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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】物品収容設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240124BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B65G1/137 E
B65G1/00 501C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020058653
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021155202
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤 俊隆
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-001607(JP,A)
【文献】特表2020-500800(JP,A)
【文献】特開昭61-002603(JP,A)
【文献】特開2017-039597(JP,A)
【文献】特開2017-141102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一種類又は複数種類の物品を収容する物品容器と、
前記物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、前記物品容器を前記収容室に出し入れするための開口部が前記収容室の側面に形成された容器収容体と、
前記容器収容体を、前記容器収容体が保管される保管部と、取出位置との間で搬送する収容体搬送装置と、
前記取出位置において前記容器収容体から前記開口部を通して前記物品容器を取り出す容器取出装置と、
前記容器取出装置によって前記容器収容体から取り出された前記物品容器を、前記物品容器に対するピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する容器搬送装置と、を備え
前記容器搬送装置は、前記容器取出装置を、前記取出位置に対応する位置から前記ピッキング部に対応する位置へ搬送し、
前記容器搬送装置は、前記容器取出装置を積載及び降ろすことが可能に構成されている、物品収容設備。
【請求項2】
前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、
前記取出位置は、前記保管棚の外部に設けられたエリアに複数設定されている、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
記容器取出装置は、前記物品容器を前記上下方向の複数段に収容可能な収容部と、前記収容室における任意の段と前記収容部との間で前記物品容器を移載する移載機と、を備え
記移載機は、前記収容部と前記ピッキング部との間でも前記物品容器を移載する、請求項1又は2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記容器取出装置は、前記収容部の内部と外部とを連通する連通部を備え、
前記移載機は、前記連通部を通して前記物品容器を前記収容部の内部と外部との間で移動させるように構成されている、請求項に記載の物品収容設備。
【請求項5】
前記ピッキング部は、昇降可能な昇降台を備え、
前記移載機は、前記収容部と前記昇降台との間で前記物品容器を移動させることで、前記収容部と前記ピッキング部との間で前記物品容器を移載するように構成されている、請求項3又は4に記載の物品収容設備。
【請求項6】
前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、
前記収容体搬送装置は、前記保管棚の外部において前記保管棚と前記取出位置との間で前記容器収容体を搬送する外部搬送装置を備え、
前記外部搬送装置と前記容器搬送装置とが、同じ搬送機器を兼用可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項7】
単一種類又は複数種類の物品を収容する物品容器と、
前記物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、前記物品容器を前記収容室に出し入れするための開口部が前記収容室の側面に形成された容器収容体と、
前記容器収容体を、前記容器収容体が保管される保管部と、取出位置との間で搬送する収容体搬送装置と、
前記取出位置において前記容器収容体から前記開口部を通して前記物品容器を取り出す容器取出装置と、
前記容器取出装置によって前記容器収容体から取り出された前記物品容器を、前記物品容器に対するピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する容器搬送装置と、を備え、
前記容器搬送装置は、前記取出位置に対応する位置に固定され、
前記容器取出装置は、前記容器搬送装置に設けられ
前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、
前記取出位置は、前記保管棚において一部の前記保管部に代えて設けられている、物品収容設備。
【請求項8】
記容器搬送装置は、前記取出位置に対応する位置に設置されて昇降可能な昇降台を備え、
前記容器取出装置は、前記収容室における任意の段と前記昇降台との間で前記物品容器を移載する移載機を備え、
前記ピッキング部は、前記容器取出装置に対応する位置に設置され、
前記移載機は、前記昇降台と前記ピッキング部との間でも前記物品容器を移載する、請求項7に記載の物品収容設備。
【請求項9】
前記ピッキング部は、前記ピッキング作業が行われる作業台に設けられた作業用コンベヤを備え、
前記昇降台に載せられた前記物品容器が、前記昇降台が前記作業用コンベヤに対応する高さに昇降した状態で、前記作業用コンベヤに渡される、請求項5又はに記載の物品収容設備。
【請求項10】
単一種類又は複数種類の物品を収容する物品容器と、
前記物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、前記物品容器を前記収容室に出し入れするための開口部が前記収容室の側面に形成された容器収容体と、
前記容器収容体を、前記容器収容体が保管される保管部と、取出位置との間で搬送する収容体搬送装置と、
前記取出位置において前記容器収容体から前記開口部を通して前記物品容器を取り出す容器取出装置と、
前記容器取出装置によって前記容器収容体から取り出された前記物品容器を、前記物品容器に対するピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する容器搬送装置と、を備え、
前記収容室に対する前記物品容器の出し入れ方向に直交すると共に水平方向に沿う方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を第1側とし、前記幅方向の他方側を第2側として、
前記容器収容体は、前記収容室に対して前記第1側に設けられて前記上下方向に延在する第1上下枠体と、前記収容室に対して前記第2側に設けられて前記上下方向に延在する第2上下枠体と、前記第1上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第2側に突出する第1支持部と、前記第2上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第1側に突出する第2支持部と、を備え、
