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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】スピンドルテープ駆動紡績機
(51)【国際特許分類】
   D01H 1/241 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
D01H1/241 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021556574
(86)(22)【出願日】2020-03-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 IB2020052423
(87)【国際公開番号】W WO2020188480
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-11-18
(31)【優先権主張番号】102019000003983
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】518115263
【氏名又は名称】マルツォーリ・マシーンズ・テキスタイル・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MARZOLI MACHINES TEXTILE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アッセンツァ,ロザリオ
(72)【発明者】
【氏名】ガッリ,マッシモ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-090631(JP,U)
【文献】仏国特許発明第1198101(FR,A)
【文献】特表2009-516085(JP,A)
【文献】特開昭53-038725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 複数の第1のスピンドル(12A)を備える第1のバンク(10A)と、複数の第2のスピンドル(12B)を備える、前記第1のバンク(10A)に対向する第2のバンク(10B)であって、複数のスピンドル群が定義され、それぞれのスピンドル群((12A,12B)i)は、あらかじめ定義された数の前記第1のスピンドル(12Ai)とあらかじめ定義された第2のスピンドル(12Bi)を備える、第1のバンク及び第2のバンクと、
(b) 駆動装置とを備え、先端から後端まで長手方向の軸(X)に沿って延在する紡績機であって、
前記駆動装置は
(b1)前記第1のバンク(10A)と前記第2のバンク(10B)の間に同軸に且つ長手方向に隣接して配置された複数の軸部を備えており、軸方向に間隔を空けられた複数の係合部(52)を有する、主軸(30)と、
(b2)それぞれ前記主軸と同軸の、それぞれの前記軸部によって支持され、前記軸部に回転可能に結び付けられた複数のプーリ(32)と、
(b3)複数のベルト(34)であって、それぞれのベルト(34)は、それぞれの前記プーリ(32)に取り付けられ、それぞれのベルト(34)は、それぞれの前記スピンドル群((12A,12B)i)のスピンドル(12Ai,12Bi)と係合し、それらを回転で動かす、複数のベルトと、
(b4)複数の電気モータ(50)であって、それぞれのモータ(50)は、その係合部(52)と動作可能に接続され、前記主軸(30)を回転する、複数の電気モータとを備え、
(c) 前記駆動装置は、複数の電気モータの全ての前記電気モータ(50)を駆動する単一の電気駆動部(60)を備え、
(d) 前記駆動部(60)は、前記モータを論理的に管理するために、スピンドル管理手段と動作可能に接続され、
(e) 前記紡績機はさらに制御群(70)を備え、前記制御群は、
(e1)前記紡績機(1)の動作を管理するために従業者によって使用可能な管理パネルと、
(e2)前記紡績機(1)を論理制御するために前記スピンドル管理手段に動作可能に接続された単一の論理ユニット(72)と備える、紡績機。
【請求項2】
前記複数のモータの少なくとも1つのモータ(50)は、前記先端から前記後端までの前記主軸(30)の中間軸位置に配置された前記主軸(30)の係合部(52)と接続される、請求項1に記載の紡績機。
【請求項3】
前記軸部は、回転可能に結びつけられるように互いに接続される、請求項1または2に記載の紡績機。
【請求項4】
前記軸部は、互いに構造的に分離され、
それぞれの前記軸部は、前記係合部(52)の少なくとも1つを有する、請求項1または2に記載の紡績機。
【請求項5】
前記駆動装置は、複数のガイド装置(38)を備え、
それぞれの前記ガイド装置(38)は、それぞれのベルト(34)と係合し、前記主軸(30)からそれぞれの前記スピンドル群((12A,12B)i)の前記スピンドル(12Ai,12Bi)に前記ベルトを案内し、前記ベルトを迂回させる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の紡績機。
【請求項6】
それぞれの前記バンク(10A,10B)のための引き出し装置(4)と、前記引き出し装置及び前記引き出し装置の論理制御のために前記論理ユニットに動作可能に接続された引き出し管理手段とを備える、請求項1に記載の紡績機。
【請求項7】
