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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】カラオケシステム
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020092968
(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公開番号】P2021189257
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金子 多加志
【審査官】冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-146767(JP,A)
【文献】特開2004-109263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
H04L 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開局サーバ装置と、複数のカラオケ装置とを含むカラオケシステムであって、
前記開局サーバ装置は、
カラオケ装置を設置する店舗の店舗識別情報と、当該店舗に設置されるカラオケ装置の装置識別情報とが対応付けられた出庫情報テーブルを記憶するテーブル記憶部と、
ある店舗に設置された一のカラオケ装置から、当該ある店舗の店舗識別情報、及び当該一のカラオケ装置のアドレス情報を含む開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該一のカラオケ装置の開局処理を実行する開局処理部と、
前記出庫情報テーブルから、受信した前記開局情報に含まれる店舗識別情報に対応付けられているカラオケ装置の装置識別情報を抽出する抽出部と、
抽出した前記カラオケ装置の装置識別情報を、開局予定リストとして前記一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信処理部と、
を有し、
前記一のカラオケ装置は、
前記開局サーバ装置に対して、自己の開局情報を送信するカラオケ側送信処理部と、
前記開局サーバ装置から受信した前記開局予定リストに含まれる自己以外の他のカラオケ装置の装置識別情報に対し、当該他のカラオケ装置のアドレス情報を紐付けて記憶手段に記憶させる記憶処理部と、
前記他のカラオケ装置に対し、前記一のカラオケ装置が設置されている店舗の店舗識別情報を含む情報であって、前記開局サーバ装置に開局情報の送信を行うよう指示する開局指示情報を送信する指示部と、
を有するカラオケシステム。
【請求項2】
前記他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部は、前記一のカラオケ装置から前記開局指示情報を受信した場合、前記開局サーバ装置に対して、自己の開局情報を送信し、
前記開局サーバ装置の開局処理部は、前記他のカラオケ装置から開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該他のカラオケ装置の開局処理を実行することを特徴とする請求項1記載のカラオケシステム。
【請求項3】
前記他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部は、前記開局サーバ装置から開局完了の通知を受けた場合、前記一のカラオケ装置に対してその旨の信号を送信し、
前記一のカラオケ装置の記憶処理部は、前記他のカラオケ装置の開局が完了したことを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項2記載のカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信カラオケシステムは、インターネットを利用したVPNなどのブロードバンドネットワークを介し、配信サーバ装置からカラオケ装置に楽曲データ等を配信している。配信サーバ装置は、カラオケ装置と通信を行うために、各カラオケ装置に割り当てられているアドレス情報(たとえばVPNで使用するプライベートIPアドレス)等を一元管理している。
【0003】
ここで、ある店舗において新たにカラオケ装置を設置する場合、当該カラオケ装置が配信サーバ装置から楽曲データ等の配信を受けることができるよう、開局処理が必要となる。一般的に、開局処理は専用のサーバ装置で実行される。
【0004】
