(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】食品を貯蔵するための真空引出し装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/919 20170101AFI20240123BHJP
A47B 88/90 20170101ALI20240123BHJP
A47B 77/16 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A47B88/919
A47B88/90
A47B77/16
(21)【出願番号】P 2022534820
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(86)【国際出願番号】 EP2020084939
(87)【国際公開番号】W WO2021116043
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-08-01
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ベアチー
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/141574(WO,A1)
【文献】特表2021-510590(JP,A)
【文献】特開2009-036457(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02672208(EP,A2)
【文献】特開2004-036917(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0184693(US,A1)
【文献】独国実用新案第202017006169(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
F25D 25/02
B65B 31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空引出し装置(0)であって、引出し運動方向(S)に線形に可動の引出し(3)を備え、該引出し(3)は、少なくとも1つの引出し内室(R)を有し、該引出し内室(R)は、前記引出し運動方向(S)に対して垂直に延びる昇降方向(H)への、電気式の昇降手段(7)によって制御された昇降運動にて、空気密に構成された蓋(2)によって閉鎖可能であり、該蓋(2)は、蓋内部に延びる少なくとも1つの空気通路(11’)を有し、該空気通路(11’)は、前記蓋(2)の載置時に空気が前記少なくとも1つの引出し内室(R)から前記少なくとも1つの空気通路(11’)を通して吸引可能であるように、電気式の排気手段に作用接続され、
前記引出し(3)の引出し壁(30)の蓋側に、前記引出し(3)の内周全体を取り囲むように、少なくとも1つのシール金具(D)が配置されており、該少なくとも1つのシール金具(D)は、前記引出し(3)の2つの引出し壁(30)の間に張設されて、前記蓋(2)に向けられた側に延びており、これによって、該蓋(2)が
、前記引出し(3)の閉鎖位置で前記シール金具(D)上に載置され、前記蓋(2)の下側に位置している前記引出し内室(R)の排気が達成可能であることを特徴とする、真空引出し装置(0)。
【請求項2】
前記引出し(3)の内周全体を取り囲むように配置された少なくとも1つのシール金具(D)に加えて、互いに交差する少なくとも2つのシール金具(D)が、2つの引出し壁(30)の間にさらに張設されており、前記シール金具(D)によって、前記引出し内室(R)の開口が仕切られて、コンテナ用の2つよりも多くの貯蔵区分が、前記引出し(3)の内部の前記引出し内室(R)内に形成されている、請求項1記載の真空引出し装置(0)。
【請求項3】
前記シール金具(D)は、空気密なシール山形材として形成されており、該シール山形材は、前記引出し内室(R)において少なくとも片側で不動に前記引出し壁(30)に固定されている、請求項1または2記載の真空引出し装置(0)。
【請求項4】
前記シール金具(D)は、前記引出し壁(30)における引出し縁部(X)と面一に環状にかつ互いに隣接する少なくとも2つの引出し縁部(X)の間に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の真空引出し装置(0)。
