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特許7425575表示制御装置および表示制御方法、撮像装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】表示制御装置および表示制御方法、撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20240124BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240124BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20240124BHJP
   G03B 17/20 20210101ALI20240124BHJP
   G09G 5/12 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H04N23/63
G09G5/00 510M
G09G5/00 510H
G09G5/00 550B
G09G5/00 520V
G03B17/18
G03B17/20
G09G5/12
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019184079
(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公開番号】P2021061512
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅山 学
(72)【発明者】
【氏名】郡司 康一
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 靖
(72)【発明者】
【氏名】小沼 英俊
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-022593(JP,A)
【文献】特開2007-019583(JP,A)
【文献】特開2017-045326(JP,A)
【文献】特開2008-118698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222- 5/257
H04N 23/00
H04N 23/40 -23/76
H04N 23/90 -23/959
G09G 5/00 - 5/42
G03B 17/18 -17/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレームレートに対応する基準同期信号と表示動作のための表示クロック信号に基づいて、ブランキング期間と非ブランキング期間を交互に繰り返す表示ブランキング信号と、表示同期信号とを生成する生成手段と、
前記表示クロック信号と、前記生成手段により生成された前記表示ブランキング信号および前記表示同期信号とを用いて表示装置を駆動する制御手段と、を備え、
前記生成手段は、前記表示装置のフレームレートを前記第1のフレームレートの1/n(nは自然数)倍である第2のフレームレートへ変更する場合に、前記基準同期信号の周期と前記表示クロック信号の周期を維持しながら、連続するn個の前記基準同期信号のうちの1つを用いて前記表示ブランキング信号と前記表示同期信号を生成することにより前記表示ブランキング信号の前記ブランキング期間の長さと前記表示同期信号の周期を変更することを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示ブランキング信号の前記非ブランキング期間の長さは、前記フレームレートの変更に関わらず不変であることを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記生成手段は、前記基準同期信号から第1の時間が経過した時点より所定の期間が非ブランキング期間である前記表示ブランキング信号を生成し、前記所定の期間は、前記フレームレートの変更に関わらず不変であることを特徴とする請求項に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記ブランキング期間の開始の時点から第2の時間が経過した時点において前記表示同期信号のパルスを出力し、前記第2の時間が経過した時点は、当該ブランキング期間の終了より特定の時間だけ先であることを特徴とする請求項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第1の時間および前記第2の時間は、前記表示クロック信号をカウントすることにより取得されることを特徴とする請求項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示制御装置と、
前記表示制御装置が駆動する前記表示装置と、
撮像手段と、を備え、
前記表示制御装置は、前記撮像手段が撮像したライブビュー画像を前記表示装置に表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項7】
ユーザの操作を受け付ける操作手段を更に備え、
前記表示制御装置は、前記操作手段への操作状態に応じて前記表示装置における表示のフレームレートを変更することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記操作手段に対する所定の操作が検出された場合、前記表示制御装置は、前記第1のフレームレートで表示するように前記表示装置の駆動を制御することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記操作手段に対する前記所定の操作が一定時間にわたって検出されなかった場合、前記表示制御装置は、前記第2のフレームレートで表示するように前記表示装置の駆動を制御することを特徴とする請求項に記載の撮像装置。
