(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20240124BHJP
G09F 19/00 20060101ALI20240124BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240124BHJP
H04W 64/00 20090101ALI20240124BHJP
【FI】
H04L67/02
G09F19/00 Z
G09G5/00 510B
G09G5/00 510V
G09G5/00 510X
G09G5/00 550B
G09G5/00 550C
H04W64/00 150
(21)【出願番号】P 2020094293
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 もとこ
(72)【発明者】
【氏名】勝間田 優樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 曉
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118279(JP,A)
【文献】特開2019-036049(JP,A)
【文献】特開2014-157497(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102087846(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109389416(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G09F 19/00
G09G 5/00
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通路に沿って配置された複数の表示装置の表示を制御する表示制御装置であって、
一の前記表示装置又は前記通路に沿って連続して配置された二以上の前記表示装置を含むようにそれぞれ設定されたN個(Nは3以上の整数)のエリアのそれぞれについて、所定期間に前記エリア内を通過したユーザの移動状況を取得する取得部と、
前記N個のエリアのそれぞれについて、前記取得部により取得された前記移動状況に基づいて、前記エリア内の前記表示装置の見られやすさに関する評価値を算出する算出部と、
前記N個のエリアのそれぞれの前記評価値に基づいて、それぞれ一以上の前記エリアを含むM個(MはNより小さい2以上の整数)のブロックを設定するブロック設定部と、
前記ブロック毎に異なるコンテンツが表示され、同一の前記ブロックに含まれる前記表示装置に同一のコンテンツが表示されるように、前記複数の表示装置の表示を制御する制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記エリア毎に設置された通信装置と前記エリア内に存在するユーザが携帯するユーザ端末との無線通信によって得られる情報に基づいて、前記エリア毎の前記移動状況を取得する、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記移動状況は、前記エリア内を移動するユーザの移動量に関する情報を含み、
前記算出部は、前記移動量が少ないほど前記評価値が高くなるように、前記評価値を算出する、請求項1又は2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記移動状況は、前記エリア内を移動するユーザの移動速度に関する情報を含み、
前記算出部は、前記移動速度が遅いほど前記評価値が高くなるように、前記評価値を算出する、請求項1~3のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記ブロック設定部は、前記M個のブロック間で、前記ブロック内に含まれる前記エリアの前記評価値の和の差が最小となるように、前記M個のブロックを設定する、請求項1~4のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記ブロック設定部は、前記所定期間における互いに隣接するエリア間の前記ユーザの移動人数を示すエリア間移動情報を取得し、前記エリア間移動情報に基づいて前記M個のブロックを設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一側面は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数配置されたデジタルサイネージの前方にいるユーザの人数に基づいて、当該複数のデジタルサイネージに表示させるコンテンツを制御する仕組みが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された仕組みは、ユーザがサイネージの前に立ち止まってサイネージをじっくりと見る状況を主に想定している。すなわち、上記特許文献1においては、例えば通路に沿って配置された複数のサイネージをユーザ(歩行者)が移動しながら横目で見る状況は想定されておらず、このような状況下で効果的なコンテンツ表示を行うことは困難である。
【0005】
