(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】変化する道路条件に関し乗り物を支援する技術
(51)【国際特許分類】
G08G 1/09 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
G08G1/09 V
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020004201
(22)【出願日】2020-01-15
(62)【分割の表示】P 2017543789の分割
【原出願日】2016-02-26
【審査請求日】2020-01-15
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-24
(32)【優先日】2015-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】522426098
【氏名又は名称】タホ リサーチ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】タトウリアン,イゴル
(72)【発明者】
【氏名】ワウハイビ,リタ エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】リー,ホーン
【合議体】
【審判長】河端 賢
【審判官】青木 良憲
【審判官】山本 信平
(56)【参考文献】
【文献】再公表特許第2014/033944(JP,A1)
【文献】特開2009-236714(JP,A)
【文献】特開2012-43444(JP,A)
【文献】特開2012-47759(JP,A)
【文献】特開2009-123153(JP,A)
【文献】特開2008-234044(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の乗り物内コンピューティング・システムに:
前記乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信する段階と;
乗り物支援データを
前記乗り物支援サーバーから受信する段階であって、前記乗り物支援データは、
前記乗り物プロファイル情報と、前記乗り物の位置に対応する道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データとに基づいて生成されたものであ
って、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含む、段階と;
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物支援サーバーから受信する段階であって、前記道路条件データは、前記道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、段階と;
前記道路条件データを前記ドライバーに通知する段階と;
受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定する段階と;
受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こす段階とを実行させるための、コンピュータ・プログラム。
【請求項2】
前記プロファイル情報が乗り物動作データを含み、前記乗り物動作データが前記乗り物の位置を含む、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項3】
前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすことが、クルーズ・コントロール・システムの設定の調整を引き起こすことを含む、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項4】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上の交通を示す、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項5】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上のすべりやすい状態を示す、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項6】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上の動物を示す、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項7】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上の障害物を示す、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項8】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメントの道路勾配を示す、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項9】
前記乗り物内コンピューティング・システムに:
前記道路セグメントに関連する追加的な道路データを示す、前記乗り物の一つまたは複数のセンサーからのセンサー・データを受領する段階と;
前記追加的な道路データを前記乗り物支援サーバーに送信する段階とを実行させるための命令をさらに含み、前記追加的な道路データは、クラウドソーシングに基づいて追加的な乗り物支援データを生成するために前記乗り物支援サーバーによって使用可能である、
請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項10】
前記乗り物内コンピューティング・システムに:
前記道路セグメント上の障害物を示す、前記乗り物の一つまたは複数のセンサーからのセンサー・データを受領する段階と;
前記道路セグメント上の前記障害物の指示を前記乗り物支援サーバーに送信する段階とを実行させるための命令をさらに含む、
請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項11】
前記乗り物内コンピューティング・システムに:
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路ハザード・データを前記乗り物支援サーバーから受信する段階であって、前記道路ハザード・データは、前記道路セグメント上での交通渋滞を示す、段階と;
前記道路ハザード・データに基づいて前記乗り物の将来の速度を予測する段階とを実行させるための命令をさらに含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定することは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値を決定することを含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすことは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値の調整を引き起こすことを含む、
請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項12】
前記乗り物内コンピューティング・システムに:
前記乗り物支援データに基づいて、前記道路セグメントに関連するエネルギー使用を予測する段階を実行させるための命令をさらに含む、
請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項13】
前記乗り物内コンピューティング・システムに:
前記乗り物支援データに基づいて、前記道路セグメントの勾配の変化を予測する段階を実行させるための命令をさらに含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定することは、前記道路セグメントの予測された勾配の変化に基づいて調整されるべきギア・パラメータ値を決定することを含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすことは、前記道路セグメントの予測された勾配の変化に基づいて、前記ギア・パラメータ値の調整を引き起こすことを含む、
請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項14】
乗り物支援サーバーに:
複数の乗り物のそれぞれから道路データを受信する段階であって、前記道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通ったある道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む、段階と;
乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を前記乗り物から受信する段階と;
前記複数の乗り物の集合から受信された道路データを総合して、前記道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データを生成する段階と;
前記乗り物のための乗り物支援データを、前記乗り物の
前記乗り物プロファイル情報および前記道路セグメントに関連付けられた前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて決定する段階であって、前記乗り物支援データは、前記乗り物の乗り物内コンピューティング装置によって、前記乗り物による前記道路セグメントの通過を容易にするために使用可能であ
って、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含む、段階と;
前記乗り物支援データを前記乗り物に送信する段階と;
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物に送信する段階であって、前記道路条件データは、前記道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、段階とを実行させるための、
コンピュータ・プログラム。
【請求項15】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上の交通を示す、請求項14記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項16】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメントの道路勾配を示す、請求項14記載のコンピュータ・プログラム。
【請求項17】
乗り物であって:
前記乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信し、乗り物支援データを
前記乗り物支援サーバーから受信する通信回路であって、前記乗り物支援データは、
前記乗り物プロファイル情報と、前記乗り物の位置に対応する道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データとに基づいて生成されたものであ
って、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含み、該通信回路はさらに、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物支援サーバーから受信し、前記道路条件データは、前記道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、通信回路と;
乗り物支援回路とを有しており、前記乗り物支援回路は:
前記道路条件データを前記ドライバーに通知し;
受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定し;
受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こす、
乗り物。
【請求項18】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上のすべりやすい状態を示す、請求項17記載の乗り物。
【請求項19】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメントの道路勾配を示す、請求項17記載の乗り物。
【請求項20】
前記通信回路がさらに:
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路ハザード・データを前記乗り物支援サーバーから受信し、前記道路ハザード・データは、前記道路セグメント上での交通渋滞を示し、
前記乗り物支援回路がさらに、前記道路ハザード・データに基づいて前記乗り物の将来の速度を予測し、
前記受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定することは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値を決定することを含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすことは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値の調整を引き起こすことを含む、
請求項17記載の乗り物。
【請求項21】
一つまたは複数のプロセッサと;
前記一つまたは複数のプロセッサに結合されたメモリと;
複数の命令を含む一つまたは複数の機械可読媒体とを有する乗り物支援サーバーであって、前記複数の命令は実行されたときに前記乗り物支援サーバーに:
複数の乗り物のそれぞれから道路データを受信する段階であって、前記道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通ったある道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む、段階と;
前記乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を前記乗り物から受信する段階と;
前記複数の乗り物の集合から受信された道路データを総合して、前記道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データを生成する段階と;
前記乗り物のための乗り物支援データを、前記乗り物の
前記乗り物プロファイル情報および前記道路セグメントに関連付けられた前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて決定する段階であって、前記乗り物支援データは、前記乗り物の乗り物内コンピューティング装置によって、前記乗り物による前記道路セグメントの通過を容易にするために使用可能であ
って、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含む、段階と;
前記乗り物支援データを前記乗り物に送信する段階と;
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物に送信する段階であって、前記道路条件データは、前記道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、段階とを実行させるものである、
乗り物支援サーバー。
【請求項22】
前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データが前記道路セグメント上のすべりやすい状態を示す、請求項21記載の乗り物支援サーバー。
【請求項23】
乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信し、乗り物支援データを
前記乗り物支援サーバーから受信する通信回路であって、前記乗り物支援データは、
前記乗り物の
前記乗り物プロファイル情報と、前記乗り物の位置に対応する道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データとに基づいて生成されたものであ
って、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含み、該通信回路は、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物支援サーバーから受信し、前記道路条件データは、前記道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、通信回路と;
出力モジュールとを有する計算装置であって、
前記出力モジュールは:
前記道路条件データを前記ドライバーに通知し;
受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき前記乗り物の乗り物パラメータ値を決定し;
受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすものである、
計算装置。
【請求項24】
前記通信回路がさらに、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路ハザード・データを前記乗り物支援サーバーから受信するものであり、前記道路ハザード・データは、前記道路セグメント上での交通渋滞を示し、
前記出力モジュールはさらに、前記道路ハザード・データに基づいて前記乗り物の将来の速度を予測するものであり、
前記受信された乗り物支援データに基づいて調整されるべき乗り物パラメータ値を決定することは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値を決定することを含み、