【請求項5】
前記シール金具(D)は、前記引出し壁(30)における引出し縁部(X)の外側に、かつ、当該引出し縁部(X)から離間させられて配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の真空引出し装置(0)。
【請求項6】
前記シール金具(D)の下側で該シール金具(D)と前記引出し(3)の底部との間に前記引出し内室(R)を通って延びるように少なくとも1つの空気密な中間壁(Z)が配置されており、これによって、互いに分離された空気密な引出し内室区分が形成可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載の真空引出し装置(0)。
【請求項7】
それぞれ異なる引出し内室区分に通じるように複数の空気通路(11’)を配置することによって、それぞれ異なる引出し内室区分にそれぞれ異なる負圧を得ることができる、請求項6記載の真空引出し装置(0)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空引出し装置であって、引出し運動方向(Schubbewegungsrichtung)に線形(linear)に可動の引出しを備え、この引出しは、少なくとも1つの引出し内室を有し、この引出し内室は、引出し運動方向(S)に対して垂直に延びる昇降方向への、電気式の昇降手段(7)によって制御された昇降運動にて、空気密に構成された蓋によって閉鎖可能であり、この蓋は、蓋内部に延びる少なくとも1つの空気通路を有し、この空気通路は、蓋の載置時に空気が少なくとも1つの引出し内室から少なくとも1つの空気通路を通して吸引可能であるように、電気式の排気手段に作用接続されている、真空引出し装置に関する。
【0002】
背景技術
近年、食品の貯蔵は、特に家庭において真空引出し装置によってサポートされるようになっており、このことは、将来的に幾つかの冷蔵庫を不要にする。
【0003】
まず、独国特許第202017006169号明細書に、概して、引出しと蓋とを備えた真空引出し装置が開示された。この真空引出し装置では、ポンプによって、引出し内室内に負圧を形成することができる。真空引出し装置は、壁と引出し内室Rとを備えた引出しを備えており、引出しは蓋に作用接続可能であり、引出し用キャビネットの内部で線形に可動に支持されている。しかしながら、引出し、蓋、昇降手段および排気手段に関するより正確な詳細は、独国特許第202017006169号明細書では十分に明らかになっていない。
【0004】
国際公開第2019/141574号では、引出し内室は、複数のコンテナが引出しの内部に整然と位置決めされて配置されているように構成されており、コンテナは常に等しい高さを有していて、また、例えば環状のフランジ状の縁部をも有している。このようなコンテナは公知であり、食品コンテナという名前で販売されている。これらのコンテナの内室は、全引出し内室Rを形成していて、すべての個々のコンテナ内室は、蓋によって閉鎖され、全体が排気される。しかしながら、使用者は、コンテナの形態、使用されるコンテナの量およびコンテナの位置決めに左右されず、それにもかかわらず、排気が可能であることを望んでいることが多い。このことは不可能である。
【0005】
発明の概要
本発明の課題は、引出し、蓋、昇降手段および排気手段を備えた真空引出し装置を改良して、真空引出し装置が、自動化されて排気可能かつ通気可能であり、任意に成形されていて、規格化されていない容器が、それぞれ異なるサイズおよび数でも使用可能であり、これによって、対応するコンテナ内室が排気可能となるようにすることである。
【0006】
このことは、請求項1の特徴を有する装置によって実現される。
【0007】
さらに、ただ1つの蓋しか使用せずに、個々のコンテナ内室にそれぞれ異なる負圧が得られることが可能となることが望ましい。
【0008】
本発明の特徴の組合せの変化形態もしくは本発明のほんの僅かな適合は、詳細な説明に認めることができ、図面に示してあり、従属請求項に組み込んである。
【0009】
以下に、本発明の対象を添付の図面と関連させて詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】引出し用キャビネットにおける、従来技術に基づいて公知の真空引出し装置を、引出しの開放状態で示す斜視図である。