前記物品容器は、前記収容室において前記第1支持部と前記第2支持部とにより前記幅方向の両側から支持される、物品収容設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収容する物品容器と、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な容器収容体と、容器収容体に収容されている物品容器をピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品収容設備の一例が、特開2019-137543号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。特許文献1の物品収容設備では、物品が格納される格納箱(103)が、複数の段(202)を有する格納棚(102)に収容される。各配送先に出荷される物品を保管するための格納エリア(101)に、複数の格納棚(102)が置かれており、ピッキング作業の対象となる格納箱(103)が収容された格納棚(102)は、搬送車(111)によって、作業員(105)がピッキング作業を行う人作業エリア(104)や、ロボット(110)がピッキング作業を行うロボット作業エリア(109)に搬送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-137543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、特許文献1の物品収容設備では、物品容器(特許文献1における格納箱)が、物品容器を複数段に収容可能な容器収容体(特許文献1における格納棚)に収容される。そのため、複数の物品容器を平面視(上下方向に沿う方向視)で互いに重複するように容器収容体に収容することができ、上下方向の空間を利用して物品容器の保管効率の向上を図ることができる。しかしながら、特許文献1の物品収容設備では、ピッキング作業の対象となる物品容器が収容された容器収容体ごと、ピッキング部に搬送される。そのため、当該容器収容体にピッキング作業の対象ではない物品容器が収容されている場合には、ピッキング作業の対象ではない物品容器もピッキング部に搬送されることになる。ピッキング部には、ピッキング作業の対象となる複数の物品容器(例えば、オーダーに応じた複数の物品容器)を効率よく搬送できることが求められるが、特許文献1の物品収容設備では、ピッキング作業の対象ではない物品容器のピッキング部への搬送が、搬送効率を低下させ、或いは搬送効率の向上の妨げとなるおそれがある。更には、エネルギが無駄に消費されるおそれもある。
【0005】
そこで、物品容器の保管効率の向上を図りつつ、ピッキング作業の対象ではない物品容器のピッキング部への搬送を回避することが可能な物品収容設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る物品収容設備は、単一種類又は複数種類の物品を収容する物品容器と、前記物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、前記物品容器を前記収容室に出し入れするための開口部が前記収容室の側面に形成された容器収容体と、前記容器収容体を、前記容器収容体が保管される保管部と、取出位置との間で搬送する収容体搬送装置と、前記取出位置において前記容器収容体から前記開口部を通して前記物品容器を取り出す容器取出装置と、前記容器取出装置によって前記容器収容体から取り出された前記物品容器を、前記物品容器に対するピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する容器搬送装置と、を備える。
そして、物品収容設備の第1の態様では、前記容器搬送装置は、前記容器取出装置を、前記取出位置に対応する位置から前記ピッキング部に対応する位置へ搬送し、前記容器搬送装置は、前記容器取出装置を積載及び降ろすことが可能に構成されている。
また、物品収容設備の第2の態様では、前記容器搬送装置は、前記取出位置に対応する位置に固定され、前記容器取出装置は、前記容器搬送装置に設けられ、前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、前記取出位置は、前記保管棚において一部の前記保管部に代えて設けられている
また、物品収容設備の第3の態様では、前記収容室に対する前記物品容器の出し入れ方向に直交すると共に水平方向に沿う方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を第1側とし、前記幅方向の他方側を第2側として、前記容器収容体は、前記収容室に対して前記第1側に設けられて前記上下方向に延在する第1上下枠体と、前記収容室に対して前記第2側に設けられて前記上下方向に延在する第2上下枠体と、前記第1上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第2側に突出する第1支持部と、前記第2上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第1側に突出する第2支持部と、を備え、前記物品容器は、前記収容室において前記第1支持部と前記第2支持部とにより前記幅方向の両側から支持される。
【0007】
本構成によれば、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な容器収容体に複数の物品容器を収容した状態で、保管部に保管することができる。よって、上下方向の空間を有効に利用して物品容器の保管効率の向上を図ることができる。その上で、本構成によれば、容器収容体を搬送する収容体搬送装置は、保管部とピッキング部との間ではなく保管部と取出位置との間で容器収容体を搬送し、容器搬送装置が、取出位置において容器取出装置によって容器収容体から取り出された物品容器を、ピッキング部へ搬送する。そのため、ピッキング作業の対象となる物品容器が収容されている容器収容体に、ピッキング作業の対象ではない物品容器が収容されている場合であっても、ピッキング作業の対象となる物品容器のみをピッキング部に搬送することが可能となっている。
【0008】
以上のように、本構成によれば、物品容器の保管効率の向上を図りつつ、必要のない物品容器のピッキング部への搬送を回避することが可能となっている。なお、本構成では、容器取出装置による容器収容体からの物品容器の取り出しが行われる取出位置とは別の位置に設けられた保管部で、容器収容体を保管することができる。そのため、ピッキング作業の対象となる可能性の低い物品容器(例えば、繁忙期を過ぎた季節商品が収容された物品容器)が収容された容器収容体は保管部に保管し、ピッキング作業の対象となる可能性が高い物品容器(例えば、繁忙期の季節商品が収容された物品容器)が収容された容器収容体は取出位置に配置するというように、保管部と取出位置とを適切に使い分けて容器収容体を配置することで、ピッキング作業の対象となる物品容器のピッキング部への搬送効率の向上を図ることができるという利点もある。また、このように取出位置とは別の位置に設けられた保管部に容器収容体を保管することで、容器収容体からの物品容器の取り出しやすさをあまり考慮せずに保管部を設けることができるため、例えば比較的上方の高さにも保管部を配置する等、物品容器の保管効率が高くなるように保管部を設けやすいという利点もある。
【0009】
また、第3の態様の物品収容設備によれば、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、物品容器を収容室に出し入れするための開口部が収容室の側面に形成された容器収容体を、適切に実現することができる。
物品収容設備の更なる特徴と利点は、図面を参照して説明する実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る物品収容設備の概略平面図
図2】第1の実施形態に係る物品収容設備における保管棚の近傍の斜視図
図3】第1の実施形態に係る物品収容設備におけるピッキング部の近傍の斜視図
図4】第1の実施形態に係る容器収容体及び容器取出装置の斜視図
図5】第1の実施形態に係る容器収容体及び容器取出装置の一部を取り除いた側面図
図6】第1の実施形態に係る容器取出装置及び昇降式搬送装置の一部を取り除いた側面図
図7】第2の実施形態に係る物品収容設備の概略平面図
図8】第2の実施形態に係る容器収容体及び昇降式搬送装置の一部を取り除いた側面図
図9】その他の実施形態に係る物品収容設備の概略平面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施形態〕
物品収容設備の第1の実施形態について、図面(図1図6)を参照して説明する。
【0012】
図1及び図2に示すように、物品収容設備100は、物品容器2と、容器収容棚30と、収容棚搬送装置50と、容器収集棚40と、棚搬送車60と、を備えている。物品収容設備100は、複数種類の物品1を収容する設備である。具体的には、物品収容設備100は、物品1が収容された物品容器2を保管すると共に、ピッキング作業の対象となる物品容器2をピッキング作業が行われるピッキング部20に搬送する設備である。ピッキング部20には、オーダーで指定された種類の物品1が収容された物品容器2が搬送され、ピッキング部20では、オーダーで指定された数量の物品1が物品容器2から取り出される。オーダーで指定される数量は、種類毎の物品1の数量である。オーダーは、例えば、出荷先からの注文に基づき後述する制御装置90又は他の装置(管理装置等)によって生成される。図1では、ピッキング作業が作業者Hにより行われる場合を例示しているが、ピッキング作業は、作業者Hではなくロボット等により行われてもよい。
