(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】投光器のための照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 41/19 20180101AFI20240123BHJP
F21S 41/148 20180101ALI20240123BHJP
F21S 41/16 20180101ALI20240123BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20240123BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20240123BHJP
F21S 43/19 20180101ALI20240123BHJP
F21S 43/20 20180101ALI20240123BHJP
F21S 43/31 20180101ALI20240123BHJP
F21S 43/37 20180101ALI20240123BHJP
F21S 45/48 20180101ALI20240123BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240123BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240123BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20240123BHJP
F21W 102/13 20180101ALN20240123BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20240123BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20240123BHJP
F21W 107/17 20180101ALN20240123BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240123BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20240123BHJP
F21Y 107/90 20160101ALN20240123BHJP
【FI】
F21S41/19
F21S41/148
F21S41/16
F21S41/32
F21S43/14
F21S43/19
F21S43/20
F21S43/31
F21S43/37
F21S45/48
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V19/00 510
F21V19/00 530
F21V29/503
F21V29/77
F21W102:13
F21W103:10
F21W105:00
F21W107:17
F21Y115:10
F21Y115:30
F21Y107:90
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022105662
(22)【出願日】2022-06-30
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】A 50548/2021
(32)【優先日】2021-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】516256272
【氏名又は名称】ケーティーエム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】KTM AG
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ヒアシュビヒラー
(72)【発明者】
【氏名】ズビニェク クレムツァー
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021284(JP,A)
【文献】特開2017-079116(JP,A)
【文献】特開2019-003938(JP,A)
【文献】特開2020-009529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/19
F21S 41/148
F21S 41/16
F21S 41/32
F21S 43/14
F21S 43/19
F21S 43/20
F21S 43/31
F21S 43/37
F21S 45/48
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/77
F21W 102/13
F21W 103/10
F21W 105/00
F21W 107/17
F21Y 115/10
F21Y 115/30
F21Y 107/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光器(13)のための照明装置(12)であって、長手方向(L)を有するランプエレメント支持体(14)を含み、該ランプエレメント支持体(14)には、少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)と、少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)と、少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)とが配置されている、照明装置(12)において、
前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、前記ランプエレメント支持体(14)の、前記長手方向(L)に関して前方の端部領域(15)に配置されており、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)と前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)とは、前記長手方向(L)に関して、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の後方に配置されて
おり、
前記ランプエレメント支持体(14)の2つの反対の側に配置されている少なくとも2つのポジションランプエレメント(6a,6b)が設けられていることを特徴とする、照明装置(12)。
【請求項2】
