(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】野球用ベース
(51)【国際特許分類】
A63B 71/02 20060101AFI20240123BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A63B71/02 D
A63B69/00 505C
(21)【出願番号】P 2021517232
(86)(22)【出願日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 US2019053277
(87)【国際公開番号】W WO2020069205
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-07-12
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500449857
【氏名又は名称】メージャー リーグ ベースボール プロパティーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガーランド,タイラー
(72)【発明者】
【氏名】ブラッドフォード,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】レイサム,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】カストロ,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ライヒ,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ファリス-ギルバート,セザンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ソング,ウイル
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02695784(US,A)
【文献】米国特許第05080356(US,A)
【文献】米国特許第03971558(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0305897(US,A1)
【文献】米国特許第08070631(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B71/00-71/16
A63B69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運動競技ベースランニングゲームで使用するためのベースであって、
グラウンドプレー面に挿入するためのポスト、および前記ポストの上部に沿って配設されたグラウンドアンカープレートを含むグラウンドアンカーアセンブリと、
前記グラウンドアンカープレートの上面に結合されたX字型プレートであって、前記X字型プレートがX字型配向で配置された4本のアームを有しており、前記アームが前記グラウンドアンカープレートから半径方向で外側に延在している、X字型プレートと、
前記X字型プレートの上に配設され、前記X字型プレートに結合したカバーと、を備え
、
前記グラウンドアンカープレートが、中央部分、および前記中央部分から外側に延在する4本のレッグを有し、各レッグが、前記X字型プレートを前記グラウンドアンカーアセンブリの前記グラウンドアンカープレートに結合するために、前記アームの近位領域に位置する締結具を受け入れるためのねじ付きインサートと位置合わせする貫通穴を有する、ベース。
【請求項2】
前記ポストが正方形に形状化され、前記ポストのコーナーが前記4本のレッグに向けて配向され、第1の軸が、前記ポストの2つの対向するコーナー、および対向するレッグ内に形成された2つの貫通穴を貫通し、第2の軸が、前記ポストの他方の2つの対向するコーナー、および前記他方の対向するレッグ内に形成された2つの貫通穴を貫通する、請求項
1に記載のベース。
【請求項3】
前記グラウンドアンカープレートの上面が、その上に形成された複数の相互接続された補強リブを含む、請求項1に記載のベース。
【請求項4】
2つの隣接するレッグの間の外側周縁部が、湾曲縁部を備える、請求項
2に記載のベース。
【請求項5】
前記グラウンドアンカープレートが、第1の厚さを有する基材部分および第2の厚さを有する前記複数の補強リブによって画定され、前記第1の厚さが前記第2の厚さ未満になっている、請求項
3に記載のベース。
【請求項6】
前記X字型プレートが、中央部分を有し、前記4本のアームがそこから半径方向に外側に延在し、前記X字型プレートの前記中央部分が、前記グラウンドアンカープレートの前記中央部分の上に重なり、前記グラウンドアンカープレートの前記レッグが、前記アームの近位領域に沿って延在する、請求項
1に記載のベース。
【請求項7】
前記X字型プレートが、テーパー状構造を有し、そこで前記X字型プレートの幅がその近位領域からその遠位先端部に向け狭くなっている、請求項1に記載のベース。
