(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】セル、光起電力モジュール及び光起電力モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20240123BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20240123BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
(21)【出願番号】P 2023000420
(22)【出願日】2023-01-05
【審査請求日】2023-01-05
(31)【優先権主張番号】202211104536.9
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211465763.4
(32)【優先日】2022-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】曹 云成
(72)【発明者】
【氏名】▲かん▼ 迎利
(72)【発明者】
【氏名】黄 世亮
(72)【発明者】
【氏名】郭 志球
(72)【発明者】
【氏名】杜 江海
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-518286(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0216887(US,A1)
【文献】特開2006-032698(JP,A)
【文献】特開2006-229240(JP,A)
【文献】特表2010-519732(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111403534(CN,A)
【文献】米国特許第08574951(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00-31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セル(302)であって、基板(1)と、前記基板(1)に設けられた、第1方向(X)に沿って延在する第1メイングリッド線(2)及び第2メイングリッド線(3)と、前記基板(1)に設けられた、前記第2方向(Y)に沿って延在する第1細グリッド線(4)及び第2細グリッド線(5)と、前記基板(1)に設けられたメイングリッドピット(11)とを備え、
前記第1メイングリッド線(2)と前記第2メイングリッド線(3)は、第2方向(Y)に沿って交互に配置され、かつ極性が逆であり、前記第1方向(X)は、前記第2方向(Y)と交差し、
前記第1細グリッド線(4)と前記第2細グリッド線(5)は、前記第1方向(X)に沿って交互に設けられ、前記第1細グリッド線(4)は、前記第1メイングリッド線(2)に接続され、前記第2細グリッド線(5)は、前記第2メイングリッド線(3)に接続され、かつ前記第1細グリッド線(4)と前記第1メイングリッド線(2)は、極性が同じであり、前記第2細グリッド線(5)と前記第2メイングリッド線(3)は、極性が同じであり、
複数の前記メイングリッドピット(11)は、前記第2方向(Y)に沿って間隔をあけて設けられ、前記第1メイングリッド線(2)の少なくとも一部、及び前記第2メイングリッド線(3)の少なくとも一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置し、
前記基板(1)の厚さ方向に沿って、前記メイングリッドピット(11)の深さh1は、30μm≦h1≦50μmを満たし、
前記基板(1)の厚さ方向に沿って、前記メイングリッドピット(11)の深さと前記第1メイングリッド線(2)及び/又は前記第2メイングリッド線(3)の高さとの割合範囲は、10:3~6:5であり、
複数の前記メイングリッドピット(11)は、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて分布し、前記第1メイングリッド線(2)の一部及び前記第2メイングリッド線(3)の一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置する、ことを特徴とするセル。
【請求項2】
前記メイングリッドピット(11)は、前記第1方向(X)に沿って延在し、前記第1メイングリッド線(2)及び前記第2メイングリッド線(3)は、前記メイングリッドピット(11)内に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項3】
前記第1メイングリッド線(2)及び前記第2メイングリッド線(3)には、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて設けられた溶接点(6)を有し、
前記メイングリッドピット(11)は、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて設けられた第1ピット及び第2ピットを含み、前記第1ピットと前記溶接点(6)は、前記基板(1)の厚さ方向に沿って対向して設けられ、前記第1ピットの深さは、前記第2ピットの深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項4】
前記基板(1)には、さらに前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて分布する複数の細グリッドピット(12)が開設され、前記第1細グリッド線(4)の少なくとも一部及び前記第2細グリッド線(5)の少なくとも一部は、前記細グリッドピット(12)内に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載のセル。
【請求項5】
前記細グリッドピット(12)は、前記第2方向(Y)に沿って延在し、前記第1細グリッド線(4)及び前記第2細グリッド線(5)は、前記細グリッドピット(12)内に設けられている、ことを特徴とする請求項4に記載のセル。
【請求項6】
複数の前記細グリッドピット(12)は、前記第2方向(Y)に沿って間隔をあけて分布し、前記第1細グリッド線(4)の一部及び前記第2細グリッド線(5)の一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置する、ことを特徴とする請求項4に記載のセル。
【請求項7】
前記基板(1)の厚さ方向に沿って、前記メイングリッドピット(11)の深さは、前記細グリッドピット(12)の深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項4に記載のセル。
【請求項8】
前記基板(1)の厚さ方向に沿って、前記細グリッドピット(12)の深さh2は、25μm≦h2≦35μmを満たす、ことを特徴とする請求項7に記載のセル。
【請求項9】
前記メイングリッドピット(11)の前記第2方向(Y)に沿う幅をW1とし、前記細グリッドピット(12)の前記第1方向(X)に沿う幅をW2としたとき、W1>W2である、ことを特徴とする請求項4に記載のセル。
【請求項10】
前記メイングリッドピット(11)の前記第2方向(Y)に沿う幅W1は、40μm≦W1≦70μmを満たし、及び/又は、前記細グリッドピット(12)の前記第1方向(X)に沿う幅W2は、25μm≦W2≦35μmを満たす、ことを特徴とする請求項9に記載のセル。
【請求項11】
前記メイングリッドピット(11)の前記第2方向(Y)に沿う断面形状は、矩形、半円形、三角形、円弧状又は台形である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のセル。
【請求項12】
前記基板(1)は、自身の厚さ方向に沿って対向して設けられた第1面及び第2面を含み、前記第1面は、前記セル(302)の太陽光に向かう側に位置し、
前記第1メイングリッド線(2)、前記第2メイングリッド線(3)、前記第1細グリッド線(4)及び前記第2細グリッド線(5)は、いずれも前記第2面に設けられている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のセル。
【請求項13】