このような開局処理の方法としては、たとえば特許文献1に記載されているように、カラオケ装置から開局サーバへプライベートIPアドレスを送信し、開局サーバがプライベートIPアドレスに基づいて担当の配信サーバを決定する。そして、開局サーバは、配信サーバのプライベートIPアドレスをカラオケ装置に通知してVPNを経由した接続を確認させたのち、開局サーバから配信サーバに対してカラオケ装置のプライベートIPアドレスを通知して定期的な楽曲データの配信を開始させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2004-109261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の開局処理を実行するために、カラオケ事業者の係員は、ルータやカラオケ装置を店舗内に設置した後、カラオケ装置を操作して指示入力を行う必要がある。
【0007】
ところで、カラオケボックス等の店舗においては、複数のカラオケ装置が設置されることが一般的である。従って、各カラオケ装置に対してそれぞれ開局処理を実行する必要がある。そのため、係員は、各カラオケ装置が設置されているカラオケルームを回り、1台ずつ開局処理を実行するための指示入力を行わなければならず煩雑であった。
【0008】
本発明の目的は、一の店舗に複数のカラオケ装置が設置されている場合であっても、各カラオケ装置の開局処理を簡易に行うことが可能なカラオケシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための一の発明は、開局サーバ装置と、複数のカラオケ装置とを含むカラオケシステムであって、前記開局サーバ装置は、カラオケ装置を設置する店舗の店舗識別情報と、当該店舗に設置されるカラオケ装置の装置識別情報とが対応付けられた出庫情報テーブルを記憶するテーブル記憶部と、ある店舗に設置された一のカラオケ装置から、当該ある店舗の店舗識別情報、及び当該一のカラオケ装置のアドレス情報を含む開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該一のカラオケ装置の開局処理を実行する開局処理部と、前記出庫情報テーブルから、受信した前記開局情報に含まれる店舗識別情報に対応付けられているカラオケ装置の装置識別情報を抽出する抽出部と、抽出した前記カラオケ装置の装置識別情報を、開局予定リストとして前記一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信処理部と、を有し、前記一のカラオケ装置は、前記開局サーバ装置に対して、自己の開局情報を送信するカラオケ側送信処理部と、前記開局サーバ装置から受信した前記開局予定リストに含まれる自己以外の他のカラオケ装置の装置識別情報に対し、当該他のカラオケ装置のアドレス情報を紐付けて記憶手段に記憶させる記憶処理部と、前記他のカラオケ装置に対し、前記一のカラオケ装置が設置されている店舗の店舗識別情報を含む情報であって、前記開局サーバ装置に開局情報の送信を行うよう指示する開局指示情報を送信する指示部と、を有するカラオケシステムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一の店舗に複数のカラオケ装置が設置されている場合であっても、各カラオケ装置の開局処理を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係るカラオケシステムを示す図である。
図2】実施形態に係るサーバ装置を示す図である。
図3】実施形態に係る出庫情報テーブルを示す図である。
図4】実施形態に係るカラオケ装置を示す図である。
図5】実施形態に係るカラオケ本体を示す図である。
図6】実施形態に係る開局予定リストに含まれる装置識別情報と、対応するプライベートIPアドレスとを紐づけたリストである。
図7A】実施形態に係る開局状況のリストである。
図7B】実施形態に係る開局状況のリストである。
図8】実施形態に係るカラオケシステムの処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態>
図1図8を参照して、実施形態に係るカラオケシステム1について説明する。
【0013】
==システム==
図1に示すように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、開局サーバ装置S、及び複数のカラオケ装置K1~K4を含む。開局サーバ装置Sと各カラオケ装置とは、ネットワークN及びルータRを介して通信可能に接続されている。ネットワークNは、たとえば公衆電話回線網やインターネット回線等である。
【0014】
開局サーバ装置Sは、各カラオケ装置の開局処理を実行する(詳細は後述)。開局処理が完了した後、各カラオケ装置は、配信サーバ装置(図示なし)から直接、楽曲データ等の配信を受けることができる。
【0015】
カラオケ装置K1~K4は、店舗KSに配置されている。より具体的には、カラオケ装置K1~K4は、それぞれ部屋C1~C4に配置されている。各カラオケ装置は、楽曲の演奏、及び利用者がカラオケ歌唱を行うための装置である。また、各カラオケ装置は、店舗KSのLANを介してルータRに接続されている。
【0016】
