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特許7425221上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械及び積み下ろし方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械及び積み下ろし方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/08 20060101AFI20240123BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022554907
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-27
(86)【国際出願番号】 CN2020091638
(87)【国際公開番号】W WO2021232373
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202010423974.6
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522360781
【氏名又は名称】山河智能装▲備▼股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱建新
(72)【発明者】
【氏名】▲銭▼▲奐▼云
(72)【発明者】
【氏名】彭湘
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼梓林
(72)【発明者】
【氏名】朱振新
【審査官】荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-147955(JP,A)
【文献】特開2013-108247(JP,A)
【文献】特表2002-519549(JP,A)
【文献】実開昭58-038690(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧システムを含む上部構造アセンブリと、
前記上部構造アセンブリを地面に独立して支持すべく、前記上部構造アセンブリに設けられた複数のジャッキスタビライザシリンダと、
走行機構を含む下部構造アセンブリと、
上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの間に取り付けられる旋回ベアリングと、
を備え、
前記上部構造アセンブリ又は下部構造アセンブリは、迅速着脱機構を介して旋回ベアリングに接続され、
前記迅速着脱機構は、中間旋回ディスク及びウェッジブロックを含み、前記旋回ベアリングの内輪は下部構造アセンブリに固定され、前記中間旋回ディスクは旋回ベアリングの外輪に固定され、前記中間旋回ディスクの上部構造アセンブリに対向する側に凹溝が設けられ、前記上部構造アセンブリの底部には、旋回ベアリングの中心軸を対称軸として中間旋回ディスクの凹溝の位置に対応する複数の角穴付きの接続ブロックが中心対称に設けられ、前記上部構造アセンブリは、接続ブロックによって中間旋回ディスクの凹溝内に挿設され、前記凹溝の側壁において接続ブロックの角穴に対応する位置にも角穴が設けられ、前記ウェッジブロックは、上部構造アセンブリ及び中間旋回ディスクの角穴内に挿設されて上部構造アセンブリと中間旋回ディスクを接続して固定し、前記上部構造アセンブリにおいてウェッジブロックに対応する位置にウェッジブロックを角穴内に押し付ける押付装置が設けられており、
前記上部構造アセンブリと下部構造アセンブリを分離させた後、延長油圧パイプによって上部構造アセンブリの油圧システムと下部構造アセンブリの走行機構を接続することで、上部構造アセンブリにより下部構造アセンブリの移動を制御することを特徴とする、上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械。
【請求項2】
前記押付装置はホルダを含み、前記ホルダに支持ラグが設けられ、前記支持ラグにスルーホールが設けられ、前記支持ラグのスルーホール内に、スルーホールの大きさにマッチする締結ボルトが摺動接続され、締結ボルトに2つのナットがネジ接続され、2つのナットは、支持ラグの両側に設けられて締結ボルトを支持ラグに固定し、締結ボルトの末端はウェッジブロックに接触することを特徴とする、請求項1に記載の上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械、及び積み下ろし方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知するように、従来のクローラ式大型機械装置の主体は、全て下部構造アセンブリ、旋回ベアリング、上部構造アセンブリで構成され、上下部構造アセンブリは、ボルトによってそれぞれ旋回ベアリングの内輪と外輪に取り付けられている。