、前方に突出して配置されている。
なお、本実施形態の遊技機においては、ガラスユニット8は、板面を平行にして前後方向に並べられた2枚の透明板(ガラス板)8a,8bを有している。
【0228】
意匠部84は、その内部に設けられた照明用のLED基板(図示せず)と、これを覆う外装部材85とを備えており、外装部材85の内側に、LED基板を収納するスペースが確保されている。また、外装部材85の意匠部84前面を構成する部分には機種名等を表わすロゴが付されており、内部に設けられたLED基板によってロゴが光るようになっている。
なお、意匠部84の内部にスピーカ等が設けられていてもよい。
【0229】
意匠部84の下面86は、前側部分が最も下方に位置している。また、当該前側部分は、水平面に略平行な平面87となっている。また、意匠部84の下面86は、平面87の後端より後ろ側が、水平面に対して傾斜した傾斜面88となっている。そして、意匠部84の下面86は、後側部分(傾斜面88部分)が、後方に向かうにつれて上方に向かう形状となっている。すなわち、意匠部84は、後側部分よりも前側部分が下方に突出しており、突出部90が形成されている。また、意匠部84の下面86(傾斜面88)の後端は、ガラスユニット8に当接または近接している。
なお、意匠部84の下面86の後端の形状は、外レール28の形状に沿って形成されていてもよい。すなわち、下面86の後端が、正面から見た場合に上側に凸となるように湾曲した形状となっていてもよい。また、これに合わせて下面86(傾斜面88)の形状が上側に向けてくぼんだすり鉢状となっていてもよい。
【0230】
図31は、
図29のA-A線断面における要部の概略図であり、遊技領域4の上端(頂部:外レール28の上端)を通る上下方向および前後方向に平行な面で切った断面を示すものである。
図31に示す断面は、レール81の上端(頂部)および意匠部84の下面86の後端の上端(頂部)も通っている。
【0231】
意匠部84の下面86の後端は、遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)において、遊技領域4の上端よりも下方に位置している。換言すると、意匠部84の下面86の後端は、遊技球通路80の上面80a(外レール28の後述する案内面113)の上端よりも下方に位置している。また、意匠部84の下面86の後端は、遊技球通路80の下面80b(レール81の遊技球が接する面)の上端よりも上方に位置している。また、意匠部84の下面86の後端は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球B(遊技球通路80の上面80aの上端に接した状態の遊技球:外レール28(案内面113)の頂部に接した状態の遊技球)の下端よりも上方に位置している。より具体的には、当該状態の遊技球Bの中心(
図31に一点鎖線Cで図示)よりも上方に位置している。
【0232】
また、突出部90は、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの中心よりも下方に突出している。換言すると、突出部90の下端は、当該状態の遊技球Bの中心よりも下方に位置している。より具体的には、突出部90の下端は、当該状態の遊技球Bの下端よりも下方に位置している。また、突出部90は、遊技球通路80の下面80bの上端よりも下方に突出している。
【0233】
以上から明らかなように、意匠部84は、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bと重なり合うようになっており、当該状態の遊技球B全体を覆うようになっている。また、意匠部84は、下面86の後端における遊技領域4の上端に対応する部分(遊技領域4上端の前方部分)が、前後方向(遊技盤6およびガラスユニット8に垂直な方向)において、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bの少なくとも下半分と重ならないようになっており、当該状態の遊技球の少なくとも下半分を覆わないようになっている。また、下面86の後側部分は、傾斜面88となっている。このため、遊技球が遊技領域4の上端に位置する場合であっても、遊技領域4を転がる遊技球を遊技者が容易に視認できるようになっている。ここで、所定の位置、具体的には遊技者のアイポイントからは、遊技者が顔を上下左右に動かすことなく当該状態の遊技球の少なくとも下半分が見えるようになっていることが好ましい。遊技者のアイポイントとは、椅子に座って遊技をするときの遊技者の目の位置を意味する。具体的には、例えば、遊技者の目とガラスユニット8との前後方向における距離が30~50cmの間であって、遊技者の目と遊技機底面との上下方向における距離(高さ)が40~60cmの間である場合に、当該状態の遊技球の少なくとも一部(下半分)を視認することができるようになっているとよい。換言すると、ガラスユニット8からの距離が30~50cmの間であって、遊技機底面からの高さが40~60cmの間である所定点から遊技領域4の上端に位置する遊技球B(遊技球Bの中心よりも下側の部分)までの直線上に意匠部84がかからないようになっているとよい。このような構成によれば、意匠部84を大型化しつつ遊技領域を移動する遊技媒体の視認性を確保することができる。
【0234】
