(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】通信装置
(51)【国際特許分類】
H04L 41/0866 20220101AFI20240124BHJP
H04L 41/0853 20220101ALI20240124BHJP
【FI】
H04L41/0866
H04L41/0853
(21)【出願番号】P 2020023388
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094525
【氏名又は名称】土井 健二
(74)【代理人】
【識別番号】100094514
【氏名又は名称】林 恒徳
(72)【発明者】
【氏名】鮫澤 信一
(72)【発明者】
【氏名】前田 誠裕
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-005206(JP,A)
【文献】特開2011-244127(JP,A)
【文献】特開2017-200012(JP,A)
【文献】特開2010-010997(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-12/66
41/00-101/695
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続先装置
の接続先ポートと接続される複数の通信ポートと、
前記複数の通信ポートそれぞれに対応する複数のランプと、
前
記接続先ポートと、前記複数の通信ポートとの
接続関係を示す接続情報を記憶する記憶部と、
前記通信ポートの接続先が前記接続情報に示す接続先装置及び接続先ポートと一致するか否かを、前記複数の通信ポートそれぞれについて確認する接続状態確認処理を行う確認部と、
前記確認部によって、第1通信ポートの接続先が前記接続情報と異なる場合、前記第1通信ポートに対応する第1ランプを、接続先が一致しないことを示す発光状態にし、第2通信ポートの接続先が前記接続情報と一致するとき、前記第2通信ポートに対応する第2ランプを、接続先が一致することを示す発光状態にする制御部と、を有し、
前記確認部は、前記接続状態確認処理において、前記接続状態確認処理を繰り返し実行する
処理と、前記第1通信ポートが前記接続情報と一致する場合、前記第1通信ポートの前記接続先装置に前記接続状態確認処理を行うよう指示する接続状態確認指示メッセージを送信する処理と、を行う
通信装置。
【請求項2】
前記接続状態確認指示メッセージは、前記接続情報を含む
請求項
1記載の通信装置。
【請求項3】
前記確認部は、前記接続状態確認指示メッセージを受信した場合、前記接続状態確認処理を開始する
請求項
2記載の通信装置。
【請求項4】
前記確認部は、前記接続状態確認処理において、前記接続先装置の識別子及び前記接続先ポートに関する情報を送信するよう要求する接続ポート要求メッセージを、前記接続先装置に送信する
請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
前記確認部は、前記接続ポート要求メッセージに対する応答である接続ポート応答メッセージを受信したとき、前記接続状態確認処理において、前記接続ポート応答メッセージに含まれる前記接続先装置の識別子及び前記接続先ポートに関する情報と、前記接続情報とを比較する
請求項
4記載の通信装置。
【請求項6】
さらに、前記接続ポート要求メッセージを受信したとき、自装置の識別子及び接続先ポートに関する情報を含む接続ポート応答メッセージを、前記接続ポート要求メッセージの送信元装置に送信する応答部を有する
請求項
5記載の通信装置。
【請求項7】
前記確認部は、前記接続情報において、第3通信ポートが他装置と接続しない場合、前記第3通信ポートが非活性状態であるとき、前記第3通信ポートは前記接続情報と一致すると判定する
請求項1記載の通信装置。
【請求項8】
前記接続先が一致しないことを示す発光状態は、ランプを点滅させた状態を含み、
前記接続先が一致すること示す発光状態は、ランプを点灯させた状態を含む
請求項1記載の通信装置。
【請求項9】
前記制御部は、他装置と接続しない通信ポートに対応するランプと、他装置と接続する通信ポートに対応するランプを、異なる色で発光させる
請求項
8記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークを構築するとき、スイッチやノードなど装置を、それぞれネットワークケーブルで接続する場合がある。システム管理者は、例えば、装置間の接続状態を事前に決定し、ネットワーク構築の作業者に設置及び接続を依頼する。
【0003】
作業者は、ケーブルが正しく接続されたかを確認し、ケーブル接続に間違いがあった場合、ケーブル接続を修正する。なお、ケーブル接続状態に関しては、ネットワークを制御する制御ノードで接続情報を収集し、制御ノードが確認を行う場合もある。
【0004】
ネットワーク構築に関する技術としては、以下の特許文献1~3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-17577号公報
【文献】特開2012-74879号公報
【文献】特開平10-48279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、ネットワークケーブルの接続作業は、他の電源ケーブルなどの接続と同じタイミングで行われるため、ケーブルを接続した時点では、制御ノードが接続情報を取得できない場合がある。この場合、全ての装置の設置及びケーブルの接続が完了した後、全ての装置のセットアップ及び通電を完了させ、接続情報を取得する。よって、作業者は、全ての接続が完了した後でなければ、ネットワークが正しく構築されているかを確認することができない場合がある。
【0007】
各装置は、例えば、離れた距離や別の建物内に設置される場合がある。この場合、作業者は、ケーブルを接続しなおすために、遠距離の移動をする必要がある。
【0008】
そこで、一開示は、ネットワークの接続状態が正しいか否かを、ケーブル接続時に確認できる通信装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