【0013】
物品容器2は、単一種類又は複数種類の物品1を収容する。物品容器2に収容されている物品1は、例えば、当該物品容器2の底面に支持され、或いは、当該物品容器2に収容された他の物品1の上面に支持される。図3に示す例では、物品容器2は複数種類の物品1を収容している。具体的には、物品容器2は、仕切材により格子状に区画された複数の収容部を有しており、複数種類の物品1が種類毎に同じ収容部に収容されている。物品容器2は、上面が開口する箱状(ここでは、浅い箱状)に形成されている。ここでは、物品容器2は、平面視(上下方向Vに沿う方向視)で矩形状に形成されている。物品容器2に対するピッキング作業では、物品容器2の上面の開口部を通して当該物品容器2に収容されている物品1が取り出される。物品容器2からピッキング作業により取り出された物品1は、例えば出荷用容器に収容される。
【0014】
図5に示すように、容器収容棚30は、物品容器2を上下方向Vの複数段に収容可能な収容室33を有している。すなわち、収容室33には、物品容器2を収容可能な棚段が、上下方向Vの複数の位置に形成されている。複数の物品容器2は、平面視で互いに重複するように、収容室33における互いに異なる棚段に分かれて収容される。収容室33には、最大で棚段と同数の物品容器2を収容することができる。図4及び図5に示す例では、収容室33には上下方向Vに並ぶ5つの棚段が形成されている。本実施形態では、容器収容棚30が「容器収容体」に相当する。
【0015】
図5に示すように、収容室33の側面には、物品容器2を収容室33に出し入れするための開口部34が形成されている。収容室33は、上面、下面、及び4つの側面を有する直方体状に形成されており、互いに対向する2つの側面のそれぞれに開口部34が形成されている。すなわち、容器収容棚30は、収容室33に対する物品容器2の出し入れ方向Dの両側に開口部34を有している。言い換えれば、収容室33における出し入れ方向Dの両側の側面のそれぞれに、開口部34が形成されている。
【0016】
図4に示すように、出し入れ方向Dに直交すると共に水平方向に沿う方向を幅方向Wとし、幅方向Wの一方側を第1側W1とし、幅方向Wの他方側を第2側W2とする。本実施形態では、容器収容棚30は、収容室33に対して第1側W1に設けられて上下方向Vに延在する第1上下枠体31Aと、収容室33に対して第2側W2に設けられて上下方向Vに延在する第2上下枠体31Bと、を備えている。第1上下枠体31Aと第2上下枠体31Bとは、収容室33に対して上側及び下側のそれぞれで互いに連結されている。収容室33の開口部34は、第1上下枠体31Aと第2上下枠体31Bとの幅方向Wの間に形成されている。ここでは、第1上下枠体31A及び第2上下枠体31Bは、幅方向Wに沿う方向視で矩形状に形成されている。
【0017】
そして、本実施形態では、容器収容棚30は、第1上下枠体31Aにおける収容室33の各段(各棚段)に対応する箇所から第2側W2に突出する第1支持部32Aと、第2上下枠体31Bにおける収容室33の各段(各棚段)に対応する箇所から第1側W1に突出する第2支持部32Bと、を備えている。図4に示すように、物品容器2は、収容室33において第1支持部32Aと第2支持部32Bとにより幅方向Wの両側から支持される。図4に示す例では、第1支持部32Aは、出し入れ方向Dの全域に亘って第1上下枠体31Aから第2側W2に突出するように形成され、第2支持部32Bは、出し入れ方向Dの全域に亘って第2上下枠体31Bから第1側W1に突出するように形成されている。
【0018】
本実施形態では、第1支持部32Aの上下方向Vの位置(具体的には、第1上下枠体31Aに対する上下方向Vの相対位置)は固定であり、第2支持部32Bの上下方向Vの位置(具体的には、第2上下枠体31Bに対する上下方向Vの相対位置)は固定である。そのため、収容室33における上下方向Vに隣接する棚段の間隔は固定されている。そして、複数の第1支持部32Aは、上下方向Vに等間隔で設けられ、複数の第2支持部32Bは、上下方向Vに等間隔で設けられている。そのため、収容室33には、複数の棚段(図4及び図5に示す例では、5つの棚段)が上下方向Vに等間隔で形成されている。
【0019】
このように、本実施形態では、収容室33には、複数の棚段が上下方向Vに等間隔で形成されている。そして、物品容器2を容器収容棚30に収容する際には、物品容器2に収容されている物品1の高さに応じて収容対象の棚段が選択され、選択された収容対象の棚段に当該物品容器2が収容される。例えば、図5における容器収容棚30から取り出し中の物品容器2のように、1つ上の棚段に収容されている物品容器2と干渉する程度の高さを有する物品1が、容器収容棚30に収容しようとする物品容器2に収容されている場合には、1つ上の棚段に物品容器2が収容されていない棚段が、収容対象の棚段として選択される。
【0020】
容器収容棚30は、保管部11に保管される。本実施形態では、物品収容設備100は、保管部11が複数形成された保管棚10を備えている。図2に示すように、1つの保管棚10に形成される複数の保管部11は、上下方向Vに複数段且つ水平方向(棚横幅方向)に複数列配置されている。保管棚10は、上下方向Vに延びる複数の支柱13と、棚奥行方向(棚横幅方向に直交する水平方向)に延びる複数の腕木14(支持部材の一例)と、を備えている。支柱13には、複数の腕木14が上下方向Vに間隔を空けて取り付けられており、保管部11は、支柱13によって棚横幅方向に区画されていると共に、腕木14によって上下方向Vに区画されている。容器収容棚30は、棚横幅方向に離間して配置された一対の腕木14によって下方から支持された状態で、保管部11に保管される。本実施形態では、保管棚10は、棚前後方向に対向するように一対設けられている。
【0021】
収容棚搬送装置50は、容器収容棚30を、保管部11と取出位置Pとの間で搬送する。図1及び図2に示すように、本実施形態では、取出位置Pは、保管棚10の外部の位置である。具体的には、保管棚10の外部に設けられた棚配置エリアAに、複数の取出位置Pが設定されている。収容棚搬送装置50は、保管棚10において(具体的には、保管棚10の前方において)容器収容棚30を搬送すると共に、保管棚10の外部において保管棚10と取出位置Pとの間で容器収容棚30を搬送する。物品収容設備100は、保管部11に搬入する容器収容棚30又は保管部11から搬出する容器収容棚30を支持する支持部12を備えており、収容棚搬送装置50は、保管棚10において、保管部11と支持部12との間で容器収容棚30を搬送すると共に、保管棚10の外部において、支持部12と取出位置Pとの間で容器収容棚30を搬送する。本実施形態では、収容棚搬送装置50が「収容体搬送装置」に相当する。
【0022】
本実施形態では、収容棚搬送装置50は、保管棚10において容器収容棚30を搬送する搬送装置として、スタッカークレーン51を備えている。スタッカークレーン51は、保管棚10の前方において容器収容棚30を搬送し、本実施形態では、一対の保管棚10の間において容器収容棚30を搬送する。スタッカークレーン51は、保管部11と支持部12との間で容器収容棚30を搬送する。図2に示すように、スタッカークレーン51は、床部に設置されたレール52に案内されて棚横幅方向に走行する走行体53と、走行体53に立設されたマスト54に案内されて昇降する(すなわち、上下方向Vに移動する)昇降体55と、昇降体55に支持された棚移載機56と、を備えている。棚移載機56は、昇降体55と移載対象箇所(保管部11や支持部12)との間で容器収容棚30を移載する。図2に示す例では、棚移載機56は、容器収容棚30を下方から支持する支持部と、支持部を出退移動させる出退機構と、を備え、支持部を移載対象箇所側に突出させた状態で昇降体55を昇降させることで、昇降体55と移載対象箇所との間で容器収容棚30が移載される。
【0023】