【
図2】引出し用キャビネットにおける、
図1に示した真空引出し装置を、真空引出し装置の閉鎖状態で、部分的に概略的に示す縦断面図である。
【
図3】改良形態の引出しを備えた真空引出し装置を示す斜視図である。
【
図4】
図3に示した真空引出し装置を、引出しの閉鎖位置で示す断面図である。
【
図5a】環状のシール金具と互いに交差する2つのシール金具とを備えた真空引出し装置を示す斜視図である。
【
図5b】シール金具に付加的に中間壁が引出し内室に組み込まれている、
図5aに示した真空引出し装置を示す斜視図である。
【0011】
説明
国際公開第2019/141574号の従来技術に基づいて公知のように、真空引出し装置は全体を0で示してある。この真空引出し装置0は、破線で示してある引出し3と、蓋2とを備えている。引出し3は、蓋2に作用接続可能であり、引出し用キャビネット9の内部に線形に可動に支持されている。引出し用キャビネット9は、外装を形成しており、この外装内には、蓋2と引出し3とが保護されて可動に支持されている。引出し3は、複数の壁と、少なくとも1つの引出し内室Rとを備えており、線形の引出し運動方向Sで開閉運動可能に支持されていて、排気可能に構成されている。従来技術によれば、引出し3は、引出しガイド31’に線形に可動に支持されており、これによって、引出し3は、開放位置と閉鎖位置とに移動可能である。排気可能な引出し内室Rは、複数のコンテナ14によって形成されており、これらのコンテナ14は、引出し3の内部に位置決めされて配置されていて、それぞれ等しい高さを有しているが、様々なサイズを有している。好ましくは、コンテナ14は、食品コンテナとして形成されており、食品コンテナの内室は、引出し内室R全体を形成していてよく、この引出し内室Rは、蓋2によって閉鎖可能であり、排気可能である。コンテナ14は、引出し3内に支持されていて、引出し3と一緒に可動であるが、取出し可能であってもよい。
【0012】
引出し内室Rを排気するための核心は、引出し用キャビネット9の内部に可動に配置された蓋2である。この蓋2は、空気密に構成されていて、昇降方向Hで引出し運動方向Sに対して垂直に引出し3上に下降可能に支持されている。蓋2に接してまたは蓋2内にかつ引出し用キャビネット9の内部には、昇降手段7が配置されており、この昇降手段7は、蓋2を昇降方向Hで可動に引出し用キャビネット9の内部に保持している。蓋2は、引出し3に向けられた蓋面でコンテナ14の縁部に載置されてよく、これによって、少なくとも1つの引出し内室Rが閉鎖可能である。蓋2は、引出し用キャビネット9および引出し3に対して相対的に可動に支持されている。閉鎖は、引出し3の閉鎖位置でしか行われず、
図1に示した引出し3の開放位置では、蓋2は引出し3を完全に開放している。
【0013】
昇降手段7として、図示の構成では、複数のサーボモータ7が、引出し用キャビネット9の内部の昇降手段に作用接続されて、蓋2に固定されている。回転可能なサーボディスク71’が、それぞれねじを介してキャビネット9の内部の支持スリーブ72’によって保持されていて、蓋2は、引出し3もしくはコンテナ14から逆向きに制御されて上昇可能に、かつ引出し3もしくはコンテナ14上に下降可能に配置されている。これによって、引出し3の引出し運動方向Sに対して垂直な昇降方向Hへの蓋2の昇降運動が発生する。真空引出し装置0の引出し3の内部のコンテナ14は、使用者が手によって引出し3を閉鎖し、蓋2が引出し3の閉鎖位置でコンテナ14上に下降し、コンテナ14を上方から空気密に閉鎖することによって、従来の引出しとは異なり上向きに閉鎖することができる。蓋2の前面には、閉鎖位置センサ6と、操作スイッチ/オンオフスイッチ15と、近接センサ18とが取り付けられている。
【0014】
図2に示すようにコンテナ14は、引出し3の閉鎖位置の間中、引出し用キャビネット9の内部に位置しており、蓋2はこの状況でコンテナ14上に載置されていて、これによって、コンテナ内室Rを上方から空気密に閉鎖している。
【0015】