接続先装置と接続される複数の通信ポートと、前記複数の通信ポートそれぞれに対応する複数のランプと、前記接続先装置の接続先ポートと、前記複数の通信ポートとの対応を示す接続情報を記憶する記憶部と、前記通信ポートの接続先が前記接続情報に示す接続先装置及び接続先ポートと一致するか否かを、前記複数の通信ポートそれぞれについて確認する接続状態確認処理を行う確認部と、前記確認部によって、第1通信ポートの接続先が前記接続情報と異なる場合、前記第1通信ポートに対応する第1ランプを、接続先が一致しないことを示す発光状態にし、第2通信ポートの接続先が前記接続情報と一致するとき、前記第2通信ポートに対応する第2ランプを、接続先が一致することを示す発光状態にする制御部と、を有し、前記確認部は、前記接続状態確認処理において、前記接続状態確認処理を繰り返し実行する。
【発明の効果】
【0010】
一開示は、ネットワークの接続状態が正しいか否かを、ケーブル接続時に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、通信システム10の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、スイッチ200の構成例を表す図である。
【
図3】
図3は、制御ノード300の構成例を表す図である。
【
図4】
図4は、ノード100の構成例を表す図である。
【
図6】
図6は、接続状態確認指示受信処理S100の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図7】
図7は、接続状態確認処理S200の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図8】
図8は、ポート毎確認処理S300の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図9】
図9は、接続先確認処理S400の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図10】
図10は、接続ポート要求及び接続ポート応答の例を示す図である。
【
図11】
図11は、各ポートの接続状態とLEDの状態の関係の例を示す図である。
【
図12】
図12は、活性状態確認処理S500の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図13】
図13は、接続ポート要求受信処理S600の処理フローチャートの例を示す図である。
【
図14】
図14は、ネットワークの接続状態及びシーケンスの例を示す図である。
【
図15】
図15は、
図14のシーケンス実行後の各ポートの接続状態とLEDの状態の例を示す図である。
【
図16】
図16は、ネットワークの接続状態及びシーケンスの例を示す図である。
【
図17】
図17は、
図16のシーケンス実行後の各ポートの接続状態とLEDの状態の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態について説明する。
【0013】
<通信システムの構成例>
図1は、通信システム10の構成例を示す図である。通信システム10は、制御ノード300、スイッチ200-1~4、及びノード100-1,2を有する。通信システム10において、スイッチ200-1~4及びノード100-1,2は、互いに通信可能なネットワークを構築する。
【0014】
ノード100-1,2(以降、ノード100と呼ぶ場合がある)は、ネットワークを介して通信を行う通信装置であり、例えば、コンピュータやサーバマシンである。ノード100は、通信ポートP1(以下、ポートP1と呼ぶ場合がある)を有し、ポートP1にネットワークケーブルを接続することで、他の装置との通信を可能とする。
【0015】
スイッチ200-1~4(以降、スイッチ200と呼ぶ場合がある)は、ノード100が通信において送受信するパケットを中継する装置であり、例えば、L2スイッチ、L3スイッチ、又はルータである。
【0016】
制御ノード300は、スイッチ200及びノード100の接続状態を確認するよう指示する接続状態確認指示を、接続するスイッチ200に送信する制御用の装置であり、例えば、サーバマシンである。制御ノード300は、制御用ケーブル(ネットワークケーブル)を介して、スイッチ200-1が有する制御用ポート(図示しない)と接続し、スイッチ200-1に対して接続状態確認指示を送信する。また、制御ノード300は、例えば、管理者などの通信システム10のユーザが所望する接続状態(所望接続状態)を記憶する。例えば、
図1の通信システム10におけるネットワークが所望接続状態である場合、制御ノード300は、所望接続状態として、スイッチ200-1のポートP4がスイッチ200-2のポートP3に接続することや、スイッチ200-1のポートP1及びP2が他の装置と接続しないことなどを、記憶する。
【0017】
通信システム10において、各スイッチ200は、接続状態確認指示を受信すると、自装置の接続状態が所望接続状態と一致しているか否かを確認する。そして、スイッチ200は、接続状態の一致状況に応じて、各ポートに対応するLED(light emitting diode)を、点灯または点滅させる。これにより、ネットワーク構築の作業者は、ネットワークの接続状態が所望接続状態と一致しているか否かを目視で認識することができ、ネットワーク接続を誤った状態のまま放置することを防止できる。
【0018】
なお、
図1の通信システム10は、ノード100が2台であるが、1台以下や3台以上であってもよい。また、
図1の通信システム10は、スイッチ200が4台であるが、3台以下や5台以上であってもよい。また、スイッチ200の有するポート数は4であるが、3以下や5以上であってもよい。
【0019】
<スイッチ200の構成例>
図2は、スイッチ200の構成例を表す図である。スイッチ200は、通信を中継する通信装置であり、例えば、L2スイッチ、L3スイッチ、又はルータである。
【0020】
スイッチ200は、CPU(Central Processing Unit)210、ストレージ220、メモリ230、制御用通信回路240、通信回路250-1~4、及びLED260-1~4を有する。
