(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】色分離レンズアレイを備えるイメージセンサ及びそれを含む電子装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20240123BHJP
H04N 25/13 20230101ALI20240123BHJP
H04N 25/70 20230101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H04N25/13
H04N25/70
(21)【出願番号】P 2022063890
(22)【出願日】2022-04-07
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】10-2021-0054630
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】安 城 模
(72)【発明者】
【氏名】盧 淑 英
(72)【発明者】
【氏名】尹 鉐 皓
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/102887(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第112701133(CN,A)
【文献】国際公開第2019/035374(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 25/13
H04N 25/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1波長の光を感知する複数の第1画素と、前記第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素とを含むセンサ基板と、
前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイと、を含み、
前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、
前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力
し、
前記第1グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、及び第3光感知セルを含む、イメージセンサ。
【請求項2】
前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の前記第1方向に沿う間隔は、前記第1方向に沿う前記第1エッジ領域の幅と同一であるか、またはそれより大きい、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の領域に入射する光に対する第3光感知信号を出力する、請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の領域に入射する光に対して光感知信号を出力しない、請求項2に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記第1ないし第3光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、
前記第1光感知セルは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルは、前記第2エッジ領域に配置され、
前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第1光感知信号を出力し、前記第3光感知セルから前記第2光感知信号を出力する、請求項
1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記第1及び第3光感知セルそれぞれは、前記第1方向に沿って配列された第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを含み、
前記第1光感知セルの第1フォトダイオードは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルの第2フォトダイオードは、前記第2エッジ領域に配置され、
前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードから前記第1光感知信号を出力し、前記第3光感知セルの第2フォトダイオードから前記第2光感知信号をそれぞれ出力する、請求項
1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
第1波長の光を感知する複数の第1画素と、前記第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素とを含むセンサ基板と、
前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイと、を含み、
前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、
前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力
し、
前記第1グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、第3光感知セル、及び第4光感知セルを含む、イメージセンサ。
【請求項8】
前記第1ないし第4光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、
前記第1光感知セルは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第4光感知セルは、前記第2エッジ領域に配置され、
前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第1光感知信号を出力し、前記第4光感知セルから前記第2光感知信号をそれぞれ出力する、請求項
7に記載のイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1及び第4光感知セルそれぞれは、前記第1方向に沿って配列された第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを含み、
前記第1光感知セルの第1フォトダイオードは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第4光感知セルの第2フォトダイオードは、前記第2エッジ領域に配置され、
前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードから前記第1光感知信号を出力し、前記第4光感知セルの第2フォトダイオードから前記第2光感知信号をそれぞれ出力する、請求項
7に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
第1波長の光を感知する複数の第1画素と、前記第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素とを含むセンサ基板と、
前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイと、を含み、
前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、
前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力し、
前記複数の第1画素のうち、第2グループの第1画素は、前記第2方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第3エッジ領域及び第4エッジ領域を含み、前記第3エッジ領域に入射する光に対する第3光感知信号及び前記第4エッジ領域に入射する光に対する第4光感知信号を出力し、
前記第2グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第2方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、及び第3光感知セルを含み、
前記第1ないし第3光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、
前記第1光感知セルは、前記第3エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルは、前記第4エッジ領域に配置され、
前記第2グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第3光感知信号を出力し、前記第3光感知セルから前記第4光感知信号を出力する、イメージセンサ。
【請求項11】
第1波長の光を感知する複数の第1画素と、前記第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素とを含むセンサ基板と、
前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイと、を含み、
前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、
前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力し、
前記複数の第1画素のうち、第2グループの第1画素は、前記第2方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第3エッジ領域及び第4エッジ領域を含み、前記第3エッジ領域に入射する光に対する第3光感知信号及び前記第4エッジ領域に入射する光に対する第4光感知信号を出力し、
前記複数の第1画素のうち、第3グループの第1画素は、対角線方向に両側の第1頂点領域及び第2頂点領域を含み、前記第1頂点領域に入射する光に対する第5光感知信号及び前記第2頂点領域に入射する光に対する第6光感知信号を出力する、イメージセンサ。
【請求項12】
前記第3グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1画素の第1頂点に配置された第1光感知セル、第1方向に前記第1光感知セルに隣接した第2光感知セル、第2方向に前記第1光感知セルに隣接した第3光感知セル、前記第1画素の第2頂点に配置された第4光感知セル、第1方向に前記第4光感知セルに隣接した第5光感知セル、及び第2方向に前記第4光感知セルに隣接した第6光感知セルを含み、
前記第1ないし第6光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、
前記第1ないし第3光感知セルは、前記第1頂点領域に配置され、前記第4ないし第6光感知セルは、前記第2頂点領域に配置され、
前記第3グループの第1画素は、前記第1ないし第3光感知セルから前記第5光感知信号を出力し、前記第4ないし第6光感知セルから前記第6光感知信号を出力する、請求項
11に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記第1グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、第1方向に沿う第1領域に配列され、前記第2グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、第2方向に沿う第2領域に配列され、前記第3グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、対角線方向に沿う第3領域に配列される、請求項
11に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの距離は、前記色分離レンズアレイによる前記第1波長の光の焦点距離の30%~70%である、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの間に配置されて前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの間に距離を形成するスペーサ層をさらに含む、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記色分離レンズアレイは、入射光のうち、前記第1波長の光を前記第1画素に集光する第1波長光集光領域及び入射光のうち、第2波長光を前記第2画素に集光する第2波長光集光領域を含み、
前記第1波長光集光領域の面積は、前記第1画素それぞれの面積より大きく、前記第2波長光集光領域の面積は、前記第2画素それぞれの面積よりも大きく、
前記第1波長光集光領域は、前記第2波長光集光領域と部分的に重畳される、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
前記色分離レンズアレイは、
前記第1画素に対応する位置に配置された第1画素対応領域と、
前記第2画素に対応する位置に配置された第2画素対応領域と、を含み、
前記第1画素対応領域の中心を通過した第1波長の光と、前記第2画素対応領域の中心を通過した第1波長の光との差は、0.9π~1.1πである、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項18】
光学像を電気的信号に変換する請求項1~
17のいずれか1項に記載のイメージセンサと、
前記イメージセンサの動作を制御し、前記イメージセンサで生成した信号を保存及び出力するプロセッサと、
被写体からの光を前記イメージセンサに提供するレンズアセンブリーと、を含み、
前記プロセッサは、前記第1光感知信号と第2光感知信号との差に基づいて自動焦点信号をさらに生成する、電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射光を波長別に分離して集光することができる色分離レンズアレイを備えるイメージセンサ及びイメージセンサを含む電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサは、通常、カラーフィルタを用いて入射光の色を感知する。ところで、カラーフィルタは、当該色の光を除いた残りの色の光を吸収するので、光利用効率が低下しうる。例えば、RGBカラーフィルタを使用する場合、入射光の1/3のみを透過させ、残りの2/3は吸収してしまうので、光利用効率が約33%程度に過ぎない。したがって、カラーディスプレイ装置やカラーイメージセンサの場合、ほとんどの光損失がカラーフィルタで発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2020/0358989号明細書
