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特許7425205組織を治療するためのシステムおよび装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】組織を治療するためのシステムおよび装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/08 20060101AFI20240123BHJP
   A61B 17/10 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
A61B17/08
A61B17/10
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022539441
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-02
(86)【国際出願番号】 US2020065309
(87)【国際公開番号】W WO2021216132
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-06-27
(31)【優先権主張番号】16/856,890
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】サエンス ビラロボス、ゴンサロ ホセ
(72)【発明者】
【氏名】カルボ カマチョ、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ベレンソン、ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ライアン、ショーン
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0093496(US,A1)
【文献】特表2005-505337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を治療するための装置であって、
近位端から遠位端まで長手方向に延びるカプセルであって、長手方向軸線に沿って前記カプセルを通って延びるチャネルを含むカプセルと、
それぞれが近位端から遠位端まで延びる第1および第2クリップアームとを含み、
前記近位端は前記カプセルの前記チャネルの中に受け入れられて、前記第1および第2クリップアームの前記遠位端が互いに離間する開口した組織受入形態と前記第1および第2クリップアームの前記遠位端が互いに向かって移動される閉鎖された組織クリッピング形態との間を移動され、
前記第1クリップアームは、前記組織クリッピング形態において前記第2クリップアームの第1部分に対して平行かつ前記長手方向軸線に対して平行に延びる第1部分を含み、前記第1クリップアームは、前記第1クリップアームの前記第1部分から前記長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第1組織保持構造を有し、前記第1組織保持構造は、前記組織クリッピング形態にあるときに標的組織を把持し、その後に前記第1および第2クリップアームが開口した前記組織受入形態へと移動されたときに前記標的組織を解放するように構成され、前記第1組織保持構造は、第1湾曲部分によって前記第1クリップアームの前記第1部分へ連結され、かつ、前記第2クリップアームは、前記第2クリップアームの前記第1部分から前記長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第2組織保持構造を含み、前記第2組織保持構造は、前記組織クリッピング形態にあるときに標的組織を把持して、その後に前記第1および第2クリップアームが開口した前記組織受入形態へ移動されたときに前記標的組織を解放するように構成され、前記第2組織保持構造は、第2湾曲部分によって前記第2クリップアームの前記第1部分に連結され、
前記第1組織保持構造は、前記第1湾曲部分から放射方向内側へ延びる第1歯を含み、前記第2組織保持構造は、前記長手方向軸線に向かって前記第2湾曲部分から放射方向内側へ延びる第2歯を含み、前記第1組織保持構造は、前記第1歯の横方向に隣接して配置され、かつ、前記第2歯の鋭利先端に覆いかぶさるように形成された第1ガードを含み、それにより、前記第2歯の前記鋭利先端は、前記第1および第2クリップアームが前記組織クリッピング形態にあるときに前記第1ガードの近位にあり、かつ前記第1および第2クリップアームの外側縁よりも前記長手方向軸線に接近している、装置。
【請求項2】
前記第1組織保持構造は、前記第2組織保持構造の歯の数とは異なる歯の数を有する、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記第2組織保持構造は、前記第1歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第2ガードを含み、それにより、前記第1歯の前記鋭利先端は、前記第1および第2クリップアームが前記組織クリッピング形態にあるときに前記第2ガードの近位にあり、かつ前記第1および第2クリップアームの外側縁よりも前記長手方向軸線に接近している、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記第1組織保持構造は、前記第1クリップアームの前記第1部分に対し、30度から100度の第1角度にて延び、前記第2組織保持構造は30度から100度の、前記第2クリップアームの前記第1部分に対する第2角度にて延びる、請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1角度は前記第2角度に等しい、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1組織保持構造は、前記第1組織保持構造から放射方向内側へ延びる第1鋭利先端を含み、前記第2組織保持構造は、前記第2組織保持構造から放射方向内側へ延びる第2鋭利先端を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1鋭利先端および前記第2鋭利先端は、三角形、円形または長方形のうちの1つの形状である、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1組織保持構造は、前記第1組織保持構造から放射方向内側へ延びる第1の複数の返しを含み、前記第2組織保持構造は、前記第2組織保持構造から放射方向内側へ延びる第2の複数の返しを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
カテーテルおよび前記カテーテルを通って延びる制御部材を含むアプリケータであって、前記制御部材は近位端から遠位端まで延びるとともに前記アプリケータに対して長手方向に移動可能であるアプリケータと、
前記アプリケータに連結された少なくとも1つのクリップアセンブリとを含み、各クリップアセンブリは、
近位端から遠位端まで長手方向に延びるカプセルであって、長手方向軸線に沿って前記カプセルを通って延びるチャネルを含むカプセルと、
それぞれが近位端から遠位端まで延びる第1および第2クリップアームとを含み、前記近位端は前記カプセルの前記チャネルの中に受け入れられて、前記第1および第2クリップアームの前記遠位端が互いに離間する開口した組織受入形態と前記第1および第2クリップアームの前記遠位端が互いに向かって移動される閉鎖された組織クリッピング形態との間を移動され、
