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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】乳性飲料
(51)【国際特許分類】
   A23L 2/38 20210101AFI20240124BHJP
   A23L 2/58 20060101ALI20240124BHJP
   A23L 2/385 20060101ALN20240124BHJP
   A23C 9/13 20060101ALN20240124BHJP
【FI】
A23L2/38 P
A23L2/00 M
A23L2/385
A23C9/13
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019089959
(22)【出願日】2019-05-10
(65)【公開番号】P2019198322
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2018093077
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】596126465
【氏名又は名称】アサヒ飲料株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087398
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 勝文
(74)【代理人】
【識別番号】100128783
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 真
(74)【代理人】
【識別番号】100128473
【弁理士】
【氏名又は名称】須澤 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100160886
【弁理士】
【氏名又は名称】久松 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】里 紗弥香
【審査官】厚田 一拓
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-004876(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111357(WO,A1)
【文献】特開平07-184564(JP,A)
【文献】特開平09-094060(JP,A)
【文献】特開2005-192557(JP,A)
【文献】特開2018-050554(JP,A)
【文献】特開2018-050619(JP,A)
【文献】特表2012-522505(JP,A)
【文献】特表2014-511708(JP,A)
【文献】特開平11-187851(JP,A)
【文献】特開2017-205074(JP,A)
【文献】国際公開第2014/069346(WO,A1)
【文献】特開2014-000019(JP,A)
【文献】Special Calpis Beverage Concentrate,Mintel GNPD,[online],ID#:1130817, 2009年6月, [Retrieved on 28-09-2023], Retrieved from the internet
【文献】Calpis Bevarage Concentrate,Mintel GNPD,[online],ID#:1144082, 2009年7月, [Retrieved on 28-09-2023], Retrieved from the internet
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 2/00 - 35/00
A23C 1/00 - 23/00
A01J 1/00 - 99/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料中の無脂乳固形分量が4.0質量%以上5.0質量%以下である乳性飲料であって、
0.01質量%以上1.0質量%以下の大豆多糖類を含むとともに、該飲料の糖度が45以上55以下である乳性飲料。
【請求項2】
乳性飲料の白色度を高める方法であって、
飲料中の無脂乳固形分量を1.0質量%以上、糖度を25以上とするとともに、0.01質量%以上の含有量で大豆多糖類及び/又はペクチンを含有させることを含む方法。
【請求項3】
乳性飲料を85℃で2~3秒間の条件で加熱する場合に以下の関係を満足するように原材料を構成することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
加熱後白色度-加熱前白色度>0
【請求項4】
乳性飲料の白色度向上剤であって、
大豆多糖類及び/またはペクチンを含有し、
前記乳性飲料中の無脂乳固形分量が1.0質量%以上、且つ糖度が25以上であり、
大豆多糖類及び/又はペクチンは前記乳性飲料中、0.01質量%以上の含有量で含有される、前記白色度向上剤。
【請求項5】
飲料中の無脂乳固形分量が5.0質量%以上である乳性飲料であって、
0.01質量%以上のペクチンを含むとともに、糖度が55以上である乳性飲料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は乳性飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
乳を含み、該乳由来の風味を楽しむことができる乳性飲料が親しまれている。乳性飲料においては、消費者等が乳を想起することができるようにすることなどを意図し、白色等の外観を呈するように飲料が構成されている。
【0003】
一方、乳性飲料においては、無脂乳固形分の含有量が多くなるにつれて、保存等を行ったときに乳タンパク質の変性などを原因として褐変が生じ、製造直後の白さが失われてしまい、外観が悪化する場合がある。