本実施形態では、収容棚搬送装置50は、保管棚10の外部において保管棚10(具体的には、支持部12)と取出位置Pとの間で容器収容棚30を搬送する外部搬送装置として、棚搬送車60を備えている。後述するように、本実施形態では、物品収容設備100は、取出位置Pに対応する位置とピッキング部20に対応する位置との間で容器収集棚40を搬送する容器搬送装置として、棚搬送車60を備えている。このように、本実施形態では、外部搬送装置と容器搬送装置とが、同じ搬送機器を兼用可能となっており、共通の搬送機器である棚搬送車60を、外部搬送装置及び容器搬送装置のいずれとしても用いている。具体的には、物品収容設備100は、複数の棚搬送車60を備えており、棚搬送車60のそれぞれは、容器収容棚30を搬送するためにも容器収集棚40を搬送するためにも使用され得る。本実施形態では、棚搬送車60が「外部搬送装置」に相当する。
【0024】
図2に示すように、本実施形態では、棚搬送車60は、床面を自律走行する搬送車であり、走行輪等の走行機構を有する走行体61と、走行体61に対して昇降可能に支持された昇降体62と、を備えている。昇降体62は、容器収容棚30又は容器収集棚40を下方から支持する。棚搬送車60は、昇降体62を下降させた状態で搬送対象の容器収容棚30の下方に移動した後、昇降体62を上昇させて容器収容棚30を持ち上げることで、容器収容棚30を積載する。棚搬送車60は、容器収容棚30を積載した状態で移動することで、容器収容棚30を搬送する。そして、棚搬送車60は、搬送先の位置まで移動した後、昇降体62を下降させて容器収容棚30を搬送先に降ろす。同様に、棚搬送車60は、昇降体62を下降させた状態で搬送対象の容器収集棚40の下方に移動した後、昇降体62を上昇させて容器収集棚40を持ち上げることで、容器収集棚40を積載する。棚搬送車60は、容器収集棚40を積載した状態で移動することで、容器収集棚40を搬送する。そして、棚搬送車60は、搬送先の位置まで移動した後、昇降体62を下降させて容器収集棚40を搬送先に降ろす。
【0025】
本実施形態では、支持部12には、高さが固定された支持体12aが設けられており、容器収容棚30は、支持部12において支持体12aによって下方から支持される。棚搬送車60は、支持部12に位置する状態で昇降体62を上昇させて容器収容棚30を支持体12aから持ち上げることで、容器収容棚30を積載し、支持部12に位置する状態で昇降体62を下降させて容器収容棚30を支持体12aに載せることで、容器収容棚30を支持部12に降ろす。なお、支持体12aの支持面の高さが固定されずに支持面が昇降可能な構成とすることもできる。例えば、容器収容棚30が、最下段の棚段から下方に延びる脚部を備える場合に、このように支持体12aの支持面が昇降可能な構成とすることができる。
【0026】
本実施形態では、取出位置Pには、高さが固定された支持体4が設けられており、容器収容棚30は、取出位置Pにおいて支持体4によって下方から支持される。棚搬送車60は、取出位置Pに位置する状態で昇降体62を上昇させて容器収容棚30を支持体4から持ち上げることで、容器収容棚30を積載し、取出位置Pに位置する状態で昇降体62を下降させて容器収容棚30を支持体4に載せることで、容器収容棚30を取出位置Pに降ろす。なお、支持体4の支持面の高さが固定されずに支持面が昇降可能な構成とすることや、取出位置Pに支持体4が設けられずに取出位置Pにおいて容器収容棚30が床面に直接置かれる構成とすることもできる。例えば、容器収容棚30が、最下段の棚段から下方に延びる脚部を備える場合に、容器収容棚30が床面に直接置かれる構成とすることができる。
【0027】
本実施形態では、物品収容設備100は、取出位置Pにおいて容器収容棚30から開口部34を通して物品容器2を取り出す容器取出装置として、容器収集棚40を備えている。すなわち、容器収集棚40は、取出位置Pにおいて容器収容棚30から開口部34を通して物品容器2を取り出す。図5に示すように、容器収集棚40は、物品容器2を上下方向Vの複数段に収容可能な収容部43を有している。すなわち、収容部43には、物品容器2を収容可能な棚段が、上下方向Vの複数の位置に形成されている。複数の物品容器2は、平面視で互いに重複するように、収容部43における互いに異なる棚段に分かれて収容される。収容部43には、最大で棚段と同数の物品容器2を収容することができる。図4及び図5に示す例では、収容部43には上下方向Vに並ぶ5つの棚段が形成されている。本実施形態では、容器収集棚40が「容器取出装置」に相当する。
【0028】
容器収集棚40は、移載機45を備えており、容器収集棚40は、移載機45を用いて容器収容棚30から物品容器2を取り出す。移載機45は、容器収容棚30の収容室33における任意の段(棚段)と容器収集棚40の収容部43との間で、物品容器2を移載する。本実施形態では、容器収集棚40の収容部43における棚段の数(段数)は、容器収容棚30の収容室33における棚段の数(段数)と等しく、移載機45は、容器収容棚30の収容室33における任意の段と、容器収集棚40の収容部43における当該任意の段と同じ段との間で、物品容器2を移載する。よって、容器収容棚30の収容室33から取り出された物品容器2は、移載機45によって、容器収集棚40の収容部43における、当該物品容器2が収容室33において収容されていた段と同じ段に移載される。図5では、容器収容棚30の収容室33における上から3段目の段に収容されていた物品容器2が、移載機45によって、容器収集棚40の収容部43における上から3段目の段に移載される状況を示している。
【0029】
容器収集棚40は、収容部43の内部と外部とを連通する連通部44を備えており、移載機45は、連通部44を通して物品容器2を収容部43の内部と外部との間で移動させるように構成されている。連通部44は収容部43の側面に形成されており、移載機45は、物品容器2を水平面に沿う移載方向Tに移動させることで、連通部44を通して収容部43の内部と外部との間で物品容器2を移動させる。収容部43は、上面、下面、及び4つの側面を有する直方体状に形成されており、図5に示すように、互いに対向する2つの側面のそれぞれに連通部44が形成されている。すなわち、容器収集棚40は、移載機45による物品容器2の移載方向Tの両側に連通部44を有している。言い換えれば、収容部43における移載方向Tの両側の側面のそれぞれに、連通部44が形成されている。
【0030】
図4及び図5に示す例では、移載機45は、物品容器2に設けられた被係合部3に係合する係合部45aと、係合部45aを移載方向Tに出退移動させる出退機構45bと、を備えている。ここでは、被係合部3は、物品容器2の側面から水平方向に突出する棒状に形成されている。係合部45aの上下移動又は回転移動等により、係合部45aが被係合部3に係合した状態と、係合部45aの被係合部3に対する係合が解除された状態とが切り替えられる。移載機45は、係合部45aが被係合部3に係合した状態で係合部45aを出退機構45bにより出退移動させて、物品容器2を押し込み又は引き込むことで、物品容器2を移載方向Tに移動させる。容器収集棚40は、昇降可能な昇降体46を備えており、移載機45は昇降体46に支持されている。昇降体46は、チェーン等の索状体を用いて構成された昇降機構47によって、昇降される。移載機45は、昇降体46が移載対象の段(図5に示す状況では、上から3段目の棚段)に対応する高さ(上下方向Vの位置)に昇降した状態で物品容器2を移載方向Tに移動させることで、物品容器2を移載する。
【0031】
図4に示すように、移載方向Tに直交すると共に水平方向に沿う方向を幅方向Xとし、幅方向Xの一方側を第1側X1とし、幅方向Xの他方側を第2側X2とする。本実施形態では、容器収集棚40は、収容部43に対して第1側X1に設けられて上下方向Vに延在する第1上下枠体41Aと、収容部43に対して第2側X2に設けられて上下方向Vに延在する第2上下枠体41Bと、を備えている。第1上下枠体41Aと第2上下枠体41Bとは、収容部43に対して上側及び下側のそれぞれで互いに連結されている。連通部44は、第1上下枠体41Aと第2上下枠体41Bとの幅方向Xの間に形成されている。ここでは、第1上下枠体41A及び第2上下枠体41Bは、幅方向Xに沿う方向視で矩形状に形成されている。
【0032】
そして、本実施形態では、容器収集棚40は、第1上下枠体41Aにおける収容部43の各段(各棚段)に対応する箇所から第2側X2に突出する第1支持部42Aと、第2上下枠体41Bにおける収容部43の各段(各棚段)に対応する箇所から第1側X1に突出する第2支持部42Bと、を備えている。物品容器2は、収容部43において第1支持部42Aと第2支持部42Bとにより幅方向Xの両側から支持される。図4に示す例では、第1支持部42Aは、移載方向Tの全域に亘って第1上下枠体41Aから第2側X2に突出するように形成され、第2支持部42Bは、移載方向Tの全域に亘って第2上下枠体41Bから第1側X1に突出するように形成されている。
【0033】