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2020/0169704号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、入射光を波長別に分離して集光することができる色分離レンズアレイを用いて光利用効率が向上したイメージセンサ及びイメージセンサを含む電子装置を提供する。
【0006】
また、本発明が解決しようとする課題は、色分離レンズアレイを含みつつ、自動焦点性能を向上させうるイメージセンサ及びイメージセンサを含む電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例によるイメージセンサは、第1波長の光を感知する複数の第1画素と、第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素とを含むセンサ基板;及び前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイ;を含み、前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された、独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力することができる。
【0008】
前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の前記第1方向に沿う間隔は、前記第1方向に沿う前記第1エッジ領域の幅と同一であるか、またはそれより大きくなる。
【0009】
前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の領域に入射する光に対する第3光感知信号を出力することができる。
【0010】
前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域と前記第2エッジ領域との間の領域に入射する光に対して光感知信号を出力しない。
【0011】
前記第1グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1方向に沿って配列された第1光感知セル及び第2光感知セルを含んでもよい。
【0012】
前記第1及び第2光感知セルそれぞれは、前記第1方向に沿って配列された第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを含み、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第2光感知セルの第2フォトダイオードは、前記第2エッジ領域に配置され、前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードから前記第1光感知信号を出力し、前記第2光感知セルの第2フォトダイオードから前記第2光感知信号を出力することができる。
【0013】
前記第1及び第2光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、前記第1グループの第1画素は、マスクパターンを含み、前記マスクパターンは、前記第1光感知セルのフォトダイオードの受光面のうち、前記第1エッジ領域に対応する領域を除いた第1残り領域を遮蔽し、前記第2光感知セルのフォトダイオードの受光面のうち、前記第2エッジ領域に対応する領域を除いた第2残り領域を遮蔽することができる。
【0014】
前記第1グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、及び第3光感知セルを含んでもよい。
【0015】
前記第1ないし第3光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、前記第1光感知セルは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルは、前記第2エッジ領域に配置され、前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第1光感知信号を出力し、前記第3光感知セルから前記第2光感知信号を出力することができる。
前記第1及び第3光感知セルそれぞれは、前記第1方向に沿って配列された第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを含み、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルの第2フォトダイオードは、前記第2エッジ領域に配置され、前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードから前記第1光感知信号を出力し、前記第3光感知セルの第2フォトダイオードから前記第2光感知信号をそれぞれ出力することができる。
【0016】
前記第1グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、第3光感知セル、及び第4光感知セルを含んでもよい。
【0017】
前記第1ないし第4光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、前記第1光感知セルは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第4光感知セルは、前記第2エッジ領域に配置され、前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第1光感知信号を出力し、前記第4光感知セルから前記第2光感知信号をそれぞれ出力することができる。
【0018】
前記第1及び第4光感知セルそれぞれは、前記第1方向に沿って配列された第1フォトダイオード及び第2フォトダイオードを含み、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードは、前記第1エッジ領域に配置され、前記第4光感知セルの第2フォトダイオードは、前記第2エッジ領域に配置され、前記第1グループの第1画素は、前記第1光感知セルの第1フォトダイオードから前記第1光感知信号を出力し、前記第4光感知セルの第2フォトダイオードから前記第2光感知信号をそれぞれ出力することができる。
【0019】
前記複数の第1画素のうち、第2グループの第1画素は、前記第2方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第3エッジ領域及び第4エッジ領域を含み、前記第3エッジ領域に入射する光に対する第3光感知信号及び前記第4エッジ領域に入射する光に対する第4光感知信号を出力することができる。
【0020】
前記第2グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第2方向に沿って順次に配列された第1光感知セル、第2光感知セル、及び第3光感知セルを含み、前記第1ないし第3光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、前記第1光感知セルは、前記第3エッジ領域に配置され、前記第3光感知セルは、前記第4エッジ領域に配置され、前記第2グループの第1画素は、前記第1光感知セルから前記第3光感知信号を出力し、前記第3光感知セルから前記第4光感知信号を出力することができる。
【0021】
前記複数の第1画素のうち、第3グループの第1画素は対角線方向に両側の第1頂点領域及び第2頂点領域を含み、前記第1頂点領域に入射する光に対する第5光感知信号及び前記第2頂点領域に入射する光に対する第6光感知信号を出力することができる。
【0022】
前記第3グループの第1画素の複数の光感知セルは、前記第1画素の第1頂点に配置された第1光感知セル、第1方向に前記第1光感知セルに隣接した第2光感知セル、第2方向に前記第1光感知セルに隣接した第3光感知セル、前記第1画素の第2頂点に配置された第4光感知セル、第1方向に前記第4光感知セルに隣接した第5光感知セル、及び第2方向に前記第4光感知セルに隣接した第6光感知セルを含み、前記第1ないし第6光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードを含み、前記第1ないし第3光感知セルは、前記第1頂点領域に配置され、前記第4ないし第6光感知セルは、前記第2頂点領域に配置され、前記第3グループの第1画素は、前記第1ないし第3光感知セルから前記第5光感知信号を出力し、前記第4ないし第6光感知セルから前記第6光感知信号を出力することができる。
【0023】
前記第1グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、第1方向に沿う第1領域に配列され、前記第2グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、第2方向に沿う第2領域に配列され、前記第3グループの第1画素は、前記イメージセンサの全体領域のうち、対角線方向に沿う第3領域に配列されうる。
【0024】
前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの距離は、例えば、前記色分離レンズアレイによる前記第1波長光の焦点距離の30%~70%でありうる。
【0025】
前記イメージセンサは、前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの間に配置され、前記センサ基板と前記色分離レンズアレイとの間に距離を形成するスペーサ層をさらに含む。
【0026】
前記色分離レンズアレイは、入射光のうち、前記第1波長の光を前記第1画素に集光する第1波長光集光領域及び入射光のうち、第2波長光を前記第2画素に集光する第2波長光集光領域を含み、前記第1波長光集光領域の面積は、前記第1画素それぞれの面積より大きく、前記第2波長光集光領域の面積は、前記第2画素それぞれの面積より大きくなる。
【0027】
前記第1波長光集光領域は、前記第2波長光集光領域と部分的に重畳されうる。
【0028】
前記色分離レンズアレイは、前記第1画素に対応する位置に配置された第1画素対応領域;及び前記第2画素に対応する位置に配置された第2画素対応領域;を含み、前記第1画素対応領域の中心を通過した第1波長の光と前記第2画素対応領域の中心を通過した第1波長の光との差は、例えば、0.9π~1.1πでありうる。
【0029】
他の実施例による電子装置は、光学像を電気的信号に変換するイメージセンサ;前記イメージセンサの動作を制御し、前記イメージセンサで生成した信号を保存及び出力するプロセッサ;及び被写体からの光を前記イメージセンサに提供するレンズアセンブリー;を含み、前記イメージセンサは、第1波長の光を感知する複数の第1画素及び第1波長と互いに異なる第2波長の光を感知する複数の第2画素を含むセンサ基板;及び前記第1波長の光を前記複数の第1画素に集光し、前記第2波長の光を前記複数の第2画素に集光する色分離レンズアレイ;を含み、前記第1画素それぞれは、第1方向及び前記第1方向に垂直な第2方向に沿って2次元配列された、独立して入射光を感知する複数の光感知セルを含み、前記複数の第1画素のうち、第1グループの第1画素は、前記第1方向に沿って前記第1画素の両側エッジに配置された第1エッジ領域及び第2エッジ領域を含み、前記第1グループの第1画素は、前記第1エッジ領域に入射する光に対する第1光感知信号及び前記第2エッジ領域に入射する光に対する第2光感知信号を出力し、前記プロセッサは、前記第1光感知信号と第2光感知信号との差に基づいて自動焦点信号をさらに生成することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、入射光を波長別に分離して集光することができる色分離レンズアレイを用いて光利用効率を向上させることができる。また、色分離レンズアレイを含みつつ、自動焦点性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】一実施例によるイメージセンサのブロック図である。
【
図2A】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図2B】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図2C】イメージセンサの画素アレイの多様な画素配列を例示的に示す図面である。
【
図3A】一実施例による色分離レンズアレイの概略的な構造と動作を示す概念図である。
【
図3B】一実施例による色分離レンズアレイの概略的な構造と動作を示す概念図である。
【
図4A】一実施例によるイメージセンサの画素アレイの互いに異なる断面を示す概略的な断面図である。
【
図4B】一実施例によるイメージセンサの画素アレイの互いに異なる断面を示す概略的な断面図である。
【
図5A】画素アレイで画素の配列を概略的に示す平面図である。
【
図5B】色分離レンズアレイの複数領域に複数のナノポストが配列された形態を例示的に示す平面図である。
【
図6A】色分離レンズアレイを通過した緑色光及び青色光の位相分布を
図5BのI-I’線に沿って示す図面である。
【
図6B】色分離レンズアレイを通過した緑色光の画素対応領域の中心での位相を示す図面である。
【
図6C】色分離レンズアレイを通過した青色光の画素対応領域の中心での位相を示す図面である。
【
図6D】第1緑色光集光領域に入射した緑色光の進行方向を例示的に示す図面である。
【
図6E】第1緑色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図6F】青色光集光領域に入射した青色光の進行方向を例示的に示す図面である。
【
図6G】青色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図7A】色分離レンズアレイを通過した赤色光及び緑色光の位相分布を
図5BのII-II’線に沿って示す図面である。
【
図7B】色分離レンズアレイを通過した赤色光の画素対応領域中心での位相を示す図面である。
【
図7C】色分離レンズアレイを通過した緑色光の画素対応領域中心での位相を示す図面である。
【
図7D】赤色光集光領域に入射した赤色光の進行方向を例示的に示す図面である。
【
図7E】赤色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図7F】第2緑色光集光領域に入射した緑色光の進行方向を例示的に示す図面である。
【
図7G】第2緑色光集光領域のアレイを例示的に示す図面である。
【
図8A】色分離レンズアレイの他の例を示す図面である。
【
図8B】色分離レンズアレイの他の例を示す図面である。
【
図9A】スペーサ層の厚さと光が集光される領域の関係を説明するための図面である。
【
図9B】スペーサ層の厚さと光が集光される領域の関係を説明するための図面である。
【