前記端部領域(15)では、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の周囲に透過型光学素子(8)が配置されており、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の配光に前記透過型光学素子(8)によって影響を与えることがで
きる、請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項3】
前記端部領域(15)では、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)のもとに反射型光学素子(7)が配置されており、これにより前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の配光に前記反射型光学素子(7)によって影響を与えることができる、かつ/または、これにより前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)の陰になっ
ている、請求項1または2記載の照明装置(12)。
【請求項4】
-前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)と前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)とは、前記ランプエレメント支持体(14)の2つの反対の側に配置されている、かつ/または前記長手方向(L)で互いにずらされて配置されている、
請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項5】
前記照明装置(12)は冷却体(1)を有しており、前記ランプエレメント支持体(14)は、前記ランプエレメント支持体(14)の、前記長手方向(L)に関して前方の前記端部領域(15)が、前記冷却体(1)とは反対側にあるように、前記冷却体(1)に配置され
ている、請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項6】
前記ランプエレメント支持体(14)には熱伝導部分(30)が配置されており、該熱伝導部分(30)
は冷却体(1)に接続されており、これにより熱が前記ランプエレメント支持体(14)から前記冷却体(1)へと伝導可能で
ある、請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項7】
前記照明装置(12)はボード(3)を有しており、該ボード(3)上に、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および/または前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)が配置され
ている、請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項8】
第1の熱伝導性構成部分(19)が
、冷却体(1)の上側部分
と熱伝導部分(30)の上側部分とを含み、第2の熱伝導性構成部分(20)が、前記冷却体(1)の下側部分と前記熱伝導部分(30)の下側部分とを含
む、請求項5から7までのいずれか1項記載の照明装置(12)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)、前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、
-半導体光源とし
て形成されている、かつ/または
-作動時に、白色光を放射する、
請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項10】
前記照明装置(12)は、二輪車両の投光器(13)のための照明装置(12)である、請求項1記載の照明装置(12)。
【請求項11】
前記透過型光学素子(8)は、散乱ディスクとして形成されている、かつ/または、垂直方向のぎざぎざおよび/または互いに隣接して並んでいる円筒レンズを有している、請求項2記載の照明装置(12)。
【請求項12】
-前記反射型光学素子(7)は、輪郭を有している、かつ/または
-前記長手方向(L)に関して、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の後方に配置されている、かつ/または
-前記反射型光学素子(7)は、熱伝導性の材料から製造されている、
請求項3記載の照明装置(12)。
【請求項13】
前記反射型光学素子(7)の前記輪郭が、凹面状である、請求項12記載の照明装置(12)。
【請求項14】
前記冷却体(1)は冷却リブ(18)を有している、かつ/または、前記冷却体(1)内には、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)、前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)のうちの少なくとも1つのランプエレメントを制御するための制御装置(2)が配置されている、請求項5記載の照明装置(12)。
【請求項15】
-前記熱伝導部分(30)は前記冷却体(1)に一体的に結合されている、かつ/または
-前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および/または前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、前記熱伝導部分(30)の凹部(22,23)内に配置されている、かつ/または
-前記熱伝導部分(30)は、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および/または前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)の領域で、狭隘部(16)を有しており、これにより、前記ロービームランプエレメント(4)およびハイビームランプエレメント(5)の表面は、前記熱伝導部分(30)の表面と実質的に平坦に延在している、かつ/または
-前記熱伝導部分(30)は、前記端部領域(15)で、輪郭を有しており、前記輪郭は、前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)のための反射型光学素子(7)として機能する、
請求項6記載の照明装置(12)。
【請求項16】