なお、カラオケ装置の数は図1の例に限られない。たとえばルータRに対して5つ以上のカラオケ装置が接続されていてもよい。また、図1では一のルータRのみを示しているが、一の店舗においてルータRが複数存在し、各ルータに対して複数のカラオケ装置が接続されていてもよい。
【0017】
==開局サーバ装置==
図2に示すように、開局サーバ装置Sは、記憶手段100、通信手段200、及び制御手段300を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0018】
[記憶手段]
記憶手段100は、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。本実施形態において、記憶手段100の記憶領域の一部は、テーブル記憶部100aとして機能する。
【0019】
(テーブル記憶部)
テーブル記憶部100aは、カラオケ装置を設置する店舗の店舗識別情報と、当該店舗に設置されるカラオケ装置の装置識別情報とが対応付けられた出庫情報テーブルを記憶する。
【0020】
店舗識別情報は、店舗ID等、各店舗に固有の情報である。装置識別情報は、装置ID等、各カラオケ装置に固有の情報である。店舗識別情報は、カラオケ装置を設置する店舗とカラオケ事業者との契約に基づき、一の店舗に対して一の情報が付与される。なお、店舗識別情報は開局サーバ装置Sにアクセスするための認証に必要となる。装置識別情報は、カラオケ装置の製造時や出荷時に予め付与される。
【0021】
図3に示す出庫情報テーブルによれば、店舗KSの店舗識別情報ID***KSに対し、カラオケ装置K1~K4の装置識別情報ID***K1~ID***K4が対応付けられている。
【0022】
[通信手段]
通信手段200は、ネットワークN及びルータRを介して、開局サーバ装置Sと各カラオケ装置とを接続するためのインターフェースを提供する。
【0023】
[制御手段]
制御手段300は、開局サーバ装置Sにおける各種の制御を行う。制御手段300は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
本実施形態においてCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段300は、開局処理部300a、抽出部300b、及びサーバ側送信処理部300cとして機能する。
【0025】
(開局処理部)
開局処理部300aは、店舗に設置されたカラオケ装置から、開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該カラオケ装置の開局処理を実行する。
【0026】
開局情報は、店舗の店舗識別情報、及び当該カラオケ装置のアドレス情報を含む。アドレス情報は、店舗に設置されるカラオケ装置のローカルエリアネットワーク(LAN)上におけるアドレスを示す情報である。アドレス情報は、たとえば、ルータRによって割り振られるプライベートIPアドレスである。
【0027】
開局処理は、特許文献1に記載されている技術等、公知の技術を利用することができる。
【0028】
本実施形態において、開局処理部300aは、ある店舗に設置された一のカラオケ装置から、開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該一のカラオケ装置の開局処理を実行する。一のカラオケ装置から受信した開局情報は、ある店舗の店舗識別情報、及び一のカラオケ装置のアドレス情報を含む。
【0029】
たとえば、開局サーバ装置Sが、店舗KSに設置されたカラオケ装置K1から、店舗識別情報ID***KS、及びカラオケ装置K1のアドレス情報(後述するプライベートIPアドレス「10.2.20.5」)を含む開局情報O1を受信したとする。この場合、開局処理部300aは、開局情報O1に基づいて、カラオケ装置K1の開局処理を実行する。開局処理が完了した後、開局処理部300aは、カラオケ装置K1に対し、開局完了の通知を行う。この例において、カラオケ装置K1は「一のカラオケ装置」に相当する。
【0030】
(抽出部)
抽出部300bは、出庫情報テーブルから、受信した開局情報に含まれる店舗識別情報に対応付けられているカラオケ装置の装置識別情報を抽出する。
【0031】
たとえば、開局サーバ装置Sが開局情報O1を受信したとする。この場合、抽出部300bは、テーブル記憶部100aに記憶されている出庫情報テーブル(図3)を参照し、店舗情報ID***KSに対応付けられている装置情報ID***K1~ID***K4を抽出する。
【0032】
(サーバ側送信処理部)
サーバ側送信処理部300cは、抽出したカラオケ装置の装置識別情報を、開局予定リストとして一のカラオケ装置に送信する。
【0033】
たとえば、抽出部300bがカラオケ装置K1~K4の装置識別情報ID***K1~ID***K4を抽出したとする。この場合、サーバ側送信処理部300cは、装置識別情報ID***K1~ID***K4を開局予定リストOLとし、カラオケ装置K1に送信する。
