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特許7425426タッチモジュール、タッチ表示基板及びタッチ表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】タッチモジュール、タッチ表示基板及びタッチ表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240124BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G06F3/041 490
G06F3/044 125
G06F3/044 122
G06F3/041 410
G06F3/041 640
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020564720
(86)(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 CN2019096308
(87)【国際公開番号】W WO2020020027
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-07-12
(31)【優先権主張番号】201810825645.7
(32)【優先日】2018-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】李 園園
(72)【発明者】
【氏名】鄭 美珠
(72)【発明者】
【氏名】李 俊傑
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03246800(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0160373(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103425324(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0007030(US,A1)
【文献】国際公開第2016/048320(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/123974(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第107656646(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基板と、前記ベース基板に設置された導電性グリッド層及び架橋パターンと、を含み、
前記導電性グリッド層は、前記ベース基板のタッチ領域全体に張り巡らされ、前記導電性グリッド層は、複数の第1のタッチ電極及び複数の第2のタッチ電極を含み、前記第1のタッチ電極と前記第2のタッチ電極とは、交差して絶縁設置され、各前記第1のタッチ電極は、複数の接続された第1のサブ電極を含み、各前記第2のタッチ電極は、複数の独立した第2のサブ電極を含み、前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極は、いずれも互いに繋がった複数のグリッドを含み、前記グリッドは、交差した複数の導電線によって形成され、
前記架橋パターンと前記導電性グリッド層とは、異なる層に設置され、同一の前記第2のタッチ電極に属する隣り合う前記第2のサブ電極は、前記架橋パターンにより接続され
前記架橋パターンは、少なくとも1つのグリッドパターンを含み、各グリッドパターンは、互いに繋がった複数のグリッドを含み、前記架橋パターン上のグリッドパターンが存在する領域の前記ベース基板上への正射影は、前記導電性グリッド層上の一部のグリッドの前記ベース基板上への正射影と重なり、
各前記架橋パターンは、複数のコンタクトホールを介して前記第2のサブ電極に接続され、かつ同一の前記架橋パターンに対応する複数のコンタクトホールは、グリッドを形成する導電線により接続される、タッチモジュール。
【請求項2】
互いに交差して設置された前記第1のタッチ電極及び前記第2のタッチ電極のうち、位置が隣り合う前記第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線上のグリッドの導電線が分断されることにより、互いに交差して設置された前記第1のタッチ電極と前記第2のタッチ電極とが絶縁され、位置が隣り合う第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線は、境界線上に位置するグリッドの分断点を結んで形成される、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項3】
位置が隣り合う前記第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線は、折れ線として形成される、請求項2に記載のタッチモジュール。
【請求項4】
