IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーエスエム・アセンブリー・システムズ・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲーの特許一覧

特許7425004受動部材排出駆動部を備えた部材カセット
<>
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図1
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図2
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図3
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図4
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図5
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図6
  • 特許-受動部材排出駆動部を備えた部材カセット 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】受動部材排出駆動部を備えた部材カセット
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
H05K13/02 B
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021003391
(22)【出願日】2021-01-13
(65)【公開番号】P2021111790
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】10 2020 100 614.4
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514076766
【氏名又は名称】エーエスエムピーティー・ゲーエムベーハー・ウント・コ・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ケーニヒ
(72)【発明者】
【氏名】ト・クエン・ホアン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ヴィットムエス
(72)【発明者】
【氏名】フランシスコ・ウンブリア
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・ミッテンドルファー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・ブラフマン
(72)【発明者】
【氏名】フェルディナント・ミヒャルケ
(72)【発明者】
【氏名】ミケーレ・トリジャーニ
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-075445(JP,A)
【文献】特開昭58-027399(JP,A)
【文献】特開2004-228248(JP,A)
【文献】特開2010-050122(JP,A)
【文献】特開平06-097699(JP,A)
【文献】特開2018-125357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動取り付け機を用いた回路基板の実装に関する、部材(100)の受容及び排出のための部材カセット(1)であって、部材格納装置(110)のための受容室(12)及び前記受容室(12)を覆うためのカバー(22)を備えた本体(10)と、前記部材(100)を受容するための受容装置(190)の外部の能動駆動機構(200)を通じて駆動するように構成された、前記部材格納装置(110)を移動させるための受動部材排出駆動部(50)と、前記部材(100)を前記受容室(12)から排出するための部材排出開口部(14)と、を有しており、前記部材カセット(1)は、前記部材格納装置(110)から取り去ることのできる保護フィルム(62)を巻き取るための巻き取り装置(60)をさらに有し、該巻き取り装置(60)は、前記受動部材排出駆動部(50)の回転運動と動作的に接続されており、
前記部材カセット(1)はロック装置(32)を有しており、前記ロック装置(32)は、前記本体(10)の前記部材排出開口部(14)をロックするように構成されている部材カセット(1)。
【請求項2】
前記受動部材排出駆動部(50)が、少なくとも1つの送り出し輪(52)と少なくとも1つの駆動輪(54)とを有しており、前記送り出し輪(52)は、前記部材格納装置(110)を移動、特に前進させるように構成されており、前記駆動輪(54)は、前記外部の能動駆動機構(200)によって駆動するように構成されており、前記送り出し輪(52)と前記駆動輪(54)とが、互いに作用接続されて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の部材カセット(1)。
【請求項3】
前記駆動輪(54)と前記送り出し輪(52)とが、1つの軸の上に配置されており、特に、前記駆動輪(54)と前記送り出し輪(52)とが、一体的に、又は、モノリシックに構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の部材カセット(1)。
【請求項4】
前記巻き取り装置(60)は、前記保護フィルム(62)を、前記部材排出開口部(14)の領域において、前記部材(100)から取り去るように構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項5】
前記受容室(12)が、少なくとも1つの画定物(28)によって、特に前記本体(10)の内壁によって、及び/又は、隔壁(26)によって画定されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項6】
