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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】車両用空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/22 20060101AFI20240124BHJP
   B60H 1/32 20060101ALI20240124BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240124BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240124BHJP
   H01M 10/656 20140101ALI20240124BHJP
   H01M 10/663 20140101ALI20240124BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20240124BHJP
   B60K 11/04 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B60H1/22 671
B60H1/22 ZHV
B60H1/22 651C
B60H1/32 624Z
H01M10/625
H01M10/613
H01M10/656
H01M10/663
B60K1/04 Z
B60K11/04 H
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020048169
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021146860
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】石関 徹也
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-039226(JP,A)
【文献】特開2016-082651(JP,A)
【文献】特開2014-126226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/22
B60H 1/32
H01M 10/625
H01M 10/613
H01M 10/656
H01M 10/663
B60K 1/04
B60K 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータに給電するバッテリを搭載した車両において、
冷却用熱媒体を循環させる冷却回路と、
車室内の空調を行うために空調用熱媒体を循環させる冷凍サイクル回路と、を備えた車両用空気調和装置であって、
前記冷却回路は、
冷却を必要とする前記バッテリと、
前記バッテリを外部電源から充電しているときに、外部冷却装置から供給される外部熱媒体と前記冷却回路の冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことで、前記バッテリを冷却する第一の熱交換器と、
前記冷凍サイクル回路で冷却された少なくとも一部の前記空調用熱媒体と前記冷却回路の前記冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことで、前記バッテリを冷却する第二の熱交換器と、を備え、
前記バッテリを外部電源から充電しているときに、冷房運転が要求された場合、前記冷凍サイクル回路の冷力に余力があるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて回路を切り替える回路切替制御部と、を備え、
前記回路切替制御部は、
前記判定部で余力があると判定されたときに、前記冷凍サイクル回路によって冷房運転を行ない、且つ前記第一の熱交換器及び前記第二の熱交換器によって前記バッテリの冷却を行ない、
前記判定部で余力がないと判定されたときには、前記冷凍サイクル回路によって冷房運転を行ない、且つ前記第一の熱交換器によって前記バッテリの冷却を行なうことを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
車室内に乗員がいるか否かを検出する乗員検出部を備え、
前記判定部は、
前記乗員検出部で乗員がいることを検出し、且つ冷房運転が要求された場合、前記冷凍サイクル回路の冷力に余力があるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空気調和装置。
【請求項3】
前記判定部は、
前記冷凍サイクル回路における蒸発器の目標温度、前記蒸発器の温度、及び前記冷凍サイクル回路における圧縮機の回転数に基づいて、前記冷凍サイクル回路の冷力に余力があるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用空気調和装置。
【請求項4】
前記回路切替制御部は、
前記判定部で余力があると判定されたときに、前記冷凍サイクル回路における吸熱器の目標温度を増加補正することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項5】
前記冷却回路は、
前記バッテリよりも下流側、且つ前記第二の熱交換器よりも上流側に設けられ、外気と前記冷却回路の前記冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことで、前記バッテリを冷却するラジエータを備えることを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の車両用空気調和装置。
【請求項6】
前記冷却回路は、
前記ラジエータをバイパスするバイパス流路を備え、
前記回路切替制御部は、
前記バッテリを通過した前記冷却用熱媒体の温度が外気温度以下のときには、前記冷却用熱媒体に前記バイパス流路を通過させ、前記バッテリを通過した前記冷却用熱媒体の温度が外気温度よりも高いときには、前記冷却用熱媒体に前記ラジエータを通過させることを特徴とする請求項5に記載の車両用空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用空気調和装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に示されるように、車両のバッテリを急速充電するときに、外部の冷却回路を接続してバッテリを冷却すると共に、空調用の冷凍サイクルを利用してバッテリを冷却するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-75248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
急速充電中に、空調用の冷凍サイクルも利用してバッテリを冷却すると、冷凍サイクルの冷力がバッテリの冷却によって消費される。したがって、乗員が冷房運転を求めているようなときには、車室内の冷房能力が不足し、快適性が低下する可能性がある。
