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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ハンドリング装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/32 20060101AFI20240123BHJP
   B29C 31/00 20060101ALI20240123BHJP
   B29C 37/02 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
B29C43/32
B29C31/00
B29C37/02
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2021545888
(86)(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 IB2020050983
(87)【国際公開番号】W WO2020161676
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】102019000001871
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】507015435
【氏名又は名称】サクミ コオペラティヴァ メッカニチ イモラ ソシエタ コオペラティヴァ
【住所又は居所原語表記】Via Selice Provinciale,17/A,I-40026 IMOLA(Bologna),Italy
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】アルボネッティ,ダニーロ
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0167334(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0009992(US,A1)
【文献】特開平02-158319(JP,A)
【文献】実開昭63-056606(JP,U)
【文献】特開昭48-072216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/00-43/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体群(O1、O2、O3、など)を、前記物体群(O1、O2、O3、など)に処理動作を実行するように構成された処理ステーション(2;102;202)のターンテーブル(43;143;208)から、前記処理ステーション(2)の下流側に配置された前記物体群(O1、O2、O3、など)を検査するための検査ステーション(3;103;203)までハンドリングするためのハンドリング装置であって、
前記物体群(O1、O2、O3、など)の各物体(4)には、軸(X)に沿って延びる開放空洞(6)がその中に画定される本体(5)が備えられ、
前記ハンドリング装置(1;101;201)は、前記物体群(O1、O2、O3、など)を主方向(D)に沿って搬送するための搬送アセンブリ(15;115;215)を含み、
前記搬送アセンブリ(15;115;215)は、移動可能なループ閉鎖型の搬送部材(16;116;216)、および前記物体群(O1、O2、O3、など)の物体(4)を、前記軸(X)をそれ自体および前記ハンドリング装置(1)が使用時に載っている支持面Pに対して平行に保ちつつ、前記主方向(D)に沿って所定の相互距離で次々に一列に保持して前進させるように適合された保持手段(20;120;220)を含み、
前記ハンドリング装置(1;101;201)は、前記処理動作の後で、前記物体群(O1、O2、O3、など)に、前記物体群の形状欠陥を低減するために仕上げ動作が実行される仕上げユニット(29;129;229)をさらに含み、
前記仕上げユニット(29;129;229)は、前記搬送部材(16;116;216)によって横切られ、
前記仕上げユニット(29;129;229)は、前記物体群(O1、O2、O3、など)を熱処理し、前記物体群に熱を提供するための熱処理ユニットを含む、
ハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項2】
保持手段(20;220)が、前記搬送部材(16;216)に前記ループに沿って互いに所定の距離を置いて取り付けられた複数のハンドリング要素(21;221)を含み、
前記複数のハンドリング要素の各ハンドリング要素(21;221)は、単一の物体(4)と相互作用するように設計され、前記開放空洞(6)で受容されるように構成された突出部(25)、または前記本体(5)の側壁(42)を前記開放空洞(6)の外側で少なくとも部分的に取り囲むように構成された中空ハウジング(246)を含む、
請求項1に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項3】
前記突出部(25)が、平面であって前記開放空洞(6)の底壁(40)に前記開放空洞(6)の内部で向き合うように配置された前面(25a)を含む、
または
前記中空ハウジング(246)が、平面であって前記開放空洞(6)の底壁(40)に前記開放空洞(6)の外部で向き合うように配置された前面(225a)を含む、
請求項2に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項4】
前記突出部(25)が、前記突出部(25)を横方向に区切り、前記開放空洞(6)の側壁と前記開放空洞(6)の内部で相互作用して前記物体(4)を前記主方向(D)に沿って押すように配置された接触面(25b)を含む、
または
前記中空ハウジング(246)が、前記中空ハウジング(246)の中空を横方向に区切り、前記開放空洞(6)の側壁と前記開放空洞(6)の外部で相互作用して前記物体(4)を前記主方向(D)に沿って押すように配置された接触面(225b)を含む、
請求項2-3のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項5】
前記突出部(25)が、前記搬送部材(16)から上がる幹状部(24)と接続され、そこから突き出る、
請求項2-4のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項6】
前記搬送部材(16)が、モータで駆動され得るチェーン(17)を含み、
前記幹状部(24)が、前記突出部(25)に向かってテーパしており、前記チェーン(17)に取り付けられた固定プレート(22)に接続したプレート(24a)を含む、
請求項5に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項7】
前記ハンドリング要素(21)が交互に前記チェーン(17)のチェーンリンクに取り付けられ、連続した2つのハンドリング要素は前記チェーン(17)の内側リンクと外側リンクにそれぞれ取り付けられる、
請求項6に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項8】
前記中空ハウジング(246)が、前記搬送部材(216)に接続され、前記ループの外側で前記搬送部材(216)から突出した中空体を含み、
前記搬送部材(216)は、それぞれの中空ハウジング(246)内に提供された対応する開口部(246a)と流体連通する複数の吸引孔(217b)を備えたベルト(217)を含み、前記保持手段(220)が、それぞれの中空ハウジング(246)内に前記物体(4)を減圧により保持するための前記吸引孔(217b)に接続した吸引手段をさらに含む、
請求項2-4のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項9】
前記搬送アセンブリ(15;115;215)によって前記物体群が搬送されるとき、それぞれの軸(X)に沿った前記物体群の変位を制限するように配置されたエッジ(27)が前記搬送アセンブリ(15;115;215)に備えられた、
請求項1-8のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項10】
前記搬送アセンブリ(15;115;215)に、前記物体(4)の搬送時に、前記物体(4)の一部(7)を前記開放空洞(6)の外部で支持するように配置され、前記本体(5)の周縁部から出ている補助エッジ(28)が備えられた、
請求項1-9のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項11】