前記第1メイングリッド線(2)の高さH1は、15μm≦H1≦25μmを満たし、及び/又は、前記第2メイングリッド線(3)の高さH2は、15μm≦H2≦25μmを満たし、及び/又は、前記第1細グリッド線(4)の高さH3は、15μm≦H3≦25μmを満たし、及び/又は、前記第2細グリッド線(5)の高さH4は、15μm≦H4≦25μmを満たす、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のセル。
【請求項14】
光起電力モジュールであって、
前記光起電力モジュールは、自身の厚さ方向に沿って順に配置されたガラス(10)、第1封止接着フィルム(20)、セルストリング(30)、第2封止接着フィルム(40)及びバックプレート(50)を含み、前記セルストリング(30)は、複数の請求項1に記載のセル(302)と、隣接する前記セル(302)を接続するための溶接ストリップ(301)とを含み、
前記セル(302)は、前記第1方向(X)に沿って交互に分布する第1セル及び第2セルを含み、前記第1方向(X)に沿って、前記第1セルにおける前記第1メイングリッド線(2)と前記第2セルにおける前記第2メイングリッド線(3)は、同一の延長線上に位置し、前記第1セルにおける前記第2メイングリッド線(3)と前記第2セルにおける前記第1メイングリッド線(2)は、同一の延長線上に位置し、
前記溶接ストリップ(301)は、それぞれ前記第1メイングリッド線(2)、隣接する前記セル(302)における前記第2メイングリッド線(3)に接続され、前記セル(302)の厚さ方向に沿って、前記溶接ストリップ(301)は、前記第1メイングリッド線(2)及び前記第2メイングリッド線(3)の前記基板(1)から離間する側に設けられ、かつ前記溶接ストリップ(301)の少なくとも一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置する、ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項15】
前記溶接ストリップ(301)は、本体部(301a)及び突起部(301b)を含み、複数の前記突起部(301b)は、前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて設けられ、前記突起部(301b)の少なくとも一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置する、ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力モジュール。
【請求項16】
前記セル(302)の厚さ方向に沿って、前記本体部(301a)の高さh3は、150μm≦h3≦300μmを満たし、
前記セル(302)の厚さ方向に沿って、前記突起部(301b)の高さh4は、35μm≦h4≦65μmを満たす、ことを特徴とする請求項15に記載の光起電力モジュール。
【請求項17】
前記溶接ストリップ(301)の15%~25%は、前記メイングリッドピット(11)内にある、ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力モジュール。
【請求項18】
光起電力モジュールの製造方法であって、前記光起電力モジュールは、複数の請求項
3に記載のセルと、隣接する前記セル(302)を接続するための溶接ストリップ(301)とを含み、
前記溶接ストリップ(301)は、それぞれ前記第1メイングリッド線(2)、及び隣接する前記セル(302)の前記第2メイングリッド線(3)に接続され、前記セル(302)の厚さ方向に沿って、前記溶接ストリップ(301)は、前記第1メイングリッド線(2)及び前記第2メイングリッド線(3)の前記基板(1)から離間する側に設けられ、かつ前記溶接ストリップ(301)の少なくとも一部は、前記メイングリッドピット(11)内に位置し、
前記基板(1)は、自身の厚さ方向に沿って対向して設けられた第1面及び第2面を含み、前記第1面は、前記光起電力モジュールの太陽光に向かう側に位置し、前記第1メイングリッド線(2)、前記第2メイングリッド線(3)、前記第1細グリッド線(4)、前記第2細グリッド線(5)及び前記溶接ストリップ(301)は、いずれも前記第2面に位置し、
前記光起電力モジュールの製造方法は、
前記基板(1)の前記第2面に前記メイングリッドピット(11)をエッチングするステップと、
前記基板(1)にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップと、
前記第2面に金属電極を製造するステップと、
前記溶接ストリップ(301)を前記セル(302)に配置し、前記溶接ストリップ(301)の一部が前記メイングリッドピット(11)内に差し込まれるステップと、
前記溶接点(6)によって、前記溶接ストリップ(301)と前記セル(302)を固定するステップとを含む、ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
【請求項19】
前記基板(1)には、さらに前記第1方向(X)に沿って間隔をあけて分布する複数の細グリッドピット(12)が開設され、前記第1細グリッド線(4)の少なくとも一部、及び第2細グリッド線(5)の少なくとも一部は、前記細グリッドピット(12)内に位置し、
前記基板(1)にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップの前に、前記光起電力モジュールの製造方法は、さらに、
前記第2面に前記細グリッドピット(12)をエッチングするステップを含む、ことを特徴とする請求項18に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、セルの技術分野に関し、特にセル、光起電力モジュール及び光起電力モジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池技術の革新が進むことに伴い、現在関連する電池技術も顕著に発展し、そのうち、バックコンタクト型電池は、新規な太陽電池構造として、ますます多くの人々に注目されている。
【0003】
バックコンタクト型電池(IBC)とは、電池の表面に電極がなく、正負両極の金属グリッド線が指状に交差して電池の裏面に配列されるものを指す。バックコンタクト型電池の最大の特徴は、PN接合と金属接触がいずれも電池の裏面に位置し、表面に金属電極の遮蔽の影響がないため、より高い短絡電流Jscを有し、同時に裏面は広い金属グリッド線を許容して直列抵抗Rsを低減することによりフィルファクタFFを向上させることができ、電池前面フィールド(Front Surface Field、FSF)及び良好なパッシベーション作用による開放電圧利得を加え、このような表面に遮蔽がない電池は、変換効率が高いだけでなく、より美しく見えると同時に、全裏面電極のアセンブリはより組み立てやすい。
【0004】
現在、バックコンタクト型電池は、短絡を防止するために、メイングリッド線の周囲に絶縁接着剤を塗布することを選択したため、バックコンタクト型電池の溶接引張力が悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、セルと溶接ストリップの溶接引張力を向上させることができるセル、光起電力モジュール及び光起電力モジュールの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の第1態様は、セルを提供し、当該セルは、基板と、基板に設けられた、第1方向に沿って延在する第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線と、基板に設けられた、第2方向に沿って延在する第1細グリッド線及び第2細グリッド線と、基板に設けられたメイングリッドピットと、を含み、
第1メイングリッド線と第2メイングリッド線は、第2方向に沿って交互に配置され、かつ極性が逆であり、第1方向は、第2方向と交差し、
第1細グリッド線と第2細グリッド線は、第1方向に沿って交互に設けられ、第1細グリッド線は、第1メイングリッド線に接続され、第2細グリッド線は、第2メイングリッド線に接続され、かつ第1細グリッド線と第1メイングリッド線は、極性が同じであり、第2細グリッド線と第2メイングリッド線は、極性が同じであり、