図10A】自動焦点機能の原理を説明するためにイメージセンサの画素アレイとレンズとの距離変化によるイメージセンサの画素アレイに入射する光の分布変化を例示的に示す図面である。
【
図10B】自動焦点機能の原理を説明するためにイメージセンサの画素アレイとレンズとの距離変化によるイメージセンサの画素アレイに入射する光の分布変化を例示的に示す図面である。
【
図10C】自動焦点機能の原理を説明するために、イメージセンサの画素アレイとレンズとの距離変化によるイメージセンサの画素アレイに入射する光の分布変化を例示的に示す図面である。
【
図11】イメージセンサの画素アレイに傾斜して光が入射される場合にセンサ基板上に形成される光分布を例示的に示す図面である。
【
図12】位相差検出自動焦点(phase-detection auto-focus)方式で自動焦点信号を提供するための一実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図13】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するための他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図14A】実施例と比較例において入射角の変化による出力信号の対照比(コントラスト)を例示的に示すグラフである。
【
図14B】実施例と比較例において入射角の変化による出力信号の対照比(コントラスト)を例示的に示すグラフである。
【
図14C】実施例と比較例において入射角の変化による出力信号の対照比(コントラスト)を例示的に示すグラフである。
【
図15】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図16】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図17】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図18】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図19】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図20】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図21】位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【
図22】実施例によるイメージセンサを含む電子装置を概略的に示すブロック図である。
【
図23】
図22のカメラモジュールを概略的に示すブロック図である。
【
図24】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図25】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図26】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図27】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図28】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図29】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図30】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図31】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図32】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【
図33】実施例によるイメージセンサが適用された電子装置の様々な例を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して、色分離レンズアレイを備えるイメージセンサ及びそれを含む電子装置について詳細に説明する。説明される実施例は、ただの例示に過ぎず、そのような実施例から多様な変形が可能である。以下、図面において同じ参照符号は、同じ構成要素を称し、図面上で各構成要素の大きさは、説明の明瞭性と便宜のために、誇張されていてもよい。
【0033】
以下、「上部」または「上」と記載された表現は、接触して直ぐ上/下/左/右にあるものだけではなく、非接触で上/下/左/右にあるものも含む。
【0034】
第1、第2などの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用可能であるが、1つの構成要素を、他の構成要素から区別する目的だけで使用される。そのような用語は、構成要素の物質または構造の違いを限定するものではない。
【0035】
単数の表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0036】
また、明細書に記載された「...部」、「モジュール」などの用語は、1つまたは複数の機能や動作を処理する単位を意味し、これは、ハードウェアまたはソフトウェアとして具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせによって具現される。
【0037】
「前記」の用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当する。
【0038】
方法を構成する段階は、説明された順序によって行わねばならないという明白な言及がなければ、適当な順序によっても行われる。また、全ての例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に技術的思想を詳細に説明するためのものであって、請求項によって限定されない以上、そのような用語によって権利範囲が限定されるものではない。
【0039】
図1は、一実施例によるイメージセンサの概略的なブロック図である。
図1を参照すれば、イメージセンサ1000は、画素アレイ1100、タイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020、及び出力回路1030を含んでもよい。イメージセンサは、CCD(charge coupled device)イメージセンサまたはCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)イメージセンサである。
【0040】
画素アレイ1100は、複数のロウとカラムに沿って2次元配列された画素を含む。ロウデコーダ1020は、タイミングコントローラ1010から出力されたロウアドレス信号に応答して画素アレイ1100のロウを1つ選択する。出力回路1030は、選択されたロウに沿って配列された複数の画素からカラム単位で光感知信号を出力する。そのために、出力回路1030は、カラムデコーダとアナログ-デジタル変換器(ADC;analog to digital converter)を含んでもよい。例えば、出力回路1030は、カラムデコーダと画素アレイ1100との間でカラム別にそれぞれ配置された複数のADC、またはカラムデコーダの出力端に配置された1つのADCを含んでもよい。タイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020、及び出力回路1030は、1つのチップまたはそれぞれ別途のチップによって具現される。出力回路1030を通じて出力された映像信号を処理するためのプロセッサがタイミングコントローラ1010、ロウデコーダ1020、及び出力回路1030と共に1つのチップによっても具現される。
【0041】
画素アレイ1100は、互いに異なる波長の光を感知する複数の画素を含んでもよい。画素の配列は、多様な方式によっても具現される。例えば、
図2Aないし
図2Cは、イメージセンサ1000の画素アレイ1100の多様な画素配列を図示する。
【0042】
まず、
図2Aは、イメージセンサ1000で一般に採用されているベイヤーパターン(Bayer Pattern)を示す。
図2Aを参照すれば、1つの単位パターンは、4つの四分領域(Quadrant region)を含み、第1ないし第4四分面がそれぞれ青色画素B、緑色画素G、赤色画素R、緑色画素Gにもなる。そのような単位パターンが第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って2次元的に繰り返して配列される。すなわち、2×2アレイ形態の単位パターン内で一側対角線方向に2個の緑色画素Gが配置され、他の方対角線方向にそれぞれ1個の青色画素Bと1個の赤色画素Rが配置される。全体として画素配列を見れば、複数の緑色画素Gと複数の青色画素Bとが第1方向に沿って交互に配列される第1行と複数の赤色画素Rと複数の緑色画素Gとが第1方向に沿って交互に配列される第2行が第2方向に沿って繰り返して配列される。
【0043】
画素アレイ1100の配列方式は、ベイヤーパターン以外にも多様な配列方式が可能である。例えば、
図2Bを参照すれば、マゼンタ(Magenta)画素M、シアン(Cyan)画素C、イエロ(yellow)画素Y、及び緑色画素Gが1つの単位画素パターンを構成するCYGM方式の配列も可能である。また、
図2Cを参照すれば、緑色画素G、赤色画素R、青色画素B、及び白色画素Wが1つの単位パターンを構成するRGBW方式の配列も可能である。また、図示されていないが、単位パターンが3×2アレイ形態を有してもよい。その他にも画素アレイ1100の画素は、イメージセンサ1000の色特性によって多様な方式によって配列されうる。以下、イメージセンサ1000の画素アレイ1100がベイヤーパターンを有することを例として説明するが、動作原理は、ベイヤーパターンではない他の形態の画素配列にも適用されうる。
【0044】
イメージセンサ1000の画素アレイ1100は、特定画素に対応する色の光を集光する色分離レンズアレイを含んでもよい。
図3A及び
図3Bは、色分離レンズアレイの構造と動作とを示す概念図である。
【0045】
図3Aを参照すれば、色分離レンズアレイ(CSLA, Color Separating Lens Array)は、入射光Liの位相を入射位置によって異なって変化させる複数のナノポストNPを含んでもよい。色分離レンズアレイCSLAは、多様な方式で区画されうる。例えば、入射光Liに含まれた第1波長光L
λ1が集光される第1画素PX1に対応する第1画素対応領域R1、及び入射光Liに含まれた第2波長光L
λ2が集光される第2画素PX2に対応する第2画素対応領域R2に区画されうる。第1及び第2画素対応領域R1、R2は、それぞれ1つ以上のナノポストNPを含み、それぞれ第1及び第2画素PX1、PX2と対向配置されうる。他の例として、色分離レンズアレイCSLAは、第1波長光L
λ1を第1画素PX1に集光する第1波長集光領域L1、第2波長光L
λ2を第2画素PX2に集光する第2波長集光領域L2に区画されうる。第1波長集光領域L1と第2波長集光領域L2は、一部領域が重畳されうる。
【0046】
色分離レンズアレイCSLAは、入射光Liに含まれた第1及び第2波長光Lλ1、Lλ2に互いに異なる位相分布(Phase Profile)を形成し、第1波長光Lλ1を第1画素PX1に集光し、第2波長光Lλ2を第2画素PX2に集光することができる。
【0047】
例えば、
図3Bを参照すれば、色分離レンズアレイCSLAは、色分離レンズアレイCSLAを通過した直後の位置、すなわち、色分離レンズアレイCSLAの下部表面位置において、第1波長光L
λ1が第1位相分布PP1を有し、第2波長光L
λ2が第2位相分布PP2を有するようにし、第1及び第2波長光L
λ1、L
λ2がそれぞれ対応する第1及び第2画素PX1、PX2に集光させうる。具体的には、色分離レンズアレイCSLAを通過した第1波長光L
λ1は、第1画素対応領域R1の中心で最も大きく、第1画素対応領域R1の中心から遠ざかる方向、すなわち、第2画素対応領域R2方向に減少する第1位相分布PP1を有することができる。そのような位相分布は、凸レンズ、例えば、第1波長集光領域L1に配置された中心部が凸状のマイクロレンズを通過して一地点に収束する光の位相分布と類似しており、第1波長光L
λ1は、第1画素PX1に集光されうる。また、色分離レンズアレイCSLAを通過した第2波長光L
λ2は、第2画素対応領域R2の中心で最も大きく、第2画素対応領域R2の中心から遠ざかる方向、すなわち、第1画素対応領域R1方向に減少する第2位相分布PP2を有し、第2波長光L
λ2は、第2画素PX2に集光されうる。
【0048】
物質の屈折率は、反応する光の波長によって異なって示されるので、
図3Bのように、色分離レンズアレイCSLAが第1及び第2波長光L
λ1、L
λ2に対して互いに異なる位相分布を提供する。すなわち、同じ物質であっても、物質と反応する光の波長によって屈折率が異なって物質を通過したとき、光が経る位相遅延も波長ごとに異なるので、波長別に異なる位相分布が形成される。例えば、第1画素対応領域R1の第1波長光L
λ1に対する屈折率と第1画素対応領域R1の第2波長光L
λ2に対する屈折率とが互いに異なり、第1画素対応領域R1を通過した第1波長光L
λ1が経る位相遅延と第1画素対応領域R1とを通過した第2波長光L
λ2が経る位相遅延が異なりうるので、そのような光の特性を考慮して色分離レンズアレイCSLAを設計すれば、第1及び第2波長光L
λ1、L
λ2に対して互いに異なる位相分布を提供させうる。
【0049】
色分離レンズアレイCSLAは、第1及び第2波長光Lλ1、Lλ2がそれぞれ第1及び第2位相分布PP1、PP2を有するように特定の規則によって配列されたナノポストNPを含んでもよい。ここで、該規則(rule)は、ナノポストNPの形状、サイズ(幅、高さ)、間隔、配列形態などのパラメータに適用されるものであって、それらパラメータは、色分離レンズアレイCSLAを通じて具現しようとする位相分布(Phase Profile)によって決定されうる。
【0050】
ナノポストNPが第1画素対応領域R1に配置される規則と第2画素対応領域R2に配置される規則は、互いに異なってもいる。すなわち、第1画素対応領域R1に備えられたナノポストNPのサイズ、形状、間隔及び/または配列が第2画素対応領域R2に備えられたナノポストNPのサイズ、形状、間隔及び/または配列と異なっている。
【0051】
ナノポストNPは、断面の直径がサブ波長の寸法を有してもよい。ここで、サブ波長は、分岐対象である光の波長帯域よりも小さい波長を意味する。ナノポストNPは、例えば、第1波長、第2波長のうち、短い波長よりも小さい寸法を有する。入射光Liが可視光である場合、ナノポストNPの断面の直径は、例えば、400nm、300nm、または200nmよりも小さい寸法を有することができる。一方、ナノポストNPの高さは、500nm~1500nmでもあり、断面の直径よりも高さが高くなることもある。図示していないが、ナノポストNPは、高さ方向(Z方向)に積層された2個以上のポストが結合されたものでもあってもよい。
