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特許7425548画像形成装置及びその制御方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】画像形成装置及びその制御方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240124BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240124BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240124BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240124BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/38 203
B41J29/38 301
B41J29/00 Z
G03G21/00 384
G06F3/12 303
G06F3/12 339
G06F3/12 367
G06F3/12 385
H04N1/00 912
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019108228
(22)【出願日】2019-06-10
(65)【公開番号】P2020199691
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 啓
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-255405(JP,A)
【文献】特開2006-239937(JP,A)
【文献】特開2007-086914(JP,A)
【文献】特開2014-149562(JP,A)
【文献】特開2014-179041(JP,A)
【文献】特開2008-230246(JP,A)
【文献】特開2017-109400(JP,A)
【文献】特開2010-087987(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0052980(US,A1)
【文献】特開2015-139981(JP,A)
【文献】特開平08-084212(JP,A)
【文献】特開2019-051621(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 29/00
G03G 21/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザー識別情報が関連づけられた印刷ジョブを外部装置から受信する受信手段と、
受信した前記印刷ジョブを前記ユーザー識別情報に関連づけて記憶部に保存する保存手段と、
入力されたユーザー識別情報を用いてユーザー認証を行う認証手段と、
前記ユーザー認証の成功に応じて、前記入力されたユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブを実行する実行手段とを有し、
前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブの出力ページ数の合計が上限ページ数を超えて印刷されないように実行の対象となる印刷ジョブを決定し、決定された印刷ジョブを実行し、
さらに、前記ユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブの一部が前記実行手段による実行の対象とならない場合は、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、または実行しないかのいずれかの指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記保存手段により保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブの先頭から順次着目し、着目した印刷ジョブの実行による出力ページ数を累積し、累積したページ数が前記上限ページ数を超えなければ、前記着目した印刷ジョブを前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブとして決定する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記累積したページ数が前記上限ページ数を超えたなら、それまでに決定した前記印刷ジョブを前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブとする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載の画像形成装置であって、
前記累積したページ数が前記上限ページ数を超えたなら、前記保存手段により保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブのうち、まだ着目していない印刷ジョブに着目し、
前記保存手段により保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブのすべてについて着目したなら、それまでに決定した前記印刷ジョブを前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブとする
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像形成装置であって、