【請求項10】
加速度センサを更に備え、
前記表示制御装置は、前記加速度センサにより前記撮像装置の特定の動きを検出した場合に、前記第1のフレームレートで表示が行われるように前記表示装置の駆動を制御することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項11】
第1のフレームレートに対応する基準同期信号と表示動作のための表示クロック信号に基づいて、ブランキング期間と非ブランキング期間を交互に繰り返す表示ブランキング信号と、表示同期信号とを生成する生成工程と、
前記表示クロック信号と、前記生成工程により生成された前記表示ブランキング信号および前記表示同期信号とを用いて表示装置を駆動する制御工程と、を備え、
前記生成工程は、前記表示装置のフレームレートを前記第1のフレームレートの1/n(nは自然数)倍である第2のフレームレートへ変更する場合に、前記基準同期信号の周期と前記表示クロック信号の周期を維持しながら、連続するn個の前記基準同期信号のうちの1つを用いて前記表示ブランキング信号と前記表示同期信号を生成することにより前記表示ブランキング信号の前記ブランキング期間の長さと前記表示同期信号の周期を変更することを特徴とする表示制御方法。
【請求項12】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の表示制御装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御方法、撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、接眼ファインダーとして電子式ファインダー(Electronic View Finder。以下、EVFと表記)を備えた撮像装置が普及している。EVFを用いると、光学式ファインダー(Optical View Finder。以下、OVFと表記)では撮影環境により被写体の視認が困難な場合においても、被写体の撮影が可能となるといった利点がある。一方、EVFでの被写体の視認には、OVFとは異なり定常的な電力供給が必要であることから、撮像装置の消費電力が増加する課題も生じる。
【0003】
前述の課題に対して、シャッターボタンの操作状態に応じて、EVFに転送する画像データの転送レートを切り替えることにより、EVFに画像が表示されている状態での消費電力を削減する方法が提案されている(特許文献1参照)。また、無操作状態が所定時間続いた後にクロック周波数を下げることで、画像処理フレームレートを下げ、撮像装置の消費電力を削減する技術が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-019583号公報
【文献】特開2007-096456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、EVFの表示フレームレートを転送レートに拘わらず一定にするため、低転送レート時には表示画像の解像度を低くする必要があり、被写体および操作用付加情報の視認性が低下する。また、特許文献2に開示の技術では、表示部の表示途切れを防ぎつつ、表示フレームレートを切り替えるために、表示処理用途の複数のクロック信号発振器を用いて動作周波数を変更する必要がある。
【0006】
本発明は、表示処理のための動作周波数の変更を不要としながら、表示途切れを生じることなく表示フレームレートを切り替えることを可能とする技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様による表示制御装置は以下の構成を備える。すなわち、
第1のフレームレートに対応する基準同期信号と表示動作のための表示クロック信号に基づいて、ブランキング期間と非ブランキング期間を交互に繰り返す表示ブランキング信号と、表示同期信号とを生成する生成手段と、
前記表示クロック信号と、前記生成手段により生成された前記表示ブランキング信号および前記表示同期信号とを用いて表示装置を駆動する制御手段と、を備え、
前記生成手段は、前記表示装置のフレームレートを前記第1のフレームレートの1/n(nは自然数)倍である第2のフレームレートへ変更する場合に、前記基準同期信号の周期と前記表示クロック信号の周期を維持しながら、連続するn個の前記基準同期信号のうちの1つを用いて前記表示ブランキング信号と前記表示同期信号を生成することにより前記表示ブランキング信号の前記ブランキング期間の長さと前記表示同期信号の周期を変更する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、表示処理のための動作周波数の変更を不要としながら、表示途切れを生じることなく表示フレームレートを切り替えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図。
図2A】第1実施形態による表示フレームレート切替処理のタイミングチャート。
図2B】第1実施形態による表示フレームレート切替処理のタイミングチャート。
図2C】第1実施形態による表示フレームレート切替処理のタイミングチャート。
図2D】第1実施形態による表示フレームレート切替処理のタイミングチャート。
図3】第1実施形態による表示フレームレート切替処理を表すフローチャート。
