(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】コーヒー豆の焙煎方法
(51)【国際特許分類】
A23N 12/08 20060101AFI20240123BHJP
A23N 12/10 20060101ALI20240123BHJP
A23F 5/04 20060101ALN20240123BHJP
【FI】
A23N12/08 A
A23N12/10 Z
A23F5/04
(21)【出願番号】P 2021532340
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2019085756
(87)【国際公開番号】W WO2020127350
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-06
(32)【優先日】2018-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】デュビエフ, フラヴィアン, フローラン
(72)【発明者】
【氏名】チェカロリ, ステファノ
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-536989(JP,A)
【文献】国際公開第2018/135021(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/053436(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0089986(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
A23F 3/00- 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーヒー豆を焙煎するための装置であって、
コーヒー豆を収容する容
器と、
前記容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するための電気加熱デバイ
スと、
前記容器内の温度を測定するための少なくとも1つの温度セン
サと、
前記
電気加熱デバイスを制御するように動作可能な制御システ
ムと、
を備え、
前記制御システムは、
前記温度センサの測定値に基づいて少なくとも前記電気加熱デバイスを制御することにより、少なくとも温度対時間プロファイルを含む、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆の焙煎専用の焙煎レシピを適用し、
時間の関数としてのヒータの電力消費の減少を検出し、
設定基準時間t
1を経過しても前記電力消費の減少が起こらない場合、加熱することを停止する、ように構成されている、装置。
【請求項2】
前記制御システムは、前記焙煎レシピが適用されている間の前記
電気加熱デバイスによる前記電力消費を表す少なくとも1つの電気的パラメータを測定するように構成されている、請求項1に記載の装置
。
【請求項3】
前記電力消費を表す前記電気的パラメータは、前記電気加熱デバイスの電流である、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電気加熱デバイ
スは、少なくともヒー
タを備
える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御システムは、前記ヒー
タの前記電力消費の減少を検出するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電気加熱デバイスは、空気駆動器を備える、請求項4又は5に記載の装置。
【請求項7】
前記制御システムは、前記空気駆動器の前記電力消費の減少を検出するように構成されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記設定基準時間t
1が5分に設定されている、請求項1~
7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記制御システムは、設定基準時間t
0の前に前記電力消費の第1の減少が起こった場合、前記電気加熱デバイスを停止するように構成されている、請求項1~
8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記設定基準時間t
0が3分に設定されている、請求項
9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御システムは、ユーザによって前記容器内に導入された豆のタイプの識別を取得するように構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記豆の前記識別は、
前記ユーザからの手動入力によって、
前記ユーザによって提示された豆パッケージから識別手段を読み取るように構成された識別デバイスから、取得され得る、請求項
11に記載の装置。
【請求項13】
請求項1~1
2のいずれか一項に記載の装置を使用してコーヒー豆を焙煎する方法であって、