前記搬送部材(116)が、空気が透過できるように複数の孔(117b)が備えられたベルト(17)を含み、
前記保持手段(120)が、前記複数の孔(117b)に接続し、前記ベルト(117)が前記本体(5)の接着面を画定するように、減圧によって前記物体群を前記ベルト(117)上に保持するように配置された吸引手段を含む、
請求項1に記載のハンドリング装置(101)。
【請求項12】
前記搬送アセンブリ(215)が、前記物体群を前記処理ステーション(202)から受け取るための回転可能な移送ディスク(243)を前記仕上げユニット(229)の上流側にさらに含む、
請求項1-11のいずれか1つに記載のハンドリング装置(201)。
【請求項13】
前記搬送部材(216)が、前記回転可能な移送ディスク(243)の周りに少なくとも部分的に巻かれる、
請求項12に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項14】
前記搬送部材(16;116;216)が、前記仕上げユニット(29;129;229)に沿って、前記ハンドリング装置(1;101;201)の出力ゾーン(U)まで延び、
前記出力ゾーン(U)は、前記検査ステーション(3;103)に提供され、前記検査ステーション(3;103)に前記搬送部材(16;116)から来る仕上がった前記物体群(O1、O2、O3、など)を供給するコンベヤベルト(10)と接続可能である、
請求項1-13のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項15】
前記検査ステーション(203)が、前記ハンドリング装置(201)に含まれ、
前記検査ステーション(203)は、前記搬送部材(216)によって横切られて供給を受ける、
請求項1-13のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項16】
前記物体(4)がそこから出てきて前記搬送アセンブリ(15;115;215)に到達する前記処理ステーション(2;102;202)の前記ターンテーブル(43;143;208)の着座(9;109;209)の到着と協調して前記保持手段(20;120;220)が物体を一度に1つ受けるようにモータで駆動可能であり、前記搬送部材(16;116;216)の速度を制御するための制御手段をさらに含み、
前記ターンテーブル(43;143;208)は、物体(4)をそれぞれが収納するために角度的に互いに離間した複数の着座(9;109;209)を有する、
請求項1-15のいずれか1つに記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項17】
前記搬送部材(16;116;216)を冷却するためであって、前記熱処理ユニットが面するさらなる梁(N)とは異なる前記搬送部材の梁(M)に沿って配置された冷却装置(37;137;237)をさらに含む、
請求項1に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項18】
前記物体群(O1、O2、O3、など)が、リングプルキャップ(4)を含み、
各リングプルキャップは、プラスチック製のプルリング(7)を有し、
前記処理ステーション(2;102;202)は、前記プルリング(7)を圧縮成形するための圧縮成形ステーションを含み、
前記熱処理ユニットは、前記圧縮成形の後、前記プルリング(7)に存在するバリが崩壊するように前記プルリング(7)を加熱するための加熱要素(31)を少なくとも含む、
請求項1または17に記載のハンドリング装置(1;101;201)。
【請求項19】
物体群(O1、O2、O3、など)を、前記物体群(O1、O2、O3、など)に処理動作を実行するように構成された処理ステーション(2;102;202)のターンテーブル(43;143;208)の下流側で、かつ前記物体群(O1、O2、O3、など)の検査ステップ(3;103;203)の上流側でハンドリングするためのハンドリング方法であって、
前記物体群(O1、O2、O3、など)の各物体(4)には、軸(X)に沿って延びる開放空洞(6)がその中に画定される本体(5)が備えられ、
前記ハンドリング方法は、前記物体群(O1、O2、O3、など)を主方向(D)に沿って搬送するステップを含み、
前記搬送するステップ(15)は、前記物体群を前記ターンテーブル(43;143;208)から受けるステップと、
前記物体群(O1、O2、O3、など)の物体(4)を移動可能なループ閉鎖型の搬送部材(16;116;216)上に一度に1つ保持するステップと、
前記物体群(O1、O2、O3、など)の1つの物体(4)を前記主方向(D)に沿って所定の相互距離で次々に一列に前進させるために、前記の搬送部材(16;116;216)を駆動するステップと、
前記軸(X)を水平に、かつそれ自身に平行に保つステップと、
前記物体群の前記処理動作の後の形状欠陥を低減するための仕上げ動作を前記物体群(O1、O2、O3、など)に実行するステップと、を含み、
前記仕上げ動作は、一列での前記前進の間に起こる、
ハンドリング方法。
【請求項20】
一列での前記前進は、前記物体群を受けるステップが、前記物体が来る前記ターンテーブル(43;143;208)の着座(9;109;209)の到着と位相協調して起こるように前記搬送部材(16;116;216)の速度を制御するステップを含み、
前記ターンテーブル(43;143;208)は、物体(4)をそれぞれが収納するために角度的に互いに離間した複数の着座(9;109;209)を有する、
請求項19に記載のハンドリング方法。
【請求項21】
前記保持するステップは、突出部(25)を前記開放空洞(6)に挿入するステップ、または前記本体(5)を中空ハウジング(246)で取り囲むステップを含む、
請求項19または20に記載のハンドリング方法。
【請求項22】
前記保持するステップは、前記搬送部材(16;116;216)を介した減圧の手段によって保持することを含む、
請求項19-21のいずれか1つに記載のハンドリング方法。
【請求項23】
前記物体群(O1、O2、O3、など)は、リングプルキャップ(4)を含み、
各リングプルキャップは、プラスチック製のプルリング(7)を有し、
前記処理は、前記プルリング(7)を圧縮成形によって成型するステップであり、
前記仕上げ動作は、前記圧縮成形後に前記プルリング(7)を加熱して前記プルリング(7)に存在するバリを崩壊させるステップを含む、
請求項19-22のいずれか1つに記載のハンドリング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体群を処理するための処理ステーションに接続可能なハンドリング装置と、処理ステーションからその検査ステーションに物体群をハンドリングするための方法に関するものである。
【0002】
本発明は、容器のクロージャ、例えば、ボトルのキャップやカプセル、容器の蓋などをクロージャの製造ラインで搬送する際に適用することができる。
【0003】
特に、容器クロージャは「リングプルキャップ」として知られて市販されているタイプの、すなわちプルリングを備えたキャップであってもよい。前述のキャップは、実質的に金属合金またはアルミニウムまたはプラスチック材料で作られた本体を有してもよく、本体内部にプラスチック材料で作られたシールを備えてもよく、本体の一部に接続されたプラスチックまたは金属材料で作られたリングを備えてもよい。このリングをユーザが引っ張ることで、専用の工具を使わずに簡単にボトルからキャップを取り外すことができる。
【背景技術】
【0004】
検査ステーションの上流に配置されたコンベヤ要素によって処理ステーションに接続することができるハンドリング装置が知られている。処理ステーションは、特に、リングプルキャップのプラスチック製プルリングを形成するための成形ターンテーブルを含んでおり、キャップの本体を受けるのに適しており、プラスチック製プルリングを形成して本体に接続するための手段を備えている。成形ターンテーブルの下流には、処理ステーションからキャップを排出するための搬送ターンテーブルが設けられている。
【0005】
検査ステーションには、高解像度のリニアスキャンカメラが設置されており、一度に1つの物体を分析することで、色のばらつきや色違い、キズ、不適合な形状などの欠陥を識別することができる。
【0006】
コンベヤ要素は、物体群を搬送するための搬送ターンテーブルと検査ステーションとの間に配置されたチャネルまたはダクトを含み、すなわち、一端は成形ターンテーブルからキャップをピックアップする搬送ターンテーブルに接続され、他端は検査ステーションに供給するサプライベルトに接続されており、サプライベルトはチャネルからのキャップを検査ステーションに供給する。搬送ターンテーブルは、各物体を所定の速度でチャネルに挿入する。チャネル内では、キャップは相互に接触しながら一列に並んで進み、特に1つが他の1つを検査ステーションに向けて押し出す。この先行技術のコンベヤラインには、いくつかの制限と欠点がある。