図4】第2実施形態に係る撮像装置の構成例を示すブロック図。
図5】第2実施形態による表示フレームレート切替処理のタイミングチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る撮像装置100の構成例を示すブロック図である。なお、本実施形態では、撮像装置100としてデジタルカメラを想定しているが、これに限られるものではない。本発明は、例えば、スマートフォン、タブレットなど、撮像部を有する電子機器に適用することができる。
【0012】
図1において、光学系101は、光学フィルタ、フォーカスレンズ、ズームレンズ、絞り、シャッターなどを備える。操作部113によって撮像の開始が指示されると、光学系101は被写体光学像を撮像センサ部102の撮像面上に結像する。光学系101と撮像センサ部102は、撮像制御部110によって制御される。
【0013】
撮像センサ部102は、2次元配列された複数の画素を有するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを備える。複数の画素には、赤、緑、青(RGB)のカラーフィルタが配置されている。撮像センサ部102は、同期信号生成部109が生成した撮像同期信号に応じて、カラーフィルタを透過した光をアナログ電気信号に変換する光電変換処理を行う。なお、CMOSイメージセンサに代えて、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなど他の撮像素子が利用されてもよい。
【0014】
撮像処理部103は、撮像センサ部102の光電変換処理によって得られたアナログ電気信号をデジタル電気信号からなる画像データに変換するAD変換処理(アナログーデジタル変換処理)を行う。また、撮像処理部103は、AD変換処理によって得られた画像データに対して修復処理を行う。修復処理において、撮像処理部103は、修復対象の画素の画素値を、周辺の画素値を用いて補間する。修復対象の画素とは、例えば、撮像センサ部102における欠落画素、画素値が最大(最小)で信頼性が低いと判断される画素などである。また、修復処理において、撮像処理部103は、暗電流補正値などの所定のオフセット値を画像データから減算する。撮像処理部103は、修復処理後の画像データを記憶部112に格納する。
【0015】
画像処理部104は、同期信号生成部109が生成した画像処理同期信号に応じて、記憶部112に格納された修復処理後の画像データを読み出す。そして、画像処理部104は、画像データに対して、輝度と色差から成る色空間への変換、ノイズの除去、光学的な歪の補正等を含む、現像処理を行う。また、画像処理部104は、現像処理後の画像データに対して、画像処理パラメータに基づきホワイトバランス調整、ガンマ補正、シャープネス補正、輝度レベル補正、色相補正、彩度補正などの画像処理を行う。画像処理パラメータは、ホワイトバランス、ガンマ、シャープネス、輝度レベル、色相、彩度などの複数種類のパラメータを含む。画像処理部104は、画像処理後の画像データを記憶部112に格納する。
【0016】
表示処理部105は、同期信号生成部109が生成した表示同期信号に応じて、記憶部112に格納された画像処理後の画像データを読み出し、読み出した画像データを表示用にリサイズしてから、表文字やアイコンで構成される表示情報を重畳する。その後、表示処理部105は、表示用のガンマ処理、輝度レベル補正などの表示用画像処理を行い、第1表示部106および第2表示部107に対して画像表示を行う。
【0017】
第1表示部106および第2表示部107は、画像処理部104で生成した現像画像の他、画像処理部104で画像処理された画像、メニュー画面、その他各種情報を表示するために用いられる。
【0018】
第1表示部106は、撮像装置100の不図示の接眼部に配置された有機エレクトロルミネッセンス表示デバイスで構成されるEVFであり、表示処理部105から取得した画像データに応じた画像表示(例えば、ライブビュー画像の表示を含む)を行う。第2表示部107は、撮像装置100の背面や側面に配置される液晶ディスプレイであり、表示処理部105から取得した画像データに応じた画像表示(例えば、ライブビュー画像の表示を含む)を行う。また、第2表示部107は、不図示のタッチパネルを有し、ユーザによって操作される機能アイコン(機能ボタン)を表示することにより、後述の操作部113としての機能も有する。機能アイコンは、例えば、撮影開始、撮影モード選択、ホワイトバランス設定、ISO感度設定、などを含む。
【0019】
接眼検知部108は、撮像装置100の不図示の接眼部に配置される。接眼検知部108は、接眼部にユーザが近接しているか否かを示す信号をCPU111に対して出力する。CPU111は、接眼検知部108の信号出力に応じて表示処理部105を制御する。表示処理部105は、CPU111の制御下で、信号の出力先を第1表示部106と第2表示部107の間で切り替える。すなわち、表示処理部105は、接眼検知部108の信号出力によりユーザが接眼部に近接していると判断された場合に第1表示部106による表示を行い、そうではないと判断された場合に第2表示部107による表示を行うように制御する。なお、第1表示部106への表示と第2表示部107への表示の切り替えを操作部113から行えるようにしてもよい。
【0020】