前記温度センサの測定値に基づいて少なくとも前記電気加熱デバイスを制御することにより、少なくとも温度対時間プロファイルを含む、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆の焙煎専用の焙煎レシピを適用するステップと、
前記焙煎レシピが適用されている間の前記
電気加熱デバイスによる前記電力消費を表す1つの電気的パラメータを測定するステップと、
時間の関数としての前記
電気加熱デバイスの前記電力消費の減少を検出するステップと、
設定基準時間t
1を経過しても前記電力消費の減少が起こらない場合、加熱することを停止するステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記方法は、設定基準時間t
0の前に前記電力消費の第1の減少が起こった場合、前記電気加熱デバイスを停止するステップを含む、請求項1
3に記載の方法。
【請求項15】
コーヒー豆を焙煎するための装置の制御システムの処理ユニットのコンピュータプログラムであって、前記装置は、コーヒー豆を収容するための容器と、前記容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するための電気加熱デバイスと、前記容器内の温度を測定するための温度センサと、を備えており、前記コンピュータプログラムは、プログラムコード及び/又はプログラム論理を含み、前記プログラムコード及び/又は前記プログラム論理は、前記処理ユニットで実行されると、
前記温度センサの測定値に基づいて少なくとも前記電気加熱デバイスを制御することにより、少なくとも温度対時間プロファイルを含む、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆の焙煎専用の焙煎レシピを適用するステップと、
前記焙煎レシピが適用されている間の前記
電気加熱デバイスによる電力消費を表す1つの電気的パラメータを測定するステップと、
時間の関数としての前記
電気加熱デバイスの前記電力消費の減少を検出するステップと、
設定基準時間t
1を経過しても前記電力消費の減少が起こらない場合、加熱することを停止するステップと、をもたらす、コンピュータプログラム。
【請求項16】
前記プログラムコード及び/又は前記プログラム論理は、設定基準時間t
0の前に前記電力消費の第1の減少が起こった場合、前記電気加熱デバイスを停止する前記ステップをもたらす、請求項1
5に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコーヒー豆の焙煎に関し、より具体的には、好ましくは比較的少量のコーヒー豆の、特に家庭での又はショップ及びカフェでの使用に適した、部分的に事前に焙煎された豆に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、コーヒー豆の焙煎は、コーヒー生豆の焙煎からなる。この焙煎は時間を必要とし、特に焙煎の第1段階において一定量の煙を生成する。更には、焙煎は、様々な異なる生豆から最良の焙煎を取得し、最終顧客の嗜好に一致させるために、特定の知識を必要とする。
【0003】
生豆の焙煎のより単純な代替として、部分的に焙煎された豆を焙煎することが提案されている。これらの豆は、消費前における第2の最終焙煎を可能にする程度まで、製造焙煎プラントで部分的に焙煎されている。最初の部分的焙煎は、最終焙煎を短縮する利点をもたらし、これは数分間だけ継続し得る。別の利点は、最終焙煎中に発生する煙が少ないことである。部分的に焙煎された豆の使用は、国際公開第03/082705号、米国特許第2013/180406号、国際公開第2015/110337号、国際公開第2015/162021号に記載されている。
【0004】
この代替案のおかげで、焙煎の非専門家にとって焙煎がより容易になり、様々な新しい焙煎装置が、家庭、又はショップ及びカフェでの使用のために提案され得る。このような焙煎装置は、焙煎の経験がない操作者が焙煎操作を始めることができるように、十分に自動化することができる。
【0005】
焙煎装置が、部分的に事前に焙煎された豆のみを焙煎するように構成されている場合、特にユーザが非専門家であると、ユーザが誤って生豆を装置に導入するリスクがある。問題は、部分的に焙煎された豆の加熱プロファイルが、生豆から開始する加熱プロファイルとは異なることである。生豆に適合されていない加熱プロファイルを使用すると、焙煎プロセスの終了時に、生豆が十分に焙煎されていないかもしれないという結果をもたらし、これに関連して、後続のステップにおいて、焙煎された豆を挽くために使用されるデバイスをこれらの豆が損傷する、及びこれらの焙煎され挽かれた豆から抽出されるコーヒーが高レベルのアクリルアミドを呈するというリスクを伴う。
【0006】