【0007】
第一に、チャネル内の物体群の前進速度は制御できず、これは、各物体は先行する物体の推力によって前進するからである。また、チャネル内の物体群が相互に接触することで、例えば、キャップが局所的に変形したり、楕円形になったりするなど、物体群自身にもダメージを与える可能性がある。
【0008】
第二に、検査ステーションに向かうチャネル内の物体群の前進は、検査ステーションの供給ベルトの速度と一致しない可能性があり、したがって、1つの物体をピックアップすること、例えば1つのキャップをピックアップすることは、物体間が過度に接近していることにより、特に繊細で困難な操作となる。
【0009】
実際に、非常に近い一対のキャップが誤ってチャネルから供給ベルトに移され、検査カメラに到達することがあり、検査カメラは、前述の一対をあたかも「単一の物体」であるかのように分析し、これにより、一対のキャップはサイズに不良がある「単一の物体」として識別される。つまり、一対のキャップが欠陥品として廃棄されることになる。
【0010】
そのため、カメラによる物体群の誤読のリスクを制限して、欠陥のない物体群が合格とみなされずに廃棄されることを抑制する必要がある。
【0011】
プラスチック製のプルリングを持つリングプルキャップを製造する際、成形ターンテーブルから出てくる圧縮成形されたプルリングには、成形中に金型の間に存在するオリフィスに到達した溶融プラスチックによって形成された薄いバリが含まれていることが珍しくない。前述のバリが一旦固化すると、薄いため、鋭く、プルリングを握ったユーザに怪我をさせたり、美観上の問題だけでなく、触ったときに不快感を与えたりすることがある。
【0012】
この欠陥の発生頻度は、成形型の摩耗により、成形型に存在するオリフィスが広がることで、時間とともに増加する。検査ステーションに到達したこれらの物体群は、形状欠陥のために廃棄されるため、成形ターンテーブルの使用時間が長くなるにつれて、廃棄される物体の数が増加する。
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、物体群を検査ステーションにハンドリングするために、物体の処理ステーションに接続可能な既知のハンドリング装置を改良することである。
【0014】
もう1つの目的は、前述の先行技術の限界と欠点の1つまたは複数を解決し、不良であると誤認識され、その結果廃棄される物体の数を減らすことである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、ハンドリング装置内で物体群が前進する速度を制御することである。
【0016】
さらなる目的は、処理ステーションから出て、既知のタイプの検査ステーションに入る物体群の速度を制御できるようにすることである。
【0017】
さらなる目的は、比較的簡単で、既存の処理ステーションに大幅な変更を加える必要のない、処理ステーションと検査ステーションの間の接続を得ることである。
【0018】
本発明によれば、添付の請求項で定義されているように、物体群をハンドリングするためのハンドリング装置および方法が提供される。
【0019】
本発明の効果によれば、物体群を互いに所定の距離を置いて一列に並べてハンドリングすることが可能となる。これにより、搬送された物体群が損傷するリスクを低減することができ、物体群の検査ステーションに処理ステーションをまっすぐ接続することがより容易になる。
【0020】
本発明の効果によれば、特に保持手段の効果で、搬送ターンテーブルの着座(seat)の到着と協調してまたは同調して、搬送ターンテーブルから物体をピックアップし、検査ステーションの供給手段の出発と協調してまたは同調して、前述の物体をリリースすることも可能である。これにより、検査ステーションで誤って廃棄される物体の数を減らすことができる。
【0021】
本発明の効果によれば、フィードバック制御の手段により、物体に欠陥を生じさせた原因に遡って追跡することも可能であり、例として、分析された物体に形状の欠陥を生じさせ、検査ステーションで廃棄される結果を起こした処理ステーションの着座の欠陥まで遡って追跡することも可能である。
【0022】
さらに、一列に並んだ物体群を所定の相互距離、特に一定の距離に保つ搬送部材が横切る仕上げユニットを設けることで、物体群が成形によって形成されたプラスチック部品を含む場合に、例えば成形バリなどの形状欠陥を有する物体の数を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明は、例示的かつ非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照することで、よりよく理解し、実施することができる。
【0024】
図1図1は、搬送ターンテーブルを含む処理ステーションと検査ステーションとを接続するハンドリング装置の斜視図である。
図2図2は、図1のハンドリング装置の拡大図であり、ハンドリング装置は保護ガード無しで示されている。
図3図3は、図1のハンドリング装置によって搬送され得るリングプルキャップの斜視図である。
図4図4は、図1のハンドリング装置の搬入エリアの斜視図である。
図5図5は、図4の詳細の拡大図であり、ハンドリング装置に提供される、物体群を処理ステーションの搬送ターンテーブルからピックアップし、それらを検査ステーションでリリースするための、ピックアップ/リリース要素を示す。
図6図6は、図4の詳細の拡大図であり、ハンドリング装置に提供される、物体群を処理ステーションの搬送ターンテーブルからピックアップし、それらを検査ステーションでリリースするための、ピックアップ/リリース要素を示す。
図7図7は、図5および6の、1つのピックアップ/リリース要素をハンドリング装置から独立させて示す。
図8図8は、図1のハンドリング装置の一部拡大図であり、ハンドリング装置が検査ステーションの供給手段に到達するエリアを見せるためにいくつかの部品が省略されている。
図9図9は、図2の詳細の拡大図であり、不良削減デバイスを示す。
図10図10は、ハンドリング装置の第2の実施形態の模式的平面図である。
図11図11は、ハンドリング装置の第3の実施形態の模式的平面図である。
図12図12は、ハンドリング装置の第3の実施形態の模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1を参照すると、物体群の製造ラインで物体群O1、O2、O3などを取り扱うためのハンドリング装置の第1の実施形態が1で示されている。
【0026】
物体群O1、O2、O3などは、容器のためのクロージャ要素、例えば、キャップ、ボトルのカプセル、容器の蓋などであり、すなわち、軸に沿って延びる開放空洞を有する本体とともに提供された物体群である。
【0027】
特に、クロージャ要素は、図3に示すような「リングプルキャップ」タイプのキャップ、すなわちリングプルキャップ4を含む。リングプルキャップ4は、例えば金属合金またはアルミニウム製の本体5を有し、この本体5には、軸Xに沿って延びる開放空洞6が画定されている。開放空洞6は、側壁42で区切られている。本体5に既知の方法で接続されているのは、例えばポリマ材料で作られたリング7であり、このリング7は、使用者が掴んで引っ張ることができ、その結果、工具を使用せずに、キャップが適用されたボトルからキャップを簡単に取り外すことができる。リング7は、開放空洞6の外部にあるキャップの部分であり、本体5の周縁部、すなわち側壁42から出ており、既知の方法で側壁42に接続されている。
【0028】
開放空洞6内の底壁40上に一般に存在するのは、ポリマ材料で作られたガスケット41であり、このガスケットは、本体5とボトルの口との間のシールとして機能する。
【0029】
物体群O1、O2、O3などを製造するラインにおいて、ハンドリング装置1は、物体群O1、O2、O3などに対して処理動作を行うように配置された処理ステーション2の下流側に接続されてもよい。
【0030】
処理ステーション2は、単純化のために図示されていないが、図1に太い線で概略的に示されているだけの成形ターンテーブル8、特に圧縮成形ターンテーブルを含んでもよく、物体群O1、O2、O3などの少なくとも一部分、例えばプラスチック部分を形成してもよい。物体群O1、O2、O3がリングプルキャップ4である実施形態では、成形ターンテーブル8は、既にキャップの形状である本体5に直接リング7を形成する。リング7が形成されたキャップは、成形ターンテーブル8の下流に配置された搬送ターンテーブル43によって、処理ステーション2から出る。