【0052】
ナノポストNPは、周辺物質に比べて高い屈折率を有する材料からもなる。例えば、ナノポストNPは、C-Si、p-Si、a-Si及びIII-V化合物半導体(GaP、GaN、GaAsなど)、SiC、TiO2、SiN及び/またはそれらの組み合わせを含みうる。周辺物質と屈折率差を有するナノポストNPは、ナノポストNPを通り過ぎる光の位相を変化させうる。これは、ナノポストNPのサブ波長の形状寸法によって起こる位相遅延(phase delay)によるものであり、位相遅延の程度は、ナノポストNPの細部的な形状寸法、配列形態などによって決定される。ナノポストNP周辺物質は、ナノポストNPよりも低い屈折率を有する誘電体材料からなってもよい。例えば、周辺物質は、SiO2または空気(air)を含んでもよい。
【0053】
第1波長λ1と第2波長λ2は、赤外線及び可視光線波長帯域でありうるが、それらに限定されず、複数のナノポストNPのアレイの配列規則によって多様な波長で動作することができる。また、2つの波長が分岐されて集光されるところを例示したが、入射光が波長によって3方向以上に分岐されて集光されうる。
【0054】
また色分離レンズアレイCSLAが1層である場合を例として説明したが、色分離レンズアレイCSLAは、複数の層が積層された構造であってもよい。例えば、1層は、可視光線を特定画素に集光し、2層は、赤外線を他の画素に集光するように設計することができる。
【0055】
以下、前述した色分離レンズアレイCSLAがイメージセンサ1000の画素アレイ1100に適用された例をさらに詳細に説明する。
【0056】
図4A及び
図4Bは、一実施例によるイメージセンサ1000の画素アレイ1100の互いに異なる断面で示される概略的な断面図であり、
図5Aは、イメージセンサ1000の画素アレイ1100で画素の配列を概略的に示す平面図であり、
図5Bは、イメージセンサ1000の画素アレイ1100で色分離レンズアレイの複数領域に複数のナノポストが配列された形態を例示的に示す平面図であり、
図5Cは、
図5Bの一部を拡大して詳細に示す平面図である。
【0057】
図4A及び
図4Bを参照すれば、イメージセンサ1000の画素アレイ1100は、光をセンシングする複数の画素111、112、113、114を含むセンサ基板110、センサ基板110上に配置された透明なスペーサ層120、及びスペーサ層120上に配置された色分離レンズアレイ130を含む。
【0058】
センサ基板110は、光を電気的信号に変換する第1緑色画素111、青色画素112、赤色画素113及び第2緑色画素114を含み、第1緑色画素111及び青色画素112が第1方向(X方向)に沿って交互に配列され、Y方向の位置が異なる断面では、
図4Bに図示されたように、赤色画素113及び第2緑色画素114が交互に配列されうる。
図5Aは、イメージセンサ1000の画素アレイ1100が
図2Aのようにベイヤーパターン配列を有する場合の画素の配列を示す。そのような配列は、入射光をベイヤーパターンのような単位パターンに区分してセンシングするためのものであり、例えば、第1及び第2緑色画素111、114は、緑色光をセンシングし、青色画素112は、青色光をセンシングし、赤色画素113は、赤色光をセンシングすることができる。図示されていないが、セル間境界には、セル分離のための分離膜がさらに形成されうる。
【0059】
図5Aを参照すれば、画素111、112、113、114の全部または一部は、4個以上の光感知セルを含み、1個の画素に含まれた4個以上の光感知セルは、色分離レンズアレイの集光領域を共有することができる。1つの画素内に独立して光を感知することができる複数の光感知セルを含む場合、イメージセンサの解像度が向上し、それぞれの光感知セルから獲得した信号の差を用いてイメージセンサ1000及び/またはイメージセンサ1000を含むカメラ装置の自動焦点機能を具現することができる。
図5Aの実施例では、緑色、青色、及び赤色画素111、112、113、114がいずれも4個の光感知セルを含む場合、例えば、第1緑色画素111は、第1-1ないし第1-4緑色光感知セル111a、111b、111c、111dを含み、青色画素112は、第1ないし第4青色光感知セル112a、112b、112c、112dを含み、赤色画素113は、第1ないし第4赤色光感知セル113a、113b、113c、113dを含み、第2緑色画素114は、第2-1ないし第2-4緑色光感知セル114a、114b、114c、114dを含む場合を例として説明する。
【0060】
スペーサ層120は、センサ基板110と色分離レンズアレイ130との間に配置されてセンサ基板110と色分離レンズアレイ130との間隔を一定に保持させる役割を行う。スペーサ層120は、可視光に対して透明な物質、例えば、SiO2、シロキサン系ガラス(SOG; siloxane-based spin on glass)などナノポストNPよりも低い屈折率を有しつつ、可視光帯域において吸収率の低い誘電体物質からなりうる。スペーサ層120の厚さ120hは、色分離レンズアレイ130によって集光される、光の焦点距離を基準に決定され、例えば、後述するように基準波長λ0光の焦点距離の約1/2でありうる。色分離レンズアレイ130によって集光される基準波長λ0光の焦点距離fは、基準波長λ0に対するスペーサ層120の屈折率をn、画素のピッチをpとするとき、次の[数式1]で表されうる。
【0061】
【0062】
基準波長λ0を緑色光である540nm、画素111、112、113、114のピッチを0.8μm、540nmの波長におけるスペーサ層120の屈折率(n)を1.46であると仮定すれば、緑色光の焦点距離f、すなわち、色分離レンズアレイ130の下部表面と緑色光が収束する地点間の距離は、約1.64μmでありうる。また、スペーサ層120の厚さ120hは、約0.82μmでありうる。他の例として、基準波長λ0を緑色光である540nm、画素111、112、113、114のピッチを1.2μm、540nmの波長におけるスペーサ層120の屈折率(n)を1.46であると仮定すれば、緑色光の焦点距離fは、約3.80μmでありうる。また、スペーサ層120の厚さ120hは、1.90μmでありうる。
【0063】
前述したスペーサ層120の厚さ120hは異なる表現を使用して表されうる。スペーサ層120の厚さ120hは、画素ピッチが0.5μ~0.9μmであるとき、画素ピッチの70%~120%であり、画素ピッチが0.9μm~1.3μmであるとき、画素ピッチの110%~180%でありうる。
【0064】
色分離レンズアレイ130は、スペーサ層120によって支持され、入射光の位相を変化させるナノポストNPとナノポストNPとの間に配置され、ナノポストNPよりも屈折率の低い誘電体、例えば、空気またはSiO2を含んでもよい。
【0065】
図5Bを参照すれば、色分離レンズアレイ130は、
図5Aの各画素111、112、113、114に対応する4個の画素対応領域131、132、133、134に区画されうる。第1緑色画素対応領域131は、第1緑色画素111に対応して鉛直方向に第1緑色画素111の上部に配置され、青色画素対応領域132は、青色画素112に対応して鉛直方向に青色画素112の上部に配置され、赤色画素対応領域133は、赤色画素113に対応して鉛直方向に赤色画素113の上部に配置され、第2緑色画素対応領域134は、第2緑色画素114に対応して鉛直方向に第2緑色画素114の上部に配置されうる。すなわち、色分離レンズアレイ130の画素対応領域131、132、133、134は、センサ基板110の各画素111、112、113、114と鉛直方向に対向配置されうる。画素対応領域131、132、133、134は、第1緑色画素対応領域及び青色画素対応領域131、132が交互に配列される第1行と赤色画素対応領域及び第2緑色画素対応領域133、134が交互に配列される第2行が交互に繰り返されるように第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)に沿って二次元配列されうる。色分離レンズアレイ130もセンサ基板110の画素アレイのように2次元配列された複数の単位パターンを含み、それぞれの単位パターンは2×2の形態に配列された画素対応領域131、132、133、134を含む。
【0066】
一方、色分離レンズアレイ130は、
図3Bの説明と同様に、緑色光を集光する緑色光集光領域、青色光を集光する青色光集光領域、及び赤色光を集光する赤色光集光領域に区画されうる。
【0067】
色分離レンズアレイ130は、第1及び第2緑色画素111、114に緑色光が分岐されて集光され、青色画素112に青色光が分岐されて集光され、赤色画素113に赤色光が分岐されて集光されるようにサイズ、形状、間隔及び/または配列が決定されたナノポストNPを含んでもよい。一方、第3方向(Z方向)に沿った色分離レンズアレイ130の厚さは、ナノポストNPの高さと類似しており、500nm~1500nmでありうる。
【0068】
図5Bを参照すれば、画素対応領域131、132、133、134は、円形断面を有する円柱状のナノポストNPを含み、各領域の中心部には、断面積が互いに異なるナノポストNPが配置され、画素間境界線上の中心にもナノポストNPが配置されうる。
【0069】
図5Cは、
図5Bの一部領域、すなわち、単位パターンを構成する画素対応領域131、132、133、134に含まれたナノポストNPの配列を詳細に示す。
図5CでナノポストNPは、単位パターン断面の大きさによって1~5と表示されている。
図5Cを参照すれば、ナノポストNPのうち、青色画素対応領域132の中心に断面サイズが最大であるナノポスト1が配置され、最小断面サイズのナノポスト5は、ナノポスト1及びナノポスト3の周辺及び第1及び第2緑色画素対応領域131、134を中心に配置されうる。これは、一例に過ぎず、必要によって多様な形状、サイズ、配列のナノポストNPが適用されうる。
【0070】
第1及び第2緑色画素対応領域131、134に備えられたナノポストNPは、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って互いに異なる分布規則を有することができる。例えば、第1及び第2緑色画素対応領域131、134に配置されたナノポストNPは、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って異なる大きさ配列を有することができる。
図5Cに図示されたように、ナノポストNPのうち、第1緑色画素対応領域131と第1方向(X方向)に隣接した青色画素対応領域132との境界に位置するナノポスト4の断面積と、第2方向(Y方向)に隣接する赤色画素対応領域133との境界に位置するナノポスト5の断面積は、互いに異なる。同様に、第2緑色画素対応領域134と第1方向(X方向)に隣接した赤色画素対応領域133との境界に位置するナノポスト5の断面積と、第2方向(Y方向)に隣接する青色画素対応領域132との境界に位置するナノポスト4の断面積は、互いに異なる。
【0071】
一方、青色画素対応領域132及び赤色画素対応領域133に配置されたナノポストNPは、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)に沿って対称的な分布規則を有することができる。
図5Cに図示されたように、ナノポストNPのうち、青色画素対応領域132と第1方向(X方向)に隣接した画素間の境界に置かれるナノポスト4と、第2方向(Y方向)に隣接した画素間の境界に置かれるナノポスト4の断面積は、互いに同一であり、かつ赤色画素対応領域133でも第1方向(X方向)に隣接した画素間の境界に置かれるナノポスト5と、第2方向(Y方向)に隣接した画素間の境界に置かれるナノポスト5の断面積が互いに同一である。
【0072】
そのような分布は、ベイヤーパターンの画素配列に起因する。青色画素112と赤色画素113は、いずれも第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)に隣接した画素が緑色画素111、114として同一であり、一方、第1緑色画素111は、第1方向(X方向)に隣接した画素が青色画素112であり、第2方向(Y方向)に隣接した画素が赤色画素113と互いに異なり、第2緑色画素114は、第1方向(X方向)に隣接した画素が赤色画素113であり、第2方向(Y方向)に隣接した画素が青色画素114と互いに異なる。そして、第1及び第2緑色画素111、114は、4つの対角方向に隣接する画素が緑色画素であり、青色画素112は、4つの対角方向に隣接する画素が赤色画素113として互いに同一であり、赤色画素113は、4つの対角方向に隣接する画素が青色画素112として互いに同一である。したがって、青色画素112と赤色画素113に対応する青色及び赤色画素対応領域132、133では、4回対称(4-fold symmetry)の形でナノポストNPが配列され、第1及び第2緑色画素対応領域131、134では、2回対称(2-fold symmetry)の形でナノポストNPが配列されうる。特に、第1及び第2緑色画素対応領域131、134は、互いに対して90°回転されている。
【0073】
図5B及び
図5CのナノポストNPは、いずれも対称的な円形の断面形状を有すると図示されているが、非対称形状の断面形状を有するナノポストが一部含まれうる。例えば、第1及び第2緑色画素対応領域131、134には、第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)の幅が互いに異なる非対称断面形状を有するナノポストが採用され、青色及び赤色画素対応領域132、133には、第1方向(X方向)と第2方向(Y方向)の幅が同じ対称的な断面形状を有するナノポストが採用されうる。例示されたナノポストNPの配列規則は、一例示であり、図示されたパターンに限定されるものではない。
【0074】
図6Aは、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光及び青色光の位相分布を
図5BのI-I’線に沿って示す図面であり、
図6Bは、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光の画素対応領域131、132、133、134中心での位相を示し、
図6Cは、色分離レンズアレイ130を通過した青色光の画素対応領域131、132、133、134中心での位相を示す。
図6Aの緑色光及び青色光の位相分布は、
図3Bで例示的に説明した第1及び第2波長光の位相分布と類似してもいる。
【0075】
図6A及び
