(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】スケジューリング方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 72/12 20230101AFI20240123BHJP
【FI】
H04W72/12
(21)【出願番号】P 2022531592
(86)(22)【出願日】2020-11-02
(86)【国際出願番号】 CN2020125882
(87)【国際公開番号】W WO2021103947
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-07-05
(31)【優先権主張番号】201911205612.3
(32)【優先日】2019-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジエン
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,チェン
(72)【発明者】
【氏名】ホワーンフゥ,ヨゥルイ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ゥローン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジュイン
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0124667(US,A1)
【文献】国際公開第2018/149898(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0375957(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0410161(US,A1)
【文献】特開2017-200172(JP,A)
【文献】特開平05-284089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スケジューリング・モデルをM回使用するステップであって、前記スケジューリング・モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報が前記スケジューリング・モデルに入力され、前記スケジューリング・モデルは前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力し、前記スケジューリング・モデルは、毎回入力される数量Kの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり、Mは1以上の整数であり、Kは1より大きな整数であり、nはKより大きな整数である、ステップ;及び
前記スケジューリング・モデルによりM回出力される前記スケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するステップであって、前記判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す、ステップ;
を含むスケジューリング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記スケジューリング・モデルによりM回出力される前記スケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するステップは:
判断モジュールをM回使用するステップであって、前記判断モジュールがi回目に使用される場合に、前記スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に出力されたスケジューリング・ウェイトが、前記判断モジュールに入力され、前記判断モジュールは、前記スケジューリング・モデルが前記i回目に使用される場合に入力される、前記K個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを出力し、i = {1, 2, 3, ..., M}であり、前記判断モジュールは、前記端末デバイスの前記スケジューリング・ウェイトに基づいて前記スケジューリングされた端末デバイスを決定するように構成されている、ステップ;
前記スケジューリング・モデルが使用される度に入力される前記K個の端末デバイス内の前記スケジューリングされた端末デバイスに基づいて、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するステップであって、Lは正の整数である、ステップ;
LがK以下である場合に、前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、前記スケジューリング・モデルに入力して、前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するステップ;及び
前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応する前記スケジューリング・ウェイトを、前記判断モジュールに入力して、前記判断結果を取得するステップ;
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法において、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報が前記スケジューリング・モデルに入力され、前記スケジューリング・モデルは前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力することは:
前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のために前記スケジューリング・モデルの入力層に入力するステップ;
次元変換が実行された前記K個の端末デバイスの前記ステータス情報を、特徴抽出のために前記スケジューリング・モデルの隠れ層に入力するステップであって、前記スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含む、ステップ;及び
前記隠れ層により抽出された特徴を、前記スケジューリング・モデルの出力層に入力して、前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応する前記スケジューリング・ウェイトを取得するステップ;
を含む、方法。
【請求項4】
n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択するステップであって、Kは1より大きな整数であり、nはK以上の整数である、ステップ;
前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するステップであって、前記スケジューリング・モデルは
、数量Kの選択された端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルである、ステップ;及び
前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するステップであって、前記判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す、ステップ;
を含むスケジューリング方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択するステップは:
ステータス情報における少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータに基づいて、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをソーティングするステップ;及び
前記ソーティングされたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに基づいて、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するステップ;
を含む、方法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の方法において、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力するステップは:
前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のために前記スケジューリング・モデルの入力層に入力するステップ;
次元変換が実行された前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの前記ステータス情報を、特徴抽出のために前記スケジューリング・モデルの隠れ層に入力するステップであって、前記スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含む、ステップ;及び
前記隠れ層により抽出された特徴を、前記スケジューリング・モデルの出力層に入力して、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する前記スケジューリング・ウェイトを取得するステップ;
を含む、方法。
【請求項7】
請求項3又は6に記載の方法において、前記入力層のサイズはK×Mであり、Mは前記ステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である、方法。
【請求項8】
請求項3、6、又は7に記載の方法において、前記スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×a
lであり、Mは前記ステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、a
lは正の整数である、方法。
【請求項9】
請求項1ないし8のうちの何れか一項に記載の方法において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である、方法。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちの何れか一項に記載の方法において、前記ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータ:前記端末デバイスの推定されたスループット、前記端末デバイスの平均スループット、前記端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、前記端末デバイスのパケット遅延、前記端末デバイスの識別子、前記端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び前記端末デバイスのスループット履歴のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項11】
通信ユニットと処理ユニットを含むスケジューリング装置であって、
前記通信ユニットは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、前記処理ユニットに入力するように構成されており;
前記処理ユニットは、スケジューリング・モデルをM回使用するように構成されており、前記スケジューリング・モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報が前記スケジューリング・モデルに入力され、前記スケジューリング・モデルは前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力し、前記スケジューリング・モデルは、毎回入力される数量Kの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり、Mは1以上の整数であり、Kは1より大きな整数であり、nはKより大きな整数であり、前記処理ユニットは、前記スケジューリング・モデルによりM回出力される前記スケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するように構成されており、前記判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示し;及び
前記通信ユニットは前記判断結果を出力するように構成されている、装置。
【請求項12】
請求項
11に記載の装置において、前記処理ユニットは判断モジュールを含み、前記判断モジュールは、前記端末デバイスの前記スケジューリング・ウェイトに基づいて、スケジューリングされた端末デバイスを決定するように構成されており;
前記スケジューリング・モデルによりM回出力される前記スケジューリング・ウェイトに基づいて前記判断結果を決定する場合に:
前記処理ユニットは、前記判断モジュールをM回使用するように構成されており、前記判断モジュールがi回目に使用される場合に、前記スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に出力されたスケジューリング・ウェイトが、前記判断モジュールに入力され、前記判断モジュールは、前記スケジューリング・モデルが前記i回目に使用される場合に入力される、前記K個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを出力し、i = {1, 2, 3, ..., M}であり;
前記処理ユニットは、前記スケジューリング・モデルが使用される度に入力される前記K個の端末デバイス内の前記スケジューリングされた端末デバイスに基づいて、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するように構成されており、Lは正の整数であり;
前記処理ユニットは、LがK以下である場合に、前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、前記スケジューリング・モデルに入力して、前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されており;及び
前記処理ユニットは、前記L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応する前記スケジューリング・ウェイトを、前記判断モジュールに入力して、前記判断結果を取得するように構成されている、装置。
【請求項13】
請求項
11又は
12に記載の装置において、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報が前記スケジューリング・モデルに入力され、前記スケジューリング・モデルが前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力する場合に:
前記処理ユニットは、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のために前記スケジューリング・モデルの入力層に入力するように構成されており;
前記処理ユニットは、次元変換が実行された前記K個の端末デバイスの前記ステータス情報を、特徴抽出のために前記スケジューリング・モデルの隠れ層に入力するように構成されており、前記スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含み;及び
前記処理ユニットは、前記隠れ層により抽出された特徴を、前記スケジューリング・モデルの出力層に入力して、前記K個の端末デバイスにそれぞれ対応する前記スケジューリング・ウェイトを取得するように構成されている、装置。
【請求項14】
通信ユニットと処理ユニットを含むスケジューリング装置であって、
前記通信ユニットは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、前記処理ユニットに入力するように構成されており;
前記処理ユニットは、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択するように構成されており、Kは1より大きな整数であり、nはK以上の整数であり;
前記処理ユニットは、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されており、前記スケジューリング・モデルは
、数量Kの選択された端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり;
前記処理ユニットは、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するように構成されており、前記判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示し;及び
前記通信ユニットは前記判断結果を出力するように構成されている、装置。
【請求項15】
請求項
14に記載の装置において、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択する場合に、前記処理ユニットは:
前記ステータス情報における少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータに基づいて、前記n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをソーティングし;及び
前記ソーティングされたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに基づいて、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するように構成されている、装置。
【請求項16】
請求項
14又は
15に記載の装置において、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、前記スケジューリング・モデルに入力する場合に:
前記処理ユニットは、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの前記ステータス情報を、次元変換のために前記スケジューリング・モデルの入力層に入力するように構成されており;
前記処理ユニットは、次元変換が実行された前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの前記ステータス情報を、特徴抽出のために前記スケジューリング・モデルの隠れ層に入力するように構成されており、前記スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含み;及び
前記処理ユニットは、前記隠れ層により抽出された特徴を、前記スケジューリング・モデルの出力層に入力して、前記K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する前記スケジューリング・ウェイトを取得するように構成されている、装置。
【請求項17】
請求項
13又は
16に記載の装置において、前記入力層のサイズはK×Mであり、Mは前記ステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である、装置。
【請求項18】
請求項
13、
16、又は
17に記載の装置において、前記スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×a
lであり、Mは前記ステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、a
lは正の整数である、装置。
【請求項19】
請求項
11ないし
18のうちの何れか一項に記載の装置において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である、装置。
【請求項20】
請求項
11ないし
19のうちの何れか一項に記載の装置において、前記ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータ:前記端末デバイスの推定されたスループット、前記端末デバイスの平均スループット、前記端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、前記端末デバイスのパケット遅延、前記端末デバイスの識別子、前記端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び前記端末デバイスのスループット履歴のうちの少なくとも1つを含む、装置。
【請求項21】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はプログラム又は命令を記憶し、前記プログラム又は命令が1つ以上のプロセッサにより読み込まれて実行されると、請求項1ないし