本発明の一側面は、ユーザが移動する通路に沿って配置された複数の表示装置によってユーザに対する効果的なコンテンツの提示を行うことができる表示制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係る表示制御装置は、通路に沿って配置された複数の表示装置の表示を制御する表示制御装置であって、一の表示装置又は通路に沿って連続して配置された二以上の表示装置を含むようにそれぞれ設定されたN個(Nは3以上の整数)のエリアのそれぞれについて、所定期間にエリア内を通過したユーザの移動状況を取得する取得部と、N個のエリアのそれぞれについて、取得部により取得された移動状況に基づいて、エリア内の表示装置の見られやすさに関する評価値を算出する算出部と、N個のエリアのそれぞれの評価値に基づいて、それぞれ一以上のエリアを含むM個(MはNより小さい2以上の整数)のブロックを設定するブロック設定部と、ブロック毎に異なるコンテンツが表示され、同一のブロックに含まれる表示装置に同一のコンテンツが表示されるように、複数の表示装置の表示を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本発明の一側面に係る表示制御装置では、各エリア内を通過するユーザの移動状況に基づいて、エリア内の表示装置の見られやすさに関する評価値が算出され、エリア毎の評価値に基づいて、ブロック分けが決定される。このような処理によれば、例えば、複数の表示装置に複数(M個)のコンテンツ(ブロック毎に異なるコンテンツ)を表示させつつ、各コンテンツについて十分な見やすさを確保することが可能となる。その結果、ユーザが移動する通路に沿って配置された複数の表示装置によるユーザに対する効果的なコンテンツの提示を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一側面によれば、ユーザが移動する通路に沿って配置された複数の表示装置によってユーザに対する効果的なコンテンツの提示を行うことができる表示制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る広告表示制御システムの制御対象の複数のデジタルサイネージの例を示す図である。
【
図2】広告表示制御システムの機能構成を示す図である。
【
図3】通信履歴DBに記憶される通信履歴の一例を示す図である。
【
図4】ユーザの移動状況(移動量、移動速度)及び評価値の一例を示す図である。
【
図8】広告表示制御システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図9】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る広告表示制御システム1の制御対象の複数のデジタルサイネージ30(表示装置)の例を示す図である。
図2は、広告表示制御システム1の機能構成を示す図である。
図1及び
図2に示されるように、広告表示制御システム1は、通路PAに沿って配置された複数(ここでは一例として7つ)のデジタルサイネージ30の表示を制御する。広告表示制御システム1は、サーバ10(表示制御装置)と、通路PAを移動する一以上のユーザによって携帯されるユーザ端末20(通信端末)と、複数のデジタルサイネージ30(表示装置)と、複数の無線LANアクセスポイント40(通信装置)と、通信管理装置50と、サイネージ管理装置60と、を備えている。
【0012】
通路PAは、例えばユーザが歩行によって移動する通路である。通路PAは、例えば駅の地下道等である。各デジタルサイネージ30は、例えば、通路PA内に設けられた柱、壁部等に設置され得る。各デジタルサイネージ30には固有の識別情報(本実施形態では、1から7までの識別番号)が割り当てられている。
図1の例では、西から東へと直線状及び平坦状に延びる通路PAに沿って、7つのデジタルサイネージ30が所定間隔毎に配置されている。ただし、通路PAの形状は上記に限定されない。通路PAには、例えば、カーブ(曲がり角等)、スロープ、階段、エスカレーター等が含まれていてもよい。また、通路PAは、建物、構造物等の内部(屋内)に設けられてもよいし、屋外に設けられてもよい。
【0013】
ユーザ端末20は、ユーザにより携帯される通信端末である。ユーザ端末20は、無線LANアクセスポイント40と無線通信を行う機能を備えている。ユーザ端末20の例として、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、その他のウェアラブル端末等が挙げられる。ただし、ユーザ端末20の形態は、特定の形態に限定されない。
【0014】
デジタルサイネージ30は、平面ディスプレイ又はプロジェクタ等によって映像、文字等の情報を表示するシステムである。デジタルサイネージ30は、例えば、所定の商品又はサービスの広告コンテンツを表示する。
【0015】
無線LANアクセスポイント40は、通路PAに設けられた3つの出口(出口1~出口3)の各々の近傍に設置されている。出口1は最も西側に設けられた出口であり、出口3は最も東側に設けられた出口であり、出口2は出口1と出口2との間に設けられた出口である。各無線LANアクセスポイント40は、例えば、Wi-Fiアクセスポイントである。
【0016】
出口1の近傍に設置された無線LANアクセスポイント40Aが通信可能な範囲であるエリアR1(エリアR)は、出口1に近い位置に設置された番号1,2のデジタルサイネージ30を含むように形成されている。すなわち、無線LANアクセスポイント40Aは、出口1付近のエリアR1内を移動するユーザのユーザ端末20と無線通信を行う。
【0017】