現在、クローラシャーシ式大型機械は、移送される時、機械全体の重量が1台の輸送車両の最大荷重を遥かに超えているため、機械全体を分解して輸送する必要がある。従来の分解方法では、旋回ベアリングのボルトを取り外すことで目的を達成しているが、旋回ベアリングのボルトを取り付けるには、相応のねじりを加える必要があるため、着脱が非常に面倒になり、且つ、ボルトにねじりを複数回加えた後に非常に大きな安全上の潜在的リスクが存在し、機械装置に不可逆的なダメージをもたらし、また、毎回の着脱と輸送に非常に時間や労力がかかる。従って、上記取り外し手段を採用すれば、時間や労力がかかり、頻繁に移送する場合に面倒過ぎ、且つ、旋回ベアリングに取り付けるために必要なボルトにねじりを何回も加えることも、非常に大きな安全上の潜在的リスクをもたらす。従って、迅速に着脱可能であるとともに自動積み下ろしを実現可能な機械が緊急に必要となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】(国際調査報告を参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、如何に大型機械の上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの自動迅速着脱を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明の実施形態は、以下の技術的解決手段を採用する。即ち、
油圧システムを含む上部構造アセンブリと、走行機構を含む下部構造アセンブリと、上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの間に取り付けられる旋回ベアリングと、を備え、前記上部構造アセンブリ又は下部構造アセンブリは、迅速着脱機構を介して旋回ベアリングに接続され、前記上部構造アセンブリに上部構造アセンブリを地面に独立して支持する複数のジャッキスタビライザシリンダが設けられ、前記上部構造アセンブリと下部構造アセンブリを分離させた後、延長油圧パイプによって上部構造アセンブリの油圧システムと下部構造アセンブリの走行機構を接続することで、上部構造アセンブリにより下部構造アセンブリの移動を制御する上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械である。
【0006】
本実施形態において、前記迅速着脱機構は、中間旋回ディスク及び軸ピンを含み、前記上部構造アセンブリは旋回ベアリングの外輪に固定接続され、前記旋回ベアリングの内輪は前記中間旋回ディスクに固定接続され、前記下部構造アセンブリの頂部には、中間旋回ディスクの位置に対応する支持台が固定され、前記支持台の中間旋回ディスクに対向する側に凹溝が設けられ、前記中間旋回ディスクの支持台に対向する側に凹溝にマッチする凸部が設けられ、前記中間旋回ディスクは、凸部によって下部構造アセンブリの頂部にある支持台の凹溝内に挿設され、前記中間旋回ディスクの凸部の側壁及び支持台の凹溝の側壁には、ピンホールが対応して設けられ、前記軸ピンは、下部構造アセンブリ及び中間旋回ディスクのピンホール内に挿設されて下部構造アセンブリと中間旋回ディスクを接続して固定する。
【0007】
本実施形態において、前記凹溝は環状凹溝であり、前記ピンホールは、旋回ベアリングの中心軸を対称軸として中間旋回ディスク及び支持台の凹溝の溝壁に均一に分布しており、本実施形態において、前記ピンホールは8つ設けられている。
【0008】
迅速着脱機構の1つの実施形態として、前記迅速着脱機構は、中間旋回ディスク及びウェッジブロックを含み、前記上部構造アセンブリは旋回ベアリングの外輪に固定接続され、前記旋回ベアリングの内輪は前記中間旋回ディスクに固定接続され、前記下部構造アセンブリの頂部には、中間旋回ディスクの位置に対応する支持台が設けられ、前記支持台の中間旋回ディスクに対向する側に凹溝が設けられ、前記中間旋回ディスクの支持台に対向する側に凹溝にマッチする凸部が設けられ、前記中間旋回ディスクは、凸部によって下部構造アセンブリの頂部にある支持台の凹溝内に挿設され、前記中間旋回ディスクの凸部の側壁及び支持台の凹溝の側壁には、複数の角穴が対応して設けられ、前記ウェッジブロックは、下部構造アセンブリ及び中間旋回ディスクの角穴内に挿設されて下部構造アセンブリと中間旋回ディスクを接続して固定し、前記下部構造アセンブリにおいてウェッジブロックに対応する位置にウェッジブロックを角穴内に押し付ける押付装置が設けられている。
【0009】
本実施形態において、前記押付装置は、下部構造アセンブリのウェッジブロックに対応する位置に固定されるホルダを含み、ホルダに2つの対応する支持ラグが設けられ、支持ラグの間にナットの大きさにマッチするピッチが設けられ、前記支持ラグにスルーホールが設けられ、前記支持ラグのスルーホール内に、スルーホールの大きさにマッチする締結ボルトが摺動接続され、前記ナットは締結ボルトにネジ接続され、締結ボルトの末端はウェッジブロックに接触する。
【0010】