前記境界線の延在方向と前記第1のタッチ電極の延在方向、前記境界線の延在方向と前記第2のタッチ電極の延在方向は、いずれも交わる、請求項2に記載のタッチモジュール。
【請求項5】
前記複数のコンタクトホールの前記ベース基板上への正射影は、前記第2のサブ電極の前記ベース基板上への正射影と重なる、請求項に記載のタッチモジュール。
【請求項6】
前記導電性グリッド層は、
前記第1のサブ電極及び/又は前記第2のサブ電極の内部に設置されたダミーパターンをさらに含み、前記第1のサブ電極及び/又は前記第2のサブ電極は、その内部に設置された前記ダミーパターンと絶縁される、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項7】
各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部には、いずれも少なくとも1つのダミーパターンが設置され、かつ各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部に設置されたダミーパターンの形状、サイズ及び対応する位置は、いずれも略同じである、請求項に記載のタッチモジュール。
【請求項8】
前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極は、略菱形であり、前記ダミーパターンの形状は、前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極の形状と略同じである、請求項に記載のタッチモジュール。
【請求項9】
各前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極は、2行2列に配列された4つのダミーパターンを含み、前記ダミーパターンの各辺は、サブ電極の各対応する辺と略平行である、請求項に記載のタッチモジュール。
【請求項10】
前記ダミーパターンは、前記ダミーパターンが存在する領域の境界のグリッドの分断点を結んで形成される、請求項に記載のタッチモジュール。
【請求項11】
前記ダミーパターンは、互いに絶縁される、請求項10に記載のタッチモジュール。
【請求項12】
前記第1のタッチ電極のうちの隣り合う2つの第1のサブ電極は、前記隣り合う2つの第1のサブ電極と同層に設置された接続用のグリッドチャネルにより接続され、前記接続用のグリッドチャネルは、前記第2のタッチ電極と分断される、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項13】
前記第1のタッチ電極は、行方向に沿って配列して設置され、前記第2のタッチ電極は、列方向に沿って配列して設置される、請求項1に記載のタッチモジュール。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のタッチモジュールを含む、タッチ表示基板。
【請求項15】
前記タッチ表示基板のベース基板と前記タッチモジュールのベース基板は、共通に使用されるものである、請求項14に記載のタッチ表示基板。
【請求項16】
複数のサブピクセルをさらに含み、
前記複数のサブピクセルの前記ベース基板上への正射影が前記導電性グリッド層上のグリッドの前記ベース基板上への正射影の領域内に位置する請求項14に記載のタッチ表示基板。
【請求項17】
各前記グリッドは、1つの前記サブピクセルに対応し、前記グリッドの形状は、前記サブピクセルの形状と同じである、請求項16に記載のタッチ表示基板。
【請求項18】
各前記グリッドのサイズは、対応する前記サブピクセルの発光領域のサイズよりも大きい、請求項17に記載のタッチ表示基板。
【請求項19】
前記サブピクセルの発光領域の前記ベース基板上への正射影は、前記導電線の前記ベース基板上への正射影と重ならない、請求項18に記載のタッチ表示基板。
【請求項20】
前記タッチ表示基板は、フレキシブル有機発光ダイオードタッチ表示基板である、請求項14に記載のタッチ表示基板。
【請求項21】
請求項1420のいずれか一項に記載のタッチ表示基板を含む、タッチ表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年7月25日に提出された中国特許出願第201810825645.7号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、タッチの技術分野に関し、特にタッチモジュール、タッチ表示基板及びタッチ表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
表示装置には、導電性グリッドを用いてタッチ電極を製造してよいが、導電性グリッドがタッチ領域に均一に分布しないと、タッチモジュール全体の光透過率の不均一を招き、該タッチモジュールを有する表示装置の表示効果を低下させる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施例に係るタッチモジュールは、
