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特許7425607電池制御装置、電池パック、電池制御方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電池制御装置、電池パック、電池制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20240124BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240124BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240124BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20240124BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240124BHJP
   H02H 7/18 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H02J7/00 Y
H02J7/00 302A
B64C39/02
B64D27/24
H01M10/44 P
H01M10/48 P
H02H7/18
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019567041
(86)(22)【出願日】2019-01-18
(86)【国際出願番号】 JP2019001443
(87)【国際公開番号】W WO2019146520
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-07-02
【審判番号】
【審判請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2018012011
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】向野 誠
【合議体】
【審判長】高野 洋
【審判官】稲葉 崇
【審判官】丸山 高政
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-29067(JP,A)
【文献】国際公開第2015/001694(WO,A1)
【文献】特開2010-178495(JP,A)
【文献】国際公開第2013/076877(WO,A1)
【文献】特開2014-131431(JP,A)
【文献】特開2008-245511(JP,A)
【文献】国際公開第2016/174828(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/46
B64C 39/02
B64D 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池を含む電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段を備え、
前記動作制御手段は、前記電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させ、
前記メンテナンスは、新しい前記二次電池の追加、劣化した前記二次電池の交換、電子部品の追加及び交換、並びに前記電池パックの点検及び修理の内、少なくとも一つを含み、
前記メンテナンス中は、前記電池パックは、電気機器から取り外されている、
電池制御装置。
【請求項2】
前記動作制御手段は、前記電池パックを定電流モードで動作させているときに、前記電池パックからの電力により動作する機器と接続される前記電池パックの外部接続端子の電圧と、前記二次電池の開放電圧との差分が基準以下となった場合、前記定電流モードを解除する、
請求項1に記載の電池制御装置。
【請求項3】
電池パックの異常を検知する異常検知手段と、
前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
前記動作制御手段は、
前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された場合、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定し、
前記強制停止可否情報の書換イベントを検出するイベント検出手段と、
前記イベント検出手段により検出された前記書換イベントに応じて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える情報書換手段と、を更に備え、
前記動作制御手段は、前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された後、前記情報書換手段により前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報が書き換えられた場合に、当該書き換え後の前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを強制停止させるか否かを決定し、
前記イベント検出手段は、前記電池パックからの電力により動作する機器からの出力信号を検出し、
前記情報書換手段は、前記イベント検出手段により検出された前記機器からの出力に基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える、
電池制御装置。
【請求項4】
電池パックの異常を検知する異常検知手段と、
前記異常が検知される前に予め強制停止可否情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
