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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】受診管理システム
(51)【国際特許分類】
   G16H 40/20 20180101AFI20240123BHJP
【FI】
G16H40/20
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020546788
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 JP2019032147
(87)【国際公開番号】W WO2020054314
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-15
(31)【優先権主張番号】P 2018168548
(32)【優先日】2018-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000177634
【氏名又は名称】参天製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺町 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 信太郎
(72)【発明者】
【氏名】高野 真
(72)【発明者】
【氏名】デザサダニヤ 杏
(72)【発明者】
【氏名】安藤 栄治
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼柴 元
(72)【発明者】
【氏名】片桐 健一
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-220331(JP,A)
【文献】特開2010-287237(JP,A)
【文献】特開2018-092375(JP,A)
【文献】特開2006-221176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0161558(US,A1)
【文献】アイティービジョン,第38号,日本,(株)インナービジョン,2018年06月25日,p62
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に対して受診を促す受診管理システムであって、
記憶部と、
前記患者を特定する第1データに関連付けて、前記患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間、次回受診予定日、または予約日のいずれかを示す第3データとを前記記憶部に記憶させる制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記第3データが示す前記次回受診までの期間から算出された受診予定日が第1所定日数以内に近づいた患者に対して、受診を促すためのリマインダーを送るための処理を実行し、
前記医師は眼科医であり、
前記制御装置は、前記患者から点眼薬の開封日の情報と前記点眼薬を使い切った日の情報とを受けて前記記憶部に記憶させ、前記開封日から使用期限が超過した所定期間が経過しても前記使い切った日が前記患者から連絡されていない場合には、前記点眼薬の前記使用期限が切れた旨を連絡する電子メールを前記患者に発信する、受診管理システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データと、リマインダーの種類を示す第5データとを前記記憶部にさらに記憶させ、
前記制御装置は、リマインダーが必要であることを前記第4データが示し、かつ、前記第3データが示す前記次回受診までの期間から算出された受診予定日が第1所定日数以内に近づいた患者に対して、前記第5データに基づいて受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を選択して実行する、請求項1に記載の受診管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行してから、一定期間内に前記患者の更新された受診日が前記記憶部に記憶されていない場合に、受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理をさらに実行する、請求項2に記載の受診管理システム。
【請求項4】
前記制御装置は、医師が処方した薬を特定する第6データと、医師が処方した薬の量を示す第7データと、薬が処方された日を示す第8データとを、前記記憶部に記憶させ、
前記制御装置は、前記第6データ、前記第7データおよび前記第8データに基づいて薬の残量がゼロとなる基準日を算出し、前記基準日が第2所定日数以内に近づいた患者に対して受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行する、請求項1~3のいずれか1項に記載の受診管理システム。
【請求項5】
記制御装置は、前記眼科医からの求めに応じて前記点眼薬の使用期間と使用量を含む情報を眼科医院に配置された病院端末に送信する、請求項1~4のいずれか1項に記載の受診管理システム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記患者が受診するごとに前記第2データを前記記憶部に蓄積させ、
前記制御装置は、前記医師の求めに応じて前記記憶部に蓄積された前記第2データから前記患者の通院継続率を示す情報を前記医師が使用する病院端末に表示させる、請求項1に記載の受診管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記リマインダーを送るための処理を実行する際に、前記患者に対して前記リマインダー以外の追加の情報を送る、請求項1に記載の受診管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、受診管理システム、リマインド方法、病院端末、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者が医療機関で受診した場合、1回の受診では疾病が治癒しない場合があり、再度の来院が必要となる場合がある。痛みなどの自覚症状があまりない場合には、患者は再度の来院を忘れがちである。このような通院を忘れがちな患者に対しては何らかの方法で来院を促すことが望まれる。
【0003】
特開2017-130227号公報(特許文献1)には、患者が医師の指示に従って通院および薬の服用を忘れずに実行できるようにする通院通知方法および通院通知プログラムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-130227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特開2017-130227号公報(特許文献1)は、次回の通院日が予め決定されている場合に、通院日が近づいたことを示す通院通知を患者の携帯端末に表示する。しかし、非常に混雑する大きな病院または診療時間が長くなる歯科医院等でなければ、厳格な予約システムを取り入れる必要性が低く予約制を採用していない病院も多い。したがって、そのような医院では、再診が必要な場合には、医師から次回の来院時期の目安の期間、例えば「2週間後」等、を指示される場合が多い。
【0006】
特開2017-130227号公報(特許文献1)には、予約日が厳密に決定されていない場合についての言及は無く、このような場合には使用することができず通院通知プログラムにも改善の余地がある。
【0007】
この発明の目的は、対象とする医院が拡大された患者の受診を促す受診管理システム、リマインド方法、病院端末、および、プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は、患者に対して受診を促す受診管理システムに関する。受診管理システムは、記憶部と、患者を特定する第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間、次回受診予定日、または予約日のいずれかを示す第3データとを記憶部に記憶させる制御装置とを備える。制御装置は、第3データが示す次回受診までの期間から算出された受診予定日が第1所定日数以内に近づいた患者に対して、受診を促すためのリマインダーを送るための処理を実行する。
【0009】
好ましくは、制御装置は、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データと、リマインダーの種類を示す第5データとを記憶部にさらに記憶させる。制御装置は、リマインダーが必要であることを第4データが示し、かつ、第3データが示す次回受診までの期間から算出された受診予定日が第1所定日数以内に近づいた患者に対して、第5データに基づいて受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を選択して実行する。
【0010】
より好ましくは、制御装置は、受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行してから、一定期間内に患者の更新された受診日が記憶部に記憶されていない場合に、受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理をさらに実行する。
【0011】
好ましくは、制御装置は、医師が処方した薬を特定する第6データと、医師が処方した薬の量を示す第7データと、薬が処方された日を示す第8データとを、記憶部に記憶させ、制御装置は、第6データ、第7データおよび第8データに基づいて薬の残量がゼロとなる基準日を算出し、基準日が第2所定日数以内に近づいた患者に対して受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行する。
【0012】
好ましくは、医師は眼科医であり、制御装置は、患者から点眼薬の開封日の情報と点眼薬を使い切った日の情報とを受けて記憶部に記憶させ、眼科医からの求めに応じて点眼薬の使用期間と使用量を含む情報を眼科医院に配置された病院端末に送信する。
【0013】
好ましくは、医師は眼科医であり、制御装置は、患者から点眼薬の開封日の情報と点眼薬を使い切った日の情報とを受けて記憶部に記憶させ、開封日から使用期限が超過した所定期間が経過しても使い切った日が患者から連絡されていない場合には、点眼薬の使用期限が切れた旨を連絡する電子メールを患者に発信する。
【0014】
好ましくは、制御装置は、患者が受診するごとに第2データを記憶部に蓄積させる。制御装置は、医師の求めに応じて記憶部に蓄積された第2データから患者の通院継続率を示す情報を医師が使用する病院端末に表示させる。
【0015】
好ましくは、制御装置は、リマインダーを送るための処理を実行する際に、患者に対してリマインダー以外の追加の情報を送る。
【0016】
本開示は他の局面ではコンピュータが患者に対して受診を促すリマインド方法に関する。リマインド方法は、患者を特定する第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データを記憶部に記憶するステップと、第1データに関連付けて、医師の決定した次回受診までの期間、次回受診予定日、または予約日のいずれかを示す第3データを記憶部に記憶させるステップと、第3データが示す次回受診までの期間、次回受診予定日、または予約日のいずれかから算出された受診予定日が所定日数以内に近づいた患者に対して、受診を促すためのリマインダーを送るステップとを備える。
