(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】点検システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/67 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
H01L21/68 L
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021092858
(22)【出願日】2021-06-02
(62)【分割の表示】P 2017546219の分割
【原出願日】2016-03-02
【審査請求日】2021-07-02
(32)【優先日】2015-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516124144
【氏名又は名称】レブストック,ルッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】レブストック,ルッツ
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-235892(JP,A)
【文献】特開2005-64515(JP,A)
【文献】特開2011-134822(JP,A)
【文献】特開2009-239102(JP,A)
【文献】特開2015-8223(JP,A)
【文献】特開2004-266221(JP,A)
【文献】特開2006-156739(JP,A)
【文献】特開平11-121594(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハ若しくはレチクルのためのコンテナ又は前記コンテナの少なくとも一部の状態を決定するために適合された、点検システムであって、
前記点検システムは、
前記コンテナ又は前記コンテナの一部の表面及び/又は内部から、コンテナ表面検出データを受信するよう適合された、複数の検出デバイス(102、104、152、154、156、158、160、164)を備え、
受信した前記コンテナ表面検出データは、前記コンテナ又は前記コンテナの一部の前記状態を表すものであり、受信した前記コンテナ表面検出データは、前記コンテナまたは前記コンテナの一部の状態を具体化するものであり、
受信した前記コンテナ表面検出データに基づいて、前記状態を識別するように構成されているデータ処理部と、
前記コンテナの表面または領域を照らすように構成された光源及び/若しくは鏡、又は
前記コンテナの表面または領域を照らすように構成された複数の光源及び/若しくは鏡(114、116)を備え、
前記光源及び/若しくは鏡、又は前記複数の光源及び/若しくは鏡のうちの少なくとも1つは、正方形状の構成、円形状の構成、三角形状の構成若しくは楕円形状の構成又はこれらのいずれの組み合わせに配設された、複数の線形光源及び/又は鏡を備え、
前記複数の検出デバイス(102、104、152、154、156、158、160、164)は、前記コンテナの表面または側部全体の全景を提供するように構成された第1のカメラと、前記第1のカメラの視野よりも小さい可変視野を提供する第2のカメラを備え
、
前記第2のカメラは、直線ガイド上を移動可能に構成される
点検システム。
【請求項2】
前記光源及び/若しくは鏡の少なくとも1つ、又は前記複数の光源及び/若しくは鏡のうちの少なくとも1つは、ウェハ若しくはレチクルコンテナの蓋(106)の周の上及び/若しくは上方、又は前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの操作用フランジの周の上及び/若しくは上方、又は前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの開口の周の前及び/若しくは上方、又は前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの外側若しくは内側表面の前及び/若しくは上方に、正方形状の構成で配設された、4つの前記線形光源及び/又は鏡を備える
請求項1に記載の点検システム。
【請求項3】
複数の検出デバイスは、前記コンテナの外側に配置され、前記光源及び/若しくは鏡の少なくとも1つ、又は前記複数の光源及び/若しくは鏡のうちの少なくとも1つは、前記コンテナの内側に配置されている
請求項1または2に記載の点検システム。
【請求項4】
前記複数の検出デバイスは、前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの重量を測定するための、少なくとも1つのデバイス又は複数のデバイスを備える
請求項1~3のいずれか1項に記載の点検システム。
【請求項5】
前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの重量を測定するための、前記1つのデバイス又は前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの負荷セルを備える
請求項4に記載の点検システム。
【請求項6】
前記ウェハ若しくはレチクルコンテナの重量を測定することにより、前記コンテナ内の1つまたは複数のウェハまたはレチクルの存在を判断するように構成される
請求項4または5に記載の点検システム。
【請求項7】
前記データ処理部は、受信した前記コンテナ表面検出データに基づいて、前記コンテナの損傷および/若しくは欠陥を識別するように構成される
請求項1~6のいずれか1項に記載の点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ウェハ又はレチクルコンテナの状態及び/又は内容物を決定するために適合された点検システム、及びこのようなコンテナの状態及び/又は内容物を決定するための点検チャンバに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、好ましい例として正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(front opening unified pod:FOUP))に言及するが、本発明はいずれの種類のウェハ又はレチクルコンテナに適用可能である。更なる例として、正面開口式輸送箱(front opening shipping box:FOSB)が挙げられる。