前記強制停止可否情報は、前記電池パックの異常発生時に前記電池パックを強制停止させることを許容するか否かを示し、
前記動作制御手段は、
前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された場合、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
電池制御装置。
【請求項5】
前記機器は無人飛行体である、
請求項3に記載の電池制御装置。
【請求項6】
前記イベント検出手段は、前記無人飛行体の操縦者による遠隔操作に基づく出力信号、前記無人飛行体に備えられたセンサの出力信号、および、前記無人飛行体に備えられた安全装置が正常に作動したことを示す出力信号の少なくともいずれか1つを検出する、
請求項5に記載の電池制御装置。
【請求項7】
二次電池と、
請求項1から6のいずれか1項に記載の電池制御装置と、
を備える電池パック。
【請求項8】
コンピュータが、
二次電池を含む電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させることを含み、
前記メンテナンスは、新しい前記二次電池の追加、劣化した前記二次電池の交換、電子部品の追加及び交換、並びに前記電池パックの点検及び修理の内、少なくとも一つを含み、
前記メンテナンス中は、前記電池パックは、電気機器から取り外されている、
電池制御方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、前記電池パックを定電流モードで動作させているときに、前記電池パックからの電力により動作する機器と接続される前記電池パックの外部接続端子の電圧と、前記二次電池の開放電圧との差分が基準以下となった場合、前記定電流モードを解除する、
ことを更に含む請求項8に記載の電池制御方法。
【請求項10】
コンピュータが、
電池パックの異常を検知した場合、情報記憶手段に記憶されている、前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定し、
前記強制停止可否情報の書換イベントを検出し、
検出された前記書換イベントに応じて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換え、
前記電池パックの異常が検出された後、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報が書き換えられた場合に、当該書き換え後の前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを強制停止させるか否かを決定し、
前記電池パックからの電力により動作する機器からの出力信号を検出し、
検出された前記機器からの出力に基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える、
電池制御方法。
【請求項11】
コンピュータが、
電池パックの異常を検知した場合、前記異常が検知される前に予め情報記憶手段に記憶されている、前記電池パックの異常発生時に前記電池パックを強制停止させることを許容するか否かを示す強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
電池制御方法。
【請求項12】
前記機器は無人飛行体である、
請求項10に記載の電池制御方法。
【請求項13】
前記コンピュータが、
前記無人飛行体の操縦者による遠隔操作に基づく出力信号、前記無人飛行体に備えられたセンサの出力信号、および、前記無人飛行体に備えられた安全装置が正常に作動したことを示す出力信号の少なくともいずれか1つを検出する、
ことを更に含む請求項12に記載の電池制御方法。
【請求項14】
コンピュータに請求項8または9に記載の電池制御方法を実行させるプログラム。
【請求項15】
コンピュータに請求項10から13のいずれか1項に記載の電池制御方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な機器において、二次電池は動力源として使用されている。
【0003】
二次電池に関連する技術の一例が、下記特許文献1に開示されている。下記特許文献1には、過充電、過放電、過電流等の異常を検出した場合に、直ちに回路を遮断するのではなく、一定期間定電流制御を行い、その後、当該異常が二次電池の短絡等に起因する場合に回路を遮断する保護回路を有するバッテリーパックが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-029067号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
二次電池の異常とは関係なく、電源投入時等に生じる突入電流が二次電池、または、二次電池と接続される回路部品に悪影響を与える可能性がある。また、二次電池に異常があったとしても、二次電池を強制停止させることによって、別の問題が発生する可能性もある。例えば、無人飛行体(例:ドローンなど)の飛行中に電池パック10が強制停止した場合、その無人飛行体が落下の衝撃で破損してしまう可能性もある。このような場合、二次電池および二次電池に接続されている回路部品に悪影響を与えることを承知の上で、その二次電池の使用を継続しなければならない。異常のある二次電池の使用をやむを得ず継続する場合において、二次電池および各回路部品への悪影響は、当然、小さい方が望ましい。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、二次電池を含む回路部品の保護とする技術を提供することである。また、本発明の目的の一つは、異常のある二次電池をやむを得ず使用する場合における悪影響を低減させる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、