複数のメイングリッドピットは、第2方向に沿って間隔をあけて設けられ、第1メイングリッド線の少なくとも一部、及び第2メイングリッド線の少なくとも一部は、メイングリッドピット内に位置し、
基板の厚さ方向に沿って、メイングリッドピットの深さh1は、30μm≦h1≦50μmを満たし、
基板の厚さ方向に沿って、メイングリッドピットの深さと第1メイングリッド線及び/又は第2メイングリッド線の高さとの割合範囲は、10:3~6:5である。
【0007】
いくつかの実施例において、メイングリッドピットは、第1方向に沿って延在し、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線は、メイングリッドピット内に設けられている。
【0008】
いくつかの実施例において、複数のメイングリッドピットは、第1方向に沿って間隔をあけて分布し、第1メイングリッド線の一部及び第2メイングリッド線の一部は、メイングリッドピット内に位置する。
【0009】
いくつかの実施例において、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線には、第1方向に沿って間隔をあけて設けられた溶接点を有し、
メイングリッドピットは、第1方向に沿って間隔をあけて設けられた第1ピット及び第2ピットを含み、第1ピットと溶接点は、基板の厚さ方向に沿って対向して設けられ、第1ピットの深さは、第2ピットの深さよりも大きい。
【0010】
いくつかの実施例において、基板には、さらに第1方向に沿って間隔をあけて分布する複数の細グリッドピットが開設され、第1細グリッド線の少なくとも一部及び第2細グリッド線の少なくとも一部は、細グリッドピット内に位置する。
【0011】
いくつかの実施例において、細グリッドピットは、第2方向に沿って延在し、第1細グリッド線及び第2細グリッド線は、細グリッドピット内に設けられている。
【0012】
いくつかの実施例において、複数の細グリッドピットは、第2方向に沿って間隔をあけて分布し、第1細グリッド線の一部及び第2細グリッド線の一部は、メイングリッドピット内に位置する。
【0013】
いくつかの実施例において、基板の厚さ方向に沿って、メイングリッドピットの深さは、細グリッドピットの深さよりも大きい。
【0014】
いくつかの実施例において、基板の厚さ方向に沿って、細グリッドピットの深さh2は、25μm≦h2≦35μmを満たす。
【0015】
いくつかの実施例において、メイングリッドピットの第2方向に沿う幅をW1とし、細グリッドピットの第1方向に沿う幅をW2としたとき、W1>W2を満たす。
【0016】
いくつかの実施例において、メイングリッドピットの第2方向に沿う幅W1は、40μm≦W1≦70μmを満たし、及び/又は、細グリッドピットの第1方向に沿う幅W2は、25μm≦W2≦35μmを満たす。
【0017】
いくつかの実施例において、メイングリッドピットの第2方向に沿う断面形状は、矩形、半円形、三角形、円弧状又は台形である。
【0018】
いくつかの実施例において、基板は、自身の厚さ方向に沿って対向して設けられた第1面及び第2面を含み、第1面は、セルの太陽光に向かう側に位置し、
第1メイングリッド線、第2メイングリッド線、第1細グリッド線及び第2細グリッド線は、いずれも第2面に設けられている。
【0019】
いくつかの実施例において、第1メイングリッド線の高さH1は、15μm≦H1≦25μmを満たし、及び/又は、第2メイングリッド線の高さH2は、15μm≦H2≦25μmを満たし、及び/又は、第1細グリッド線の高さH3は、15μm≦H3≦25μmを満たし、及び/又は、第2細グリッド線の高さH4は、15μm≦H4≦25μmを満たす。
【0020】
本願の第2態様は、光起電力モジュールを提供し、光起電力モジュールは
自身の厚さ方向に沿って順に配置されたガラス、第1封止接着フィルム、セルストリング、第2封止接着フィルム及びバックプレートを含み、前記セルストリングは、上記のいずれか一項に記載のセルと、隣接するセルを接続するための溶接ストリップとを含み、
セルは、第1方向に沿って交互に分布する第1セル及び第2セルを含み、第1方向に沿って、第1セルにおける第1メイングリッド線と第2セルにおける第2メイングリッド線は、同一の延長線上に位置し、第1セルにおける第2メイングリッド線と第2セルにおける第1メイングリッド線は、同一の延長線上に位置し、
溶接ストリップは、それぞれ第1メイングリッド線、隣接するセルにおける第2メイングリッド線に接続され、セルの厚さ方向に沿って、溶接ストリップは、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線の基板から離間する側に設けられ、かつ溶接ストリップの少なくとも一部は、メイングリッドピット内に位置する。
【0021】
いくつかの実施例において、溶接ストリップは、本体部及び突起部を含み、複数の突起部は、第1方向に沿って間隔をあけて設けられ、突起部の少なくとも一部は、メイングリッドピット内に位置する。
【0022】
いくつかの実施例において、セルの厚さ方向に沿って、本体部の高さh3は、150μm≦h3≦300μmを満たし、
セルの厚さ方向に沿って、突起部の高さh4は、35μm≦h4≦65μmを満たす。
いくつかの実施例において、溶接ストリップの15%~25%は、メイングリッドピット内に位置する。
【0023】
本願の第3態様は、光起電力モジュールの製造方法を提供し、光起電力モジュールは、複数のセル及び隣接するセルを接続するための溶接ストリップを含み、
セルは、基板と、基板に設けられた、第1方向に沿って延在する第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線と、基板に設けられた、第2方向に沿って延在する第1細グリッド線及び第2細グリッド線と、基板に設けられたメイングリッドピットとを含み、第1方向は、第2方向と交差し、複数のメイングリッドピットは、第2方向に沿って間隔をあけて設けられ、第1メイングリッド線の少なくとも一部及び第2メイングリッド線の少なくとも一部は、メイングリッドピット内に位置し、
溶接ストリップは、それぞれ第1メイングリッド線、及び隣接するセルの第2メイングリッド線に接続され、セルの厚さ方向に沿って、溶接ストリップは、第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線の基板から離間する側に設けられ、かつ溶接ストリップの少なくとも一部は、メイングリッドピット内に位置し、
基板は、自身の厚さ方向に沿って対向して設けられた第1面及び第2面を含み、第1面は、光起電力モジュールの太陽光に向かう側に位置し、第1メイングリッド線、第2メイングリッド線、第1サブグリッド線、第2サブグリッド線及び溶接ストリップは、いずれも第2面に位置し、
光起電力モジュールの製造方法は、
基板の第2面にメイングリッドピットをエッチングするステップと、
基板にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップと、
第2面に金属電極を製造するステップと、
溶接ストリップをセルに配置し、溶接ストリップの一部がメイングリッドピット内に差し込まれるステップと、
溶接点によって、溶接ストリップとセルを固定するステップとを含む。
【0024】
いくつかの実施例において、基板には、さらに第1方向に沿って間隔をあけて分布する複数の細グリッドピットが開設され、細グリッド線の少なくとも一部が細グリッドピット内に位置し、
基板にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップの前に、光起電力モジュールの製造方法は、さらに、
第2面に細グリッドピットをエッチングするステップを含む。
【発明の効果】
【0025】
本願では、メイングリッドピットの基板の厚さ方向に沿う深さは、30μm~50μmであり、基板の厚さ方向に沿って、メイングリッドピットの深さと第1メイングリッド線及び/又は第2メイングリッド線の高さとの割合範囲は、10:3~6:5であり、溶接ストリップがセルに接続されると、溶接ストリップの一部は、メイングリッドピット内に差し込むことができ、セルと溶接ストリップとの溶接引張力を向上させることに寄与するだけではなく、セルの隠れクラック発生リスクを低減させ、光起電力モジュールの動作安定性を向上させることができる。