10のうちの何れか一項に記載の方法が実行されることが可能である、記憶媒体。
【請求項22】
プロセッサを含む通信装置であって、メモリ内のコンピュータ・プログラム又は命令を実行すると、前記プロセッサは、請求項1ないし
10のうちの何れか一項に記載の方法
を実行し、前記通信装置は前記メモリに結合されるか、又は前記通信装置は前記メモリを含む、通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0002】
[0002] 技術分野
本発明は通信技術の分野に関連し、特に、スケジューリング方法及び装置に関連する。
【背景技術】
【0003】
[0003] セルラー・ネットワークにおいて、媒体アクセス制御(media access control, MAC)層スケジューリングは、時間-周波数リソースの割り当て、変調及び符号化方式(modulation and coding scheme, MCS)の選択、ユーザー・ペアリング、及びプリコーディングのような問題を主に解決する。システム・スループットと公平性の間のトレードオフは、スケジューリングによって達成される。
【0004】
[0004] 既存のMAC層スケジューリング・アルゴリズムでは、通信システムは、通常、決定されたモデルとしてモデル化され、スケジューリング方式は、数式の導出を通じて取得される。セルラー・ネットワークにおけるリソース・ブロック・グループ(resource block group, RBG)の割り当てを一例として使用する。一般的なスケジューリング・アルゴリズムは、ラウンド・ロビン(round robin, RR)アルゴリズム、最大キャリア_対_干渉比(maximum carrier-to-interference ratio, Max C/I)アルゴリズム、プロポーショナル・フェアネス(proportional fair, PF)等を含む。
【0005】
[0005] 通信システムの複雑さに起因して、閉じた形式のモデルや数式を用いて通信システムを正確にモデル化することは不可能である。従って、PFアルゴリズムのような数式ベースのスケジューリング・アルゴリズムは、通信システムの最適なパフォーマンスを保証することはできない。
【発明の概要】
【0006】
[0006] 本願は、MACスケジューリング・アルゴリズムを最適化するためのスケジューリング方法及び装置を提供する。
【0007】
[0007] 第1態様によれば、本願の実施形態はスケジューリング方法を提供する。方法は、ネットワーク・デバイス又はネットワーク・デバイス内のチップ若しくはチップ・セットに適用されてもよい。方法は:スケジューリング・モデルをM回使用するステップであって、スケジューリング・モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報がスケジューリング・モデルに入力され、スケジューリング・モデルはK個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力し、スケジューリング・モデルは、毎回入力される数量Kの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり、Mは1以上の整数であり、Kは1より大きな整数であり、nはKより大きな整数である、ステップ;及びスケジューリング・モデルのM個の出力に基づいて判断結果を決定するステップであって、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す、ステップを含む。
【0008】
[0008] Kユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルが、本願の実施形態において確立される。ニューラル・ネットワーク・モデルは、K個の端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含み、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有してもよい、ということを理解することが可能である。換言すれば、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリング判断の際に複数回使用されてもよい。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することによって、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスのグループに対応するスケジューリング・ウェイトを、グループ毎に決定することが可能であり、各グループはK個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを含む。従って、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワーク・モデルを再-設定することなく、ニューラル・ネットワーク・モデルを再利用することができ、その結果、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である。
【0009】
[0009] 可能な設計において、スケジューリング・モデルのM個の出力に基づいて判断結果を決定するステップは:判断モジュールをM回使用するステップであって、判断モジュールがi回目に使用される場合に、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に出力されたスケジューリング・ウェイトが、判断モジュールに入力され、判断モジュールは、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に入力される、K個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを出力し、i = {1, 2, 3, ..., M}であり、判断モジュールは、端末デバイスのスケジューリング・ウェイトに基づいてスケジューリングされた端末デバイスを決定するように構成されている、ステップ;スケジューリング・モデルが使用される度に入力されるK個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスに基づいて、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するステップであって、Lは正の整数である、ステップ;LがK以下である場合に、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するステップ;及びL個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを、判断モジュールに入力して、判断結果を取得するステップを含んでもよい。
【0010】
[0010] スケジューリング・モデルを同時に使用するK個の端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定されるが、異なる時点でスケジューリング・モデルを使用する端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定されない。可能な設計において、M個の出力に基づいて決定された端末デバイスが更にグループ化された後に、スケジューリング・ウェイトは、スケジューリング・モデルを使用することによって再-決定され、その結果、M個の出力に基づいて決定された端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定することができる。これは、判断結果の精度を改善し、MACスケジューリングのゲインを更に改善することができる。
【0011】
[0011] 可能な設計において、スケジューリング・モデルのM個の出力に基づいて第1スケジューリング判断を決定するステップは:判断モジュールをM回使用するステップを含んでもよく、判断モジュールがi回目に使用される場合に、i番目の出力が判断モジュールに入力され、判断モジュールは、i番目の出力に対応する第2スケジューリング判断を出力し、第2スケジューリング判断は、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に入力される、K個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを示し、i = {1, 2, 3, ..., M}であり、判断モジュールは、端末デバイスのスケジューリング・ウェイトに基づいて、スケジューリングされた端末デバイスを決定するように構成されている。複数のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、M個の出力にそれぞれ対応する第2スケジューリング判断に基づいて決定される。決定された端末デバイスの数量がKより大きいならば、決定された端末デバイスの数量がK以下になるまで、以下のプロセスが反復的に実行されてもよい:スケジューリング・モデルを少なくとも1回使用し;少なくとも1つの出力を判定モジュールに1回ずつ入力して少なくとも1つの出力の第2判断結果を取得し;そして、少なくとも1つの出力の第2判断結果に基づいて複数の端末デバイスを決定すること。決定された端末デバイスの数量がK以下である場合、決定された端末デバイスのステータス情報がスケジューリング・モデルに入力され、決定された端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得する。決定された端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトは判断モジュールに入力され、第1スケジューリング判断が得られる。
【0012】
[0012] スケジューリング・モデルを同時に使用するK個の端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定されるが、異なる時点でスケジューリング・モデルを使用する端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定されない。前述の設計では、スケジューリング・モデルにより出力された結果に基づいて決定される端末デバイスが更にグループ化された後に、スケジューリング・ウェイトは、スケジューリング・モデルを使用することによって再-決定され、その結果、スケジューリングされる対象の端末デバイスのスケジューリング・ウェイトは、同じリファレンスに基づいて決定することができる。これは、判断結果の精度を改善し、MACスケジューリングのゲインを更に改善することができる。
【0013】
[0013] 可能な設計において、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報がスケジューリング・モデルに入力され、スケジューリング・モデルはK個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力する場合に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報は、次元変換のためにスケジューリング・モデルの入力層に入力することが可能である。次元変換が実行されたK個の端末デバイスのステータス情報は、特徴抽出のためにスケジューリング・モデルの隠れ層に入力され、スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含む。隠れ層により抽出された特徴は、スケジューリング・モデルの出力層に入力されて、K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得する。前述の設計では、端末デバイスのステータス情報は、より良いスケジューリング判断を得るために、全結合型ニューラル・ネットワークを使用することによって決定される。
【0014】
[0014] 可能な設計において、入力層のサイズはK×Mであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である。
【0015】
[0015] 可能な設計において、スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×alであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、alは正の整数である。
【0016】
[0016] 可能な設計において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である。前述の設計では、確立されるニューラル・ネットワークのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さい。これは、訓練効率を改善し、演算リソースを節約することができる。
【0017】
[0017] 可能な設計において、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータ:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴のうちの少なくとも1つを含む。
【0018】
[0018] 第2態様によれば、本願の実施形態はスケジューリング方法を提供する。方法は、ネットワーク・デバイス又はネットワーク・デバイス内のチップ若しくはチップ・セットに適用されてもよい。方法は:n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択するステップであって、Kは1より大きな整数であり、nはK以上の整数である、ステップ;K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するステップであって、スケジューリング・モデルは、数量Kの選択された端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルである、ステップ;及びK個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するステップであって、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す、ステップを含む。
【0019】
[0019] Kユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルが、本願の実施形態において確立される。ニューラル・ネットワーク・モデルは、K個の端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含み、スケジューリングされる対象の端末デバイスが選択され、その結果、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量がKよりも大きいシナリオに適用可能であり、且つ再-訓練されることを必要としないことを理解することが可能である。従って、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である。
【0020】
[0020] 可能な設計において、スケジューリングされる対象のK個の端末デバイスが、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから選択される場合に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、ステータス情報における少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータに基づいてソーティングされてもよい。K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、ソーティングされたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに基づいて決定される。前述の設計では、先ず、K個の好ましい端末デバイスを選択することが可能であり、そのため、K個の好ましい端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトが、スケジューリング・モデルを使用することによって決定されることが可能である。これは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり、MACスケジューリングのゲインを改善することができる。
【0021】
[0021] 可能な設計において、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力するステップは:K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のためにスケジューリング・モデルの入力層に入力するステップ;次元変換が実行されたK個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、特徴抽出のためにスケジューリング・モデルの隠れ層に入力するステップであって、スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含む、ステップ;及び隠れ層により抽出された特徴を、スケジューリング・モデルの出力層に入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する前記スケジューリング・ウェイトを取得するステップを含む。前述の設計では、端末デバイスのステータス情報は、より良いスケジューリング判断を得るために、全結合型ニューラル・ネットワークを使用することによって決定される。
【0022】
[0022] 可能な設計において、入力層のサイズはK×Mであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である。
【0023】
[0023] 可能な設計において、スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×alであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、alは正の整数である。
【0024】
[0024] 可能な設計において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である。前述の設計では、確立されるニューラル・ネットワークのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さい。これは、訓練効率を改善し、演算リソースを節約することができる。
【0025】
[0025] 可能な設計において、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータ:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
[0026] 第3態様によれば、本願の実施形態はスケジューリング方法を提供する。方法は、ネットワーク・デバイス又はネットワーク・デバイス内のチップ若しくはチップ・セットに適用されてもよい。方法は:n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力して、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する第1データを取得するステップであって、第1データは、第1データに対応する前記端末デバイスのステータス情報が、別の端末デバイスのステータス情報に関連付けられた後に取得されるデータであり、nは1以上の整数である、ステップ;スケジューリング・モデルの第2モジュールをn回使用するステップであって、第2モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つに対応する第1データが、第2モジュールに入力され、第2モジュールは端末デバイスのスケジューリング・ウェイトを出力し、第2モジュールはスケジューリング・ウェイトを決定するように構成されている、ステップ;及びn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するステップであって、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す、ステップを含む。
【0027】
[0027] 複数のユーザーは、本願の実施形態におけるスケジューリング・モデルの第1モジュール以外のモジュールのパラメータを共有し、その結果、スケジューリング・モデルのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さくなる。これは、リソースを節約し、スケジューリング効率を改善することができる。更に、ユーザーは、スケジューリング・モデルの第1モジュール以外のモジュールのパラメータを共有し、その結果、スケジューリング・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能であり、ニューラル・ネットワークは再訓練されることを必要としない。