前記第1クリップアームは、前記組織クリッピング形態において前記第2クリップアームの第1部分に対して平行かつ前記長手方向軸線に対して平行に延びる第1部分を有し、前記第1クリップアームは、前記第1クリップアームの前記第1部分から前記長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第1組織保持構造を含み、前記第1組織保持構造は、前記組織クリッピング形態にあるときに標的組織を把持し、その後に前記第1および第2クリップアームが開口した前記組織受入形態へと移動されたときに前記標的組織を解放するように構成され、前記第1組織保持構造は、第1湾曲部分によって前記第1クリップアームの前記第1部分に連結され、かつ、前記第2クリップアームは、前記第2クリップアームの前記第1部分から前記長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第2組織保持構造を含み、前記第2組織保持構造は、前記組織クリッピング形態にあるときに標的組織を把持して、その後に前記第1および第2クリップアームが開口した前記組織受入形態へ移動されたときに前記標的組織を解放するように構成され、前記第2組織保持構造は、第2湾曲部分によって前記第2クリップアームの前記第1部分に連結され、
前記第1組織保持構造は、前記第1湾曲部分から放射方向内側へ延びる第1歯を含み、前記第2組織保持構造は、前記長手方向軸線に向かって前記第2湾曲部分から放射方向内側へ延びる第2歯を含み、前記第1組織保持構造は、前記第1歯の横方向に隣接して配置され、かつ、前記第2歯の鋭利先端に覆いかぶさるように形成された第1ガードを含み、それにより、前記第2歯の前記鋭利先端は、前記第1および第2クリップアームが前記組織クリッピング形態にあるときに前記第1ガードの近位にあり、かつ前記第1および第2クリップアームの外側縁よりも前記長手方向軸線に接近している、再装着可能なクリップシステム。
【請求項10】
前記第2組織保持構造は、前記第1歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第2ガードを含み、それにより、前記第1歯の前記鋭利先端は、前記第1および第2クリップアームが前記組織クリッピング形態にあるときに前記第2ガードの近位にあり、かつ前記第1および第2クリップアームの外側縁よりも前記長手方向軸線に接近している、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1組織保持構造は、前記第1クリップアームの前記第1部分に対し、30度から100度の第1角度にて延び、前記第2組織保持構造は、前記第2クリップアームの前記第1部分に対し、30度から100度の第2角度にて延びる、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、組織を治療するための装置、システムおよび方法に関する。特に、本開示は、胃腸管に沿った血管の止血をもたらすために内視鏡を通じて標的箇所へクリップを送達するための圧縮クリップ、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
胃腸(GI)管系、胆道系、血管系および他の体管腔ならびに空洞器官の病理は、内視鏡手術によってしばしば治療され、内視鏡手術の多くは出血を制御するために止血を必要とする。止血クリップは、傷の周囲の組織を捕捉し、傷の縁を一緒に一時的に保持して自然治癒プロセスが永久的に傷を閉じることをもたらす。特定の内視鏡クリッピング装置は、体内の所望の位置にクリップを送達するために使用され、その後クリップ送達装置は引き抜かれて体内にクリップを残す。止血を提供することに加えて、内視鏡クリッピング装置は、例えば内視鏡マーキング、および例えば自然な体管腔の壁を装置が通過することによって内側組織に接近することを要する内視鏡手術による管腔穿孔の閉鎖を提供するために使用されてもよい。
【0003】
クリップの開口幅により、潜在的に閉じ得る傷の最大サイズが通常決定される。最大クリップ開口幅よりも大きい傷を閉じるために、スネア、「8リング」または他の装置の追加使用をしばしば必要とするいくつかの高度な閉鎖技術が発達している。これらの発展した技術的に挑戦的な方法の代替として、傷を閉じるための新規技術は、従来型のクリップのみを使用して、大きな傷を閉じることを可能にする口語的に「保持して引き寄せる」で知られる技術を使用する。本技術は大きな傷の閉鎖を平易にし、手術のために必要な時間を減少させる。しかしながら、本技術を使用する中での最大の課題は、クリップが再び開いた場合に組織が抜け出るという高いリスクである。結果として、本技術を適用するときに傷の閉鎖を成功するために多くの試みが必要とされることは一般的でなくはない。
【発明の概要】
【0004】
本開示は組織を治療するための装置に関連し、近位端から遠位端まで長手方向に延びるカプセルであって長手方向軸線に沿ってそのカプセルを通って延びるチャネルを含むカプセル、および、第1ならびに第2クリップアームを含み、各クリップアームは近位端から遠位端まで延び、近位端はカプセルのチャネルの中に受け入れられて、クリップアームの遠位端が互いから離間する開口した組織受入形態とクリップアームの遠位端が互いに向かって移動される閉鎖された組織クリッピング形態との間を移動される。
【0005】
第1クリップアームは、組織クリッピング形態において第2アームの第1部分に対して実質的に平行かつ長手方向軸線に対して平行に延びる第1部分を含み、第1クリップアームは、第1クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第1組織保持構造を含み、第1組織保持構造は、組織クリッピング形態のときに標的組織を把持し、その後に第1および第2クリップアームが開口した組織受入形態へ移動されたときに標的組織を解放するように構成される。第1保持構造は、第1湾曲部分によって第1クリップアームの第1部分に連結され、第2クリップアームは、第2クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第2組織保持構造を含む。第2組織保持構造は、組織クリッピング形態のときに標的組織を把持し、その後に第1および第2クリップアームが開口した組織受入形態へ移動されたときに標的組織を解放するように構成される。第2保持機構は、第2湾曲部分によって第2クリップアームの第1部分に連結される。
【0006】
実施形態では、第1組織保持構造は、第1湾曲部分から放射方向内側へ延びる第1歯を含み、第2組織保持構造は、長手方向軸線に向かって第2湾曲部分から放射方向内側へ延びる第2歯を含む。
【0007】
実施形態では、第1保持構造は、第2保持構造の歯の数とは異なる歯の数を有する。
実施形態では、第1保持構造は、第2歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第1ガードを含み、第2歯の鋭利先端は、第1および第2クリップアームが組織クリッピング形態にあるときに第1ガードの近位にあり、かつ第1および第2クリップアームの外側縁よりも長手方向軸線に近い。
【0008】
実施形態では、第2保持構造は、第1歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第2ガードを含み、第1歯の鋭利先端は、第1および第2クリップアームが組織クリッピング形態にあるときに第2ガードの近位にあり、かつ第1および第2クリップアームの外側縁よりも長手方向軸線に近い。
【0009】
実施形態では、第1保持構造は、第1クリップアームの第1部分に対する30度から100度の第1角度にて延び、第2保持構造は、第2クリップアームの第1部分に対する30度から100度の第2角度にて延びる。
【0010】
実施形態では、第1角度は第2角度に等しい。
実施形態では、第1保持構造は、それから放射方向内側へ延びる第1鋭利先端を含み、第2保持構造は、それから放射方向内側へ延びる第2鋭利先端を含む。
【0011】