【0017】
好ましくは、第3データを記憶部に記憶させるステップは、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データと、リマインダーの種類を示す第5データとを記憶部にさらに記憶させる。リマインダーを送るステップは、リマインダーが必要であることを第4データが示し、かつ、第3データが示す次回受診までの期間から算出された受診予定日が所定日数以内に近づいた患者に対して、第5データに基づいて受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を選択する。
【0018】
本開示のさらに他の局面は、上記のリマインド方法をコンピュータに実行させるための受診管理プログラムに関する。
【0019】
本開示のさらに他の局面は、病院端末に関する。病院端末は、患者を特定する第1データと、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データとを入力するように構成された入力部と、第1~第4データを受診管理システムに送信する送信部と、受診管理システムに通院継続率の情報の出力を要求する要求部と、情報を受信する受信部とを備える。
【0020】
本開示のさらに他の局面は、病院端末に関する。病院端末は、患者を特定する第1データと、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データとを入力するように構成された入力部と、第1~第4データを受診管理システムに送信するように構成された送信部と、受診管理システムに薬剤情報の出力を要求する要求部と、薬剤情報の受信部とを備える。入力部は、受信部で受信した薬剤情報から選択された医師が処方した薬を示す第6データと、医師が処方した薬の量を示す第7データと、薬が処方された日を示す第8データとをさらに入力するように構成される。送信部は、第6~第8データを受診管理システムにさらに送信するように構成される。要求部は、受診管理システムに第6データ、第7データおよび第8データに基づいて算出された薬の残量がゼロとなる基準日が第2所定日数以内に受診した患者の割合を示す患者情報の出力をさらに要求する。受信部は、患者情報をさらに受信するように構成される。
【0021】
本開示のさらに他の局面は、以下の処理を病院端末として動作するコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。患者を特定する第1データと、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データとを入力部を経由して受ける処理;第1~第4データを受診管理システムに送信する処理;受診管理システムに通院継続率の情報の出力を要求する処理;情報を受信する処理。
【0022】
本開示のさらに他の局面は、以下の処理を病院端末として動作するコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。患者を特定する第1データと、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データとを入力部を経由して受ける処理;第1~第4データを受診管理システムに送信する処理;受診管理システムに薬剤情報の出力を要求する処理;薬剤情報を受信する処理;受信した薬剤情報から選択された医師が処方した薬を示す第6データと、医師が処方した薬の量を示す第7データと、薬が処方された日を示す第8データとを入力部を経由してさらに受ける処理;第6~第8データを受診管理システムにさらに送信する処理;受診管理システムに第6データ、第7データおよび第8データに基づいて算出された薬の残量がゼロとなる基準日が第2所定日数以内に受診した患者の割合を示す患者情報の出力をさらに要求する処理;患者情報を受信する処理。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、予約日が厳密に決定されていない場合でも、適時に患者に受診を促すリマインダーが患者の望む方法で行なわれるので、受診率の向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施の形態1に係る受診管理システムおよび受診管理システムがデータを授受する端末を示す図である。
図2】受診管理システムのデータベースに保持されているデータの内容を示す図である。
図3】実施の形態1において受診管理システムと病院端末および患者との間で行なわれる処理を示すフローチャートである。
図4】ステップS202で受診管理システムが実行する患者情報蓄積およびリマインダー送付日算出処理を説明するためのフローチャートである。
図5】ステップS203で受診管理システムが実行するリマインダー送付処理を説明するためのフローチャートである。
図6】再度のリマインダーを送付する処理の説明するためのフローチャートである。
図7】実施の形態2において受診管理システムと病院端末および患者との間で行なわれる処理を示すフローチャートである。
図8】ステップS202Aの処理の詳細を示すフローチャートである。
図9】ステップS208Aの処理を説明するためのフローチャートである。
図10】実施の形態3で付加される情報提供サービスについて説明するためのフローチャートである。
図11】データベースに保持されている複数回の来院履歴が登録されたデータの内容を示す図である。
図12図10のステップS222で実行される処理の詳細を示すフローチャートである。
図13】実施の形態4で付加される情報提供サービスについて説明するためのフローチャートである。
図14図13のステップS203Bで実行される処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
図15】眼科医のメッセージを患者に配信する2態様を説明するための図である。
図16】実施の形態5の情報収集サービスを説明するためのフローチャートである。
図17】全患者を対象としてアンケートを実施するサービスを説明するためのフローチャートである。
図18】実施の形態5の他の具体例である投書箱サービスを説明するためのフローチャートである。
図19】実施の形態6において受診管理システムが薬剤データベースから患者に対して薬剤の情報を提供するサービスを説明するためのフローチャートである。
図20】実施の形態6において受診管理システムが患者に対して点眼薬の点眼時刻を報知するサービスを説明するためのフローチャートである。
図21】実施の形態7において受診管理システムが点眼実施時刻を眼科医または家族に報告するサービスを説明するためのフローチャートである。
図22】実施の形態7において受診管理システムが点眼薬の平均使用量を眼科医に報告するサービスを説明するためのフローチャートである。
図23】実施の形態8において受診管理システムが点眼薬の使用期限の管理を行なうサービスを説明するためのフローチャートである。
図24】実施の形態9において受診管理システムが画像から点眼薬の残量を患者に連絡するサービスを説明するためのフローチャートである。
図25】実施の形態10に係る受診管理システムを用いる構成を示す図である。
図26】受診管理システムがポータブル検査機器の情報を収集して眼科医に提供するサービスを説明するためのフローチャートである。
図27】実施の形態11に係る受診管理システムを用いる構成を示す図である。
図28】受診管理システムが花粉症の患者に対して提供するサービスを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、複数の実施の形態について説明するが、各実施の形態で説明された構成を適宜組合わせることは出願当初から予定されている。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0026】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る受診管理システムおよび受診管理システムがデータを授受する端末を示す図である。
【0027】
受診管理システム1は、制御装置11と、データを記憶する記憶部であるデータベース13と、プリンタ12とを含む。制御装置11は、コンピュータを含んで構成される。受診管理システム1は、インターネットなどのコンピュータネットワーク2を介して、眼科医院に設置される病院端末3、複数の患者がそれぞれ所有する複数の患者端末4、および受診管理システムを管理するサービス提供者の管理端末5に接続される。なお、コンピュータネットワーク2と各端末との接続は、有線に限らず携帯電話回線、無線LANなどを介した無線で行なっても良い。また、病院端末3も複数であっても良く、複数の病院に共通して受診管理システム1が設けられていても良い。
【0028】
病院端末3としては、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ等を用いることができる。患者端末4は、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、携帯電話等、電子メールを受信できるものであれば良い。なお、電子メールには、電話番号で宛先を特定できるショートメッセージサービス(ショートメール)および他のメッセージアプリケーションソフト(メッセージアプリ)でやり取りされるメッセージも含むものとする。
【0029】
受診管理システム1は、コンピュータネットワーク2を経由してコンピュータ資源をサービスの形で病院の医師または患者に提供する、いわゆるクラウドコンピューティングを実現する。
【0030】
受診管理システム1は、来院管理機能と、リマインド(remind)機能とを有する。来院管理機能は、患者の受診日、通院状況および患者の通院脱落状況を容易に把握できるように眼科医等に示すことができる機能である。リマインド機能は、受診が必要な患者に対して受診を促すリマインダー(reminder)を医院に代わって発送する機能である。本明細書では、「リマインダー」は、電子メールおよび電子メールと同様な機能を有する端末上に通知表示を出すアプリケーションソフト(アプリ)などの通信媒体、ハガキや封書などの紙媒体を含むものであって、受診日が近いことを通知するための媒体を示す。また、「リマインダー」は、電話を用いて自動音声を患者に伝えるものであっても良い。
【0031】
図2は、受診管理システムのデータベースに保持されているデータの内容を示す図である。図2を参照して、各患者に対して患者ID(IDentification)が割り当てられており、患者IDごとに、氏名、受診日、次回受診までの期間または来院予定日、リマインダーの要否、リマインダーの種類、リマインダー送付日、連絡先、疾患名、処方製品、数量、処方日等がデータベース13に登録されている。なお、リマインダーの種類としてハガキ発送が指定される場合は住所および郵便番号がさらにデータベース13に登録される。また、リマインダーの種類として、ショートメールまたは電話が指定される場合には、電話番号がさらにデータベース13に登録される。なお、疾患名、処方製品、数量、処方日については、薬剤量の管理を行なわない場合にはデータベース13に記録されていなくても良い。
