(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】ヒータースラット、該ヒータースラットを備えるスラットルーフ及びヒータースラットの製造方法
(51)【国際特許分類】
F24D 13/00 20060101AFI20240123BHJP
E04B 1/343 20060101ALI20240123BHJP
E04B 7/18 20060101ALI20240123BHJP
E04F 10/08 20060101ALI20240123BHJP
F24D 19/02 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
F24D13/00
E04B1/343 U
E04B7/18 Z
E04F10/08
F24D19/02 A
(21)【出願番号】P 2022510824
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 IB2020058400
(87)【国際公開番号】W WO2021048773
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2023-08-31
(32)【優先日】2019-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】522061947
【氏名又は名称】レンソン サンプロテクション-スクリーンズ
【氏名又は名称原語表記】RENSON SUNPROTECTION-SCREENS
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アビール,バート
(72)【発明者】
【氏名】デ フレーネ,ヨースト
(72)【発明者】
【氏名】レミエグレ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブラバント,ピーター
【審査官】豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-017313(JP,U)
【文献】特開2012-241974(JP,A)
【文献】実開昭54-155358(JP,U)
【文献】実開平01-100007(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0021193(US,A1)
【文献】中国実用新案第211151909(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 13/00 - 19/10
E04B 1/343
E04B 7/00 - 7/24
E04F 10/00 - 10/10
F24C 7/00 - 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テラスや庭などの地面(2)のルーバー屋根(4)のための加熱ルーバー(11)であって、前記ルーバー屋根(4)が、互いに平行に延在する少なくとも2つの桁(5)を備え、これらの桁(5)には、幾つかのルーバー(6)が、開位置と、前記ルーバー(6)が連続カバーを形成する閉位置との間で回転可能に接続されており、
当該加熱ルーバー(11)は、前記ルーバー屋根(4)の一部であるように作られると共に、下面(13)を備え、且つ、当該加熱ルーバー(11)は、加熱要素(12)が取り付けられるキャビティ(15)を備えている、加熱ルーバー(11)において、
当該加熱ルーバーは、その長さの少なくとも一部に沿ってその下面(13)にスロット(14)を備え、このスロット(14)が前記キャビティ(15)へのアクセスをもたらし、前記加熱要素(12)が取り付けられたとき、前記キャビティ(15)が前記加熱要素(12)によって少なくとも部分的にシールされ、
前記加熱要素(12)は、輻射熱によって前記ルーバー屋根(4)と前記地面(2)との間の位置を加熱するように設けられている、ことを特徴とする加熱ルーバー。
【請求項2】
前記キャビティ(15)にはその内側に内縁部(19)が設けられ、前記加熱要素(12)には、前記内縁部(19)に対応する外縁部(21)が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項3】
シール(25)が前記内縁部(19)と前記外縁部(21)との間に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項4】
前記シール(25)が前記内縁部(19)に沿ってほぼ連続的に延在することを特徴とする、請求項3に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項5】
前記加熱要素(12)は、前記内縁部(19)と前記外縁部(21)とを互いに少なくとも部分的に接続することによって前記加熱ルーバー(11)に取り付けられていることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項6】
前記内縁部(19)及び前記外縁部(21)は、バヨネット取付具、1つ以上のボルト、接着、及び、前記外縁部(21)を前記内縁部(19)に押し付ける1つ以上のクランプ器具(42)のうちの少なくとも1つによって、少なくとも部分的に接続されていることを特徴とする、請求項5に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項7】