同様に、焙煎装置が非専門家によって操作される場合、焙煎操作の終了時に、ユーザが完全に焙煎された豆を装置から除去することを忘れ、これらの既に焙煎された豆なしで新たな焙煎を開始するリスクがある。結果として、これらの豆が燃えて、装置内で火災が発生する場合がある。また、ユーザが、部分的に事前に焙煎された豆で焙煎操作を開始し、予測不可能な理由のために、焙煎プロセスをその終了に至る前に停止させることも起こる場合がある。ユーザは、その後、始めから開始された新しい焙煎サイクルで焙煎を再始動させる。焙煎のこの再始動は、上述した火災のリスクにつながる、又は豆に適合されていない焙煎の問題につながり、最終的な品質が劣る場合がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、部分的に焙煎された豆の焙煎を実装するための装置におけるコーヒー豆の焙煎を改善することである。
【0008】
生豆又は完全に焙煎された豆などの誤ったコーヒー豆の装填に起因する火災のリスクを回避する焙煎装置を提供することが有利であろう。
【0009】
高価な検出器(コードリーダー、豆識別器(色センサ、湿度センサ))を使用することなく、装置内の正しいコーヒー豆の装填を制御する焙煎装置を提供することが有利であろう。
【0010】
本発明の目的は、請求項1に記載のコーヒー豆を焙煎するための装置、請求項11に記載の方法、及び請求項13に記載のコンピュータプログラムによって達成される。
【0011】
本出願では、「部分的に事前に焙煎された豆」とは、コーヒー生豆を加熱し、第1のクラックの終了前にその加熱プロセスを停止することによって得られる豆であると理解される。この定義には、コーヒー生豆を加熱し、第1のクラックの始まりの前にその加熱プロセスを停止することによって得られる豆が含まれる。
【0012】
本出願では、「完全に焙煎された豆」とは、第2のクラックの後まで焙煎された豆であると理解される。
【0013】
本発明の第1の態様では、コーヒー豆を焙煎するための装置が提供され、この装置は、
コーヒー豆を収容する容器と、
容器内に収容されたコーヒー豆を加熱するための電気加熱デバイスと、
容器内の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサと、
加熱デバイスを制御するように動作可能な制御システムと、を備え、
制御システムは、
温度センサの測定値に基づいて電気加熱デバイスを制御することにより、少なくとも温度対時間プロファイルを含む、部分的に事前に焙煎された豆の焙煎専用の焙煎レシピを適用し、
時間の関数としての電力消費の減少を検出し、
設定基準時間t1を経過しても電力消費の減少が起こらない場合、加熱することを停止する、ように構成されている。
【0014】
容器内では、コーヒー豆が加熱され、好ましくは混合されて、豆全体にわたって加熱が均質化される。
【0015】
混合は、熱風の流動床、又は撹拌翼によって若しくは回転ドラムの回転を介して機械的に得ることできる。
【0016】
好ましくは、容器は熱風流動床チャンバである。このような容器内では、加熱された空気が、豆を持ち上げるのに十分な力で、コーヒー豆の下のスクリーン又は穿孔板を通して強制的に送られる。熱は、この流動床内でタンブリングし、循環するにつれて、豆に伝達される。
【0017】
あるいは、容器は、加熱された環境においてコーヒー豆がタンブリングされるドラムチャンバであり得る。ドラムチャンバは、水平回転ドラムからなることができる、又はドラムチャンバは、加熱された環境においてコーヒー豆をタンブリングさせるための撹拌ブレードを備えることができる。
【0018】
加熱源として、装置は電気加熱デバイスを備える。
【0019】
電気的に給電された加熱デバイスは、焙煎中に生成される空気汚染物質が、コーヒー豆自体の加熱からのみ生成される汚染物質であり、熱源が天然ガス、プロパン、液化石油ガス(LPG)、又は更には木材を使用するガスバーナである場合に生じるようなガスの燃焼からのものではない、という利点を有する。
【0020】
この電気加熱デバイスは、通常、少なくともヒータを備え、好ましくは空気駆動器を備える。
【0021】
通常、ヒータは電気抵抗である。加えて、好ましくは、電気加熱デバイスは、ヒータによって加熱された空気を循環させるための空気駆動器を備える。いくつかの装置では、例えば、装置が撹拌翼を含む又は回転ドラムである場合、空気駆動器は必要ではない。
【0022】
装置は、容器内の温度を測定するための少なくとも1つの温度センサを備える。センサは、容器の容積内、又は容器内の加熱空気の入口の近くに配置することができる。
【0023】
装置は、容器内の温度対時間プロファイルを適用するために、電気加熱デバイスを制御するように動作可能な制御システムを備える。この制御は、フィードバックループ制御において、容器内に配置された温度センサの測定値に基づいて実現される。
【0024】
温度対時間プロファイルは、部分的に事前に焙煎された豆の焙煎専用の焙煎レシピに対応する。通常、このようなプロファイルの時間の長さは、コーヒー生豆の焙煎専用のプロファイルの時間長さよりも短い。
【0025】
加えて、制御システムは、時間の関数としての加熱デバイスの電力消費の第1の減少を検出するように構成されている。
【0026】
一般に、制御システムは、焙煎レシピが適用されている間の加熱デバイスによる電力消費を表す少なくとも1つの電気的パラメータを測定するように構成され得る。電力消費を表すこの電気的パラメータは、通常、電気加熱デバイスの電流である。
