(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】同軸ケーブル用クランプ部材
(51)【国際特許分類】
H01R 9/053 20060101AFI20240123BHJP
H01R 4/64 20060101ALI20240123BHJP
H01R 24/28 20110101ALI20240123BHJP
【FI】
H01R9/053
H01R4/64 A
H01R24/28
(21)【出願番号】P 2021186423
(22)【出願日】2021-11-16
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 透
【審査官】鎌田 哲生
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-136875(JP,U)
【文献】特開平11-260440(JP,A)
【文献】米国特許第4533199(US,A)
【文献】特開2016-184562(JP,A)
【文献】中国実用新案第211062999(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/58- 4/72
H01R 9/03- 9/11
H01R 12/00-12/91
H01R 24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルを挟持することが可能なクランプ本体と、
前記クランプ本体に固定され、前記同軸ケーブルの外側導体に電気的に接続可能な圧接刃と、
前記圧接刃と電気的に接続された状態で前記クランプ本体に固定され、前記同軸ケーブルの前記外側導体を被接地部に接地させることが可能な接地部と、
を備え、
前記クランプ本体は、前記同軸ケーブルを複数本一括して挟持できるように構成されており、
前記クランプ本体が前記同軸ケーブルを複数本挟持した状態で、前記クランプ本体に挟持された全ての同軸ケーブルの前記外側導体が、前記圧接刃を介して前記接地部に電気的に接続されるようにし
ており、
前記クランプ本体に互いに離間した状態で固定され、1本の前記同軸ケーブルを仮保持することが可能なケーブルホルダを複数個備え、
前記クランプ本体は、複数個の前記ケーブルホルダが固定される第1クランプ部と、前記第1クランプ部とで前記同軸ケーブルを複数本一括して挟持することが可能な第2クランプ部と、を備えており、
前記ケーブルホルダのそれぞれに設けられる刃部が前記圧接刃として機能しており、
前記第2クランプ部には、複数本の前記同軸ケーブルを挟持する際に前記同軸ケーブルを押圧しながら押さえるケーブル押さえと、複数本の前記同軸ケーブルを1つずつ仕切るための仕切り壁と、が形成されている、
同軸ケーブル用クランプ部材。
【請求項2】
前記第1クランプ部と前記第2クランプ部とがヒンジを介して連結されている、
請求項1に記載の同軸ケーブル用クランプ部材。
【請求項3】
前記刃部の全てが連結部を介して前記接地部に電気的に接続されている、
請求項1または請求項2に記載の同軸ケーブル用クランプ部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブル用クランプ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の技術としては、特許文献1に開示されたものが提案されている。この特許文献1では、同軸ケーブルを挟持するケーブルクランプが一対のインシュレーショングリップを備えている。そして、一対のインシュレーショングリップを同軸ケーブルの絶縁シースに圧着させた際に、一対のインシュレーショングリップに形成されたブレードが絶縁シースを突き刺して外部導体に接触するようにしている。こうすることで、同軸ケーブルの外部導体がブレードを介してプリント基板のグランドパターン等の被接地部に接地できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、ケーブルクランプが一本の同軸ケーブルを挟持する構造をしているため、複数本の同軸ケーブルの外部導体を接地させる必要がある場合に手間がかかってしまう。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、複数本の同軸ケーブルをより容易に接地させることが可能な同軸ケーブル用クランプ部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る同軸ケーブル用クランプ部材は、同軸ケーブルを挟持することが可能なクランプ本体と、前記クランプ本体に固定され、前記同軸ケーブルの外側導体に電気的に接続可能な圧接刃と、前記圧接刃と電気的に接続された状態で前記クランプ本体に固定され、前記同軸ケーブルの前記外側導体を被接地部に接地させることが可能な接地部と、を備え、前記クランプ本体は、前記同軸ケーブルを複数本一括して挟持できるように構成されており、前記クランプ本体が前記同軸ケーブルを複数本挟持した状態で、前記クランプ本体に挟持された全ての同軸ケーブルの前記外側導体が、前記圧接刃を介して前記接地部に電気的に接続されるようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数本の同軸ケーブルをより容易に接地させることが可能な同軸ケーブル用クランプ部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材の一例を用いて複数本の同軸ケーブルを保持した構造を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材の一例を用いて複数本の同軸ケーブルの外側導体を被接地部材に接地させた状態を示す断面図である。