【請求項8】
前記X字型プレートが非均一の厚さを有し、そこで前記X字型プレートが、その近位領域に最大厚さと、その遠位領域に最小厚さと、を有する、請求項1に記載のベース。
【請求項9】
前記X字型プレートが、その底面に沿って形成され、中央部分の中にあり、前記4本のアームに沿ったものを含む補強リブを含む、請求項1に記載のベース。
【請求項10】
前記アームの遠位領域にはリブがなく、滑らかな下面を有する、請求項
9に記載のベース。
【請求項11】
各アームが、丸みを帯びた遠位端部を有する、請求項1に記載のベース。
【請求項12】
前記ポストが、4つの側面によって画定された正方形の形状を有し、前記ポストの各側面が、前記ポストの前記側面が2つの隣接するアームの間にあるように配向されている、請求項1に記載のベース。
【請求項13】
前記カバーの上面が、吸い取り水のための複数のエンボス加工された溝を含む、請求項1に記載のベース。
【請求項14】
前記エンボス加工された溝は、前記溝が前記カバーのコーナーの中にないように配置されており、前記エンボス加工された溝を有さないX字形領域が形成されている、請求項1
3に記載のベース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月27日に出願された米国特許出願第62/737,516号の利益および優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、スポーツ用器具、より具体的には、改良された野球用ベース、特に、野球、ソフトボール、または他の球技のために使用されるベースの取り付けおよび固定に関する。
【背景技術】
【0003】
周知のように、野球は人気のある競技であり、特に、バッティングとフィールディングとを交互に行う2つの対抗するチーム間で行われるバットアンドボールゲームである。打席のチームのプレーヤーは、正方形のベースボールダイヤモンドのコーナーに設置された4つのベースセットを一周するか、または周回を完了することによって、得点を獲得することを試みる。プレーヤーはホームプレートでバッティングを行い、ファーストベース、セカンドベース、サードベースへと反時計回りに進み、ホームに戻って得点を獲得しなければならない。フィールドのチームは、アウトを記録することによって、得点することを防ぐことを試みる。
【0004】
このように野球用ベースは野球場の必須な部品の1つである。プロ競技におけるこれらベースの構造については、メジャーリーグベースボールの規則集によって規定されている。他のリーグは他のガイドラインと規則を有することができる。しかしながら、全般的に、この規則は、色(白)、サイズ(例えば、15インチ×15インチ)、高さ、およびベースを形成してそれをグラウンドに取り付けるために使用される材料を規定している。ベースを周回するプレーヤーはベースと接触するため、ベースの構造は非常に重要である。典型的に、ベースは周辺領域から数インチの高さにあり、最大高さに向けてわずかにドーム状に隆起している。それらは重く、金属製スパイクの重みでは穴が開かなくなっている。下側の中央には突出した塊を含み、フィールド内の恒久的な穴と連係して、競技中およびプレーヤーがそこに力を加えたときにベースが所定の位置に留まることを確実にしている。
【0005】
ベースを周回する間、または盗塁を試みる間、プレーヤーがベースに「滑り込む」必要がある場面がある。野球では、スライドは、ベースランナーとして行動するプレーヤーの動作であり、プレーヤーは、向かっているベースに非常に接近すると体をグラウンドに落とし、グラウンドに沿って滑り込んでベースに到達する。ベースランナーは、足から先、または頭から先になど、多くの異なる方法でベースに滑り込むことができ、かつ、多くの異なる理由のために滑り込むことができる。プレーヤーが「ベースに滑り込む」ときに怪我をさせないことは非常に重要であり、したがって、この目的並びに他の従来からある目的を考慮して野球用ベースを構築することが望ましい。
【0006】
本発明は、上述の目的を対象としており、その解決策を提供している。
【発明の概要】
【0007】
一実施態様では、運動競技ベースランニングゲームで使用するためのベースは、グラウンドアンカーアセンブリを含み、これは、グラウンドプレー面に挿入するためのポスト、およびポストの上部に沿って配置された基部を含んでいる。ベースはまた、基部の上面に結合されたX字型プレートのような補強プレートを含む。X字型プレートは、X字型配向で配置された4本のアームを有している。アームは、基部から半径方向で外側に延在している。カバーがX字型プレートの上に配設され、X字型プレートに結合されており、このカバーはオーバーモールド工程の一部として形成されることができる。
【0008】