【0021】
ストレージ220は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)、又はSSD(Solid State Drive)などの補助記憶装置である。ストレージ220は、通信中継プログラム221、接続状態確認指示受信プログラム222、接続ポート要求受信プログラム223、及び接続情報224を記憶する。
【0022】
接続情報224は、ネットワークの構成に関する情報で、スイッチ200のポートと、接続先の装置(スイッチ200、ノード100)の識別子、及び接続するポートの関係(対応)に関する情報である。接続情報224の詳細については、
図5にて後述する。識別子は、例えば、GUIDを用いる。GUIDは、スイッチ、ノードを識別する識別子であり、ハードウェアごとに一意に設定される。GUIDは、装置内部のCPUやMPUIがレジスタ内から読み出すことができる。また、GUIDは、装置に貼られたラベルシールに記載されることがあり、目視で確認できる場合がある。
【0023】
メモリ230は、ストレージ220に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ230は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0024】
制御用通信回路240は、制御ノード300と接続し、制御ノード300からの指示や制御ノード300に対する応答などを送受信する通信ポートである。制御用通信回路240は、後述する通信回路250-1~4とは異なり、制御ノード300と接続する専用の通信回路である。
【0025】
通信回路250-1~4(以降、通信回路250と呼ぶ場合がある)は、制御ノード300以外の装置(スイッチ200やノード100)と接続する通信ポートである。通信回路250-1~4は、例えば、それぞれポートP1~P4と対応する。
【0026】
LED260-1~4(以降、LED260と呼ぶ場合がある)は、ポートP1~P4の接続状態を、発光する色や点灯又は点滅の組み合わせなどの発光状態で表現するランプ(ライト)である。LED260-1~4は、例えば、それぞれポートP1~P4に対応し、対応するポートがいずれのポートであるか目視で確認できるように、対応するポートの近傍に設置される。
【0027】
CPU210は、ストレージ220に記憶されているプログラムを、メモリ230にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0028】
CPU210は、通信中継プログラム221を実行することで、中継部を構築し、通信中継処理を行う。通信中継処理は、ノード100やスイッチ200が通信に使用するパケットを中継する処理である。
【0029】
また、CPU210は、接続状態確認指示受信プログラム222を実行することで、確認部及び制御部を構築し、接続状態確認指示受信処理を行う。接続状態確認指示受信処理は、制御ノード300又は他のスイッチ200から、接続状態確認指示メッセージを受信したときの処理である。スイッチ200は、接続状態確認指示受信処理において、接続状態を確認する接続状態確認処理を行う。
【0030】
CPU210は、接続状態確認指示受信プログラム222の接続状態確認モジュール2221を実行することで、確認部及び制御部を構築し、接続状態確認処理を行う。接続状態確認処理は、スイッチ200の有する全ポートに対して、正しく接続されているかを確認する処理である。
【0031】
CPU210は、接続状態確認指示受信プログラム222のポート毎確認モジュール2222を実行することで、確認部及び制御部を構築し、ポート毎確認処理を行う。ポート毎確認処理は、スイッチ200の有するポートごとに、正しく接続されているかを確認する処理である。
【0032】
CPU210は、接続状態確認指示受信プログラム222の接続先確認モジュール2223を実行することで、確認部及び制御部を構築し、接続先確認処理を行う。接続先確認処理は、あるポートが他の装置と接続する場合、接続先装置に対して接続する装置の識別子やポート番号などのポートに関する情報を送信するよう要求し、応答を受信して正しい接続先であるか否かを確認する処理である。
【0033】
CPU210は、接続状態確認指示受信プログラム222の活性状態確認モジュール2224を実行することで、確認部及び制御部を構築し、活性状態確認処理を行う。活性状態確認処理は、あるポートが他の装置と接続しないポートである場合、接続していないことを確認するために、活性状態を取得する処理である。活性状態確認処理において、非活性状態であれば、当該ポートは接続されていないと判定される。
【0034】
さらに、CPU210は、接続ポート要求受信プログラム223を実行することで、応答部を構築し、接続ポート要求受信処理を行う。接続ポート要求受信処理は、他のスイッチ200から接続ポート要求メッセージを受信したときの処理である。スイッチ200は、自装置の識別子と接続するポート(接続ポート要求メッセージを受信したポート)の情報を、接続ポート応答メッセージに含め返信する。
【0035】
<制御ノード300の構成例>
図3は、制御ノード300の構成例を表す図である。制御ノード300は、通信システム10の管理者が、通信システム10の各装置を制御するときに使用する制御装置であり、例えば、サーバマシンである。
【0036】
制御ノード300は、CPU310、ストレージ320、メモリ330、通信回路340を有する。
【0037】
ストレージ320は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD、又はSSDなどの補助記憶装置である。ストレージ320は、接続状態確認開始プログラム321及び接続情報322を記憶する。接続情報322は、スイッチ200が有する接続情報224と同等である。
【0038】
メモリ330は、ストレージ320に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ330は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0039】