【0027】
焙煎レシピが適用されている間の加熱デバイスによる電力消費を表す少なくとも1つの電気的パラメータの測定値に基づいて、時間に基づく電力消費を監視することができる。
【0028】
コーヒー生豆から開始して、水の注入によるコーヒー飲料の調製を可能にする焙煎レベルに至る、コーヒー豆を焙煎するプロセスでは、コーヒー豆は、いくつかの段階を経る。特に、
吸熱反応が起こる第1の段階、
内部発熱反応が生じる第1のクラックステップ、
吸熱反応が起こる第2の段階、
内部発熱反応が生じる第2のクラックステップ、を経る。
【0029】
第1のクラックステップでは、コーヒー豆内部で生成される発熱反応が熱を発生させ、全体的な加熱に関与する。その結果、電気加熱デバイスからの熱の発生が少なくなり、それに応じて加熱デバイスの電力が減少する。
【0030】
加熱されるのが生豆であるか、部分的に事前に焙煎された豆であるかに応じて、第1のクラックステップが生じる時間は異なる。すなわち、
生豆は、部分的に事前に焙煎された豆の場合よりも、通常は少なくとも2分間長く、
完全に焙煎された豆では第1のクラックは存在しない。
【0031】
このことは、同じ焙煎プロファイルを適用することにより、第1のクラックが、部分的に焙煎された豆と比較して、生豆では遅く生じ、完全に焙煎された豆では全く生じないという点で、生豆及び完全に焙煎された豆を、部分的に焙煎された豆から区別できることを意味する。部分的に事前に焙煎された豆の第1のクラックが通常起こる基準時間を設定することにより、容器内に存在して焙煎されているのが、実質的に部分的に事前に焙煎された豆であるか否かを検出できる。
【0032】
制御システムは、設定基準時間を経過しても電力消費の減少が起こらない場合、電気加熱デバイスを停止させるように構成されている。実際には、基準時間を、部分的に事前に焙煎された豆の第1のクラックが発生する時間に設定することにより、その時間において電力消費の減少が起こらない場合、それは、生豆又は完全に焙煎された豆が導入されている、又は更には容器内には豆が導入されていないことを意味する。安全対策により、加熱が停止される。
【0033】
メッセージが表示されて、操作者に通知し、容器内に導入された豆の性質を調べるように誘導することができる。
【0034】
加熱デバイスによる電力消費の第1の減少が生じる時間を、上述したように検出することにより、容器内に導入された豆の性質を検証することが可能になるので、有利なことに、本発明の目的が達成される。
【0035】
基準時間t1は、部分的に事前に焙煎された豆の焙煎専用の焙煎レシピを適用する焙煎装置で使用するために生産された部分的に事前に焙煎された豆の性質に応じて定めることができる。
【0036】
好ましくは、電力消費の第1の減少に関する基準時間は5分に設定される。
【0037】
実際には、生豆については、電力消費の第1の減少は、通常、少なくとも5分であることが観察されている。
【0038】
操作者が、第1のクラックの終了と第2のクラックの始まりとの間の点まで事前に焙煎された豆を容器内に導入すること、又は操作者が、前の焙煎操作からの豆を容器から取り出すことを忘れることが起こり得る。その場合、焙煎プロファイルを適用すると、これらの豆の加熱を開始した後に、第1のクラックは存在しないが、第2のクラックが非常に急に起こる。そのようなエラーが生じる場合、燃える問題は、完全に焙煎された豆の場合よりも重要ではないが、最終焙煎は最適化された製品につながらず、そのような焙煎は推奨されない。
【0039】
好ましい実施形態では、このような誤った焙煎を回避するために、制御システムは、設定基準時間t0の前に電力消費の第1の減少が起こった場合、電気加熱デバイスを停止するように構成され得る。好ましくは、この基準時間t0は3分に設定される。
【0040】
一実施形態では、制御システムは、ユーザによって容器内に導入されたコーヒー豆を識別するように構成されている。豆の識別は、豆を焙煎するプロセスに直接影響を及ぼす豆の性質に関連する。一般に、この性質は豆の起源(アラビカ、ロブスタなど)に関連する。
【0041】
豆の識別は、
ユーザからの手動入力によって、
ユーザによって提示された豆パッケージから識別手段を自動的に読み取るように構成された識別デバイスから得られる。
【0042】
全ての場合において、豆はユーザによって容器内に導入され、これは、容器内の豆が部分的に事前に焙煎された豆でないかもしれないという問題を説明する。
【0043】
制御システムは、焙煎レシピを適用するステップの前に、識別されたコーヒー豆に対応する焙煎レシピを取得するように構成され得る。焙煎レシピは、
メモリから、
サーバから、
識別デバイスから、得ることができる。
【0044】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の特徴及び利点は、以下の図との関連で、より良好に理解されるであろう。
【
図1】本発明の方法の実現を可能にする一般的な焙煎装置の概略図である。
【
図2】
図1による一般的な装置の制御システムのブロック図である。
【