乳性飲料において色調等の劣化を抑制する方法としては、例えば特許文献1に記載の発明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第01/097624号 パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、乳性飲料において白色度を高めることができる新規な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述のとおり、乳性飲料においてその白さが失われると外観が悪化してしまう。本発明者は、乳性飲料について、製造時や製造直後の白色度を高めることを着想した。そして、鋭意研究の結果、同様の糖度や無脂乳固形分量の乳性飲料でも、大豆多糖類および/またはペクチンを配合することで、これらを配合しない場合と比較して、保存後の白色度を高く維持できることを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 飲料中の無脂乳固形分量が1.0質量%以上である乳性飲料であって、
0.01質量%以上の大豆多糖類及び/又はペクチンを含むとともに、該飲料の糖度が25以上である乳性飲料。
[2] 乳性飲料の白色度を高める方法であって、
飲料中の無脂乳固形分量を1.0質量%以上、糖度を25以上とするとともに、0.01質量%以上の含有量で大豆多糖類及び/又はペクチンを含有させることを含む方法。
[3] 乳性飲料を85℃で2~3秒間の条件で加熱する場合に以下の関係を満足するように原材料を構成することをさらに含む、[2]に記載の方法。
加熱後白色度-加熱前白色度>0
[4] 大豆多糖類および/またはペクチンを含有する、乳性飲料の白色度向上剤。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、乳性飲料において白色度を高めることができる新規な技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
【0010】
本明細書において、乳性飲料とは、乳を含む飲料をいう。
本実施形態において、原材料として用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は二種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を、乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳として用いることもできる。
乳の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。
【0011】
本明細書において無脂乳固形分(SNF)とは、乳から水分及び脂質を除いた残りの成分をいい、蛋白質、乳糖および無機質などにより構成されている。
飲料における無脂乳固形分量の調整は、例えば、原材料として使用される乳の形態や量を調整するなどして行うことができる。また、飲料中の無脂乳固形分量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ケルダール法などにより測定することができる。
【0012】
本明細書において糖度(Brix)とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した本発明の飲料における可溶性固形分量を意味する。糖度の調整は、例えば原材料として使用される乳の形態や量の調整、後述する糖度調整剤の配合などにより行うことができる。
【0013】
また、本実施形態の乳性飲料においては、乳に加えて、大豆多糖類を含有するようにすることができる。
大豆多糖類とは、大豆に由来する水溶性の多糖類をいう。
大豆多糖類は、特に限定されないが、例えば、乳蛋白質の安定化剤として知られたものが使用でき、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものなどが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「SM-1200」(三栄源エフ・エフ・アイ社製)などが挙げられる。
【0014】
また、本実施形態の乳性飲料においては、大豆多糖類に代えて、または大豆多糖類とともに、ペクチンを含有するようにしてもよい。
ペクチンは、植物の細胞壁や中葉に含まれる複合多糖類で、ガラクツロン酸が、α-1,4-結合したポリガラクツロン酸が主成分であり、ガラクツロン酸のカルボキシル基がメチルエステル化されたものをいう。ペクチンとして、例えばHMペクチン(ペクチンの構造中の全ガラクツロン酸のうち、メチル化ガラクツロン酸の占める割合が50%以上(モル比)のもの)を用いることができる。
【0015】
乳性飲料において乳に加えて大豆多糖類および/またはペクチンを含有するように構成することで、白色度を高めることができる。
【0016】
ここで、本実施形態に係る乳性飲料において、より白色度を高めることができるため、無脂乳固形分量を1.0質量%以上、糖度を25以上とするとともに、0.01質量%以上の含有量で大豆多糖類及び/またはペクチン(両方を含有する場合にはその合計の含有量)を含有させることが好ましい。
また、乳性飲料の白色度は無脂乳固形分量が多い方が高くなるため、無脂乳固形分量:2.0質量%以上が好ましく、より好ましくは2.5質量%以上であり、3.0質量%以上、3.5質量%以上、4.0質量%以上、4.5質量%以上、5.0質量%以上と、無脂乳固形分量が多くなるにつれてさらにより好ましくなる。
また、より白色度を高めることができるため、大豆多糖類及び/又はペクチンは0.05質量%以上(より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上、特に好ましくは0.3質量%以上)が好ましい。
また、後述のとおり加熱前の白色度に対する保存後(55℃で7日間)の白色度の低下幅を10%以内に抑えられるため、糖度は40以上(より好ましくは45以上、さらに好ましくは50以上、特に好ましくは55以上)が好ましい。