前記加熱ルーバー(11)が取り外し可能部分(16a)を有しており、それにより、前記取り外し可能部分(16a)が取り外された後、前記加熱要素(12)を設置する目的で前記キャビティ(15)がアクセス可能になることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項8】
前記キャビティ(15)は、当該加熱ルーバー(11)の回転軸に対して略対称であること、
好ましくは、キャビティ(15)が加熱ルーバー(11)の長手方向(36)の略中央に位置決めされるように、前記キャビティ(15)は、当該加熱ルーバー(11)の回転軸に対して略対称であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項9】
前記加熱ルーバー(11)が長手方向及び横断方向(36,37)を有し、前記キャビティ(15)が前記横断方向(37)の略中央に位置決めされていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項10】
前記加熱要素(12)がハウジングを備え、当該ハウジングには下面に、輻射熱を通す領域(24)が設けられていることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項11】
当該加熱ルーバー(11)には、前記加熱要素(12)に電気を供給するために前記ルーバー屋根(4)の桁(5)上の対応する結合手段と協働する結合手段が、その上端の一方に設けられていることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項12】
前記加熱ルーバー(11)は押出成形体から形成されていることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)。
【請求項13】
テラス、庭などの地面(2)用のルーバー屋根(4)であって、
長手方向(7)に沿って互いに平行に延在する少なくとも2つの桁(5)を有する支持構造体と、
前記長手方向(7)で見て互いに隣り合わせに設置されると共に、前記長手方向(7)に対し略直角な横断方向(8)に延在する複数のルーバー(6)であり、各ルーバー(6)が、前記桁(5)のそれぞれに接続されるところの互いに反対側に位置する2つの端部を有してなる、複数のルーバー(6)と、
を備えるルーバー屋根(4)において、
前記ルーバー(6)のうちの1つ又は幾つかが、請求項1~12のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)によって形成されていることを特徴とする、ルーバー屋根。
【請求項14】
前記ルーバー(6)は、一端に、ルーバースピンドル(29)を備え、
前記1つ又は幾つかの加熱ルーバー(11)は、一端に、前記ルーバースピンドル(29)よりも大きい直径を有するとともに電源ケーブル(23)のための中央通路が設けられた加熱ルーバースピンドル(33)を備え、
少なくとも1つの桁(5)には、実質的に同一である複数の開口(30)が設けられ、前記ルーバー(6)のルーバースピンドル(29)は、軸受(31)によって前記開口(30)のうちの1つに取り付けられており、前記加熱ルーバー(11)の加熱ルーバースピンドル(31)は、更なる軸受(32)によって前記開口(30)のうちの1つに取り付けられており、前記更なる軸受(32)は前記軸受(31)よりも肉薄である、
ことを特徴とする請求項13に記載のルーバー屋根。
【請求項15】
請求項1~12のいずれか一項に記載の加熱ルーバー(11)を製造するための方法であって、当該方法は、
プロファイル(成形前の物体)を押し出して押出成形体を得るステップと、
前記押出成形体を所望の長さに切断するステップと、
スロット(14)を得るために前記押出成形体の下面にフライス加工するステップと、
加熱要素(12)をキャビティ(15)内に嵌合するステップと、
を備えてなる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テラスや庭等の地面のルーバー屋根用の加熱ルーバーに関する。また、本発明は、この種の1つ又は幾つかの加熱ルーバーを備えるルーバー屋根に関する。
【背景技術】
【0002】
回転可能なルーバーを有するルーバー屋根は、通常、屋外空間を覆うために、例えば、庭内におけるテラス、ベランダ、ペルゴラ、パビリオンなどのためのキャノピー(張り出し屋根)として配置される。また、ルーバー屋根は、レストラン、ホテル、入浴施設又は他の構造物などの公共の場所の開放空間におけるキャノピーとして使用することも可能である。
【0003】
ルーバー屋根は、一般に、互いに平行に延在するとともに幾つかのルーバーが開位置と閉位置との間で回転可能に接続される少なくとも2つの桁(girder)を備える。開位置では、ルーバー間に隙間があり、閉位置では、ルーバーが共に連続カバーを形成する。これらの位置の間でルーバーを回転させることにより、ルーバーの下方の空間への露光、輻射熱及び換気を調整することができる。例えば、ルーバーを方向付けることによって、太陽及び/又は風を遮断することができ或いは逆に通すことができる。言い換えると、ルーバー屋根は、その下の空間のための太陽、降水、風などに対する保護としての役目を果たす。