図3】生豆に又は部分的に事前に焙煎された豆に適用される加熱プロファイルの概略的な曲線を表す。
【
図4】部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆を焙煎するステップ中の加熱デバイスの電力消費の第1の曲線と、生豆を焙煎するステップ中の加熱デバイスの電力消費の第2の曲線とを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1は、焙煎装置1の例示的な部分図を示す。機能的には、焙煎装置1は、この容器内に導入された熱風の流れによって、容器11内に保持されたコーヒー豆を焙煎するように動作可能である。第1のレベルでは、装置は、ハウジング15、焙煎ユニット10、及び制御システム180を備える。次に、これらの構成要素を順次説明する。
【0047】
焙煎装置のハウジング
ハウジング15は、前述の構成要素を収容及び支持し、基部151及び本体152を備える。基部151は、支持面と当接し、好ましくは基部と支持面との間に間隙を提供する足部154を介して当接する。本体152は、構成要素を取り付けるためのものである。
【0048】
焙煎装置の焙煎ユニット
焙煎ユニット10は、コーヒー豆を収容し焙煎するように動作可能である。
【0049】
焙煎ユニット10は、典型的には、焙煎装置1の第2のレベルにおいて、容器11、空気流駆動器122とヒータ123を備える加熱デバイス12を備え、これらについて順次説明する。
【0050】
容器11は、操作者によって導入されたコーヒー豆を収容し保持するように構成されている。取り外し可能なカバー17が、豆の導入及び除去を可能にする。容器の底部は空気が通過できるように構成される。具体的には、底部は穿孔板14であって、穿孔板の上に豆が載ることができ、穿孔板を通って空気が上向きに流れることができる。
【0051】
チャフ収集器16は、容器1と流体連通しており、豆から徐々に分離され、その軽い密度ゆえにチャフ収集器へと吹き飛ばされるチャフを受け取る。
【0052】
容器11は、ユーザがハウジング15から容器を取り外し、焙煎された豆を得ることを可能にするためのハンドル112を備える。
【0053】
加熱デバイス12は、空気流駆動器122及びヒータ123を備える。
【0054】
空気流駆動器122は、チャンバの底部の方向に空気流(点線矢印)を生成するように動作可能である。生成される流れは、豆を加熱し、豆を撹拌し持ち上げるように構成される。その結果、豆は均質に加熱される。具体的には、空気流駆動器は通常、モータ121によって駆動されるファンである。ハウジング内に空気を供給するために、空気入口153をハウジングの基部151の内側に設けることができ、空気流駆動器は、この空気を、点線矢印によって示すように、穿孔板14を通して容器11の方向に吹き付ける。
【0055】
ヒータ123は、空気流駆動器122によって生成された空気流を加熱するように動作可能である。特定の図示した実施形態では、ヒータは、ファン122と容器の穿孔板14との間に配置された電気抵抗であり、その結果、流れは容器に入る前に加熱されて、豆を加熱し、豆を持ち上げる。
【0056】
本発明は、熱風の流動床を実現するロースターについて説明されているが、本発明は、この特定のタイプの焙煎装置に限定されない。ドラムロースター及び電気加熱デバイスを使用する他の種類のロースターを使用することができる。
【0057】
例えば、
図1で例示されたロースターの代替的実施形態では、容器は、容器内で豆を回転させるための回転デバイスを備えることができる。その場合、ヒータによって単純な空気の流れを供給することができ、回転デバイスは豆の均質な加熱を可能にする。
【0058】
加熱デバイス12は、豆に焙煎プロファイルを適用するように動作可能であり、この焙煎プロファイルは、時間に対する温度の曲線として定義される。
【0059】
あるモードでは、ファン122の速度を固定することができ、ヒータ123は、特に、温度センサ231によって測定された温度に基づいて、焙煎プロファイルを豆に適用するように動作可能である。ヒータは、それに供給される電力を変更することによって動作可能である。
【0060】
別のモードでは、ヒータ123によって印加される電力を固定することができ、ファンのモータ121は、特に、温度センサ231によって測定された温度に基づいて、焙煎プロファイルを豆に適用するように動作可能である。モータは、それに供給される電力を変更することによって動作可能である。
【0061】
最後のモードでは、空気流駆動器122及びヒータ123の両方が、焙煎プロファイルを豆に適用するように動作可能であり得る。
【0062】
焙煎装置の制御システム
ここで
図1及び
図2を参照して制御システム180について考察する。制御システム180は、焙煎ユニットの構成要素を制御してコーヒー豆を焙煎するように動作可能である。制御システム180は、典型的には、焙煎装置の第2レベルにおいて、ユーザインターフェース20と、処理ユニット18と、少なくとも1つのセンサ23と、電源21と、メモリ19と、任意選択の遠隔接続用の通信インターフェース24とを備える。
【0063】