【0003】
半導体ウェハ加工では、ロボット機構が、ウェハと、正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(FOUP)等のウェハコンテナとを、連続的に配置、編成及び加工する。FOUPは上記プロセスにおいて損傷する場合がある(例えば擦過傷、破壊、変形等)。このような損傷及び/又は欠陥についてFOUPを効率的に点検する必要がある。
【0004】
FOUP等のウェハ又はレチクルコンテナはまた、汚染され易く、例えばこの汚染によってウェハ製造プロセスの効果が低くなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、請求項1の特徴を備える点検システムが、請求項19の特徴を備える点検チャンバと併せて提案される。
【0006】
これらの請求項では、本発明による上記システムが、「1つの検出デバイス又は複数の検出デバイス」を備えると明記されている。これは特に、本記載中で使用される用語法「少なくとも1つの検出デバイス」に対応する。
【0007】
本発明によると、少なくとも1つの検出デバイスは、ウェハ若しくはレチクルコンテナの表面若しくは内部、又はこのようなコンテナの少なくとも一部から、上記コンテナ又は上記コンテナの少なくとも一部の状態及び/又は内容物を指示する検出データを受信するよう適合される。これに関連する用語「内部(interior)」は、壁又は蓋の内部領域、即ちこのような壁又は蓋の表面の下側の領域を特に意味するものとする。
【0008】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0009】
第1の好ましい実施形態によると、上記ウェハ又はレチクルコンテナは、正面開口式カセット一体型搬送・保管箱(FOUP)である。ウェハ加工中のウェハの効果的な操作を提供するために、ウェハのいずれの種類の誤操作又は汚染を回避できるよう、FOUPが清浄な状態であることが、最も重要である。
【0010】
本発明の第1の好ましい実施形態によると、上記検出デバイスは少なくとも1つのカメラを備え、上記検出データは画像データとして提供される。カメラは、コンテナの表面から検出データを受信するための好ましい検出デバイスである。
【0011】
有利には、少なくとも2つのカメラが設けられ、上記カメラのうちの少なくとも1つは、可変視野を提供するよう適合される。例えば、コンテナの表面又は側部全体の全景を提供するよう適合された第1のカメラを、上記第1のカメラの視野より有意に小さくてよい可変視野を提供するための第2のカメラと共に、設けることができる。このような構成を用いると、コンテナの全体的な特徴を、詳細な特徴と同時に検出できる。カメラは、上記カメラの視野のサイズを変更するために、ズームシステム内に設けることができる。
【0012】
好ましくは、少なくとも1つの検出デバイスは、位置決めシステムに連結される。このような位置決めシステムへの連結により、検出データに基づく、コンテナの寸法又は特徴の実際の測定が促進される。
【0013】
好ましくは、少なくとも1つの検出デバイス、特にカメラは、直線ガイドに、並びに/又は旋回及び/若しくは枢動手段に連結されるように設けられる。このような連結を用いると、検出デバイスの視界、特にカメラの視野は、例えば全体的な視界と具体的な視界との間で交替するために、及びコンテナ表面上の関心対象領域の走査を実施するためにも、都合よく調整できる。
【0014】
好都合には、上記検出デバイスは、コンテナ、特にFOUPの表面の関心対象領域のデジタル画像を生成するよう適合され、上記点検システムは更に、データ処理ユニットを備え、上記データ処理ユニットは、上記コンテナの状態及び/又は内容物を識別するために、生成されたデジタル画像を、上記データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムを用いて処理するよう適合される。これに関連して、特に、FOUPの損傷、例えばガスケット、グロメット又は操作用フランジといったFOUPの破損又は損傷した特徴部分、及び例えば熱又は他の外的影響への曝露による歪み等の欠陥を決定できる。
【0015】
ある好ましい実施形態によると、少なくとも1つのカメラは、反射鏡を含み、上記反射鏡は、入射光を2つ以上の部分に分割し、これらの部分を、別個の位置においてカメラ本体の内側表面上に設置された2つ以上の線形画像感知デバイス上へと指向させるための、2つ以上の反射表面を備える。上記反射表面は特に、対称反射表面として設けることができる。例えば上記反射鏡は、入射光を上記線形画像感知デバイスへと最適に反射するために、コンテナの内側に挿入できる。これにより、コンテナの内側を、損傷又は欠陥に関して効果的にチェックできる。更に、少なくとも1つのカメラは有利には、視界を変化させるよう適合された調整可能な遮蔽プレートを備える。このような遮蔽プレートは、アパーチャとして効果的に機能できる。
【0016】
本発明の更なる好ましい実施形態によると、上記少なくとも1つの検出デバイスは、超音波検出デバイス及び/又はレーザ検出デバイスを備える。このようなデバイスは、カメラの代替として、又はカメラに加えて設けることができる。超音波検出デバイスは、カメラが検出できないコンテナの特徴部分の検出の際に、特に有利である。超音波検出デバイスは、少なくとも1つの超音波センサを備え、上記超音波センサは音波パルスを放出し、上記音波パルスが衝突した物体からのエコーパルスを検出する。検出したエコーパルス特性、例えば周波数及び/又は振幅に基づいて、物体又は材料の欠陥を確認でき、また厚さ測定を実施できる。特に、カメラが検出できないヘアラインクラックをこの方法で検出できる。例えばFOUPは、FOUP内容物の汚染を防止するために、例えばN2を用いたパージを規則的に受けなければならない。N2パージは、典型的にはFOUPの基部に設けられたノズルを用いて実施される。いずれの汚染を防止するために、上記ノズルはグロメットと相互作用する。このようなグロメットが整列されていない場合、又は上記グロメットの材料がオーバタイムを有する場合、特にパージ中の、FOUPの品質を劣化させる汚染は防止できない。カメラがアクセスできないグロメットの点検は、超音波検出デバイスを用いて達成できる。
【0017】
レーザ検出デバイスは特に、FOUPの具体的な測定を確認するために利用できる。