それぞれの前記バンク(10A,10B)のためのリングレール(14)と、前記論理ユニットに動作可能に接続された前記紡績機(1)のための前記リングレール(14)の論理制御ためのレール管理手段と、を備える請求項1または6に記載の紡績機。
【請求項8】
前記モータ(50)の少なくとも1つは、前記主軸(30)の回転軸からオフセットする、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の紡績機。
【請求項9】
前記モータ(50)の少なくとも1つは、前記主軸(30)の回転軸と同軸であるモータ軸を有する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の紡績機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の目的は、通常、ロービングフレームの起源である粗糸の糸巻きから糸のボビンを得るための紡績ラインのスピンドルテープ駆動紡績機である。
【背景技術】
【0002】
知られているように、紡績機は、粗糸を引き出してねじった後、粗糸の糸巻きからボビンを得るために粗糸の糸巻きを操作することができる。
【0003】
この目的において、紡績機は、粗糸糸巻きが取り付けられた長手方向の軸に沿って延在する門と、門の下の、粗糸が引き出されるために通る長手方向の伸長を有するシリンダのセットによって形成された引き出し装置配置と、2つの対向するバンクであって、それぞれが引き出されねじられた糸が巻き付けられた垂直軸の周りを回転する長手方向の軸に沿った列のスピンドルを支持する、バンクと、からなる。
【0004】
スピンドルテープ駆動紡績機において、スピンドルは、全機械に沿って延在し、長手方向に間隔を空ける複数のプーリを備える主軸を備える、操作装置によって垂直軸の周りの回転で設置される。それぞれのプーリは、各バンクに2つ、4つのスピンドルと係合するベルト(またはテープ)を支持する(紡績機のこのタイプのアングロサクソン名は、実際に「4スピンドル紡績機」である)。その後、操作装置は、主軸を回転するために紡績機の後端に収納された電気モータを備える。
【0005】
この分野の現在の傾向は、紡績ラインの生産性を上げるために、非常に多くのスピンドルを備えるバンクを提供することである。
【0006】
しかしながら、スピンドルの数の増加は、紡績機、したがって主軸の長さの増加を引き起こし、例えばメンテナンス仕事の実行など、紡績機の機能及び追加の態様の両方に関するいくつかの欠点の出現を伴う。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、この分野の要求に合い、従来技術を参照して言及された不利益を克服するスピンドルテープ駆動紡績機を設計することである。
【0008】
本発明に従うスピンドルテープ駆動紡績機の特徴及び利点は、非限定の例として以下に与えられた記載と添付された表によって明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つの実施形態に従うスピンドルテープ駆動紡績機の一部を示す。
図2図1のスピンドルテープ駆動紡績機の概略側面図である。
図3図1のスピンドルテープ駆動紡績機の領域を示す。
図4図1のスピンドルテープ駆動紡績機の概略図である。
図5】本発明の別の実施形態に従うスピンドルテープ駆動紡績機の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付した表を参照して、1は、全体として紡績ラインの紡績機を示し、粗糸糸巻きSから糸のボビンを得ることができる。
【0011】
紡績機1は、あらかじめ定義された数の粗糸糸巻きSが取り付けられる長手方向の軸Xに沿って延在する門2を備える。
【0012】
紡績機1は、また門2の下に配置された引き出し装置4を備える。
【0013】
引き出し装置4は、隣接部に長手方向に連続してまたは分離する一般に3つまたは4つのモータ駆動シリンダなど、長手方向下シリンダ6と、下シリンダによって回転するように稼働されるために圧力下で下シリンダ6と結合される通常、アイドルローラである、複数の上ローラ8を備える。
【0014】
下シリンダ6と結合されるそれぞれの上ローラ8は、回転点を定義する。それぞれの回転点において、粗糸は、上流から下流へ増加する下シリンダの周辺速度の結果として、引き出されるように、上ローラ8と下シリンダ6の間を通る。
【0015】
引き出し装置4の下流において、紡績機1は、またスピンドルが、引き出されたまたはねじられた糸が巻き付けられた垂直軸それ自体の周りを回転する長手方向の軸に沿う列にスピンドル12を支持するバンク10を備える。
【0016】
紡績機1は、また長手方向の伸長を有し、往復垂直動作を備えるリングレール14と、管に糸を巻き付けるためにそれぞれのスピンドル12と同軸である支持リング16を備える。
【0017】
紡績機1は、最後に主部品を支持する、特に引き出し装置4、バンク10、リングレール14を支持するために地面の床Tで支持される、好ましくは1つのみのフレームワークである、フレームワーク18を提供する。
【0018】
特に、紡績機1は、それぞれのスピンドル12A,12Bが長手方向に先端から後端の間に一列に並べられて配置される、2つの対向するバンク10A,10Bを備える。
【0019】
紡績機1は、また回転するためにスピンドル12A,12Bを稼働するための操作装置を備える。
【0020】