同期信号生成部109は、撮像、画像処理、表示を行うために必要なタイミング信号を生成する。例えば、同期信号生成部109は、垂直同期信号、水平同期信号、垂直ブランキング信号等の補助同期信号を生成する。また、同期信号生成部109は、撮像処理、画像処理、表示処理で用いられるクロック信号を生成する。同期信号生成部109と表示処理部105は、第1表示部106および第2表示部107の表示駆動を制御する表示制御部として機能する。本実施形態における同期信号生成部109の詳細な処理については後述する。
【0021】
撮像制御部110は、後述の操作部113を介して取得した、撮像装置100に対するユーザ操作や、撮像装置100の状態に応じて、露出やフォーカスを制御する。例えば、絞り、撮像素子の電荷蓄積時間などを制御することにより露出を制御し、フォーカスレンズの駆動量、駆動方向を制御することによりフォーカスを制御する。具体的には、撮像制御部110は、ユーザによって指定されたゲイン値、シャッター速度、絞りに応じて、光学系101の状態、撮像センサ部102の処理等を制御する。また、ユーザ操作により、AF(オートフォーカス)撮影モードに遷移している場合、撮像制御部110は、フォーカスレンズの所定位置における演算結果である出力信号を参照することによりコントラストの形状を算出する。撮像制御部110は、コントラストが最も高くなるフォーカス位置を、撮像センサ部102で光束が合焦する位置としてAF制御を行う。
【0022】
CPU111は、撮像装置100が有する他の機能ブロックに、不図示の内部バスを介して接続されている。CPU111は、記憶部112に格納されている所定のプログラムを実行することで、撮像装置100の各種処理を実行する。
【0023】
記憶部112は、揮発性メモリや不揮発性メモリを有し、撮像装置100が有する各機能ブロックに、不図示の内部バスを介して接続されている。記憶部112は、撮像処理部103、画像処理部104が、処理済みとなった画像データを一時的に記憶するために用いられる。また、記憶部112は、CPU111のワークエリア、種々のデータを一時的に記憶する一時記憶領域、CPU111の処理に係るファームウェアや画像処理パラメータの格納場所として用いる。
【0024】
操作部113は、撮像装置100内のCPU111と、不図示の内部バスを介して接続されている。操作部113は、ユーザの操作を受け付ける入力部としての各種操作部材である。操作部113は、ユーザが、撮影指示を行うシャッターボタン、フォーカス動作のオートまたはマニュアル制御を切り替える切替スイッチ、フォーカス調整操作を行うフォーカスリングなどを含む。
【0025】
次に、第1実施形態による表示フレームレートの切替について、図2A図2Dに記載の動作タイミングチャート、図3に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、以下の実施形態では、第1表示部106の表示クロック信号の周波数を変更せずに、表示フレームレートを60Hzから30Hzに変更する場合を説明する。なお、表示クロック信号は、第1表示部106および第2表示部107の動作スピードを規定するクロックであり、表示クロック信号により、1フレームの画像の表示に要する時間が決定される。
【0026】
まず、表示フレームレートを切り替える前の状態である、表示フレームレートが60Hzである場合のEVF表示処理について説明する。
【0027】
同期信号生成部109は、撮像装置100の制御の基準となる同期信号である基準同期信号を生成する。本実施形態では、不図示の第1の水晶振動子から取得した基準クロック信号から生成するものとし、基準同期信号の周波数は60Hzとしている。
【0028】
また、同期信号生成部109は、撮像同期信号と画像処理同期信号とを生成する。撮像同期信号は、例えば、撮像クロック信号と基準同期信号とから生成され、撮像クロック信号は不図示の第2の水晶振動子から取得される。また、画像処理同期信号は、例えば、画像処理クロック信号と基準同期信号とから生成され、画像処理クロック信号は、不図示の第3の水晶振動子から取得される。本実施形態では、撮像同期信号、画像処理同期信号の周波数は60Hzとする。なお、基準同期信号、撮像同期信号、および画像処理同期信号は、それぞれ異なる水晶振動子を用いて生成されるため、同一周波数であっても非同期となる。本実施形態では、撮像同期信号と画像処理同期信号を基準同期信号の発生タイミングで同期させて用いるものとする。
【0029】
さらに、同期信号生成部109は、ブランキング期間と非ブランキング期間を交互に繰り返す表示ブランキング信号と、表示同期信号とを生成する。表示ブランキング信号と表示同期信号は、それぞれ基準同期信号と表示クロック信号とに基づいて生成される。表示クロック信号は不図示の第4の水晶振動子から取得される。表示クロック信号は、最大のフレームレート(本実施形態では60Hz)における表示動作を規定するクロックであり、例えば、第1表示部106における画素の表示速度を規定するドットクロックである。なお、上記では基準クロック信号、撮像クロック信号、画像処理クロック信号、表示クロック信号をそれぞれ第1~第4の水晶振動子から取得したが、これらクロック信号のすべてあるいは一部が共通の水晶振動子から取得されてもよい。なお、本実施形態では、基準同期信号、撮像同期信号、画像処理同期信号、および、最大の表示フレームレートを60Hzに設定したが、それに限られるものではない。例えば、基準同期信号、撮像同期信号、および、画像処理同期信号を120Hzに設定して、最大の表示フレームレートを60Hzに設定してもよい。
【0030】