【
図3】第1変形例に係る同軸ケーブル用クランプ部材を用いて複数本の同軸ケーブルの外側導体を被接地部材に接地させた状態を示す断面図である。
【
図4】第2変形例に係る同軸ケーブル用クランプ部材を用いて複数本の同軸ケーブルの外側導体を被接地部材に接地させた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材について詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。
【0010】
また、以下では、金属板(被接地部)が下方に位置し、同軸ケーブル用クランプ部材が上方に位置する状態で上下方向を規定して説明する。
【0011】
また、以下の複数の実施形態及びその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
【0012】
(一実施形態)
本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材10は、複数本の同軸ケーブル50を一括して挟持することができるように構成されている。すなわち、本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材10は、一つの部材で互いに独立した複数本の同軸ケーブル50を同時に挟持できるようにしたものである。そして、同軸ケーブル用クランプ部材10によって複数本の同軸ケーブル50を挟持することで、同軸ケーブルのクランプ構造1が形成されるようになっている。
【0013】
なお、
図1および
図2に示すように、本実施形態では、同軸ケーブル用クランプ部材10が4本の同軸ケーブル50を同時に挟持することができるものを例示しているが、このような構成に限られるものではない。すなわち、2本または3本、5本以上の同軸ケーブル50を同時に挟持することができる同軸ケーブル用クランプ部材とすることも可能である。
【0014】
なお、同軸ケーブル50は、アンテナケーブルや通信伝送路等の用途に用いられるものであり、中心部に配置される芯線としての内部導体51と、内部導体51の周囲に設けられた誘電体としての内側絶縁層52と、を備えている。また、同軸ケーブル50は、内側絶縁層52の周囲に設けられた遮蔽層としての外側導体53と、外側導体53の周囲に設けられた外側絶縁層54と、を備えている。この外側絶縁層54は、外側導体53を保護する保護層としての機能を有している。
【0015】
また、本実施形態では、同軸ケーブル用クランプ部材10は、複数本の同軸ケーブル50を幅方向に並設した状態で挟持することが可能なクランプ本体20を備えている。このクランプ本体20は、例えば、合成樹脂等の材料を用いて形成することができる。
【0016】
クランプ本体20は、第1クランプ部210および第2クランプ部220を備えており、第1クランプ部210と第2クランプ部220とによって複数本の同軸ケーブル50が挟持されるようにしている。
【0017】
ここで、本実施形態では、第1クランプ部210と第2クランプ部220とが幅方向の一端側に形成されたヒンジ230を介して連結されており、第2クランプ部220が第1クランプ部210に対してヒンジ230を基点に相対的に回動できるようになっている。すなわち、第2クランプ部220は、複数本の同軸ケーブル50を挟持していない開状態と複数本の同軸ケーブル50を挟持することが可能な閉状態との間で第1クランプ部210に対して相対的に回動できるように構成されている。
【0018】
そして、第1クランプ部210および第2クランプ部220の幅方向の他端側には、閉状態でロックすることが可能なロック部240が形成されている。すなわち、第1クランプ部210および第2クランプ部220の幅方向の他端側には、複数本の同軸ケーブル50が挟持されている状態を維持することが可能なロック部240が形成されている。
【0019】
本実施形態では、ロック部240は、第2クランプ部220の幅方向の他端側に形成された係合部221と、第1クランプ部210の幅方向の他端側に形成され、係合部221が解除可能に係合される被係合部211と、を備えている。
【0020】
具体的には、係合部221は、下方(第1クランプ部210側)に向けて延設された延設壁2211と、延設壁2211の下端から上方かつ幅方向の外側に延設されたアーム部2212と、を備えている。このアーム部2212は、延設壁2211との連結部を基点として幅方向に弾性変形させることができるようになっている。さらに、係合部221は、アーム部2212における上下方向の中央部に幅方向の外側に突出するように形成され、被係合部211に係合するフック部2213を備えている。