【0032】
図1図2を参照して、受診管理システム1は、記憶部として働くデータベース13と、制御装置11とを備える。制御装置11は、患者を特定する第1データ(患者ID)に関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データと、医師の決定した次回受診までの期間を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データと、リマインダーの種類を示す第5データとをデータベース13に記憶させる。制御装置11は、リマインダーが必要であることを第4データが示し、かつ、第3データが示す次回受診までの期間から算出された受診予定日が第1所定日数(たとえば、7日)以内に近づいた患者に対して、第5データに基づいて受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を選択して実行する。
【0033】
制御装置11によって、コンピュータが患者に対して受診を促すリマインド方法が実行される。このリマインド方法は、図3図4図5のフローチャートに示したように、患者を特定する第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す第2データを記憶部に記憶するステップ(S2001)と、第1データに関連付けて、医師の決定した次回受診までの期間を示す第3データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す第4データと、リマインダーの種類を示す第5データとを記憶部に記憶させるステップ(S2002)と、リマインダーが必要であることを第4データが示し、かつ、第3データが示す次回受診までの期間から算出された受診予定日が所定日数以内に近づいた患者に対して、第5データに基づいて受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を選択するステップ(S203)とを備える。このリマインド方法をコンピュータに実行させるための受診管理プログラムが制御装置11に含まれるコンピュータにインストールされることによって、受診管理システム1が製造される。
【0034】
図3は、実施の形態1において受診管理システムと病院端末および患者との間で行なわれる処理を示すフローチャートである。ステップS101およびS301では、患者が初回に病院に来院し初診受付処理が実行される。初診受付処理では、病院端末において、患者の氏名、住所または電子メールアドレス、受診日の登録が行なわれる。
【0035】
例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータを病院端末3として使用する場合には、受付処理を行なう事務職員が患者の問診票などを見て登録を行なう。また例えば、病院端末3としてタブレット型コンピュータを用いる場合には、患者が病院端末3を一時的に使用して患者自身が氏名、住所等の登録を行なうようにしても良い。また、受付処理を行なう事務職員と患者とが一緒に病院端末3を操作しても良い。
【0036】
続いて、ステップS102では、眼科医による患者の診察の結果を踏まえて次回受診情報を入力する処理が行なわれる。次回受診情報は、予約制を採用している場合には予約日であっても良いし、予約制を採用していない場合には、眼科医が決めた次回受診までの目安の期間(例えば、一週間後など)であっても良い。眼科医または病院の事務職員が病院端末に次回受診情報を入力する。また、次回来院予定がある場合には、眼科医または事務職員は、患者の希望を聞いて、受診を促す通知であるリマインダーを希望するか否かを入力する。リマインダーを希望する患者に対しては、希望するリマインダーの種類(例えば、電子メールがよいか、ハガキが良いかなど)を聞いて、病院端末3に入力する。なお、電子メールは、ショートメッセージサービス(SMS)など他の形式でもよく、患者端末に通知を配信するものであればどのようなものでもよい。また、眼科医または事務職員は、リマインダーの種類に対応する連絡先のデータ(電子メールアドレスまたは住所等)を病院端末に併せて入力する。
【0037】
さらに、ステップS103およびS201では、病院端末3に入力されたデータがコンピュータネットワーク2を経由して受診管理システム1に送信される。なお、ステップS103で行なわれたデータの送信は、ステップS101、S201の各々において、1項目のデータ入力ごとに行なわれても良い。
【0038】
ステップS201において、患者についての氏名、受診日、電子メールアドレスまたは住所、リマインダーの要否、リマインダーの種類、等のデータ(以下患者情報データという)の受信が完了すると、受診管理システム1は、ステップS202において患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日を算出する。
【0039】
続いて、受診管理システム1は、ステップS203において、リマインダー送付処理を実行する。患者は、ステップS302において、リマインダーを電子メールで受信するか、またはハガキ等の書面で受領する。なお、電子メールには、電話番号で宛先を特定できるショートメッセージサービス(ショートメール)および他のメッセージアプリケーションソフト(メッセージアプリ)でやり取りされるメッセージも含むものとする。
【0040】
なお、受診管理システム1が行なうステップS202およびS203の処理については、後にフローチャートを用いて詳しく説明する。
【0041】
次に、2回目以降に患者がステップS305で受診すると、病院端末3では、ステップS105において再診受付処理が行なわれる。患者の氏名またはIDが入力されると、ステップS106において、病院端末3から受診管理システム1に対して、患者の残りの登録済み情報を送信するように要求が行なわれる。
【0042】
受診管理システム1がステップS205において送信要求を受け付けると、受診管理システム1は、ステップS206において患者の登録済み情報を病院端末3に出力する。登録済みデータに変更があった場合には、このときにデータの更新が行なわれる。なお受診日については、最新の受診日に更新しても良いが、受診率などの計算をする場合も考えられるので、過去の受診日を保持したまま最新の受診日を追記していくことが好ましい。
【0043】
続いて、ステップS108では、ステップS102と同様な処理、つまり眼科医による患者の診察の結果を踏まえて次回受診情報を入力する処理が行なわれる。このときにも、予め前回の受診時の患者情報を病院端末に表示しておき、更新すべき部分だけ入力すればよいようにしておくことが好ましい。
【0044】
さらに、ステップS109およびS207では、病院端末3に入力されたデータがコンピュータネットワーク2を経由して受診管理システム1に送信される。なお、データの送信は、ステップS108において、1項目の更新データ入力ごとに行なわれても良い。
【0045】
ステップS207において、患者情報データの受信が完了すると、受診管理システム1は、ステップS208において患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日を更新する。
【0046】
続いて、受診管理システム1は、ステップS209において、ステップS203と同様なリマインダー送付処理を実行する。患者は、ステップS306において、リマインダーを電子メールで受信するか、またはハガキ等の書面で受領する。
【0047】
図4は、ステップS202で受診管理システムが実行する患者情報蓄積およびリマインダー送付日算出処理を説明するためのフローチャートである。図4を参照して、ステップS2001において、受診管理システム1は、患者IDおよび受診日をデータベース13に記憶する。続いて、ステップS2002において、受診管理システム1は、次回受診までの期間をデータベース13に記憶する。さらにステップS2003においては、受診管理システム1は、受診日および次回受診までの期間に基づいて、受診予定日を算出し、受診予定日を基準としてステップS2004においてリマインダー送付日を算出するとともにデータベース13に記憶する。そしてステップS2005において処理がメインルーチンに戻る。
【0048】
例えば、図2において患者IDが0001の患者の場合には、受診日が2018年7月1日であり、次回受診を眼科医が2週間後と指定している。この場合、受診管理システム1は受診予定日を受診日から14日後の2018年7月15日に設定する。ただし、受診予定日はあくまでも来院の目安の日であり、患者は受診予定日の前後数日間のうち自分の都合がよい日に来院すれば問題ない。ステップS2003において、受診予定日が決定されたら、受診管理システム1は、この受診予定日を考慮してステップS2004においてリマインダー送付日を設定する。
【0049】
具体的には、受診予定日に対して受診許容範囲が±D日であるとする。すると電子メールでリマインダーを送付する患者に対しては、受診予定日よりもD日前をリマインダー送付日として算出する。またハガキ等の書面で送付する患者の場合には、さらに送付期間としてZ日前倒しにリマインダー送付日を決定する。例えばD=2、Z=1であるとすると、患者IDが0001の患者については、電子メールの場合は2018年7月13日にリマインダー送付日が設定され、書面通知の場合には2018年7月12日にリマインダー送付日が設定される。
【0050】
なお、受診許容範囲を示すDについては、疾病の種類または症状について、眼科医が変更できるようにしても良い。また、患者がリマインダーを受領可能な日または時刻などを予め指定し、ステップS2004におけるリマインダー送付日の決定時に考慮するようにしても良い。例えば、患者がコンピュータネットワークを通じてリマインダーの送付を希望する時期を予め受診管理システム1に送信しておけば、この時期を考慮してリマインダー送付日を受診管理システム1が決定する。送付を求めたい時期の指定は、例えば曜日の指定であっても良く、時刻の指定であっても良い。逆に、送付を避けてほしい曜日などを指定しておいても良い。
【0051】
また、リマインダー送付日については、病院端末3側にアプリケーションソフトをインストールしておいて上記の算出処理を行ない、リマインダー送付日を受診管理システム1に送信するようにしても良い。
【0052】
図5は、ステップS203で受診管理システムが実行するリマインダー送付処理を説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理は、定期的にメインルーチンから呼び出されて実行される。このフローチャートの処理は、例えば、平日の午後3時に実行するように決められていても良く、また例えば、月曜日、水曜日、金曜日の週3回の正午に実行するように決められていても良い。図5を参照して、ステップS2011において、受診管理システム1は、患者IDが先頭のデータをデータベース13から読み出す。
【0053】
続いて、ステップS2012において、受診管理システム1は、読み出した患者IDに対応して記録されているリマインダー送付日と現在の日付が一致するか否かを判断する。リマインダー送付日と現在の日付が一致する場合(S2012でYES)、受診管理システム1は、ステップS2013において、該当IDで指定されているリマインダーの種類が、電子メールかまたはハガキであるかを判断する。
【0054】