実施形態では、第1鋭利先端および第2鋭利先端は、三角形、円形、または長方形のうちの1つの形状である。
実施形態では、第1保持構造は、それから放射方向内側へ延びる第1の複数の返しを含み、第2保持構造は、それから放射方向内側へ延びる第2の複数の返しを含む。
【0012】
本開示は、カテーテルおよびそれを通って延びる制御部材を含むアプリケータを含む再装着可能クリップシステムにも関連し、制御部材は近位端から遠位端まで延びるとともに、アプリケータに対して長手方向に移動可能であり、少なくとも1つのクリップアセンブリがアプリケータに連結される。各クリップアセンブリは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるカプセルであって長手方向軸線に沿ってそのカプセルを通って延びるチャネルを含むカプセル、および、第1ならびに第2クリップアームを含み、各クリップアームは近位端から遠位端まで延び、近位端はカプセルのチャネルの中に受け入れられて、クリップアームの遠位端が互いから離間する開口した組織受入形態とクリップアームの遠位端が互いに向かって移動される閉鎖された組織クリッピング形態との間で移動される。
【0013】
第1クリップアームは、組織クリッピング形態において第2アームの第1部分に対して実質的に平行かつ長手方向軸線に対して平行に延びる第1部分を含み、第1クリップアームは、第1クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第1組織保持構造を含む。第1組織保持構造は、組織クリッピング形態のときに標的組織を把持し、その後、第1および第2クリップアームが開口した組織受入形態へ移動されたときに標的組織を解放するように構成され、第1保持構造は、第1湾曲部分によって第1クリップアームの第1部分に連結され、第2クリップアームは第2クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向に内側へ延びる第2組織保持構造を含む。第2組織保持構造は、組織クリッピング形態のときに標的組織を把持し、その後、第1および第2クリップアームが開口した組織受入形態へ移動されたときに標的組織を解放するように構成される。第2保持構造は、第2湾曲部分によって第2クリップアームの第1部分に連結される。
【0014】
実施形態では、第1組織保持構造は、第1湾曲部分から放射方向内側へ延びる第1歯を含み、第2組織保持構造は、長手方向軸線に向かって第2湾曲部分から放射方向内側へ延びる第2歯を含む。
【0015】
実施形態では、第1保持構造は、第2歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第1ガードを含むため、第2歯の鋭利先端は、第1および第2クリップアームが組織クリッピング形態のときに第1ガードの近位にあり、かつ第1および第2クリップアームの外側縁よりも長手方向軸線に接近している。
【0016】
実施形態では、第1保持構造は、第1クリップアームの第1部分に対する30度から100度の第1角度にて延び、第2保持構造は、第2クリップアームの第1部分に対する30度から100度の第2角度にて延びる。
【0017】
実施形態では、第2保持構造は、第1歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第2ガードを含み、第1歯の鋭利先端は、第1および第2クリップアームが組織クリッピング形態のときに第2ガードの近位にあり、かつ第1および第2クリップアームの外側縁よりも長手方向軸線に接近している。
【0018】
加えて、本開示は、内視鏡のワーキングチャネルを経由して生体内の標的箇所へ第1クリップアセンブリを挿入することを含む、組織を治療するための方法に関連し、第1クリップアセンブリは、近位端から遠位端まで長手方向に延びるカプセルであって長手方向軸線に沿ってそのカプセルを通って延びるチャネルを含むカプセル、およびカプセルの中にスライド可能に受け入れられる第1ならびに第2クリップアームであって、クリップアームの遠位端が互いから離間する開口した形態とクリップアームの遠位端が互い方へ引き寄せられる閉鎖された形態との間を移動可能な第1ならびに第2クリップアームを含み、第1標的組織に接してクリップアームを配置し、第1クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第1組織保持構造および第2クリップアームの第1部分から長手方向軸線に向かって放射方向内側へ延びる第2組織保持構造が第1標的組織を貫通するように開口した形態から閉鎖された形態へと第1クリップアセンブリを移動させ、第1クリップアセンブリを閉鎖された形態から開口した形態へと移動させて第1組織保持構造が第1標的組織を解放する一方で第2組織保持構造が第1標的組織をその上に保持し、第2標的組織に接してクリップアームを配置し、そして、第1クリップアセンブリを開口した形態から閉鎖された形態へと移動して第1および第2標的組織を第1および第2クリップアームの間にクリップする。
【0019】
実施形態では、第1組織保持構造は、第1保持構造を第1クリップアームの第1部分に連結する第1湾曲部分から放射方向内側へ延びる第1歯を含み、第2組織保持構造は、長手方向軸線に向かって、第2保持構造を第2クリップアームの第1部分に連結する第2湾曲部分から放射方向内側へ延びる第2歯を含む。
【0020】
実施形態では、第1保持構造は、第2歯の鋭利先端に覆いかぶさるように配置および形成された第1ガードを含むため、第2歯の鋭利先端は、第1および第2クリップアームが組織クリッピング形態のときに第1ガードの近位にあり、かつ第1および第2クリップアームの外側縁よりも長手方向軸線に接近している。
【0021】
実施形態では、方法は、アプリケータの制御部材をクリップアームの近位端に連結することによってアプリケータ上に第1クリップアセンブリを装着することをさらに含む。
実施形態では、方法は、アプリケータからクリップアセンブリを解放すること、およびアプリケータの制御部材をクリップアームの近位端に連結することによってアプリケータ上に第2クリップアセンブリを装着することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本開示の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図2図1のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの正面図を示す。
図3図1のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図4図1のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの斜視図を示す。
図5】本開示の第2の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図6図5のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの正面図を示す。
図7】本開示の第3の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図8図7のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの正面図を示す。
図9図7のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図10】本開示の第4の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図11図10のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの正面図を示す。