本明細書で開示されるベースは、フィールドに沿ったプレーヤーの動きを考慮して構築されており、特に、ベースは、ベースの他の領域では剛性が低下する一方で、局所化された剛性を有するように構築されている。より具体的には、プレーヤーがベースに滑り込むとき、および/またはベースを周回するときのように、典型的に、プレーヤーが接触するベースの領域を表すベースの側面に沿って、ベースは剛性が低減されるように構築されている。対照的に、その4つのコーナーでは、アームが4つのコーナーの中に存在するため、ベースの剛性は高くなっている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施態様による野球用ベースの上面および側面斜視図である。
【
図2】第2の実施態様による野球用ベースの上面および側面斜視図である。
【
図3】第3の実施態様による野球用ベースの上面および側面斜視図である。
【
図4】野球用ベースのグラウンドアンカーアセンブリの上面および側面斜視図である。
【
図5】グラウンドアンカーアセンブリの上面図である。
【
図6】グラウンドアンカーアセンブリの側面図である。
【
図7】グラウンドアンカーアセンブリの底面図である。
【
図8】グラウンドアンカーアセンブリに結合するためのX字型プレートの上面および側面斜視図である。
【
図9】X字型プレートの底面および側面斜視図である。
【
図14】グラウンドアンカーに結合されたX字型プレートの上面および側面斜視図である。
【
図15】グラウンドアンカーに結合されたX字型プレートの底面および側面斜視図である。
【
図16】X字型プレートが埋め込まれたカバーの斜視図であり、例示を容易にするために、グラウンドアンカーアセンブリが省略されている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、例示的な一実施態様による野球用ベース100を例示している。野球用ベース100は、一般に、カバー110、および全体的に200で示されているグラウンドアンカーアセンブリを含む。本明細書に記載されるように、カバー100は、プレーヤーが接触するグラウンドプレー面の周りに置かれる野球用ベース100の最上部である。グラウンドアンカー200は、グラウンドプレー面に固定される部分である。
【0011】
カバー110は、いくつかの技術のいずれかを使用してグラウンドアンカー200に結合され、限定するものでないが、カバー100を形成する材料がグラウンドアンカーアセンブリ200の上にオーバーモールドされるオーバーモールド工程を含む。既知のように、オーバーモールディングは、組み合わせられた2つ以上の異なる材料を使用して単一部品が作成される工程である。典型的に、基材とも呼ばれることもある第1の材料は、製造工程中に後続材料(オーバーモールド材料)で部分的に、または完全に覆われる。代替的な方法には、機械式インターフェース/嵌合が含まれ得る。
【0012】
カバー110は、グラウンドアンカー200の上にオーバーモールドすることができる好適な材料を含む、いくつかの好適な材料のいずれかで形成されている。例えば、好適な材料には好適なポリマーが含まれ、一実施態様では、カバー110はウレタンで形成されている。既知のように、いくつか例を挙げると、ウレタンカバーおよびウレタンフォームを含む異なるタイプのウレタンがある。カバー110は、一体型の表層面、および一貫したグリップとクッション性のある支持とを提供するクッションコアを含み得る。
【0013】
カバー110は、上面112および4つのコーナー114を備えた正方形である。カバー110が公式のリーグゲームでの使用を意図している場合は、幅、長さ、および高さを含む寸法は、関連するリーグ規則によって規定されている。
図1では、上面102の中に、かつ上面102に沿って一体形成された表面溝115の形態の表面特徴を含む上面112を例示している。例示の実施形態では、溝115の2つの対向する開口端がカバー110の1つの側面に沿って位置しているという点で、各溝115は、カバー110の1つの側面に沿って形成されている。上面112に形成された溝は、カバー110の各側面が同じ溝プロファイルを有することができるという点で対称となり得る。示されるように、溝115は、上面を横切って延在し、カバー110の側壁に沿って下向きに巻いている。この構造により、上面からグラウンドプレー面に任意の水が溝を通り流されることができる。
【0014】
様々な表面溝115が、溝で装飾されていないX字形領域117を画定していることが分かる。X字形領域117は、上面112の中心からカバー110のコーナーのうち1つまで延在しているアーム119を画定している。示されるように、カバー110のコーナーは、溝115を有さないが、滑らかである。
【0015】
表面特徴は、エンボス加工などを含む、いくつかの好適な技術のいずれかによって形成され得る。
【0016】
図2は、別の実施態様によるカバー120を例示している。カバー120は、溝115を有し、この実施態様においては、溝115は、グリップおよび吸い取り水を提供する滑らかなフェージング溝115であり得る。X字形領域117は、溝115の間で、及び溝115によって画定されている。カバー120は、グリップおよびクッションを提供するテクスチャを備えた有機ダイヤモンドパターン113を含む他の表面特徴を有することができる。カバー120はまた、一貫したグリップを提供する刻み付きテクスチャを有することができる。カバー120の中央領域は十分な表面積を有しており、ロゴまたは他の印が含まれることを可能にしている。