ユーザインターフェース20は、ユーザインターフェース信号によってユーザが処理ユニット1とインターフェースすることを可能にするハードウェアを含む。より具体的には、ユーザインターフェースは、ユーザからコマンドを受信し、ユーザインターフェース信号は、このコマンドを入力として処理ユニット18に転送する。コマンドは、例えば、容器内に導入された豆の性質に関する情報(例えば、起源、供給業者の参照)、並びに、焙煎プロセスを実行する(プロセスを開始する)、及び/又は焙煎装置1の動作パラメータ(最終焙煎の所望のレベル、焙煎する豆の量)を調整する、及び/又は焙煎装置1の電源をオン若しくはオフにする命令であってもよい。処理ユニット18はまた、焙煎プロセスの一部としてユーザインターフェース20にフィードバックを出力して、例えば、焙煎プロセスが開始されたこと、若しくはプロセスに関連付けられたパラメータが選択されたことを示してもよい、又はプロセス中のパラメータの漸進的変化を示してもよい、又はアラームを生成してもよい。
【0064】
ユーザインターフェースのハードウェアは、任意の好適なデバイス(複数可)を含んでもよく、例えば、ハードウェアは、ジョイスティックボタン、ノブ若しくは押しボタン、ジョイスティック、LED、グラフィック、又は文字LDC、タッチ感知及び/若しくはスクリーンエッジボタンを有するグラフィックスクリーンのうちの1つ以上を含む。ユーザインターフェース20は、1つのユニットとして又は複数の離散的なユニットとして形成できる。
【0065】
ユーザインターフェースの一部はまた、後述するように、装置に通信インターフェース24が設けられる場合、モバイルアプリ上にあってもよい。
【0066】
少なくとも1つのセンサ23は、焙煎プロセス及び/又は焙煎装置の状態を監視するために、処理ユニット18に入力信号を提供するように動作可能である。入力信号は、アナログ信号又はデジタル信号とすることができる。センサ23は、典型的には、少なくとも1つの温度センサ231を備え、任意選択で、容器1に関連付けられた豆レベルセンサ、並びに容器11及び/又はチャフ収集器16に関連付けられた位置センサのうちの1つ以上、を備える。
【0067】
処理ユニット180は、例えば、豆のパッケージ上のコードを読み取るシステムと関連付けられたコードリーダー3を備え得る。
【0068】
処理ユニット180は、入力130として、焙煎レシピが適用されている間の加熱デバイス12による電力消費を表す1つの電気的パラメータを含む。この電気的パラメータは、ヒータに印加されて加熱プロファイルを豆に適用する電流、及び/又は空気流駆動器のモータ121に印加される電流であり得る。
【0069】
処理ユニットは、焙煎装置1がサーバシステム及び/又はモバイルデバイスなどの別のデバイス及び/又はシステムとデータ通信するための通信インターフェース24を備え得る。通信インターフェース24は、焙煎プロセス情報、豆の性質、豆の量などのコーヒー豆焙煎プロセスに関する情報を供給及び/又は受信するために使用することができる。通信インターフェース24は、複数のデバイスとの同時データ通信又は別々の媒体を介する通信のために、第1及び第2の通信インターフェースを備えてもよい。
【0070】
通信インターフェース24は、ケーブルメディア又はワイヤレスメディア又はそれらの組み合わせのために構成することができ、これらは、例えば、RS-232、USB、I2C、IEEE802.3で定義されたイーサネット(登録商標)などの有線接続、無線LAN(例えば、IEEE802.11)若しくは近距離通信(NFC)などの無線接続、又はGPRS若しくはGSM(登録商標)などのセルラシステムである。通信インターフェース24は、通信インターフェース信号によって処理ユニット18とインターフェースする。一般的に、通信インターフェースは、通信ハードウェア(例えば、アンテナ)をマスタ処理ユニット18とインターフェースするように制御するための別個の処理ユニット(その例を上記に提示した)を備える。しかしながら、処理ユニット18との直接シリアル通信のための単純な有線接続のような、あまり複雑でない構成を使用することができる。
【0071】
処理ユニット18は、通常は、メモリと、典型的にはマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラなどの集積回路として構成された入出力システム構成要素とを備える。処理ユニット18は、例えば、ASICなどの他の適切な集積回路、PAL、CPLD、FPGA、PSoCなどのプログラマブルロジックデバイス、システムオンチップ(SoC)、コントローラなどのアナログ集積回路を備えてもよい。そのような装置に関しては、適切である場合、前述のプログラムコードは、プログラム論理として、又はプログラム論理を更に含むものとして見なすことができる。また、処理ユニット18は、上記集積回路のうちの1つ以上を備えてもよい。後者の例では、いくつかの集積回路がモジュール式に互いに通信するように配置されており、例えば、ユーザインターフェース20を制御するためのスレーブ集積回路が、焙煎ユニット10を制御するためのマスタ集積回路と通信する。
【0072】