図12図10のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の側面図を示す。
図13図1のクリップシステムの使用方法の第1工程を示す。
図14図1のクリップシステムの使用方法の第2工程を示す。
図15図1のクリップシステムの使用方法の第3工程を示す。
図16図1のクリップシステムの使用方法の第4工程を示す。
図17】本開示の第5の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図18図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの斜視図を示す。
図19A図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図19B図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図20図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの斜視図を示す。
図21A図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図21B図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの第1クリップアームの正面図を示す。
図21C図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの第2クリップアームの正面図を示す。
図22図17のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の正面図を示す。
図23図17のクリップシステムにおけるさらなる実施形態に従ったクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の正面図を示す。
図24図17のクリップシステムにおけるさらなる実施形態に従ったクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の正面図を示す。
図25】本開示の第6の典型的な実施形態に従ったクリップシステムの平面図を示す。
図26A図25のクリップシステムにおけるクリップアセンブリのクリップアームの遠位端の斜視図を示す。
図26B図25のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの第1クリップアームの正面図を示す。
図26C図25のクリップシステムにおけるクリップアセンブリの第2クリップアームの正面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、以下の説明および添付の図面を参照してさらに理解され得、同様の要素は同じ参照数字を用いて言及される。本開示は、クリッピングシステムに関し、特に、組織穿孔、傷および/または出血を治療するための使い捨てまたは再装着可能内視鏡クリッピングシステムに関する。本開示の典型的な実施形態は、クリップが少なくとも部分的に開口した形態のときに標的組織への装着を改善するための積極的な把持または保持構造を有する止血クリップを説明する。特に、典型的な実施形態は、単一のクリップアームによって組織を捕捉および保持することを可能にするための把持構造として、スパイク、フック、返し、および他の形状を有するクリップアームを有する止血クリップを説明する。用語「近位の(proximal)」および「遠位の(distal)」は、本明細書中に使用されるとき、装置の使用者に向かって(toward)(近位の)およびから離れて(away from)(遠位の)を示すことが意図されることに注意されたい。
【0024】
図1に示すように、本開示の典型的な実施形態に従ったシステム100は、例えば治療される標的組織まで内視鏡のワーキングチャネルを通じて生体内に挿入可能なクリップアセンブリ102を含む。クリップアセンブリ102は、体を通る蛇行した道をクリップアセンブリ102が移動すること、例えば、自然な体の開口部を介して接近される自然な体管腔を通って挿入される可撓性内視鏡のワーキングチャネルを通ることを許容するように十分に可撓性がある。
【0025】
典型的な実施形態では、クリップアセンブリ102は、標的組織のクリッピングのために生体内へクリップアセンブリ102を挿入する前にアプリケータ104の遠位部分上へ装着可能である。アプリケータ104およびクリップアセンブリ102は、生体内にクリップアセンブリ102を配置した後に新たなクリップアセンブリ102がアプリケータ104の上に装着され得るように構成されるため、同じアプリケータ104が、生体内の標的組織の第2部分へ新たなクリップアセンブリ102を送達するために使用されてもよい。アプリケータ104は、カテーテル(図示なし)およびそれを通って延びる制御部材108を含んでもよい。クリップアセンブリ102は、カプセル116の長手方向チャネル114の中にスライド可能に受け入れられる第1および第2クリップアーム110、112を含む。
【0026】
第1および第2クリップアーム110、112は、クリップアーム110、112の遠位端120、122が標的組織をそれらの間に受け入れるためにそれぞれ互いから離間する開口した組織受入形態と、クリップアーム110、112の遠位端120、122がそれらの間に標的組織を把持するように互いに向かって移動される閉鎖された組織把持形態との間で移動可能である。クリップアーム110、112は、カプセル116の中に延びる制御部材108によって開口した形態と閉鎖された形態との間で移動可能である。制御部材108の近位端(図示なし)は、ヒトの体の外側に配置されるハンドル上にてアクチュエータに連結される。この実施形態では、制御部材108の遠位端は、クリップアーム110、112の近位端に連結される。
【0027】
図1にさらに示されるように、本開示の典型的な実施形態に従ったクリップアーム110、112は、近位端(図示なし)から遠位端120、122まで延びる。当業者が理解するであろうように、この実施形態のアーム110、112は、遠位端120、122が組織を受け入れるために互いから離間する開口した組織受入位置にむかって付勢される。つまり、アーム110、112は、それらがカプセル116の拘束外へ遠位に移動されたときに組織受入位置へ勢いよく開くように形成される。しかしながら、当業者によって理解され得るように、クリップアセンブリ102は、クリップアーム110、112を互いから離間させ、加えてあるいは代わりに、付勢させる離間部材を含んでもよい。
【0028】
典型的な実施形態では、クリップアーム110、112は、クリップアセンブリ102が配置されたときに、カプセル116の中にて遠位構成要素に係合するために、クリップアーム110、112の近位端に固定タブ(図示なし)を含んでもよい。固定タブ(図示なし)は、クリップが配置された後にカプセル116の側面上に形成された窓を有する機械的ロックを形成してもよい。しかしながら、クリップアセンブリ102(例えばクリップアームを含むカプセル)を挿入装置に解放可能に連結するための様々な既知の機構のどれもが本発明の範囲から逸脱なく用いられてもよいことを、当業者は理解するであろう。
【0029】
上に示すように、クリップアーム110、112は、開口した形態に向かって付勢されるため、クリップアーム110、112がカプセル116の遠位端126を超えて遠位に動かされるとき、クリップアーム110、112の遠位端120、122は互いから離間して開口した形態になる。クリップアーム110、112がカプセル116の中へ近位に引き寄せられるときに、カプセル116との接触により、互いに向かってクリップアーム110、112が引き寄せられて閉鎖された形態となる。配置されると、当業者によって理解されるであろうように、クリップアーム110、112は、閉鎖された位置においてクリップアーム110、112を保持するカプセル116の中に固定される。上述のように、クリップアーム110、112は、体の外側に保持されるハンドルにてアクチュエータによってカプセル116に対して近位および遠位に動かされる制御部材108によって、開口した形態と閉鎖された形態との間で移動される。
