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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-22
(45)【発行日】2024-01-30
(54)【発明の名称】データ線及び充電機器
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240123BHJP
   G06F 3/00 20060101ALI20240123BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20240123BHJP
   G06F 13/42 20060101ALI20240123BHJP
   G06F 1/26 20060101ALI20240123BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
G06F3/00 A
G06F13/38 320A
G06F13/38 350
G06F13/42 310
G06F1/26 306
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023501903
(86)(22)【出願日】2021-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2021106213
(87)【国際公開番号】W WO2022012578
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】202010674329.1
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルオ、ファンティン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、チュンチェン
(72)【発明者】
【氏名】リウ、イェンピン
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-520221(JP,A)
【文献】特表2019-501440(JP,A)
【文献】特開2019-164716(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0256968(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106502939(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106992372(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108233130(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110534988(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/123594(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/104586(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102231543(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107181145(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H01R 13/66
H01R 24/60
G06F 3/00
G06F 13/38
G06F 13/42
G06F 1/26
G05F 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルによって接続されるType-AインターフェースとType-Cインターフェースとを含むデータ線であって、前記Type-Aインターフェースと前記Type-Cインターフェースの両方が、VBUSピン、CCピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンを含み、前記Type-AインターフェースのVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンが、それぞれ前記Type-CインターフェースのVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンに対応して接続され、
前記データ線内に、スイッチ回路と、フィルタ回路と、電圧安定化回路と、コンパレータ回路とを含む回路識別モジュールが設けられており、
前記スイッチ回路が、前記Type-CインターフェースのCCピン、前記電圧安定化回路の出力端、及びType-AインターフェースのCCピンに接続され、前記スイッチ回路の制御端が前記コンパレータ回路の出力端に接続され、前記電圧安定化回路の入力端が前記ケーブル内のVBUS配線に接続され、前記電圧安定化回路の出力端がさらに前記コンパレータ回路の第1入力端に接続され、前記コンパレータ回路の第2入力端が前記フィルタ回路の出力端に接続され、前記フィルタ回路の入力端が前記Type-AインターフェースのCCピンに接続され、
前記コンパレータ回路の制御により、前記スイッチ回路が、前記Type-AインターフェースのCCピンと前記Type-CインターフェースのCCピンとを接続するか、あるいは、前記電圧安定化回路の出力端と前記Type-CインターフェースのCCピンとを接続する、データ線。
【請求項2】
前記電圧安定化回路は、低ドロップアウトレギュレーターである、請求項1に記載のデータ線。
【請求項3】
前記回路識別モジュールは、第6抵抗をさらに含み、前記第6抵抗は前記スイッチ回路と前記Type-CインターフェースのCCピンとの間に接続され、前記スイッチ回路は、前記Type-CインターフェースのCCピンを前記第6抵抗を介して前記電圧安定化回路の出力端に接続するために用いられるか、あるいが、前記Type-CインターフェースのCCピンを前記Type-AインターフェースのCCピンに接続するために用いられる、請求項2に記載のデータ線。
【請求項4】
前記回路識別モジュールは、前記ケーブル内に設けられ、前記回路識別モジュールと前記Type-Aインターフェースとの間の距離は、前記回路識別モジュールと前記Type-Cインターフェースとの間の距離よりも小さい、請求項1に記載のデータ線。
【請求項5】
前記スイッチ回路は、第1スイッチングトランジスタと、第2スイッチングトランジスタと、第1抵抗と、第2抵抗とを含み、
前記第1スイッチングトランジスタの第1極及び前記第2スイッチングトランジスタの第1極は、前記スイッチ回路の制御端であり、前記第1スイッチングトランジスタの第1極及び前記第2スイッチングトランジスタの第1極は、前記第1抵抗を介してGNDピンに接続され、且つ前記第2抵抗を介して前記コンパレータ回路の出力端に接続され、前記第1スイッチングトランジスタの第2極は、前記Type-AインターフェースのCCピンに接続され、前記第1スイッチングトランジスタの第3極は、前記Type-CインターフェースのCCピンに接続され、
前記第2スイッチングトランジスタの第2極は、前記電圧安定化回路の出力端に接続され、前記第2スイッチングトランジスタの第3極は、前記第6抵抗を介して前記Type-CインターフェースのCCピンに接続され、