本発明の課題は、車室内の快適性を犠牲にすることなく、バッテリの冷却と車室内の冷房とのバランスを最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る車両用空気調和装置は、電動モータに給電するバッテリを搭載した車両において、冷却用熱媒体を循環させる冷却回路と、車室内の空調を行うために空調用熱媒体を循環させる冷凍サイクル回路と、を備えた車両用空気調和装置であって、冷却回路は、冷却を必要とするバッテリと、バッテリを外部電源から充電しているときに、外部冷却装置から供給される外部熱媒体と冷却回路の冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことで、バッテリを冷却する第一の熱交換器と、冷凍サイクル回路で冷却された少なくとも一部の空調用熱媒体と冷却回路の冷却用熱媒体との間で熱交換を行なうことで、バッテリを冷却する第二の熱交換器と、を備え、バッテリを外部電源から充電しているときに、冷房運転が要求された場合、冷凍サイクル回路の冷力に余力があるか否かを判定する判定部と、判定部の判定結果に応じて回路を切り替える回路切替制御部と、を備え、回路切替制御部は、判定部で余力があると判定されたときに、冷凍サイクル回路によって冷房運転を行ない、且つ第一の熱交換器及び第二の熱交換器によってバッテリの冷却を行ない、判定部で余力がないと判定されたときには、冷凍サイクル回路によって冷房運転を行ない、且つ第一の熱交換器によってバッテリの冷却を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、冷凍サイクル回路の冷力に余力があるときだけ、冷凍サイクル回路で冷却された空調用熱媒体によってバッテリの冷却を行なうため、車室内の快適性を犠牲にすることなく、バッテリの冷却と車室内の冷房のバランスを最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車両用空気調和装置を示す図である。
図2】暖房運転を示す図である。
図3】除湿暖房運転を示す図である。
図4】除湿冷房運転を示す図である。
図5】冷房運転を示す図である。
図6】車両用空気調和装置のブロック図である。
図7】充電時制御処理の一例を示すフローチャートである。
図8】バイパス制御処理の一例を示すフローチャートである。
図9】冷房運転+バッテリ冷却補助を示す図である。
図10】冷房運転(バッテリ冷却補助なし)を示す図である。
図11】暖房運転+バッテリ冷却補助を示す図である。
図12】バッテリ冷却補助を示す図である。
図13】冷房運転+バッテリ冷却補助(ラジエータ追加)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図面は模式的なものであって、現実のものとは異なる場合がある。また、以下の実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであり、構成を下記のものに特定するものでない。すなわち、本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0009】
《一実施形態》
《構成》
図1は、車両用空気調和装置の一部を示す図である。
車両は、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車等、外部電源からの充電によってバッテリ43を充電可能で、且つバッテリ43に充電された電力によって電動モータを駆動し、走行する車両である。車両用空気調和装置11は、車両に搭載され、バッテリ43の電力で駆動される。車両用空気調和装置11は、冷凍サイクル回路12及びHVACユニット13を備え、空調用熱媒体を用いたヒートポンプにより、暖房運転、除湿暖房運転、冷房運転、除湿冷房運転の各空調運転を選択的に実行し、車室内の空調を行なう。
【0010】
先ず、冷凍サイクル回路12の基本的な構成要素について説明する。
冷凍サイクル回路12は、圧縮機21と、放熱器22と、室外膨張弁23、室外熱交換器24と、室内膨張弁25と、吸熱器26と、アキュムレータ27と、を備える。
圧縮機21は、気相である低圧の空調用熱媒体を圧縮することにより、液化しやすい高圧の空調用熱媒体に昇圧させるものであり、例えばスクロール圧縮機、斜板式圧縮機等である。圧縮機21の駆動源は、例えば電動モータである。圧縮機21は、空調用熱媒体と共に循環するオイルによって潤滑が行なわれる給油式であり、空調用熱媒体に対するオイル濃度は数%程度である。
【0011】
放熱器22は、HVACユニット13内に設けられており、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する高温高圧の空調用熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体が放熱によって凝縮液化することにより、放熱フィンの周囲の空気を加温する。
室外膨張弁23は、液相で高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
【0012】
室外熱交換器24は、車体におけるフロントグリルの内側に設けられており、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する空調用熱媒体との間で熱交換を行なう。外気とは主に走行風であるが、十分な走行風が得られないときは、送風機28が駆動されることで、放熱フィンに対して外気が送風される。暖房時や除湿暖房時には、室外熱交換器24を蒸発器、つまり吸熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する低温の空調用熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体に吸熱させ、蒸発気化させる。一方、除湿冷房時や冷房時には、室外熱交換器24を凝縮器、つまり放熱器として機能させ、放熱フィンの周囲を通過する外気とチューブ内を通過する高温の空調用熱媒体(熱媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体に放熱させ、凝縮液化させる。
【0013】
室内膨張弁25は、液相で高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
吸熱器26は、HVACユニット13内に設けられており、放熱フィンの周囲を通過する空気とチューブ内を通過する低温の空調用熱媒体(冷媒)との間で熱交換を行なう。すなわち、チューブ内の空調用熱媒体が吸熱によって蒸発気化することにより、放熱フィンの周囲の空気を冷却すると共に、放熱フィンの表面に結露を生じさせて除湿を行なう。
アキュムレータ27と、空調用熱媒体の気液分離を行ない、気相の空調用熱媒体だけを圧縮機21へと供給する。
【0014】
次に、冷凍サイクル回路12の基本的な回路構成について説明する。
図中、空調用熱媒体の流路を実線で示している。圧縮機21の出口は、配管31aを介して放熱器22の入口に連通している。放熱器22の出口は、配管31bを介して室外熱交換器24の入口に連通しており、配管31bには、室外膨張弁23が設けられている。
室外熱交換器24の出口は、配管31cを介して圧縮機21の入口に連通しており、配管31cには、室外熱交換器24の側から放熱器22の側に向かって、開閉弁32、逆止弁33、アキュムレータ27が、順に設けられている。開閉弁32は、配管31cを開放又は閉鎖する。逆止弁33は、開閉弁32の側からアキュムレータ27の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
【0015】
