(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】粒子状布地ケア組成物
(51)【国際特許分類】
D06M 15/53 20060101AFI20240123BHJP
D06M 14/08 20060101ALI20240123BHJP
D06M 13/46 20060101ALI20240123BHJP
D06M 15/03 20060101ALI20240123BHJP
D06M 15/356 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
D06M15/53
D06M14/08
D06M13/46
D06M15/03
D06M15/356
(21)【出願番号】P 2022528655
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(86)【国際出願番号】 US2020070920
(87)【国際公開番号】W WO2021127697
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-05-17
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】フォッサム、ルネ・ダイアナ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス、リディアニー
【審査官】林 建二
(56)【参考文献】
【文献】特表2004-507610(JP,A)
【文献】特表2009-542837(JP,A)
【文献】特開2001-106743(JP,A)
【文献】特表2019-532124(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0169533(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0169777(US,A1)
【文献】米国特許第04904408(US,A)
【文献】特開2008-138014(JP,A)
【文献】特表2007-534816(JP,A)
【文献】特表2010-513640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
D06M 10/00-11/84
D06M 13/00-15/715
D06M 16/00
D06M 19/00-23/18
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の粒子を含む
布地ケア組成物であって、前記粒子が、
前記粒子の25重量%~99重量%の
、2000~20000Daの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールと、
前記粒子の1重量%~75重量%のグラフトコポリマーと、
を含み、
前記グラフトコポリマーが、
(a)1000~20000Daの
重量平均分子量を有し、かつエチレンオキシ
ドに基づくポリアルキレンオキシド
を、(b)N-ビニルピロリドン
及び(c)
酢酸ビニルでグラフトすることにより得られ、
(a)及び(b)が、1:0.1~1:1の(a):(b)の重量比で存在し、
重量基準で、(a)が(c)よりも多い量で存在し
、
前記粒子の各々が、1mg~1gの質量を有する、
布地ケア組成物。
【請求項2】
前記粒子が、前記粒子の35重量%~99重量%の前記ポリエチレングリコールと、前記粒子の1重量%~50重量%の前記グラフトコポリマーと、を含む、請求項1に記載の布地ケア組成物。
【請求項3】
(a)及び(b)が、1:0.2~1:0.7の(a):(b)の重量比で存在する、請求項1
又は2に記載の
布地ケア組成物。
【請求項4】
(a)及び(c)が、1:0.1~1:0.8の(a):(c)の重量比で存在する、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項5】
(b)及び(c)が、1:0.1~1:4の(b):(c)の重量比で存在する、請求項1~
4のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項6】
(c)の1モル%~60モル%が加水分解される、請求項1~
5のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項7】
前記
粒子が、
前記粒子の5重量%~45重量%の第四級アンモニウム化合物を更に含む、請求項1~
6のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項8】
前記
粒子が、
前記粒子の0.5重量%~10重量%のカチオン性ポリマーを更に含む、請求項1~
7のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項9】
前記カチオン性ポリマーが、カチオン性多糖類、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-67、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項
8に記載の
布地ケア組成物。
【請求項10】
前記
布地ケア組成物が、酸を更に含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項11】
前記
布地ケア組成物が、香料を更に含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の
布地ケア組成物で洗濯物を処理するための方法であって、
洗濯機に洗濯物を入れる工程と、
前記
布地ケア組成物を前記洗濯機に分注する工程と、
前記洗濯物を水と接触させる工程と、
前記
布地ケア組成物を前記水に溶解させて、洗濯物処理液を形成する工程と、
前記洗濯物を前記洗濯物処理液と接触させる工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
洗浄中洗濯物ケア添加剤。
【背景技術】
【0002】
消費者は、典型的には、互いに異なる色を有するセルロース繊維含有物品を含む多くの洗濯物を洗濯する。そのような様々な色の洗濯物は、洗濯される物品間での移染の影響を受けやすい可能性がある。繊維産業は、典型的には、過去に用いられていた直接染料と比べてより良好な洗濯堅牢度が得られる、セルロース繊維に共有結合する反応性染料を用いる。
【0003】
反応性染料は、直接染料よりも布地に対して比較的より実質的(substantive)であるが、反応性染料は、適用プロセス中に加水分解され得、加水分解された反応性染料が洗浄液中に放出され得る。染色プロセス中に50%もの加水分解が起こり得、その結果、加水分解された反応性染料は、連続する洗浄サイクルにわたってゆっくりと放出される。したがって、物品を染色するために反応性染料が用いられる場合であっても、洗浄中の不堅牢染料の移染の問題が残っている。
【0004】
全体的な布地ケアプロセスの一部として、消費者は、物品の色に対する移染の影響を低減するだけでなく、布地の柔らかさ及び物品からの皮脂の付着物の除去などの他の布地ケア効果を提供することも望んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この制約を考慮に入れて、加水分解された反応性染料が洗浄中に移染するのを抑制し、任意選択で、追加の布地ケア効果を提供することができる安定した布地ケア組成物に対する継続的な対処されていない必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
複数の粒子を含む組成物であって、粒子が、約25重量%~約99重量%の水溶性担体と、約1重量%~約75重量%のグラフトコポリマーと、を含み、グラフトコポリマーが、(a)約1000~約20000Daの重量平均分子量を有し、かつエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドに基づくポリアルキレンオキシドと、(b)N-ビニルピロリドンと、(c)1~6個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来するビニルエステルと、を含み、(a)及び(b)が、約1:0.1~約1:1の(a):(b)の重量比で存在し、重量基準で、(a)が(c)よりも多い量で存在し、グラフト重合における(b)及び(c)の添加順序が、重要ではなく、粒子の各々が、約1mg~約1gの質量を有する、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に記載の組成物は、消費者が洗濯機に投入するのに便利な、洗浄中粒子状布地ケア組成物を提供することができる。洗浄中粒子状布地ケア組成物は、粒子を含む組成物で提供され得る。本明細書に記載の粒子は、水溶性粒子であり得る。粒子は、洗剤組成物のパッケージとは別の容器で提供され得る。洗剤組成物のパッケージとは別の容器で粒子状布地ケア組成物を提供することは、使用する洗剤組成物の量とは関係なく、消費者が布地ケア組成物の量を選択することを可能にするため、有益であり得る。これにより、使用する布地ケア組成物の量、ひいては、それによって実現する布地ケア効果の量をカスタマイズする機会を消費者に与えることができ、これは、消費者にとって非常に価値のある効果である。
【0008】
粒子状製品、特に粉の立たない粒子状物は、多くの消費者によって好まれる。粒子状製品は、消費者がパッケージから洗濯機に直接、又は洗濯機の投入区画に容易に投入することができる。あるいは消費者は、パッケージから、任意選択で1つ以上の投入用のしるしを備える投入カップに投入し、次いで粒子状物を洗濯機の投入区画に、又はドラムに直接投入することができる。投入カップが用いられる製品では、粒子状製品は、液体製品よりも面倒でない傾向がある。
【0009】
組成物は、複数の粒子を含み得る。粒子は、約25重量%~約99重量%(任意選択で約35重量%~約99重量%)の水溶性担体と、約1重量%~約75重量%(任意選択で約1重量%~約50重量%)のグラフトコポリマーとを含み得、グラフトコポリマーが、(a)約1000~約20000Daの重量平均分子量を有し、かつエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドに基づくポリアルキレンオキシドと、(b)N-ビニルピロリドンと、(c)1~6個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来するビニルエステルと、を含み、(a)及び(b)が、約1:0.1~約1:1の(a):(b)の重量比で存在し、重量基準で、(a)が(c)よりも多い量で存在し、グラフト重合におけるモノマー(b)及び(c)の添加順序は、重要ではなく、粒子の各々は、約1mg~約1gの質量を有する。
【0010】
グラフトコポリマー中のポリアルキレンオキシドは、エチレンオキシドに基づき得る。グラフトコポリマー中のポリアルキレンオキシドは、約1000~約20000Daの重量平均分子量を有し得る。ビニルエステルは、1~3個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来し得る。ビニルエステルは、酢酸ビニル又はその誘導体であり得る。(a)部及び(b)部は、約1:0.2~約1:0.7の(a):(b)の重量比で存在し得る。(a)部及び(c)部は、約1:0.1~約1:0.8の(a):(c)の重量比で存在し得る。(b)部及び(c)部は、約1:0.1~約1:4の(b):(c)の重量比で存在し得る。構成成分(c)の約1モル%~約60モル%が加水分解され得る。グラフトコポリマーが加水分解されると、グラフトコポリマーが親水性になり、グラフトコポリマーは、洗浄される疎水性布地表面に引き付けられるのとは対照的に、洗浄液中に懸濁されたままである可能性がより高くなると考えられる。グラフトコポリマーのグラフト化部位の数は、エチレンオキシド基50個当たり約1個以下であり得る。
【0011】
組成物は、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物、任意選択で、約18~約60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成され得る第四級アンモニウム化合物を更に含み得る。第四級アンモニウム化合物は、水溶性担体及びグラフトコポリマーと同じ粒子で提供され得る。任意選択で、第四級アンモニウム化合物は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる補助粒子で提供され得る。第四級アンモニウム化合物は、洗濯物に柔軟効果を提供することができる。第四級アンモニウム化合物はまた、洗浄プロセス中の摩耗による損傷から衣類を保護することができる。
【0012】
組成物は、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを更に含み得る。カチオン性ポリマーは、合成ポリマーであってもよい。あるいは、カチオン性ポリマーは、カチオン性多糖類であってもよい。カチオン性ポリマーは、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる補助粒子で提供され得る。任意選択で、カチオン性ポリマーは、水溶性担体及びグラフトコポリマーと同じ粒子で提供されてもよい。カチオン性ポリマーは、第四級アンモニウム化合物、封入又は非封入香料などの有益剤を付着させるために使用することができる。
【0013】
同様に、組成物は、酸を更に含み得る。酸は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる補助粒子で提供され得る。酸は、クエン酸を含む有機酸であり得る。酸は、水溶性担体及びグラフトコポリマーと同じ粒子で提供され得る。酸は、洗浄液中の硬度イオンを封鎖するのに役立ち得、懸濁液中における染料の維持を支援するのを助けるのに役立ち得る。
【0014】
同様に、組成物は、香料を更に含み得る。香料は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる補助粒子で提供され得る。香料は、非封入香料、封入香料、又はこれらの組み合わせとして提供され得る。香料は、水溶性担体及びグラフトコポリマーと同じ粒子で提供され得る。香料は、洗浄中に洗濯物に移動して、洗濯物に香りを提供することができる。
【0015】
組成物は、酵素も含み得る。酵素は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる補助粒子で提供され得る。任意選択で、酵素は、水溶性担体及びグラフトコポリマーと同じ粒子で提供され得る。酵素は、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ、これらの組み合わせからなる群から選択され得る。グラフトコポリマーと酵素との組み合わせは、染料の布地への再付着を低減し、布から皮脂を除去すると考えられる。
【0016】
水溶性担体は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-コ-ポリプロピレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコールポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリグリセロールエステル、硫酸ナトリウム、炭水化物、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。水溶性担体は、約2000~約20000Daの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを含み得る。