前記カバー(22)が、ヒンジを備えたフラップとして、又は、ガイドを備えたスライドカバーとして、又は、スナップ式の蓋として、又は、特に再封可能なフィルムとして、構成されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項7】
前記部材カセット(1)が、案内装置(18)を含んでおり、前記案内装置(18)が、前記部材(100)を、特に前記部材排出開口部(14)の領域において、案内するように構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項8】
前記本体(10)が、輸送インターフェース(36)を有しており、前記輸送インターフェース(36)は、輸送装置(210)による前記部材カセット(1)の前記本体(10)の輸送、特に把持を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項9】
前記本体(10)が、少なくとも1つの連結部分(40)を、特に前記部材排出開口部(14)の領域に有しており、前記連結部分(40)は、前記部材カセット(1)の前記本体(10)を、前記受容装置(190)の相手側連結部分(42)と、挿入位置(EP)において前記部材(100)を受容するために連結するように構成されていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項10】
前記連結部分(40)及び/又は前記本体(10)が、少なくとも1つのラッチ手段(44)を有しており、少なくとも1つの前記ラッチ手段(44)は、前記相手側連結部分(42)の少なくとも1つの相手側ラッチ手段(46)とラッチによって連結するように構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の部材カセット(1)。
【請求項11】
前記受容室(12)が、前記受容室(12)内で前記部材格納装置(110)を、特に回転可能に取り付けるための、少なくとも1つの取り付け要素(34)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項12】
前記本体(10)が、情報装置(38)を有しており、前記情報装置(38)は、手動及び/又は機械で読むことのできる、特に前記部材格納装置(110)の前記部材(100)に関する情報を含んでいることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の部材カセット(1)。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の部材カセット(1)の受動部材排出駆動部(50)を駆動する駆動機構(200)を有する、部材(100)の受容のための受容装置(190)。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか一項に記載の部材カセット(1)の少なくとも1つの連結部分(40)と連結するための、少なくとも1つの相手側連結部分(42)を有することを特徴とする、請求項13に記載の受容装置(190)。
【請求項15】
請求項1から12のいずれか一項に記載の部材カセット(1)と、請求項13又は14に記載の受容装置(190)と、を含むシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部材を受容かつ排出するための部材カセットに関するものであり、当該部材カセットは、部材格納装置のための受容室及び当該受容室を覆うためのカバーを備えた本体と、外部の能動駆動機構を通じて駆動するように構成された、部材格納装置を移動させるための受動部材排出駆動部と、部材を受容室から排出するための部材排出開口部と、を有している。さらに、本発明は、部材を受容するための受容装置と、部材カセット及び当該受容装置を有するシステムと、に関する。
【背景技術】
【0002】
製造プロセスのための部材の供給に関しては、多数の受容装置及び方法が知られている。特に、例えば回路基板上に取り付けるための小型電子部品の加工に関しては、パッケージング及び/又は部材をベルト上に配置することが一般的に行われており、当該ベルトはリールに巻き取られている。ベルトは、リールから、受容装置、特にフィーダに供給され、フィーダからさらに、部材加工装置に運ばれる。ベルトをフィーダ/受容装置に導入するためには、高い正確性を必要とする。なぜなら、ベルトも部材も、非常に壊れやすいからである。ベルトの正確な位置決めによる部材の正確な配置は、フィーダ/受容装置にとって決定的に重要である。なぜなら、部材のさらなる加工の質は、部材の正確な配置に依存するからである。従って、例えば新しいリールの、ベルトの自由端をフィーダ/受容装置に通す作業は、既知のシステムにおいては、概ね手動で行われるステップである。リール又はトレイ等の、様々な部材格納装置は、先行技術では、互いに異なる寸法と、部材に関する排出位置と、を有しており、従って、部材格納装置をフィーダ/受容装置に配置するための個々の装置が必要とされる。リールのような、既知の部材格納装置にとって、同様に不利なのは、部材格納装置自体が、不安定かつ繊細に構成されており、従って、損傷しやすく、輸送には適していないということである。特に、ベルトを備えたリールの場合、さらに、リールの形状の部材格納装置は、丸く形作られており、従って、格納及び輸送に有利な寸法を有さず、及び/又は、積み重ねることが難しいという欠点が加わる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の課題は、部材の受容及び排出のための装置において、上述の欠点を少なくとも部分的に取り除くことにある。特に、本発明の課題は、部材の受容及び排出のための部材カセットと、部材の受容のための受容装置と、部材カセット及び受容装置から成るシステムと、を創り出すことにあり、これらは、容易かつ安価な方法で、部材及び部材格納装置の保護と、少なくとも部分的に自動化された部材カセットの扱いと、を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述の課題は、請求項1の特徴を有する部材カセットと、請求項14の特徴を有する受容装置と、請求項16の特徴を有するシステムと、によって解決される。本発明のさらなる特徴及び詳細は、従属請求項、明細書及び図面から明らかになる。その際、本発明に係る部材カセットに関連して記載された特徴及び詳細は、自明のことながら、本発明に係る受容装置及び本発明に係るシステムに関連しても有効であり、それぞれ逆もまた有効であるので、発明の各態様についての開示に関しては、つねに相互に参照される、又は、参照され得る。
