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特許7425044旋動式岩石破砕機用の油圧マントル組立システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】旋動式岩石破砕機用の油圧マントル組立システム
(51)【国際特許分類】
   B02C 2/04 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
B02C2/04 C
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021510918
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-12
(86)【国際出願番号】 AU2019051002
(87)【国際公開番号】W WO2020073077
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-02
(31)【優先権主張番号】2018247208
(32)【優先日】2018-10-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】509123840
【氏名又は名称】テクノファースト インダストリーズ プロプライエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TECHNOFAST INDUSTRIES PTY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】バックネル、ジョン ウェントワース
(72)【発明者】
【氏名】バックネル、ロバート ウェントワース
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特公昭46-013553(JP,B1)
【文献】国際公開第2012/171778(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/155205(WO,A1)
【文献】特表2014-508900(JP,A)
【文献】特開平06-170258(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02929940(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 2/00- 2/10
F16B 31/04
F16J 15/00-15/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋動式岩石破砕機用の油圧マントルシステムであって、前記システムは、
フランジ、および、前記フランジに隣接する雄ねじを有する主軸と、
側面を有するとともに、前記主軸の前記雄ねじにねじ込まれる雌ねじを有する環状ナット本体と、
前記環状ナット本体の前記側面と摺動可能に係合する側面を有する環状油圧ピストンと、
上側ネック部および下側端部を有し、前記主軸が前記上側ネック部を通って延びる環状マントルと、
前記環状ナット本体上に配置された環状カバーと、を備え、
前記環状カバーは、前記環状ナット本体にボルトで固定され、
前記環状マントルの前記上側ネック部は、前記主軸の前記フランジと前記環状油圧ピストンとの間で圧縮され、
前記環状ナット本体の上面は、それぞれロックねじを受け入れる複数の貫通ねじ孔を含み、
前記環状油圧ピストンの上面は、それぞれロックねじの先端を受け入れる複数の止まり穴を含み、
前記環状ナット本体の上面は、充填媒体の通過を可能にする油圧アクセス穴を含む、システム。
【請求項2】
高圧内側シールおよび高圧外側シールが、前記環状ナット本体と前記環状油圧ピストンとの間に油圧シールを提供する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記環状油圧ピストンの下端は、前記環状マントルの上端を受け入れる凹部を画定する、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記環状マントルの上端の外径は、前記油圧ピストンが係合する前記環状ナット本体の側面の外径よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記環状マントルの上端の内径は、前記油圧ピストンが係合する前記環状ナット本体の側面の外径よりも大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
記油圧アクセス穴はプラグで封止され、前記プラグは、油圧作動油ニップルおよびアダプタと交換可能である、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
Oリングが、前記環状ナット本体および前記油圧ピストンの外側面を、前記環状カバーの内側面に対してシールする、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
記環状ナット本体の上面は、スパナをボルトで固定可能とする穴を有する、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、旋動式岩石破砕機におけるマントルを組み立てるためのシステムおよび方法、特に、旋動式岩石破砕機のマントルシステムの組み立ておよび分解中に引張力(tensile force)を加えるためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