【0026】
以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、単に例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではないと理解されるべきである。
【0027】
ここでの図面は、明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本願に合致する実施例を示し、明細書と共に本願の原理を説明するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本願に係る光起電力モジュールの一実施例における断面図である。
【
図2】
図1におけるセルストリングの一実施例における構造概略図であり、ここで、2つのセルを例とする。
【
図3】
図2におけるセルストリングの第3方向での底面図である。
【
図4】
図3におけるセルの一実施例における構造概略図である。
【
図5】
図4における基板の一実施例における構造概略図である。
【
図6】
図4における基板の別の一実施例における構造概略図である。
【
図8】
図2におけるセルストリングの一実施例におけるA-A方向での部分断面図である、
【
図10】
図2におけるセルストリングの別の一実施例におけるA-A方向での部分断面図である。
【
図12】
図10におけるセルストリングのB-B方向での部分断面図である。
【
図14】本願に係る光起電力モジュールの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本願の技術案をより良く理解するために、以下に図面を参照しながら本願の実施例を詳細に説明する。
【0030】
明らかなように、記述される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに想到し得る他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものとする。
【0031】
本願の実施例において使用される用語は、特定の実施例を記述することを目的とするものに過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形の「一種」、「前記」及び「当該」も、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、複数形を含むことを意図するものとする。
【0032】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連対象を記述する関連関係だけであり、3種類の関係が存在してもよいことを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、同時にA及びBが存在すること、Bが単独で存在することという3種類の状況を示すことができる。また、本明細書における文字「/」は、一般的に、前後関連対象が「又は」の関係にあることを示すと理解されるべきである。
【0033】
なお、本願の実施例に記述される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示された角度で記述されるものであり、本願の実施例を限定するものと理解すべきではない。また、コンテキストにおいて、一つの素子が他の素子の「上」又は「下」に接続されることを言及する場合、それは、他の素子の「上」又は「下」に直接的に接続されるだけでなく、中間素子を介して他の素子の「上」又は「下」に間接的に接続されてもよい。
【0034】
本願の実施例は、光起電力モジュールを提供し、
図1に示すように、光起電力モジュールは、自身の厚さ方向に沿って順に配置されたガラス10、第1封止接着フィルム20、セルストリング30、第2封止接着フィルム40及びバックプレート50を含み、ここで、
図2及び
図3に示すように、セルストリング30は、溶接ストリップ301及び複数のセル302を含み、溶接ストリップ301は、隣接するセル302を接続するために用いられる。セル302は、二つずつの互いに垂直である第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zを含み、第1方向Xは、セル302の幅方向であり、第2方向Yは、セル302の長さ方向であり、第3方向Zは、セル302の厚さ方向であり、複数のセル302は、第1方向X及び/又は第2方向Yに沿って間隔をあけて分布し、説明の便宜上、本願の実施例において、第1方向Xに沿って交互に分布するセル302をそれぞれ第1セル及び第2セルと記し、すなわち第1セルと第2セルとの間は、溶接ストリップ301により接続される。
【0035】
ここで、第1封止接着フィルム20及び第2封止接着フィルム40は、いずれもPOE接着フィルムを採用することができ、POEは、エチレンオクテン共重合体であり、飽和脂肪鎖で構成され、優れた耐候性、耐紫外線老化性能を有し、優れた耐熱性、耐低温性能を有し、かつ使用温度範囲が広く、優れた光透過率、優れた電気絶縁性能を有し、コストパフォーマンスが高く、加工しやすく、いずれもEVA接着フィルムを採用することもでき、EVA接着フィルムは、最も一般的な接着フィルムであり、その主成分がエチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)であり、少量の架橋剤、架橋助剤、老化防止剤及び他の機能助剤を含み、EVAは、二種類のモノマーで共重合して製造され、エチレン鎖が短いため安定する。
【0036】
セル302は、ハーフカットセルを採用することができ、ハーフカットセルを採用することでセル302の抵抗を低減することができ、それによって光起電力モジュールの抵抗損失を低減させる。
図3及び
図4に示すように、セル302は、基板1を含み、第3方向Zに沿って、基板1は、対向して設けられた第1面(図示せず)及び第2面(図示せず)を有し、第1面は、光起電力モジュールの太陽光に向かう側に位置し、第2面は、光起電力モジュールの太陽光から離間する側に位置する。ここで、基板1は、シリコン基材であってもよく、シリコン基材は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン又は微結晶シリコンのうちの一種又は複数種を含むことができる。基板1は、N型半導体又はP型半導体であってもよく、本願は、基板1の具体的な材質及びタイプについて特に限定されず、本願の実施例は、基板1がN型シリコン基板であることを例とする。
【0037】
基板1の第1面及び/又は第2面にはテクスチャー面(図示せず)が設けられ、テクスチャー面は、光閉じ込め作用を有し、基板1の表面の反射率を10%以下に低減させて、セル302の短絡電流及びその変換効率を向上させることができ、第2面にパッシベーション処理を行い、又は、第1面及び第2面にパッシベーション処理を行い、パッシベーション層7を形成し、パッシベーション層7は、反射光の低減及び表面パッシベーション作用を有し、それと同時に、第2面に異なる極性のドープ層8が設けられ、例えば、ホウ素源及びリン源を拡散することによりPN接合を得る。
【0038】
基板1の第1面及び/又は第2面には、第1方向Xに沿って延在する第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3、基板1に設けられた第2方向Yに沿って延在する第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5が設けられており、第1メイングリッド線2と第2メイングリッド線3は、第2方向Yに沿って交互に配置され、かつ極性が逆であり、例えば、第1メイングリッド線2が正極であり、第2メイングリッド線3が負極であり、又は、第1メイングリッド線2が負極であり、第2メイングリッド線3が正極であり、第1細グリッド線4と第2細グリッド線5は、第1方向Xに沿って交互に設けられ、第1細グリッド線4は、第1メイングリッド線2に接続され、第2細グリッド線5は、第2メイングリッド線3に接続され、かつ第1細グリッド線4と第1メイングリッド線2は、極性が同じであり、第2細グリッド線5と第2メイングリッド線3は、極性が同じである。