【0030】
典型的な実施形態では、クリップアーム110、112の1つまたは両方は、クリップアーム110、112の遠位端130の内側から延びるスパイク128を含んでもよい。図2~3に示すように、第1クリップアーム110は、1つのスパイク128を有し、一方、第2クリップアーム112は、2つのスパイク128を有する。スパイク128は、クリップアーム110、112の内面からクリップアーム110、112の他方に向かって放射方向内側へ実質的に垂直に延びる。
【0031】
典型的な実施形態では、スパイク128は、組織を貫通するか、または少なくとも組織に係合するように設計されるため、組織における張力(傷を横切って組織を引張ることによる)がスパイク128と組織との間のさらなる係合を生み出す。例えば、釣り針型は、一旦組織を貫通すると、係合を示す。同じ方向に追加の力を適用することにより、組織がさらにフックの上方へ押し上げられ、フックを外すためには力の方向を逆転させなければならない。
【0032】
図3に見られるように、対向するアーム110、112の上のスパイク128は、長手方向に互いにオフセットされているため、スパイク128は組織傷周辺にてクリップアーム110、112の完全な閉鎖を妨げない。例えば、図3に示すように、第1クリップアーム110のスパイク128は、クリップアセンブリ102が閉鎖された形態のときに第2クリップアーム112の上の2つのスパイク128の遠位または近位の一方に配置される。さらに、図4に示すように、第1および第2クリップアーム110、112のスパイクは、横方向に互いにオフセットされているため、第1クリップアーム110のスパイク128は、第2クリップアーム112のスパイク128の間にいかなる干渉もなく受け入れられる。
【0033】
代替実施形態では、スパイク128は、異なる平面内に延びるように構成され、対向するアームによって、他のアームのスパイク128からの干渉なく受け入れられる。例えば、第1クリップアーム110のスパイク128は、クリップアセンブリ102が閉鎖された形態のときに第2クリップアーム112の2つのスパイク128の間に適合するように配置される。別の実施形態では、スパイク128の両方が実質的に同じ平面内に伸びるように構成されるため、アーム110、112が閉鎖された形態のときに対向するアーム110、112からのスパイク128の端は互いに接触する。
【0034】
当業者によって理解されるであろうように、スパイク128は組織およびその中の鉤状突起を貫通するように十分に鋭利である。実施形態では、第2クリップアーム112のスパイク128は、クリップアーム112の残りの部分に対して著しく角度付けられているため、スパイク128は、クリップアセンブリ102が組織の別の部分を捕捉するために開口した形態に動かされたときに標的組織内に掛止されたままである。特に、スパイク128は、クリップアーム110、112が開口した形態のときにスパイク128が組織を捕捉し続けることを許容するように、クリップアーム112の長手方向軸線Lに対して20度から90度の間の様々な角度にてクリップアーム112の内面からさらに延びてもよい。
【0035】
使用の際に作業者は、第2クリップアーム112が組織傷の外側に存在し、第1クリップアーム110が組織傷の内側に存在するようにクリップアーム110、112を配向するであろう。次に、作業者は、組織傷の縁上にてクリップアセンブリ102を閉鎖し、スパイク128は、クリップアーム110、112の内側に組織を保持するために粘膜層を貫通するであろう。クリップアセンブリ102が組織傷の反対側の縁へ引き寄せられて徐々に再び開かれるときに、組織片は、第2クリップアーム112の上に掛止されたままであるが第1アーム110からは解放されるであろう。つまり、第1クリップアーム110の力の方向が逆転されるため、組織は第2クリップアーム112の上に保持されながら第1クリップアーム110から外される。
【0036】
第1クリップアーム110は、その後クリップアセンブリ102の内側に傷の反対側の縁を引き寄せるために使用され得る。両顎110、112の上のスパイク128は、傷の両縁がしっかりと捕捉されることを保証し、クリップが閉鎖および配置されたときに抜け出ることはないであろう。組織傷の2つの対向する縁がクリップアセンブリ102によって連結されるとき、以下にさらに詳細に説明されるように、クリップアセンブリ102はアプリケータ104から解放され、さらにクリップは閉鎖を仕上げるために組織傷に沿って配置され得る。
【0037】
別の典型的な実施形態では、図5~6に示すようにシステム200は、本明細書中にて説明されることを除いてシステム100と実質的に同じである。システム200は、第1および第2クリップアーム210、212を有するクリップアセンブリ202を含む。この実施形態では、クリップアーム210、212はフックおよびスパイクの組み合わせを使用して、第1組織縁を1つのアーム上に保持すると同時に、第2アームによって第2組織縁を第1縁に向かって引き寄せる。特に、図5に示すように、第1アーム210は、クリップアセンブリ102のスパイク128に類似の、クリップアーム210の内面から放射方向内側へ第2クリップアーム212に向かって実質的に垂直に延びる2つのスパイク228を含む。第2アーム212は、組織を貫通および組織をその上に保持するように構成された鋭利な最遠位先端230を有する鉤状遠位端222を有する。
【0038】
典型的な実施形態では、遠位先端230は、クリップアーム212の残りの部分に対して約90度から約180度に角度付けられる。例えば実施形態では、第2クリップアーム212の遠位端222は、クリップアセンブリ202に向かって後屈され得るため、遠位先端230は、クリップアーム212の残りの部分にほぼ平行である。この実施形態は、一旦遠位先端230が組織傷を貫通すると高い程度の組織保持を提供する。別の例では遠位端222は、90度以上の曲がりを有し得るため、遠位先端はクリップアーム212の近位部分に実質的に垂直である。この実施形態は、組織傷が遠位先端230によってより容易に貫通されることを許容する。
【0039】
使用の際に、第2クリップアーム212の鉤状遠位端222は、上述のように、組織に付着して組織傷の第1縁をクリップアーム210、212の内側に保持するように設計され、一方、第1クリップアーム210のスパイク228は、クリップアセンブリ202が再び開かれるときに組織傷の第1縁を解放して組織傷の反対側の第2縁を引き寄せるように設計される。積極的な構造のこの組み合わせは、「保持して引き寄せる」技術に対して特に効果的であることを明示している。
【0040】
別の典型的な実施形態では、図7~9に示すように、システム300は、本明細書中にて説明されることを除いてシステム100、200と実質的に同じである。システム300は、第1および第2クリップアーム310、312を有するクリップアセンブリ302を含む。この実施形態では、第1クリップアーム310は、第1クリップアーム310の遠位部分の内面334に装着された1つ以上の返し332を含む。返しを有するクリップアームは、作業者が標的組織に対して返しのあるアーム平面を押し付け得るなら、特に効果的である。組織に対するアーム平面のこの配置は、返し332のそれぞれが粘膜組織層を貫通し、高張力下においてさえも組織をクリップアームに装着したままにさせること許容する。
【0041】