【0018】
上述の検出デバイスの代替として又は上述の検出デバイスに加えて利用することもできる、ある好ましい実施形態によると、上記少なくとも1つの検出デバイスは、ウェハ又はレチクルコンテナ、特にFOUPの重量を測定するための少なくとも1つのデバイスを備える。このデバイスは、例えばFOUPの蓋を取り外すことによってFOUPを実際に開放する必要なしに、FOUPの内容物を確認できる点で特に有利である。従ってFOUPの内容物の汚染の危険性を効果的に最小化できる。
【0019】
有利には、FOUPの重量を測定するための上記デバイスは、少なくとも1つの負荷セルを備える。負荷セルは容易に入手可能であり、また容易に操作可能である。
【0020】
有利には、上記点検システムは、少なくとも1つの光源及び/又は鏡を備える。特にこのような光源又は鏡は、状態及び/又は内容物をチェックしなければならないコンテナ、特にFOUPの内側へ、又は内側内で、位置決め及び/又は移動できる。有利には、カメラをコンテナの外側に位置決めでき、その一方で光源及び/又は鏡をコンテナ内で位置決めできる。このような光源及び鏡の位置及び/又は配向は、このようなカメラ、及び/又はコンテナの実際の形状と最適な様式で協働するよう、容易に適合できる。
【0021】
ある好ましい実施形態によると、少なくとも1つの光源又は鏡は、正方形状の構成、円形状の構成、三角形状の構成若しくは楕円形状の構成又はこれらのいずれの組み合わせに配設された複数の線形光源及び/又は鏡を備える。このような構成を用いると、上記線形光源を、コンテナの様々な表面又は領域を最適に照明するよう適合できる。例えば、正方形状の構成に配設された4つの線形光源及び/又は鏡を備える光源は、これに対応した形状の、FOUP本体とFOUP蓋との間に配設されたガスケットを照明するよう適合できる。
【0022】
有利には、上記少なくとも1つの検出デバイス、特にカメラは、点検ウィンドウを走査するよう適合され、上記点検ウィンドウは、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであり、上記検出デバイスは、上記点検ウィンドウを連続的又は断続的に走査するよう適合される。
【0023】
有利には、上記点検ウィンドウは、FOUPのシール又はガスケットに対応するよう適合された二重正方形状の点検フィールドを備える。これに関連して、用語「二重正方形状(double square‐shaped)」は、2つの同心正方形によって画定された領域、即ちフレーム様領域を意味する。このような点検ウィンドウを走査することにより、FOUPの本体と蓋との間に設けられたFOUPのガスケットを容易に検査できる。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、カメラを用いて視野を走査することによって損傷及び/又は欠陥を決定するための、システム及び方法を開示する。1つ又は複数のカメラを、ウェハ加工システムの視覚的点検チャンバの内側に設置してよく、上記ウェハ加工システム内には1つ又は複数のFOUPを位置決めしてよい。上記カメラは、1つ又は複数の直線ガイドに沿って移動するよう構成してよい。上記カメラの上記移動により、上記FOUPのある特定の関心対象領域の、より広範な走査を可能とすることができる。上記特定の関心対象領域は、上記FOUPの内側又は外側表面であってよい。上記特定の関心対象領域の上記走査は、上記特定の関心対象領域のデジタル画像を生成できる。生成された上記画像は、損傷及び/又は欠陥を識別するために、データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムによって使用できる。上記カメラは反射鏡を含んでよく、上記反射鏡は、入射光を2つの部分に分割し、これらの部分を、別個の位置においてカメラ本体の内側表面上に設置してよい2つの線形画像感知デバイス上へと指向させるための、2つの反射表面を備えてよい。調整可能な遮蔽プレートを用いて、上記線形画像感知デバイスの視界を変化させることができる。受信した光、例えば上記表面の輝度の変動は、電気信号に変換され、これはデータ処理システムで処理できる。上記2つの線形画像感知デバイスから導出された出力信号間の差異信号は、上記FOUPの損傷及び/又は欠陥の存在を示し得る。上記出力信号は、欠陥が存在しない場合は同一となり得る。複雑な又は起伏の有る表面を有する表面、例えばガスケット、インシュレータの視覚的点検のために、複数のカメラを使用してよい。超音波検出システム及び/又はレーザ検出システムによるもの等、他の検出方法も使用してよい。上記レーザ検出システムは、レーザラインスキャナであってよい。
【0025】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、視覚的点検システムと連結してよい、又はスタンドアロン型システムであってよい、超音波検出システムを開示する。超音波検出デバイスは、コンテナの内部及び/又は表面から検出データを受信するための好ましい検出デバイスである。上記超音波検出システムは、物体検出、範囲の発見、レベル感知等を含む多様な使用法を有する。上記システムは、超音波ビームを送信及び受信できる超音波トランスミッタ及びレシーバユニットと連結してよい超音波トランスデューサを含んでよい。超音波トランスミッタ及びレシーバユニットを用いて、超音波周波数(15~100kHz)の電気的ACパルスを送信できる。この電気的パルスは、上記トランスデューサを振動させることによって、超音波エネルギのパルスを、検出対象の物体へと送信させることができる。このパルスが上記物体に到達すると、上記パルスは上記トランスミッタ及びレシーバユニットへと戻るように反射してよい。送信されたパルスと受信されとパルスとの間の時間差を用いて、上記物体の範囲を算出できる。上記物体の上記範囲をアルゴリズムに入力して、上記FOUP上の欠陥及び/又は変形の存在を決定できる。
【0026】
更に上記超音波検出システムは、上記FOUP上の上記ガスケットの存在を決定するよう構成できる。上記システムは、超音波トランスデューサを上記ガスケットへと指向させ、上記ガスケットがOリングである場合には、円形の運動を行いながら上記ガスケットの周に沿って上記超音波トランスデューサを移動させるよう構成してよい。
【0027】