前記Type-AインターフェースのCCピンに信号がない場合、前記第1スイッチングトランジスタはオフ状態になり、前記第2スイッチングトランジスタはオン状態になり、前記Type-AインターフェースのCCピンに信号がある場合、前記第1スイッチングトランジスタはオン状態になり、前記第2スイッチングトランジスタはオフ状態になる、請求項3に記載のデータ線。
【請求項6】
前記第1スイッチングトランジスタはNMOSトランジスタであり、前記第2スイッチングトランジスタはPMOSトランジスタである、請求項5に記載のデータ線。
【請求項7】
前記フィルタ回路は、RCフィルタ回路であり、且つ第3抵抗とコンデンサとを含み、
前記第3抵抗の第1端は前記Type-AインターフェースのCCピンに接続され、前記第3抵抗の第2端は前記コンデンサの第1端に接続され、前記コンデンサの第2端はGNDピンに接続され、前記コンデンサの第1端はさらに前記コンパレータ回路の第2入力端に接続される、請求項1から6のいずれか1項に記載のデータ線。
【請求項8】
前記コンパレータ回路は、第4抵抗と、第5抵抗と、コンパレータとを含み、
前記コンパレータの第1端は前記スイッチ回路の制御端に接続され、前記コンパレータの第2端は前記電圧安定化回路の出力端に接続され、前記コンパレータの第3端は前記フィルタ回路の出力端に接続され、前記コンパレータの第4端は前記GNDピンに接続され、前記コンパレータの第5端は前記第4抵抗の第1端と前記第5抵抗の第1端に接続され、前記第4抵抗の第2端は前記GNDピンに接続され、前記第5抵抗の第2端は前記コンパレータの第2端に接続され、
前記Type-AインターフェースのCCピンに信号がある場合、前記フィルタ回路の出力端は高レベル信号を出力し、前記コンパレータの第3端の電気信号値が前記コンパレータの第5端の電気信号値よりも大きくなり、前記コンパレータは第1制御信号を出力し、前記スイッチ回路は前記第1制御信号に応答してその第1端と第3端とを連通させ、前記Type-AインターフェースのCCピンに信号がない場合、前記フィルタ回路の出力端は低レベル信号を出力し、前記コンパレータの第3端の電気信号値が前記コンパレータの第5端の電気信号値以下になり、前記コンパレータは第2制御信号を出力し、前記スイッチ回路は前記第2制御信号に応答してその第1端と第2端とを連通させる、請求項7に記載のデータ線。
【請求項9】
データ線と充電器とを含み、前記データ線が、請求項1から8のいずれか1項に記載のデータ線であり、前記充電器が、PD充電処理モジュールを含み、前記充電器が前記データ線に接続される場合、前記PD充電処理モジュールが、前記Type-AインターフェースのCCピンに連通する、充電機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、通信技術の分野に属し、具体的には、データ線及び充電機器に関する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、急速充電はますます広く利用されている。
【0003】
関連技術において、通常、電力送配(Power Delivery、PD)プロトコルを使用して急速充電を行い、PDプロトコルによる充電をサポートする充電器では、構成チャネル(Configuration Channel、CC)信号線を使用して通信を行う必要があり、当該PDプロトコルによる充電をサポートする充電器は、通常、第3規格(Type-C)インターフェースを使用し、Type-C to Type-Cのデータ線と組み合わせて使用される。第1規格(Type-A又はStandard-A)インターフェースを使用したデータ線は、D+/D-信号線を介して通信を行い、PDプロトコルによる充電をサポートすることができない。このため、データ線のType-AインターフェースはPDプロトコルによる充電をサポートしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の実施例は、Type-Aインターフェースを有するデータ線がPDプロトコルによる充電をサポートしないという問題を解決可能なデータ線及び充電機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の技術的課題を解決するために、本出願は、下記のように実現される。
【0006】
第1側面では、本出願の実施例は、ケーブルによって接続されるType-AインターフェースとType-Cインターフェースとを含むデータ線であって、前記Type-Aインターフェースと前記Type-Cインターフェースの両方が、VBUSピン、CCピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンを含み、前記Type-AインターフェースのVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンが、それぞれ前記Type-CインターフェースのVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンに対応して接続され、
前記データ線内に、スイッチ回路と、フィルタ回路と、電圧安定化回路と、コンパレータ回路とを含む回路識別モジュールが設けられており、
前記スイッチ回路が、前記Type-CインターフェースのCCピン、前記電圧安定化回路の出力端、及びType-AインターフェースのCCピンに接続され、前記スイッチ回路の制御端が前記コンパレータ回路の出力端に接続され、前記電圧安定化回路の入力端が前記ケーブル内のVBUS配線に接続され、前記電圧安定化回路の出力端がさらに前記コンパレータ回路の第1入力端に接続され、前記コンパレータ回路の第2入力端が前記フィルタ回路の出力端に接続され、前記フィルタ回路の入力端が前記Type-AインターフェースのCCピンに接続され、
前記コンパレータ回路の制御により、前記スイッチ回路が、前記Type-AインターフェースのCCピンを前記Type-CインターフェースのCCピンに接続するか、あるいは、前記電圧安定化回路の出力端を前記Type-CインターフェースのCCピンに接続する、データ線を提供する。
【0007】
第2側面では、本出願の実施例は、データ線と充電器とを含み、前記データ線が、第1側面に記載のデータ線であり、前記充電器が、PD充電処理モジュールを含み、前記充電器が前記データ線に接続される場合、前記PD充電処理モジュールが、前記Type-AインターフェースのCCピンに連通する、充電機器を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本出願の実施例では、データ線のType-Aインターフェース内にCCピンを設け、Type-AインターフェースのCCピンで伝送されるCC通信信号をフィルタ回路によって安定した制御信号にフィルタリングし、コンパレータ回路を用いてこのアナログ信号と電圧安定化回路によって供給された安定した電圧とを比較して対応する制御信号を出力することにより、Type-AインターフェースのCCピンでの信号の有無に応じて、コンパレータ回路から異なる制御信号が出力され、この制御信号に基づいてスイッチ回路のスイッチ状態を制御する。これにより、スイッチ回路が電圧安定化回路の出力端をType-CインターフェースのCCピンに接続するときにType-AインターフェースのCCピンとType-CインターフェースのCCピンとの接続が切断され、このデータ線はD+ピン及びD-ピンのみによって非PDプロトコル通信を行うことができる。スイッチ回路がType-AインターフェースのCCピンをType-CインターフェースのCCピンに接続するとき、このデータ線は、D+ピン及びD-ピンによって非PDプロトコル通信をサポートすると同時に、CCピンによってPDプロトコル通信をサポートすることもできる。これにより、Type-Aインターフェースを有するデータ線はPDプロトコルによる充電をサポートすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本出願の実施例によって提供されるデータ線の構造図である。