二次電池を含む電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段を備え、
前記動作制御手段は、前記電池パックの動作開始時または前記電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させる、
第1の電池制御装置が提供される。
【0008】
本発明によれば、
電池パックの異常を検知する異常検知手段と、
前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
前記動作制御手段は、
前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された場合、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
第2の電池制御装置が提供される。
【0009】
本発明によれば、
二次電池と、
上記第1の電池制御装置および上記第2の電池制御装置のいずれかと、
を少なくとも備える電池パックが提供される。
【0010】
本発明によれば、
コンピュータが、
二次電池を含む電池パックの動作開始時または前記電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させることを含む第1の電池制御方法が提供される。
【0011】
本発明によれば、
コンピュータが、
電池パックの異常を検知した場合、情報記憶手段に記憶されている、前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
ことを含む第2の電池制御装置が提供される。
【0012】
本発明によれば、
コンピュータに上記第1の電池制御方法を実行させるプログラムが提供される。
【0013】
本発明によれば、
コンピュータに上記第2の電池制御方法を実行させるプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、二次電池を含む回路部品を保護することができる。また、本発明によれば、異常のある二次電池をやむを得ず使用する場合における悪影響を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0016】
図1】第1実施形態に係る電池パックの構成を例示する図である。
図2】第1実施形態に係る電池制御部の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図3】第2実施形態に係る電池制御部の機能構成を概念的に示すブロック図である。
図4】電池パックの動作開始時からの処理の流れを例示するフローチャートである。
図5】電池異常時処理の流れを例示するフローチャートである。
図6】強制停止可否情報を書き換える処理の流れを例示するフローチャートである。
図7】電池パックのメンテナンス時の処理の流れを例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0018】
[第1実施形態]
〔構成例〕
図1は、第1実施形態に係る電池パック10の構成を例示する図である。図1の例において、電池パック10は、電池部110、電池制御部120、定電流制御部130、電圧測定部140、外部正極端子150、外部負極端子160、および、外部通信端子170を有している。
【0019】
電池部110は、少なくとも1つ以上の二次電池111を含んで構成される。図1の例では、電池部110は、直列に接続されたn個の二次電池111(二次電池111~二次電池111)を有している。特に限定されないが、二次電池111は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池などである。
【0020】
また、図1の例において、電池部110の正極側には、第1の抵抗R、第1のスイッチ素子FET、第2のスイッチ素子FET、および、第2の抵抗Rが、記載した順序で直列に配置されている。第1のスイッチ素子FETは、電池部110の充電電流の大きさを制御するために利用される。第2のスイッチ素子FETは、電池部110の放電電流の大きさを制御するために利用される。なお、図1の例において、第1のスイッチ素子FETCおよび第2のスイッチ素子FETDは、n型のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)として記載されているが、p型のMOSFETであってもよい。第1の抵抗Rは、後述の定電流制御部130が電池部110の充電電流の大きさを測定するために利用される。第2の抵抗Rは、後述の定電流制御部130が電池部110の放電電流の大きさを測定するために利用される。
【0021】
電池制御部120は、電池パック10の電圧、電流、温度などの計測値を基に電池パック10の電池制御部120の動作を制御する。電池制御部120の詳細については後述する。
【0022】