前記受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物パラメータ値の調整を引き起こすことは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値の調整を引き起こすことを含む、
請求項23記載の計算装置。
【請求項25】
乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信し、乗り物支援データを
前記乗り物支援サーバーから受信する制御回路であって、前記乗り物支援データは、
前記乗り物の位置に対応する道路データに基づ
くものであって、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含む、前記制御回路は、クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物支援サーバーから受信し、
前記道路条件データを前記ドライバーに通知し、前記道路条件データは、前記乗り物の位置に対応する道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示し、
前記制御回路は、受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物の動作を調整するための情報を決定するものである、制御回路と;
前記道路条件データを前記ドライバーに通知し、前記乗り物の動作を調整するために前記情報を送るインターフェース・ユニットとを有する、
コンピューティング・システム。
【請求項26】
前記制御回路がさらに:
クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路ハザード・データを前記乗り物支援サーバーから受信する段階であって、前記道路ハザード・データは、前記道路セグメント上での交通渋滞を示す、段階と、
前記道路ハザード・データに基づいて前記乗り物の将来の速度を予測する段階とを実行するものであり、
前記受信された乗り物支援データに基づいて前記乗り物の動作を調整するための情報を決定することは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値を決定することを含み、
前記乗り物の動作を調整するために前記情報を送ることは、前記スロットル・パラメータ値を送ることを含む、
請求項25記載のコンピューティング・システム。
【請求項27】
乗り物のドライバーの運転スタイルを含む乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信し、乗り物支援データを
前記乗り物支援サーバーから受信する制御回路であって、前記乗り物支援データは、
前記乗り物の位置に対応する道路データに基づ
くものであって、前記運転スタイルに基づいて決定された、前記乗り物が燃料補給を必要とするまでに進みうる距離を含み、前記制御回路がさらに、クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路条件データを前記乗り物支援サーバーから受信し、前記道路条件データは、前記乗り物の位置に対応する道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す、制御回路と;
前記制御回路に協働的に接続されたプロセッサであって、前記プロセッサは、
前記道路条件データを前記ドライバーに通知し、前記乗り物の動作を調整するための情報を決定し、前記乗り物の前記動作の調整をトリガーする信号を出力するものである、プロセッサとを有する、
コンピューティング・システム。
【請求項28】
前記制御回路がさらに:
クラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された道路ハザード・データを前記乗り物支援サーバーから受信するものであり、前記道路ハザード・データは、前記道路セグメント上での交通渋滞を示し、
前記プロセッサはさらに、前記道路ハザード・データに基づいて前記乗り物の将来の速度を予測するものであり、
前記乗り物の動作を調整するための情報を決定することは、予測された将来の速度に基づいてスロットル・パラメータ値を決定することを含み、
前記乗り物の前記動作の調整をトリガーする信号を出力することは、前記スロットル・パラメータ値を出力することを含む、
請求項27記載のコンピューティング・システム。
【請求項29】
請求項1ないし13のうちいずれか一項記載のコンピュータ・プログラムが記憶されている一つまたは複数の機械可読記憶媒体。
【請求項30】
請求項14ないし16のうちいずれか一項記載のコンピュータ・プログラムが記憶されている一つまたは複数の機械可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は2015年3月27日に出願された「変化する道路条件に関し乗り物を支援する技術」と題する米国実用特許出願第14/671,755号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
高級自動車を含む多くの現代の乗り物〔ビークル(vehicle)〕は、乗る人の経験を改善するために一つまたは複数の乗り物内コンピューティング・システムを含んでいる。乗り物内コンピューティング・システムは、乗り物についての多くの異なる型の情報を得るためのさまざまなセンサー、たとえば温度センサー、タイヤ圧センサー、カメラ、レーダー、ライダー、オイル圧センサー、燃料タンク・センサー、速度センサーなどを含んでいてもよい。これらの乗り物センサーは協働してドライバーに情報を与えるとともに、乗り物内コンピューティング・システムが乗り物を運転する経験を改善できるようにする。しかしながら、そのような情報は典型的には、その特定の乗り物のセンサーによって生成された、その乗り物の過去の運用に制限されていることがありうるセンサー・データのみに基づく。
【図面の簡単な説明】
【0003】
本稿に記載される概念は、限定ではなく例として付属の図面において示される。図示の簡明のため、図面に示される要素は必ずしも縮尺どおりに描かれていない。適切と考えられる場合には、対応するまたは類似の要素を示すために参照符号が複数の図面の間で反復されている。
【
図1】乗り物支援データを生成するための乗り物支援システムの少なくとも一つの実施形態のブロック概略図である。
【
図2】
図1のシステムの乗り物支援サーバーの少なくとも一つの実施形態のブロック概略図である。
【
図3】
図1のシステムの乗り物内コンピューティング・システムの少なくとも一つの実施形態のブロック概略図である。
【
図4】
図2の乗り物支援サーバーによって確立されうる環境の少なくとも一つの実施形態のブロック概略図である。
【
図5】
図3の乗り物内コンピューティング・システムによって確立されうる環境の少なくとも一つの実施形態のブロック概略図である。
【
図6】
図2の乗り物支援サーバーによって実行されうるクラウドソーシングされた道路データを生成する方法の少なくとも一つの実施形態の概略的な流れ図である。
【
図7】
図2の乗り物支援サーバーによって実行されうる乗り物支援データを生成する方法の少なくとも一つの実施形態の概略的な流れ図である。
【
図8】
図3の乗り物内コンピューティング・システムによって実行されうる、乗り物のドライバーを支援する方法の少なくとも一つの実施形態の概略的な流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本開示の概念は、さまざまな修正および代替形を受けることができるものの、例としてその個別的な実施形態が図面において示されており、本稿において詳細に記載される。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形に限定する意図はなく、逆に、意図は、本開示および付属の請求項と整合するあらゆる修正、等価物および代替をカバーすることである。
【0005】
本明細書における「一つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、記載されるその実施形態が特定の特徴、構造または特性を含みうることを示すが、すべての実施形態がその特定の特徴、構造または特性を含むこともあれば、必ずしも含まないこともある。さらに、そのような句は必ずしも同じ実施形態を指しているのではない。さらに、特定の特徴、構造または特性がある実施形態との関連で記述されるとき、そのような特徴、構造または特性を他の実施形態との関連で実施することは、明示されているか否かによらず、当業者の知識の範囲内であることを述べておく。さらに、「少なくとも一つのA、BおよびC」は(A);(B);(C);(AおよびB);(AおよびC);(BおよびC);または(A、BおよびC)を意味することができる。同様に、「A、BまたはCの少なくとも一つ」の形で挙げられた項目は(A);(B);(C);(AおよびB);(AおよびC);(BおよびC);または(A、BおよびC)を意味することができる。
【0006】
開示される実施形態は、場合によっては、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの任意の組み合わせで実装されうる。開示される実施形態は、一時的または非一時的な機械可読(たとえばコンピュータ可読)記憶媒体に搬送されるまたは記憶される命令として実装されてもよく、該命令は一つまたは複数のプロセッサによって読まれ、実行されてもよい。機械可読記憶媒体は、機械によって読み取り可能な形で情報を記憶または伝送するための任意の記憶装置、機構または他の物理的構造(たとえば、揮発性または不揮発性メモリ、メディア・ディスクまたは他のメディア・デバイス)として具現されうる。
【0007】
図面において、いくつかの構造的または方法の特徴が特定の配置および/または順序において示されることがあるが、そのような特定の配置および/または順序は必須ではないことがあることは理解しておくべきである。むしろ、いくつかの実施形態では、そのような特徴は、例示的な図に示したのとは異なる仕方および/または順序で配列されてもよい。さらに、構造的または方法の特徴が特定の図に含まれることは、そのような特徴がすべての実施形態において必要とされることを含意することは意図されていない。いくつかの実施形態では、含まれなくてもよく、あるいは他の特徴と組み合わされてもよい。
【0008】
ここで
図1を参照するに、クラウドソーシングされた道路データを収集し、変化する道路条件に関して乗り物を支援する例示的なシステム100が示されている。システム100は、道路システム106に接続された乗り物支援サーバー102を含む。道路システム106は、一つまたは複数の乗り物内コンピューティング・システム110、一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサー112および他のセンサー114を含んでいてもよい。乗り物支援サーバー102は乗り物内コンピューティング・システム110、インフラストラクチャー・センサー112および他のセンサー114にネットワーク104を通じて接続される。
図1の例示的実施形態は二つの乗り物内コンピューティング・システム110および二つのインフラストラクチャー・センサー112を含んでいるが、任意の数の乗り物内コンピューティング・システム110またはインフラストラクチャー・センサー112が乗り物支援サーバー102に接続されうることは理解しておくべきである。ネットワーク104はいかなる型の通信ネットワークでもよく、そのような通信を実施するために、いかなる一つまたは複数の通信技術(たとえば有線または無線通信)および関連するプロトコル(たとえばイーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、W-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使うよう構成されてもよい。
【0009】
それぞれの乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物108に関連付けられている。乗り物(vehicle)108は、道路に沿って進行できるいかなる型の乗り物として具現されてもよく、ガソリン動力自動車、ディーゼル動力自動車、天然ガス動力自動車、電気自動車、全地形型車両、オートバイおよび他の型の車両を含みうる。いくつかの実施形態では、乗り物108は、道路を進行することができない型の乗り物、たとえば船、飛行機、列車またはドローンとして具現されてもよい。インフラストラクチャー・センサー112は、道路システム106に付随する、乗り物108の一部ではないいかなる型のセンサーとして具現されてもよい。インフラストラクチャー・センサー112はたとえば、交通監視カメラ、気象センサー、位置センサー、速度センサーおよび他のセンサーを含みうる。他のセンサー114は、道路データを得るために乗り物支援システム100によって使用される任意の型のセンサーを含む。たとえば、他の型のセンサー114は、道路を監視するために使われるドローン(または他の航空機)に取り付けられたカメラおよび他のセンサーを含んでいてもよい。
【0010】
現在の乗り物システムでは、同じ道路を進む乗り物内コンピューティング・システム110の間での協働はほとんど存在しない。結果として、他の乗り物がほんの少し前に同じ道路条件を経験していたことがありうるという事実にも関わらず、乗り物に組み込まれたシステムの多くは純粋に、その乗り物108が遭遇する変化する道路条件に反応するだけである。たとえば、クルーズ・コントロール・システムのもとで動作する乗り物108が道路の上り坂を上り始めるとき、クルーズ・コントロール・システムは、クルーズ・コントロール・フィードバック・システムをトリガーするのに十分なだけ乗り物108が速度低下するまで、乗り物のスロットルを変えない。道路における上り坂勾配のような変化する道路条件と、クルーズ・コントロールが乗り物108のスロットルをもっと開くこととの間のこうした遅延は、乗り物108が突然シフトダウンするときに、乗り物108に乗っている人にがくんという動きを経験させる。
【0011】
もう一つの例では、乗り物108は、乗り物108が燃料補給されるまたは再充電される必要があるまでの距離を予測することがある。現在の燃料補給距離推定は、道路の上り坂勾配や下り坂勾配を考慮に入れない。推定される燃料補給距離は、乗り物108が坂の多い土地を進む際に大きく変動することがある。たとえば、乗り物108が上り坂を進んでいる間、乗り物108の燃料切れまでの距離の予測は、乗り物108が燃料補給まで10マイルもつことを報告することがありうる。だが乗り物108が下り坂に戻ると、燃料切れまでの距離の予測は乗り物108は燃料補給が必要になるまで200マイルもつことを報告することがありうる。燃料補給距離予測データにおけるこうした変化は、乗り物の操作者における燃料補給の不安を引き起こすことがある。
【0012】
乗り物支援システム100は、道路システム106からクラウドソーシングされた道路データを収集し、道路データを解析し、乗り物支援データを個々の乗り物に供給して、乗り物108および乗り物のドライバーが、反応して乗り物108を制御するのではなく、先を見越して乗り物108を制御できるようにするすべを提供する。たとえば、クラウドソーシングされた道路データを用いて、乗り物支援サーバー102は、乗り物108のクルーズ・コントロール・システムに、道路の上り坂部分が近づいていることを通知し、上り坂勾配に遭遇する前に乗り物108にスロットルをもっと開かせるよう構成されていてもよい。もう一つの例では、乗り物支援サーバー102は、クラウドソーシングされた道路データを使って、近づいている上り坂勾配および下り坂勾配を乗り物108に警報することによって、乗り物108が、より正確な燃料切れまでの距離の推定をもてるようにしてもよい。そうすることにより、乗り物内コンピューティング・システム110は、道路に沿って標高の最終的な変化がどうなるかについての情報を使って、より正確に燃料切れまでの距離の予測を生成できることがありうる。いくつかの実施形態では、乗り物支援サーバー102は、乗り物108の燃料切れまでの距離の推定値を、乗り物内コンピューティング・システム110から受領される情報に基づいて計算する。乗り物支援システム100は、乗り物108の制御システムおよび予測システムが、単に変化する道路条件、たとえば道路勾配の変化、道路表面の変化または気象条件の変化に直面したときに反応するのではなく、先を見越して行動することを許容する。
【0013】
乗り物支援サーバー102の例示的実施形態が
図2に示されている。乗り物支援サーバー102は、クラウドソーシングされた道路データを収集し、道路106を進む乗り物108のための乗り物支援データを生成するよう構成される。乗り物支援サーバー102はプロセッサ220、I/Oサブシステム222、メモリ224およびデータ記憶装置226を含む。サーバー102は、本稿に記載される機能を実行できるいかなる型の計算またはコンピュータ装置として具現されてもよい。それには、限定なしに、コンピュータ、マルチプロセッサ・システム、サーバー、ラックマウント・サーバー、ブレード・サーバー、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ネットワーク・アプライアンス、ウェブ・アプライアンス、分散式コンピューティング・システム、プロセッサ・ベースのシステムおよび/または消費者電子装置が含まれる。むろん、サーバー102は、他の実施形態では、サーバー装置に普通に見出されるもののような、他のまたは追加的なコンポーネント(たとえばさまざまな入出力装置)を含んでいてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、例示的なコンポーネントの一つまたは複数は、別のコンポーネントに組み込まれていてもよく、あるいは他の仕方で別のコンポーネントの一部をなしていてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、メモリ224またはその一部がプロセッサ220に組み込まれていてもよい。