通信回路340は、ネットワークを制御するためにスイッチ200と接続する通信ポートである。通信回路340は、スイッチ200の有する制御用通信回路240と接続する。
【0040】
CPU310は、ストレージ320に記憶されているプログラムを、メモリ330にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0041】
CPU310は、接続状態確認開始プログラム321を実行することで、確認開始部を構築し、接続状態確認開始処理を行う。接続状態確認開始処理は、接続するスイッチ200に接続状態確認指示を送信する処理である。制御ノード300は、例えば、管理者又はユーザが接続状態確認処理を開始することを示すボタンを押下したときや、スイッチ200が制御ノード300に接続したことを検出したときなど、接続状態確認処理の開始契機を検出すると、接続状態確認開始処理を実行する。
【0042】
<ノード100の構成例>
図4は、ノード100の構成例を表す図である。ノード100は、例えば、サーバマシンやコンピュータである。
【0043】
ノード100は、CPU110、ストレージ120、メモリ130、通信回路140を有する。
【0044】
ストレージ120は、プログラムやデータを記憶する、フラッシュメモリ、HDD、又はSSDなどの補助記憶装置である。ストレージ120は、通信プログラム121及び接続ポート要求受信プログラム122を記憶する。
【0045】
メモリ130は、ストレージ120に記憶されているプログラムをロードする領域である。また、メモリ130は、プログラムがデータを記憶する領域としても使用されてもよい。
【0046】
通信回路140は、スイッチ200と接続する通信ポートである。通信回路140は、ノード100のポートP1と対応する。
【0047】
CPU110は、ストレージ120に記憶されているプログラムを、メモリ130にロードし、ロードしたプログラムを実行し、各部を構築し、各処理を実現するプロセッサである。
【0048】
CPU110は、通信プログラム121を実行することで、通信部を構築し、通信処理を行う。通信処理は、他装置と通信を行う処理である。
【0049】
CPU110は、接続ポート要求受信プログラム122を実行することで、受信部を構築し、接続ポート要求受信処理を行う。接続ポート要求受信処理は、スイッチ200から接続ポート要求メッセージを受信したときの処理である。ノード100は、自装置の識別子と接続するポート(接続ポート要求メッセージを受信したポート)の情報を、接続ポート応答メッセージに含め返信する。
【0050】
<接続状態確認処理>
作業者は、ネットワークを構築するとき、例えば、制御ノード300に近い、あるいは制御ノード300と直接接続するスイッチ200から順次接続していく。例えば、
図1に示す通信システム10(又はネットワーク)の構築において、作業者は、スイッチ200-1を最初に接続する。
【0051】
接続状態確認処理は、作業者がネットワークの構築中に制御ノード300が送信する接続状態確認指示を契機として実行される処理であり、各装置が正しいポートで接続されているか否かをリアルタイムで表示する処理である。
【0052】
制御ノード300は、スイッチ200-1が接続されると、接続状態確認指示を送信する。接続状態確認指示は、接続するスイッチ200に接続状態確認指示を行うよう指示するメッセージである。制御ノード300は、正しい接続状態を示す接続情報を、接続状態確認指示に掲載する。
【0053】
図5は、接続情報の例を示す図である。接続情報は、例えば、ユーザや管理者が所望する各装置の識別子とポートの組み合わせを示す情報である。なお、第1の実施の形態において、
図1に示すネットワーク構成が所望のネットワーク構成であるものとし、
図5に示す接続情報は、
図1のネットワーク構成を示す。接続情報は、スイッチ200のポート番号ごとに、接続先装置及び接続先ポート番号を示す。
図5の接続情報の1行目1列目は、スイッチ200-1の識別子(GUID)が格納されている。
図5の接続情報の1行目4列目は、スイッチ200-3の識別子(GUID)とポートP1の番号が格納され、スイッチ200-1のポートP3がスイッチ200-3のポートP1に接続することを示している。
図5の接続情報の1行目5列目は、スイッチ200-2の識別子(GUID)とポートP3の番号が格納され、スイッチ200-1のポートP4がスイッチ200-2のポートP3に接続することを示している。接続情報は、事前に設計された設計情報であり、ユーザや管理者が所望するネットワーク構築を示す。
【0054】
スイッチ200-1は、接続状態確認指示を受信すると、接続状態確認指示受信処理を行う(S100)。
図6は、接続状態確認指示受信処理S100の処理フローチャートの例を示す図である。
【0055】
スイッチ200は、接続状態確認指示受信処理S100において、接続状態確認指示が初回受信である否かを確認する(S100-1)。スイッチ200は、接続状態確認指示が初回受信でない場合(S100-1のNo)、処理を終了する。
【0056】
一方、スイッチ200は、接続状態確認指示が初回受信である場合(S100-1のYes)、接続状態確認処理を行う(S200)。接続状態確認処理S200は、スイッチ200が、各ポートが正しい接続先に接続しているか否かを確認する処理であり、全てのポートが正しい接続状態となるまで実行される処理である。接続状態確認処理S200の詳細については後述する。
【0057】
また、スイッチ200は、接続状態確認指示を受信すると、接続状態確認指示に含まれる接続情報を、接続情報224としてメモリに記憶する。なお、スイッチ200は、例えば、予め(接続状態確認指示を受信する前から)接続情報を記憶していてもよい。この場合、接続状態確認指示は、接続情報を含まなくてもよい。
【0058】
スイッチ200は、接続状態確認処理S200が完了後、処理を終了する。
【0059】
図7は、接続状態確認処理S200の処理フローチャートの例を示す図である。スイッチ200は、接続情報に記載された全ポートが正常状態であるか否かを確認する(S200-1)。スイッチ200は、自身の識別情報と接続情報1列目に記載された識別子が一致する接続情報の行を抽出する。