リマインダーの種類が電子メールであった場合、ステップS2014において、受診管理システム1は、登録されている電子メールアドレスに電子メールを発信する。一方、リマインダーの種類がハガキであった場合、ステップS2015において、受診管理システム1は、プリンタ12でハガキを印刷する。この印刷されたハガキは、定期的に受診管理システム1の管理者によって回収されて、郵便局などを介して発送される。なお、ハガキを印刷する代わりに、発送代行業者にリマインダーを送付すべき患者の氏名、住所、電話番号を送信し、ハガキの発送を発注するようにしても良い。この場合、データベース13に蓄積された患者情報が制御装置11からコンピュータネットワーク2を介して外部業者またはサービス運用者に送信され、外部業者またはサービス運用者においてハガキが印刷される。
【0055】
なお、リマインダーの種類は、この実施の形態では電子メールと郵送を例示したが、これらに限定される必要はなく、他の選択肢があっても良い。例えば、リマインダーを行なう対象患者の電話番号付きリストを病院の担当者に送付し病院の担当者が電話で対象患者に連絡しても良く、ファクシミリなどで対象患者にリマインダーを送信しても良い。また、電話を用いて自動音声で患者に対してリマインダーを行なっても良い。
【0056】
ステップS2012において、本日がリマインダー送付日に一致しない場合、およびステップS2014、S2015のいずれかでリマインダー処理が行なわれた場合、ステップS2016において、受診管理システム1は、すべての患者IDのチェックが完了したか否かを判断する。
【0057】
すべての患者IDのチェックがまだ完了していない場合(S2016でNO)、ステップS2017において、受診管理システム1は、次の患者IDのデータをデータベース13から読み出す。そしてステップS2012以降の処理を繰返して実行する。一方、すべての患者IDのチェックが完了した場合(S2016でYES)、受診管理システム1は、ステップS2018に処理を進め、メインルーチンに処理を戻す。
【0058】
以上説明した処理によって、予めはっきりした予約日が決定されていない場合でも、患者に対して適時にリマインドを行なうことが可能となる。
【0059】
このようなリマインダーを送付しても、来院を忘れてしまう患者がいることも考えられる。そのような患者に対しては、再度のリマインダーを送付するようにしても良い。
【0060】
図6は、再度のリマインダーを送付する処理の説明するためのフローチャートである。このフローチャートの処理(ステップS203Aとする)は、リマインダー送付をする図3および図5のステップS203が実行された後に実行される。まずステップS2021において、受診管理システム1は、本日がリマインダー送付後のチェック日となったか否かを判断する。チェック日は、受診許容範囲から後ろに外れた日とするとよい。例えばリマインダー送付から4日経過した日などとすることができる。
【0061】
本日がリマインダー送付後のチェック日でない場合(S2021でNO)、再度のリマインダーの送付は不要であるので、ステップS2024に処理が進む。本日がリマインダー送付後のチェック日であった場合(S2021でYES)、ステップS2022において、受診管理システム1は、最新の受診日の更新があったか否かを判断する。
【0062】
最新の受診日の更新がされていた場合(S2022でYES)には、リマインダー送付日に対応する次回受診が行なわれたと考えられる。このため、再度のリマインダーの送付は不要であるので、ステップS2024に処理が進む。一方、最新の受診日の更新がされていない場合(S2022でNO)には、再度のリマインダーの送付が必要である。この場合は、受診管理システム1は、ステップS2023において再度のリマインダー送付を実行し、ステップS2024において処理がメインルーチンに戻される。
【0063】
図6に示すように、制御装置11は、受診を促すための(1回目の)電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行してから、一定期間内に患者の更新された受診日がデータベース13に記憶されていない場合に、受診を促すための(2回目の)電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行する。なお、制御装置11は、2回目以降のリマインダーを送付しても応答がない場合はさらに3回目以降のリマインダーを送付するように構成されても良い。
【0064】
このように、適時に再度のリマインダーを送付することによって、患者の受診率をさらに向上させることができる。
【0065】
[実施の形態2]
実施の形態1では、受診日および次回受診までの期間に基づいてリマインダー送付日を決定していたが、実施の形態2ではこれに加えて、処方された点眼薬の量を考慮してリマインダー送付日を決定する。例えば、処方された点眼薬については、使用量が患者によってまちまちであるため、なくなったら来院するという場合が多いが、これでは点眼薬切れで点眼できないことが発生しうる。実施の形態2では、リマインダー送付により点眼薬切れを防止する。
【0066】
図7は、実施の形態2において受診管理システムと病院端末および患者との間で行なわれる処理を示すフローチャートである。図7では、先に説明した図3と同じ処理については同じ符号を付し、説明を繰返さない。
【0067】
ステップS101、S301については、図3において説明した処理と同じ処理が実行される。ステップS111においては、眼科医の診察後に処方製品を入力する処理が行なわれる。例えば、眼科の場合には点眼薬の製品名と処方する本数が入力される。このときに眼科医が薬の種類を指定すると、ステップS211に示すように、受診管理システム1が製品情報を病院端末3に出力することが好ましい。例えば、予め準備されている薬剤データベースから該当する種類の製品名と各製品の適応症等とを示す製品情報一覧画面を受診管理システム1が病院端末3に出力し、眼科医が表示された製品の中から処方する製品を選択するようにしても良い。
【0068】
実施の形態2の場合には、このように処方製品情報が入力されるので、図2に示すように、疾患名、処方製品、数量、処方日などがデータベースに記録される。そして、ステップS102、S103、S201については図3において説明した処理と同じ処理が実行される。
【0069】
ステップS201において、受診管理システム1が病院端末3から患者情報データを受信すると、実施の形態2ではステップS202Aにおいて、患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日(1)、リマインダー送付日(2)を算出する。ここで、リマインダー送付日(1)は、実施の形態1におけるリマインダー送付日と同様に、眼科医に指示された次回受診までの期間から算出された日付である。一方、リマインダー送付日(2)は、実施の形態2において追加された、薬剤の処方量に対応する薬剤の再処方が必要になる日を基準として定められる日付である。
【0070】
図8は、ステップS202Aの処理の詳細を示すフローチャートである。図8において前半のリマインダー送付日(1)算出処理S2030については、図4に示したステップS202とほぼ同じ処理が実行される。具体的には、ステップS2031において、受診管理システム1は、患者IDおよび受診日をデータベース13に記憶する。続いて、ステップS2032において、受診管理システム1は、次回受診までの期間をデータベース13に記憶する。さらにステップS2033においては、受診管理システム1は、受診日および次回受診までの期間に基づいて、受診予定日(1)を算出し、受診予定日(1)を基準としてステップS2034においてリマインダー送付日(1)を算出するとともにデータベース13に記憶する。
【0071】
リマインダー送付日(1)の算出方法については、実施の形態1で説明したリマインダー送付日の算出方法と同じであるので、ここでは説明は繰返さない。
【0072】
実施の形態2では、リマインダー送付日(2)算出処理S2040がさらに実行される。例えば処方製品が点眼薬である場合には、リマインダー送付日(2)は、点眼薬の液量が規定量を下回る旨のリマインダーを送付する日である。より詳細には、ステップS2041において、受診管理システム1は、処方製品名およびその処方量、片眼点眼/両眼点眼のいずれであるか、点眼回数をデータベース13に記憶する。処方量は、点眼薬の処方本数と充填量であっても良い。データベース13に記憶されたこれらの情報から1日あたりの液量が分かり処方量が何日分かが分かる。続いて、ステップS2042において、受診管理システム1は、受診予定日(2)を算出する。例えば、点眼薬の処方量が3本であり、1本が10日分であった場合には、受診予定日(2)は、今回の受診日の30日後(10日×3)に設定される。ただし、受診予定日(2)はあくまでも来院の目安の日であり、点眼薬の残量がゼロにならない間に自分の都合がよい日に来院すれば問題ない。ステップS2042において、受診予定日が決定されたら、受診管理システム1は、ステップS2043においてリマインダー送付日(2)を受診予定日(2)の数日前とし、データベース13に記憶する。そしてステップS2050において処理がメインルーチンに戻る。
【0073】
再び、図7を参照して、ステップS202Aの処理が終了すると、ステップS203においてリマインダー送付処理が実行される。この処理は、リマインダー送付日(1)およびリマインダー送付日(2)の各々において、実施の形態1で説明した図5の処理が実行される。図5の処理については、ここでは説明は繰返さない。
【0074】
受診管理システム1がリマインダー送付処理を実行すると、ステップS302Aにおいて、患者は患者端末4においてリマインダーメール(1)またはリマインダーメール(2)を受信する。リマインダーメール(1)は、リマインダー送付日(1)に発信されるメールであって、眼科医が診察を行なうための受診日を知らせるメールである。リマインダーメール(2)は、リマインダー送付日(2)に発信されるメールであって、眼科医が薬剤の処方箋を発行するための受診日を知らせるメールである。なお、電子メールに代えてリマインダーはハガキで通知されても良い。
【0075】
リマインダーの送付を受けると、患者はステップS305で受診し、実施の形態1と同様にステップS105の再診受付処理から始まる再診時の処理が実行される。ステップS105、S106、S107、S108、S109、S205、S206、S207については、図3において説明した処理と同じ処理が実行される。また、ステップS112およびステップS212の処理については、先に説明したステップS111およびステップS211の処理とそれぞれ同じであるので説明は繰返さない。
【0076】
ステップS207において、患者情報データの受信が完了すると、受診管理システム1は、ステップS208Aにおいて患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日を更新する。このときのリマインダー送付日(2)の更新処理は、受診時に新たに薬剤の処方があったか否かによって更新の必要性が異なる点に注意が必要である。
【0077】
図9は、ステップS208Aの処理を説明するためのフローチャートである。図9において、最初に実行されるリマインダー送付日(1)の算出処理S2030については、図8で説明した処理と同じ処理が実行される。続いて、ステップS2060において、受診管理システム1は、今回の受診で薬の処方があったか否かを判断する。受診管理システム1は、データベース13に記録された今回の受診日と薬剤の処方日とが同じか否かに基づいて、薬剤の処方の有無を判断する。