定電流制御部130は、電池部110の充電時に、第1の抵抗Rの両端の電圧と第1の抵抗Rの抵抗値とに基づいて、充電電流の値を算出することができる。また、定電流制御部130は、電池部110の放電時に、第2の抵抗Rの両端の電圧値と第2の抵抗Rの抵抗値とに基づいて、放電電流の値を算出することができる。また、定電流制御部130は、電池制御部120からの指示に応じて第1のスイッチ素子FETに印加するゲート電圧を調整することにより、電池部110の充電電流を制御する。例えば、定電流制御部130が、第1のスイッチ素子FETのゲート電圧を調整して充電電流の第1のスイッチ素子FETのドレイン電流の最大値を制御することによって、電池パック10は定電流での充電動作が可能となる。また、定電流制御部130は、電池制御部120からの指示に応じて、第2のスイッチ素子FETに印加するゲート電圧を調整することにより、電池部110の放電電流を制御する。えば、定電流制御部130が、第2のスイッチ素子FETのゲート電圧を調整して充電電流の第2のスイッチ素子FETのドレイン電流の最大値を制御することによって、電池パック10は定電流での放電動作が可能となる。
【0023】
図1の例において、電圧測定部140は、電池部110の正極側端子と外部正極端子150との間の端子電圧(VBAT+-VPACK+)を測定することができる。電池制御部120は、電池パック10の動作を制御する際に、電圧測定部140により測定された端子電圧(VBAT+-VPACK+)を参照することができる。
【0024】
外部正極端子150、外部負極端子160、外部通信端子170は、電池パック10を外部の電気機器(図示せず)と接続するために用いられる端子である。外部正極端子150は、電気機器側の正極端子と接続される。外部負極端子160は、電気機器側の負極端子と接続される。外部通信端子170は、電気機器側の通信端子と接続される。電池制御部120は、外部通信端子170を介して電気機器側の出力信号を取得することができる。
【0025】
また、図1では示されていないが、電池パック10の内部に温度センサ(例えば、サーミスタなど)が更に設けられていてもよい。電池制御部120は、温度センサを用いて、電池部110の温度や電池パック10の内部基板の温度を測定することができる。
【0026】
以下、図2を用いて、本実施形態の電池制御部120の機能構成を説明する。図2は、第1実施形態に係る電池制御部120の機能構成を概念的に示すブロック図である。図2に示されるように、本実施形態の電池制御部120は、動作制御部121を少なくとも有する。
【0027】
動作制御部121は、電池パック10の充電時および放電時の動作を制御する。動作制御部121は、電池パック10の動作開始時または電池パック10のメンテナンス時に、電池パック10を定電流モードで動作させる。定電流モードとは、電池パック10の充電電流または放電電流が、ある一定値に制限されるモードを意味する。電池パック10の動作開始時とは、例えば、電池パック10に接続された電気機器を始動させるために電力を供給し始めるタイミングを意味する。また、電池パック10のメンテナンス時とは、例えば、新しい二次電池111の追加、劣化した二次電池111の交換、キャパシタ等の電子部品の追加/交換など、電池パック10の点検や修理を行うタイミングを意味する。
【0028】
上記構成によれば、動作開始時またはメンテナンス時には、電池パック10の内部に流れる電流がある一定値に制限される。ここで、動作開始時には、電池部110の端子電圧と、外部の電気機器に接続される電池パック10の外部端子の端子電圧とに差があり、突入電流が発生する可能性がある。また、メンテナンス時に、新しい二次電池111の追加、劣化した二次電池111の交換、キャパシタ等の電子部品の追加/交換などを行う場合、交換部品を接続するに電圧差が生じて突入電流が発生する可能性がある。上述の構成によれば、電池パック10の動作開始時または電池パック10のメンテナンス時に発生し得る突入電流を防ぎ、電池パック10の回路部品を保護することができる。
【0029】
また、図2に示されるように、本実施形態の電池制御部120は、異常検知部122、および情報記憶部123をさらに有する。
【0030】
異常検知部122は、電池パック10の異常を検知する。異常検知部122は、電池パック10の電圧、電流、温度等の測定値が正常な範囲を超える場合に、電池パック10に異常が発生したと判断することができる。なお、電圧、電流、温度等の測定値に対して定義される正常な範囲は、例えば、電池制御部120の記憶領域(図示せず)に記憶されている。
【0031】
情報記憶部123は、強制停止可否情報を記憶している。強制停止可否情報は、電池パック10の強制停止の可否を示している。本実施形態の動作制御部121は、異常検知部122により電池パック10の異常が検知された場合、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報に基づいて、電池パック10を上述の定電流モードで動作させるか或いは強制停止させるかを決定する。具体的には、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報が「強制停止可能」を示す場合、動作制御部121は、電池パック10を強制停止させる。一方、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報が「強制停止不可」を示す場合、動作制御部121は、電池パック10を定電流モードで動作させる。
【0032】
上述の構成によれば、情報記憶部123に記憶される強制停止可否情報に応じて、電池パック10の異常発生後における当該電池パック10の動作を制御することができる。例えば、情報記憶部123が「強制停止不可」を示す強制停止可否情報を記憶している場合、電池パック10に異常が発生したとしても、電池パック10は放電電流が制限された定電流モードで動作し続ける。そして、電池パック10が定電流モードで動作し続けることにより、電池パック10の電力で動作する電気機器は停止しない。このようにすることで、電池パック10に異常が発生した場合に電池パック10の動作を強制停止させることによって、別の問題が発生することを防止できる。例えば、ドローンといった無人飛行体がある程度高い位置を飛行しているときに電池パック10を強制停止させた場合、その無人飛行体が落下の衝撃で破損してしまう可能性もある。上述の構成によれば、このような問題を回避することができる。