【0005】
本発明の第1の態様によると、本課題は、自動取り付け機を用いた回路基板の実装に関する、部材の受容及び排出のための部材カセットによって解決される。部材カセットは、部材格納装置のための受容室及び受容室を覆うためのカバーを備えた本体と、部材を受容するための受容装置の外部の能動駆動機構を通じて駆動するように構成された、部材格納装置を移動させるための受動部材排出駆動部と、を有している。部材カセットは、さらに、部材を受容室から排出するための部材排出開口部を有している。
【0006】
部材カセットは、好ましくは、射出成形部材として、特にプラスチックから形成されていてよい。部材カセットの本体の受容室は、本発明の範囲では、部材格納装置が挿入及び/又は配置され得るチャンバ又は空間として理解されるべきである。受容室は、好ましくは少なくとも部分的に、本体及び/又は部材カセットの壁、領域及び/又は要素で画定されていてよい。受容室は、部材格納装置の外形に合わせられていてよく、丸く、若しくは角を有するように形作られていてよく、及び/又は、様々な部材格納装置を多数、受容かつ排出するための標準化された寸法を有していてよい。本発明に係る部材格納装置は、特に、紙及び/又はプラスチックから成る、巻き取られた、少なくとも1つの部材ベルトを備えた部材リールであってよい。部材ベルトは、部材のためのポケットを有していてよい。部材格納装置は、同様に、トレイとして構成されていてよい。本発明に係る部材は、特に回路基板実装のための電気部品、特に回路基板上での取り付け及び/又は使用のための小型電気部品及び/又は小型電子部品、ノズル及び/又は糊材である。受容室のカバーは、受容室を覆うように構成されている。カバーは、受容室の完全な又は部分的なカバーとして構成されている。従って、本体は、カバーによって完全に閉じられているか、又は、部分的に開いているように構成されている。好ましくは、カバーは、受容室の画定と、従って、部材格納装置の受容室からの脱落の防止とを可能にする。カバーは、有利には、カバーと本体との間のカバー面を密閉するためのシールを含み得る。部材格納装置を移動させるための受動部材排出駆動部は、外部の能動駆動機構を通じて駆動するように構成されている。従って、受動部材排出駆動部と、それに伴って部材カセットと、は部材の排出のための独立した駆動部を含んでおらず、部材の排出に関して、外部の駆動機構が配設されている。外部の駆動機構は、好ましくはフィーダ/受容装置によって供給され、本発明に係る部材カセットを挿入する際に、例えば受動部材排出駆動部に係合し、受動部材排出駆動部を駆動する。外部の駆動機構は、好ましくは、部材を部材格納装置から取り外すための吸引ピペットを含み得る。代替的又は付加的に、外部の駆動機構は、部材を部材格納装置から、特に部材を伴うベルトから、部材の所定の、部材加工装置及び/又は受容装置による取り外し位置に進めるために、受動部材排出駆動部の駆動に用いられる。例えばベルトからの部材の所定の取り外し位置は、部品カセット内に、特に部材排出開口部の領域に、及び/又は、部材カセットから離れて、配置されていてよい。部材カセットの部材排出開口部は、受容室から部材を排出するように構成されており、従って、部材のための部材カセットと、部材加工機及び/又はフィーダ/受容装置と、のインターフェースとなっている。従って、本発明に係る部材カセットは、受容室内の部材格納装置からの部材の排出を可能にする。受動部材排出駆動部と外部の駆動機構とを通じて、例えばその上に部材が配置されているベルトの自由端が、フィーダに正確に供給され得る。従って、部材カセットは、特に受動部材排出駆動部と部材排出開口部とを通じて、部材の部材格納装置からの所定の排出及び/又は排出位置を可能にする。それによって、フィーダ/受容装置、又は、部材がさらなる加工のために把持及び/若しくは受容され得る部材加工装置による、部材格納装置の受容のための有利なインターフェースが生じる。このように構成された部材カセットは、安価かつ容易に、部材カセット自体の高速な製造を可能にし、さらに、部材カセット、特に部材カセットの本体は、部材の積層、部材の操作、及び、部材の物流を改善することができる。部材カセットは、特に部材カセットの本体を通じて、安定性を明らかに改善させると共に、部材及び部材格納装置の保護を改善することができるので、本発明に係る態様は、容易になり、より安全になった、部材の操作を表している。部材カセットは、特に、既に材料の選択及び/又は構造の設計を通じて、有利なことに、既知の部材格納装置と比べて明らかに増大した安定性及び/又は剛性を有している。部材カセットの本体は、付加的に、有利なことには、既知の部材格納装置よりも変形に強く、及び/又は、頑強に構成されていてよい。従って、本発明は、容易かつ安価な方法で、部材及び部材格納装置の保護と、少なくとも部分的に自動化された部材カセットの扱いと、を可能にする部材カセットを提供する。