【0021】
一方、被係合部211は、上方(第2クランプ部220側)に向けて延設された延設壁2111と、延設壁2111の上端に幅方向の外側に向けて連設され、フック部2213が解除可能に引っ掛けられる係合枠2112と、を備えている。
【0022】
また、同軸ケーブル用クランプ部材10は、クランプ本体20に固定されて、同軸ケーブル50の外側導体53に電気的に接続可能な圧接刃33を備えている。
【0023】
本実施形態では、同軸ケーブル用クランプ部材10が4つ(複数個)のケーブルホルダ30を備えており、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持する際に、それぞれのケーブルホルダ30に1本の同軸ケーブル50が仮保持されるようにしている。具体的には、4つ(複数個)のケーブルホルダ30は、金属等の導電性を有する材料で形成されており、互いに離間した状態で第1クランプ部210に固定されている。
【0024】
また、4つ(複数個)のケーブルホルダ30は、本体部31をそれぞれ備えており、各本体部31には、上方に開口するケーブル保持溝311が形成されている。そして、同軸ケーブル50をケーブルホルダ30に仮保持する際には、このケーブル保持溝311内に同軸ケーブル50が挿入されるようにしている。
【0025】
さらに、本実施形態では、各本体部31におけるケーブル保持溝311の周縁部に刃部32が形成されており、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持した際に、この刃部32が外側絶縁層54を突き破って外側導体53と接触するようにしている。
【0026】
このように、本実施形態では、各ケーブルホルダ30に形成された刃部32を圧接刃33として機能させている。
【0027】
さらに、同軸ケーブル用クランプ部材10は、各刃部32(圧接刃33)と電気的に接続された状態でクランプ本体20に固定される接地部42を備えている。本実施形態では、金属等の導電性を有する材料で形成された接地用ジャンパ40に接地部42が形成されている。そして、この接地用ジャンパ40を第1クランプ部210に固定することで、接地部42が第1クランプ部210に固定されるようにしている。
【0028】
本実施形態では、接地用ジャンパ40は、幅方向に細長く延在し、上端に4つ(複数個)のケーブルホルダ30の下端が連設された連結部41と、連結部41の下端における幅方向の両端に形成された一対の接地部42と、を備えている。すなわち、4つ(複数個)のケーブルホルダ30と1つの接地用ジャンパ40とが、1個の導電性を有する部材で形成されている。こうすることで、全ての刃部32と接地部42とが連結部を介して電気的に接続されるようにし、各刃部32を介して全ての同軸ケーブル50が接地部42に電気的に接続されるようにしている。
【0029】
なお、本実施形態では、この接地用ジャンパ40は、接地部42が下方に露出するようにした状態で第1クランプ部210に固定されている。このような構成は、例えば、インサート成形により形成することができる。
【0030】
そして、
図2に示すように、下方に露出する接地部42を金属板(被接地部)60に接触させることで、クランプ本体20に挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53を金属板(被接地部)60に接地させるようにしている。なお、接地部42をプリント基板(被接地部)に形成された回路パターン(例えば、グランドパターン等)に接続することで、全ての同軸ケーブル50の外側導体53を接地させるようにしてもよい。
【0031】
本実施形態では、第1クランプ部210の下端における幅方向の両側に固定部212が下方に突出するように形成されており、固定部212の下端に幅方向外側に突出するフック部2121が形成されている。そして、この固定部212を金属板(被接地部)60に形成された係合孔61に上側から挿入し、フック部2121を金属板(被接地部)60の下面に引っ掛けることができるようにしている。こうすることで、複数本の同軸ケーブル50を挟持した同軸ケーブル用クランプ部材10が金属板(被接地部)60に固定されるようにしている。このとき、接地部42を金属板(被接地部)60の上側に接触させるようにしている。このように、本実施形態では、複数本の同軸ケーブル50を挟持した同軸ケーブル用クランプ部材10を金属板60に固定することで、クランプ本体20に挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53を金属板60に接地させるようにしている。
【0032】
また、第2クランプ部220の下端における各同軸ケーブル50と対応する位置には、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持する際に同軸ケーブル50を下方に押圧しながら押さえるケーブル押さえ222がそれぞれ形成されている。なお、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持した状態では、各同軸ケーブル50は、対応するケーブル押さえ222によって押さえられている。