【0017】
粒子は、約10重量%未満の水であり得る。このような低含水量粒子は、改善された物理的及び化学的安定性を有し得る。
【0018】
粒子は、洗濯物を処理するための方法で使用することができる。方法の工程は、組成物を収容する容器を提供することと、容器から3g~約200gの組成物を容器から、容器のクロージャである投入デバイスに、又は容器と係合可能かつ分離可能である投入デバイスに分注することと、を含み得る。
【0019】
水溶性担体
粒子は、水溶性担体を含むことができる。水溶性担体は、布地ケア有益剤を洗浄液に運搬する役割を持つ。水溶性担体の溶解時に、布地ケア有益剤が洗浄液中に分散する。
【0020】
水溶性担体は、短時間、例えば約10分未満で洗浄液に可溶である材料であり得る。水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの任意の組み合わせからなる群から選択され得る。
【0021】
アルカリ金属塩は、例えば、リチウムの塩、ナトリウムの塩、及びカリウムの塩、並びにこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてもよい。有用なアルカリ金属塩は、例えば、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0022】
アルカリ金属塩は、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、硫酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硫酸カリウム、重硫酸カリウム、リン酸カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸一水素カリウム、酢酸カリウム、クエン酸カリウム、乳酸カリウム、酒石酸カリウム、ケイ酸カリウム、カリウム、アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0023】
アルカリ土類金属塩は、マグネシウムの塩、カルシウムの塩など、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。アルカリ土類金属塩は、アルカリ金属フッ化物、アルカリ金属塩化物、アルカリ金属臭化物、アルカリ金属ヨウ化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属重硫酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属一水素リン酸塩、アルカリ金属二水素リン酸塩、アルカリ金属炭素塩、アルカリ金属一水素炭素塩、アルカリ金属酢酸塩、アルカリ金属クエン酸塩、アルカリ金属乳酸塩、アルカリ金属ピルビン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、アルカリ金属アスコルビン酸塩、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。アルカリ土類金属塩は、フッ化マグネシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、リン酸一水素マグネシウム、リン酸二水素マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸一水素マグネシウム、酢酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、アスコルビン酸マグネシウム、フッ化カルシウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸一水素カルシウム、酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム、乳酸カルシウム、酒石酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、アスコルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0024】
無機アルカリ金属塩及び無機アルカリ土類金属塩などの無機塩は、炭素を含まない。有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩などの有機塩は、炭素を含む。有機塩は、アルカリ金属塩又はソルビン酸のアルカリ土類金属塩(即ち、ソルビン酸塩(asorbate))であってもよい。ソルビン酸塩は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸マグネシウム、ソルビン酸カルシウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0025】
水溶性担体は、水溶性無機アルカリ金属塩、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってもよく、又はそれを含んでもよい。水溶性担体は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム、酒石酸カリウムナトリウム、乳酸カルシウム、水ガラス、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、デキストロース、フルクトース、ガラクトース、イソグルコース、グルコース、スクロース、ラフィノース、イソマルト、キシリトール、氷砂糖、ざらめ糖、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。一実施形態では、水溶性担体は、塩化ナトリウムであってもよい。一実施形態では、水溶性担体は、食卓塩であってもよい。
【0026】
水溶性担体は、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カルシウム、塩化ナトリウム、スクロース、マルトデキストリン、コーンシロップ固体、コーンスターチ、小麦デンプン、米デンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、粘土、ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される物質であってもよく、又はそれを含んでもよい。
【0027】
水溶性担体は、水溶性有機アルカリ金属塩、水溶性無機アルカリ土類金属塩、水溶性有機アルカリ土類金属塩、水溶性炭水化物、水溶性ケイ酸塩、水溶性尿素、デンプン、粘土、水不溶性ケイ酸塩、クエン酸カルボキシメチルセルロース、脂肪酸、脂肪アルコール、水素化獣脂のグリセリルジエステル、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0028】
水溶性担体は、二糖類、多糖類、シリケート、ゼオライト、カーボネート、サルフェート、シトレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0029】
水溶性担体は、水溶性ポリマーであり得る。水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、変性PVA;ポリビニルピロリドン;PVA/ポリビニルピロリドン及びPVA/ポリビニルアミンなどのPVAコポリマー;部分加水分解されたポリ酢酸ビニル;ポリエチレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド;ポリエチレングリコール;ポリプロピレングリコール、ポリグリセロールエステル、アクリルアミド;アクリル酸;セルロース;メチルセルロース、エチルセルロース及びプロピルセルロースなどのアルキルセルロース系材料;セルロースエーテル;セルロースエステル;セルロースアミド;ポリ酢酸ビニル;ポリカルボン酸及び塩;ポリアミノ酸又はペプチド;ポリアミド;ポリアクリルアミド;マレイン酸/アクリル酸のコポリマー;デンプン、変性デンプンを含む多糖類;ゼラチン;アルギネート;キシログルカン、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、及びガラクトグルコマンナンを含む他のヘミセルロース系多糖類;並びにペクチン、キサンタン、及びカラギーナン、ローカストビーン、アラビア、トラガカントなどの天然ガム;並びにこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。一実施形態では、ポリマーは、ポリアクリレート、特にスルホン化ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー;並びにアルキルヒドロキシセルロース系材料、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシメチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートを含む。更に別の実施形態において、水溶性ポリマーは、PVA;PVAコポリマー;ヒドロキシプロピルメチルセルロース(hydroxypropyl methyl cellulose、HPMC);並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0030】
水溶性担体は、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール/ポリビニルアミン、部分加水分解ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-コ-ポリプロピレングリコール、ポリグリセロールエステル、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、アルキルセルロース系材料、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、多糖類、デンプン、加工デンプン、ゼラチン、アルギン酸塩、キシログルカン、ヘミセルロース性多糖類、キシラン、グルクロノキシラン、アラビノキシラン、マンナン、グルコマンナン、ガラクトグルコマンナン、天然ガム、ペクチン、キサンタン、カラギーナン、ローカスビーン、アラビア、トラガカント、ポリアクリレート、スルホン化ポリアクリレート、水溶性アクリレートコポリマー、アルキルヒドロキシセルロース系材料、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、変性カルボキシ-メチルセルロース、デキストリン、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート、ポリビニルアルコールポリマー、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0031】
水溶性担体は、有機材料であり得る。有機水溶性担体は、水に容易に可溶であるという効果をもたらすことができる。
【0032】
水溶性担体は、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-コ-ポリプロピレングリコール、ポリグリセロールエステル、ポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリグリセロールエステル、硫酸ナトリウム、炭水化物、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0033】
水溶性担体は、ポリエチレングリコール(PEG)であってもよい。PEGは、粒子が、本明細書にて開示した範囲の質量を有するときに、洗浄サイクル中に溶解するのに十分水溶性であり得るため、粒子を作製するのに用いるのに便利な材料であり得る。更に、PEGは、融解物として容易に処理され得る。PEGの融解温度の開始は、PEGの分子量の関数として変化し得る。粒子は、約25重量%~約99重量%の、約2000~約20000Daの重量平均分子量を有するPEGを含み得る。PEGは比較的低コストであり、多くの異なる形状及びサイズに形成され、非封入香料の拡散を最小限に抑え、水によく溶解し得る。PEGは、様々な重量平均分子量で入手可能である。PEGの好適な重量平均分子量の範囲は、約2000~約20,000Da、任意選択で約2000~約13000Da、あるいは約4,000~約20,000Da、あるいは約4,000~約12,000Da、あるいは約4,000~約11,000Da、あるいは約5,000~約11,000Da、あるいは約6,000~約10,000Da、あるいは約7,000~約9,000Da、あるいはこれらの組み合わせを含む。
【0034】
粒子は、粒子の約25重量%~約99重量%のPEGを含み得る。任意選択で、粒子は、それぞれの粒子の約35重量%~約99重量%、任意選択で約40重量%~約99重量%、任意選択で約50重量%~約99重量%、任意選択でこれらの組み合わせ、及び前述の範囲のいずれか内の任意の全百分率又は全百分率の範囲のPEGを含み得る。
【0035】
水溶性担体は、以下からなる群から選択される物質を含み得る:式H-(C2H4O)x-(CH(CH3)CH2O)y-(C2H4O)z-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは、約10~約200である)のポリアルキレンオキシドポリマー;式(C2H4O)q-C(O)O-(CH2)r-CH3(式中qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;式HO-(C2H4O)s-CH2)t)-CH3(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル;及びこれらの混合物。式H-(C2H4O)x-(CH(CH3)CH2O)y-(C2H4O)z-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは、約10~約200である)のポリアルキレンオキシドポリマーは、ブロックコポリマー又はランダムコポリマーであり得る。
【0036】
水溶性担体は、以下を含み得る:ポリエチレングリコール;式H-(C2H4O)x-(CH(CH3)CH2O)y-(C2H4O)z-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは約10~約200である)のポリアルキレンポリマー;式(C2H4O)q-C(O)O-(CH2)r-CH3(式中、qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステル;及び式HO-(C2H4O)s-(CH2)t)-CH3(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテル。
【0037】
水溶性担体は、式H-(C2H4O)x-(CH(CH3)CH2O)y-(C2H4O)z-OH(式中、xは、約50~約300であり、yは、約20~約100であり、zは、約10~約200である)のポリアルキレンポリマーの粒子を約20重量%~約80重量%含むことができる。
【0038】