【0078】
薬剤の処方があった場合には(S2060でYES)、ステップS2040において、受診管理システム1は、リマインダー送付日(2)の更新処理を実行する。具体的には、新たな処方情報に基づいて、図8で説明したステップS2041~ステップS2043の処理が再び実行される。なお、患者が手持ちの点眼薬を使い切っていなかった場合には、新たに処方された量を点眼薬の残量に加えてリマインダー送付日(2)を算出するようにしても良い。
【0079】
一方、今回の受診日において薬剤の処方が無かった場合には(S2060でYES)、受診管理システム1はステップS2061においてリマインダー送付日(2)を更新しない。このときには今までに設定されているリマインダー送付日(2)が維持される。
【0080】
ステップS2040またはステップS2061の処理が終了すると、ステップS2062において処理がメインルーチンに戻される。
【0081】
実施の形態2では、図2に示すように、制御装置11は、医師が処方した薬を特定する第6データ(処方製品)と、医師が処方した薬の量を示す第7データ(数量)と、薬が処方された日を示す第8データ(処方日)とを、データベース13に記憶させる。なお、第7データは、点眼ボトルに充填された薬液量および処方された点眼薬の本数の両方の情報であることもあるし、第6データから点眼ボトルに充填された量が自明である場合には処方された点眼薬の本数の情報のみを意味することもある。図7図8に示すように、制御装置11は、通常、一回点眼量が約30~50μLであることから、上記第6データ、第7データおよび第8データに基づいて薬の残量がゼロとなる基準日を算出し、算出された基準日が第2所定日数(たとえば、7日)以内に近づいた患者に対して受診を促すための電子メール発信処理または郵便物印刷処理を実行する。なお、処方されている点眼薬が複数種類である場合、それらの中で一番早くに残量がゼロになる点眼薬をリマインダーの基準としても良い。また、複数種類の点眼薬について個別に残量を管理し、新たに点眼薬が処方される毎にその点眼薬について基準日をリセットするようにしても良い。
【0082】
また、病院端末3は、入力部3aと、送信部3bと、要求部3cと、受信部3dとを含む。入力部3aは、第1~第8データを入力するように構成される。第1データは、患者を特定するデータである。第2データは、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す。第3データは、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す。第4データは、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す。送信部3bは、第1~第4データを受診管理システム1に送信するように構成される。要求部3cは、受診管理システム1に薬剤情報の出力を要求するように構成される。受信部3dは、薬剤情報を受診管理システム1から受診するように構成される。また、第6データは、受信部3dで受信した薬剤情報から選択されたまたは病院端末3に直接入力された医師が処方した薬を示す。第7データは、医師が処方した薬の量を示す。第8データは、薬が処方された日を示す。送信部3bは、第6~第8データを受診管理システム1にさらに送信するように構成される。要求部3cは、受診管理システム1に第6データ、第7データおよび第8データに基づいて算出された薬の残量がゼロとなる基準日が第2所定日数以内に受診した患者の割合を示す患者情報の出力をさらに要求する。受信部3dは、この患者情報をさらに受信するように構成される。
【0083】
さらに、病院端末3には、医師が処方した薬の一日当たりの投与(点眼)回数を特定するためのデータ9(例えば、就寝前に点眼するといった間接的な情報であることもあり得る)、医師が処方した薬が片眼点眼または両眼点眼であるかを特定するためのデータ10(右眼点眼といった間接的な情報であることもあり得る)を入力することもでき、これらのデータと前記第6~第8データを組み合わせることで、医師が処方した薬の残量がゼロとなる基準日をより正確に算出することができる。
【0084】
以上説明したように、実施の形態2においては、実施の形態1で行なった次回受診日のリマインダーに加えて、処方された薬剤がなくなる前の受診を勧めるリマインダーを適時に送ることができる。このため、点眼時に薬切れが発生するなどの事態が減り、治療効果の向上が期待できる。
【0085】
[実施の形態3]
実施の形態3では、実施の形態1または2のようなリマインダーを送信することに組み合わせて経営に役立つ情報を眼科医等に提供する。
【0086】
図10は、実施の形態3で付加される情報提供サービスについて説明するためのフローチャートである。ステップS321~S325に示すように、患者A,Bが繰り返し病院に通院するたびに、ステップS121において病院端末3から患者の情報が入力される。患者の情報は、氏名、住所、疾患名、受診日等を含む。その都度、受診管理システム1に患者情報データが送信され、ステップS221において受診管理システム1はデータベース13に患者情報を蓄積する。そして、受診管理システム1は、ステップS222においてデータ分析処理を行なう。データ分析処理では、受診管理システム1は、蓄積された患者情報に基づいて、通院継続率、リマインド反応率、患者数を算出する。
【0087】
ここで、通院継続率については、生存分析などで一般的に用いられるKaplan-Meier法(KM法)を用い、ある一定期間ごとの通院継続率を算出する。なお、通院継続率については、各病院全体のものや、疾患ごとに算出したもの、郵便番号データをもとにした住所別のものなどのいくつかの切り口でみた出力が可能である。
【0088】
また、リマインド反応率は、受診のあった患者数をリマインド発送数で除したもので算出され、リマインドを発送した患者が実際にどれだけ受診につながったかを把握する指標である。リマインド反応率も、リマインドの媒体別(電子メール、SMS、ハガキなど)での分析や、受診した患者別にみた分析も可能である。
【0089】
ステップS122において、分析データの閲覧要求が病院端末3から受診管理システム1に送信されると、受診管理システム1は要求があった分析項目を含む画面情報を病院端末3に送信する。
【0090】
図11は、データベースに保持されている複数回の来院履歴が登録されたデータの内容を示す図である。図12は、図10のステップS222で実行される処理の詳細を示すフローチャートである。
【0091】
図12を参照して、受診管理システム1は、ステップS2071において、病院端末3から分析データの閲覧要求があるか否かを判断する。閲覧要求がなければ、ステップS2076においてこのフローチャートの処理から抜ける。一方閲覧要求がある場合(S2071でYES)、ステップS2072において受診管理システム1は、分析期間の問合せを行なう。分析期間は、例えば直近の1年間のように指定してもよく、期間の開始日と終了日を指定するようにしても良い。病院端末3から分析期間の指定を受けると、受診管理システム1は、ステップS2073において、データベース13に記憶されている図11に示すような患者情報データから分析対象データを抽出する。
【0092】
そして、受診管理システム1は、ステップS2074において、データの分析を行ない、通院継続率、リマインド反応率、疾患別通院率、住所別通院率、患者数などを算出する。各種データが算出されたら、受診管理システム1は、ステップS2075において、表示データを病院端末3に送信し、ステップS2076においてこのフローチャートの処理から抜ける。
【0093】
実施の形態3では、制御装置11は、患者が受診するごとに第2データをデータベース13に蓄積させる。そして、制御装置11は、医師の求めに応じてデータベース13に蓄積された第2データから患者の通院継続率を示す情報を医師が使用する病院端末3に表示させる。
【0094】
病院端末3は、入力部3aと、送信部3bと、要求部3cと、受信部3dとを含む。入力部3aは、第1~第4データを入力するように構成される。第1データは、患者を特定するデータである。第2データは、第1データに関連付けて、患者に対応する受診日を示す。第3データは、医師の決定した次回受診までの期間または次回受診予定日を示す。第4データと、患者に受診を促すリマインダーが必要であるか否かを示す。送信部3bは、第1~第4データを受診管理システムに送信するように構成される。要求部3cは、受診管理システム1に通院継続率の情報の出力を要求する。受信部3dは、受診管理システム1から通院継続率の情報を受信するように構成される。
【0095】
なお、通院継続率の算出では、1回で治癒するような疾患の場合は除外される。この場合は通院継続率として、通院の途中で中断した患者と分析期間内において中断していない患者との割合が算出される。リマインド反応率の算出は、分析期間内にリマインダーを送付した患者の中で、受診予定日前後数日以内に受診日が記録されている患者の割合が算出される。
【0096】
また、疾患別通院率を見ることによって、例えば毎年の病気の傾向を把握することができる。住所別通院率を見ることによって、例えば広告看板を建てる地域を検討することができる。また患者数を見ることによって、医療設備の導入数量の計画作成に役立てることができる。
【0097】
このように各種の分析データを病院端末3に表示することが可能であるので、実施の形態3の受診管理システムは、眼科医院の経営分析ツールとしても有効である。
【0098】
[実施の形態4]
実施の形態4では、受診管理システム1は、実施の形態1または2のようなリマインダーを送信することに組み合わせて、病院から患者に情報を提供する。
【0099】
例えば、患者に提供する情報としては、病院のホームページのURL(Uniform Resource Locator)を挙げることができる。患者は、病院のホームページを見ることによって、種々の情報を知ることができる。また、ホームページを持っていない病院の場合には、病院が患者に連絡したい事項を直接リマインダーの電子メールまたはハガキに記載するようにしても良い。
【0100】
例えば、手術をする曜日を決めておき、その日は一般診療を受け付けないようにしている眼科医院もあるが、手術が予定されていない場合もある。そのような場合に一般診療が可能であるという情報を患者に提供してもよい。逆に、手術または学会などのために外来が臨時休診となる日の情報などを患者に提供しても良い。
【0101】
図13は、実施の形態4で付加される情報提供サービスについて説明するためのフローチャートである。ステップS101BおよびS301では、患者が初回に病院に来院し初診受付処理が実行される。初診受付処理では、病院端末において、患者の氏名、住所または電子メールアドレス、受診日の登録が行なわれる。ステップS101Bの処理では、図3で説明したステップS101の処理に加えて、患者の希望に従って決められた病院からの情報提供の要否の登録も行なわれる。
【0102】
続いて、ステップS102では、眼科医による患者の診察の結果を踏まえて次回受診情報を入力する処理が行なわれる。次回受診情報としては、予約日または次回受診までの目安の期間、受診を促す通知であるリマインダーの要否、希望するリマインダーの種類などである。