【0004】
更に、ルーバーは、それらの開位置で、随意的にルーバー屋根において摺動可能であるように設けられ得るものであり、この場合、ルーバーは、一般に、それらがルーバー屋根の全体にわたって広がって配置される位置と、それらがルーバー屋根の主に一方側に配置される位置との間で摺動可能であり得る。
【0005】
ルーバー屋根用の既知の加熱ルーバーは、ルーバー屋根の一部であるように作られるとともに、一般に略平坦である下面を備えており、該加熱ルーバーは加熱要素が嵌め込まれるキャビティを備える。
【0006】
この種の加熱ルーバーは特許文献1に記載されている。加熱ルーバーの内側には、幾つかの加熱手段、特に細いストリップが取り付けられる。これらの加熱ストリップは、加熱ルーバーの上面及び下面の両方と直接に接触しており、ルーバーと一体的に製造される湾曲フックによって所定の位置に保持される。降雪、雹又は氷が加熱ルーバー上に形成された場合、加熱ストリップは、熱伝導によってルーバー自体を加熱する熱を発生させることによって、雪、雹又は氷を融解させることができるようにする。
【0007】
雪、雹、又は氷を溶かすための他の既知の加熱ルーバーは、特許文献2及び特許文献3に記載されており、加熱ルーバー内のキャビティを通って延びるケーブル状加熱要素を利用する。
【0008】
実際には、既知の加熱ルーバーは、ルーバー屋根の下方の空間、特に人々が一般的に座ったり留まったりする地面付近の空間を加熱することができないことが明らかになった。更に、ジュール効果に基づいて動作するこの種のケーブル状加熱要素は、熱を発生させるのに十分に大きな電源を必要とする。言い換えると、たとえ理論的にルーバー屋根の下方の空間を加熱するために既知の加熱ルーバーを使用することが可能であったとしても、高価な電源がそれに接続されることになり、これは望ましくない。
【0009】
したがって、この種の用途では、別個の加熱要素が使用されることが多い。これらの加熱要素は地上に直接に設置され得る。或いは、これらの加熱要素は、ルーバー屋根の支持構造に、例えば桁に取り付けられ得る。
【0010】
この種の別個の加熱要素の欠点は、主にそれらの設置である。特に、特に大きなルーバー屋根の場合には、その下方の中央領域を十分に加熱することが容易でないことが明らかになってきた。更に、地上への設置は、人が加熱要素と直接に接触する危険性を考慮すると理想的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許出願公開第3059355号(A1)
【文献】欧州特許出願公開第2853647号(A1)
【文献】欧州特許出願公開第3392426号(A1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、ルーバー屋根の下方の領域をより良好に加熱することができるルーバー屋根用の加熱ルーバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、加熱ルーバーがその長さの少なくとも一部に沿ってその下面にスロットを備え、このスロットがキャビティへのアクセスをもたらし、加熱要素が取り付けられた後に、キャビティが加熱要素によって少なくとも部分的にシールされ、加熱要素が輻射熱によってルーバー屋根と地面との間の位置を加熱するように設けられるという事実によって達成される。
【0014】
輻射熱に基づく加熱要素と組み合わせてスロットを使用することにより、屋根と地面との間の位置を加熱することができる。これは、EP3059355(A1)、EP2853647(A1)及びEP3392426(A1)に記載されるような既知の加熱ルーバーとは対照的に、加熱要素が加熱ルーバーによって完全に取り囲まれておらず、その結果、輻射熱がルーバー屋根の下の空間を十分に加熱することができるからである。
【0015】
この種の幾つかの加熱ルーバーも同じルーバー屋根に使用することができ、及び/又は、加熱ルーバーの位置を自由に選択することができるため、ルーバー屋根の下方の熱分布をカスタマイズすることが可能である。
【0016】
更に、欠陥(故障)の場合、スロットは、ルーバー屋根全体を解体する必要なく加熱要素を交換できるようにする。
【0017】
また、輻射熱に基づく熱源は、ジュール効果に基づく熱源と比べて電気的に効率が良い。
【0018】
本発明の一実施形態では、加熱ルーバーが縦方向(長手方向)及び横方向(横断方向)を有し、スロットが縦方向に延びる。
【0019】
この種のスロットは、加熱ルーバーがその長さの大部分に沿って熱を供給することができるように、長尺な加熱要素を使用できるようにする、又は、幾つかの加熱要素を互いに隣接して設置できるようにする。
【0020】
本発明の一実施形態では、加熱ルーバーが縦方向及び横方向を有し、キャビティは、好ましくはキャビティが加熱ルーバーの横方向の略中央に位置されるように、加熱ルーバーの回転軸に対して略対称である。
【0021】
キャビティ、したがって加熱要素を横方向の中央に設置することにより、加熱ルーバーを開位置と閉位置との間でより容易に移動させることができる。これは、この移動のために、加熱ルーバーが、一般的には横方向の中央でもあるそれ自体の回転軸の周りで回転するからである。したがって、回転軸に沿って、すなわち、横方向の中央に加熱要素を設置することにより、ルーバー屋根の開閉中のバランスの問題が防止される。また、非中央キャビティは、ルーバー屋根の閉位置において、加熱ルーバーを加熱要素の重量下で部分的に傾斜させることをもたらし得て、その結果、ルーバー屋根が1つ以上の傾斜ルーバーを含むことになり、これは望ましくない。