図8~9に示すように、この実施形態の第1クリップアーム310は、第1クリップアーム310の内面334から放射方向内側へ第2クリップアーム312に向かって実質的に垂直に延びる4つの返し332を含む。本実施形態が4つの返し332を含む一方で任意の数の返しが使用されてもよいことが理解されるであろう。返し334は、クリップアーム310、312が開口した形態のときに返し332が組織を捕捉することを許容するように、クリップアーム310の長手方向軸線Lに対して20度から90度の間の様々な角度、さらに具体的には45度にて内面334からさらに延びてもよい。つまり、返し332は、第1クリップアーム310の内面334を含む平面に実質的に垂直な平面において第1クリップアーム310の内面334から外側に延び得るか、またはある角度にて、従ってクリップアーム310の内面334を含む平面に対して垂直でない平面内に延び得る。
【0042】
実施形態では、図8~9に示すように、返し332は、互いに実質的に平行な組として内面334の上に設置される。しかしながら、返し332は、例えば長手方向に互い違いの組、クリップアーム310の中央の長手方向軸線に沿った単一の長手方向線等のような、いかなる形態もとり得ることが理解される。図に見られるように、第2アーム312は、その長さに沿って平面プロファイルを有する。
【0043】
スパイク、フックおよび返しに加えて、他の形状が標的組織傷へのクリップアームの装着を改善するために使用されてもよい。例えば別の典型的な実施形態では、図10~12に示されるクリップシステム400のクリップアセンブリ402は、第1および第2クリップアーム410、412の少なくとも1つの遠位先端430にて鋭利な歯440を含む。例えば図11~12に見られるように、第1クリップアーム410は、第1クリップアーム410の遠位先端430の内面に配置された3つの歯440を含む。当業者によって理解され得るように、この実施形態は3つの歯を含むが任意の数の歯が使用され得ることに注意する。歯440は、鋭利先端を有し、組織の貫通および保持がもたらされる。加えて、第1クリップアーム410の遠位先端430は、クリップアーム410の残りの部分に対して約90度に角度付けられ得、クリップアーム410、412が再び開かれるときに組織の保持をもたらす。
【0044】
典型的な実施形態に従ったシステム100の使用方法は、図13~16に示される。初めに、クリップアセンブリ102は、内視鏡(または任意の他の挿入装置)のワーキングチャネルに挿入され、クリップ閉鎖される組織の標的傷10に隣接する箇所まで体内へ(例えば自然な体管腔を通って)挿入される。クリップアセンブリ102は、ワーキングチャネルを通る移動を容易にするために閉鎖された形態にて標的組織まで挿入される。標的組織傷の箇所に到達すると、クリップアセンブリ102は、内視鏡のワーキングチャネルの遠位端の外に進められ、クリップアーム110、112は、カプセル116の外に延ばされて、クリップアーム110、112を開口した組織受入形態に移動する。
【0045】
一旦、組織傷標的組織の第1縁がクリップアーム110、112の間に受け入れられると、クリップアーム110、112は閉鎖された形態へ移動されるため、スパイク128は組織傷の第1縁12を貫通し、そのため第1縁12がクリップアーム110、112の遠位端の間に把持される。クリップアーム110、112は、制御部材をカプセル116に対して近位に引き寄せることによって組織把持形態へと移動される。一旦、クリップアセンブリ102が閉鎖された組織把持形態になると、第1縁12は、アプリケータ104によってクリップアセンブリ102を介して傷の第2縁に向かってへ引き寄せられる。組織傷の第1および第2縁12、14が互いに隣接するとき、クリップアーム110、112は徐々に再び開かれる。クリップアーム110、112が再び開かれると、第1アーム110は組織傷の第1縁12を解放するが、第2クリップアーム112の2つのスパイク128は、第2クリップアーム112に装着した第1縁12を保持する。クリップアーム110、112は、組織傷の両縁12、14の上でその後に再び閉鎖され、第1クリップアセンブリ102は、アクチュエータによってアプリケータ104から配置される。追加のクリップアセンブリ102は、傷を閉鎖するための組織縁に沿って配置されてもよい。
【0046】
別の典型的な実施形態では、図17~24に示すように、システム500は、本明細書中にて説明されることを除いてシステム100、200、300および400と類似する。システム500は、第1および第2クリップアーム510、512を有するクリップアセンブリ502を含む。図17に示すように、クリップアセンブリ502は、実質的に垂直に接近(すなわち、クリッピングアセンブリ502の長手方向軸線Lがクリップされる組織10の表面に実質的に垂直に配向される接近)して標的組織10に対処するとき、以下にさらに詳細に説明されるように、クリップアームの遠位端が開口した組織受入形態にあるときに組織10の表面に対して既定の角度にて延びるように構成される。
【0047】
当業者によって理解され得るように、図17は表面組織10が実質的に平面として示すが、システム500のクリップの接近する角度に対して垂直な平面のこの配置が、システム500の様々な構成要素の形態を説明するために用いられ、一方システム500は接近のあらゆる所望の角度から組織表面の様々な形状のいずれかの組織をクリップするために使用されてもよい。
【0048】
第1クリップアーム510は、遠位湾曲部分514、およびそれから軸線Lに向かって横方向内側へ延びる第1組織保持構造518を有する。同様に、第2クリップアーム512は、遠位湾曲部分516、およびそれから軸線Lに向かって横方向内側へ延びる第2組織保持構造520を有する。典型的な実施形態では、各々の第1および第2組織保持構造518、520はそれぞれ、この実施形態において第1および第2クリップアーム510、512のそれぞれにおける屈曲によって一体的に形成された1つ以上の歯を含み、それぞれ湾曲部分514、516にて軸線Lに向かってそれぞれ延びる。保持構造518、520は、選択された角度にて軸線Lに向かって内側へ角度付けられるため、第1および第2クリップアーム510、512がそれぞれ組織クリッピング形態へと互いに向かって引き寄せられると、クリップアーム510、512の間に受け入れられる組織は第1および第2組織保持構造518、520によって把持される。
【0049】
図18に示すように、第1クリップアーム510の湾曲部分514は、第1クリップアーム510の外側面511と保持構造518の外側面513との間の角度αを規定する。この実施形態における角度αは、30°から100°までの範囲であってもよいが、しかし、好ましい角度は60°と90°との間である。第2クリップアーム512の形態は、この実施形態において、実質的に第1クリップアーム510の鏡像である。角度αが鋭角すぎるとき、使用者が標的組織上にクリップを配置して固定しようと決める前に、組織がクリップアーム510に固着するようになり得る。これは、潜在的に組織を引裂かずに組織を解放することおよびクリップを再配置することを困難にし得る。さらに、角度αが鈍角すぎるとき、クリッピングアセンブリ502の組織捕捉能力は損なわれ得、潜在的に組織の破裂または引裂き、および/またはクリッピングアセンブリ502によって把持された標的組織を早期に解放することをもたらす。
【0050】