次に、遊技領域4の上端(頂部:外レール28の上端)を通る上下方向および前後方向に平行な面で切った断面における、意匠部84と、遊技球通路80と、遊技領域4の上端に位置した状態の遊技球Bとに関する各種長さについて、
図31を参照しながら説明する。
【0235】
図31に示すように、当該断面において、遊技球通路80の上面80a(後述する第1の基準線BL1)は、意匠部84の下面86の後端91よりも上方に位置している。なお、以下では、意匠部84の下面86の後端部を、第1意匠部91ともいう。第1意匠部91は、遊技球通路80の上面の上端を通り、遊技球通路80の上面80aの短手方向に延びる水平線を第1の基準線BL1とした場合に、意匠部84の下面86における、第1の基準線BL1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分ともいえる。また、第1意匠部91は、遊技球通路80の下面80bのうち、遊技球通路80の上面80aの上端の直下に位置する部分を通り、遊技球通路80の上面80aの短手方向に延びる水平線を第2の基準線BL2とした場合に、意匠部84の下面86における、第2の基準線BL2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分ともいえる。なお、ここで、遊技球通路80の下面80bのうち、遊技球通路80の上面80aの上端の直下に位置する部分は、下面80bの上端であってもよく、下面80bの上端でなくてもよい。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の上面80aと第1意匠部91との上下方向における間隔L1は、約4mmとなっている。すなわち、間隔L1は、遊技球の直径(11mm)以下、より具体的には直径未満となっている。なお、間隔L1は、第1の基準線BL1から第1意匠部91までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0236】
また、当該断面において、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)は、意匠部84の下面86の下端92(平面87の後端)よりも上方に位置している。なお、以下では、意匠部84の下面86の下端部(平面87の後端部)を、第2意匠部92ともいう。第2意匠部92は、意匠部84の下面86における、第1の基準線BL1と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分ともいえる。また、第2意匠部92は、意匠部84の下面86における、第2の基準線BL2と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分ともいえる。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の上面80aと第2意匠部92との上下方向における間隔L2は、約40mmとなっている。すなわち、間隔L2は、遊技球の直径以上、より具体的には直径を超える長さとなっている。なお、間隔L2は、第1の基準線BL1から第2意匠部92までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0237】
また、当該断面において、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)は、第1意匠部91よりも下方に位置している。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の下面80bと第1意匠部91との上下方向における間隔L3は、約14mmとなっている。すなわち、間隔L3は、遊技球の半径以上、より具体的には半径を超える長さ、さらに具体的には直径以上(直径を超える長さ)となっている。なお、間隔L3は、第2の基準線BL2から第1意匠部91までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0238】
また、当該断面において、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)は、第2意匠部92よりも上方に位置している。本実施形態の遊技機では、当該断面において、遊技球通路80の下面80bと第2意匠部92との上下方向における間隔L4は、約22mmとなっている。すなわち、間隔L4は、遊技球の直径以上、より具体的には直径を超える長さとなっている。なお、間隔L4は、第2の基準線BL2から第2意匠部92までの距離(鉛直線上における距離)ともいえる。
【0239】
以上のように、第2意匠部92を、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)よりも下方に位置させることで意匠部84を大型化することができ、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)よりも下方に位置させることで意匠部84をさらに大型化することができる。また、このように意匠部84を大型化しつつも、遊技球通路80の上面80a(第1の基準線BL1)と第1意匠部91との間隔L1を遊技球の直径以下(直径未満)としたことにより、遊技球が強く打ち出された場合(上面80aに沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。また、このように意匠部84を大型化しつつも、遊技球通路80の下面80b(第2の基準線BL2)と第1意匠部91との間隔L3を遊技球の半径以上(半径を超える長さ)としたことにより、遊技球が弱く打ち出された場合(下面80bに沿って遊技球が転がる場合)において遊技球の視認性を確保することができる。