【0031】
以下では、記載された解決策は、いずれの場合も上で定義された物体群O1、O2、O3など、またはリングプルキャップ4に適用可能であるため、物体群O1、O2、O3など、またはリングプルキャップ4に特定することなく言及される。
【0032】
搬送ターンテーブル43は、図示しないモータによって、使用時にハンドリング装置1が載る支持面Pに垂直な回転軸を中心に回転可能な円盤を含み、この円盤には、搬送ターンテーブル43の周面に配置された放射状の凹部の形をした複数の着座9が設けられている。各着座9は、本体5を受け入れるように配置されている。搬送ターンテーブル43には、搬送ターンテーブル43の一部を取り囲む、図示しない例えばアーチ状の収納ガイドが設けられており、搬送中に物体群が落下する危険性を制限することができる。
【0033】
処理ステーション2の下流側に設けられ、ハンドリング装置2に接続されているのは、その物体群O1、O2、O3などを検査して、それぞれに存在する欠陥を検出するための検査ステーション3である。
【0034】
検査ステーション3は、既知のタイプの検査装置12を含み、物体群に存在する欠陥、例えば、色のばらつきや色違い、サイズの欠陥、キズの存在などを識別することができる。
【0035】
検査ステーション3は、検査装置12への供給、すなわち検査ステーション3内の物体群O1、O2、O3などを搬送するのに適した供給コンベヤベルト10も含んでいる。
【0036】
また、以下により詳細に説明されるように、検査ステーションはハンドリング装置の一部であって、ハンドリング装置の搬送部材から直接供給されるようになっていてもよい。
【0037】
図8を参照すると、供給コンベヤベルト10は、支持面Pに対して実質的に垂直な多孔ベルト11を含み、吸引装置(図示せず)に接続されて吸引面を画定し、その吸引面に搬送された物体群O1、O2、O3などが付着する。供給コンベヤベルト10は、物体群を検査ゾーンCに供給し、その中には検査装置12が存在し、リングプルキャップ4に存在する欠陥、例えば、色のばらつきや色違い、サイズの欠陥、バリの存在などを一度に分析する。
【0038】
検査装置12は、例えば、高解像度のリニアスキャンカメラ、照明光源、内部に専用の検査ソフトウェアがインストールされたグラフィックアクセレレータを備えたプロセッサなどを含む。
【0039】
検査装置12が物体群O1、O2、O3などの中から欠陥のある物体を識別した場合には、この物体は、空気の吹き付けによって供給コンベヤベルト10から取り除かれる。実際に、検査装置12の下流側には、供給コンベヤベルト10が、図1に示す1つ以上の排出要素13とともに設けられている。排出要素13は、圧縮空気の供給源と流体連通して配置され、検査ソフトウェアによって欠陥があると判断された供給コンベヤベルト10上に置かれた物体に空気を吹き付けるように駆動される1つ以上のノズルを含み、1つ以上のノズルから噴出する加圧空気は、欠陥のある物体を、供給コンベヤベルト10の側部に配置された排出ダクト14に向かって、多孔ベルト11からそれぞれのノズルに対して正面から押し出す。
【0040】
供給コンベヤベルト10は、搬送ターンテーブル43の速度とは独立した速度で移動可能であり、すなわち、供給コンベヤベルト10は、搬送ターンテーブル43に接続されたモータとは異なる図示しない別のモータによって、搬送ターンテーブル43が回転する速度とは独立した制御された速度で駆動されてもよい。
【0041】
図2および図4を参照すると、ハンドリング装置1は、物体群O1、O2、O3などを主方向Dに沿って搬送するように配置されたコンベヤ15を含む搬送アセンブリを含む。
【0042】
コンベヤ15は、支持面P上に配置された、例えばチェーン17のような可動式のループ閉鎖した伝達(transmission)部材または搬送(conveying)部材16を含み、支持フレームワーク33への取り付けに適している。搬送部材16のループの直線梁が、検査ステーション3に向かう主方向Dを画定する。
【0043】
図示しないモータ、または歯車伝動装置などが、同じく図示しない制御装置によって搬送部材16を制御された速度で駆動する。搬送部材16の速度は、供給コンベヤベルト10の速度や搬送ターンテーブル43の速度とは独立であってもよい。制御ユニットは、速度管理プログラムによって、搬送ターンテーブル43の速度、コンベヤ15の速度、および供給コンベヤベルト10の速度を制御し、協調させることができる。
【0044】
伝達部材16は、コンベヤ15の入力ゾーンIに配置された入力ギヤホイールと、コンベヤ15の出力ゾーン(output zone)Uに配置された出力ギヤホイールとの2つのギヤホイールの周りに巻かれており、それぞれが駆動軸Aと従動軸Bとを含む各軸に取り付けられている。シャフトAおよびBは、支持面Pに垂直なそれぞれの回転軸RAおよびRBを中心に回転することができる。チェーン17の張力を維持するために、2つのシャフトAおよびBの間に介在する搬送部材16の一部分に張力要素17aが作用してもよい。
【0045】
図4および図5を参照して、コンベヤ15は、各物体の開放空洞の軸をそれ自身およびハンドリング装置1が使用時に載っている支持面Pに対して平行に保ちながら、所定の相互距離、特に一定の距離で、主方向Dに沿って物体群O1、O2、O3などの1つの物体を次々に保持して一列に進めるように適合した保持手段20を含む。
【0046】
保持手段20は、本明細書においてピックアップ/リリース要素21とも呼ばれる複数のハンドリング要素21を含み、これらの要素は、搬送部材16によって規定されるループ状の経路に沿って互いに所定の距離を置いて配置されており、特に搬送部材16に取り付けられている。
【0047】
ピックアップ/リリース要素21はそれぞれ、単一の物体、例えば単一のリングプルキャップ4と相互作用するような形状であり、キャップ4の開放空洞6に少なくとも部分的に受容されるように構成された突出部25を含む。
【0048】
図5および図7を参照して、ピックアップ/リリース要素21はそれぞれ、搬送部材16から上向きに、すなわち平面Pに対して実質的に垂直な方向に上がる幹状部24を含む。幹状部24は、例えば角型の固定プレート22によってチェーン17に接続された支持プレート24aを含む。言い換えれば、固定プレート22は、実質的に「L」字型のプロファイルを有していてもよく、すなわち、支持面Pに垂直な第1の部分22aと、第1の部分22aに実質的に直交する第2の部分22bとを有する。固定プレート22の第1の部分22aの上と、それに対応する支持プレート24aの上には、第1の部分22aと支持プレート24aを一緒に固定するための、例えばナット26b(図5)で締め付けられたネジ26aなどの、既知のタイプのネジ式接続を挿入するための少なくとも1つの孔が設けられている。固定プレート22と支持プレート24aの間には、中間プレート23が介在してもよい。
【0049】
支持プレート24aは、二等辺三角形に似た形状の上向きテーパ形状を有していてもよい。支持プレート24aの上端部分からは、突出部25が、幹状部24の長手方向の延伸方向に実質的に直交し支持面Pに平行な軸Wの方向に突出しており、突出部25は、公知のタイプのねじ接続部、例えばねじ26cによって、支持プレート24aに接続されている。突出部25は、物体の本体5の表面、例えば特にリングプルキャップ4の開放空洞6の底壁40に、開放空洞6の内部で向きあうように配置された、実質的に平面の前面25aを含む。前述の前面25aは、設置されたときにハンドリング装置1が載っている支持面Pに対して実質的に垂直である。突出部25がリングプルキャップ4と相互作用するとき、軸Wは開放空洞6の軸Xと実質的に平行である。
【0050】
突出部25は、幹状部24から軸線Wの方向に前面25aに向かって延びる、すなわち突出部25を横方向に区切る、突き当て面(thrust surface)または接触面25bをさらに含む。接触面25bは、リングプルキャップ4を主方向Dに沿って押すために、そこにある開放空洞6の側壁42の内部側面42aと相互作用するように配置されている。接触面25bは、リングプルキャップ4の開放空洞6と内部で接触するための円筒状面である。底壁40と、もしかするとガスケット41の損傷を避けるために、リングプルキャップ4は、突出部25と相互作用する際に、底壁40が前面25aに接触せずに向き合ったままとなるように、前面25aに接触しない。底壁40は、リングプルキャップ4の側壁42の方向Wに沿って支持部および端部停止部として機能する当接ピン26dによって、前面25aから定められた距離に保たれる。当接ピン26dは、突出部25から固定プレート22に向かって、例えば支持プレート24aと平行に突出する。