【0017】
なお、本明細書において、白色度とは、飲料の白さに関する指標であり、分光測色計によって求められる明度に係るL値と色相・彩度に係るa値およびb値に基づき、以下の式を用いて求めることができる。
W(白色度)=100-sqr〔(100-L)2+(a2+b2)〕
【0018】
また、さらに好ましい態様として、本実施形態に係る乳性飲料を85℃で2~3秒間加熱する場合に以下の関係を満足するように原材料を構成することが挙げられる。
加熱後白色度-加熱前白色度>0
加熱後白色度と加熱前白色度との差が0より大きいとの関係を満足することで、加熱前の白色度に対する保存後(55℃で7日間)の白色度の低下幅を10%以内に抑えられるため、乳性飲料の白色度をより維持しやすくなる。
さらに、色素を非含有である飲料において、無脂乳固形分量が3.0質量%以下であれば、加熱前の白色度よりも保存後の白色度の方が高いため、効果的に乳性飲料の白色度を向上させることができ、好ましい。
【0019】
加熱後白色度と加熱前白色度との差については原材料の構成によって調節することができ、具体的には糖度によりその値を調節することができ、0より大きいようにするためには、糖度をより高めればよい。より具体的には、糖度を30以上、より好ましくは35以上、さらに好ましくは40以上にするなどすればよい。
【0020】
なお、上記成分値の上限値については特に限定されず、それぞれについて当業者が適宜設定することができるが、乳性飲料の粘度が上がってしまい製造時に送液しにくい、乳蛋白質が不安定化するなどの観点から、無脂乳固形分量:6.0質量%以下、糖度:60以下、含有する場合に大豆多糖類:1.0質量%以下、含有する場合にペクチン:1.0質量%以下とすることが好ましい。
また、飲料中の大豆多糖類、ペクチンの含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができる。
【0021】
本実施形態においては、本発明の効果を得ることができる範囲で必要に応じて他の成分を適宜、乳性飲料中に含ませることができる。
本実施形態の飲料において含有される他の成分としては、例えば、水の他、pH調整のための酸味料、果汁や、糖度調整剤、乳タンパク質安定化剤、高甘味度甘味料、香料、色素などが挙げられる。
【0022】
酸味料としては、例えば、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマル酸等の有機酸又はその塩、リン酸等の無機酸またはその塩などが挙げられる。
果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナなどの果汁が挙げられる。
なお、本実施形態の乳性飲料において、pHは特に限定されず当業者が適宜設定できるが、例えばpHを7未満とすることができ、より好ましくは4未満とすることができる(このとき、酸性乳性飲料とも称される)。
pHの調整は、例えば、酸味料を使用する方法が挙げられるほか、発酵乳を使用する方法、果汁を使用する方法、またはこれらの方法を併用する方法により行うこともできるが、所望のpHとすることができれば特に限定されない。
【0023】
糖度調整剤としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、オリゴ糖等の糖類や、エリスリトール、マルチトール、キシリトール等の糖アルコールや、難消化性デキストリン、寒天等の食物繊維などが挙げられる。
【0024】
乳蛋白質安定化剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ジェランガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアガムなどが挙げられる。なお、上述の大豆多糖類、ペクチンも乳蛋白質安定化剤として作用し得る。
【0025】
高甘味度甘味料としては、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、グリチルリチン、グリチルリチン酸ジカリウム、ソーマチンなどが挙げられる。
【0026】
本実施形態に係る乳性飲料は、容器等に入れられた状態のものを摂取する飲料(ストレート飲料)としてもよいほか、容器等に収容されて保存されるとともに、任意の濃度に水等で希釈して飲用する飲料(濃縮飲料)としてもよい。
容器としては、例えば、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製、紙製、アルミ製、スチール製の密封容器が挙げられる。
【0027】
本実施形態の乳性飲料は、例えば、飲料中の無脂乳固形分量を1.0質量%以上、糖度を25以上であるとするとともに、0.01質量%以上の含有量で大豆多糖類及び/またはペクチンを含有するように原材料の組成を調整することによって製造することができる。
具体的には、乳、大豆多糖類、および必要によって加えられる液体原料などのその他の成分を、無脂乳固形分量:1.0質量%以上、糖度:25以上、大豆多糖類及び/またはペクチン:0.01質量%以上となるように混合する工程を含む方法により本実施形態の飲料を製造することができる。
液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。乳、大豆多糖類および/またはペクチンは液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
【0028】
本実施形態に係る製造方法においては、得られた飲料に対して、均質化処理や殺菌処理を行なうようにしてもよい。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5~25℃で圧力10~50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、65℃で10分間相当以上の条件(例えば、80~120℃で1~300秒間)で飲料を加熱するなどして行うことができ、例えば、上述の85℃で2~3秒間との条件で飲料を加熱することにより行うことができる。また、殺菌処理の方法は当該方法に限定されるものではなく、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