前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブが、前記保存手段により保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブのすべてを含んでいない場合には、警告画面を表示する手段をさらに有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置であって、
前記警告画面では、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、又は実行しないかのいずれかの前記指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
ユーザー識別情報が関連づけられた印刷ジョブを外部装置から受信し、
受信した前記印刷ジョブを前記ユーザー識別情報に関連づけて記憶部に保存し、
入力されたユーザー識別情報を用いてユーザー認証を行い、
前記ユーザー認証の成功に応じて、前記入力されたユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブを実行し、
実行の対象となる前記印刷ジョブの、出力ページ数の合計が上限ページ数を超えて印刷されないように実行の対象となる印刷ジョブを決定し、決定された印刷ジョブを実行し、
さらに、前記ユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブの一部が実行の対象とならない場合は、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、または実行しないかのいずれかの指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置の制御方法であって、
前記実行の対象となる印刷ジョブが、前記記憶部に保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブのすべてを含んでいない場合には、警告画面を表示する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項9】
請求項に記載の画像形成装置の制御方法であって、
前記警告画面では、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、又は実行しないかのいずれかの前記指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザー識別情報が関連づけられた印刷ジョブを外部装置から受信させ、
受信した前記印刷ジョブを前記ユーザー識別情報に関連づけて記憶部に保存させ、
入力されたユーザー識別情報を用いてユーザー認証を行わせ、
前記ユーザー認証の成功に応じて、前記入力されたユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブを実行させるためのプログラムであって、
実行の対象となる前記印刷ジョブの、出力ページ数の合計が上限ページ数を超えて印刷されないように実行の対象となる印刷ジョブを決定し、決定された印刷ジョブを実行し、
さらに、前記ユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブの一部が実行の対象とならない場合は、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する、または実行しない指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムであって、
前記実行の対象となる印刷ジョブが、前記記憶部に保存した、前記ユーザー識別情報に関連付けられた印刷ジョブのすべてを含んでいない場合には、警告画面を表示する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項11に記載のプログラムであって、
前記警告画面では、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、又は実行しないかのいずれかの前記指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷ジョブを保存し、保存した印刷ジョブを実行可能な画像形成装置及びその制御方法とプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
セキュリティを目的として、留め置きプリントと呼ばれる機能を有する画像形成装置がある。画像形成装置はプリンタドライバから投入した印刷ジョブをすぐに出力せず、一旦画像形成装置内の印刷ジョブ留め置き用のキューとして割り当てたハードディスク領域に保存する。そして、画像形成装置はユーザーがログイン後、該ユーザーの印刷ジョブを操作部上にリスト表示する。画像形成装置は、ユーザーがリストから選択し、印刷指示した印刷ジョブを印刷する。また、ログインを契機にログインしたユーザーの印刷ジョブをユーザーの印刷指示なしに自動印刷する技術もある。この技術はユーザーが操作部上で印刷ジョブの選択や印刷指示をしなくても、印刷を実行するため、印刷を効率的に行う手段として有効である。その一方、該ユーザーの印刷ジョブが大量に保存されていた場合は、全ての印刷ジョブの印刷が完了するまでに長い時間を要し、その間画像形成装置を占有してしまうという一面もある。印刷ジョブの印刷を制限する技術として、印刷ジョブを印刷中に印刷ページ数が最大用紙排出数の制限値に達したら、印刷を停止するプリンタが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-76014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は単一の印刷ジョブに対して制限をかけているため、複数の印刷ジョブをまとめて印刷する場合に、印刷対象となる全ての印刷ジョブの累積ページに対して制限を設けることはできない。また、制限値に達したら印刷を停止してしまうため、印刷ジョブが途中までしか印刷されず、以降の印刷操作が煩雑になる。