前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および/または前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、前記熱伝導部分(30)によって取り囲まれている、請求項15記載の照明装置(12)。
【請求項17】
前記熱伝導部分(30)の、前記端部領域(15)での前記輪郭が、凹面状である、請求項15記載の照明装置(12)。
【請求項18】
-前記ボード(3)は、冷却体(1)から前記ランプエレメント支持体(14)内へと突入している、かつ/または
-前記ボード(3)には、前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)、前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)のうちの少なくとも1つのランプエレメントを制御するための制御装置(2)が配置されている、
請求項7記載の照明装置(12)。
【請求項19】
前記ボード(3)は、前記長手方向(L)で前記ランプエレメント支持体(14)全体を通って延在している、請求項18記載の照明装置(12)。
【請求項20】
-ボード(3)は、前記第1の熱伝導性構成部分(19)と前記第2の熱伝導性構成部分(20)との間に配置されている、かつ/または
-前記第1の熱伝導性構成部分(19)と前記第2の熱伝導性構成部分(20)とは、少なくとも1つの固定手段(21)を用いて互いに固定可能である、かつ/または
-前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)は、前記第1の熱伝導性構成部分(19)の第1の凹部(22)に配置されており、前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)は、前記第2の熱伝導性構成部分(20)の第2の凹部(23)に配置されている、
請求項8記載の照明装置(12)。
【請求項21】
前記少なくとも1つの固定手段(21)は、ねじである、請求項20記載の照明装置(12)。
【請求項22】
前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)、前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)が、発光ダイオードまたはレーザーダイオードとして形成されている、請求項9記載の照明装置(12)。
【請求項23】
請求項1記載の照明装置(12)を備えた投光器(13)であって、該投光器(13)は、少なくとも1つ
のリフレクタ(11)を有しており、作動中、少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)および/または少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)および/または少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)の光が、前記リフレクタ(11)で反射される、投光器(13)。
【請求項24】
-前記リフレクタ(11)は貫通部(24)を有しており、ランプエレメント支持体(14)が組付け状態で、前記貫通部(24)を通って突出している、かつ/または
-前記ランプエレメント支持体(14)は、前記リフレクタ(11)によって形成される内室(25)内に配置されている、かつ/または
-冷却体(1)が、前記リフレクタ(11)によって形成される内室(25)の外側に配置されている、
請求項
23記載の投光器(13)。
【請求項25】
-前記少なくとも1つのロービームランプエレメント(4)は、前記ランプエレメント支持体(14)
の第1の側に配置されており、これにより前記ロービームランプエレメントの光は、もっぱら
、第1のリフレクタ半部(28)によって反射可能である、かつ/または
-前記少なくとも1つのハイビームランプエレメント(5)は、前記ランプエレメント支持体(14)
の第2の側に配置されており、これにより前記ハイビームランプエレメントの光は、もっぱら
、第2のリフレクタ半部(29)によって反射可能である、かつ/または
-前記少なくとも1つのポジションランプエレメント(6)は、前記ランプエレメント支持体(14)
の第1の側およ
び第2の側に配置されており、これにより前記ポジションランプエレメントの光は
、第1のリフレクタ半部(28)および/また
は第2のリフレクタ半部(29)によって反射可能である、
請求項
23または
24記載の投光器(13)。
【請求項26】
前記少なくとも1つのリフレクタ(11)が、凹面状である、請求項23記載の投光器(13)。
【請求項27】
前記ランプエレメント支持体(14)の第1の側が、上側の側である、請求項25記載の投光器(13)。
【請求項28】
前記第1のリフレクタ半部(28)が、上側の半部である、請求項25記載の投光器(13)。
【請求項29】
前記ランプエレメント支持体(14)の第2の側が、下側の側である、請求項25記載の投光器(13)。
【請求項30】
前記第2のリフレクタ半部(29)が、下側の半部である、請求項25記載の投光器(13)。
【請求項31】
請求項
23記載の投光器(13)を備えた二輪車
両。
【請求項32】
前記二輪車両が、オートバイである、請求項31記載の二輪車。
【請求項33】
前記投光器(13)が、前照灯として使用される、請求項31記載の二輪車両。
【請求項34】
請求項8記載の照明装置(12)を製造する方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
-第1の熱伝導性構成部分(19)を、ボード(3)の第1の側に配置するステップ、
-第2の熱伝導性構成部分(20)を、前記ボード(3)の、前記第1の側とは反対の第2の側に配置するステップ、
-前記第1の熱伝導性構成部分(19)を前記第2の熱伝導性構成部分(20)
に固定し、この際に、前記ボード(3)を前記両熱伝導性構成部分(19,20)の間に保持するステップ、
を有している、方法。
【請求項35】
請求項
23記載の投光器(13)を製造する方法であって、ランプエレメント支持体(14)を、貫通部(24)を通してリフレクタ(11)内でガイドし、取付け個所(27)で前記リフレクタ(11)に取り付
ける、方法。
【請求項36】