配管31bのうち、放熱器22と室外膨張弁23との間には分岐点34があり、この分岐点34は、配管31dを介して吸熱器26の入口に連通しており、配管31dには、分岐点34の側から吸熱器26の側に向かって、開閉弁35、及び室内膨張弁25が、順に設けられている。開閉弁35は、配管31dを開放又は閉鎖する。
配管31cのうち、室外熱交換器24と開閉弁32との間には分岐点36があり、また配管31dのうち、開閉弁35と室内膨張弁25との間には分岐点37がある。分岐点36は、配管31eを介して分岐点37に連通しており、配管31eには、逆止弁38が設けられている。逆止弁38は、分岐点36の側から分岐点37の側への通過を許容し、逆方向の通過を阻止する。
配管31cのうち、開閉弁32と逆止弁33との間には分岐点39があり、吸熱器26の出口は、配管31fを介して分岐点39に連通している。
【0016】
次に、HVACユニット13の基本構成について説明する。
HVACユニット13(HVAC:Heating Ventilation and Air Conditioning)は、ダッシュボードの内部に配置されており、一端側から外気や内気を導入し、他端側から車室内へ空気を供給するダクトによって形成されている。HVACユニット13の内部には、送風ファン14と、吸熱器26と、放熱器22と、エアミックスダンパ15と、ヒータ18と、が設けられている。送風ファン14は、HVACユニット13の一端側に設けられており、駆動されるときに、外気又は内気を吸引し、他端側へと吐出する。吸熱器26は、送風ファン14よりも下流側に設けられている。送風ファン14から吹き出された空気は、全て吸熱器26を通過する。HVACユニット13の内部で吸熱器26の下流側には、放熱器22を通過する流路16と、放熱器22を迂回する流路17と、が形成されている。流路16と流路17とは下流側が合流している。
【0017】
エアミックスダンパ15は、流路16を開放して流路17を閉鎖する位置と、流路16を閉鎖して流路17を開放する位置と、の間で回動可能である。エアミックスダンパ15が流路16を開放して流路17を閉鎖する位置にあるときには、吸熱器26を通過した空気は全て放熱器22を通過する。エアミックスダンパ15が流路16を閉鎖して流路17を開放する位置にあるときには、吸熱器26を通過した空気は全て放熱器22を迂回する。エアミックスダンパ15が流路16と流路17の双方を開放する位置にあるときには、吸熱器26を通過した空気のうち、一部が放熱器22を通過し、残りが放熱器22を迂回し、HVACユニット13の下流側にて、放熱器22を通過した空気と、放熱器22を迂回した空気とが混合される。
ヒータ18は、例えば温度によって抵抗値が変化するPTCヒータ(PTC:Positive Temperature Coefficient)であり、流路16の放熱器22よりも下流側に設けられている。ヒータ18は、ON/OFFの切り替えが可能であり、ONのときに通過する空気を加温する。
【0018】
次に、付加的な構成について説明する。
車両用空気調和装置11は、冷却回路41を備え、冷却用熱媒体を循環させることでバッテリ43の冷却を行なう。冷却用熱媒体は、例えば水であるが、冷媒やクーラント等、他の流体を用いてもよい。
先ず、冷却回路41の主な構成要素について説明する。
冷却回路41は、ポンプ42と、バッテリ43と、熱交換器44(第一の熱交換器)と、熱交換器45(第二の熱交換器)と、ラジエータ46と、を備える。
【0019】
ポンプ42は、冷却回路41の冷却用熱媒体を一方の側から吸引し、他方の側に吐出することで、冷却用熱媒体を循環させる。
バッテリ43は、図示しない車両走行用の電動モータに電力を供給する蓄電池であり、例えばリチウムイオンバッテリである。バッテリ43に形成されたウォータージャケットに冷却用熱媒体が流れることで、バッテリ43の冷却が行なわれる。
熱交換器44は、冷却用熱媒体が通過する冷却用熱媒体流路44Aと、外部熱媒体が通過する外部熱媒体流路44Bと、を備え、バッテリ43を図示しない外部電源から充電しているときに、外部冷却装置47から供給される外部熱媒体と冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう。外部熱媒体は、例えば水であるが、冷媒やクーラント等、他の流体を用いてもよい。熱交換器44と外部冷却装置47とは、図示しないコネクタによって着脱可能に接続されている。なお、熱交換器44とコネクタとの間には、さらに熱交換器を介在させてもよい。
【0020】
熱交換器45は、冷却用熱媒体が通過する冷却用熱媒体流路45Aと、空調用熱媒体が通過する空調用熱媒体流路45Bと、を備え、冷凍サイクル回路12の一部の空調用熱媒体と冷却回路41の冷却用熱媒体との間で熱交換を行なう。
ラジエータ46は、室外熱交換器24の風下側に配置され、内部を通過する冷却用熱媒体と周囲を通過する外気との間で熱交換を行ない、チューブ内の冷却用熱媒体に放熱させる。室外熱交換器24の風上側には、送風機28が設けられており、車両が停止しているとき又は低速で走行しているときでも、送風機28を駆動させることで、室外熱交換器24及びラジエータ46に送風が供給される。
【0021】
次に、冷却回路41の回路構成について説明する。
図中、冷却用熱媒体の流路を破線で示している。ポンプ42の出口は、配管51aを介してラジエータ46の入口に連通している。ラジエータ46の出口は、配管51bを介してポンプ42の入口に連通している。配管51aには、ポンプ42の出口側とラジエータ46の入口側との間に、分岐点48が設けられている。配管51bには、ラジエータ46の出口側からポンプ42の入口側に向かって、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aが、順に設けられている。三方弁49は、一方の入口がラジエータ46の出口に連通し、他方の入口が配管51c(バイパス流路)を介して分岐点48に連通し、出口が熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aに連通している。
【0022】
次に、冷凍サイクル回路12の付加的な構成要素について説明する。
冷凍サイクル回路12は、膨張弁55と、熱交換器45と、を備える。
膨張弁55は、液相で高圧の空調用熱媒体を霧状にして吹き出すことにより、気化しやすい低圧の空調用熱媒体に減圧するものであり、開度が全閉から全開まで調整可能である。
次に、冷凍サイクル回路12の付加的な回路構成について説明する。
配管31dのうち、分岐点37と室内膨張弁25との間には分岐点48があり、配管31cのうち、逆止弁33とアキュムレータ27との間には分岐点57がある。分岐点56は、配管31gを介して熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bの入口に連通し、熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bの出口は、配管31hを介して分岐点57に連通している。配管31gには、膨張弁55が設けられている。
【0023】
次に、車両用空気調和装置11の基本的な運転について説明する。
コントローラ61は、例えばマイクロコンピュータであり、ユーザからの運転要求に応じて、暖房運転、除湿暖房運転、冷房運転、除湿冷房運転の各空調運転を選択的に実行し、車室内の空調を行なう。ここでは、基本的な運転について説明するため、冷凍サイクル回路12の動作、及びHVACユニット13の動作について説明する。すなわち、コントローラ61は、圧縮機21、室外膨張弁23、開閉弁32、開閉弁35、室内膨張弁25、膨張弁55、送風機28、送風ファン14、及びエアミックスダンパ15を駆動制御する。