【0033】
〔電池制御部120のハードウエア構成〕
電池制御部120は、例えば、組込型のマイクロコンピュータとして実現され得る。マイクロコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ、メモリやストレージといった記憶領域などを備える。マイクロコンピュータは、電気的配線によって、電池部110、外部通信端子170、および電池パック10内のその他の回路部品と接続される。マイクロコンピュータの記憶領域には、動作制御部121、異常検知部122、および情報記憶部123の機能をそれぞれ実現するプログラムモジュールが記憶されている。マイクロコンピュータのプロセッサが、記憶領域に記憶されたプログラムモジュールを呼び出して実行し、電池パック10内の回路部品と協働することにより、上述の各機能が実現される。
【0034】
[第2実施形態]
本実施形態は、後述の点を除き、第1実施形態と同様である。
【0035】
〔機能構成〕
図3は、第2実施形態に係る電池制御部120の機能構成を概念的に示すブロック図である。図3に示されるように、本実施形態の電池制御部120は、第1実施形態の構成(例:図2)に加えて、イベント検出部124および情報書換部125を有する。
【0036】
イベント検出部124は、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報の書換イベントを検出する。また、情報書換部125は、イベント検出部124により検出された書換イベントに応じて、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報を書き換える。
【0037】
強制停止可否情報の書換イベントは、電池パック10に接続され、当該電池パック10からの電力により動作する電気機器に応じて任意に設定され得る。例えば、電気機器がドローンなどの無人飛行体である場合、イベント検出部124は、外部通信端子170を介して当該無人飛行体からの出力信号を検出する。
【0038】
一例として、イベント検出部124は、無人飛行体の操縦者による遠隔操作に基づいて当該無人飛行体から出力される出力信号を検出することができる。この遠隔操作は、強制停止可否情報を「強制停止可能」または「強制停止不可」のいずれかに設定する指示を無人飛行体に向けて送信する操作である。この遠隔操作は、例えば、無人飛行体と通信するスマートフォンやタブレットPC(Personal Computer)上で行われる。他の一例として、イベント検出部124は、無人飛行体に備えられた各種センサの出力信号を検出することができる。例えば、イベント検出部124は、無人飛行体に備えられた高度センサから、当該無人飛行体の飛行高度を示す信号を取得することができる。また例えば、イベント検出部124は、無人飛行体に備えられたGPS(Global Positioning System)センサから、当該無人飛行体の飛行位置を示す信号を取得することができる。さらに他の一例として、イベント検出部124は、無人飛行体に備えられた安全装置(例えば、パラシュートなど)が正常に作動した場合、無人飛行体から当該安全装置が正常に作動したことを示す出力信号を検出することができる。イベント検出部124は、先に例示した出力信号の少なくとも1つを検出する。
【0039】
そして、情報書換部125は、イベント検出部124により検出された、電気幾何からの出力信号に基づいて、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報を書き換える。一例として、電気機器が無人飛行体である場合において、初期状態で、情報記憶部123には「強制停止不可」を示す強制停止可否情報が記憶されていたとする。そして、イベント検出部124が、無人飛行体の操縦者による遠隔操作に応じて、当該無人飛行体から、強制停止可否情報を「強制停止可能」に書き換える旨の出力信号を検出したとする。この場合、情報書換部125は、情報記憶部123に記憶される強制停止可否情報を「強制停止可能」に書き換える。他の一例として、イベント検出部124が、無人飛行体からの高度センサの出力信号を検出したとする。この場合、情報書換部125は、当該出力信号が示す無人飛行体の高度が所定の閾値以下か否かを判定する。この所定の閾値は、例えば、電池パック10を強制停止して無人飛行体が落下しても問題ない程度の高さとして、電池制御部120の記憶領域に記憶されている。そして、情報書換部125は、その判定結果に応じて、情報記憶部123に記憶される強制停止可否情報を「強制停止可能」または「強制停止不可」のいずれかに設定する。さらに他の一例として。イベント検出部124が、パラシュートなどの安全装置が正常に作動したことを示す出力信号を無人飛行体から取得したとする。この場合、電池パック10を強制停止させても、安全装置によって無人飛行体が落下時に破損する可能性が低い。よって、この場合、情報書換部125は、情報記憶部123に記憶される強制停止可否情報を「強制停止可能」に設定することができる。
【0040】
第1実施形態で説明したように、動作制御部121は、異常検知部122により電池パック10の異常が検出された場合、情報記憶部123に記憶された強制停止可否情報に基づき、電池パック10を定電流モードで動作させるか或いは強制停止させる。なお、動作制御部121が強制停止可否情報に基づいて電池パック10を定電流モードで動作させた後、上述したように、情報書換部125によって情報記憶部123に記憶される強制停止可否情報が「強制停止可能」に書き換えられる可能性がある。そこで、本実施形態の動作制御部121は、書き換え後の強制停止可否情報に基づいて、電池パック10を強制停止させるか否かを決定するように構成される。