【0103】
さらに、ステップS103およびS201では、病院端末3に入力されたデータがコンピュータネットワーク2を経由して受診管理システム1に送信される。
【0104】
ステップS201において、患者情報データの受信が完了すると、受診管理システム1は、ステップS202において患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日を算出する。
【0105】
続いて、受診管理システム1は、ステップS203Bにおいて、リマインダー送付処理を実行する。ステップS203Bの処理は、基本的には図3のステップS203の処理と同じであるが、提供する情報をリマインダーに含める処理も併せて行なわれる。
【0106】
提供する情報が病院のホームページのURLである場合には、受診管理システム1は、ステップS203Bにおいて病院のホームページのURLを電子メールに含めたり、ハガキに印刷したりする。
【0107】
また、提供する情報が病院からの連絡事項である場合には、ステップS126において眼科医等が病院端末3から情報を指定または入力し、受診管理システム1に登録しておく。この場合、受診管理システム1は、ステップS203Bにおいて登録されていた情報を電子メールに含めたり、ハガキに印刷したりする。
【0108】
患者は、ステップS302において、リマインダーを電子メールで受信するか、またはハガキ等の書面で受領する。電子メールまたはハガキを見ることによって、患者が病院からの連絡事項などを知ることができる。
【0109】
図14は、図13のステップS203Bで実行される処理の詳細を説明するためのフローチャートである。図14のフローチャートは、図5で説明したステップS203の処理に、ステップS2081~S2083の処理が追加されている。したがって、ここでは追加部分のみ説明する。
【0110】
図14では、ステップS2012において本日がリマインダー送付日と一致した場合にステップS2081に処理が進められる。ステップS2081では、該当IDの情報提供が必要か否かが判断される。この判断は、図13のステップS101Bにおいて入力された情報提供の要否に従って行なわれる。
【0111】
情報提供が必要である場合(S2081でYES)、受診管理システム1は、送付内容をリマインダー+提供する情報とする。一方、情報提供が必要でない場合(S2081でNO)、受診管理システム1は、送付内容をリマインダーのみとする。ステップS2082またはS2083においてリマインダーの内容が決まると、ステップS2013に処理が進められ、以降は図5と同じ処理が実行される。
【0112】
なお、情報の提供は、リマインダー送付時以外にも行なっても良い。図15は、眼科医のメッセージを患者に配信する2態様を説明するための図である。第1の態様は上記に説明したリマインダーに情報を含める形での配信である。第1の態様では、ステップS127、S227,S327,S328に示すように、受診のリマインダーを送付する際に眼科医からのメッセージをリマインダーの媒体に反映させて患者に送付する。第2の態様は、全患者などへの随時の配信であり、リマインダーとは別途の配信である。第2の態様では、ステップS129、S229,S329に示すように、眼科医からのメッセージを電子メールによって患者に送付する。例えば、臨時休診日、年末年始の診療予定日、花粉症の本格シーズン到来前の初期療法の受診案内などの連絡を第2の態様で配信するとよい。
【0113】
以上説明したように、実施の形態4では、制御装置11は、リマインダーを送るための処理を実行する際に、患者に対してリマインダー以外の追加の情報を送る。すなわち、リマインダーに患者に知らせたい情報を付加できるので、連絡などに使用することができて利便性が向上する。また、リマインダーを送信するように構成された受診管理システムを用いて、患者に一斉に情報を発信することも可能である。
【0114】
[実施の形態5]
実施の形態4では、病院から患者に情報を配信する例を説明したが、実施の形態5では、情報を患者に配信するとともに、患者から情報を収集して病院端末に表示する例を説明する。
【0115】
図16は、実施の形態5の情報収集サービスを説明するためのフローチャートである。ステップS101CおよびS301では、患者が初回に病院に来院し初診受付処理が実行される。初診受付処理では、病院端末3において、患者の氏名、住所または電子メールアドレス、受診日の登録が行なわれる。ステップS101Cの処理では、図3で説明したステップS101の処理に加えて、患者の希望に従って決められた病院からのアンケート送付の可否の登録も行なわれる。
【0116】
続いて、ステップS102では、眼科医による患者の診察の結果を踏まえて次回受診情報を入力する処理が行なわれる。次回受診情報としては、予約日または次回受診までの目安の期間、受診を促す通知であるリマインダーの要否、希望するリマインダーの種類などである。
【0117】
さらに、ステップS103およびS201では、病院端末3に入力されたデータが受診管理システム1にコンピュータネットワーク2を経由して送信される。
【0118】
ステップS201において、患者情報データの受信が完了すると、受診管理システム1は、ステップS202において患者情報データをデータベース13に記録するとともに、記録した患者情報データに基づいて、リマインダー送付日を算出する。
【0119】
続いて、受診管理システム1は、ステップS203Cにおいて、リマインダー送付処理を実行する。ステップS203Cの処理は、基本的には図3のステップS203の処理と同じであるが、提供するアンケート情報をリマインダーに含める処理も併せて行なわれる。
【0120】
リマインダーの媒体が電子メールである場合には、受診管理システム1は、例えば、アンケートの表示とそれに対する回答を入力できるホームページのURLを、ステップS203Cにおいて電子メールに含める。
【0121】
リマインダーの媒体がハガキである場合には、受診管理システム1は、例えば、アンケートとそれに対する回答欄をステップS203Cにおいてハガキに印刷する。この場合ハガキにQRコード(登録商標)などによって回答を入力できるホームページのURLを印刷しておいても良い。この場合には、患者がスマートフォンなどから回答入力用のホームページにアクセスして回答を入力する。また、回答を返信用ハガキによって回収できるように、ステップS203Cにおいて印刷を往復ハガキに行なっても良い。
【0122】
患者は、ステップS302において、リマインダーを電子メールで受信するか、またはハガキ等の書面で受領する。電子メールまたはハガキを見ることによって、アンケートがあることを患者が知ることができる。ステップS331では患者がアンケートに回答する。
【0123】
ステップS231では、受診管理システム1が回答情報の蓄積、解析および集計を行なう。そして受診管理システム1は、ステップS131において、眼科医等が病院端末3からアンケートに対する回答情報を要求すると、受診管理システム1は回答の集計結果を示す画面を病院端末3に送信し、ステップS132において集計結果を示す画面が病院端末3に表示される。このように、リマインダーを送付する患者に対して、受診管理システム1を使用して眼科医等が質問したい内容のアンケートを実施できるので、アンケート結果を病院の経営に役立てることができる。
【0124】
なお、アンケートについては、リマインダーを送付する患者に限定せず、別のタイミングで、全患者または選択した患者に対して一斉に行なっても良い。
【0125】
図17は、全患者を対象としてアンケートを実施するサービスを説明するためのフローチャートである。図17において、ステップS141で病院端末3から眼科医または職員がアンケートの設問を入力する。なお、アンケートの設問は、管理端末5から入力されても良い。この設問は、ステップS241において受診管理システム1のデータベース13に記憶されたホームページのデータに反映される。そして受診管理システム1は、電子メールが登録されている患者に対して電子メールを送信する。なお、この時にはデータ収集の便宜のため、ハガキを送付してリマインドする患者を除外しても良い。受診管理システム1は、アンケートを行なうホームページへのリンク先を電子メールに含めて発信する。
【0126】
患者は、ステップS341において電子メールを受信すると、ステップS342において電子メールに記載のURLから、各眼科のアンケート専用サイトへアクセスし、アンケートの設問に回答し、結果を送信する。
【0127】
ステップS242において、受診管理システム1は、データベース13にアンケートの回答内容を蓄積し、回答データを集計する。そして、眼科医等は、ステップS142において病院端末3から蓄積された回答を閲覧することができる。
【0128】
以上、アンケートについて説明したが、アンケートは回答内容が病院側の想定した設問に限定される。しかし、病院が想定していない内容に病院の改善点がある場合も考えられる。そのような改善点に関する情報を集めるために、患者が困っていることなどをある程度自由に入力できる投書箱サービスを受診管理システムによって行なうことも考えられる。
【0129】
図18は、実施の形態5の他の具体例である投書箱サービスを説明するためのフローチャートである。図18において、ステップS146で初診時または再診時に投書箱サービスを患者に適用することを選択可能にしておく。
【0130】
受診管理システム1は、ステップS246において、投書箱サービスの適用が設定されている患者に対しては、リマインド媒体である電子メールに投書箱サービスを行なうホームページへのリンクを貼ったり、そのホームページのURLを示すQRコード(登録商標)をリマインド媒体であるハガキに印刷したりする。もしくは、電子メールが登録されているメール会員全員に対して、随時に投書箱へのリンク先を発信しても良い。
【0131】
患者は、ステップS346において電子メールを受信またはハガキを受領すると、ステップS347において電子メールのリンクまたはハガキのQRコード(登録商標)から、眼科ごとの投書箱サイトへアクセスし、要望などを回答する。
【0132】
ステップS247において、受診管理システム1は、データベース13に回答内容を蓄積する。そして、眼科医等は、ステップS147において病院端末3から蓄積された回答を閲覧し、患者の意見および要望を収集することができる。
【0133】
患者は、病院に対して意見を言う機会があまりなく、不満があれば他の病院に代わってしまうことも考えられる。アンケートまたは投書箱サービスによって、例えば「駐車場が狭い」「待合室の空調がうるさい」などの、患者の意見を知ることができれば、病院のさらなる改善を行なうことができ、受診率の向上にも役立てることができる。
【0134】
[実施の形態6]
実施の形態6は、患者が必要とする情報を受診管理システム1が提供することについて説明する。
【0135】
図19は、実施の形態6において受診管理システムが薬剤データベースから患者に対して薬剤の情報を提供するサービスを説明するためのフローチャートである。図19を参照して、ステップS351では、患者(または眼科スタッフ)が点眼容器をカメラで撮影し、ステップS352において、薬剤名ラベルを自動認識させる。例えば、専用の文字認識機能を有するアプリケーションソフトを患者のスマートフォンにインストールしておけば、撮影と自動認識を容易に行なうことができる。
【0136】