【0005】
本発明は上記従来例に鑑みて成されたもので、複数の印刷ジョブを一括で留め置き印刷する場合にも、それら印刷ジョブによる占有を防止できる画像形成装置及びその制御方法とプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、本発明の一側面によれば、ユーザー識別情報が関連づけられた印刷ジョブを外部装置から受信する受信手段と、
受信した前記印刷ジョブを前記ユーザー識別情報に関連づけて記憶部に保存する保存手段と、
入力されたユーザー識別情報を用いてユーザー認証を行う認証手段と、
前記ユーザー認証の成功に応じて、前記入力されたユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブを実行する実行手段とを有し、
前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブの出力ページ数の合計が上限ページ数を超えて印刷されないように実行の対象となる印刷ジョブを決定し、決定された印刷ジョブを実行し、
さらに、前記ユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブの一部が前記実行手段による実行の対象とならない場合は、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行するか、または実行しないかのいずれかの指示を受け付け、実行する指示を受け付けた場合には、前記実行の対象となる印刷ジョブを実行する
ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【0007】
また他の側面によれば、ユーザー識別情報が関連づけられた印刷ジョブを外部装置から受信する受信手段と、
受信した前記印刷ジョブを前記ユーザー識別情報に関連づけて記憶部に保存する保存手段と、
入力されたユーザー識別情報を用いてユーザー認証を行う認証手段と、
前記ユーザー認証の成功に応じて、前記入力されたユーザー識別情報に関連づけられた前記印刷ジョブを実行する実行手段とを有し、
前記実行手段による実行の対象となる印刷ジョブは、前記保存手段により保存した前記印刷ジョブのうち、設定された上限数を超えないよう決定される
ことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の印刷ジョブを一括で留め置き印刷する場合にも、それら印刷ジョブによる画像形成装置の占有を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ネットワーク構成の一例を示す図である。
図2】画像形成装置102の全体の構成を示すブロック図である。
図3】画像形成装置102のシステムソフトウェアの機能構成を示すブロック図である。
図4】PC101の全体の構成を示すブロック図である。
図5】PC101のシステムソフトウェアの構成を示すブロック図である。
図6】アプリケーションからプリンタドライバを用いた印刷ジョブの投入処理を説明するフローチャートである。
図7】印刷指示後の画面の一例を示す図である。
図8】印刷ジョブの保存処理を説明するフローチャートである。
図9】例外条件設定画面の一例を示す図である。
図10】書誌情報テーブルの一例を示す図である。
図11】認証後自動印刷の処理を説明するフローチャートである。
図12】ログイン画面の一例を示す図である。
図13】ユーザー管理テーブルの一例を示す図である。
図14】認証後自動印刷の設定画面の一例を示す図である。
図15】警告画面の一例を示す図である。
図16】ページ数上限による印刷可能ジョブ抽出処理を説明するフローチャートである。
図17】上限値設定画面の一例を示す図である。
図18】ジョブ数上限による印刷可能ジョブ抽出処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施例1]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
●システム構成
図1は、ネットワーク構成の一例を示す図である。LAN103には、印刷ジョブを投入する外部装置であるパーソナルコンピューター(PC)101と、投入された印刷ジョブを処理する印刷装置(またはプリンタ)である画像形成装置102が接続される。接続されるPCおよび画像形成装置の数はこれに限定されるものではない。なお、本実施例では印刷ジョブの投入元をPC101としているが、PC以外のデバイス(例えば、携帯端末や他の画像形成装置など)であっても構わない。また画像形成装置102としても、たとえば多機能複写機(MFP)などのほか、留め置き印刷機能を有するものを用いることができる。
【0012】