ベース基板と、前記ベース基板に設置された導電性グリッド層及び架橋パターンと、を含み、
前記導電性グリッド層は、前記ベース基板のタッチ領域全体に張り巡らされ、前記導電性グリッド層は、複数の第1のタッチ電極及び複数の第2のタッチ電極を含み、前記第1のタッチ電極と前記第2のタッチ電極とは、交差して絶縁設置され、各前記第1のタッチ電極は、複数の接続された第1のサブ電極を含み、各前記第2のタッチ電極は、複数の独立した第2のサブ電極を含み、前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極は、いずれも互いに繋がった複数のグリッドを含み、前記グリッドは、複数の交差した導電線によって形成され、
前記架橋パターンと前記導電性グリッド層とは、異なる層に設置され、同一の前記第2のタッチ電極に属する隣り合う前記第2のサブ電極は、前記架橋パターンにより接続される。
【0005】
いくつかの実施例では、互いに交差して設置される前記第1のタッチ電極及び前記第2のタッチ電極のうち、位置が隣り合う前記第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線上のグリッドの導電線が分断されることにより、互いに交差して設置される前記第1のタッチ電極と前記第2のタッチ電極とが絶縁される。位置が隣り合う第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線は、境界線上に位置するグリッドの分断点を結んで形成される。
【0006】
いくつかの実施例では、位置が隣り合う前記第1のサブ電極と前記第2のサブ電極との境界線は、折れ線として形成される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記境界線の延在方向と前記第1のタッチ電極の延在方向、前記境界線の延在方向と前記第2のタッチ電極の延在方向は、いずれも交わる。
【0008】
いくつかの実施例では、前記架橋パターンは、少なくとも1つのグリッドパターンを含み、各グリッドパターンは、互いに繋がった複数のグリッドを含む、前記架橋パターンにおけるグリッドパターンが存在する領域の前記ベース基板上への正射影は、前記導電性グリッド層上の一部のグリッドの前記ベース基板上への正射影と重なる。
【0009】
いくつかの実施例では、各前記架橋パターンは、複数のコンタクトホールを介して前記第2のサブ電極に接続され、かつ同一の前記架橋パターンに対応する複数のコンタクトホールは、グリッドを形成する導電線により接続される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記複数のコンタクトホールの前記ベース基板上への正射影は、前記第2のサブ電極の前記ベース基板上への正射影と重なる。
【0011】
いくつかの実施例では、前記導電性グリッド層は、
前記第1のサブ電極及び/又は前記第2のサブ電極の内部に設置されたダミーパターンをさらに含み、前記第1のサブ電極及び/又は前記第2のサブ電極は、その内部に設置された前記ダミーパターンと絶縁される。
【0012】
いくつかの実施例では、各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部には、いずれも少なくとも1つのダミーパターンが設置され、かつ各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部に設置されたダミーパターンの形状、サイズ及び対応する位置は、いずれも略同じである。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極は、略菱形であり、前記ダミーパターンの形状は、前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極の形状と略同じである。
【0014】
いくつかの実施例では、各前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極は、3行3列に配列された4つのダミーパターンを含み、前記ダミーパターンの各辺は、サブ電極の各対応する辺と略平行である。
【0015】
いくつかの実施例では、前記ダミーパターンは、前記ダミーパターンが存在する領域の境界のグリッドの分断点を結んで形成される。
【0016】
いくつかの実施例では、前記ダミーパターンは、互いに絶縁される。
【0017】
いくつかの実施例では、前記第1のタッチ電極のうちの隣り合う2つの第1のサブ電極は、前記隣り合う2つの第1のサブ電極と同層に設置された接続用グリッドチャネルにより接続され、前記接続用グリッドチャネルは、前記第2のタッチ電極と分断される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1のタッチ電極は、行方向に沿って配列して設置され、前記第2のタッチ電極は、列方向に沿って配列して設置される。
【0019】
本開示の実施例に係るタッチ表示基板は、上記タッチモジュールを含む。
【0020】