【0240】
次に、外レール28に係る構成について
図32~
図37を参照しながら説明する。
外レール28は、外レール28を支持する支持部材としてのレールベース100に支持される。そして、レールベース100が、遊技盤6に固定されることで、外レール28が遊技盤6に取り付けられる。なお、レールベース100は、例えば、ねじ止めによって遊技盤6に固定される。また、遊技盤6は、透明の樹脂によって略方形の板状に形成されている。
【0241】
外レール28は、薄板状の長尺な部材となっている。なお、以下では、外レール28に係る各長さについて、長さ方向(長手方向)の長さを「長さ」といい、幅方向(短手方向)の長さを「幅」といい、厚さ方向の長さ(板厚)を「厚さ」という。本実施形態においては、
図33に示すように、外レール28の長さLは、900mm以上(少なくとも、800mm以上)となっている。また、外レール28の幅Wは、約15mmとなっている。また、外レール28の板厚Tは、約0.6mmとなっている。また、本実施形態においては、外レール28は金属、具体的にはステンレス鋼(例えば、SUS430)によって形成されている。
【0242】
外レール28の一端部(始端部)には、略L字状に折り曲げられた折り曲げ部110が形成されている。また、外レール28の他端部(終端部)には、略U字状に曲げられたU字形状部(曲部)112が形成されている。
【0243】
U字形状部112の曲げ半径Rは、約6mmとなっている。換言すると、U字形状部112の両端の間隔(U字形状部112における対向する面同士の間隔)は、約12mmとなっている。また、U字形状部112は、外レール28の厚さ方向において、約12mmの高さHを有している。
なお、U字形状部112の曲率は、後述する湾曲面126の曲率よりも大きく、レールベース100に取り付けられた状態(遊技機として組み立てられた状態)の外レール28の案内面113の曲率よりも大きくなっている。
【0244】
外レール28には、折り曲げ部110とU字形状部112との間に、案内面113が形成されている。案内面113は、発射装置から発射された遊技球が当たる面であり、発射装置から発射された遊技球は案内面113に沿って転がり、遊技領域4に案内される。
【0245】
また、外レール28には、略方形状の穴114が形成されている。穴114は、外レール28のU字形状部112(U字形状部112に対応する位置)に形成されている。また、穴114の長さは、U字形状部112の長さを超える長さとなっている。換言すると、穴114は、U字形状部112の長さ方向(U字に沿った方向)の全体にわたり形成されている。具体的には、穴114は、U字形状部112と、案内面113との間に形成された角部115aにまでわたって形成されている。換言すると、穴114は、U字形状部112の長さ方向における両側端部(U字形状部112と他の部分との境目)に形成された角部115a,115bの少なくとも一方(好ましくは両方)にまでわたって形成されている。
なお、穴114は、角部115a,115bの少なくとも一方を越えて形成されていてもよい。なお、角部115a,115bは、R形状となっている。
【0246】
穴114の幅Waは、外レール28(U字形状部112)の幅Wの1/2以下であることが好ましく、1/3以下であることがさらに好ましい。また、穴114の幅Waは、外レール28(U字形状部112)の幅Wの1/5以上であることが好ましく、1/4以上であることがさらに好ましい。穴114の幅Waをこのように設定することで、U字形状部112の柔軟性を高めつつ、U字形状部112の強度を高く維持することができる。本実施形態においては、穴114の幅Waは、4mmに設定されている。
【0247】
なお、穴114は、外レール28の厚さ方向に貫通するものでなくてもよい。換言すると、穴114部分は、他の部分に比べて肉薄に形成されていればよい。さらに換言すると、穴114は、何らかの肉抜きがされた肉抜き部であればよい。すなわち、外レール28のうち、U字形状部112の穴114が形成された部分は、案内面113が形成された部分に比べて、板面に垂直な断面における断面積が小さくなっていればよい。
【0248】
また、外レール28には、位置決め用の孔118が複数(本実施形態では5個)形成されている。各孔118には、後述する突出部128が挿入されるようになっている。孔118は、長さが幅の2倍以上の長円形となっている。本実施形態では、孔118は、長さLaが5.2mm、幅Wbが2mmとなっている。
【0249】
また、孔118は、長さ方向において一列に並べて配置されている。また、孔118は、幅方向における中心から外れて(中心にかからないように)配置されている。具体的には、外レール28の幅方向において、孔118の中心から外レール28の端までの距離Wcは、2.7mmに設定されている。また、孔118は、案内面113を転がる遊技球が当たることのない位置に配置されている。より具体的には、案内面113を転がる遊技球が当たることのない位置に、全ての孔118が配置されている。