上述のように、第1および第2クリップアーム510、512は、解放されたときに互いから離間して開口した組織受入形態へと移動するため、それぞれが軸線Lに対して角度δを形成し、この実施形態では、第2クリップアーム512に対する角度δと、第1クリップアーム510に対する角度とは同じである。図19Aおよび19Bに示すように、軸線Lが開口した組織受入形態において組織10の表面に垂直であるようにシステム500が配置されるとき、第1クリップアーム510は、組織10の表面に対して角度βを形成する。角度βは、保持構造518の外側面513と組織10の表面との間にて測定される。角度βは-20°から40°の典型的な範囲を有してもよいが、しかし、この実施形態では範囲は好ましくは0°と20°との間である。図19Aにおいて、第1クリップアーム510は、組織10の表面に対して正の角度β(例えば20°)を形成し、一方、図19Bにおいて、クリップアーム510は、組織10の表面に対して負の角度β(例えば-20°)を形成する。
【0051】
加えて図20に見られるように、クリップアーム510は、クリップアセンブリ502の長手方向軸線Lとともに角度δを形成する。この実施形態において角度δは50°から110°までの範囲を有するが、しかし、この実施形態において角度δは好ましくは70°と90°の間であってもよい。当業者によって理解され得るように、角度α、角度βおよび角度δは、比例的に互いに関連する。さらにこの実施形態において、第1および第2クリップアーム510、512は、角度α、βおよびδに関して実質的に互いの鏡像として形成される。しかしながら、これらの角度のいずれも、あるクリップアームから所望されるような典型的な範囲内の別のものへ変更されてもよいことを当業者は理解するであろう。
【0052】
典型的な実施形態では、保持構造518、520は、互いに一致するように設計されるため、クリッピングアセンブリ502が閉鎖された形態にて内視鏡のワーキングチャネルに挿入されるとき、保持構造518、520の鋭利な縁は、いかなる保持構造のどのような縁からもクリップアーム510、512の外側境界を超えて突出することを避けるように保護される(すなわち、いかなる保持構造518、520のどのような縁も、クリップアーム510、512の滑らかな放射方向外側の表面より、クリップアセンブリ502が受け入れられる円筒状管腔の壁に向かってさらに突出することはない。)。この保護により、クリッピングアセンブリ502が配置されるときに通る内視鏡のワーキングチャネルのあらゆる部分にクリップアーム510、512のあらゆる鋭利な縁が係合して損傷を与えるというリスクは軽減される。加えて、保護により、例えば製品が保存される小袋がこれらの鋭利な表面のいずれかによって引裂かれて、潜在的に製品の無菌状態を損なうというリスクが軽減される。
【0053】
図21Aから図21Cに示すように、本実施形態における保持構造518、520は互いに対応するため、それらが組織クリッピング形態へと共に引き寄せられたときに、第1クリップアーム510の各歯は、第2クリップアーム512の歯の間の、以下に説明されるように互いに入れ子にするように相応に大きさを決められた隙間に対向する。この実施形態では、各保持構造518は鋭利先端522を有し、一方、各保持構造520は係合組織の貫通および保持を容易にするための鋭利先端524を有する。例示的な実施形態では、図21Bに示されるように保持構造518は、第1鋭利先端522aを有する第1歯518a、および第2鋭利先端522bを有する第2歯518bを含む。
【0054】
保持構造518に対して、第1歯518aはクリップアーム510の第1外側縁521aに隣接して配置され、一方、第2歯518bはさらに中央に配置され、クリップアーム512の第2鋭利先端524bの幅(対応するクリップアームの第1外側縁から第2外側縁まで鋭利先端を横切る方向)に実質的に対応する幅を有する第1隙間525によって第1歯518aから離間される。第2歯518bは、第2クリップアーム512の第1鋭利先端524aの幅に実質的に対応する距離によって第2外側縁から離間される。保持構造518は、第2歯518bに隣接する第1円形オーバーハング526をさらに含み、第1オーバーハング526は第1鋭利先端524aを保護するためのガードとして働く。第1オーバーハング526は、湾曲部分514から第2歯518bの部分的な長さにわたって遠位に延びる。
【0055】
保持構造518に類似して、図21Cに示すように、保持構造520は、第1鋭利先端524aを有する第1歯520a、および第2鋭利先端522bを有する第2歯520bを含む。保持構造520に対して、第1歯520aはクリップアーム512の第1外側縁523aに隣接して配置され、一方、第2歯520bはさらに中央に配置されてクリップアーム510の第2鋭利先端522bの幅に実質的に対応する幅を有する隙間527によって第1歯520aから離間される。第2歯520bは、第1クリップアーム510の第1鋭利先端522aの幅に実質的に対応する距離によって第2外側縁523bから離間される。保持構造520は、第2歯520bに隣接する第2円形オーバーハング528をさらに含み、第2オーバーハング528は第1鋭利先端522aを保護するためのガードとして働く。第2オーバーハング528は、湾曲部分516から第2歯520bの部分的な長さにわたって遠位に延びる。
【0056】
当業者が理解するであろうように、第1クリップアーム510の幅(すなわち、第1外側縁521aから第2外側縁521bまでの距離)は、第2クリップアーム512の幅(すなわち、第1外側縁523aから第2外側縁523bまでの距離)に実質的に類似するため、1つのクリップアームの歯は反対側のクリップアームによって常に保護される。つまり、クリップアームの1つにおける歯の数が反対側のアームについてと同じ場合、またはここでは、歯がクリップアームの中央から外れて配置される場合、各クリップアームの遠位部分は、閉鎖された形態にて少なくとも反対側のクリップアームの歯の全てを保護するために必要とされるのと同じほど横方向に離れて延びるように選択された幅を有するであろう。
【0057】
この形態により、閉鎖された形態の第2鋭利先端522bが第1および第2歯520a、520bの間の隙間527の中に受け入れられることが許容され、一方第1鋭利先端522aが第2オーバーハング528の下に受け入れられる。同様に閉鎖された形態において、第2鋭利部524bは、第1および第2歯518a、518bの間の隙間525の中に受け入れられ、一方、第1鋭利先端524aは、図21Aに示すように、第1クリップアーム510の第1オーバーハング526の下に受け入れられる。この形態は保護を提供するため、保持構造518、520の鋭利先端522、524は、第2クリップアーム512の外側縁523a、523b、および第1クリップアーム510の外側縁521a、521bを超えて延びない。
【0058】
保持構造518、520の鋭利さは、鋭利先端522、524によって決定される。典型的な実施形態では、鋭利先端522、524は、一般に三角形である。図22に示すように、第2歯518bおよび第2鋭利先端522bは、第1歯518aおよび第1鋭利先端522aに実質的に類似する。第1歯518a(および歯518b、520aならびに520b)の鋭利さは、歯518aの幅Wと歯518aの長さTとの間の第1比率として表されてもよい。当業者によって理解されるであろうように、第1鋭利先端522aの長さVは、歯518aの長さTの一部である。第1比率(T/W)は、幅W上の長さTとして表される。
【0059】
この実施形態における第1比率は、0.5から6までの典型的な範囲を有するが、しかし、好ましい範囲は2と4との間である。さらに、歯518aの鋭利さは、幅Wと、歯518aの長さTの一部である長さVとの間の第2比率として表されてもよい。第2比率(V/W)は、幅W上の長さVとして表される。第2比率は、この実施形態において、0.5から6までの典型的な範囲、および2と3との間の好ましい範囲を有する。典型的な実施形態では、鋭利先端522、524は三角形であるが、しかし、図23のように鋭利先端522、524は、様々な他の形状(例えば円形、長方形等)でもよい。加えて、鋭利先端522、524の代わりに保持構造518、520が、図24に示されるような複数の返し532a、532bとして形成されてもよい。これらの実施形態は各クリップアーム上に2つの歯を含むが、クリップアーム毎の歯の数は所望されるように変更されてもよいことに注意する。