【0028】
[0028] 可能な設計において、第2モジュールは、スケジューリング・ウェイトを決定するために、1つの端末デバイスに基づいて得られたニューラル・ネットワークであってもよい。前述の設計において、第2モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得される(又は確立される)ものであり、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含む。通信システムにおいてスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを決定することが可能である。従って、通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第2モジュールを再利用することができる。
【0029】
[0029] 可能な設計において、スケジューリング・モデルは第3モジュールを更に含んでもよく、第3モジュールは特徴抽出を実行するように構成される。n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力する前に、本方法は:第3モジュールをn回使用するステップであって、第3モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第3モジュールに入力され、第3モジュールは端末デバイスの第2データを出力する、ステップを更に含み、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力するステップは:n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの第2データを、関連付けのために第1モジュールに入力するステップを含む。前述の設計では、スケジュールされる対象の端末デバイスのステータス情報が関連付けられる前に、より良いスケジューリング判断を得るために、特徴抽出が実行される。
【0030】
[0030] 可能な設計において、第3モジュールは、特徴抽出を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて得られたニューラル・ネットワークであってもよい。前述の設計において、第3モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得される(又は確立される)ものであり、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含む。通信システムにおいてスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに関して特徴抽出を実行することが可能である。従って、通信システム内でスケジュールされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第3モジュールを再利用することができる。
【0031】
[0031] 可能な設計において、スケジューリング・モデルは第4モジュールを更に含み、第4モジュールは次元拡張を実行するように構成されている。第3モジュールをn回使用するステップの前に、本方法は:第4モジュールをn回使用するステップを更に含み、第4モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第4モジュールに入力され、第4モジュールは、次元拡張により取得された端末デバイスのステータス情報を出力し;及びn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第3モジュールに入力されることは:次元拡張により取得されたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報を、第3モジュールに入力するステップを含む。
【0032】
[0032] 可能な設計において、第4モジュールは、特徴抽出を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて得られたニューラル・ネットワークであってもよい。前述の設計において、第4モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得される(又は確立される)ものであり、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含む。通信システムにおいてスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに関して次元拡張を実行することが可能である。従って、通信システム内でスケジュールされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第4モジュールを再利用することができる。
【0033】
[0033] 可能な設計において、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータ:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴のうちの少なくとも1つを含む。
【0034】
[0034] 第4態様によれば、本願はスケジューリング装置を提供する。装置は、ネットワーク・デバイス又はネットワーク・デバイス内のチップ若しくはチップ・セットであってもよい。装置は、処理ユニットを含む可能性があり、通信ユニットを更に含む可能性がある。装置がネットワーク・デバイスである場合、処理ユニットはプロセッサであってもよく、通信ユニットはトランシーバであってもよい。装置は、ストレージ・モジュールを更に含んでもよく、ストレージ・モジュールはメモリであってもよい。ストレージ・モジュールは、命令を記憶するように構成され、処理ユニットは、ストレージ・モジュールに記憶された命令を実行し、その結果、ネットワーク・デバイスは、第1態様ないし第3態様のうちの何れかにおける対応する機能を実行する。装置がネットワーク・デバイス内のチップ又はチップ・セットである場合、処理ユニットはプロセッサであってもよく、通信ユニットは入力/出力インターフェース、ピン、回路などであってもよい。処理ユニットがストレージ・モジュールに記憶された命令を実行すると、ネットワーク・デバイスは、第1態様ないしら第3態様のうちの何れかにおける対応する機能を実行する。ストレージ・モジュールは、チップ又はチップ・セット内のストレージ・モジュール(例えば、レジスタ又はキャッシュ)であってもよく、又はネットワーク・デバイス内にあるストレージ・モジュールであってチップ又はチップ・セットの外に位置するもの(例えば、リード・オンリー・メモリ又はランダム・アクセス・メモリ)であってもよい。
【0035】
[0035] 第5態様によれば、プロセッサ、通信インターフェース、及びメモリを含むスケジューリング装置が提供される。通信インターフェースは、装置と他の装置との間で情報及び/又はメッセージ及び/又はデータを伝えるように構成される。メモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶するように構成され、装置が動作すると、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能命令を実行し、その結果、装置は第1態様ないし第3態様の何れかの設計で説明したスケジューリング方法を実行する。
【0036】
[0036] 第6態様によれば、本願の実施形態はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラム命令を記憶し、プログラム命令がネットワーク・デバイス上で実行されると、ネットワーク・デバイスは、本願の実施形態における第1態様若しくは第1態様の設計、第2態様若しくは第2態様の設計、又は第3態様若しくは第3態様の設計のうちの何れかを実行する。例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではない例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体、ランダム・アクセス・メモリ(random access memory, RAM)、リード・オンリー・メモリ(read-only memory, ROM)、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(electrically EPROM, EEPROM)、CD-ROM又はその他の光ディスク・ストレージ、ディスク記憶媒体又はその他のディスク・ストレージ・デバイス、又はその他の何らかの媒体であって、期待されるプログラムを命令構造やデータ構造の形式で搬送又は記憶することができ、コンピュータによってアクセスされることが可能なものを含む可能性がある。
【0037】
[0037] 第7態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサを含む通信装置を提供する。プロセッサがメモリ内のコンピュータ・プログラム又は命令を実行すると、第1態様、第2態様、又は第3態様における方法が実行される。
【0038】
[0038] 第8態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサ及びメモリを含む通信装置を提供する。メモリは、コンピュータ実行可能プログラム又は命令を記憶するように構成され、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータ実行可能プログラム又は命令を実行して、通信装置が第1態様、第2態様、又は第3態様における対応する方法を実行することができるように構成される。
【0039】
[0039] 第9態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサ、メモリ、及びトランシーバを含む通信装置を提供する。トランシーバは、信号を受信又は送信するように構成され、メモリは、プログラム・コード又は命令を記憶するように構成され、プロセッサは、メモリ中のプログラム・コード又は命令を呼び出して、第1態様、第2態様、又は第3態様における方法を実行するように構成される。
【0040】
[0040] 第10態様によれば、本願の実施形態は、プロセッサ及びインターフェース回路を含む通信装置を提供する。インターフェース回路は、コンピュータ・プログラム・コード又は命令を受信し、コンピュータ・プログラム・コード又は命令をプロセッサに伝えるように構成され、プロセッサは、コンピュータ・プログラム・コード又は命令を実行して、第1態様、第2態様、又は第3態様における対応する方法を実行する。
【0041】
[0041] 第11態様によれば、本願の実施形態は、コンピュータ・プログラム・コード又は命令を含むコンピュータ・プログラム製品を提供する。コンピュータ・プログラム・コード又は命令が実行されると、第1態様、第2態様、又は第3態様における方法が実現される。例えば、コンピュータ・プログラム製品は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品であってもよい。
【0042】
[0042] なお、第4態様ないし第11態様によりもたらされる技術的効果については、第1態様ないし第3態様における説明を参照されたい。詳細はここで再び説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】[0043]
図1は、本願の実施形態による全結合型ニューラル・ネットワークの概略図である。
【
図2】[0044]
図2は、本願の実施形態による通信システムのアーキテクチャの概略図である。
【
図3】[0045]
図3は、本願の実施形態による基地局の構造の概略図である。
【
図4】[0046]
図4は、本願の実施形態による他の基地局の構造の概略図である。
【
図5】[0047]
図5は、本願の実施形態によるスケジューリング方法の概略フローチャートである。
【
図6】[0048]
図6は、本願の実施形態によるスケジューリング・プロセスの概略図である。
【
図7】[0049]
図7は、本願の実施形態による別のスケジューリング方法の概略フローチャートである。
【
図8】[0050]
図8は、本願の実施形態による更に別のスケジューリング方法の概略フローチャートである。
【
図9】[0051]
図9は、本願の実施形態によるスケジューリング・モデルの構造の概略図である。
【
図10】[0052]
図10は、本願の実施形態によるエンコーダの構造の概略図である。
【
図11】[0053]
図11は、本願の実施形態によるトランスレータの構造の概略図である。
【
図12】[0054]
図12は、本願の実施形態によるスケジューリング・モデルの構造の概略図である。
【
図13】[0055]
図13は、本願の実施形態によるスケジューリング・プロセスの概略図である。
【
図14】[0056]
図14は、本願の実施形態によるニューラル・ネットワークを訓練及び使用することについての概略図である。
【
図15】[0057]
図15は、本願の実施形態によるスケジューリング装置の構造の概略図である。
【
図16】[0058]
図16は、本願の実施形態による別のスケジューリング装置の構造の概略図である。
【
図17】[0059]
図17は、本願の実施形態によるネットワーク・デバイスの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[0060] 本願の実施態様の理解を容易にするために、以下、本願の実施態様に関連する用語を説明する。
【0045】
[0061] MAC層スケジューリング:MAC層スケジューリングは、時間-周波数リソース割り当て、MCS選択、ユーザー・ペアリング、及びプリコーディングのような問題を主に解決する。システム・スループットと公平性の間のトレードオフは、MACスケジューリングによって達成される。
【0046】
[0062] 全結合型ニューラル・ネットワークは、多層パーセプトロン(multi-layer perceptron, MLP)とも言及される。1つのMLPは、入力層(左側にあるもの)、出力層(右側にあるもの)、及び複数の隠れ層(中央にあるもの)を含む。各層は、ニューロンと言及される幾つものノードを含む。隣り合う2つの層の場所にあるニューロンは互いに接続されている。例えば、2つの隠れ層があり、全結合型ニューラル・ネットワーク・モデルは
図1されるようなものであってもよく、ここで、wはウェイト行列であり、bはバイアス・ベクトルである。
【0047】
[0063] 技術の継続的な進歩に伴い、本願の実施態様における用語は変わる可能性があるが、それらは全て本願の保護範囲に含まれるものとする、ということに留意すべきである。
【0048】
[0064] 本願で提供されるスケジューリング方法は、様々な通信システム、例えば、モノのインターネット(Internet of things, IoT)、狭帯域モノのインターネット(narrow band Internet of things, NB-IoT)、ロング・ターム・エボリューション(long term evolution, LTE)、第5世代(5G)通信システム、LTEと5Gのハイブリッド・アーキテクチャ、5G NRシステム、将来の通信開発において出現する新しい通信システムなどに適用される可能性がある。本願で説明される5G通信システムは、非スタンド・アロン(non-standalone, NSA)5G通信システム又はスタンドアロン(standalone, SA)5G通信システムのうちの少なくとも1つを含んでもよい。代替的に、通信システムは、公衆陸上移動ネットワーク(public land mobile network, PLMN)、デバイス・ツー・デバイス(device-to-device, D2D)ネットワーク、マシン・ツー・マシン(machine-to-machine, M2M)ネットワーク、衛星通信ネットワーク、又はその他のネットワークであってもよい。通信デバイスが通信システムにおいてMACスケジューリングを実行するならば、本願の実施形態で提供されるスケジューリング方法が使用されてもよい。
【0049】
[0065] 例えば、
図2は、本願の実施形態に適用可能な通信システム100を示す。通信システム100は、ネットワーク・デバイス110と端末デバイス120を含む。ネットワーク・デバイス110は、端末デバイス120のために通信サービスを提供する。なお、
図2では一例として、唯1つのネットワーク・デバイス110と2つの端末デバイス120のみが説明に使用されているが、通信システムにおけるネットワーク・デバイスの数量及び端末デバイスの数量は特に限定されないことが理解されるべきである。
【0050】
[0066] 本願の実施形態における端末デバイスは、信号を受信又は送信するように構成されたユーザー側の存在である。端末デバイスは、ユーザーのために音声及びデータ接続を提供するデバイス、例えば、ハンドヘルド・デバイス、又は無線接続機能を有する車載デバイスであってもよい。代替的に、端末デバイスは、無線モデムに接続された別の処理デバイスであってもよい。端末デバイスは、無線アクセス・ネットワーク(radio access network, RAN)を介して1つ以上のコア・ネットワークと通信することが可能である。端末デバイスは、無線端末、加入者ユニット(subscriber unit)、加入者ステーション(subscriber station)、移動局(mobile station)、移動体(mobile)、遠隔局(remote station)、アクセス・ポイント(access point)、遠隔端末(remote terminal)、アクセス端末(access terminal)、ユーザー端末(user terminal)、ユーザー・エージェント(user agent)、ユーザー・デバイス(user device)、ユーザー装置(user equipment)などとも言及されてもよい。端末デバイスは、携帯端末、例えば、携帯電話(又は「セルラー」電話と呼ばれる)、及び移動端末を有するコンピュータであってもよい。例えば、端末デバイスは、無線アクセス・ネットワークと音声及び/又はデータを交換するポータブルな、ポケット・サイズの、ハンドヘルドの、コンピュータ内蔵型の、又は車載型の移動体装置であってもよい。例えば、端末デバイスは、パーソナル通信サービス(personal communication service, PCS)電話機、コードレス電話機セット、セッション開始プロトコル(session initiation protocol, SIP)電話機、無線ローカル・ループ(wireless local loop, WLL)ステーション、又はパーソナル・デジタル・アシスタント(personal digital assistant, PDA)のようなデバイスであってもよい。例えば、共通端末デバイスは、携帯電話、タブレット・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、パームトップ・コンピュータ、モバイル・インターネット・デバイス(mobile Internet device, MID)、及びスマートウォッチ、スマート・バンド、又は歩数計のようなウェアラブル・デバイスを含む。しかしながら、本願の実施形態はこれに限定されない。本願の実施形態における端末デバイスは、代替的に、将来の進歩したPLMNにおいて登場する端末デバイス等であってもよい。これは本願の実施態様において限定されない。
【0051】
[0067] 更に、本願の実施形態における端末デバイスは、代替的に、IoTシステムにおける端末デバイスであってもよい。IoTは、将来の情報技術開発の重要な部分である。IoTの主な技術的特徴は、人と機械の間、或いはモノとモノの間における相互接続のためのインテリジェント・ネットワークを実現するために、通信技術を使用することによってモノをネットワークに接続することである。本願の実施形態において、IoT技術は、例えば狭帯域(narrow band, NB)技術を使用することによって、大規模接続、ディープ・カバレッジ、及び端末省電力化を実現することができる。
【0052】
[0068] 更に、本願の実施形態において、端末デバイスは、インテリジェント・プリンタ、列車検知器、又はガソリン・スタンドのように、センサを更に含んでもよい。端末デバイスの主な機能は、データを収集すること(幾つかの端末デバイスに関するもの)、ネットワーク・デバイスから制御情報やダウンリンク・データを受信すること、電磁波を送信すること、及びアップリンク・データをネットワーク・デバイスへ送信することを含む。