蓋2は、ポンプ1の形態の排気手段と、圧力センサ16と、弁4とが、蓋2に設けられた少なくとも1つの切欠きA内に組み込まれて固定されているように成形されている。また、図示の構成では、排気手段および昇降手段を自動化するための制御装置8も蓋2内に組み込まれている。しかしながら、制御装置8は、蓋2の外側で引出し用キャビネット9に固定されていてもよい。成形された蓋2は、排気手段のためのフレーム17を形成している。蓋2は、図示の構成では、一例として、成形体もしくはフレーム17と発泡材層22’とを備えている。しかしながら、蓋2は、1つの材料から一体に製造されていてもよい。コンテナ14に向けられた下面には、空気密なダイヤフラム21’が配置されている。蓋2によって引出し3の開口もしくはコンテナ14の開口に載置される空気密なダイヤフラム21’によって、コンテナ内室Rを空気密に閉鎖することができる。空気密なダイヤフラム21’は、各々のコンテナ内室Rに対して空気流入開口23’を有している。これらの空気流入開口23’は、直接空気通路11’に通じているか、または発泡材層22’を通って間接的に空気通路11’に通じている。空気通路11’は、蓋2を少なくとも部分的に横切っていて、蓋2から外向きに延びている。空気通路11’は、少なくとも1つの空気流入開口23’に接続されているので、空気を空気流入開口23’から空気通路11’を通して、蓋2から外向きに案内することができる。
【0016】
空気を、空気通路11’を通して取り出すために、空気通路11’は、内部に排気手段が配置されている蓋内部もしくは切欠きAに接続されている。蓋2が引出し3もしくはコンテナ14上に載置されると、空気は少なくとも1つの引出し内室Rから空気通路11’を通して、制御装置8によって制御されて吸引される。蓋2は、部材の組込みによって極めてコンパクトに構成されていて、単に制御ケーブル11だけが、蓋2もしくは発泡材層22’を通って延びていて、1つのケーブルが蓋2から給電ユニットに延びている。
【0017】
引出し3を開放方向で閉鎖している前板13には、その外側に取っ手12が配置されており、さらに、蓋2の前面には、取っ手12に位置合わせされて、近接センサ18と閉鎖位置センサ6とが配置されている。
【0018】
必要な電流は、蓋2が、給電ユニットに接続された電流ケーブル10によって接続されていることにより、蓋2にされるかもしくはコンテナ内室R内の真空を制御するための引出し用キャビネット9内の機器に供給される。
【0019】
制御装置8は、近接センサ18によって、引出し3が開放しているかまたは閉鎖しているかを認識することができる。近接センサ18は、制御ケーブル11を介して制御装置8に接続されている。さらに、制御装置8は、圧力センサ16によって引出し3の少なくとも1つのコンテナ内室Rにおける内圧を監視する。付加的に、制御装置8は、真空ポンプ1および電磁弁4の調整を引き受ける。真空ポンプ1に接続された空気ホースもしくは空気通路11’を通して、引出し3から抜き取られた空気は周囲に放出され、このことは、
図2で破線の矢印によって示されている。
【0020】
下記の改良形態は、真空引出し装置0であって、引出し運動方向Sに線形に可動の引出し3を備えており、この引出し3は、少なくとも1つの引出し内室Rを有しており、この引出し内室Rは、引出し運動方向Sに対して垂直に延びる昇降方向Hへの、電気式の昇降手段7によって制御された昇降運動にて、空気密に構成された蓋2によって閉鎖可能であり、この蓋2は、蓋内部に延びる少なくとも1つの空気通路11’を有しており、この空気通路11’は、引出し3上への蓋2の載置時に空気が少なくとも1つの引出し内室Rから少なくとも1つの空気通路11’を通して自動的に吸引可能であるように、電気式の排気手段に作用接続されている、真空引出し装置0をベースにしている。蓋2もしくは昇降手段7は、図示の構成では、組付け山形材19によって引出し用キャビネット9に固定されている。ほとんどの部材は、
図1および
図2に示した真空引出し装置0に示してあるが、引出し3はさらに改良されているので、コンテナ14の形態に左右されずに、食品は引出し内室R内で排気されて貯蔵可能である。
【0021】
蓋2と、引出し3に設けられた載置手段とは、蓋2が引出し3上に間接的に載置可能であるように構成されている。そのために、シール金具Dが引出し内壁30に沿って引出し3の蓋側に配置されている。空気密に構成されていて、好ましくは金属山形材を備えている1つまたは複数のシール金具Dは、引出し3の内周全体を取り囲むように配置されているか、接着されているか、またはねじ結合されている。相応に少なくとも1つのこのシール金具Dは、縁延び(randlaeufig)と呼ぶことができる。
【0022】