図2図2は、本出願の実施例によって提供されるデータ線内の回路識別モジュールの構造図である。
図3図3は、本出願の実施例によって提供されるデータ線内の回路識別モジュールの回路図である。
図4図4は、本出願の実施例によって提供されるデータ線内のType-Aインターフェースの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本出願の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者によって進歩性のある労働を費やすことなく本出願の実施例に基づいて得られる他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に属するものとする。
【0011】
本出願の明細書及び特許請求の範囲では、「第1」、「第2」などの用語は、類似する対象を区別するためのものであり、特定の順序又は時間的順序を示すためのものではない。本出願の実施例を、ここで図示又は記載されている順序以外の順序で実施できるように、そのようにして使用されるデータは、場合によって、互いに交換可能であり、「第1」、「第2」などによって区別される対象は、通常、同一の種類に属しており、対象の数は限定されず、例えば、第1対象は1つであってもよいし、複数であってもよいことを理解すべきである。また、明細書及び特許請求の範囲における「及び/又は」は、接続される対象のうちの少なくとも1つを示し、「/」記号は、一般的に、前後の関連対象が「又は」の関係にあることを示す。
【0012】
以下、添付図面を参照して、具体的な実施例とその適用場面によって、本出願の実施例によって提供されるデータ線及び充電機器について詳細に説明する。
【0013】
図1及び図2を同時に参照すると、図1は、本出願の実施例によって提供されるデータ線の構造を示す図であり、
図2は、本出願の実施例によって提供されるデータ線内の回路識別モジュール4の構造図である。
【0014】
データ線は、Type-Aインターフェース1とType-Cインターフェース2とを含み、Type-Aインターフェース1とType-Cインターフェース2はケーブル3によって接続され、Type-Aインターフェース1とType-Cインターフェース2の両方は、VBUSピン、CCピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンを含み、Type-Aインターフェース1のVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンは、それぞれType-Cインターフェース2のVBUSピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンに対応して接続される。
【0015】
前記データ線内に、スイッチ回路42と、フィルタ回路43と、電圧安定化回路41とコンパレータ回路44とを含む回路識別モジュール4が設けられている。
【0016】
スイッチ回路42、フィルタ回路43、電圧安定化回路41及びコンパレータ回路44の具体的な接続関係は、次のとおりである。スイッチ回路42の第1端がType-Cインターフェース2のCCピンに接続され、スイッチ回路42の第2端が電圧安定化回路41の出力端に接続され、スイッチ回路42の第3端がType-Aインターフェース1のCCピンに接続され、スイッチ回路42の制御端がコンパレータ回路44の出力端に接続され、電圧安定化回路41の入力端がケーブル3内のVBUS配線に接続され、電圧安定化回路41の出力端がさらにコンパレータ回路44の第1入力端に接続され、コンパレータ回路44の第2入力端がフィルタ回路43の出力端に接続され、フィルタ回路43の入力端が前記CC配線に接続される。
【0017】
コンパレータ回路44の制御により、スイッチ回路42の第1端は、スイッチ回路42の第2端又は第3端に連通する。
【0018】
動作中、コンパレータ回路44は、第1電圧値と第2電圧値との数値的関係に基づいて、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されているか否かを判定する。第1電圧値は、第1入力端から得られた電気信号の電圧値であり、第2電圧値は、第2入力端から得られた電気信号の電圧値である。
【0019】
そして、CCピンに信号が伝送されていると判定した場合には、スイッチ回路42の第1端とスイッチ回路42の第3端とを連通させるように制御する(すなわち、CC配線を連通させる)。CCピンに信号が伝送されていないと判定した場合には、スイッチ回路42の第1端とスイッチ回路42の第2端とを連通させるように制御し、すなわち、CC配線を切断する。また、データ線に電源が投入されたとき、Type-Cインターフェース2のCCピンに電圧安定化回路41及びVBUSピンから電気信号を取得させることにより、被充電機器は、CCピンを介してこの電気信号を検出したとき、非PD充電をトリガーすることができる。
【0020】
具体的には、上記スイッチ回路42の第1端がスイッチ回路42の第2端に連通することは、スイッチ回路42が電圧安定化回路41の出力端をType-Cインターフェース2のCCピンに接続することを意味し、このとき、Type-Cインターフェース2のCCピンとType-Aインターフェース1のCCピンとの接続が切断される。
【0021】
また、上記スイッチ回路42の第1端がスイッチ回路42の第3端に連通することは、スイッチ回路42がType-Aインターフェース1のCCピンをType-Cインターフェース2のCCピンに接続することを意味し、このとき、電圧安定化回路41の出力端とType-Cインターフェース2のCCピンとの接続が切断される。
【0022】
また、上記Type-Aインターフェース1のCCピンは、CC配線を介してType-Cインターフェース2のCCピンに接続することができる。
【0023】
また、Type-Aインターフェース1のVBUSピン、D+ピン、D-ピン、及びGNDピンは、それぞれType-Cインターフェース2のVBUSピン、D+ピン、D-ピン、及びGNDピンに対応して接続することは、次のように理解できる:上記Type-Aインターフェース1のVBUSピンはVBUS配線によってType-Cインターフェース2のVBUSピンに接続され、上記Type-Aインターフェース1のGNDピンはGND配線によってType-Cインターフェース2のGNDピンに接続され、上記Type-Aインターフェース1のD+ピンはD+配線によってType-Cインターフェース2のD+ピンに接続され、上記Type-Aインターフェース1のD-ピンはD-配線によってType-Cインターフェース2のD-ピンに接続される。
【0024】
また、上記データ線内に設けられた回路識別モジュール4は、データ線のType-Aインターフェース1内、Type-Cインターフェース2内、又はケーブル3内に設けられてもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0025】