【0022】
本発明の一実施形態では、加熱ルーバーが縦方向(長手方向)及び横方向(横断方向)を有し、キャビティが縦方向の略中央に位置決めされる。
【0023】
キャビティ、したがって加熱要素を縦方向の中央に設置することによって、桁は、両端で実質的に同じ支持(サポート)をもたらさなければならず、これは、加熱要素がいずれかの端部の近くにあった場合には当てはまらない。
【0024】
本発明の一実施形態において、キャビティにはその内側に内縁部が設けられ、加熱要素には、内縁部に対応する外縁部が設けられる。
【0025】
以下で説明するように、縁部は、加熱要素を加熱ルーバーに接続するため及びルーバー内のキャビティをシールするための両方のために便利な形態である。
【0026】
本発明の好ましい実施形態において、加熱要素は、内縁部と外縁部とを少なくとも部分的に互いに接続することによって加熱ルーバーに取り付けられる。この接続は、例えば、バヨネット取付具(bayonet fitting)によって、1つ以上のボルトによって、接着によって、外縁部を内縁部に押し付けるクランププロファイル(クランプ器具)によって等、様々な方法で確立することができる。
【0027】
この種の接続は、加熱ルーバーの傾斜中であっても加熱要素を正しい場所に保つのに十分に頑丈であることが明らかになった。接着は、それが内縁部と外縁部との間のシールとして直ちに機能するという更なる利点を有し、その結果、別個のシールを省略することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施形態では、内縁部と外縁部との間にシールが設けられる。好ましくは、シールは、内縁部に沿って実質的に連続的に延在する。
【0029】
この種のシールは、例えば降雨又は雪からの水分及び汚れが加熱ルーバーの内側に到達するのを防止するのに寄与する。この水分及び/又は汚れは、加熱要素及び/又はルーバー屋根の他の要素に損傷を引き起こす可能性がある。連続的なシールは、残留液滴下の影響が最小限に抑えられるという更なる利点を有する。
【0030】
本発明の一実施形態では、加熱ルーバーが取り外し可能部分を備え、その結果、取り外し可能部分が取り外された後、加熱要素を設置する目的でキャビティにアクセス可能である。
【0031】
取り外し可能部分は、一体的に製造された加熱ルーバーと比較して加熱要素が設置し易いように、キャビティへのアクセスを容易にする。
【0032】
本発明の一実施形態において、加熱要素は、下面に輻射熱を通す領域が設けられるハウジングを備え、この領域は好ましくは開いている。
【0033】
このことは、加熱ルーバーの効率を高め、ルーバー屋根の下方の空間を所望の温度にするためのより強力な、したがってより大きくて重い加熱要素の必要性を防止する。
【0034】
本発明の一実施形態において、加熱ルーバーは、加熱要素に電気を供給するために、ルーバー屋根の桁上の対応する結合手段と協働するための結合手段を、その上端の一方に備える。
【0035】
この種の結合手段は、ケーブルが加熱ルーバー上で外部から見えることを必要とせずに電源を有することができるようにする。これは、外部ケーブルがルーバーの傾斜中に詰まりを引き起こす可能性があり、もちろん審美的にも望ましくないからである。
【0036】
本発明の一実施形態では、加熱ルーバーが押出プロファイルから形成される。
【0037】
押出(成形)は、プロファイル(物の輪郭・外形)を生成する既知の方法であり、一般的には、縦方向プロファイル(長手方向の形状物)を生成するために使用される。したがって、この実施形態は、加熱ルーバーを製造するために押出成形の利点を利用する。
【0038】
また、本発明の目的は、テラス、庭園などの地面用のルーバー屋根によって達成され、ルーバー屋根は、縦方向(長手方向)に沿って互いに平行に延在する少なくとも2つの桁を有する支持構造体と、縦方向で互いに隣接して設置されるとともに、縦方向に対して略垂直な横方向に延在する複数のルーバーであって、各ルーバーが、桁のそれぞれに接続される互いに反対側に位置される2つの端部を有する、複数のルーバーとを備え、ルーバーのうちの1つ又は幾つかが前述の加熱ルーバーによって形成される。特に、ルーバー、好ましくは1つ又は幾つかの加熱ルーバーも、ルーバー間に隙間が存在する開位置と、ルーバーが連続カバーを形成する閉位置との間で回転可能である。
【0039】
前述のように、ルーバー屋根は1つ又は幾つかのルーバーを利用するため、ルーバー屋根は前述の加熱ルーバーと同じ利点を有する。
【0040】
本発明の一実施形態において、ルーバーは、一端に、ルーバースピンドルを備え、1つ又は幾つかの加熱ルーバーは、一端に、ルーバースピンドルよりも大きい直径を有するとともに電源ケーブルのための中央通路が設けられる加熱ルーバースピンドルを備え、少なくとも1つの桁には複数の実質的に同一の開口が設けられ、ルーバーのルーバースピンドルは、軸受によって開口のうちの1つに取り付けられ、加熱ルーバーの加熱ルーバースピンドルは、更なる軸受によって開口のうちの1つに取り付けられ、更なる軸受が軸受よりも(肉が)薄い。