【0017】
図3は、別の実施態様によるカバー130を例示しており、これはカバー120に類似しており、したがって、同様の要素に同様の番号が付けられている。カバー130は、一貫したグリップを提供する重装なテクスチャを含む。このテクスチャは、ダイヤモンドパターン113、X字形領域117などを含むカバー130の上面全体に適用されることができる。
【0018】
グラウンドアンカーアセンブリ200を含む本明細書に記載のベースのいずれも、カバー110、120、130のいずれか1つを含むか、または別のカバーを有することができることが理解されるであろう。言い換えると、本明細書で具体的に例示されていない他のカバーは、本明細書で例示および記載されているグラウンドアンカーアセンブリ200とともに使用することができる。
【0019】
グラウンドアンカーアセンブリ
ここで
図4~
図16を参照すると、グラウンドアンカーアセンブリ200は、2つの部分で形成されており、つまり、グラウンドアンカーポスト210の形態の第1の部分、およびグラウンドアンカーポスト210に結合されているX字型プレート(補強プレート)250から形成されている。
図4~
図7は、グラウンドアンカーポスト210をより詳細に例示しており、
図8~
図13は、X字型プレート250を例示している。
【0020】
グラウンドアンカーポスト210は、本明細書に記載されるグラウンドプレー面に固定されているポスト220を有し、また、ポスト220の上部に沿って位置している基部(本明細書ではグラウンドアンカープレートとも称される)230も有している。基部230は、このようにポスト220の上に位置しており、基部230はポスト220のフットプリントよりも広いフットプリントを有していることから、ポスト220から半径方向で外側に延在している。
【0021】
ポスト220は、示されているような正方形を含む任意の数の異なる形状を有するように形成され得る。ポスト220の長さは、野球用ベース100をグラウンドプレー面に強固に固定するように選択されている。
【0022】
基部230は、ポスト220の中心軸を通って延在する垂直面に垂直な平面内にある。
【0023】
基部230は、ポスト220がそこから外向きに延在する底面232、およびそれに対向する上面234を有している。基部230は、中央部分236、およびそこから半径方向で外向きに延在する複数のコーナーレッグ240を有している。したがって、コーナーレッグ240は、一方の対のコーナーレッグ240が互いに対向しており、他方の対のコーナーレッグ240が互いに対向している2つの対として画定されている。示されるように、隣接するコーナーレッグ240間のインターフェースは、直角に形成される壁とは対照的に弧を描いた(湾曲した)外面245によって画定されている。
【0024】
各コーナーレッグ240内には、単一の穴(貫通穴/開口部)242がある。この穴242は、本明細書で説明されているように、X字型プレート250をグラウンドアンカーポスト210に取り付けるための締結具を受け入れる。任意の数のボルト、ねじ、リベットなどを含む、任意の数の異なるタイプの締結具が使用され得る。
【0025】
ポスト220は、中央部分236と位置合わせされ、およびコーナーレッグ240に対して位置合わせされ、コーナーレッグ240が正方形に形状化されたポスト220の1つのコーナーから外向きに突出するようになっている。ポスト220のコーナーおよびコーナーレッグ240は、これにより軸方向に位置合わせされている。
【0026】
基部230の底面232は、グラウンドプレー面と接触する部分であり、滑らかなテクスチャと外観とを有することができる。対照的に、上面234は滑らかではないが、テクスチャが付けられている。より具体的には、一実施態様によれば、上面234は、複数の相互接続された(構造的/補強用)リブ239およびその上に形成されたフィレットを含むことができる。成形(射出成形など)された部品は、多くの場合、大きな荷重下で持ちこたえることが想定されている。基部230のような部品を増強する方法の1つは、設計に1つ以上のリブ239を追加することによって行われる。リブ239は、壁または平面(この場合、そこから上向きに延在するリブ239を備えた基部230の基材)から垂直に延在する薄い突起であり、追加の剛性および強度を提供する。設計者は通常、壁を厚くすることで部品の強度を高めようとする。残念ながら、壁が厚すぎると、反り、ヒケ、および他の欠陥が発生する可能性がある。リブ239のようなリブを使用する利点は、壁の厚さを増やすことなく部品の強度が増すことである。必要とされる材料が少ないことから、リブ239は、はるかに費用効果の高い解決策ともなり得る。また既知のように、機械工学では、フィレットは部品設計の内部コーナーまたは外部コーナーの丸みである。
【0027】