【0034】
==カラオケ装置==
カラオケ装置K1~K4はいずれも同じ構成である。以下、カラオケ装置K1を例に説明する。
【0035】
図4に示すように、カラオケ装置K1は、カラオケ本体10、スピーカ20、表示装置30、マイク40、及びリモコン装置50を備える。
【0036】
カラオケ本体10は、選曲された楽曲の演奏制御、歌詞や背景映像等の表示制御、マイク40を通じて入力された音声信号の処理といった、カラオケ演奏やカラオケ歌唱に関する各種の制御を行う。スピーカ20は、カラオケ本体10からの放音信号に基づいて放音するための構成である。表示装置30は、カラオケ本体10からの信号に基づいて映像や画像を画面に表示するための構成である。マイク40は、利用者が行ったカラオケ歌唱に基づく歌唱音声をアナログの音声信号に変換してカラオケ本体10に入力するための構成である。リモコン装置50は、カラオケ本体10に対する各種操作をおこなうための装置である。
【0037】
図5に示すように、カラオケ本体10は、記憶手段10a、通信手段10b、入力手段10c、及び制御手段10dを備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0038】
[記憶手段]
記憶手段10aは、各種のデータを記憶する大容量の記憶装置である。記憶手段10aは、たとえば、カラオケ装置K1によりカラオケ演奏を行うための複数の楽曲データを記憶する。
【0039】
[通信手段・入力手段]
通信手段10bは、開局サーバ装置Sやリモコン装置50との通信を行うためのインターフェースを提供する。入力手段10cは、利用者やカラオケ事業者の係員等が各種の指示入力を行うための構成である。入力手段10cは、カラオケ本体10のフロントパネルに設けられたタッチパネル式の表示画面やボタン等である。或いは、リモコン装置50が入力手段10cとして機能してもよい。
【0040】
[制御手段]
制御手段10dは、カラオケ装置K1における各種の制御を行う。制御手段10dは、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0041】
本実施形態においてCPUがメモリに記憶されるプログラムを実行することにより、制御手段10dは、カラオケ側送信処理部101d、記憶処理部102d、及び指示部103dとして機能する。
【0042】
(カラオケ側送信処理部)
カラオケ側送信処理部101dは、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報を送信する。
【0043】
たとえば、カラオケ事業者の係員が店舗KSを訪れ、カラオケ装置K1~K4を設置した後、各カラオケ装置の開局処理を実行するための指示入力を行うとする。
【0044】
係員は、まずカラオケ装置K1~K4を店舗KSのLANに接続して各装置の電源を投入する。起動した各カラオケ装置は、ルータRからアドレス情報が付与される。この例では、アドレス情報として、カラオケ装置K1がプライベートIPアドレス「10.2.20.5」を付与され、カラオケ装置K2がプライベートIPアドレス「10.2.20.3」を付与され、カラオケ装置K3がプライベートIPアドレス「10.2.20.2」を付与され、カラオケ装置K4がプライベートIPアドレス「10.2.20.4」を付与されたとする。
【0045】
その後、係員は、部屋C1に入室し、カラオケ装置K1のフロントパネルの表示画面を介して開局処理を実行するための指示入力を行う。指示入力は、たとえば係員がフロントパネルの表示画面に表示された「実行アイコン」を選択することにより行う。
【0046】
カラオケ側送信処理部101dは、係員からの指示入力に応じて、開局情報O1を開局サーバ装置Sに送信する。一方、開局サーバ装置Sから開局完了の通知を受けた場合、カラオケ側送信処理部101dは、その旨を記憶手段10aに記憶させる。
【0047】
開局情報O1は、店舗KSの店舗識別情報ID***KS、及びカラオケ装置K1のプライベートIPアドレス「10.2.20.5」を含む。
【0048】
(記憶処理部)
記憶処理部102dは、開局サーバ装置Sから受信した開局予定リストに含まれる自己以外の他のカラオケ装置の装置識別情報に対し、当該他のカラオケ装置のアドレス情報を紐付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0049】
サーバ側送信処理部300cから開局予定リストを受信した場合、記憶処理部102dは、開局予定リストを記憶手段10aに記憶させる。
【0050】
そして、記憶処理部102dは、店舗KSのLAN上の全てのプライベートIPアドレスに向けてpingを送信し、pingに応答したカラオケ装置から装置識別情報を受信する。
【0051】