いくつかの実施例では、前記タッチ表示基板のベース基板と前記タッチモジュールのベース基板は、共通に使用されるものである。
【0021】
いくつかの実施例では、前記タッチ表示基板は、
前記ベース基板上への正射影が前記導電性グリッド層上のグリッドの前記ベース基板上への正射影の領域内に位置する複数のサブピクセルをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施例では、各前記グリッドは、1つの前記サブピクセルに対応し、前記グリッドの形状は、前記サブピクセルの形状と同じである。
【0023】
いくつかの実施例では、各前記グリッドのサイズは、対応する前記サブピクセルの発光領域のサイズよりも大きい。
【0024】
いくつかの実施例では、前記サブピクセルの発光領域の前記ベース基板上への正射影は、前記導電線の前記ベース基板上への正射影と重ならない。
【0025】
いくつかの実施例では、前記タッチ表示基板は、フレキシブル有機発光ダイオードタッチ表示基板である。
【0026】
本開示の実施例に係るタッチ表示装置は、上記タッチ表示基板を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、本開示の実施例の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【0028】
図1図1は、本開示のいくつかの実施例に係るタッチモジュールの概略構成図である。
図2図2は、本開示のいくつかの実施例に係る導電性グリッド層の概略構成図である。
図3図3は、本開示のいくつかの実施例に係る導電性グリッド層の概略構成図である。
図4図4は、本開示のいくつかの実施例に係る導電性グリッド層の概略構成図である。
図5図5は、本開示のいくつかの実施例に係る導電性グリッド層の概略構成図である。
図6図6は、本開示のいくつかの実施例に係る第1のサブ電極と第2のサブ電極との境界線の概略図である。
図7図7は、本開示のいくつかの実施例に係る2つの隣り合う第2のサブ電極の概略図である。
図8図8は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図9図9は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図10図10は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図11図11は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図12図12は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図13図13は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図14図14は、本開示のいくつかの実施例に係る架橋パターンの概略図である。
図15図15は、本開示のいくつかの実施例に係るダミー電極の概略図である。
図16図16は、本開示のいくつかの実施例に係るタッチモジュールの概略構成図である。
図17図17は、本開示のいくつかの実施例に係るタッチ表示基板の概略構成図である。
図18図18は、本開示のいくつかの実施例に係るタッチ表示基板上のサブピクセルと導電性グリッド層との位置関係の概略図である。
図19図19は、本開示のいくつかの実施例に係るタッチモジュールの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の実施例の目的、技術手段及び利点をより明確にするために、以下、本開示の実施例に係る図面を参照しながら、本開示の実施例に係る技術手段を明確、かつ完全的に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。説明される本開示の実施例に基づいて、当業者が得る他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0030】
図1を参照して、本開示のいくつかの実施例に係るタッチモジュールは、ベース基板と、前記ベース基板に設置された導電性グリッド層及び架橋パターン11と、を含む。
【0031】
前記導電性グリッド層は、前記ベース基板のタッチ領域全体に張り巡らされ(例えば、図19に示すように、導電性グリッド層は、ベース基板20のタッチ領域22全体に張り巡らされる)、前記導電性グリッド層は、複数の第1のタッチ電極101及び複数の第2のタッチ電極102を含み、前記第1のタッチ電極101と前記第2のタッチ電極102とは、交差して絶縁設置され、各前記第1のタッチ電極101は、複数の接続された第1のサブ電極1011を含み、各前記第2のタッチ電極102は、複数の独立した第2のサブ電極1021を含み、前記第1のサブ電極1011及び前記第2のサブ電極1021は、いずれも互いに繋がった複数のグリッドを含み、前記グリッドは、複数の導電線によって形成される。いくつかの実施形態では、複数のグリッドは、サイズが同じであり、かつアレイ状に配置されている。