【0051】
突出部25は、実質的に円形のような形状の基部セグメントを有しており、正面では前面25aによって、横方向では接触面25bによって、上部では実質的に平面であり、主方向Dに平行な上面25dによって囲まれている。前面25aから出ているのはリリース面、すなわち傾斜面25cであり、この傾斜面は、円形セグメントプロファイルに対して前面25aの面積を減少させ、突出部25が底壁40またはガスケット41に接触することなく、リングプルキャップ4がコンベヤ15から排出されることを容易にする。実際に、コンベヤ15の出力ゾーンUでは、各ピックアップ/リリース要素21は、出力ギヤホイールの周りを回転し、したがって、キャップ4によって維持される主方向Dから乖離する。傾斜面25cは、突出部25がリングプルキャップ4と共に動き、当接ピン26dとの接触を維持しつつ、突出部25のエッジが底壁40と相互作用することなく、検査ステーション3の供給コンベヤベルト10に送出することを可能にする。
【0052】
そのため、傾斜面25cは、物体群の主な前進方向Dを考慮して接触面25bのそれよりも後退した突出部25の片側に設けられている。
【0053】
突出部25の形状は、例えばリングプルキャップ4などの物体の開放空洞6に受け入れられるものである。明らかに、突出部25は、リングプルキャップ4とは異なる形状を有する搬送される単一の物体群O1、O2、O3などを受け取るのに適した任意の形状を有してもよい。いずれにしても、ハンドリング装置1は、ハンドリングの間、物体の開放空洞の軸をそれ自身に平行に保ち、支持面Pに実質的に平行に保つ。
【0054】
図5の参照を続けて、幹状部24は、その上に設けられた固定プレート22の第2の部分22bによって伝達部材16に接続されており、この第2の部分22bには、チェーン17のそれぞれのピン18を形状結合で受け入れるように寸法設定された少なくとも1つの開口部、例えば2つの固定開口部22cが設けられている。言い換えれば、チェーン17は、アングルアタッチメント(angle attachments)を備えたローラタイプ18aであり、固定プレート22はアングルアタッチメントである。したがって、チェーン17は、そこに交互に配置される2種類のリンク、すなわち、ピン18が2つの内側プレート19aによって互いに接続される内側リンクと、2つの外側プレート19bが2つの内側リンクを相互に接続する外側リンクとを備えており、内側リンクを通過する同じピン18によって保持され、各内側プレート19aは外側プレート19bによって隣接する内側プレート19aに接続されている。固定プレート22は、外板として、および内板として交互に作用するようにピン18に固定されている。
【0055】
当然、ハンドリング装置1で取り扱う物体の種類や大きさに応じて、チェーンの種類や固定プレート22の間隔は、上で図示・説明したものとは異なっていてもよい。
【0056】
図6を参照して、上述したように、ピックアップ/リリース要素21の突出部25は、物体群O1、O2、O3など、特にリングプルキャップ4の本体5をピックアップし、保持し、リリースするように構成されている。各ピックアップ/リリース要素21が各物体を搬送するのを援助するために、コンベヤ15は、コンベヤ15によって搬送されるときに、それぞれの軸Xに沿った物体の変位を制限するように配置されたエッジ27を含む。エッジ27は、主方向Dに平行に延びており、搬送部材16の直線状の梁Nに設けられた突出部25に対して正面から、物体群O1、O2、O3などがエッジ27に干渉することなく通過できる距離に配置されている。したがって、エッジ27は、本体5のための摺動面を定義し、使用時に代わりに突出部25と接触する本体5の表面とは反対側の本体5の外面と接触するのに適している。
【0057】
コンベヤ15には、物体群O1、O2、O3等の搬送中に、その開放空洞の外部にあって物体群O1、O2、O3等の本体の周縁部から出ている後者の部分を支持するように配置された補助エッジ28が備えられてもよい。エッジ27と同様に、補助エッジ28も、搬送部材16の直線状の梁に沿って主方向Dと平行に延びている。
【0058】
リングプルキャップ4の場合、補助エッジ28は、キャップ4のリング7のための摺動面を画定し、キャップは、その軸Xがハンドリング装置1の支持面Pに平行に保たれた状態で搬送され、したがってそれ自身にも平行に保たれる。
【0059】
エッジ27と補助エッジ28は、コンベヤ15の同じ梁に沿って配置してもよい。
【0060】
図9を参照して、ハンドリング装置1は、物体群の形状欠陥を低減するために、処理ステーション2で実施される処理動作の後に、物体群O1、O2、O3などの仕上げ動作が行われる仕上げユニット29を含む。仕上げユニット29は、物体、特にリングプルキャップ4が、互いに間隔を空けているときに仕上げ動作、ひいては欠陥低減操作を受けるように、搬送部材16によって横切られる。エッジ27および補助エッジ28は、仕上げユニット29の内部の仕上げゾーンに沿って配置してもよく、その上で実施される仕上げ作業の間に物体群の望ましくない変位を制限してもよい。したがって、仕上げユニット29は、1つまたは複数の変位した物体群に存在する欠陥を低減するための処理動作を実行するのに適した欠陥低減装置と考えることができる。
【0061】
仕上げユニット29は、物体群O1、O2、O3などに熱風ジェットを当てることができる、既知のタイプの加熱装置34を含む熱処理ユニットを含んでもよい。加熱装置34は、仕上げゾーンを画定する搬送部材16のゾーンを占めており、少なくとも1つの加熱要素31、例えば2つの加熱要素31を含み、それぞれが加熱フィラメントを含む円筒形チャンバを含み、ジュール効果により、円筒形チャンバ内のフィラメントを囲む空気を加熱する。圧縮空気システムからの空気は、それぞれの入口コネクタ36によって、加熱要素31の円筒形チャンバに導入される。各円筒形チャンバは、仕上げゾーン全体に沿って延びるデフューザ32に開口しており、加熱された空気を仕上げゾーンに分配するための複数の出口孔が設けられている。加熱された空気の流れを、搬送部材16上に存在し、搬送部材16によって変位される物体群O1、O2、O3などに向けるために、ダイバータ(diverter)要素35が、デフューザ32の出口孔に向いている。
【0062】
リングは、熱可塑性ポリマ材料から作られ、例えば圧縮などの成形によって形成されるから、リングプルキャップ4のリング7には、バリが存在する場合がある。これは、溶融プラスチックによって形成されたリング7上のレリーフ状のポリマ材料の薄い部分であり、金型間に存在する必然的なクリアランスや寸法公差のために金型間に存在する孔を占めて、その後固化して薄いレリーフ面を形成することによって起こる。このバリは、リング7の形状欠陥となる。
【0063】
仕上げユニット29は、これらの欠陥を減らすのに役立つ。実際に、仕上げユニット29では、加熱装置34が、例えば300℃までの温度の熱風をリング7に当てることができる。熱風の温度のおかげで、リング7上に存在するバリは軟化点にもたらされ、その結果、バリはリング7内に取り込まれ、したがって、欠陥がなくなる。言い換えれば、バリはリング7上で崩壊してしまう。これにより、検査ステーション3において、形状や寸法の欠陥のために廃棄される可能性のある物体の数が大幅に減少する。
【0064】
仕上げユニット29のおかげで、リングプルキャップ4をより安全なものにすることができ、薄い潜在的に鋭いレリーフを排除することで、美的にもより快適で、より均一で、触ったときの不快な感覚の原因を抑えることができる。
【0065】
既に上で示したように、仕上げユニット29が行うバリの低減動作は、ハンドリング装置1によって搬送される同種の欠陥を有するリングプルキャップ7以外の物体群にも適用することができる。
【0066】
ハンドリング装置1は、熱処理装置が面する梁とは異なる搬送部材16の梁に沿って配置された、搬送部材16を冷却するための少なくとも1つの冷却装置37を含んでいてもよい。
【0067】
冷却装置37は、外部から空気を吸引して、冷却されるべき搬送部材16の梁の上方に配置された、例えば冷却液によって横断される熱交換器39を覆う通気路38に導入するのに適したファン30を含む。
【0068】
搬送部材16の温度をさらに下げるために、複数の冷却装置37を設けてもよく、例えば、図9のように2つ設けて、主方向Dに沿って次々に配置されてもよい。
【0069】
ハンドリング装置1に設けられた冷却装置37のおかげにより、チェーンの変形を抑制することができ、例えば、温度勾配に関連した望ましくない形状の伸びや変化を抑制することができるので、物体群を正しく搬送することを確かにできる。
【0070】