【0014】
プロセッサ220は、本稿に記載される機能を実行することができるいかなる型のプロセッサとして具現されてもよい。たとえば、プロセッサ220は単一コアまたは複数コアのプロセッサ(単数または複数)、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラまたは他のプロセッサまたは処理/制御回路として具現されてもよい。同様に、メモリ224は、本稿に記載される機能を実行できるいかなる型の揮発性または不揮発性メモリまたはデータ記憶として具現されてもよい。動作では、メモリ224は、サーバー102の動作の間に使われるさまざまなデータおよびソフトウェア、たとえばオペレーティング・システム、アプリケーション、プログラム、ライブラリおよびドライバーを記憶していてもよい。メモリ224はプロセッサ220にI/Oサブシステム222を介して通信上結合される。I/Oサブシステム222は、プロセッサ220、メモリ224およびサーバー102の他のコンポーネントとの入出力動作を容易にするための回路および/またはコンポーネントとして具現されてもよい。たとえば、I/Oサブシステム222は、メモリ・コントローラ・ハブ、入出力制御ハブ、ファームウェア装置、通信リンク(すなわちポイントツーポイント・リンク、バス・リンク、ワイヤ、ケーブル、導光路、プリント回路基板トレースなど)および/または入出力動作を容易にするための他のコンポーネントおよびサブシステムとして具現されてもよく、あるいは他の仕方でそれを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、I/Oサブシステム222は、システムオンチップ(SoC)の一部をなしてもよく、プロセッサ220、メモリ224およびサーバー102の他のコンポーネントとともに、単一の集積回路チップ上に組み込まれてもよい。
【0015】
データ記憶装置226は、データの短期または長期の記憶のために構成されたいかなる型の装置(単数または複数)として具現されてもよい。たとえば、メモリ・デバイスおよび回路、メモリ・カード、ハードディスクドライブ、半導体ドライブまたは他のデータ記憶装置である。データ記憶装置226は、サーバー102によって処理される圧縮および/または圧縮解除されたデータを記憶してもよい。
【0016】
サーバー102はまた、通信サブシステム228を含んでいてもよい。これは、コンピュータ・ネットワークを通じて、サーバー102と、たとえば乗り物内コンピューティング・システム110のような他のリモート装置との間の通信を可能にすることができるいかなる通信回路、装置またはその集合体として具現されてもよい。通信サブシステム228は、そのような通信を実施するために、任意の一つまたは複数の通信技術(たとえば有線または無線通信)および関連するプロトコル(たとえばイーサネット〔登録商標〕、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使うよう構成されてもよい。サーバー・コンピューティング装置は、サーバーの機能を実行するために必要になることがある他の周辺機器、たとえばディスプレイ、キーボード、他の入出力装置および他の周辺機器を含むことができる。
【0017】
乗り物支援サーバー102は、一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサー112または他のセンサー114に接続されてもよい。インフラストラクチャー・センサー112および他のセンサー114は、本稿に記載される機能を実行することのできるいかなる型の計算またはコンピュータ装置として具現されてもよい。インフラストラクチャー・センサー112は、条件を測定する、あるいは他の仕方で道路の条件に関連するまたは道路の条件を示すセンサー・データを生成するいかなるセンサーを含んでいてもよい。たとえば、インフラストラクチャー・センサー112は、交通監視カメラ、降水センサーおよび気温センサーのような気象センサー、速度センサー、振動センサー、風速センサーおよび他の型のセンサーを含みうる。道路システム106の条件を測定するために使われる他の型のセンサー114は、ドローンのような航空機上のカメラおよびレーダーを含んでいてもよい。センサー112、114は道路条件を検出するよう構成され、たとえば、カメラ、動きセンサー、気温センサー、レーダー、マイクロフォン、位置センサーおよび他の感知デバイスを含みうる。
【0018】
乗り物内コンピューティング・システム110の例示的実施形態が
図3に示されている。乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物108に関連する条件を感知し、乗り物支援サーバー102から受信される乗り物支援データに基づいて乗り物パラメータを調整するよう構成される。乗り物内コンピューティング・システム110は例示的に、プロセッサ320、メモリ322、I/Oサブシステム324、データ記憶装置334および通信装置336を含む。乗り物内コンピューティング・システム110は、本稿に記載される機能を実行することのできるいかなる型の計算またはコンピュータ装置として具現されてもよい。それには、限定なしに、コンピュータ、マイクロプロセッサ・システム、サーバー、ラックマウント・サーバー、ブレード・サーバー、ラップトップ・コンピュータ、ノートブック・コンピュータ、ネットワーク・アプライアンス、ウェブ・アプライアンス、分散式コンピューティング・システム、プロセッサ・ベースのシステムおよび/または消費者電子装置が含まれる。一般に、上記のサーバーのコンポーネントと同じまたは同様の名称をもつ乗り物内コンピューティング・システム110のコンポーネントは同様に構成されうる。よって、ここではそうした同様のコンポーネントの議論は繰り返さない。
【0019】
乗り物内コンピューティング・システム110のある例示的実施形態は、出力装置326、データ記憶装置334、通信装置336およびセンサー338を含む。出力装置326はユーザー・インターフェース328、ディスプレイ330、スピーカー332および/または他の出力装置(たとえば乗り物制御装置)を含んでいてもよい。下記で論じるように、出力装置326は、ドライバーに、乗り物支援サーバーから受信された乗り物支援データの内容を通知するために使われてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物制御コマンドを含む乗り物支援データを受信するのに応答して、乗り物パラメータを自動的に調整するよう、一つまたは複数の出力装置326を制御してもよい。乗り物パラメータは、乗り物内コンピューティング・システム110によって調整可能な乗り物の任意の特徴または条件、たとえばクルーズ・コントロールの間の乗り物108のスロットルとして具現されてもよい。乗り物制御コマンドが生成されるのは、乗り物支援サーバー102が、運転経験を改善するよう変更されうる乗り物パラメータを判別し、乗り物支援サーバー102がその乗り物パラメータがドライバーからの入力なしに乗り物内コンピューティング・システム110によって変更されうることを判別するときである。たとえば、乗り物支援サーバー102が乗り物108が道路における上り坂勾配に近づきつつあることを判別する場合、乗り物108が坂に着く前に乗り物のスロットルを上げるよう乗り物制御コマンドが乗り物108に送られてもよい。それにより、道路勾配を上る乗車がなめらかかつ高速であることが保証される。
【0020】
ユーザー・インターフェース328は、たとえばボタンまたはコンピュータ・タッチスクリーンのような入出力装置のいかなる組み合わせを含んでいてもよい。乗り物内コンピューティング・システム110の入力装置は、タッチパッドまたはボタン、互換なコンピューティング装置(たとえばスマートフォンまたは制御ユニット)、音声認識、ジェスチャー認識、視線追跡または脳‐コンピュータ・インターフェースを含みうる。ディスプレイ330は、たとえば乗り物にマウントされたディスプレイのようないかなる型のディスプレイとして具現されてもよい。スピーカー332は、乗り物108のドライバーに聴覚出力を提供してもよく、特定のイベントを表わす多様な音を生成してもよい。いくつかの実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物パラメータを変化させる、または変化する条件についてドライバーに通知するために必要な何らかの触覚的または嗅覚的出力を含んでいてもよい。上記で論じた出力装置326(ユーザー・インターフェース328、ディスプレイ330またはスピーカー332)は任意的な実施形態として論じられているだけであり、追加的なまたは他の出力装置が存在していてもよい。
【0021】
乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物動作データおよび/または道路条件データを感知または測定するよう構成されたセンサー338をも含む。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のカメラ340が、道路の一つまたは複数の側面を捕捉するよう、道路内コンピューティング・システム110に結合されることができる。たとえば、いくつかの乗り物108は、道路の表面上の線引きをモニタリングするカメラを含んでいてもよく、それにより乗り物内コンピューティング・システム110が車線内に留まることにおいてドライバーを支援できるようにする。もう一つの例では、カメラ340は、運転中に乗り物108のドライバーがどこを見ているかを判別する視線検出器として使われてもよい。乗り物108またはドライバーが出す音、たとえばドライバーによる音声コマンドを捕捉するよう、マイクロフォン342が乗り物内コンピューティング・システム110に含まれることもできる。たとえば、マイクロフォンは、道路ノイズおよびエンジン・ノイズを拾ってもよく、それから乗り物内コンピューティング・システム110は乗り物108の速度を判別してもよい。
【0022】
乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物108の位置を判別するよう位置センサー344をも含んでいてもよい。乗り物支援サーバー102は、位置センサー344によって測定された位置データを使って、乗り物108の位置、およびたとえばどの道路を乗り物108が進んでいるかを判別する。感知されたデータの位置は道路データのクラウドソーシングされたデータベースを構築することにおいて有用である。さらに、センサー338は、乗り物108の速度および乗り物108の他のオブジェクト、たとえば他の乗り物からの距離を測定するよう、乗り物内コンピューティング・システム110に結合されたレーダー346を含んでいてもよい。乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物108についてのさまざまなことを決定するために使われるレーザー348をも含んでいてもよい。たとえば、レーザー348は、乗り物108と当該道路を使っている他の乗り物との間の距離を判別するためのライダーであってもよい。
【0023】
むろん、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物108および/または道路についての多様なことを判別するための他のセンサーを含んでいてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、センサー338は、乗り物108の動きを測定するための加速度計、ドライバーの脳活動を測定するためのモニターまたはドライバーの体温を測定するためのモニターを含んでいてもよい。他のセンサーは、タイヤ圧センサー、死角モニター、空燃比計、クランクシャフト・ポジション・センサー、ドライバーに縁石を警告する縁石触角(curb feeler)、エンジン温度を測定するエンジン冷却剤温度センサー、ホール効果センサー、燃料の供給を制御するためのマニホールド絶対圧センサー、質量流センサー、排気中の酸素量を測定する酸素センサー、駐車操作中にドライバーに障害物を警告する駐車センサー、レーダーガン、スピードメーター、スロットル・ポジション・センサー、トルク・センサー、トランスミッション流体温度センサー、タービン速度センサー、可変リラクタンス・センサー、水センサー、ホイール速度センサー、冷却剤レベル・センサー、空気清浄機温度センサー、大気圧センサー、エンジンがノッキングしているかどうかを判定するための爆発センサー、周囲気温センサー、ヒーター・コア温度センサー、オイル温度センサー、トランスミッション・シフト・ポジション・センサー、EGR圧フィードバック・センサー、アクセル・ペダル・ポジション・センサー、ブレーキ・ペダル・ポジション・センサー、トランスミッション出力速度センサー、ターボ・ブースト・センサー、加速センサー、ブレーキ流体レベル・センサー、洗浄流体レベル・センサー、乗り物高さセンサー、後輪レベル・センサー、ステアリング・レート・センサー、尾灯切れセンサー、EGRバルブ・ポジション・センサー、搭乗者判別センサー(たとえば乗り物の一つまたは複数のシートにおける重量センサー)、積荷重量判別センサー、バッテリー寿命判別センサー、乗り物の交流発電機の電気出力を判別する発電センサー、ジャイロスコープまたは周囲光センサーを含みうる。よって、上記で論じた特定のセンサー338(カメラ340、マイクロフォン342、位置センサー344、レーダー346または他のセンサー350)は可能なまたは任意的な実施形態として論じられているだけであって、追加的なまたは他のセンサーが乗り物内コンピューティング・システム110に組み込まれてもよいことは理解しておくべきである。
【0024】
図4を参照するに、例示的な実施形態では、乗り物支援サーバー102は動作中に環境400を確立する。例示的実施形態400は、データ取得モジュール402、乗り物支援モジュール414および通信モジュール434を含む。使用において、乗り物支援サーバー102は、乗り物108をその動作において支援するよう、クラウドソーシングされた道路データを収集し、総合し、乗り物108の特定の旅に関係した乗り物プロファイル情報を収集し、クラウドソーシングされた道路データおよび乗り物プロファイル情報に基づいて乗り物支援データを決定するよう構成される。環境400のさまざまなモジュールはハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせとして具現されてもよい。たとえば、環境400のさまざまなモジュール、論理および他のコンポーネントがプロセッサ220またはサーバー102の他のハードウェア・コンポーネントの一部をなしてもよく、あるいは他の仕方でそれによって確立されてもよい。よって、いくつかの実施形態では、環境400のモジュールの任意の一つまたは複数は、回路または諸電気装置(たとえばデータ取得回路、乗り物支援回路、通信回路など)の集合体として具現されてもよい。
【0025】
データ取得モジュール402は、多様な源からのクラウドソーシングされた道路データを収集し、組織化するよう構成される。データをクラウドソーシングすることは、関係した情報を決定するために十分大きなデータセットを収集するよう大量のデータを感知することに関わる。たとえば、特定の道路を進んでいる何百もの乗り物の標高を含む地理的位置を追跡することによって、当該道路の任意の特定の点での道路勾配をより正確に決定することができる。道路勾配は直接測定されないものの、道路勾配は、クラウドソーシングを通じて収集された他の情報によって決定できる。データ取得モジュール402は、インフラストラクチャー・データ・モジュール404、乗り物データ・モジュール406およびデータ総合モジュール408を含む。
【0026】
インフラストラクチャー・データ・モジュール404は、一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサー112および他のセンサー114からデータを受信するよう構成される。インフラストラクチャー・センサー112は、道路上または道路近くの諸位置においてデータを感知する。たとえば、インフラストラクチャー・センサー112は、道路勾配、道路表面種別または他の道路ハザード(たとえば交通渋滞または乗り物衝突)といった一つまたは複数の道路条件を判別するために使用できる情報を収集してもよい。インフラストラクチャー・データ・モジュール404は、該インフラストラクチャー・データを受信し、該インフラストラクチャー・データを乗り物支援データベース412に記憶する。
【0027】
乗り物データ・モジュール406は、一つまたは複数の乗り物108から乗り物データを受信するよう構成される。乗り物データは、乗り物識別データ、乗り物動作データおよび/またはドライバー・プロファイル・データを含んでいてもよい。乗り物識別データは、乗り物についての恒久的な情報、たとえば型式、モデル、年、エンジン仕様、どんなセンサーが乗り物108上で利用可能か、どんな制御システムが乗り物上で動作するかおよび他の情報を含んでいてもよい。乗り物識別データは、乗り物108の過去のパフォーマンスについての情報を含んでいてもよい。これにはたとえば、燃費に関する履歴データ、通常、運転する道路についての履歴データおよび乗り物内コンピューティング・システム110によって測定できる他の長期トレンドが含まれる。いくつかの実施形態では、乗り物支援サーバー102は、乗り物108の将来のパフォーマンスまたは挙動の確率を決定するために、乗り物108の過去のパフォーマンスに基づく確率モデルを生成してもよい。たとえば、確率モデルは、乗り物108が該乗り物が取った過去のルートに基づいて一つまたは複数の特定のルートを取る確率を示してもよい。