図5の接続情報であれば、スイッチ200-1は1行目を抽出し、スイッチ200-2は2行目を抽出する。
図7記載の接続状態確認処理S200は抽出した行の各ポートと接続先のスイッチと接続先スイッチの接続ポートの状態を確認する処理である。スイッチ200は、例えば、メモリやストレージに、正しく接続されている正常状態か、正しく接続されていない異常状態かを、接続状態としてポートごとに記憶する。
【0060】
スイッチ200は、全ポートが正常状態であった場合、(S200-1のYes)、処理を終了する。ここでいう全ポートとは、スイッチ200-1であれば
図5の接続情報の1行目のポートP1、ポートP2、ポートP3およびポートP4のことである。
【0061】
一方、スイッチ200は、全ポートが正常状態でない場合(S200-1のNo)、次のポートPm(mは整数。例えばポート番号を示す)を選択する(S200-2)。次のポートとは、例えば、前回処理S200-2で選択したポート番号の次のポート番号である。しかし、
図5記載の接続情報の場合、状態を確認したポート番号の右のポート番号が次のポート番号になる。具体的に述べるとポートP1の次のポート番号は、ポートP2であり、ポートP2の次のポート番号は、ポートP3になる。
【0062】
スイッチ200は、ポートPmが正常状態である場合(S200-3のYes)、再度処理S200-1を行う。一方、スイッチ200は、ポートPmが正常状態でない場合(S200-3のNo)、ポート毎確認処理を行い(S300)、再度処理S200-1を行う。ポート毎確認処理S300は、接続が正常状態であるか否かをポート毎に確認する処理である。ポート毎確認処理S300の詳細については後述する。
【0063】
スイッチ200は、
図7に示すように、接続状態確認処理S200において、全てのポートが正常状態となるまでポート毎確認処理S300を繰り返す。しかしながら、全てのポートが正常状態になる前にタイムアウトなどで終了してもよい。
【0064】
図8は、ポート毎確認処理S300の処理フローチャートの例を示す図である。スイッチ200は、ポート毎確認処理S300において、ポートPmは他装置(スイッチ200又はノード100)と接続するポートであるか否かを確認する(S300-1)。具体的には、
図5の接続情報のポートP1~4の情報を判定する。接続情報に「なし」が記載されたポートはNoと判定し、接続先装置と接続先ポート番号が記載されたポートはYesと判定する。スイッチ200は、接続状態確認指示に含まれる接続情報から、ポートPmの正しい接続先を確認することで、処理S300-1を行う。
【0065】
スイッチ200は、ポートPmが他装置と接続するポートである場合(S300-1のYes)、接続先確認処理を行う(S400)。接続先確認処理S400は、当該ポートに接続している装置の識別子やポート番号を取得する処理である。接続先確認処理S400の詳細については後述する。
【0066】
一方、スイッチ200は、ポートPmが他装置と接続しないポートである場合(S300-1のNo)、活性状態確認処理を行う(S500)。活性状態確認処理S500は、当該ポートがなんらかの装置と接続しているか否かを、活性状態から確認する処理である。活性状態確認処理S500の詳細については、後述する。
【0067】
図9は、接続先確認処理S400の処理フローチャートの例を示す図である。スイッチ200は、接続先確認処理S400において、ポートPmの接続先装置に、接続ポート要求を送信する(S400-1)。そして、スイッチ200は、接続ポート要求の応答メッセージである接続ポート応答を待ち受ける(S400-2のNo)。
【0068】
図10は、接続ポート要求及び接続ポート応答の例を示す図である。接続先ポート要求は、送信元アドレスとして送信元装置のネットワークアドレス、送信先アドレスとして送信先装置のネットワークアドレスを含む。そして、接続ポート要求は、メッセージ種別として接続ポート要求を示す情報を含む。
【0069】
接続先ポート応答は、送信元アドレスとして送信元装置のネットワークアドレス、送信先アドレスとして送信先装置のネットワークアドレスを含む。そして、接続ポート応答は、メッセージ種別として接続ポート応答を示す情報を含む。さらに、接続ポート応答は、接続装置情報として送信元装置の識別子、接続ポート情報として接続するポート番号に関する情報を含む。
【0070】
図9の処理フローチャートに戻り、スイッチ200は、接続ポート応答を受信しない場合(S400-2のNo)、応答待ち時間が経過したか否かを確認し(S400-3)、応答待ち時間が経過するまで(S400-3のNo)、接続ポート応答の受信を待ち受ける(S400-3)。応答待ち時間は、接続するスイッチ200から送信される接続ポート応答を受信するのに十分な待ち時間であって、例えば、ネットワーク上の通信時間や、接続ポート応答を生成するための処理時間等に基づいて決定される。
【0071】
スイッチ200は、接続ポート応答を応答待ち時間内で受信しない場合(S400-3のYes)、ポートPmは他装置と接続していない、あるいは接続ポート応答を返信しない装置と接続していると判定し、ポートPmの接続状態を異常に更新し(S400-7)、ポートPmのLEDを緑点滅にし(S400-8)、処理を終了する。
【0072】
図11は、各ポートの接続状態とLEDの状態の関係の例を示す図である。接続装置があるポートの場合、当該ポートに対応するLEDは、正常状態であれば緑点灯、異常状態であれば緑点滅する。また、接続装置がないポートの場合、正常状態であれば黄点灯、異常状態であれば黄点滅する。さらに、初期状態(一度も接続状態確認を行っていない状態)の場合、LEDは無点灯となる。
【0073】
図9の処理フローチャートに戻り、スイッチ200は、接続ポート応答を受信すると(S400-2のYes)、接続ポート応答の接続装置とポート番号は、接続情報と一致するかを確認する(S400-4)。スイッチ200は、一致する場合(S400-4のYes)、ポートPmの接続状態を正常に更新し(S400-5)、ポートPmのLEDを緑点灯し(S400-6)、接続状態確認指示を送信し(S400-10)、処理を終了する。一方、スイッチ200は、一致しない場合(S400-4のNo)、ポートPmの接続状態を異常に更新し(S400-7)、ポートPmのLEDを緑点滅にし(S400-8)、処理を終了する。