【0039】
図3に示すように、第1方向Xに沿って、第1セルの第1メイングリッド線2と第2セルの第2メイングリッド線3は、同じ延長線上に位置し、第1セルの第2メイングリッド線3と第2セルの第1メイングリッド線2は、同じ延長線上に位置し、すなわち、第1セルの第1メイングリッド線2と隣接する第2セルの第2メイングリッド線3とは、直接的に溶接ストリップ301により接続され、第1セルの第2メイングリッド線3と隣接する第2セルの第1メイングリッド線2とは、直接的に溶接ストリップ301により接続され、セル302の反りを効果的に改善でき、応力が大きすぎることによる隠れクラックの問題を回避することができる。
【0040】
一実施例において、第1面及び第2面には、いずれも第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5が設けられ、溶接ストリップ301は、その一部がセル302の第2面に接続され、他の一部が折り曲げられて延在して隣接するセル302の第1面に接続される。
【0041】
別の実施例において、
図2、
図3、
図8~
図13に示すように、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5及び溶接ストリップ301は、いずれも第2面に設けられ、このとき、光起電力モジュールは、バックコンタクト型電池であり、すなわち溶接ストリップ301は、それぞれ隣接する2つのセル302の第2面に接続されて、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5、溶接ストリップ301の第1面に対する遮蔽を低減させ、それによって第1面と太陽光との接触面積を増加させ、さらに光起電力モジュールの光電変換効率を向上させる。
【0042】
本願は、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5及び溶接ストリップ301がいずれも第2面に設けられることを例とし、すなわち、光起電力モジュールは、バックコンタクト型電池(IBC)である。
【0043】
また、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3は、パッシベーション層7を貫通せず、すなわち、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3は、パッシベーション層7に直接印刷され、或いは、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3は、パッシベーション層7を貫通して基板1に接触する。第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5は、基板1に直接印刷されてもよく、すなわち、第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5は、パッシベーション層7を貫通してドープ層8に直接接触してもよい。
【0044】
第3方向Zに沿って、第1メイングリッド線2の高さH1は、15μm≦H1≦25μmを満たし、及び/又は、第2メイングリッド線3の高さH2は、15μm≦H2≦25μmを満たし、及び/又は、第1細グリッド線4の高さH3は、15μm≦H3≦25μmを満たし、及び/又は、第2細グリッド線5の高さH4は、15μm≦H4≦25μmを満たす。
【0045】
第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3の高さが15μmよりも低いと、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3がキャリアを収集することに不利であり、光起電力モジュールの光電変換効率への影響を増加させる。第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3の高さが25μmを超えると、溶接引張力に影響することになるため、15μm≦H1≦25μm、15μm≦H2≦25μmとすることで、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3がキャリアを収集することに寄与し、光起電力モジュールの光電変換効率を向上させると同時に、セル302と溶接ストリップ301との溶接引張力に有利となり、具体的には、第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3の高さは、15μm、20μm又は25μmを選択することができる。
【0046】
第1細グリッド線4及び/又は第2細グリッド線5の高さが15μmよりも低いと、第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5がキャリアを収集することに不利であり、光起電力モジュールの光電変換効率に影響を与える。第1細グリッド線4及び/又は第2細グリッド線5の高さが25μmよりも高いと、第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5の加工コストの増加をもたらす。したがって、15μm≦H3≦25μm、15μm≦H4≦25μmとすることで、第1細グリッド線4及び第2細グリッド線5の加工コストを低減することができるとともに、光起電力モジュールの光電変換効率を向上させることができ、具体的には、第1細グリッド線4及び/又は第2細グリッド線5の高さは、15μm、20μm又は25μmを選択することができる。
【0047】
第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3の第2方向Yに沿う幅範囲は、30μm~60μmを選択することができ、第1細グリッド線4及び/又は第2細グリッド線5の第1方向Xに沿う幅範囲は、20μm~40μmを選択することができ、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5の光起電力モジュールの有効面積に対する遮蔽を低減させることができ、それによって光起電力モジュールの光電変換効率を向上させ、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5の加工コストを低減し、同時に第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3の信頼性を向上させることができる。
【0048】
図5、
図6、
図8~
図14に示すように、基板1には複数本のメイングリッドピット11が開設され、ドープ層8は、メイングリッドピット11内に位置することができる。複数のメイングリッドピット11は、第2方向Yに沿って間隔をあけて設けられ、第1メイングリッド線2の少なくとも一部及び第2メイングリッド線3の少なくとも一部は、メイングリッドピット11内に位置し、少数キャリアからドープ層8までの距離を減少させ、それによってセル302の開放電圧を向上させ、さらに光起電力モジュールの光電変換効率を向上させる。
【0049】
溶接ストリップ301が隣接するセル302に接続される場合、溶接ストリップ301の少なくとも一部は、メイングリッドピット11内に位置し、セル302と溶接ストリップ301との溶接引張力を向上させることに寄与し、溶接ストリップ301とセル302との接続安定性を向上させる。
【0050】
具体的には、第1細グリッド線4は、極性の異なる第2メイングリッド線3と接触しないため、第1細グリッド線4は、第2メイングリッド線3が印刷されたメイングリッド線ピット11内に入る必要がなく、第1細グリッド線4は、極性が同じである第1メイングリッド線2と接触するため、第1細グリッド線4は、第1メイングリッド線2が印刷されたメイングリッド線ピット11内に入りかつ第1メイングリッド線2と接続することができる。第2細グリッド線5は、極性の異なる第1メイングリッド線2と接触しないため、第2細グリッド線5は、第1メイングリッド線2が印刷されたメイングリッド線ピット11内に入る必要がなく、第2細グリッド線5は、極性が同じである第2メイングリッド線3と接触するため、第2細グリッド線5は、第2メイングリッド線3が印刷されたメイングリッド線ピット11内に入りかつ第2メイングリッド線3と接続することができる。