受信した装置識別情報が開局予定リストに含まれていた場合、記憶処理部102dは、開局予定リストに含まれる他のカラオケ装置の装置識別情報に対し、pingの送信に利用した他のカラオケ装置のプライベートIPアドレスを紐付けて記憶手段10aに記憶させる。
【0052】
たとえば、開局サーバ装置Sから上述の開局予定リストOLを受信したとする。この場合、記憶処理部102dは、開局予定リストOLを記憶手段10aに記憶させる。
【0053】
そして、記憶処理部102dは、店舗KSのLAN上に存在する自己のプライベートIPアドレス以外の全てのプライベートIPアドレスに向けてpingを送信する。図1の場合、カラオケ装置K2~K4がpingに応答する。よって、記憶処理部102dは、カラオケ装置K2~K4からそれぞれの装置識別情報ID***K2~ID***K4を取得する。
【0054】
記憶処理部102dは、取得した装置識別情報ID***K2~ID***K4に対応するプライベートIPアドレスを、開局予定リストOLに含まれる装置識別情報ID***K2~ID***K4に紐付けて記憶手段10aに記憶させる。図6は、開局予定リストOLに含まれる装置識別情報と、対応するプライベートIPアドレスとを紐づけたリストである。
【0055】
(指示部)
指示部103dは、他のカラオケ装置に対し、開局指示情報を送信する。
【0056】
開局指示情報は、他のカラオケ装置に対し、開局サーバ装置に開局情報の送信を行うよう指示する情報である。開局指示情報は、一のカラオケ装置が設置されている店舗の店舗識別情報を含む。また、開局指示情報は、開局処理の指示に使用する店舗専用のパスワード等を含んでいてもよい。
【0057】
上記例において、カラオケ装置K2~K4の装置識別情報ID***2~ID***4と各プライベートIPアドレスとの紐付けが完了した場合、指示部103dは、記憶手段10aに記憶されているカラオケ装置K1の開局完了の通知、及び開局予定リストOLに基づいて、開局状況のリストをフロントパネルの表示画面に表示させる。
【0058】
図7Aは、カラオケ装置K1のフロントパネルの表示画面に表示される開局状況のリストを示したものである。図7Aに示した通り、既に開局済みのカラオケ装置K1については、その旨が表示されている。一方、未開局であるカラオケ装置K2~K4については、開局処理を開始するための「実行アイコン」が表示されている。
【0059】
ここで、係員が、カラオケ装置K2に対応する「実行アイコン」を選択したとする。
【0060】
この場合、指示部103dは、カラオケ装置K2の装置識別情報ID***K2または装置識別情報ID***K2に紐づけられたプライベートIPアドレス「10.2.20.3」に基づいて、カラオケ装置K2に対し、店舗KSの店舗識別情報ID***KSを含む開局指示情報を送信する。なお、店舗識別情報は、カラオケ装置K1に予め記憶されているものを用いてもよいし、実行アイコンを選択した場合にカラオケ装置K1のフロントパネルの表示画面に表示される入力欄に直接入力したものを用いてもよい。
【0061】
一方、他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部101dは、一のカラオケ装置から開局指示情報を受信した場合、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報を送信する。開局サーバ装置Sの開局処理部300aは、他のカラオケ装置から開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該他のカラオケ装置の開局処理を実行する。
【0062】
また、他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部101dは、開局サーバ装置Sから開局完了の通知を受けた場合、一のカラオケ装置に対してその旨の信号を送信する。一のカラオケ装置の記憶処理部102dは、他のカラオケ装置の開局が完了したことを記憶手段10aに記憶させる。
【0063】
上記例において、カラオケ装置K1から開局指示情報を受信した場合、カラオケ装置K2のカラオケ側送信処理部101dは、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報O2を送信する。開局情報O2は、店舗識別情報ID***KS、装置識別情報ID***K2、及びカラオケ装置K2のプライベートIPアドレス「10.2.20.3」を含む。
【0064】
開局サーバ装置Sの開局処理部300aは、カラオケ装置K2から開局情報O2を受信した場合、開局情報O2に基づいてカラオケ装置K2の開局処理を実行する。開局処理が完了した後、開局処理部300aは、カラオケ装置K2に対し、開局完了の通知を行う。
【0065】
カラオケ装置K2は、自己の記憶手段10aに開局完了の通知を記憶させる。また、カラオケ装置K2のカラオケ側送信処理部101dは、カラオケ装置K1に対してその旨の信号を送信する。カラオケ装置K1の記憶処理部102dは、カラオケ装置K2の開局が完了したことを記憶手段10aに記憶させる。