【0074】
図12は、活性状態確認処理S500の処理フローチャートの例を示す図である。スイッチ200は、活性状態確認処理S500において、ポートPmの活性状態を取得する(S500-1)。スイッチ200は、ポートPmが非活性の場合(S500-2のYes)、ポートPmの接続状態を正常に更新し(S500-3)、ポートPmのLEDを黄点灯し(S500-4)、処理を終了する。一方、スイッチ200は、ポートPmが非活性でない場合(S500-2のNo)、ポートPmの接続状態を異常に更新し(S500-5)、ポートPmのLEDを黄点滅し(S500-6)、処理を終了する。
【0075】
なお、スイッチ200は、上述した接続先確認処理S400において、接続ポート要求を送信する。接続ポート要求は、スイッチ200及びノード100が受信するメッセージである。ノード100及びスイッチ200は、接続ポート要求を受信した場合、接続ポート要求受信処理S600を行う。
【0076】
図13は、接続ポート要求受信処理S600の処理フローチャートの例を示す図である。スイッチ200又はノード100は、接続ポート要求受信処理S600において、接続ポート要求を受信したポートのポート番号を取得する(S600-1)。そして、スイッチ200又はノード100は、接続装置情報に自装置の識別子、接続ポート情報に取得したポート番号を含めた、接続ポート応答を生成する(S600-2)。そして、スイッチ200又はノード100は、生成した接続ポート応答を、接続ポート要求の送信元装置に送信し(S600-3)、処理を終了する。
【0077】
<接続状態に異常がある場合>
図14は、ネットワークの接続状態及びシーケンスの例を示す図である。スイッチ200-1のポートP1は、
図5の接続情報によると接続先はなしであり、正常状態である。スイッチ200-1のポートP2は、
図5の接続情報によると接続先はなしであるが、スイッチ200-2のポートP2と接続しており、異常状態である。スイッチ200-1のポートP3は、
図5の接続情報によると接続先はスイッチ200-3のポートP1であるが、未接続であり、異常状態である。スイッチ200-1のポートP4は、
図5の接続情報によると接続先はスイッチ200-2のポートP3であるが、スイッチ200-2のポートP4と接続しており、異常状態である。この場合の、接続状態確認処理について、以下に説明する。なお、スイッチ200-1は、接続状態確認指示を受信するのは初めてであり、各ポートの接続状態は初期状態であるものとする。
【0078】
スイッチ200-1は、制御ノード300から接続状態確認指示を受信する(S1001)。スイッチ200-1は、接続状態確認指示を受信すると(S1001)、接続状態確認指示受信処理S100を行う。そして、スイッチ200-1は、接続状態確認指示受信処理S100において、接続状態確認処理S200を行う。
【0079】
スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP1は初期状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP1は他装置と接続しないポートであるため(
図8のS300-1のNo)、活性状態確認処理S500を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP1が非活性であるため(
図12のS500-2のYes)、ポートP1の接続状態を正常に更新し(
図12のS500-3)、ポートP1のLEDを黄点灯する(
図12のS500-4)。
【0080】
また、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP2は初期状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP2は他装置と接続しないポートであるため(
図8のS300-1のNo)、活性状態確認処理S500を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP2はスイッチ200-2と接続しており活性であるため(
図12のS500-2のNo)、ポートP2の接続状態を異常に更新し(
図12のS500-5)、ポートP1のLEDを黄点滅する(
図12のS500-6)。
【0081】
また、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP3は初期状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP3は他装置と接続するポートであるため(
図8のS300-1のYes)、接続先確認処理S400を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP3の接続先であるスイッチ200-3に接続ポート要求を送信する(S1002、
図9のS400-1)。
【0082】
スイッチ200-1は、スイッチ200-3からの接続応答を、応答待ち時間を経過しても受信しないため(
図9のS400-3のYes)、ポートP3の接続状態を異常に更新し(
図9のS400-7)、ポートP3のLEDを緑点滅する(
図9のS400-8)。
【0083】
なお、スイッチ200-1は、未接続であるスイッチ200-3に対してメッセージを送信するが、非活性であることを認識することで未接続であることを検出し、
図9における処理S400-3のYesのパスと同様の処理を行ってもよい。
【0084】
さらに、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP4は初期状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP4は他装置と接続するポートであるため(
図8のS300-1のYes)、接続先確認処理S400を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP4の接続先であるスイッチ200-2に接続ポート要求を送信する(S1003、
図9のS400-1)。
【0085】