【0060】
別の典型的な実施形態では、図25~26Cに示すように、システム600は、本明細書中にて説明されることを除いてシステム100、200、300、400および500と実質的に同じである。システム500と同様に、システム600は、第1および第2クリップアーム610、612を有するクリップアセンブリ602を含む。図25に示すように、第1クリップアーム610は、湾曲部分614およびそれから遠位に延びる第1組織保持構造618を有し、保持構造618は有する。同様に、第2クリップアーム612は、湾曲部分616およびそれから遠位に延びる第2組織保持構造620を有する。保持構造618、620は、クリップアセンブリ602が閉鎖された形態へと移動されたときに標的組織をそれらの間に把持するように構成される。
【0061】
図26A~26Cに示すように、クリッピングアセンブリ502の保持構造518、520に類似して、クリッピングアセンブリ602の保持構造618、620は、互いに一致するように設計される。クリッピングアセンブリ602が閉鎖された形態にて内視鏡のワーキングチャネルを通って挿入されるとき、保持構造618、620は、保持構造618、620のどの縁もクリップアーム610、612の外側境界を超えて突出することを避けるように保護され(すなわち、いかなる保持構造618、620のどのような縁も、クリップアーム610、612の滑らかな放射方向外側の表面よりクリップアセンブリ602が受け入れられる円筒状管腔の壁に向かってさらに突出しない)、クリッピングアセンブリ602が配置されるときに通る内視鏡のワーキングチャネルのあらゆる部分にあらゆる鋭利な縁が係合して損傷を与えるというリスクを軽減する。
【0062】
保持構造618は保持構造620と異なるが、保持構造518は保持構造520に実質的に類似するという点において、クリッピングアセンブリ602はクリッピングアセンブリ502とは異なる。特に、各保持構造518、520は、同じ歯の数を有する(保持構造518は2つの歯を有し、保持構造520は2つの歯を有する)一方で、保持構造618の歯の数は、以下に説明されるように、保持構造620の歯の数と異なる(例えば保持構造618は1つの歯を有し、保持構造620は2つの歯を有する)。従って、保持構造618は1つの鋭利先端622を有し、一方保持構造620は保持構造618、620によって係合される組織の貫通および保持を容易にするための2つの鋭利先端624を有する。当業者によって理解され得るように、本明細書中に説明される保持構造様々な形態のいずれも、上述の角度α、βおよびδのいずれかを有するクリップアームとともに用いられてもよい。
【0063】
典型的な実施形態では、保持構造618、620の鋭利さは、鋭利先端622、625によって決定され、保持構造618、620の鋭利さは保持構造518、520の鋭利さと同様に決定される。加えて、典型的な実施形態では、鋭利先端622、624は三角形であるが、しかし、鋭利先端622、624は、図22~24の鋭利先端522、524と同様に様々な他の形状(例えば円形、長方形等)でもよい。クリッピングアセンブリ602が閉鎖された形態にあるとき、鋭利先端622、624は以下に説明されるように保護される。
【0064】
例示的な実施形態では、図26Bに示すように、保持構造618は、1つの鋭利先端622aを有する1つの歯618aを含む。この実施形態における保持構造618に対して、歯618aは、湾曲部分614の遠位端上で第1クリップアーム610の側面に対して中央に配置される。保持構造618は、クリップアーム612の第2鋭利先端624bを保護するためのガードとして働く第1円形オーバーハング626、および第2クリップアーム612の第1鋭利先端624aを保護するためのガードとして働く第2円形オーバーハング628をさらに含む。
【0065】
第1オーバーハング626は、第1クリップアーム610の第1外側縁621aと歯618aとの間に存在し、一方、第2オーバーハング628は、クリップアーム610の第2外側縁621bと歯618aとの間に存在する。第1および第2オーバーハング626、628は、湾曲部分614から歯618の部分的な長さを遠位に延びる。第1オーバーハング626は、第2鋭利先端624bの幅(対応するクリップアームの第1外側縁の1つから第2外側縁までの鋭利先端を横切る方向)に実質的に対応する幅を有する。同様に、第2オーバーハング628は、第1鋭利先端624aの幅に実質的に対応する幅を有する。
【0066】
典型的な実施形態では、図26Cに示すように、保持構造620は、第1鋭利先端624aを有する第1歯620a、および第2鋭利先端624bを有する第2歯620bを含む。保持構造620に対して、第1歯620aは第2クリップアーム612の第1外側縁623aに隣接して配置され、一方、第2歯620bは外側縁623bに隣接して配置される。第1歯620aおよび第2歯620bは、クリップアーム610の鋭利先端622bの幅に実質的に対応する幅を有する隙間625によって互いから離間される。
【0067】
当業者が理解するであろうように、第1クリップアーム610の幅(すなわち、第1外側縁621aから第2外側縁621bまでの距離)は、第2クリップアーム612の幅(すなわち、第1外側縁623aから第2外側縁623bまでの距離)に実質的に類似するため、クリップアームの1つの歯は反対側のクリップアームによって常に保護される。つまり、クリップアームの1つにおける歯の数が反対側のアームにおけるものより少ない場合、またはここでは、歯がクリップアームの中央から外れて配置された場合、各クリップアームの遠位部分は、閉鎖された形態にて少なくとも反対側のクリップアームの歯の全てを保護するために必要とされるのと同じくらい離れて横方向に延びるように選択された幅を有するであろう。この形態により、閉鎖された形態の鋭利先端624aが第2オーバーハング628の下に受け入れられることが許容され、鋭利先端624aが第1クリップアーム610を超えて延びることを防止する。
【0068】
同様に、鋭利先端624bは第1オーバーハング626の下に受け入れられ、鋭利先端624bが第1クリップアーム610を超えて延びることを防止する。さらに、図26Aに示すように、鋭利部622aは、第1および第2歯620aおよび620bの間の隙間625に受け入れられ、鋭利先端622aが第2クリップアーム612を超えて延びることを防止する。この形態は保護を提供するため、保持構造618、620の鋭利先端622、624は、第2クリップアーム612の外側縁623a、および第1クリップアーム610の外側縁621a、621bを超えて延びない。
【0069】
当業者によって理解され得るように、これらの実施形態は1つの歯を有するクリップアームおよび2つの歯を有するクリップアームを含むが、各クリップアームは、各クリップアームの歯の数が異なる限りは任意の数の歯を有してもよい。システム500および600の使用方法は、システム100に対する上述と実質的に同じである。これらの本発明の概念から逸脱なく上述の実施形態に変更がなされてもよいことが、当業者によって認識されるであろう。実施形態の1つに関連する構造的特徴および方法が他の実施形態に組み込まれてもよいことがさらに認識されたい。
【0070】
従って、本開示は開示された特定の実施形態に制限するのではなく、むしろ修正例も添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の範囲以内に包含されることが理解される。
図1
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図26A
図26B
図26C