【0051】
第3方向Zに沿って、基板1の厚さHは、160μm≦H≦230μmを満たし、具体的には、基板1の第3方向Zでの厚さは、160μm、179μm、186μm、200μm、226μm、230μmであってもよい。
【0052】
本実施例において、基板1にメイングリッドピット11が設けられているため、基板1の厚さが小さく、すなわちH<160μmであると、基板1は、メイングリッドピット11の近傍に隠れクラックのリスクが発生しやすい。基板1の厚さが大きく、すなわちH>230μmであると、セル302のコストを増加させ、かつ光起電力モジュールの全体の厚さを増加させる。したがって、160μm≦H≦230μmとすることで、光起電力モジュール全体の厚さを低減して、製造コストを低減することができ、それと同時に、基板1の構造強度を増加させ、光起電力モジュールの使用寿命を延長し、光起電力モジュールの動作安定性を向上させることができる。
【0053】
第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さh1は、30μm≦h1≦50μmを満たす。
【0054】
本実施例において、メイングリッドピット11の深さが30μmよりも低いと、セル302と溶接ストリップ301との溶接引張力に不利であり、メイングリッドピット11の深さが50μmよりも高いと、セル302の隠れクラック発生リスクを増加させることになるため、30μm≦h1≦50μmとすることで、セル302の隠れクラック発生リスクを低減することができるだけでなく、溶接ストリップ301とセル302との溶接引張力を向上させることに寄与する。具体的には、メイングリッドピット11の深さは、30μm、35μm、40μm、45μm又は50μmであってもよい。
【0055】
第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さと第1メイングリッド線2の高さとの割合範囲は、10:3~6:5であり、及び/又は、メイングリッドピット11の深さと第2メイングリッド線3の高さとの割合範囲は、10:3~6:5である。
【0056】
メイングリッドピット11の深さと第1メイングリッド線2の高さとの割合の広い範囲は、10:1~10:9であってもよく、その狭い範囲は、5:2~5:3であってもよく、具体的には、第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さと第1メイングリッド線2の高さとの割合範囲は、10:3~6:5であり、例えば、10:3、2:1、7:3、9:4、5:2又は6:5であり、及び/又は、メイングリッドピット11の深さと第2メイングリッド線3の高さとの割合の広い範囲は、10:1~10:9であってもよく、その狭い範囲は、5:2~5:3であってもよく、具体的には、第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さと第2メイングリッド線3の高さとの割合の広い範囲は、10:3~6:5であり、例えば、2:1、7:3、9:4、5:2又は6:5である。ここで、メイングリッドピット11の深さと第1メイングリッド線2の高さとの割合、および、メイングリッドピット11の深さと第2メイングリッド線3の高さとの割合は、同じであってもよく異なってもよい。
【0057】
本実施例において、メイングリッドピット11の第3方向Zに沿う深さは、30μm~50μmであり、第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さと第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3の高さとの割合範囲は、10:3~6:5であり、セル302と溶接点6との溶接引張力を向上させることに寄与するだけでなく、セル302の隠れクラック発生リスクを低減させ、それと同時に、少数キャリアからドープ層8までの距離が小さくなるため、バックコンタクト型電池の開放電圧を向上させ、IBCの光電変換効率を向上させる。
【0058】
また、メイングリッドピット11の第2方向Yに沿う断面形状は、矩形、半円形、三角形、円弧状、台形又は他の変形構造であり、本願の実施例は、メイングリッドピット11の断面形状について特に限定されず、本願の実施例において、メイングリッドピット11の第2方向Yに沿う断面形状が半円形であることを例とする。
【0059】
具体的には、
図4に示すように、第1方向Xに沿って、第1メイングリッド線2と第2メイングリッド線3には、いずれも溶接点6が間隔をあけて設けられ、溶接ストリップ301とセル302は、溶接点6により固定接続される。ここで、一本の第1メイングリッド線2上、および一本の第2メイングリッド線3上の溶接点6の数は、3つ以上であり、具体的には、溶接点6の数は、4つ以上であってもよく、例えば5つ、6つであり、本願の実施例は、溶接点6の具体的な数について特に限定されない。
【0060】
一実施例において、
図4及び
図5に示すように、メイングリッドピット11は、第1方向Xに沿って延在し、第1メイングリッド線2全体及び第2メイングリッド線3全体は、いずれもメイングリッドピット11内に設けられ、
図8及び
図9に示すように、溶接ストリップ301は、メイングリッドピット11内に直接的に係止され、かつ第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3に接続される。メイングリッドピット11は、第1方向Xに沿って延在し、メイングリッドピット11の加工工程を簡略化して、メイングリッドピット11の加工コストを低減させる。溶接ストリップ301全体をメイングリッドピット11内に係止し、溶接ストリップ301がセル302に対して移動する場合、溶接ストリップ301は、メイングリッドピット11の側壁に当接して、溶接ストリップ301の取り付け位置を制限することができ、溶接ストリップ301の取り付け難度を低減させ、溶接ストリップ301とセル302との接続の安定性を増加させ、溶接ストリップ301が傾斜するリスクを低減させることができ、第1メイングリッド線2上の溶接ストリップ301を例として、溶接ストリップ301と第2細グリッド線5との接触や電気的接続のリスクを低減させ、すなわち第1細グリッド線4、第2細グリッド線5が第1メイングリッド線2、溶接ストリップ301を介して直列接続されてセル302が短絡されるリスクを低減させることができ、セル302の動作安定性及び使用寿命を向上させることができる。
【0061】
別の一実施例において、
図4及び
図6に示すように、複数のメイングリッドピット11は、第1方向Xに沿って間隔をあけて分布し、第1メイングリッド線2の一部及び第2メイングリッド線3の一部は、メイングリッドピット11内に位置する。メイングリッドピット11は、第1方向Xに沿って間隔をあけて分布し、基板1のエッチング面積を減少させ、それによって基板1の構造強度を向上させることに寄与する。具体的には、
図10~
図13に示すように、溶接ストリップ301は、本体部301a及び突起部301bを含み、突起部301bの少なくとも一部は、メイングリッドピット11内に位置し、溶接ストリップ301がセル302に対して移動するとき、突起部301bは、メイングリッドピット11の側壁に当接して、溶接ストリップ301の取り付け位置を制限することができ、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5が第1メイングリッド線2、溶接ストリップ301を介して直列接続されてセル302が短絡されるリスクを低減させることができ、セル302の動作安定性及び使用寿命を向上させることができる。
【0062】
本実施例において、メイングリッドピット11の数は、突起部301bの数以上であり、それによって取り付け過程において溶接ストリップ301の取り付け位置の調整に寄与する。また、突起部301bの断面輪郭形状は、矩形、円柱形、円錐形、球形などに限定されず、本願の実施例は、突起部301bの輪郭形状について特に限定されない。
【0063】
具体的には、メイングリッドピット11は、第1方向Xに沿って間隔をあけて設けられた第1ピット(図示せず)及び第2ピット(図示せず)を含み、第1ピットと溶接点6は、第3方向Zに沿って対向して設けられ、かつ第1ピットの深さは、第2ピットの深さよりも大きい。