仕上げユニット29の上流側で、成形ターンテーブル8の下流側で、搬送ターンテーブル43の代わりに、処理ステーション2は、成形ターンテーブル8から仕上げユニット29に向かって物体群を移送するための回転可能な移送ディスクを含んでもよい。言い換えれば、回転可能な移送ディスクは、コンベヤ15の入力ゾーンIに接続されている。回転可能な移送ディスクの一例は、例えば図10に示されており、以下で詳細に説明される。
【0071】
また、コンベヤ15は、伝達部材16上の物体群の経路に沿って配置された少なくとも1つのセンサ、例えばフォトセルや他の位置センサ(図示せず)、を含んでもよい。このセンサは、各物体の基準位置を決定し、前記位置に関連する信号を発することによって、各物体群O1、O2、O3などの通過を検出するのに適している。
【0072】
センサによって提供される信号は、制御ユニットに送られてもよく、この制御ユニットは、信号に応答して、伝達部材16上の物体群O1、O2、O3などの前進を、搬送ターンテーブル43の着座9の角度前進速度と、供給コンベヤベルト10の前進速度とを調整するように構成される。
【0073】
伝達部材16上の物体群O1、O2、O3などの距離と、伝達部材16の上流に配置された搬送ターンテーブル43の着座9内の物体群の距離との関係に基づいて、制御ユニットは、ピックアップ/リリース要素21による各物体のピックアップ中に同期を確保するように、搬送部材16の速度と搬送ターンテーブル43の速度との間の対応関係を調整するように構成されている。言い換えれば、制御ユニットは、ピックアップ/リリース要素21が、前述の搬送ターンテーブル43の着座9の到着に合わせて、搬送ターンテーブル43から一度に1つの物体をピックアップできるように、特にセンサから受け取った信号に応じて、コンベヤ15の搬送部材16の速度を制御するように構成される。
【0074】
同様に、制御ユニットは、ピックアップ/リリース要素21が、所望の相互距離を保ったまま、供給コンベヤベルト10上に一度に1つの物体をリリースすることができるように、伝達部材16の速度を供給コンベヤベルト10の速度と調整するように構成される。
【0075】
ハンドリング装置1の定義されたゾーンを通過する物体の数をカウントするために、ハンドリング装置1内に設けられた図示しない計数装置を、制御ユニットに接続することもできる。計数装置は、処理ステーション2、特に搬送ターンテーブル43、および/または検査ステーション3にも設けることができる。
【0076】
したがって、計数装置や、供給コンベヤベルト10、伝達部材16、搬送ターンテーブル43の速度を調整することのおかげにより、制御ユニットは、任意の物体群O1、O2、O3などを、伝達部材16の対応するピックアップ/リリース要素21、または搬送ターンテーブル43の着座9に関連付けることができる。このようにして、i番目の欠陥品が検査ステーション3で廃棄された場合、その欠陥を発生させた原因、例えば、搬送ターンテーブル43の上流に配置された成形ターンテーブル8の着座やピックアップ/リリース要素21の傷や変形、その他の性質の欠陥、さらには検査装置12の欠陥分析の誤動作などにまで遡って、欠陥の原因を「フィードバック」制御することができる。
【0077】
図1図9に示す実施形態では、コンベヤ15は、仕上げユニット29を介して、処理ステーション2と検査ステーション3との間の接続部として機能する。
【0078】
一実施形態では、コンベヤ15は、このようにハンドリング装置に含まれる検査ステーション3に供給するように適合されている。言い換えれば、この実施形態では、搬送部材16は、検査ステーション3を通過する。この実施形態の一例は、図11および12に示されており、それは以下でよりよく説明される。
【0079】
一実施形態では、コンベヤ15の他に、コンベヤ15と一緒に搬送アセンブリを定義する回転可能な移送ディスクを、コンベヤ15の上流で、ハンドリング装置に設けることができる。
【0080】
ハンドリング装置のこの実施形態では、コンベヤ15は、回転可能な移送ディスクを含むように適合されており、すなわち、搬送部材16は、回転可能な移送ディスクの周りに少なくとも部分的に巻かれている。この実施形態の一例は、図11および12に示されており、それは以下でよりよく説明される。
【0081】
これまでに説明したハンドリング装置1の各要素、およびそれに由来する利点は、明らかに除外されていない場合、または矛盾しない場合は、たとえ明示的に言及されていない場合でも、以下に説明するすべての実施形態に含まれ、適用可能であると考えられ得る。
【0082】
次に図10を参照して、物体群O1、O2、O3などのグループを処理するための処理ステーション102に上流側で接続することができ、検査ステーション103に下流側で接続することができる、第2の実施形態によるハンドリング装置101が、101で示されており、ステーションは部分的かつ概略的にのみ示されている。物体群O1、O2、O3などは、ハンドリング装置1によって搬送可能なものと同じであり、すなわち、軸に沿って延びる開放空洞を有する本体を備えた物体、特にリングプルキャップ4である。
【0083】
この第2の実施形態の説明では、図1から図9を参照して以前の実施形態を参照して説明した要素と構造または機能の点で同等または類似する要素を示すために、数字に100ずつ足した参照番号を使用する。詳細については、これらの要素に関して既に概説した説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0084】
例えば、処理ステーション102と検査ステーション103は、処理ステーション102が、搬送ターンテーブル43の代わりに、成形ターンテーブル108の出口に配置された回転可能な移送ディスク143を含んでいない限りにおいては、図1から図9に示す実施形態を参照して説明した処理ステーション2と検査ステーション3と機能的および構造的に同じである。当然、回転可能な移送ディスク143の代わりに、図1および図2に示すような搬送ターンテーブル43、すなわち、図2に示すような着座9を備えた搬送ターンテーブル43を、成形ターンテーブル108の出口に代替的に設けてもよく、各着座は、物体を収容するように設計されている。
【0085】
処理ステーション102では、成形ターンテーブル108の一部のみが示されており、検査ステーション103では供給コンベヤベルト110が部分的に示されているのと同様である。
【0086】
ハンドリング装置101は、物体群O1、O2、O3などを処理ステーション102から検査ステーション103へ、主方向Dに沿って搬送するように配置されたコンベヤ115を含む搬送アセンブリを含む。コンベヤ115は、図10の視野面に平行な支持面P上に静止している、例えば図示しない支持フレームワークに取り付けられた、移動可能でループ閉鎖した伝達部材または搬送部材116を含んでいる。搬送部材116は、コンベヤ115の入力ゾーンIに配置された入力プーリと、コンベヤ115の出力ゾーンUに配置された出力プーリの2つのプーリの間に巻かれたベルト117を含み、各プーリは、支持面Pに垂直なそれぞれのシャフトA、Bに取り付けられている。
【0087】
ベルト117は、空気にとって透過性であり、すなわち、ベルト117の一部のゾーンにのみ模式的に図示されているがベルト117の延長全体に分布している、複数の孔117bを備えている。ベルト117は、例えば、金属製である。
【0088】
コンベヤ115は、各物体の開放空洞の軸を、それ自身およびハンドリング装置101が使用時に載る支持面Pと平行に保ちながら、主方向Dに沿って次々と物体群O1、O2、O3などの1つの物体を、所定の相互距離、特に一定の距離で保持して一列に進めるように適合された保持手段120を含む。
【0089】
保持手段120は、複数の孔117bに接続された吸引手段147を含み、ベルト117上の物体を減圧(depression)で保持し、ベルト117が搬送される物体群O1、O2、O3などの各本体のための接着面を画定するように構成されている。吸引手段147は、ベルト117の直線状の梁に沿って配置された吸引チャンバを含み、複数の孔117bを介して、各物体O1、O2、O3などが接着面に付着して静止することができるような減圧を与えるように構成されているので、物体群は搬送中に互いに間隔を空けられるようになっている。
【0090】
したがって、物体群O1、O2、O3などのための接着面は、一旦設置されると、ハンドリング装置101が載る支持面Pに対して実質的に垂直であり、主方向Dに対して実質的に平行である。
【0091】