図2は、画像形成装置102の全体の構成を示すブロック図である。画像形成装置102内のコントローラユニット201において、CPU202はシステム全体を制御する演算装置である。RAM203はCPU202が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリである。また、RAM203はオペレーティングシステムやシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータも配置される。ROM204はシステムのブートプログラムが格納されている。ハードディスクドライブ(HDD)205はオペレーティングシステムやシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、画像データ、設定データなどを格納する。またHDD205は、印刷ジョブを保存するための記憶部として機能する。操作部I/F206は操作部207とのインターフェース部であり、操作部207に表示する情報を操作部207に対して出力する。また、操作部207からユーザーが入力した情報を受け付ける。ネットワークI/F208はネットワーク(LAN)103に接続し、同一LAN上に接続されたPCや別の画像形成装置と情報の入出力を行う。デバイスI/F209は画像入出力デバイスであるスキャナ210、プリンタ211とコントローラユニット201を接続し、画像データの入力や出力を行う。以上のデバイスがシステムバス212上に配置される。
【0013】
図3は画像形成装置102のシステムソフトウェアの機能構成を示すブロック図である。システムソフトウェア301はRAM203、ROM204、HDD205のいずれかの記憶手段に記憶され、CPU202により実行される。
【0014】
UI制御部302はユーザーが操作部207によって入力した情報を操作部I/F206を経由して受信し、その情報を認証部303、データ管理部304、ジョブ管理部307に送信する。あるいは、認証部303、データ管理部304、ジョブ管理部307からの応答を受信し、その情報を操作部I/F206を経由して操作部207に出力する。
【0015】
認証部303はUI制御部302から受信した認証情報に基づいて認証処理を行い、その結果を返す。すなわちユーザー認証を行う。データ管理部304はUI制御部302、ネットワーク制御部306、ジョブ管理部307からのデータ書き込み、読み出し要求を受信し、記憶制御部305にデータ書き込み、読み出し要求を送信する。あるいは、記憶制御部305からの応答を受信し、その情報をUI制御部302、ネットワーク制御部306、ジョブ管理部307に送信する。記憶制御部305はデータ管理部304からのデータ書き込み、読み出し要求を受信して、HDD205に対してデータの書き込み、読み出しを行い、その結果をデータ管理部304に返す。
【0016】
ネットワーク制御部306はLAN103上に接続されたPC101や任意の画像形成装置からの要求をネットワークI/F208を経由して受信する。そして、受信した要求に応じてデータ管理部304、ジョブ管理部307に処理を要求する。あるいは、データ管理部304、ジョブ管理部307からの応答を受信する。そして、受信した応答をネットワークI/F208を経由してLAN103上に接続されたPC102や任意の画像形成装置に送信する。
【0017】
ジョブ管理部307はUI制御部302、ネットワーク制御部306からのジョブ実行要求を受信し、ジョブを管理する。そして、ジョブ制御部308にジョブ実行を要求するあるいは、データ管理部304にデータ書き込み、読み出し要求を送信する。あるいは、データ管理部304、ジョブ制御部308からの応答を受信し、UI制御部302、ネットワーク制御部306に対して、ジョブの状態を送信する。
【0018】
ジョブ制御部308はジョブ管理部307からのジョブ実行要求を受信し、デバイスI/F209を経由してスキャナ210、プリンタ211の動作を制御する。あるいは、スキャナ210、プリンタ211の動作状態をデバイスI/F209を経由して受信し、ジョブ管理部307に送信する。
【0019】
図4は、PC101の全体の構成を示すブロック図である。PC101において、CPU401はシステム全体を制御する演算装置である。ROM402は、各処理に関わるプログラムやデータが格納されている。RAM403はCPUが動作するためのシステムワークメモリであり、各処理に関わる一時的なデータを記憶する記憶メモリである。ハードディスクドライブ(HDD)404は各処理に関わるプログラムやデータ、一時的なデータ、アプリケーションデータなどを格納する。入力装置405は、PC101への指示入力を受け付けるキーボードやポインティングデバイスである。表示装置406は、PC101の動作状況や、PC101上で動作する各プログラムが出力する情報を表示する。ネットワークI/F407はネットワーク(LAN)103に接続し、同一LAN上に接続された他のPCや画像形成装置と情報の入出力を行う。以上の要素がシステムバス408上に配置される。
【0020】
なお、CPU401が、HDD404に記憶されているオペレーティングシステム(OS)やプリンタドライバ、アプリケーションに対応するプログラムに基づいて、処理を実行することにより、OSやプリンタドライバによる機能(又は処理)が実現される。
図5は、PC101のシステムソフトウェアの構成を示すブロック図である。システムソフトウェア501はROM402、RAM403、HDD404のいずれかの記憶手段に記憶され、CPU401により実行される。
システムソフトウェア501はアプリケーション502およびプリンタドライバ503およびネットワーク制御部504から構成される。アプリケーション502は、例えばPC101の表示装置406を見ながら、ポインティングデバイスやキーボードといった入力装置405を用いて、画像や文書を作成、編集するようなツールである。あるいは画像形成装置内の情報を参照するツールである。ユーザーはアプリケーション502を用いて画像や文書などのデータを作成し、プリンタドライバ503を用いて印刷命令データを作成し、ネットワーク制御部504を経由して画像形成装置102のような印刷可能な装置に送信する。あるいは、ネットワーク制御部504を経由して画像形成装置102からの情報を取得、参照する。
【0021】
●印刷ジョブの生成および送信
