(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ゴミ箱収容具
(51)【国際特許分類】
B65F 5/00 20060101AFI20240124BHJP
B65F 1/00 20060101ALI20240124BHJP
G01N 29/07 20060101ALN20240124BHJP
G01N 29/11 20060101ALN20240124BHJP
G01S 7/526 20060101ALN20240124BHJP
【FI】
B65F5/00
B65F1/00 Z
G01N29/07
G01N29/11
G01S7/526 M
(21)【出願番号】P 2023025081
(22)【出願日】2023-02-21
(62)【分割の表示】P 2019027880の分割
【原出願日】2019-02-19
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】510087564
【氏名又は名称】積水マテリアルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 兼三
(72)【発明者】
【氏名】木目 光應
(72)【発明者】
【氏名】谷 直樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 健
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-101865(JP,A)
【文献】実開平01-126580(JP,U)
【文献】特開平09-021869(JP,A)
【文献】特開2004-138481(JP,A)
【文献】特表平08-507607(JP,A)
【文献】特開2009-208850(JP,A)
【文献】特開2004-018169(JP,A)
【文献】特開平07-318642(JP,A)
【文献】特表平08-511623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65F 1/00- 9/00
G01B17/00-17/08
G01N29/07
G01N29/11
G01N29/32
G01S 7/526
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴミの投入口が形成されているケースと、
前記ケースの内部に配置されるゴミ箱と、
前記ケースの内部において、前記ゴミ箱の上方に配置される超音波センサと、
前記超音波センサに取り付けられる筒体と、
前記投入口よりも下側の位置において、前記ケースの内面から突出するように設けられているガイド板とを備え、
前記ゴミ箱が、前記ケースの内部における前記ガイド板よりも下側の空間に配置され、前記超音波センサが、前記ガイド板よりも上側の空間に配置され、
前記超音波センサは、超音波を下側に放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記筒体の内部は、前記超音波センサから発信される超音波の通路や、前記超音波センサに受信される反射波の通路を構成するものであり、
前記筒体の内側面は、下側になるほど内径が大きくなるテーパー面とされて
おり、前記筒体の内側面を延長した延長面よりも外側に、前記ガイド板が位置するゴミ箱収容具。
【請求項2】
前記ガイド板には、複数の貫通孔が形成されている、請求項
1に記載のゴミ箱収容具。
【請求項3】
前記ガイド板は、前記超音波の反射を防止する反射防止部材を有する、請求項
1に記載のゴミ箱収容具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波センサが出力する情報に基づきゴミの状態を検出するのに適した情報処理装置、プログラム、ゴミ箱収容具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ゴミ箱に投入されたゴミの状態を、超音波センサを用いて検出することが開示されている。当該特許文献1では、超音波センサで検出されたデータがサーバ装置にネットワークを介して送信される。サーバ装置は、受信したデータに基づき、ゴミ箱に蓄積されたゴミの量を表示する。この表示によって、ごみ収集者は、ゴミを回収すべきゴミ箱を特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年では、ゴミ箱をケースの内部に収容するゴミ箱収容具が、様々な場所で使用されている。この種のゴミ箱収容具として、
図16に示すように、ゴミの投入口6よりも下側の位置に、ガイド板8が設けられるゴミ箱収容具3がある(
図16は、ケース7の内部を示すために、ケース7の扉70が開かれた状態を示しており、ゴミの投入口6は扉70に形成されている)。このゴミ箱収容具3では、ケース7の内部における、ガイド板8よりも下側の空間7aに、ゴミ箱5が配置される。
図17に示すように、ガイド板8はケース7の内面から突出するものであって、投入口6から投入されたゴミGは、ガイド板8に沿って滑り落ちることで、ゴミ箱5の内部に導かれる。これにより、ケース7の内面とゴミ箱5の外面との間の空間Uに、ゴミGが落下することが防止される。
【0005】
ここで上記のゴミ箱収容具3で、特許文献1の如く、超音波センサ4を用いてゴミGの状態を検出する場合には、