【0066】
この場合、カラオケ装置K1の指示部103dは、フロントパネルの表示画面に表示されている開局状況のリストを更新する。図7Bは、更新された開局状況のリストを示したものである。図7Bのリストは、図7Aのリストと比べ、カラオケ装置K2の開局状況が「開局済み」となっている。
【0067】
カラオケシステム1は、カラオケ装置K3及びカラオケ装置K4に対しても同様の処理を実行することができる。すなわち、係員は、カラオケ装置K1が設置されている部屋C1に居ながら、店舗KSに設置されている全てのカラオケ装置に対する開局処理の指示入力を行うことができる。
【0068】
==カラオケシステムにおける開局処理について==
次に図8を参照して、本実施形態に係るカラオケシステム1における開局処理について述べる。図8は、カラオケシステム1における開局処理を示すフローチャートである。この例では、一のカラオケ装置をカラオケ装置K1とし、他のカラオケ装置をカラオケ装置K2として説明する。また、開局サーバ装置Sのテーブル記憶部100aは、カラオケ装置K1及びカラオケ装置K2を設置する店舗KSの店舗識別情報と、店舗KSに設置されるカラオケ装置K1及びカラオケ装置K2の装置識別情報とが対応付けられた出庫情報テーブルを記憶している。
【0069】
まず、係員は、カラオケ装置K1のリモコン装置50を介し、カラオケ装置K1の開局処理を実行するよう指示入力を行う。カラオケ装置K1のカラオケ側送信処理部101dは、当該指示入力に応じ、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報O1を送信する(開局情報O1を送信。ステップ10)。
【0070】
開局サーバ装置Sの開局処理部300aは、開局情報O1を受信した場合、開局情報O1に基づいてカラオケ装置K1の開局処理を実行する(カラオケ装置K1の開局処理を実行。ステップ11)。
【0071】
開局サーバ装置Sの抽出部300bは、出庫情報テーブルから、受信した開局情報O1に含まれる店舗識別情報に対応付けられているカラオケ装置K2の装置識別情報を抽出する(カラオケ装置K2の装置識別情報を抽出。ステップ12)。
【0072】
開局サーバ装置Sのサーバ側送信処理部300cは、ステップ12で抽出したカラオケ装置K2の装置識別情報を、開局予定リストOLとしてカラオケ装置K1に送信する(開局予定リストOLを送信。ステップ13)。
【0073】
カラオケ装置K1の記憶処理部102dは、ステップ13で送信された開局予定リストOLに含まれるカラオケ装置K2の装置識別情報に対し、カラオケ装置K2のアドレス情報を紐付けて記憶手段10aに記憶させる(カラオケ装置K2の装置識別情報及びアドレス情報を記憶。ステップ14)。
【0074】
その後、係員は、カラオケ装置K1のフロントパネルを操作し、カラオケ装置K2の開局処理を実行するよう指示入力を行う。
【0075】
指示部103dは、当該指示入力に応じ、カラオケ装置K2に対し、カラオケ装置K1が設置されている店舗KSの店舗識別情報を含む情報であって、開局サーバ装置Sに開局情報の送信を行うよう指示する開局指示情報を送信する(開局指示情報を送信。ステップ15)。
【0076】
カラオケ装置K2のカラオケ側送信処理部101dは、カラオケ装置K1から開局指示情報を受信した場合、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報OL2を送信する(開局情報O2を送信。ステップ16)。
【0077】
開局サーバ装置Sの開局処理部300aは、カラオケ装置K2から開局情報OL2を受信した場合、開局情報OL2に基づいてカラオケ装置K2の開局処理を実行する(カラオケ装置K2の開局処理を実行。ステップ17)。
【0078】
このように、本実施形態に係るカラオケシステム1は、開局サーバ装置Sと、複数のカラオケ装置とを含む。開局サーバ装置Sは、カラオケ装置を設置する店舗の店舗識別情報と、当該店舗に設置されるカラオケ装置の装置識別情報とが対応付けられた出庫情報テーブルを記憶するテーブル記憶部100aと、ある店舗に設置された一のカラオケ装置から、当該ある店舗の店舗識別情報、及び当該一のカラオケ装置のアドレス情報を含む開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該一のカラオケ装置の開局処理を実行する開局処理部300aと、出庫情報テーブルから、受信した開局情報に含まれる店舗識別情報に対応付けられているカラオケ装置の装置識別情報を抽出する抽出部300bと、抽出したカラオケ装置の装置識別情報を、開局予定リストとして一のカラオケ装置に送信するサーバ側送信処理部300cと、を有する。一のカラオケ装置は、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報を送信するカラオケ側送信処理部101dと、開局サーバ装置Sから受信した開局予定リストに含まれる自己以外の他のカラオケ装置の装置識別情報に対し、当該他のカラオケ装置のアドレス情報を紐付けて記憶手段10aに記憶させる記憶処理部102dと、他のカラオケ装置に対し、一のカラオケ装置が設置されている店舗の店舗識別情報を含む情報であって、開局サーバ装置Sに開局情報の送信を行うよう指示する開局指示情報を送信する指示部103dと、を有する。
