(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電源装置および照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 47/16 20200101AFI20240124BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240124BHJP
H02M 3/155 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H05B47/16
H05B45/325
H02M3/155 P
(21)【出願番号】P 2019180882
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】石北 徹
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-525989(JP,A)
【文献】特開2015-109146(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00、47/00
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1PWM信号によりスイッチングする第1スイッチング素子を有し、この第1スイッチング素子のスイッチングにより入力電力を変換して光源に供給する変換回路と;
前記変換回路の出力側で前記光源に並列に接続され、第2PWM信号によりスイッチングして前記光源に流れる電流を制御する第2スイッチング素子を有する調光回路と;
前記変換回路の出力電流の波高値に応じて前記第1PWM信号のデューティ比を設定し、前記第1PWM信号と前記第2PWM信号とを同期させるとともに、前記光源の調光度の変更に応じて前記第1PWM信号に同期して発生させる前記第2PWM信号の立ち上がりタイミングを変更する制御部と;
を備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記調光度の変更に応じて前記第2スイッチング素子のスイッチングの1周期中の前記第1スイッチング素子のスイッチング回数を変更する
ことを特徴とする請求項1記載の電源装置
。
【請求項3】
前記制御部は、前記調光度が所定の閾値よりも小さい場合に前記第1PWM信号に同期して発生させる前記第2PWM信号の立ち上がりタイミングを変更せず、所定の閾値よりも大きい場合に前記第1PWM信号に同期して発生させる前記第2PWM信号の立ち上がりタイミングを変更する
ことを特徴とする請求項1または2記載の電源装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記調光度が増加する変更の場合の閾値と減少する変更の場合の閾値とが異なる
ことを特徴とする請求項
3記載の電源装置。
【請求項5】
光源と;
請求項1ないし
4いずれか一記載の電源装置と;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、光源に電源供給する電源装置、およびこの電源装置を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、照明装置に用いられる電源装置は、交流入力電圧を直流定電圧に変換する力率改善回路(PFC)等のAC/DC変換回路と、スイッチング素子のPWM信号によるスイッチングによってAC/DC変換回路からの電圧を降圧させた直流定電圧を光源に出力する降圧チョッパ回路等のDC/DC変換回路と、光源に並列に接続されたスイッチング素子のPWM信号によるスイッチングによって光源に流れる電流を制御する調光回路と、を有している。DC/DC回路の出力電流は、波高値であるピーク電流値と基準となる閾値電流値とを比較する比較器を用いたピーク電流制御(カレントリミット制御)により制御される。
【0003】
この場合、DC/DC変換回路のスイッチング素子のスイッチングと調光回路のスイッチング素子のスイッチングとが同期して制御されるが、光源の調光度の変更に伴って、DC/DC変換回路のスイッチング素子のスイッチングのタイミングと調光回路のスイッチング素子のスイッチングのタイミングとが同時となると、DC/DC変換回路の出力のピーク電流にノイズが発生し、ピーク電流制御が乱れ、光源への電源供給が不安定になる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光源に安定した電源供給ができる電源装置および照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電源装置は、変換回路、調光回路および制御部を備える。変換回路は、第1PWM信号によりスイッチングする第1スイッチング素子を有し、第1スイッチング素子のスイッチングにより入力電力を変換して光源に供給する。調光回路は、変換回路の出力側で光源に並列に接続され、第2PWM信号によりスイッチングして光源に流れる電流を制御する第2スイッチング素子を有する。制御部は、変換回路の出力電流の波高値に応じて第1PWM信号のデューティ比を設定し、第1PWM信号と第2PWM信号とを同期させるとともに、光源の調光度の変更に応じて第1PWM信号に同期して発生させる第2PWM信号の立ち上がりタイミングを変更する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の電源装置によれば、光源に安定した電源供給をすることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態を示す電源装置を備える照明装置の回路図である。