岩石破砕機は、岩石の種類および要求される最終用途に応じて、大きな岩石を小さな岩石、砂利または粉末にするために、鉱業用途で一般的に使用される。旋動式岩石破砕機は、投入した岩石を中央の穴に導く、凹面として知られる漏斗状の破砕室を採用する一般的なタイプの破砕機である。マントルシステムは、中央の穴の内側に吊り下げられており、主軸と、主軸に取り付けられたマントルと、を含む。
【0003】
主軸は、一般に、破砕室の下方の作動システムに接続され、作動システムは、ベルトまたは偏心歯車を使用することにより、破砕室の下端の近傍において、旋回運動によって主軸およびマントルを揺動させる。岩石は、凹面とマントルとの間に形成された開口部を通過する前に、徐々に小さなサイズに砕かれる。
【0004】
旋動式岩石破砕機は、多くの場合、巨大な機械であり、毎時8000トンを超える材料を処理することができる。したがって、マントルと破砕室とは一般に、頑丈な耐摩耗性プレートを含め、非常に頑丈でなければならない。
【0005】
マントルは、一般に、ヘッドナットとして知られる、直径1200mmを超えることもある大きなねじナットによって主軸に固定され、このねじナットは主軸にねじ込まれる。通常の使用中、凹面、マントルおよびヘッドナットが著しく摩耗し、交換が必要になる場合がある。破砕室に対する岩石の破砕作用は、一般に、マントルを塑性変形させて軸方向に長くし、ヘッドナットに大きな張力を加える。
【0006】
システムにおける塑性変形に起因して、ヘッドナットを緩めてマントルを交換することは、一般に、時間のかかる、危険で、費用のかかるプロセスである。マントルの交換プロセスの間の破砕機の関連する停止時間と生産性の損失は、多くの場合、プロセスの全体的なコストを大幅に増加させる。
【0007】
さらに、それらの大きいサイズのために、ヘッドナットを旋動式破砕機の本体内の限られた空間で締めたり緩めたりするのが通常は難しい。したがって、ナットの取り外し技術には、ヘッドナットの周囲に突起を溶接し、ハンマー、破城槌、さらには掘削機アームのロックブレーカーツールでナットを叩くことが含まれる。他のヘッドナット取り外しプロセスでは、酸素アセチレン切断トーチを使用して、ヘッドナットの下に配置された「トーチリング」を燃焼させる。これにより、リングが崩壊し、ヘッドナットへの負荷が軽減される。そのような慣行は、作業を行わなければならない条件と空間的制限のために困難で危険である。多くの場合、エポキシ硬化化合物が、マントルを内側コーンに固定するために使用される。火炎切断トーチを使用すると、化合物が発火し、火災や健康被害を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、旋動式岩石破砕機用の改良されたマントル組立システムが必要である。
本発明の目的は、先行技術の1つまたは複数の欠点を克服および/または軽減すること、あるいは消費者に対し有用なまたは商業的な選択を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様では、それが唯一または最も広い態様である必要はないが、本発明は、旋動式岩石破砕機用の油圧マントルシステムにあり、同システムは、
フランジ、および、前記フランジに隣接する雄ねじを有する主軸と、
側面を有するとともに、前記主軸の前記雄ねじにねじ込まれる雌ねじを有する環状ナット本体と、
前記環状ナット本体の前記側面と摺動可能に係合する側面を有する環状油圧ピストンと、
上側ネック部および下側端部を有し、前記主軸が前記上側ネック部を通って延びる環状マントルと、を備え、
前記環状マントルの前記上側ネック部は、前記主軸の前記フランジと前記環状油圧ピストンとの間で圧縮される。
【0010】
好ましくは、前記システムは、前記環状ナット本体上に配置された環状犠牲カバーをさらに含む。
好ましくは、前記環状ナット本体の上面は、それぞれロックねじを受け入れる複数の貫通ねじ孔を含む。
【0011】
好ましくは、前記環状油圧ピストンの上面は、それぞれロックねじの先端を受け入れる複数の止まり穴を含む。
好ましくは、高圧内側シールおよび高圧外側シールが、前記環状ナット本体と前記環状油圧ピストンとの間に油圧シールを提供する。
【0012】
好ましくは、前記環状油圧ピストンの下端は、前記環状マントルの上端を受け入れる凹部を画定する。
好ましくは、前記環状マントルの上端の外径は、前記油圧ピストンが係合する前記環状ナット本体の側面の外径よりも大きい。
【0013】
好ましくは、前記環状マントルの上端の内径は、前記油圧ピストンが係合する前記環状ナット本体の側面の外径よりも大きい。
好ましくは、前記環状ナット本体の上面は、複数の油圧作動油アクセス穴を含む。
【0014】
好ましくは、前記複数の油圧作動油アクセス穴は、プラグでそれぞれ封止され、それらのプラグは、油圧作動油ニップルおよびアダプタと交換可能である。
好ましくは、Oリングが、前記犠牲カバーの内側面に対して、前記環状ナット本体および前記油圧ピストンの外側面を分離する。
【0015】
好ましくは、前記犠牲カバーは、前記環状ナット本体にボルトで固定される。
好ましくは、スパナが、前記環状ナット本体の上面にボルトで固定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のいくつかの実施形態に係る、旋動式岩石破砕機用の組立済みマントルシステムの一部破断側面斜視図である。
図2図1の組立済みマントルシステムの一部破断側面図である。
図3図1のマントルシステムの油圧ナットアセンブリの上面分解斜視図である。
図4図1のマントルシステムの油圧ナットアセンブリの一部破断側面図である。