【0028】
乗り物データの乗り物動作データ(vehicle operation data)は、乗り物108の現在の動作特性(operational characteristics)についてのデータ、たとえば乗り物108が現在進んでいる特定の旅に関係するデータを含んでいてもよい。たとえば、乗り物動作データは、ドライバーが目的地を入力した場合、ルート情報を含んでいてもよい。もう一つの例では、乗り物動作データは、(搭乗者および装備を含む)乗り物108の重量、乗り物108の現在位置、乗り物108の現在速度、乗り物108の現在の進行方向および他の情報を含んでいてもよい。ドライバー・プロファイル情報は、たとえばドライバーが積極的なドライバーか控えめなドライバーかなどといった、ドライバーについての情報を含んでいてもよい。ドライバー・プロファイル・データは、常に利用可能なわけではなく、常に乗り物プロファイル情報または乗り物データに含まれるのでなくてもよい。いくつかの実施形態では、ドライバー・プロファイル・データは、乗り物108の二人以上のドライバーに関係した情報を含んでいてもよい。たとえば、乗り物108は複数の潜在的なドライバーを有していてもよいが、主要ドライバーは二人だけであってもよい。この例では、ドライバー・プロファイル・データは、乗り物108の潜在的ドライバー全員についての情報(たとえば各ドライバーの運転スタイル)を含み、ドライバー・プロファイル・データはどのドライバーが現在乗り物108を動作させているかを同定する。
【0029】
データ総合モジュール(data aggregation module)408は、インフラストラクチャー・データ・モジュール404からのインフラストラクチャー・データおよび乗り物データ・モジュール406からの乗り物データを含む受信データすべてを収集し、収集されたデータを総合または組織化して検索可能なデータベース(クラウドソーシングされたデータ)にする。ひとたび収集された道路データが組織化されたら、総合された道路データは乗り物支援データベース412に記憶される。いくつかの実施形態では、データ総合モジュール408は、収集された各データ片の位置を決定し、その収集されたデータをナビゲーション・マップ上の位置と相関付ける地理的位置モジュール410を含む。たとえば、乗り物支援データベース412上のクラウドソーシングされた道路データは、道路データが収集された位置によってインデックス付けされてもよい。収集された道路データに位置によってインデックス付けすることにより、データ取得モジュール402は、道路勾配、道路表面および摩擦、局所的な気象情報またさらには特定の道路ハザードなどといった追加的情報がいっぱいのナビゲーション・マップを生成することができる。いくつかの実施形態では、データ総合モジュール408は、受信されたクラウドソーシングされたデータに基づいて道路を諸道路セグメントに分割する。たとえば、ある道路セグメントは、上り坂勾配をもつ道路セクションとして定義されてもよく、隣接する道路セグメントは下り坂勾配をもつ道路セクションとして定義されてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、データ総合モジュールは、クラウドソーシングされた道路データに基づいて一つまたは複数の確率モデルを生成、更新または他の仕方で維持してもよい。クラウドソーシングされたデータは、対応する道路を現在進行している乗り物の動作または挙動を予測するために使用されうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、クラウドソーシングされた道路データは、該クラウドソーシングされた道路データがいつ感知または受信されたかについての情報を含む。より最近感知された道路データが一般には、より古い道路データよりも現在の道路条件にとってより関連性があることがありうる。クラウドソーシングされた道路データが古くなるにつれ、クラウドソーシングされた道路データに反映されている情報は以前ほど正確ではないことがありうる。たとえば、クラウドソーシングされた道路データが雪のため道路表面がすべりやすいことを示す場合、その情報は半年後には有意でない可能性が高い。よって、いくつかの実施形態では、データ総合モジュール408は、クラウドソーシングされた道路データを生成するために使われる収集された道路データに対して、道路データが収集された日時に基づいて重み付け因子を適用するよう構成されていてもよい。たとえば、乗り物センサーおよびインフラストラクチャー・センサーから一週間前に収集されたデータは、一か月前に収集されたデータよりも大きな重みを与えられてもよい。さらに、閾値時間を超えて時間経過した道路データは、いくつかの実施形態では完全に破棄されてもよい。
【0031】
乗り物支援データベース412は、乗り物支援システム100に関連するいかなる情報を記憶するよう構成されてもよい。特に、乗り物支援データベース412は、データ取得モジュール402によって収集されたクラウドソーシングされた道路データを記憶してもよい。乗り物支援データベース412は乗り物支援モジュール414に接続され、乗り物支援データの決定を容易にするよう乗り物支援モジュール414に情報を提供する。乗り物支援データベース412は、乗り物支援サーバー102の一部として具現されてもよく、あるいはサーバー102の外部であって、一つまたは複数のコンピュータ・ネットワークを通じてサーバー102に接続されていてもよい。いくつかの実施形態では、乗り物支援データベース412はデータ記憶装置226である。
【0032】
乗り物支援モジュール414は、道路に沿って進む乗り物108についての乗り物支援データを、乗り物支援データベース412に記憶されている現在の乗り物プロファイル情報およびクラウドソーシングされた道路データに基づいて、決定するよう構成される。乗り物支援モジュール414は乗り物情報モジュール416、乗り物タスク決定モジュール418、乗り物支援データ決定モジュール422および通知モジュール432を含む。
【0033】
乗り物情報モジュール416は、現在の乗り物プロファイル情報を受信するよう構成される。いくつかの実施形態では、乗り物情報モジュール416は、乗り物108からの乗り物プロファイル情報を、乗り物108が第一の道路セグメントに位置している間に受信する。上記で論じたように、乗り物プロファイル情報(vehicle profile information)は、乗り物識別データ、乗り物動作データおよび/またはドライバー・プロファイル・データを含んでいてもよい。乗り物情報モジュール416は、乗り物プロファイル情報を受信し、組織化して乗り物支援モジュール414のための有用なフォーマットにするよう構成される。たとえば、乗り物情報モジュール416は、乗り物108の能力、たとえば乗り物108がクルーズ・コントロールができるかどうか、乗り物108がドライバーなし動作できるかどうか、または乗り物内コンピューティング・システム110が何らかの自動制御機能ができるかどうかを決定してもよい。乗り物情報モジュール416が決定しうる情報の別の例は、乗り物の現在位置、乗り物108の進行速度、乗り物108の進行方向および乗り物108がどんな道路を進んでいるかである。決定されうる他の型の情報は、誰が乗り物108を運転しているか、搭乗者がどのように乗り物108内にいるか、乗り物108内の搭乗者および積荷の重量および乗り物108のパフォーマンスに影響しうる他の因子である。
【0034】
乗り物タスク決定モジュール418は、乗り物情報モジュール416から現在の乗り物情報を受信し、乗り物支援サーバー102がどのタスクに関して乗り物108を支援できるかを決定するよう構成される。たとえば、すべての乗り物がすべての機能を装備しているのではない。高級車は通例、よりローエンドの自動車モデルまたはより古い自動車モデルには存在しないいくつかの進んだ制御機能をもつ。乗り物タスク決定モジュール418は、乗り物支援システム100を使って各乗り物の機能を決定する。たとえば、乗り物タスク決定モジュール418は、ある高級乗り物がある種の進んだドライバー支援システムを使うことができ、一方、より古い乗り物は標準的なクルーズ・コントロール・システムを使うことができるだけであることを判別してもよい。乗り物タスク決定モジュール418は、乗り物108がどのタスクを実行できるかを判別すると、タスク・リストを生成し、乗り物支援データ決定モジュール422はそのタスク・リストに関係した乗り物支援データを生成するだけである。いくつかの実施形態では、乗り物タスク決定モジュール418は、乗り物108が進む道路を諸道路セグメントに分割する道路セグメント分割モジュール420を含む。道路セグメント分割モジュール420は現在の乗り物情報を使って、道路を、乗り物支援システム100によって実行されるべきタスクに従ってセクションに分解する。
【0035】
乗り物支援データ決定モジュール422は、クラウドソーシングされた道路データに基づいて、任意の数の道路を使う任意の数の乗り物108について乗り物支援データを決定するよう構成される。たとえば、乗り物支援データは、乗り物制御コマンドおよびドライバー通知を含んでいてもよい。乗り物制御コマンドは、乗り物内コンピューティング・システム110に乗り物パラメータを自動的に調整させる信号として具現されてもよい。たとえば、乗り物制御コマンドは、上り坂勾配が近づいていることを予期して乗り物内コンピューティング・システム110が乗り物のクルーズ・コントロール・システムのスロットルを上げるためのコマンドとして具現されてもよい。ドライバー通知は、乗り物支援サーバー102によってドライバーに送信されるいかなる型の通知として具現されてもよい。たとえば、乗り物108がクルーズ・コントロール・モードにない場合には、ドライバー通知は、そのドライバーに、道路の上り坂勾配が近づいていることを知らせ、ドライバーがエンジンのスロットルを上げてエンジンのパワーを増すよう提案してもよい。ドライバー通知のもう一つの例は、道路勾配におけるまもなく起こる変化に基づいて燃料切れまでの距離の予測を動的に更新し、その更新された燃料切れまでの距離の予測をドライバーに対して出力する乗り物支援データを含んでいてもよい。
【0036】
乗り物支援データは、乗り物108による道路の進行を容易にするために、乗り物108の乗り物内コンピューティング装置110によって使用可能である。乗り物支援データ決定モジュール422は、道路条件決定モジュール424、燃料補給予測モジュール426、クルーズ・コントロール・モジュール428およびドライバー支援モジュール430を含んでいてもよい。むろん、他の実施形態では、乗り物支援データ決定モジュール422は追加的なまたは他のモジュールを含んでいてもよい。
【0037】
道路条件決定モジュール424は、乗り物支援データベース412からのクラウドソーシングされた道路データを使って、道路の一つまたは複数の条件を決定するよう構成される。道路の条件は、道路勾配、道路表面種別または道路ハザードを含んでいてもよい。道路条件決定モジュール424は、マップ・データを、道路を運転している一つまたは複数の乗り物108から得られた位置データと相関付けることによって道路の勾配を決定してもよい。ひとたび道路の道路勾配が決定されたら、道路条件決定モジュール424はその道路についての道路勾配データを生成する。道路条件決定モジュール424は、道路の表面の特性を示す道路表面データをも決定してもよい。道路表面の特性は、道路種別(たとえば道路がコンクリートまたはアスファルトで舗装されているか、あるいは道路が土であるか)および道路表面が雨、雪または氷といった環境因子によって影響されているかどうかを含みうる。道路条件決定モジュール424は、一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサー112または一つまたは複数の乗り物内コンピューティング・システム110から収集された気象データを使って、環境条件が運転のために道路表面の質に影響しているかどうかを判別してもよい。道路条件決定モジュール424は、道路の一つまたは複数の危険な条件を示す道路ハザード・データをも決定してもよい。道路の一つまたは複数の危険な条件は、穴、交通輻輳、乗り物衝突、すべりやすい条件、道路上の動物(たとえば鹿)または他のハザードを含みうる。
【0038】
ひとたび道路条件データが決定されたら、乗り物支援データ決定モジュール422は、乗り物支援システム100を使って各乗り物108について乗り物支援データを生成する。乗り物支援は、道路ハザードに対して乗り物108がどんな応答を取るべきかを決定するために乗り物プロファイル情報を使うことによって、個々の各乗り物に合わせて調整される。たとえば、重い荷を運搬している乗り物108が道路における急な上り坂勾配に近づいている場合、乗り物支援データは乗り物108が右側車線〔米国等の場合〕にはいり、より低いギアにギアダウンし、乗り物108のハザードランプをオンにして他のドライバーに乗り物108の低下した速度を警報することを示してもよい。もう一つの例では、道路条件データが特定の道路が非常につるつるしていることを示し、乗り物108が四輪駆動でない場合、乗り物支援データは、乗り物108が代替ルートを取ることを考えるべきであることを示してもよい。いくつかの実施形態では、乗り物支援データは、乗り物108によるある道路セグメントの進行を容易にするために、乗り物108の乗り物内コンピューティング装置110によって使用可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、乗り物支援データ決定モジュール422は、個々の乗り物108のために乗り物支援データを生成するとき、乗り物支援システム100に参加している近くの乗り物についての情報を考慮する。たとえば、乗り物支援データ決定モジュール422は、個々の乗り物決定データを決定するときに、交通情報を考慮してもよい。たとえば、速い乗り物が遅い乗り物に近づきつつある場合、乗り物支援データは、ドライバー通知を通じて、前記遅い乗り物に、前記速い乗り物を気遣ってどくように示してもよい。もう一つの例では、乗り物支援データ決定モジュール422は、道路に穴が存在するというある乗り物108からの情報を受信してもよい。その情報を使って、別の乗り物108のために生成される乗り物支援データは、迫っている穴についての通知を含んでいてもよい。このようにして、乗り物支援システム100は、高級乗り物の進んだ感知機能を、そのような進んだ感知機能をもたないことがある他の乗り物と共有することを容易にする。
【0040】
燃料補給予測モジュール426は、乗り物108のドライバーに対して出力される、燃料切れまでの距離の予測を改善するよう構成される。燃料補給予測モジュール426は、乗り物仕様および乗り物運転履歴を含む乗り物プロファイル情報(vehicle profile information)と、クラウドソーシングされた道路データを使って決定された道路条件データとを使って、乗り物108が燃料補給の必要なしに進むことができる運転距離を、より正確に予測する。たとえば、電気自動車108が坂の多い道を進んでいる場合、燃料切れまでの距離の予測は乗り物108が上り坂で進んでいるか下り坂で進んでいるかに依存して大きく変わりうる。より正確な予測を与えるために、乗り物支援データは、乗り物108によって使用されうる予測されるルートのある距離についての道路勾配データを組み込んだ新しい燃料切れまでの距離の予測を含んでいてもよい。たとえば、新たな燃料切れまでの距離の予測は、次の10マイルの道路に基づく推定値を含んでいて、それにより道路における近づいている上り坂および下り坂勾配を考慮に入れてもよい。いくつかの実施形態では、燃料補給予測モジュール426は、乗り物108が次にどの道路に沿って進む可能性が高いかを判別するために予測ルーティング(predictive routing)を使う。たとえば、典型的な乗り物108は通例、職場と自宅の間など、ある有限個の場所を進むだけである。乗り物108の過去のルート・データおよびそのルートに沿った過去の燃料実績(たとえば、特定の道路セグメントを通過する間に乗り物108によってどのくらいの燃料が使われたか)を使って、燃料補給予測モジュール426は、一層正確な燃料切れまでの距離の予測をしうる。いくつかの実施形態では、燃料補給予測モジュール426は、より正確な燃料切れまでの距離の予測をするために、乗り物支援システム100に参加する他の乗り物108から集められた燃料使用データを使う。たとえば、燃料補給予測モジュール426は、新たな燃料切れまでの距離の予測をするときに、類似した型の乗り物108からの情報を使ってもよい(たとえば、日産アルティマについて燃料切れまでの距離の予測がどうなるかを決定するとき、他の日産の乗り物からの燃料使用を使う)。いくつかの実施形態では、燃料補給予測モジュール426は、ドライバー・プロファイル・データを使って、乗り物108のドライバーの運転スタイルが乗り物108が燃料補給が必要になる前に進みうる距離に影響するかどうかを決定してもよい。たとえば、積極的なスタイルで運転するドライバーは、乗り物108の高速および頻繁な加速によって悪化する燃費のために、より頻繁に燃料捕球をする必要があることがありうる。
【0041】
クルーズ・コントロール・モジュール428は、乗り物108のクルーズ・コントロールに関係した乗り物制御コマンドを生成するよう構成される。いくつかの実施形態では、クルーズ・コントロール・データは、乗り物108の乗り物内コンピューティング・システム110によって、乗り物108のエンジンのスロットルを調整するために使用可能である。たとえば、道路条件が乗り物108が上り坂勾配に近づきつつあることを示す場合、クルーズ・コントロール・モジュール428は、乗り物108のクルーズ・コントロール・システムに、乗り物108が上り坂勾配に遭遇する前にエンジンに対するスロットルをより開くよう命令する乗り物支援データを生成してもよい。クルーズ・コントロール・モジュール428は、道路条件における迫り来る変化を予期して乗り物制御コマンドを生成し、乗り物108の搭乗者がよりなめらかな乗車を経験できるようにする。いくつかの実施形態では、クルーズ・コントロール・モジュール428は、乗り物108がそこに向かっているがまだ通っているのではない道路セグメントについてのクルーズ・コントロール・データを生成する。