示されるように、リブ239は、いくつかのパターンのいずれかで配置することができ、穴242の各々は、(穴242の周りの領域は応力が増加する領域であることから)その周りに形成された円形の補強リブを有しており、他のリブ239は、基部230の周縁部から内側に延在し、他のリブ239と接続して、リブ239のネットワークまたはマトリックスを形成する。リブ239は共通の高さを有しており、リブ239の上縁部が単一の平面内にあり、X字型プレート250が配設される平坦な表面を画定するようになっている。
【0028】
ポスト220および基部230は、単一の一体構造であることができ、意図された用途のために十分な強度および剛性を有するいくつかの好適な材料のいずれかで形成され得る。一実施態様では、グラウンドアンカーポスト210は成形可能な材料で形成されており、グラウンドアンカーポート210は、従来の成形技術を使用して形成され、より具体的には、グラウンドアンカーポスト210は、基部230をX字型プレート250に取り付けるために使用される締結具のようなステンレス鋼ハードウェアとともに成形されたナイロンで形成されることができる。
【0029】
一実施態様では、基部230は約3mmの厚さを有し、リブ239は約6mmの厚さを有している。ポスト220は、約3mmの厚さを有することができる。
【0030】
X字型プレート250は、基部230の上面234に向いて設置され、それに結合されるように構成されている。図面(
図6および
図7)に示されるように、X字型プレート250は、中央部分252、および中央部分252から半径方向で外向きに延在する複数のアーム260を有する。X字型プレート250は底面251を有しており、これは基部230の上面234および対向する上面253に向いて設置されている。
【0031】
中央部分252は、中央部分252が基部230の中央部分236の上に位置決めされ、それに向いて設置するという点で、基部230の中央部分236に相補的なフットプリントを有している。したがって、中央部分252は、中央部分236と同じまたは類似の形状、および同じまたは類似の寸法のものである。X字型プレート250の下側(底面251)に沿って、中央部分252は、隆起した境界壁255によって画定されることができる。隆起した境界壁255によって画定された輪郭は、これにより基部230の周囲の輪郭と同じであるか、または類似している。境界壁255は、底面251から外向きに突出する一体型壁セグメントを備える(境界壁セグメントは、底面251に対して垂直に配向されることができる)。隆起した境界壁255は、約0.12インチの幅を有し得る。
【0032】
示されるように、各アーム260の遠位端(遠位先端部)262は丸みを帯びるようにされ得る。
【0033】
各アーム260は細長い構造であり、例示されるように、アーム260は、アーム260の幅が、アーム260の中央部分252から遠位端または先端部262までの方向で変化するという点で、テーパー状構造を有することができる。より具体的には、アームの幅は、中央部分252から遠位端262までの方向で狭くなっている。
【0034】
X字型プレート250の上面253は、好ましくは滑らかな表面であり、一方で反対側の底面251は、輪郭のある、滑らかでない構造を有している。図面に示されるように、X字型プレート250の下側(底面251)は、基部230の上面234に類似した複数の補強リブ270およびフィレットを含む。基部230のリブ239とは異なり、X字型プレート250の下側に沿ったリブ270は、変化する高さを有することができる。特に、中央部分252内(境界壁255内)のリブ270は、アーム260内で、かつアーム260に沿って位置するリブ270とは対照的に、より高い高さを有することができる。より具体的には、境界壁255は、アーム270に沿って位置するリブ270を含む他の領域内のリブ270よりも高い高さを有することができる。
【0035】
基部230と同様に、X字型プレート250は、複数の貫通穴または開口部259を含み、これらはその中に形成されており、グラウンドアンカーポスト210の基部230がX字型プレート250と嵌合すると、基部230のコーナーレッグ240の穴242が、穴259と軸方向で位置合わせされ、締結具がX字型プレート250を基部230に強固に取り付けるために、位置合わせされた穴242、259を貫通するように位置決めされている。基部230のコーナーレッグ240は、アーム260の近位端に重なっている。
【0036】
一実施態様では、開口部259はねじ付きインサートの形態であることができ、2つの部品を一緒に強固に取り付けるために締結具の外ねじと嵌合する内ねじを有する。開口部259は高応力領域に相当することから、開口部259の強度を高めるために、その周りに円形の補強リブ270が形成されている。
【0037】
図面に示されるように、境界壁255の一部は、アーム260の近位端に沿って位置している。
【0038】