【0007】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、受動部材排出駆動部は、少なくとも1つの送り出し輪と少なくとも1つの駆動輪とを有しており、送り出し輪は、部材格納装置を移動、特に前進させるように構成されており、駆動輪は、外部の能動駆動機構によって駆動するように構成されており、送り出し輪と駆動輪とが、互いに作用接続されて配置されている、と規定してよい。送り出し輪と駆動輪との間の作用接続は、好ましくは直接の伝達を行うように、又は、代替的な伝達装置を有するように構成されている。部材排出駆動部を送り出し輪と駆動輪とに分割することによって、両方の輪のそれぞれの目的、すなわち、部材格納装置及び/又は部材の送り出しと、部材排出駆動部の駆動と、に合わせた最適化が可能になる。送り出し輪は、例えば、可能な限りスリップの無い送り出しと、同時に、繊細な部材格納装置及び/又は部材の可能な限り慎重な接触と、を可能にすべきものである。これに対して、駆動輪は、外部の駆動機構による、部材カセットの長い寿命にわたる、可能な限り少ない摩耗を可能にすべきものである。受動部材排出駆動部の輪は、歯車、鎖歯車又は他の形で構成されていてよい。
【0008】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、駆動輪と送り出し輪とが、1つの軸の上に配置されており、特に、駆動輪と送り出し輪とが一体的に、又は、モノリシックに構成されていると規定してよい。駆動輪と送り出し輪とを1つの軸上に配置し、特に、駆動輪と送り出し輪とを一体的に、又は、モノリシックに構成することによって、駆動輪から送り出し輪への回転運動の有利な直接の伝達が可能になる。従って、部材格納装置及び/又は部材の可能な限りスリップの無い送り出しと、それに伴って、特に排出の際の、部材の配置に関する可能な限り高い正確性と、が可能になる。
【0009】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、部材カセットが、さらに、部材格納装置及び/又は部材から取り去ることができる保護フィルムを巻き取るための巻き取り装置を有し、特に、巻き取り装置は、保護フィルムを、部材排出開口部の領域において、部材から取り去るように構成されていると規定してよい。部材を例えば部材ベルト等の部材格納装置上に配置するために、部材を保護フィルムで覆っていると有利である。保護フィルムは、有利には、部材格納装置全体を、途切れることなく覆っていてよい。保護フィルムは、部材格納装置上及び/又は部材格納装置内における部材の保護及び/又は位置の固定に用いられる。部材の加工及び/又はさらなる利用に関しては、保護フィルムを部材格納装置及び部材から取り去り、例えばピペット等に関する部材の有利なアクセシビリティを可能にすると有利である。保護フィルムは、有利には、保護フィルムの巻き取りのための巻き取り装置によって、部材排出開口部の領域において、部材から取り去られる。巻き取り装置は、有利には、部材カセットの受動部材排出駆動部の回転運動と作用接続されていてよく、特に、受動部材排出駆動部の部材の排出速度に対して同期された、保護フィルムの巻き取り装置の巻き取り速度を可能にする。代替的又は付加的に、巻き取り装置に、連続的なトルクを、特に弾力を通じて加えることが可能であり、これによって、部材格納装置及び/又は部材の送り出しの際に、保護フィルムの巻き取りが可能になる。
【0010】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、受容室が、少なくとも1つの画定物によって、特に本体の内壁によって、及び/又は、隔壁によって画定されていると規定してよい。部材格納装置の移動の余地は、好ましくは受容室において、少なくとも1つの画定物によって制限され得る。画定物の単純な構造としては、中空又は中実のシリンダ又はピンが用いられ得る。受容室内に少なくとも1つの画定物を配置することによって、部材格納装置は、例えば少なくとも1つの画定物と、部材カセットの互いに対して角度を成して配置された2つの側壁との間に、位置を固定されて、又は、ほぼ位置を固定されているが、好ましくは非回転に配置され得る。従って、例えば部材を伴うベルトを有するリール等の部材格納装置は、受容室の角と少なくとも1つの画定物との間に配置可能であり、ベルトは、さらなる格納無しに、リールから解かれ得る。画定物は、有利には、安価にかつ容易な手段で、例えば部材カセットの射出成形製造内で製造され得る。有利には、複数の画定物が、受容室内に設けられていてよい。複数の画定物は、様々な部材格納装置のために構成されていてよい。複数の画定物には、受容室が様々な構造的特徴を有する部材格納装置に適応するために、画定物の除去を容易にするため、又は、画定物を可逆的に取り外すための所定の破壊点及び/又はクリップが設けられていてよい。
【0011】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、カバーが、ヒンジを備えたフラップとして、又は、ガイドを備えたスライドカバーとして、又は、スナップ式の蓋として、又は、特に再封可能なフィルムとして、構成されていると規定してよい。上述したように、受容室のカバーは、受容室を覆うように構成されている。カバーは、受容室の完全な、又は、部分的なカバーとして構成されている。従って、本体は、カバーによって完全に閉じられているか、又は、部分的に開かれているように構成されている。好ましくは、カバーは、受容室の画定と、それに伴って、部材格納装置の受容室からの脱落の防止と、を可能にする。カバーは、有利には、カバーと本体との間のカバー面を密封するためのシールを含み得る。例えば、部材カセットの再利用のために、部材格納装置を交換するように、カバーは再封可能に形成されていてよい。このために、ヒンジ、ガイドを備えたスライドカバー、スナップ式の蓋、再封可能なフィルム、及び/又は、その他のカバーが設けられていてよい。基本的に、カバーは、部材カセットの本体及び/又は受容室の相手側領域と、特に解除可能に、及び/又は、再封可能に連結され得る領域を有している。これによって、容易かつ安価な手段で、例えば全ての部材を部材格納装置から取り除いた後で、好ましくは再封可能なカバーを通じた、新しい部材格納装置の挿入によって、再び使用可能である部材カセットが供給される。これによって、使用者にとって、調達及び製造に関する費用及び材料が削減される。