図18に示すように、ケース7内の上側の空間7bに超音波センサ4を配置して、当該センサ4が、超音波Pを発信してから、ゴミGで反射された反射波Phを受信するまでの時間に基づき、センサ4とゴミGとの間の距離を検出することが考えられる。
【0006】
しかしながら、上記のようにする場合には、超音波センサ4から超音波Pが放射状に発信されることで、一部の超音波Pがガイド板8に向かうことになり、当該ガイド板8で反射された反射波Phがセンサ4に受信される虞がある(
図18の灰色の範囲Xは、超音波Pが放射状に発信される範囲を示している)。そしてこの場合には、ガイド板8がゴミGとして誤検知されることで(具体的には、「センサ4とガイド板8との間の距離」が、「センサ4とゴミGとの間の距離」として誤検知されることで)、ガイド板8の高さZまでゴミGが蓄積されたことを示す情報が表示される。その結果、
図18に示すようにゴミ箱5内のゴミGの量が少ないにもかかわらず、上記の表示によって、ゴミ収集者がゴミGの回収に向かう無駄が生じ得る。
【0007】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであって、その目的は、ゴミ箱の上方に配置される超音波センサが出力する情報に基づいて、ゴミ箱に蓄積されたゴミの状態を検出する処理を行う情報処理装置であって、ゴミ以外の物(特にゴミ箱自体の構造物)をゴミとして誤検知することなく、ゴミの状態を検出可能な情報処理装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらなる目的は、ゴミ箱の上方に配置される超音波センサが出力する情報に基づいて、ゴミ箱に蓄積されたゴミの状態を検出する処理を、情報処理装置に実行させるプログラムであって、ゴミ以外の物(特にゴミ箱自体の構造物)をゴミとして誤検知することなく、ゴミの状態を検出可能なプログラムを提供することである。
【0009】
本発明のさらなる目的は、ケースの内部にゴミ箱が配置されるゴミ箱収容具であって、ケースの内面から突出するガイド板がゴミとして誤検知されることを防止可能なゴミ箱収容具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、次の項に記載の主題を包含する。
【0011】
項1.ゴミ箱の上方に配置される超音波センサが出力する情報に基づいて、ゴミ箱に蓄積されたゴミの状態を検出する処理を行う情報処理装置であって、
前記超音波センサは、超音波を下側へ放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から前記反射波の受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記情報処理装置は、
前記ゴミ箱が空の状態である第1時間帯で前記超音波センサを駆動させた際に前記超音波センサから出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる前記時間の値をX軸の値とし、前記情報に含まれる前記強度の値をY軸の値とする第1座標を取得する第1座標取得部と、
前記第1座標取得部で取得された複数の前記第1座標に含まれる前記X軸の値ごとに、当該X軸の値を含む前記第1座標のうち、前記Y軸の値が最も高い前記第1座標を特定する第1座標特定部と、
前記X軸及び前記Y軸からなる座標系において、前記第1座標特定部で特定された前記第1座標同士を繋げた第1波形を取得する第1波形取得部と、
前記第1波形を前記Y軸の増加方向にスライドさせた第2波形を取得する第2波形取得部と、
前記第1時間帯よりも後の第2時間帯で前記超音波センサを駆動させた際に前記超音波センサから出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる前記時間の値をX軸の値とし、前記情報に含まれる前記強度の値をY軸の値とする第2座標を取得する第2座標取得部と、
前記第2座標取得部で取得された複数の前記第2座標に含まれる前記X軸の値ごとに、当該X軸の値を含む前記第2座標のうち、前記Y軸の値が最も高い前記第2座標を特定する第2座標特定部と、
前記X軸及び前記Y軸からなる座標系において、前記第2座標特定部で特定された前記第2座標同士を繋げた第3波形を取得する第3波形取得部と、
前記第2波形と前記第3波形とが交差する座標のうち、前記X軸の値が最も小さい最小座標を特定して、当該最小座標に含まれる前記X軸の値を出力する出力部とを有する情報処理装置。
【0012】
項2.ゴミ箱の上方に配置される超音波センサが出力する情報に基づいて、ゴミ箱に蓄積されたゴミの状態を検出する処理を、情報処理装置に実行させるプログラムであって、 前記超音波センサは、超音波を下側へ放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から前記反射波の受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記プログラムは、
前記ゴミ箱が空の状態で前記超音波センサを所定時間駆動させた際に前記超音波センサから出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる前記時間の値をX軸の値とし、前記情報に含まれる前記強度の値をY軸の値とする第1座標を取得する第1ステップと、
前記第1ステップで取得された複数の前記第1座標に含まれる前記X軸の値ごとに、当該X軸の値を含む前記第1座標のうち、前記Y軸の値が最も高い前記第1座標を特定する第2ステップと、