【0053】
[0069] 本願の実施形態におけるネットワーク・デバイスは、信号を送信又は受信するように構成されたネットワーク側の存在である。本願の実施形態におけるネットワーク・デバイスは、無線ネットワークにおけるデバイス、例えば、端末を無線ネットワークに接続するRANノードであってもよい。例えば、ネットワーク・デバイスは、LTEにおけるエボルブドNodeB (evolved NodeB, eNB又はe-NodeB)であってもよいし、又はニュー・ラジオ・コントローラ(new radio controller, NR controller)であってもよいし、5GシステムにおけるgNodeB(gNB)であってもよいし、セントラル化されたユニット(centralized unit, CU)であってもよいし、ニュー・ラジオ無線基地局であってもよいし、無線遠隔モジュールであってもよいし、マイクロ基地局であってもよいし、リレー(relay)であってもよいし、分散型ユニット(distributed unit, DU)であってもよいし、ホーム基地局であってもよいし、送受信ポイント(transmission reception point, TRP)又は送信ポイント(transmission point, TP)であってもよいし、又はその他の任意の無線アクセス・デバイスであってもよい。これは、本願の実施態様において限定されない。ネットワーク・デバイスは、1つ以上のセルをカバーすることができる。
【0054】
[0070] 例えば、本願の実施形態におけるネットワーク・デバイスの構造は、
図3に示されるものであってもよい。具体的には、ネットワーク・デバイスは、CU及び少なくとも1つのDUに分割されてもよい。CUは、少なくとも1つのDUを管理又は制御するように構成されてもよく、このことはまた、CUが少なくとも1つのDUに接続されている、と言及されてもよい。この構造では、通信システム内のネットワークのプロトコル層は分割されてもよい。幾つかのプロトコル・レイヤは、セントラル化された方式でCUによって制御され、幾つかの又は全ての残りのプロトコル層の機能はDU内に分散され、CUはセントラル化された方式でDUを制御する。例えば、ネットワークはgNBである。gNBのプロトコル層は、無線リソース制御(radio resource control, RRC)層、サービス・データ適応プロトコル(service data adaptation protocol, SDAP)層、パケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(packet data convergence protocol, PDCP)層、無線リンク制御(radio link control, RLC)層、メディアア・クセス制御(media access control, MAC)層、及び物理層を含む。例えば、CUは、RRC層、SDAP層、及びPDCP層の機能を実装するように構成されてもよく、DUは、RLC層、MAC層、及び物理層の機能を実装するように構成されてもよい。CU及びDUに含まれるプロトコル・スタックは、本願の実施形態において特に限定されない。
【0055】
[0071] 例えば、本願の実施形態におけるCUは、1つの制御プレーン(CU-control plane, CU-CP)ネットワーク要素と複数のユーザー・プレーン(CU-user plane, CU-UP)ネットワーク要素に更に分割されてもよい。CU-CPは制御プレーン管理のために使用される可能性があり、CU-UPはユーザー・プレーン・データ伝送のために使用される可能性がある。CU-CPとCU-UPの間のインターフェースはE1インターフェースであってもよい。CU-CPとDUの間のインターフェースは、F1-Cであってもよく、制御プレーン・シグナリング伝送に使用される。CU-UPとDUの間のインターフェースは、F1-Uであってもよく、ユーザー・プレーン・データ伝送のために使用される。CU-UPとCU-UPは、Xn-Uインターフェースを介して接続されてもよく、ユーザー・プレーン・データ伝送を実行する。例えば、gNBが一例として使用され、gNBの構造は
図4に示されるものであってもよい。
【0056】
[0072] 本願の実施態様で説明されるネットワーク・アーキテクチャ及びサービス・シナリオは、本願の実施態様における技術的解決策をより明確に説明することを意図したものであり、本願の実施態様で提供される技術的解決策に対する如何なる制限も構成しない。当業者は、ネットワーク・アーキテクチャの進化及び新たなサービス・シナリオの出現により、本願の実施形態で提供されている技術的解決策が同様の技術的課題にも適用可能であることを理解することが可能である。
【0057】
[0073] 既存のMAC層スケジューリング・アルゴリズムにおいて、通信システムは、通常、決定されたモデルとしてモデル化され、スケジューリング方式は数式の導出によって得られる。セルラー・ネットワークにおけるRBG割り当てが一例として使用される。一般的なスケジューリング・アルゴリズムには、RRアルゴリズム、Max C/Iアルゴリズム、PFアルゴリズムを含む。PFアルゴリズムは、スループットと公平性の間の良好なトレードオフを達成することが可能であり、従って、幅広く使用されている。以下は、決定されたモデルと数式に基づくスケジューリング・アルゴリズムを説明するために、一例として、PFアルゴリズムを使用している。PFアルゴリズムは、以下の数式に従って、スケジューリングされたユーザーを選択することができる。
【0058】
【数1】
ここで、R
i(t)は時点tにおけるユーザーiの推定されたスループットであり、ユーザーのチャネル状態やキャッシュ状態のような要因によって決定され、T
i(t)は時点tにおけるユーザーiの累積された履歴スループットである。これは、R
i(t)/T
i(t)は、スループットと公平性を達成するメトリック値である、ということを理解することができる。より大きな推定されたスループットR
i(t)は、ユーザーのチャネル状態は良好であることを示し、キャッシュ内の十分なデータを送信する必要があり、メトリック値は大きい。更に、より大きな累積されたスループットT
i(t)は、ユーザーが多くのデータを送信したことを示す。公平性のために、ユーザーは、より少ないデータを送信するべきであり、従って、メトリック値はより小さい。スループットと公平性の間のトレードオフは、スケジューリングに関して最大のメトリック値を有するユーザーを選択することによって実現される。
【0059】
[0074] 通信システムの複雑さに起因して、閉じた形式のモデルや数式を使用することによって通信システムを正確にモデル化することは不可能である。従って、PFアルゴリズムのような数式ベースのスケジューリング・アルゴリズムは、通信システムの最適なパフォーマンスを保証することはできない。
【0060】
[0075] 現在、MACスケジューリングは、ディープ・ニューラル・ネットワークを使用することによって実行される可能性がある。ディープ・ニューラル・ネットワークのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は、実際の通信システムにおけるスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量に基づいて決定される。通常、スケジューリングされる対象の端末デバイスが大量に存在する場合、スケジューリングのためのステータス空間とアクション空間の両方は大きく、大規模なディープ・ニューラル・ネットワークが必要とされる。スケジューリングされる対象のユーザーが小数しか存在しない場合、小さなディープ・ニューラル・ネットワークが許容される可能性がある。スケジューリングされるユーザーの数が変わる場合、2つの解決策がある。解決策1:ディープ・ニューラル・ネットワークのスケールを再-決定し、ディープ・ニューラル・ネットワークを訓練し直す。解決策2:訓練用のユーザーの可能な最大数に基づいて、ディープ・ニューラル・ネットワークのスケールを決定する。しかしながら、解決策1は、一般化する効果に乏しく、ディープ・ニューラル・ネットワークは、ユーザー数が変化した後に訓練し直すことが必要とされる。解決策2は、非常に大きなニューラル・ネットワークを訓練する必要があり、訓練する効率は低い。
【0061】
[0076] この観点から、本願の実施形態は、スケジューリング方法及び装置を提供する。本方法及び装置は同じ技術的アイデアに基づいている。本方法及び装置は、問題を解決するために同様の原理を有する。そのため、装置と方法の実装については、相互に参照されたい。繰り返される部分の詳細については改めて説明しない。
【0062】
[0077] 本願の実施態様において、「少なくとも1つ」は1以上を意味し、「複数の」は2つ以上を意味することが理解されるべきである。用語「及び/又は」は、関連するオブジェクト間の関連付けの関係を記述しており、3つの関係が存在することがあることを表現している。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在すること、A及びBの両方が存在すること、Bのみが存在すること、というケースを表現している可能性があり、ここで、A及びBは単数又は複数である可能性がある。文字“/”という文字は、通常、関連するオブジェクト間の“or”の関係を示す。「後続のアイテム(ピース)のうち少なくとも1つ」又はこれに類する表現は、これらのアイテムの任意の組み合せを示し、単独のアイテム(ピース)又は複数のアイテム(ピース)の任意の組み合せを含む。例えば、a、b及びcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、又はa、b及びcを示す可能性があり、ここで、a、b及びcは、単数又は複数である可能性がある。
【0063】
[0078] 更に、本願の説明において、「第1」及び「第2」のような用語は、単に区別及び説明のために使用されているに過ぎず、相対的な重要性の指標や暗示、又は順序の指標や暗示として理解されるべきではない。
【0064】
[0079] 以下、添付の図面を参照しながら、本願の実施形態における技術的解決策を詳細に説明する。
【0065】
[0080] 実施形態1
図5は、本願によるスケジューリング方法のフローチャートである。この方法は、ネットワーク・デバイス、又はネットワーク・デバイス内のチップ又はチップ・セットに適用することができる。以下、本方法がネットワーク・デバイスに適用される例を用いて説明する。この方法は、以下のステップを含む。
【0066】
[0081] S501:ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルをM回使用し、ここで、Mは1以上の整数である。スケジューリング・モデルは、毎回入力される数量Kの端末デバイスに基づいて得られるニューラル・ネットワーク・モデルである。代替的に、スケジューリング・モデルはKユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルであることを理解することが可能であり、Kは1より大きな整数である。スケジューリング・モデルは、シーケンスで使用されてもよいし、又はパラレルで使用されてもよい。
【0067】
[0082] 例えば、Kは、プリセット値、又はプロトコルで指定された値であってもよい。Kは、ネットワーク内のアクティブ・ユーザーの可能な最小数に等しくてもよい。数量は、履歴データ、又はプロトコルで指定されたネットワークにおける最低数のアクティブ・ユーザーに基づいて決定されてもよい。代替的に、Kは、別の方法で決定されてもよく、詳細はここでは説明しない。
【0068】
[0083] ネットワーク・デバイスがスケジューリング・モデルを使用する度に、n個のスケジューリングの対象となる端末デバイスのうちのK個の端末デバイスのステータス情報が、スケジューリング・モデルに入力され、スケジューリング・モデルは、K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力する。
【0069】
[0084] 例えば、n個のスケジュールされる対象の端末デバイスは、通信システムにおいてスケジューリングされる同じ時間-周波数リソース(例えば、RBG)を使用する端末デバイスであってもよい。代替的に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、同じセルに登録されているアクティブ端末デバイスであって、時分割多重化方式、周波数分割多重化方式、符号分割多重化方式、空間分割多重化方式、又はその他の多重化方式で同じ無線伝送リソースを共有するものであってもよい。アクティブ端末デバイスは、送受信されるべき新たなデータ及び/又は再送されるデータを有する端末デバイスとして理解されてもよい。
【0070】
[0085] nはK以下であってもよい。この場合、ネットワーク・デバイスはスケジューリング・モデルを1回使用する可能性があり、即ち、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをスケジューリング・モデルに入力して、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。例えば、nが1に等しい場合、ネットワーク・デバイスは、端末デバイスのステータス情報をスケジューリング・モデルに入力してスケジューリング・ウェイトを決定してもよいし、又は、端末デバイスがスケジューリングされた端末デバイスであることを直接的に決定してもよい。
【0071】
[0086] nは代替的にKより大きくてもよい。この場合、ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルを複数回使用する可能性があり(即ち、Mは1より大きい)、即ち、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをスケジューリング・モデルに毎回入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。代替的に、ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルを1回使用する可能性があり(即ち、Mは1に等しい)、即ち、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスからK個の端末デバイスを選択し、K個の端末デバイスをスケジューリング・モデルに入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。
【0072】
[0087] 実装において、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、複数の端末デバイス・グループに分割してもよく、各々の端末デバイス・グループはK個の端末デバイスを含む。各々の端末デバイス・グループに関し、ネットワーク・デバイスは、端末デバイス・グループに含まれるK個の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス・グループに含まれるK個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得する。可能なグループ化方法において、チャネル状態に大きな相違を有する端末デバイスは同じグループに分けられる。代替的に、別のグループ化方法が使用されてもよい。例えば、任意のK個の端末デバイスが1つのグループに分けられるか、又は端末デバイスは事前に設定されたルールに従ってグループ化される。これは本件で具体的には限定されない。
【0073】
[0088] 1つの端末デバイスのステータス情報は、スケジューリング・モデルに1回以上入力されてもよいし、又はスケジューリング・モデルに入力されなくてもよいことに留意すべきである。換言すれば、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスが複数の端末デバイス・グループに分割される実装においては、ある端末デバイスが、何れの端末デバイス・グループにも属さない場合があり、また、1つ以上の端末デバイス・グループに属する場合がある。
【0074】
[0089] 例えば、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む可能性があるが、これらに限定されない:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0075】
[0090] S502:ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルによりM回出力されるスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定し、ここで、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。
【0076】
[0091] 1つのスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムに1つの利用可能な送信リソースがある場合に、1つのスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、その利用可能な送信リソースは、スケジューリングされた端末デバイスに割り当てられる。
【0077】
[0092] 複数のスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムにL個の利用可能な送信リソースがある場合に、L個のスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、そのL個の利用可能な送信リソースは、L個のスケジューリングされた端末デバイスにそれぞれ割り当てられる。
【0078】
[0093] 実装において、ステップS502は、以下の方法で実現されてもよい:
[0094] A1:ネットワーク・デバイスが判断モジュールをM回使用する。ここで、判断モジュールがi回目に使用される場合に、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に出力されたスケジューリング・ウェイトが、判断モジュールに入力されて、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に入力されるK個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを取得し、i = {1, 2, 3, ..., M}である。
【0079】
A2:ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルがM回使用される度に入力されるK個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスに基づいて、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定し、ここで、Lは正の整数である。スケジューリング・モデルに入力されない端末デバイスがネットワークに存在する場合、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、スケジューリング・モデルに入力されない端末デバイスを含んでもよい。換言すれば、n個のスケジュールされる対象の端末デバイスが複数の端末デバイス・グループに分割される実装において、グループにされていない端末デバイスがネットワーク内に存在する場合には、L個のスケジュールされる対象の端末デバイスは、グループにされていない端末デバイスを含んでもよい。
【0080】
[0095] A3:LがK以下である場合に、ネットワーク・デバイスは、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。また、ある実装において、LがKより小さい場合、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから1つ以上の端末デバイスを更に選択し、L個の端末デバイスとともにK個の端末デバイスを形成し、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報をスケジューリング・モデルに入力し、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。
【0081】
[0096] LがKより大きい場合、端末デバイスは、決定された端末デバイスの数量がK以下になるまで、ステップS501及びステップA1を繰り返し、決定された端末デバイスのステータス情報をスケジューリング・モデルに入力し、決定された端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することが可能である。