出口2の近傍に設置された無線LANアクセスポイント40Bが通信可能な範囲であるエリアR2(エリアR)は、出口2に近い位置に設置された番号3-5のデジタルサイネージ30を含むように形成されている。すなわち、無線LANアクセスポイント40Bは、出口2付近のエリアR2内を移動するユーザのユーザ端末20と無線通信を行う。
【0018】
出口3の近傍に設置された無線LANアクセスポイント40Cが通信可能な範囲であるエリアR3(エリアR)は、出口3に近い位置に設置された番号6,7のデジタルサイネージ30を含むように形成されている。すなわち、無線LANアクセスポイント40Cは、出口3付近のエリアR3内を移動するユーザのユーザ端末20と無線通信を行う。
【0019】
このように、複数(本実施形態では7つ)のデジタルサイネージ30は、N個のエリアRのいずれかに含まれている。ここで、Nは3以上の整数である。本実施形態では、番号1,2のデジタルサイネージ30がエリアR1に含まれており、番号3-5のデジタルサイネージ30がエリアR2に含まれており、番号6,7のデジタルサイネージ30がエリアR3に含まれている。なお、上述の通り、本実施形態では、各エリアR1~R3には、通路PAに沿って連続して配置された二以上のデジタルサイネージ30が含まれているが、一のデジタルサイネージ30のみを含むエリアRが存在してもよい。つまり、デジタルサイネージ30と無線LANアクセスポイント40とは、一対一に対応していてもよい。
【0020】
各エリアR(エリアR1~R3)に設けられた無線LANアクセスポイント40(無線LANアクセスポイント40A~40C)は、各エリアR内のユーザ端末20と以下のように通信する。
【0021】
ユーザ端末20がエリアRに進入すると、無線LANアクセスポイント40とユーザ端末20との無線通信が開始される。このとき、無線LANアクセスポイント40は、ユーザ端末20からユーザ端末20を利用するユーザを識別する識別情報(以下「ユーザID」)を受信する。無線LANアクセスポイント40は、無線LANアクセスポイント40が備えるメモリ等の記憶装置に、受信したユーザIDと共に、ユーザ端末20との無線通信が開始された日時を示すチェックイン日時を一時的に記録する。
【0022】
ユーザ端末20がエリアRの内側からエリアRの外側に出ると、無線LANアクセスポイント40とユーザ端末20との無線通信が途絶える。このとき、無線LANアクセスポイント40は、無線LANアクセスポイント40が備える記憶装置に、無線通信が途絶えたユーザIDと共に、ユーザ端末20との無線通信が終了した日時を示すチェックアウト日時を一時的に記録する。
【0023】
ユーザIDは、例えば、ユーザ端末20(スマートフォン等)の回線契約番号等である。なお、無線LANアクセスポイント40がユーザ端末20から受信するユーザIDは、ユーザ端末20の識別情報(例えば、MACアドレス等)であってもよい。ユーザ端末20とユーザとが一対一に対応している場合には、ユーザ端末20の識別情報は、実質的にユーザを識別する識別情報として機能する。
【0024】
通信管理装置50は、無線LANアクセスポイント40の内部の記憶装置に一時的に蓄積された通信履歴を管理する装置である。通信履歴は、ユーザIDと、無線LANアクセスポイント40を識別するアクセスポイントIDと、チェックイン日時と、チェックアウト日時と、が互いに関連付けられた情報である。本実施形態では、無線LANアクセスポイント40は、出口1~出口3のそれぞれに設けられている。このため、アクセスポイントIDは、出口1(エリアR1)、出口2(エリアR2)、及び出口3(エリアR3)のいずれかを特定するための情報として機能する。具体的には、アクセスポイントIDにより、無線LANアクセスポイント40が特定される結果、当該無線LANアクセスポイント40に対応するエリアRが特定される。
【0025】
通信管理装置50は、通信履歴を記憶する通信履歴DB50Aを有している。通信管理装置50は、各無線LANアクセスポイント40から、無線LANアクセスポイント40に一時的に蓄積された通信履歴を定期的に(例えば1分間隔で)受信する。そして、通信管理装置50は、受信した通信履歴を通信履歴DB50Aに記憶させる。
【0026】
図2は、通信履歴DB50Aに記憶された通信履歴の一例を示す図である。
図2の例において、1つ目のレコードは、ユーザID「U001」で識別されるユーザのユーザ端末20がチェックイン日時「2020年5月1日8時0分」からチェックアウト日時「2020年5月1日8時5分」までアクセスポイントID「出口1」で識別される無線LANアクセスポイント40(すなわち、無線LANアクセスポイント40A)がカバーするエリアR(すなわち、エリアR1)に在圏していたことを示す通信履歴である。他のレコードについても同様である。
【0027】
サイネージ管理装置60は、デジタルサイネージ30の表示を管理する装置である。サイネージ管理装置60は、例えば、デジタルサイネージ30に表示させるための複数のコンテンツ(例えば広告コンテンツ)の情報を記憶している。また、サイネージ管理装置60は、どのコンテンツをどのデジタルサイネージ30に表示させるかを管理する。例えば、サイネージ管理装置60は、各デジタルサイネージ30に対して、表示させる広告コンテンツを配信する。本実施形態では、サイネージ管理装置60は、後述するサーバ10の処理によって決定されるブロック単位で、表示させる広告コンテンツを決定する。すなわち、サイネージ管理装置60は、ブロック毎に異なるコンテンツが表示され、同一のブロックに含まれるデジタルサイネージ30に同一のコンテンツが表示されるように、各デジタルサイネージ30に表示されるコンテンツを制御する。