前記X軸及び前記Y軸からなる座標系において、前記第2ステップで特定された前記第1座標同士を繋げた第1波形を取得する第3ステップと、
前記第1波形を前記Y軸の増加方向にスライドさせた第2波形を取得する第4ステップと、
前記ゴミ箱にゴミが収容された状態で前記超音波センサを所定時間駆動させた際に前記超音波センサから出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる前記時間の値をX軸の値とし、前記情報に含まれる前記強度の値をY軸の値とする第2座標を取得する第5ステップと、
前記第5ステップで取得された複数の前記第2座標に含まれる前記X軸の値ごとに、当該X軸の値を含む前記第2座標のうち、前記Y軸の値が最も高い前記第2座標を特定する第6ステップと、
前記X軸及び前記Y軸からなる座標系において、前記第6ステップで特定された前記第2座標同士を繋げた第3波形を取得する第7ステップと、
前記第2波形と前記第3波形とが交差する座標のうち、前記X軸の値が最も小さい最小座標を特定して、当該最小座標に含まれる前記X軸の値を出力する第8ステップとを、前記情報処理装置に実行させるプログラム。
【0013】
項3.ゴミの投入口が形成されているケースと、
前記投入口よりも下側の位置において、前記ケースの内面から突出するように設けられているガイド板と、
前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも下側の空間に配置されるゴミ箱と、 前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも上側の空間に配置される超音波センサとを備え、
前記超音波センサは、超音波を下側へ放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から前記反射波の受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記ガイド板には、複数の貫通孔が形成されている、ゴミ箱収容具。
【0014】
項4.ゴミの投入口が形成されているケースと、
前記投入口よりも下側の位置において、前記ケースの内面から突出するように設けられているガイド板と、
前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも下側の空間に配置されるゴミ箱と、 前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも上側の空間に配置される超音波センサとを備え、
前記超音波センサは、超音波を下側へ放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から前記反射波の受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記ガイド板は、前記超音波の反射を防止する反射防止部材を有する、ゴミ箱収容具。
【0015】
項5.ゴミの投入口が形成されているケースと、
前記投入口よりも下側の位置において、前記ケースの内面から突出するように設けられているガイド板と、
前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも下側の空間に配置されるゴミ箱と、 前記ケースの内部における、前記ガイド板よりも上側の空間に配置される超音波センサと、
前記超音波センサに取り付けられる筒体とを備え、
前記超音波センサは、超音波を下側に放射状に発信するものであって、前記超音波の反射波を受信するたびに、前記超音波の発信時刻から前記反射波の受信時刻までの時間と、前記反射波の強度とを含む情報を出力可能であり、
前記筒体の内部は、前記超音波センサから発信される超音波の通路や、前記超音波センサに受信される反射波の通路を構成するものであり、
前記筒体の内側面は、下側になるほど内径が大きくなるテーパー面とされ、
前記筒体の内側面を延長した延長面よりも外側に、前記ガイド板が位置する、
ゴミ箱収容具。
【発明の効果】
【0016】
本発明の情報処理装置及びプログラムによれば、超音波センサに受信された反射波のうち、1回の反射でセンサに到達した反射波の第2座標(超音波の伝播時間,反射波の強度)が特定されるとともに、当該特定された第2座標のうち、ゴミ以外の物で反射した反射波の第2座標が除外されることで、ゴミで1回反射した反射波の第2座標が特定される。そして当該特定された第2座標に含まれる時間(超音波の伝播時間)のうち、最も早い時間が特定される。これにより、ゴミ以外の物がゴミとして誤検知されることなく、ゴミの状態を検出可能である(具体的には、上記特定された時間に基づき、ゴミの上側位置を検出可能である)。
【0017】
本発明のゴミ箱収容具によれば、超音波センサに受信される反射波に、ガイド板で反射した反射波を含めないようにすることができるので、ガイド板がゴミとして誤検知されることを防止できる
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理装置を含む通信システムを示す概略図である。
【
図3】超音波センサがゴミ箱収容具の上壁に固定された状態を示す図である。
【
図4】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図5】第1座標取得部、第1座標特定部、第1波形取得部、及び第2波形取得部によって実行される処理を示すフローチャートである。