【0012】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、部材カセットが案内装置を含んでおり、案内装置が、部材を、特に部材排出開口部の領域において、案内するように構成されていると規定してよい。上述したように、部材カセットが、部材の部材格納装置からの所定の排出及び/又は排出位置を可能にすると、特に有利である。部材の正確な排出及び/又は排出位置は、例えばフィーダ及び/又はその他の部材加工装置との有利な協働にとって、有利な特徴である。案内装置による、特に部材排出開口部の領域における部材の案内は、部材の正確な排出及び/又は排出位置を可能にする。特に、部材又は部材格納装置の案内は、部材の送り出しのための外部の駆動機構の作用に関して、例えば部材を伴う部材ベルト等の部材を正確に配置することを可能にする。案内装置は、好ましくは、部材及び/又は部材ベルトの外部の駆動機構との所定の接触のために、案内及び/又は力を供給する。案内は、段階的に、又は、連続的に、例えば減少する間隔によって増大する案内、又は、案内装置の部材格納装置及び/若しくは部材への、部材、特に部材ベルトの自由端が固定されるまでの、力の導入の増大を可能にする。
【0013】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、本体が、輸送インターフェースを有しており、当該輸送インターフェースは、輸送装置による部材カセットの本体の輸送、特に把持を行うように構成されていると規定してよい。輸送は、本発明の範囲では、挿入位置及び/若しくは格納位置への挿入、挿入位置及び/若しくは格納位置からの取り出し、並びに/又は、部材カセットの格納、として理解されるべきである。輸送装置は、さらに、上述の目的のために、及び/又は、上述の位置の内のいずれかに、部材カセットを移動させるための装置である。具体的には、輸送装置は、例えばロボットアーム及び/又は把持機能を備えたロボットである。部材カセットの輸送インターフェースは、好ましくは本体内の、好ましくは本体の端面内の少なくとも1つのリセスとして構成されている。輸送装置は、輸送インターフェースの把持のために、相手側把持部分を有している。例えば、リセスは、平面において、スロットに相当していてよく、輸送装置の相手側把持部分は、概ねシリンダに相当していてよい。従って、有利に構成された輸送インターフェースは、好ましくは輸送装置による把持及び/又は輸送のために、2つの空間軸における形状接続と、第3の空間軸における摩擦接続と、を可能にする。従って、少なくとも1つの輸送インターフェースを備える部材カセットは、有利には、動作中における部材カセットの必要な移動の少なくとも部分的な自動化を可能にする。
【0014】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、本体は、少なくとも1つの連結部分を、特に部材排出開口部の領域に有しており、連結部分は、部材カセットの本体を、受容装置の相手側連結部分と、挿入位置において部材を受容するために連結するように構成されている、と規定してよい。相手側連結部分は、好ましくは、フィーダ、及び/又は、部材カセットから部材をさらなる加工及び/又は使用のために受け取る部材加工装置上に、形成されている。連結部分を相手側連結部分に連結することは、本発明によると、部材カセットの位置を挿入位置に固定することとして理解されるべきである。連結部分は特に、部材排出開口部の領域において有利である。なぜなら、部材排出開口部の配置は、部材排出の位置に関して、高い正確性を必要とするからである。従って、連結部分による位置の固定と部材排出開口部との間における隔たりを小さくすることを可能にするために、連結部分は、部材排出開口部内に、有利には配置される。有利には、部材カセットは、少なくとも2つの連結部分を、特に部材カセットの反対側に有している。連結部分は、ガイド、特にノッチ、あり溝、オメガ形溝、連結リンクガイド(Kulissenfuehrung)の形状のガイド、及び/又は、その他の構造を有するガイドを含み得る。
【0015】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、連結部分及び/又は本体が、少なくとも1つのラッチ手段を有しており、少なくとも1つのラッチ手段は、相手側連結部分の少なくとも1つの相手側ラッチ手段とラッチによって連結するように構成されている、と規定してよい。本発明の好ましいさらなる発展形態によると、上述の部分に補足して、連結部分には、ラッチ手段が設けられている。連結部分のラッチ手段は、挿入位置において、相手側連結部分の相手側ラッチ手段と協働し、部材カセットを、例えば挿入位置からの移動から守っている。ラッチ手段は、部材カセットに、好ましくはクランプ力を加え得るので、挿入位置における部材カセットの位置固定が保証される。本発明に係るラッチ手段はさらに、ラッチ手段の、相手側ラッチ手段との作用接続からの、特に輸送装置の輸送インターフェースへの係合を通じた解除をもたらす装置を含むことが可能である。
【0016】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、部材カセットが、ロック装置を有しており、当該ロック装置は、部材排出開口部をロックするように、及び/又は、本体の受容室をロックするように構成されている、と規定してよい。損傷、汚染、粉塵、湿気、電磁的充電/放電、及び/又は、その他の影響因子からの、部材及び/又は部材カセットの受容室の付加的又は代替的な保護として、本発明に係る部材カセットの好ましいさらなる発展形態は、ロック装置を設けている。ロックされたロック装置は、特に、部材カセットに関する挿入位置の外側において有利である。ロック装置は、部材排出開口部及び/又は本体の受容室の開閉のために、バネ機構、並びに/又は、フィーダ、部材加工装置及び/若しくは輸送装置の相手側部分と作用接続するための機械的装置を有し得る。好ましくは、ロック装置は、再封可能なフラップ及び/又は蓋を有している。当該フラップ及び/又は蓋は、開閉運動のために、ヒンジ又はガイドを有し得る。このように構成された部材カセットは、有利には、部材及び/又は部材カセットの受容室への影響因子に対する保護を提供する。