図6Bを参照すれば、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光は、第1緑色画素対応領域131の中心で最も大きく、第1緑色画素対応領域131の中心から遠ざかる方向に減少する第1緑色光位相分布PPG1を有することができる。具体的に、色分離レンズアレイ130を通過した直後の位置、すなわち、色分離レンズアレイ130の下部表面またはスペーサ層120の上部表面で、緑色光の位相が、第1緑色画素対応領域131の中心で最も大きく、第1緑色画素対応領域131の中心から遠くなるほど、同心円状に徐々に小さくなり、X方向及びY方向には、青色及び赤色画素対応領域132、133の中心で最小となり、対角線方向では、第1緑色画素対応領域131と第2緑色画素対応領域134との接点で最小となる。緑色光の第1緑色画素対応領域131中心から出射される光の位相を基準として2πと決定されれば、青色及び赤色画素対応領域132、133の中心では、位相が0.9π~1.1π、第2緑色画素対応領域134中心では、位相が2π、第1緑色画素対応領域131と第2緑色画素対応領域134との接点では、位相が1.1π~1.5πである光が出射されうる。したがって、第1緑色画素対応領域131の中心を通過した緑色光と青色及び赤色画素対応領域132、133の中心を通過した緑色光の位相差は、0.9π~1.1πでありうる。
【0076】
一方、第1緑色光位相分布PPG1は、第1緑色画素対応領域131の中心を通過した光の位相遅延量が最も大きいということを意味するものではなく、第1緑色画素対応領域131を通過した光の位相を2πと決定したとき、他の位置を通過した光の位相遅延がさらに大きくて2πよりも大きい位相値を有するならば、2nπほど除去して残った値、すなわち、ラップ(Wrap)された位相の分布でありうる。例えば、第1緑色画素対応領域131を通過した光の位相を2πとしたとき、青色画素対応領域132の中心を通過した光の位相が3πであれば、青色画素対応領域132での位相は、3πから2π(n=1である場合)を除去して残ったπでありうる。
【0077】
図6A及び
図6Cを参照すれば、色分離レンズアレイ130を通過した青色光は、青色画素対応領域132の中心で最も大きく、青色画素対応領域132の中心から遠ざかる方向に減少する青色光位相分布PPBを有することができる。具体的に、色分離レンズアレイ130を透過した直後の位置で青色光の位相が、青色画素対応領域132の中心で最も大きく、青色画素対応領域132の中心から遠くなるほど同心円状に徐々に小さくなり、X方向及びY方向には、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心で最小となり、対角線方向には、赤色画素対応領域133の中心で最小となる。青色光の青色画素対応領域132中心での位相を2πとすれば、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心での位相は、例えば、0.9π~1.1πでもあり、赤色画素対応領域133中心での位相は、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心での位相よりも小さい値、例えば、0.5π~0.9πでありうる。
【0078】
図6Dは、第1緑色光集光領域に入射した緑色光の進行方向を例示的に示し、
図6Eは、第1緑色光集光領域のアレイを例示的に示す。
【0079】
第1緑色画素対応領域131の周辺に入射した緑色光は、色分離レンズアレイ130によって
図6Dに図示されたように、第1緑色画素111に集光され、第1緑色画素111には、第1緑色画素対応領域131以外にも青色及び赤色画素対応領域132、133からの緑色光が入射される。すなわち、
図6A及び
図6Bで説明した緑色光の位相分布は、第1緑色画素対応領域131と一辺を共有して隣接した2個の青色画素対応領域132と、2個の赤色画素対応領域133の中心を連結した第1緑色光集光領域GLを通過した緑色光を第1緑色画素111に集光する。したがって、
図6Eに図示されたように、色分離レンズアレイ130は、第1緑色画素111に緑色光を集光する第1緑色光集光領域GL1アレイとして動作することができる。第1緑色光集光領域GL1は、対応する第1緑色画素111よりも面積が大きく、例えば、1.2倍~2倍大きくもなる。
【0080】
図6Fは、青色光集光領域に入射した青色光の進行方向を例示的に示し、
図6Gは、青色光集光領域のアレイを例示的に示す。
【0081】
青色光は、色分離レンズアレイ130によって
図6Fのように青色画素112に集光され、青色画素112には、画素対応領域131、132、133、134からの青色光が入射される。
図6A及び
図6Cに基づいて説明した青色光の位相分布は、青色画素対応領域132と頂点を共有して隣接した4個の赤色画素対応領域133の中心を連結して作った青色光集光領域BLを通過した青色光を青色画素112に集光する。したがって、
図6Gに図示されたように、色分離レンズアレイ130は、青色画素に青色光を集光する青色光集光領域BLアレイとして動作することができる。青色光集光領域BLは、対応する青色画素112よりも面積が大きく、例えば、1.5~4倍大きくもなる。青色光集光領域BLは、一部領域が前述した第1緑色光集光領域GL1及び後述する第2緑色光集光領域GL2及び赤色光集光領域RLと重畳されうる。
【0082】
図7Aは、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光及び青色光の位相分布を
図5BのII-II’線に沿って示す図面であり、
図7Bは、色分離レンズアレイ130を通過した赤色光の画素対応領域131、132、133、134中心での位相を示し、
図7Cは、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光の画素対応領域131、132、133、134中心での位相を示す。
【0083】
図7A及び
図7Bを参照すれば、色分離レンズアレイ130を通過した赤色光は、赤色画素対応領域133の中心で最も大きく、赤色画素対応領域133の中心から遠ざかる方向に減少する赤色光位相分布PPRを有することができる。具体的に、色分離レンズアレイ130を透過した直後の位置で赤色光の位相が、赤色画素対応領域133の中心で最も大きく、赤色画素対応領域133の中心から遠くなるほど同心円状に徐々に小さくなり、X方向及びY方向には、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心で最小となり、対角線方向には、青色画素対応領域132の中心で最小となる。赤色光の赤色画素対応領域133中心での位相を2πとすれば、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心での位相は、例えば、0.9π~1.1πでもあり、青色画素対応領域132中心での位相は、第1及び第2緑色画素対応領域131、134の中心での位相よりも小さな値、例えば、0.6π~0.9πでありうる。
【0084】
図7A及び
図7Cを参照すれば、色分離レンズアレイ130を通過した緑色光は、第2緑色画素対応領域134の中心で最も大きく、第2緑色画素対応領域134の中心から遠ざかる方向に減少する第2緑色光位相分布PPG2を有することができる。
図6Aの第1緑色光位相分布PPG1と
図7Aの第2緑色光位相分布PPG2とを比較すれば、第2緑色光位相分布PPG2は、第1緑色光位相分布PPG1をX方向及びY方向に1画素ピッチほど平行移動したものと同一である。すなわち、第1緑色光位相分布PPG1は、第1緑色画素対応領域131の中心で位相が最大であるが、一方、第2緑色光位相分布PPG2は、第1緑色画素対応領域131の中心から、X方向及びY方向に1画素ピッチほど離れた第2緑色画素対応領域134の中心で位相が最も大きい。画素対応領域131、132、133、134中心での位相を示す
図6Bと
図7Cの位相分布は同一でありうる。また、第2緑色画素対応領域134を基準に緑色光の位相分布を説明すれば、緑色光の第2緑色画素対応領域134の中心から出射される光の位相を基準に2πと決定されれば、青色及び赤色画素対応領域132、133の中心では、位相が0.9π~1.1π、第1緑色画素対応領域131の中心では、位相が2π、第1緑色画素対応領域131と第2緑色画素対応領域134との接点では、位相が1.1π~1.5πである光が出射されうる。
【0085】
図7Dは、赤色光集光領域に入射した赤色光の進行方向を例示的に示し、
図7Eは、赤色光集光領域のアレイを例示的に示す。
【0086】
赤色光は、色分離レンズアレイ130によって
図7Dのように赤色画素113に集光され、赤色画素113には、画素対応領域131、132、133、134からの赤色光が入射される。
図7A及び
図7Bに基づいて前述した赤色光の位相分布は、赤色画素対応領域133と頂点を共有して隣接した4個の青色画素対応領域132の中心を連結して作った赤色光集光領域RLを通過した赤色光を赤色画素113に集光する。したがって、
図7Eに図示されたように、色分離レンズアレイ130は、赤色画素に赤色光を集光する赤色光集光領域RLアレイとして動作することができる。赤色光集光領域RLは、対応する赤色画素113よりも面積が大きく、例えば、1.5~4倍大きくもなる。赤色光集光領域RLは、一部領域が第1及び第2緑色光集光領域GL1、GL2及び青色光集光領域BLと重畳されうる。
【0087】
図7F及び
図7Gを参照すれば、第2緑色画素対応領域134周辺に入射した緑色光は、第1緑色画素対応領域131周辺に入射した緑色光についての説明と同様に進み、
図7Fに図示したように、第2緑色画素114に集光される。したがって、
図7Gに図示されたように、色分離レンズアレイ130は、第2緑色画素114に緑色光を集光する第2緑色光集光領域GL2アレイとして動作することができる。第2緑色光集光領域GL2は、対応する第2緑色画素114よりも面積が大きく、例えば、1.2倍~2倍大きくなりうる。
【0088】
前述した位相分布及び性能を満足する色分離レンズアレイ130は、多様な方式のコンピュータシミュレーションを通じて自動化された設計が可能である。例えば、遺伝子アルゴリズム(genetic algorithm)、粒子群集最適化(particle swarm optimization)アルゴリズム、蟻コロニー最適化(ant colony optimization)のような自然模写アルゴリズム(nature-inspired algorithm)を用いるか、またはアジョイント最適化(adjoint optimization)アルゴリズムに基づいた逆設計方式を通じて画素対応領域131、132、133、134の構造を最適化することができる。
【0089】
色分離レンズアレイの設計のために色分離スペクトル、光効率、信号対ノイズ比などの評価要素によって複数の候補色分離レンズアレイの性能を評価しつつ、緑色、青色、赤色及び赤外線画素対応領域の構造を最適化することができる。例えば、それぞれの評価要素に対する目標数値を予め決定した後、複数の評価要素に対する目標数値との差の和を最小化する方式で緑色、青色、赤色及び赤外線画素対応領域の構造を最適化することができる。または、それぞれの評価要素別に性能を指標化し、性能を示す値が最大となるように、緑色、青色、赤色、及び赤外線画素対応領域の構造を最適化することができる。
【0090】
図5B及び
図5Cに図示された色分離レンズアレイ130は、例示的なものであって、色分離レンズアレイの大きさ、厚さ、色分離レンズアレイが適用されるイメージセンサの色特性、画素ピッチ、色分離レンズアレイとイメージセンサとの距離、入射光の入射角などによって、上述した最適化設計を通じて多様な形態の色分離レンズアレイを得ることができる。また、ナノポストの代りに多様な他のパターンで色分離レンズアレイを具現することもできる。例えば、
図8Aは、ベイヤーパターン方式のイメージセンサに適用されうる他の実施例による色分離レンズアレイの単位パターンの形態を例示的に示す平面図であり、
図8Bは、さらに他の実施例による色分離レンズアレイの単位パターンの形態を例示的に示す平面図である。
【0091】
図8Aに図示された色分離レンズアレイ130aの画素対応領域131a、132a、133a、134aそれぞれは、16×16の長方形配列によってデジタル化されたバイナリー形態に最適化され、
図8Aの単位パターンは、32×32の長方形配列からなる形態を有する。それと異なって、
図8Bに図示された色分離レンズアレイ130bの画素対応領域131b、132b、133b、134bそれぞれは、デジタル化されていない連続した曲線状に最適化されうる。
【0092】
図9A及び
図9Bは、スペーサ層の厚さと光が集光される領域との関係を説明するための図面である。
【0093】
図9Aは、スペーサ層の厚さが青色光集光領域の焦点距離と類似するとき、青色光が集光される領域を説明するための図面である。
図9Aを参照すれば、青色光は、青色画素112の中心部に円形で表示した青色光フォーカス領域FRBに集光されうる。緑色光フォーカス領域FRGでのように青色光フォーカス領域FRBに集光される光子の相当数が光感知セル112a、112b、112c、112dの間の隔壁に入射し、隔壁に入射した光子は、反射または散乱され、光感知セルで感知されないので、センサ基板110の光効率低下の原因にもなる。
【0094】
図9Bは、スペーサ層の厚さが青色光集光領域の焦点距離の約1/2であるとき、青色光が集光される領域を説明するための図面である。
図9Bを参照すれば、青色光は、
図9Aのフォーカス領域FRBよりも拡張された面積の補正された青色光フォーカス領域FRB’に集光されうる。特に、青色光は、光感知セル112a、112b、112c、112dの中心部に円で表示した光集中部LCに集中されうる。補正された青色光フォーカス領域FRB’は、
図9Aのフォーカス領域FRBに比べて光感知セル112a、112b、112c、112dの中心部に入射する光が多く、隔壁が交差する青色画素112の中心に入射する光が少ないために、光利用効率が向上しうる。
【0095】
図9A及び
図9Bでは、色分離レンズアレイの青色光集光領域によって青色光が青色画素112にフォーカシングされる場合についてのみ例示的に説明したが、緑色光及び赤色光に対しても同じ原理が適用されうる。したがって、イメージセンサの画素が2次元配列された複数の光感知セルを含む場合、センサ基板110の光利用効率が低下しないように、スペーサ層120の厚さ、すなわち、色分離レンズアレイ130とセンサ基板110との距離は、色分離レンズアレイ130による基準波長光焦点距離の30%~70%、または40%~60%でありうる。具体的には、スペーサ層120の厚さ、すなわち、色分離レンズアレイ130とセンサ基板110との距離は、センサ基板110の画素ピッチが0.9μm~1.3μmである場合、画素ピッチの110%~180%でありえ、またはセンサ基板110の画素ピッチが0.5μm~0.9μmである場合には、センサ基板110の画素ピッチの70%~120%でありうる。
【0096】
前述したように1つの画素が複数の光感知セルを含む場合、それぞれの光感知セルから獲得した信号の差を用いて自動焦点機能を具現することができる。