前記第1の熱伝導性構成部分(19)を前記第2の熱伝導性構成部分(20)に固定手段(21)によって固定する、請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記取付け個所(27)は、別のランプのためにも適している、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記別のランプが、ハロゲンランプである、請求項37記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に二輪車両の投光器のための照明装置であって、長手方向を有するランプエレメント支持体を含み、このランプエレメント支持体には、少なくとも1つのロービームランプエレメントと、少なくとも1つのハイビームランプエレメントと、少なくとも1つのポジションランプエレメントとが配置されている、照明装置に関する。
【0002】
さらに本発明は、照明装置を備えた投光器およびこのような投光器を備えた二輪車両に関する。
【0003】
さらに本発明は、照明装置を製造する方法および投光器を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
規定のメインライト機能およびシグナルライト機能を果たすために、自動車は常に複数のランプエレメントを備えている。少なくとも、自動車は、ロービーム光、ハイビーム光およびポジションライトを有していなければならない。
【0005】
本発明は、二輪車両用の投光器に関し、この投光器は、他の車両のためにも使用することができる。
【0006】
とりわけ、ポジションライトのために、冒頭で述べた投光器では、別個のフィラメントランプまたは別個の半導体発光素子が使用される。
【0007】
その結果、構成部品数が増大し、投光器の機械的安定性および密閉性が低下するが、このことは特にオフロードバイクにおいて使用する場合には重要である。さらに、複数のランプエレメントが設けられていることにより、故障したランプエレメントの交換が困難となる。
【0008】
従来技術からも、メインライト機能およびシグナルライト機能が1つの照明装置にまとめられている照明装置が知られている。独国特許出願公開第102010063713号明細書は、支持エレメント上に配置されているランプエレメントを備えた照明装置を開示している。この場合、少なくとも1つのロービームランプエレメントと少なくとも1つのハイビームランプエレメントとがランプ支持体上に配置されており、少なくとも1つのポジションランプエレメントは、このランプ支持体が突出している冷却体上に配置されている。
【0009】
このような従来技術の欠点は、少なくとも1つのポジションランプエレメントが、投光器のリフレクタの領域において、リフレクタ内のストリップとして、または複数の点状光源として配置されていることである。
【0010】
したがって、少なくとも1つのポジションランプエレメントを配置するために、例えば隙間や凹部を有した特別に調整されたリフレクタが必要である。
【0011】
少なくとも1つのポジションランプエレメントがリフレクタの領域に配置されていることにより、ポジションライトの配光を限定的にしか調整することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、調整可能な配光を有するモジュール式の照明装置を提供すること、および/または、このような照明装置を備えた投光器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題は、請求項1、請求項10、請求項13、請求項14および請求項15記載の対象によって解決される。
【0014】
本発明によれば、少なくとも1つのポジションランプエレメントは、ランプエレメント支持体の、長手方向に関して前方の端部領域に配置されており、少なくとも1つのロービームランプエレメントと少なくとも1つのハイビームランプエレメントとは、長手方向に関して、少なくとも1つのポジションランプエレメントの後方に配置されていることが想定されている。ランプエレメント支持体の2つの反対の側に配置されている少なくとも2つのポジションランプエレメントが設けられていることが想定されていてよい。
【0015】
少なくとも1つのポジションランプエレメントが、ランプエレメント支持体の、長手方向に関して前方の端部領域に配置されていることにより、少なくとも1つのポジションランプエレメントを、投光器に組み付けられた状態で、リフレクタから離して配置することができる。少なくとも1つのポジションランプエレメントから放射される光は、直接に、またはリフレクタを介して投光器から放出することができる。これにより、ランプエレメント支持体の寸法と、少なくとも1つのポジションランプエレメントの構造とに応じて、ランプエレメント支持体の端部領域における位置決めによって配光を柔軟に調整することができる。
【0016】
少なくとも1つのロービームランプエレメントと少なくとも1つのハイビームランプエレメントとが、長手方向に関して、少なくとも1つのポジションランプエレメントの後方に配置されていることにより、これらのランプエレメントはそれぞれ異なる配光を生成することができる。
【0017】
好ましい実施例では、端部領域で少なくとも1つのポジションランプエレメントの周囲に透過型光学素子が配置されていることが想定されている。少なくとも1つのポジションランプエレメントの配光は、透過型光学素子によって影響を与えることができる。これにより特に、空間的にさらに広がる配光を提供することができる。これにより、少なくとも1つのポジションランプエレメントがランプエレメント支持体の端部領域に位置しているにもかかわらず、光をリフレクタ内へと偏向させることができる。
【0018】
好ましくは、透過型光学素子は、散乱ディスクとして構成されている、かつ/または、垂直のぎざぎざおよび/または互いに隣接して並んでいる円柱レンズを有している。
【0019】
さらなる実施例では、端部領域で、少なくとも1つのポジションランプエレメントの周囲に反射型光学素子が配置されており、これにより少なくとも1つのポジションランプエレメントの配光に、反射型光学素子によって影響を与えることができる。
【0020】
さらに、反射型光学素子を、少なくとも1つのポジションランプエレメントが、少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび少なくとも1つのハイビームランプエレメントの陰になるように、配置することができる。これにより、ランプエレメントの配光を、互いに無関係に調整することができる。