続いて、ステップS353では、患者(または眼科スタッフ)が認識結果によって得られた薬剤名および患者IDを受診管理システム1に送信する。
【0137】
これを受けて、受診管理システム1は、ステップS251において患者IDに関連付けて薬剤情報をデータベース13に登録する処理を行なう。さらに、受診管理システム1は、ステップS252において登録された薬剤の「薬のしおり」のリンク先を示すデータをピックアップし、ステップS253において患者に対して電子メールを送信する。
【0138】
ステップS354では、患者が患者端末4で電子メールを受信する。電子メールに含まれているリンク先をクリックすれば、患者は自分に処方されている点眼薬等のしおりを見ることができる。
【0139】
このような薬のしおりは、紙で配布しても確実に保存しておくことは患者にとって難しい。このため、このようなサービスは、患者が自分に処方された薬の適用病名および薬の用法を忘れた場合に患者にとって便利である。
【0140】
図20は、実施の形態6において受診管理システムが患者に対して点眼薬の点眼時刻を報知するサービスを説明するためのフローチャートである。図20を参照して、ステップS361では、患者(または眼科スタッフ)が点眼容器をカメラで撮影し、ステップS362において、薬剤名ラベルを自動認識させる。例えば、専用の文字認識機能を有するアプリケーションソフトをスマートフォンにインストールしておけば、撮影と自動認識を容易に行なうことができる。
【0141】
続いて、ステップS363では、患者(または眼科スタッフ)が認識結果によって得られた薬剤名および患者IDを受診管理システム1に送信する。
【0142】
これを受けて、受診管理システム1は、ステップS261において患者IDに関連付けて薬剤情報をデータベース13に登録する処理を行なう。さらに、受診管理システム1は、ステップS262において登録された薬剤の「点眼タイミング設定」を行なうことができるホームページのリンク先を示すデータをピックアップし、ステップS263において患者に対して電子メールを送信する。このホームページでは、点眼薬の用法ごとに患者の好みの時刻を指定できる画面が予め用意されている。なお、電子メールには、電話番号で宛先を特定できるショートメッセージサービス(ショートメール)および他のメッセージアプリケーションソフト(メッセージアプリ)でやり取りされるメッセージも含むものとする。
【0143】
ステップS364では、患者が患者端末4で電子メールを受信する。電子メールに含まれているリンク先をクリックすれば、患者は自分に処方されている点眼薬等に合った入力画面にたどり着くことができる。ステップS365では、患者がリンク先の画面から登録薬剤の用法に沿った点眼時刻を設定する。例えば、用法が1日3回であれば、患者は、スマートフォン、携帯電話等が手元にあって、リマインドの電子メールの着信が分かりやすい時刻を1日3回分指定すればよい。
【0144】
リンク先の画面から患者が点眼時刻を設定すると、点眼時刻の情報は受診管理システム1に送信され、受診管理システム1は、ステップS264において点眼時刻をデータベース13に記録する。受診管理システム1は、設定された点眼時刻になると、ステップS265において患者に点眼予定時刻であることを示す電子メールを送信する。
【0145】
患者は、ステップS366において電子メールを受信し、これが点眼時刻を報知する内容であることが分かると、ステップS367において点眼を行なう。
【0146】
実施の形態6においても、制御装置11は、リマインダーを送るための処理を実行する際に、患者に対してリマインダー以外の追加の情報、すなわち、点眼時刻を報知する情報を送る。このような点眼時刻を報知するサービスを受診管理システム1に組み入れることによって、点眼を忘れることが予防され、治療効果を向上させることに役立つ。
【0147】
[実施の形態7]
実施の形態7では、患者が点眼を行なう実施状況を眼科医等に報知する。
【0148】
図21は、実施の形態7において受診管理システムが点眼実施時刻を眼科医または家族に報告するサービスを説明するためのフローチャートである。点眼の実施を報告するための入力ボタンが表示されたホームページを予め用意して受診管理システム1に登録しておくとともに、患者にそのURLを連絡しておく。
【0149】
患者は、ステップS371において点眼実施時にリンク先画面のボタンをクリックする。すると、ステップS372において患者端末4から受診管理システム1に点眼時刻、薬剤名、患者IDが送信される。これを受けてステップS271において、患者IDと点眼時刻をデータベース13に記憶する。なお、患者が点眼実施時にリンク先画面のボタンをクリックすることで点眼の実施を報告することを説明したが、例えば、検知センサーを備えた点眼容器用のデバイスを用いて点眼の実施を検知し、報告することもできる。検知センサーの例としては、例えば、点眼容器の傾きや押圧状態の検知センサー等が挙げられる。そして受診管理システム1は、必要に応じて、家族等のメールアドレスに点眼実施連絡メールを送信する。このようなメールを受けると、家族が患者の点眼が正しい時刻、頻度で行なわれているかを確認することができるので、患者が高齢等のため家族が見守る必要がある場合には特に有効である。また患者が家族と離れて暮らしている場合には、患者の安否の確認にもこのようなメールが役立つ。なお、点眼実施連絡メールは、電話番号で宛先を特定できるショートメッセージサービス(ショートメール)または他のメッセージアプリケーションソフト(メッセージアプリ)でやり取りされるメッセージであってもよい。
【0150】
一方、病院端末3からは、眼科医等が診察時などにステップS171において点眼実施状況の表示を要求すると、受診管理システム1は、病院端末3から要求された患者IDの点眼実施状況を示す時刻データをデータベース13から読出す。
【0151】
そして、ステップS274において受診管理システム1が表示データを作成し病院端末3に送信すると、ステップS172において病院端末3から眼科医等がデータを閲覧することが可能となる。これを見た眼科医は、患者が頻度または時刻を間違って点眼していた場合などに患者に対する点眼の指導を行なうことができる。なお、ステップS274において作成された表示データを患者端末4に送信すると、ステップS373において患者端末4から患者がデータを閲覧することも可能である。これにより、患者が自らの点眼状況を確認することができる。
【0152】
図22は、実施の形態7において受診管理システムが点眼薬の平均使用量を眼科医に報告するサービスを説明するためのフローチャートである。図22を参照して、ステップS381では、患者(または眼科スタッフ)が点眼容器をカメラで撮影し、ステップS382において、薬剤名ラベルを自動認識させる。例えば、専用の文字認識機能を有するアプリケーションソフトをスマートフォンにインストールしておけば、撮影と自動認識を容易に行なうことができる。
【0153】
続いて、ステップS383では、患者(または眼科スタッフ)が認識結果によって得られた薬剤名および患者IDを受診管理システム1に送信する。
【0154】
これを受けて、受診管理システム1は、ステップS281において患者IDに関連付けて薬剤情報をデータベース13に登録する処理を行なう。さらに、受診管理システム1は、ステップS282において登録された薬剤の「開封日設定」を行なうことができるホームページのリンク先を示すデータをピックアップし、ステップS283において患者に対して電子メールを送信する。このホームページでは、患者IDごとに点眼薬の開封日および使用終了日を入力できる画面が予め用意されている。なお、電子メールには、電話番号で宛先を特定できるショートメッセージサービス(ショートメール)および他のメッセージアプリケーションソフト(メッセージアプリ)でやり取りされるメッセージも含むものとする。
【0155】
ステップS384では、患者が患者端末4で電子メールを受信する。電子メールに含まれているリンク先をクリックすれば、患者は自分に処方されている点眼薬を開封した日を入力する画面にたどり着くことができる。ステップS385では、患者がリンク先の画面から点眼薬の開封日を入力することによって、受診管理システム1に開封日を示す情報を送信する。
【0156】
リンク先の画面から患者が開封日を設定すると、開封日の情報は受診管理システム1に送信され、受診管理システム1は、ステップS284において開封日をデータベース13に記録する。
【0157】
また、患者は、点眼薬を使い切ると、ステップS386において患者がリンク先の画面から点眼薬の使用終了日を入力することによって、受診管理システム1に使用終了日を示す情報を送信する。
【0158】
リンク先の画面から患者が使用終了日を設定すると、使用終了日の情報は受診管理システム1に送信され、受診管理システム1は、ステップS285において使用終了日をデータベース13に記録する。
【0159】
ステップS181において、病院端末3から眼科医等が診察時などに薬剤平均使用量の表示を要求すると、受診管理システム1は、病院端末3から要求された患者IDに対応する点眼薬の開封日および使用終了日から平均使用量を算出する。そしてステップS287において、受診管理システム1は、平均使用量を表示するデータを作成する。平均使用量は、例えば「1日あたり0.5mL使用、2週間で1本使用」などのように表示すればよい。
【0160】
そして、受診管理システム1は、ステップS287において表示データを作成し病院端末3に送信すると、ステップS182において病院端末3から眼科医等がデータを閲覧することが可能となる。
【0161】
実施の形態7では、制御装置11は、患者から点眼薬の開封日の情報と点眼薬を使い切った日の情報とを受けてデータベース13に記憶させ、眼科医からの求めに応じて点眼薬の使用期間と使用量を含む情報を眼科医院に配置された病院端末3に送信する。
【0162】
したがって、この情報を見た眼科医は、患者に対する点眼の指導または薬剤の処方量の決定などに役立てることができる。
【0163】
[実施の形態8]
実施の形態8では、受診管理システム1を用いて点眼薬の管理に役立つ情報を患者に提供する例を説明する。
【0164】
例えば、点眼薬の開封日および使用終了日の情報を利用して、点眼薬の使用期限管理に役立てても良い。点眼薬には未開封時の有効期限が容器に表示されている場合が多いが、開封した場合は容器に表示された有効期限に関わらず使用開始後から約1カ月を使用期限とする場合が多い。しかし、このことはあまり患者には知られていない。したがって、開封後長期間経過しても使用終了日の入力がない場合は、受診管理システム1によって患者に使用期限が過ぎたことを連絡するようにしても良い。
【0165】
図23は、実施の形態8において受診管理システムが点眼薬の使用期限の管理を行なうサービスを説明するためのフローチャートである。図23のフローチャートは、S381~S385およびS281~S285の処理については、図22と共通するので、説明は繰返さない。
【0166】
ステップS288において、受診管理システム1は定期的にデータベース13をチェックして、使用終了日を受信する前に開封日から使用期限が経過した点眼薬があるか否かをチェックする。そして使用期限が経過していた場合にはステップS289において、使用期限が経過した点眼薬の廃棄を推奨する電子メールを患者に対して送信する。患者はステップS387において電子メールを受信し、今使っている点眼薬の使用期限が経過したことを知ることができる。