【0024】
[暖房運転]
図2は、暖房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。冷凍サイクル回路12によって、暖房運転を行なう場合、室外膨張弁23を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を閉鎖し、膨張弁55を閉鎖した状態で、圧縮機21を駆動する。
【0025】
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、開閉弁32、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、放熱器22で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室外膨張弁23で膨張され低圧となり、室外熱交換器24で吸熱することで蒸発気化し、高温になる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路17を閉じ気味にしつつ、放熱器22を通過する割合を調整する。これにより、導入された空気が放熱器22で加温され、温かい空気が車室内に供給される。また、ヒータ18を駆動すると、さらに加温される。
【0026】
なお、暖房運転では、室外熱交換器24が蒸発器として機能するため、室外熱交換器24の周囲が冷却されることで空気中の水分が昇華し、放熱フィンに着霜が生じることがある。また、霜が成長し放熱フィンの通風路が塞がれると、室外熱交換器24の熱交換効率が低下する。そこで、室外熱交換器24の温度から着霜の発生を検出したときには、除霜運転を行なう。除霜運転を行なう場合、送風ファン14を停止し、エアミックスダンパ15で流路16を閉塞することを除いては。暖房運転と同じである。これにより、空調用熱媒体は、放熱器22での放熱が抑制されるので、高温のまま室外熱交換器24へと供給され、霜が融解される。
【0027】
[除湿暖房運転]
図3は、除湿暖房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。冷凍サイクル回路12によって、除湿暖房運転を行なう場合、室外膨張弁23を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁35を開放し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を閉鎖した状態で、圧縮機21を駆動する。
【0028】
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、開閉弁32、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。また、放熱器22を通過した空調用熱媒体の一部は、分岐点34から分流され、開閉弁35、分岐点37、分岐点48、室内膨張弁25、及び吸熱器26を経由して分岐点39に合流する。これらの循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、放熱器22で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室外膨張弁23で膨張され低圧となり、室外熱交換器24で吸熱することで蒸発気化し、高温になる。また、液相の空調用熱媒体の一部は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路17を閉じ気味にしつつ、放熱器22を通過する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で除湿された後に、放熱器22で加温され、除湿された温かい空気が車室内に供給される。また、ヒータ18を駆動すると、さらに加温される。
【0029】
[除湿冷房運転]
図4は、除湿冷房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、中圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い破線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。冷凍サイクル回路12によって、除湿冷房運転を行なう場合、室外膨張弁23を開き気味にし、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を閉鎖した状態で、圧縮機21を駆動する。
【0030】
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点48、室内膨張弁25、吸熱器26、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外膨張弁23で膨張され中圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路16を閉じ気味にしつつ、放熱器22を迂回する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で除湿冷却され、涼しい空気が車室内に供給される。
【0031】
[冷房運転]
図5は、冷房運転を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。冷凍サイクル回路12によって、冷房運転を行なう場合、室外膨張弁23を全開にし、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を閉鎖した状態で、圧縮機21を駆動する。
【0032】
これにより、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点48、室内膨張弁25、吸熱器26、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路16を閉じ気味にしつつ、放熱器22を迂回する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で冷却され、涼しい空気が車室内に供給される。
【0033】
次に、車両用空気調和装置11の主要な制御処理について説明する。
図6は、車両用空気調和装置のブロック図である。
車両用空気調和装置11は、コントローラ61と、乗員センサ62(乗員検出部)と、外気温センサ63と、エバポレータ温度センサ64と、コンプレッサ回転センサ65と、水温センサ66と、を備える。
乗員センサ62は、車室内に乗員がいるか否かを検出する。例えば人感センサや着座センサである。外気温センサ63は、外気温度Taを検出する。エバポレータ温度センサ64は、吸熱器26の表面温度Teを検出する。コンプレッサ回転センサ65は、圧縮機21の回転数Ncを検出する。水温センサ66は、バッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twを検出する。各センサの出力は、コントローラ61に入力される。
【0034】