蓋2が昇降手段7によって閉鎖位置にもたらされると、蓋2はシール金具D上に載置され、蓋2の下側に位置している引出し内室Rの排気が達成可能である。引出し縁部Xと同じ高さに配置された環状のシール金具Dのほかに、引出し周囲を横切るシール金具Dも配置されていてよい。これらのシール金具Dは、互いに向かい合って位置している2つの引出し壁30の間で、引出し3の、蓋2に向けられた側に張設されている。シール金具Dはまた、直接隣接して位置している引出し壁30の間にも張設されていてよい。
【0023】
空の引出し内室Rは、異なるコンテナ内で食品によって満たすことができ、コンテナサイズは、シール金具Dの間の間隔よりも小さいことが望ましい。蓋2は、シール金具D上に密に載置されているので、コンテナ14はフランジを有する必要がなく、また最小サイズをも有する必要がない。
【0024】
図4において認識できるように、シール金具Dは、引出し3の引出し壁30における引出し縁部Xと面一に環状にかつ互いに隣接する少なくとも2つの引出し縁部Xの間に配置されている。図示の構成では、前板13は、延長された引出し壁30として形成されているが、シール金具Dは、周りに位置している引出し縁部Xの高さに配置されており、このことは、蓋2が相応に前板13を越えて突出していない場合には問題にならない。
【0025】
蓋2には、引出し内室Rに向けられた側に、シール手段24’が配置されており、このシール手段24’は、蓋2が閉鎖位置にある場合に、つまり昇降方向Hで引出し内室Rの方向に移動させられている場合に、シール金具Dに作用接続されている。シール手段24’としては、空気密なシールを達成することができる単層または多層のプラスチック層を使用することができる。
【0026】
しかしながら、またシール金具Dは、引出し縁部Xから離間させられて引出し内室Rを越えて突出するように延びている引出し壁30に配置されていてもよい。空気密なシールを達成するために、空気密なシール金具Dは、山形材として形成されていることが望ましく、このとき、山形材の一方の脚は、引出し3から鉛直に延びていて、山形材の他方の脚は、蓋2もしくはシール手段24’用の載置部として働く。
【0027】
シール作用をさらに高めるために、
図5aに示すように、互いに交差する複数のシール金具Dが、引出し3の、互いに向かい合って位置している2つの引出し壁30の間に張設されて配置されてよい。内周に沿って環状に延びるシール金具Dのほかに、交差部が形成されているので、コンテナのための全部で4つの貯蔵区分が引出し3の内部に画定されて得られる。
【0028】
互いに空気密に閉鎖可能な複数の貯蔵区分を得るために、互いに交差するシール金具Dの下でシール金具Dと引出し3の底部との間に、引出し内室Rを貫いて延びるように、空気密な中間壁が配置されてよい。このとき、縁延びのシール金具Dに沿った中間壁を配置することは不要である。
【0029】
縁延びのシール金具Dおよび交差するシール金具Dは、金属またはプラスチック製の空気密な山形材または断面U字形材として形成可能である。さらに、シール金具Dは、引出し内室Rの開口における蓋2の対抗圧に耐えることができるように、十分に安定的に形成されていなくてはならない。
【0030】
蓋2の構造は、サンドイッチ構造であることが望ましい。このように構成されていると、蓋2の必要な剛性が保証される。剛性は、シールのために必要になる。ゆえに、カバー層は、コア層に力接続的に結合される。この構造は、僅かな構造高さおよび僅かな質量でも高い剛性を保証する。カバー層は、ガラスから製造可能であり、コア層は、剛性で空気密な発泡材から製造可能である。
【符号の説明】
【0031】
0 真空引出し装置
1 ポンプ/空気ポンプ
11’ 空気通路/通気通路
2 蓋
21’ 空気密なダイヤフラム
22’ 発泡材層
23’ 空気流入開口
24’ シール手段
3 引出し
30 引出し壁
31’ 引出しガイド
D シール金具
Z 中間壁
X 引出し縁部
R 引出し内室
4 弁/電磁弁
6 閉鎖位置センサ
7 昇降手段/サーボモータ
71’ サーボディスク
72’ 支持スリーブを備えたねじ
8 制御装置
9 引出し用キャビネット
10 電流ケーブル
11 制御ケーブル
12 取っ手
13 前板
14 コンテナ
15 操作スイッチ/オンオフスイッチ
16 圧力センサ
17 フレーム
18 近接センサ
S 引出し運動方向
H 昇降方向
A 切欠き