図6はPC101のCPU401により実行される、アプリケーションからプリンタドライバを用いた印刷ジョブの投入処理を説明するフローチャートである。
【0022】
ユーザーは表示装置406を見ながら、ポインティングデバイスやキーボードといった入力装置405を用いて、アプリケーション502で画像や文書などのデータを作成し、印刷を指示する。アプリケーション502は、印刷指示を受け付けると(S601)、印刷ジョブを送信する画像形成装置のプリンタドライバをユーザーに選択させる画面を表示装置406に表示する。印刷ジョブを送信する画像形成装置として画像形成装置102のプリンタドライバの選択をユーザーから受け付けた後(S602)、アプリケーション502は、ユーザーから設定指示を受け付けたか否かを判定する(S603)。印刷設定指示を受け付けなかった場合、S605の処理に移行する。
【0023】
印刷設定指示を受け付けた場合、画像形成装置102に対応したプリンタドライバ503の設定画面を表示する。図7は印刷指示後の画面の一例を示す図であり、図7(A)はジョブを送信する画像形成装置のプリンタドライバをユーザーに選択させる画面の一例である。画面701において、表示領域702は印刷するデータのイメージの表示領域、ボタン703は印刷を実行するボタンである。リスト704はジョブを送信する画像形成装置とプリンタドライバを選択するリストであり、PC101にユーザーがインストールした複数の画像形成装置のプリンタドライバが表示される。ユーザーはその中から所望のプリンタドライバを選択する。文字列705は、リスト704で選択したプリンタドライバの設定画面を表示するための押下可能な文字列である。
【0024】
図7(B)はプリンタドライバの設定画面の一例を示す図であり、この設定画面でユーザーは印刷設定を行う。画面706において、出力方法選択欄707はジョブの出力方法であり「印刷」や「セキュアプリント」を選択できる。「印刷」は画像形成装置にジョブを送信すると、印刷設定に従って出力する。「セキュアプリント」は画像形成装置に一時的に保存することを指定したジョブであり、ユーザーが指定した暗証番号が付与される。「セキュアプリント」が指定された印刷ジョブが画像形成装置102に留め置かれる留め置きジョブとなる。OKボタン708は設定の内容を確定して画面706を閉じるボタン、キャンセルボタン709は設定の内容を破棄して画面706を閉じるボタンである。画像形成装置で保存したセキュアプリントのジョブ(すなわち留め置きジョブ)を印刷する際には、画像形成装置102の操作部207で該ジョブを選択後、付与された暗証番号を入力することで選択した印刷ジョブを出力する。
【0025】
印刷設定指示があった場合にはユーザーによる設定指示を受け付けた後(S604)、アプリケーション502は、印刷を実行する実行指示を受けたか否かを判定する(S605)。印刷を実行すると判定した場合、選択された画像形成装置に対応したプリンタドライバ503にデータ生成要求を行う。プリンタドライバ503は、画像や文書などのデータ、文書名などの文書属性、印刷設定等に従ってPDL(page description language)データを作成する(S606)。そして画像形成装置102に、ユーザー名(ユーザー識別情報あるいはユーザーID)と関連付けて、あるいはユーザー名を含めて、作成されたPDLデータや印刷設定などとともに印刷ジョブとして送信する(S607)。
【0026】
●画像形成装置による印刷ジョブの保存
図8は画像形成装置102のCPU202により実行される、システムソフトウェア301における、印刷ジョブの保存処理を説明するフローチャートである。
【0027】
ネットワーク制御部306は印刷ジョブを受け付けると(S801)、ジョブ管理部307に印刷ジョブを送信する。ジョブ管理部307は印刷ジョブを受け取ると、印刷ジョブに保存設定があるか否かを判定する(S802)。保存設定があるジョブとは、すなわちプリンタドライバ503の設定画面において出力方法に「セキュアプリント」が指定されたジョブである。印刷ジョブに保存設定がある場合、S805の処理に移行する。印刷ジョブに保存設定がない場合、画像形成装置に印刷ジョブの保存設定があるか否かを判定する(S803)。印刷ジョブの保存設定は画像形成装置毎に設定され、記憶制御部305がHDD205、RAM203等に記憶する。印刷ジョブの保存設定がない場合、S808の処理に移行する。印刷ジョブの保存設定がある場合、ジョブ管理部307はさらに、印刷する例外条件に合致する印刷ジョブであるか否かを判定する(S804)。例外条件とは画像形成装置に印刷ジョブの保存設定があっても、保存以外の処理を行う条件である。例外条件は印刷が実行される前に管理者等により事前に設定され、画像形成装置1台に対し複数の設定を持つ。
【0028】
図9は例外条件設定画面の一例を示す図である。本実施例では特定のPCのIPアドレスを条件とし、指定されたIPアドレスのPCからの印刷ジョブは保存せずに印刷する例外条件を設定するものとして説明する。例外条件設定画面901において、領域902は条件名を入力する領域であり、「条件名1」という条件名が指定されている。領域903は種類を選択する領域であり、特定の投入ジョブオーナ名、特定の投入元のIPアドレス、特定のジョブ投入方式(LPRやFTPなど)などの例外条件を選択する。図9では「IPアドレス」が選択されている。領域904は903の条件に合致したジョブに対する処理を選択する領域であり、印刷する、キャンセルする、などの処理を選択する。図9では「プリントする」が選択されている。領域905は条件の種類に応じた具体的な条件を入力する領域である。図9では種類がIPアドレスであるため、IPアドレスを入力する領域が表示され、基幹システムのIPアドレス「192.168.8.8」が指定されている。ボタン906は設定内容を破棄するキャンセルボタン、ボタン907は設定を確定するOKボタンであり、OKボタン907の押下により、記憶制御部305がHDD205、RAM203等に記憶する。