水溶性担体は、式(C2H4O)q-C(O)O-(CH2)r-CH3(式中、qは、約20~約200であり、rは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪酸エステルの粒子を約1重量%~約20重量%含み得る。
【0039】
水溶性担体は、式HO-(C2H4O)s-CH2)t-CH3(式中、sは、約30~約250であり、tは、約10~約30である)のポリエチレングリコール脂肪アルコールエーテルの粒子を約1重量%~約10重量%含み得る。
【0040】
第四級アンモニウム化合物
洗浄を通して、特に洗浄及びすすぎサブサイクルを有する洗濯機の洗浄サブサイクル中に、粒子が、洗濯される布地に柔軟化又は潤滑効果をもたらすことができるように、粒子は第四級アンモニウム化合物を含み得る。任意選択で、第四級アンモニウム化合物は、補助粒子として、又は補助粒子中に提供され得る。
【0041】
第四級アンモニウム化合物(クワット)は、エステルの第四級アンモニウム化合物であり得る。好適な第四級アンモニウム化合物には、エステル第四級アンモニウム、アミド第四級アンモニウム、イミダゾリン第四級アンモニウム、アルキル第四級アンモニウム、アミドエステル第四級アンモニウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が含まれるが、これらに限定されない。好適なエステル第四級アンモニウムとしては、モノエステル第四級アンモニウム、ジエステル第四級アンモニウム、トリエステル第四級アンモニウム、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料が挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
理論に束縛されるものではないが、第四級アンモニウム化合物を含む粒子の冷水溶解時間は、ヨウ素価が増加するにつれ減少する傾向にあると考えられており、この関係については、ある程度のばらつきが存在することが認識されている。
【0043】
粒子、又は提供される場合補助粒子は、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物を含み得る。第四級アンモニウム化合物は、任意選択で、約18~約60、任意選択で約18~約56、任意選択で約20~約60、任意選択で約20~約56、任意選択で約20~約42のヨウ素価、及び前述の範囲内の任意の整数を有し得る。任意選択で、粒子は、更に任意選択で上述の範囲のヨウ素価のいずれかを有する、約10重量%~約40重量%の第四級アンモニウム化合物を含むことができる。任意選択で、粒子は、更に任意選択で上述の範囲のヨウ素価を有する、約20重量%~約40重量%の第四級アンモニウム化合物を含むことができる。
【0044】
第四級アンモニウム化合物は、脂肪酸に由来し得る。脂肪酸は、飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸を含むことができる。脂肪酸は、ヨウ素価によって特徴付けられ得る。脂肪酸は、重量平均で、約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、任意選択で約16個~約18個の炭素原子を含有するアルキル部分を含み得る。好適な脂肪酸としては、(1)牛脂、ラードなどの動物脂肪及び/又は部分水素添加動物脂肪、(2)カノーラ油、サフラワー油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、ゴマ種子油、菜種油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、トール油、米糠油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、他の熱帯パーム油、亜麻仁油、キリ油などの植物油及び/又は部分水素添加植物油、(3)熱処理、圧力処理、アルカリ異性化処理及び触媒処理による亜麻仁油又はキリ油などの加工油及び/又はスタンド油、(4)飽和(例えば、ステアリン酸)、不飽和(例えば、オレイン酸)、多価不飽和(リノール酸)、分岐鎖状(例えば、イソステアリン酸)又は環状(例えば、多価不飽和酸の飽和又は不飽和α-二置換シクロペンチル又はシクロヘキシル誘導体)脂肪酸を生成するそれらの混合物から誘導されるものを挙げることができる。
【0045】
第四級アンモニウム化合物は、不飽和である脂肪酸から形成される化合物を含み得る。脂肪酸は、不飽和C18鎖を含んでもよく、これは、単一の二重結合(「C18:1」)を含んでもよく、又は二重不飽和(「C18:2」)であってもよい。
【0046】
第四級アンモニウム化合物は、脂肪酸、及び任意選択でトリエタノールアミン、任意選択で18個の炭素を含む不飽和脂肪酸(「C18脂肪酸」)、任意選択で単一の二重骨格(double bone)を含むC18脂肪酸(「C18:1脂肪酸」)に由来し得る。第四級アンモニウム化合物は、第四級アンモニウム化合物の約10重量%~約95重量%、又は約10重量%~約90重量%、又は約15重量%~約80重量%の、トリエタノールアミン及びC18:1脂肪酸に由来する化合物を含み得る。
【0047】
好適な第四級アンモニウムエステル化合物は、アルカノールアミン、例えば、C1~C4アルカノールアミン、任意選択でC2アルカノールアミン(例えば、エタノールアミン)に由来し得る。第四級アンモニウムエステル化合物は、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミン、又はこれらの混合物、任意選択でモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、又はこれらの混合物に由来し得る。第四級アンモニウムエステル化合物が由来するアルカノールアミンは、アルキル化モノ又はジアルカノールアミン、例えば、C1~C4アルキル化アルカノールアミン、任意選択でC1アルキル化アルカノールアミン(例えば、N-メチルジエタノールアミン)であってもよい。
【0048】
第四級アンモニウムエステル化合物は、少なくとも部分的に置換された四級化窒素原子を含んでもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、1つ以上のC1~C3アルキル基又はC1~C3ヒドロキシルアルキル基で置換されてもよい。四級化窒素原子は、少なくとも部分的に、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C2~C3-アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、任意選択でメチル又はヒドロキシエチルからなる群から選択される部分で置換されてもよい。
【0049】
第四級アンモニウムエステル化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、
【0050】
【化1】
式中、
mは1、2又は3であり、ただし、所与の分子において、各mの値は同一であり、(a)第四級アンモニウムエステル化合物が、トリエステル第四級アンモニウム材料(「トリエステルクアット」)を含む場合、式(I)による化合物の少なくとも一部に関して、mは3(即ち、トリエステル)であり、
13個~22個の炭素原子を含み得る各R
1は、独立して、直鎖ヒドロカルビル基又は分岐ヒドロカルビル基であり、任意選択で、R
1は、直鎖状であり、任意選択で、R
1は、部分不飽和直鎖アルキル鎖であり、
各R
2は、独立して、C
1~C
3アルキル又はヒドロキシアルキル基であり、及び/又は各R
2は、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、1-メチル-2-ヒドロキシエチル、ポリ(C
2~C
3-アルコキシ)、ポリエトキシ、ベンジル、任意選択でメチル若しくはヒドロキシエチルから選択され、
各Xは、独立して、-(CH
2)n-、-CH
2-CH(CH
3)-、又は-CH(CH
3)-CH
2-(式中、各nは、独立して、1、2、3又は4であり、任意選択で、各nは、2である)であり、
各Yは、独立して、-O-(O)C-又は-C(O)-O-であり、
A-は、独立して、塩化物、臭化物、硫酸メチル、硫酸エチル、硫酸、及び硝酸からなる群から選択され、任意選択で、A-は、塩化物及び硫酸メチルからなる群から選択され、任意選択で、A-は硫酸メチルである。
【0051】
少なくとも1つのX、任意選択で各Xは、独立して、-CH2-CH(CH3)-又は-CH(CH3)-CH2-から選択され得る。mが2の場合、Xは、*-CH2-CH(CH3)-、*-CH(CH3)-CH2-、又はこれらの混合物から選択されてもよく、*は、第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示す。単一の化合物中に2個以上のX基が存在する場合、X基のうちの少なくとも2つは互いに異なっていてもよい。例えば、mが2の場合、一方のX(例えば、第1のX)は、*-CH2-CH(CH3)-であってもよく、他方のX(例えば、第2のX)は、*-CH(CH3)-CH2-であってもよく、*は、第四級アンモニウムエステル化合物の窒素に最も近い末端を示す。mの添え字及びX基のこのような選択により、第四級アンモニウムエステル化合物の加水分解安定性を改善し、ひいては、組成物の安定性を更に改善することができることが見出されている。
【0052】
同様の安定性の理由から、第四級アンモニウムエステル化合物は、ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチル硫酸脂肪酸エステルと、(2-ヒドロキシプロピル)-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウムメチル硫酸脂肪酸エステルと、ビス-(1-メチル-2-ヒドロキシエチル)-ジメチルアンモニウムメチル硫酸脂肪酸エステルとの混合物を含んでもよく、脂肪酸エステルはC12~C18脂肪酸混合物から生成される。第四級アンモニウムエステル化合物は、本段落に列挙されている脂肪酸エステルのいずれかを個別に又は混合物として含んでもよい。
【0053】
各Xは、-(CH2)n-(式中、各nは、独立して、1、2、3又は4であり、任意選択で、各nは、2である)であってもよい。
【0054】
各R1基は、上に提供された脂肪酸のいずれかのアルキル部分に対応してもよく、及び/又はそれに由来してもよい。R1基は、重量平均で約13個~約22個の炭素原子、又は約14個~約20個の炭素原子、任意選択で約16個~約18個の炭素原子を含み得る。Yが、*-O-(O)C-(式中、*は、X部分に最も近い末端を示す)である場合、各R1における炭素の合計は、13個~21個、任意選択で、13個~19個であってもよい。
【0055】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による第四級アンモニウム化合物の混合物、例えば、m=1(例えば、モノエステル)であるいくつかの化合物、及びm=2(例えば、ジエステル)であるいくつかの化合物を含み得る。いくつかの混合物は、m=3(例えば、トリエステル)である化合物を更に含み得る。第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、mは1又は2であるが3ではない(例えば、トリエステルを実質的に含まない)。
【0056】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物を含んでもよく、式中、各R2はメチル基である。本開示の第四級アンモニウム化合物は、式(I)による化合物(式中、少なくとも1つのR2、任意選択で、少なくとも1つのR2がヒドロキシエチル基であり、少なくとも1つのR2がメチル基である)を含み得る。式(I)による化合物の場合、mは1に等しくてもよく、1つのR2のみがヒドロキシエチル基であってもよい。
【0057】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、対イオンとして硫酸メチルイオンを含んでもよい。本開示の第四級アンモニウムエステル化合物が式(I)による化合物を含む場合、A-は、任意選択で、硫酸メチルであってもよい。
【0058】
本開示の第四級アンモニウム化合物は、以下からなる群から選択される1つ又は複数の構成要素を含んでもよい。
(A)ビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステル、及びビス-(2-ヒドロキシプロピル)-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート脂肪酸エステルの異性体、並びに/又はこれらの混合物;アシル部分が、分画及び/若しくは水素化され得るパーム、獣脂、カノーラなどのc12~c22脂肪酸及び/若しくは他の好適な脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物に由来する、N,N-ビス-(2-(アシル-オキシ)-プロピル)-N,N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート及び/若しくはN-(2-(アシル-オキシ)-プロピル)N-(2-(アシル-オキシ)1-メチル-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムメチルサルフェート並びに/又はこれらの混合物;
(B)アシル部分が、分級され得る、及び/又は水素化され得る、ヤシ、獣脂、カノーラ及び/若しくはその他の好適な脂肪酸などのc12~c22脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物から誘導される、1,2-ジ(アシルオキシ)-3-トリメチルアンモニオプロパン塩化物;
(C)N,N-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド脂肪酸エステル;アシル部分が、分画及び/若しくは水素化され得るパーム、獣脂、カノーラなどのC12~C22脂肪酸及び/若しくは他の好適な脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物に由来する、N,N-ビス(アシル-オキシ-エチル)-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド、例えば、N,N-ビス(タローオイル-オキシ-エチル)N,N-ジメチルアンモニウムクロリド;
(D)硫酸ジメチルで四級化された、脂肪酸とトリエタノールアミンとのエステル化生成物;アシル部分が、分画及び/若しくは水素化され得るパーム、獣脂、カノーラなどのC12~C22脂肪酸及び/若しくは他の好適な脂肪酸、並びに/又はこれらの混合物に由来する、N,N-ビス(アシル-オキシ-エチル)N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェート、例えば、N,N-ビス(タローオイル-オキシ-エチル)N-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルアンモニウムメチルサルフェート;
(E)ジカノーラジメチルアンモニウムクロリド;ジ(ハード)タロージメチルアンモニウムクロリド;ジカノーラジメチルアンモニウムメチル硫酸塩;1-メチル-1-ステアロイルアミドエチル-2-ステアロイルイミダゾリニウムメチル硫酸塩;1-タローウイルアミドエチル-2-タローウイルイミダゾリン;ジパルミルメチルヒドロキシエチルアンモニウムメチル硫酸塩、並びに/又は