【0021】
特に、反射型光学素子は、好ましくは凹面状の輪郭を有していてよい、かつ/または、長手方向に関して、少なくとも1つのポジションランプエレメントの後方に配置されていてよい。これにより、後方に向かって放射される、少なくとも1つのポジションランプエレメントからの光をリフレクタによって前方に向かって反射させることができる。これにより、光収率を向上させることができ、これによりエネルギ消費が減少し、熱の発生が減少する。
【0022】
反射型光学素子により反射された光は、その後のビーム延在において、透過型光学素子を通って放射させることができる。したがって、ポジションライトの配光は、透過型光学素子および反射型光学素子を、投光器のリフレクタ内での配置と組み合わせて選択することにより、決定することができる。
【0023】
好ましくは、反射型光学素子は熱伝導性材料から製造されており、この場合、熱伝導性材料は、少なくとも1つのポジションランプエレメントからの熱を冷却体へと導出することができる。
【0024】
ランプエレメント支持体の2つの反対の側に配置されている少なくとも2つのポジションランプエレメントが設けられていることが想定されていてよい。これにより、対称の配光を形成することができ、特にこれにより、リフレクタの上側および下側に放射させることができる。
【0025】
少なくとも1つのロービームランプエレメントと少なくとも1つのハイビームランプエレメントとは、ランプエレメント支持体の2つの反対の側に配置されていることが想定されていてよい。これにより、両ランプエレメントは互いの陰になる。この場合、少なくとも1つのロービームランプエレメントは、好ましくは上側に配置されているので、光は上に向かって放射され、リフレクタによって前方および下方に向かって反射される。この場合、少なくとも1つのハイビームランプエレメントは、好ましくは下側に配置されているので、光は下に向かって放射され、リフレクタによって前方および部分的に上方に向かって反射される。
【0026】
さらに、少なくとも1つのロービームランプエレメントと少なくとも1つのハイビームランプエレメントとは、長手方向で互いにずらされて配置されていることが想定されていてよい。したがって、ランプエレメントは、ランプエレメント支持体のそれぞれ固有の長手方向区分を有しているので、熱をより良好に導出することができる。さらに、少なくとも1つのロービームランプエレメントから少なくとも1つのハイビームランプエレメントへの、またはその逆の熱の放出は、直接対向するランプエレメントの場合よりも減少する。
【0027】
1つの実施例では、照明装置は冷却体を有しており、ランプエレメント支持体は、ランプエレメント支持体の長手方向に関して前方の端部領域が、冷却体とは反対側にあるように、冷却体に配置されている。これにより、一方の端部に冷却体を有し、他方の端部に少なくとも1つのポジションランプエレメントを有している照明装置が形成される。
【0028】
冷却体は冷却リブを有していてよく、これにより熱をより良好に周囲に放出させることができる。さらに、冷却体には制御装置を配置することができ、この制御装置は冷却体によって冷却される。制御装置は、ランプエレメントの制御のために設けられている。
【0029】
ランプエレメント支持体には、熱伝導部分が配置されており、この熱伝導部分は冷却体に結合されていて、これにより熱をランプエレメント支持体から冷却体へと伝導可能であることが想定されていてよい。これはランプエレメントの冷却のために利用される。特に、少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントは、多くの熱を発生させるので、冷却されなければならない。
【0030】
この場合、熱伝導部分が冷却体に一体的に結合されていることが想定されていてよい。これにより、熱伝導部分から冷却体への特に良好な熱伝導が保証されている。さらに、これにより照明装置は、より安定的に構成されている。熱伝導部分および/または冷却体は、好ましくはアルミニウムから製造されている。
【0031】
「一体的に結合されている」とは、「材料接続的に」結合されている、または「1つの一貫した構成部分から製造されている」ことを意味していてよい。
【0032】
少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのポジションランプエレメントは、熱伝導部分の凹部内に配置されていてよく、この場合、特に好ましくは、熱伝導部分によって取り囲まれている。これにより、特に効率的に熱をランプエレメントから導出することができる。さらに、ランプエレメントを、熱伝導部分の内側に、例えばボード上に配置することができ、凹部から外へ突出させることができる。
【0033】
少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントが、長手方向で互いにずらされて配置されているならば、それぞれランプエレメントの反対側の領域は、熱伝導部分によって埋められ、特に、ランプエレメントは設けられていない。したがって、それぞれランプエレメントの反対側の領域は、熱を導出することができる。これにより、ずらされた配置によって、熱をランプエレメントからより良好に導出することができる。
【0034】
熱伝導部分は、少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントの領域で、狭隘部を有しており、これにより、ランプエレメントの表面は、熱伝導部分の表面と実質的に平坦に延在していることが想定されていてよい。これにより、熱伝導部分の内部で、例えばボード上に配置されているランプエレメントは、外部へ大きく突出しなくてよい。これにより、凹部をより短く形成することができる。
【0035】
さらに、熱伝導部分は、端部領域で、好ましくは凹面状の輪郭を有しており、凹面状の輪郭は、少なくとも1つのポジションランプエレメントのための反射型光学素子として機能することが想定されていてよい。これにより、一方では、少なくとも1つのポジションランプエレメントの光収率を向上させることができ、他方では、少なくとも1つのポジションランプエレメントからの熱を導出することができる。さらに、向上した光収率により、発生する熱は、最初から減じられている。
【0036】
1つの実施例では、照明装置はボードを有しており、このボード上に、少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのポジションランプエレメントが配置されていることが想定されていてよい。これにより、手間がかかり間違い易いランプエレメントの配線が不要になる。