【
図2】同上電源装置の制御動作のタイミングチャートである。
【
図3】同上電源装置の光源への供給電流が小さい場合の調光度が制御動作のタイミングチャートである。
【
図4】同上電源装置の光源への供給電流が大きい場合の制御動作のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1に照明装置10を示す。照明装置10は、例えばダウンライトなどが含まれる。照明装置10は、電源装置12と、例えばLEDなどの光源13を備える光源モジュール14と、光源13の調光度を設定する調光器15と、を備えている。
【0011】
電源装置12は、例えば100Vなどの交流入力電力を供給する外部電源である商用交流電源eに対し、図示しないフィルタ回路を介して整流回路21の一対の入力端が接続されている。整流回路21は、商用交流電源eを直流電源に整流して出力する。整流回路21の一対の出力端に、第1変換回路22が接続されている。第1変換回路22は、力率改善のための既知の力率改善回路であり、本実施形態では昇圧チョッパ回路である。第1変換回路22は、入力された電圧を所定の第1電圧、例えば160Vより高い第1直流定電圧に変換して出力するようになっている。
【0012】
第1変換回路22の出力側には、第2変換回路23が接続されている。第2変換回路23は、本実施形態において、第1変換回路22から入力された第1直流定電圧を第1の電圧よりも低い所定の第2電圧、例えば42Vより高い第2直流定電圧に変換して出力する降圧チョッパ回路である。そして、第1変換回路22と第2変換回路23とにより、入力電力を変換して光源13に供給する変換回路24が構成されている。
【0013】
第2変換回路23は、第1変換回路22の出力端間に接続された第1スイッチング素子Q1および帰還ダイオードDの直列回路と、第1スイッチング素子Q1と帰還ダイオードDのカソードとの接続点に一端側が接続されたインダクタLとを備えている。また、第1スイッチング素子Q1の制御端子には、ドライバ回路DRVを介してマイコンによって構成される制御部25が接続され、制御部25から出力される第1PWM信号S1により第1スイッチング素子Q1がスイッチング駆動される。第1スイッチング素子Q1は、第1PWM信号S1により所定の動作周波数、例えば100kHz以上の動作周波数でスイッチングされ、インダクタLに流れる電流ILの谷がゼロよりも大きくインダクタLに電流ILが連続的に流れる電流連続モードとなるように駆動される。
【0014】
また、第2変換回路23の出力端には、この出力端と並列に接続された第2スイッチング素子Q2を備える調光回路26が接続されているとともに、光源モジュール14の入力端が接続されている。すなわち、第2スイッチング素子Q2は、光源モジュール14の光源13と並列に接続されている。第2スイッチング素子Q2の制御端子には、制御部25が接続され、調光器15により設定された調光度に応じて制御部25から出力される第2PWM信号S2により第2スイッチング素子Q2がスイッチング駆動される。
【0015】
調光回路26は、第2スイッチング素子Q2のスイッチングにより第2変換回路23の出力端間を短絡および開放することで、光源13を制御するPWM信号を生成する。すなわち、光源13に流れる平均電流である負荷電流Iは、変換回路24(第2変換回路23)の出力電流である電流ILが第2スイッチング素子Q2のスイッチングにより制御される。
【0016】
また、第2変換回路23には、帰還ダイオードDのアノードと一方の出力端である第2スイッチング素子Q2との間に電流ILの検出用の抵抗Rが接続されている。さらに、第2変換回路23の出力端には、第2変換回路23の出力電圧、つまり変換回路24の出力電圧を検出する検出回路27が接続されている。
【0017】
さらに、第2変換回路23の抵抗Rと光源13との間に、比較器28の反転入力端子が接続され、この比較器28の非反転入力端子に、基準電圧源29から所定の基準電圧が入力されている。このため、比較器28は、電流ILと基準となる所定の閾値電流(ピーク電流値)Ithとの大小を、それぞれに対応する電圧に基づき比較するようになっている。比較器28の出力端子は制御部25に接続され、比較器28での比較結果が信号(電圧信号)Sとして制御部25に入力されるようになっている。
【0018】
そして、制御部25は、比較器28の比較結果に応じて、すなわち比較器28から入力する信号(電圧信号)Sに基づいて、第2変換回路23の出力電流の波高値であるピーク電流値に応じて第1PWM信号S1のデューティ比を制御する波高値制御を実行する。
【0019】
さらに、制御部25は、変換回路24(第2変換回路23)の出力電流の波高値であるピーク電流に応じて第1PWM信号S1のデューティ比を設定し、第1PWM信号S1と第2PWM信号S2とを同期させるとともに、調光器15にて変更される調光度に応じて第1PWM信号S1と第2PWM信号S2との同期の位相を変更する。