コントローラ61は、充電時制御処理、及びバイパス制御処理を実行し、冷凍サイクル回路12、HVACユニット13、及び冷却回路41を駆動制御する。すなわち、コントローラ61は、冷凍サイクル回路12の圧縮機21、室外膨張弁23、開閉弁32、開閉弁35、室内膨張弁25、膨張弁55、及び送風機28を駆動制御する。また、コントローラ61は、HVACユニット13の送風ファン14、エアミックスダンパ15、及びヒータ18を駆動制御する。さらに、コントローラ61は、冷却回路41のポンプ42、及び三方弁49を駆動制御する。
【0035】
図7は、充電時制御処理の一例を示すフローチャートである。
充電時制御処理は、所定時間毎のタイマ割込み処理として実行される。
ステップS101では、バッテリ43の急速充電が実行されているか否かを判定する。バッテリ43の急速充電が実行されていないときには、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、バッテリ43の急速充電が実行されているときには、ステップS102に移行する。
ステップS102では、外部冷却装置47から供給される外部熱媒体によってバッテリ43の冷却を行なう。具体的には、ポンプ42を駆動し、冷却回路41の冷却用熱媒体を循環させ、熱交換器44によって外部熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なう。
続くステップS103では、車室内に乗員がいるか否かを検出する。乗員がいないときにはステップS110に移行する。一方、乗員がいるときにはステップS104に移行する。
【0036】
ステップS104では、空調運転が要求されているか否かを判定する。空調が要求されていないときにはステップS110に移行する。一方、空調運転が要求されているときにはステップS105に移行する。
ステップS105では、冷房運転が要求されているか否かを判定する。冷房運転が要求されていない、つまり暖房運転が要求されているときにはステップS109に移行する。一方、冷房運転が要求されているときにはステップS106に移行する。ここでは、説明を簡単にするために、単に冷房運転が要求されているか否かを判定しているが、車室内を冷やすという点で冷房運転と除湿冷房運転は同等であるため、冷房運転及び除湿冷房運転の何れかが要求されているか否かを判定することも含むものとする。同様に、車室内を温めるという点で暖房運転と除湿暖房運転は同等であるため、暖房運転が要求されていることには、暖房運転及び除湿暖房運転の何れかが要求されていることも含むものとする。
【0037】
ステップS106では、吸熱器26の目標温度Te、吸熱器26の表面温度Te、及び圧縮機21の回転数Ncに基づいて、冷房運転の冷凍サイクル回路12の冷力に余力があるか否かを判定する。具体的には、吸熱器26の表面温度Teが目標温度Teを達成しており、且つ圧縮機21の回転数Ncが予め定めた閾値Nth以下であるか否かを判定する。圧縮機21の最高回転数Nmaxが7000~9000回転程度であるなら、閾値Nthは4000~5000回転程度に設定する。ここで、吸熱器26の表面温度Teが目標温度Teを達成しており、且つ圧縮機21の回転数Ncが予め定めた閾値Nth以下であるときには、冷力に余力があると判断してステップS107に移行する。一方、吸熱器26の表面温度Teが目標温度Teを達成していない、又は圧縮機21の回転数Ncが閾値Nthを上回っているときには、冷力に余力がないと判断してステップS108に移行する。
【0038】
ステップS107では、冷凍サイクル回路12によって冷房運転を行ない、且つ冷凍サイクル回路12から供給される空調用熱媒体の一部によってバッテリ43の冷却補助を行ない、所定のメインプログラムに復帰する。具体的には、通常の冷房運転を行なうことに加え、膨張弁55を開き、熱交換器45によって空調用熱媒体の一部と冷却用熱媒体との熱交換を行なう。このとき、吸熱器26の目標温度Teを増加補正する。例えば、予め定めた増加率に従って補正したり、予め定めた増加量だけ補正したりする。
ステップS108では、冷凍サイクル回路12によって通常の冷房運転だけを行ない、所定のメインプログラムに復帰する。
【0039】
ステップS109では、冷凍サイクル回路12によって暖房運転を行ない、且つ冷凍サイクル回路12から供給される空調用熱媒体によってバッテリ43の冷却補助を行ない、所定のメインプログラムに復帰する。具体的には、通常の暖房運転を行なうことに加え、開閉弁35を開き、且つ膨張弁55を開き、熱交換器45によって空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なう。
ステップS110では、冷凍サイクル回路12から供給される空調用熱媒体の全てによってバッテリ43の冷却補助を行ない、所定のメインプログラムに復帰する。具体的には、通常の冷房運転を行なっている状態から、室内膨張弁25を閉鎖し、且つ膨張弁55を開き、熱交換器45によって空調用熱媒体と冷却用熱媒体との熱交換を行なう。
【0040】
図8は、バイパス制御処理の一例を示すフローチャートである。
バイパス制御処理は、所定時間毎のタイマ割込み処理として実行される。
ステップS121では、バッテリ43の急速充電が実行されているか否かを判定する。バッテリ43の急速充電が実行されていないときには、そのまま所定のメインプログラムに復帰する。一方、バッテリ43の急速充電が実行されているときには、ステップS122に移行する。
ステップS122では、バッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるか否かを判定する。冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときにはステップS123に移行する。一方、冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Taを超えているときにはステップS124に移行する。
ステップS123では、三方弁49を制御し、冷却用熱媒体にラジエータ46を迂回させて、所定のメインプログラムに復帰する。
ステップS124では、三方弁49を制御し、冷却用熱媒体にラジエータ46を通過させて、所定のメインプログラムに復帰する。
【0041】
次に、車両用空気調和装置11の主要な運転について説明する。
[冷房運転+バッテリ冷却補助]
図9は、冷房運転+バッテリ冷却補助を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体、及び外部熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
【0042】
ここでは、急速充電時に、冷房要求があり、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があり、且つバッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときの運転について説明する。急速充電時は、外部冷却装置47から冷却された外部熱媒体が供給されている。冷凍サイクル回路12によって、冷房運転、及びバッテリ43の冷却を行なう場合、室外膨張弁23を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を僅かに開放した状態で、圧縮機21を駆動する。また、三方弁49によってラジエータ46を迂回させた状態で、ポンプ42を駆動する。