本実施形態では、第1支持部42Aの上下方向Vの位置(具体的には、第1上下枠体41Aに対する上下方向Vの相対位置)は固定であり、第2支持部42Bの上下方向Vの位置(具体的には、第2上下枠体41Bに対する上下方向Vの相対位置)は固定である。そのため、収容部43における上下方向Vに隣接する棚段の間隔は固定されている。そして、複数の第1支持部42Aは、上下方向Vに等間隔で設けられ、複数の第2支持部42Bは、上下方向Vに等間隔で設けられている。そのため、収容部43には、複数の棚段(図4及び図5に示す例では、5つの棚段)が上下方向Vに等間隔で形成されている。
【0034】
本実施形態では、物品収容設備100は、容器取出装置によって容器収容棚30から取り出された物品容器2をピッキング部20へ搬送する容器搬送装置として、棚搬送車60を備えている。すなわち、棚搬送車60は、容器収集棚40によって容器収容棚30から取り出された物品容器2をピッキング部20へ搬送する。棚搬送車60は、物品容器2を容器収容棚30から取り出して収容部43に収容している状態の容器収集棚40を、ピッキング部20へ搬送することで、容器収集棚40によって容器収容棚30から取り出された物品容器2をピッキング部20へ搬送する。このように容器収集棚40ごとピッキング部20へ搬送することで、容器収集棚40に収容されている複数の物品容器2をまとめてピッキング部20へ搬送することができる。本実施形態では、棚搬送車60が「容器搬送装置」に相当する。
【0035】
棚搬送車60は、容器収集棚40を、取出位置Pに対応する位置からピッキング部20に対応する位置へ搬送する。容器収集棚40は、取出位置Pに対応する位置において、当該取出位置Pに位置する容器収容棚30から移載機45を用いて物品容器2を取り出す。また、容器収集棚40は、取出位置Pに対応する位置において、当該取出位置Pに位置する容器収容棚30に移載機45を用いて物品容器2を収容する。図4及び図5に示すように、取出位置Pに対応する位置は、当該取出位置Pに位置する容器収容棚30に対して出し入れ方向Dに隣接する位置であり、容器収集棚40は、取出位置Pに対応する位置において、当該容器収集棚40の移載方向Tが、当該取出位置Pに位置する容器収容棚30の出し入れ方向Dと平行になる向きで配置される。
【0036】
本実施形態では、取出位置Pに対応する位置には、容器収集棚40を下方から支持する支持体は設けられておらず、容器収集棚40は、取出位置Pに対応する位置において、棚搬送車60に積載された状態のまま(具体的には、棚搬送車60の昇降体62によって下方から支持された状態のまま)、収容部43と容器収容棚30の収容室33との間で物品容器2を移載する。取出位置Pに対応する位置に容器収集棚40を下方から支持する支持体が設けられる場合や、容器収集棚40が最下段の棚段から下方に延びる脚部を備える場合等に、容器収集棚40が、取出位置Pに対応する位置において、当該支持体又は床面に支持された状態で、収容部43と容器収容棚30の収容室33との間で物品容器2を移載する構成とすることもできる。
【0037】
容器収集棚40は、ピッキング部20に対応する位置において、当該容器収集棚40の収容部43とピッキング部20との間で移載機45を用いて物品容器2を移載する。すなわち、移載機45は、収容部43と容器収容棚30の収容室33との間だけでなく、収容部43とピッキング部20との間でも物品容器2を移載する。図3及び図6に示すように、本実施形態では、ピッキング部20に対応する位置には、容器収集棚40を下方から支持する支持体5が設けられており、容器収集棚40は、ピッキング部20に対応する位置において、支持体5に支持された状態で、収容部43とピッキング部20との間で物品容器2を移載する。
【0038】
図3及び図6に示すように、本実施形態では、ピッキング部20は、昇降可能な昇降台71を備えている。そして、移載機45は、収容部43と昇降台71との間で物品容器2を移動させることで、収容部43とピッキング部20との間で物品容器2を移載するように構成されている。具体的には、ピッキング部20は、ピッキング作業が行われる作業台21に設けられた作業用コンベヤ22と、容器収集棚40と作業用コンベヤ22との間で物品容器2を搬送する昇降式搬送装置70と、を備えている。そして、昇降台71は、昇降式搬送装置70に設けられている。そのため、ピッキング部20に対応する位置は、昇降式搬送装置70に対応する位置である。図3及び図6に示すように、昇降式搬送装置70に対応する位置は、昇降式搬送装置70に対して後述する搬送方向Cに隣接する位置であり、容器収集棚40は、昇降式搬送装置70に対応する位置において、当該容器収集棚40の移載方向Tが搬送方向Cと平行となる向きで配置される。
【0039】
図6に示すように、昇降式搬送装置70は、昇降台71を昇降させる昇降機構72と、物品容器2を搬送方向Cに搬送する搬送機構73と、を備えている。昇降機構72は、チェーン等の索状体を用いて構成され、搬送機構73は、ローラコンベヤ等のコンベヤを用いて構成される。移載機45は、昇降台71が移載対象の物品容器2に対応する高さ(図6に示す例では、昇降台71の位置を二点鎖線で示すように、収容部43における上から2段目の棚段に対応する高さ)に昇降した状態で物品容器2を移載方向Tに移動させることで、収容部43と昇降台71との間で物品容器2を移動させる。搬送機構73は昇降台71に設けられており、昇降式搬送装置70は、搬送機構73による物品容器2の搬送方向及び搬送速度が、移載機45による物品容器2の移動方向及び移動速度に合うように、搬送機構73を駆動する。
【0040】
図6に示すように、昇降台71に載せられた物品容器2は、昇降台71が作業用コンベヤ22に対応する高さに昇降した状態で(図6において実線で示す昇降台71を参照)、作業用コンベヤ22に渡される。昇降式搬送装置70は、昇降機構72により昇降台71を作業用コンベヤ22に対応する高さに昇降させた状態で、搬送機構73により昇降台71に載せられた物品容器2を作業用コンベヤ22側に搬送することで、昇降台71に載せられた物品容器2を作業用コンベヤ22に渡す。図1及び図3に示す例では、作業用コンベヤ22は、ローラコンベヤを用いて構成されている。
【0041】
作業用コンベヤ22は、ピッキング作業が行われるピッキング作業箇所23を経由する搬送経路に沿って物品容器2を搬送する。作業用コンベヤ22は、作業者Hが物品容器2に収容された物品1に対して上方からアクセス可能な高さに設置されており、これにより、作業者Hがピッキング作業を行いやすくなっている。図1及び図3に示す例では、ピッキング作業箇所23には、複数(ここでは、2つ)の物品容器2が作業用コンベヤ22の搬送方向に並べて配置され、これにより、複数(ここでは、2人)の作業者Hが同時にピッキング作業を行うことが可能となっている。
【0042】
また、図1及び図3に示す例では、作業用コンベヤ22は、ピッキング作業箇所23を経由する周回経路(環状経路)に沿って物品容器2を搬送するように設けられている。これにより、ピッキング作業が行われた後の物品容器2を、図1及び図3に矢印で示すように周回経路に沿って昇降式搬送装置70に対応する位置まで搬送して、当該物品容器2を昇降式搬送装置70によって容器収集棚40に戻すことが可能となっている。この場合、昇降式搬送装置70に対応する位置まで搬送された物品容器2は、昇降台71が作業用コンベヤ22に対応する高さに昇降した状態で昇降台71に渡された後、昇降台71が収容部43における収容対象の棚段に対応する高さに昇降した状態で、昇降台71から収容部43に移動される。なお、本実施形態では、収容部43には、複数の棚段が上下方向Vに等間隔で形成されている。そして、物品容器2を容器収集棚40の収容部43に収容する際には、物品容器2に収容されている物品1の高さに応じて収容対象の棚段が選択され、選択された収容対象の棚段に当該物品容器2が収容される。
【0043】
図1に簡略化して示すように、物品収容設備100は、制御装置90を備えている。制御装置90は、CPU等の演算処理装置を備えると共にメモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置90の各機能が実現される。制御装置90は、容器収容棚30のそれぞれについて、容器収容棚30の現在位置の情報(例えば、容器収容棚30が保管されている保管部11の情報や、容器収容棚30が置かれている取出位置Pの情報)と、容器収容棚30に収容されている物品容器2の情報(例えば、物品容器2に収容されている物品1の種類及び個数の情報)とを対応付けて管理している。そして、制御装置90は、オーダーで指定された種類の物品1が収容された物品容器2(すなわち、ピッキング作業の対象となる物品容器2)がピッキング部20(具体的には、ピッキング作業箇所23)に搬送されるように、物品収容設備100が備える各装置の作動を制御する。物品収容設備100が備える装置のそれぞれは、制御装置90による制御を受けて動作する。具体的には、物品収容設備100が備える装置のそれぞれには機器コントローラが設けられており、機器コントローラは、制御装置90からの指令に応じてモータ等の駆動力源の駆動を制御することで、当該機器コントローラが設けられた装置の作動を制御する。