【0082】
[0097] A4:ネットワーク・デバイスは、ステップA3で取得したスケジューリング・ウェイトを、判断モジュールに入力して、判断結果を取得する。
【0083】
[0098] 例えば、通信システムに1つの利用可能な送信リソースがある場合に、1つのスケジューリングされた端末デバイスは、ステップA3で取得されたスケジューリング・ウェイトに基づいて決定されてもよく、その利用可能な送信リソースは、スケジューリングされた端末デバイスに割り当てられる。スケジュールされた端末デバイスは、ステップA3で取得されたスケジューリング・ウェイトにおける最大スケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスであってもよい。
【0084】
[0099] 別の例では、通信システムにF個の利用可能な送信リソースがある場合に、F個のスケジューリングされた端末デバイスは、ステップA3で取得されたスケジューリング・ウェイトに基づいて決定されてもよく、F個の利用可能な送信リソースは、F個のスケジューリングされた端末デバイスにそれぞれ割り当てられる。F個のスケジューリングされた端末デバイスは、ステップA3で取得されたスケジューリング・ウェイトが降順にソートされた後の先頭からF個のスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスであってもよい。
【0085】
[0100] 例えば、スケジューリング・モデルは、全結合型ニューラル・ネットワーク・モデルであってもよい。スケジューリング・モデルは、1つの入力層、少なくとも1つの隠れ層、及び1つの出力層を含む可能性がある。入力層は、入力データの次元を、隠れ層における入力次元に変換するために使用されることが可能である。少なくとも1つの隠れ層は、特徴抽出を実行するために使用される。出力層は、少なくとも1つの隠れ層によって抽出された特徴に基づいて、スケジューリング・ウェイトを決定するために使用される。
【0086】
[0101] 前述の例において、ネットワーク・デバイスがスケジューリング・モデルを使用する度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報は、次元拡張のためにスケジューリング・モデルの入力層に入力されることが可能である。更に、次元変換が実行されたK個の端末デバイスのステータス情報は、特徴抽出のためにスケジューリング・モデルの隠れ層に入力され、ここで、スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含む。隠れ層により抽出された特徴は、スケジューリング・モデルの出力層に入力され、K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得する。
【0087】
[0102] 例えば、入力層のサイズはK×Mであってもよく、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である。例えば、ステータス情報は、4つのパフォーマンス・パラメータ:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、及び端末デバイスのパケット遅延を含み、Mは4に等しい。
【0088】
[0103] 隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×aであり、ここで、異なる隠れ層におけるaの値は同一であってもよいし、或いは相違していてもよい。これは本件で具体的に限定されない。
【0089】
[0104] 本願の実施形態1をより良く理解するために、以下、Kが3に等しい例を使用することによって、具体的なシナリオを参照しながら実施形態1におけるスケジューリング・プロセスを説明する。
【0090】
[0105] ネットワーク内には、11個のスケジューリングされる対象の端末デバイス、即ち端末デバイス1ないし端末デバイス11が存在し、1つの利用可能な送信リソースが通信システムに存在すると仮定する。
図6に示すように、スケジューリング・プロセスは、以下のステップを含む:
[0106] B1:ネットワーク・デバイスは、端末デバイス1ないし端末デバイス11のステータス情報を、スケジューリング・モデルに3回入力しており、ここで、3つの端末デバイスのステータス情報が毎回入力される。
【0091】
[0107] 例えば、ネットワーク・デバイスは、端末デバイス1のステータス情報s1と、端末デバイス2のステータス情報s2と、端末デバイス3のステータス情報s3とを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス1のスケジューリング・ウェイトM1と、端末デバイス2のスケジューリング・ウェイトM2と、端末デバイス3のスケジューリング・ウェイトM3とを取得する。
【0092】
ネットワーク・デバイスは、端末デバイス4のステータス情報s4と、端末デバイス5のステータス情報s5と、端末デバイス6のステータス情報s6とを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス4のスケジューリング・ウェイトM4と、端末デバイス5のスケジューリング・ウェイトM5と、端末デバイス6のスケジューリング・ウェイトM6とを取得する。
【0093】
また、ネットワーク・デバイスは、端末デバイス7のステータス情報s7と、端末デバイス8のステータス情報s8と、端末デバイス9のステータス情報s9とを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス7のスケジューリング・ウェイトM7と、端末デバイス8のスケジューリング・ウェイトM8と、端末デバイス9のスケジューリング・ウェイトM9とを取得する。
【0094】
[0108] B2:ネットワーク・デバイスは、M1, M2, M3を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス2であると仮定している。
【0095】
ネットワーク・デバイスは、M4, M5, M6を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス5であると仮定している。
【0096】
ネットワーク・デバイスは、M7, M8, M9を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス8であると仮定している。
【0097】
[0109] B3:ネットワーク・デバイスは、端末デバイス2、端末デバイス5、端末デバイス8、端末デバイス10、及び端末デバイス11のステータス情報を、スケジューリング・モデルに2回の間に入力し、ここで、3つの端末デバイスのステータス情報が毎回入力される。
【0098】
[0110] 例えば、ネットワーク・デバイスは、端末デバイス2のステータス情報s2と、端末デバイス5のステータス情報s5と、端末デバイス10のステータス情報s10とを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス2のスケジューリング・ウェイトM2’と、端末デバイス5のスケジューリング・ウェイトM5’と、端末デバイス10のスケジューリング・ウェイトM10とを取得する。
【0099】
ネットワーク・デバイスは、端末デバイス5のステータス情報s5と、端末デバイス8のステータス情報s8と、端末デバイス11のステータス情報s11とを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス5のスケジューリング・ウェイトM5’と、端末デバイス8のスケジューリング・ウェイトM8’と、端末デバイス11のスケジューリング・ウェイトM11とを取得する。
【0100】
[0111] B4:ネットワーク・デバイスは、M2’, M5’, M10を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス5であると仮定している。
【0101】
ネットワーク・デバイスは、M5”, M8’, M11を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス11であると仮定している。
【0102】
[0112] B5:ネットワーク・デバイスは、端末デバイス5のステータス情報s5と、端末デバイス11のステータス情報s11とをスケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス5のスケジューリング・ウェイトM5’”と端末デバイス11のスケジューリング・ウェイトM11”を取得する。
【0103】
[0113] B6:ネットワーク・デバイスは、M5’”とM’を判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここでは、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスは、端末デバイス5であると仮定しており、端末デバイス5がスケジューリングされた端末デバイスである。
【0104】
[0114] B7:ネットワーク・デバイスは、通信システム内の利用可能な送信リソースを、端末デバイス5に割り当てる。
【0105】
[0115] B5において、ネットワーク・デバイスは、代替的に、端末デバイス5のステータス情報s5と、端末デバイス11のステータス情報s11と、他の端末デバイスjのステータス情報sjとを、スケジューリング・モデルに入力して、端末デバイス5のスケジューリング・ウェイトM5’”と、端末デバイス11のスケジューリング・ウェイトM11’と、端末デバイスjのスケジューリング・ウェイトMjとを取得してもよい。その後、B6において、ネットワーク・デバイスは、M5’”, M’, Mjを判断モジュールに入力して、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定する。
【0106】
[0116] Kユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルが、本願の実施形態において確立される。ニューラル・ネットワーク・モデルは、K個の端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含み、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有してもよい、ということを理解することが可能である。換言すれば、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリング判断の際に複数回使用されてもよい。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することによって、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスのグループに対応するスケジューリング・ウェイトを、グループ毎に決定することが可能であり、各グループはK個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを含む。従って、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワーク・モデルを再-設定することなく、ニューラル・ネットワーク・モデルを再利用することができ、その結果、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である。
【0107】
[0117] 更に、本願の実施形態において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数に基づいて決定されてもよく、その結果、確立されるニューラル・ネットワークのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さい。これは、訓練効率を改善し、演算リソースを節約することができる。
【0108】
[0118] 実施形態2
図7は、本願によるスケジューリング方法のフローチャートである。この方法は、ネットワーク・デバイス、又はネットワーク・デバイス内のチップ又はチップ・セットに適用することができる。以下、本方法がネットワーク・デバイスに適用される例を用いて説明する。この方法は、以下のステップを含む。
【0109】
[0119] S701:ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択する。Kは、スケジューリング・モデルが適用可能な端末デバイスの数量である。
【0110】
[0120] n個のスケジュールされる対象の端末デバイスは、通信システムにおいてスケジューリングされる同じ時間-周波数リソース(例えば、RBG)を使用する端末デバイスであってもよい。代替的に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、同じセルに登録されているアクティブ端末デバイスであって、時分割多重化方式、周波数分割多重化方式、符号分割多重化方式、空間分割多重化方式、又はその他の多重化方式で同じ無線伝送リソースを共有するものであってもよい。アクティブ端末デバイスは、送受信されるべき新たなデータ及び/又は再送されるデータを有する端末デバイスとして理解されてもよい。
【0111】
[0121] nはKより大きくてもよい。この場合、K個の端末デバイスは、ステップS701を実行することによって選択されてもよい。
【0112】
[0122] 代替的に、nはK以下であってもよい。この場合、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをスケジューリング・モデルに入力して、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得することができる。選択された端末デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスであってもよいことを理解することが可能であり、あるいは、nがK以下である場合に、ステップS701は実行されなくてもよく、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスがスケジューリング・モデルに入力されることを理解することが可能である。
【0113】
[0123] ある実装において、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから選択する場合に、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、ステータス情報における少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータに基づいてソーティングし、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、ソーティングされたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに基づいて決定してもよい。少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータは、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの1つ以上であってもよい:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴、等々。例えば、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジュールされる対象の端末デバイスを、端末デバイスの平均スループットに基づいて昇順にソートし、次いで、先頭からK個の端末デバイスを、選択された端末デバイスとして選択してもよい。
【0114】
[0124] K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから選択する場合に、ネットワーク・デバイスは、更に、端末デバイスのサービス・タイプに基づいて、高サービス・リアルタイム要求を有する端末デバイスを優先的に選択してもよく、例えば仮想現実(virtual reality, VR)/拡張現実(augmented reality, AR)サービス端末デバイスを優先的に選択し、リアルタイム音声通話及びビデオ・サービスに関する端末デバイスを2番目に選択し、ウェブ・ページ閲覧サービスに関する端末デバイスを3番目に選択してもよい。
【0115】
[0125] 代替的に、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから選択する場合に、ネットワーク・デバイスは、端末デバイスの優先度に基づいて、より高い優先度を有する端末デバイスを優先的に選択する可能性がある。端末デバイスの優先度は、規格で指定されるか、サービス・プロバイダ又は電気通信事業者によって決定されるか、又は地理的な位置に基づいて決定される。例えば、ネットワーク・デバイスに近い端末デバイスは高い優先度を有し、ネットワーク・デバイスから遠い端末デバイスは低い優先度を有する。
【0116】
[0126] S702:ネットワーク・デバイスは、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力する。スケジューリング・モデルは、数量Kの選択された端末デバイスに基づいて得られるニューラル・ネットワーク・モデルである。代替的に、スケジューリング・モデルは、Kユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルであることを理解することが可能であり、Kは1より大きな整数である。
【0117】
[0127] 例えば、Kは、プリセット値、又はプロトコルで指定された値であってもよい。Kは、ネットワーク内のアクティブ・ユーザーの可能な最小数に等しくてもよい。数量は、履歴データ、又はプロトコルで指定されたネットワークにおける最低数のアクティブ・ユーザーに基づいて決定されてもよい。代替的に、Kは、別の方法で決定されてもよく、詳細はここでは説明しない。
【0118】
[0128] 例えば、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む可能性があるが、これらに限定されない:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0119】
[0129] 実施形態2におけるスケジューリング・モデルの構造は、実施形態1におけるスケジューリング・モデルの構造に類似しており、類似していることについては再度説明しない。
【0120】
[0130] S703:ネットワーク・デバイスは、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定し、ここで、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。
【0121】
[0131] 1つのスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムに1つの利用可能な送信リソースがある場合に、1つのスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、その利用可能な送信リソースは、スケジューリングされた端末デバイスに割り当てられる。スケジューリングされた端末デバイスは、最大スケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスであってもよい。
【0122】
[0132] 複数のスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムにF個の利用可能な送信リソースがある場合に、F個のスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、そのF個の利用可能な送信リソースは、F個のスケジューリングされた端末デバイスにそれぞれ割り当てられる。F個のスケジューリングされた端末デバイスは、スケジューリング・ウェイトに基づいて降順にソートされた先頭からF個の端末デバイスであってもよい。
【0123】
[0133] Kユーザーに適用可能なニューラル・ネットワーク・モデルが、本願の実施形態において確立される。ニューラル・ネットワーク・モデルは、K個の端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含み、スケジューリングされる対象の端末デバイスが選択され、その結果、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量がKよりも大きいシナリオに、ニューラル・ネットワーク・モデルを再-確立することなく使用できる、ということを理解することが可能である。従って、ニューラル・ネットワーク・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である。