処理ユニット18は、一般的に、プログラムコードとしての命令及び任意選択的にデータを記憶するためのメモリユニット19を備える。この目的のために、メモリユニットは、通常、例えば、命令としてのプログラムコード及び動作パラメータ保存のためのEPROM、EEPROM、又はFlashと、一時的データ保存のための揮発性メモリ(RAM)とを備える。メモリユニットは、別個の及び/又は(例えば、半導体のダイ上に)集積されたメモリを備えることができる。プログラマブルロジックデバイスのために、命令をプログラムされた論理として記憶することができる。
【0073】
メモリユニット19に記憶された命令は、コーヒー豆焙煎プログラムを含むように理想的に表現することができる。コーヒー豆焙煎プログラムは、ユーザインターフェース20からのコマンド、及び/又は温度センサ231、豆のレベル又は量のセンサ、コードリーダー3のようなセンサ23の信号、などの入力に応答して、処理ユニット18によって実行され得る。コーヒー豆焙煎プログラムの実行により、処理ユニット18が以下の構成要素、すなわちヒータ123及び空気流駆動器122を制御する。
【0074】
処理ユニット18は、
入力、すなわち、ユーザインターフェース20からのコマンド、及び/又はセンサの信号(例えば、容器1に関連付けられた温度センサ231、豆レベルセンサ)、及び/又はコードリーダー3を受信し、
メモリユニット19に記憶された及び/又は通信インターフェース24などの外部ソースから入力されたプログラムコード(又はプログラムされた論理)に従って入力を処理し、
焙煎プロセスである出力を提供する、ように動作可能である。より具体的には、出力は、少なくともヒータ123、空気流駆動器122の動作を含む。
【0075】
ヒータ123及び/又は空気流駆動器122である加熱デバイス12の動作は、通常、温度センサ231からの入力信号を、コーヒー豆に温度対時間プロファイルを適用するためのフィードバックとして使用する閉ループ制御である。
【0076】
焙煎プログラムの一部は、豆に適用される温度対時間プロファイルを含む焙煎レシピに基づく。コーヒー豆焙煎プログラムは、部分的に事前に焙煎された豆を焙煎するように構成されている。
【0077】
図3は、装置1内でコーヒー生豆(曲線A
生豆)、及び同じ起源の部分的に事前に焙煎された豆(曲線A
事前に焙煎された)を焙煎するための加熱プロファイル(温度対時間)を示す。t
1.クラック開始は、第1のクラックの開始に対応する時間であり、t
1.クラック終了は、第1のクラックの終了に対応する時間であり、t
2.クラック開始は、第2のクラックの開始に対応する時間である。
【0078】
曲線A事前に焙煎されたに示すように、豆が部分的に事前に焙煎されている場合、加熱プロファイルは時間が短く、曲線A生豆の第1の部分は適用されないが、加熱プロファイルはt1.クラック終了の前に始まる。したがって、焙煎装置1では、制御システムは、曲線A事前に焙煎されたの加熱プロファイルによって示されるような、部分的に事前に焙煎された豆の焙煎専用の焙煎レシピ又は焙煎プログラムを適用するように構成されている。
【0079】
電源21は、制御される構成要素及び処理ユニット18に電気エネルギーを供給するように動作可能である。電源21は、バッテリー又は主電源を受電し調節するためのユニットなどの様々な手段を備えてもよい。電源21は、焙煎装置1の電源をオン又はオフにするためにユーザインターフェース20の一部に動作可能に連結されてもよい。
【0080】
メモリユニット19に記憶された命令の別の部分に基づいて、処理ユニット18は、
好ましくは、焙煎レシピが適用されている間の加熱デバイス12による電力消費を表す少なくとも1つの電気的パラメータ130を測定することにより、時間の関数としての加熱デバイスの電力消費の第1の減少を検出し、
設定基準時間t1を経過しても電力消費の減少が起こらない場合、電気加熱デバイス12を停止させる、ように動作可能である。
【0081】
焙煎操作中、加熱デバイス12に印加される電流の入力130、又は加熱デバイスによる電力消費を表す任意の他の電気的パラメータを、処理ユニット18によって監視することができる。
【0082】
焙煎レシピが適用されている間の加熱デバイス12の少なくとも1つの電気的パラメータの測定値に基づいて、処理ユニット18は、加熱デバイス12による電力消費を計算するように構成され、時間の関数としてのこの電力消費の減少を検出できる。
【0083】
加熱デバイスの電力消費のフォローアップに基づいて、設定基準時間t1を経過しても電力消費の減少が起こらない場合、処理ユニット18は、電気加熱デバイスを停止させるように構成されている。
【0084】
実際には、プロセスの開始後の比較的短い時間に電力消費の減少が起こらない場合、これは、部分的に事前に焙煎された豆が装置内に導入されておらず、容器11が、生豆又は完全に焙煎された豆のいずれかを保持している、又は更には豆を全く保持していないことを意味する。
【0085】