【
図6】ゴミ箱が空の状態にある第1時間帯で、超音波センサが超音波を発信した状態を示す概略図である。
【
図7】第1座標、第1波形、及び第2波形を示すグラフである。
【
図8】第2座標取得部、第2座標特定部、第3波形取得部、及び出力部によって実行される処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1時間帯よりも後の第2時間帯で、超音波センサが超音波を発信した状態を示す概略図である。
【
図10】第2座標、第2波形、及び第3波形を示すグラフである。
【
図11】本発明に係る情報処理装置を含む通信システムの変形例を示す概略図である。
【
図14】(A)は超音波センサに筒体を取り付けた状態を示す斜視図であり、(B)は筒体のX1線における断面図である。
【
図15】筒体を取り付けた超音波センサが超音波を発信した状態を示す概略図である。
【
図16】従来のゴミ箱収容具に超音波センサを取り付けた状態を示す概略図である。
【
図17】従来のゴミ箱収容具に設けられるガイド板を示す斜視図である。
【
図18】従来のゴミ箱収容具に取り付けられた超音波センサが、超音波を発信した状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理装置1を含む通信システム30を示す概略図である。
【0020】
本実施形態に係る情報処理装置1は、ゴミ箱収容具3に設けられる超音波センサ4が出力する情報に基づき、ゴミ箱5に蓄積されたゴミの状態を検出する処理を行うものである。
【0021】
ゴミ箱収容具3は、ゴミの投入口6が形成されているケース7と、投入口6よりも下側の位置において、ケース7の内面から突出するように設けられているガイド板8と、ケース7の内部における、ガイド板8よりも下側の空間7aに配置されるゴミ箱5と、ケース7の内部における、ガイド板8よりも上側の空間7bに配置される超音波センサ4とを備える(
図1は、ケース7の内部を示すために、ケース7の扉70が開かれた状態を示しており、ゴミの投入口6は扉70に形成されている)。
【0022】
図1に示すゴミ箱収容具3では、扉70を閉めることで、ケース7は、閉じた内部空間を有するものとなる。この状態で、ゴミGが投入口6から投入されると、
図16~
図18に示す従来のものと同様、ゴミGがガイド板8に沿って滑り落ちることで、ゴミGがゴミ箱5に導かれる(
図17参照)。
【0023】
超音波センサ4は、送波器と、受波器と、送波器及び受波器を制御する制御装置とが、筺体9(
図2)に保持されたものである。
【0024】
図2に示すように、筺体9には開口部10が形成されており、送波器から放射状に発信された超音波Pが開口部10から放射状に出射し、且つ、開口部10に入った反射波Phが受波器に受信されるように、開口部10に送波器や受波器が配置される。
【0025】
そして
図3に示すように、開口部10が下側を向くように、筺体9がケース7の上壁7cの内面に固定される(この固定は、螺子や接着剤など公知の手段を用いて行われる)。これにより、超音波センサ4はケース7内の上側の空間7b(
図1)に配置されており、開口部10から下側へ超音波Pが放射状に発信される(後述の
図6参照)。そして開口部10に戻ってきた超音波Pの反射波Phが受波器に受信される。
【0026】
超音波センサ4の制御装置は、筺体9の内部に配置される。当該制御装置は、超音波Pの反射波Phが受波器に受信されるたびに、超音波Pの発信時刻から反射波Phの受信時刻までの時間Tと、反射波Phの強度Kとを含む情報を出力する。
【0027】
情報処理装置1(
図1)は、有線又は無線によって超音波センサ4と接続される。この接続により、超音波センサ4の制御装置が出力した情報は、情報処理装置1に入力される。なお
図1では、ケース7の上壁7cの内面に情報処理装置1を固定する例を示しているが、有線又は無線によって情報処理装置1を超音波センサ4に接続できれば、情報処理装置1の固定位置は特に限定されない(
図3では、情報処理装置1の図示を省略している)。例えば、情報処理装置1は、筺体9の内部に配置されてもよい。
【0028】
図4に示すように、情報処理装置1は、第1座標取得部20と、第1座標特定部21と、第1波形取得部22と、第2波形取得部23と、第2座標取得部24と、第2座標特定部25と、第3波形取得部26と、出力部27とを備える。上記の各部は、情報処理装置1のCPU(Central Processing Unit)が、装置1の外部記憶部に記憶されているプログラムに従った処理を実行することで実現される。以下、
図4に示す各部が実行する処理について説明する。
【0029】
図5は、第1座標取得部20、第1座標特定部21、第1波形取得部22、及び第2波形取得部23によって実行される処理を示すフローチャートである。
図5のフローチャートは、ゴミ箱5が空の状態にある第1時間帯で超音波センサ4を駆動させることで実行される。
【0030】
上記ゴミ箱5が空の状態にある第1時間帯で、超音波センサ4を駆動させた際には、
図6に示すように、超音波センサ4から下側に向けて超音波Pが放射状に発信されることで、反射波P
1h,P
5hのように「ガイド板8の表面で反射した超音波Pの反射波Ph」や、反射波P
2h,P
3h,P