上記超音波検出システムは、その台座に、超音波エネルギの直接的な伝達を防止するための振動吸収減衰システムを含んでよい。上記システムはまた、上記超音波ビームの分散を制御するためのラジエータも含んでよい。例えば、ホーン構造体を用いて、上記超音波エネルギの経路を、ある具体的な所定の方向へと指向させることができる。カプセル化部材は、上記トランスデューサが略一方向に送信した超音波エネルギを減衰させるために、上記超音波トランスデューサを取り囲んでよい。
【0028】
少なくとも1つの実施形態では、本発明は、FOUPの重量を測定することによって、上記FOUPの内側の1つ又は複数のウェハの存在を決定する、システム及び方法を開示する。以前には、これは、ヒトであるオペレータからの視覚的確認によって達成されていたが、炭素等の不純物を含むいくつかのFOUPの場合、上記FOUPは不透明である場合があり、視覚的確認の有効性について妥協が生じる場合がある。
【0029】
負荷セルを上記システムの基部に配置してよく、上記負荷セルは、その上部表面上にFOUPを受承してよい。上記FOUPは、開閉できる。負荷セルは、測定された力に直接比例する大きさの電気信号を生成する、いずれのデバイスであってよい。上記負荷セルは、歪みゲージ負荷セル、圧電負荷セル、液圧負荷セル、空気圧負荷セル、容量性負荷セル、振動ワイヤ負荷セル等であってよい。上記電気信号をデータ処理ユニットで処理することによって、上記FOUP内の1つ又は複数のウェハの存在を決定できる。上記システムは、上記FOUPの総重量によって、上記FOUP内のウェハの正確な量を特定できる。この算出は、空のFOUPの重量を、1つ又は複数のウェハを含む上記FOUPの総重量から減算するステップと、これに続いて、上記減算の結果を単一のウェハの重量で除算するステップとからなってよく、その商が、上記FOUP内に存在するウェハの総数である。
【0030】
これより、実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1A】
図1Aは、本発明の第1の実施形態の概略側面図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の第2の実施形態の概略側面図である。
【
図2A】
図2Aは、本発明の第3の実施形態の概略側面図である。
【
図2B】
図2Bは、本発明の第4の実施形態の概略側面図である。
【
図3】
図3Aは、本発明の第5の実施形態の概略側面図である。
図3Bは、本発明の第6の実施形態の概略側面図である。
【
図4】
図4は、FOUPの前方開口の概略側面図である。
【
図5】
図5は、FOUPの前方開口の、更なる詳細を示す更なる概略側面図である。
【
図6】
図6は、FOUPの前方開口の、更なる詳細を示す更なる側面図である。
【
図7】
図7は、FOUPの前方開口の更なる概略側面図である。
【
図9】
図9は、FOUPの操作用フランジの概略断面図である。
【
図17】
図17は、FOUPのグロメットを検査するための、本発明の実施形態の概略図である。
【
図18】
図18は、本発明の更なる好ましい実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1A~1Bは、視覚的点検システムの点検チャンバの側面図を示す。上記視覚的点検システムは、カメラを用いてデジタル画像をキャプチャし、その後上記デジタル画像が、データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムで処理されることによって、FOUP等のコンテナを点検するよう構成してよい。FOUP本体及び蓋は、単一のチャンバ内で一緒に、又は別個に点検してよい。FOUP本体及び蓋はまた、別個の本体点検チャンバ及び別個の蓋点検チャンバで点検してもよい。
【0033】
図1Aは、カメラA102、カメラB104及び蓋106を備える、蓋点検チャンバ100の側面図を示す。カメラA102は、カメラB104よりも蓋106から遠位に位置決めしてよく、従ってカメラA102は、カメラB104の視野B110よりも広い視野A108を備えてよい。視野A108は、蓋106全体を包含し得る。視野B110は、蓋106の周縁表面等の、蓋106上の関心対象の点に対して指向させてよい。カメラB104は、直線ガイド112に連結してよい。直線ガイド112により、カメラ104BはX軸に沿って移動できるようになり、これにより視野Bを、蓋106の異なる複数の位置に指向させること、例えば蓋106の周及び/又は蓋106の周の中を追跡させることが可能となる。1つ又は複数の他の直線ガイド(図示せず)もカメラB104に連結してよく、これらにより、カメラB104はY軸及び/又はZ軸において移動できるようになる。蓋点検チャンバ100は、光源/鏡114及び/又は光源/鏡116を備えてよい。光源/鏡116は、蓋106の最大の照明を提供するために、蓋106の周のすぐ上及び/又はわずかに上方に正方形状の構成で配設された、4つの線形光源及び/又は鏡を備えてよい。光源/鏡116の周は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。
【0034】
図1Bは、カメラC1 152、視野C1 153、カメラD154、視野D155、カメラE1 156、視野E1 157、カメラE2 158、視野E2 159、カメラFl 160、視野F161、光源/鏡162、カメラG1 164、視野G1 165、光源/鏡166、直線ガイド168及び光源/鏡170を備える、本体点検チャンバ150の側部を示す。
【0035】
カメラC1 152は、本体点検チャンバ150内に位置決めされたFOUPの操作用フランジより幅広であってよい視野C1 153を備えてよい。カメラC1 152は、データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムによって、上記操作用フランジの高さ及び/又は厚さを決定するよう構成してよい。光源/鏡166は、上記操作用フランジの照明のために設けられ得る。光源/鏡166は、上記操作用フランジの最大の照明を提供するために、上記操作用フランジの周のすぐ上及び/又はわずかに上方に正方形状の構成で配設された、4つの線形光源及び/又は鏡を備えてよい。光源/鏡166の周は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。
【0036】