さらに、ハンドリング装置101は、物体群の形状欠陥を低減するために、処理ステーション102で実施される処理動作の後に、物体群O1、O2、O3などの仕上げのための動作が行われる仕上げユニット129を含む。仕上げユニット129は、物体、特にリングプルキャップ4が互いに間隔を空けているときに仕上げ動作、ひいては欠陥低減操作を受けるように、搬送部材116もよって横切られている。仕上げユニット129の構造および機能は、上述した仕上げユニット29の構造および機能と同じであってもよく、詳細はそれらが参照される。
【0092】
仕上げユニット129により、リングプルキャップ4をより安全に、より心地よい手触りにすることができ、また、リング7の形成から生じる望ましくない薄い突起をなくして、美的にもより均一にすることができる。
【0093】
コンベヤ115の上流には、処理ステーション102は、回転可能な移送ディスク143を含む。
【0094】
回転可能な移送ディスク143は、成形ターンテーブル108から物体群O1、O2、O3などを受け取り、仕上げユニット129に向けてコンベヤ115に移送する。
【0095】
回転可能な移送ディスク143は、処理ステーション102の着座109の到着に協調して一度に1つの物体をピックアップし、コンベヤ115の到着に協調して物体をリリースするのに適している。
【0096】
自身の軸Tを中心に回転可能な移送ディスク143は、物体群O1、O2、O3などが接触し、それによって摩擦駆動される周辺搬送面144を含む。言い換えれば、物体群は、周辺搬送面144から搬送される。
【0097】
収容ガイド145は、回転可能な移送ディスク143が各物体を誤って落下させることなく搬送するのを支援する目的で設けられている。収容ガイド145は、円周円弧の形状をしており、回転移送ディスク143の少なくとも1つの円周円弧部分を取り囲むように配置されている。
【0098】
周辺搬送面144には、図示しない複数の開口部が設けられていてもよく、開口部は、周辺搬送面143に互いに間隔をあけて配置された物体群を、摩擦力だけではなく、より大きな力で保持するために、回転移送ディスク143を同じく図示しない空気圧吸引手段に接続する。
【0099】
回転可能な移送ディスク143は、直接または例えばギアシステムなどの運動伝達システムによって、モータに接続されており、このモータは、制御された速度で、搬送部材116の速度とは独立して、回転可能な移送ディスク143を駆動するが、この搬送部材116も、直接または例えばギアシステムなどの運動伝達システムによって、独自のモータで駆動されてもよい。図示されていない制御ユニットは、所定の速度管理プログラムに従って2つのモータまたは対応する伝達システムを制御し、特に搬送部材116および回転可能な移送ディスク143の速度を、互いに独立して制御するように構成されている。
【0100】
速度管理プログラムにより、制御ユニットは、成形ターンテーブル108の速度、回転可能な移送ディスク143の速度、搬送部材116の速度、さらには供給コンベヤベルト110の速度を相互に制御し、調整することができる。
【0101】
詳細には、制御ユニットは、各物体のピックアップ中に同期を確保するように、回転可能な移送ディスク143と成形ターンテーブル108の速度を調整するように構成されている。言い換えれば、使用時には、制御ユニットは、前述の回転可能な移送ディスク143が、特に、前述の成形ターンテーブル108の着座109の到着に協調して、成形ターンテーブル108から一度に1つの物体をピックアップするように、回転可能な移送ディスク143の速度を制御するように構成されている。制御ユニットは、一度に1つの物体が検査ステーション103の供給コンベヤベルト110に引き渡されるように、搬送部材116の速度を制御するように構成されており、これにより、成形ターンテーブル108から検査ステーション103までの全経路に沿って、物体群が一定の相互距離を維持することを確かにする。
【0102】
仕上げユニットまたは欠陥低減装置129は、搬送部材116の直線状の梁Nに沿って延びており、上に示したように、仕上げユニット29と全く同様に熱処理ユニットを含んでいてもよく、その詳細についてはその説明を参照することができる。
【0103】
さらに、ハンドリング装置101は、搬送部材116を冷却するのに適した少なくとも1つの冷却装置137を含み、熱処理装置が面している直線状の梁Nとは異なる搬送部材116の梁Mに沿って配置されている。
【0104】
冷却装置37に関して説明した構造に代えて、冷却装置137は、搬送部材116のループの内側と外側にそれぞれ搬送部材116の梁Mに対向して配置された2枚の冷却板139を含んでもよい。
【0105】
冷却装置137のおかげで、ベルト117の変形、例えば温度勾配に関連した伸びや望ましくない形状の変化を排除することができ、物体群の正しい搬送が保証される。
【0106】
搬送部材116の温度をさらに下げるために、主方向Dに沿って次々と配置される複数の冷却装置137を設けてもよい。
【0107】
図11および図12を参照して、符号201で示されているのは、第3の実施形態によるハンドリング装置であり、この装置は、物体群O1、O2、O3などを処理する装置に接続されてもよく、物体群とは、先に述べた実施形態のハンドリング装置で扱うことができる物体群、すなわち、軸Xに沿って延びる開放空洞が定義された本体を備えた物体、特にリングプルキャップ4、と同じである可能性がある。
【0108】
この実施形態の装置201に関しては、図1から図9に従って以前の実施形態を参照して説明したものと構造または機能の点で等しいまたは類似した要素を示すために、数字を200ずつ足した参照番号を使用する。詳細については、これらの要素に関して既に概説した説明を参照することができるが、ここでは繰り返さない。
【0109】
ハンドリング装置201は、処理ステーション202の下流に配置することができ、この処理ステーション202には、構造上および操作上の観点から、前の実施形態で説明したものと同一の回転可能な成形ターンテーブル208が設けられている。
【0110】
ハンドリング装置201は、物体群を処理ステーション202から主方向Dに沿って検査装置212に向かって搬送するための搬送アセンブリ215を含む。搬送アセンブリ215は、移動可能なループ閉鎖型の搬送部材216、特にベルト217と、物体の各開放空洞の軸Xをそれ自身およびハンドリング装置201が使用時に載っている支持面Pに対して実質的に平行に保つことによって、物体群O1、O2、O3、などのうちの1つの物体を所定の相互距離、特に一定の距離で一列に保持して前進させるように適合された保持手段220とを含んでいる。
【0111】
保持手段220は、搬送部材216によって規定されたループに沿って互いに所定の距離を置いて搬送部材216に取り付けられた複数のハンドリング要素またはピックアップ/リリース要素221を含む。
【0112】
表示を簡単にするために、図11および図12には、少数のピックアップ/リリース要素221のみが示されているが、実際は、これらは搬送部材216の延長全体に分布している。
【0113】
各ピックアップ/リリース要素221は、単一の物体4と相互作用するように適合されており、それは、本体5の側壁42の外側側面42bを少なくとも部分的に取り囲むように構成された、すなわち物体の開放空洞6の外側に配置された、中空ハウジング246を含む。
【0114】
したがって、中空ハウジング246は、搬送部材216に接続され、ベルト217のループの外側で搬送部材216から突出した中空体を含む。
【0115】
実質的に平面の前面225aは、物体の開放空洞6の底壁40に対面するように、開放空洞6の外部で中空ハウジング246内に配置されている。物体群O1、O2、O3などに面して外部から当接している前面225aは、したがって、一旦設置されたハンドリング装置201が載る支持面Pに対して実質的に垂直であり、主方向Dに対して実質的に平行である。
【0116】
中空ハウジング246は、中空ハウジング246の中空の軸線Wの方向に延び、そのような中空を横方向に区切る、突き当て面または接触面225bをさらに含む。
【0117】
接触面225bは、物体4を主方向Dに沿って押すために、開放空洞6の側壁42の外側側面42bと、すなわち開放空洞6の外部で相互作用するように配置される。接触面225bは、例えば、リングプルキャップ4の開放空洞6に外部から接触するために、円筒状面である。中空ハウジング246がリングプルキャップ4と相互作用するとき、中空の軸Wは、開放空洞6の軸Xと実質的に平行である。
【0118】
ベルト217は、空気にとって透過性である、すなわち、ベルト217の直線状の梁上にのみ模式的に図示された複数の吸引孔217bを備えているが、実際は、それらはベルト217の全延長線上に分布している。ベルト217は、金属製ベルトであってもよい。
【0119】