4hのように「ゴミ箱5の表面で反射した超音波Pの反射波Ph」や、反射波P
6hのように「ケース7の内面で反射した超音波Pの反射波Ph」が、超音波センサ4に受信され得る。また超音波センサ4に受信される反射波Phには、反射波P
3h,P
4h,P
5h,P
6hのように「1回の反射で超音波センサ4に到達した反射波Ph」や、反射波P
1h,P
2hのように「複数回の反射で超音波センサ4に到達した反射波Ph」が含まれる(
図6の灰色の範囲Xは、超音波Pが放射状に発信される範囲を示している)。
【0031】
以下、
図6に示すように、反射波P
1h,P
2h,P
3h,P
4h,P
5h,P
6hが超音波センサ4に受信される場合に、第1座標取得部20、第1座標特定部21、第1波形取得部22、及び第2波形取得部23が実行する処理を説明する。
【0032】
なお以下の説明では、超音波Pの伝播時間T(すなわち超音波Pがセンサ4から発信されてから超音波Pの反射波Phがセンサ4に戻ってくるまでの時間T)が、超音波P6→超音波P1,P5→超音波P3→超音波P2,P4の順に短いことで、反射波Phが超音波センサ4に受信される時刻が、反射波P6h→反射波P1h,P5h→反射波P3h→反射波P2h,P4hの順に早いものとする。また超音波P1,P5の伝播時間Tが同一であることで、反射波P1h,P5hの受信時刻は同一であるとする。また超音波P2,P4の伝播時間が同一であることで、反射波P2h,P4hの受信時刻は同一であるとする。
【0033】
第1座標取得部20は、上記ゴミ箱5が空の状態にある第1時間帯で、超音波センサ4を駆動させた際に、超音波センサ4の制御装置から出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる超音波Pの伝播時間Tの値をX軸の値とし、前記情報に含まれる反射波Phの強度Kの値をY軸の値とする第1座標を取得する(
図5のステップS101)。
【0034】
図6に示す例では、反射波P
1h,P
3h,P
3h,P
4h,P
5h,P
6hが超音波センサ4に受信された際に、超音波センサ4の制御装置が出力する情報に基づき、第1座標取得部20は、
図7に示される、超音波P
1の第1座標(時間Tb,強度Kc)、超音波P
2の第1座標(時間Td,強度Kf)、超音波P
3の第1座標(時間Tc,強度Kd)、超音波P
4の第1座標(時間Td,強度Ke)、超音波P
5の第1座標(時間Tb,強度Kb)、及び超音波P
6の第1座標(時間Ta,強度Ka)を取得する。
【0035】
なお反射波P1h,P5hの受信時刻が同一であることで、超音波P1,P5から得られる第1座標の時間T(X座標の値)は同一の値Tbとなる。また反射波P2h,P4hの受信時刻が同一であることで、超音波P2,P4から得られる第1座標の時間T(X座標の値)は同一の値Tdとなる。
【0036】
ついで、第1座標特定部21は、第1座標取得部20で取得された複数の第1座標に含まれるX軸の値(時間T)ごとに、当該X軸の値(時間T)を含む第1座標のうち、Y軸の値(強度K)が最も高い第1座標を特定する(
図5のステップS102)。
【0037】
ステップS102は、反射回数が複数回である超音波Pの第1座標を除外して、反射回数が1回である超音波Pの第1座標を特定することを目的とする(伝播時間Tが同一である複数の超音波Pでは、反射回数が多い超音波Pほど、強度Kの減衰が大きいことに基づき、ステップS102は、「時間Tが同一である複数の第1座標」のうち、「Y軸の値(強度K)が最も高い第1座標」を、「反射回数が1回である超音波Pの第1座標」として特定するものである)。
図6では、ステップS102で、第1座標が特定される「反射回数が1回の超音波P」に○を付し、第1座標が除外される「反射回数が複数回の超音波P」に×を付している。
図7では、ステップS102で特定される「反射回数が1回の超音波P」の第1座標に○を付している。
【0038】
時間T(X軸の値)が同一の値Tbである超音波P1,P5の第1座標については、反射回数が1回である超音波P5の強度Kbが、反射回数が複数回である超音波P1の強度Kbよりも高いため、超音波P5の第1座標(Tb,Kb)が特定される。また時間T(X軸の値)が同一の値Tdである超音波P2,P4の第1座標については、反射回数が1回である超音波P4の強度Keが、反射回数が複数回である超音波P2の強度Kfよりも高いため、超音波P4の第1座標(Td,Ke)が特定される。
【0039】
ついで、第1波形取得部22は、X軸及びY軸からなる座標系において、ステップS102で特定された第1座標同士(反射回数が1回である超音波Pの第1座標同士)を繋げた第1波形S1(
図7)を取得する(
図5のステップS103)。
【0040】
上記の第1波形S1(
図7)は、ゴミ箱5が空の状態で、ガイド板8やゴミ箱5やケース7で1回反射して超音波センサ4に到達した超音波Pの伝播時間と強度との関係を示すものである。第1波形S1の範囲S1a(
図7)は、ガイド板8で1回反射して超音波センサ4に到達した超音波Pの伝播時間と強度との関係を示す範囲である。
【0041】
なお超音波Pの強度Kは、伝播時間Tが増加するにつれて弱まるところ、
図7の例では、時間T(X軸の値)が大きい範囲で第1波形S1の強度K(Y軸の値)が、弱まらずに、高くなっている。これは、本願の発明者が、上記時間T(X軸の値)が大きい範囲の強度Kを増幅させて検知することによる。
【0042】