カメラD154は、本体点検チャンバ150内に位置決めされたFOUPの前方開口より幅広であってよい視野D155を備えてよい。光源/鏡159は、照明のために、カメラD154の近位に設けてよい。カメラD154は、FOUP内のウェハの存在の決定、FOUP内の破損したウェハ片の存在の決定、FOUPのドア及び/若しくは角周辺の損傷の決定、FOUPの精密スナップ嵌合側部支持体の存在の決定、並びに/又はFOUPのドアの測定値の決定のために使用してよい。
【0037】
カメラE1 156、カメラE2 158及び/又はカメラF1 160は全て、
図2Bに示すように、それぞれ少なくとも2つのカメラを備えてよい。これらのカメラは直線ガイド168及び直線ガイド314(
図2Bに示す)上に位置し、直線ガイド168及び直線ガイド314は、FOUPの各側部の前の垂直軸に沿って位置決めしてよい。カメラE1 156は視野E1 157を備えてよく、カメラE2 158は視野E2 159を備えてよく、カメラF1 160は視野F 161を備えてよい。カメラF2 204及びカメラE2 158は、直線ガイド168上に位置してよく、並びに/又はカメラF1 160及びカメラE1 156は、直線ガイド314上に位置してよい。各カメラは、それぞれの直線ガイドに沿って移動でき、これにより、FOUPの側壁内の標的領域の広い視野が可能となる。この広い点検視野は、FOUPの内側の全長及び/又は全幅を包含し得る。各カメラは、それぞれの直線ガイド上の接続点において旋回及び枢動可能であってよい。
【0038】
図2のカメラE1 156、カメラE2 158、カメラF1 160及び/又はカメラF2 204は、個々に、又は組み合わさって、FOUP内で、例えばFOUPの内部側壁のスロットに沿って、加熱きず、擦過傷、ストリンガ(stringer)、変形したウェハ支持体、破損したウェハ支持体、加圧きず、及び溶融したバンパーの存在を決定してよい。これらのカメラはまた、個々に、又は組み合わさって、側部支持体のスロット高さ、スロット傾斜、スロット間隔及び/又は整列を決定してもよい。
【0039】
光源/鏡162は、FOUP開口の最大の照明を提供するために、FOUP開口の周のすぐ上及び/又はわずかに上方に正方形状の構成で配設された、4つの線形光源及び/又は鏡を備えてよい。光源/鏡162の周は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。カメラG1 164は視野G1 165を備えてよく、また光源/鏡170に連結してよい。カメラG1 164は、上記操作用フランジの上部の特性を決定してよい。
【0040】
図2A~2Bは、
図1A~Bの点検チャンバの上面図を示す。
図2Aは、
図1Aの蓋点検チャンバ100に対する直線ガイド200を紹介し、この蓋点検チャンバ100は、
図1Aの直線ガイド112とは異なる軸、例えばY軸及び/又はZ軸上に位置決めしてよい。直線ガイド112及び直線ガイド200はいずれも、カメラB104がこれら直線ガイドの長さを縦走することを可能とすることができる。直線ガイド112及び直線ガイド200は、例えばカメラB104をX、Y及び/又はZ軸において移動させることができるように、別個に位置決めしてよく、又は一体に連結してよい。
図2Bは、カメラC2 202、視野C2 203、カメラF2 204、光源/鏡206、光源/鏡208、及び
図1Bの本体点検チャンバ150に対する直線ガイド314を紹介する。カメラC2 202は、視野C2 203を備えてよく、これはFOUPの操作用フランジの水平軸に沿って指向してよい。カメラC2 202は、データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムによって、上記操作用フランジの高さ及び/又は厚さを決定するよう構成してよい。カメラF2 204及びカメラE2 158は、直線ガイド168に連結してよく、これはFOUPの垂直軸を横断してよい。カメラE2 158は、2つの別個のカメラを備えてよい。カメラF1 160及びカメラE1 156は、直線ガイド314に連結してよく、これはFOUPの垂直軸を横断してよい。カメラE1 156は、2つの別個のカメラを備えてよい。直線ガイド168及び直線ガイド314は、FOUPの対向する側部に位置決めしてよい。光源/鏡206は、3つの別個の光源及び/又は鏡を備えてよく、カメラF1 160及びカメラE1 156のための輝度を提供するために、直線ガイド314の近傍、例えば直線ガイド314のすぐ後ろに位置決めしてよい。光源/鏡208は、3つの別個の光源及び/又は鏡を備えてよく、カメラF2 204及びカメラE2 158のための輝度を提供するために、直線ガイド168の近傍、例えば直線ガイド168のすぐ後ろに位置決めしてよい。
【0041】
図3A~3Bは、
図1A~B及び
図2A~Bの点検チャンバの正面図を示す。
図3Aは直線ガイド300を紹介し、これは、直線ガイド200と同一の軸、又は直線ガイド200及び直線ガイド112とは異なる軸、例えばZ軸上に位置決めしてよく、またカメラB104の運動による深さ及び焦点の変動に適応してよい。直線ガイド112、直線ガイド200、及び/又は直線ガイド300は、別個に位置決めしてよく、又はいずれの組み合わせで連結してよい。
【0042】
図3Bは、カメラG2 304、視野G2 306、光源/鏡308及び光源/鏡310を紹介する。カメラG2 304は、
図1のカメラG1 164と協働して、上記操作用フランジの上部の特性を決定してよい。カメラG2 304は視野G2 306を備えてよく、光源/鏡310に連結してよい。カメラE2 1582つのカメラを備えてよいカメラE2 158と、カメラF1 160とがいずれも、直線ガイド168に連結してよいことは、
図1よりもこの図においてより明らかである。一方、これもまた2つのカメラを備えてよいカメラE1 156、及びカメラF2 204はいずれも、直線ガイド314に連結してよい。
【0043】
図4は、
図1のカメラD154の視野D155によって検出されるものとして、FOUPの前方開口を示す。点検ウィンドウ402は、視覚的点検システムの点検チャンバ内に位置決めされるFOUP400の内側後方壁を走査してよい。点検ウィンドウ402は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。点検ウィンドウ402は上記FOUPを周縁線に関して走査してよく、これは1つ又は複数のウェハの存在に関連付けられ得る。点検ウィンドウ402の走査は、上記FOUPの上部、底部及び/又は中間セクションにおいて開始及び/又は終了してよい。点検ウィンドウ402の走査は、連続的又は断続的であってよい。1つ又は複数のウェハの存在の検出は、400μm(厚さ)超の精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0044】