【0044】
収容棚搬送装置50は、制御装置90による制御を受けて、保管部11に保管されている容器収容棚30を取出位置Pに搬送する。例えば、ピッキング作業の対象となる可能性が高い物品容器2(例えば、繁忙期の季節商品が物品1として収容された物品容器2)が収容された容器収容棚30が、収容棚搬送装置50(本実施形態では、スタッカークレーン51及び棚搬送車60)によって保管部11から取出位置Pに搬送される。また、収容棚搬送装置50は、制御装置90による制御を受けて、取出位置Pに置かれている容器収容棚30を保管部11に搬送する。例えば、ピッキング作業の対象となる可能性の低い物品容器2(例えば、繁忙期を過ぎた季節商品が物品1として収容された物品容器2)が収容された容器収容棚30が、収容棚搬送装置50(本実施形態では、スタッカークレーン51及び棚搬送車60)によって取出位置Pから保管部11に搬送される。また、例えば、物品1の入れ替え作業の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30、物品1の補充作業の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30、或いは、物品1の確認作業(棚卸作業)の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30が、収容棚搬送装置50によって取出位置Pから保管部11に搬送される。
【0045】
棚搬送車60は、制御装置90による制御を受けて、容器収集棚40を、物品容器2の取出対象の容器収容棚30が配置された取出位置Pに対応する位置に搬送した後、ピッキング部20に対応する位置に搬送する。なお、物品容器2の取出対象の容器収容棚30は、ピッキング作業の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30である。容器収集棚40は、制御装置90による制御を受けて、取出位置Pに対応する位置において、容器収容棚30からピッキング作業の対象となる物品容器2を取り出して収容部43に収容する。例えば、収容部43に形成された全ての棚段にピッキング作業の対象となる物品容器2が収容された状態の容器収容棚30が、ピッキング部20に対応する位置に搬送される。なお、ピッキング作業の対象となる物品容器2が複数の容器収容棚30に分かれて収容されている場合には、棚搬送車60は、複数の容器収容棚30が配置された複数の取出位置Pに対応する各位置に容器収集棚40を順次搬送し、当該各位置において容器収集棚40が容器収容棚30からピッキング対象の対象となる物品容器2を取り出して収容部43に収容する。
【0046】
容器収集棚40は、制御装置90による制御を受けて、ピッキング部20に対応する位置において、収容部43に収容されている物品容器2を昇降台71に渡し、昇降式搬送装置70は、制御装置90による制御を受けて、昇降台71に載せられている物品容器2を作業用コンベヤ22に渡す。これにより、容器収集棚40の収容部43に収容されている物品容器2が、1つずつ昇降台71を介して作業用コンベヤ22に渡される。詳細は省略するが、ピッキング作業が行われた後の物品容器2は、作業用コンベヤ22から昇降台71に渡された後、ピッキング部20に対応する位置に配置された容器収集棚40の収容部43に収容される。そして、ピッキング作業が行われた後の物品容器2が収容された状態の容器収集棚40は、棚搬送車60によって取出位置Pに対応する位置に搬送され、容器収集棚40は、取出位置Pに対応する位置において、収容部43に収容されている物品容器2を当該取出位置Pに位置する容器収容棚30の収容室33に収容する。
【0047】
〔第2の実施形態〕
物品収容設備の第2の実施形態について、図面(図7及び図8)を参照して説明する。以下では、本実施形態の物品収容設備について、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1の実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
図7に示すように、本実施形態では、取出位置Pは、保管棚10の外部ではなく、保管棚10において一部の保管部11に代えて設けられている。具体的には、保管棚10における最も下側に配置された複数の保管部11の一部を、容器収容棚30を保管するための位置ではなく、容器収容棚30から物品容器2を取り出すための取出位置Pとしている。そして、収容棚搬送装置50(具体的には、スタッカークレーン51)が、保管部11と取出位置Pとの間で容器収容棚30を搬送する。
【0049】
本実施形態では、物品収容設備100は、取出位置Pにおいて容器収容棚30から開口部34を通して物品容器2を取り出す容器取出装置として、容器移載装置80を備えている。すなわち、容器移載装置80は、取出位置Pにおいて容器収容棚30から開口部34を通して物品容器2を取り出す。また、本実施形態では、物品収容設備100は、容器取出装置によって容器収容棚30から取り出された物品容器2をピッキング部20へ搬送する容器搬送装置として、昇降式搬送装置70を備えている。すなわち、昇降式搬送装置70は、容器移載装置80によって容器収容棚30から取り出された物品容器2をピッキング部20へ搬送する。容器移載装置80は、昇降式搬送装置70に設けられている。本実施形態では、容器移載装置80が「容器取出装置」に相当し、昇降式搬送装置70が「容器搬送装置」に相当する。
【0050】
図8に示すように、本実施形態では、昇降式搬送装置70が備える昇降台71は、取出位置Pに対応する位置に配置されている。すなわち、昇降式搬送装置70は、取出位置Pに対応する位置に設置されて昇降可能な昇降台71を備えている。昇降台71は、取出位置Pに対してスタッカークレーン51の走行経路側とは反対側(すなわち、保管棚10の背面側)に隣接する位置に設けられており、容器収容棚30は、取出位置Pにおいて、当該容器収容棚30の出し入れ方向Dが保管棚10の棚前後方向と平行となる向きで配置される。
【0051】
図8に示す例では、昇降台71に、容器移載装置80が備える移載機81と、物品容器2を搬送方向C(ここでは、保管棚10の棚前後方向に沿う方向)に搬送する搬送機構73とが設けられている。すなわち、容器移載装置80は、昇降式搬送装置70(具体的には、昇降台71)に設けられて、収容室33における任意の段と昇降台71との間で物品容器2を移載する「移載機」を備えており、図8に示す例では、移載機81及び搬送機構73が「移載機」に相当する。物品容器2の移載時には、搬送機構73による物品容器2の搬送方向及び搬送速度が、移載機81による物品容器2の移動方向及び移動速度に合うように、搬送機構73が駆動される。
【0052】
移載機81は、物品容器2を水平面に沿う移載方向T(ここでは、保管棚10の棚前後方向に沿う方向)に移動させることで、取出位置Pに位置する容器収容棚30の収容室33と、昇降台71との間で、開口部34を通して物品容器2を移動させる。移載方向Tは、搬送方向Cに平行な方向である。移載機81を用いて容器収容棚30から物品容器2を取り出す場合、移載機81は、昇降台71が移載対象の物品容器2に対応する高さ(図8に示す例では、昇降台71の位置を二点鎖線で示すように、収容室33における上から2段目の棚段に対応する高さ)に昇降した状態で物品容器2を移載方向Tに移動させることで、収容室33から昇降台71に物品容器2を移動させる。また、移載機81を用いて物品容器2を容器収容棚30に戻す場合、移載機81は、昇降台71が収容室33における収容対象の棚段に対応する高さに昇降した状態で物品容器2を移載方向Tに移動させることで、昇降台71から収容室33に物品容器2を移動させる。
【0053】