【0041】
〔電池制御部120のハードウエア構成〕
本実施形態において、マイクロコンピュータの記憶領域には、更に、イベント検出部124および情報書換部125の機能をそれぞれ実現するプログラムモジュールが記憶されている。マイクロコンピュータのプロセッサが、記憶領域に記憶されたプログラムモジュールを呼び出して実行し、電池パック10内の回路部品と協働することにより、上述の各機能が実現される。
【0042】
〔処理の流れ〕
以下、図を用いて、本実施形態における処理の流れの具体例を説明する。
【0043】
<動作開始時からの処理の流れ>
図4は、電池パック10の動作開始時からの処理の流れを例示するフローチャートである。
【0044】
まず、電池パック10は、外部通信端子170を介して、電気機器からの起動指示を受信する(S102)。異常検知部122は、電気機器からの起動指示に応じて、電池パック10の起動前の電流、電圧、温度などのテスト測定値や直前の動作時の測定値の履歴などを参照して、電池パックに異常がないか否かを判断する(S104)。
【0045】
S104の判定処理で電池パックの異常が検出された場合(S104:YES)、動作制御部121は、電池パック10を起動させず、処理を終了する。この場合において、動作制御部121は、電気機器側に電池異常による起動エラーを示す信号を外部通信端子170を介して通知してもよい。
【0046】
一方、S104の判定処理で電池パックの異常が検出されなかった場合(S104:NO)、動作制御部121は、電池パック10を起動させる。なお、ここでは電池パック10の動作開始時であるため、動作制御部121は、定電流モードで電池パック10の動作を制御する(S106)。
【0047】
その後、異常検知部122は、電池パック10の電圧、電流、温度などを適宜測定して、電池パック10に異常が発生していないかどうかを監視する(S108)。
【0048】
S108の判定処理で電池パック10に異常が検出された場合(S108:YES)、詳しくは後述するような、電池異常時処理が実行される。
【0049】
一方、S108の判定処理で電池パック10に異常が検出されなかった場合(S108:NO)、動作制御部121は、定電流モードでの動作を解除して、電池パック10を通常モードで動作させても問題かないか否かを判定する。具体的には、動作制御部121は、電池パック10の正極端子の電圧VBAT+と外部負極端子160の電圧VPACK+との差分値が所定の閾値電圧Vth以下となったか否かを判定する(S110)。なお、所定の閾値電圧Vthは、電池パック10の回路に影響を与える大きさの電流が生じない程度の電圧値に設定される。所定の閾値電圧Vthは、例えば、電池制御部120の記憶領域に記憶されている。
【0050】
電池パック10の正極端子の電圧VBAT+と外部負極端子160の電圧VPACK+との差分値が所定の閾値電圧Vthを超えている場合(S110:NO)、処理はS108に戻る。
【0051】
一方、電池パック10の正極端子の電圧VBAT+と外部負極端子160の電圧VPACK+との差分値が所定の閾値電圧Vth以下である場合(S110:YES)、電池パック10の回路に影響を与える大きさ電流(突入電流)が生じない。よって、この場合、動作制御部121は、定電流モードでの動作を解除して、通常モードで電池パック10の動作を制御する(S112)。具体的には、動作制御部121は、定電流制御部130に対してゲート電圧による電流制限を解除させる指示を送信する。定電流制御部130は、当該指示に応じてゲート電圧を上げる。これにより、第1のスイッチ素子FETまたは第2のスイッチ素子FETのドレイン電流に対する制限が解除される。
【0052】
その後、異常検知部122は、S108の処理と同様に、電池パック10の電圧、電流、温度などを適宜測定して、電池パック10に異常が発生していないかどうかを監視する(S114)。
【0053】
S114の判定処理で電池パック10に異常が検出された場合(S114:YES)、詳しくは後述するような、電池異常時処理が実行される。
【0054】
一方、S114の判定処理で電池パック10に異常が検出されなかった場合(S114:NO)、動作制御部121は、電気機器の動作の終了に伴い電池パック10の動作を停止させる指示(動作停止指示)、電池パック10に接続された電気機器から受信したか否かを監視する(S116)。
【0055】
電池パック10に接続された電気機器から動作停止指示を受領していない場合(S116:NO)、処理はS114に戻る。
【0056】
一方、 電池パック10に接続された電気機器から動作停止指示を受領した場合(S116:YES)、動作制御部121は、電池パック10の動作を停止させる(S118)。具体的には、動作制御部121は、第1のスイッチ素子FETおよび第2のスイッチ素子FETをオフ状態とする旨の指示を定電流制御部130に送信する。定電流制御部130は、この指示に応じて各スイッチ素子のゲート電圧を調整し、各スイッチ素子をオフする。これにより、電池パック10の動作は停止する。
【0057】
<電池異常時処理>
図5は、電池異常時処理の流れを例示するフローチャートである。
【0058】