具体的な実施において、PD充電は、CC配線を介してPD充電信号を伝送することにより、被充電機器とPD充電ネゴシエーションを行い、このPD充電ネゴシエーションによって決定された充電パラメータに基づいて、被充電機器を充電することと理解できる。
【0026】
また、上記非PD充電は、D+ピンとD-ピンを介して通信信号を伝送することにより、充電機器とPD充電とは異なる充電ネゴシエーションを行い、この充電ネゴシエーションによって決定された充電パラメータに基づいて、被充電機器を充電することと理解できる。
【0027】
また、従来技術では、VBUS配線上の電気信号は一定の範囲内で変動しており、VBUS配線をコンパレータ回路44に直接接続してType-Aインターフェース1のCCピン上の電気信号とVBUS配線上の電気信号との間の大きさの関係を比較すれば、VBUS配線上の電気信号が変動した場合にコンパレータ回路44が誤った結果を出すおそれがある。
【0028】
本実施形態では、上記電圧安定化回路41は、VBUS配線上の電気信号を取得し、一定の電圧値の電気信号、例えば、電圧値が5V(ボルト)の電気信号などを出力することができる。これによって、コンパレータは、この電圧安定化回路41によって出力された電気信号とフィルタ回路43によって出力された電気信号とを比較して、CC配線に電気信号が伝送されているか否かを判定し、CC配線に電気信号が伝送されている場合、CC通信チャネルを導通させ、CC配線に電気信号が伝送されていない場合、CC通信チャネルを切断し、CCピンをVBUS配線に引き上げて、被充電機器の非PD充電をトリガーする。
【0029】
例えば、電圧安定化回路41は、低ドロップアウトレギュレーター(Low Dropout Regulator、LDO)である。
【0030】
もちろん、上記電圧安定化回路41は、変動する電圧を安定した電圧に調整可能な任意の電圧レギュレーターであってもよく、ここで具体的に限定しない。
【0031】
具体的な実施において、上記フィルタ回路43は整形回路であってもよく、CC配線に信号が伝送されている場合、フィルタ回路43はCC配線から高レベル信号を取得し、それに応じて整形された高レベル信号をコンパレータ回路に出力する。CC配線に信号が伝送されていない場合、フィルタ回路43は、電気信号を送信し、予設電気信号よりも低いレベルの電気信号が送信されたときに、整形された低レベル信号をコンパレータ回路に出力する。
【0032】
具体的には、この電圧安定化回路41によって出力される電気信号は、低レベル信号と高レベル信号との間のものであってもよく、前記低レベル信号は、CC配線に信号が伝送されていない場合にフィルタ回路43によって出力される電気信号であり、前記高レベル信号は、CC配線に信号が伝送されている場合にフィルタ回路43によって出力される電気信号である。
【0033】
具体的な動作において、スイッチ回路42は、以下の2つの動作状態を含む。
【0034】
第1動作状態では、スイッチ回路42の第1端はスイッチ回路42の第2端に連通し、すなわち、スイッチ回路42は、電圧安定化回路41を介してType-Cインターフェース2のCCピンをVBUS配線に接続し、Type-Cインターフェース2のCCピンとCC配線の第2端との接続を切断し、このとき、CC通信チャネルが切断され、Type-Cインターフェース2のCCピンがVBUS配線に引き上げられる。
【0035】
この場合、データ線2の構造は、従来技術におけるType-A to Type-Cデータ線の構造に類似するが、従来技術におけるType-A to Type-Cデータ線のType-Cインターフェース2のCCピンが、電圧安定化回路41ではなく第6抵抗を介してVBUS配線に接続されるという点で異なる。
【0036】
応用中、上記動作状態にあるデータ線2は、従来技術におけるType-A to Type-Cデータ線と同じ動作原理を有し、すなわち、VBUS配線に連通するCCピンによって被充電機器に電気信号を伝送し、非PD充電を行うことを被充電機器に通知する。
【0037】
第2動作状態では、スイッチ回路42の第1端はスイッチ回路42の第3端に連通し、すなわち、スイッチ回路42はType-Cインターフェース2のCCピンとCC配線とを連通させ、Type-Cインターフェース2のCCピンとVBUS配線との接続を切断し、このとき、CC通信チャネルは連通している。
【0038】
この場合、データ線2は、連通しているCC配線とCCピンを介して被充電機器とPD充電ネゴシエーションを行うことができる。
【0039】
従来技術では、携帯電話などのモバイル端末は、DP、DM通信プロトコルによる急速充電をサポートすることが多く、このデータ負信号(Data Minus、DM)充電通信、データ正信号(Data Positive、DP)充電通信プロトコルは、D+ピンとD-ピンを介して通信信号を伝送するが、ノートパソコンなどの電子機器は、PD通信プロトコルによる急速充電をサポートすることが多く、このPD通信プロトコルは、CCピンを介して通信信号を伝送する。また、従来技術では、PD通信プロトコルをサポートするデータ線はすべてType-C to Type-Cのデータ線であり、DP/DM通信プロトコルをサポートするデータ線はすべてType-A to Type-Cのデータ線であるため、PD通信プロトコルをサポートするデータ線とDP/DM通信プロトコルをサポートするデータ線は共用することができない。
【0040】
本実施形態におけるデータ線は、Type-Aインターフェース1を含むデータ線であり、Type-Aインターフェース1内にCCピンが追加され、このCCピンにCC通信プロトコルの信号が伝送されるとき、Type-Aインターフェース1のCCピンが第1インターフェース2のCCピンに連通するため、被充電機器にPD急速充電を行うことができる。
【0041】
また、実際の応用において、被充電機器がDP、DM通信プロトコルによる非PD急速充電のみをサポートする場合、このデータ線のDP、DM通信チャネルは導通したままであるため、被充電機器にDP、DMプロトコルによる急速充電を提供することができる。
【0042】
また、動作中、本出願の実施例によって提供されるデータ線が電源に接続されていない初期状態において、スイッチ回路42の第1端がスイッチ回路42の第3端と連通してもよい。これによって、データ線が被充電機器に差し込まれたとき、CC通信チャネルを使用して被充電機器にPD充電通信を行うことができるとともに、CC通信を開始後の予設時間内に、Type-AインターフェースのCCピンにCC通信信号が得られない場合に、スイッチ回路42の第1端をスイッチ回路42の第2端と連通させるように切り替えることができる。この予設時間は、3秒、5秒などであってもよく、ここで具体的に限定しない。
【0043】
また、上記Type-Aインターフェース1とType-Cインターフェース2のVBUSピン、D+ピン、D-ピン、GNDピンとケーブル3内の各配線の接続関係は、従来技術における各ピンと各配線の接続関係と同じであり、例えば、Type-CインターフェースとType-Aインターフェース1の各ピンとケーブル3内の各配線の接続関係は、具体的には以下の表1に示すとおりである。
【0044】
【表1】
【0045】