【0020】
同期の位相の変更は、調光度の変更に応じて位相を段階的または連続的に変更してもよいし、あるいは、調光度が所定の閾値よりも小さい場合に位相を変更せず、所定の閾値よりも大きい場合に位相を変更するようにしてもよい。この場合の閾値は、調光度が増加する変更の場合の閾値と減少する変更の場合の閾値とを異なる値に設定してもよい。
【0021】
さらに、制御部25は、調光度の変更に応じて、第2スイッチング素子Q2のスイッチングの1周期中の第1スイッチング素子Q1のスイッチング回数を変更する。
【0022】
さらに、制御部25は、検出回路27により変換回路24(第2変換回路23)の出力電圧を監視し、その出力電圧に応じて、変換回路24(第2変換回路23)の出力を低下または停止させる保護動作を行う。
【0023】
次に、一実施形態の動作を説明する。
【0024】
電源装置12に商用交流電源eから電源が供給されると、変換回路24では、第1変換回路22が動作して交流入力電圧を第1直流定電圧に昇圧するとともに、第2変換回路23が動作して第1直流定電圧を第2直流定電圧に降圧する。
【0025】
第2変換回路23では、制御部25からの第1PWM信号S1が第1スイッチング素子Q1の制御端子に入力され、第1スイッチング素子Q1が第1PWM信号S1に応じてスイッチングされる。第1スイッチング素子Q1のオン状態では、第1スイッチング素子Q1からインダクタLを介して第2変換回路23から電流IL1が出力されるとともに、インダクタLにエネルギが蓄えられる。また、第1スイッチング素子Q1のオフ状態では、インダクタLに電流IL1により蓄えられたエネルギが放出され、帰還ダイオードDからインダクタLを介して第2変換回路23から電流IL2が出力される。そして、
図2に示すように、第1スイッチング素子Q1のスイッチングにより、インダクタLに対して電流IL(IL=IL1+IL2)が連続的に流れる。
【0026】
制御部25では、比較器28を介して電流ILのピーク値を監視しつつ、電流ILが定電流となるように第1PWM信号S1のデューティ比、本実施形態ではオフタイミングが設定される。すなわち、制御部25では、波高値であるピーク電流値に基づいた波高値制御であるピーク電流制御(カレントリミット制御)により第2変換回路23が制御される。
【0027】
さらに、調光回路26では、制御部25からの第2PWM信号S2が第2スイッチング素子Q2の制御端子に入力され、第2スイッチング素子Q2が第2PWM信号S2に応じてスイッチングされる。第2スイッチング素子Q2のスイッチングによって第2変換回路23の出力端間が短絡および開放されることで、調光器15により設定された調光度に応じて光源13に負荷電流Iが流れ、光源13が設定された調光度で点灯する。
【0028】
また、
図2に示すように、光源13の調光度が相対的に大きい(浅い)場合、第2スイッチング素子Q2を駆動する第2PWM信号S2のデューティ比は相対的に小さく設定されるため、負荷電流Iが相対的に大きくなり、電流ILは谷が深くなる。
【0029】
図3に示すように、光源13の調光度が相対的に小さい(深い)場合、第2スイッチング素子Q2を駆動する第2PWM信号S2のデューティ比は相対的に大きく設定されるため、負荷電流Iが相対的に小さくなり、電流ILは谷が浅くなる。さらに、電流ILは、光源13の調光度が相対的に小さいほど、早いタイミングでピーク値に達する。したがって、光源13の調光度が相対的に小さいほど、比較器28によって早いタイミングで電流ILのピーク値が検出されるため、制御部25では第2変換回路23の第1スイッチング素子Q1の第1PWM信号S1のデューティ比も小さく設定され、つまり第1スイッチング素子Q1のオフタイミングが早いタイミングで設定される。
【0030】
ところで、第2変換回路23の第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと調光回路26の第2スイッチング素子Q2のスイッチングのタイミングとが同時になると、第2変換回路23から出力する電流ILのピーク電流付近にノイズが発生し、ピーク電流に基づいた制御部25によるピーク電流制御に乱れが生じる。例えば、第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングが早まって電流ILが小さくなる。このピーク電流制御に乱れによって、光源13への電源供給が不安定になる場合がある。
【0031】
そのため、制御部25では、第1スイッチング素子Q1のスイッチングと第2スイッチング素子Q2のスイッチングとを同期させているが、同期の位相を異ならせるように制御している。すなわち、制御部25では、第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングの後に、第2スイッチング素子Q2がスイッチングするように、第2スイッチング素子Q2のスイッチングの遅延させるように制御している。
【0032】
ただし、第2変換回路23から出力する電流ILはリップルがあるため、