【0167】
以上説明したように、実施の形態8では、制御装置11は、患者から点眼薬の開封日の情報と点眼薬を使い切った日の情報とを受けてデータベース13に記憶させ、開封日から使用期限が超過した所定期間が経過しても使い切った日が患者から連絡されていない場合には、点眼薬の使用期限が切れた旨を連絡する電子メールを患者に発信する。したがって、患者は使用期限が切れた点眼薬を使用することを避けることができる。
【0168】
[実施の形態9]
図24は、実施の形態9において受診管理システムが画像から点眼薬の残量を患者に連絡するサービスを説明するためのフローチャートである。図24を参照して、ステップS391では、患者(または眼科スタッフ)が点眼容器をカメラで撮影し、ステップS392において、薬剤名ラベルを自動認識させる。例えば、専用の文字認識機能を有するアプリケーションソフトをスマートフォンにインストールしておけば、撮影と自動認識を容易に行なうことができる。なお、自動認識は、文字の認識以外でも、薬剤名ラベルに印字されたバーコードまたはQRコード(登録商標)を認識するものであっても良い。
【0169】
続いて、ステップS393では、患者(または眼科スタッフ)が認識結果によって得られた薬剤名および患者IDを受診管理システム1に送信する。
【0170】
これを受けて、受診管理システム1は、ステップS291において患者IDに関連付けて薬剤情報をデータベース13に登録する処理を行なう。さらに、受診管理システム1は、ステップS292において登録された薬剤の「残量判定」を行なうことができるホームページのリンク先を示すデータをピックアップし、ステップS293において患者に対して電子メールを送信する。このホームページでは、患者が現在使用中の点眼薬の容器を撮影した画像を送信すると残量を患者に教える画面が予め用意されている。
【0171】
ステップS394では、患者が患者端末4で電子メールを受信する。電子メールに含まれているリンク先をクリックすれば、患者は自分に処方されている点眼薬の画像データを入力する画面にたどり着くことができる。ステップS395では、患者がリンク先の画面から点眼薬の容器を撮影した画像を入力する。
【0172】
リンク先の画面から患者が画像を送信すると、画像データは受診管理システム1に送信され、受診管理システム1は、ステップS294において画像データを受信する。受診管理システム1は、ステップS295において規定量の点眼薬が封入されている開封前の容器の画像と現在の容器の画像とを比べて現在の画像から推定される液量の割合を判断し、ステップS296において残量情報を電子メールで患者に送信する。患者は、ステップS396で受信した電子メールを見ることによって、残量がどのくらいの割合であるのかを知ることができる。
【0173】
なお、受診管理システム1から患者に送信される残量情報は、種々に変更することもできる。例えば、容器形状と液面レベルから残量(mL)を算出し、標準的な使用量から考えてこれが何日分にあたるかを残量情報として提供しても良い。点眼薬の容器には目盛なども無く、使用量も患者によって異なるので、患者は残量を把握することが難しい。実施の形態9によれば、点眼薬の残量が約何日分であるのかを知ることができ、受診日が到来する前に薬剤切れとなることを未然に防止することができる。
【0174】
[実施の形態10]
図25は、実施の形態10に係る受診管理システムを用いる構成を示す図である。図25に示す構成は、図1に示した構成に加えて、患者端末4がポータブル検査機器21に接続される点が異なる。他の構成については、図1と同じであるので説明は繰返さない。例えば、患者端末4がスマートフォン、パーソナルコンピュータ等である場合には、ポータブル検査機器21と患者端末4との間には、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の無線通信を用いても良い。
【0175】
実施の形態10では、受診管理システム1を使用して、患者が自宅においてポータブル検査機器21によって測定した生体情報を眼科医に報告する例を説明する。生体情報は、例えば、血圧、脈拍数、体温などであってもよいが、特に眼科の場合には、生体情報として眼圧測定機器によって測定した眼圧、眼底写真撮影機器によって撮影された眼底写真などが挙げられる。
【0176】
緑内障点眼薬は、眼圧を下げることを目的として処方されるが、眼圧は1日のうちに変動する。また個人により眼圧の変動周期および程度は異なる。したがって、点眼薬を使用する最適な時刻は、患者ごとに異なる。自宅で測定した細かな眼圧変動のデータを眼科医に提供することができれば、眼科医から点眼時刻についての指導を受けることが可能となる。
【0177】
図26は、受診管理システムがポータブル検査機器の情報を収集して眼科医に提供するサービスを説明するためのフローチャートである。図26を参照して、患者がステップS601において、ポータブル検査機器21で眼圧を測定したり眼底写真を撮影したりする。患者は、眼圧測定を1日のうち一定時間ごとに行ないその測定データは測定時刻とともにポータブル検査機器21に記憶されている。ステップS602において、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の無線通信経由で時系列の眼圧データをスマートフォンなどの患者端末4に送信する。患者は、ステップS603において、送信する眼圧データを測定していたときに点眼薬を点眼した時刻をスマートフォンに入力し、ステップS604において、眼圧データとともに受診管理システム1に送信する。
【0178】
受診管理システム1は、ステップS501において、患者端末4から受信した眼圧データを保管し、グラフ化する。受診管理システム1がグラフ化した患者別の自己眼圧測定データは、ステップS401において、眼科医が病院端末3を介して閲覧することができる。また、眼科医は、ステップS402において患者への指示を病院端末3に入力する。例えば、眼科医は、眼圧のピーク時刻に合わせた点眼時刻を患者向けのアドバイスとして受診管理システム1に送信する。
【0179】
受診管理システム1は、ステップS502において病院端末3から受けた患者向けアドバイスをデータベース13に保管するとともに、患者端末4に電子メールで患者向けアドバイスを送信する。ステップS605では、患者が患者端末4で眼科医の指示内容を受信する。患者は眼科医の指示内容に基づいて、点眼時刻を変更することができる。
【0180】
続いて、患者は、点眼時刻を変更した後にステップS601Aにおいて、ポータブル検査機器21で眼圧を測定する。ステップS602Aにおいて、Wifi(登録商標)経由で時系列の眼圧データをスマートフォンなどの患者端末4に送信する。患者は、ステップS603Aにおいて、送信する眼圧データを測定していたときに点眼薬を点眼した時刻(眼科医の指示に基づく変更後)をスマートフォンに入力し、ステップS604Aにおいて、眼圧データとともに受診管理システム1に送信する。
【0181】
受診管理システム1は、ステップS501Aにおいて、患者端末4から受信した眼圧データを保管し、グラフ化する。受診管理システム1がグラフ化した患者別の自己眼圧測定データは、ステップS403において、眼科医が病院端末3を介して閲覧することができる。このようにして、眼科医は、点眼時刻の変更が眼圧の変動に及ぼす効果を確認することができる。
【0182】
以上説明したように、実施の形態10の受診管理システムによれば、眼科医のチェックのもとで1日の眼圧変動を考慮した緑内障用点眼液の点眼の最適タイミングを患者に報知することができ、眼科医も点眼時刻の変更の効果を知ることができる。
【0183】
[実施の形態11]
実施の形態11では、花粉症の患者に対して受診管理システム1が各種情報を提供することについて説明する。
【0184】
図27は、実施の形態11に係る受診管理システムを用いる構成を示す図である。図25に示す構成は、図1に示した構成に加えて、患者端末4が複数のGPS(Global Positioning System)衛星を含むGPS31を使用して患者端末4の位置を取得することが可能に構成されており、また、受診管理システム1が気象庁などの気象情報提供者32から天候、風向き、温度などの情報を取得することが可能に構成されている点が異なる。他の構成については、図1と同じであるので説明は繰返さない。例えば、患者端末4がスマートフォンである場合には、GPSから位置情報を取得できるように構成されている場合が多い。
【0185】
実施の形態11では、花粉症の患者が、花粉症のかゆみの程度を患者端末4に入力すると患者端末4において位置情報がGPS31を利用して同時に取得される。受診管理システム1は、その時のその地点での天候、風向き、温度などの気象条件を気象情報提供者32から得てデータベース13に記録する。
【0186】
このような情報を蓄積しておくことによって、例えば、翌年、天気予報で似た条件になると、花粉症危険度を予め患者に報知することができる。
【0187】
図28は、受診管理システムが花粉症の患者に対して提供するサービスを説明するためのフローチャートである。図28を参照して、患者は、ステップS611において、自覚する花粉症のかゆみの度合いを患者端末4に入力する。例えば、患者は、かゆみを強く感じた時に、スマートフォンを操作してかゆみが強い旨を入力する。すると時刻と位置情報がステップS612においてスマートフォンで自動的に取得され、「3月10日14時、かゆみ+++」といった情報と位置情報とがステップS613においてスマートフォンから受診管理システム1に送信される。なお、位置情報については、患者が実際にいる場所に限らず、患者自らが位置情報を手動で入力しても良い。
【0188】
受診管理システム1は、ステップS511において、患者端末4から送信されてきた情報に含まれる地点における気象データ(風向き、風速、気温など)を取得する。そして、ステップS512において、受診管理システム1は、患者から送信されてきた(1)かゆみ度、(2)位置データ、(3)気象データを1セットにして、データベース13に蓄積する。
【0189】
続いて、受診管理システム1は、ステップS513において、患者がかゆみを強く感じる条件を分析する。例えば、受診管理システム1は、蓄積されたデータに基づいて、患者がかゆみを強く感じた日の気温、地点、風向きなどの組み合わせを特定する。
【0190】
分析結果に基づいて、ステップS514では、受診管理システム1は、個々の患者にカスタマイズされた「花粉症危険情報」を患者端末4に電子メールで送信する。ステップS614において花粉症危険情報を電子メールで受信すると、患者は、外出時にマスクをする、外出する場所を変更する、外出を控えるなどの花粉症の対策をとることができる。
【0191】
なお、以上の実施の形態は、眼科医院に導入した具体例によって説明したが、他の医院に導入しても良い。その場合、点眼薬は内服薬などと読み替えればよい。
【0192】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0193】
1 受診管理システム、2 コンピュータネットワーク、3 病院端末、3a 入力部、3b 送信部、3c 要求部、3d 受信部、4 患者端末、11 制御装置、12 プリンタ、13 データベース、21 ポータブル検査機器、32 気象情報提供者。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28