【0028】
サーバ10は、デジタルサイネージ30の広告表示を制御する装置である。本実施形態では、サーバ10は、上述したサイネージ管理装置60を介して、各デジタルサイネージ30の広告表示を制御する。
図2に示されるように、サーバ10は、取得部11と、算出部12と、ブロック設定部13と、制御部14と、を備えている。
【0029】
取得部11は、N個(本実施形態では3個)のエリアR(エリアR1~R3)のそれぞれについて、所定期間にエリアR内を通過したユーザの移動状況を取得する。所定期間は、例えばオペレータ等によって予め定められた期間(例えば、数十分間等)である。本実施形態では、取得部11は、エリアR毎に設置された無線LANアクセスポイント40とエリアR内に存在するユーザが携帯するユーザ端末20との通信によって得られる情報(すなわち、通信履歴(
図3参照))に基づいて、エリアR毎の移動状況を取得する。例えば、取得部11は、エリアR毎の移動状況として、エリアR内を移動するユーザの数を示す移動量に関する情報とエリア内のユーザの移動速度(平均速度)に関する情報とを取得する。
【0030】
取得部11は、例えば以下のようにして、移動量を取得する。取得部11は、例えば、上記所定期間に各エリアRに出入りした(チェックイン及びチェックアウトした)ユーザの通信履歴(
図3参照)を参照する。そして、取得部11は、エリアR毎(すなわち、アクセスポイントID毎)に、上記所定期間にエリアRに出入りしたユーザ数をカウントする。
図3の例においては、取得部11は、上述した処理を実行することにより、エリアR1(出口1)の移動量「2人」、エリアR2(出口2)の移動量「4人」、及びエリアR3(出口3)の移動量「2人」を取得する。
【0031】
なお、ここでは、各エリアR(エリアR1~R3)の大きさはいずれも等しいことを前提としている。この場合、上述のように取得された移動量を用いて、エリアR1~R3間で相対的な比較を行うことができる。つまり、上述のように取得された移動量は、エリアR1~R3間の移動量を相対的に比較するための指標として用いられ得る。エリアR1~R3間でエリアの大きさが異なる場合には、取得部11は、上述したように算出された移動量をエリアの大きさで割った値(すなわち、各エリアを移動するユーザの密度)を、最終的な移動量としてもよい。
【0032】
取得部11は、例えば以下のようにして、移動速度を取得する。取得部11は、上述した移動量の取得処理と同様に、上記所定期間に各エリアRに出入りしたユーザの通信履歴(
図3参照)を参照する。そして、取得部11は、エリアR毎に、ユーザがエリアRを通過するためにかかった所要時間(すなわち、「チェックアウト日時-チェックイン日時」)を算出する。
図3の例においては、エリアR1(出口1)を通過したユーザは、ユーザID「U001」及び「U002」のユーザである。取得部11は、ユーザID「U001」のユーザがエリアR1を通過するのに要した所要時間「2分」、及びユーザID「U002」のユーザがエリアR1を通過するのに要した所要時間「3分」を取得する。そして、取得部11は、このように取得された各ユーザの所要時間の平均値「2.5(=(2+3)/2)」を、エリアR1の移動速度として取得する。他のエリアRについても同様である。
【0033】
なお、ここでは、各エリアR(エリアR1~R3)の大きさ(すなわち、各エリアRに含まれる通路PAの各部分の長さ)はいずれも等しいことを前提としている。この場合、上述のように取得された移動速度(すなわち、各エリアを通過するのにかかった平均所要時間)を用いて、エリアR1~R3間で相対的な比較を行うことができる。つまり、上述のように取得された移動速度は、エリアR1~R3間の移動速度を相対的に比較するための指標として用いられ得る。具体的には、平均所要時間が相対的に大きい(小さい)エリアについては、当該エリアを通過するユーザの移動速度が相対的に遅い(速い)ことがわかる。エリアR1~R3間でエリアの大きさ(各エリアRに含まれる通路PAの各部分の長さ)が異なる場合には、取得部11は、エリアの大きさ(長さ)を上述したように算出された移動速度(平均所要時間)で割った値を、最終的な移動速度としてもよい。
【0034】
図3の例において、上述した取得部11の処理が実行されることにより、
図4に示される「移動量」及び「移動速度」がエリアR毎(アクセスポイントID毎)に得られる。なお、各エリアRについて取得された「移動量」及び「移動速度」は、各エリアR内に含まれる各デジタルサイネージ30に共通の「移動量」及び「移動速度」として扱われる。
【0035】
算出部12は、N個(本実施形態では3個)のエリアR1~R3のそれぞれについて、取得部11により取得された移動状況(本実施形態では、移動量及び移動速度)に基づいて、エリアR内のデジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値を算出する。
【0036】
ここで、エリアR内のユーザ数が多いほど(すなわち、移動量が多いほど)、人混みが原因で当該エリアR内のデジタルサイネージ30が見えにくくなると考えられる。そこで、算出部12は、移動量が少ないほど評価値が高くなるように、各エリアRの評価値を算出する。このように移動量に基づいて評価値を算出することにより、デジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値を適切且つ容易に決定することができる。
【0037】