本実施形態において、前記凹溝は環状凹溝であり、前記角穴は4つ設けられ、前記角穴は、旋回ベアリングの中心軸を対称軸として中間旋回ディスク及び支持台の凹溝の溝壁に均一に分布している。
【0011】
迅速着脱機構の別の実施形態として、前記迅速着脱機構は、中間旋回ディスク及びウェッジブロックを含み、前記下部構造アセンブリは旋回ベアリングの内輪に固定され、前記中間旋回ディスクは旋回ベアリングの外輪に固定され、前記中間旋回ディスクの上部構造アセンブリに対向する側に凹溝が設けられ、前記上部構造アセンブリの底部には、旋回ベアリングの中心軸を対称軸として中間旋回ディスクの凹溝の位置に対応する複数の角穴付きの接続ブロックが中心対称に設けられ、前記上部構造アセンブリは、接続ブロックによって中間旋回ディスクの凹溝内に挿設され、前記凹溝の側壁において接続ブロックの角穴に対応する位置にも角穴が設けられ、前記ウェッジブロックは、上部構造アセンブリ及び中間旋回ディスクの角穴内に挿設されて上部構造アセンブリと中間旋回ディスクを接続して固定し、前記上部構造アセンブリにおいてウェッジブロックに対応する位置にウェッジブロックを角穴内に押し付ける押付装置が設けられている。
【0012】
本実施形態において、前記押付装置はホルダを含み、前記ホルダに支持ラグが設けられ、前記支持ラグにスルーホールが設けられ、前記支持ラグのスルーホール内に、スルーホールの大きさにマッチする締結ボルトが摺動接続され、締結ボルトに2つのナットがネジ接続され、2つのナットは、支持ラグの両側に設けられて締結ボルトを支持ラグに固定し、締結ボルトの末端はウェッジブロックに接触する。
【0013】
本実施形態は、上部構造と下部構造の迅速着脱機構を備える大型機械の積み下ろし方法を更に含み、前記大型機械は、油圧システムを含む上部構造アセンブリと、走行機構を含む下部構造アセンブリと、上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの間に取り付けられる旋回ベアリングと、を備え、前記上部構造アセンブリ又は下部構造アセンブリは、迅速着脱機構を介して旋回ベアリングに接続され、前記上部構造アセンブリに上部構造アセンブリを地面に独立して支持する複数のジャッキスタビライザシリンダが設けられている。
【0014】
積載する時、上部構造アセンブリと下部構造アセンブリを分離させ、上部構造アセンブリをジャッキスタビライザシリンダにより地面に独立して支持し、延長油圧パイプで上部構造アセンブリの油圧システムと下部構造アセンブリの走行機構を接続し、油圧システムを操作して輸送車両まで走行するように下部構造アセンブリを制御し、延長油圧パイプを取り外し、下部構造アセンブリを確実に固定する。
【0015】
別の輸送車両を上部構造アセンブリの前端又は後端から上部構造アセンブリの底部まで後退させ、輸送車両の上部構造アセンブリの落下位置に対応する位置に支持用の複数本の枕木を敷き、上部構造アセンブリのジャッキスタビライザシリンダを回収し、上部構造アセンブリを輸送車両の枕木に落下させ、上部構造アセンブリをフラットベッド輸送車両に確実に固定する。
【0016】
卸す時には、上記ステップと逆順で行う。
【発明の効果】
【0017】
上記形態を採用することで、本発明は、上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの迅速な分離を実現し、且つ分離後に外部の力によらずに輸送車両に対する自動積み下ろしを実現し、操作と運営の難易度を下げ、使用コストを削減することができる。上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの迅速な解体・合体によって、今まで大型非道路走行機械の輸送が困難であるという難題を解決する。上下部構造の迅速解体・合体装置は、着脱便利性の面でも着脱部位の構造強度の面でも目的に合わせて専門的に設計され、毎回の着脱が確かに頼もしく実施可能であるように保証する。
【0018】
以上を纏めると、本発明は、上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの迅速な分離を実現し、且つ分離後に外部の力によらずに輸送車両に対する自動積み下ろしを実現し、操作と運営の難易度を下げ、使用コストを削減することができる。上部構造アセンブリ及び下部構造アセンブリの積み下ろしが自動的に行われる輸送形態は、従来のクレーンにより吊り上げて積み下ろしをする方法に比べて、クレーンを賃借するコストが節約される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1(a)】本発明の実施例1の上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの合体状態図である。
図1(b)】図1(a)における迅速着脱機構の拡大図である。
図2図1(a)における軸ピンの分布図である。
図3(a)】本発明の実施例2の上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの合体状態図である。