まず、動作制御部121は、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報を確認する(S202)。情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報が「不可」を示している場合(S202:「不可」)、動作制御部121は、定電流モードで電池パックの動作を制御する(S204)。その後、動作制御部121は、強制停止可否情報が「不可」に書き換えられるまで、定電流モードで電池パック10の動作を制御する。強制停止可否情報を書き換る処理は、図4および図5の処理とは別に実行されている。強制停止可否情報を書き換える処理については後述する。
【0059】
一方、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報が「可能」を示している場合(S202:「可能」)、動作制御部121は、電池パック10の動作を停止させる(S206)。動作制御部121は、上述したように、第1のスイッチ素子FETおよび第2のスイッチ素子FETをオフ状態とする旨の指示を定電流制御部130に送信する。定電流制御部130は、この指示に応じて各スイッチ素子のゲート電圧を調整し、各スイッチ素子をオフする。これにより、電池パック10の動作は停止する。
【0060】
<強制停止可否情報書換処理>
図6は、強制停止可否情報を書き換える処理の流れを例示するフローチャートである。
【0061】
イベント検出部124は、強制停止可否情報の書換イベントが検出されたか否かを判定する(S302)。イベント検出部124は、例えば、電池パック10と接続されている電気機器からの出力信号に基づいて、書換イベントが発生したか否かを判定することができる。イベント検出部124は、電気機器からの出力信号を、外部通信端子170を介して受信することができる。
【0062】
書換イベントが検出されない場合(S302:NO)、以下に記載する処理は実行されない。一方、書換イベントが検出された場合、情報書換部125は、当該検出された書換イベントに対応する、強制停止可否情報の設定値を判別する(S304)。この設定値は、電池パック10の強制停止を可能とする設定値(「可能」)、および、電池パック10の強制停止を不可能とする設定値(「不可」)のいずれかである。書換イベント毎の設定値は、例えば、電池制御部120の記憶領域に予め記憶されている。情報書換部125は、当該記憶領域に記憶されている情報を参照して、S302の処理で検出された書換イベントに対応する、強制停止可否情報の設定値を取得することができる。検出された書換イベントに対応する設定値が「可能」である場合(S304:「可能」)、情報書換部125は、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報を「可能」に書き換える(S306)。一方、検出された書換イベントに対応する設定値が「不可」である場合(S304:「不可」)、情報書換部125hは、情報記憶部123に記憶されている強制停止可否情報を「不可」に書き換える(S308)。
【0063】
<メンテナンス時の処理の流れ>
図7は、電池パック10のメンテナンス時の処理の流れを例示するフローチャートである。
【0064】
まず、動作制御部121は、電池パック10のメンテナンスモードへの移行イベントが検出されたか否かを判定する(S402)。動作制御部121は、メンテナンスモードへの移行イベントとして、例えば、電池パック10が電気機器から取り外されたこと、電池パック10の外装パーツが取り外されたことなどを検出することができる。なお、動作制御部121は、電池パック10が電気機器から取り外されたことを、外部正極端子150、外部負極端子160、または、外部通信端子170の導通状態から検出することができる。また、動作制御部121は、電池パック10の外装パーツが取り外されたことを、例えば、外装パーツに設けたボタンの押下状態(例えば、当該ボタンが押下されている場合は「取り付け中」、当該ボタンが押下されていない場合は「取り外し中」など)に基づいて判別することができる。
【0065】
メンテナンスモードへの移行イベントが検出されない場合(S402:NO)、後述の処理は実行されない。一方、メンテナンスモードへの移行イベントが検出された場合(S402:YES)、動作制御部121は、定電流モードで電池パック10の動作を制御する(S404)。また、メンテナンス時に定電流モードで電池パック10の動作を制御している際、動作制御部121は、電池パック10の正極端子の電圧VBAT+と外部正極端子150の電圧VPACK+との差分が所定の閾値VTh以下となったか否かを監視していてもよい。そして、動作制御部121は、電池パック10の正極端子の電圧VBAT+と外部正極端子150の電圧VPACK+との差分が所定の閾値VTh以下となった場合に、定電流モードでの動作を解除してもよい。
【0066】
以上、図面を参照して本発明の施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0067】
例えば、各実施形態の説明に用いた各図の構成に限らず、第1のスイッチ素子FETC、第1の抵抗RC、第2のスイッチ素子FETD、第2の抵抗RDは負極端子側にもうけられていてもよい。
【0068】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0069】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
二次電池を含む電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段を備え、
前記動作制御手段は、前記電池パックの動作開始時または前記電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させる、
電池制御装置。
2.