【0042】
ドライバー支援モジュール430は、進んだドライバー支援システムに関係した一つまたは複数の乗り物制御コマンドを生成するよう構成される。たとえば、たとえ自動車がクルーズ・コントロール・モードになくても、乗り物支援データは、乗り物108が道路の上り坂勾配を上り始める前にエンジンのパワーを高めるための、乗り物108の進んだドライバー支援システムのための乗り物制御コマンドを含んでいてもよい。別の例では、ドライバー支援モジュール430は、道路条件データが穴が近づいていることを示すのに応答して、乗り物108のサスペンションを硬くするよう構成されていてもよい。
【0043】
通知モジュール432は、乗り物支援データを生成するのに応答して乗り物108のドライバーに送達されるべきドライバー通知出力を生成するよう構成される。ドライバー通知は、乗り物支援データが乗り物内コンピューティング・システム110に送信されるときに乗り物支援データに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、乗り物支援データが乗り物内コンピューティング・システム110に送信されるときは常にドライバーのために通知が生成される。いくつかの実施形態では、乗り物支援データが乗り物制御コマンドを含むだけであるときは、通知は乗り物108のドライバーに対して出力されない。通知は、乗り物108を制御するときにドライバーが取るべきアクションの提案を含んでいてもよい。
【0044】
通信モジュール434は、乗り物支援サーバー102が一つまたは複数の乗り物内コンピューティング・システム110、一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサー112および一つまたは複数の他のセンサー114をネットワーク104を通じて通信することを許容するよう構成される。通信モジュール434は、乗り物支援サーバー102によって扱われる種々の型のデータすべてを扱うよう構成され、通信サブシステム228に対応する。通信モジュール434は、そのような通信を実施するために、任意の一つまたは複数の通信技術(たとえば有線または無線通信)および関連するプロトコル(たとえばイーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、W-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使うよう構成されてもよい。
【0045】
図5を参照するに、この例示的実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110は、動作の間に環境500を確立する。例示的実施形態500は、乗り物プロファイル・モジュール502、乗り物出力モジュール506、センサー管理モジュール516および通信モジュール518を含む。使用において、乗り物内コンピューティング・システム110は、センサー338からセンサー・データを収集し、乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバー102に送信し、乗り物支援サーバー102から乗り物支援データを受信し、乗り物支援データに基づいて乗り物出力を修正するよう構成される。環境500のさまざまなモジュールは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアまたはそれらの組み合わせとして具現されてもよい。たとえば、環境500のさまざまなモジュール、論理および他のコンポーネントが、プロセッサ320または乗り物内コンピューティング・システム110の他のハードウェア・コンポーネントの一部をなしてもよく、あるいは他の仕方でそれによって確立されてもよい。よって、いくつかの実施形態では、環境500のモジュールの任意の一つまたは複数は、回路または諸電気装置(たとえば乗り物プロファイル回路、乗り物出力回路、センサー管理回路、通信回路など)の集合体として具現されてもよい。
【0046】
乗り物プロファイル・モジュール502は、乗り物プロファイル情報を収集し、記憶し、送信するよう構成される。乗り物プロファイル情報(vehicle profile information)は、ドライバー・プロファイル・データ、乗り物識別データおよび/または乗り物動作データを含んでいてもよい。上記で論じたように、乗り物識別データは一般に、恒久的な特性に関わる乗り物108についての情報を含む。たとえば、乗り物識別データは、乗り物108の型式、モデルおよび年を、必要に応じて自動車の他の仕様とともに含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、乗り物識別データは、全体的な燃費、乗り物108が進んだ距離または乗り物108が通常通るルートといった、乗り物108の動作についての長期的な履歴データを含む。乗り物動作データ(vehicle operational data)は、乗り物108が道路セグメントを通っている間の、あるいは換言すれば乗り物108が特定の行き先への特定の旅に従事している間の、乗り物108の動作(operation)を示すいかなる情報をも含みうる。乗り物動作データは一般に、特定の旅の間に乗り物108の動作の間にセンサー338によって収集されるデータを含む。たとえば、乗り物動作データは、乗り物108の現在位置、乗り物108の速度、乗り物108の進行方向および/または乗り物108の特定の旅に関係した他のデータを含んでいてもよい。乗り物プロファイル・モジュール502は、ドライバー・プロファイル・モジュール504を含んでいてもよい。ドライバー・プロファイル・モジュール504は、ドライバー・プロファイル・データを収集し、記憶し、送信するよう構成される。たとえば、ドライバー・プロファイルは、ドライバー識別情報およびドライバーが控えめなドライバーか積極的なドライバーかについての情報を含んでいてもよい。乗り物支援サーバー102は、乗り物内コンピューティング・システム110から受信されたドライバー・プロファイル・データに応じて、乗り物108についての乗り物支援データを調整することができる。
【0047】
乗り物出力モジュール506は、乗り物支援データによって示されるコマンドを実装するよう構成される。たとえば、乗り物出力モジュール506は、乗り物内コンピューティング・システム110の一つまたは複数の乗り物出力装置326に情報を出力してもよい。そのような出力装置326は、ディスプレイ、スピーカーまたは乗り物制御コマンドを受信できる他の乗り物システムを含んでいてもよい。追加的または代替的に、乗り物出力モジュール506は、乗り物出力装置326の一つまたは複数に制御信号を出力して、その動作を制御してもよい。
【0048】
例示的な乗り物出力モジュール506は、燃料補給予測モジュール508、クルーズ・コントロール・モジュール510、ドライバー支援モジュール512および通知モジュール514を含む。むろん、乗り物出力モジュール506は、他の実施形態では、追加的なまたは他のサブモジュールを含んでいてもよい。燃料補給予測モジュール508は、乗り物支援サーバー102から受信された乗り物支援データに基づいて、燃料切れまでの距離の予測を計算するよう構成される。たとえば、乗り物支援データは、先にある道路セクションの勾配を含む道路条件についての情報を含んでいてもよい。道路勾配データを使って、燃料補給予測モジュール508は、これからの道路勾配データを含む燃料切れまでの距離の予測を計算してもよく、それにより、より正確な、燃料切れまでの距離の予測をすることができる。いくつかの実施形態では、乗り物支援サーバー102が燃料切れまでの距離の予測を計算し、燃料補給予測モジュール508は燃料切れまでの距離の予測を乗り物108のドライバーに対して出力するだけである。
【0049】
クルーズ・コントロール・モジュール510は、乗り物のクルーズ・コントロールについての乗り物制御コマンドを含む乗り物支援データを受領するよう構成される。たとえば、乗り物制御コマンドは、乗り物108がその先の上り坂勾配に到達する前に乗り物内コンピューティング・システム110がエンジンにより大きなパワーを適用するコマンドを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、乗り物出力モジュール506は、乗り物108がアクティブにクルーズ・コントロールを使っている場合に、クルーズ・コントロールに関する乗り物制御コマンドを実行するだけである。
【0050】
ドライバー支援モジュール512は、乗り物支援サーバー102から受信された乗り物支援データに含まれることがありうる他の任意の乗り物制御コマンドを出力するよう構成される。たとえば、ドライバー支援モジュール512は、乗り物108の進んだドライバー支援システムに関係した乗り物制御を出力するよう構成されていてもよい。
【0051】
通知モジュール514は、乗り物支援データを受信するのに応答して乗り物108のドライバーにドライバー通知を出力するよう構成される。いくつかの実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110によって乗り物支援データが受信されるときは常に、ドライバーに通知が送られる。いくつかの実施形態では、乗り物支援データが乗り物制御コマンドを含むだけであるときは、通知は乗り物のドライバーに対して出力されない。通知は、乗り物108を制御するときにドライバーが取るべきアクションの提案を含んでいてもよい。通知は、出力装置326の一つを使ってドライバーに対して出力されてもよい。たとえば、文字メッセージが乗り物108のディスプレイ330に出力されて、乗り物支援データがどんな情報を含んでいたかを示してもよい。いくつかの実施形態では、メッセージが出力されていることをドライバーに知らせるために、通知は、ビープまたはカンという音のような可聴信号を含む。いくつかの実施形態では、通知は、ドライバーが通知を聞くことができるように、乗り物108のスピーカー332を通じて出力される。
【0052】
センサー管理モジュール516は、乗り物内コンピューティング・システム110と統合されているセンサーを管理するよう構成される。センサー管理モジュール516は、乗り物動作データを含めセンサー338によって収集されたデータのすべてを記録し、乗り物動作データを通信モジュール518を通じて乗り物支援サーバー102に送信する。
【0053】
通信モジュール518は、乗り物内コンピューティング・システム110がネットワーク104を通じて乗り物支援サーバー102と通信できるようにするよう構成される。通信モジュール518は、乗り物内コンピューティング・システム110によって扱われる種々の型のデータすべてを扱うよう構成され、通信装置336に対応する。通信モジュール518は、そのような通信を実施するために、任意の一つまたは複数の通信技術(たとえば有線または無線通信)および関連するプロトコル(たとえばイーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、W-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使うよう構成されてもよい。
【0054】
図6を参照するに、使用において、乗り物支援サーバー102は、クラウドソースの道路データを生成するための方法600を実行してもよい。ブロック602では、乗り物支援サーバー102は、多様な源を通じて前記複数の乗り物のそれぞれが通る道路または道路セグメントの少なくとも一つの特性を示す道路データを受信する。たとえば、ブロック604において、乗り物支援サーバー102は、インフラストラクチャー・センサー112および/または他のセンサー114によって感知または生成されたインフラストラクチャー・データを受信してもよい。インフラストラクチャー・データは、道路(たとえば道路セグメント)の条件または特性を示すいかなる型のデータとして具現されてもよい。センサー112、114によって感知されるインフラストラクチャー・データの具体的な型は、たとえば、位置データ606、気象データ608および/または道路閉鎖データ610を含んでいてもよい。位置データ606は、センサー112、114がデータを感知する特定の位置に関係したいかなる型のデータとして具現されてもよい。気象データ608は、気象、気象パターンおよび/または天気予報を示すいかなる情報として具現されてもよい。たとえば、気象データは、気温データ、降水データ、風速データ、大気圧データまたは他のデータを含んでいてもよい。道路閉鎖データ610は、たとえば乗り物衝突、天候による閉鎖、交通に起因する遅延、地すべりなどのような道路閉鎖に関係したいかなる情報として具現されてもよい。むろん、乗り物支援サーバー102は、他の実施形態では、道路条件または特性を示す他の型のインフラストラクチャー・データを受信してもよい。
【0055】
ブロック612では、乗り物支援サーバー102は、道路システム106を通る一つまたは複数の乗り物108の乗り物内コンピューティング・システム110に付随する一つまたは複数の乗り物センサー338によって感知または生成された乗り物データを受信してもよい。乗り物データは、乗り物108および/または乗り物108のユーザーの特性、条件または質を示すいかなる型のデータとして具現されてもよい。乗り物データの具体的な型は、たとえば、ドライバー・プロファイル・データ614、乗り物識別データ616および/または乗り物動作データ618を含んでいてもよい。上記で論じたように、ドライバー・プロファイル・データ614、乗り物識別データ616および乗り物動作データ618は概して乗り物108についての情報に関係する。具体的には、ドライバー・プロファイル・データ614は、乗り物108のドライバーについて知られているいかなる情報として具現されてもよい(たとえば、ドライバー識別情報、運転制約、ドライバーの運転スタイルが積極的か控えめか、など);乗り物識別データ616は、乗り物108の恒久的な特性に関係した情報として具現されてもよい(たとえば、乗り物108の年代、型式およびモデル);乗り物動作データ618は、乗り物108の特定の旅の乗り物パラメータに関係した情報として具現されてもよい(たとえば、乗り物108の現在位置、乗り物108の現在の重量など)。
【0056】
ブロック620において、乗り物支援サーバー102は、受信された道路を総合してクラウドソーシングされた道路データにする。いくつかの実施形態では、クラウドソーシングされた道路データは、乗り物支援データベース412のような検索可能データベースに記憶される。いくつかの実施形態では、道路データは、そのデータがどこでセンサーによって感知されたかの位置によってインデックス付けされる。たとえば、ブロック622において、乗り物支援サーバー102は、収集された道路データの各データ片について地理的位置データを決定する。地理的位置データは、そのデータがどこで対応するセンサー(たとえば乗り物内コンピューティング・システム110のインフラストラクチャー・センサー112、他のセンサー114、センサー338など)によって感知されたかの厳密な位置に関係する。乗り物支援サーバー102は、道路の地理的位置を含む道路位置データをも決定する。むろん、すべてのデータが道路上で直接感知されるのでなくてもよいことは理解しておくべきである。たとえば、インフラストラクチャー・センサー112は道路とは離れて設置されてもよい。結果として、乗り物支援サーバー102は、クラウドソーシングされた道路データのそのようなデータ・コンポーネントを近くの道路位置と関連付けてもよい。よって、ブロック624では、乗り物支援サーバー102は、地理的位置データおよび道路位置データを使って、クラウドソーシングされた道路データを道路位置にリンクする。いくつかの実施形態では、道路データは、該道路データが感知された時刻を使ってもインデックス付けされる。たとえば、その道路に雪があることを示す気象データは、時間の経過とともに、重要性および正確さを失うであろう。
【0057】
ここで
図7を参照する。使用において、乗り物支援サーバー102は、特定の乗り物について乗り物支援データを決定する方法700を実行してもよい。ブロック702では、乗り物支援サーバー102は乗り物108から乗り物データを受信する。乗り物108および/または乗り物オペレーター(operator)の特性を同定する情報を提供することに加えて、乗り物プロファイル情報は、乗り物108の乗り物内コンピューティング・システム110が乗り物支援データを受信する準備ができているという、乗り物支援サーバー102への指標をも提供する。いくつかの実施形態では、乗り物108は、見返りにいかなる乗り物支援データも受信することなく、道路データを決定することにおいて使われる乗り物データを寄与してもよい。そのような実施形態では、乗り物108は受動的なデータ収集者であって、乗り物機能を改善するための乗り物支援データを使ってはいない。
図7に示されるように、乗り物データはドライバー・プロファイル・データ704、乗り物識別データ706および/または乗り物動作データ708を含んでいてもよい。上記で論じたように、ドライバー・プロファイル・データ704はいかなる型のデータとして具現されてもよい。上記で論じたように、ドライバー・プロファイル・データ614、乗り物識別データ616および乗り物動作データ618は概して乗り物108についての情報に関係する。具体的には、ドライバー・プロファイル・データ614は、乗り物108のドライバーについて知られているいかなる情報として具現されてもよい(たとえば、ドライバー識別情報、運転制約、ドライバーの運転スタイルが積極的か控えめか、など);乗り物識別データ616は、乗り物108の恒久的な特性に関係した情報として具現されてもよい(たとえば、乗り物108の年代、型式およびモデル);乗り物動作データ618は、乗り物108の特定の旅の乗り物パラメータに関係した情報として具現されてもよい(たとえば、乗り物108の現在位置、乗り物108の現在の重量など)。