図5】犠牲カバーを取り外した状態での、図1のマントルシステムの油圧ナットアセンブリの更なる一部破断側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係るスパナの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を理解するのを支援し、当業者が本発明を実用化することを可能にするために、本発明の好ましい実施形態が添付の図面を参照して、例示としてのみ以下に説明される。
本発明は、油圧式岩石破砕機用の油圧式マントルシステムに関する。本発明の要素は、図面に簡潔なアウトライン形式で示され、本発明の実施形態を理解するために必要な特定の詳細のみを示しているが、本明細書に照らして当業者には自明であろう過度の詳細によって開示が乱雑にならないようにしている。
【0018】
この特許明細書では、「第1の」および「第2の」、「左側の」および「右側の」、「上方の(above)」および「下方の(below)」、「上部の(top)」および「下部の(bottom)」、「上側の(upper)」および「下側の(lower)」、「後部の」、「前部の」および「側部の」などの形容詞は、1つの要素または方法ステップを別の要素または方法ステップに対して定義するためにのみ使用され、それらの形容詞によって記述される特定の相対位置またはシーケンスを必ずしも必要としない。「備える(comprises)」や「含む(includes)」などの単語は、要素または方法ステップの排他的なセットを定義するためには使用されない。むしろ、そのような単語は、本発明の特定の実施形態に含まれる要素または方法ステップの最小セットを単に定義するだけである。
【0019】
一態様によれば、本発明は、旋動式岩石破砕機用の油圧マントルシステムとして定義され、このシステムは、
フランジ、および、前記フランジに隣接する雄ねじを有する主軸と、
側面を有するとともに、前記主軸の前記雄ねじにねじ込まれる雌ねじを有する環状ナット本体と、
前記環状ナット本体の前記側面と摺動可能に係合する側面を有する環状油圧ピストンと、
上側ネック部および下側端部を有し、前記主軸が前記上側ネック部を通って延びる環状マントルと、を備え、
前記環状マントルの前記上側ネック部は、前記主軸の前記フランジと前記環状油圧ピストンとの間で圧縮される。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態の利点は、旋動式岩石破砕機の摩耗しかつ変形したマントルを安全に、迅速に、かつ効率的に交換できることを含む。作業者は、摩耗した岩石破砕機マントルを主軸に固定している損傷しかつ変形したナットを切断するために切断トーチを使用する必要がしばしばあった従来技術の「加熱および叩打」技術に頼ることなく、岩石破砕機の主軸に隣接する限られたスペースで安全に作業することができる。油圧による締め付けと緩めのプロセスを採用することにより、ひどく損傷したり変形したりしたマントルでも簡単に取り外して交換することができる。
【0021】
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る、旋動式岩石破砕機用の組立済みマントルシステム100の一部破断側面斜視図である。システム100は、主軸105、マントル110、および油圧ナットアセンブリ115を含む。
【0022】
油圧ナットアセンブリ115は、環状ナット本体125に固定された犠牲カバー120を備える。環状ナット本体125は、主軸105の雄ねじ130にねじ込まれている。環状油圧ピストン135は、環状ナット本体125と摺動可能に係合する。マントルの上側ネック部分140は、主軸105のフランジ145と環状油圧ピストン135との間で圧縮される。
【0023】
当業者によって理解されるように、いくつかの実施形態によれば、フランジ145は、マントルの上側ネック部分が圧縮される様々な形状または構成要素を含むことができる。たとえば、一部の破砕機の主軸は通しボルトと複数のテーパ構成要素とを含み、テーパ構成要素は、それらの重量とヘッドナットの張力とによって保持される。
【0024】
図2は、組み立てられたマントルシステム100の、一部破断側面図である。示されるように、マントル110の上端(upper edge)205は、油圧ピストン215の下側凹部210に受け入れられる。
【0025】
図3は、油圧ナットアセンブリ115の上面分解斜視図である。犠牲カバー120を所定の位置に固定するために、ソケットねじ305が、犠牲カバー120の孔310を通って延在するとともに、環状ナット本体125の上面320の穴315にねじ込まれる。
【0026】
上面320はまた、例えばプラグによって封止される油圧アクセス穴330を含む。アクセス穴330は、組み立ておよび分解中に充填媒体(charginig medium)(通常は油)の通過を可能にする。穴330は、破砕機の操作中は塞がれる。さらに、複数のロックねじ335が、上面320を通ってねじ込まれるとともに、上面320の周囲に配置される。
【0027】
図4は、油圧ナットアセンブリ115の一部破断側面図である。油圧ピストン215の下側凹部210が明確に示されている。また、ロックねじ335用の環状ナット本体125のねじ孔415、およびロックねじ335の先端を受け入れる油圧ピストン135の止まり穴も示されている。
【0028】
上側Oリング405は、犠牲カバー120の内側面に対して環状ナット本体の外側面をシールする。そして、下側Oリング410は、犠牲カバー120の内側面に対して油圧ピストン215の外側面をシールする。
【0029】
また、高圧内側シール425および高圧外側シール430は、環状ナット本体125と環状油圧ピストン135との間に油圧シールを提供する。内側シール425は、環状ナット本体125に固定されており、油圧ピストン135の軸方向変位中に油圧ピストン135の内面に摺動するように係合する。一方、外側シール430は、油圧ピストンに固定されており、油圧ピストン135の軸方向変位中に環状ナット本体125の外面に摺動するように係合する。油圧ピストン135の内面と係合する環状ナット本体125の外面の軸方向高さは、油圧ナットアセンブリ115の最大ストロークを規定し、この最大ストロークは、例えば、いくつかの実施形態では12mmに制限される。