図8に示す例では、移載機81は、物品容器2に設けられた被係合部3に係合する係合部81aと、係合部81aを移載方向Tに出退移動させる出退機構81bと、を備えている。係合部81aの上下移動又は回転移動等により、係合部81aが被係合部3に係合した状態と、係合部81aの被係合部3に対する係合が解除された状態とが切り替えられる。移載機81は、係合部81aが被係合部3に係合した状態で係合部81aを出退機構81bにより出退移動させて、物品容器2を押し込み又は引き込むことで、物品容器2を移載方向Tに移動させる。図8に示す例では、移載機81は昇降台71に設けられており、昇降機構72によって昇降台71と共に昇降される。
【0054】
図8に示すように、本実施形態では、ピッキング部20は、容器移載装置80に対応する位置に設置されている。そして、容器移載装置80は、昇降式搬送装置70(具体的には、昇降台71)とピッキング部20との間で移載機81及び搬送機構73を用いて物品容器2を移載する。すなわち、移載機81及び搬送機構73は、容器収容棚30の収容室33と昇降台71との間だけでなく、昇降台71とピッキング部20との間でも物品容器2を移載する。具体的には、移載機81及び搬送機構73は、昇降台71と作業用コンベヤ22との間で物品容器2を移動させることで、昇降台71とピッキング部20との間で物品容器2を移載するように構成されている。移載機81及び搬送機構73は、昇降台71が作業用コンベヤ22に対応する高さに昇降した状態で(図8において実線で示す昇降台71を参照)、昇降台71と作業用コンベヤ22との間で物品容器2を移動させる。
【0055】
上述したように、図8に示す例では、移載機81及び搬送機構73が「移載機」に相当するが、物品容器2を移載する際に、この移載機の一部のみ(具体的には、移載機81のみ又は搬送機構73のみ)を作動させてもよい。例えば、昇降台71とピッキング部20との間での物品容器2の移載を、移載機81及び搬送機構73のうちの搬送機構73のみを作動させて行う構成とすることもできる。また、昇降台71に搬送機構73が設けられない構成とすることもできる。
【0056】
本実施形態では、収容棚搬送装置50(具体的には、スタッカークレーン51)は、制御装置90による制御を受けて、ピッキング作業の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30を、保管部11から取出位置Pに搬送する。そして、容器移載装置80が設けられた昇降式搬送装置70は、制御装置90による制御を受けて、取出位置Pに配置された容器収容棚30からピッキング作業の対象となる物品容器2を取り出して昇降台71に載せると共に、昇降台71に載せられた物品容器2を作業用コンベヤ22に渡す。これにより、容器収容棚30の収容室33に収容されている物品容器2が、1つずつ昇降台71を介して作業用コンベヤ22に渡される。詳細は省略するが、ピッキング作業が行われた後の物品容器2は、作業用コンベヤ22から昇降台71に渡された後、取出位置Pに配置された容器収容棚30の収容室33に収容される。そして、ピッキング作業が行われた後の物品容器2が収容された状態の容器収容棚30は、収容棚搬送装置50(具体的には、スタッカークレーン51)によって保管部11に搬送される。
【0057】
〔その他の実施形態〕
次に、物品収容設備のその他の実施形態について説明する。
【0058】
(1)上記第2の実施形態では、取出位置Pが、保管棚10において一部の保管部11に代えて設けられる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、第2の実施形態の構成において、例えば図9に示す例のように、取出位置Pが保管棚10の外部に設けられる構成とすることもできる。図9に示す例では、保管棚10において一部の保管部11に代えて搬出部15及び搬入部16が設けられていると共に、搬出部15から取出位置Pを経由して搬入部16に容器収容棚30を搬送するバッファコンベヤ24が設けられている。この例では、収容棚搬送装置50(具体的には、スタッカークレーン51)は、ピッキング作業の対象となる物品容器2が収容された容器収容棚30を、保管部11から搬出部15に搬送すると共に、ピッキング作業が行われた後の物品容器2が収容された状態の容器収容棚30を、搬入部16から保管部11に搬送する。この例では、バッファコンベヤ24上に取出位置Pに搬送する容器収容棚30を貯留させておくことができるため、容器収容棚30が取出位置Pから搬出されてから次の容器収容棚30が取出位置Pに搬入するまでの時間を短く抑えて、搬送効率の向上を図ることができる。図9に示す例では、スタッカークレーン51及びバッファコンベヤ24が、容器収容棚30を保管部11と取出位置Pとの間で搬送する「収容体搬送装置」に相当する。
【0059】
(2)上記第1の実施形態では、移載機45が、物品容器2の被係合部3に係合した係合部45aを出退移動させることで、物品容器2を移載方向Tに移動させる構成を例として説明し、上記第2の実施形態では、移載機81が、物品容器2の被係合部3に係合した係合部81aを出退移動させることで、物品容器2を移載方向Tに移動させる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、例えば、移載機45又は移載機81が、物品容器2を挟持する支持体、物品容器2を下方から支持する支持体、或いは、物品容器2を吸着支持する支持体を出退移動させることで、物品容器2を移載方向Tに移動させる構成とすることもできる。
【0060】
(3)上記第1の実施形態では、外部搬送装置と容器搬送装置とが、同じ搬送機器を兼用可能となっており、共通の搬送機器である棚搬送車60を、外部搬送装置及び容器搬送装置のいずれとしても用いる構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、外部搬送装置として用いる搬送機器と容器搬送装置として用いる搬送機器とが各別に設けられる構成とすることもできる。
【0061】
(4)上記の各実施形態では、収容棚搬送装置50が、保管棚10において容器収容棚30を搬送する搬送装置として、スタッカークレーン51を備える構成を例として説明した。しかし、本開示はそのような構成に限定されず、収容棚搬送装置50が、保管棚10において容器収容棚30を搬送する搬送装置として、スタッカークレーン51以外の搬送装置を備える構成とすることもできる。スタッカークレーン51以外の搬送装置として、保管棚10の各段に対応して設けられて容器収容棚30を棚横幅方向に搬送する搬送装置を例示することができる。
【0062】
(5)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0063】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した物品収容設備の概要について説明する。
【0064】
物品収容設備は、単一種類又は複数種類の物品を収容する物品容器と、前記物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、前記物品容器を前記収容室に出し入れするための開口部が前記収容室の側面に形成された容器収容体と、前記容器収容体を、前記容器収容体が保管される保管部と、取出位置との間で搬送する収容体搬送装置と、前記取出位置において前記容器収容体から前記開口部を通して前記物品容器を取り出す容器取出装置と、前記容器取出装置によって前記容器収容体から取り出された前記物品容器を、前記物品容器に対するピッキング作業が行われるピッキング部へ搬送する容器搬送装置と、を備える。
【0065】
本構成によれば、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な容器収容体に複数の物品容器を収容した状態で、保管部に保管することができる。よって、上下方向の空間を有効に利用して物品容器の保管効率の向上を図ることができる。その上で、本構成によれば、容器収容体を搬送する収容体搬送装置は、保管部とピッキング部との間ではなく保管部と取出位置との間で容器収容体を搬送し、容器搬送装置が、取出位置において容器取出装置によって容器収容体から取り出された物品容器を、ピッキング部へ搬送する。そのため、ピッキング作業の対象となる物品容器が収容されている容器収容体に、ピッキング作業の対象ではない物品容器が収容されている場合であっても、ピッキング作業の対象となる物品容器のみをピッキング部に搬送することが可能となっている。
【0066】