なお、孔118は、全て案内面113に形成されており、折り曲げ部110、U字形状部112およびU字形状部112よりも終端側の部分(延長部120)には形成されていない。また、外レール28の案内面113には、複数の孔118と同一直線状に、円形の孔119が2つ形成されている。この2つの孔119は、外レール28の加工の際に使用される孔であり、孔119には、後述する突出部128は挿入されない。
【0250】
図34~
図36は、レールベース100に外レール28が取り付けられた取付状態を示す図である。レールベース100は、
図34に示すように、黒色の樹脂材料によって略L字状に形成されている。また、レールベース100は、円弧状に形成された湾曲面126を有している。湾曲面126は、遊技盤6(遊技領域4)の左下側から、左上側を通って、右上側に至るように形成されており、右下側が開いた形状に形成されている。
【0251】
湾曲面126には、長さ方向に沿って複数(本実施形態では5個)の突出部128が形成されている(
図32参照)。突出部128は、湾曲面126の前後方向における中心よりも後方に配置されている。また、各突出部128は、外レール28の各孔118と、互いに対応する位置に配置されている。
【0252】
また、湾曲面126の前縁には、湾曲面126よりも遊技領域4側に突出する壁部129が、湾曲面126に沿って形成されている(
図36、
図37参照)。
【0253】
レールベース100の左下部(一端部)には、
図34および
図36に示すように、外レール28の折り曲げ部110が挿入される断面略L字状の凹部130が設けられている。また、凹部130には、外レール28の長さ方向における一端面(始端側の端面)が突き当たる突き当て面(当接面)131が形成されている。
なお、凹部130は、外レール28の長さ方向において、外レール28の当該一端面以外の部分が当たらないようになっている。具体的には、外レール28の折り曲げ部110のうち、案内面113に交差(略直交)する方向に延びる逃げ部110aは、(少なくとも外レール28の長さ方向において)凹部130に当たらないようになっている。
【0254】
また、レールベース100の右上部(他端部)には、
図34および
図35に示すように、外レール28の長さ方向における他端面(終端側の端面)が突き当たる突き当て面(当接面)135が形成されている。また、レールベース100の右上部には、U字形状部112が収容される収容部137が形成されている。
【0255】
収容部137は、湾曲面126の右上側の端に隣接して設けられている。収容部137は、断面略コ字状の壁部137aによって形成された空間137bを有している。また、空間137bは、湾曲面126よりも遊技領域4の外側に向かって広がる空間となっている。そして、この空間137bにU字形状部112が収容されるようになっている。壁部137aの一端は、湾曲面126の右上側の端に接続されている。また、壁部137aの他端137cは、湾曲面126の仮想延長線上(湾曲面126をその曲率にしたがってそのまま延長した場合の所定位置)に配置されている。また、当該他端137cよりも湾曲面126から遠ざかる位置であって、外レール28の板厚方向反対側の位置には、リブ139が形成されている。そして、当該他端137cとリブ139との間に挟まれるように、外レール28の延長部120が配置されるようになっている。
【0256】
外レール28は、折り曲げ部110がレールベース100の凹部130に挿入され、一端面が突き当て面131に突き当てられている。また、外レール28は、他端面が突き当て面135に突き当てられている。そして、外レール28は、レールベース100に取り付けられた取付状態において、突き当て面131と突き当て面135との間で突っ張った状態となっている。すなわち、外レール28の長さLは、突き当て面131から突き当て面135までの距離(湾曲面126に沿った方向における距離)よりも長く設定されている。本実施形態の遊技機においては、外レール28の長さLは、当該距離よりも3mm長く設定されている。換言すると、外レール28は、外レール28が設置される部分の長さ(突き当て面131から突き当て面135までの距離)に対して、3mmの余長を有している。
【0257】
取付状態においては、U字形状部112によって、外レール28の余長が吸収されるようになっている。すなわち、まず、取付状態においては、外レール28は、レールベース100の湾曲面126に沿って配置される。このとき、外レール28の案内面113とは反対側の面(裏面)の略全体が、湾曲面126の略全体に接した状態となる。換言すると、案内面113は、湾曲面126に沿った面(略平行な面)となる。また、U字形状部112の両端の間隔(角部115a,115bの間隔)が縮まるようにU字形状部112がたわみ、これによって外レール28の余長が吸収される。そして、突き当て面131と突き当て面135との間で、外レール28が張られた状態となる。
なお、
図34および
図35では、外レール28の終端28aが、突き当て面135を貫いて表示されているが、実際には、当該終端28aは、突き当て面135に突き当たって止まり、突き当て面135を貫通するものではない。換言すると、
図34および
図35における、突き当て面135を貫通している部分が、外レール28の余長部分であり、当該貫通している部分の長さが、U字形状部112によって吸収される。なお、U字形状部112は、取付状態(余長を吸収してたわんだ状態)でも、収容部137の壁部137aに当たらないようになっている。