【0029】
ステップS804で例外条件の印刷対象ジョブに合致すると判定した場合、S808の処理に移行する。例外条件の印刷対象ジョブに合致しない場合、ジョブ管理部307は、データ管理部304に印刷ジョブを送信する。データ管理部304は、ジョブ管理部307から受信した印刷ジョブを解析し、書誌情報を抽出する(S805)。そして、データ管理部304は、記憶制御部305に印刷ジョブおよび抽出した書誌情報を送信する。書誌情報の抽出に成功すると、記憶制御部305は受信した印刷ジョブをHDDに保存し、(S806)、保存が成功すると、抽出した書誌情報をユーザーID(ユーザー識別情報)に紐づけて、すなわち関連付けてHDD205に保存する(S807)。保存した印刷ジョブは印刷データを含んでおり、これもまたユーザーIDと関連付けられて保存される。このため書誌情報と印刷ジョブとは、ユーザーIDによって関連付けられて保存される。もちろん書誌情報と印刷ジョブとを他の方法で直接的に関連づけてもよい。
【0030】
図10は書誌情報テーブルの一例を示す図である。書誌情報テーブル1001はユーザーUserAの書誌情報テーブルである。書誌情報テーブル1001は印刷ジョブの投入情報として、印刷ジョブが投入された日時1002、印刷ジョブが投入された画像形成装置のIPアドレス1003、投入された印刷ジョブの格納場所1004を有する。また、印刷ジョブの属性情報として、印刷ジョブ名1005、印刷設定1006、印刷ジョブのページ数1007、印刷時パスワード有無1008、印刷ジョブが印刷されたか否かを示す処理状態1009を有する。パスワードがある場合には、さらに書誌情報と関連付けてそのパスワード情報も保存されている。S805、S806、S807の処理において、例えばHDD205の空き容量がないなどの理由により、処理が失敗した場合、処理を終了する。書誌情報の登録に成功した場合、留め置きジョブの保存処理を終了する。
【0031】
S803において、画像形成装置に保存設定がないと判定した場合、あるいはS804において、例外条件の印刷対象ジョブに合致すると判定した場合、ジョブ管理部307は後述する論理プリントキュー処理を行い(S808)、印刷ジョブを実行する(S809)。以上の処理により、印刷ジョブの保存処理が行われる。
【0032】
●認証後自動印刷
図11は、画像形成装置102のCPU202により実行される、システムソフトウェア301における、認証後自動印刷の処理を説明するフローチャートである。
【0033】
認証部303は、ユーザーが操作部207で入力したログイン情報とHDD205に保存したユーザー管理テーブルに基づいて、ログイン処理を行う(S1101)。図12はログイン画面の一例を示す図である。領域1201はユーザー名の入力領域、領域1202はログインパスワードの入力領域、領域1203はログイン先の入力領域、ボタン1204は入力したユーザー名、ログインパスワードでログインを実行するためのボタンである。ボタン1205はログイン画面を閉じるキャンセルボタンである。図13はユーザー管理テーブルの一例を示す図である。ユーザー管理テーブル1301において、項目1302はユーザー名、項目1303はログインパスワード、項目1304はユーザーの権限を示すロールである。ユーザーはログイン時に図12の画面でユーザー名とパスワードとを入力し、たとえばログイン先として画像形成装置102そのものを指定してログインボタン1204をタッチする。画像形成装置102、特に認証部303では、入力されたユーザー名とパスワードとにより図13のユーザー管理テーブル1301を検索し、ヒットすれば当該ユーザーのログインを許す。その場合ログインは成功であり、ユーザーの権限がロール1304により定まる。ヒットしなければログインは失敗である。
【0034】
ログイン処理が失敗した場合は、エラー処理を行い(S1112)、処理を終了する。エラー処理は例えばログイン失敗の表示とその確認入力の受付などであってよい。ログイン処理が成功した場合、認証部303はUI制御部302にログイン処理が成功したこと、およびログインしたユーザーの情報を通知する。UI制御部302は認証部303からのログイン処理成功の通知を受信後、認証後に自動印刷するか否かの設定を判定する(S1102)。
【0035】
認証後に自動印刷するか否かの設定はユーザーが操作部207から行う。図14は認証後自動印刷の設定画面の一例を示す図である。画面1401において、チェックボックス1402は認証後自動印刷を有効にするか否かのチェックボックスである。チェックボックス1402がチェックされることにより認証後の自動印刷が有効になる。ボタン1403は設定の内容を確定して画面1401を閉じるOKボタンである。認証後自動印刷の設定は画像形成装置毎に設定され、記憶制御部305がHDD205、RAM203等に記憶する。なお自動印刷の設定をユーザーごとに行ってもよい。その場合には図13のユーザー管理テーブル1301などに、ユーザーに関連付けて認証後自動印刷の設定を保存しておけばログイン時に直ちに参照できる。
【0036】