【0032】
前記架橋パターン11(図1中の線が太いグリッドパターン)と前記導電性グリッド層とは、異なる層に設置され、同一の前記第2のタッチ電極102に属する隣り合う前記第2のサブ電極1021を接続する。
【0033】
本開示の実施例では、タッチ電極が導電性グリッド層で製造され、かつ導電性グリッド層が前記ベース基板のタッチ領域全体に張り巡らされるため、タッチモジュール全体の光透過率の一致性を保証し、該タッチモジュールを有する表示装置の表示効果を向上させることができる。
【0034】
本開示の実施例では、いくつかの実施例では、前記導電性グリッド層は、金属材料で製造される。ITO材料と比較して、金属材料がより良好な延性を有し、かつ破断しにくいため、金属グリッドを用いてタッチ電極を製造する場合、タッチモジュールの折り曲げ可能性を向上させることにより、タッチモジュールがフレキシブル表示装置に適用することができる。
【0035】
本開示の実施例では、前記導電性グリッド層は、フォトリソグラフィプロセスで形成できる。
【0036】
図1に示す実施例では、前記第1のサブ電極1011及び前記第2のサブ電極1021は、それぞれ略菱形である。もちろん、本開示の他のいくつかの実施例では、第1のサブ電極1011及び第2のサブ電極1021は、他の形状であってよい。例えば、前記第1のサブ電極1011及び前記第2のサブ電極1021は、それぞれ略長方形であり、或いは前記第1のサブ電極1011及び前記第2のサブ電極1021は、それぞれ略正方形である。
【0037】
図2を併せて参照して、本開示の実施例におけるグリッドは、六角形である。もちろん、本開示の他のいくつかの実施例では、グリッドは、例えば、図3に示すように、菱形であってもよく、或いは図4及び図5に示すように、他の形状であってもよい。いくつかの実施例では、グリッドの形状は、本開示の実施例に係るタッチモジュールが適用される表示装置上のサブピクセルの形状と同じであることにより、表示装置の開口率を可能な限り大きくすることができる。
【0038】
図6を参照して、本開示のいくつかの実施例では、互いに交差して設置された第1のタッチ電極及び第2のタッチ電極のうち、位置が隣り合う前記第1のサブ電極1011と前記第2のサブ電極1021との境界線103上のグリッドの導電線が分断されることにより、前記第1のタッチ電極101と前記第2のタッチ電極102とが絶縁される。位置が隣り合う第1のサブ電極1011と前記第2のサブ電極1021との境界線103は、境界線上に位置するグリッドの分断点を結んで形成される。
【0039】
このような構造では、隣り合う第1のタッチ電極101と第2のタッチ電極102との間に空白領域が存在せず、いずれもグリッドが張り巡らされることにより、タッチモジュール全体の光透過率の一致性を保証し、該タッチモジュールを有する表示装置の表示効果を向上させることができる。
【0040】
本開示の実施例では、いくつかの実施例では、図6を参照して、位置が隣り合う前記第1のサブ電極1011と前記第2のサブ電極1021との境界線は、折れ線として形成される。折れ線形状の境界線は、第1のタッチ電極101と第2のタッチ電極102との境界線の長さを長くすることにより、第1のタッチ電極101と第2のタッチ電極102との間の対向面積を大きくして、第1のタッチ電極と第2のタッチ電極との間の結合容量を増加させ、タッチ時の容量変化量を向上させ、タッチ性能を向上させることができる。
【0041】
図1に示す実施例では、第1のタッチ電極101の延在方向は、行方向(図1中の矢印A1で示す方向)であり、第2のタッチ電極102の延在方向は、列方向(図1中の矢印A2で示す方向)である。もちろん、本開示の他のいくつかの実施例では、第1のタッチ電極101の延在方向は、列方向で、第2のタッチ電極102の延在方向は、行方向であってもよい。
【0042】
図1に示す実施例では、第1のタッチ電極101の隣り合う2つの第1のサブ電極1011は、隣り合う2つの第1のサブ電極1011と同層に設置された接続用のグリッドチャネルにより接続され、第2のタッチ電極102の隣り合う2つの第2のサブ電極1021は、隣り合う2つの第2のサブ電極1021が存在する同一の層において接続されていない。図7を併せて参照して、図7は、図1中の破線ボックス内のグリッドの拡大概略図である。図7から分かるように、第1のタッチ電極101の隣り合う2つの第1のサブ電極1011は、隣り合う2つの第1のサブ電極1011と同層に設置された接続用のグリッドチャネル1012により接続され、また、第2のタッチ電極102の隣り合う2つの第2のサブ電極1021は、隣り合う2つの第2のサブ電極1021が存在する同一の層において接続されず、かつ第1のタッチ電極101の接続用のグリッドチャネル1012と分断される。第2のタッチ電極102の隣り合う2つの第2のサブ電極1021は、隣り合う2つの第2のサブ電極1021と異なる層に設置された架橋パターン11により接続される。
【0043】