アーム260は、遠位端262で終端する遠位領域280を含み、遠位領域280内の各アーム260の底面251は、リブ270を含まなくてもよい。言い換えれば、この遠位領域280は、その底面に沿って滑らかであることができる。アーム260に沿ったリブ270の方策的な位置決めおよび形成は、プレーヤーがベース周回するときプレーヤーがベースのコーナーを踏むようなベースに加えられる通常の荷重を考慮して、アーム260の屈曲の程度を制御するためのものである。
【0039】
基部230の中央部分およびそこから延在するコーナーレッグ240と同様に、アーム260間のインターフェースは、直角ではなく曲面によって表される。
【0040】
図11および
図13の断面図に示されるように、X字型プレート250の中央部分252は、均一な厚さを有することができるが、しかしながらアーム260は、不均一な厚さを有するように形成されることができる。示されるように、アーム260は階段状の構造271を有し、特に境界壁255は、アーム260の近位領域内に段差271を画定することができる。示されるように、アーム260は、遠位領域280とは対照的に、近接領域内でより厚い厚さを有することができる。
【0041】
一実施態様では、
図10~
図13に示されるように、アーム260は近位領域および中間領域を有し、そこでは底面が1つのプレート内にあり、遠位領域280は、平坦な中間領域から遠位端(遠位先端部)まで下向きに延在する傾斜した、または角度の付いた部分であり得る。遠位領域280はこのように下向きに傾斜している。
【0042】
一実施態様では、段差271から遠位先端部262までの距離は約7.07インチであり、アーム260(壁255に隣接する)の近位領域の幅は約2.35インチであり、遠位領域280内のアーム260の幅は約1.21インチである。
【0043】
示されるように、アーム260の相当な長さは、基部230の外側(半径方向で外側)にある。
【0044】
したがって、示されるように、アーム260が中央部分252のコーナーから半径方向で外向きに延在するという現実によって、X字型プレート250はX字形をとり、中央部分252および基部230が同じかまたは類似のフットプリントを有することから、アーム260は、それらの両方から半径方向で外向きに延在することが理解される。
【0045】
X字型プレート250は、限定するものではないが、成形可能な材料を含むいくつかの異なる材料のいずれかで形成することができる。一実施態様では、X字型プレート250は、成形されたナイロン材料で形成されている。
【0046】
カバーの形成
本明細書で説明するように、一実施態様では、カバー120は、オーバーモールド工程などの従来の技術を使用して、グラウンドアンカーアセンブリ200の上に形成されることができる。例えば、本明細書で記載されるように、X字型プレート250が金型部品に挿入され、そこに固定されることができ、次いで、金型部品が閉じられ、ウレタンのような成形可能な材料を注入して、X字型プレート250の上にカバーを形成することができ、X字型プレート250がカバーを形成する材料内に少なくとも部分的に埋め込まれるようになっている。カバー120の上面に沿った表面特徴は、オーバーモールド工程の間に形成される。4本のアーム260がこのように位置決めされ、カバー120のコーナーまで延在することが理解されるであろう(
図16)。言い換えると、4本のアーム260は、ベース100の4つのコーナー内に位置しており、ベース100の4つの側壁に直接隣接する領域を残して、X字型プレート250およびグラウンドアンカーアセンブリのような補強部材がないようにしている。
【0047】
特性
前述のように、フィールドに沿ったプレーヤーの動きを考慮して構築されるベースを提供することが望まれており、特に、ベース100は、局所的な剛性を有する一方で、ベース100の他の領域では低減した剛性を有するように構築されている。より具体的には、プレーヤーがベースに滑り込むとき、および/またはベースを周回するときのように、典型的に、プレーヤーが接触するベース100の領域を表すベース100の側面に沿って、ベース100は低減した剛性を有するように構築されている。対照的に、その4つのコーナーでは、ベース100は、4つのコーナー内にアーム260が存在するために剛性が増加している。ベース100の中央は、X字型プレート250および基部230の重なり合う中央セクションのために補強されている。
【0048】
ベース100の部品の試験は、水平方向に加えられる力と、垂直方向に加えられる力、ねじり力などとの両方を含む、通常プレー中に見られることが想定される力(荷重)にベース100が耐え得ることを示している。これらの力(荷重)は、ベース100の側面に滑り込むなど、ランナーの足がベース100に接触することから生じる。本明細書に開示される補強リブは、特にベース100の中央部分およびコーナーにベース100の所望の剛性を提供する。ベース100は、垂直方向、水平方向、およびねじり方向に十分な剛性を有する。
【0049】