各中空ハウジング246には、例えば前面225aに、1つまたは複数の吸引孔217bと流体連通するように配置された少なくとも1つの開口部246aが定義される。
【0120】
例えば真空ポンプや相対的な空気回路を含む吸引手段247は、開口部246aおよび吸引孔217bを介して、収容中空部246のそれぞれの中空部に物体を減圧で保持するための複数の吸引孔217bに接続されている。
【0121】
この方法によれば、搬送中、各物体はその中空のハウジング内に留まり、互いに適切な間隔で配置される。
【0122】
さらに、ハンドリング装置201は、前述の実施形態を参照して概要を説明したのと同様に、処理ステーション202で実施される処理動作の後に、物体群の形状欠陥を低減するために、物体群O1、O2、O3などに対する仕上げ動作が実行される仕上げユニット229を含む。仕上げユニット229は、搬送部材216によって横切られる。
【0123】
特に、吸引手段247は、仕上げユニット229が取り付けられた搬送部材216の少なくとも仕上げゾーンに設けられている。
【0124】
仕上げユニット229の上流側かつ処理ステーション202の下流側において、搬送アセンブリ215は、処理ステーション202から仕上げユニット229に向かって物体群を搬送するために、したがってそれ自身の軸の周りを回転することができる回転可能な移送ディスク243を含む。複数の中空ハウジング246を備えた搬送部材216は、中空ハウジング246を外部に向けた状態で、回転可能な移送ディスク243の周りに少なくとも部分的に巻かれている。回転可能な移送ディスク243は、中空ハウジング246内の一定度合いの減圧を搬送アセンブリ215のこのゾーンでも維持するために、穿孔されてさらなる吸引手段に接続することができるドラムを含む。搬送アセンブリ215は、回転可能な移送ディスク243が落下事故の危険性なく各物体を搬送するのを支援する目的で、収納ガイド245をさらに含む。収納ガイド245は、円周円弧の形状をしており、それは、図11に示されるように、回転可能な移送ディスク243の少なくとも1つの円周円弧部分を取り囲むように、回転可能な移送ディスク243に面して配置される。開放された空洞の外側にある物体の一部を支持し、物体の本体の周縁部から現れた収納ガイド245は、回転可能な移送ディスク243が存在する搬送アセンブリ243の領域において、リングプルキャップ4のリング7の摺動ガイドとしても機能する。
【0125】
既述の実施形態に関して、ハンドリング装置201は、回転可能な移送ディスク243と、さらに検査ステーション203とを含む、すなわち、搬送部材216が検査装置212に供給して横切る。
【0126】
検査装置212の下流側には、検査装置212によって合格ではないと判断された物体群を排出ダクト214に向けて排出するのに適した、前述したものと同一の1つ以上の排出要素213が配置される。
【0127】
搬送部材216は、制御された速度で、かつ、成形ターンテーブル208の速度とは独立した速度で、モータによって駆動される。制御ユニットは、所定の速度管理プログラムに従ってモータを制御するように構成されており、特に、搬送部材216および成形ターンテーブル208の速度を制御して、成形ターンテーブル208からの各物体のピックアップの同期性を確保するように調整する。言い換えれば、使用時には、制御ユニットは、各ピックアップ/リリース要素221が、前述の成形ターンテーブル208の着座209の到着と協調して、成形ターンテーブル208から一度に1つの物体をピックアップするように、搬送部材216の速度を制御するように構成されている。
【0128】
仕上げユニット、または欠陥低減装置229は、搬送部材216の直線状の梁に沿って延びており、他の実施形態と同様に、熱処理ユニットを含んでもよい。このようにして、特にリングプルキャップ4は、互いに間隔を空けた状態で仕上げ作業を受け、これにより、成形バリがリング7上で崩壊し、軟化したプラスチックの粘着状態により、近すぎることで熱処理中に2つのキャップが互いにくっついてしまう危険性を回避することができる。さらに、リングプルキャップ4の形状欠陥をなくすことで、形状欠陥のために検査装置で廃棄されるキャップの数を抑えることができる。
【0129】
仕上げユニット229のおかげで、リングプルキャップ4、または成形ステーションから来る搬送物に、より均一で、潜在的に鋭い表面がない外観を与えることができるため、既知のリングプルキャップに比べて、より安全で、より快適な手触りを与える。
【0130】
さらに、ハンドリング装置201は、熱処理ユニットが対面する梁Nとは異なる搬送部材216の梁Mに沿って配置された、搬送部材216を冷却するのに適した少なくとも1つの冷却装置237を含む。
【0131】
冷却装置237は、搬送部材216の梁Mに対向して配置された1つ以上の冷却板239を含んでもよい。
【0132】
冷却装置237のおかげで、ベルト217の変形、例えば温度勾配に関連した伸びや望ましくない形状の変化を排除することができ、したがって物体群の正しい搬送が保証される。
【0133】
上述した全ての実施形態において、使用時には、ハンドリング装置1、101、201は、処理ステーション2、102、202から物体を1つずつピックアップし、物体を所定の相互距離、特に一定の距離に保ちつつ、ループ状に閉じた可動式の搬送部材16、116、216に主方向Dに沿って物体を1つずつ一列に保持して進め、処理ステーション2、102、202から検査ステーション3、103、203に物体群O1、O2、O3、などを搬送する。
【0134】
それぞれの軸Xに沿って延びる開放空洞を備え、それぞれの軸Xを実質的に水平かつ互いに対して平行に保つことで、物体群O1、O2、O3、などが搬送される。
【0135】
物体群O1、O2、O3、などを一列に搬送している間に、処理ステーション2で受けた処理動作の後に物体群が持つ欠陥を除去するために、物体群O1、O2、O3などに対して仕上げ作業を行うことが提供される。
【0136】
搬送部材16、116、216の速度は、物体が来る処理ステーション2、102、202の着座9、109、209の到着と位相協調して物体が受け取られるように制御され、処理ステーション2、102、202は、物体をそれぞれ収容するために互いに角度的に離間して配置された複数の着座9、109、209を有する。
【0137】
物体群O1、O2、O3、などを保持するために、物体の開放空洞に突出部25を導入したり、物体の本体を中空のハウジング246で囲んだりすることが提供されている。
【0138】
物体群O1、O2、O3、などの保持は、複数の吸引孔117b、217bを備え、減圧を形成する吸引手段に接続された搬送部材16、116、216による吸引で保持することを含む。
【0139】
物体群O1、O2、O3、などが、プルリング7がプラスチックで作られたリングプルキャップ4を含む場合、処理ステーション2、102、202で行われる処理動作は、例えば圧縮による成形によってプルリング7を形成するステップであり、仕上げ動作は、成形後のプルリング7を加熱して、プルリング7に存在する可能性のあるバリがそこで崩壊するようにすることを含む。
【0140】
このハンドリング装置のおかげで、処理ステーションと検査ステーションを比較的簡単な構造で接続することができ、一般的にかなり複雑な機械を含んでいる既存の処理ステーションを過度に変更する必要はない。
【0141】
検査ステーションによる検査を、隣接する2つ以上の物体群の読み取りに起因する検査ステーションによるエラーの数を減らして効果的なものにするために、物体群O1、O2、O3、などを互いに離しておくことも可能である。
【0142】
さらに、検査ステーションの上流にある装置でフィードバック制御を行うことも可能であり、実際、どの物体が不良と判断されたかを知ることで、ラインのどの地点で不良が発生したかを追跡することができる。これは、物体群が互いに間隔を空けて置かれていることから、単一の物体の位置をハンドリング装置上で追跡することができるからである。
【0143】
ハンドリング装置内の仕上げユニットは、仕上げユニットを収容するために変更する必要のない処理ステーションを変更せずに済むため、既知の処理ステーションに接続可能な比較的簡単な装置で、物体群の欠陥を低減することができる。さらに、仕上げユニットを、物体群を一列に並べておく搬送部材と組み合わせることで、物体群が互いに接触して損傷する危険性なく熱処理を行うことができる。当然、仕上げユニットの存在により、形状欠陥のために廃棄される部品の数を大幅に減らすことができ、部品、特にリングプルキャップに、より均一で、見ても触っても心地よい表面を提供することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12