S1102で認証後に自動印刷するように設定されていないと判定した場合、処理を終了する。認証後に自動印刷するように設定されている場合、UI制御部302は認証部303からの通知により受信したログインユーザーの情報と関連付けられた書誌情報のリストをデータ管理部304から取得する(S1103)。次いでUI制御部302は取得した書誌情報から自動印刷の対象となる印刷ジョブを判定する(S1104)。本実施例において、自動印刷の対象となる印刷ジョブとは、書誌情報テーブル1001において、パスワード1008が設定なしであり、印刷状態1009が印刷待ちのジョブであるが、これに限定されるものではない。自動印刷の対象となる印刷ジョブがないと判定した場合(S1105-No)、処理を終了する。自動印刷の対象となるジョブがあると判定した場合(S1105-Yes)、UI制御部302はジョブ管理部307に自動印刷の対象となるジョブの書誌情報を送信するとともに印刷可能ジョブの抽出要求を行う(S1106)。印刷可能ジョブの抽出処理は図16を参照して後述する。
【0037】
印刷可能ジョブの抽出処理の結果、印刷可能ジョブがないと判定した場合、処理を終了する。印刷可能ジョブがあると判定した場合、S1104において自動印刷の対象ジョブとして判定したジョブの数と、S1106において印刷可能ジョブとして判定したジョブの数とを比較する(S1108)。自動印刷の対象ジョブの数が印刷可能ジョブの数よりも大きい場合、すなわち、自動印刷の対象ジョブが全て印刷できない場合、自動印刷の対象ジョブが全て印刷できないことを示す警告画面を操作部207に表示する(S1110)。そこで、印刷可能なジョブを印刷するか否かをユーザーへの入力指示を受け付ける。図15は警告画面の一例を示す図である。画面1501において、ボタン1502は警告を示す文言、1502は印刷可能なジョブを印刷することを指示するボタン、ボタン1503は印刷可能なジョブを印刷しないことを指示するボタンである。
【0038】
ユーザーにより画面1501にいずれかの指示が入力されると、ユーザーの入力に基づいて印刷可能なジョブを印刷するか否かを判定し(S1111)、印刷可能なジョブを印刷すると判定した場合、ジョブ管理部307に、S1106で抽出したジョブの印刷要求をする。ジョブ管理部307は受信した印刷要求をジョブ制御部308に送信し、ジョブ制御部308は受信した印刷要求に従い印刷を実行し(S1109)、処理を終了する。一方、印刷可能なジョブを印刷しないと判定した場合、処理を終了する。S1108において、自動印刷の対象ジョブが全て印刷できる場合、対象の印刷ジョブについてS1109の処理を行い、処理を終了する。以上の処理により認証後自動印刷の処理が行われる。
【0039】
尚、S1110、S1111において、自動印刷の対象ジョブが全て印刷できない場合、ユーザーによる指示に従って印刷可能なジョブを印刷するか否かを決める構成としているが、警告画面を表示せずに印刷可能なジョブのみを印刷する構成としてもよい。その場合にはS1107で印刷可能ジョブがあると判定したならS1109へ分岐すればよい。
【0040】
尚、S1110、S1111において、自動印刷の対象ジョブが全て印刷できない場合、ユーザーによる指示に従って印刷可能なジョブを印刷するか否かを決める構成としているが、自動印刷の対象ジョブ全てを印刷するか否かを選択肢に含める構成としてもよい。その場合にはS1107で印刷可能ジョブがあると判定したならS1110へ分岐すればよい。
【0041】
尚、S1110において、操作部207に通知する画面では、ジョブ数やジョブ名など、印刷可能なジョブに関する情報を通知するようにしてもよい。
【0042】
図16は、画像形成装置102のCPU202により実行される、システムソフトウェア301における、ページ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理を説明するフローチャートである。これは図11のS1106の詳細を示している。
【0043】
ジョブ管理部307は、印刷可能なページ上限数(あるいはページ上限値)を取得する(S1601)。印刷可能なページ上限数の設定はユーザーが操作部207から行う。ページ上限数の設定は画像形成装置毎に設定され、記憶制御部305がHDD205、RAM203等に記憶する。
【0044】
次いで、UI制御部302から受信した書誌情報に先頭から順次着目し、着目した書誌情報内のページ数情報、部数情報を取得する(S1602、S1603)。最初は先頭の書誌情報に着目する。ジョブ管理部307は、取得したページ数情報及び部数情報から出力ページ数を算出するとともに(S1604)、算出した各印刷ジョブの出力ページ数を合算した結果を累積ページ数(あるいはページ数の合計)としてRAM203に記憶する(S1605)。累積ページ数がページ上限数より小さいか否かを判定し(S1606)、小さい場合、すなわち、印刷可能なページ数に達していない場合は、取得した書誌情報を印刷可能なジョブとしてRAM203に記憶する(S1607)。この記憶は、すでに記憶されている実行対象のジョブリストに書誌情報或いはそれを示す情報(例えば印刷ジョブのジョブIDなど)を追加するかたちで行われる。なお、図16の処理開始時には、ジョブリストは空にされている。次の書誌情報があるか否かを判定し(S1608)、次の書誌情報があればS1602の処理に移行する。次の書誌情報がない場合、すなわち、受信した全ての書誌情報のページ数算出が完了した場合は処理を終了し、印刷可能なジョブの書誌情報(すなわちS1607で書誌情報を追加してきたジョブリスト)をUI制御部302に送信する。S1606において、累積ページ数がページ上限数に達している場合は処理を終了し、印刷可能なジョブの書誌情報をUI制御部302に送信する。
【0045】
以上の処理によりページ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理が行われる。尚、本実施例におけるページ算出処理はページ数と部数の情報から算出を行っているが、算出方法はこれに限るものではなく、書誌情報内のその他の印刷設定の中で、ページ数に変化があるものを含めて算出する方法であっても構わない。