【0033】
さらに、本実施形態では、第2クランプ部220の下端には、複数の同軸ケーブル50を1つずつ仕切るための仕切り壁223が形成されている。そして、このような仕切り壁223を設けることで、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持する際に、同軸ケーブル50が横方向(幅方向)に移動してしまうことをこの仕切り壁223によって抑制されるようにしている。すなわち、クランプ本体20により複数本の同軸ケーブル50を挟持する際には、同軸ケーブル50が、仕切り壁223によってガイドされながらケーブル押さえ222によって下方に押圧されるようにしている。なお、本実施形態のように、第1クランプ部210と第2クランプ部220とがヒンジ230を介して連結されている場合、第2クランプ部220を開閉させる際に、仕切り壁223とケーブルホルダ30との干渉を抑制できるようにするのが好ましい。このような構成は、例えば、第2クランプ部220を閉じた状態でケーブルホルダ30の近傍に仕切り壁223が存在しないようにすることで得ることができる。また、ヒンジ230側に向かうにつれて突出量が少なくなるように仕切り壁223を形成することでも得ることができる。
【0034】
このような構成をした同軸ケーブル用クランプ部材10を用いた同軸ケーブルのクランプ構造1の形成は、例えば、下記の方法で行うことができる。
【0035】
まず、第2クランプ部220を第1クランプ部210に対して開方向に相対的に回動させて、開状態にする。次に、4本(複数本)の同軸ケーブル50を各ケーブルホルダ30に仮保持させる。そして、4本(複数本)の同軸ケーブル50を各ケーブルホルダ30に仮保持させた状態で、第2クランプ部220を第1クランプ部210に対して開方向に相対的に回動させて、係合部221を被係合部211に係合させてロックする。このとき、各同軸ケーブル50が、仕切り壁223によってガイドされながらケーブル押さえ222によって下方に押圧されて、刃部32が外側絶縁層54を突き破って外側導体53と接触することになる。
【0036】
こうすることで、4本(複数本)の同軸ケーブル50の全てが、外側導体53が接地部42に電気的に接続された状態で、同軸ケーブル用クランプ部材10に挟持され、同軸ケーブルのクランプ構造1が形成される。
【0037】
そして、同軸ケーブルのクランプ構造1を形成した状態で、同軸ケーブル用クランプ部材10を金属板(被接地部)60に固定させることで、4本(複数本)の同軸ケーブル50の外側導体53の全てが金属板(被接地部)60に接地されることになる。
【0038】
このように、本実施形態に係る同軸ケーブル用クランプ部材10を用いれば、複数本の同軸ケーブル50をより容易に金属板(被接地部)60に接地させることが可能になる。
【0039】
(第1変形例)
なお、同軸ケーブル用クランプ部材の形状は、上記実施形態で説明した形状に限られるものではなく、様々な形状とすることができる。例えば、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10とすることができる。
【0040】
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、上記実施形態で説明した同軸ケーブル用クランプ部材10とほぼ同様の構成をしている。
【0041】
すなわち、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、同軸ケーブル50を挟持することが可能なクランプ本体20と、クランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53に電気的に接続可能な圧接刃33と、を備えている。また、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、圧接刃33と電気的に接続された状態でクランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53を金属板(被接地部)60に接地させることが可能な接地部42を備えている。
【0042】
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、クランプ本体20は、同軸ケーブル50を複数本一括して挟持できるように構成されている。そして、クランプ本体20が同軸ケーブル50を複数本挟持した状態で、クランプ本体20に挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53が、圧接刃33を介して接地部42に電気的に接続されるようになっている。
【0043】