【0017】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、受容室が、受容室内で部材格納装置を、特に回転可能に取り付けるための、少なくとも1つの取り付け要素を有すると規定してよい。少なくとも1つの取り付け要素は、部材カセットの受容室内に、特にセンタリングされて配置されている。部材を伴う少なくとも1つのベルトを有する部材リールの形状における部材格納装置のための取り付け要素は、好ましくはリール受容部として構成されている。リール受容部は、好ましくはセンタリングされた、特に解除可能なリールの保持のための、好ましくは少なくとも1つの保持ピンとして形成されている。取り付け要素はさらに、径方向に配置された保持部分、特にノーズを有することが可能であり、当該保持部分は、部材格納装置の横方向の支持を可能にする。
【0018】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る部材カセットに関して、本体が、情報装置を有しており、情報装置は、手動及び/又は機械で読むことのできる、特に部材格納装置の部材に関する情報を含んでいる、と規定してよい。情報装置は、説明文、バーコード、QRコード(登録商標)、その他の光学的に可読なコード、及び/又は、メモリチップを含んでいてよく、光学的に、又は、その他の方法で、非接触式に、又は、接触式に、少なくとも可読であり得る。さらに、当該情報装置は、情報装置を用いて保存された情報が、有利には輸送装置、フィーダ、実装機械、又は、部材若しくは部材格納装置を部材カセットに自動、半自動、若しくは、手動で挿入するために用いられる特殊な保守若しくは充填ステーションに取り付けられ得る適切な書き込み装置によって、変更され、消去され、又は、新しい情報のセットによって代替され得るように構成されていてよい。当該情報装置は、好ましくは部材カセット、部材格納装置、部材、存在する量、製造データ、及び/又は、製造期間に関する情報を含んでいる。このように構成された部材カセットは、有利には、手動及び/機械で読むことのできる情報の、使用者、例えば輸送装置及び/又は物流システムへの供給を可能にする。
【0019】
本発明の第2の態様によると、本発明の課題は、第1の態様に係る部材カセットの受動部材排出駆動部を駆動するための駆動機構を有する、部材を受容するための受容装置によって解決される。受容装置は、部材格納装置から供給される部材を受容、加工し、及び/又は、使用するように構成されている。受容装置は、特にフィーダとして理解されるべきである。当該受容装置は、部材カセットからの部材を自らで用いることが可能であるか、又は、フィーダとして構成されていてよく、部材を、少なくとも1つのさらなる装置、特に電子機器部材のための回路基板実装設備に移動させることができる。当該受容装置は、これまでの説明において、本発明に係る部材カセットに関連して、外部の駆動機構として記載されていた駆動機構を有している。受容装置の駆動機構は、少なくとも1つの部材カセットの受動部材排出駆動部を駆動するように構成されている。このために、駆動機構は、有利には少なくとも部分的に、受動部材排出駆動部に係合し得る。当該駆動機構は、好ましくは能動的な駆動機構であり、部材カセットの受動部材排出駆動部を駆動する。受容装置の駆動機構は、部材排出駆動部のみ、又は、複数の部材カセットの複数の部材排出駆動部を駆動することができる。好ましくは、駆動機構は、少なくとも1つの部材カセットの少なくとも1つの駆動輪との接触及び/又は作用接続のための、相手側駆動輪を有している。受容装置の相手側駆動輪は、モータ及び/又はその他の装置を用いて駆動及び/又は制御され得る。従って、すでに本発明に係る部材カセットに関連して詳細に記載した利点全体が、本発明に係る受容装置に関してももたらされ、当該受容装置は、このような部材カセットと共に、動作中に使用可能であり、及び/又は、このような部材カセットと、少なくとも1つの相手側連結部分及び少なくとも1つの連結部分を通じて連結されていてよい。
【0020】
本発明の好ましいさらなる発展形態によると、本発明に係る受容装置に関して、受容装置が、第1の態様に係る部材カセットの少なくとも1つの連結部分と連結するための、少なくとも1つの相手側連結部分を有すると規定してよい。部材カセットの連結部分の、受容装置の相手側連結部分との連結は、本発明によると、挿入位置における部材カセットの位置の固定として理解されるべきである。連結部分は、特に部材排出開口部の領域において有利である。なぜなら、部材排出開口部の配置は、部材の排出の位置に関して高い正確性を必要とするからである。従って、連結部分による位置の固定と部材排出開口部との間における隔たりを小さくすることを可能にするために、連結部分は、部材排出開口部内に、有利には配置される。有利には、部材カセットは、少なくとも2つの連結部分を、特に部材カセットの反対側に有している。連結部分は、ガイド、特にノッチ、あり溝、オメガ形溝、連結リンクガイドの形状のガイド、及び/又は、その他の構造を有するガイドを含み得る。受容装置の相手側連結部分は、好ましくは、連結部分の対応物として構成されている。
【0021】
本発明の第3の態様によると、本発明の課題は、第1の態様に係る部材カセットと、第2の態様に係る受容装置と、を含むシステムによって解決される。従って、すでに本発明に係る部材カセット及び/又は本発明に係る受容装置に関連して詳細に記載された利点全体が、当該部材カセットと当該受容装置とを含んだ、本発明に係るシステムに関してももたらされる。
【0022】
部材を受容かつ排出するための本発明に係る部材カセットが、以下において、図面を用いて詳細に説明される。それぞれ、以下の図が概略的に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】受容室内の部材格納装置を有する部材カセットを示す側面図である。