ベース100は、局所的な剛性(剛性が増加した領域)を有すると同時に、ベース100に沿って方策的に位置する剛性が低減した領域を有するように構築されている。より具体的には、剛性が増加したベースの領域は4つのコーナーであり、一方で剛性が低減したベースの領域はベース100のコーナーの間に位置するベース100の側面である。ランナーがベースの側面に滑り込むとき、ランナーの足または手は、典型的に、2本のアーム260の間に画定された、つまり、剛性が低下した領域を表すベースの一方の側面と接触することが理解される。
【0050】
例示されたベース100は、限定するものではないが、メジャーリーグベースボールを含む異なる管理団体からの適用可能な規則に準拠するように構築されている。メジャーリーグベースボールの規則に関して、規定する規則は以下のようになっている。
ファーストベース、セカンドベース、およびサードベースは、グラウンドに強固に取り付けられた白いキャンバスまたはゴムで覆われたバッグでマークする必要がある。バッグは15インチ四方で、厚さが3インチ以上5インチ未満で、柔らかい素材で満たされている必要がある。
【0051】
ベース100はそのような規則に準拠している。
【0052】
加えて、ベース100は、一貫したグリップおよびクッション性を提供するカバー110、120、130上に画定された大きな中央スイートスポットを有する。ベース100の顕著なコーナーは、ランナーに次のベースへの良いプッシュオフ、および野手に対する良いフィードバックを提供する。アーム260の間のベース100の側面は、わずかに傾斜したプロファイルを有しており、このことで、縁部が向かって来るランナーを受け入れ易いものになるようにしている。さらに、コーナー表面の溝(groove)(溝(channeling)115)は、スライドにおけるフィンガーグリップを提供している。
【0053】
設置
設置されるとき、ベース100のポスト220は、グラウンド内に位置する穴または保持スリーブ内に挿入される。ポスト220は、垂直方向に移動することはできるが、水平方向に移動することはできない。カバー110、120、130の下側は、グラウンドプレー面に置かれることになる。
【0054】
製造に関して、カバー110、120、130は、オーバーモールド工程を使用することによって、最初にX字型プレート250上に形成されることができ、次いで、グラウンドアンカーアセンブリ200が、本明細書に記載の締結具を使用することにより、X字型プレート250に結合されることができることが理解されるであろう。例えば、金型は2つの部品を含むことができ、一方の金型の土台に沿って、ベースプレート230の形態の隆起した突起が設けられ、X字型プレート250がそこに取り付けられることを可能にし、カバー110、120、130がその上にオーバーモールドされることを可能にしている。成形後、X字型プレート250は、この隆起した金型構造から取り外されることができ、次いで、グラウンドアンカーアセンブリ200と組み立てられることができる。同様に、他方の金型部品は、金型部品が閉じられ、金型材料が金型内に注入されるとき、溝115のようなカバー内の表面特徴を形成する隆起した構造を含むことができる。
【0055】
X字型プレート250とともにカバーを形成することにより、この組み合わされた構造が平らに置けることから、輸送コストが低減され得る。別の場所では、グラウンドアンカーアセンブリ200がX字型プレート250に取り付けられ得る。加えて、X字型プレート250およびグラウンドアンカーアセンブリ200を分離する機能により、記念を目的として、組み合わされたカバーおよびX字型プレート250をグラウンドアンカーアセンブリ200から容易に取り外すことを可能にしている。言い換えれば、ゲーム終了後、使用した組み合わされたカバーおよびX字型プレート250は取り外されて販売され、および/またはファン用の記念品として贈呈されることができる。ベース100を展示するために、この構成(フットプリント)は、壁マウントが、X字型プレート250のねじ付きインサートと嵌合するねじ付き締結具を有することができることにより、容易な取り付けを可能にしている。
【実施例】
【0056】
一実施態様では、X字型プレート250、グラウンドアンカープレート(基部230)、およびグラウンドアンカー220の各々は、高い剛性および寸法的安定性を有する繊維強化ポリアミド(ナイロン)材料で形成されている。
【0057】
本発明は、例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、当業者であれば、本発明の範囲から逸脱せずに、様々な変更を行うことができ、均等物を実施形態の要素の代わりに用いることができることを理解するであろう。加えて、本発明の基本的な範囲から逸脱せずに、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるための多くの変形がなされてもよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために想到される最良の形態として開示される特定の実施形態に限定されることがなく、本発明は、添付の特許請求の範囲に収まる全ての実施形態を含むことが意図される。