また、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、クランプ本体20が、第1クランプ部210と、第2クランプ部220と、を備えている。そして、第1クランプ部210と第2クランプ部220とがヒンジ230を介して連結されており、第1クランプ部210と第2クランプ部220とで同軸ケーブル50を複数本一括して挟持することができるようになっている。
【0044】
また、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、同軸ケーブル用クランプ部材10が、クランプ本体20に互いに離間した状態で固定され、1本の同軸ケーブル50を仮保持することが可能なケーブルホルダ30を複数個備えている。さらに、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、圧接刃33が、ケーブルホルダ30のそれぞれに設けられる刃部32を有している。
【0045】
ここで、
図3に示す同軸ケーブル用クランプ部材10では、ケーブルホルダ30のそれぞれに接地部42が形成されている。そして、同軸ケーブルのクランプ構造1を形成した状態で、同軸ケーブル用クランプ部材10を金属板(被接地部)60に固定させた際に、全ての接地部42が金属板(被接地部)60に接触するようにしている。なお、複数の接地部42をプリント基板(被接地部)に形成された複数の回路パターン(例えば、グランドパターン等)にそれぞれ接続することで、全ての同軸ケーブル50の外側導体53を接地させるようにしてもよい。
【0046】
このような同軸ケーブル用クランプ部材10としても、上記実施形態で説明した同軸ケーブル用クランプ部材10とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0047】
(第2変形例)
また、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10とすることも可能である。
【0048】
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、上記実施形態で説明した同軸ケーブル用クランプ部材10とほぼ同様の構成をしている。
【0049】
すなわち、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、同軸ケーブル50を挟持することが可能なクランプ本体20と、クランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53に電気的に接続可能な圧接刃33と、を備えている。また、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10も、圧接刃33と電気的に接続された状態でクランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53を金属板(被接地部)60に接地させることが可能な接地部42を備えている。なお、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10を用いた場合でも、接地部42をプリント基板(被接地部)に形成されたグランドパターン等の回路パターンに接続することで、全ての同軸ケーブル50の外側導体53を接地させるようにすることが可能である。
【0050】
また、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、クランプ本体20は、同軸ケーブル50を複数本一括して挟持できるように構成されている。そして、クランプ本体20が同軸ケーブル50を複数本挟持した状態で、クランプ本体20に挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53が、圧接刃33を介して接地部42に電気的に接続されるようになっている。
【0051】
また、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、クランプ本体20が、第1クランプ部210と、第2クランプ部220と、を備えている。
【0052】
また、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、同軸ケーブル用クランプ部材10が、クランプ本体20に互いに離間した状態で固定され、1本の同軸ケーブル50を仮保持することが可能なケーブルホルダ30を複数個備えている。さらに、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10においても、圧接刃33が、ケーブルホルダ30のそれぞれに設けられる刃部32を有しており、刃部32の全てが連結部41を介して接地部42に電気的に接続されている。
【0053】
ここで、
図4に示す同軸ケーブル用クランプ部材10では、第1クランプ部210と第2クランプ部220とが別体に形成されている。そして、第1クランプ部210および第2クランプ部220の幅方向の両側に、閉状態でロックすることが可能なロック部240が形成されている。
【0054】
こうすることで、同軸ケーブルのクランプ構造1を形成する際には、第1クランプ部210上に複数本の同軸ケーブル50を仮保持させた状態で、第2クランプ部220を第1クランプ部210に対して下方に相対移動させるようにしている。