以上のように、本構成によれば、物品容器の保管効率の向上を図りつつ、必要のない物品容器のピッキング部への搬送を回避することが可能となっている。なお、本構成では、容器取出装置による容器収容体からの物品容器の取り出しが行われる取出位置とは別の位置に設けられた保管部で、容器収容体を保管することができる。そのため、ピッキング作業の対象となる可能性の低い物品容器(例えば、繁忙期を過ぎた季節商品が収容された物品容器)が収容された容器収容体は保管部に保管し、ピッキング作業の対象となる可能性が高い物品容器(例えば、繁忙期の季節商品が収容された物品容器)が収容された容器収容体は取出位置に配置するというように、保管部と取出位置とを適切に使い分けて容器収容体を配置することで、ピッキング作業の対象となる物品容器のピッキング部への搬送効率の向上を図ることができるという利点もある。また、このように取出位置とは別の位置に設けられた保管部に容器収容体を保管することで、容器収容体からの物品容器の取り出しやすさをあまり考慮せずに保管部を設けることができるため、例えば比較的上方の高さにも保管部を配置する等、物品容器の保管効率が高くなるように保管部を設けやすいという利点もある。
【0067】
ここで、前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、前記容器取出装置は、前記物品容器を前記上下方向の複数段に収容可能な収容部と、前記収容室における任意の段と前記収容部との間で前記物品容器を移載する移載機と、を備え、前記容器搬送装置は、前記容器取出装置を、前記取出位置に対応する位置から前記ピッキング部に対応する位置へ搬送し、前記移載機は、前記収容部と前記ピッキング部との間でも前記物品容器を移載すると好適である。
【0068】
本構成によれば、保管部が複数形成された保管棚を物品収容設備が備えるため、複数の保管部を隣接して配置しやすく、物品容器の保管効率の向上を図ることができる。また、本構成によれば、容器取出装置が、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容部を備え、容器搬送装置が、容器取出装置を取出位置に対応する位置(以下、「第1位置」という)からピッキング部に対応する位置(以下、「第2位置」という)へ搬送する。そのため、ピッキング作業の対象となる複数の物品容器を容器収容体から取り出して収容部に収容している状態の容器取出装置を、容器搬送装置によって第1位置から第2位置に搬送することで、ピッキング作業の対象となる複数の物品容器を、これらが収容された容器収容体ごと第2位置に搬送することができる。これにより、特に第1位置と第2位置との距離が長い場合にも、ピッキング対象となる物品容器のピッキング部への搬送効率の向上を図ることができる。なお、本構成によれば、容器取出装置が備える移載機を用いて、容器取出装置と容器収容体との間で物品容器を直接移載することができると共に、容器取出装置とピッキング部との間でも物品容器を直接移載することができる。この点からも、物品容器の搬送効率の向上を図ることが可能となっている。
【0069】
また、前記容器取出装置は、前記収容部の内部と外部とを連通する連通部を備え、前記移載機は、前記連通部を通して前記物品容器を前記収容部の内部と外部との間で移動させるように構成されていると好適である。
【0070】
本構成によれば、移載機を用いた収容部に対する物品容器の出し入れが可能な容器取出装置を、適切に実現することができる。
【0071】
また、前記収容体搬送装置は、前記保管棚の外部において前記保管棚と前記取出位置との間で前記容器収容体を搬送する外部搬送装置を備え、前記外部搬送装置と前記容器搬送装置とが、同じ搬送機器を兼用可能であると好適である。
【0072】
本構成によれば、共通の搬送機器を外部搬送装置及び容器搬送装置のいずれとしても用いることができため、設備全体で必要となる搬送装置の総数を少なく抑えることができる等、コストの低減を図ることができる。
【0073】
また、前記ピッキング部は、昇降可能な昇降台を備え、前記移載機は、前記収容部と前記昇降台との間で前記物品容器を移動させることで、前記収容部と前記ピッキング部との間で前記物品容器を移載するように構成されていると好適である。
【0074】
本構成によれば、昇降台を移載対象の物品容器に対応する高さに昇降させた状態で、容器取出装置の収容部とピッキング部との間で移載機を用いて物品容器を移載することができる。よって、この移載が行われる間、物品容器の姿勢を水平姿勢に維持することができ、物品が収容された状態の物品容器を、容器取出装置の収容部とピッキング部との間で適切に移載することができる。
【0075】
また、前記保管部が複数形成された保管棚を更に備え、前記容器搬送装置は、前記取出位置に対応する位置に設置されて昇降可能な昇降台を備え、前記容器取出装置は、前記容器搬送装置に設けられて、前記収容室における任意の段と前記昇降台との間で前記物品容器を移載する移載機を備え、前記ピッキング部は、前記容器取出装置に対応する位置に設置され、前記移載機は、前記昇降台と前記ピッキング部との間でも前記物品容器を移載すると好適である。
【0076】
本構成によれば、保管部が複数形成された保管棚を物品収容設備が備えるため、複数の保管部を隣接して配置しやすく、物品容器の保管効率の向上を図ることができる。また、本構成によれば、容器搬送装置の昇降台を移載対象の物品容器に対応する高さに昇降させた状態で、容器収容体の収容室と容器搬送装置の昇降台との間で、容器取出装置が備える移載機を用いて物品容器を移載することができる。よって、この移載が行われる間、物品容器の姿勢を水平姿勢に維持することができ、物品が収容された状態の物品容器を、容器収容体の収容室から容器搬送装置の昇降台に適切に取り出すことができる。そして、本構成では、容器搬送装置の昇降台に取り出された物品容器を、容器取出装置が備える移載機を用いてピッキング部に直接移載することができる。よって、容器搬送装置の昇降台に取り出された物品容器が、他の搬送装置を介してピッキング部に移載される場合に比べて、搬送効率の向上を図ることが可能となっている。
【0077】
また、前記ピッキング部は、前記ピッキング作業が行われる作業台に設けられた作業用コンベヤを備え、前記昇降台に載せられた前記物品容器が、前記昇降台が前記作業用コンベヤに対応する高さに昇降した状態で、前記作業用コンベヤに渡されると好適である。
【0078】
本構成によれば、昇降台を作業用コンベヤに対応する高さに昇降させることで、昇降台と作業用コンベヤとの間で物品容器が移載される間、物品容器の姿勢を水平姿勢に維持することができる。よって、作業用コンベヤをピッキング作業に適した高さに設置しつつ、物品が収容された状態の物品容器を昇降台から作業用コンベヤに適切に渡すことができる。
【0079】
また、前記収容室に対する前記物品容器の出し入れ方向に直交すると共に水平方向に沿う方向を幅方向とし、前記幅方向の一方側を第1側とし、前記幅方向の他方側を第2側として、前記容器収容体は、前記収容室に対して前記第1側に設けられて前記上下方向に延在する第1上下枠体と、前記収容室に対して前記第2側に設けられて前記上下方向に延在する第2上下枠体と、前記第1上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第2側に突出する第1支持部と、前記第2上下枠体における前記収容室の各段に対応する箇所から前記第1側に突出する第2支持部と、を備え、前記物品容器は、前記収容室において前記第1支持部と前記第2支持部とにより前記幅方向の両側から支持されると好適である。
【0080】
本構成によれば、物品容器を上下方向の複数段に収容可能な収容室を有すると共に、物品容器を収容室に出し入れするための開口部が収容室の側面に形成された容器収容体を、適切に実現することができる。
【0081】
本開示に係る物品収容設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0082】
1:物品
2:物品容器
10:保管棚
11:保管部
20:ピッキング部
21:作業台
22:作業用コンベヤ
30:容器収容棚(容器収容体)
31A:第1上下枠体
31B:第2上下枠体
32A:第1支持部
32B:第2支持部
33:収容室
34:開口部
40:容器収集棚(容器取出装置)
43:収容部
44:連通部
45:移載機
50:収容棚搬送装置(収容体搬送装置)
60:棚搬送車(容器搬送装置、外部搬送装置)
70:昇降式搬送装置(容器搬送装置)
71:昇降台
73:搬送機構(移載機)
80:容器移載装置(容器取出装置)
81:移載機
100:物品収容設備
D:出し入れ方向
P:取出位置
V:上下方向
W:幅方向
W1:第1側
W2:第2側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9