【0258】
本実施形態の遊技機では、外レール28の余長3mmは、U字形状部112の両端の間隔(U字形状部112における対向する面同士の間隔:約12mm)よりも短く設定されている。より具体的には、余長は、U字形状部112の曲げ半径R(約6mm)以下(U字形状部112の両端の間隔の半分以下)に設定されている。このため、U字形状部112によって余長を効果的に吸収することができる。
なお、基準値(設計値)としての余長3mmは、外レール28の公差よりも長く設定されている。本実施形態の遊技機では、外レール28の長さLの公差は、±0.8mmに設定されている。そこで、外レール28が最大限短く製造された場合(公差が下限となる-0.8mmとなる場合)であっても、0mm以上の余長(本例においては、2.2mmの余長)が生じるように、余長の基準値が設定されている。すなわち、外レール28の長さLは、公差を含めても余長が生じる長さに設定されている。また、外レール28が最大限長く製造された場合(公差が上限となる+0.8mmとなる場合)であっても、U字形状部112の曲げ半径R以下(U字形状部112の両端の間隔の半分以下)の余長(本例においては3.8mmmの余長)となるように、余長の基準値が設定されている。
【0259】
また、取付状態においては、レールベース100の複数の突出部128のそれぞれが、外レール28の複数の孔118のそれぞれに挿入されている。ここで、孔118の長さLaは、取付状態において突出部128に当接しない長さに設定されている。また、孔118の幅Wbは、取付状態において突出部128に当接し得る長さに設定されている。
【0260】
突出部128は、外レール28の幅方向において孔118に当接することで、外レール28が幅方向に動くことを規制している。すなわち、突出部128は、外レール28の動きを規制する規制部(規制手段)となっている。そして、突出部128と孔118とは、外レール28の幅方向における位置を決める位置決め部(位置決め手段)として機能している。
なお、当該規制部は、突出部128のような形でなくてもよく、例えば、ピン等であってもよい。具体的には、例えば、規制部としての割りピンを、孔118を貫通するようにして(割りピンの足が孔118を跨ぐようにして)設け、当該割りピンの両足をレールベース100あるいは遊技盤6等に嵌め込むことで、当該割りピンによって、外レール28の動きを規制してもよい。
【0261】
一方で、取付状態において、突出部128は、外レール28の長さ方向において孔118に当接しないようにされており、外レール28が長さ方向に動くことは規制しないようになっている。換言すると、突き当て面131と突き当て面135との間に収められ、長さが縮められた外レール28の反発力は、突き当て面131と突き当て面135に加わり、突出部128には(ほとんど)加わらないようになっている。これにより、外レール28の長さ方向における位置決めを、突き当て面131と突き当て面135とによって安定して行うことができる。さらに、本実施形態の遊技機では、外レール28の折り曲げ部110の逃げ部110aが、外レール28の長さ方向において凹部130に当たらないようになっているので、外レール28の長さ方向における位置決めを、突き当て面131と突き当て面135とによってより安定して行うことができる。
なお、突き当て面131,135からの反発力以外の外力を無理やり加え(例えば、人力等により)、U字形状部112を無理やり縮ませた場合等には、外レール28の長さ方向において、孔118や逃げ部110aがレールベース100に当接し得るようになっていてもよい。
【0262】
また、突出部128は、外レール28の板厚方向における長さ(高さ)が、外レール28の板厚以下に設定されている。すなわち、突出部128は、外レール28の案内面113よりも遊技領域4側に突出しないようになっている。
【0263】
また、外レール28が、レールベース100に対して遊技機の前側(外レール28の幅方向)に最大限動いた場合でも、外レール28の前側の端面は、レールベース100の壁部129に当接しないようになっている。すなわち、壁部129は、外レール28の動きを規制する機能は有していない。一方、壁部129は、外レール28の板厚方向における長さ(高さ)が、外レール28の板厚以上に設定されており、外レール28の端面が遊技者から見えないようにする機能を有している。
ただし、壁部129は、外レール28の動きを規制するものであってもよい。
【0264】
ここで、外レール28に沿って転がる遊技球Bと、孔118等との関係について、
図37を参照しながら説明する。
図37は、外レール28およびレールベース100の要部を示す概略図であり、案内面113および湾曲面126に垂直な平面で切った断面を示すものである。
【0265】
図37に示すように、孔118および突出部128は、外レール28に沿って転がる遊技球Bに当たらない位置に形成されている。より詳細に説明すると、孔118は、外レール28が幅方向において最大限動いた場合であっても(例えば、
図37における上側に最大限動いた場合であっても)、遊技球Bに当たらない位置に形成されている。換言すると、突出部128は、孔118が遊技球Bに当たらないように、外レール28の幅方向における動きを規制しているともいえる。なお、