【0046】
尚、本実施例では、S1606で累積ページ数がページ上限数に達している場合は処理を終了しているが、S1608に移行することで、以降のジョブにおいて、ページ上限数の範囲に収まるジョブがあれば、それを印刷対象として抽出する構成としてもよい。
【0047】
また本実施例では、ページ上限数は印刷に要する時間の指数として用いられるので、ページ数は基準となる所定サイズ、たとえばA4サイズのページのページ数として設定されてよい。A4と異なるサイズのページを印刷する場合には、1ページ当たりの所要時間の比を用いてA4のページ数に換算してもよい。例えばA4サイズを基準として上限ページ数が設定された場合、各印刷ジョブのページ数はA4サイズに換算して数えてよい。例えばA3サイズの1ページあたり印刷所要時間がA4サイズのそれの2倍であれば、シートサイズがA3サイズの印刷ジョブについては、そのジョブの総ページ数は、A4に換算するために2倍すればよい。そしてその値を用いて印刷可能ジョブを決定すればよい。もちろんこれは基準サイズよりもページ当たりの印刷時間が短い場合にも適用されてよい。
【0048】
[変形例]
上記実施における上限値の設定はページ数の上限であったが、これに限るものではない。図17は上限値設定画面の一例を示す図である。上限値設定画面1701において、ラジオボタン1702はジョブ数の上限を選択するラジオボタン、ラジオボタン1703はページ数の上限を選択するラジオボタンである。ラジオボタンであるからいずれか一方が選択されることになる。領域1704はジョブ数の上限値を設定する領域、領域1705はページ数の上限値を設定する領域である。ラジオボタンにより選択された側に設定された値が上限値として採用される。ボタン1706は設定の内容を確定して画面1701を閉じるボタンである。この上限値設定画面1701によりユーザーがラジオボタン1702、1703のいずれかを選択する構成としてもよい。ユーザーが1702を選択した場合、後述するジョブ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理が行われる。ユーザーが1703を選択した場合、前述のページ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理が行われる。
【0049】
図18は画像形成装置102のCPU202により実行される、システムソフトウェア301における、ジョブ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理を説明するフローチャートである。本処理は1702が選択された場合に実行される。図18の手順は、図17においてジョブ数の上限値を設定するラジオボタン1702が選択された場合に、図11のS1106で実行される手順の詳細を示す。
【0050】
ジョブ管理部307は、印刷可能なジョブ上限数を取得する(S1801)。印刷可能なジョブ上限数の設定はユーザーが操作部207から行う。ジョブ上限数の設定は画像形成装置毎に設定され、記憶制御部305がHDD205、RAM203等に記憶する。
【0051】
次いで、UI制御部302から受信した印刷対象ジョブの書誌情報数を取得する(S1802)。ジョブ管理部307は、取得した印刷対象ジョブの書誌情報数がジョブ上限数より大きいか否かを判定し(S1803)、大きい場合、例えば書誌情報の先頭からジョブの上限数分の書誌情報を印刷可能なジョブとしてRAM203に記憶し(S1804)、処理を終了する。取得した印刷対象ジョブの書誌情報数がジョブ上限数以下の場合、取得した全ての印刷対象ジョブの書誌情報を印刷可能なジョブとしてRAM203に記憶し(S1805)、処理を終了する。以上の処理によりジョブ数上限による印刷可能ジョブの抽出処理が行われる。
【0052】
本実施例および変形例により、認証後自動印刷において、自動印刷の対象となる全ての印刷ジョブのページ数が、予め設定されたページ数上限内であれば、自動印刷の対象となる印刷ジョブは全て印刷される。自動印刷の対象となる全ての印刷ジョブのページ数が、予め設定されたページ数上限よりも多かった場合、ページ数上限の範囲の中で印刷可能なジョブのみを印刷する。これにより画像形成装置の長時間の占有を防止することができる。
【0053】
また、上限ページ数を設定できることにより、画像形成装置の利用状況に応じた印刷環境を構築できる。
【0054】
また、自動印刷の対象となる全ての印刷ジョブのページ数が、予め設定されたページ数上限よりも多かった場合、警告を表示することでユーザーが印刷を実行するか否かを選択できるとともに、印刷結果を正しく把握することができる。
【0055】
また、印刷ジョブに付与された印刷設定を考慮してページ数を算出することで、ページ上限判定の精度を上げることができる。
【0056】
また、累積ページ数がページ上限数に達している場合、以降のジョブにおいて、ページ上限数の範囲に収まるジョブがあれば、それを印刷対象として抽出する構成とすることで、限られた上限範囲で印刷の生産性を上げることができる。
【0057】
また、ページ数の上限かジョブ数の上限かを選択できる構成とすることで、画像形成装置の利用状況に応じた印刷環境を構築できる。
【0058】
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0059】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0060】
101 PC、102 画像形成装置、201 コントローラユニット
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