スイッチ200-2は、接続ポート要求を受信すると、接続ポート要求受信処理S600を行う。そして、スイッチ200-2は、スイッチ200-2の識別子と接続ポートP4に関する情報を含む接続ポート応答をスイッチ200-1に送信する(S1004、
図13のS600-3)。
【0086】
スイッチ200-1は、応答待ち時間内に接続ポート応答を受信すると(
図9のS400-2のYes)、接続ポート応答の接続装置とポート番号は、接続情報と一致するか否かを確認する(
図9のS400-4)。スイッチ200は、接続装置はスイッチ200-2で一致するが、接続ポートがポートP4であり、所望するポートP3とは異なるため、一致しないと判定し(
図9のS400-4のNo)、ポートP4の接続状態を異常に更新し(
図9のS400-7)、ポートP4のLEDを緑点滅する(
図9のS400-8)。
【0087】
図15は、
図14のシーケンス実行後の各ポートの接続状態とLEDの状態の例を示す図である。ポートP1は正常であり、LEDは黄点灯である。しかし、ポートP2~P4は、異常状態である。ポートP2~P4のLEDは、異常を示す点滅状態である。
【0088】
<接続状態に異常がない場合>
図16は、ネットワークの接続状態及びシーケンスの例を示す図である。スイッチ200-1のポートP1~P4は、
図5の接続情報と一致し、正常状態である。なお、本シーケンスの直前のネットワークの状態は、
図14及び
図15に示す状態であるものとする。
【0089】
スイッチ200-1は、接続状態確認指示受信処理S100において、接続状態確認処理S200を行う。
【0090】
スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP1は正常状態であるため(
図7のS200-3のYes)、次のポートの確認を行う(
図7のS200-2)。
【0091】
また、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP2は異常状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP2は他装置と接続しないポートであるため(
図8のS300-1のNo)、活性状態確認処理S500を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP2が非活性であるため(
図12のS500-2のYes)、ポートP2の接続状態を正常に更新し(
図12のS500-3)、ポートP1のLEDを黄点灯する(
図12のS500-4)。
【0092】
また、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP3は異常状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP3は他装置と接続するポートであるため(
図8のS300-1のYes)、接続先確認処理S400を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP3の接続先であるスイッチ200-3に接続ポート要求を送信する(S2001、
図9のS400-1)。
【0093】
スイッチ200-3は、接続ポート要求を受信すると、接続ポート要求受信処理S600を行う。そして、スイッチ200-3は、スイッチ200-3の識別子と接続ポートP1に関する情報を含む接続ポート応答をスイッチ200-1に送信する(S2002、
図13のS600-3)。
【0094】
スイッチ200-1は、応答待ち時間内に接続ポート応答を受信すると(
図9のS400-2のYes)、接続ポート応答の接続装置とポート番号は、接続情報と一致するか否かを確認する(
図9のS400-4)。スイッチ200-1は、接続装置はスイッチ200-3で、接続ポートがポートP1であり、接続情報と一致するため(
図9のS400-4のYes)、ポートP3の接続状態を正常に更新し(
図9のS400-5)、ポートP4のLEDを緑点灯し(
図9のS400-6)、接続状態確認指示を送信する(S2005、
図9のS400-10)。
【0095】
また、スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200において、ポートP4は異常状態であるため(
図7のS200-3のNo)、ポート毎確認処理S300を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP4は他装置と接続するポートであるため(
図8のS300-1のYes)、接続先確認処理S400を行う。そして、スイッチ200-1は、ポートP4の接続先であるスイッチ200-2に接続ポート要求を送信する(S2003、
図9のS400-1)。
【0096】
スイッチ200-2は、接続ポート要求を受信すると、接続ポート要求受信処理S600を行う。そして、スイッチ200-2は、スイッチ200-2の識別子と接続ポートP3に関する情報を含む接続ポート応答をスイッチ200-1に送信する(S2004、
図13のS600-3)。
【0097】
スイッチ200-1は、応答待ち時間内に接続ポート応答を受信すると(
図9のS400-2のYes)、接続ポート応答の接続装置とポート番号は、接続情報と一致するか否かを確認する(
図9のS400-4)。スイッチ200-1は、接続装置はスイッチ200-2で、接続ポートがポートP3であり、接続情報と一致するため(
図9のS400-4のYes)、ポートP4の接続状態を正常に更新し(
図9のS400-5)、ポートP4のLEDを緑点灯し(
図9のS400-6)、接続状態確認指示を送信する(S2006、
図9のS400-10)。
【0098】
スイッチ200-1は、全てのポートが正常状態になったため(
図7のS200-1のYes)、接続状態確認処理S200を終了する。スイッチ200-1は、接続状態確認処理S200が完了すると、接続状態確認指示受信処理S100において、接続するスイッチ200-2及びスイッチ200-3に、接続状態確認指示を送信する(S2005、S2006、
図7のS100-2)。
【0099】
以降、スイッチ200-2及びスイッチ200-3は、接続状態確認指示を受信したため、接続状態確認指示受信処理S100を行い、接続状態確認処理S200を行う。