図37では、突出部128は、案内面113よりも遊技領域4側に突出しているが、このように突出部128が突出して形成される場合であっても、突出部128の突出量は、突出部128が遊技球Bに当たらないように設定されることが好ましい。
【0266】
なお、
図37に示すように、案内面113(湾曲面126)は、外レール28の幅方向において、前側に向かうほど遊技領域4側(外レール28の径方向内側)に向かう傾斜面となっている。換言すると、案内面113は、遊技球を前方向に流れにくくする(後側に沿って流れやすくする)ための傾斜面となっている。
【0267】
本実施形態の遊技機によれば、レール28は、略U字状に曲がったU字形状部112と、U字形状部112に対応する位置に形成された穴114と、を備え、穴114は、U字形状部112のU字に沿った方向において、U字形状部112の全体にわたる長さとなるので、製造上生じるレール28の長さのバラつきをU字形状部112で吸収し、レール28を安定して正確に取り付けることができる。また、U字形状部112に対応する位置に穴114を形成することで、U字形状部112を案内面113部分よりも柔らかくすることができ、U字形状部112を案内面113部分に比べ変形しやすくすることができる。このため、レール28をレールベース100に取り付ける際に、案内面113を適度に張りつつ、余計な力をU字形状部112に逃がして、レール28を正確に取り付けることができる。したがって、レール28に沿って転がる遊技球の動きを安定させることができ、快適な遊技が提供できる。
【0268】
また、穴114の長さをU字形状部112の全体にわたる長さとしたことにより、U字形状部112内における力のかかり具合を均等にすることができる。このため、U字形状部112内における一部に力がかかりすぎる等して、レール28の変形がいびつとなることを防止でき、レール28をより正確に取り付けことができる。また、U字形状部112内における一部に力がかかりすぎる等して、レール28が破損してしまうことを防止できる。さらに、本実施形態においては、穴114は、U字形状部112の長さ方向における両側端部に形成された角部115a,115bの少なくとも一方にまでわたって形成されているので、負荷が集中しやすい角部115a,115bの柔軟性を高め、角部115a,115bが壊れてしまうことを防止できる。
【0269】
また、穴114は、レール28の幅方向において、レールの幅Wの1/3以下の長さ(4mm)となっているので、U字形状部112の剛性を適切な範囲にすることができる。すなわち、U字形状部112の剛性を一定以上の高さとすることができ、レール28にかかる力をU字形状部112が吸収しすぎてしまうことを防止できる。したがって、案内面113の張りが弱まりすぎてしまうことを防止でき、遊技球の動きをより安定させることができる。
【0270】
また、案内面113には、位置決めを可能とする孔118が複数(5個)形成されており、孔118は、全て、前記案内面に沿って転がる遊技球が当たらない位置に形成されているので、遊技球が孔118の上を転がり振動してしまうことなどを防止できる。したがって、遊技球の動きをより安定させることができる。
【0271】
なお、
図35に示すように、案内面113のU字形状部112側の端部には、弾性体(例えばゴム)により形成された弾性部材150が配置される。そして、U字形状部112の近傍において、外レール28は、弾性部材150と湾曲面126とに挟まれた状態となる。弾性部材150は、案内面113に沿って終端側(右打ち領域4b)まで案内された遊技球が衝突する衝突面151を有している。そして、弾性部材150は、遊技球が遊技機の部材に衝突する際の衝撃を緩和するようになっている。
【0272】
また、
図38に示すように、複数の孔118(複数の突出部128)は、全て、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも左側(発射装置側)に設けられている。また、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心を境として下側の方が上側よりも多くなっている。換言すると、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左端(左頂点)P2を境として下側の方が上側よりも多くなっている。具体的には、例えば、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心よりも上側に1個または2個の孔118(突出部128)が設けられており、上下方向中心よりも下側に3個の孔118(突出部128)が設けられている。
なお、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1および左端(左頂点)P2には、孔118(突出部128)が設けられていない。
【0273】