【0029】
また、上述のとおり本実施形態の乳性飲料は容器詰飲料としてもよい。本実施形態の飲料を殺菌された容器詰めの乳性飲料とする方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などにより行うことができ、特に限定されない。
【0030】
以上、本実施形態によれば、乳性飲料の白色度を高めることができるので、より商品価値の高い乳性飲料を提供することが可能である。
【実施例
【0031】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0032】
[飲料の調製]
以下に示す手順に従い、実施例および比較例の飲料を調製した。
【0033】
実施例1、2、3、比較例1: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、50%乳酸、大豆多糖類(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、SM-1200、以下同じ。比較例1を除く)、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例4:加糖脱脂練乳(今戸食品工業株式会社、以下同じ)に砂糖、50%乳酸、大豆多糖類、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例5、6、7、比較例3: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、大豆多糖類(比較例3を除く)、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例8: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、50%乳酸、大豆多糖類、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例9、10、11、比較例5: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、加糖脱脂練乳、大豆多糖類(比較例5を除く)、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例12、比較例6: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、大豆多糖類(比較例6を除く)、野菜色素(紫イモ色素(60質量%)、赤キャベツ色素(40質量%))、ベニバナ黄色素、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例13、14、比較例2: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、加糖脱脂練乳、ペクチン(三昌株式会社、YM-115-LJ、以下同じ。比較例2を除く)、フィチン酸(比較例2を除
く)、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例15:発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、加糖脱脂練乳、ペクチン、フィチン酸、50%乳酸、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例16: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、ペクチン、フィチン酸、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
比較例4: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
実施例17、18、比較例7、8: 発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、大豆多糖類(比較例7、8を除く)、100質量%とする量の水の順で投入し、よく撹拌した。
【0034】
糖度は、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を使用して飲料を20℃として測定した。無脂乳固形分量、大豆多糖類の含有量、ペクチンの含有量は、配合した原材料に基づく。
乳酸酸度(%)は1.15で合わせたが、pHに差が出たものについてはクエン酸三ナトリウムを用いてpH3.30に調整した(実施例1~3及び比較例1、実施例4)。
実施例および比較例の各飲料について、ホモゲナイザーを用いて15Mpaの圧力で均質化した後、85℃で2~3秒間加熱し、瓶に充填した後に30秒間倒置し、水冷した。
【0035】
発酵乳は、9%還元脱脂粉乳を乳酸菌を用いて30℃24時間発酵し、10℃下、ホモゲナイザーで、圧力15MPaで均質化処理を行った後、加熱殺菌して、10℃以下に冷却したものを用いた。
【0036】
[白色度の算出]
実施例および比較例の各飲料について、分光測色色差計(CM-5 コニカミノルタ株式会社)を用いて、L値(明度)、a値およびb値(色相・彩度)を測定し(条件:シャーレ、反射光、30mm)、次式により白色度を算出した。白色度の測定は、上述の飲料の85℃での2~3秒間の加熱の前後、及び加熱した後に行った保存(55℃で7日間)終了後に行った。

W(白色度)=100-sqr〔(100-L)2+(a2+b2)〕
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
表1~4から、大豆多糖類及び/またはペクチンを含有する飲料は、大豆多糖類を含有しない比較例の飲料と比較して、より高い白色度を有していることが理解できる。