図5は、
図1のカメラD154の視野D155によって検出されるものとして、FOUPの前方開口を示す。点検ウィンドウ502は、視覚的点検システムの点検チャンバ内に位置決めされるFOUP500の内周を走査してよい。上記内周の走査は、上記FOUP内の汚染粒子504、例えば破損したウェハの片を検出してよい。点検ウィンドウ502は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。点検ウィンドウ502の走査は、連続的又は断続的であってよい。粒子504の存在の検出は、5mm×5mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0045】
図6は、
図1のカメラD154の視野D155によって検出されるものとして、FOUPの前方開口を示す。点検ウィンドウ602は、視覚的点検システムの点検チャンバ内に位置決めされるFOUP600の外周を走査してよい。点検ウィンドウ602は、
図5からの点検ウィンドウ502より幅広であってよい。上記外周の走査は、FOUP600のドアに対する損傷及び/又は破損した角等の、上記周の損傷及び/又は変形を検出してよい。点検ウィンドウ602は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。点検ウィンドウ602の走査は、連続的又は断続的であってよい。FOUP600の上記周の損傷及び/又は変形の検出は、2mm×2mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0046】
図7は、
図1のカメラD154の視野D155によって検出されるものとして、FOUPの前方開口を示す。点検ウィンドウ702は、少なくとも1つの、正方形状、円形状、三角形状及び/又は楕円形状の点検フィールドを備えてよく、これはFOUP700の各角に位置決めしてよい。点検ウィンドウ702は、FOUP700の精密スナップ嵌合側部支持体の存在を決定してよい。点検ウィンドウ702は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであってよい。点検ウィンドウ702の走査は、連続的又は断続的であってよい。FOUP700の精密スナップ嵌合側部支持体の検出は、0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0047】
図8は、
図1のカメラD154の視野D155によって検出されるものとして、FOUPのドアを示す。測定線802及び測定点804は、FOUPドアの測定の始点及び終点を示してよい。上記FOUPドアの測定は、+/‐0.5mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0048】
図9は、FOUP900の操作用フランジを示す(
図9には、FOUP900の上側の一部しか示されない)。905で表される上記操作用フランジは、FOUP900の上側に対する延長部分として提供される。上記FOUPの上側の表面は概略的に示されており、910で表される。
図9から分かるように、上記操作用フランジは、高さ920及び厚さ930を有する。カメラC1 152の視野C1 153及び/又はカメラC2 202の視野C203は、操作用フランジの高さ920等の上記操作用フランジの測定値を、+/‐0.1mmの精度及び0.06mm/pxの解像度で、並びに/又は操作用フランジの厚さ930を、+/‐0.1mmの精度及び0.06mm/pxの解像度で決定してよい。
【0049】
図10は、
図1のカメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161によって検出されるものとして、FOUPの内部側壁を示す。点検ウィンドウ1002は、少なくとも1つの、円形状、正方形状、三角形状及び/又は楕円形状の点検フィールドを備えてよく、これは、FOUP1000の内部側壁上において加熱きず及び/又は擦過傷等の変形1004が検出された場合に、この変形1004の上方に位置決めしてよい。点検ウィンドウ1002の走査は、連続的又は断続的であってよい。
【0050】
FOUP1000の変形1004の検出は、400μm幅超の精度及び0.05mm/pxの解像度を有してよい。
【0051】
図11は、
図1のカメラA102の視野A108によって検出されるものとして、FOUPの蓋の内壁を示す。点検ウィンドウ1102は、二重正方形状点検フィールドを備えてよく、これは間に、シール1104、例えばFOUP1100のガスケットを位置決めしてよい。点検ウィンドウ1102は、シール1104に対する損傷及び/又は変形を検出してよい。
図11から分かるように、上記二重正方形状点検フィールドは、外側正方形1150と、外側正方形1150内に同心に配設された内側正方形1160とによって画定される。点検ウィンドウ1102の走査は、連続的又は断続的であってよい。シール1104の損傷及び/又は変形の検出は、0.5mm×0.5mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。点検ウィンドウ1102の走査は、上記シールの存在も検出してよく、また、>20(最小コントラストグレー値)の精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。点検ウィンドウ1102の走査はまた、上記ガスケットの位置も決定してよい。上記システムは、ガスケットの位置がX軸、Y軸、及び/又はZ軸において外れ得ることを、+/‐1mmの精度及び0.2mm/pxの解像度で検出できるものであってよい。本発明の更なる好ましい実施形態によると、このようなガスケットは、更に及び/又は代替として、超音波検出デバイスによって検査できる。特に、カメラ等の視覚的検出デバイスと、超音波検出デバイスとの組み合わせは、このようなガスケットの表面及び内側の状態の信頼性の高い検査を可能とするため、有利である。