なお、複数の孔118(複数の突出部128)のうち、いくつかが、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも右側に設けられていてもよい。この場合に、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左右方向中心を境として左側の方が右側よりも多くなっているとよい。換言すると、孔118(突出部128)の数は、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1を境として左側の方が右側よりも多くなっているとよい。具体的には、例えば、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左右方向中心よりも右側に1個の孔118(突出部128)が設けられており、左右方向中心よりも左側に3個または4個の孔118(突出部128)が設けられていてもよい。また、左右方向中心よりも左側に設けられる複数の孔118(突出部128)については、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心の下側に配置される孔118(突出部128)の方が、上側に配置される孔118(突出部128)よりも多くなっていてもよい。例えば、左側に4個の孔118が設けられる場合に、下側に3個配置され、上側に1個配置されてもよい。また、左右方向中心よりも左側に設けられる複数の孔118(突出部128)については、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心の上側に配置される孔118(突出部128)の方が、下側に配置される孔118(突出部128)よりも多くなっていてもよい。例えば、左側に3個の孔118が設けられる場合に、上側に2個配置され、下側に1個配置されてもよい。
なお、このようにいくつかの孔118(突出部128)が、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)よりも右側に設けられる場合であっても、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)および左端(左頂点)には、孔118(突出部128)が存在しないようにするとよい。遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)や、左端(左頂点)に、孔118(突出部128)が存在しないようにすることで遊技球が安定した軌道を辿ることができる。
【0274】
また、外レール28(案内面113)について、始端(左下端)から左端(最も左側に位置する部分:正面視における9時の位置)P2までの範囲を第1の範囲H1とし、左端から上端(最も上側に位置する部分:正面視における12時の位置)P1までの範囲を第2の範囲H2とし、上端から終端(右上端)までの範囲を第3の範囲H3とした場合に、各範囲の孔118(突出部128)の数を以下のような関係にしてもよい。
すなわち、孔118(突出部128)の数は、第3の範囲H3よりも第2の範囲H2の方が多く、第2の範囲H2よりも第1の範囲H1の方が多くなっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1>第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第3の範囲H3よりも第2の範囲H2の方が多く、第1の範囲H1は第2の範囲H2以上となっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1≧第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1の方が第3の範囲H3よりも多く、第2の範囲H2は第1の範囲H1以上となっていてもよい。すなわち、第2の範囲H2≧第1の範囲H1>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1の方が第3の範囲H3よりも多く、第2の範囲H2の方が第3の範囲H3よりも多くなっていてもよい。すなわち、第1の範囲H1および第2の範囲H2>第3の範囲H3としてもよい。また、孔118(突出部128)の数は、第1の範囲H1が第2の範囲H2以上であり、かつ第3の範囲H3以上であってもよい。すなわち、第1の範囲H1≧第2の範囲H2および第3の範囲H3としてもよい。なお、孔118(突出部128)の最も少ない範囲における孔118(突出部128)の数は、0個であってもよい。
なお、外レール28(案内面113)のうち、遊技領域4(外レール28:案内面113)の左端を通り左右方向に延びる仮想直線をX軸とし、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端を通り上下方向に延びる仮想直線をY軸とするXY平面において、第3象限に位置する部分を第1の範囲と呼び、第2象限に位置する部分を第2の範囲と呼び、第1象限に位置する部分を第3の範囲と呼ぶこともできる。また、外レール28(案内面113)のうち、遊技領域4の中心を通り左右方向に延びる仮想直線をX軸とし、遊技領域4の中心を通り上下方向に延びる仮想直線をY軸とするXY平面において、第3象限に位置する部分を第1の範囲と呼び、第2象限に位置する部分を第2の範囲と呼び、第1象限に位置する部分を第3の範囲と呼ぶこともできる。
【0275】
以上のように、孔118の数は、発射装置に近い側の方が、発射装置から遠い側に比べて多くなるようにするとよい。具体的には、前述の各配置のようにするとよい。このような構成によれば、遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外レール28の配置について特に正確さが求められる発射装置側(第1の範囲H1側)の孔118を多くし、発射装置側の外レール28のずれや振動を確実に防止することができる。また、このような構成によれば、遊技球から受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端側(第3の範囲H3側)の孔118を少なくし、外レール28の加工やレールベース100への取り付けを容易にすることができる。