【0124】
[0134] 更に、本願の実施形態において、Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの最小数に基づいて決定されてもよく、その結果、確立されるニューラル・ネットワークのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さい。これは、訓練効率を改善し、演算リソースを節約することができる。
【0125】
[0135] 実施形態3
図8は、本願によるスケジューリング方法のフローチャートである。この方法は、ネットワーク・デバイス、又はネットワーク・デバイス内のチップ又はチップ・セットに適用することができる。以下、本方法がネットワーク・デバイスに適用される例を用いて説明する。この方法は、以下のステップを含む。
【0126】
[0136] S801:ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力して、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する第1データを取得する。ここで、第1データは、第1データに対応する端末デバイスのステータス情報が、別の端末デバイスのステータス情報に関連付けられた後に取得されるデータであり、nは1以上の整数である。
【0127】
[0137] n個のスケジュールされる対象の端末デバイスは、通信システムにおいてスケジューリングされる同じ時間-周波数リソース(例えば、RBG)を使用する端末デバイスであってもよい。代替的に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、同じセルに登録されているアクティブ端末デバイスであって、時分割多重化方式、周波数分割多重化方式、符号分割多重化方式、空間分割多重化方式、又はその他の多重化方式で同じ無線伝送リソースを共有するものであってもよい。アクティブ端末デバイスは、送受信されるべき新たなデータ及び/又は再送されるデータを有する端末デバイスとして理解されてもよい。
【0128】
[0138] 例えば、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む可能性があるが、これらに限定されない:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0129】
[0139] S802:ネットワーク・デバイスは、スケジューリング・モデルの第2モジュールをn回使用し、ここで、第2モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つに対応する第1データが、第2モジュールに入力され、第2モジュールは端末デバイスのスケジューリング・ウェイトを出力する。第2モジュールは、シーケンスで使用されてもよいし、又はパラレルで使用されてもよい。
【0130】
[0140] 第2モジュールは、スケジューリング・ウェイトを決定するために、1つの端末デバイスに基づいて得られるニューラル・ネットワークである。第2モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得され(又は確立され)、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含むことが理解されるべきである。通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを決定することが可能である。従って、通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第2モジュールを再利用することができる。
【0131】
[0141] S803:ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて、判断結果を決定し、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。
【0132】
[0142] 実装において、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを、判断モジュールに入力して、スケジューリングされた端末デバイスを決定することが可能であり、決定モジュールは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて、スケジューリングされる端末デバイスを決定するように構成される。
【0133】
[0143] 1つのスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムに1つの利用可能な送信リソースがある場合に、1つのスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、その利用可能な送信リソースは、スケジューリングされた端末デバイスに割り当てられる。スケジューリングされた端末デバイスは、最大スケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスであってもよい。
【0134】
[0144] 複数のスケジューリングされた端末デバイスが存在してもよい。例えば、通信システムにL個の利用可能な送信リソースがある場合に、L個のスケジューリングされた端末デバイスが決定されてもよく、そのL個の利用可能な送信リソースは、L個のスケジューリングされた端末デバイスにそれぞれ割り当てられる。L個のスケジューリングされた端末デバイスは、スケジューリング・ウェイトに基づいて降順にソートされた先頭からL個の端末デバイスであってもよい。
【0135】
[0145] 例えば、スケジューリング・モデルは第3モジュールを更に含んでもよく、第3モジュールは、特徴抽出を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて取得されてもよい。
【0136】
[0146] 第3モジュールは、特徴抽出を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて得られたニューラル・ネットワークであってもよい。第3モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得される(又は確立される)ものであり、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含むことが理解されるべきである。通信システムにおいてスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに関して特徴抽出を実行することが可能である。従って、通信システム内でスケジュールされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第3モジュールを再利用することができる。
【0137】
[0147] 実装において、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの前記ステータス情報を、関連付けのために前記スケジューリング・モデルの第1モジュールに入力する前に、ネットワーク・デバイスは、第3モジュールをn回使用することが可能であり、ここで、第3モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第3モジュールに入力され、第3モジュールは端末デバイスの第2データを出力する。第3モジュールは、シーケンスで使用されてもよいし、又はパラレルで使用されてもよい。
【0138】
[0148] 更に、n個のスケジューリングされる端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルの第1モジュールに入力する場合に、ネットワーク・デバイスは、n個のスケジューリングされる端末デバイスの第2データを、関連付けのために第1モジュールに入力することが可能である。
【0139】
[0149] スケジューリング・モデルは第4モジュールを更に含むことが可能であり、第4モジュールは次元拡張を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワークであってもよい。
【0140】
[0150] 第4モジュールは、特徴抽出を実行するために、1つの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワークであってもよい。第4モジュールは、1つの端末デバイスに基づいて取得される(又は確立される)ものであり、1つの端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含むことが理解されるべきである。通信システムにおいてスケジューリングされる対象の端末デバイスは、パラメータ・セットを共有することが可能である。ネットワーク・デバイスは、パラメータ・セットを使用することにより、1つずつ通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに関し次元拡張を実行することが可能である。従って、通信システム内でスケジュールされる対象の端末デバイスの数量にかかわらず、ネットワーク・デバイスは、ニューラル・ネットワークを再-確立することなく、第4モジュールを再利用することができる。
【0141】
[0151] 実装において、第3モジュールをn回使用する前に、ネットワーク・デバイスは、第4モジュールをn回使用することが可能であり、ここで、第4モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第4モジュールに入力され、第4モジュールは、次元拡張により取得された端末デバイスのステータス情報を出力する。第4モジュールは、シーケンスで使用されてもよいし、又はパラレルで使用されてもよい。
【0142】
[0152] 更に、ネットワーク・デバイスが第3モジュールをn回使用する度に、ネットワーク・デバイスは、次元拡張により取得されたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報を、第3モジュールに入力してもよい。
【0143】
[0153] 本願の実施形態3におけるスケジューリング・モデルは、第1モジュールないし第4モジュールを含むことに限定されない。スケジューリング・モデル内の少なくとも1つのモジュールが繰り返し使用されることが可能であり、且つモジュールが使用される度に1つの端末デバイスのデータが入力される限り、スケジューリング・モデルは、本願の実施形態3におけるスケジューリング・モデルとして理解することができる。
【0144】
[0154] 例えば、スケジューリング・モデルは、トランスフォーマー(Transformer)ネットワークに基づくニューラル・ネットワーク・モデルであってもよい。
図9に示すように、トランスフォーマー・ネットワークは、エンコーダ(Encoder)とデコーダ(Decoder)を含むことが可能である。エンコーダは、特徴抽出を実行するように構成され、デコーダは、スケジューリング・ウェイトを決定するように構成される。
【0145】
[0155] エンコーダは、埋め込み層(embedding layer)とマルチ・ヘッド・アテンション(Multi-head attention)ネットワークを含むことが可能である。埋め込み層は、次元拡張を増加させるために使用され、また、入力データの次元をa次元からb次元へ変更するものとして理解することができ、ここで、aはbより小さい。マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークは、次元拡張により得られたデータに関して特徴抽出を実行するために使用される。例えば、埋め込み層は、端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含む可能性がある。ネットワーク・デバイスは、埋め込み層を繰り返し使用することにより、通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに対して1つずつ、次元拡張を実行することが可能である。
【0146】
[0156] エンコーダ内のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークは、1つ以上の層を有する可能性がある。これは本件で具体的には限定されない。マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークが複数の層を含む場合、層の構造は同じであってもよい。マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークの各層は、少なくとも1つのヘッド(head)と、連結モジュールと、第1のMLPとを含む可能性がある。連結モジュールは、少なくとも1つのヘッドの出力を連結するように構成され、第1のMLPは、連結モジュールによって出力されるデータに対して特徴抽出を実行するように構成される。エンコーダ内の第1のMLPは、1つ以上の隠れ層を含んでもよいことに留意すべきである。これは本件で具体的には限定されない。例えば、第1のMLPは、端末デバイスに適用可能なパラメータ・セットを含んでもよい。ネットワーク・デバイスは、第1のMLPを繰り返し使用することにより、通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに対して、1つずつ特徴抽出を実行することが可能である。
【0147】
[0157] ヘッドの構造は同じであってもよい。ヘッドは、線形クエリ処理モジュールと、線形キー処理モジュールと、線形バリュー処理モジュールと、スケールド・ドット積アテンション(Scaled Dot-product attention)モジュールを含んでもよい。線形クエリ処理モジュールは、ヘッドの入力と線形クエリ行列W_Qとを乗算して、クエリ・ベクトルを得るように構成される。線形キー処理モジュールは、ヘッドの入力と線形キー行列W_Uとを乗算して、キー・ベクトルを得るように構成される。線形バリュー処理モジュールは、ヘッドの入力と線形バリュー行列W_Vとを乗算して、バリュー・ベクトルを得るように構成される。スケールド・ドット積アテンション・モジュールは、複数のユーザーのクエリ・ベクトルを含むクエリ行列Qと、複数のユーザーのキー・ベクトルを含むキー行列Kと、複数のユーザーのバリュー・ベクトルを含むバリュー行列Vとを関連付けて、処理結果を得るように構成される。処理結果は、以下の数式に応じていても良い:
【0148】
【数2】
ここで、()
Tは行列転置演算であり、dはQ・U
Tの行列次元であり、softmax()は、各端末デバイスに対応する相関確立(又はウェイト)を決定するために使用される。
【0149】
[0158] 例えば、線形クエリ処理モジュール、線形キー処理モジュール、及び線形バリュー処理モジュールは全て端末デバイスに適用可能な行列である。ネットワーク・デバイスは、線形クエリ処理モジュールを繰り返し使用して、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対するクエリ・ベクトルを1つずつ決定し、線形キー処理モジュールを繰り返し使用して、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対するキー・ベクトルを1つずつ決定し、及び、線形バリュー処理モジュールを繰り返し使用して、通信システム内のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対するバリュー・ベクトルを1つずつ決定することが可能である。
【0150】
[0159] 例えば、エンコーダは2層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークを含み、各層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークは3つのヘッドを含む。エンコーダの構造は
図10に示されるものであってもよい。マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークのパラメータは、同じであってもよいし又は異なっていてもよい。これは本件で具体的には限定されない。例えば、
図10に示すエンコーダ内の第1層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワーク内のモジュールのパラメータは、第2層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワーク内のモジュールのパラメータと同じであってもよいし又は異なっていてもよい。
【0151】
[0160] デコーダは、第2のMLPを含んでもよく、第2のMLPは、エンコーダによって抽出された特徴に基づいて、スケジューリング・ウェイトを決定するように構成される。デコーダにおける第2のMLPは、1つ以上の隠れ層を含んでもよいことに留意すべきである。これは本件で具体的には限定されない。2つの隠れ層が一例として使用されており、第2のMLPは
図11に示されているものであってもよい。
【0152】
[0161] 例えば、第2のMLPは、端末デバイスに適用可能な行列であってもよく、ネットワーク・デバイスは、第2のMLPを繰り返し使用することによって、通信システム内でスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを、1つずつ決定することができる。
【0153】
[0162] 例えば、本願の実施形態3の第4モジュールは、エンコーダの埋め込み層であってもよい。本願の実施形態3の第3モジュールは、エンコーダ内の各ヘッドに含まれる線形クエリ処理モジュール、線形キー処理モジュール、及び線形バリュー処理モジュールを含んでもよい。本願の実施形態3の第1モジュールは、エンコーダ内の各ヘッドに含まれるスケールド・ドット積アテンション・モジュールを含んでもよい。本願の実施形態3の第2モジュールは、エンコーダ内のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークに含まれる連結モジュールと、エンコーダ内のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークに含まれる第1のMLPと、デコーダ内に含まれる第2のMLPとを含んでもよい。例えば、エンコーダは、1層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークを含み、1層のマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークは、
図12に示すように、3つのヘッドを含む。
【0154】
[0163] 本願の実施形態3をより良く理解するために、以下、
図12に示すスケジューリング・モデルを参照しながら、実施形態1におけるスケジューリング・プロセスを説明する。
【0155】
[0164] ネットワークには、3つのスケジューリングされる対象の端末デバイス、即ちUE1ないしUE3があり、通信システムには1つの利用可能な送信リソースがあると仮定する。
図13に示すように、スケジューリング・プロセスは、以下のステップを含む。
【0156】
[0165] C1:ネットワーク・デバイスは、UE 1ないしUE3のステータス情報s1ないしs3を次元拡張のために1つずつ埋め込み層へ入力し、UE 1ないしUE3の次元拡張データS1ないしS3を取得し、ここで、埋め込み層は、1つの端末デバイスのステータス情報に対して次元拡張を実行するように使用されることが可能である。ネットワーク・デバイスは、UE 1ないしUE 3へのステータス情報に関して次元拡張をそれぞれ実行するために、埋め込み層を並列的に使用してもよいし、或いはUE 1ないしUE 3のステータス情報に関して次元拡張をそれぞれ実行するために、埋め込み層を連続的に使用してもよい。
【0157】
[0166] C2:ネットワーク・デバイスは、UE 1ないしUE 3の次元拡張データをそれぞれ3つのパートに分割し、ここで、3つのパートは予め設定されたルールに従って分割されてもよく、例えば、同様な数量のパフォーマンス・パラメータに対応する値が同じパートに分けられてもよいし、或いは3つのパートはランダムに分けられてもよい。
【0158】
[0167] C3:ネットワーク・デバイスは、UE 1ないしUE3の第1パート次元拡張データS11, S21, S31を、処理のためにマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークの第1ヘッドへ入力してZ1を取得する。