表示処理部105は、同期信号生成部109で生成された表示クロック信号と、表示ブランキング信号および表示同期信号を用いて第1表示部106を駆動し、画像処理部104で処理された画像を第1表示部106に表示する。同期信号生成部109は、第1表示部106のフレームレートを変更する場合に、基準同期信号の周期と表示クロック信号の周期を維持しながら、ブランキング期間の長さと表示同期信号の周期を変更する。以下、図2A図2Dおよび図3を参照して同期信号生成部109による表示ブランキング信号および表示同期信号の生成について説明する。
【0031】
図2Aに示されるように、同期信号生成部109は、表示ブランキング信号を、表示モードに応じて初期値が規定される第1内部カウンタのカウンタ値を用いて生成する。本実施形態では、表示モードは60Hzのフレームレートで表示を行う60Hz表示モードと、30Hzのフレームレートで表示を行う30Hz表示モードを含む。同期信号生成部109は、第1内部カウンタと第2内部カウンタを有し、これらカウンタを用いて、第1表示部106を表示駆動するための表示ブランキング信号および表示同期信号を生成する。
【0032】
第1内部カウンタは、表示クロック信号をカウントするダウンカウンタである。また、第1内部カウンタの初期値は、基準同期信号の変化に応じて発生する基準同期割込み202において、表示モードにより規定される値にリセットされる。なお、表示ブランキング信号は、論理値"0"と"1"の2値を有し、"0"の期間が非ブランキング期間、"1"の間がブランキング期間である。表示ブランキング信号の値は、第1内部カウンタのカウンタ値に応じて決定される。また、基準同期信号割り込みは、基準同期信号が"0"から"1"に変化するタイミングで"0"から"1"に変化する割り込み信号である。基準同期信号割り込み202をもって、CPU111が設定したカウンタ値などの設定値の反映やカウンタ値のリセットが実施される。
【0033】
図2Bに、60Hz表示モードでのEVF表示時における、第1内部カウンタと表示ブランキング信号の状態を示す。本実施形態では、CPU111は、カウンタリセットから表示ブランキング信号を0に変更するまでの期間aと、表示ブランキング信号を0とする期間bを、同期信号生成部109に設定する。すなわち、期間aは基準同期信号割り込みの発生からブランキング期間を開始するまでの時間を表し、期間bはそのブランキング期間が継続する時間を表す。
【0034】
また、CPU111は、基準同期信号割り込みの発生時に、第1内部カウンタの初期値Mを同期信号生成部109に設定する。その後、第1内部カウンタが表示クロック信号をカウントし、同期信号生成部109は、カウンタ値がM-aとなった時点で表示ブランキング信号を"0"に、カウンタ値がM-a-bとなった時点で表示ブランキング信号を"1"とに変化させる。結果、第1内部カウンタのカウンタ値がM-aからM-a-bである間が非ブランキング期間となる表示ブランキング信号が生成される。なお、これらの設定値a、b、Mは60Hz表示モードに対応して規定された値であり、記憶部112に予め格納されているのものとする。
【0035】
図2Aに戻り、表示同期信号は、表示モードに応じて初期値が規定される第2内部カウンタのカウンタ値に基づいて生成される。第2内部カウンタは第1内部カウンタと同様に表示クロック信号をカウントするダウンカウンタである。第2内部カウンタは、表示ブランキング信号が"0"から"1"へ変化するタイミング(非ブランキング期間からブランキング期間に切り替わるタイミング)で、表示モードにより規定される初期値にリセットされる。なお、表示同期信号は、カウンタ値に応じて決定される"0"と"1"の2値を有する。
【0036】
図2Cに、60Hz表示モードにおける第2内部カウンタの動作と表示同期信号のタイミングを示す。本実施形態では、第2内部カウンタのカウンタ値がcになると表示同期信号が0から1に変化し、カウンタ値がc-dになると表示同期信号が1から0に変化する。すなわち、ブランキング期間の開始の時点から所定の時間(M-c)が経過した時点において、時間幅dを有する表示同期信号のパルスが出力される。CPU111は、同期信号生成部109にこれらc、dの値を設定する。また、CPU111は、第2内部カウンタのカウンタリセット時(非ブランキング期間からブランキング期間に切り替わるタイミング)のカウンタ値(初期値)を、同期信号生成部109に設定する。本実施形態では、第2内部カウンタの初期値は第1内部カウンタの初期値と同じ値Mである。なお、値c、dも60Hz表示モードにより規定された値であり、記憶部112に予め格納されているのものとする。
【0037】
表示処理部105は、同期信号生成部109が生成した表示同期信号および表示ブランキング信号を第1表示部106に伝送するとともに、表示同期信号を基準にして画像データを第1表示部106に伝送する。第1表示部106は、表示処理部105から伝送された表示ブランキング信号、表示同期信号に従って、伝送された画像を表示する。60Hz表示モードにおける同期信号生成部109の動作タイミングチャートは、図2Aに記載された動作タイミングチャートの時間t1から時間t2までが繰り返されたものとなる。
【0038】
次に、表示クロック信号の周波数を変更せずに、第1表示部106における表示フレームレートを60Hzから30Hzに変更する制御、および30Hzから60Hzに変更する制御について、図3図2A及び図2Dを参照して説明する。
【0039】
図3は、第1実施形態による表示フレームレートの切替処理を説明するフローチャートである。この切替処理は、ユーザにより操作部113を介して省電力EVFモードに設定された後、接眼検知部108が、接眼部にユーザが近接していることを検知した場合に実行される。本実施形態では、接眼部にユーザが近接していることにより第1表示部106(EVF)が表示を開始し、このとき同期信号生成部109は、第1表示部106が60Hz表示モードによる表示を行うように表示同期信号および表示ブランキング信号を生成する。また、本実施形態では、第1表示部106への表示は、撮像センサ部102により撮像された画像を用いた、ライブビュー画像の表示である。