【0058】
ブロック710において、乗り物支援サーバー102は、乗り物プロファイル情報に基づき、かつ乗り物支援データベース412に記憶されているクラウドソーシングされた道路データに基づき、道路条件データを決定する。道路条件データは、道路または道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す任意の情報である。たとえば、道路条件データは、道路勾配データ712、道路表面データ714または道路ハザード・データ716を含んでいてもよい。道路勾配データ712は、所与の距離にわたる道路の傾斜、あるいは換言すれば道路の所与の距離にわたる道路の標高の変化を示すいかなる型のデータとして具現されてもよい。道路勾配データは、任意の所与の点における道路の勾配を示す。道路勾配データ712は、たとえばナビゲーション・マップ、地形マップおよび受信されたクラウドソーシングされたデータを比較して正確な道路勾配を決定することによって、決定されてもよい。たとえば、乗り物内コンピューティング・システム110の位置センサーは、対応する乗り物108の位置を、特定の道路に沿って進むにつれて追跡する。十分な数の乗り物が位置データを乗り物支援サーバー102に送った後、乗り物支援サーバー102はそのデータを解析して、その道路の正確な経路がどうなっている可能性が高いかを見出す。その経路データを使って、乗り物支援サーバー102は、道路のセクションに沿って道路の標高変化を決定することができてもよく、それにより道路勾配データ712を決定してもよい。
【0059】
道路表面データ714は、存在する道路表面の型および/または雪または氷のような道路表面の質に影響しうる他の因子を示すいかなる型のデータとして具現されてもよい。道路表面データ714は、ナビゲーション・マップ情報およびクラウドソーシングされた道路データを使ってどんな型の道路表面、たとえばコンクリートの道路、アスファルトの道路または土の道路が存在しているかを判別することによって決定されてもよい。さらに、道路表面データ714は、道路表面の質に影響しうる因子についての情報を含んでいてもよい。たとえば、道路表面データ714は、氷や雪などのため道路表面がすべりやすいと判別するために、気象データを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、道路表面データはデジタル・ナビゲーション・マップから集められた道路の型のデータを使って決定されてもよい。たとえば、多くのデジタル・ナビゲーション・マップは、特定の道路または道路セグメントのサイズおよび舗装、たとえば特定の道路が土の道路かどうかについての指標を含んでいる。しばしば、道路表面についての情報は、道路の型から推定されることができる。たとえば、高速道路は一般にコンクリートで舗装されている。道路表面データはデジタル・ナビゲーション・マップからのデータおよびクラウドソーシングされた道路データを使って生成できる。
【0060】
道路ハザード・データ716は、何らかのハザードが道路上に存在するかどうかを示すいかなる型のデータとして具現されてもよく、クラウドソーシングされた道路データを解析することによって決定される。ハザードは、穴、乗り物衝突、交通輻輳または道路上の鹿などの動物を含んでいてもよい。たとえば、乗り物内コンピューティング・システム110に付随するセンサー338を使って、乗り物支援サーバー102は、いくつかの乗り物108が物体に当たったことを示すことまたはいくつかの乗り物108が障害物を避けるために急旋回したことから、道路に穴があるかどうかを判別するよう構成されてもよい。別の例では、乗り物センサーが別の乗り物ではない物体を示すことおよび乗り物108のドライバーによって実行され乗り物108の位置センサーによって示される他の回避行動が、鹿が道路にまたは道路の近くにいることを示してもよい。
【0061】
ブロック718では、乗り物支援サーバー102は、特定の乗り物108のための乗り物支援データを、道路条件データおよび乗り物プロファイル情報に基づいて生成する。いくつかの実施形態では、乗り物支援サーバー102はまず、乗り物支援データを生成する前に、どのタスクが乗り物支援データに含まれるかを決定する。乗り物支援データを生成する前にタスクを決定することにより、乗り物支援サーバー102は、コンピューティング資源を節約しつつ乗り物支援データを特定の乗り物108に送達できる。いくつかの実施形態では、乗り物支援データは、上記で論じたように、クルーズ・コントロール・データ720、燃料補給予測データ722、ドライバー支援データ724および/または通知データ726を含んでいてもよい。クルーズ・コントロール・データ720は、道路条件データに基づくエンジン・スロットルへの調整を含んでいてもよい。たとえば、道路条件データが上り坂道路勾配が近づきつつあることを示す場合、クルーズ・コントロール・データ720は、迫り来る道路勾配に備えるために乗り物108がエンジンへのパワーを増すべきであるという通知または乗り物制御コマンドのいずれかを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、クルーズ・コントロール・データ720は、乗り物プロファイル情報が乗り物108が現在クルーズ・コントロールを使っていることを示す場合にのみ、乗り物支援サーバー102によって決定される。燃料補給予測データ722は、道路条件データに基づく、乗り物108についての燃料切れまでの距離の予測を含んでいてもよい。たとえば、乗り物108が多くの坂がある道路のセクションを進んでいる場合、燃料補給予測データ722は、道路条件データおよび乗り物108の過去のパフォーマンス履歴(乗り物プロファイル情報に含まれる)を使って、迫り来る上り坂および下り坂勾配を考慮に入れた、燃料切れまでの距離の予測を決定する。いくつかの実施形態では、燃料補給予測データ722は、乗り物プロファイル情報が乗り物108が燃料切れまでの距離の予測をアクティブにドライバーに対して出力することを示す場合にのみ、乗り物支援サーバー102によって決定される。ドライバー支援データ724は、進んだドライバー支援システムによって制御される任意の数の乗り物パラメータに対する調整を含んでいてもよい。たとえば、進んだドライバー乗り物支援システムは、車線変更するときにドライバーを支援する車線変更アシスタントを含むことができる。いくつかの実施形態では、ドライバー支援データ724は、道路条件データおよび他の乗り物108の乗り物プロファイル情報に基づいて車線変更するのが安全であることをドライバーに対して示す乗り物制御コマンドを含んでいてもよい。たとえば、二車線道路を進んでいるとき、視界が妨げられることがあり、よってドライバーはいつ対向車線を走って、より遅い動きの乗り物を追い越すのが完全かがわからないことがある。ドライバー支援データ724は、たとえドライバーの視界が制限されていたとしても、道路上の他の乗り物の位置に基づいていつ追い越すのが安全かをドライバーに知らせる通知を含んでいてもよい。さらに、乗り物支援サーバー102は、近づいてくる乗り物108に、別の乗り物108がそちらの車線で追い越し中であるという通知を送ることができる。通知データ726は、受信された乗り物支援データの内容をドライバーに対して示してもよい。通知データ726は、単に乗り物内コンピューティング・システム110が自動的に調整した乗り物パラメータの記述を含んでいてもよく、あるいは通知データ726は、近づきつつある上り坂道路勾配に備えてエンジンへのスロットルをもっと開けるなどのドライバーへの運転提案または他の情報を含んでいてもよい。
【0062】
ブロック728では、乗り物支援サーバー102は、乗り物支援データを乗り物108の乗り物内コンピューティング・システム110に送信する。乗り物支援データを受信すると、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物支援データに含まれる乗り物制御コマンドまたは通知を実施するよう構成される。ブロック730では、乗り物支援サーバー102は、乗り物について生成されたばかりの乗り物支援データが道路上の他の乗り物108について有用でありうるかどうかを判定する。乗り物支援データが他の乗り物108に有用でないと判定される場合には、方法700は最初に戻って、再びデータの収集を始める。乗り物支援データが有用であると判定される場合には、ブロック732において、乗り物支援サーバー102は、関連する道路条件の通知を他の乗り物に送る。たとえば、これらの型の通知は、より速い乗り物が後から近づきつつあるという警告または自分の車線で別の乗り物が追い越し中であり注意すべきであるという警告を含んでいてもよい。ブロック734では、乗り物支援サーバー102は、方法700を終了するかどうかを決定する。
【0063】
図8を参照するに、使用において、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物支援サーバー102から受信される乗り物支援データに基づいて乗り物108のドライバーを支援する方法800を実行してもよい。ブロック802では、乗り物内コンピューティング・システム110は乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバー102に送信する。いくつかの実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物プロファイル情報を送信する前にセンサー338を使ってデータを感知する。いくつかの実施形態では、乗り物プロファイル情報は、上記で論じたように、ドライバー・プロファイル・データ804、乗り物識別データ806または乗り物動作データ808を含んでいてもよい。
【0064】
ブロック810において、乗り物内コンピューティング・システム110は乗り物支援サーバー102から乗り物支援データを受信する。上記で論じたように、乗り物支援データは、クラウドソーシングされた道路データおよび乗り物内コンピューティング・システム110から受信された乗り物プロファイル情報に基づいて乗り物支援サーバー102によって生成される。ブロック812では、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物支援データが乗り物制御コマンドを含むかどうかを判定する。乗り物内コンピューティング・システム110が乗り物制御コマンドが存在すると判定する場合、乗り物内コンピューティング・システム110はブロック814において、乗り物制御コマンドによって示される乗り物パラメータを調整する。乗り物内コンピューティング・システム110によって調整可能な乗り物パラメータは、エンジンのスロットルまたは一つまたは複数のインジケーター・ライトを含んでいてもよい。乗り物内コンピューティング・システム110が乗り物制御コマンドが存在しないと判定する場合には、ブロック816において、乗り物内コンピューティング・システムは、乗り物108のドライバーに対して出力するために、乗り物支援データに基づいて通知を生成する。通知は、乗り物支援データに含まれる道路データまたはドライバーによって調整されるべき乗り物パラメータについてのドライバーへの提案を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、乗り物内コンピューティング・システム110は、乗り物支援データにおいて乗り物制御コマンドが存在するときに乗り物支援データに基づいて通知を生成する。
【実施例】
【0065】
本稿に開示される技術の例示的な例が以下に与えられる。本願の技術のある実施形態は、以下に記載される実施例の任意の一つまたは複数および任意の組み合わせを含みうる。
【0066】
実施例1は、乗り物のドライバーを支援するための乗り物支援サーバーを含む。当該乗り物支援サーバーは、複数の乗り物のそれぞれから道路データを受信するデータ取得モジュールであって、前記道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む、データ取得モジュールと;前記複数の乗り物のそれぞれから受信された道路データを総合して、前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データを生成するデータ総合モジュールと;前記第一の道路セグメントに位置する第一の乗り物から乗り物プロファイル情報を受信する乗り物情報モジュールであって、前記乗り物プロファイル情報は前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を定義する、乗り物情報モジュールと;前記第一の乗り物のための乗り物支援データを、前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられた前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて決定する乗り物支援データ決定モジュールであって、前記乗り物支援データは、前記第一の乗り物の乗り物内コンピューティング装置によって、前記乗り物による前記第一の道路セグメントの通過を容易にするために使用可能である、乗り物支援データ決定モジュールとを有する。
【0067】
実施例2は、実施例1の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて前記第一の道路セグメントの道路勾配データを決定する。前記道路勾配データは、前記第一の道路セグメントに沿った垂直標高変化を示す。
【0068】
実施例3は、実施例1または2の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定する。前記燃料補給予測データは、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する。
【0069】
実施例4は、実施例1ないし3のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データは、前記第一の道路セグメントの前記勾配に基づく、前記第一の乗り物による、燃料補給が必要になるまでの推定進行距離を含む。
【0070】
実施例5は、実施例1ないし4のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データは、前記第一の乗り物の前記乗り物内コンピューティング装置によって、前記第一の道路セグメント上での前記第一の乗り物の過去の燃料実績に基づいて燃料補給までの推定される距離を調整するために使用可能である。
【0071】
実施例6は、実施例1ないし5のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいてクルーズ・コントロール・データを決定し、前記クルーズ・コントロール・データは、前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能である。
【0072】
実施例7は、実施例1ないし6のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データは、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通り始める前に、前記エンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能である。
【0073】
実施例8は、実施例1ないし7のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データは、前記道路勾配データと、前記第一の道路セグメントを通っている間の第二の乗り物の動作特性を示す前記乗り物プロファイル情報に含まれる情報とに基づき、前記第二の乗り物は、前記第一の乗り物と共通の少なくとも一つの恒久的な特性をもつ。
【0074】
実施例9は、実施例1ないし8のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定し、前記乗り物プロファイル情報は、複数の潜在的ドライバーから前記第一の乗り物のドライバーを同定するとともに、同定されたドライバーの運転スタイルの指標を含むドライバー・プロファイル・データを含み、前記燃料補給予測データは、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定するものである。
【0075】
実施例10は、実施例1ないし9のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記データ取得モジュールは、前記第一の道路セグメントに関連付けられた複数のインフラストラクチャー・センサーのそれぞれからインフラストラクチャー道路データを受信するインフラストラクチャー・データ・モジュールを含み、前記インフラストラクチャー道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る前記第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む。
【0076】
実施例11は、実施例1ないし10のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物情報モジュールは、前記乗り物の一つまたは複数の恒久的な特性を示す乗り物識別データと、前記乗り物の旅に固有の特性を示す乗り物動作データとを受信する。