これにより、まず外部熱媒体は、外部冷却装置47、及び熱交換器44における外部熱媒体流路44Bを順に経由して循環する。この循環経路において、外部熱媒体は、外部冷却装置47で放熱することで冷却され、熱交換器44における外部熱媒体流路44Bで吸熱することで高温となる。
【0043】
また、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点56、室内膨張弁25、吸熱器26、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。また、分岐点37を通過した空調用熱媒体の一部は、分岐点56から分流され、膨張弁55、及び熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bを経由して分岐点57に合流する。これらの循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。また、液相の空調用熱媒体の一部は、膨張弁55で膨張され低圧となり、熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bで吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
【0044】
また、冷却用熱媒体は、ポンプ42、バッテリ43、分岐点48、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aを順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、バッテリ43で吸熱することで高温となり、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aで放熱することで低温となり、さらに熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aで放熱することでより低温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路16を閉じ気味にしつつ、放熱器22を迂回する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で冷却され、涼しい空気が車室内に供給される。
【0045】
[冷房運転(バッテリ冷却補助なし)]
図10は、冷房運転(バッテリ冷却補助なし)を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体、及び外部熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
ここでは、急速充電時に、冷房要求があり、冷凍サイクル回路12の冷力に余力がなく、且つバッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときの運転について説明する。急速充電時は、外部冷却装置47から冷却された外部熱媒体が供給されている。冷凍サイクル回路12によって、冷房運転だけを行なう場合、室外膨張弁23を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を閉鎖した状態で、圧縮機21を駆動する。また、三方弁49によってラジエータ46を迂回させた状態で、ポンプ42を駆動する。
【0046】
これにより、まず外部熱媒体は、外部冷却装置47、及び熱交換器44における外部熱媒体流路44Bを順に経由して循環する。この循環経路において、外部熱媒体は、外部冷却装置47で放熱することで冷却され、熱交換器44における外部熱媒体流路44Bで吸熱することで高温となる。
また、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点56、室内膨張弁25、吸熱器26、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
【0047】
また、冷却用熱媒体は、ポンプ42、バッテリ43、分岐点48、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、及び熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aを順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、バッテリ43で吸熱することで高温となり、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aで放熱することで低温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路16を閉じ気味にしつつ、放熱器22を迂回する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で冷却され、涼しい空気が車室内に供給される。
【0048】
[暖房運転+バッテリ冷却補助]
図11は、暖房運転+バッテリ冷却補助を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体、及び外部熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
ここでは、急速充電時に、暖房要求があり、且つバッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときの運転について説明する。急速充電時は、外部冷却装置47から冷却された外部熱媒体が供給されている。冷凍サイクル回路12によって、暖房運転を行なう場合、室外膨張弁23を僅かに開放し、開閉弁32を開放し、開閉弁35を開放し、室内膨張弁25を閉鎖し、膨張弁55を僅かに開放した状態で、圧縮機21を駆動する。また、三方弁49によってラジエータ46を迂回させた状態で、ポンプ42を駆動する。
【0049】
これにより、まず外部熱媒体は、外部冷却装置47、及び熱交換器44における外部熱媒体流路44Bを順に経由して循環する。この循環経路において、外部熱媒体は、外部冷却装置47で放熱することで冷却され、熱交換器44における外部熱媒体流路44Bで吸熱することで高温となる。
また、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、開閉弁32、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。また、放熱器22を通過した空調用熱媒体の一部は、分岐点34から分流され、開閉弁35、分岐点37、分岐点56、膨張弁55、及び熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bを経由して分岐点57に合流する。これらの循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、放熱器22で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室外膨張弁23で膨張され低圧となり、室外熱交換器24で吸熱することで蒸発気化し、高温になる。また、液相の空調用熱媒体の一部は、膨張弁55で膨張され低圧となり、熱交換器45で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
【0050】