【0037】
ボードは、冷却体からランプエレメント支持体内へと突入することができる。特にボードは、ランプエレメント支持体全体を通って長手方向で延在することができる。これにより、冷却体内に配置された制御装置、およびランプエレメント支持体に配置されたランプエレメントを、配線なしに互いに電気的に接続することができる。
【0038】
ボードと冷却体との間にはかつ/またはボードと熱伝導部分との間には、好ましくは厚さ0.8ミリメートルを有する熱伝導ペーストおよび/または熱伝導パッドが配置されていてよい。これにより、熱をより効果的にボードから冷却体および/または熱伝導部分へと伝達することができる。
【0039】
特に好ましい実施例では、第1の熱伝導性構成部分は、冷却体の上側部分と熱伝導部分の上側部分とを含み、第2の熱伝導性構成部分は、冷却体の下側部分と熱伝導部分の下側部分とを含む。これにより、一方では、ランプエレメントを含む熱伝導部分から冷却体への良好な熱移送を達成することができる。他方では、2つの部分から成る構造により、冷却体の内室および/または熱伝導部分の内室にアクセス可能となる。これにより、照明装置の簡単な組付けが可能となる。
【0040】
ボードは、第1の熱伝導性構成部分と第2の熱伝導性構成部分との間に配置されていることが想定されていてよい。
【0041】
第1の熱伝導性構成部分と第2の熱伝導性構成部分とは、少なくとも1つの固定手段、特にねじによって互いに固定可能であることが想定されていてもよい。
【0042】
少なくとも1つのロービームランプエレメントが、第1の熱伝導性構成部分の第1の凹部に配置されており、少なくとも1つのハイビームランプエレメントが、第2の熱伝導性構成部分の第2の凹部に配置されていることが想定されていてよい。特にこの場合、第1の熱伝導性構成部分は上側に、第2の熱伝導性構成部分は下側に配置されている。
【0043】
1つの実施例では、少なくとも1つのロービームランプエレメント、少なくとも1つのハイビームランプエレメント、および/または少なくとも1つのポジションランプエレメントは、半導体光源として、特に発光ダイオードまたはレーザーダイオードとして形成されている。
【0044】
好ましくは、ランプエレメントは、作動時に、白色光を放射することが想定されている。
【0045】
本発明による投光器は、本開示による照明装置を含んでおり、少なくとも1つの、好ましくは凹面状のリフレクタを有しており、作動中、少なくとも1つのロービームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのハイビームランプエレメントおよび/または少なくとも1つのポジションランプエレメントの光が、このリフレクタで反射される。
【0046】
既に上述したように、配光には、リフレクタ内でのランプエレメントの位置決めにより影響を与えることができる。この場合、ランプエレメント支持体の端部領域における、ひいては、リフレクタによって形成される内室内での、少なくとも1つのポジションランプエレメントの本発明による位置決めが特に有利である。
【0047】
リフレクタが貫通部を有しており、ランプエレメント支持体は組付け状態で、貫通部を通って突出していることが想定されていてよい。この場合、ランプエレメント支持体は、リフレクタによって形成される内室内に配置されていてよく、かつ/または、冷却体は、リフレクタによって形成される内室の外側に配置されていてよい。これによりランプエレメント支持体は、リフレクタによって形成される内室内に突入しており、少なくとも1つのポジションランプエレメントは、最も前方に向かって突出している。
【0048】
好ましくは、少なくとも1つのロービームランプエレメントは、ランプエレメント支持体の特に上側の第1の側に配置されているので、その光は、もっぱら、特に上側の第1のリフレクタ半部によって反射可能であることが想定されている。
【0049】
少なくとも1つのハイビームランプエレメントは、ランプエレメント支持体の特に下側の第2の側に配置されているので、その光は、もっぱら、特に下側の第2のリフレクタ半部によって反射可能である。
【0050】
少なくとも1つのポジションランプエレメントが、ランプエレメント支持体の、特に上側の第1の側および特に下側の第2の側に配置されていてよく、これによりその光は、特に上側の第1のリフレクタ半部および特に下側の第2のリフレクタ半部によって反射可能である。
【0051】
リフレクタには、様々な、特に重畳しないリフレクタ領域が設けられており、1つの領域がそれぞれ1つの光機能のために使用されることが想定されていてもよい。これにより、個々の光機能の配光を個別に調整することができる。
【0052】
少なくとも1つのロービームランプエレメントは、特に、もっぱら、ロービーム光のための反射領域によって反射されてよい。少なくとも1つのハイビームランプエレメントは、特に、もっぱら、ハイビーム光のための反射領域によって反射されてよい。少なくとも1つのポジションランプエレメントは、特に、もっぱら、ポジションライトのための反射領域によって反射されてよい。
【0053】
本発明による二輪車両、特にオートバイは、本出願の開示による投光器を有している。
【0054】
この場合、投光器は、好ましくは前照灯として使用されることが想定されている。これにより、ランプエレメント支持体の長手方向は、実質的に、二輪車両の前進走行方向に向けられている。これにより、少なくとも1つのポジションランプエレメントは、前進走行方向で前方に配置されている。
【0055】
照明装置を製造する本発明による方法は、以下の方法ステップを有している:
-第1の熱伝導性構成部分を、ボードの第1の側に配置するステップ、
-第2の熱伝導性構成部分を、ボードの、第1の側とは反対の第2の側に配置するステップ、
-第1の熱伝導性構成部分を第2の熱伝導性構成部分に、好ましくは固定手段によって固定し、この際に、ボードを両熱伝導性構成部分の間に保持するステップ。
【0056】
これにより、上述した良好な特性を備えた照明装置を簡単に製造することができる。また、照明装置を保守整備目的でまたは故障解析のために、容易に分解することもでき、これにより例えば、制御装置およびランプエレメントを含むボードにアクセスすることができる。
【0057】
投光器を製造する本発明による方法では、ランプエレメント支持体を、貫通部を通してリフレクタにおいてガイドし、取付け個所でリフレクタに取り付ける。