(F)それらの混合物。
【0059】
好適な第四級アンモニウムエステル化合物の例は、商品名REWOQUAT WE18及び/又はREWOQUAT WE20としてEvonikから、並びに商品名STEPANTEX GA90、STEPANTEX VK90及び/又はSTEPANTEX VL90AとしてStepanから市販されている。
【0060】
布地コンディショニング活性物質として第四級アンモニウムエステル化合物を含む組成物は、このような化合物の非四級化誘導体、並びに未反応反応物質(例えば、遊離脂肪酸)を更に含んでもよいことが理解される。
【0061】
第四級アンモニウム化合物は、THE Procter&Gamble Company、Cincinnati,Ohio,米国から入手可能なBOUNCE乾燥機用シートの一部として使用することができる。第四級アンモニウム化合物は、硫酸ジメチルで四級化されたトリエタノールアミンと部分水素化獣脂脂肪酸との反応生成物であり得る。
【0062】
上に開示した第四級アンモニウム化合物の組み合わせが、本発明での使用に好適であることが理解される。
【0063】
粒子、又は使用される場合補助粒子は、約10重量%~約40重量%の第四級化合物を含み得る。
【0064】
第四級アンモニウム化合物のヨウ素価は、化合物が形成された親脂肪酸のヨウ素価であり、化合物が形成された親脂肪酸100グラムと反応するヨウ素のグラム数として定義される。
【0065】
まず、第四級アンモニウム化合物は、以下のプロトコルに従って加水分解される:第四級アンモニウム化合物25gを、水50mL及び水酸化ナトリウム0.3mLと混合する(50%活性)。この混合物が乾燥するのを回避しながら、混合物をホットプレート上で少なくとも1時間沸騰させる。1時間後、混合物を放冷し、pHストリップ又は較正済みpH電極を使用して、25%硫酸でpHを中性(pH6~8)に調整する。
【0066】
次に、ヘキサン又は石油エーテルによる酸性液-液抽出によって混合物から脂肪酸を抽出する:抽出シリンダにおいてサンプル混合物を水/エタノール(1:1)で160mLに希釈し、塩化ナトリウム5グラム、硫酸(25%活性)0.3mL、及びヘキサン50mLを加える。シリンダに栓をして、少なくとも1分間振盪する。次に、2層が形成されるまで、シリンダを静置する。ヘキサン中に脂肪酸を含む最上層を別の受容器に移す。次に、ホットプレートを使用してヘキサンを蒸発させ、抽出した脂肪酸を残す。
【0067】
次に、布地コンディショニング活性物質を形成する親脂肪酸のヨウ素価を、ISO3961:2013に従って測定する。親脂肪酸のヨウ素価を計算する方法は、規定量(0.1~3g)をクロロホルム15mLに溶解することを含む。次に、溶解した親脂肪酸を、酢酸溶液(0.1M)中の一塩化ヨウ素25mLと反応させる。これに、10%ヨウ化カリウム溶液20mL及び脱イオン水150mLを加える。ハロゲンの添加を行った後、ブルースターチ法指示薬粉末の存在下で、チオ硫酸ナトリウム溶液(0.1M)で滴定することにより、過剰な一塩化ヨウ素を測定する。同時に、同じ量の試薬と同一条件下でブランクを測定する。ブランクに使用したチオ硫酸ナトリウムの量と、親脂肪酸との反応に使用した量との差により、ヨウ素価を算出することができる。
【0068】
カチオン性ポリマー
粒子は、カチオン性ポリマーを含むことができる。カチオン性ポリマーは、布地に第四級アンモニウム化合物が付着するのを支援する付着助剤、及び場合により、粒子に含まれる何らかの他の有益剤の効果をもたらすことができる。任意選択で、カチオン性ポリマーは、補助粒子として、又は補助粒子中に提供され得る。
【0069】
粒子、又は使用される場合補助粒子は、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。任意選択で、粒子、又は使用される場合補助粒子は、約0.5重量%~約5重量%のカチオン性ポリマー、又は更には約1重量%~約5重量%、又は更には約2重量%~約4重量%のカチオン性ポリマー、又は更には約3重量%のカチオン性ポリマーを含み得る。理論に束縛されるものではないが、洗浄中の洗濯洗剤の洗浄能力は、粒子中のカチオン性ポリマーの濃度を増加させると減少し、洗剤の許容可能な洗浄能力は、前述の範囲内に維持され得ると考えられる。
【0070】
カチオン性ポリマーの非限定的な例は、カチオン性又は両性の多糖類、タンパク質、及び合成ポリマーである。カチオン性多糖類としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。好適なカチオン性多糖類としては、カチオン性セルロースエーテル、特にカチオン性ヒドロキシエチルセルロース及びカチオン性ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0071】
INCI名ポリクオタニウム-4;ポリクオタニウム-6;ポリクオタニウム-7;ポリクオタニウム-10;ポリクオタニウム-22;ポリクオタニウム-67を有するものを含むカチオン性ポリマー;及びこれらの混合物が好適であり得る。他の好適な多糖としては、グリシジルC12~C22アルキルジメチルアンモニウムクロリドで四級化されたヒドロキシエチルセルロース又はヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。カチオン性ポリマーは、カチオン性グアーガム又はカチオン性ローカストビーンガムであってもよい。カチオン性グアーガムの例は、ヒドロキシプロピルグアーの第四級アンモニウム誘導体である。別の態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性多糖類からなる群から選択され得る。一態様では、カチオン性ポリマーは、カチオン性セルロースエーテル、カチオン性ガラクトマンナン、カチオン性グアーガム、カチオン性デンプン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマーを含んでもよい。
【0072】
カチオン性ポリマーは、粉末形態で提供され得る。カチオン性ポリマーは、無水状態で提供され得る。
【0073】
脂肪酸
粒子は、脂肪酸を含み得る。任意選択で、脂肪酸は、補助粒子として、又は補助粒子中に提供され得る。
【0074】
「脂肪酸」という用語は、本明細書では、非プロトン化又はプロトン化形態の脂肪酸を含むように、最も広い意味で使用されている。当業者は、ある脂肪酸がプロトン化されているか、プロトン化されていないかが、ある程度、水性組成物のpHによって決まることを容易に理解するであろう。脂肪酸は、その非プロトン化形態、又は塩形態であり、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられるがこれらに限定されない、対イオンを伴い得る。「遊離脂肪酸」という用語は、別の化学部分に結合(共有結合又は別様に結合)していない脂肪酸を意味する。
【0075】
脂肪酸としては、12個~25個、13個~22個、又は更には16個~20個の総炭素原子を含有し、かつ脂肪部分に10個~22個、12個~18個、又は更には14個(ミッドカット)~18個の炭素原子を含有しているものを挙げることができる。
【0076】
異なる脂肪源由来の脂肪酸の混合物を使用することができる。また、酸化に対して、並びに結果として生じる色及び臭気の質の悪化に対してより安定であり得るため、イソステアリン酸などの分岐鎖状脂肪酸もまた好適である。脂肪酸は、0~140、10~120、50~120、又は更には85~105のヨウ素価を有し得る。
【0077】
粒子、又は使用される場合補助粒子は、約0重量%~約40重量%、任意選択で約1重量%~約40重量%の脂肪酸を含み得る。脂肪酸は、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。脂肪酸は、飽和脂肪酸のブレンド、不飽和脂肪酸のブレンド、及びこれらの混合物であり得る。脂肪酸は、置換又は非置換であり得る。脂肪酸は、第四級アンモニウム化合物と共に提供することができる。脂肪酸は、ゼロのヨウ素価を有し得る。
【0078】
脂肪酸は、ステアリン酸、パルミチン酸、ココナッツ油、パーム核油、ステアリン酸パルミチン酸ブレンド、オレイン酸、植物油、部分水素添加植物油、及びこれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0079】
脂肪酸は、ステアリン酸CAS No.57-11-4であり得る。脂肪酸は、パルミチン酸CAS No.57-10-3であり得る。脂肪酸は、ステアリン酸とココナッツ油とのブレンドであり得る。脂肪酸は、C12~C22脂肪酸であり得る。C12~C22脂肪酸は、獣脂又は植物由来のものを有することができ、飽和又は不飽和であってもよく、置換又は非置換であってもよい。
【0080】
理論に束縛されるものではないが、脂肪酸は、粒子の配合物構成成分を均一に混合するための加工助剤として役立ち得る。
【0081】
酵素
提供される粒子、及び又は補助粒子は、酵素を含み得る。酵素は、改善された洗浄性能及び他の布地ケア効果を提供することができる。任意選択で、酵素は、補助粒子として、又は補助粒子中に提供され得る。酵素は、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクチン酸リアーゼ、ケラタナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β-グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、及びアミラーゼ、並びにこれらの混合物からなる群から選択され得る。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼを挙げることができ、例えば、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼを含む。プロテアーゼは、トリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼであってもよい。プロテアーゼは、細菌起源又は真菌起源などの微生物起源のものであってもよい。プロテアーゼは、野生型の化学的又は遺伝的に改変された変異体又はバリアントであってもよい。酵素は、プロテアーゼ、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。グラフトコポリマーと酵素との組み合わせは、染料の布地への再付着を低減し、布から皮脂を除去すると考えられる。
【0082】
グラフトコポリマー
粒子は、グラフトコポリマーを含み得る。広義には、グラフトコポリマーは、(a)ポリアルキレンオキシドを(b)N-ビニルピロリドン及び(c)ビニルエステルでグラフトすることを含み得る及び/又はそれによって得ることができる。グラフトコポリマーについては、以下でより詳細に説明する。
【0083】
粒子は、粒子の約1重量%~約75重量%、若しくは約50重量%まで、若しくは約40重量%まで、若しくは約25重量%まで、又は約1重量%~約15重量%、又は約1重量%~約10重量%、又は約1重量%~約5重量%、又は任意選択で約1重量%~約30重量%のグラフトコポリマーを含み得る。粒子の溶解時、グラフトポリマーは、自動洗濯機の洗浄液又はすすぎ液などの水性処理液中に、約5ppm、又は約10ppmから、又は約25ppmから、又は約50ppmから約1500ppmまで、又は約1000ppmまで、又は約500ppmまで、又は約250ppmまでの量で存在し得る。
【0084】
グラフトコポリマーは、(a)約1000~約20000Da、又は約15000まで、又は約12000Daまで、又は約10000Daまでの重量平均分子量を有し、かつエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドに基づく、任意選択でエチレンオキシドに基づくポリアルキレンオキシドを、(b)N-ビニルピロリドンで更に(c)1~6個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来するビニルエステル、任意選択で酢酸ビニル又はその誘導体であるビニルエステルでグラフトすることを含み得及び/又はそれによって得ることができ、(a):(b)の重量比は、約1:0.1~約1:1であり、(a)の重量での量は、(c)の量よりも大きく、グラフト重合におけるモノマー(b)及び(c)の添加順序は、重要ではない。
【0085】
グラフトコポリマーは、(a)約1000~20000Da、又は約15000まで、又は約12000Daまで、又は約10000Daまでの重量平均分子量を有するアルキレンオキシドであって、エチレンオキシドに基づくアルキレンオキシドを、(b)N-ビニルピロリドン及び(c)酢酸ビニル又はその誘導体でグラフトすることを含み得及び/又はそれによって得ることができ、(a):(b)の重量比は、約1:0.1~約1:2、又は約1:1までであり、(b):(c)の重量比は、約1:0.1~約1:5、又は約1:4までであり、(a):(c)の重量比は、約1:0.1~約1:5、又は~約1:3までであり、グラフト重合におけるモノマー(b)及び(c)の添加順序は、重要ではない。
【0086】
グラフトコポリマーは、(a)約1000~20000Da、又は約15000まで、又は約12000Daまで、又は約10000Daまでの重量平均分子量を有するアルキレンオキシドであって、エチレンオキシドをベースとするアルキレンオキシドを、(b)N-ビニルピロリドン、及び(c)酢酸ビニル又はその誘導体でグラフトすることによって得ることができ、グラフト重合におけるモノマー(b)及び(c)の添加順序は重要ではなく、グラフト部位の数はエチレンオキシド基50個当たり1個未満である。
【0087】
使用されるグラフトベースは、上記(a)で指定されたポリアルキレンオキシドであり得る。構成成分(a)のポリアルキレンオキシドは、約300、又は約1000Daから、又は約2000Daから、又は約3000から、約20000Daまで、又は約15000まで、又は約12000Daまで、又は約10000Daまで、又は約8000Daまで、又は約6000Daまでの重量平均分子量を有し得る。理論に束縛されることを望むものではないが、構成成分(a)(例えば、ポリエチレングリコール)の分子量が比較的低い場合、移染抑制の性能が低下することがあると考えられる。追加的又は代替的に、分子量が高すぎる場合、ポリマーが溶液中に懸濁されたままではなくなる可能性があり、かつ/又は処理された布地に付着する可能性がある。
【0088】
ポリアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、又はこれらの混合物、任意選択でエチレンオキシドに基づき得る。ポリアルキレンオキシドは、エチレンオキシドのホモポリマー、又はエチレンオキシド含有量が約40~約99モル%のエチレンオキシドコポリマーをベースとするものであり得る。このようなコポリマーに好適なコモノマーとしては、プロピレンオキシド、n-ブチレンオキシド、及び/又はイソブチレンオキシドを挙げることができる。好適なコポリマーとしては、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのコポリマー、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのコポリマー、及び/又はエチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び少なくとも1種のブチレンオキシドのコポリマーを挙げることができる。コポリマーは、約40~約99モル%のエチレンオキシド含有量、約1~約60モル%のプロピレンオキシド含有量、及び約1~約30モル%のブチレンオキシド含有量を含み得る。グラフトベースは、直鎖状(直鎖)又は分岐鎖状、例えば、分岐鎖状ホモポリマー及び/又は分岐鎖状コポリマーであり得る。