【0040】
CPU111は、操作部113に対する操作がない時間をカウントするためのタイマを初期化し、当該タイマによるカウントを開始する(S301)。本実施形態では、CPU111が有するタイマ(以下、省電タイマ)が用いられる。省電タイマの初期値は、省電力EVFモード設定時に分単位で設定される省電開始時間である。省電タイマは秒単位で減算し、省電タイマのカウント値が0になると、カウントの減算を停止し、CPU111は操作部113に対する操作が一定時間なかったと判定する。
【0041】
CPU111は、操作部113を介したユーザ操作を検知したか判定する(S302)。ユーザ操作を検知したと判定された場合(S302:YES)、処理はS301に戻る。これにより、省電タイマがリセットされる。一方、ユーザ操作を検知していないと判定された場合(S302:NO)、CPU111は、ユーザ操作を検知しないまま一定時間が経過したか判定する(S303)。この判定は、省電タイマのカウント値が0になっているかどうかによりなされる。
【0042】
ユーザ操作を検知しないまま一定時間経過していないと判定された場合(S303:NO)、すなわち省電タイマのカウント値が0ではない場合、処理はS302に戻り、上述の処理が繰り返される。ユーザ操作を検知しないまま一定時間経過したと判定された場合(S303:YES)、すなわち省電タイマのカウント値が0である場合は、CPU111は表示フレームレートを30Hzに変更するべく同期信号生成部109を設定する(S304)。これにより、同期信号生成部109は、30Hz表示モードに対応した表示同期信号と表示ブランキング信号を生成する。
【0043】
ここで、表示同期信号および表示ブランキング信号の60Hz表モードから30Hz表示モードへの切替時の動作について、図2Aのタイミングチャートを用いて説明する。CPU111は、時間T201で、ユーザ操作を検知しないまま一定期間が経過したことを検知すると、同期信号生成部109の第1内部カウンタと第2内部カウンタの初期値を変更する。フレームレートを1/n倍(nは2以上の自然数)に変更する場合(フレーム周期をn倍にする場合)、変更前のフレームレートにおける初期値をn倍にする。本実施形態では60Hzから30Hzへの切り替え、すなわち2倍の周期への切り替えとなるため、図2B図2Cに記載のカウンタ初期値Mを2倍した値(2×M)へ初期値が変更される。
【0044】
また、同期信号生成部109は、フレームレートを1/n倍に変更する場合に、連続するn個の基準同期信号のうちの1つを用いて表示ブランキング信号と表示同期信号を生成する。これは、例えば、基準同期信号による割込み(基準同期信号割り込み)の発生をn-1回無効にすることで実現される。本実施形態では、CPU111が、基準同期信号による割込み(基準同期信号割り込み)の発生を間引く回数を無効カウントに設定する。本実施形態では、60Hz表示モードから30Hz表示モードへの変更であり、フレームレートが1/2倍であるため、基準同期信号の無効カウントに1が設定される。
【0045】
時間t2で発生する基準同期信号割り込み202により、設定値として第1内部カウンタと第2内部カウンタの初期値2×Mと、基準同期信号の無効カウントの値(本実施形態では1)が同期信号生成部109に反映される。基準同期信号割り込み202により(時間t2)、第1内部カウンタの初期値として2×Mが設定され、第1内部カウンタはダウンカウントを開始する。第1内部カウンタのカウント値が2×M-aから2×M-a-bの間が、表示ブランキング信号の非ブランキング期間となる。基準同期割り込みに対する非ブランキング期間の開始タイミング、および、非ブランキング期間の長さは、60Hz表示モードでも30Hz表示モードでも同じであり、この非ブランキング期間の間に、1フレームの画像が表示される。
【0046】
一方、第2内部カウンタは、表示ブランキング信号の立ち上がりのタイミング203で、初期値2×Mにリセットされ、ダウンカウントを開始する。第2内部カウンタのカウント値がcになると、時間幅dの同期パルスが発生する。すなわち、ブランキング期間の開始の時点から所定の時間(2×M-c)が経過した時点で、時間幅dの表示同期信号のパルスが出力される。60Hz表示モードでも30Hz表示モードでも、表示同期信号のパルスが出力される時点は、ブランキング期間の終了よりも特定の時間だけ先となる。無効カウントを1としたため、時間t3では基準同期信号割り込みは発生せず、第1内部カウンタの同期リセットは行われない。時間t4では、基準同期信号割り込みが発生するため、第1内部カウンタの同期リセットが行われる。
【0047】
以上のように、図2B図2Cに記載された設定値a、b、c、dの値は変更されない。従って、表示ブランキング信号は、第1内部カウンタ値が2M-aから2M-a-bの期間だけ非ブランキング期間となり、他の期間はブランキング期間となる。すなわち、表示ブランキング信号の非ブランキング期間の長さ(b)は、フレームレートの変更に関わらず不変となる。一方、表示同期信号は、先の説明と同様にカウンタ値がcの時に0から1に遷移し、c-dの時に1から0に遷移する。以上により、図2Aに記載の時間t1から時間t2で示される60Hz表示モードの表示同期信号から時間t2からt4で示される30Hz表示モードの表示同期信号への変更が実現される。