図3(b)】図3(a)における迅速着脱機構の拡大図である。
図4図3(a)におけるウェッジブロックの分布図である。
図5】本発明の実施例3の上部構造アセンブリと下部構造アセンブリの合体状態図である。
図6図5におけるウェッジブロックの分布図である。
図7】本発明の上下部構造アセンブリの解体状態図である。
図8】本発明の下部構造アセンブリが立ち去る場合の模式図である。
図9】本発明の下部構造アセンブリの自動積み下ろしの模式図である。
図10】本発明の上部構造アセンブリの自動積み下ろしの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[本発明を実施するための最も好ましい実施例]
図1(a)、図1(b)、図2に示すように、上部構造アセンブリ1に4つのジャッキスタビライザシリンダ2が装着され、旋回ベアリング4の外輪は、ボルトによって上部構造アセンブリ1に接続され、旋回ベアリング4の内輪は、ボルトによって中間旋回ディスク5に接続され、中間旋回ディスク5は、下部構造アセンブリ3の頂部の支持台に挿入され、中間旋回ディスク5と円周方向に沿って下部構造アセンブリ3の頂部の支持台の側面に分布している8つのピンホールとが1対1で対応するようにされている。図2に示すように、軸ピン6をピンホールに挿入するように挿設した後に、上部構造アセンブリ1と下部構造アセンブリ3は、8本の軸ピン6により接続され、中間旋回ディスク5の底面は下部構造アセンブリ3の上平面に密接され、上下部構造アセンブリを解体する必要がある時、専用ピンプラーで軸ピン6を順次に抜き出し、クレーンで上部構造アセンブリを吊り上げて離せばよく、上下部構造アセンブリの合体の場合はその逆である。この発明によれば、上下部構造アセンブリ解体・合体を比較的迅速に実現することができ、何回も繰り返すこともできる。
【0021】
[本発明の実施例]
本発明をよりよく理解するために、以下、図面及び実施例を参照しながら、発明を更に詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらに限定されず、本発明の保護範囲には、当業者が本発明の構想に基づいて想到できる同等の技術手段も含まれる。
【0022】
[実施例1]
図1(a)、図1(b)、図2に示すように、上部構造アセンブリ1に4つのジャッキスタビライザシリンダ2が装着され、旋回ベアリング4の外輪は、ボルトによって上部構造アセンブリ1に接続され、旋回ベアリング4の内輪は、ボルトによって中間旋回ディスク5に接続され、中間旋回ディスク5は、下部構造アセンブリ3の頂部の支持台に挿入され、中間旋回ディスク5と円周方向に沿って下部構造アセンブリ3の頂部の支持台の側面に分布している8つのピンホールとが1対1で対応するようにされる。図2に示すように、軸ピン6をピンホールに挿入するように挿設した後に、上部構造アセンブリ1と下部構造アセンブリ3は、8本の軸ピン6により接続され、中間旋回ディスク5の底面は下部構造アセンブリ3の上平面に密接され、上下部構造アセンブリを解体する必要がある時、専用ピンプラーで軸ピン6を順次に抜き出し、クレーンで上部構造アセンブリを吊り上げて離せばよく、上下部構造アセンブリの合体の場合はその逆である。この発明によれば、上下部構造アセンブリ解体・合体を比較的迅速に実現することができ、何回も繰り返すこともできる。
【0023】
[実施例2]
図3(a)、図3(b)、図4に示すように、上部構造アセンブリ1は、ボルトによって旋回ベアリング4の外輪に接続され、中間旋回ディスク5は、ボルトによって旋回ベアリング4の内輪に接続され、中間旋回ディスク5は、下部構造アセンブリ3の頂部の支持台に挿入され、図4に示すように、4つのウェッジブロック8で中間旋回ディスク5と下部構造アセンブリ3をロックする。ウェッジブロック8は、上平面が斜面なブロックであり、下部構造アセンブリ3の頂部の支持台には、4つの上平面が斜面な角穴が対応して存在し、下部構造アセンブリ3において、角穴に対応する位置にホルダが設けられ、ホルダに2つの対応する支持ラグが設けられ、2つの支持ラグの間にナットの大きさにマッチするピッチが設けられ、前記支持ラグにスルーホールが設けられ、前記支持ラグのスルーホール内に、スルーホールの大きさにマッチする締結ボルト7が摺動接続され、前記ナット9は締結ボルト7にネジ接続され、締結ボルト7の末端はウェッジブロック8に接触し、締結ボルト7を調節することでウェッジブロック8を奥へ推し込みつづけることによって、ウェッジブロック8と角穴の間に完全に隙間がなくなるまで、ウェッジブロック8の斜面と下部構造アセンブリの斜面を緊密に結合させることができる。これによって、上下部構造アセンブリの接続箇所における隙間が完全になくなり、且つ、ウェッジブロック8の斜面の角度がウェッジブロックの材料の摩擦角よりも小さいため、ウェッジブロック8と角穴の間が自動的にロックされ、施工中に、上部構造アセンブリにどんなに大きな負荷が生じても、ウェッジブロック8に横変位が生じることはない。実施例2は、実施例1を基に改良し、4つの対角に配置されている4つのウェッジブロックを採用しているので、着脱と施工が便利である。