ついで、第2波形取得部23は、第1波形S1をY軸の増加方向にスライドさせた第2波形S2(
図7)を取得する(
図5のステップS104)。第2波形S2は、後述する
図8の処理で、ゴミG以外の物(ガイド板8やゴミ箱5やケース7)の表面で1回反射した超音波Pの座標を除外するために取得される。
【0043】
図8は、第2座標取得部24、第2座標特定部25、第3波形取得部26、及び出力部27によって実行される処理を示すフローチャートである。
図8のフローチャートは、前記第1時間帯よりも後の第2時間帯で超音波センサ4を駆動させることで実行される。第2時間帯の長さは、第1時間帯の長さ以上とすることが好ましい。
【0044】
上記の第2時間帯において、
図9に示すようにゴミGがゴミ箱5に蓄積されている場合には、超音波センサ4から下側に向けて超音波Pが放射状に発信されることで、反射波P
8h,P
9h,P
10h,P
11hのように「ゴミGやゴミ箱5の表面で反射した超音波Pの反射波Ph」や、反射波P
7h,P
12hのように「ガイド板8の表面で反射した超音波Pの反射波Ph」や、反射波P
13hのように「ケース7の内面で反射した超音波Pの反射波Ph」が、超音波センサ4に受信され得る。また超音波センサ4に受信される反射波Phには、反射波P
8h,P
9h,P
10h,P
12h,P
13hのように「1回の反射で超音波センサ4に到達した反射波Ph」や、反射波P
7h,P
11hのように「複数回の反射で超音波センサ4に到達した反射波Ph」が含まれる(
図9の灰色の範囲Xは、超音波Pが放射状に発信される範囲を示している)。
【0045】
以下、
図9に示すように、第2時間帯で、ゴミ箱5にゴミGが蓄積されて、反射波P
7h,P
8h,P
9h,P
10h,P
11h,P
12h,P
13hが超音波センサ4に受信される場合に、第2座標取得部24、第2座標特定部25、第3波形取得部26、及び出力部27が実行する処理を説明する。
【0046】
なお以下の説明では、超音波Pの伝播時間Tが、「超音波P13→超音波P7,P12→超音波P10→超音波P8→超音波P9,P11」の順に短いことで、反射波Phが超音波センサ4に受信される時刻は、「反射波P13h→反射波P7h,P12h→反射波P10h→反射波P8h→反射波P9h,P11h」の順に早いものとする。また超音波P7,P12の伝播時間Tが同一であることで、反射波P7h,P12hの受信時刻は、同一であるとする。また超音波P8,P11の伝播時間Tが同一であることで、反射波P8h,P11hの受信時刻は、同一であるとする。
【0047】
第2座標取得部24は、第2時間帯で超音波センサ4を駆動させた際に、超音波センサ4の制御装置から出力される各情報ごとに、当該情報に含まれる超音波Pの伝播時間Tの値をX軸の値とし、前記情報に含まれる反射波Phの強度Kの値をY軸の値とする第1座標を取得する(
図8のステップS201)。
【0048】
図9に示す例では、反射波P
7h,P
8h,P
9h,P
10h,P
11h,P
12h,P
13hが超音波センサ4に受信された際に、センサ4の制御装置が出力する情報に基づき、第2座標取得部24は、
図10に示される、超音波P
7の第2座標(時間Tf,強度Ki)、超音波P
8の第2座標(時間Tg,強度Kj)、超音波P
9の第2座標(時間Ti,強度Kl)、超音波P
10の第2座標(時間Th,強度Kk)、超音波P
11の第2座標(時間Ti,強度Km)、超音波P
12の第2座標(時間Tf,強度Kh)、及び超音波P
13の第2座標(時間Te,強度Kg)を取得する。なお反射波P
7h,P
12hの受信時刻が同一であることで、超音波P
7,P
12から得られる第2座標の時間T(X座標の値)は同一の値Tfとなる。また反射波P
9h,P
11hの受信時刻が同一であることで、超音波P
9,P
11から得られる第2座標の時間T(X座標の値)は同一の値Tiとなる。
【0049】
ついで、第2座標特定部25は、ステップS201で取得された複数の第2座標に含まれるX軸の値(時間T)ごとに、当該X軸の値を含む第2座標のうち、Y軸の値(強度K)が最も高い第2座標を特定する(
図8のステップS202)。
【0050】
ステップS202は、
図5のステップS102と同様、時間Tが同一の複数の超音波Pでは、反射回数が多い超音波Pほど強度Kの減衰が大きいことで、強度Kに基づき、「反射回数が複数回である超音波Pの第2座標」を除外し、「強度K(Y軸の値)が最も高い第2座標」を、「反射回数が1回である超音波Pの第2座標」として特定するものである。
図9では、ステップS202で、第2座標が特定される「反射回数が1回の超音波P」に○或いは△を付し、第2座標が除外される「反射回数が複数回の超音波P」に×を付している。
図10では、ステップS202で特定される「反射回数が1回の超音波P」の第2座標に○或いは△を付している。
【0051】
時間T(X軸の値)が同一の値Tfである超音波P7,P12の第2座標については、反射回数が1回である超音波P12の強度Khが、反射回数が複数回である超音波P7の強度Kiよりも高いことで、超音波P12の第2座標(Tf,Kh)が特定される。また時間T(X軸の値)が同一の値Tiである超音波P9,P11の第2座標については、反射回数が1回である超音波P9の強度Klが、反射回数が複数回である超音波P11の強度Kmよりも高いことで、超音波P9の第2座標(Ti,Kl)が特定される。
【0052】