図2】ロック装置、輸送インターフェース、情報装置及び連結部分を有する部材カセットを示す斜視図である。
図3】受動部材排出駆動部を有する部材カセットの端面側上面図である。
図4】受動部材排出駆動部、ロック装置及び巻き取り装置を有する部材カセットを示す側面図である。
図5】連結部分及びラッチ手段を有する部材カセットと、相手側連結部分及び相手側ラッチ手段を有する受容装置と、を示す斜視図である。
図6】フラップとして構成されたカバーを有する部材カセットを示す側面図である。
図7】受動部材排出駆動部を有する部材カセットと、外部の駆動機構を有する受容装置と、を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
同じ機能及び作用の仕方を有する要素には、図1図7においてそれぞれ、同じ参照符号が付される。
【0025】
図1には、本体10の受容室12内に部材格納装置110を備えた部材カセット1が、側面図で概略的に示されている。部材格納装置110は、部材100を伴うベルトを有するリールとして構成されている。部材格納装置110は、センタリングされた取り付け要素34上に配置され、取り付けられている。部材カセット1は、外部の能動駆動機構200(図示略)を通じて駆動するように構成された、受動部材排出駆動部50を有している。受動部材排出駆動部50は、送り出し輪52と駆動輪54とを含んでいる。送り出し輪52は、部材格納装置110を移動させるように、特に前進させるように構成されており、駆動輪54は、外部の能動駆動機構200(図示略)を通じて駆動するように構成されている。送り出し輪52と駆動輪54とは、作用接続されて配置されている。部材カセット1の端面は、部材100を排出するため、及び、外部の駆動機構200(図示略)を受動部材排出駆動部50に係合させるための、部材排出開口部14を有している。部材カセット1の受容室12は、例えば画定のために、隔壁26を有している。さらに、部材カセット1は、画定物28を含んでいる。部材ベルト110の自由端の有利に正確な位置を可能にするために、部材カセット1は、案内装置18を有している。部材100の、特に部材排出開口部14の領域における、案内装置18による案内は、部材100の正確な排出及び/又は排出位置を可能にする。案内装置18は、従って、部材排出駆動部50に対して付加的に、部材カセット1による部材100の配置の正確性も上昇させることができる。特に、部材100の案内は、ここでは部材100を伴う部材ベルト110上への部材100の正確な配置を可能にする。この案内によって、段階的に、又は連続的に、部材100の、特に部材ベルト110の自由端の固定まで増大する案内が可能になる。このように構成された部材カセット1は、安価かつ容易に、部材カセット1自体の高速製造を可能にし、さらに、部材カセット1、特に部材カセット1の本体10は、部材100の積層、操作及び物流を改善することができる。従って、本発明は、容易かつ安価な方法で、部材100及び部材格納装置110の保護と、少なくとも部分的に自動化された部材カセット1の扱いと、を可能にする部材カセット100を供給する。
【0026】
図2には、ロック装置32、輸送インターフェース36、情報装置38、及び連結部分40を備えた部材カセット1が、斜視図で概略的に示されている。損傷、汚染、粉塵、湿気、電磁的充電及び/若しくは放電、並びに/又は、その他の影響因子からの、部材100及び/又は部材カセット1の受容室12の付加的又は代替的な保護として、図2における本発明の実施形態によると、ロック装置32が設けられている。ロック装置32は、部材排出開口部14及び/又は本体10の受容室12の開閉のために、例えばバネ機構を有している。部材排出駆動部50と、部材100を伴う、ここでは部材ベルトとして構成された部材格納装置110と、は例えば、保護するように、閉鎖されたロック装置32の奥に隠される。具体的に、輸送装置210は、ロボットアームとして形成されている。部材カセット1の輸送インターフェース36は、好ましくは本体10内の、ここでは本体10の端面における2つのリセスとして形成されている。輸送装置210は、輸送インターフェース36の把持のために、相手側把持部分を有している。例えば、輸送インターフェース36のリセスは、ここでは、平面において、スロットに相当しており、輸送装置210の相手側把持部分は、概ね2つのシリンダに相当する。例として示された輸送インターフェース36は、従って好ましくは、輸送装置210による部材カセット1の把持及び/又は輸送のために、2つの空間軸における形状接続と、第3の空間軸における摩擦接続と、を可能にする。従って、少なくとも1つの輸送インターフェース36を備えた部材カセット1は、有利には、部材カセット1の動作中における、部材カセット1の必要な移動の少なくとも部分的な自動化を可能にする。さらに、図示された部材カセット1は、挿入位置EP(図示略)における部材カセット1の本体10の、相手側連結部分42(図示略)との連結のために、連結部分40を含んでいる。相手側連結部分42(図示略)は、好ましくは、フィーダ、並びに/又は、部材カセット1から部材100をさらなる加工及び/若しくは使用のために受け取る部材加工装置に形成されている。連結部分40の、相手側連結部分42(図示略)との連結は、本発明によると、挿入位置EP(図示略)における部材カセット1の位置の固定として理解されるべきである。連結部分40は、ここでは、ガイドとして、特にオメガ形溝の形状のガイドとして形成されている。さらに、部材カセット1は、情報装置38を含んでいる。このように構成された部材カセット1は、有利には、手動及び/又は機械で読むことのできる情報の、使用者、例えば輸送装置210及び/又は物流システムへの供給を可能にする。
【0027】