【0276】
なお、孔118は、本実施形態に示したような形状でなくてもよく、例えば、切り欠き等であってもよい。また、切り欠きの場合であっても、切り欠きの配置は上述の孔118の場合と同様にすればよい。具体的には、例えば、複数の切り欠きを、全て、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1よりも左側に設けてもよい。また、このような場合であって、例えば、切り欠きが2個あるような場合、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上下方向中心よりも上側に1個の切り欠きを設け、上下方向中心よりも下側に1個の切り欠きを設けてもよい。
なお、このようにいくつかの切り欠きが外レール28に設けられる場合であっても、遊技領域4(外レール28:案内面113)の上端(上頂点)P1および左端(左頂点)P2には、切り欠きが存在しないようにするとよい。
【0277】
本実施形態に係る遊技機は、
遊技領域の上方において前方に突出する意匠部と、
前記遊技領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路と、を備える遊技機であって、
前記遊技球通路の上面の頂点を通り、前記遊技球通路の上面の短手方向に延びる水平線を基準線とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部とすると、
前記第1意匠部は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の直径以下となっており、
前記第2意匠部は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の直径以上となっていることを特徴とする。
【0278】
このような構成によれば、第2意匠部は、基準線よりも下方に位置するとともに、基準線からの距離が遊技球の直径以上となるので、意匠部を大型化することができる。また、このように意匠部を大型化しつつも、基準線と第1意匠部との間隔を遊技球の直径以下としたことにより、遊技球が強く打ち出された場合(遊技球通路の上面に沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。本実施形態に係る遊技機は、遊技球の視認性が確保できる。
【0279】
本実施形態に係る遊技機は、
遊技領域の上方において前方に突出する意匠部と、
前記遊技領域の上端部を通る遊技球が案内される遊技球通路と、を備える遊技機であって、
前記遊技球通路の下面のうち、前記遊技球通路の上面の頂点の直下に位置する部分を通り、前記遊技球通路の上面の短手方向に延びる水平線を基準線とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も後側の部分を第1意匠部とし、
前記意匠部の下面における、前記基準線と交わる鉛直線が交わり得る部分のうち、最も下側の部分を第2意匠部とすると、
前記第1意匠部は、前記基準線よりも上方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の半径以上となっており、
前記第2意匠部は、前記基準線よりも下方に位置するとともに、前記基準線からの距離が遊技球の直径以上となっていることを特徴とする。
【0280】
このような構成によれば、第2意匠部は、基準線よりも下方に位置するとともに、基準線からの距離が遊技球の直径以上となるので、意匠部を大型化することができる。また、このように意匠部を大型化しつつも、基準線と第1意匠部との間隔を遊技球の半径以上としたことにより、遊技球が弱く打ち出された場合(遊技球通路の下面に沿って遊技球が転がる場合)において、遊技球の視認性を確保することができる。本実施形態に係る遊技機は、遊技球の視認性が確保できる。
【0281】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、パチンコ遊技機の構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。本発明は発明の範囲内において、任意の構成要素の変形、もしくは任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0282】
100 遊技機
102 外枠
342 ハンドルリング(ハンドル)
100 受皿ユニット
110 皿部材
112 下流側球抜きユニット(第1球抜きユニット)
113 上流側球抜きユニット(第2球抜きユニット)
118 下流側球抜き孔(第1の孔)
119 上流側球抜き孔(第2の孔)
120 下流側球抜きボタン(第1の操作手段)
125 下流側蓋(第1の開閉手段)
300 上流側蓋(第2の開閉手段)
306 上流側球抜きボタン(第2の操作手段)
4 遊技領域
6 遊技盤
28 外レール(レール)
80 遊技球通路
80a 上面
80b 下面
84 意匠部
86 下面
91 第1意匠部
92 第2意匠部
113 案内面
118 孔