【0089】
分岐鎖状コポリマーは、プロピレンオキシド及び/又はブチレンオキシドを含む又は含まないエチレンオキシドを、多価低分子量アルコール、例えば、トリメチロールプロパン、ペントース、又はヘキソースに付加することによって調製することができる。アルキレンオキシド単位は、ポリマー中にランダムに分布していても、ブロックとして内部に存在していてもよい。
【0090】
構成成分(a)のポリアルキレンオキシドは、遊離形態(すなわち、OH末端基を有する)の対応するポリアルキレングリコールであってもよく、又は一方若しくは両方の末端基が保護されていてもよい。好適な末端基は、例えば、C1~C25-アルキル基、フェニル基、及びC1~C14-アルキルフェニル基であり得る。末端基は、C1-アルキル(例えば、メチル)基であり得る。グラフトベースに好適な材料としては、ポリエチレングリコールであるPEG300、PEG1000、PEG2000、PEG4000、PEG6000、PEG8000、PEG10000、PEG12000、及び/若しくはPEG20000、並びに/又はBASFから商品名PLURIOLで市販されているモノメトキシポリエチレングリコールであるMPEG2000、MPEG4000、MPEG6000、MPEG8000、及びMEG10000を挙げることができる。
【0091】
ポリアルキレンオキシドは、構成成分(b)のモノマーとしてN-ビニルピロリドンでグラフトされ得る。理論に束縛されることを望むものではないが、本開示によるグラフトコポリマー中にN-ビニルピロリドン(「vinylpyrrolidone、VP」)モノマーが存在すると、VPモノマーを含有しない他の類似のポリマーと比較して、水溶性及び良好なフィルム形成特性が得られると考えられる。ビニルピロリドンの繰り返し単位は、双極子を形成することができる極性アミド基と、骨格及び環を疎水性にするにメチレン基がある非極性部分とにより両親媒性を有する。ビニルピロリドン含有量が高すぎると、柔軟性に悪影響がある場合があり、ビニルピロリドン含有量が高いので材料コストが高くなる。
【0092】
ポリアルキレンオキシドは、構成成分(c)のモノマーとして、ビニルエステルでグラフトされ得る。ビニルエステルは、1~6個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子、又は1~2個の炭素原子、又は1個の炭素原子を含み得る飽和モノカルボン酸から誘導され得る。好適なビニルエステルは、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、イソ吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、又はこれらの混合物からなる群から選択され得る。構成成分(c)の好ましいモノマーは、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、又はこれらの混合物からなる群から選択されるものを含み、任意選択で酢酸ビニルである。グラフトコポリマーのモノマー、例えば、構成成分(a)、(b)、及び/又は(c)は、重量比及び/又はモル比などの特定の比で存在し得る。
【0093】
例えば、(a):(b)の重量比は、約1:0.1~約1:1、又は約1:0.2~約1:0.7であり得る。(a):(b)の重量比は、約1:0.1~約1:2、又は約1:1までであり得る。VP比が高すぎると、ポリマーが他の組成物成分と負の相互作用を起こす可能性がある、及び/又は一部の加水分解された反応性染料に対して十分に作用しない可能性がある。
【0094】
(a):(c)の重量比は、1:1より大きくてもよく、又は約1:0.1~約1:0.8、又は約1:0.2~約1:0.6であってもよい。(a):(c)の重量比は、約1:0.1~約1:5、又は約1:3までである。(a)の重量による量は、(c)の量よりも多い場合がある。理論に束縛されることを望むものではないが、特に構成成分(a)に関連して、構成成分(c)(例えば、酢酸ビニル)を比較的高濃度にすると、移染抑制性能が低下する、及び/又は疎水性が相対的に高くなる可能性があり、これは、配合及び/又は安定性の課題につながる可能性があると考えられる。
【0095】
(b):(c)の重量比は、約1:0.1~約1:5、又は約1:4までであってもよい。理論に束縛されることを望むものではないが、高すぎるVP対VAc比は、処理された布地に負の感触を引き起こす布地上へのより多い付着につながり得る。更に、増白剤などの成分との負の相互作用が生じる可能性がある。
【0096】
本開示のグラフトコポリマーは、比較的低い分岐度(すなわち、グラフト化度)によって特徴付けることができる。本開示のグラフトコポリマーにおいて、グラフト部位の平均数は、アルキレンオキシド基、例えばエチレンオキシド基50個当たり1個以下、又は0.8個以下、又は0.6個以下、又は0.5個以下、又は0.4個以下であり得る。グラフトコポリマーは、平均して、得られる反応混合物に基づいて、アルキレンオキシド基、例えばエチレンオキシド基50個当たり少なくとも0.05個又は少なくとも0.1個のグラフト部位を含み得る。分岐度は、例えば、13C NMR分光法を用いて、グラフト部位及びポリアキレンオキシドの-CH2-基のシグナルの積分値から求めることができる。グラフト部位の数は、モノマーの温度及び/又は供給速度を操作することで調整することができる。例えば、過剰な構成成分(a)及び形成されたグラフトコポリマーが反応器内に常に存在するような方式で、重合を行ってもよい。例えば、構成成分(a)及びポリマーとグラフトされていないモノマー(及び存在する場合は開始剤)との定量的モル比は、通常約10:1以上、又は約15:1まで、又は約20:1までである。
【0097】
本開示のグラフトコポリマーは、比較的狭いモル質量分布によって特徴付けることができる。例えば、グラフトコポリマーは、約3以下、又は約2.5以下、又は約2.3以下の多分散性Mw/Mnによって特徴付けることができる。グラフトコポリマーの多分散性は、約1.5~約2.2であり得る。多分散性は、標準として狭分布ポリメチルメタクリレートを使用してゲル浸透クロマトグラフィによって測定することができる。
【0098】
グラフトコポリマーは、フリーラジカル開始剤の存在下で及び/又は高エネルギー放射線の作用(高エネルギー電子線の作用を含み得る)によって、構成成分(a)の好適なポリアルキレンオキシドを構成成分(b)のモノマーでグラフトすることによって、調製することができる。これは、例えば、ポリアルキレンオキシドをグループ(b)の少なくとも1種のモノマーに溶解し、重合開始剤を加え、混合物を完全に重合することによって行うことができる。また、グラフト重合は、まず、重合するポリアルキレンオキシド、グループ(b)及び/又は(c)の少なくとも1種のモノマー、並びに開始剤の混合物の一部分、例えば10%を導入し、重合温度まで加熱し、重合開始後、重合する混合物の残りを重合速度に見合った速度で添加することにより、半連続的に行うことができる。グラフトコポリマーは、グループ(a)のポリアルキレンオキシドを反応器に導入し、重合温度まで加熱し、グループ(b)及び/又は(c)の少なくとも1つのモノマー及び重合開始剤を、一度に全部、少しずつ、又は途切れることなく、任意選択で途切れることなく添加し、重合させることによって得ることもできる。
【0099】
グラフトコポリマーの調製において、モノマー(b)及び(c)が構成成分(a)にグラフトされる順序は、重要ではなく及び/又は自由に選択可能であり得る。例えば、まずN-ビニルピロリドンを構成成分(a)にグラフトし、次にモノマー(c)又はグループ(c)のモノマーの混合物をグラフトすることができる。また、まずグループ(c)のモノマーをグラフトベース(a)にグラフトし、次にN-ビニルピロリドンをグラフトすることも可能である。(b)及び(c)のモノマー混合物をグラフトベース(a)に1工程でグラフトすることが可能である。グラフトコポリマーは、グラフトベース(a)を提供し、次いで、まずN-ビニルピロリドン、次に酢酸ビニルをグラフトベースにグラフトすることによって調製することができる。
【0100】
任意の好適な重合開始剤を使用することができ、この重合開始剤の例としては、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルピバレート、tert-ブチルペルマレート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキソジカルバメート、ビス(o-トルオイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルイソブチレート、tert-ブチルペルアセテート、ジ-tert-アミルペルオキシド、tert-ブチルペルアセテート、ジ-tert-アミルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、これらの混合物、レドックス開始剤、及び/又はアゾスタータなどの有機ペルオキシドを挙げることができる。開始剤の選択は、重合温度の選択と関連している場合がある。
【0101】
グラフト重合は、約50℃~約200℃、又は約70℃~約140℃で行われ得る。グラフト重合は、典型的には大気圧下で行われ得るが、減圧下又は超大気圧下でも行われ得る。
【0102】
グラフト重合は、溶媒中で行われ得る。好適な溶媒としては、エタノール、プロパノール、及び/又はブタノールなどの一価アルコール;エチレングリコール及び/又はプロピレングリコールなどの多価アルコール;エチレングリコールモノメチル及び-エチルエーテル並びに/又はプロピレングリコールモノメチル及び-エチルエーテルなどのアルキレングリコールエーテル;ジ-若しくはトリ-エチレングリコール及び/又はジ-若しくはトリ-プロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;3~20のアルキレングリコール単位を有するポリ(C2~C3-アルキレン)グリコールモノ(C1~C16-アルキル)エーテルなどのポリアルキレングリコールモノエーテル;酢酸エチル及びプロピオン酸エチルなどのカルボン酸エステル;アセトン及び/又はシクロヘキサノンなどの脂肪族ケトン;テトラヒドロフラン及び/又はジオキサンなどの環状エーテル;又はこれらの混合物であり得る。
【0103】
また、グラフト重合は、溶媒として水中で行ってもよい。このような場合、第1の工程は、添加された構成成分(b)のモノマーの量に応じて、ある程度水に可溶である溶液を導入することであってもよい。重合中に形成する可能性のある水不溶性の生成物を溶液に移動させるために、例えば、有機溶媒、例えば、1~3個の炭素原子を有する一価アルコール、アセトン、及び/又はジメチルホルムアミドを添加することが可能である。水中でのグラフト重合プロセスでは、通常の乳化剤又は保護コロイド、例えばポリビニルアルコールを添加することによって、水不溶性のグラフトコポリマーを微細分散液に移動させることも可能である。使用する乳化剤は、HLB値が約3~約13のイオン性又は非イオン性の界面活性剤であり得る。HLB値は、W.C.Griffin in J.Soc.Cosmet.Chem.5(1954),249の論文に記載されている方法に従って測定される。
【0104】
グラフト重合プロセスで使用される界面活性剤の量は、グラフトコポリマーの約0.1~約5重量%であり得る。水を溶媒として使用する場合、グラフトコポリマーの溶液又は分散液を得ることができる。有機溶媒又は有機溶媒と水との混合物中でグラフトコポリマーの溶液を調製する場合、グラフトコポリマー100重量部当たりの有機溶媒又は溶媒混合物の使用量は、約5~約200重量部、任意選択で約10~約100重量部であり得る。
【0105】
グラフトコポリマーは、25℃のジメチルホルムアミド中2重量%の強度の溶液においてH.Fikentscherに従って測定される、約5~約200、任意選択で約5~約50のK値を有し得る。
【0106】
グラフト重合の後、任意選択で、グラフトコポリマーを部分的な加水分解に供してもよい。グラフトコポリマーは、最大60モル%、又は最大50モル%、又は最大40モル%、又は最大25モル%、又は最大20モル%、又は最大15モル%、又は最大10モル%の、構成成分(c)のグラフトオンモノマーが加水分解されたものを含み得る。例えば、構成成分(c)として酢酸ビニル又はプロピオン酸ビニルを用いて調製されたグラフトコポリマーを加水分解すると、ビニルアルコール単位を含有するグラフトコポリマーが得られる。加水分解は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などの塩基を加えるか、あるいは、酸を加え、必要に応じて混合物を加熱することによって行うことができる。理論に束縛されることを望むものではないが、構成成分(c)の加水分解度を上げることにより、グラフコトポリマーの相対的な親水性が高まると考えられ、次に、捕捉された染料がより良好に懸濁するようになると考えられる。
【0107】
粒子
粒子、及び存在する場合補助粒子は、約1mg~約1gの個々の質量を有し得る。粒子、及び存在する場合補助粒子が小さいほど、水に速く溶解する傾向がある。任意選択で、粒子、及び存在する場合補助粒子は、約10mg~約1g、又は更には約20mg~約1g、又は更には約30g~約1gの個々の質量を有し得る。任意選択で、粒子、及び存在する場合補助粒子は、約10mg~約500mg、任意選択で約20mg~約300mg、任意選択で約30mg~約150mgの個々の質量を有し得る。
【0108】
個々の粒子補助粒子は、約0.003cm3~約5cm3、任意選択で約0.003cm3~約1cm3、任意選択で約0.003cm3~約0.5cm3、任意選択で約0.003cm3~約0.2cm3、任意選択で約0.003cm3~約0.15cm3の体積を有し得る。粒子、及び存在する場合補助粒子が小さいほど、粒子、及び存在する場合補助粒子が、容器内により良好に梱包され、洗浄中により速く溶解すると考えられる。
【0109】
組成物は、公称ふるい目開きサイズ22.6mmを有するふるいを通過し、かつ公称ふるい目開きサイズ0.841mmを有するふるい上に保持される粒子、及び存在する場合補助粒子を含み得る。公称目開きサイズ22.6mmを有するふるい上に保持されるようなサイズを有する粒子及び補助粒子は、一般的な洗浄サイクルに対して長すぎる冷水溶解時間を有する傾向があり得る。公称ふるい目開きサイズ0.841mmを有するふるいを通過するようなサイズを有する粒子及び補助粒子は、小さすぎて便利に取り扱うことができない可能性がある。上記の境界内のサイズを有する粒子及び補助粒子は、冷水溶解時間と粒子の取り扱いの容易さとの間の適切なバランスを示し得る。
【0110】
複数の粒子、及び存在する場合補助粒子は、洗濯機又は洗濯用洗浄槽に投入するための投入量を集合的に構成し得る。粒子、及び存在する場合補助粒子の単回投入量は、約1g~約50g、あるいは前述の範囲のいずれか内の任意の整数のグラム数又は整数のグラム数の範囲を含み得る。