【0041】
より幅広いルーバースピンドルとより薄い軸受とのこの組み合わせにより、桁の開口に合わせて調整を行なう必要なく、電源ケーブルをルーバーの内側に設けることができる。言い換えると、軸受(すなわち、標準的なルーバーの軸受)及び更なる軸受(すなわち、加熱ルーバーの軸受)は同じ外径を有するが、更なる軸受の内径は軸受の内径よりも大きい。
【0042】
また、本発明の目的は、前述のような加熱ルーバーを製造するための方法によっても達成される。そして、当該方法は、
- 押出プロファイル(押出成形体)を得るためにプロファイル(成形前の物体)を押し出すステップと、
- 押出プロファイル(押出成形体)を所望の長さに切断するステップと、
- スロット(細長い穴、溝)を得るために押出プロファイル(押出成形体)の下面でフライス加工(milling)するステップと、
- 加熱要素をキャビティ内に嵌合するステップと、
を備えている。
【0043】
この方法は上記の加熱ルーバーをもたらすため、この方法は同じ利点を有する。
【0044】
以下では、以下の説明及び添付図面を用いて、本発明を更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】本発明に従う加熱ルーバーの上端の側面図を示す。
【
図3】
図2の加熱ルーバーを上面から分解して見た斜視図を示す。
【
図4】
図2の加熱ルーバーを下面から分解して見た斜視図を示す。
【
図5】加熱要素が加熱ルーバーに取り付けられた状態の
図4と同じ図を示す。
【
図7】
図1のルーバー屋根の桁上での加熱ルーバーと通常のルーバーとの接続部の詳細を示す。
【
図8A】
図2の加熱ルーバーの製造における様々なステップを示す。
【
図8B】
図2の加熱ルーバーの製造における様々なステップを示す。
【
図8C-8E】
図2の加熱ルーバーの製造における様々なステップを示す。
【
図9】本発明に従う加熱ルーバーの第2の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、特定の実施形態を使用するとともに特定の図面を参照して本発明を説明するが、本発明は、それらに限定されず、特許請求の範囲によってのみ規定される。ここに示される図面は、単なる概略図に過ぎず、限定的なものではない。図面では、特定の構成要素の寸法が拡大して示される場合があり、したがって、このことは、対象の構成要素が単なる例示目的のために原寸に比例していないことを意味する。寸法及び相対寸法は、本発明の実際の実用的な実施形態と必ずしも一致しない。
【0047】
更に、明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、同様の要素間を区別するために使用され、必ずしも連続的又は時系列的な順序を示すものではない。対象の用語は、適切な状況において置き換え可能であり、また、本発明の実施形態は、本明細書に記載又は例示された順序以外の順序で動作され得る。
【0048】
更に、明細書及び特許請求の範囲における「上(端)」、「底(面)」、「上方」、「下方」などの用語は、説明目的で使用される。このように使用される用語は、適切な状況において置き換え可能であり、また、本発明の実施形態は、本明細書に記載又は図示されたもの以外の向きで動作することができる。
【0049】
特許請求の範囲において使用される「備える(comprising)」という用語及び派生する用語は、その後のそれぞれの場合で言及される手段に限定されると解釈されてはならず、この用語は、他の要素又はステップを排除しない。この用語は、言及されている前述の特徴、整数、ステップ、又は、構成要素の仕様として解釈されなければならないが、1つ以上の関連する特徴、整数、ステップ、又は、構成要素、或いは、それらのグループの存在又は付加を排除するものではない。したがって、「手段A及びBを備える装置」などの表現の範囲は、純粋に構成要素A及びBから成る装置に限定されるだけではない。反対に、意味するのは、本発明に関して、唯一の関連する構成要素がA及びBであることである。
【0050】
図1は、例えばテラス又は庭などの地面2のためのキャノピー1(張り出し屋根1)を示す。キャノピー1は、ルーバー屋根4が取り付けられる4つの支柱3を備える。ルーバー屋根4は、幾つかのルーバー6が特にルーバースピンドル(図示せず)を使用して開位置と閉位置との間で回転可能に接続される2つの桁5を備える。
図1は、ルーバー6が共に実質的に連続したカバーを形成する閉位置を示す。開位置(図示せず)では、ルーバー6間に隙間がある。
【0051】
本明細書中で更に使用されるように、用語「ルーバー屋根の縦方向(長手方向)」7は、
図1の矢印7によって示されるように桁5が延びる方向を意味する。
【0052】
本明細書中で更に使用されるように、用語「ルーバー屋根の横方向(横断方向)」8は、
図1の矢印8によって示されるようにルーバー6が延びる方向を意味する。ルーバー屋根の縦方向と横方向とは、互いに略垂直である。
【0053】
本明細書中で更に使用されるように、用語「ルーバーの縦方向(長手方向)」36は、
図2の矢印36によって示されるようにルーバー6が延びる方向を意味する。
【0054】
本明細書中で更に使用されるように、用語「ルーバーの横方向(横断方向)」37は、