【0064】
本実施例において、溶接点6が第1ピットに位置し、かつ第1ピットの深さが第2ピットの深さよりも大きいため、溶接ストリップ301がセル302に接続された後、溶接ストリップ301が溶接点6で突起することにより溶接ストリップ301のセル302から離反する面が凸凹するリスクを低減させ、光起電力モジュールの取り付け及び使用に寄与する。非溶接点領域に浅い第2ピットを設けることによって、突起部301bとメイングリッドピット11の数を増加させることができ、それによって溶接ストリップ301とセル302との係止位置を増加させ、溶接ストリップ301の局所変形によるセル302の短絡のリスクを低減させることができ、セル302の動作安定性及び使用寿命をさらに向上させることができる。
【0065】
ここで、隣接する2つの第1ピットの間に1つ又は複数の第2ピットが設けられてもよく、隣接する2つの第2ピットの間に1つ又は複数の第1ピットが設けられてもよく、本願は、第1ピットや第2ピットの具体的な分布方式について特に限定されない。第1ピットと第2ピットの輪郭形状は、同じであっても異なっていてもよく、本願は、第1ピットや第2ピットの具体的な構造について特に限定されない。
【0066】
また、本体部301aの断面形状は、四角形、円形又は他の変形構造を含むがこれらに限定されず、本願は、本体部301aの具体的な構造について特に限定されない。
【0067】
本体部301aの第3方向Zでの厚さ寸法h3は、0.1mm≦h3≦0.3mmを満たし、具体的には、本体部301aの第3方向Zでの厚さは、0.1mm、0.15mm、0.21mm、0.26mm、0.3mmであってもよい。
【0068】
本実施例において、本体部301aの厚さが小さく、すなわちh3<0.1mmであると、溶接ストリップ301が加工、輸送、取り付け過程において割れ損傷のリスクが存在し、それと同時に、装置が溶接ストリップ301と溶接点6を溶接できないリスクが存在する。本体部301aの厚さが大きく、すなわちh3>0.3mmであると、溶接ストリップ301が外力作用で予め設定された取り付け位置からずれやすく、すなわち溶接ストリップ301の応力が大きく、同時に、溶接ストリップ301のコストを増加させる。したがって、0.1mm≦h3≦0.3mmとすることで、装置が溶接ストリップ301と溶接ストリップ301を溶接しやすく、溶接ストリップ301のコストを低減させ、本体部301aの構造強度を向上させ、溶接ストリップ301の使用寿命を延長し、かつ溶接ストリップ301の動作安定性を向上させることができ、同時に、溶接ストリップ301の応力を低減し、溶接の安定性を向上させることができる。
【0069】
突起部301bの第3方向Zでの高さh4は、35μm≦h4≦65μmを満たし、及び/又は、メイングリッドピット11の第3方向Zでの深さh1は、35μm≦h1≦45μmを満たす。具体的には、突起部301bの第3方向Zでの高さは、35μm、42μm、51μm、65μmであってもよい。メイングリッドピット11の第3方向Zでの深さは、35μm、39μm、43μm、45μmであってもよい。
【0070】
高温環境下で、溶接ストリップ301は、熱膨張及び冷収縮により膨張し、突起部301bの高さが大きく、すなわちh4>65μmであると、突起部301bは、セル302に作用力を印加してセル302が損傷することをもたらす。突起部301bの高さが小さく、すなわちh4<35μmであると、突起部301bとメイングリッドピット11との接続深さが小さくなり、取り付け固定過程において、酸素が突起部301bとメイングリッドピット11との隙間に入ってセル302が酸化されるリスクが存在する。したがって、35μm≦h4≦65μmとすることで、溶接ストリップ301がセル302を損傷するリスクを低減することができ、同時に、セル302が酸化されるリスクを低減することができ、それによってセル302の使用寿命を延長し、セル302の動作安定性を向上させることができる。
【0071】
メイングリッドピット11の深さが小さく、すなわちh1<35μmであると、突起部301bがメイングリッドピット11から離脱するリスクが存在する。メイングリッドピット11の深さが大きく、すなわちh1>45μmであると、基板1の強度を低減させてしまい、基板1の後続の加工、輸送、使用過程において基板1が損傷するリスクが存在する。したがって、35μm≦h1≦45μmとすることで、突起部301bとメイングリッドピット11との接続安定性を向上させ、さらに溶接ストリップ301の取り付け位置の正確性を向上させることができ、同時に、セル302に隠れクラックなどの欠陥が発生するリスクを低減することができ、それによってセル302の使用寿命を延長し、セル302の動作安定性を向上させることができる。
【0072】
以上のいずれかの実施例において、溶接ストリップ301の15%~25%は、メイングリッドピット11内にある。溶接ストリップ301のメイングリッドピット11内にある部分が15%よりも低いと、溶接ストリップ301とメイングリッドピット11との接触面積が小さすぎ、溶接引張力が理想的ではない。溶接ストリップ301のメイングリッドピット11内にある部分が25%よりも高いと、セル302の隠れクラックを発生しやすい。そのため、溶接ストリップ301の15%~25%をグリッドピット内にあるようにすることで、溶接ストリップ301とメイングリッドピット11との接触面積が小さすぎることを回避することができるだけでなく、セル302と溶接ストリップ301との溶接引張力を増大させることに寄与し、セル302の隠れクラック発生率を低減させることができる。
【0073】
図4~
図7に示すように、基板1には、さらに第1方向Xに沿って間隔をあけて分布する複数の細グリッドピット12が開設され、第1細グリッド線4の少なくとも一部、第2細グリッド線5の少なくとも一部は、細グリッドピット12内に位置する。基板1の第1面にグリッド線がないため、第1面の光生成電子を第2面のグリッド線(第1細グリッド線4、第2細グリッド線5、第1メイングリッド線2及び/又は第2メイングリッド線3)に収集する必要があり、細グリッドピット12によって一定の範囲で光生成電子の経路を低減させ、複合を減少させることができ、セル302の光電変換効率を向上させることができる。
【0074】
一実施例において、細グリッドピット12は、第2方向Yに沿って延在し、第1細グリッド線4全体、第2細グリッド線5全体は、細グリッドピット12内に設けられている。細グリッドピット12は、第2方向Yに沿って延在し、細グリッドピット12の加工工程を簡略化し、細グリッドピット12の加工コストを低減させる。
【0075】
別の一実施例において、複数の細グリッドピット12は、第2方向Yに沿って間隔をあけて分布し、第1細グリッド線4の一部、第2細グリッド線5の一部は、メイングリッドピット11内に位置する。細グリッドピット12は、第2方向Yに沿って間隔をあけて分布し、基板1のエッチング面積を減少させ、それにより基板1の構造強度を向上させることに寄与する。
【0076】
具体的には、第3方向Zに沿って、メイングリッドピット11の深さは、細グリッドピット12の深さよりも大きく、一部の溶接ストリップ301をメイングリッドピット11内に嵌め込むことに寄与し、溶接引張力をさらに増加させることができる。
【0077】
第3方向Zに沿って、細グリッドピット12の深さh2は、25μm≦h2≦35μmを満たす。
【0078】
本実施例において、細グリッドピット12の深さが25μmよりも小さいと、細グリッドピット12を形成することができず、セル302の効率を向上させることができない。細グリッドピット12の深さが35μmよりも大きいと、基板1が過度に薄くされて隠れクラック発生率の増加をもたらす。したがって、25μm≦h2≦35μmとすることで、セル302の隠れクラック発生率を低減させることができるだけでなく、細グリッドピット12を形成することに寄与し、具体的には、細グリッドピット12の深さは、25μm、28μm、31μm又は35μmを選択することができる。
【0079】