また、エリアR内を通過するユーザの所要時間が短いほど(すなわち、移動速度が速いほど)、エリアR内を通過するユーザがデジタルサイネージ30を見る時間が短くなると考えられる。そこで、算出部12は、移動速度が遅いほど評価値が高くなるように、各エリアRの評価値を算出する。このように移動速度に基づいて評価値を算出することにより、デジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値を適切且つ容易に決定することができる。
【0038】
一例として、算出部12は、下記の(式1)を用いて、エリアR内に含まれる各デジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値V1を算出し、下記の(式2)を用いて、エリアRの評価値V2を算出する。
(式1)V1=移動速度/移動量
(式2)V2=V1×「エリア内のデジタルサイネージ30の個数」
【0039】
図3の例において、上述した算出部12の処理が実行されることにより、
図4に示される「評価値」(デジタルサイネージ30毎の評価値V1に相当)が得られる。この例では、エリアR1(出口1)の評価値V2は「2.5(=1.25×2)」であり、エリアR2(出口2)の評価値V2は「2.4375(=0.8125×3)」であり、エリアR3(出口3)の評価値V2は「2.5(=1.25×2)」である。
【0040】
ブロック設定部13は、N個(本実施形態では3個)のエリアR1~R3のそれぞれの評価値V2に基づいて、それぞれ一以上のエリアRを含むM個のブロックを設定する。1つのブロックには、1つのエリアR、又は互いに隣接(連続)する2以上のエリアRが含まれる。
【0041】
MはNより小さい2以上の整数であり、例えば予めオペレータ等によって定められ得る。例えば、Mは、通路PAに沿って配置された複数のデジタルサイネージ30を用いて表示させたいコンテンツの種類の数に基づいて決定され得る。本実施形態では、7つのデジタルサイネージ30に1種類の共通のコンテンツを表示させるのではなく、2種類のコンテンツを表示させることを意図して、Mは2に設定されている。
【0042】
ブロック設定部13は、例えば、M個(本実施形態では2個)のブロック(ブロックA,B)間で、ブロック内に含まれるエリアRの評価値の和の差が最小となるように、M個のブロックを設定する。つまり、ブロック設定部13は、ブロック間で上記評価値の和(ブロック内のデジタルサイネージ30の見られやすさ)に偏りが生じないように、M個のブロックを設定する。
【0043】
3つのエリアR1~R3を2つのブロックA,Bに分ける方法としては、エリアR1,R2(出口1,2)を1つ目のブロックAとし、エリアR3(出口3)を2つ目のブロックBにする方法と、エリアR1(出口1)を1つ目のブロックAとし、エリアR2,R3(出口2,3)を2つ目のブロックBにする方法と、がある。ブロック設定部13は、算出部12により算出されたエリアR毎の評価値V2に基づいて、上記のいずれの方法で各エリアRのブロック分けを行うかを決定する。以下、具体例を用いて、ブロック設定部13によるブロック設定処理について説明する。
【0044】
(第1のブロック設定例)
図5は、第1のブロック設定例を示す図である。
図5の例は、
図4の例と比較して、エリアR3(出口3)における移動量が少ない場合を示している。
図5の例では、エリアR1(出口1)の評価値が「2.5」であり、エリアR2(出口2)の評価値が「2.4375」であり、エリアR3(出口3)の評価値が「4.5」である。ここで、エリアR1(出口1)をブロックAとし、エリアR2,R3(出口2,3)をブロックBとした場合、ブロックAに含まれるエリアR1の評価値の和(すなわち、エリアR1の評価値)は「2.5」となり、ブロックBに含まれるエリアR2,R3の評価値の和は「6.9375」となるため、ブロック間の評価値の和の差は「4.4375」となる。一方、エリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとした場合、ブロックAに含まれるエリアR1,R2の評価値の和は「4.9375」となり、ブロックBに含まれるエリアR3の評価値の和(すなわち、エリアR3の評価値)は「4.5」となるため、ブロック間の評価値の和の差は「0.4375」となる。従って、この場合には、ブロック設定部13は、ブロック間の評価値の和の差が最小となる後者のブロック分けを行う。すなわち、ブロック設定部13は、エリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとする。
【0045】
(第2のブロック設定例)
図6は、第2のブロック設定例を示す図である。
図6の例は、
図4の例と比較して、エリアR1(出口1)における移動速度が遅い場合を示している。
図6の例では、エリアR1(出口1)の評価値が「4.5」であり、エリアR2(出口2)の評価値が「2.4375」であり、エリアR3(出口3)の評価値が「2.5」である。ここで、エリアR1(出口1)をブロックAとし、エリアR2,R3(出口2,3)をブロックBとした場合、ブロックAに含まれるエリアR1の評価値の和(すなわち、エリアR1の評価値)は「4.5」となり、ブロックBに含まれるエリアR2,R3の評価値の和は「4.9375」となるため、ブロック間の評価値の和の差は「0.4375」となる。一方、エリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとした場合、ブロックAに含まれるエリアR1,R2の評価値の和は「6.9375」となり、ブロックBに含まれるエリアR3の評価値の和(すなわち、エリアR3の評価値)は「2.5」となるため、ブロック間の評価値の和の差は「4.4375」となる。従って、この場合には、ブロック設定部13は、ブロック間の評価値の和の差が最小となる前者のブロック分けを行う。すなわち、ブロック設定部13は、エリアR1(出口1)をブロックAとし、エリアR2,R3(出口2,3)をブロックBとする。