また、冷却用熱媒体は、ポンプ42、バッテリ43、分岐点48、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、及び熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aを順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、バッテリ43で吸熱することで高温となり、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aで放熱することで低温となり、さらに熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aで放熱することでより低温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路17を閉じ気味にしつつ、放熱器22を通過する割合を調整する。これにより、導入された空気が放熱器22で加温され、温かい空気が車室内に供給される。また、ヒータ18を駆動すると、さらに加温される。
【0051】
[バッテリ冷却補助]
図12は、バッテリ冷却補助を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体、及び外部熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
ここでは、急速充電時に、車室内に乗員がおらず、且つバッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときの運転について説明する。急速充電時は、外部冷却装置47から冷却された外部熱媒体が供給されている。冷凍サイクル回路12によって、バッテリ43の冷却補助を行なう場合、室外膨張弁23を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を閉鎖し、膨張弁55を僅かに開放した状態で、圧縮機21を駆動する。また、三方弁49によってラジエータ46を迂回させた状態で、ポンプ42を駆動する。
【0052】
これにより、まず外部熱媒体は、外部冷却装置47、及び熱交換器44における外部熱媒体流路44Bを順に経由して循環する。この循環経路において、外部熱媒体は、外部冷却装置47で放熱することで冷却され、熱交換器44における外部熱媒体流路44Bで吸熱することで高温となる。
また、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点56、膨張弁55、熱交換器45における空調用熱媒体流路45B、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。この循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、膨張弁55で膨張され低圧となり、熱交換器45で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
【0053】
また、冷却用熱媒体は、ポンプ42、バッテリ43、分岐点48、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、及び熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aを順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、バッテリ43で吸熱することで高温となり、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aで放熱することで低温となり、さらに熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aで放熱することでより低温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を停止すると共に、エアミックスダンパ15で放熱器22を通過する流路を閉鎖する。これにより、空調が停止される。
【0054】
[冷房運転+バッテリ冷却補助(ラジエータ追加)]
図13は、冷房運転+バッテリ冷却補助(ラジエータ追加)を示す図である。
図中、低圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い点線で示し、高圧の空調用熱媒体が通過する流路を太い実線で示し、開放された開閉弁を白抜きで示し、閉鎖された開閉弁を黒塗りで示している。また、冷却用熱媒体、及び外部熱媒体が通過する流路を太い破線で示す。
ここでは、急速充電時に、冷房要求があり、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があり、且つバッテリ43における出口側の冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Taを超えているときの運転について説明する。急速充電時は、外部冷却装置47から冷却された外部熱媒体が供給されている。冷凍サイクル回路12によって、冷房運転、及びバッテリ43の冷却を行なう場合、室外膨張弁23を全開放し、開閉弁32を閉鎖し、開閉弁35を閉鎖し、室内膨張弁25を僅かに開放し、膨張弁55を僅かに開放した状態で、圧縮機21を駆動する。また、三方弁49によってラジエータ46を通過させた状態で、ポンプ42を駆動する。
【0055】
これにより、まず外部熱媒体は、外部冷却装置47、及び熱交換器44における外部熱媒体流路44Bを順に経由して循環する。この循環経路において、外部熱媒体は、外部冷却装置47で放熱することで冷却され、熱交換器44における外部熱媒体流路44Bで吸熱することで高温となる。
また、空調用熱媒体は、圧縮機21、放熱器22、分岐点34、室外膨張弁23、室外熱交換器24、分岐点36、逆止弁38、分岐点37、分岐点56、室内膨張弁25、吸熱器26、分岐点39、逆止弁33、分岐点57、及びアキュムレータ27を順に経由して循環する。また、分岐点37を通過した空調用熱媒体の一部は、分岐点56から分流され、膨張弁55、及び熱交換器45における空調用熱媒体流路45Bを経由して分岐点57に合流する。これらの循環経路において、気相の空調用熱媒体は、圧縮機21で圧縮され高圧となり、室外熱交換器24で放熱することで凝縮液化し、低温になる。液相の空調用熱媒体は、室内膨張弁25で膨張され低圧となり、吸熱器26で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。また、液相の空調用熱媒体の一部は、膨張弁55で膨張され低圧となり、熱交換器45で吸熱することで蒸発気化し、高温となる。
【0056】
また、冷却用熱媒体は、ポンプ42、バッテリ43、分岐点48、ラジエータ46、三方弁49、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44A、及び熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aを順に経由して循環する。この循環経路において、冷却用熱媒体は、バッテリ43で吸熱することで高温となり、ラジエータ46で放熱することで低温となり、熱交換器44における冷却用熱媒体流路44Aで放熱することで低温となり、さらに熱交換器45における冷却用熱媒体流路45Aで放熱することでより低温となる。