図3の曲線に示すように、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆と、同じ起源の生豆とに、同じ加熱プロファイルを適用しているが(すなわち、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆を前述の生豆から得ている)、生豆の第1のクラックは、部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆の第1のクラックよりも後に生じている。
【0086】
図4は、
生豆(点線の曲線B
生豆)、及び、
生豆と同じ起源から得られた部分的に事前に焙煎されたコーヒー豆(曲線B
事前に焙煎)
を、
図3の曲線A
事前に焙煎されたの加熱プロファイル(温度対時間)に従って加熱している間の加熱デバイス12の電力消費Qを概略的に示す。
【0087】
どちらの場合も、この曲線の概略的プロファイルは、全体的に正の傾きを有する直線である。しかし、どちらの場合も、傾きは短い時間減少した後、再び増加する。この減少は第1のクラックが起こる時間に相当する。すなわち、発熱反応の発生に起因し、電気加熱デバイスからの熱は、より少なくて済み、電気消費は減少する。
【0088】
部分的に事前に焙煎された豆の第1のクラックに対応する電力消費の減少は時間t事前に焙煎されたにおいて起こり、これは、生豆の第1のクラックに対応する電力消費の減少に対応する時間t生豆よりも早い。
【0089】
t事前に焙煎されたより大きいがt生豆より小さい基準時間t1を設定することにより、部分的に事前に焙煎された豆を、生豆及び完全に焙煎された豆から区別することが可能である。一般に、基準時間t1は、5分に設定できる。実際、焙煎されると、大部分の生豆は少なくとも5分後に第1のクラックを呈する。
【0090】
部分的に焙煎された豆の代わりに、第2のクラックの後に至るまで完全に焙煎された豆が容器内に導入された場合、消費電力の減少の増加は全く検出されないであろう。
【0091】
豆が、第1のクラックの終了と第2のクラックの始まりとの間の時点まで焙煎されている場合、消費電力の減少は即時であり、t事前に焙煎されたの前に検出されるであろう。したがって、t事前に焙煎されたよりも小さい基準時間t0を設定することにより、これらの豆を、部分的に事前に焙煎された豆から区別できる。一般に(しかし、部分的に事前に焙煎された豆のタイプに依存し得るが)、基準時間t0は3分に設定される。
【0092】
最後に、識別された豆のタイプに応じて、制御システムは、加熱デバイス12を継続又は停止するように構成されている。
【0093】
豆が、部分的に事前に焙煎された豆として識別された場合、焙煎レシピに従って加熱を遂行できる。
【0094】
豆が、生豆又は完全に焙煎された豆として識別された場合、加熱は停止され、警告が、例えばユーザインターフェース20を介してユーザに送られる。
【0095】
その結果、より高度なモードでは、ユーザによって容器内に豆が導入され、そのタイプに関する情報が、ユーザによって処理ユニットに提供され得る(手動で又はコードによって自動的に)。それでも、モードに関わらず、豆は容器内に手動で導入されるので、部分的に事前に焙煎された豆をユーザが容器内に導入せず、特に、前回の操作からの完全に焙煎された豆を除去することを忘れる、又は容器内に生豆を導入するというリスクがある。
【0096】
本発明の装置は、複雑で高価なデバイスを実装することなく、ユーザの不注意に起因する火災のいかなるリスクをも回避する利点を有する。
【0097】
温度センサの測定値に基づいて電気加熱デバイスを制御することにより、温度対時間プロファイルを含む、焙煎レシピを適用するステップにおいて、焙煎レシピは、デフォルトで、部分的に事前に焙煎された豆を焙煎するためのレシピであってもよい、又は任意選択の識別ステップにおいて識別され、これらの識別された豆の専用の焙煎レシピを取得する任意選択のステップに由来する、部分的に事前に焙煎された豆に専用のレシピであってもよい。
【0098】
この専用の焙煎レシピは、焙煎装置のメモリユニット19から取得できる、又は通信インターフェース24を介してサーバからダウンロードできる、又は任意選択のコード読み取りステップの間にコードリーダーによって読み取ることができる。レシピは、豆の識別に関する情報の一部である。
【0099】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0100】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0101】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は包括的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【符号の説明】
【0102】
1 ロースター
10 焙煎ユニット
11 容器
112 ハンドル
12 加熱デバイス
121 モータ
122 空気流駆動器
123 ヒータ
14 穿孔板
15 ハウジング
151 基部
152 本体
153 空気入口
154 足部
16 チャフ収集器
17 カバー
18 処理ユニット
180 制御システム
19 メモリ
20 ユーザインターフェース
21 電源
23 センサ
231 温度センサ
24 通信インターフェース
3 コードリーダー