【0052】
図12は、
図1のカメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161によって検出されるものとして、FOUPの内部側壁を示す。スロット高さA1202は、上記FOUPの上記内部側壁の、第2のスロットの決定された高さ測定値であってよい。スロット高さA1202は54mmであってよい。スロット高さB1204は、上記FOUPの上記内部側壁の、第1のスロットの決定された高さ測定値であってよい。スロット高さB1204は44mmであってよい。少なくとも1つの実施形態では、カメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161はまた、上記FOUPの上記内部側壁の複数のスロットのスロット間隔も決定してよい。スロット高さ及びスロット間隔の決定は、(バンパー、前方及び後方バンパーの場合;そうでない場合は前方断面のみの場合)+/‐0.1mmの精度及び0.05mm/pxの解像度を有してよい。
【0053】
図13は、
図1のカメラA102の視野A108によって検出されるものとして、FOUPの蓋の内壁を示す。点検ウィンドウ1302は、蓋リテーナが所定の位置にスナップ嵌合しているかどうかを決定するために蓋リテーナを覆うように位置決めしてよい2つの正方形状点検フィールドを備えてよく、また2mm×2mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。
【0054】
図14は、
図1のカメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161によって検出されるものとして、FOUPの内部側壁を示す。点検ウィンドウ1402は、少なくとも1つの、円形状、正方形状、三角形状及び/又は楕円形状の点検フィールドを備えてよく、これは、FOUP1400の内部側壁上において、ストリンガ(stringer)等の変形1404が検出された場合に、この変形1404の上方に位置決めしてよい。点検ウィンドウ1402の走査は、連続的又は断続的であってよい。FOUP1400の変形1404の検出は、400μm×500μmの精度及び0.55mm/pxの解像度を有してよい。
【0055】
図15は、
図1のカメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161によって検出されるものとして、FOUPの内部側壁を示す。点検ウィンドウ1502は、少なくとも1つの、正方形状、円形状、三角形状及び/又は楕円形状の点検フィールドを備えてよく、これは、FOUP1500の内部側壁上において変形したウェハ支持体(精度:+/‐200μm、解像度:0.05mm/px)、破損したウェハ支持体(精度:5mm×5mm、解像度:0.05mm/px)、及び/又は加圧きず(精度:5mm×5mm、解像度:0.05mm/px)等の変形1504が検出された場合に、この変形1504の上方に位置決めしてよい。点検ウィンドウ1502の走査は、連続的又は断続的であってよい。
【0056】
図16は、
図1のカメラE1 156の視野E1 157、カメラE2 158の視野E2 159及び/又はカメラF1 160の視野F161によって検出されるものとして、FOUPの内部側壁を示す。点検ウィンドウ1602は、少なくとも1つの、正方形状、円形状、三角形状及び/又は楕円形状の点検フィールドを備えてよく、これは、FOUP1600の内部側壁上において溶融したバンパー(精度:垂直な歯に関して500μm超、解像度:0.05mm/px)、側部支持体、前面及び背面、全ての測定される第2のスロット(精度:+/‐150pm、解像度0.05mm/px)、及び/又はスロット傾斜(精度:+/‐0.5°、解像度:0.05mm/px)等の変形1604が検出された場合に、この変形1604の上方に位置決めしてよい(変形を必ずしも含まない標的領域であってもよい)。点検ウィンドウ1602の走査は、連続的又は断続的であってよい。
【0057】
以上の点検特徴部分に加えて、カメラB104の視野B110は、FOUPの底部のフィルタ、流入口及び/又は流出口の存在を、最小コントラストグレー値>20の精度及び0.13mm/pxの解像度で検出してよい。カメラA102の視野A108は、FOUPの蓋の内壁を検出してよい。点検ウィンドウは、正方形状点検フィールドを備えてよく、上記蓋のリテーナ先端に対する損傷を検出してよい。上記リテーナ先端に対する損傷の検出は、2mm×2mmの精度及び0.2mm/pxの解像度を有してよい。カメラG1 164の視野G1 165は、操作用フランジ上部の特性及び/又は測定値を、+/‐0.1mmの精度及び0.06mm/pxの解像度で決定してよい。
【0058】
図17は、下側1702にグロメット1710を備えるFOUP1700の概略図を示す。このFOUP及びグロメットの図は純粋に概略的なものであり、FOUPの更なる詳細は省略されていることに留意されたい。グロメット1710は、例えばFOUP1700の内側をN
2等の好都合なガスでパージするために、(図示されていない)ノズルと相互作用できる。FOUP1700は、(破線で概略的に示されている)点検チャンバ17200の一部であってよい点検テーブル17100上に位置決めされる。
【0059】
点検テーブル17100は、内容物を含むFOUP1700の重量を測定するための、概略的に示された荷重センサ17300を備えてよい。
【0060】
図17から分かるように、点検テーブル1710は、FOUP1700がその上に置かれる上側プラットフォーム17150と、荷重センサ17300がその上に静置される下側プラットフォーム17160とを備える。上側プラットフォーム17150は開口17155を備え、この開口17155を覆うようにグロメット1710が位置決めされる。これは、グロメット1710が、上側プラットフォーム17150と下側プラットフォーム17160との間の空間からアクセス可能であることを意味している。しかしながらこの空間は、カメラを十分に位置決めするには不十分であるため、この実施形態によると、グロメット1710を検査できる超音波センサ17400(概略的に示されている)がこの空間内に位置決めされる。
【0061】
最後に