図8図14を参照して、本開示の実施例では、前記架橋パターン11は、少なくとも1つのグリッドパターンを含み、各グリッドパターンは、互いに繋がった複数のグリッドを含む。前記架橋パターン11上のグリッドパターンが存在する領域の前記ベース基板上への正射影は、前記導電性グリッド層上の一部のグリッドの前記ベース基板上への正射影と重なることにより、タッチモジュールの光透過率に影響を与えない。ここで、説明すべきものとして、前記架橋パターン11上のグリッドパターンが存在する領域は、互いに交差して前記グリッドを形成する導電線及びグリッドの内部の空白領域を含む。
【0044】
本開示の実施例では、隣り合い、かつ互いに接続された一対の第2のサブ電極1021は、1つの架橋パターン11に対応し、いくつかの実施例では、図8図14を参照して、各前記架橋パターン11は、複数(少なくとも3つ)のコンタクトホール12を介して前記第2のサブ電極1021に接続される。いくつかの実施例では、図8図11及び図13を参照して、同一の前記架橋パターンに対応する複数のコンタクトホール12は、グリッドを形成する導電線により接続される。本開示の実施例では、1つの架橋パターンは、1つのグリッドパターンを含んでよく、図8図11及び図13を参照して、この場合、同一の前記架橋パターンに属する複数のコンタクトホール12は、グリッドを形成する導電線により接続される。もちろん、1つの架橋パターンは、複数のグリッドパターンを含んでもよく、図12及び図14に示すように、同一のグリッドパターンに属する複数のコンタクトホール12は、グリッドを形成する導電線により接続される。本開示の実施例では、前記架橋パターン11は、複数のコンタクトホール12を介して前記第2のサブ電極1021に接続され、かつ同一の架橋パターン11又は同一の架橋パターン11の同一のグリッドパターンに属する複数のコンタクトホール12は、グリッドを形成する導電線により接続される。これによって、個別のコンタクトホール12又はグリッドパターンが製造過程で不良であっても、全体のタッチ性能に影響を与えない。
【0045】
本開示の実施例では、図1図15及び図16を参照して、前記導電性グリッド層は、前記第1のサブ電極1011及び/又は前記第2のサブ電極1021の内部に設置されたダミー(dummy)パターン13をさらに含み、前記パターン13は、それが存在する領域のサブ電極(第1のサブ電極1011又は第2のサブ電極1021)と絶縁され、即ち、ダミーパターン13は、それが存在する領域のサブ電極の境界領域(図15中の破線ブロック)のグリッドの導電線と分断される。本開示の実施例では、前記ダミーパターン13は、菱形、五角星形などの様々な形状であってよい。いくつかの実施例では、各サブ電極には、いずれもダミーパターン13が含まれ、かつ各サブ電極上のダミーパターン13の数は、1つであってもよいし、複数であってもよい。いくつかの実施例では、各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部には、いずれも少なくとも1つのダミーパターンが設置され、かつ各前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極の内部に設置されたダミーパターンの形状、サイズ及び対応する位置は、いずれも同じである。ここで説明される対応する位置とは、サブ電極(第1のサブ電極及び第2のサブ電極)領域におけるダミーパターンの相対位置を指す。いくつかの実施例では、前記第1のサブ電極及び前記第2のサブ電極は、略菱形であり、前記ダミーパターンの形状は、前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極の形状と同じである。いくつかの実施例では、各前記第1のサブ電極及び第2のサブ電極は、2行2列に配列された4つのダミーパターンを含み、前記ダミーパターンの各辺は、サブ電極の各対応する辺と平行である。
【0046】
本開示の実施例では、サブ電極内にダミーパターン13を分割することで、タッチ電極の面積を少なくし、タッチ電極の容量値を最適化すると共に、ダミーパターン13が、それが存在する領域のサブ電極におけるグリッドの分断点を結んで形成されるため、タッチモジュール全体の光透過率の一致性を保証し、該タッチモジュールを有する表示装置の表示効果を向上させることができる。
【0047】
本開示の実施例におけるタッチモジュールは、独立して製造でき、製造が完了した後に表示基板に貼り付けることができる。
【0048】
本開示の他のいくつかの実施例では、タッチモジュールは、表示基板上に集積されてよい。
【0049】
本開示に係るタッチ表示基板は、上記いずれかの実施例におけるタッチモジュールを含む。
【0050】
本開示の実施例では、タッチ電極が導電性グリッド層で製造され、かつ導電性グリッド層が前記ベース基板のタッチ領域全体に張り巡らされているため、タッチ表示基板全体の光透過率の一致性を保証し、該タッチ表示基板を有する表示装置の表示効果を向上させることができる。
【0051】