メイングリッドピット11の第2方向に沿う幅はW1であり、細グリッドピット12の第1方向に沿う幅はW2であり、W1>W2である。メイングリッドピット11の第2方向Yに沿う幅は、細グリッドピット12の第1方向Xに沿う幅よりも大きく、溶接引張力をより効果的に増加させることができ、すなわち、一部の溶接ストリップ301をメイングリッドピット11内に嵌め込むことを可能にするために、その幅及び深さをいずれも細グリッドピット12の幅及び深さよりも大きくすることによって、溶接ストリップ301が細グリッドピット12内に誤って取り付けられるリスクを低減させることができる。
【0080】
メイングリッドピット11の第2方向に沿う幅W1は、40μm≦W1≦70μmを満たし、及び/又は、細グリッドピット12の第1方向に沿う幅W2は、25μm≦W2≦35μmを満たす。
【0081】
メイングリッドピット11の幅が40μmよりも小さいと、溶接引張力を向上させることに不利であり、メイングリッドピット11の幅が70μmよりも大きいと、セル302の隠れクラック発生リスクを増加させる。そのため、40μm≦W1≦70μmとすることによって、溶接引張力に寄与するだけでなく、セル302の隠れクラック発生リスクを低減させることができる。具体的には、メイングリッドピット11の幅は、40μm、50μm、60μm又は70μmを選択することができる。
【0082】
細グリッドピット12の第1方向Xに沿う幅が25μmよりも小さいと、セル302の効率を向上させる作用を果たすことができず、細グリッドピット12の第1方向Xに沿う幅が35μmよりも大きいと、セル302の隠れクラック発生率を増加させてしまう。そのため、25μm≦W2≦35μmとすることによって、セル302の効率を向上させることができるだけでなく、セル302の隠れクラック発生率を低減させることができる。具体的には、細グリッドピット12の幅は、25μm、28μm、31μm又は35μmを選択することができる。
【0083】
以上のいずれかの実施例における光起電力モジュールに基づいて、バックコンタクト型電池を例として、本願は、光起電力モジュールの製造方法を提供し、
図14に示すように、光起電力モジュールの製造方法は、
基板1の第2面にメイングリッドピット11をエッチングするステップと、
基板1にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップと、
第2面に金属電極を製造し、金属電極は、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5及び溶接点6を含み、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5は、n+ドープ領域、p+ドープ領域とオーミック接触し、第1メイングリッド線2及び第2メイングリッド線3の少なくとも一部は、メイングリッドピット11内に位置するステップと、
溶接ストリップ301をセル302に配置し、溶接ストリップ301の一部がメイングリッドピット11内に差し込まれるステップと、
溶接点6によって、溶接ストリップ301とセル302とを固定するステップと、を含む。
【0084】
具体的には、基板1にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を形成するステップの前に、光起電力モジュールの製造方法は、
第2面に細グリッドピット12をエッチングするステップをさらに含む。
【0085】
以上をまとめると、本願の実施例に係る光起電力モジュールの製造方法は、具体的には、以下のとおりである。
基板1の第2面にレーザエッチング又は機械エッチングの方法によってメイングリッドピット11及び細グリッドピット12をエッチングする。
基板1を洗浄し、エッチング後の損傷構造を除去する。
基板1の第1面及び第2面にテクスチャリング処理を行い、テクスチャリング面を形成し、テクスチャリングの目的は、化学反応により元々の明るい基板1の表面に凹凸構造を形成し、光のその表面での伝播経路を延長して、セル302の光に対する吸収を向上させる。
基板1の第2面にドーピング処理を行い、ドーピングが完了した後にドーピング層8を形成し、ドーピング層8は、互いに交互に配列されたn+ドーピング領域及びp+ドーピング領域を含み、例えばホウ素源及びリン源を拡散することによりPN接合を得る。
PECVD装置(プラズマ強化化学気相堆積)を利用して基板1の第1面にコーティングを行い、反射防止膜を形成し、当該反射防止膜は、光の反射を低減することができる。
PECVD装置を利用して基板1の第2面に一層のSiNx(窒化ケイ素)を堆積して、パッシベーション層7を形成し、当該パッシベーション層7は、表面パッシベーション及び反射防止の作用を有する。
基板1の第2面に金属電極を製造し、ここで、金属電極は、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5及び溶接点6を含み、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5は、第2面のn+ドープ領域、p+ドープ領域とオーミック接触し、第1メイングリッド線2の少なくとも一部、第2メイングリッド線3の少なくとも一部は、メイングリッドピット11内に位置し、第1細グリッド線4の少なくとも一部、第2細グリッド線5の少なくとも一部は、細グリッドピット12内に位置する。
溶接ストリップ301をセル302に配置して、溶接ストリップ301の一部がメイングリッドピット11内に差し込まれる。
溶接点6に溶接ストリップ301及びセル302を溶接し、セルストリング30を形成する。
固定ガラス10、第1封止接着フィルム20、セルストリング30、第2封止接着フィルム40及びバックプレート50を積層する。
【0086】
ここで、金属電極を製造することは、具体的には、スクリーン印刷の方法によって、処理後の第2面のp+ドープ領域に銀アルミニウムペーストを印刷し、第2面のn+ドープ領域に銀ペーストを印刷することができる。第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3及び溶接点6は、第2面のパッシベーション層7に直接的に印刷することができ、基板1を貫通しない。或いは、第1メイングリッド線2、第2メイングリッド線3、第1細グリッド線4、第2細グリッド線5は、パッシベーション層7を貫通してドープ層8に印刷することができ、その後に焼結処理を行えばよい。
【0087】
本実施例において、形成されたメイングリッドピット11、細グリッドピット12を利用することによって、セル302と溶接ストリップ301との溶接引張力を向上させることができるだけでなく、少数キャリアからドープ層8までの距離を大幅に低減し、バックコンタクト型電池の開放電圧を向上させることができる。
【0088】
以上は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、様々な修正及び変更を有することができる。本願の精神及び原則内で行われるいかなる修正、同等置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0089】
10-ガラス
20-第1封止接着フィルム
30-セルストリング
301-溶接ストリップ
301a-本体部
301b-突起部
302-セル
40-第2封止接着フィルム
50-バックプレート
1-基板
11-メイングリッドピット
12-細グリッドピット
2-第1メイングリッド線
3-第2メイングリッド線
4-第1細グリッド線
5-第2細グリッド線
6-溶接点
7-パッシベーション層
8-ドープ層
【要約】
【課題】セル、光起電力モジュール及び光起電力モジュールの製造方法を提供する。
【解決手段】セルは、基板と、基板に設けられた第1メイングリッド線及び第2メイングリッド線と、第1メイングリッド線に接続された第1細グリッド線と、第2メイングリッド線に接続された第2細グリッド線とを含み、第1メイングリッド線と第2メイングリッド線は極性が逆であり、第1細グリッド線と第1メイングリッド線、第2細グリッド線と第2メイングリッド線は、極性が同じであり、基板にメイングリッドピットが設けられ、第1メイングリッド線の少なくとも一部、第2メイングリッド線の少なくとも一部がメイングリッドピット内に位置し、メイングリッドピットの深さが30μm~50μmであり、基板の厚さ方向に沿って、メイングリッドピットの深さと第1メイングリッド線及び/又は第2メイングリッド線の高さの割合範囲が10:3~6:5である。
【選択図】
図8