実施において、Type-Aインターフェース1のCCピンにCC通信信号を受信した場合、このCC通信信号をフィルタ回路43によって安定したアナログ信号に調整し、コンパレータ回路44によってこのアナログ信号と電圧安定化回路41によって出力される安定電圧とを比較することにより、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、コンパレータ回路44は第1制御信号を出力し、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、コンパレータ回路44は第2制御信号を出力する。これにより、出力される第1制御信号及び第2制御信号がより正確になり、この第1制御信号及び第2制御信号に基づいて、スイッチ回路42のスイッチ状態をより正確に制御することができる。
【0046】
具体的には、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、上記フィルタ回路によって出力されるアナログ信号は高レベル信号であってもよい。このように、コンパレータ回路44は、この高レベル信号が電圧安定化回路41によって出力された安定した電圧よりも大きいことに基づいて、第1制御信号を出力し、スイッチ回路42はこの第1制御信号に応答してその第1端と第3端とを連通させる。Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、上記フィルタ回路43によって出力されるアナログ信号は低レベル信号であってもよい。このように、コンパレータ回路44は、この低レベル信号が電圧安定化回路41によって出力された安定した電圧よりも小さいことに基づいて、第2制御信号を出力し、スイッチ回路42はこの第2制御信号に応答してその第1端と第2端とを連通させる。
【0047】
本実施形態では、Type-Aインターフェース1内にCCピンを設け、コンパレータ回路44によってフィルタ回路43と電圧安定化回路41によって出力される電気信号の大きさを比較し、比較結果に基づいて対応する制御信号を出力して、このCCピンとType-Cインターフェース2のCCピンとの接続切断を制御する。これによって、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、このCCピンをType-Cインターフェース2のCCピンに接続するように制御することにより、データ線内のPD通信チャネルを連通させ、PD急速充電をサポートすることができる。Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、このCCピンとType-Cインターフェース2のCCピンとの接続を切断するように制御することにより、データ線内のPD通信チャネルを切断し、このとき、PD急速充電をサポートしなくなり、CCピンは、非PD充電を行うことを被充電機器に通知するために電圧安定化回路41を介してVBUSに連通する。このように、データ線に接続された被充電機器がPD急速充電をサポートする場合は、データ線内のPD通信チャネルを連通させ、被充電機器にPD急速充電を行うことができる。データ線に接続された被充電機器がPD急速充電をサポートしない場合は、データ線内のPD通信チャネルを連通させずにD-配線の周りのD+配線を常に連通させることにより、被充電機器にDP/DMプロトコルに基づく通信による急速充電を行う。
【0048】
代替の実施形態として、回路識別モジュール4は、第6抵抗Rpをさらに含み、前記第6抵抗Rpは、スイッチ回路4とType-Cインターフェース2のCCピンとの間に接続され、スイッチ回路42はType-Cインターフェース2のCCピンを第6抵抗Rpを介して電圧安定化回路41の出力端に接続するか、あるいは、Type-Cインターフェース2のCCピンをType-Aインターフェース1のCCピンに接続するために用いられる。
【0049】
具体的な実施において、上記第6抵抗Rpの抵抗値は56KΩ(キロオーム)であってもよい。Type-Cインターフェース2のCCピンがこの第6抵抗Rpを介して電圧安定化回路41の出力端に接続される場合、電圧安定化回路41は、VBUS配線から電力を取り出し、第6抵抗Rpに安定した電圧を出力することができる。データ線のType-Cインターフェース2がPD充電をサポートする被充電機器に接続されるか又はPD充電をサポートしない被充電機器に接続される場合、Type-Cインターフェース2のCCピンにおける電気信号値が異なる。これにより、このType-Cインターフェース2のCCピンに伝送される電気信号に基づいて、PD充電通信を行うか又は非PD充電通信を行うことを被充電機器に通知することができる。非PD充電通信は、D+ピンとD-ピンを介して充電ネゴシエーション信号を伝送することを意味する。
【0050】
なお、具体的な実施において、上記第6抵抗Rpの抵抗値は、電圧安定化回路の安定した出力電圧に応じて変更されてもよく、ここで第6抵抗Rpの抵抗値を具体的に限定しない。
【0051】
代替の実施形態として、回路識別モジュール4はケーブル3内に設けられ、回路識別モジュール4とType-Aインターフェース1との間の距離は、回路識別モジュール4とType-Cインターフェース2との間の距離よりも小さい。
【0052】
本実施形態では、ケーブル3においてType-Aインターフェース1のCCピンとType-Cインターフェース2のCCピンとの間の対応する接続関係を切り替えるために、回路識別モジュール4はケーブル3内に設けられる。
【0053】
また、上記回路識別モジュール4とType-Aインターフェース1の一端との間の距離を回路識別モジュール4と上記Type-Cインターフェース2の一端との間の距離よりも小さくするために、回路識別モジュール4をType-Aインターフェース1に近接して設けてもよい。このように、ケーブル3の途中に回路識別モジュール4を含む回路基板構造を設けることでケーブル3の滑らかさや美観が損なわれるという問題を回避することができる。もちろん、具体的な実施において、上記回路識別モジュール4をType-Cインターフェース2に近接して設けてもよく、これは、同様にケーブル3の中間に直径の大きい回路モジュールを設けてケーブル3の滑らかさや美観に影響するという問題を回避することもできる。
【0054】
なお、具体的な実施において、回路識別モジュール4は、Type-Aインターフェース1内に設けられてもよいし、Type-Cインターフェース2内に設けられてもよく、これは、回路識別モジュール4の機能に影響を与えず、ここで具体的に限定しない。
【0055】
代替の実施形態として、図3に示すように、スイッチ回路42は、第1スイッチングトランジスタQ3と、第2スイッチングトランジスタQ2と、第1抵抗R2と、第2抵抗R3とを含む。
【0056】
上記第1スイッチングトランジスタQ3、第2スイッチングトランジスタQ2、第1抵抗R2、及び第2抵抗R3の具体的な接続関係は、以下のとおりである。
第1スイッチングトランジスタQ3の第1極と第2スイッチングトランジスタQ2の第1極は、スイッチ回路42の制御端であり、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極と第2スイッチングトランジスタQ2の第1極は、第1抵抗R2を介してGNDピンに接続され、第2抵抗R3を介してコンパレータ回路44の出力端に接続され、第1スイッチングトランジスタQ3の第2極は、Type-Aインターフェース1のCCピンに接続され、第1スイッチングトランジスタQ3の第3極はType-CインターフェースのCCピンに接続される。
第2スイッチングトランジスタQ2の第2極は電圧安定化回路41の出力端に接続され、第2スイッチングトランジスタQ2の第3極はType-Cインターフェース2のCCピンに接続される。
Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されていない場合、第1スイッチングトランジスタQ3はオフ状態になり、第2スイッチングトランジスタQ2はオン状態になる。Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されている場合、第1スイッチングトランジスタQ3はオン状態になり、第2スイッチングトランジスタQ2はオフ状態になる。
【0057】
具体的な実施において、上記第1スイッチングトランジスタQ3がオン状態になることは、第1スイッチングトランジスタQ3の第2極と第3極とが導通することを意味し、上記第1スイッチングトランジスタQ3がオフ状態になることは、第1スイッチングトランジスタQ3の第2極と第3極との接続が切断されることを意味する。
【0058】
同様に、上記第2スイッチングトランジスタQ2がオン状態になることは、第2スイッチングトランジスタQ2の第2極と第3極とが導通することを意味し、上記第2スイッチングトランジスタQ2がオフ状態になることは、第2スイッチングトランジスタQ2の第2極と第3極との接続が切断されることを意味する。
【0059】
第1スイッチングトランジスタQ3の第1極及び第2スイッチングトランジスタQ2の第1極は、スイッチ回路42の制御端であることは、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極及び第2スイッチングトランジスタQ2の第1極がそれぞれコンパレータ回路44の出力端に接続されることを意味する。
【0060】
具体的な実施において、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されている場合、フィルタ回路43は、Type-Aインターフェース1のCCピンの信号を高レベル信号に調整し、コンパレータ回路は、この高レベル信号が電圧安定化回路41の出力電圧よりも大きいことに基づいて第1制御信号を出力する。この第1制御信号は第1値のレベル信号であってもよく、この第1値の電気信号は、第1抵抗R2と第2抵抗R3によって分圧された後、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極と第2スイッチングトランジスタQ2の第1極に伝送され、このとき、第1スイッチングトランジスタQ3はオンになり、第2スイッチングトランジスタQ2はオフになる。
【0061】
また、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されていない場合、フィルタ回路43は、Type-Aインターフェース1のCCピンの信号を低レベル信号に調整し、コンパレータ回路は、この低レベル信号が電圧安定化回路41の出力電圧よりも小さいことに基づいて第2制御信号を出力する。この第2制御信号は第2値のレベル信号であってもよく、この第2値の電気信号は、第1抵抗R2と第2抵抗R3によって分圧された後、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極と第2スイッチングトランジスタQ2の第1極に伝送され、このとき、第1スイッチングトランジスタQ3はオフになり、第2スイッチングトランジスタQ2はオンになる。
【0062】
上記第1値と第2値とは異なり、具体的には、第1スイッチングトランジスタQ3がN型スイッチングトランジスタであり、第2スイッチングトランジスタQ2がP型スイッチングトランジスタである場合に、第1値は第2値よりも大きくてもよい。第1スイッチングトランジスタQ3がP型スイッチングトランジスタであり、第2スイッチングトランジスタQ2がN型スイッチングトランジスタである場合に、第1値は第2値よりも小さくてもよい。
【0063】
一実施形態では、第1スイッチングトランジスタQ3は、N型金属酸化膜半導体(N-Metal-Oxide Semiconductor、NMOS)トランジスタであり、前記第2スイッチングトランジスタQ2は、P型金属酸化膜半導体(P-Metal-Oxide Semiconductor、PMOS)トランジスタである。
【0064】
この場合、上記第1値は第2値よりも大きい。
【0065】
応用において、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極はゲート、第2極はドレイン、第3極はソースであってもよく、第2スイッチングトランジスタQ2の第1極はゲート、第2極はドレイン、第3極はソースであってもよい。このように、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極は高レベル信号を受信してその第2極と第3極とを導通させ、このとき、第2スイッチングトランジスタQ2の第1極は高レベル信号を受信してその第2極と第3極との接続を切断する。
【0066】
これに対して、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、フィルタ回路43は高レベル信号を出力せず、すなわち、フィルタ回路43は低レベル信号を出力し、コンパレータ回路44はこの低レベル信号に基づいて第2制御信号を出力し、この第2制御信号は低レベル信号であってもよく、第1スイッチングトランジスタQ3の第1極はこの低レベル信号を受信することにより、第1スイッチングトランジスタQ3がオフになり、第2スイッチングトランジスタQ2の第1極はこの低レベル信号を受信して、第2スイッチングトランジスタQ2がオンになる。
【0067】
もちろん、具体的な実施においては、第1スイッチングトランジスタQ1及び前記第2スイッチングトランジスタQ2は、他のタイプのトランジスタであってもよく、それに応じてスイッチ回路42内の個々のスイッチングトランジスタの接続回路を変更することにより、フィルタ回路43によって調節されたCC信号に基づいて、Type-Aインターフェース1のCCピンと第1インターフェース2のCCピンとを連通させるか、あるいは両者の接続を切断してもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0068】
本実施形態におけるスイッチ回路42は、アナログ信号制御回路であるため、回路識別モジュール4内に制御ユニットを設けて、この制御ユニットから送信されるデジタル制御信号に基づいてスイッチ回路42のスイッチ状態を制御することを回避でき、スイッチ回路42の製造コストを低減することができる。
【0069】
代替の実施形態として、図2に示すように、スイッチ回路42は、トグルスイッチを含み、スイッチ回路42の第1端はトグルスイッチの固定端であり、スイッチ回路42の第2端と第3端の両方はトグルスイッチの可動端である。
【0070】
具体的な実施において、トグルスイッチは、フィルタ回路43によって伝送される制御信号に応じて切り替えることができ、この制御信号は、デジタル制御信号であってもよい。具体的には、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、コンパレータ回路44はトグルスイッチに第1制御信号を送信し、トグルスイッチはこの第1制御信号に応答して、固定端と第3端とを連通させ、すなわち、Type-Cインターフェース2のCCピンとType-Aインターフェース1のCCピンとを連通させる。Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、コンパレータ回路44はトグルスイッチに第2制御信号を送信し、トグルスイッチはこの第2制御信号に応答して、固定端と第2端とを連通させ、すなわち、第6抵抗Rp及び電圧安定化回路41を介してType-Cインターフェース2のCCピンをVBUS配線に接続する。