図2の矢印37によって示されるようにルーバーの縦方向に対して略垂直な方向を意味する。
【0055】
図示の実施形態において、ルーバー屋根4には2つの梁(ビーム、beam)9が更に設けられ、これらの梁は、横方向8に延在するとともに、支持体(支柱)3を互いに接続する。これらの梁9は、縦方向7におけるルーバー屋根4の端部を形成し、一般的にはルーバー屋根4の頑丈さに寄与する。梁9は、例えば、傾動不能なルーバー6によって形成され得る。しかしながら、梁9は随意的である。これは、傾斜(傾動又は傾転)するルーバー6を用いてルーバー屋根4の横方向端部を形成することもできるからである。
【0056】
ルーバー6を開位置と閉位置との間で回転させることにより、ルーバーの下方の空間への露光、輻射熱及び換気を調整することができる。開位置では、ルーバー6間に隙間があり、この隙間を通じて、例えば、空気を下方の空間に入れることができ又はこの下方の空間から空気が出ることができる。閉位置では、ルーバー6が閉じられたキャノピーを形成し、該キャノピーによって、下方の空間を、例えば、風及び/又は降雨、例えば、雨、雹又は雪から遮断することができる。降雨の排出のために、ルーバー6は、一般的には、いずれかの桁5に向かって下方にスロープして(傾いて)配置される。
【0057】
桁5は、アルミニウム、プラスチック、木材などの様々な材料から製造することができる。図示の実施形態では、桁5が中空形態で具現化される。
【0058】
ルーバー6は、アルミニウム又はプラスチックなどの様々な材料から製造することもできる。例えば、ポリカーボネート、ガラス、木材などから形成される充填材要素を使用して、中空ルーバー6を少なくとも部分的に充填し、例えばルーバーの異なる外観を得ることができる。好ましくは、ルーバー6は、ルーバー6にとって望ましい長さに切断され得る押出プロファイル(押出成形体)を得るために、
図8A~
図8Eを参照して後述するように押出プロセスによって製造される。
【0059】
一実施形態において、ルーバー6は、更に、それらの開位置において、露光、輻射熱及び換気に関する調整オプションを更に増大させるために、随意的には、ルーバー屋根4において摺動可能であるように設けられてもよい。
【0060】
既に説明したように、ルーバー屋根4は、一般に、屋外空間を覆うために及び屋内空間のために配置することができる。したがって、桁5を、専ら支柱3以外の構造物にも、例えば壁にも取り付けることができることも理解できる。
【0061】
ルーバー6を桁5に取り付けることに関する詳細は、当業者に知られている。詳細は、例えば、ベルギー特許出願:BE2016/5365号において見出すことができ、
図7にも示される。取り付けは、一般的には、ルーバー6を貫通して延びるスピンドル(図示せず)であって、ルーバースピンドル29(
図7に示す)を備えるエンドピース(図示せず)に接続するスピンドル(図示せず)を利用する。ルーバースピンドル29は、桁5の開口30(
図7に示す)を把持し、この開口30には軸受31が設けられる。例えばエンドピースを伴うことなく、他の接続も可能であることは明らかであり、この場合、ルーバースピンドルはルーバー上に直接に存在する。
【0062】
本発明に従うルーバー屋根4では、1つ又は幾つかの加熱ルーバー11(図示の実施形態では2つの加熱ルーバー11)が、他のルーバー6間に設置される。以下、
図2~
図8を参照して本発明に係る加熱ルーバー11がより詳細に説明される。加熱要素12がルーバー11の内側に設けられるという点において、加熱ルーバー11は他のルーバー6とは異なる。この加熱要素12は、輻射熱に基づいて動作するとともに、ルーバー屋根4の下方の存在を加熱することができる。
【0063】
加熱要素12をルーバー11に組み込むことにより、桁5又は梁9に取り付けられる加熱要素と比較して、熱源と加熱されるべき場所との間の距離が短くなる。また、このことは、ルーバー屋根4の下方で同じ温度を達成するために、あまり強力ではなく、したがって通常はよりエネルギー効率が高く、より安価でより小型の加熱要素12を使用できることも意味する。
【0064】
同様に、幾つかの熱源、すなわち、幾つかの加熱ルーバー11をルーバー屋根4に設けることができるため、桁5又は梁9に取り付けられる加熱要素と比較して、より均一な熱分布を得ることもできる。一実施形態において、2つの引き続く加熱ルーバー間の間隔は、とりわけ、加熱要素12の容量及び効率並びにルーバー屋根4の高さに基づいて決定される。好ましくは、2つの引き続く加熱ルーバー11間に1.2~1.5メートルの間隔があり、これにより、所望の均一な熱分布がもたらされる。この種の間隔は、例えば、ルーバー屋根4に4つ又は5つのルーバー6ごとに1つの加熱ルーバー11を設けることによって得ることができる。例えば、ルーバー屋根4の下方の中央領域に重点を置く又はルーバー屋根4の縁部付近の領域に僅かにより重点を置くことによって、他の熱分布も可能であることが明らかである。
【0065】
加熱ルーバー11を閉位置でのみキャノピー1内に配置することが可能であるため、随意的に、加熱ルーバー11と通常のルーバー6との間に更なる違いがある。言い換えると、この場合、加熱ルーバー11はキャノピー1に対して回転不能であり、通常ルーバー6のみが回転可能である。
【0066】
図2は、加熱ルーバー11の上端における側面図を示す。ルーバー11には、長尺なスロット14(