【0159】
[0168] 第1ヘッドの処理プロセスは:
線形クエリ処理モジュールを使用することによりS11, S21, S31をそれぞれ処理して(即ち、S11, S21, S31と線形クエリ行列W_Qをそれぞれ乗算して)、UE1ないしUE3のクエリ・ベクトルを取得し、
線形キー処理モジュールを使用することによりS11, S21, S31をそれぞれ処理して(即ち、S11, S21, S31と線形キー行列W_Uをそれぞれ乗算して)、UE1ないしUE3のキー・ベクトルを取得し、
線形バリュー処理モジュールを使用することによりS11, S21, S31をそれぞれ処理して(即ち、S11, S21, S31と線形バリュー行列W_Vをそれぞれ乗算して)、UE1ないしUE3のバリュー・ベクトルを取得し、
スケールド・ドット積アテンション・モジュールを使用することにより、
UE1ないしUE3のクエリ・ベクトルを含むクエリ行列Q1, Q1=[UE1のクエリ・ベクトル,UE2のクエリ・ベクトル,UE3のクエリ・ベクトル]と、
UE1ないしUE3のキー・ベクトルを含むキー行列U1, U1=[UE1のキー・ベクトル,UE2のキー・ベクトル,UE3のキー・ベクトル]とを、
UE1ないしUE3のバリュー・ベクトルを含むバリュー行列V1, V1=[UE1のバリュー・ベクトル,UE2のバリュー・ベクトル,UE3のバリュー・ベクトル]と関連付けて、Z1を取得する。
【0160】
スケールド・ドット積アテンション・モジュールの演算は、以下のとおりである:
【0161】
【数3】
ここで、演算Q
1・U
1
Tは、各UEのクエリ・ベクトルと全てのUE(そのUEを含む)のキー・ベクトルとの点乗算結果を計算しており、その結果に対して正規化演算(即ち、√dによる除算)が実行され、ソフトマックスを計算して、各UEと全てのUE(そのUEを含む)との間のペアワイズ相関を求める。関連付けステータスは、パーセントの形式で提供されてもよく、より大きなパーセンテージは、2つのUE間のより高い相関を示す。ペアワイズ相関は、各UEと全てのUE(そのUEを含む)との間の関連付けステータスを得るために、各UEのバリュー・ベクトルと乗算される。Z
1 = [UE 1
(1), UE 2
(1), UE 3
(1)]、ここで、
UE1
(1)= UE1とUE1xS1
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE1とUE2xS2
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE1とUE3xS3
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率であり、
UE2
(1)= UE2とUE1xS1
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE2とUE2xS2
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE2とUE3xS3
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率であり、
UE3
(1)= UE3とUE1xS1
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE3とUE2xS2
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率 + UE3とUE3xS3
1に対応するバリュー・ベクトルとの間の相関確率である。
【0162】
[0169] ネットワーク・デバイスは、線形クエリ処理モジュール、線形キー処理モジュール、及び線形バリュー処理モジュールを並列的に使用してもよいし、又は線形クエリ処理モジュール、線形キー処理モジュール、及び線形バリュー処理モジュールを連続的に使用してもよい。
【0163】
[0170] ネットワーク・デバイスは、端末デバイス1ないし端末デバイス3の第2パート次元拡張データS12, S22, S32を、処理のためにマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークの第2ヘッドへ入力して、Z2を取得する。ここで、Z2= [UE1(2), UE2(2), UE 3(2)]である。
【0164】
[0171] ネットワーク・デバイスは、端末デバイス1ないし端末デバイス3の第3パート次元拡張データS13, S23, S33を、処理のためにマルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークの第3ヘッドへ入力して、Z3を取得する。ここで、Z2= [UE1(3), UE2(3), UE 3(3)]である。
【0165】
[0172] 第2ヘッドと第3ヘッドの処理プロセスは、第1ヘッドの処理プロセスと同様である。繰り返される部分の詳細については再度説明しない。
【0166】
[0173] C4:ネットワーク・デバイスは、マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークにおける連結モジュールを使用することによりデータZ1, Z2, Z3を処理して、UE1のカスケード化されたデータR1, R1 = [UE 1(1), UE 1(2), UE 1(3)]と、UE2のカスケード化されたデータR2, R2 = [UE 2(1), UE 2(2), UE 2(3)]と、UE 3のカスケード化されたデータR3, R3 = [UE 3(1), UE 3(2), UE 3(3)]とを取得する。
【0167】
[0174] C5:ネットワーク・デバイスは、マルチ・ヘッド・アテンション・ネットワークにおける第1のMLPを使用することによって、R1、R2、及びR3に対して特徴抽出をそれぞれ実行し、UE1ないしUE3にそれぞれ対応する出力データv1ないしv3を取得する。
【0168】
[0175] ネットワーク・デバイスは、第1のMLPを並列に使用することによってUE 1ないしUE 3の出力データを決定してもよいし、又は第1のMLPを連続的に使用することによってUE 1ないしUE 3の出力データを決定してもよい。
【0169】
[0176] C6:ネットワーク・デバイスは、デコーダを使用することによって、UE1ないしUE3の出力データをそれぞれ処理して、UE1ないしUE3にそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトM1ないしM3を決定する。
【0170】
[0177] ネットワーク・デバイスは、デコーダを並列的に使用することによって、UE1ないしUE3にそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトM1ないしM3を決定してもよいし、又はデコーダを連続的に使用することによって、UE 1ないしUE 3にそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトM1ないしM3を決定してもよい。
【0171】
[0178] C7:ネットワーク・デバイスは、M1ないしM3を判断モジュールに入力し、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスを決定し、ここで、最も高いスケジューリング・ウェイトに対応する端末デバイスはUE 3であり、UE3が、スケジューリングされた端末デバイスであることが仮定されている。
【0172】
[0179] C8:ネットワーク・デバイスは、通信システムにおける利用可能な送信リソースをUE3に割り当てる。
【0173】
[0180] 複数のユーザーは、本願の実施形態3におけるスケジューリング・モデルにおけるスケールド・ドット積アテンション・モジュール以外のモジュールのパラメータを共有し、その結果、スケジューリング・モデルのスケール(即ち、ニューラル・ネットワークの深さ及び各層におけるニューロンの数量)は小さい。従って、スケジューリング・モデルは、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である。更に、ユーザーは、スケジューリング・モデルにおけるスケールド・ドット積アテンション・モジュール以外のモジュールのパラメータを共有し、その結果、スケジューリング・モデルが、スケジューリングされる対象の端末デバイスの数量が異なるシナリオに適用可能であり拡張可能である場合に、ニューラル・ネットワークは再訓練されることを必要としない。
【0174】
[0181] 本願の任意の実施形態におけるニューラル・ネットワークに関し、サンプル・データは、予め設定されたシナリオにおいてニューラル・ネットワークを予め訓練するために使用されてもよく、サンプル・データは、予め設定されたシナリオにおいて、スケジューリングされる対象の端末デバイスであってもよいことに留意すべきである。スケジューリング判断を行う場合に、ネットワーク・デバイスは、
図14に示すように、訓練されたニューラル・ネットワークを使用してもよい。例えば、予め設定されたシナリオにおけるスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量は、実際の使用シナリオにおけるスケジューリングされる対象の端末デバイスの数量とは異なる場合がある。
【0175】
[0182] 代替的に、本願の任意の実施形態において、ニューラル・ネットワークのためにオンライン訓練方法が使用されてもよい。例えば、ニューラル・ネットワークを使用することによってスケジューリング判断を行った後、ネットワーク・デバイスは、判断結果のゲインを決定し、ゲインに基づいてニューラル・ネットワークのパラメータを調整し、反復的な方法で環境と相互作用し、ニューラル・ネットワークのパラメータを連続的に調整して、より大きなゲインを取得する。収束の後、より良いスケジューリング・ポリシーが得られる可能性がある。
【0176】
[0183] 本願の実施形態で提供される方法における機能を実現するために、ネットワーク・デバイスは、ハードウェア構造及び/又はソフトウェア・モジュールを含み、ハードウェア構造、ソフトウェア・モジュール、又はハードウェア構造とソフトウェア・モジュールの組み合わせの形態で機能を実現することが可能である。前述の複数の機能のうちの或る機能は、ハードウェア構造、ソフトウェア・モジュール、又はハードウェア構造とソフトウェア・モジュールの両方、の形態で実行されるかどうかは、技術的解決策の具体的なアプリケーション及び設計制約条件に依存する。
【0177】
[0184]
図15に示すように、本願の実施形態は、同じ技術的概念に基づいてスケジューリング装置1500を更に提供する。装置1500は、ネットワーク・デバイス、ネットワーク・デバイス内の装置(例えば、チップ、チップ・システム、チップ・グループ、又はチップ内の一部分であって、関連する方法機能を実行するように構成されているもの)、又は使用のためにネットワーク・デバイスに適合することが可能な装置であってもよい。設計において、装置1500は、前述の方法の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される方法/演算/ステップ/動作に対応するモジュールを含む可能性がある。モジュールは、ハードウェア回路又はソフトウェアであってもよいし、又はソフトウェアとの組み合わせによるハードウェア回路によって実装されてもよい。設計において、装置は、処理ユニット1501と通信ユニット1502を含んでもよい
[0185] 実装において、スケジューリング装置は、
図5の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するように具体的に構成されてもよい。通信ユニット5102は、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、処理ユニットに入力するように構成されている。処理ユニット1501は、スケジューリング・モデルをM回使用するように構成されており、ここで、スケジューリング・モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報がスケジューリング・モデルに入力され、スケジューリング・モデルはK個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力し、スケジューリング・モデルは、毎回入力される数量Kの端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり、Mは1以上の整数であり、Kは1より大きな整数であり、nはKより大きな整数であり、処理ユニットは、スケジューリング・モデルのM個の出力に基づいて判断結果を決定するように構成されており、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。通信ユニット1502は判断結果を出力するように更に構成されている。
【0178】
[0186] 例えば、処理ユニット1501は判断モジュールを含む可能性があり、判断モジュールは、端末デバイスのスケジューリング・ウェイトに基づいて、スケジューリングされた端末デバイスを決定するように構成されている。スケジューリング・モデルのM個の出力に基づいて判断結果を決定する場合に、具体的には:処理ユニット1501は、判断モジュールをM回使用するように構成されており、判断モジュールがi回目に使用される場合に、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に出力されたスケジューリング・ウェイトが、判断モジュールに入力され、判断モジュールは、スケジューリング・モデルがi回目に使用される場合に入力される、K個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスを出力し、i = {1, 2, 3, ..., M}であり、判断モジュールは、端末デバイスのスケジューリング・ウェイトn基づいて、スケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するように構成されており;処理ユニットは、スケジューリング・モデルが使用される度に入力されるK個の端末デバイス内のスケジューリングされた端末デバイスに基づいて、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するように構成されており、Lは正の整数であり;処理ユニットは、LがK以下である場合に、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されており;及び処理ユニットは、L個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに対応するスケジューリング・ウェイトを、判断モジュールに入力して、判断結果を取得するように構成されている。
【0179】
[0187] 例えば、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報がスケジューリング・モデルに入力され、スケジューリング・モデルがK個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを出力する場合に、具体的に:処理ユニット1501は、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイス内のK個の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のためにスケジューリング・モデルの入力層に入力するように構成されており;処理ユニットは、次元変換が実行されたK個の端末デバイスのステータス情報を、特徴抽出のためにスケジューリング・モデルの隠れ層に入力するように構成されており、スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含み;及び処理ユニットは、隠れ層により抽出された特徴を、スケジューリング・モデルの出力層に入力して、K個の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されている。
【0180】
[0188] 例えば、入力層のサイズはK×Mであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である。
【0181】
[0189] 例えば、スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×alであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、alは正の整数である。
【0182】
[0190] Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である。
【0183】
[0191] 例えば、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0184】
[0192] 別の実装において、スケジューリング装置は、
図7の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するように具体的に構成されてもよい。通信ユニット1502は、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、処理ユニットに入力するように構成されている。処理ユニット1501は、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択するように構成されており、Kは1より大きな整数であり、nはK以上の整数であり;処理ユニットは、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されており、スケジューリング・モデルは、数量Kの選択された端末デバイスに基づいて取得されるニューラル・ネットワーク・モデルであり;処理ユニットは、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するように構成されており、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。通信ユニット1502は判断結果を出力するように更に構成されている。
【0185】
[0193] 例えば、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスから、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを選択する場合に、処理ユニット1501は、具体的には、ステータス情報における少なくとも1つのパフォーマンス・パラメータに基づいて、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスをソーティングし;及びソーティングされたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスに基づいて、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスを決定するように構成されている。
【0186】
[0194] 例えば、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、スケジューリング・モデルに入力する場合に、具体的に、処理ユニット1501は、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、次元変換のためにスケジューリング・モデルの入力層に入力するように構成されており;処理ユニットは、次元変換が実行されたK個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、特徴抽出のためにスケジューリング・モデルの隠れ層に入力するように構成されており、スケジューリング・モデルは1つ以上の隠れ層を含み;処理ユニットは、隠れ層により抽出された特徴を、スケジューリング・モデルの出力層に入力して、K個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応するスケジューリング・ウェイトを取得するように構成されている。
【0187】
[0195] 入力層のサイズはK×Mであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量である。
【0188】
[0196] スケジューリング・モデルのl番目の隠れ層におけるニューロンの数量はK×M×alであり、Mはステータス情報に含まれるパフォーマンス・パラメータの数量であり、alは正の整数である。
【0189】
[0197] Kは、ネットワークにおけるアクティブ・ユーザーの可能な最小数である。