【0079】
このようなカラオケシステム1によれば、複数のカラオケ装置が設置されている店舗であっても、係員は、一のカラオケ装置を用いて開局処理を実行するための指示入力を行うことができる。つまり、係員が、カラオケ装置が設置されている部屋を回って個別に指示入力を行う手間を省くことができる。そして、開局サーバ装置Sは、カラオケ装置から送信される開局情報に基づいて開局処理を実行することができる。すなわち、本実施形態に係るカラオケシステム1によれば、一の店舗に複数のカラオケ装置が設置されている場合であっても、各カラオケ装置の開局処理を簡易に行うことができる。
【0080】
また本実施形態に係るカラオケシステム1において、他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部101dは、一のカラオケ装置から開局指示情報を受信した場合、開局サーバ装置Sに対して、自己の開局情報を送信する。開局サーバ装置Sの開局処理部300aは、他のカラオケ装置から開局情報を受信した場合、当該開局情報に基づいて当該他のカラオケ装置の開局処理を実行する。
【0081】
このようなカラオケシステム1によれば、開局サーバ装置Sは、各カラオケ装置から送信される開局情報に基づいて、それぞれのカラオケ装置の開局処理を実行することができる。
【0082】
また本実施形態に係るカラオケシステム1において、他のカラオケ装置のカラオケ側送信処理部101dは、開局サーバ装置Sから開局完了の通知を受けた場合、一のカラオケ装置に対してその旨の信号を送信する。一のカラオケ装置の記憶処理部102dは、他のカラオケ装置の開局が完了したことを記憶手段10aに記憶させる。
【0083】
このようなカラオケシステム1によれば、開局処理を実行するための指示入力を行うカラオケ装置において、各カラオケ装置が開局済みかどうかを把握することができる。
【0084】
<その他>
なお、上記実施形態では、カラオケ装置K1が、「一のカラオケ装置」として機能する例について述べたがカラオケ装置K2~K4のいずれかが「一のカラオケ装置」として機能してもよい。この場合、カラオケ装置K1は「他のカラオケ装置」として機能する。また、「他のカラオケ装置」は少なくとも1台あればよい。
【0085】
また、実施形態の例において、一のカラオケ装置に対して開局予定リストを送付した後は、当該一のカラオケ装置において開局処理の指示入力を行う。すなわち、開局予定リストは、一のカラオケ装置のみが受信していればよい。
【0086】
一方、実施形態の例において、他のカラオケ装置(たとえばカラオケ装置K2)から開局情報を受信した場合、開局サーバ装置Sは、当該他のカラオケ装置に対しても開局予定リストを送付することとなる。
【0087】
そこで、開局サーバ装置Sは、一のカラオケ装置に対して開局予定リストを送信した後、出庫情報テーブルから、一のカラオケ装置が設置されている店舗の店舗識別情報、及び当該店舗識別情報に対応付けられている全てのカラオケ装置の装置識別情報を削除してもよい。
【0088】
たとえば、カラオケ装置K1に対して開局予定リストを送信した場合、開局サーバ装置Sは、出庫情報テーブルから、カラオケ装置K1が設置されている店舗KSの店舗識別情報ID***KS、及び店舗識別情報ID***KSに対応付けられているカラオケ装置K1~K4の装置識別情報ID***K1~ID***K4を削除する。
【0089】
このような処理を行うことにより、カラオケ装置K1に対して開局予定リストを送信した後、カラオケ装置K2から開局情報O2を受信した場合であっても、開局サーバ装置Sのテーブル記憶部100aが記憶する出庫情報テーブルには、開局情報O2に含まれる店舗識別情報ID***KS、及び装置識別情報ID***K2の組み合わせは存在しない。従って、開局サーバ装置Sは、カラオケ装置K2に対して不要な開局予定リストを送信することがない。
【0090】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0091】
1 カラオケシステム
100a テーブル記憶部
101d カラオケ側送信処理部
102d 記憶処理部
103d 指示部
300a 開局処理部
300b 抽出部
300c サーバ側送信処理部
K1~K4 カラオケ装置
S 開局サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8