ついで、第3波形取得部26は、X軸及びY軸からなる座標系において、ステップS202で特定された第2座標同士(反射回数が1回である超音波Pの第2座標同士)を繋げた第3波形S3(
図10)を取得する(
図9のステップS203)。
【0053】
第2時間帯で、
図9に示すようにゴミ箱5にゴミGが蓄積されている場合には、第3波形S3(
図10)は、ゴミGやガイド板8やゴミ箱5やケース7で1回反射した超音波P(
図9で○或いは△を付している超音波P)の伝播時間Tと強度Kとの関係を示すものとなる。なお
図10に示す第3波形S3の範囲S3aは、ガイド板8で1回反射して超音波センサ4に到達した超音波P(
図9では超音波P
12)の伝播時間Tと強度Kとの関係を示している。
【0054】
なお
図10の例では、時間T(X軸の値)が大きい範囲で第3波形S3の強度K(Y軸の値)が、弱まらずに、高くなっている。これは、本願の発明者が、上記時間T(X軸の値)が大きい範囲の強度Kを増幅させて検知することによる。
【0055】
ついで、出力部27は、強度K(Y軸の値)が第2波形S2以上となる第3波形S3の範囲H(
図10)におけるX軸の最小値(時間Tの最小値)を特定して、当該X軸の最小値(時間Tの最小値)を出力する(
図8のステップS204)。
【0056】
上記のステップS204で、強度K(Y軸の値)が第2波形S2以上となる第3波形S3の範囲Hに限定することは(つまりH以外の範囲を除くことは)、ゴミG以外の物(ガイド板8やゴミ箱5やケース7)で1回反射した超音波Pの第2座標を除外することに相当する(
図9,
図10の例では、△が付された超音波P
8,P
12,P
13の第2座標を除外することに相当する)。
【0057】
そして上記のステップS204で、第3波形S3の範囲HにおけるX軸の最小値(時間Tの最小値)を特定することは、ゴミGで1回反射した超音波Pのうち、最も早く超音波センサ4に到達した超音波Pの時間Tを特定することに相当する(
図9,
図10の例では、○が付された超音波P
9,P
10のうち、最も早くセンサに到達した超音波P
10の時間Thを特定することに相当する)。当該最も早く到達した超音波P
10の時間Thは、ゴミGの上側位置Ga(
図9)と超音波センサ4との間の距離Lに対応する値である。
【0058】
図1に示す通信システム30は、上述した情報処理装置1と、基地局31と、サーバー32とを有する。この通信システム30では、LPWA(Low Power Wide Area)やWi-Fi(登録商標)や3Gや4G等の通信方式によって、ステップS204(
図8)で出力された「X軸の最小値(時間Tの最小値)」が、情報処理装置1から基地局31に送信される。そして無線又は有線のネットワークNを介して、「X軸の最小値(時間Tの最小値)」が、基地局31からサーバー32に送信される。また、なお消費電力を抑えて遠距離通信を実現する観点から、通信方式はLPWAであることが好ましい。
【0059】
上記の通信システム30では、基地局31から送信された「X軸の最小値(時間Tの最小値)」がサーバー32に受信されることに伴い、サーバー32は、「X軸の最小値」に基づき、ゴミGに関する情報を表示する。例えば、サーバー32は、「X軸の最小値」と閾値を比較する処理を行い、「X軸の最小値」が閾値を下回っている場合、ゴミGを回収する必要があることを示す情報を表示する(「X軸の最小値(時間Tの最小値)」が閾値を下回ることは、超音波センサ4とゴミGの上側位置Gaとの間の距離L(
図9)が、所定の距離を下回っていることに相当する)。この表示により、ゴミGの回収業者は、ゴミGの回収に向かう。
【0060】
以上説明した実施形態によれば、超音波センサ4に受信された反射波Phのうち、1回の反射でセンサ4に到達した反射波Phの第2座標(超音波Pの伝播時間T,反射波Phの強度K)が特定される。そして当該特定された第2座標のうち、ゴミG以外の物(ガイド板8やゴミ箱5やケース7)で反射した反射波Pの第2座標が除外されることで、ゴミGで1回反射した反射波Phの第2座標が特定される。そして当該特定された第2座標に含まれる時間T(超音波Pの伝播時間T)のうち、最も早い時間Tが特定される。これにより、ゴミG以外の物(ガイド板8やゴミ箱5やケース7)がゴミとして誤検知されることなく、ゴミGの状態を検出可能である(具体的には、上記特定された時間Tに基づき、ゴミGの上側位置Gaを検出可能である)。
【0061】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々改変することができる。
【0062】
例えば、上記実施形態では、ゴミ箱収容具3に情報処理装置1が設けられる例を示したが、
図11に示すように、サーバー32が情報処理装置1を兼ねるものとしてよい(つまりサーバー32が
図4に示す構成を有するものとされて、サーバー32が
図5,
図8の処理を実行するものとしてよい)。この場合、ゴミ箱5が空の状態にある第1時間帯で超音波センサ4を駆動させた際に、超音波センサ4から出力される情報が基地局31を介してサーバー32に送信されることで、サーバー32は、
図5の処理を行う。また第1時間帯よりも後の第2時間帯で超音波センサ4を駆動させた際に、超音波センサ4から出力される情報が基地局31を介してサーバー32に送信されることで、サーバー32は
図8の処理を行う。
【0063】
また