一方、HVACユニット13では、送風ファン14を駆動すると共に、エアミックスダンパ15で流路16を閉じ気味にしつつ、放熱器22を迂回する割合を調整する。これにより、導入された空気が吸熱器26で冷却され、涼しい空気が車室内に供給される。
【0057】
上記より、冷却回路41が「冷却回路」に対応し、冷凍サイクル回路12が「冷凍サイクル回路」に対応し、バッテリ43が「バッテリ」に対応し、熱交換器44が「第一の熱交換器」に対応し、熱交換器45が「第二の熱交換器」に対応する。また、ステップS106の処理が「判定部」に対応し、ステップS107、S108の処理、及びステップS122~S124の処理が「回路切替制御部」に対応する。また、乗員センサ62が「乗員検出部」に対応する。
【0058】
《作用》
次に、一実施形態の主要な作用効果について説明する。
短時間に多くの電流が流れる急速充電中は、外部冷却装置47から供給される外部熱媒体によってバッテリ43の冷却を行なう(ステップS102)。これにより、バッテリ43の温度上昇を抑制することができる。また、冷凍サイクル回路12も利用してバッテリ43の冷却補助を行なえば、さらに冷却効果が向上する。しかしながら、冷凍サイクル回路12を利用すると、冷凍サイクル回路12の冷力がバッテリ43の冷却補助によって消費される。したがって、乗員が冷房運転を求めているようなときには、車室内の冷房能力が不足し、快適性が低下する可能性がある。
【0059】
そこで、バッテリ43を外部電源から充電しているときに(ステップS101の判定が“Yes”)、冷房運転が要求された場合(ステップS105の判定が“Yes”)、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があるか否かを判定する(ステップS106)。そして、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があると判定されたときには(ステップS106の判定が“Yes”)、冷凍サイクル回路12によって冷房運転を行なうと共に、熱交換器45によってバッテリ43の冷却補助を行なう(ステップS107)。このように、外部冷却装置47、及び冷凍サイクル回路12の双方の冷力によってバッテリ43の冷却を行なうことで、冷却効果が向上する。
【0060】
一方、冷凍サイクル回路12の冷力に余力がないと判定されたときには(ステップS106の判定が“No”)、冷凍サイクル回路12によってバッテリ43の冷却補助は行なわず、冷房運転だけを行なう(ステップS108)。このときは、外部冷却装置47の冷力だけでバッテリ43の冷却を行なうことで、最低限の冷却効果を確保することができる。
このように、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があるときだけ、冷凍サイクル回路12で冷却された空調用熱媒体によってバッテリ43の冷却補助を行なう。したがって、車室内の快適性を犠牲にすることなく、バッテリ43の冷却と車室内の冷房のバランスを最適化することができる。
【0061】
また、車室内に乗員がいることを検出し(ステップS103の判定が“Yes”)、且つ冷房運転が要求されたときに(ステップS105の判定が“Yes”)、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があるか否かを判定する。このように、乗員がいることをAND条件で追加しているので、冷房運転が必要であることの確度が上がり、車両用空気調和装置11の信頼性が向上する。
また、吸熱器26の目標温度Te、吸熱器26の表面温度Te、及び圧縮機21の回転数Ncに基づいて、冷凍サイクル回路12の冷力に余力があるか否かを判定する。このように、圧縮機21を制御する際に必要とされる一般的な引数(又はパラメータ)を用いているため、余力の有無を容易に判定することができる。
【0062】
また、余力があると判定されたときに、冷凍サイクル回路12における吸熱器26の目標温度Teを増加補正する。これにより、冷房によって消費される冷力を低減することができる。したがって、相対的にバッテリ43の冷却に消費できる冷力が増加し、冷却能力を向上させることができる。
また、冷房は外気温度Taが高いときに利用されるため、ラジエータ46よりも熱交換器45の方が冷却用熱媒体に対する冷却能力が高い。そこで、冷却回路41では、バッテリ43よりも下流側、且つ熱交換器45よりも上流側にラジエータ46を設けている。すなわち、まずラジエータ46によって冷却用熱媒体を冷却し、それから熱交換器45によって冷却用熱媒体を冷却する。これにより、ラジエータ46による冷却効果を高めることができる。
【0063】
さらに、冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Ta以下であるときには(ステップS122の判定が“Yes”)、冷却用熱媒体にラジエータ46を迂回させる(ステップS123)。これにより、外気から吸熱して冷却用熱媒体の温度Twが上昇することを防げる。一方、冷却用熱媒体の温度Twが外気温度Taを超えているときには(ステップS122の判定が“No”)、冷却用熱媒体にラジエータ46を通過させる(ステップS124)。これにより、外気への放熱によって冷却用熱媒体の温度Twを確実に低下させることができる。
【0064】
《変形例》
本実施形態では、冷却回路41において、冷却用熱媒体にラジエータ46を通過させるか又は迂回させるかを三方弁49で切り替えているが、これに限定されるものではない。例えば、ラジエータ46を通過する流路、及びラジエータ46を迂回する流路に、夫々、開閉可能な二方弁を設け、一方を開くときに他方を閉じ、一方を閉じるときに他方を開くようにしてもよい。
本実施形態では、冷房時に室外膨張弁23を全開にする構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、室外膨張弁23を迂回するバイパス流路を設け、このバイパス流路を開閉可能に構成してもよい。これにより、冷房時に室外膨張弁23を閉鎖し、バイパス流路を開放すれば、圧力損失を低減することができる。
【0065】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0066】
11…車両用空気調和装置、12…冷凍サイクル回路、13…HVACユニット、14…送風ファン、15…エアミックスダンパ、16…流路、17…流路、18…ヒータ、21…圧縮機、22…放熱器、23…室外膨張弁、24…室外熱交換器、25…室内膨張弁、26…吸熱器、27…アキュムレータ、28…送風機、31a…配管、31b…配管、31c…配管、31d…配管、31e…配管、31f…配管、31g…配管、31h…配管、32…開閉弁、33…逆止弁、34…分岐点、35…開閉弁、36…分岐点、37…分岐点、38…逆止弁、39…分岐点、41…冷却回路、42…ポンプ、43…バッテリ、44…熱交換器、44A…冷却用熱媒体流路、44B…外部熱媒体流路、45…熱交換器、45A…冷却用熱媒体流路、45B…空調用熱媒体流路、46…ラジエータ、47…外部冷却装置、48…分岐点、49…三方弁、51a…配管、51b…配管、51c…配管、55…膨張弁、56…分岐点、57…分岐点、61…コントローラ、62…乗員センサ、63…外気温センサ、64…エバポレータ温度センサ、65…コンプレッサ回転センサ、66…水温センサ
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