本開示の実施例では、いくつかの実施例では、導電性グリッド層は、金属材料で製造され、タッチ電極は、金属グリッドで製造され、ITO材料と比較して、金属材料がより良好な延性を有し、かつ破断しにくいため、金属グリッドを用いてタッチ電極を製造する場合、タッチ表示基板の折り曲げ可能性を向上させることにより、タッチ表示基板がフレキシブル表示装置に適用することができる。
【0052】
いくつかの実施例では、前記タッチ表示基板のベース基板と前記タッチモジュールのベース基板は、共通に使用されるものである。
【0053】
本開示の実施例では、タッチモジュールを表示基板上に集積し、従来のアウトセル型のタッチスクリーンを除去して、該タッチ表示基板を有するタッチ表示装置の厚さを低減することができ、超薄型表示を実現することに役立つ。また、タッチモジュールと表示基板とが1枚のベース基板を共通に使用して、1枚のベース基板を減らし、厚さを薄くすると共に、出光効果を向上させることができる。
【0054】
本開示の実施例におけるタッチ表示基板は、液晶表示装置に適用される表示基板であってもよいし、有機発光ダイオード表示装置に適用される表示基板であってもよいし、他のタイプの表示装置に適用される表示基板であってもよい。タッチ表示基板が液晶表示装置に適用される表示基板である場合、前記表示基板は、カラーフィルム基板であってよく、タッチモジュールにおける導電性グリッド層は、カラーフィルム基板のベース基板の出光側に設置されてよい。タッチ表示基板が有機発光ダイオード表示装置に適用される表示基板である場合、タッチモジュールにおける導電性グリッド層は、有機発光ダイオードに設置された封止層の上に位置してよい。
【0055】
図17を参照して、図17は、本開示の一実施例に係るタッチ表示基板の概略構成図であり、該タッチ表示基板は、ベース基板20と、ベース基板20に設置された発光ダイオード素子30と、発光ダイオード素子を封止する薄膜封止層40と、薄膜封止層40に設置された導電性グリッド層10と、を含む。導電性グリッド層10の構造について、上記実施例におけるタッチモジュールにおける導電性グリッド層を参照されたく、ここで繰り返して説明しない。
【0056】
本開示の実施例では、いくつかの実施例では、前記ベース基板20は、フレキシブル基板であることにより、フレキシブル表示装置に適用することができる。
【0057】
本開示の実施例におけるタッチ表示基板は、前記ベース基板上への正射影が前記導電性グリッド層上のグリッドの前記ベース基板上への正射影の領域内に位置する複数のサブピクセルをさらに含み、モアレ干渉縞の出現が回避されることにより、正常な表示に影響を与えない。
【0058】
いくつかの実施例では、各前記グリッドは、1つの前記サブピクセルに対応し、前記グリッドパターンの形状は、前記サブピクセルの形状と同じである。
【0059】
図18を参照して、図18に示す実施例では、タッチ表示基板は、3色のサブピクセルを含み、それぞれ赤色サブピクセル(R)、緑色サブピクセル(G)及び青色サブピクセル(B)であり、サブピクセルの形状は、グリッドの形状と同じであり、いずれも六角形であり、サブピクセルの前記ベース基板上への正射影は、グリッドのベース基板上への正射影の領域内に位置する。ここで、説明すべきものとして、サブピクセルは、発光領域と非発光領域(駆動構造が存在する領域)を含み、ここで、サブピクセルの前記ベース基板上への正射影がグリッドのベース基板上への正射影の領域内に位置することは、サブピクセルの発光領域のベース基板上への正射影がグリッドの内部の空白箇所のベース基板上への正射影の領域内に位置し、かつサブピクセルの発光領域の前記ベース基板上への正射影が導電線のベース基板上への正射影と重ならないことを指す。
【0060】
本開示の実施例に係るタッチ表示装置は、上記いずれかの実施例におけるタッチ表示基板を含む。
【0061】
別途に定義しない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、本開示が属する分野の当業者に理解される通常の意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する語は、如何なる順序、数又は重要度を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものにすぎない。「接続」又は「繋がる」などの類似する語は、物理的又は機械的な接続に限定されるものではなく、直接的又は間接的にもかかわらず電気的な接続を含んでよい。「上」、「下」、「左」、「右」などは、相対位置関係のみを示すものであり、説明される対象の絶対位置が変化すると、該相対位置関係も対応して変化する可能性がある。
【0062】
以上の説明は、本開示の好ましい実施形態であり、なお、当業者であれば、本開示の上記原理から逸脱しない前提でいくつかの改良と修飾を行ってよく、これらの改良と修飾も本開示の保護範囲にあるものと見なすべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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