【0058】
この場合、取付け個所は、別のランプ、特にハロゲンランプのためにも適していることが想定されていてよい。この場合、別のランプは、市販されている標準的な構成に相当するものであってよい。これにより、旧型の投光器に照明装置を後付けすることができる。このような後付けは、「改装」として知られていることが多い。
【0059】
さらなる好ましい実施例および詳細は図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1a】照明装置を備えた投光器を側方から見た断面図である。
【
図1b】照明装置を備えた投光器を上方から見た断面図である。
【
図2】ランプエレメント支持体を側方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1aおよび
図1bは、照明装置12を備えた投光器13の断面図を示している。
【0062】
このような投光器13は、例えば二輪車両、特にオートバイで使用することができる。特に、このような投光器13は、前照灯として使用することができる。
【0063】
投光器13は、凹面状のリフレクタ11を有しており、作動時に、少なくとも1つのロービームランプエレメント4および/または少なくとも1つのハイビームランプエレメント5および/または少なくとも1つのポジションランプエレメント6の光が、リフレクタ11で反射される。
【0064】
少なくとも1つのロービームランプエレメント4、少なくとも1つのハイビームランプエレメント5および/または少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、半導体光源として、特に発光ダイオードまたはレーザーダイオードとして形成されている。これらの光源は、作動時には、白色光を放射することが想定されている。
【0065】
図2は、
図1aの図の詳細図を示しており、この図では、照明装置12、特に照明装置12のランプエレメント支持体14が詳細に示されている。
【0066】
投光器13、照明装置12、およびランプエレメント支持体14の詳細を、以下に、
図1a、
図1bおよび
図2について説明する。
【0067】
ランプエレメント支持体14は、長手方向Lを有している。特に、ランプエレメント支持体14は、コラム状にまたは棒状に形成されていてよい。
【0068】
少なくとも1つのロービームランプエレメント4、少なくとも1つのハイビームランプエレメント5、および少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、ランプエレメント支持体14に配置されている。この場合、少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、ランプエレメント支持体14の、長手方向Lに関して前方の端部領域15に配置されている。さらに、少なくとも1つのロービームランプエレメント4と少なくとも1つのハイビームランプエレメント5とは、長手方向Lに関して、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の後方に配置されており、ランプエレメント支持体14の2つの反対の側に配置されている少なくとも2つのポジションランプエレメント6a,6bが設けられている。
【0069】
少なくとも1つのロービームランプエレメント4は、ランプエレメント支持体14の、特に上側の第1の側に配置されているので、その光はもっぱら、特に上側の第1のリフレクタ半部28によって反射される。
【0070】
少なくとも1つのハイビームランプエレメント5は、ランプエレメント支持体14の、特に下側の第2の側に配置されているので、その光はもっぱら、特に下側の第2のリフレクタ半部29によって反射される。
【0071】
少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、ランプエレメント支持体14の、特に上側の第1の側および特に下側の第2の側に配置されているので、その光は、特に上側の第1のリフレクタ半部28および/または特に下側の第2のリフレクタ半部29によって反射可能である。
【0072】
リフレクタ11は、その上側のリフレクタ半部28および/または下側のリフレクタ半部29に複数のファセットを有していてよく、これにより配光に影響を与えることができる。
【0073】
上側のリフレクタ半部28は、
図1aから明らかであるように、下側のリフレクタ半部29とは異なる形状および/またはサイズを有していてよい。
【0074】
少なくとも1つのロービームランプエレメント4と少なくとも1つのハイビームランプエレメント5とは、ランプエレメント支持体14の2つの反対の側に配置されている。さらに、少なくとも1つのロービームランプエレメント4と少なくとも1つのハイビームランプエレメント5とは、長手方向Lで互いにずらされて配置されている。これにより、より詳しく後述する熱伝導部分30の一部は、ランプエレメント4,5にそれぞれ対向する領域にも配置され、これにより熱をより良好に導出することができる。
【0075】
ランプエレメント支持体14の2つの反対の側に配置されている少なくとも2つのポジションランプエレメント6a,6bが設けられている。
【0076】
端部領域15では、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の周囲に透過型光学素子8が配置されており、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の配光に、透過型光学素子8によって影響を与えることができる。これにより配光を広げることができるので、より多くの光がリフレクタ11へと散乱される。
【0077】
この場合、透過型光学素子8は、散乱ディスクとして構成されている、かつ/または、垂直のぎざぎざおよび/または互いに隣接して並んでいる円柱レンズを有している。
【0078】
端部領域15ではさらに、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の周囲に反射型光学素子7が配置されているので、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の配光に反射型光学素子7によって影響を与えることができ、このため、少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、少なくとも1つのロービームランプエレメント4および少なくとも1つのハイビームランプエレメント5の陰になっている。