【0077】
実施例12は、実施例1ないし11のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の道路セグメントの表面の特性を示す道路表面データを決定する。
【0078】
実施例13は、実施例1ないし12のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の道路セグメントの道路の型を示す道路型データをデジタル・ナビゲーション・マップから決定する。
【0079】
実施例14は、実施例1ないし13のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の道路セグメントに付随する一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサーから気象データを受信し、前記道路表面データを決定することは、前記道路型データおよび前記気象データに基づいて道路表面データを前記乗り物支援サーバーによって決定することを含む。
【0080】
実施例15は、実施例1ないし14のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の危険な状態を示す、前記クラウドソーシングされた道路データに基づく道路ハザード・データを決定する。
【0081】
実施例16は、実施例1ないし15のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の道路セグメントを通る前記複数の乗り物のそれぞれから乗り物動作データを受信し、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物動作データに基づいて前記第一の道路セグメントに位置する一つまたは複数の穴の位置を決定する。
【0082】
実施例17は、実施例1ないし16のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の乗り物の一つまたは複数の乗り物パラメータを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能な一つまたは複数の乗り物制御コマンドを決定する。
【0083】
実施例18は、実施例1ないし17のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記第一の乗り物の出力装置によって届けられる、前記第一の乗り物のドライバーのための一つまたは複数の通知を決定する。
【0084】
実施例19は、実施例1ないし18のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記第一の道路セグメント上を進む一つまたは複数の第二の乗り物に一つまたは複数の通知を送る通信モジュールをさらに含み、前記一つまたは複数の通知は、前記一つまたは複数の第二の乗り物に、前記第一の道路セグメントの道路条件について警報するものである。
【0085】
実施例20は、実施例1ないし19のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記データ総合モジュールは、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて確率モデルを生成し;前記乗り物支援データ決定モジュールは、前記乗り物プロファイル情報および前記確率モデルに基づいて前記乗り物支援データを決定する。
【0086】
実施例21は、実施例1ないし20のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記データ取得モジュールは、前記複数の乗り物のそれぞれから受信された前記道路データに対して、該道路データが前記複数の乗り物のそれぞれによって収集される日時に基づいて重み付け因子を適用する。
【0087】
実施例22は、第一の乗り物のドライバーを支援する乗り物内コンピューティング・システムを含む。当該乗り物内コンピューティング・システムは、前記第一の乗り物が第一の道路セグメント上に位置している間に前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を示す前記第一の乗り物の乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信する乗り物プロファイル・モジュールと;(i)前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された乗り物支援データを前記乗り物支援サーバーから受信し、(ii)受信された乗り物支援データに基づいて、少なくとも一つの乗り物制御コマンドを決定する乗り物出力モジュールを決定し、(iii)前記乗り物制御コマンドに基づいて前記第一の乗り物の乗り物パラメータを調整する乗り物出力モジュールとを含む。
【0088】
実施例23は、実施例22記載の主題を含み、前記乗り物支援データを受信するのに応答して、前記乗り物支援データに関係した情報を含む前記第一の乗り物のドライバーのための通知を生成する通知モジュールをさらに含む。
【0089】
実施例24は、実施例22または23記載の主題を含み、前記乗り物プロファイル・コンピューティング・システムは、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通っている間の前記第一の乗り物の動作を示す乗り物動作データを感知し、前記乗り物動作データと、前記第一の乗り物の少なくとも一つの恒久的な特性を示す乗り物識別データとを送信する。
【0090】
実施例25は、実施例22ないし24のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物出力モジュールはクルーズ・コントロール・データを受信し、前記乗り物パラメータを調整することは、前記クルーズ・コントロール・データに基づいて前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを、前記乗り物内コンピューティング・システムによって調整することを含む。
【0091】
実施例26は、実施例22ないし25のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物出力モジュールは、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する燃料補給予測データを受信して、前記クルーズ・コントロール・データに基づいて前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整する。
【0092】
実施例27は、実施例22ないし26のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物出力モジュールは、前記乗り物支援サーバーから前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す道路条件データを受信し;前記一つまたは複数の道路条件について前記第一の乗り物のドライバーに知らせる通知を生成する。
【0093】
実施例28は、実施例22ないし27のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物出力モジュールは、前記乗り物支援サーバーから、前記第一の道路セグメントに沿っての標高の垂直変化を示す道路勾配データを受信する。
【0094】
実施例29は、乗り物のドライバーを支援する方法を含む。当該方法は、乗り物支援サーバーによって、複数の乗り物のそれぞれから道路データを受信する段階であって、前記道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む、段階と;前記乗り物支援サーバーによって、前記複数の乗り物のそれぞれから受信された道路データを総合して、前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データを生成する段階と;前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントに位置する第一の乗り物から乗り物プロファイル情報を受信する段階であって、前記乗り物プロファイル情報は前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を定義する、段階と;前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の乗り物のための乗り物支援データを、前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられた前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて決定する段階であって、前記乗り物支援データは、前記第一の乗り物の乗り物内コンピューティング装置によって、前記乗り物による前記第一の道路セグメントの通過を容易にするために使用可能である、段階と;前記乗り物支援データを前記第一の乗り物に送信する段階とを含む。
【0095】
実施例30は、実施例29の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて、前記第一の道路セグメントに沿った垂直標高変化を示す前記第一の道路セグメントの道路勾配データを決定することをさらに含む。
【0096】
実施例31は、実施例29または30記載の主題を含み、乗り物支援データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定することを含み、前記燃料補給予測データは、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定するものである。
【0097】
実施例32は、実施例29ないし31のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定することを含み、前記燃料補給予測データは、前記第一の道路セグメントの決定された勾配に基づく、前記第一の乗り物による、燃料補給が必要とされるまでの推定される進行距離を含む。
【0098】
実施例33は、実施例29ないし32のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データは、前記第一の乗り物の前記乗り物内コンピューティング装置によって、前記第一の道路セグメント上での前記第一の乗り物の過去の燃料実績に基づいて燃料補給までの推定される距離を調整するために使用可能である。
【0099】
実施例34は、実施例29ないし33のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいてクルーズ・コントロール・データを決定することを含み、前記クルーズ・コントロール・データは、前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能である。
【0100】
実施例35は、実施例29ないし34のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データを決定することは、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通り始める前に、前記エンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能なクルーズ・コントロール・データを決定することを含む。
【0101】
実施例36は、実施例29ないし35のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記道路勾配データと、前記第一の道路セグメントを通っている間の第二の乗り物の動作特性を示す前記乗り物プロファイル情報に含まれる情報とに基づき、クルーズ・コントロール・データを決定することを含み、前記第二の乗り物は、前記第一の乗り物と共通の少なくとも一つの恒久的な特性をもつ。
【0102】
実施例37は、実施例29ないし36のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する燃料補給予測データを決定することを含み、前記乗り物プロファイル情報は、複数の潜在的ドライバーから前記第一の乗り物のドライバーを同定するとともに、同定されたドライバーの運転スタイルの指標を含むドライバー・プロファイル・データを含む。
【0103】
実施例38は、実施例29ないし37のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントに関連付けられた複数のインフラストラクチャー・センサーのそれぞれからインフラストラクチャー道路データを受信する段階をさらに含み、前記インフラストラクチャー道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る前記第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む。
【0104】
実施例39は、実施例29ないし38のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物プロファイル情報を受信することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記乗り物の一つまたは複数の恒久的な特性を示す乗り物識別データと、前記乗り物の旅に固有の特性を示す乗り物動作データとを受信することを含む。
【0105】
実施例40は、実施例29ないし39のうちいずれか一項記載の主題を含み、乗り物支援データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントの表面の特性を示す道路表面データを決定することを含む。
【0106】
実施例41は、実施例29ないし40のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記道路表面データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントの道路の型を示す道路型データをデジタル・ナビゲーション・マップから決定することを含む。
【0107】
実施例42は、実施例29ないし41のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントに付随する一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサーから気象データを受信する段階をさらに含み、前記道路表面データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記道路型データおよび前記気象データに基づいて道路表面データを前記乗り物支援サーバーによって決定することを含む。
【0108】
実施例43は、実施例29ないし42のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の危険な状態を示す、前記クラウドソーシングされた道路データに基づく道路ハザード・データを決定する段階をさらに含む。
【0109】
実施例44は、実施例29ないし43のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記道路データを受信することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメントを通る前記複数の乗り物のそれぞれから乗り物動作データを受信することを含み、前記道路ハザード・データを決定することは、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物動作データに基づいて前記第一の道路セグメントに位置する一つまたは複数の穴の位置を決定することを含む。
【0110】
実施例45は、実施例29ないし44のうちいずれか一項記載の主題を含み、乗り物支援データを決定することは、前記第一の乗り物の一つまたは複数の乗り物パラメータを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能な一つまたは複数の乗り物制御コマンドを前記乗り物支援サーバーによって決定することを含む。
【0111】
実施例46は、実施例29ないし45のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定することは、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の乗り物の出力装置によって届けられる、前記第一の乗り物のドライバーのための一つまたは複数の通知を決定することを含む。
【0112】
実施例47は、実施例29ないし46のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記第一の道路セグメント上を進む一つまたは複数の第二の乗り物に一つまたは複数の通知を送る段階をさらに含み、前記一つまたは複数の通知は、前記一つまたは複数の第二の乗り物に、前記第一の道路セグメントの道路条件について警報するものである。
【0113】
実施例48は、実施例29ないし47のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて確率モデルを生成する段階をさらに含み;前記乗り物支援データを決定することは、前記乗り物プロファイル情報および前記確率モデルに基づいて前記乗り物支援データを決定することを含む。
【0114】
実施例49は、実施例29ないし48のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援サーバーによって、前記複数の乗り物のそれぞれから受信された前記道路データに対して、該道路データが前記複数の乗り物のそれぞれによって収集される日時に基づいて重み付け因子を適用する段階をさらに含む。