図10Aないし
図10Cは、自動焦点機能の原理を説明するために、イメージセンサの画素アレイとレンズとの距離変化によるイメージセンサの画素アレイに入射する光の分布変化を例示的に示す図面である。
【0097】
図10Aは、レンズLEの焦点が画素アレイ1100の表面に形成される場合を図示する。その場合、レンズLEの物体側にある光軸OX上の一点から出発してレンズLEの両側エッジをそれぞれ通過した光は、画素アレイ1100の表面上の一点に集まるようになる。したがって、焦点が正確に合った場合、画素アレイ1100のそれぞれの画素には、一点から出発してレンズLEの両側エッジをそれぞれ通過した光が同じ強度で入射されうる。
【0098】
図10Bは、レンズLEの焦点が画素アレイ1100の表面前側に形成される場合を図示する。その場合、レンズLEの物体側にある光軸OX上の一点から出発してレンズLEの両側エッジをそれぞれ通過した光は、焦点を互いに交差して通りつつ、画素アレイ1100の表面上に互いに異なる点に傾斜して入射する。例えば、レンズLEの左側エッジを通過した光は、焦点を通って光軸OXの右側にある画素アレイ1100の表面上の一点に傾斜して入射し、レンズLEの右側エッジを通過した光は、焦点を通って光軸OXの左側にある画素アレイ1100の表面上の一点に傾斜して入射する。
【0099】
図10Cは、レンズLEの焦点が画素アレイ1100の表面裏側に形成される場合を図示する。その場合、レンズLEの物体側にある光軸OX上の一点から出発してレンズLEの両側エッジをそれぞれ通過した光は、焦点に到逹する前に画素アレイ1100の表面上に互いに異なる点に傾斜して入射する。例えば、レンズLEの左側エッジを通過した光は、焦点に到逹する前に光軸OXの左側にある画素アレイ1100の表面上の一点に傾斜して入射し、レンズLEの右側エッジを通過した光は、光軸OXの右側にある画素アレイ1100の表面上の一点に傾斜して入射する。
【0100】
したがって、焦点が合っていない場合、
図10B及び
図10Cに図示されたように、一点から出発してレンズLEの両側エッジをそれぞれ通過した光が画素アレイ1100の互いに異なる画素に入射される。そうであれば、それぞれの画素には、一点から出発した光のうち、レンズLEのいずれか一側エッジのみを通過した光が傾斜して入射する。
【0101】
図11は、イメージセンサの画素アレイに傾斜して光が入射される場合、センサ基板上に形成される光分布を例示的に示す。
図11を参照すれば、色分離レンズアレイ130の青色光集光領域に傾斜して入射した青色光が青色画素112にフォーカシングされる場合、青色画素112の光感知セル112a、112b、112c、112dには、4個の光集中部が不均一に形成される。
図9Aと比較するとき、4個の光集中部は、左側方向に偏って位置し、左側光感知セル112a、112cに形成された光集中部の面積または強度が右側光感知セル112b、112dに形成された光集中部の面積または強度よりも大きい。光集中部のシフト方向及び光集中部の大きさは、画素アレイ1100と焦点との距離、画素アレイ1100上で画素の相対的な位置によっても変わる。
図11には、例示的に青色光のみ図示されたが、緑色光及び赤色光が
図11と同じ光分布を形成することにもなる。
【0102】
上述したように、1つの画素が独立して光を感知する複数の光感知セルを含むので、複数の光感知セルから出力された信号の差を利用すれば、位相差検出自動焦点(phase-detection auto-focus)方式で自動焦点信号を提供することができる。
図12は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するための一実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
【0103】
図12を参照すれば、画素の光感知セルそれぞれは、X方向に沿って配列された第1フォトダイオードPD1及び第2フォトダイオードPD2を含んでもよい。1つの光感知セル内にある第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2は、独立して光感知信号を出力することができる。すなわち、画素それぞれが複数の独立した光感知セルを含み、光感知セルそれぞれが独立した2個のフォトダイオードPD1、PD2を含んでもよい。それぞれの光感知セルの一般的な映像信号は、第1フォトダイオードPD1と第2フォトダイオードPD2の光感知信号を合わせて得られる。
【0104】
上記のような画素構造において、1つの画素は、X方向に沿って互いに離れている両側エッジ領域及び両側エッジ領域間の中間領域に区画されうる。高い対照比(コントラスト)を得るために、自動焦点信号は、1つの画素内でX方向に最も遠く離れた両側エッジ領域に配置された2個のフォトダイオードから出力される光感知信号間の差から得られる。青色画素112を、例として説明すると、青色画素112内で左側エッジ領域に配置された第1青色光感知セル112aの第1フォトダイオードPD1と右側エッジ領域に配置された第2青色光感知セル112bの第2フォトダイオードPD2とがX方向に互いに最も遠く離れている。また、青色画素112内で第3青色光感知セル112cの第1フォトダイオードPD1と第4青色光感知セル112dの第2フォトダイオードPD2とがX方向に互いに最も遠く離れている。
【0105】
したがって、青色画素112内で第1青色光感知セル112aの第1フォトダイオードPD1から出力された光感知信号と第2青色光感知セル112bの第2フォトダイオードPD2から出力された光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。または、第3青色光感知セル112cの第1フォトダイオードPD1から出力された光感知信号と第4青色光感知セル112dの第2フォトダイオードPD2から出力された光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。または、第1青色光感知セル112aの第1フォトダイオードPD1と第3青色光感知セル112cの第1フォトダイオードPD1から出力された光感知信号の和と第2青色光感知セル112bの第2フォトダイオードPD2と第4青色光感知セル112dの第2フォトダイオードPD2から出力された光感知信号の和との差から自動焦点信号を得ることができる。
【0106】
自動焦点信号は、青色画素112だけではなく、第1緑色画素111、赤色画素113及び第2緑色画素114でも同じ方式で得ることができる。イメージセンサ内の全ての画素を通じて自動焦点信号を得るか、またはイメージセンサ内で選択された一部画素を通じても自動焦点信号を得る。
【0107】
1つの画素内で左側エッジ領域と右側エッジ領域との間の中間領域には、2個のフォトダイオードが配置されうる。青色画素112を例として説明すれば、青色画素112内で中間領域には、第1青色光感知セル112aの第2フォトダイオードPD2、第2青色光感知セル112bの第1フォトダイオードPD1、第3青色光感知セル112cの第2フォトダイオードPD2、及び第4青色光感知セル112dの第1フォトダイオードPD1が配置されうる。したがって、自動焦点信号の獲得に使用される左側エッジ領域と右側エッジ領域は、十分な間隔を置いて互いに離れる。例えば、左側エッジ領域と右側エッジ領域とのX方向に沿う間隔、すなわち、中間領域のX方向幅は、左側及び右側エッジ領域それぞれのX方向幅よりも2倍以上大きくもなる。
【0108】
画素の中間領域に配置されたフォトダイオードそれぞれは、画素の中間領域に入射する光に対する光感知信号を出力することができる。画素の中間領域に入射する光に対する光感知信号を用いて一般的な映像信号を生成することができる。青色画素112を例として説明すれば、第1青色光感知セル112a内の2個のフォトダイオードPD1、PD2からそれぞれ出力される光感知信号の和から第1青色光感知セル112aに入射する光に対する映像信号を得ることができる。したがって、画素の両側エッジ領域に配置されたフォトダイオードは、自動焦点信号と一般的な映像信号との獲得にいずれも使用され、画素の中間領域に配置されたフォトダイオードは、自動焦点信号の獲得には使用されず、一般的な映像信号の獲得にのみ使用されうる。
【0109】
図13は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するための他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
図13を参照すれば、画素の光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードPDのみを含んでもよい。それぞれの光感知セルに1つのフォトダイオードPDのみ配置された場合、光感知セル内で光集中部のシフトを感知して自動焦点信号のコントラストを向上させるために、光を遮断するマスクパターン115でそれぞれの光感知セルの一部を遮蔽することができる。特に、1つの画素をX方向に沿って互いに離れている両側エッジ領域及び両側エッジ領域の間の中間領域に区画するとき、
図13に図示されたように、マスクパターン115は、画素内の左側エッジ領域と右側エッジ領域との中間領域に配置されうる。
【0110】
青色画素112を例として説明すれば、第1及び第3青色光感知セル112a、112cのフォトダイオードPDの受光面のうち、左側エッジ領域に対応する領域を除いた残り領域を遮蔽し、第2及び第4青色光感知セル112b、112dのフォトダイオードPDの受光面のうち、右側エッジ領域に対応する領域を除いた残り領域を遮蔽するように、マスクパターン115が配置されうる。それにより、第1及び第3青色光感知セル112a、112cから出力される光感知信号は、青色画素112の左側エッジ領域に入射する光によって発生し、第2及び第4青色光感知セル112b、112dから出力される光感知信号は、青色画素112の右側エッジ領域に入射する光によって発生する。したがって、第1及び第3青色光感知セル112a、112cの光感知信号と第2及び第4青色光感知セル112b、112dの光感知信号との差から高いコントラストを有する自動焦点信号を得ることができる。
【0111】
図13に図示された実施例では、マスクパターン115によって光が遮蔽されるので、青色画素112は、左側エッジ領域と右側エッジ領域との間の中間領域に入射する光に対する光感知信号を出力しない。これにより、一般的な映像信号を生成する場合には、光利用効率が低下しうる。したがって、イメージセンサの全体画素のうち、一部画素にのみマスクパターン115が配置されうる。例えば、イメージセンサの全体画素のうち、約1%~10%、または約2%~5%の画素にのみマスクパターン115が配置されうる。マスクパターン115を含む画素は、イメージセンサの全体領域に均一に分布することができる。マスクパターン115を含まない画素は、一般的な映像信号の獲得に使用され、マスクパターン115を含む画素は、一般的な映像信号及び自動焦点信号の獲得にいずれも使用されうる。
【0112】
図14Aないし
図14Cは、実施例と比較例で入射角の変化による出力信号のコントラストを例示的に示すグラフである。
図14Aは、
図12及び
図13に図示された実施例において1つの画素内の左側エッジ領域と右側エッジ領域の出力信号のコントラストを示し、
図14Bは、1つの光センシングセル内でX方向に隣接して配置された2個のフォトダイオードの出力信号のコントラストを示し、
図14Cは、1つのフォトダイオードを有する左側光センシングセルと右側光センシングセルの出力信号のコントラストを示す。
図14Aないし
図14Cを参照すれば、1つの画素内の左側エッジ領域と右側エッジ領域から光感知信号を出力する実施例の場合、2個の出力信号間の差が最も大きくなることが分かる。したがって、実施例によれば、高いコントラストを有する自動焦点信号を提供し、イメージセンサの自動焦点性能を向上させうる。
【0113】
図12及び
図13では、1つの画素が2×2に配列された4個の光センシングセルを有すると説明したが、必ずしもそれに限定されない。例えば、1つの画素は、3×3に配列された9個の光センシングセル、4×4に配列された16個の光センシングセル、またはそれ以上の複数の光センシングセルを含んでもよい。
【0114】
図15は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
図15を参照すれば、1つの画素は、3×3に配列された9個の光センシングセルを含んでもよい。すなわち、X方向に沿って3個の光センシングセルが順次に配列されており、Y方向に沿って3個の光センシングセルが順次に配列されている。画素内の複数の光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードのみを含んでもよい。
【0115】
図15に図示された実施例において、イメージセンサは、X方向に沿って左側エッジ領域に配列された複数の光センシングセルL1、L2、L3の光感知信号と、右側エッジ領域に配列された複数の光センシングセルR1、R2、R3の光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。左側エッジ領域と右側エッジ領域との間の中間領域に配列された複数の光センシングセルからは、一般的な映像信号を生成することができる。
図15に図示された実施例において、左側エッジ領域と右側エッジ領域との間のX方向に沿う間隔、すなわち、中間領域のX方向幅は、左側及び右側エッジ領域それぞれのX方向幅と同一であるか、またはそれより大きくもなる。
【0116】
図16は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
図16を参照すれば、1つの画素は4×4に配列された16個の光センシングセルを含んでもよい。画素内の複数の光感知セルそれぞれは、1つのフォトダイオードのみを含んでもよい。その場合、イメージセンサは、X方向に沿って左側エッジ領域に配列された複数の光センシングセルL1、L2、L3、L4の光感知信号と、右側エッジ領域に配列された複数の光センシングセルR1、R2、R3、R4の光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。
図16に図示された実施例において、左側エッジ領域と右側エッジ領域との間のX方向に沿う間隔、すなわち、中間領域のX方向幅は、左側及び右側エッジ領域それぞれのX方向幅よりも2倍以上大きくもなる。
【0117】
図17及び
図18は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。以上、X方向に両側エッジに配置された光センシングセルの対またはフォトダイオードの対から自動焦点信号を獲得すると説明したが、イメージセンサ内で画素の相対的な位置または、被写体の形態によって自動焦点信号を獲得しやすい光センシングセルの対またはフォトダイオードの対が存在しうる。
【0118】
例えば、