【0046】
上述したようにブロックA,B間で評価値の和の差が最小となるように(すなわち、ブロックA,B間で評価値の和がなるべく均等化されるように)ブロック分けを行うことで、デジタルサイネージ30に表示されるコンテンツの見られやすさを、ブロックA,B間で均等化することが可能となる。すなわち、ブロックA,B間でコンテンツの見られやすさに偏りが生じることを抑制することができる。その結果、ブロックAに含まれるデジタルサイネージ30に表示させるコンテンツ及びブロックBに含まれるデジタルサイネージ30に表示させるコンテンツの両方を、通路PAを通るユーザに対して適切に提示することが可能となる。
【0047】
(第3のブロック設定例)
図7を参照して、第3のブロック設定例について説明する。
図7の例では、エリア(出口1)の評価値が「2.5」であり、エリアR2(出口2)の評価値が「2.4375」であり、エリアR3(出口3)の評価値が「2.5」である。このため、エリアR1(出口1)をブロックAとし、エリアR2,R3(出口2,3)をブロックBとした場合のブロックA,B間の評価値の和の差、及びエリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとした場合のブロックA,B間の評価値の和の差は、いずれも「2.4375」となり一致する。この場合、ブロックA,B間の評価値の和の差だけではブロック分けを一意に決定することができない。
【0048】
このような場合、ブロック設定部13は、例えば、上記所定期間における互いに隣接するエリアR間のユーザの移動方向及び移動人数を示す動線情報を取得してもよい。なお、動線情報には、少なくともエリアR間の移動人数を示す情報(エリア間移動情報)が含まれていればよい。そして、ブロック設定部13は、当該動線情報に基づいてM個(本実施形態では2個)のブロックA,Bを設定してもよい。例えば、ブロック設定部13は、各エリアRについてのユーザのチェックイン日時及びチェックアウト日時を参照することで、上述した動線情報を取得することができる。
【0049】
例えば、
図3の例では、ユーザID「U001」のユーザは、8時2分にエリアR1(出口1)から退出(チェックアウト)した後に、エリアR2(出口2)に進入していることがわかる。このことから、ブロック設定部13は、ユーザID「U001」のユーザを、エリアR1(出口1)からエリアR2(出口2)へと移動したユーザとしてカウントする。このように、ブロック設定部13は、通信履歴DB50Aに記憶された通信履歴を参照し、互いに隣接するエリアR間を跨いで移動したユーザ(ユーザID)を全て特定することにより、上記所定期間における動線情報を取得することができる。
【0050】
図7の例では、エリアR1(出口1)からエリアR2(出口2)へと移動したユーザの数(移動人数)が2人であり、エリアR2(出口2)からエリアR3(出口3)へと移動したユーザの数(移動人数)が1人である。例えば、あるユーザがデジタルサイネージ30に表示されるコンテンツを眺めながら通路PAを移動している状況において、当該ユーザに提示されるコンテンツの内容が途中で切り替わることは好ましくないという考え方がある。つまり、当該ユーザに対する広告効果を高めるためには、当該ユーザが通路PAを移動している最中において、当該ユーザに対してなるべく同じ広告コンテンツを一貫して提示することが好ましいという考え方がある。そこで、ブロック設定部13は、上記考え方に基づいて、エリアR間を跨ぐ移動人数が多い部分がブロック境界とならないようにブロック分けを行ってもよい。すなわち、
図7の例においては、ブロック設定部13は、エリア間を跨ぐ移動人数が多いエリアR1(出口1)とエリアR2(出口2)との境界がブロック境界とならないように、エリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとしてもよい。
【0051】
制御部14は、ブロック設定部13により設定されたブロックの情報(すなわち、どのエリアRがどのブロックに属するかを示すブロック情報)をサイネージ管理装置60に通知する。すなわち、制御部14は、ブロック情報をサイネージ管理装置60に通知することにより、サイネージ管理装置60を介して、ブロック毎に異なるコンテンツが表示され、同一のブロックに含まれるデジタルサイネージ30に同一のコンテンツが表示されるように、複数のデジタルサイネージ30の表示を制御する。なお、サーバ10がサイネージ管理装置60の機能を備えている場合(すなわち、サーバ10とサイネージ管理装置60とが一体的に構成されている場合)には、制御部14は、上述したサイネージ管理装置60の機能を兼ね備えていてもよい。
【0052】
図8に示されるシーケンス図を参照して、上述した広告表示制御システム1の動作の一例について説明する。
【0053】