【0111】
粒子は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含み得る。組成物は、第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、酸、香料、染料、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助成分を更に含み得る。補助成分のうちの1つ以上又は全てが、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子で提供され得る。例えば、粒子は、水溶性担体と、グラフトコポリマーと、第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、酸、香料、染料、酵素、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の補助剤と、を含み得る。
【0112】
任意選択で、1つ以上の補助剤は、水溶性担体及びグラフトコポリマーを含む粒子とは異なる、提供される補助粒子における組成物で提供されてもよい。補助粒子は、補助水溶性担体を含み得る。補助水溶性担体は、グラフトコポリマーのための水溶性担体として本明細書に開示される水溶性担体のうちのいずれであってもよい。補助水溶性担体は、グラフトコポリマーの水溶性担体について本明細書に記載される重量パーセントのいずれかで提供され得る。補助水溶性担体は、グラフトコポリマーを含む粒子中に存在する同じ水溶性担体であってもよい。
【0113】
粒子又は補助粒子は、酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、製造から使用までの間の時間にわたって、粒子、及び存在する場合補助粒子の色及び又は臭いの安定性を促進するのに役立ち得る。粒子、及び存在する場合補助粒子は、約0.01重量%~約1重量%の酸化防止剤を含み得る。酸化防止剤は、ブチル化ヒドロキシトルエンであってもよい。
【0114】
本明細書に開示される粒子、及び存在する場合補助粒子は、均質に構造化された粒子又は実質的に均質に構造化された粒子であり得る。構造が実質的に均質である粒子は、粒子を形成する構成物質が互いに実質的に均質に混合される粒子である。実質的に均質に構造化された粒子は、完全に均質である必要はない。構造が実質的に均質である粒子、又は構造が均質である粒子を製造するための商業的応用にて当業者によって使用される混合プロセスの制限内の均質性の程度は、様々であり得る。粒子は、水溶性担体の連続相を有し得る。粒子の各々は、粒子を形成する構成物質の混合物の連続相であることができる。そのため、例えば、粒子が構成物質A、B、及びCを含む場合、粒子は、混合物A、B、及びCの連続相であり得る。粒子を形成する、任意数の構成物質(非限定例として、3、4、5、又はそれ超の構成物質)についても同じことが言える。
【0115】
構造が均質である粒子は、コア及びコーティングを有する粒子ではなく、粒子は同じ構造を有する他の粒子とは区別されている。構造が実質的に均質である、又は構造が均質である粒子は、非機械的に分離することができる。即ち、構造が均質である粒子を形成する構成物質は、例えば、ナイフ又は微細なピックにより機械的に分離され得ない。
【0116】
構造が均質である粒子は、約500μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。構造が均質である粒子は、約200μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。構造が均質である粒子は、約100μmよりも大きい寸法を有する封入体を実質的に含まないか、又は含まなくてもよい。理論に束縛されるものではないが、洗濯中に粒子の溶解物と干渉する可能性があるため、又は使用後、洗濯した物品に外見上認識できる残留物が残る可能性があるため、大きい封入体が豊富にあることは望ましくない場合がある。
【0117】
実質的に均質な粒子では、構成材料は、実質的にランダムに若しくはランダムに分散し得る、又は構成材料は、実質的にランダムに若しくはランダムに水溶性担体中に分散し得る。理論に束縛されるものではないが、構造が実質的に均質である粒子は、製造するにあたって、資金をさほど多くは必要としない可能性があると考えられ、かつこうした粒子を製造するためのプロセスは、消費者により受け入れられ得る更に均一な粒子をもたらすと考えられる。
【0118】
本明細書に開示される粒子、及び存在する場合補助粒子は、開示される実施形態又は組み合わせのいずれかにおいて、球形、半球、扁円、円筒、多面体、及び半扁円からなる群から選択される形状を有し得る。本明細書に開示される粒子、及び存在する場合補助粒子は、約10~1、任意選択で約8~1、任意選択で約5~1、任意選択で約3~1、任意選択で約2~1の、最大寸法の最小寸法に対する比を有し得る。粒子、及び存在する場合補助粒子は、粒子がフレーク状でないように形状であってもよい。最大寸法の最小寸法に対する比が約10超である粒子は、フレーク状であり、脆くなる傾向があり、このような粒子が埃っぽくなりやすい。粒子の脆弱性は、最大寸法と最小寸法との比率の値を減少させると減少する傾向がある。
【0119】
粒子及びグラフトコポリマーの例示的な組成物
本明細書に記載の粒子の例示的な配合を表1に示す。
【0120】
【表1】
a)Sigma-Aldrichから入手可能なポリ(エチレングリコール)8000、製品番号89510、分子量7000~9000Da。
b)水溶性担体2は、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能なPLURIOL E8000及びPLURIOL E4000の重量基準で65/35ブレンドである。
c)ポリエチレングリコール-コ-ポリプロピレングリコール、BASF(Ludwigshafen,Germany)製のPLURONIC(登録商標) F68、PLURONIC(登録商標) E6800。
d)Grain Processing Group(Muscatine,IA)から入手可能なマルトデキストランMALTRIN M180。
e)酢酸ナトリウム。
f)フルクトース。
g)以下のうちの1つ以上:Evonik製のC16-C18不飽和DEEHMAMS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート)、脂肪酸部分が、約18~22(例えば、約20)のヨウ素価を有するDEEDMAC(ジタローオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナツ油)、脂肪酸部分が、約18~22(例えば、20)のヨウ素価を有するDEEDMAC(ジタローオイルエタノールエステルジメチルアンモニウムクロリド)(およそ9重量%のエタノール及び3重量%のココナツ油)。
h)以下のうちの1つ以上:Lubrizol(Wickliffe,Ohio,USA)から入手可能な合成カチオン性ポリマーMERQUAT 280、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能なSALCARE 7、重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び無水グルコース反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有する、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び無水グルコース反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース(Dow Chemicalから入手可能なSUPRACARE 150)。
i)ヨウ素価0を有するステアリン酸とパルミチン酸との脂肪酸ブレンド。
j)任意選択でEncapsys(Appleton,WI)から入手可能なポリ(ビニルホルムアミド)コーティングと共に、アミノプラスト樹脂又は架橋ポリ(アクリレート)から作製された香料アコードカプセル。
【0121】
グラフトコポリマーの例としては、表2に列挙されているものが挙げられる。
【0122】
【表2】
PEG=ポリ(エチレングリコール)、VP=ビニルピロリドン、VAc=酢酸ビニル
*未検
【0123】
表2中のK値は、希釈ポリマー溶液の相対粘度の尺度であり、平均分子量の相対的尺度である。特定のポリマーについてポリマーの平均分子量が増加するにつれて、K値も増加する傾向がある。K値は、Cellulosechemie,1932,13,58におけるH.Fikentscherの方法に従って、23℃の3重量%NaCl溶液中、1%ポリマーのポリマー濃度で求められる。
【0124】
グラフトコポリマー1Kの合成
撹拌機及び還流冷却器を備えた重合容器に、最初に、窒素雰囲気下でPEG(6000g/mol)720g及び酢酸エチル60gを投入する。混合物を70℃で均質化する。次に、酢酸ビニル432g(2時間後)、酢酸エチル576g中のビニルピロリドン288gを(5時間後)、及び酢酸エチル196,6g中のtert-ブチルペルピバレート30.2g(5.5時間後)を計量して投入する。供給物を完全に加えた後、溶液を70℃で1時間撹拌する。その後、酢酸エチル25.0g中のtert-ブチルペルピバレート3.8g(1.5時間後)を計量投入し、続いて0.5時間撹拌した。揮発性物質を真空ストリッピングにより除去する。次いで、脱イオン水676.8gを添加し、100℃で1時間の水蒸気蒸留を行う。得られたポリマーは、20.8のK値を特徴とする。最終溶液の固形分含有量は48.8%である。
【0125】
ポリマーを加水分解してサンプル1Kとする。
【0126】
洗濯物を処理するための方法
本明細書に開示される粒子は、消費者が、加水分解された反応性染料が洗浄中に移染するのを抑制し、任意選択で、特に洗浄、特に洗浄サブサイクルを通して追加の布地ケア効果を提供することを可能にする。洗浄サブサイクルを通して移染作用の低減を提供することにより、消費者は、洗濯機の開始前又は直後に、洗剤組成物及び粒子を単一の場所、例えば洗浄槽に投入するだけでよい。
【0127】
洗濯物を処理するための方法は、洗濯機に洗濯物を入れる工程を含み得る。組成物は、洗濯機に分注してもよい。洗濯物を水と接触させてもよい。組成物は、水に溶解して、洗濯物処理液を形成し得る。洗濯物を洗濯物処理液と接触させてもよい。洗濯機の洗浄サブサイクル中に洗濯物を水と接触させてもよい。
【0128】
粒子は、本明細書で記載される重量分率にて、構成成分を含むことができる。例えば、粒子は、約25重量%~約99重量%の水溶性担体を含み得る。粒子は、約1重量%~約75重量%のグラフトコポリマーを更に含み得る。粒子は、各々、約1mg~約1gの個々の質量を有し得る。
【0129】
組成物は、3g~約200gの組成物の投入量で洗濯機に分注され得る。組成物は、容器から投入デバイスに分注され得る。投入デバイスは、容器のクロージャであってもよく、又はそうでなければ容器と係合可能若しくは分離可能であってもよい。
【0130】
方法は、任意選択で、洗浄サブサイクル中に洗濯物をアニオン性界面活性剤を含む洗剤組成物と接触させる工程を含み得る。洗浄サブサイクル中、洗浄槽は、水で充填されてもよく、又は少なくとも部分的に水で充填されてもよい。粒子は水に溶解し、粒子の構成成分を含む洗浄液を形成することができる。任意選択で、洗剤組成物が用いられる場合、洗浄液は、洗剤組成物の構成成分、及び粒子、又は溶解した粒子を含むことができる。洗濯物を洗濯機の洗浄槽に入れる前に、粒子を洗濯機の洗浄槽に入れてもよい。洗濯物を洗濯機の洗浄槽に入れた後に、粒子を洗濯機の洗浄槽に入れてもよい。粒子は、洗浄槽を水で満たす、若しくは部分的に満たす前に、又は、洗浄槽を水で満たすことが完了した後に、洗浄槽に入れてもよい。
【0131】
洗濯物を処理する方法の実施において消費者が洗剤組成物を用いる場合、洗剤組成物及び粒子は別個の容器から提供されてもよい。例えば、洗剤組成物は、ボトル、サッシェ、水溶性パウチ、投入カップ、投入ボール、又は洗濯機に関連するカートリッジから提供される液体洗剤組成物であり得る。粒子は、非限定例として、カートン、ボトル、水溶性パウチ、投入カップ、サッシェなどの、個別のパッケージから提供され得る。洗剤組成物が、粉末、水溶性繊維状基質、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する水不溶性繊維ウェブなどの固体形態であるとき、粒子は、固体状洗剤組成物と共に提供することができる。例えば、粒子は、固体洗剤組成物及び粒子の混合物を含有する容器から提供されることができる。任意選択で、水溶性繊維状基質、水溶性シート、水溶性フィルム、水溶性フィルム、固体洗剤組成物を担持する水不溶性繊維ウェブである、洗剤組成物で形成したパウチから粒子を提供することができる。
【0132】
粒子の生成
融解物として便利に加工することができる水溶性担体の場合、ロトフォーミングプロセスを使用して粒子を生成することができる。融解した水溶性担体と粒子を構成する他の材料との混合物は、例えばバッチプロセス又は連続混合プロセスで調製される。融解混合物は、例えば、幅750mm、長さ10mのベルトを有する、Sandvik ROTOFORM 3000のロートフォーマに圧送することができる。ロトフォーミング装置は、回転シリンダを有することができる。シリンダは、機械横方向に10mm間隔、及び機械方向に9.35mm間隔に設定した直径2mmの孔を有することができる。シリンダは、ベルトの上約3mmに設定され得る。ベルト速度及びシリンダの回転速度は、約10m/分に設定され得る。融解混合物は、回転シリンダにおける開口部を通過させ、回転シリンダの下に設けられた移動コンベアに堆積させることができる。
【0133】
融解混合物を移動コンベア上で冷却し、複数の固体粒子を形成することができる。冷却は、周囲冷却によってもたらされ得る。任意選択で、冷却は、コンベアの下側に常温水又は冷水を吹き付けることによってもたらされてもよい。
【0134】
粒子が十分に凝集性になったならば、更なる加工及び又はパッケージングのために、粒子をコンベアからコンベア下流にある加工装置に移してもよい。
【0135】
任意選択で、粒子は気体を含めて提供することができる。このような気体の吸蔵(occlusion)、例えば空気の吸蔵は、洗浄中に粒子がより迅速に溶解するのを助けることができる。気体の吸蔵は、非限定的な例として、融解した前駆材料にガスを注入し、混合物を粉砕することによってもたらすことができる。
【0136】
粒子はまた、他のアプローチを使用しても作製され得る。例えば、造粒又はプレス凝集が適切であり得る。顆粒化において、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、回転式混合道具により圧密化し均質にして、顆粒化して粒子を形成する。実質的に水を含まない前駆材料について、多種多様なサイズの粒子が作製され得る。
【0137】
圧縮アグロメレ-ションにおいて、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、圧力をかけて、かつ剪断力の影響下において圧密化して可塑化し、均質化した後に、形成/形状化プロセスにより、圧縮アグロメレ-ション機から放出する。プレス凝集技術としては、押出、ローラ圧縮による成形、ペレット化、及び錠剤化が挙げられる。
【0138】
粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、遊星ロール押出成形機、又は同方向回転若しくは逆回転スクリューを有する2軸押出機に送達することができる。バレル及び押出造粒ヘッドは、所望の押出温度まで加熱され得る。粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、圧力をかけて圧密化し、可塑化して、押出成形機ヘッド内の多孔押出しダイを通して、糸の形態で押出し、切刃を使用してサイズ決めする。押出ヘッダの穴径は、適切にサイズ決めされた粒子を提供するために選択され得る。押出された粒子は、球形整粒機(spheronizer)を使用して成形されて、球状の形状を有する粒子を提供することができる。
【0139】
任意選択で、押出及び圧縮工程は、例えば、Amandus Kahl,Reinbek,Germanyから入手可能なフラットダイペレット化プレスなどの低圧押出機で実施されてもよい。任意選択で、押出及び圧縮工程は、Hosokawa Alpine Aktiengesellschaft,Augsburg,Germanyから入手可能なBEXTRUDERなどの低圧押出機で実施されてもよい。
【0140】
粒子は、ローラ圧縮による成形を使用して作製され得る。ローラ圧縮による成形において、粒子の構成材料を含有する前駆体物質を、2個のローラ間に導入し、2つのローラ間で、圧力をかけてロールし、圧縮化物のシートを形成する。ローラは、前駆材料に対して高い線圧を提供する。ローラは、前駆材料の加工特徴に応じて、所望に応じて加熱又は冷却され得る。圧密物のシートは、切断によって小片に分割される。小片は、例えば、球形整粒機を使用することによって更に成形され得る。
【0141】
粒子の性能
様々な粒子の性能を評価するために使用される試験方法について、以下の通り説明する。
【0142】
ミニ洗濯機における移染布地処理法。新しい布地を、洗剤(Test Fabrics Inc.(W.Pittston,PA)製の蛍光増白剤を含まないAATCC 2003 Standard Reference Liquid Detergent48g)と共に0gpgの水を使用して、60℃でKenmore600シリーズなどのNA縦型洗濯機において2サイクル予洗いし、3サイクル水のみで洗浄し、乾燥させる。予洗いされた布地を、ミニ洗濯機を使用して、染料がにじみ出す(dye bleeder)布地の存在下で、洗剤及び以下の実験で概説する通りの任意の他の材料で処理する。ミニ洗濯機は、フルスケール洗浄機の条件を模倣するように設計される。ミニ洗濯機は、充填、洗浄/すすぎ時間、及びスピン速度について制御可能な設定を有する、ねじれ形の水平な(staggered level)5枚羽根パドルが取り付けられたバスタブ(直径25cm×高さ22cm)で典型的に使用される、磁器噴霧キットでスプレーコーティングされたステンレス鋼製シリンダを使用する。
【0143】
ミニ洗濯機を5.7Lの充填容量まで充填し、洗浄には15gpg/50℃(122°F)の水、すすぎには15gpg/38℃(100°F)の水を使用して、75ストローク/分の撹拌速度で、60分間の洗浄サイクル及び20分間のすすぎサイクルをプログラムする。以下の実験では、特に明記しない限り、洗剤組成物(14.7g)及び水溶性粒子組成物(7.4g)、並びに以下の実験で概説する通りの任意の他の材料を、水を充填した後の洗浄ポットに添加し、30秒間撹拌した後、染料がにじみ出す布地(綿上にReactive Brown 7を置いた7.6cm×cm×11.4cmの布片7枚、STC EMPA 136、以前のTest Fabrics(West Pittston,PA))を機械に添加し、60秒間撹拌した後、予洗いされた染料を受容する布地及びバラストを添加する。受容する布地(120g)は、試験布地片(9.5cm×9.5cm)が縫いつけられた、2枚の100%綿、GILDAN、幼児サイズ2T、白色Tシャツである。白色試験布地(WfK Testgewebe GmbH(Bruggen,Germany)から入手可能)には、GILDANのTシャツに縫いつけられた100%綿ニット(#19502)、98/2綿/スパンデックス#19506、80/20ナイロン/スパンデックス(#19505)、ポリアミド(#19504)、ポリエステル(#19508)、ポリエステル/綿(65/35、#19503)ポリエステル/スパンデックス(#19507)、及びMFF#49が含まれる。バラスト布地(2×白色100%綿、GILDANの白色Tシャツ、幼児サイズ2T、及び1×50/50綿/ポリエステル、青年用GILDANの白色Tシャツ、サイズXS)を400±15gの総布地重量で添加する。洗剤、及び全ての試験布地をミニ洗濯機に添加してから、時限サイクルを始める。洗浄サイクルが完了した後、染料がにじみ出す布地を取り出し、受容する試験布地及びバラストを、自動タンブル乾燥機で45分間低温で(Kenmore乾燥機シリーズ)、又は乾燥するまで乾燥させる。試験布地を1回又は合計3回の洗浄サイクルで洗浄し、次いで、分光光度計測定に干渉する可能性がある毛羽立ちを除去するために糸くずローラを使用して試験布地からを取り除く。Konica-Minolta Spectrophotomer CM-3610dを使用して分光光度測定を行う。
【0144】
ターゴトメータにおける移染布地処理法。ターゴトメータを1Lの充填容量まで充填し、回転角720°で、洗浄には15gpg/50℃(122°F)の水、すすぎには15gpg/25℃(77°F)の水を使用して、300rpmの撹拌速度で、45分間の洗浄サイクル及び5分間のすすぎサイクルをプログラムする。水を充填し、次いで60秒間撹拌した後に、洗剤組成物(2.6g)及び水溶性粒子組成物(1.3g)、並びに以下の実験で概説する通りの任意の他の材料を洗浄ポットに添加する。希釈工程が完了したら、染料がにじみ出す布地(綿上にReactive Brown 7を置いた5cm×5cmの布片15枚、SWISSATEST Testmaterialien AG(St.Gallen,Switzerland))から入手可能なSTC EMPA 136)を、染料を受容する布地及びバラストと共に機械に添加する。受容する布地(10g、5cm×5cm)は各々、100%綿ニット(#19502)、98/2綿/スパンデックス(#19506)、80/20ナイロン/スパンデックス(#19505)、及びポリアミド(#19504)(WfK Testgewebe GmbH(Bruggen,Germany)から入手可能)を2枚含む。70g±2gの総布地重量につきニット綿バラスト(60g)の布片(5cm×5cm)を添加した。洗剤、及び全ての試験布地をターゴトメータのポットに添加したら、時限サイクルを始める。洗浄サイクルが完了した後、染料がにじみ出す布地を取り出し、受容する試験布地及びバラストを乾燥棚で一晩空気乾燥させる。分光光度計の測定に干渉する可能性がある糸くず及び毛羽立ちを除去するために、試験布地から糸くずを除去する。X-RITE(grand Rapids,MI)によって製造されたGretagMacbeth Color-Eye 7000Aを使用して、分光光度測定を行う。
【0145】
ミニ洗濯機及びターゴトメータ法で使用される洗剤組成物。表3は、以下に示す比率で列挙された成分を混合することによって調製され、本明細書に記載の実験で使用された液体洗剤布地ケア組成物を示す。
【0146】
【表3】
1Shell Chemicals(Houston,TX)から入手可能。
2Huntsman Chemicals(Salt Lake City,UT)から入手可能。
3Sasol Chemicals(Johannesburg,South Africa)から入手可能。
4The Procter&Gamble Company(Cincinnati,OH)から入手可能。
5Elementis Specialties(Highstown,NJ)から商品名THIXIN Rで入手可能。
6DuPont-Genencor(Palo Alto,CA)から入手可能。
7Novozymes(Copenhagen,Denmark)から入手可能。
8Encapsys(Appleton,WI)から入手可能。
【0147】
ミニ洗濯機におけるデニム色落ちの方法。ミニ洗濯機における移染布地処理法と同じミニ洗濯機手順を、以下を変更して使用する:(1)綿のにじみ出す布片(STC EMPA 136)にReactive Brown 7を添加する代わりに、インディゴデニム(STC SWT 277、以前のtest Fabrics(West Pittston,PA))及びH&M製の小売ブラックデニム(100%綿ニットに縫いつけられた各々11.4cm×11.4cmの布片3枚)を使用し、実験の開始時に添加する。10回洗浄を行い、その後の洗浄サイクルでは追加の布片を添加しない。ブラックデニムの布片及び白色綿ニットの受容する試験布地を、以下の方法に従って、Konica Minolta分光光度計で測定するが、ここでは、ブラックデニムの色落ちを表すためにLの変化を使用し、白色100%綿ニット試験布地(#19502)への移染を表すためにdE2000を使用する。
【0148】
処理された布地における移染測定法。本明細書で使用するとき、「L*C*h色空間」及び「L*a*b*色空間」は、染色された物品の色又は色の変化を測定するために、Hunter Associates Laboratoryによって開発され、国際照明委員会(Commission Internationale d'Eclairage(「CIE」))によって推奨されている3次元比色分析モデルである。CIE L*a*b*色空間(「CIELAB」)は、3回転軸を有するスケールを有し、L軸は色空間の明度を表し(黒色はL*=0、白色はL*=100)、a*軸は赤色から緑色までの色空間を表し(赤色はa*>0、緑色はa*<0)、b*軸は黄色から青色までの色空間を表す(黄色はb*>0、青色はb*<0)。L*C*h色空間は、極性色空間を有するほぼ均一なスケールである。CIE L*C*h色空間(「CIELCh」)スケール値は、機器で測定され、またCIELABスケール値から計算することもできる。用語の定義及び式の導出は、Hunter Associates Laboratory,Inc.から、及びwww.hunterlab.comから入手可能であり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0149】
白色試験布地への移染の量は、例えば、分光光度計を介して(例えば、Konica Minolta(日本、東京)によって製造された分光光度計CM-3610dを介して)測定したときの試験布地の処理前後のL*C*hの変化の観点で記載することができ、dE2000値として報告される。本明細書で使用される場合、dE2000値は、初期L*C*h値と最終L*C*h値との間のL*C*h空間における距離と関連付けられ、G.Sharmaら「The CIE dE2000 Colour Difference Formula:Implementation Notes,Supplementary test Data and Mathematical Observations,Color Research and Application,Vol30(1),2005,p21-30に詳述されている手順に従って知覚について補正されたベクトルを含む。ミニ洗濯機布地処理法からの試験布地を、GILDANのTシャツの裏地に対して測定する。試験布地ごとに2つのL*ab測定値の平均を求め、1試験レッグ当たり2枚の試験布地を測定する。
【0150】
冷水分散時間法。North America高効率洗浄機(18Lの水充填量と仮定する)の洗浄液をシミュレートするために、市販洗剤(1mL、TIDE)を、15℃(60°F)の15pggのMillipore水500mLで希釈し、次いで、0.25g±0.005gの粒子を添加した。溶液を400rpmでマグネット撹拌機において撹拌棒を使用して撹拌し、透明な溶液の目視評価によって判定したときに粒子が完全に溶解し、分散した時間を記録する。実験を3回繰り返し、3回の分散実験の平均を、冷水分散時間として分単位で報告する。
【0151】
粒子を作製する小規模法。粒子の小規模バッチ(約100g)を調製するために、ベンチトップ手順を使用した。予め計量しておいたプラスチックのFLACK TEKスピードミキサー容器にPEG8000を添加し、密封したジャーを、PEG8000が融解するまで80℃のオーブンに入れる。この融解物に、50℃のオーブンで予熱しておいた所望の量のグラフトコポリマーを添加する。組成物を、FLACKTEK DAC150.FVZ-Kスピードミキサー(Flacktek,Inc.(Landrum,SC,USA))などのスピードミキサーにおいて、3500rpmで1分間スピード混合する。混合された融解物を直径2mmの半球状のくぼみのあるシリコーン型に直ちに注ぎ入れ、材料を大きな金属製混合スパチュラで均一に広げる。組成物混合物を、最低5分間かけて室温まで冷却させて、固化させる。冷却されたら、粒子を型から取り出し、トレイ上で一定の重量に平衡化する。粒子を作製する小規模法を使用して、本明細書に記載の実験1~8で使用した粒子組成物を調製した。
【0152】
実験1は、洗浄中にいかなる洗剤も使用することなくターゴトメータにおける移染布地処理方法に従って1回洗浄した後の100%綿ニット(cotton knit、CK)へのReactive Brown 7の移染に対する、水溶性担体、グラフトコポリマーの効果、及び組み合わせの利点を示す。試験レッグ1Bは、水溶性担体では、水のみと比較して移染が1.1単位少なくなることを示し、溶液として添加されたグラフトコポリマーでは、移染が3.4単位少なくなり(試験レッグ1C)、粒子形態で送達されたグラフトコポリマーでは、移染が3.8単位減少する(試験レッグ1D)。したがって、グラフトコポリマーを粒子で提供することによって、グラフトコポリマーを溶液で提供した場合に比べて移染が減少する。更に、粒子又は溶液のいずれかでグラフトコポリマーを提供することによって、水溶性担体のみを提供した場合に比べて移染が減少する。
【0153】
【表4】
a)グラフトコポリマー1Kは、5.7重量%(実施例IV)で水溶性粒子に配合される。
【0154】
実験2は、ミニ洗濯機における移染布地処理法において洗剤を含んで3回洗浄したときの、100%綿ニット(CK)及びナイロン/スパンデックス(nylon/spandex、NS)の受容する布地へのReactive Brown 7の移染に対する、水溶性担体とグラフトコポリマーとの組み合わせの効果を示す。洗剤組成物Aと比較して、洗剤組成物Bにおける洗剤にグラフトコポリマーを配合した場合(試験レッグ2C)、移染の量がCKでは4.9単位、NSでは6.1単位減少する。試験レッグ2Dは、グラフトコポリマーと水溶性担体との組み合わせでは、洗剤組成物Aのみを使用した場合の移染と比較して更に移染が少なく、CKでは移染が5.4単位少なく、NSでは移染が6.6単位少ないことを示す。グラフトコポリマーを洗浄液に送達するために水溶性担体を使用することにより、洗剤組成物Bにおける洗剤にグラフトポリマーを添加した場合と比べて0.5単位改善される(試験レッグ2D対2C)。したがって、グラフトコポリマーを粒子で提供することによって、グラフトコポリマーを洗剤で提供した場合に比べて移染が減少する。更に、粒子又は洗剤のいずれかでグラフトコポリマーを提供することによって、水溶性担体のみを提供した場合に比べて移染が減少する。
【0155】
【表5】
a)表2のグラフトコポリマー1Kは、5.7重量%(表1の実施例IV)で水溶性粒子に配合される。