【0048】
図3に戻り、CPU111は操作部113のシャッターボタンが半押しされたか判定する(S305)。シャッターボタンが半押しされていないと判定された場合(S305:NO)は、CPU111は、接眼検知部108からの信号に基づいて、接眼部にユーザが近接した状態が維持されているかどうかを判定する(S307)。接眼部にユーザが近接した状態が維持されていれば(S307:YES)処理はS305に戻る。他方、接眼部からユーザが離れている場合(S307:NO)、本処理を終了する。また、シャッターボタンが半押しされたと判定された場合(S305:YES)、表示フレームレートを60Hzに変更するため、CPU111は、同期信号生成部109に対して表示フレームレートを変更する設定を行う(S306)。これにより、同期信号生成部109は、60Hzの表示同期信号を生成する。その後、処理はS301に戻り、上述の処理が繰り返される。
【0049】
30Hz表示モードから60Hz表示モードへの表示同期信号の切替方法について、図2Dのタイミングチャートを用いて説明する。CPU111は、時間T204でシャッターボタン半押しになったことを検知すると、基準同期信号の無効カウントに0を設定し、第1内部カウンタと第2内部カウンタの初期値をMに設定する。以上により、図2Dに示されるように、時間t10から時間t12の間の30Hzの表示同期信号から、時間t12以降の60Hzの表示同期信号に変更される。なお、図2Dにおいて、t10とt11の間でシャッターの半押しが検出された場合には次の基準同期信号を無視し、その次以降の基準同期信号が有効となるように制御される。また、t11とt12の間でシャッターの半押しが検出された場合には、次以降の基準同期信号が有効となるように制御される。すなわち、変更後の表示モードでの第1表示部106の駆動は、無効カウントに設定された回数だけ基準同期信号を無視した後の次の基準同期信号から開始される。
【0050】
なお、第1実施形態では、接眼検知部108が、接眼部にユーザが近接していることを検知しなくなった場合(S307でNO)、または、ユーザが電源OFF操作を行った場合に、CPU111は当該フローを終了する。但し、当該フローを終了する条件はこれに限定されない。また、シャッターボタンの半押しを検知したことに応じて、同期信号生成部109が60Hzの表示同期信号を生成するようにしたが、この限りではない。例えば、不図示の加速度センサが、パン方向の動作などの撮像装置100の特定の動きを検知した場合に、表示同期信号を変更するようにしてもよい。
【0051】
なお、本実施形態では、第1表示部106であるEVFに対して、表示フレームレートの切替を行ったが、第2表示部107である液晶ディスプレイに対しても、実施可能である。さらに、本実施形態では、前述の各クロック信号を各々独立した水晶振動子から生成したが、その一部は、不図示のPLL(Phase Locked Loop)を介して生成したものでもよい。また、上記実施形態では撮像装置としてデジタルカメラを想定し、接眼部へのユーザの近接、シャッターボタンへの操作を検出して表示フレームレートを変更したが、表示フレームレートを変更するトリガはこれに限られるものではない。例えば、操作部113への操作状態に応じて第1表示部106における表示のフレームレートを変更してもよいし、加速度センサにより検出された撮像装置の動きに応じて第1表示部106における表示のフレームレートを変更してもよい。
【0052】
また、各クロック信号の周波数も限定されない。例えば、基準同期信号、撮像同期信号、画像処理同期信号の周波数を240Hzとして、表示フレームレートを可変とする場合も考えられる。例えば、省電力EVFモード時のEVF表示フレームレートは、撮影画像の構図確認には問題ない周波数(例えば60Hz)とし、シャッターボタン半押し後に、被写体の動きを違和感なく追える周波数(例えば240Hz)にするなどの運用も考えられる。この場合は、基準同期信号と表示用クロックを240Hzにおける表示に対応したものとする。そして、基準同期信号を無効とする回数(無効カウント)を3に、第1内部カウンタと第2内部カウンタの初期値を3×Mに設定することで、240Hzから60Hzの表示フレームレート切替が可能となる。また、基準同期信号を無効とする回数(無効カウント)を2に、第1内部カウンタと第2内部カウンタの初期値を2×Mに設定すれば、120Hzの表示フレームレートへ切り替えることができる。
【0053】
以上のように、第1実施形態によれば、表示クロック信号の周波数を変更することなく、表示フレームレートを変更することが可能となる。したがって、表示処理のための動作周波数の変更を不要としつつ、表示画面における被写体および操作用付加情報の視認性低下、および、表示途切れをすることなく、表示部を有する撮像装置の消費電力を削減することが可能となる。
【0054】
<第2実施形態>
第1実施形態では、同期信号生成部109が、表示フレームレートを変更するための同期信号を生成することにより、第1表示部106の表示フレームレートを変更する構成を説明した。第2実施形態では、第1表示部106に表示フレームレートを変更するための機能を追加した構成を説明する。以下、図4図5を参照して第2実施形態を説明する。なお、図4図5において、第1実施形態と同様の機能ブロックについては、第1実施形態と同一の参照符号を付している。
【0055】