【0190】
[0198] 例えば、前記ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0191】
[0199] 別の実装において、スケジューリング装置は、
図8の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するように具体的に構成されてもよい。通信ユニット1502は、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、処理ユニット1501に入力するように構成されている。処理ユニットは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力して、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスにそれぞれ対応する第1データを取得するように構成されており、第1データは、第1データに対応する端末デバイスのステータス情報が、別の端末デバイスのステータス情報に関連付けられた後に取得されるデータであり、nは1以上の整数であり;処理ユニットは、第2モジュールをn回使用するように構成されており、第2モデルが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つに対応する第1データが、第2モジュールに入力され、第2モジュールは端末デバイスのスケジューリング・ウェイトを出力し、第2モジュールはスケジューリング・ウェイトを決定するように構成されており;処理ユニットは、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのスケジューリング・ウェイトに基づいて判断結果を決定するように構成されており、判断結果はスケジューリングされた端末デバイスを示す。通信ユニット1502は判断結果を出力するように更に構成されている。例えば、スケジューリング・モデルは、第3モジュールを更に含み、第3モジュールは、特徴抽出を実行するように構成されている。
【0192】
[0200] 例えば、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力する前に、処理ユニット1501は、第3モジュールをn回使用するように構成されており、第3モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第3モジュールに入力され、第3モジュールは端末デバイスの第2データを出力する。
【0193】
[0201] n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのステータス情報を、関連付けのためにスケジューリング・モデルの第1モジュールに入力する場合に、処理ユニット1501は、具体的には、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスの第2データを、関連付けのために第1モジュールに入力するように構成されていてもよい。
【0194】
[0202] 例えば、スケジューリング・モデルは、第4モジュールを更に含み、第4モジュールは、次元拡張を実行するように構成されている。
【0195】
[0203] 例えば、第3モジュールをn回使用する前に、処理ユニット1501は、第4モジュールをn回使用するように更に構成されており、第4モジュールが使用される度に、n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報が、第4モジュールに入力され、第4モジュールは、次元拡張により取得された端末デバイスのステータス情報を出力する。
【0196】
[0204] n個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報を、第3モジュールに入力する場合に、処理ユニット1501は、具体的には、次元拡張により取得されたn個のスケジューリングされる対象の端末デバイスのうちの1つのステータス情報を、第3モジュールに入力するように構成されていてもよい。
【0197】
[0205] 例えば、ステータス情報は、以下のパフォーマンス・パラメータのうちの少なくとも1つを含む:端末デバイスの推定されたスループット、端末デバイスの平均スループット、端末デバイスのキャッシュ・キューの長さ、端末デバイスのパケット遅延、端末デバイスの識別子、端末デバイスのパケット損失率、チャネル品質、及び端末デバイスのスループット履歴。
【0198】
[0206] 処理ユニット1501及び通信ユニット1502は、前述の方法の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される他の対応するステップ又は動作を実行するように更に構成されていてもよい。詳細はここで再度説明されない。
【0199】
[0207] 本願の実施形態におけるモジュールへの分割は、例示であり、単なる論理的な機能分割であるに過ぎず、実際の実装の際には別の分割方法であってもよい。更に、本願の実施形態における機能モジュールは、1つのプロセッサに統合されてもよいし、又は物理的に単独で存在してもよいし、又は2つ以上のモジュールが1つのモジュールに統合されてもよい。統合モジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよいし、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。
【0200】
[0208]
図16は、本願の実施形態による装置1600を示し、前述の方法におけるスケジューリング装置1500の機能を実現する。装置は、ネットワーク・デバイス、ネットワーク・デバイス内の装置(例えば、チップ、チップ・システム、チップ・グループ、又はチップ内の一部分であって、関連する方法機能を実行するように構成されているもの)、又は使用のためにネットワーク・デバイスに適合することが可能な装置であってもよい。装置はチップ・システムであってもよい。本願の実施形態において、チップ・システムは、チップを含んでもよいし、又は、チップ及び別のディスクリート構成要素を含んでもよい。装置1600は、本願の実施形態で提供される方法におけるネットワーク・デバイスの機能を実現するように構成された少なくとも1つのプロセッサ1620を含む。装置1600は、通信インターフェース1610を更に含んでもよい。本願の実施形態において、通信インターフェース1610は、トランシーバ、回路、バス、モジュール、又はその他のタイプの通信インターフェースであってもよく、また、伝送媒体を使用することによって他のデバイスと通信するように構成される。プロセッサ1620は、通信インターフェース1610を介してデータを受信及び送信し、方法の実施形態におけるネットワーク・デバイスによって実行される方法を実現するように構成されている。プロセッサ1620は、例えばM回の間にスケジューリング・モデルを使用するように構成される。プロセッサ1620及び通信インターフェース1610は、前述の方法の実施形態においてネットワーク・デバイスによって実行される他の対応するステップ又は動作を実行するように更に構成されていてもよい。詳細はここで再度説明されない。
【0201】
[0209] 装置1600は、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成された少なくとも1つのメモリ1630を更に含んでもよい。メモリ1630はプロセッサ1620に結合される。本願の実施形態におけるカップリングは、装置、ユニット、又はモジュール間の間接的なカップリング又は通信接続であり、電気的、機械的、又はその他の形態であってもよく、装置、ユニット、又はモジュール間での情報交換のために使用される。プロセッサ1620は、メモリ1630と協働してもよい。プロセッサ1620は、メモリ1630に記憶されたプログラム命令を実行してもよい。少なくとも1つのメモリのうちの少なくとも1つは、プロセッサに含まれてもよい。
【0202】
[0210] 通信インターフェース1610、プロセッサ1620、及びメモリ1630間の具体的な接続媒体は、本願の実施形態では限定されない。本願の実施形態では、
図16において、メモリ1630、プロセッサ1620、及び通信インターフェース1610は、バス1640を介して接続される。バスは、
図16の太線で表現されている。他の構成要素間の接続方法は、単に一例として説明されており、本件では限定されない。バスは、アドレス・バス、データ・バス、制御バス等に分類することが可能である。表現を簡単にするために、
図16ではバスを表すために1本の太線のみが使用されるが、これは唯1つのバス、又は唯1種類のバスしかないことを意味している訳ではない。
【0203】
[0211] 実施形態において、装置1500及び装置1600が特にチップ又はチップ・システムである場合、通信モジュール1501及び通信インターフェース1610によって出力又は受信される情報は、ベースバンド信号の形態である可能性がある。例えば、装置1500及び装置1600がネットワーク・デバイスの機能を実現する場合に、通信インターフェース1610は、情報を伝送するベースバンド信号を受信する。
【0204】
[0212] 実施形態において、装置1500及び装置1600が特に装置である場合、通信インターフェース1610は、無線周波数信号を出力又は受信する可能性がある。例えば、装置1500及び装置1600がネットワーク・デバイスの機能を実現する場合、通信インターフェース1610は、情報を搬送する無線周波数信号を受信する。
【0205】
[0213] 本願の実施形態において、プロセッサは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ又はその他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理デバイス、又は個別ハードウェア構成要素であってもよいし、本願の実施形態において開示される方法、ステップ、及び論理ブロック図を実現又は実行してもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、任意の従来のプロセッサ等とすることが可能である。本願の実施形態を参照して開示される方法のステップは、ハードウェア・プロセッサによって直接的に実行され達成されてもよいし、又はプロセッサ内のハードウェア及びソフトウェア・モジュールの組み合わせを使用することによって実行され達成されてもよい。
【0206】
[0214] 本願の実施形態において、メモリは、不揮発性メモリ、ハード・ディスク・ドライブ(hard disk drive, HDD)又はソリッド・ステート・ドライブ(solid-state drive, SSD)であってもよいし、又は揮発性メモリ(volatile memory)、例えばランダム・アクセス・メモリ(random access memory, RAM)であってもよい。メモリは、命令又はデータ構造の形態で、予定されているプログラム・コードを搬送又は記憶するために使用することが可能な任意の他の媒体であって、コンピュータによってアクセスされることが可能なものである。しかしながら、これは本件で限定されない。本願の実施形態におけるメモリは、代替的に、記憶機能を実装することが可能な回路その他の任意の装置であって、プログラム命令及び/又はデータを記憶するように構成されたものであってもよい。
【0207】
[0215]
図17は、本願の実施形態によるネットワーク・デバイスの構造の概略図、例えば、基地局の構造の概略図である。
図17に示すように、ネットワーク・デバイスは、
図1に示すシステムに適用されてもよく、
図5ないし
図14の方法の実施形態におけるネットワーク・デバイスの機能を実行する。基地局170は、1つ以上の分散されたユニット(distributed unit, DU)1701と、1つ以上のセントラル化されたユニット(centralized unit, CU)1702を含んでもよい。DU 1701は、少なくとも1つのアンテナ17011、少なくとも1つの無線周波数ユニット17012、少なくとも1つのプロセッサ17017、及び少なくとも1つのメモリ17014を含んでもよい。DU 1701は、無線周波数信号を送受信し、無線周波数信号とベースバンド信号との間の変換を実行し、一部のベースバンド処理を実行するように主に構成されている。CU 1702は、少なくとも1つのプロセッサ17022と、少なくとも1つのメモリ17021を含んでもよい。CU 1702は、インターフェースを介してDU 1701と通信することが可能である。制御プレーン(Control plane)インターフェースは、Fs-C、例えばF1-Cであってもよく、ユーザー平面(User Plane)インターフェースは、Fs-U、例えばF1-Uであってもよい。
【0208】
[0216] CU 1702は、ベースバンド処理を実行し、基地局を制御すること等を行うように主に構成されている。DU 1701及びCU 1702は、物理的に一緒に配置されてもよいし、又は物理的に分離されてもよく、即ち、分散型基地局におけるものであってもよい。CU 1702は、基地局の制御センターであり、処理ユニットと言及されてもよく、ベースバンド処理機能を実現するように主に構成されている。例えば、CU 1702は、
図5ないし
図14における前述の方法の実施形態におけるネットワーク・デバイスに関連する動作手順を実行するために、基地局を制御するように構成されてもよい。
【0209】
[0217] 具体的には、CUとDUのベースバンド処理は、無線ネットワークのプロトコル層に基づいて分割されていてもよい。例えば、PDCP層とPDCP層より上位の層の機能はCUに設定され、PDCP層より下位のプロトコル層、例えばRLC層やMAC層の機能はDUに設定される。他の例に関し、CUはRRC層とPDCP層の機能を実装し、DUはRLC層、MAC層、及び物理(physical, PHY)層の機能を実装する。
【0210】
[0218] 更に、オプションとして、基地局170は、1つ以上の無線周波数ユニット(RU)、1つ以上のDU、及び1つ以上のCUを含む可能性がある。DUは、少なくとも1つのプロセッサ17017と、少なくとも1つのメモリ17014を含む可能性があり、RUは、少なくとも1つのアンテナ17011と少なくとも1つの無線周波数ユニット17012を含む可能性があり、CUは、少なくとも1つのプロセッサ17022と少なくとも1つのメモリ17021を含む可能性がある。
【0211】
[0219] 実施形態において、CU 1702は1つ以上の基板を含む可能性がある。複数の基板は協働して、単一のアクセス規格の無線アクセス・ネットワーク(例えば、5Gネットワーク)をサポートしてもよいし、又は異なるアクセス規格の無線アクセス・ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワーク、又はその他のネットワーク)をそれぞれサポートしてもよい。メモリ17021及びプロセッサ17022は、1つ以上の基板に応対してもよい。換言すれば、メモリ及びプロセッサは、各基板に配置されてもよい。代替的に、複数の基板は、同じメモリ及び同じプロセッサを共有する可能性がある。更に、必要な回路が各基板に更に配置されてもよい。DU 1701は、1つ以上の基板を含む可能性がある。複数のボードは協働して、単一のアクセス規格の無線アクセス・ネットワーク(例えば、5Gネットワーク)をサポートしてもよいし、又は異なるアクセス規格の無線アクセス・ネットワーク(例えば、LTEネットワーク、5Gネットワーク、又はその他のネットワーク)をそれぞれサポートしてもよい。メモリ17014及びプロセッサ17017は、1つ以上の基板に応対してもよい。換言すれば、メモリ及びプロセッサは、各基板に配置されてもよい。代替的に、複数の基板は、同じメモリ及び同じプロセッサを共有する可能性がある。更に、必要な回路が各基板に更に配置されてもよい。
【0212】
[0220] 本願の実施形態はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を更に提供する。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータ・プログラムを記憶する。コンピュータ・プログラムが通信装置によって実行されると、通信装置はスケジューリング方法を実行する。例えば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよい。限定ではない一例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM又はその他の光ディスク記憶ストレージ、ディスク記憶媒体又はその他のディスク・ストレージ・デバイス、又はその他の任意の媒体であって、命令構造又はデータ構造の形態で予定されているされているプログラム・コードを搬送又は記憶することが可能であり、コンピュータによってアクセスすることが可能なものを含む可能性がある。本願の実施形態は、更に、コンピュータ・プログラム製品を提供する。コンピュータ・プログラム製品が通信装置によって実施されると、通信装置はスケジューリング方法を実行する。例えば、コンピュータ・プログラム製品は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体を含むコンピュータ・プログラム製品であってもよい。
【0213】
[0221] 当業者は、本願の実施形態が、方法、システム、又はコンピュータ・プログラム製品として提供される可能性があることを、当業者は理解するはずである。従って、本願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせによる実施形態を使用する可能性がある。更に、本願は、コンピュータ使用可能プログラム・コードを含む、1つ以上のコンピュータ使用可能記憶媒体(ディスク・メモリ、CD-ROM、光メモリなどを含むが、これらに限定されない)において実装されるコンピュータ・プログラム製品の形態を使用する可能性がある。
【0214】
[0222] 本願は、本願による方法、デバイス(システム)、及びコンピュータ・プログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明されている。コンピュータ・プログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図の各手順及び/又は各ブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図の手順及び/又はブロックの組み合わせを実施するために使用される可能性があることは理解されるべきである。これらのコンピュータ・プログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋め込みプロセッサ、又は別のプログラマブル・データ処理デバイスのプロセッサに提供されて、マシンを生成することが可能であり、その結果、別のプログラマブル・データ処理デバイスのコンピュータ又はプロセッサによって実行される命令は、フローチャートの1つ以上の手順において、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて、特定の機能を実現するための装置を生成する。
【0215】
[0223] 代替的に、これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ又はその他のプログラマブル・データ処理デバイスが特定の方法で動作することを指示することが可能なコンピュータ読み取り可能なメモリに格納されてもよく、その結果、コンピュータ読み取り可能なメモリに格納された命令は、命令装置を含む人工生成物を生成する。命令装置は、フローチャートの1つ以上の手順、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて、特定の機能を実行する。
【0216】
[0224] これらのコンピュータ・プログラム命令は代替的にコンピュータ又は別のプログラマブル・データ処理デバイスにロードされ、その結果、一連の動作及びステップがコンピュータ又は別のプログラマブル・デバイスで実行されて、コンピュータに実装された処理を生じさせることが可能である。従って、コンピュータ又は別のプログラマブル・デバイスにおいて実行される命令は、フローチャートの1つ以上の手順、及び/又はブロック図の1つ以上のブロックにおいて、特定の機能を実現するためのステップを提供する。
【0217】
[0225] 本願の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者は種々の修正及び変更を本件に対して行うことが可能である、ということは明らかである。本願は、本願の修正及び変形を、それらが以下のクレーム及び本願の同等な技術の範囲内にあることを条件として、カバーするように意図されている。