【0100】
図17は、
図16のシーケンス実行後の各ポートの接続状態とLEDの状態の例を示す図である。ポートP1~P4は全て正常であり、LEDは正常状態であることを示す点灯状態となる。
【0101】
上述したように、スイッチ200が全てのポートが正常状態になるまで接続状態確認処理を繰り返すことで、作業者は、ネットワークの構築作業完了後、接続に誤りがあるかないかを、直ちに確認することができる。また、作業者は、接続に誤りがなくなるまで、その場で作業を継続して行うことができる。
【0102】
なお、スイッチ200は、全ポートの確認を所定時間間隔で行ってもよい。スイッチ200は、例えば、ポートP4(最終ポート)の接続状態を確認してから、ポートP1(最初のポート)の接続状態の確認を行うまでに、所定時間だけ待ち受けてもよい。所定時間は、例えば、作業者が接続に誤りがあることを認識してから、正しい接続状態に接続を変更するのに要する時間に基づく時間である。所定時間の間隔を空けることで、スイッチ間の通信量を抑制することができる。
【0103】
以上まとめると、付記のようになる。
【0104】
(付記1)
接続先装置と接続される複数の通信ポートと、
前記複数の通信ポートそれぞれに対応する複数のランプと、
前記接続先装置の接続先ポートと、前記複数の通信ポートとの対応を示す接続情報を記憶する記憶部と、
前記通信ポートの接続先が前記接続情報に示す接続先装置及び接続先ポートと一致するか否かを、前記複数の通信ポートそれぞれについて確認する接続状態確認処理を行う確認部と、
前記確認部によって、第1通信ポートの接続先が前記接続情報と異なる場合、前記第1通信ポートに対応する第1ランプを、接続先が一致しないことを示す発光状態にし、第2通信ポートの接続先が前記接続情報と一致するとき、前記第2通信ポートに対応する第2ランプを、接続先が一致することを示す発光状態にする制御部と、を有し、
前記確認部は、前記接続状態確認処理において、前記接続状態確認処理を繰り返し実行する
通信装置。
【0105】
(付記2)
前記確認部は、前記第1通信ポートが前記接続情報と一致する場合、前記第1通信ポートの前記接続先装置に前記接続状態確認処理を行うよう指示する接続状態確認指示メッセージを送信する
付記1記載の通信装置。
【0106】
(付記3)
前記接続状態確認指示メッセージは、前記接続情報を含む
付記2記載の通信装置。
【0107】
(付記4)
前記確認部は、前記接続状態確認指示メッセージを受信した場合、前記接続状態確認処理を開始する
付記3記載の通信装置。
【0108】
(付記5)
前記確認部は、前記接続状態確認処理において、前記接続先装置の識別子及び前記接続先ポートに関する情報を送信するよう要求する接続ポート要求メッセージを、前記接続先装置に送信する
付記1記載の通信装置。
【0109】
(付記6)
前記確認部は、前記接続ポート要求メッセージに対する応答である接続ポート応答メッセージを受信したとき、前記接続状態確認処理において、前記接続ポート応答メッセージに含まれる前記接続先装置の識別子及び前記接続先ポートに関する情報と、前記接続情報とを比較する
付記5記載の通信装置。
【0110】
(付記7)
さらに、前記接続ポート要求メッセージを受信したとき、自装置の識別子及び接続先ポートに関する情報を含む接続ポート応答メッセージを、前記接続ポート要求メッセージの送信元装置に送信する応答部を有する
付記6記載の通信装置。
【0111】
(付記8)
前記確認部は、前記接続情報において、第3通信ポートが他装置と接続しない場合、前記第3通信ポートが非活性状態であるとき、前記第3通信ポートは前記接続情報と一致すると判定する
付記1記載の通信装置。
【0112】
(付記9)
前記接続先が一致しないことを示す発光状態は、ランプを点滅させた状態を含み、
前記接続先が一致すること示す発光状態は、ランプを点灯させた状態を含む
付記1記載の通信装置。
【0113】
(付記10)
前記制御部は、他装置と接続しない通信ポートに対応するランプと、他装置と接続する通信ポートに対応するランプを、異なる色で発光させる
付記9記載の通信装置。
【0114】
(付記11)
ノードと、前記ノードの通信を中継し、複数の通信ポート及び前記複数の通信ポートそれぞれに対応する複数のランプを有する通信装置と、前記通信装置の前記複数の通信ポートのそれぞれが接続する接続先装置、及び前記複数の通信ポートのそれぞれが接続する接続先装置の接続先ポートと、前記複数の通信ポートとの対応を示す接続情報を有する制御装置、とを有する通信システムであって、
前記制御装置は、前記通信装置に、前記接続情報を含む接続状態確認指示メッセージを送信し、
前記通信装置は、前記接続状態確認指示メッセージを受信すると、接続先が前記接続情報に示す接続先装置及び接続先ポートと一致するか否かを、前記複数の通信ポートそれぞれについて確認する接続状態確認処理を行い、第1通信ポートの接続先が前記接続情報と異なる場合、前記第1通信ポートに対応する第1ランプを、接続先が一致しないことを示す発光状態にし、第2通信ポートの接続先が前記接続情報と一致するとき、前記第2通信ポートに対応する第2ランプを、接続先が一致することを示す発光状態にし、前記複数の通信ポート全ての接続先が前記接続情報と一致するまで、前記接続状態確認処理を繰り返し実行する
通信システム。
【符号の説明】
【0115】
10 :通信システム
100 :ノード
110 :CPU
120 :ストレージ
121 :通信プログラム
122 :接続ポート要求受信プログラム
130 :メモリ
140 :通信回路
200 :スイッチ
210 :CPU
220 :ストレージ
221 :通信中継プログラム
222 :接続状態確認指示受信プログラム
223 :接続ポート要求受信プログラム
224 :接続情報
230 :メモリ
240 :制御用通信回路
250 :通信回路
260 :LED
300 :制御ノード
310 :CPU
320 :ストレージ
321 :接続状態確認開始プログラム
322 :接続情報
330 :メモリ
340 :通信回路
2221 :接続状態確認モジュール
2222 :ポート毎確認モジュール
2223 :接続先確認モジュール
2224 :活性状態確認モジュール