図4は、第2実施形態による撮像装置100の構成例を示すブロック図である。図4において、第1表示部106は、撮像装置100の不図示の接眼部に配置された有機エレクトロルミネッセンス表示デバイスで構成されるEVFであり、表示処理部105から取得した画像データに応じた画像表示(ライブビュー)を行う。第1表示部106は、表示制御部401を有する。表示制御部401は、第1表示部106の表示モードを制御する。
【0056】
表示制御部401は、第1のフレームレート(例えば、60Hz)に対応した表示同期信号と画像データを表示処理部105から取得(受信)する。表示制御部401は、取得(受信)した表示同期信号に基づいて表示部駆動信号を生成し、第1のフレームレートに対応した表示動作を規定する表示クロック信号と表示部駆動信号を用いて第1表示部106を駆動する。ここで、表示制御部401は、表示同期信号の一部を無視することにより表示同期信号よりも長い周期の表示駆動信号を生成し、第1表示部106のフレームレートを第1のフレームレートよりも小さい第2のフレームレートへ変更する。
【0057】
第2実施形態では、CPU111は、シリアル通信で、表示制御部401に対して、上記第2のフレームレートでの表示駆動として、疑似30Hz表示モードを設定することができる。表示制御部401は、第1表示部106が疑似30Hz表示モードで駆動するように、同期信号生成部109が生成した60Hzの表示同期信号から疑似30Hz表示フレームレートで表示する表示部駆動信号を生成し、画像表示を行う。したがって、第2実施形態の同期信号生成部109において、30Hz表示モードのための動作切り替えは不要である。
【0058】
ここで、疑似30Hz表示モードとは、60Hz表示モードの2フレーム毎に1フレームを間引いた表示モードである。本実施形態では、表示制御部401が、後述の図5の時間t22からt26に示されるように、表示同期信号を2回に1回無効として生成した表示部駆動信号を生成する。すなわち、表示制御部401は、フレームレートを小さく変更する場合に、表示同期信号の一部を無視することにより表示同期信号の周期よりも長い周期を有する表示部駆動信号を生成する。例えば、変更後のフレームレートが変更前のフレームレートの1/n倍(nは2以上の自然数)であるとする。この場合、変更後のフレームレートで第1表示部106を駆動するために、表示制御部401は連続するn個の表示同期信号のうちの1つを用いて表示部駆動信号を生成し、他の表示同期信号を無視する。
【0059】
図5に、第2実施形態における疑似30Hz表示モードの動作タイミングチャートを示す。時間T501にて、CPU111は、表示制御部401に対して、疑似30Hz表示モードをシリアル通信で設定する。その後、表示制御部401は、時間t22で疑似30Hz表示モードに移行し、表示処理部105から取得した表示同期信号を2回に1回無効として生成した表示部駆動信号を用いて画像表示を行う。また、表示制御部401は、無視された表示同期信号に対応するフレームの画像データ(例えば、図5のD,Fで示される画像信号)を第1表示部106に表示させないように制御する。
【0060】
なお、表示処理部105は、第1表示部106の表示モードを変更した際に、記憶部112から画像データの読み出しタイミングを変更するようにしてもよい。例えば、第1表示部106の表示モードを60Hz表示モードから疑似30Hz表示モードに変更した場合、表示処理部105は、表示同期信号の2回に1回の割合で記憶部112から画像データを読み出す処理を行うようにしてもよい。また、表示処理部105は、画像データを読み出さない期間は、画像データの値を0として第1表示部106に出力するようにしてもよい。
【0061】
なお、表示制御部401は、表示部駆動信号生成時に無効とした表示同期信号で画像データを取得する期間を表示ブランキング期間として扱い、この期間における有機ELの発光を停止するようにしてもよい。これにより、さらなる省電力化を図ることができる。また、第2表示部107にも第1表示部106と同様の機能を持たせることができる。
【0062】
以上のように、第2実施形態によれば、表示クロック信号の周波数を変更することなく、また同期信号生成部109で各種同期信号を再生成することなく、表示処理に関連する機能ブロックの制御で、表示フレームレート変更が可能となる。
【0063】
なお、上記第1および第2実施形態では、第1表示部106における表示フレームレートの切り替えを説明したが、第2表示部107において表示フレームレートを切り替えるようにしてもよい。また、例えば、接眼部を有するEVFが設けられておらず、撮像装置の背面に設けられた表示器(例えば液晶パネル)をEVFとして用いる構成(第2表示部107のみの構成)にも、上記表示モードの制御を適用できることは明らかである。なお、その場合、接眼部へのユーザの近接をトリガとした表示モードの切り替えはできないが、例えば、シャッタースイッチへの操作、無操作状態の継続時間などをトリガとして表示モードの切り替えを行うようにすればよい。
【0064】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0065】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0066】
100:撮像装置、101:光学系、102:撮像センサ部、103:撮像処理部、104:画像処理部、105:表示処理部、106:第1表示部、107:第2表示部、108:接眼検知部、109,109a:同期信号生成部、110:撮像制御部、111:CPU、112:記憶部、113:操作部
402 表示制御部
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5