図3に示すように、光源13の調光度が相対的に小さい(深い)場合、つまり光源13に供給する負荷電流Iが相対的に小さい場合には、ピーク電流値に近い位相で第2スイッチング素子Q2がスイッチングした方が、負荷電流Iを一定にすることができる。そのため、第1スイッチング素子Q1のスイッチングに対する第2スイッチング素子Q2がスイッチングの遅延時間T1は短い方が好ましい。
【0033】
ここで、第1スイッチング素子Q1のスイッチングに対する第2スイッチング素子Q2がスイッチングの遅延時間T1を固定的に設定してしまうと、光源13の調光度が相対的に大きくなるように変更された場合、
図2の2点鎖線にて示すように、第2スイッチング素子Q2のスイッチングが第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと同時になってしまう。
【0034】
そこで、制御部25では、調光器15にて変更される調光度に応じて、第1PWM信号S1と第2PWM信号S2との同期の位相を変更し、第2スイッチング素子Q2のスイッチングが第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと同時にならないように制御している。すなわち、第1スイッチング素子Q1のスイッチングに対する第2スイッチング素子Q2のスイッチングの遅延を遅延時間T1よりも長い遅延時間T2に変更し、第2スイッチング素子Q2のスイッチングが第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと同時にならないように制御している。
【0035】
この同期の位相の変更は、調光器15にて変更される調光度に応じて、段階的または連続的に変更してもよいし、あるいは、調光度の所定の閾値を設定し、調光度が閾値よりも場合に位相を変更せず、閾値よりも大きい場合に位相を変更するようにしてもよい。この場合の閾値は、調光度が増加する変更の場合の閾値と減少する変更の場合の閾値とを異なる値に設定し、ヒステリシスを持たせることが好ましい。例えば、調光度が大きくなる変更の場合の閾値を相対的に大きくすることで、調光度が小さい領域での負荷電流Iの一定化を図り、また、調光度が小さくなる変更の場合の閾値を相対的に小さくすることで、閾値が変更になった際に第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと第2スイッチング素子Q2のスイッチングとが確実に同時にならないようにし、ピーク電流制御の安定化を図っている。
【0036】
また、
図3に示すように、光源13の調光度が相対的に小さい(深い)場合、第2スイッチング素子Q2の1周期中に第1スイッチング素子Q1のスイッチングが行われると、その1周期中には第2変換回路23から出力する電流ILが光源13で消費されないため、電流ILの値が上昇してしまう。
【0037】
そこで、
図4に示すように、制御部25では、第2スイッチング素子Q2の1周期中は第1スイッチング素子Q1のスイッチングを停止させることにより、電流ILの値が上昇するのを防止している。この場合、第2スイッチング素子Q2の1周期中の終了間際に、第1スイッチング素子Q1を1回スイッチングさせ、インダクタLに充電することにより、次に第1スイッチング素子Q1および第2スイッチング素子Q2がスイッチングした際に、第2変換回路23から所望の電流ILを出力することができる。
【0038】
また、制御部25は、検出回路27により検出された出力電圧が所定の電圧閾値を超えたとき、保護動作を行う。
【0039】
以上説明した一実施形態によれば、制御部25は、調光器15にて変更される調光度の変更に応じて、第1PWM信号S1と第2PWM信号S2との同期の位相を変更するため、第2スイッチング素子Q2のスイッチングが第1スイッチング素子Q1のスイッチングのオフタイミングと同時になるのを確実に防止でき、光源13に安定した電源供給ができる。
【0040】
また、同期の位相の変更は、段階的または連続的に変更することにより、調光器15による調光度の変更に確実に対応できる。
【0041】
また、同期の位相の変更は、調光度が所定の閾値よりも小さい場合に位相を変更せず、所定の閾値よりも大きい場合に位相を変更することにより、制御部25による制御を簡単にできる。
【0042】
この場合の閾値は、調光度が増加する変更の場合の閾値と減少する変更の場合の閾値とを異なる値に設定し、ヒステリシスを持たせることにより、負荷電流Iの一定化とピーク電流制御の安定化の両方に対して適切に対応できる。
【0043】
さらに、調光度の変更に応じて、第2スイッチング素子Q2のスイッチングの1周期中の第1スイッチング素子Q1のスイッチング回数を変更することにより、例えば電流ILの上昇などを防止、電源装置12の安定した動作が可能となる。
【0044】
なお、上記一実施形態において、変換回路24は、昇圧チョッパ回路である第1変換回路22と、降圧チョッパ回路である第2変換回路23とからなる構成としたが、これに限られるものではなく、第1スイッチング素子のスイッチングにより電力を変換する複数の昇圧または降圧回路を備える構成としてもよい。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 照明装置
12 電源装置
13 光源
24 変換回路
25 制御部
26 調光回路
Q1 第1スイッチング素子
Q2 第2スイッチング素子
S1 第1PWM信号
S2 第2PWM信号