【0156】
実験3は、洗剤組成物Aと比較した、グラフトコポリマーを有する粒子についての移染に対する水溶性担体の分子量の効果を示す。使用した水溶性担体は、4000Da、8000Da、12000Da、及び20000Daの報告分子量を有し、グラフトコポリマーは、粒子の5.7重量%で配合される。粒子組成物を洗剤組成物Aと共に洗浄液に添加し、ミニ洗濯機における移染布処理方法に従って布地を1回洗浄する。水溶性担体もポリマーも添加しない場合(試験レッグ3A)、移染の量が最も多い。表6の結果は、グラフトコポリマーを使用しない場合、水溶性担体の分子量が増加するにつれて、100%綿ニット(CK)への移染が減少することを示す。グラフトコポリマーを使用した場合、移染が更に少なくなる(試験レッグ3B~3E)。したがって、水溶性担体の分子量が増加するにつれて、水溶性担体による移染が減少し、水溶性粒子で粒子を提供することによって移染は更に減少する。
【0157】
【0158】
実験4は、粒子の1.4重量%~22.8重量%のグラフトコポリマーから凝集粒子が作製され得ることを示す。同じ投入量の粒子を洗浄液に送達した場合、ミニ洗濯機における移染布地処理法に従って布地を3回洗浄したとき、粒子中のグラフトコポリマーの量が増加するにつれて、移染の量が減少する。表7は、粒子中のグラフトコポリマーが、粒子中1.4%のグラフトコポリマー(18ppmのグラフトコポリマーが洗浄液に送達される、試験レッグ4B)を有する洗剤組成物Aに対して移染を3.5単位減少させ、粒子が22.8重量%のグラフトコポリマー(300ppmのグラフトコポリマーが洗浄液に送達される、試験レッグ4E)を含有する場合、移染を6.6単位減少させることを示す。したがって、洗濯機に添加されるグラフトコポリマーの量が増加するにつれて、水溶性粒子中のグラフトコポリマーによる移染が減少する。これは、グラフトコポリマーが洗剤に配合され、かつ消費者がより多くのグラフトコポリマーが望ましいと判断し、より多くの洗剤を添加することによってレベルを増加させた場合に起こるであろうように、いかなる不要な成分も添加する必要なく、洗濯物における物品に基づいて必要に応じてちょうどよい量の組成物を消費者が投入することを可能にするために有利であり得る。
【0159】
【0160】
実験5は、ミニ洗濯機における移染布地処理方法に従って3回洗浄したときに、粒子の5.7重量%のグラフトコポリマーと同じポリマー活性で洗浄液に添加される粒子の量を増加させることによって、移染の量が減少することを示す。表8は、洗剤組成物Aに対して、3.7gの粒子(37ppm洗浄液に送達される、試験レッグ5B)を添加することにより移染を3.9単位減少させることができ、31.4g(316ppmのグラフトコポリマーが洗浄液に送達される、試験レッグ5E)では移染が6.5単位少なくなることを示す。したがって、洗浄液に添加される粒子の量を増加させることによってグラフトコポリマーの量を増加させることにより、移染が減少する。
【0161】
【0162】
実験6は、グラフトコポリマー、第四級アンモニウム化合物、及びカチオン性付着助剤を含有する粒子の組成物を作製することができることを示す。
【0163】
【表9】
a)Sigma-Aldrichから入手可能なポリ(エチレングリコール)8000、製品番号89510、分子量7000~9000Da。
b)水溶性担体2は、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能なPLURIOL E8000及びPLURIOL E4000の重量基準で65/35ブレンドである。
c)第四級アンモニウム化合物は、80重量%のEVONIK(Hopewell,VA)製C16~C18不飽和DEEHMAMAS(ジエチルエステルヒドロキシエチルメチルアンモニウムメチルサルフェート(ヨウ素価42)と、20重量%のヨウ素価0を有する脂肪酸(脂肪酸は、ステアリン酸とパルミチン酸とのブレンドである)とのブレンドである。
d)SUPRACARE 150、Dow Chemical(Midland,MI)から入手可能な重量平均分子量400kDa、電荷密度0.18、及び反復単位当たりの窒素の平均重量パーセント0.28%を有するカチオン性ヒドロキシエチルセルロース。
【0164】
実験7は、粒子においてグラフトコポリマーを第四級アンモニウム化合物及びカチオン性付着助剤とブレンドすると、はるかに速い冷水分散時間を有する水溶性粒子が生成されることを示す。グラフトコポリマーが第四級アンモニウム化合物及びカチオン性付着助剤ポリマーと共に配合される場合(試験レッグ7B)、冷水分散時間は、試験レッグ7Aの30.7分から試験レッグ7Aの18.5分へと約12分減少する。比較として、グラフトコポリマーを含有する粒子は、7.4分の冷水分散時間を有する(試験レッグ7C)。理論に束縛されることを望むものではないが、第四級アンモニウム化合物は、水に難溶性である疎水性ワックス状固体であり、水分散性粒子に配合することはできるが、特に冷水中に分散するのに長い時間がかかる。多くの消費者が有色の衣服を冷水で洗浄し、一部の洗浄サイクルでは、洗浄時間が短いことから、冷水分散が重要である。したがって、グラフトコポリマーを第四級アンモニウム化合物及びカチオン性ポリマー付着助剤と組み合わせると、より速く冷水に分散するようになり得、布地ケア効果を送達するためにより有利であり得る。
【0165】
【0166】
実験8は、ミニ洗濯機におけるデニム色落ち法に従って、同じ洗浄において洗剤組成物とは別個の粒子中でグラフトコポリマー粒子、第四級アンモニウム化合物、及びカチオン性ポリマー付着助剤を組み合わせることのブラックデニムの色の維持に対する利点を示す。表11は、最初の洗浄後のL値と10回洗浄後のL値との比較を示し、より高いL値は、より明るい黒色である。洗剤組成物A(試験レッグ8A)で10回洗浄したブラックデニム布地又は水溶性担体試験レッグ8B又は洗剤組成物B(試験レッグ8C)は、2.0~1.6単位の色の喪失を示し、色落ちしたように見える。第四級アンモニウム化合物及びカチオン性付着助剤を含有する粒子で処理した布地(試験レッグ8D)は、より少ない色の喪失を示し、10回洗浄後に0.6単位色が少ない。また、試験レッグ8Eにおいて別個の第四級アンモニウム及びカチオン性ポリマー付着助剤粒子と共にグラフトコポリマー粒子が含まれる場合、最初の洗浄と10回目の洗浄との間でブラックデニムに測定可能な差はない。理論に束縛されることを望むものではないが、カチオン性ポリマーと組み合わせた第四級アンモニウム化合物は、布地上に付着し、布地を摩耗による損傷から保護するための潤滑剤として作用し、それによって、色を維持することができる。グラフトコポリマーが洗浄液中にも存在する場合、色の維持はより良好である。グラフトコポリマーを単独で使用した場合、若干の色喪失がある(試験レッグ8C)。恐らく表面を潤滑することによってブラックデニムの色を維持するにもかかわらず、カチオン性材料の態様は、任意の染料が洗浄液に放出され、それが洗濯物における他の布地上に移動する場合があるので、経時的にくすんで、光沢のないように見えるようになることである。表11から分かるように、レッグ8Dにおいて第四級アンモニウム化合物及びカチオン性ポリマー付着ビーズを使用したとき、洗剤のみ(レッグ8A)よりも、綿ニットへの移染が悪化する。しかしながら、グラフトコポリマー含有粒子を第四級アンモニウム粒子と共に添加すると(レッグ8E)、移染が少ない。したがって、粒子中のグラフトコポリマーと別個の粒子中の第四級アンモニウム化合物及びカチオン性付着助剤との組み合わせでは、色がより良好に維持され、移染がより少なくなる。
【0167】
【表11】
a)表9に示される組成物による第四級アンモニウム化合物及びカチオン性ポリマー付着助剤。
b)7.4gの粒子D(表9を参照)。
【0168】
実施例/組み合わせ
以下に実施例を示す。
A.複数の粒子を含む組成物であって、当該粒子が、
約25重量%~約99重量%の水溶性担体と、
約1重量%~約75重量%のグラフトコポリマーと、
を含み、
当該グラフトコポリマーが、
(a)
約1000~約20000Daの数平均分子量を有し、かつエチレンオキシド、プロピレンオキシド、又はブチレンオキシドに基づくポリアルキレンオキシドと、
(b)N-ビニルピロリドンと、
(c)1~6個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来するビニルエステルと、
を含み、
(a)及び(b)が、約1:0.1~約1:1の(a):(b)の重量比で存在し、
重量基準で、(a)が(c)よりも多い量で存在し、
グラフト重合における(b)及び(c)の添加順序が、重要ではなく、
当該粒子の各々が、約1mg~約1gの質量を有する、組成物。
B.当該ポリアルキレンオキシドが、エチレンオキシドに基づく、段落Aに記載の組成物。
C.当該ビニルエステルが、1~3個の炭素原子を含有する飽和モノカルボン酸に由来する、段落A又はBに記載の組成物。
D.当該ビニルエステルが、酢酸ビニル又はその誘導体である、段落A又はBに記載の組成物。
E.(a)及び(b)が、約1:0.2~約1:0.7の(a):(b)の重量比で存在する、段落A~Dのいずれかに記載の組成物。
F.(a)及び(c)が、約1:0.1~約1:0.8の(a):(c)の重量比で存在する、段落A~Eのいずれかに記載の組成物。
G.(b)及び(c)が、約1:0.1~約1:4の(b):(c)の重量比で存在する、段落A~Fのいずれかに記載の組成物。
H.(c)の約1モル%~約60モル%が加水分解される、段落A~Gのいずれかに記載の組成物。
I.グラフトコポリマーのグラフト化部位の数が、エチレンオキシド基50個当たり約1個以下である、段落A~Hのいずれかに記載の組成物。
J.当該水溶性担体が、ポリアルキレンオキシド、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール-コ-ポリプロピレングリコール、ポリグリセロールエステル、ポリオキソアルキレン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールエーテル、ポリグリセロールエステル、硫酸ナトリウム、炭水化物、デンプン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、任意選択で、約2000~約20000Daの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールである、段落A~Iのいずれかに記載の組成物。
K.当該組成物が、第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、脂肪酸、酸、非封入香料、封入香料、酵素、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される構成成分を更に含む、段落A~Jのいずれかに記載の組成物。
L.当該粒子が、当該構成成分のうちの1つ以上を含む、段落Kに記載の組成物。
M.当該組成物が、補助粒子を更に含み、当該構成成分のうちの1つ以上が、当該補助粒子で提供される、段落Kに記載の組成物。
N.当該粒子が、
約25重量%~約99重量%、任意選択で約35重量%~約99重量%の水溶性担体であって、水溶性ポリマーである水溶性担体と、
約1重量%~約30重量%のグラフトコポリマーと、
を含み、
当該組成物が、任意選択で、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物を含み、
当該組成物が、任意選択で、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを含む、段落A~Mのいずれかに記載の組成物。
O.当該粒子が、約10重量%未満の水である、段落A~Nのいずれかに記載の組成物。
P.当該組成物が、約5重量%~約45重量%の第四級アンモニウム化合物、任意選択で、約18~約60のヨウ素価を有する親脂肪酸化合物から形成された第四級アンモニウム化合物を更に含む、段落A~Oのいずれかに記載の組成物。
Q.当該粒子が、当該第四級アンモニウム化合物を含む、段落Pに記載の組成物。
R.当該組成物が、補助粒子を含み、当該補助粒子が、当該第四級アンモニウム化合物を含む、段落Pに記載の組成物。
S.当該補助粒子が、約30重量%~約94重量%の水溶性担体を含む、段落Rに記載の組成物。
T.当該組成物が、約0.5重量%~約10重量%のカチオン性ポリマーを更に含む、段落A~Sのいずれかに記載の組成物。
U.当該粒子が、当該カチオン性ポリマーを含む、段落Tに記載の組成物。
V.当該組成物が、補助粒子を含み、当該補助粒子が、当該カチオン性ポリマーを含む、段落Tに記載の組成物。
W.当該カチオン性ポリマーが、カチオン性多糖類、ポリクオタニウム-4、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10、ポリクオタニウム-22、ポリクオタニウム-67、及びこれらの混合物からなる群から選択される、段落T~Vのいずれかに記載の組成物。
X.当該カチオン性ポリマーが、カチオン性多糖類である、段落T~Vのいずれかに記載の組成物。
Y.当該水溶性担体が、約2000~約13000Daの重量平均分子量を有するポリエチレングリコールを含む、段落A~Xのいずれかに記載の組成物。
Z.当該組成物が、酸を更に含む、段落A~Yのいずれかに記載の組成物。
AA.当該粒子が、当該酸を含む、段落Zに記載の組成物。
BB.当該組成物が、補助粒子を含み、当該補助粒子が、当該酸を含む、段落Zに記載の組成物。
CC.当該組成物が、香料を更に含み、任意選択で、当該香料が、非封入香料及び封入香料の一方又は両方である、段落A~BBのいずれかに記載の組成物。
DD.当該粒子が、当該香料を含む、段落CCに記載の組成物。
EE.当該組成物が、補助粒子を含み、当該補助粒子が、当該香料を含み、任意選択で、当該香料が、非封入香料及び封入香料の一方又は両方である、段落CCに記載の組成物。
FF.当該組成物が、酵素を更に含む、段落A~EEのいずれかに記載の組成物。
GG.当該粒子が、当該酵素を含む、段落FFに記載の組成物。
HH.当該組成物が、補助粒子を含み、当該補助粒子が、当該酵素を含む、段落FFに記載の組成物。
II.当該酵素が、プロテアーゼ、キシログルカナーゼ、マンナナーゼ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、段落FF~HHのいずれかに記載の組成物。
JJ.当該ビニルエステルが、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、吉草酸ビニル、イソ吉草酸ビニル、カプロン酸ビニル、又はこれらの混合物からなる群から選択される、段落A~IIのいずれかに記載の組成物。
KK.段落A~JJのいずれかに記載の組成物で洗濯物を処理するための方法であって、
洗濯機に洗濯物を入れる工程と、
当該組成物を当該洗濯機に分注する工程と、
当該洗濯物を水と接触させる工程と、
当該組成物を当該水に溶解させて、洗濯物処理液を形成する工程と、
当該洗濯物を当該洗濯物処理液と接触させる工程と、
を含む方法。
【0169】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0170】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0171】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。