【0055】
このような同軸ケーブル用クランプ部材10としても、上記実施形態で説明した同軸ケーブル用クランプ部材10とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
【0056】
[作用・効果]
以下では、上記実施形態およびその変形例で示した同軸ケーブル用クランプ部材の特徴的構成及びそれにより得られる効果を説明する。
【0057】
上記実施形態およびその変形例で示した同軸ケーブル用クランプ部材10は、同軸ケーブル50を挟持することが可能なクランプ本体20と、クランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53に電気的に接続可能な圧接刃33と、を備えている。また、同軸ケーブル用クランプ部材10は、圧接刃33と電気的に接続された状態でクランプ本体20に固定され、同軸ケーブル50の外側導体53を金属板(被接地部)60に接地させることが可能な接地部42を備えている。
【0058】
ここで、クランプ本体20は、同軸ケーブル50を複数本一括して挟持できるように構成されている。
【0059】
そして、クランプ本体20が同軸ケーブル50を複数本挟持した状態で、クランプ本体20に挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53が、圧接刃33を介して接地部42に電気的に接続されるようにした。
【0060】
このような構成をした同軸ケーブル用クランプ部材10を用いて複数本の同軸ケーブル50を挟持させるようにすれば、複数本の同軸ケーブル50の外側導体53を同時に接地部42に電気的に接続させることができるようになる。そして、複数本の同軸ケーブル50の外側導体53を接地部42に電気的に接続させるようにすれば、接地部42を金属板60に接地させるだけで、複数本の同軸ケーブル50の外側導体53を一括して金属板60に接地させることができるようになる。
【0061】
このように、上記実施形態およびその変形例で示した同軸ケーブル用クランプ部材10を用いれば、複数本の同軸ケーブル50をより容易に金属板(被接地部)60に接地させることが可能になる。
【0062】
また、クランプ本体20が、第1クランプ部210と、第1クランプ部210にヒンジ230を介して連結され、第1クランプ部210とで同軸ケーブル50を複数本一括して挟持することが可能な第2クランプ部220と、を備えていてもよい。
【0063】
こうすれば、クランプ本体20による複数本の同軸ケーブル50のクランプ作業が容易になるため、複数本の同軸ケーブル50をより一層容易に金属板(被接地部)60に接地させることが可能になる。
【0064】
また、同軸ケーブル用クランプ部材10が、クランプ本体20に互いに離間した状態で固定され、1本の同軸ケーブル50を仮保持することが可能なケーブルホルダ30を複数個備えていてもよい。そして、圧接刃33が、ケーブルホルダ30のそれぞれに設けられる刃部32を有し、刃部32の全てが連結部41を介して接地部42に電気的に接続されるようにしてもよい。
【0065】
このように、複数本の同軸ケーブル50を個別に形成されたケーブルホルダ30に仮保持させるようにすれば、クランプ本体20により挟持する際に、同軸ケーブル50の外側導体53をより確実に刃部32に電気的に接続させることが可能になる。また、それぞれの刃部32が連結部41を介して接地部42に電気的に接続されるようにすれば、金属板(被接地部)60に接地されない同軸ケーブル50が存在することをより確実に抑制することが可能になる。したがって、クランプ本体20により挟持された全ての同軸ケーブル50の外側導体53を、より確実に金属板(被接地部)60に接地させることが可能になる。
【0066】
[その他]
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態およびその変形例で説明した構成を適宜組み合わせた構成とすることが可能である。
【0068】
また、上記実施形態およびその変形例では、ケーブルホルダ30が個別に形成されたものを例示したが、1つのケーブルホルダ30に複数本の同軸ケーブル50を仮保持させるようにすることも可能である。
【0069】
また、上記実施形態およびその変形例では、第2クランプ部220に仕切り壁223を設けたものを例示したが、第1クランプ部210に仕切り壁を設けるようにすることも可能である。また、第1クランプ部210および第2クランプ部220とは別体の仕切り壁とすることも可能であるし、仕切り壁を設けない構成とすることも可能である。
【0070】
また、クランプ本体や圧接刃、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0071】
10 同軸ケーブル用クランプ部材
20 クランプ本体
210 第1クランプ部
220 第2クランプ部
230 ヒンジ
30 ケーブルホルダ
32 刃部
33 圧接刃
41 連結部
42 接地部
50 同軸ケーブル
53 外側導体
60 金属板(被接地部)