図12に示すように、ゴミ箱収容具3に設けられるガイド板8には、複数の貫通孔40が形成されてよい。このようにすれば、ガイド板8に向かう超音波Pの一部がガイド板8を通り抜け、反射波の強度が低下する。したがって、超音波センサ4に受信される反射波Pに、ガイド板8で反射した反射波を含めないようにすることができるので、ガイド板8がゴミGとして誤検知されることをより確実に防止できる(具体的には、ガイド板8で反射した反射波Phから第1座標や第2座標が得られないようにすることができる)。したがってより確実にゴミGの上側位置Ga(
図9)を特定可能である。
【0064】
また
図13に示すように、ガイド板8は、超音波Pの反射を防止する反射防止部材41を有するものであってもよい。反射防止部材41として、例えば、公知の吸音材、公知の吸音塗料等を使用できる。上記のように反射防止部材41をガイド板が有する場合、ガイド板8で超音波Pの反射が低減するため、超音波センサ4に受信される反射波Phに、ガイド板8で反射した反射波を含めないようにすることができる。なお貫通孔40を形成したガイド板8が反射防止部材41を有するものとすれば、ガイド板8で超音波Pが反射することをより確実に防止できる。
【0065】
また
図14に示すように、超音波センサ4の開口部10に筒体42を取り付けることで、
図15に示すように、筒体42の内部が、超音波センサ4から発信される超音波Pの通路や、超音波センサ4に受信される反射波Phの通路を構成するものとしてもよい。この場合、筒体42の内側面42aは、下側になるほど内径を大きくさせるテーパー面とされることが好ましい。そして
図15に示すように、筒体42の内側面42aを延長した延長面50よりも外側に、ガイド板8が位置するものとされる。以上のようにする場合には、超音波センサ4から発せられる超音波Pは、筒体42の内部を通過することで、延長面50の内側を進むものとなり、延長面50の外側にあるガイド板8に向かうものとならない。したがって上記超音波センサ4に筒体42を取り付ける場合も、超音波センサ4に受信される反射波Phに、ガイド板8で反射した反射波を含めないようにすることができる。
【0066】
また、情報処理装置1が適用される器具は、ガイド板8やケース7を備えるゴミ箱収容具3(
図1)に限定されず、ゴミ箱5がケース7内に配置されない器具や、ゴミ箱5の上側にガイド板8が配置されない器具にも、情報処理装置1を適用できる。この場合でも、ゴミ箱5の上方に配置される超音波センサ4が出力する情報に基づいて、情報処理装置1が
図5及び
図8に示す処理を行うことで、ゴミG以外の物をゴミとして誤検知せずに、ゴミGの上側位置Gaを特定できる。
【0067】
また
図5及び
図8に示す処理を行うシステムは、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、
図5及び
図8に示す処理を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体(FD、CD-ROM、DVD等)に格納して配布し、該プログラムをコンピュータにインストールすることにより、
図5及び
図8に示す処理を実行する情報処理装置を構成してもよい。また
図5及び
図8に示す処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置に格納しておき、例えば搬送波に重畳してコンピュータにダウンロード等するようにしてもよい。
【0068】
また
図5及び
図8に示す処理を、超音波センサ4の制御装置に行わせるようにしてもよい(つまり、超音波センサ4の制御装置が、本発明の情報処理装置1を兼ねるものとしてもよい)。
【0069】
また、ゴミ箱収容具3が、複数の貫通孔40が形成されたガイド板8(
図12)を備える場合や、ゴミ箱収容具3が、反射防止部材41(
図13)を有するガイド板8(
図13)を備える場合や、ゴミ箱収容具3が、筒体42を取り付けた超音波センサ4(
図15)を備える場合には、上記実施形態に示した装置1以外の「他の情報処理装置」を使用可能である。つまり上記の場合には、超音波センサ4に受信される反射波Phに、ガイド板8で反射した反射波Phを含めないようにすることができるので、上記他の情報処理装置が、超音波センサ4が出力する情報に基づき、ゴミGの状態を検出する処理を行うものであれば、ガイド板8がゴミGとして誤検知されることを防止可能である。
【0070】
本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。例えば、情報処理装置1が
図5及び
図8に示す処理を行うことと、ガイド板8に複数の貫通孔40(
図12)を形成することと、ガイド板8が反射防止部材41(
図13)を有するものとすることと、超音波センサ4に筒体42(
図14,
図15)を取り付けることとは、これらのうち、いずれか複数を組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0071】
1 情報処理装置
3 ゴミ箱収容具
4 超音波センサ
5 ゴミ箱
6 投入口
7 ケース
7a ガイド板よりも下側の空間
7b ガイド板よりも上側の空間
8 ガイド板
20 第1座標取得部
21 第1座標特定部
22 第1波形取得部
23 第2波形取得部
24 第2座標取得部
25 第2座標特定部
26 第3波形取得部
27 出力部
40 ガイド板の貫通孔
41 反射防止部材
42 筒体
42a 筒体の内側面
50 延長面