図4参照)が形成される平坦な下面13が設けられる。このスロット14は、チャンバ16によって形成されるキャビティ15へのアクセスをもたらす。チャンバ16の形態は、主に、加熱要素12を設置するためにキャビティ15に必要な容積によって決定される。加熱ルーバー11には、通常のルーバー6の場合と同様に、チャンバ16に沿って排水面17が設けられる。降雨は、ルーバー屋根4の閉位置においてこれらの面17を介して排出され得る。端部18の形態は、既知のルーバー6と実質的に同一であり、本発明にとってあまり重要ではない。
【0067】
図示の実施形態において、キャビティ15には、
図4に示されるように、2つの横方向部分19b及び2つの縦方向部分19aから成る内縁部(inner edge)19が設けられる。加熱要素12又はそのハウジングには、
図4に示されるように、横方向部分21b及び縦方向部分21aを有する対応する外縁部(outer edge)21が設けられる。内縁部19及び外縁部21は、対応する形状を有するとともに、主にキャビティ15をシールする役目を果たすが、加熱要素12をキャビティ15内に取り付けるために使用することもできる。
【0068】
図示の実施形態において、キャビティ15のシールは、内縁部19と外縁部21との間にシール25(
図6に示す)を嵌合することによって達成される。シールは、複数の材料、例えばシリコン、特に炭素が添加された耐熱性シリコン、ゴム、熱可塑性樹脂又はフッ素樹脂から製造することができ、好ましくは、縁部19,21間で少なくとも部分的に圧縮されるように十分に可撓性があり、これにより、シールの品質が高められる。シールは、一体的に形成された長方形となり得るが、各縁部間の個々のストリップから成ることもできる。このようにして、にわか雨の最中にキャビティ15に水が浸透し、その結果、後にこの水がキャビティ15から漏れ出る残留水滴下の影響が完全に防止されるため、全ての縁部間にシールが存在すると有利である。しかしながら、シール25が局所的に中断されること或いは特定の縁部、例えば横方向部分19b,21b、にシールが設けられないことも想定し得る。
【0069】
加熱要素12と加熱ルーバー11とを異なる態様で互いに取り付けることができる。想定し得る態様は、それらを互いに接着することによって、ボルトによって、又はバヨネット取付具によってである。この種の取り付けによって、縁部19,21が互いの上に位置し、その結果、シール25がキャビティ15の良好なシールを確保する。図示の実施形態において、チャンバ16には支持要素32が内側に設けられ、該支持要素32上に加熱要素12を吊り下げる(当て付け保持する)ことができる。これにより、ルーバー11の外側からは見えない所望の接続が確保される。代わりの実施形態では、支持要素32が存在せず、縁部19,21を互いに直接に取り付けることができる。
【0070】
加熱要素12を取り付けることは、スピンドルがルーバーを貫通して延びることができないことを意味する。そのため、加熱ルーバー11の場合、ルーバー11の各上端にスピンドルが設けられる。スピンドル(図示せず)は締結具(又は締結部)22に取り付けられる。
【0071】
図示の実施形態において、加熱要素12は、その上に外縁部21を有するハウジングを備える。ハウジング内には熱源(図示せず)が存在する。図では、電源ケーブル23がハウジングから出ていることから明らかなように、熱源は電気熱源である。この電源ケーブル23は、その後、
図7に示されるように、ルーバー11を貫通してルーバー11のいずれかの上端付近まで続く。この目的のために、電源ケーブル23は中空のルーバースピンドル33を貫通して延びる。通常のルーバー6の場合と同様に、桁5には開口30が設けられる。電源ケーブル23は、加熱ルーバー11のためのルーバースピンドル33を貫通して延びる必要があるため、ルーバースピンドル33は、通常のルーバー6のルーバースピンドル29よりも大きい直径を有する。桁5の穴30が全て同じ直径を保持でき、それにより、加熱ルーバー11を任意の場所に装着できるようにするために、ルーバースピンドル29を有するルーバー6における軸受31と比べて(肉が)薄い軸受32がルーバースピンドル33で使用される。
【0072】
要約すると、より幅広いルーバースピンドルとより薄い軸受との組み合わせにより、桁の開口に合わせて調整を行なう必要なく、電源ケーブルをルーバーの内側に設けることができる。ここに記載される電源ケーブル23は熱源に関連するが、他の機器用の電源に関して桁に対する同じ接続形態を使用できる。このようにして、電源ケーブル23はキャノピー1の外部にも見えない。
【0073】
一般に、ルーバー11の上端の一方には、ルーバー屋根4の桁5上の対応する結合手段30と協働して加熱要素12に電気を供給する結合手段32,33が設けられる。
【0074】
好ましくは、熱源が赤外線ヒーターであるが、他の可能性が当業者に知られている。
【0075】
下側において、ハウジングには、
図4及び
図5に示される開口24が設けられる。この開口24は、熱源によって生成された輻射熱を容易に通過させ、その結果、下方の空間への熱の輸送に対する障害物が可能な限り少ない。或いは、輻射熱を通すカバー、例えばガラスパネル又は金属グリッドを設けることができる。このカバーは、この場合、キャビティ14の更なるシールがあり、その結果、縁部19,21間のシールが存在する必要がないという利点を有する。