当該操作装置は、紡績機の先端から後端までの長手方向の伸長を有し、2つのバンク10A,10Bの間に配置される主軸30を備える。
【0021】
主軸30は、紡績機の先端から後端に途切れなく延在することが好ましい。例えば、当該主軸30は、例えば硬いジョイントによって互いに同軸であり、互いに回転可能に固定された複数の軸部で構成される。
【0022】
追加の変形によると、主軸30は、互いに接続しない、分離した、機械的に独立な同軸部で構成される。
【0023】
操作装置は、また複数のプーリ32を備え、複数のプーリのそれぞれは、主軸と同軸であり、当該軸部の1つによって支持され、当該軸部に回転可能に固定される。
【0024】
操作装置は、また複数のベルト34を備え、それぞれのベルトは、特定のプーリ32と、第1のバンク10Aのスピンドル12Aiと第2のバンク10Bのスピンドル12Biを備える特定のスピンドル群(12A,12B)iに取り付けられる(i=1...n、「n」は紡績機のスピンドル群の総数である)。
【0025】
例えば、それぞれのスピンドル群(12A,12B)iは、通常4つのスピンドルを備え、2つは、第1のバンク10Aに属し、2つは第2のバンク10Bに属する。
【0026】
等しい数の第1のバンクと第2のバンクのスピンドルが、同じスピンドル群に属することが好ましい。
【0027】
さらに、スピンドル群(12A,12B)iは、同じ注文番号を有するスピンドルである第1のバンク10Aのスピンドル12Aiと第2のバンク10Bの対応するスピンドル12Biを備えることが好ましい(例えば、第1のバンクの第1と第2のスピンドル及び第2のバンクの第1と第2のスピンドル)。
【0028】
好ましい実施形態に従って、操作装置は、複数の伝達装置38を備え、それぞれの伝達装置38は、特定のプーリ32から特定のスピンドル群(12A,12B)iのスピンドル12Ai,12Biにベルトを案内する及びベルトを迂回させるために特定のベルト34と係合する。
【0029】
それぞれの伝達装置38は、それぞれ第1のバンク10Aのスピンドル12Aiと第2のバンク10Bのスピンドル12Biに向かってベルト34を迂回させるために、ベルト引っ張り群40と一対のローラ42A,42Bを備える。
【0030】
操作装置は、また主軸の周りの回転で主軸を設置するために主軸30に動作可能に接続される複数の電気モータ50を備える。
【0031】
例えば、モータ50の駆動軸は、主シリンダ30の回転軸に対してオフセットし、モータベルト54によって主軸30の係合部52と接続される。
【0032】
追加の実施形態に従って(図5)、モータ50の駆動軸は、主シリンダ30と同軸であり、機械接続によって主軸30の係合部52と接続される。
【0033】
別の追加の実施形態に従って(図示せず)、いくつかのモータは、主シリンダからオフセットし、いくつかのモータは、主シリンダと同軸である。
【0034】
当該複数のモータの少なくとも1つのモータ50は、先端から後端の中間軸位置にある主軸30の中間軸部に配置された主軸30の係合部52に接続されることが好ましい。
【0035】
したがって、1つの実施形態に従って、操作装置は、後端に配置された電気モータと先端に配置された電気モータを提供する。
【0036】
別の実施形態に従って、操作装置は、後端(及び/または先端)に配置された電気モータと、中間位置に配置された少なくとも1つの追加の電気モータを提供する。
【0037】
別の追加の変形に従って、操作装置は、2またはそれ以上の電気モータを提供し、電気モータの全ては、中間位置に配置される。
【0038】
さらに、操作装置は、当該複数の電気モータの全ての電気モータを駆動するための単一の電気駆動部60を備えることが好ましい。
【0039】
1つの実施形態に従って、操作装置は、特定のモータを電気的に駆動するための複数の電気駆動部を備える。
【0040】
紡績機1は、最後に全紡績機1の機能を管理するために操作者によって用いられる管理パネルを備える制御群70と、紡績機1を管理するための例えばCPUまたはPLCなど、単一の論理ユニット72と、を備える。
【0041】
紡績機1は、また論理的に引き出し装置を管理するための引き出し装置に動作可能に接続された引き出し管理手段を備える。
【0042】
さらに、紡績機1は、論理的にモータ50を管理するために駆動部60に動作可能に接続されたスピンドル管理手段を備える。
【0043】
さらに、紡績機1は、全紡績機1のリングレール14を論理的に管理するためのレール管理手段を備える。
【0044】
当該引き出し装置管理手段、スピンドル管理手段及びレール管理手段は、制御群70の論理ユニット72に動作可能に接続される。
【0045】
革新的に、本発明に従う紡績機は、従来技術を参照して言及された欠点を克服する。
【0046】
特に、本発明に従う紡績機は、有利に例えばその大きさ、難しい管理メンテナンス、境界を定められた領域に集中した熱の消失の増加などの多くの不利益が知られ、したがって、それを取り除く必要がある、ハイパワーモータを用いることなく、多くのスピンドルを提供することができる。
【0047】
さらに、本発明は、有利に例えば主軸の過剰ねじれなど、欠点を克服し、長手方向及び横方向に、後端の大きさを減らすことができる。
【0048】
付随する要求に合うために、当業者が上記された紡績機を変更することができ、これらの変更が、また次の特許請求の範囲によって定義される保護の範囲によって対象にされることは明確である。
図1
図2
図3
図4
図5