ステップS1において、ユーザ端末20を所持するユーザが各エリアRに進入(チェックイン)すると、当該ユーザ端末20に対応するユーザIDとチェックイン日時とが、当該エリアRの無線LANアクセスポイント40の内部の記憶装置に一時的に記憶される。同様に、ユーザ端末20を所持するユーザが当該エリアRから退出(チェックアウト)すると、当該ユーザ端末20に対応するユーザIDとチェックアウト日時とが、当該無線LANアクセスポイント40の内部の記憶装置に一時的に記憶される。
【0054】
ステップS2において、各エリアRの無線LANアクセスポイント40から通信管理装置50へと、定期的に(例えば1分間隔で)、無線LANアクセスポイント40の内部の記憶装置に一時的に記憶された通信履歴(ユーザIDとチェックイン日時又はチェックアウト日時との組)が送信される。各エリアRの無線LANアクセスポイント40は、上記通信履歴に自装置のID(アクセスポイントID)を付加した上で、通信管理装置50に送信する。
【0055】
ステップS3において、通信管理装置50は、各無線LANアクセスポイント40から受信した通信履歴を通信履歴DB50Aに保存する。
【0056】
ステップS4において、取得部11は、通信管理装置50から取得した所定期間の通信履歴(
図3参照)を取得する。そして、ステップS5において、取得部11は、当該通信履歴に基づいて、N個(本実施形態では3個)のエリアR(エリアR1~R3)のそれぞれについて、上記所定期間にエリアR内を通過したユーザの移動状況を取得する。本実施形態では、取得部11は、エリアR毎の移動状況として、移動量及び移動速度(
図4参照)を取得する。
【0057】
ステップS6において、算出部12は、N個(本実施形態では3個)のエリアR1~R3のそれぞれについて、取得部11により取得された移動状況(移動量及び移動速度)に基づいて、エリアR内のデジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値を算出する。例えば、取得部11は、上述した(式1)及び(式2)を用いることにより、エリアR毎の評価値V2を算出する。
【0058】
ステップS7において、ブロック設定部13は、N個(本実施形態では3個)のエリアR1~R3のそれぞれの評価値V2に基づいて、それぞれ一以上のエリアRを含むM個(本実施形態では2個)のブロックA,Bを設定する。例えば、ブロック設定部13は、上述した第1~第3のブロック設定例に基づいて、ブロックA,Bを設定する。ここでは一例として、ブロック設定部13は、エリアR1,R2(出口1,2)をブロックAとし、エリアR3(出口3)をブロックBとするものとする。
【0059】
ステップS8において、制御部14は、ブロック設定部13により設定されたブロックの情報(すなわち、どのエリアRがどのブロックに属するかを示すブロック情報)をサイネージ管理装置60に通知する。
【0060】
ステップS9において、サイネージ管理装置60は、ブロック情報に基づいて、ブロックA(すなわち、エリアR1,R2に含まれる番号1-5のデジタルサイネージ30)に表示させる第1の広告コンテンツを決定する。また、サイネージ管理装置60は、ブロックB(すなわち、エリアR3に含まれる番号6,7のデジタルサイネージ30)に表示させる第2の広告コンテンツ(第1の広告コンテンツとは異なるコンテンツ)を決定する。
【0061】
ステップS10において、サイネージ管理装置60は、ブロックAに含まれる番号1-5のデジタルサイネージ30に対して第1の広告コンテンツを配信し、ブロックBに含まれる番号6,7のデジタルサイネージ30に対して第2の広告コンテンツを配信する。その結果、番号1-5のデジタルサイネージ30において第1の広告コンテンツが表示され、番号6,7のデジタルサイネージ30において第2の広告コンテンツが表示される。
【0062】
以上説明したサーバ10では、各エリアR(エリアR1~R3)内を通過するユーザの移動状況に基づいて、エリアR内のデジタルサイネージ30の見られやすさに関する評価値が算出され、エリアR毎の評価値に基づいて、ブロック分けが決定される。このような処理によれば、例えば、複数のデジタルサイネージ30に複数(本実施形態では一例として2個)のコンテンツ(ブロック毎に異なるコンテンツ)を表示させつつ、各コンテンツについて十分な見やすさを確保することが可能となる。その結果、ユーザが移動する通路PAに沿って配置された複数のデジタルサイネージ30によるユーザに対する効果的なコンテンツの提示を行うことが可能となる。
【0063】
また、取得部11は、エリアR毎に設置された無線LANアクセスポイント40とエリアR内に存在するユーザが携帯するユーザ端末20と無線通信によって得られる情報(本実施形態では、
図3に示されるような通信履歴)に基づいて、エリアR毎の移動状況(本実施形態では、
図4に示されるような移動量及び移動速度)を取得してもよい。この場合、無線LANアクセスポイント40とユーザ端末20との無線通信によって得られる情報に基づいて、エリアR毎の移動状況を容易に取得することができる。
【0064】
ただし、取得部11が移動状況を取得する方法は上記に限定されない。例えば、取得部11は、エリアR毎に設置されたビーコン(ユーザ端末20と無線通信する装置)から得られる情報に基づいて、エリアR毎の移動状況を取得してもよい。また、エリアR毎にカメラ(例えば監視カメラ)が設置される場合、取得部11は、当該カメラにより得られた映像を解析することにより、エリアR内を移動するユーザの移動量及び移動速度(平均値)を取得してもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、Nが3でありMが2である場合を例示したが、N及びMは、上記以外の数の組み合わせであってもよい。また、上記実施形態では、ブロック設定部13は、ブロックA,B間で、ブロック内に含まれるエリアRの評価値の和の差が最小となるようにブロック分けがされたが、上記以外のブロック分けがされてもよい。例えば、複数の広告コンテンツ間であえて見られやすさに差を設けたい場合等には、あえて上記評価値の和の差についてブロック間でばらつきが生じるようにブロック分けを行い、よりユーザに対して目立たせたい広告コンテンツを上記評価値の和が大きい方のブロックに割り当ててもよい。
【0066】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0067】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。
【0068】
例えば、本開示の一実施の形態におけるサーバ10は、本開示の通信制御方法を行うコンピュータとして機能してもよい。
図9は、本開示の一実施の形態に係るサーバ10のハードウェア構成の一例を示す図である。上述のサーバ10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0069】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。サーバ10のハードウェア構成は、
図1に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0070】
サーバ10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0071】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0072】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ブロック設定部13は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0073】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る通信制御方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0074】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0075】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0076】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0077】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0078】
また、サーバ10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0079】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0080】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0081】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0082】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0083】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0084】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0085】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0086】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0087】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0088】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々な情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々な情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0089】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0090】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0091】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0092】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0093】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10…サーバ(表示制御装置)、11…取得部、12…算出部、13…ブロック設定部、14…制御部、20…ユーザ端末(通信端末)、30…デジタルサイネージ(表示装置)、40,40A,40B,40C…無線LANアクセスポイント(通信装置)、PA…通路、R,R1,R2,R3…エリア。