図17に図示されたように、イメージセンサは、一画素内でX方向に垂直なY方向に沿って下部エッジ領域に配列された複数の光センシングセルD1、D2、D3の光感知信号と、上部エッジ領域に配列された複数の光センシングセルU1、U2、U3の光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。
【0119】
また、
図18に図示されたように、一画素内において対角線方向に両頂点領域にそれぞれ入射する光に対する光感知信号を用いて自動焦点信号を得ることもできる。それぞれの画素は、+Y方向と-X方向に沿う第1対角線方向の両頂点領域に配置された複数の光感知セルC1、C2、C3、C4、C5、C6及び+Y方向と+X方向に沿う第2対角線方向に配列された複数の光感知セルを含んでもよい。第1頂点領域内には、画素の第1頂点に位置した第1光感知セルC1、X方向に第1光感知セルC1に隣接した第2光感知セルC2、及びY方向に第1光感知セルC1に隣接した第3光感知セルC3が配列されうる。第2頂点領域内には、画素の第1頂点に反対側第2頂点に位置した第4光感知セルC4、X方向に第4光感知セルC4に隣接した第5光感知セルC5、及びY方向に第4光感知セルC4に隣接した第6光感知セルC6が配列されうる。イメージセンサは、それぞれの画素の第1ないし第3光感知セルC1、C2、C3から出力された光感知信号と、第4ないし第6光感知セルC4、C5、C6から出力された光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。
図18には、+Y方向と-X方向に沿う第1対角線方向の両頂点領域から自動焦点信号を得ると図示されたが、+Y方向と+X方向に沿う第2対角線方向の両頂点領域から自動焦点信号を得てもよい。
【0120】
図19は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
図19を参照すれば、イメージセンサは、
図15、
図17、及び
図18に図示された画素をいずれも含んでもよい。例えば、イメージセンサは、
図15に図示された画素を含む第1グループ、
図17に図示された画素を含む第2グループ、及び
図18に図示された画素を含む第3グループを含んでもよい。第1グループに属する画素は、イメージセンサ内でX方向に沿う両側領域に配列されうる。第2グループに属する画素は、イメージセンサ内でY方向に沿う上下部領域に配列されうる。また、第3グループに属する画素は、2個の対角線方向に沿う領域に配列されうる。特に、イメージセンサのY方向と-X方向に沿う第1対角線方向に配列された画素は、第1対角線方向の両頂点領域から自動焦点信号を得るように構成され、イメージセンサの+Y方向と+X方向に沿う第2対角線方向に配列された画素は、第2対角線方向の両頂点領域から自動焦点信号を得るように構成されうる。
【0121】
図20及び
図21は、位相差検出自動焦点方式で自動焦点信号を提供するためのさらに他の実施例によるイメージセンサの画素アレイの例示的な構造を示す平面図である。
図15ないし
図19に図示された実施例では、それぞれの画素がX方向またはY方向に沿って3個以上の光センシングセルを含むので、1つの光センシングセルが1つのフォトダイオードを有するとしても、十分に高いコントラストの自動焦点信号を得ることができる。しかし、さらに高いコントラストを得るために、両側エッジに配置された光センシングセルが2個のフォトダイオードを有してもよい。
【0122】
図20を参照すれば、1つの画素は、3×3に配列された9個の光センシングセルを含んでもよい。それぞれの画素内で左側に配列された複数の光センシングセルL1、L2、L3及び右側に配列された複数の光センシングセルR1、R2、R3それぞれは、X方向に沿って配列された第1及び第2フォトダイオードPD1、PD2を含んでもよい。左側光センシングセルL1、L2、L3と右側光センシングセルR1、R2、R3との間に配列された光センシングセルは、1つのフォトダイオードPDのみを含んでもよい。イメージセンサは、左側光センシングセルL1、L2、L3内において左側に配置された第1フォトダイオードPD1から出力された光感知信号と、右側光センシングセルR1、R2、R3内で右側に配置された第2フォトダイオードPD2から出力された光感知信号との差から自動焦点信号を得ることができる。その場合、左側光センシングセルL1、L2、L3の第1フォトダイオードPD1が配置された領域が左側エッジ領域になり、右側光センシングセルR1、R2、R3の第2フォトダイオードPD2が配置された領域が右側エッジ領域になる。左側エッジ領域と右側エッジ領域との間のX方向に沿う間隔、すなわち、中間領域のX方向幅は、左側及び右側エッジ領域それぞれのX方向幅よりも4倍以上大きくもなる。
【0123】
図21を参照すれば、1つの画素は、4×4に配列された16個の光センシングセルを含んでもよい。
図21に図示された実施例は、光センシングセルの個数を除き、
図20に図示された実施例と同一でありうる。すなわち、イメージセンサは、左側光センシングセルL1、L2、L3、L4内で左側に配置された第1フォトダイオードPD1から出力された光感知信号と、右側光センシングセルR1、R2、R3、R4内で右側に配置された第2フォトダイオードPD2から出力された光感知信号との差から自動焦点信号が得られる。その場合、中間領域のX方向幅は、左側及び右側エッジ領域それぞれのX方向幅よりも6倍以上大きくもなる。
【0124】
前述した画素アレイ1100を含むイメージセンサ1000は、カラーフィルタ、例えば、有機カラーフィルタによる光損失がほとんどないので、画素サイズが小さくなっても、画素に十分な量の光を提供することができる。したがって、数億個以上の画素を有する超高解像度マイクロ高感度イメージセンサの作製が可能である。そのような超高解像度マイクロ高感度イメージセンサは、多様な高性能光学装置または高性能電子装置に採用されうる。そのような電子装置は、例えば、スマートフォン(smart phone)、携帯電話、ハンドフォン、PDA(personal digital assistant)、ラップトップ(laptop)、PC、多様な携帯用機器、家電製品、保安カメラ、医療用カメラ、自動車、事物インターネット(IoT;Internet of Things)機器、その他モバイルまたは非モバイルコンピューティング装置でありうるが、それらに制限されない。
【0125】
電子装置は、イメージセンサ1000以外にも、イメージセンサを制御するプロセッサ、例えば、アプリケーションプロセッサ(AP:Application Processor)をさらに含み、プロセッサを通じて基本ソフト(operation system)または応用プログラムを駆動して多数のハードウェアまたはソフトウェア構成要素を制御し、各種データ処理及び演算を遂行することができる。プロセッサは、GPU(Graphic Processing Unit)及び/またはイメージ信号プロセッサ(Image Signal Processor)をさらに含んでもよい。プロセッサにイメージ信号プロセッサが含まれる場合、イメージセンサによって獲得されたイメージ(または映像)を、プロセッサを用いて保存及び/または出力することができる。また、プロセッサは、イメージセンサのそれぞれの画素内で互いに離れた両側エッジから独立して2個の光感知信号を受信し、2個の光感知信号の差に基づいて自動焦点信号を生成することができる。
【0126】
図22は、イメージセンサ1000を含む電子装置ED01の一例を示すブロック図である。
図22を参照すれば、ネットワーク環境ED00で電子装置ED01は、第1ネットワークED98(近距離無線通信ネットワークなど)を通じて他の電子装置ED02と通信するか、または第2ネットワークED99(遠距離無線通信ネットワークなど)を介してさらに他の電子装置ED04及び/または、サーバED08と通信することができる。電子装置ED01は、サーバED08を介して電子装置ED04と通信することができる。電子装置ED01は、プロセッサED20、メモリED30、入力装置ED50、音響出力装置ED55、表示装置ED60、オーディオモジュールED70、センサモジュールED76、インターフェースED77、ハプティックモジュールED79、カメラモジュールED80、電力管理モジュールED88、バッテリED89、通信モジュールED90、加入者識別モジュールED96、及び/またはアンテナモジュールED97を含んでもよい。電子装置ED01には、該構成要素のうち、一部(表示装置ED60など)が省略されるか、他の構成要素が追加されうる。該構成要素のうち、一部は、1つの統合された回路によって具現されうる。例えば、センサモジュールED76(指紋センサ、虹彩センサ、照度センサなど)は、表示装置ED60(ディスプレイなど)に埋め込まれて具現されうる。
【0127】
プロセッサED20は、ソフトウェア(プログラムED40など)を実行してプロセッサED20に連結された電子装置ED01のうち、1つまたは複数個の他の構成要素(ハードウェア、ソフトウェア構成要素など)を制御し、多様なデータ処理または演算を遂行することができる。データ処理または演算の一部として、プロセッサED20は、他の構成要素(センサモジュールED76、通信モジュールED90など)から受信された命令及び/またはデータを揮発性メモリED32にローディングし、揮発性メモリED32に保存された命令及び/またはデータを処理し、結果データを不揮発性メモリED34に保存することができる。プロセッサED20は、メインプロセッサED21(中央処理装置、アプリケーションプロセッサなど)及び、それと独立して、または共に運用可能な補助プロセッサED23(グラフィック処理装置、イメージシグナルプロセッサ、センサハーブプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)を含んでもよい。補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21よりも電力を少なく使用し、特化された機能を遂行することができる。
【0128】
補助プロセッサED23は、メインプロセッサED21がインアクティブ状態(スリープ状態)である間に、メインプロセッサED21の代わりに、またはメインプロセッサED21がアクティブ状態(アプリケーション実行状態)である間に、メインプロセッサED21と共に、電子装置ED01の構成要素のうち、一部構成要素(表示装置ED60、センサモジュールED76、通信モジュールED90など)に係わる機能、及び/または状態を制御することができる。補助プロセッサED23(イメージシグナルプロセッサ、コミュニケーションプロセッサなど)は機能的に関連した他の構成要素(カメラモジュールED80、通信モジュールED90など)の一部として具現されうる。
【0129】
メモリED30は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20、センサモジュールED76など)が必要とする多様なデータを保存することができる。データは、例えば、ソフトウェア(プログラムED40など)、及びそれに係わる命令に対する入力データ及び/または出力データを含んでもよい。メモリED30は、揮発性メモリED32及び/または不揮発性メモリED34を含んでもよい。不揮発性メモリED32は、電子装置ED01内に固設された内蔵メモリED36と脱着可能な外装メモリED38を含んでもよい。
【0130】
プログラムED40は、メモリED30にソフトウェアによって保存され、基本ソフトED42、ミドルウェアED44及び/またはアプリケーションED46を含んでもよい。
【0131】
入力装置ED50は、電子装置ED01の構成要素(プロセッサED20など)に使用される命令及び/またはデータを電子装置ED01の外部(ユーザなど)から受信することができる。入力装置ED50は、マイク、マウス、キーボード、及び/またはデジタルペン(スタイラスペンなど)を含んでもよい。
【0132】
音響出力装置ED55は、音響信号を電子装置ED01の外部に出力することができる。音響出力装置ED55は、スピーカ及び/またはレシーバを含んでもよい。スピーカは、マルチメディア再生または録音再生のように一般的な用途で使用され、レシーバは、着信電話を受信するために使用されうる。レシーバは、スピーカの一部に結合されているか、または独立した別途の装置として具現されうる。
【0133】
表示装置ED60は、電子装置ED01の外部に情報を視覚的に提供することができる。表示装置ED60は、ディスプレイ、ホログラム装置、またはプロジェクタ及び当該装置を制御するための制御回路を含んでもよい。表示装置ED60は、タッチを感知するように設定されたタッチ回路(Touch Circuitry)、及び/またはタッチによって発生する力の強度を測定するように設定されたセンサ回路(圧力センサなど)を含んでもよい。
【0134】
オーディオモジュールED70は、音を電気信号に変換させるか、逆に電気信号を音に変換させうる。オーディオモジュールED70は、入力装置ED50を通じて音を獲得するか、音響出力装置ED55、及び/または電子装置ED01と直接または無線で連結された他の電子装置(電子装置ED02など)のスピーカ及び/またはヘッドホーンを通じて音を出力することができる。
【0135】
センサモジュールED76は、電子装置ED01の作動状態(電力、温度など)、または外部の環境状態(ユーザ状態など)を感知し、感知された状態に対応する電気信号及び/またはデータ値を生成することができる。センサモジュールED76は、ジェスチャーセンサ、ジャイロセンサ、気圧センサ、マグネチックセンサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、IR(Infrared)センサ、生体センサ、温度センサ、湿度センサ、及び/または照度センサを含んでもよい。
【0136】
インターフェースED77は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と直接または無線で連結されるために、使用可能な1つまたは複数の指定されたプロトコルを支援することができる。インターフェースED77は、HDMI(High Definition Multimedia Interface、登録商標)、USB(Universal Serial Bus)インターフェース、SDカードインターフェース、及び/またはオーディオインターフェースを含んでもよい。
【0137】
連結端子ED78は、電子装置ED01が他の電子装置(電子装置ED02など)と物理的に連結されうるコネクタを含んでもよい。連結端子ED78は、HDMIコネクタ、USBコネクタ、SDカードコネクタ、及び/またはオーディオコネクタ(ヘッドホーンコネクタなど)を含んでもよい。
【0138】
ハプティックモジュールED79は、電気的信号をユーザが触覚または運動感覚を通じて認知することができる機械的な刺激(振動、動きなど)または電気的な刺激に変換することができる。ハプティックモジュールED79は、モータ、圧電素子、及び/または電気刺激装置を含んでもよい。