図18は、本発明による点検システムのある好ましい実施形態を示す。ここでは、FOUP1800の検査のために、少なくとも1つのカメラ18100、少なくとも1つの超音波センサ18200、少なくとも1つの荷重センサ18300が設けられ、これらはそれぞれデータ処理ユニット18400に接続される。このデータ処理ユニット18400は、例えばモニタ及びキーボードを備える端末デバイス18500に接続される。このような端末デバイスを用いて、入力命令を上記システムに入力でき、また点検結果を容易に表示できる。
【0062】
本開示の実施形態は、以下の付記を考慮して説明することができる。
1.ウェハ若しくはレチクルのためのコンテナ又は前記コンテナの少なくとも一部の状態を決定するために適合された、点検システムであって、前記点検システムは、コンテナ又はコンテナの少なくとも一部の表面及び/又は内部から、前記コンテナ又は前記コンテナの少なくとも一部の前記状態を示すコンテナ表面検出データを受信するよう適合された、1つの検出デバイス又は複数の検出デバイス(102、104、152、154、156、158、160、164)を備え、受信した前記コンテナ表面検出データは、前記コンテナ又は前記コンテナの少なくとも一部の前記状態を表すものであり、受信した前記コンテナ表面検出データに基づいて、前記状態を識別するように構成されているデータ処理部を備える点検システム。
2.前記コンテナは、FOUPである、請求項1に記載の点検システム。
3.前記1つの検出デバイス又は前記複数の検出デバイスは、1つのカメラ又は複数のカメラを備え、前記コンテナ表面検出データは画像データとして提供される、請求項1又は2に記載の点検システム。
4.少なくとも2つのカメラを備え、前記少なくとも2つのカメラのうちの少なくとも1つは、可変視野を提供するよう適合される、請求項3に記載の点検システム。
5.前記1つの検出デバイス、又は前記複数の検出デバイスのうちの少なくとも1つは、位置決めシステムに連結される、請求項1~4のいずれか1項に記載の点検システム。
6.前記検出デバイスは、直線ガイドに、並びに/又は旋回及び/若しくは枢動手段に連結されるように設けられる、請求項1~5のいずれか1項に記載の点検システム。
7.前記1つの検出デバイス、又は前記複数の検出デバイスのうちの少なくとも1つは、前記コンテナの関心対象領域のデジタル画像を生成するよう適合され、
前記点検システムは更に、データ処理ユニットを備え、前記データ処理ユニットは、前記データ処理ユニットのメモリ及びプロセッサに連結されたアルゴリズムを用いて、生成された前記デジタル画像を処理して、前記コンテナの前記状態を識別するよう適合される、請求項1~6のいずれか1項に記載の点検システム。
8.少なくとも、前記1つのカメラ、又は前記複数のカメラのうちの少なくとも1つは、反射鏡を含み、前記反射鏡は、入射光を2つの部分に分割し、前記部分を、別個の位置においてカメラ本体の内側表面上に設置された2つの線形画像感知デバイス上へと指向させるための、2つ以上の反射表面を備える、請求項3~7のいずれか1項に記載の点検システム。
9.前記1つのカメラ、又は前記複数のカメラのうちの少なくとも1つは、視界を変化させるよう適合された調整可能な遮蔽プレートを備える、請求項3~8のいずれか1項に記載の点検システム。
10.前記1つの検出デバイス又は前記複数の検出デバイスは、1つの超音波検出デバイス若しくは複数の超音波検出デバイス、及び/又は1つのレーザ検出デバイス若しくは複数のレーザ検出デバイスを備える、請求項1~9のいずれか1項に記載の点検システム。
11.前記1つの検出デバイス又は前記複数の検出デバイスは、前記コンテナの重量を測定するための、少なくとも1つのデバイス又は複数のデバイスを備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の点検システム。
12.前記コンテナの重量を測定するための、前記1つのデバイス又は前記複数のデバイスのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの負荷セルを備える、請求項11に記載の点検システム。
13.第1のカメラ(102)及び第2のカメラ(104)を備え、前記第1のカメラ(102)は、関心対象の前記コンテナの表面領域から、前記第2のカメラ(104)よりも遠位に位置決めされ、これにより前記第1のカメラ(102)の視野(108)は、前記第2のカメラ(104)の視野(110)より広くなる、請求項1~12のいずれか1項に記載の点検システム。
14.1つの光源及び/若しくは鏡、又は複数の光源及び/若しくは鏡(114、116)を備える、請求項1~13のいずれか1項に記載の点検システム。
15.前記1つの光源及び/若しくは鏡、又は前記複数の光源及び/若しくは鏡のうちの少なくとも1つは、正方形状の構成、円形状の構成、三角形状の構成若しくは楕円形状の構成又はこれらのいずれの組み合わせに配設された、複数の、特に2つ、3つ又は4つの線形光源及び/又は鏡を備える、請求項14に記載の点検システム。
16.前記少なくとも1つの光源及び/若しくは鏡、又は前記複数の光源/鏡のうちの少なくとも1つは、前記コンテナの蓋(106)の周のすぐ上及び/若しくはわずかに上方、又は前記コンテナの走査用フランジの周の上及び/若しくはわずかに上方、又は前記コンテナの開口の周の前及び/若しくはわずかに上方、又は前記コンテナの外側若しくは内側表面の前及び/若しくはわずかに上方に、正方形状の構成で配設された、4つの前記線形光源及び/又は鏡を備える、請求項15に記載の点検システム。
17.前記1つの検出デバイス、又は前記複数の検出デバイスのうちの少なくとも1つは、点検ウィンドウ(402、502、602)を走査するよう適合され、前記点検ウィンドウ(1002、1102)は、正方形状、円形状、三角形状、楕円形状又はこれらのいずれの組み合わせであり、前記検出デバイスは、前記点検ウィンドウを、連続的又は断続的に走査するよう適合される、請求項1~16のいずれか1項に記載の点検システム。
18.前記点検ウィンドウ(1102)は、前記コンテナ(1100)のシール(1104)又はガスケットに対応するよう適合された二重正方形状点検フィールドを備える、請求項17に記載の点検システム。
19.前記コンテナの少なくとも一部の前記状態を決定するために適合された、点検チャンバであって、前記点検チャンバは、前記コンテナの少なくとも一部を受承するためのチャンバ、及び請求項1~18のいずれか1項に記載の点検システムを備える、点検チャンバ。