【0076】
図2に示されるように、チャンバ16は、ルーバー横方向37で見てルーバー11の中央にある。チャンバ16及びキャビティ15、したがって加熱要素12をルーバー横方向37の中央に設置することによって、加熱要素12の重量は、締結具(又は締結部)22に嵌合するスピンドルに対して略中央に分布される。言い換えると、加熱要素12は、ルーバー屋根4の閉位置においてルーバー11が実質的にバランスをとるように、すなわち、加熱要素12に重力によって引き起こされる回転がないように位置決めされる。既に前述したように、これはバランスの問題及び望ましくない傾斜を防止する。
【0077】
図4及び
図5に示されるように、スロット14は、ルーバー縦方向36で見てルーバー11の中央にある。スロット14ひいては加熱要素12をルーバー縦方向36の中央に設置することによって、桁が両端でほぼ同じ支持をもたらさなければならず、これは加熱要素がいずれかの端部の近くにあった場合には当てはまらない。
【0078】
図8A~
図8Eを参照して、ルーバー11を製造する方法について説明する。ルーバー11は、一般的には押出(成形)プロセスによって製造される。押出プロセスによって得られるプロファイル(成形体)は、後に所望の長さに切断される。この種の押出プロファイル(押出成形体)35が
図8Aに示される。内縁部19の横方向部分19bも押出プロセス中に生成される。次の段階では、スロット14が
図8B及び
図8Cに示されるように形成される。好ましくは、スロット14がフライス加工によって形成され、この場合、加熱要素12のための空間を作るためにスピンドルのための締結具(又は締結部)22も除去される。次のステップ(
図8D及び
図8Eに示される)では、要素26がスロット14の横方向端部のそれぞれに挿入される。要素26は、
図2及び
図8Cに示されるようなスピンドル用の締結具(又は締結部)22(特にその縁部28上で)摺動可能な取り付け部分27を備える。要素26の他方側は、内縁部19の横方向部分19bを形成する。
【0079】
図9は、本発明に従う加熱ルーバー11の第2の実施形態の断面図を示す。以下、
図2~
図8Eに示される実施形態と比べた相違点について主に説明する。
【0080】
ルーバー11には、長尺なスロット14が形成される平坦な下面13が設けられる。このスロット14は、チャンバ16によって形成されるキャビティ15へのアクセスをもたらす。チャンバ16の形態は、主に、加熱要素12を設置するためにキャビティ15に必要な容積によって決定される。
【0081】
第1の相違点は、この実施形態では、チャンバ16が2つの部分16a,16bを備え、上側部分16aが下側部分16bに対して取り外し可能であるという点である。上側部分16aをチャンバ16から取り外すことができることにより、ルーバー11の上面を介して加熱要素12を挿入することが可能である。このように加熱要素12を設置する方が容易である。部分16a,16bを接続するために、図示の実施形態ではピン接続部44が設けられる。しかしながら、当業者が2つのプロファイル16a,16bを互いに接続するための他の方法を知っていることは明らかである。
【0082】
第2の相違点は、内縁部19がスロット14の周方向縁部によって形成されるという点である。加熱要素12又はそのハウジングには対応する外縁部21が設けられる。この実施形態では、輻射熱を通すカバー40(例えば、ガラスパネル又は金属グリッド)も存在する。カバー40の周方向縁部40aは内縁部19と外縁部21との間に配置される。内縁部19とカバー40との間及び/又は外縁部21とカバー40との間に1つ又は幾つかのシール(図示せず)を設けることができる。
【0083】
加熱要素12は、ボルト41、クランププロファイル(クランプ器具)42、及び、ボルトダクト43によってルーバー11に取り付けられる。より具体的には、下側チャンバ部分16bの内側、すなわち、キャビティ15の内側に多数のボルトダクト43がある。これらのボルトダクト43は、クランププロファイル42を下側チャンバ部分16bに取り付けることができるように、対応するボルト41の設置のために使用される。特に、ボルト41は、これらの端部がボルトダクト43に対して固定されるように、クランププロファイル42の第1の端部を貫通して延びる。クランププロファイル42は、外縁部21が内縁部19を押すように、それらの他端を加熱要素12の外縁部21の上面に押し付ける。
【0084】
更に、カバー40を完全に省略して又はこれをスロット14内に完全に設けて、ルーバー11の下面13が略平坦な外観を有するようにすることもできる。
【0085】
本発明の特定の態様を特定の実施形態に関して説明してきたが、これらの態様を特許請求の範囲によって規定される保護の範囲内において他の形態で実施できることは明らかである。
【符号の説明】
【0086】
2 地面
4 ルーバー屋根
5 桁
6 ルーバー
11 加熱ルーバー
12 加熱要素
13 加熱ルーバーの下面
14 スロット
15 キャビティ
19 内縁部
21 外縁部
22 締結具(又は締結部)
23 電源ケーブル
24 開口(輻射熱を通す領域)
25 シール
29 ルーバースピンドル
30 開口
31 軸受(第1の軸受)
32 更なる軸受(第2の軸受)
33 加熱ルーバースピンドル
42 クランププロファイル(クランプ器具)42