【0139】
カメラモジュールED80は、静止画及び動画を撮影することができる。カメラモジュールED80は、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリー、
図1のイメージセンサ1000、イメージシグナルプロセッサ、及び/またはフラッシュを含んでもよい。カメラモジュールED80に含まれたレンズアセンブリーは、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。
【0140】
電力管理モジュールED88は、電子装置ED01に供給される電力を管理することができる。電力管理モジュールED88は、PMIC(Power Management Integrated Circuit)の一部として具現されうる。
【0141】
バッテリED89は、電子装置ED01の構成要素に電力を供給することができる。バッテリED89は、再充電不可能な1次電池、再充電可能な2次電池及び/または燃料電池を含んでもよい。
【0142】
通信モジュールED90は、電子装置ED01と他の電子装置(電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)との直接(有線)通信チャネル及び/または無線通信チャネルの樹立、及び樹立された通信チャネルを通じる通信遂行を支援することができる。通信モジュールED90は、プロセッサED20(アプリケーションプロセッサなど)と独立して運用され、直接通信及び/または無線通信を支援する1つまたは複数のコミュニケーションプロセッサを含んでもよい。通信モジュールED90は、無線通信モジュールED92(セルラ通信モジュール、近距離無線通信モジュール、GNSS(Global Navigation Satellite Systemなど)通信モジュール)及び/または有線通信モジュールED94(LAN(Local Area Network)通信モジュール、電力線通信モジュールなど)を含んでもよい。これら通信モジュールのうち、該当する通信モジュールは、第1ネットワークED98(ブルートゥース(登録商標)、WiFi DirectまたはIrDA(Infrared Data Association)のような近距離通信ネットワーク)または第2ネットワークED99(セルラネットワーク、インターネット、またはコンピュータネットワーク(LAN、WANなど)のような遠距離通信ネットワーク)を通じて他の電子装置と通信することができる。そのような様々な種類の通信モジュールは、1つの構成要素(単一チップなど)として統合されるか、または互いに別途の複数の構成要素(複数チップ)によっても具現される。無線通信モジュールED92は、加入者識別モジュールED96に保存された加入者情報(国際モバイル加入者識別子(IMSI)など)を用いて第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワーク内で電子装置ED01を確認及び認証することができる。
【0143】
アンテナモジュールED97は、信号及び/または電力を外部(他の電子装置など)に送信するか、外部から受信することができる。アンテナは、基板(PCBなど)上に形成された導電性パターンからなる放射体を含んでもよい。アンテナモジュールED97は、1つまたは複数のアンテナを含んでもよい。複数のアンテナが含まれた場合、通信モジュールED90によって複数のアンテナのうち、第1ネットワークED98及び/または第2ネットワークED99のような通信ネットワークで使用される通信方式に適したアンテナが選択されうる。選択されたアンテナを介して通信モジュールED90と他の電子装置との間に信号及び/または電力が送信/受信されうる。アンテナ以外に他の部品(RFICなど)がアンテナモジュールED97の一部に含まれうる。
【0144】
構成要素のうち一部は、周辺機器間の通信方式(バス、GPIO(General Purpose Inputand Output)、SPI(Serial Peripheral Interface)、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)など)を介して互いに連結され、信号(命令、データなど)を互いに交換することができる。
【0145】
命令またはデータは、第2ネットワークED99に連結されたサーバED08を介して電子装置ED01と外部の電子装置ED04との間に送信または受信されうる。他の電子装置ED02、ED04は、電子装置ED01と同一であるか、または異なる種類の装置である。電子装置ED01で実行される動作の全部または一部は、他の電子装置ED02、ED04、ED08のうち、1つまたは複数の装置で実行されうる。例えば、電子装置ED01がある機能やサービスを遂行せねばならないとき、機能またはサービスを自体的に実行させる代りに、1つまたは複数の異なる電子装置に、その機能またはそのサービスの一部または全体の遂行を要請することができる。要請を受信した1つまたは複数の異なる電子装置は、要請に係わる追加機能またはサービスを行い、その実行の結果を電子装置ED01に伝達することができる。そのために、クラウドコンピューティング、分散コンピューティング、及び/またはクライアント-サーバコンピューティング技術が利用されうる。
【0146】
図23は、
図22のカメラモジュールED80を例示するブロック図である。
図23を参照すれば、カメラモジュールED80は、レンズアセンブリーCM10、フラッシュCM20、イメージセンサ1000(
図1のイメージセンサ1000など)、イメージスタビライザーCM40、メモリCM50(バッファメモリなど)、及び/またはイメージシグナルプロセッサCM60を含んでもよい。レンズアセンブリーCM10は、イメージ撮影の対象である被写体から放出される光を収集することができる。カメラモジュールED80は、複数のレンズアセンブリーCM10を含み、そのような場合、カメラモジュールED80は、デュアルカメラ、360°カメラ、または球状カメラ(Spherical Camera)でありうる。複数のレンズアセンブリーCM10のうち、一部は、同じレンズ属性(画角、焦点距離、自動焦点、Fナンバー(F Number)、光学ズームなど)を有するか、または他のレンズ属性を有することができる。レンズアセンブリーCM10は、広角レンズまたは望遠レンズを含んでもよい。
【0147】
フラッシュCM20は、被写体から放出または反射される光を強化するために使用される光を放出することができる。フラッシュCM20は、1つまたは複数の発光ダイオード(RGB(Red-Green-Blue)LED、White LED、Infrared LED、Ultraviolet LEDなど)、及び/またはXenon Lampを含んでもよい。イメージセンサ1000は、
図1で説明したイメージセンサでもあり、被写体から放出または反射されてレンズアセンブリーCM10を介して伝達された光を電気的な信号に変換させることで、被写体に対応するイメージを獲得することができる。イメージセンサ1000は、RGBセンサ、BW(Black and White)センサ、IRセンサ、またはUVセンサのように属性の異なるイメージセンサのうち、選択された1つまたは複数のセンサを含んでもよい。イメージセンサ1000に含まれたそれぞれのセンサは、CCD(Charged Coupled Device)センサ及び/またはCMOS(complementary metal-oxide semiconductor)センサによって具現されうる。
【0148】
イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80またはそれを含む電子装置CM01の動きに反応し、レンズアセンブリーCM10に含まれた1つまたは複数個のレンズまたはイメージセンサ1000を特定の方向に動かすか、イメージセンサ1000の動作特性を制御(リードアウト(Read-Out)タイミングの調整など)して動きによる否定的な影響を補償可能にする。イメージスタビライザーCM40は、カメラモジュールED80の内部または外部に配置されたジャイロセンサ(図示せず)または加速度センサ(図示せず)を用いてカメラモジュールED80または電子装置ED01の動きを感知することができる。イメージスタビライザーCM40は、光学式によっても具現される。
【0149】
メモリCM50は、イメージセンサ1000を介して獲得されたイメージの一部または全体データが次のイメージ処理作業のために保存することができる。例えば、複数のイメージが高速に獲得される場合、獲得された原本データ(ベイヤーパターンデータ、高解像度データなど)は、メモリCM50に保存し、低解像度イメージのみをディスプレイした後、選択された(ユーザ選択など)イメージの原本データがイメージシグナルプロセッサCM60に伝達させるのに使用されうる。メモリCM50は、電子装置ED01のメモリED30に統合されているか、または独立して運用される別途のメモリで構成されうる。
【0150】
イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサ1000を介して獲得されたイメージまたはメモリCM50に保存されたイメージデータに対してイメージ処理を遂行することができる。イメージ処理は、デプスマップ(Depth Map)生成、3次元モデリング、パノラマ生成、特徴点抽出、イメージ合成、及び/またはイメージ補償(ノイズ減少、解像度調整、輝度調整、ブラーリング(Blurring)、シャープニング(Sharpening)、ソフトニング(Softening)など)を含んでもよい。イメージシグナルプロセッサCM60は、カメラモジュールED80に含まれた構成要素(イメージセンサ1000など)に対する制御(露出時間制御、またはリードアウトタイミング制御など)を遂行することができる。イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、追加処理のためにメモリCM50に再び保存されるか、カメラモジュールED80の外部構成要素(メモリED30、表示装置ED60、電子装置ED02、電子装置ED04、サーバED08など)に提供されうる。イメージシグナルプロセッサCM60は、プロセッサED20に統合されるか、プロセッサED20と独立して運用される別途のプロセッサで構成されうる。イメージシグナルプロセッサCM60がプロセッサED20と別途のプロセッサで構成された場合、イメージシグナルプロセッサCM60によって処理されたイメージは、プロセッサED20によって追加のイメージ処理を経た後、表示装置ED60を介して表示されうる。
【0151】
また、イメージシグナルプロセッサCM60は、イメージセンサ1000のそれぞれの画素内で互いに離れた両側エッジから独立して2個の光感知信号を受信し、2個の光感知信号の差から自動焦点信号を生成することができる。イメージシグナルプロセッサCM60は、自動焦点信号に基づいてレンズアセンブリーCM10の焦点がイメージセンサ1000の表面に正確に結ぶようにレンズアセンブリーCM10を制御することができる。
【0152】
電子装置ED01は、互いに異なる属性または機能を有する複数のカメラモジュールED80を含んでもよい。そのような場合、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、広角カメラであり、他の1つは、望遠カメラである。同様に、複数のカメラモジュールED80のうち、1つは、前面カメラであり、他の1つは、背面カメラである。
【0153】
実施例によるイメージセンサ1000は、
図24に図示されたモバイルフォンまたはスマートフォン1100m、
図25に図示されたタブレットまたはスマートタブレット1200、
図26に図示されたデジタルカメラまたはカムコーダ1300、
図27に図示されたノート型パソコン1400に、または
図28に図示されたテレビまたはスマートテレビ1500などに適用されうる。例えば、スマートフォン1100mまたはスマートタブレット1200は、高解像度イメージセンサがそれぞれ搭載された複数の高解像度カメラを含んでもよい。高解像度カメラを用いて映像内の被写体のデプス情報を抽出するか、映像のアウトフォーカシングを調節するか、映像内の被写体を自動的に識別することができる。
【0154】
また、イメージセンサ1000は、
図29に図示されたスマート冷蔵庫1600、
図30に図示された保安カメラ1700、
図31に図示されたロボット1800、
図32に図示された医療用カメラ1900などに適用されうる。例えば、スマート冷蔵庫1600は、イメージセンサを用いて冷蔵庫内にある飲食物を自動認識し、特定飲食物の存否、入庫または出庫された飲食物の種類などを、スマートフォンを介してユーザに知らせることができる。保安カメラ1700は、超高解像度映像を提供し、高感度を用いて暗い環境でも映像内の事物または人を認識可能にしうる。ロボット1800は、人が直接接近できない災害または産業現場に投入されて高解像度映像を提供することができる。医療用カメラ1900は、診断または手術のための高解像度映像を提供し、視野を動的に調節することができる。
【0155】
また、イメージセンサ1000は、
図33に図示されたように車両2000に適用されうる。車両2000は、多様な位置に配置された複数の車両用カメラ2010、2020、2030、2040を含み、それぞれの車両用カメラ2010、2020、2030、2040は、実施例によるイメージセンサを含んでもよい。車両2000は、複数の車両用カメラ2010、2020、2030、2040を用いて車両2000内部または周辺に係わる多様な情報を運転者に提供し、映像内の事物または人を自動認識して自律走行に必要な情報を提供することができる。
【0156】
上述した色分離レンズアレイを備えるイメージセンサ及びそれを含む電子装置が、たとえ図面に図示された実施例を参照して説明されたとしても、それらは、例示的なものに過ぎず、当該分野で通常の知識を有する者であれば、それらにより、多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解するであろう。したがって、開示された実施例は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。権利範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、権利範囲に含まれたと解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0157】
111 第1緑色画素
112 青色画素
112a 第1青色光感知セル
112b 第2青色光感知セル
112c 第3青色光感知セル
112d 第4青色光感知セル
113 赤色画素
114 第2緑色画素
PD1 第1フォトダイオード
PD2 第2フォトダイオード