【0071】
具体的な実施において、スイッチ回路42に、コンパレータ回路44とトグルスイッチにそれぞれ接続され、コンパレータ回路44によって出力されるアナログ信号をデジタル制御信号に変換し、このデジタル制御信号によってトグルスイッチのスイッチ状態を制御する制御ユニットが設けられてもよい。
【0072】
本実施形態では、スイッチ回路内にトグルスイッチを設けることにより、スイッチ回路の構造を簡略化することができる。
【0073】
代替の実施形態として、フィルタ回路43は、RCフィルタ回路である。
【0074】
応用において、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、この信号は変動するレベル信号であってもよく、RCフィルタ回路によってこの変動するレベル信号を比較的安定したレベル信号に調整してコンパレータ回路44に入力し、コンパレータ回路44による正確かつ安定した制御信号の出力に寄与することができる。
【0075】
これにより、コンパレータ回路44は、より安定した、信頼性の高い制御信号を出力することができる。
【0076】
さらに、図3に示すように、フィルタ回路43は、第3抵抗R1とコンデンサC1とを含む。
【0077】
第3抵抗R1の第1端はType-Aインターフェース1のCCピンに接続され、第3抵抗R1の第2端はコンデンサC1の第1端に接続され、コンデンサC1の第2端はType-Cインターフェース2のGNDピンに接続され、コンデンサC1の第1端はさらにコンパレータ回路44の第2入力端に接続される。
【0078】
応用において、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、フィルタ回路43は低レベル信号(値が0のレベル信号であってもよい)を出力する。Type-Aインターフェース1のCCピンに変動するレベル信号がある場合、このレベル信号のレベルが高くなると、コンデンサC1が充電され、このレベル信号のレベルが低くなると、コンデンサC1が放電するため、フィルタ回路43は安定した高レベル信号(値が0よりも大きいレベル信号)を出力し、電圧安定化回路41によって出力される電気信号との比較のためにこの高レベル信号をコンパレータ回路44に入力する。これによって、コンパレータ回路44は、正確な制御信号を出力してスイッチ回路42のスイッチ状態を制御する。
【0079】
本実施形態では、コンパレータ回路44を使用してフィルタ回路43によって出力されるレベル信号を比較して正確な制御信号を出力することができる。フィルタ回路43によって出力されるレベル信号に基づいてスイッチ回路42のスイッチ状態を直接制御する場合に、フィルタ回路43によって出力されるレベル信号が数値範囲において変動するレベル値を有するが、それに比べて、本実施形態では、コンパレータ回路44によって出力される正確な値を有する制御信号に基づいてスイッチ回路42のスイッチ状態を制御することにより、スイッチ回路42の制御感度を向上させることができる。
【0080】
任意選択で、コンデンサC1の静電容量値は、予設静電容量値よりも大きい。
【0081】
具体的な実施において、上記予設静電容量値は、コンパレータ回路44の識別精度及びType-Aインターフェース1のCCピンの信号のレベル値、変動特性などに基づいて決定してもよいが、ここで具体的に限定しない。
【0082】
本実施形態では、コンデンサC1の静電容量値を予設静電容量値よりも大きくすることにより、Type-Aインターフェース1のCCピンに伝送される信号のレベル値が変動する場合、この伝送信号のレベルが高くなると、コンデンサC1が充電され、充電後、Type-Aインターフェース1のCCピンに伝送される信号のレベル値が小さくなると、コンデンサC1が放電する。これにより、Type-Aインターフェース1のCCピンに変動する電気信号が伝送されている間、フィルタ回路43からコンパレータ回路44に伝送される電気信号の値は比較的に安定している。一方、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されていない場合、コンデンサC1の静電容量が使い果たされ、コンパレータ回路44にレベル値が出力されなくなる。このため、Type-Aインターフェース1のCCピンに低レベル信号が伝送されている場合にフィルタ回路43によって出力されるアナログ信号と、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号が伝送されていない場合にフィルタ回路43によって出力されるアナログ信号との間の差異が大きくなり、さらにコンパレータ回路44によって出力される制御信号の差異が大きくなり、スイッチ回路42の制御精度を向上させることができる。
【0083】
代替の実施形態として、図3に示すように、コンパレータ回路44は、第4抵抗R4と、第5抵抗R5と、コンパレータU1とを含む。
【0084】
コンパレータU1の第1端はスイッチ回路42の制御端に接続され、コンパレータU1の第2端は電圧安定化回路41の出力端に接続され、コンパレータU1の第3端はフィルタ回路43の出力端に接続され、コンパレータU1の第4端はGNDピンに接続され、コンパレータU1の第5端は第4抵抗R4の第1端と第5抵抗R5の第1端に接続され、第4抵抗R4の第2端はGNDピンに接続され、第5抵抗R5の第2端はコンパレータU1の第2端に接続される。
【0085】
上記コンパレータU1の第3端はコンパレータ回路44の第2入力端であり、上記第5抵抗R5の第2端とコンパレータU1の第2端の両方は、コンパレータ回路44の第1入力端である。
【0086】
動作中、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、フィルタ回路43の出力端は高レベル信号を出力し、コンパレータU1の第3端の電気信号値はコンパレータU1の第5端の電気信号値よりも大きくなり、コンパレータU1は第1制御信号を出力し、スイッチ回路42は前記第1制御信号に応答してその第1端と第3端とを連通させる。Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、フィルタ回路43の出力端は低レベル信号を出力し、コンパレータU1の第3端の電気信号値はコンパレータU1の第5端の電気信号値以下となり、コンパレータU1は第2制御信号を出力し、スイッチ回路42は前記第2制御信号に応答してその第1端と第2端とを連通させる。
【0087】
具体的な実施において、上記第4抵抗R4及び第5抵抗R5は、コンパレータU1の第5端が電圧安定化回路41から得られた電気信号値が以下の条件を満たすように、電圧安定化回路41によって出力される電気信号を分圧するために用いられる。
Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合、コンパレータU1の第5端が電圧安定化回路41から得られた電気信号値が、フィルタ回路43によって出力される高レベル信号の電気信号値(具体的には、電圧値)よりも小さい。
Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がない場合、コンパレータU1の第5端が電圧安定化回路41から得られた電気信号値が、フィルタ回路43によって出力される低レベル信号の電気信号値(具体的には、電圧値)よりも大きい。
【0088】
本実施形態では、第4抵抗R4と第5抵抗R5によって比例回路を構成し、コンパレータU1の第5端で得られた電圧値を調整することにより、Type-Aインターフェース1のCCピンに信号がある場合又は信号がない場合には、スイッチ回路42に異なるレベル値の制御信号を出力し、スイッチ回路42のスイッチ状態を制御する。
【0089】
代替の実施形態として、図4に示すように、このType-Aインターフェース1の第1側にGNDピン、D+ピン、D-ピン及びVBUSピンが設けられ、このType-Aインターフェース1の第2側にCCピンが設けられ、上記Type-Aインターフェース1の第1側は第2側と対向する。
【0090】
もちろん、上記Type-Aインターフェース1内の各ピンの分布位置は交換又は変更されてもよく、ここで具体的に限定しない。また、このVBUSピン及びGNDピンの構造及び動作原理は、従来技術におけるVBUSピン及びGNDピンの構造及び動作原理と同じであり、ここで具体的な説明を省略する。
【0091】
本実施形態では、CCピンをType-Aインターフェース1の第2側に設けることにより、Type-Aインターフェース1の第1側にあるGNDピン、D+ピン、D-ピン及びVBUSピンの構造及び位置分布を、従来技術におけるType-AインターフェースのGNDピン、D+ピン、D-ピン及びVBUSピンの構造及び位置分布と同じにすることができる。これにより、本出願の実施例において提供されるデータ線は、通常のType-Aインターフェースを有する充電器に接続することができる。
【0092】
もちろん、本出願の実施例において提供されるデータ線が通常のType-Aインターフェースを備えた充電器に接続される場合、通常のType-Aインターフェース内にCCピンが設けられていないため、Type-Aインターフェース1内のCCピンはCC信号を受信できず、この場合、この充電機器はDP/DM通信プロトコルによる急速充電のみをサポートする。
【0093】
本出願の実施例は、充電器と、上記実施例によって提供されたデータ線とを含む充電機器をさらに提供する。前記充電器は、PD充電処理モジュールを含み、前記充電器が前記データ線に接続される場合、前記PD充電処理モジュールは、前記Type-AインターフェースのCCピンに連通する。
【0094】
具体的には、前記充電器は、前記データ線のType-AインターフェースにマッチするType-Aソケットを含み、前記Type-Aソケットは、VBUSピン、CCピン、D+ピン、D-ピン及びGNDピンを含む。
【0095】
前記データ線のType-AインターフェースにマッチするType-Aソケットは、データ線2のType-Aインターフェースが充電器1のType-Aソケットに差し込まれた場合、Type-AインターフェースがType-Aソケットの同じピンに接続されることと理解できる。
【0096】
また、上記充電器は、充電信号がD+ピンとD-ピンを介して伝送されるD+/D-充電モジュール(非PD充電処理モジュールとも呼ばれてもよい)をさらに含んでいてもよく、具体的には、このPD充電モジュールは、CCピンに接続されることにより、CCピンを介して被充電機器とPDプロトコルによる通信を行い、PD急速充電をサポートする。D+/D-充電モジュールは、D+ピンとD-ピンに接続されることにより、D+ピンとD-ピンを介して被充電機器とDP/DMプロトコルによる通信を行い、DP/DM急速充電をサポートする。
【0097】
なお、本実施形態では、上記充電機器の具体的な動作プロセスは、上記実施例におけるデータ線2の動作プロセスに対応し、ここで説明を省略する。
【0098】
また、Type-Aインターフェースにおいて各ピンが図4に示すように分布されている場合、Type-AインターフェースにマッチするType-Aメスソケットは、通常のデータ線のType-Aインターフェースに接続されてもよく、上記充電器のType-Aメスソケットが通常のデータ線のType-Aインターフェースに接続される場合、DP/DMプロトコルによる充電のみがサポートされる。
【0099】
本出願の実施例によって提供される充電機器は、Type-Aインターフェースを有し、PDプロトコルによる充電及びDP/DMプロトコルによる充電をサポートし、本出願の実施例によって提供されるデータ線と同様の有益な効果を有し、ここで説明を省略する。
【0100】
なお、本明細書において、用語「含む」、「からなる」又はその他のあらゆる変形は、非排他的な包含を含むように意図され、それにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、それらの要素のみならず、明示されていない他の要素、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をも含む。特に断らない限り、「一つの…を含む」という表現により限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に別の同じ要素がさらに存在することを排除するものではない。さらに、指摘すべきことは、本出願の実施形態における方法及び電子機器の範囲は、示された順序又は検討された順序で機能を実行することに限定されず、かかる機能に応じてほぼ並列するように、又は逆の順序で機能を実行することを含んでもよく、例えば、説明される方法は、説明される順序とは異なる順序で実行されてもよく、また、様々なステップを追加、省略、又は組み合わせてもよいという点である。また、いくつかの例を参照しながら説明される特徴は、他の例において組み合わせられてもよい。
【0101】
以上の実施形態の説明によって、当業者であれば上記実施例の方法がソフトウェアと必要な汎用ハードウェアプラットフォームとの組合せという形態で実現できることを明確に理解でき、当然のことながら、ハードウェアによって実現してもよいが、多くの場合において前者はより好ましい実施形態である。このような理解に基づいて、本出願の技術的手段は、実質的に又は従来技術に寄与する部分は、ソフトウェア製品の形で具現化されてもよく、該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、端末(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアコン又はネットワーク機器などであってもよい)に本出願の各実施例に記載の方法を実行させるための複数の命令を含む。
【0102】
以上、添付図面を参照しながら本出願の実施例を説明したが、本出願は、上記具体的な実施形態に限定されず、上記具体的な実施形態は、制限的なものではなく、例示的なものに過ぎず、当業者であれば、本発明の示唆で、本発明の趣旨及び特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、その他の種々の態様を採用することができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0103】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年7月14日に中国で出願された中国特許出願第202010674329.1号の優先権を主張し、その全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4