前記動作制御手段は、前記電池パックを定電流モードで動作させているときに、前記電池パックからの電力により動作する機器と接続される前記電池パックの外部接続端子の電圧と、前記二次電池の開放電圧との差分が基準以下となった場合、前記定電流モードを解除する、
1.に記載の電池制御装置。
3.
電池パックの異常を検知する異常検知手段と、
前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報を記憶する情報記憶手段と、
前記電池パックの充電時および放電時の動作を制御する動作制御手段と、を備え、
前記動作制御手段は、
前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された場合、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
電池制御装置。
4.
前記強制停止可否情報の書換イベントを検出するイベント検出手段と、
前記イベント検出手段により検出された前記書換イベントに応じて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える情報書換手段と、を更に備え、
前記動作制御手段は、前記異常検知手段により前記電池パックの異常が検出された後、前記情報書換手段により前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報が書き換えられた場合に、当該書き換え後の前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを強制停止させるか否かを決定する、
3.に記載の電池制御装置。
5.
前記イベント検出手段は、前記電池パックからの電力により動作する機器からの出力信号を検出し、
前記情報書換手段は、前記イベント検出手段により検出された前記機器からの出力に基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える、
4.に記載の電池制御装置。
6.
前記機器は無人飛行体である、
5.に記載の電池制御装置。
7.
前記イベント検出手段は、前記無人飛行体の操縦者による遠隔操作に基づく出力信号、前記無人飛行体に備えられたセンサの出力信号、および、前記無人飛行体に備えられた安全装置が正常に作動したことを示す出力信号の少なくともいずれか1つを検出する、
6.に記載の電池制御装置。
8.
二次電池と、
1.から7.のいずれか1つに記載の電池制御装置と、
を備える電池パック。
9.
コンピュータが、
二次電池を含む電池パックの動作開始時または前記電池パックのメンテナンス時に、前記電池パックを定電流モードで動作させることを含む電池制御方法。
10.
前記コンピュータが、前記電池パックを定電流モードで動作させているときに、前記電池パックからの電力により動作する機器と接続される前記電池パックの外部接続端子の電圧と、前記二次電池の開放電圧との差分が基準以下となった場合、前記定電流モードを解除する、
ことを更に含む9.に記載の電池制御方法。
11.
コンピュータが、
電池パックの異常を検知した場合、情報記憶手段に記憶されている、前記電池パックの強制停止の可否を示す強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを定電流モードで動作させるか強制停止させるかを決定する、
ことを含む電池制御方法。
12.
前記コンピュータが、
前記強制停止可否情報の書換イベントを検出し、
検出された前記書換イベントに応じて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換え、
前記電池パックの異常が検出された後、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報が書き換えられた場合に、当該書き換え後の前記強制停止可否情報に基づいて、前記電池パックを強制停止させるか否かを決定する、
ことを更に含む11.に記載の電池制御方法。
13.
前記コンピュータが、
前記電池パックからの電力により動作する機器からの出力信号を検出し、
検出された前記機器からの出力に基づいて、前記情報記憶手段に記憶されている前記強制停止可否情報を書き換える、
ことを更に含む12.に記載の電池制御方法。
14.
前記機器は無人飛行体である、
13.に記載の電池制御方法。
15.
前記コンピュータが、
前記無人飛行体の操縦者による遠隔操作に基づく出力信号、前記無人飛行体に備えられたセンサの出力信号、および、前記無人飛行体に備えられた安全装置が正常に作動したことを示す出力信号の少なくともいずれか1つを検出する、
ことを更に含む14.に記載の電池制御方法。
16.
コンピュータに9.または10.に記載の電池制御方法を実行させるプログラム。
17.
コンピュータに11.から15.のいずれか1項に記載の電池制御方法を実行させるプログラム。
【0070】
この出願は、2018年1月26日に出願された日本出願特願2018-012011号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7