【0079】
反射型光学素子7は、好ましくは凹面状の輪郭を有しており、長手方向Lに関して、少なくとも1つのポジションランプエレメント6の後方に配置されている。これにより、前方向の光収率を増やすことができる。
【0080】
さらに、反射型光学素子7は、熱伝導性材料から製造されており、特に、反射型光学素子7は、さらに詳しく後述する熱伝導部分30の一部である。これにより熱を導出することができる。
【0081】
照明装置12は、冷却体1を有しており、ランプエレメント支持体14は、ランプエレメント支持体14の、長手方向Lに関して前方の端部領域15が、冷却体1とは反対側にあるように、冷却体1に配置されている。
【0082】
ランプエレメント支持体14には熱伝導部分30が配置されており、この熱伝導部分30は冷却体1に接続されているので、熱をランプエレメント支持体14から冷却体1へと伝導可能である。熱は冷却体から周囲に放出させることができる。
【0083】
熱伝導部分30は冷却体1に一体的に結合されている。特に、熱伝導部分30と冷却体1とは、一貫した2つのアルミニウム構成部分として形成されている。
【0084】
少なくとも1つのロービームランプエレメント4および少なくとも1つのハイビームランプエレメント5、および/または少なくとも1つのポジションランプエレメント6は、それぞれ熱伝導部分30の凹部22,23内に配置されていて、熱伝導部分30によって取り囲まれている。
【0085】
熱伝導部分30は、少なくとも1つのロービームランプエレメント4および少なくとも1つのハイビームランプエレメント5の領域で、狭隘部16を有しているため、ランプエレメント4,5の表面は、熱伝導部分30の表面と実質的に平坦に延在している。
【0086】
熱伝導部分30は、端部領域15で、好ましくは凹面状の輪郭を有しており、この凹面状の輪郭は、少なくとも1つのポジションランプエレメント6のための反射型光学素子7として機能する。
【0087】
照明装置12は、ボード3を有しており、このボード3上に、少なくとも1つのロービームランプエレメント4および/または少なくとも1つのハイビームランプエレメント5および/または少なくとも1つのポジションランプエレメント6が配置されている。
【0088】
ボード3は、冷却体1からランプエレメント支持体14内へと突入しており、特に、ボード3は、長手方向Lでランプエレメント支持体14全体を通って延在している。
【0089】
図2により、ボード3が、熱伝導部分30と、反射型光学素子7として形成されたその端部とを越えて延在していることが明らかである。この領域で、ポジションランプエレメント6a,6bが互いに反対の側に配置されている。
【0090】
ボード3には、制御装置2が配置されている。制御装置2はさらに、冷却体1の凹部17内に配置されている。これにより、すべての電子的エレメントはボード3上に配置されているので、もはや配線は不要である。
【0091】
第1の熱伝導性構成部分19は、冷却体1の上側部分と熱伝導部分30の上側部分とを含み、第2の熱伝導性構成部分20は、冷却体1の下側部分と熱伝導部分30の下側部分とを含む。ボード3は、第1の熱伝導性構成部分19と第2の熱伝導性構成部分20との間に配置されている。第1の熱伝導性構成部分19と第2の熱伝導性構成部分20とは、少なくとも1つの固定手段21、特にねじによって互いに固定されている。この場合、少なくとも1つのロービームランプエレメント4は、第1の熱伝導性構成部分19の第1の凹部22に配置されている。少なくとも1つのハイビームランプエレメント5は、第2の熱伝導性構成部分20の第2の凹部23に配置されている。
【0092】
図1a、
図1b、および
図2の照明装置12を製造する方法は、以下の方法ステップを有していてよい:
-第1の熱伝導性構成部分19を、ボード3の第1の側に配置するステップ、
-第2の熱伝導性構成部分20を、ボード3の、第1の側とは反対の第2の側に配置するステップ、
-第1の熱伝導性構成部分19を第2の熱伝導性構成部分20に、好ましくは固定手段21によって固定し、この際に、ボード3を両熱伝導性構成部分19,20の間に保持するステップ。
【0093】
リフレクタ11は貫通部24を有しており、ランプエレメント支持体14は、組付け状態で貫通部24を通って突出している、かつ/または、ランプエレメント支持体14はリフレクタ11によって形成される内室25内に配置されており、冷却体1は、リフレクタ11によって形成される内室25の外側に配置されている。
【0094】
図1a、
図1bおよび
図2の投光器13を製造する方法では、ランプエレメント支持体14を貫通部24を通してリフレクタ11内でガイドし、取付け個所27でリフレクタ11に取り付けることが想定されてよい。取付け個所27は、別のランプ、特にハロゲンランプのためにも適していてよい。これにより、照明装置12は、既存の投光器13においても使用することができる。
【0095】
【0096】
【0097】
冷却体1は、冷却リブ18を有しているので、熱をより迅速に周囲に放出させることができる。
【0098】
冷却体1の領域における、第1の熱伝導性構成部分19を第2の熱伝導性構成部分20に固定するための固定手段21も、
図3aおよび
図4aから明らかである。
【0099】
図4aから、互いに隣接して配置された4つのロービームランプエレメント4が設けられていることがわかる。ランプエレメントの数によって、所望の光束を選択することができる。
【0100】
冷却体1は円形に構成されていて、投光器における取付け個所27に対する対応部材としての取付けエレメント26を縁部に有している。
【符号の説明】
【0101】
1 冷却体
2 制御装置
3 ボード
4 ロービームランプエレメント
5 ハイビームランプエレメント
6 ポジションランプエレメント
6a 上側のポジションランプエレメント
6b 下側のポジションランプエレメント
7 反射型光学素子
8 透過型光学素子
9 光線
10 光線
11 リフレクタ
12 照明装置
13 投光器
14 ランプエレメント支持体
15 ランプエレメント支持体の端部領域
16 狭隘部
17 冷却体内の凹部
18 冷却リブ
19 冷却体の第1の構成部分
20 冷却体の第2の構成部分
21 固定手段
22 第1の凹部
23 第2の凹部
24 リフレクタの貫通部
25 リフレクタの内室
26 取付けエレメント
27 取付け個所
28 第1のリフレクタ半部
29 第2のリフレクタ半部
30 熱伝導部分