【0024】
[実施例3]
本実施例は、実施例1、2とは(異なる、即ち)、実施例1、2では分離(結合)面を旋回ベアリングと下部構造アセンブリの間に配置し、旋回ベアリングと下部構造アセンブリの間に中間旋回ディスク5が設けられている(本明細書でこの形を「下分離」と定義する)が、本実施例3では分離(結合)面を上部構造アセンブリと旋回ベアリングの間に配置し、上部構造アセンブリと旋回ベアリングの間に中間旋回ディスク5が設けられている(本明細書でこの形を「上分離」と定義する)点で異なる。
【0025】
図5を参照し、下部構造アセンブリ3と旋回ベアリングの内輪は、ボルトによって接続され、中間旋回ディスク5と旋回ベアリングの外輪は、ボルトによって接続され、上部構造アセンブリ1の底部に4つの角穴付きの接続ブロック10が設計されている。図6を参照し、接続ブロック10は、中間旋回ディスク5に対応する4つの接続シートに挿入され、ウェッジブロック8の上表面は斜面であり、中間旋回ディスク5の四隅の側面に斜面付きの角穴が対応して設計され、下部構造アセンブリにおいて角穴に対応する位置にホルダが設けられ、前記ホルダに支持ラグが設けられ、前記支持ラグにスルーホールが設けられ、前記支持ラグのスルーホール内に、スルーホールの大きさにマッチする締結ボルトが摺動接続され、締結ボルトに2つのナットがネジ接続され、2つのナットは、支持ラグの両側に設けられて締結ボルトを支持ラグに固定し、締結ボルトの末端はウェッジブロックに接触し、締結ボルト7を調節することでウェッジブロック8を奥へ推し込み続けることによって、ウェッジブロック8と角穴の間に完全に隙間がなくなるまで、ウェッジブロック8の斜面と下部構造アセンブリの斜面を緊密に結合させることができる。これによって、上下部構造アセンブリの接続箇所における隙間が完全になくなり、且つ、ウェッジブロック8の斜面の角度が材料の摩擦角よりも小さいように設計されているため、ウェッジブロック8と角穴の間が自動的にロックされ、施工中に、上部構造アセンブリにどんなに大きな負荷が生じても、ウェッジブロック8に横変位が生じることはない。
【0026】
[自動積み下ろしと輸送]
図7に示すように、実施例1、2、3に対応して上下部構造アセンブリの接続部材(軸ピン又はウェッジブロック)を引き抜き、操作者により、機器がアウトリガシリンダ2を徐々に伸ばし、上部構造アセンブリ1と下部構造アセンブリ3を完全に離脱させるように操作する。図8に示すように、その後、延長油圧パイプ11で上部構造アセンブリ1の油圧システムと下部構造アセンブリ3の走行モータを接続し、運転手は運転室で油圧システムを操作して下部構造アセンブリ3を走行させて上部構造アセンブリ1の底部から徐々に離れる。図9に示すように、フラットベッド輸送車両12を、適切な位置に泊め、後部のクライミング架台を下ろし、下部構造アセンブリ3の走行システムをフラットベッド輸送車両12に徐々に登るように駆動し、延長油圧パイプ11を取り外し、下部構造アセンブリ3を確実に固定する。これによって、下部構造アセンブリ3の積載が完了する。
【0027】
図10のように、別のフラットベッド輸送車両12を上部構造アセンブリ1の前端又は後端から底部まで徐々に後退させ、フラットベッド輸送車両12の上部構造アセンブリ1に対応する位置に複数の枕木を敷き、運転室で上部構造アセンブリの油圧システムを操作して4つのジャッキスタビライザシリンダ2を回収し、上部構造アセンブリ1を枕木に平穏に落下させ、上部構造アセンブリ1とフラットベッド輸送車両12を確実に固定する。これによって、上部構造アセンブリ1の積載が完了する。自動的に卸す場合は、上記積載ステップと逆順で行う。
【0028】
本発明において前述した上下左右などの用語は、便宜に説明するためのものであり、絶対的な意味での上下左右ではなく、実際の適用において本発明の保護権益を損害することなく調整可能である。上記実施例は、本発明の原理及びその効果を例示的に説明するものに過ぎず、本発明を制限するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範疇に違反しない限り、上記実施例を修飾又は変更することができる。従って、当業者が本発明に開示された精神と技術的思想を逸脱することなくなされた全ての等価修飾又は変更も、本発明の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0029】
1 上部構造アセンブリ
2 ジャッキスタビライザシリンダ
3 下部構造アセンブリ
4 旋回ベアリング
5 中間旋回ディスク
6 軸ピン
7 締結ボルト
8 ウェッジブロック
9 ナット
10 接続ブロック
11 延長油圧パイプ
12 輸送車両
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10