【0030】
油圧ピストン135は、図4においてはゼロストロークで示されている。使用中、ピストン135が環状ナット本体125から軸方向に離れるように移動すると、高圧内側シール425および外側シール430は、トロイダル形ピストンキャビティ内の油圧流体を封止する。
【0031】
図5は、犠牲カバー120を取り外した状態での、油圧ナットアセンブリ115の更なる一部破断側面図である。アダプタ505が、環状ナット本体125にねじ込まれていることが示され、油圧作動油ニップル510が、アダプタ505にねじ込まれていることが示されている。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、環状マントル110の上端205の外径は、油圧ピストン135が係合する環状ナット本体125の側面の外径よりも大きい。
さらに、いくつかの実施形態によれば、環状マントル110の上端205の内径は、油圧ピストン135が係合する環状ナット本体125の側面の外径よりも大きい。これは、例えば、図5に示されている。ここで、環状ナット本体125の外側側面の半径r’は、環状油圧ピストン135の内側側面と係合し、油圧ピストン215の下側凹部210の外側側面の半径r”は、環状マントル110の上端205の内側面と係合し、ここで、r”>r’である。
【0033】
上記の相対寸法は、ロックねじ335から環状マントル110の上端205への荷重の直接伝達を提供するのを助け、マントル110が著しい摩耗および変形を受けた後でも、マントルシステム100の容易な分解を助ける。
【0034】
図6は、本発明の一実施形態に係るスパナ600の上面図である。ボルト(図示せず)は、スパナ600の孔605を通って配置され、環状ナット本体125の上面320の穴315にねじ込まれることができる。これにより、スパナ600のハンドル610に力を加えることにより、環状ナット本体125を容易に回転させることができる。
【0035】
マントルシステム100の組み立て中、マントル110は、最初に、主軸105上でかつフランジ145に対して配置される。次に、環状ナット本体125へのアクセスを提供して同環状ナット本体125の回転を可能にするために、環状ナット本体125からソケットねじ305を外してカバー120を上方にスライドさせることによって、犠牲カバー120が油圧ナットアセンブリ115から取り外される。
【0036】
次に、スパナ600が、環状ナット本体125の上面320にボルトで固定される。スパナ600のハンドル610に力を加えることにより、ナット本体12が、主軸105の雄ねじ130にしっかりとねじ込まれて、油圧ピストン135をマントル110の上端205に押し付ける。次に、ナット本体125は、油圧ナットアセンブリ115の油圧ロックを防ぐために、1/4から1/2回転だけ後退させられる。
【0037】
次に、プラグが油圧アクセス穴330から取り外され、アダプタ550および油圧作動油ニップル510が上面320に取り付けられる。次に、スパナ600が取り外され、スパナ600の着座を可能にするために以前に取り外されたすべてのロックねじ335が交換される。
【0038】
次に、油圧作動油ニップル510が、油圧ポンプ(図示せず)に接続される。次に、ポンプを操作して、油圧ナットアセンブリ115を適切な圧力、例えば700bar(10,000psi)までゆっくりと油圧充填する。
【0039】
適切な圧力に達した後、ロックねじ335が手動で油圧ピストン135にねじ込まれる。次に、ポンプのリリーフバルブがゆっくりと開かれることによって、油圧ナットアセンブリ115内の油圧が低下し、油圧によって生成された引張力がロックねじ335に伝達される。次に、ポンプが油圧作動油ニップル510から切り離され、アダプタ505およびニップル510が取り外され、油圧アクセス穴330が適切なねじ付きプラグで封止される。
【0040】
最後に、犠牲カバー120が、油圧ナットアセンブリ115に対して再度組み付けられ、環状ナット本体125にボルトで固定される。
マントルシステム100の分解は、本質的に上記の逆であり、油圧装置の接続を可能にするよう犠牲カバー120が取り外され、そしてロックねじ335への負荷を解放するように油圧充填される。ロックねじ335を後退させると、充填圧力が解放されて、アセンブリに対する張力が解除される。油圧装置が何らかの理由で故障した場合、ロックねじ335を段階的に後退させて手動で負荷を解放することができ、したがって、さらなる安全性および確実な機能を提供する。
【0041】
当業者は、本発明の実施形態の様々な構成要素が、鋼、鋼合金および他の金属合金を含む様々な高強度材料で作製され得ることを理解するであろう。
本発明の様々な実施形態の上記の説明は、関連技術の当業者に説明する目的で提供される。網羅的であること、または本発明を単一の開示された実施形態に限定することを意図するものではない。本発明に対する多数の代替例および変形例は、上記の教示の当業者には明らかであろう。したがって、いくつかの代替の実施形態が具体的に議論されてきたが、他の実施形態は、当業者によって明らかであるか、または比較的容易に展開されるであろう。したがって、この特許明細書は、ここで論じられた本発明のすべての代替、修正、および変形、ならびに上記の発明の精神および範囲内にある他の実施形態を包含することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6