図3には、受動部材排出駆動部50を備えた部材カセット1が、端面側の上面図で示されており、部材100は、部材ベルトの形状における部材格納装置110の上に配置されている。部材排出駆動部50の送り出し輪52は、部材ベルトとの係合、及び/又は、部材ベルトとの摩擦を通じて、部材100の送り出しを可能にする。部材排出駆動部50の駆動輪54は、外部の駆動機構200(図示略)を通じて駆動するように構成されている。送り出し輪52と駆動輪54とは、作用接続されており、特に一体的に、シャフト上に配置されているので、駆動輪54の駆動は、送り出し輪52の駆動をもたらし、及び/又は、送り出し輪52の駆動に相当する。部材100を部材カセット1から排出するために、部材カセット1の端面は、部材排出開口部14を有している。
【0028】
図4には、受動部材排出駆動部50を備えた部材カセット1が、側面図で示されている。図3の特徴に加えて、図4は、部材100の保護フィルム62のための巻き取り装置60を示している。保護フィルム62は、有利には、部材1から保護フィルム62を巻き取るための巻き取り装置60によって、部材排出開口部14の領域において除去される。巻き取り装置60は、有利には、部材カセット1の受動部材排出駆動部50の回転運動と作用接続されていてよく、特に、受動部材排出駆動部50の部材100の排出速度に対して同期された、保護フィルム62の巻き取り装置60の巻き取り速度を可能にする。代替的又は付加的に、巻き取り装置60に、連続的なトルクを、特に弾力を通じて加えることが可能であり、これによって、部材格納装置110及び/又は部材100の送り出しの際に、保護フィルム62の巻き取りが可能になる。部材カセット1は、部材排出開口部14及び/又は本体10の受容室12の開閉のために、ロック装置32を有している。このように構成された部材カセット1は、有利には、部材100及び/又は部材カセット1の受容室12への影響因子からの保護を提供する。
【0029】
図5には、連結部分40及びラッチ手段44を備えた部材カセット1と、相手側連結部分42及び相手側ラッチ手段46を備えた受容装置190と、が斜視図で示されている。部材カセットの連結部分は、オメガ形溝として形成されており、部材カセット1の本体10の下側部分に配置されている。部材カセット1の連結部分40は、使用のために、例えば受容装置190の相手側連結部分42上の挿入位置EP(図示略)に押し込まれる。受容装置の相手側ラッチ手段46は、例えば位置固定部として構成されている。相手側ラッチ手段46は、例えばバネ機構を用いて、上下に移動可能であり、これによって、連結部分40の相手側連結部分42に沿った移動を可能にするか、又は、防止する。相手側ラッチ手段46は、部材カセット1を受容装置190の相手側連結部分42に挿入するために、下に向かって移動する。部材カセット1の奥では、相手側ラッチ手段46が、好ましくはバネ装置によって自動的に上方へ移動し、相手側ラッチ手段46と、例えば部材カセット1の背面側端面であるラッチ手段44と、の間の作用接続を通じて、部材カセット1の位置を固定する。
【0030】
図6は、フラップとして形成されたカバー22を備えた部材カセット1を、側面図で概略的に示している。カバー22は、ヒンジを通じて、部材カセット1の本体10上で旋回可能に配置されている。カバー22の開かれた位置において、部材格納装置110は、受容室12に挿入され、受容室12内で位置決めされ得る。閉じられた位置では、カバー22は、好ましくは部材カセット1の本体10に当接しており、この際に、受容室12をロックし、これによって、受容室12に存在する部材格納装置110は、外部の影響から保護されている。旋回可能なフラップの代わりに、カバー22は、ガイド、特に本体10の連結リンクガイド内に案内可能に取り付けられたスライドカバーであってよい。さらに、カバー22は、スナップ式の蓋であってよく、力接続又は摩擦接続によって、部材カセット1の本体10に保持されている。スナップ式の蓋は、好ましくは突起又はピン等の差し込み要素を有しており、当該差し込み要素は、部材カセット1の本体10における対応する差し込み受容部に差し込まれ得る。さらなる変型例として、カバー22は、フィルムとして形成されていてよい。当該フィルムは、部材格納装置110を受容室12に挿入した後、受容室12を覆うようにロックすることができる。すなわち、フィルムは、好ましくは、フィルムが受容室12の開口部を完全に覆うように本体に取り付けられ、特に貼付される。部材格納装置110の部材100が、受容室12から取り出された場合、当該フィルムを部材カセット1から取り去り、新しいフィルムと取り替えることが可能である。
【0031】
図7は、受動部材排出駆動部50を備えた部材カセット1と、受容装置190の、外部の駆動機構200での部材カセット1との少なくとも部分的な係合と、を側面図で示している。外部の駆動機構200は、部材排出駆動部50の駆動輪54と作用接続されている。駆動輪54と送り出し輪52との作用接続を通じて、外部の駆動機構200は、部材格納装置110及び部材100の、部材カセット1の受容室12からの送り出しを可能にする。外部の駆動機構200は、部材排出駆動部50の配置に応じて、部分的に部材カセット1に係合し得る。外部の駆動機構200は、有利には、受容装置190から突出していてよく、従って、駆動機構200の部材排出駆動部50への係合を容易にすることを可能にする。
【符号の説明】
【0032】
1 部材カセット
10 本体
12 受容室
14 部材排出開口部
16 側壁
18 案内装置
22 カバー
26 隔壁
28 画定物
32 ロック装置
34 取り付け要素
36 輸送インターフェース
38 情報装置
40 連結部分
42 相手側連結部分
44 ラッチ手段
46 相手側ラッチ手段
50 部材排出駆動部
52 送り出し輪
54 駆動輪
60 巻き取り装置
62 保護フィルム
100 部材
110 部材格納装置
190 受容装置
200 外部の駆動機構
210 輸送装置
EP 挿入位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7