【0115】
実施例50は、乗り物のドライバーを支援する方法を含む。当方法は、第一の乗り物の乗り物内コンピューティング・システムによって、前記第一の乗り物が第一の道路セグメント上に位置している間に前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を示す乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信する段階と;前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データに基づいて生成された乗り物支援データを前記乗り物支援サーバーから受信する段階と;前記乗り物内コンピューティング・システムによって、受信された乗り物支援データに基づいて、少なくとも一つの乗り物制御コマンドを決定する段階と;前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物制御コマンドに基づいて前記第一の乗り物の乗り物パラメータを調整する段階とを含む。
【0116】
実施例51は、実施例50記載の主題を含み、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物支援データを受信するのに応答して、前記乗り物支援データに関係した情報を含む前記第一の乗り物のドライバーのための通知を生成する段階をさらに含む。
【0117】
実施例52は、実施例50または51記載の主題を含み、乗り物プロファイル情報を送信することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通っている間の前記第一の乗り物の動作を示す乗り物動作データを感知し;前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物動作データと、前記第一の乗り物の少なくとも一つの恒久的な特性を示す乗り物識別データとを送信することを含む。
【0118】
実施例53は、実施例50ないし52のうちいずれか一項記載の主題を含み、乗り物支援データを受信することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、クルーズ・コントロール・データを受信することを含み、前記乗り物パラメータを調整することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記クルーズ・コントロール・データに基づいて前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整することを含む。
【0119】
実施例54は、実施例50ないし53のうちいずれか一項記載の主題を含み、乗り物支援データを受信することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物支援サーバーから、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する燃料補給予測データを受信することを含み、さらに、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記燃料補給予測データに基づいて前記第一の乗り物のための燃料補給推定値を調整することを含む。
【0120】
実施例55は、実施例50ないし54のうちいずれか一項記載の主題を含み、乗り物支援データを受信することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物支援サーバーから、前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す道路条件データを受信することを含み;さらに、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記一つまたは複数の道路条件について前記第一の乗り物のドライバーに知らせる通知を生成することを含む。
【0121】
実施例56は、実施例50ないし55のうちいずれか一項記載の主題を含み、道路条件データを受信することは、前記乗り物内コンピューティング・システムによって、前記乗り物支援サーバーから、前記第一の道路セグメントに沿っての標高の垂直変化を示す道路勾配データを受信することを含む。
【0122】
実施例57は、実行されることに応答してコンピューティング装置に実施例29ないし56のうちいずれか一項記載の方法を実行させる複数の命令が記憶されている一つまたは複数の機械可読記憶媒体を含む。
【0123】
実施例58は、乗り物のドライバーを支援するための乗り物支援サーバーを含む。当該乗り物支援サーバーは、複数の乗り物のそれぞれから道路データを受信する手段であって、前記道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む、手段と;前記複数の乗り物のそれぞれから受信された道路データを総合して、前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データを生成する手段と;前記第一の道路セグメントに位置する第一の乗り物から乗り物プロファイル情報を受信する手段であって、前記乗り物プロファイル情報は前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を定義する、手段と;前記第一の乗り物のための乗り物支援データを、前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられた前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて決定する手段であって、前記乗り物支援データは、前記第一の乗り物の乗り物内コンピューティング装置によって、前記乗り物による前記第一の道路セグメントの通過を容易にするために使用可能である、手段と;前記乗り物支援データを前記第一の乗り物に送信する手段とを有する。
【0124】
実施例59は、実施例58の主題を含み、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて、前記第一の道路セグメントに沿った垂直標高変化を示す前記第一の道路セグメントの道路勾配データを決定する手段をさらに含む。
【0125】
実施例60は、実施例58または59の主題を含み、前記乗り物支援データを決定する手段は、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定する手段を有する。前記燃料補給予測データは、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定するものである。
【0126】
実施例61は、実施例58ないし60のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データを決定する手段は、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて燃料補給予測データを決定する手段を有する。前記燃料補給予測データは、前記第一の道路セグメントの決定された勾配に基づく、前記第一の乗り物による、燃料補給が必要とされるまでの推定される進行距離を含む。
【0127】
実施例62は、実施例58ないし61のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記燃料補給予測データは、前記第一の乗り物の前記乗り物内コンピューティング装置によって、前記第一の道路セグメント上での前記第一の乗り物の過去の燃料実績に基づいて燃料補給までの推定される距離を調整するために使用可能である。
【0128】
実施例63は、実施例58ないし62のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定する手段は、前記道路勾配データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいてクルーズ・コントロール・データを決定する手段を有し、前記クルーズ・コントロール・データは、前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能である。
【0129】
実施例64は、実施例58ないし63のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データを決定する手段は、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通り始める前に、前記エンジンのスロットルを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能である。
【0130】
実施例65は、実施例58ないし64のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クルーズ・コントロール・データを決定する手段は、前記道路勾配データと、前記第一の道路セグメントを通っている間の第二の乗り物の動作特性を示す前記乗り物プロファイル情報に含まれる情報とに基づいて前記クルーズ・コントロール・データを決定する手段を有し、前記第二の乗り物は、前記第一の乗り物と共通の少なくとも一つの恒久的な特性をもつ。
【0131】
実施例66は、実施例58ないし65のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物プロファイル情報に基づいて、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する燃料補給予測データを決定する手段をさらに含み、前記乗り物プロファイル情報は、複数の潜在的ドライバーから前記第一の乗り物のドライバーを同定するとともに、同定されたドライバーの運転スタイルの指標を含むドライバー・プロファイル・データを含む。
【0132】
実施例67は、実施例58ないし66のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記第一の道路セグメントに関連付けられた複数のインフラストラクチャー・センサーのそれぞれからインフラストラクチャー道路データを受信する手段をさらに含み、前記インフラストラクチャー道路データは、前記複数の乗り物のそれぞれが通る前記第一の道路セグメントの少なくとも一つの特性を示すデータを含む。
【0133】
実施例68は、実施例58ないし67のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物プロファイル情報を受信する手段は、前記乗り物の一つまたは複数の恒久的な特性を示す乗り物識別データと、前記乗り物の旅に固有の特性を示す乗り物動作データとを受信する手段を有する。
【0134】
実施例69は、実施例58ないし68のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定する手段は、前記第一の道路セグメントの表面の特性を示す道路表面データを決定する手段を有する。
【0135】
実施例70は、実施例58ないし69のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記道路表面データを決定する手段は、前記第一の道路セグメントの道路の型を示す道路型データをデジタル・ナビゲーション・マップから決定する手段を有する。
【0136】
実施例71は、実施例58ないし70のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記第一の道路セグメントに付随する一つまたは複数のインフラストラクチャー・センサーから気象データを受信する手段をさらに含み、前記道路表面データを決定する手段は、前記道路型データおよび前記気象データに基づいて道路表面データを決定する手段を有する。
【0137】
実施例72は、実施例58ないし71のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の危険な状態を示す、前記クラウドソーシングされた道路データに基づく道路ハザード・データを決定する手段をさらに含む。
【0138】
実施例73は、実施例58ないし72のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記道路データを受信する手段は、前記第一の道路セグメントを通る前記複数の乗り物のそれぞれから乗り物動作データを受信する手段を有し、前記道路ハザード・データを決定する手段は、前記クラウドソーシングされた道路データおよび前記乗り物動作データに基づいて前記第一の道路セグメントに位置する一つまたは複数の穴の位置を決定する手段を有する。
【0139】
実施例74は、実施例58ないし73のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定する手段は、前記第一の乗り物の一つまたは複数の乗り物パラメータを調整するために前記乗り物内コンピューティング装置によって使用可能な一つまたは複数の乗り物制御コマンドを決定する手段を有する。
【0140】
実施例75は、実施例58ないし74のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを決定する手段は、前記第一の乗り物の出力装置によって届けられる、前記第一の乗り物のドライバーのための一つまたは複数の通知を決定する手段を有する。
【0141】
実施例76は、実施例58ないし75のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記第一の道路セグメント上を進む一つまたは複数の第二の乗り物に一つまたは複数の通知を送る手段をさらに含み、前記一つまたは複数の通知は、前記一つまたは複数の第二の乗り物に、前記第一の道路セグメントの道路条件について警報するものである。
【0142】
実施例77は、実施例58ないし76のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記クラウドソーシングされた道路データに基づいて確率モデルを生成する手段をさらに含み;前記乗り物支援データを決定する手段は、前記乗り物プロファイル情報および前記確率モデルに基づいて乗り物支援データを決定する手段を有する。
【0143】
実施例78は、実施例58ないし77のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記複数の乗り物のそれぞれから受信された前記道路データに対して、該道路データが前記複数の乗り物のそれぞれによって収集される日時に基づいて重み付け因子を適用する手段をさらに含む。
【0144】
実施例79は、第一の乗り物のドライバーを支援する乗り物内コンピューティング・システムを含む。当該乗り物内コンピューティング・システムは、前記第一の乗り物が第一の道路セグメント上に位置している間に前記第一の乗り物の少なくとも一つの特性を示す乗り物プロファイル情報を乗り物支援サーバーに送信する手段と;前記乗り物プロファイル情報および前記第一の道路セグメントに関連付けられたクラウドソーシングされた道路データに基づいて生成される乗り物支援データを前記乗り物支援サーバーから受信する手段と;受信された乗り物支援データに基づいて、少なくとも一つの乗り物制御コマンドを決定する手段と;前記乗り物制御コマンドに基づいて前記第一の乗り物の乗り物パラメータを調整する手段とを含む。
【0145】
実施例80は、実施例79記載の主題を含み、前記乗り物支援データを受信するのに応答して、前記乗り物支援データに関係した情報を含む前記第一の乗り物のドライバーのための通知を生成する手段をさらに含む。
【0146】
実施例81は、実施例79または80記載の主題を含み、前記乗り物プロファイル情報を送信する手段は、前記第一の乗り物が前記第一の道路セグメントを通っている間の前記第一の乗り物の動作を示す乗り物動作データを感知する手段と;前記乗り物動作データと、前記第一の乗り物の少なくとも一つの恒久的な特性を示す乗り物識別データとを送信する手段とを有する。
【0147】
実施例82は、実施例79ないし81のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを受信する手段はクルーズ・コントロール・データを受信する手段を有し、前記乗り物パラメータを調整する手段は、前記クルーズ・コントロール・データに基づいて前記第一の乗り物のエンジンのスロットルを調整する手段を含む。
【0148】
実施例83は、実施例79ないし82のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを受信する手段は、燃料補給が必要になる前に前記第一の乗り物が進むことができる距離を推定する燃料補給予測データを前記乗り物支援サーバーから受信する手段を有し、前記燃料補給予測データに基づいて前記第一の乗り物についての燃料補給推定値を調整する手段をさらに含む。
【0149】
実施例84は、実施例79ないし83のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記乗り物支援データを受信する手段は、前記乗り物支援サーバーから、前記第一の道路セグメントの一つまたは複数の道路条件を示す道路条件データを受信する手段を含み、前記一つまたは複数の道路条件について前記第一の乗り物のドライバーに知らせる通知を生成する手段をさらに含む。
【0150】
実施例85は、実施例79ないし84のうちいずれか一項記載の主題を含み、前記道路条件データを受信する手段は、前記乗り物支援サーバーから、前記第一の道路セグメントに沿っての標高の垂直変化を示す道路勾配データを受信する。