(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】可変焦点眼鏡、可変焦点眼鏡の制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G02C 7/06 20060101AFI20240124BHJP
G02B 3/14 20060101ALI20240124BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20240124BHJP
G02B 7/30 20210101ALI20240124BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240124BHJP
【FI】
G02C7/06
G02B3/14
G02B7/28 H
G02B7/30
G03B15/00 Q
(21)【出願番号】P 2020101151
(22)【出願日】2020-06-10
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】592001975
【氏名又は名称】伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】塚本 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】古川 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴置 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和俊
【審査官】森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0370605(US,A1)
【文献】国際公開第2016/002296(WO,A1)
【文献】特開2012-8746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 3/00 - 3/14
G02B 7/28 - 7/40
G02C 1/00 - 13/00
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変焦点眼鏡
と、サーバと、を有するシステムであって、
前記可変焦点眼鏡は、
可変焦点レンズと、
前記可変焦点レンズの前方にある画像を撮像する撮像センサと、
前記撮像された画像から
識別マークを検出し、前記識別マークに基づいて、対象物の種類を検出するとともに前記対象物と前記可変焦点眼鏡との距離を検出する検出部と、
前記対象物の種類を示す特徴信号および前記距離を示す距離信号を送信する眼鏡送信部と、
前記サーバから送信された、前記可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信する眼鏡受信部と、
前記焦点信号に対応して、前記可変焦点レンズの焦点距離を調整する調整部と、を有
し、
前記サーバは、
前記対象物の種類、前記対象物と前記可変焦点眼鏡との間の距離、および前記可変焦点レンズの焦点距離を関連付けて記憶する記憶部と、
前記特徴信号および前記距離信号を受信するサーバ受信部と、
前記特徴信号が示す対象物の種類および前記距離信号が示す距離に関連する前記焦点距離を前記記憶部から取得する検索部と、
前記取得された焦点距離を示す前記焦点信号を送信するサーバ送信部と、を有する
システム。
【請求項2】
前記眼鏡送信部は
、前記可変焦点眼鏡のユーザに関する登録データを記憶した携帯通信端末に
前記特徴信号と前記距離信号を送信し、
前記
サーバ受信部は、前記登録データを示す登録信号
と前記特徴信号と前記距離信号とを
前記携帯通信端末から受信し、
前記記憶部は、前記登録データ、前記対象物の種類、前記対象物と前記可変焦点眼鏡との間の距離および前記可変焦点レンズの焦点距離を関連付けて記憶し、
前記
検索部は
、前記登録データと
前記対象物の種類と前記距離
とに対応する焦点距離を
取得し、
前記サーバ送信部は、取得された焦点距離を示す
前記焦点信号を前記携帯通信端末に送信し、
前記
眼鏡受信部は、前記焦
点信号を
前記携帯通信端末から受信する、
請求項
1に記載の
システム。
【請求項3】
前記記憶部は、さらに対象物の種類およびコンテンツデータを関連付けて記憶し、
前記
検索部は、
前記特徴信号が示す対象物の種類に関連するコンテンツデータを決定し、
前記サーバ送信部は、前記決定されたコンテンツデータを示すコンテンツ信号を前記携帯通信端末に更に送信し、
前記
眼鏡受信部は、前記コンテンツ信号を
前記携帯通信端末からさらに受信し、
前記可変焦点眼鏡は、前記可変焦点レンズに前記コンテンツデータを投影する
投影部を更に有する、
請求項
2に記載の
システム。
【請求項4】
可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡
と、サーバと、を有するシステムが前記可変焦点眼鏡を制御する方法であって、
撮像センサが前記可変焦点レンズの前方にある画像を撮像することと、
前記可変焦点眼鏡が、前記撮像センサに撮像された画像から
識別マークを検出し、前記識別マークに基づいて、対象物の種類を検出するとともに前記対象物と前記可変焦点眼鏡との距離を検出することと、
前記可変焦点眼鏡が、前記対象物の種類を示す特徴信号および前記距離を示す距離信号を送信することと、
前記サーバが、前記特徴信号および前記距離信号を受信することと、
前記サーバが、前記特徴信号が示す対象物の種類および前記距離信号が示す距離に関連する焦点距離を前記サーバの記憶部から取得することと、
前記サーバが、前記取得された焦点距離を示す焦点信号を送信することと、
前記可変焦点眼鏡が、前記サーバから送信された前
記焦点信号を受信することと、
前記可変焦点眼鏡が、前記焦点信号に対応して、前記可変焦点レンズの焦点距離を調整することと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変焦点眼鏡、可変焦点眼鏡の制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
視力を矯正する器具として眼鏡が広く使用されている。眼鏡はレンズを使用してユーザの視力を矯正するが、使用されるレンズの焦点距離は固定である。例えば、近視症状が変化するにつれて、装着者は新たな眼鏡を購入する必要がある。又、近視である人が老眼となった場合は、近視用眼鏡に加え、近距離にある対象物、例えば新聞、書籍を見るための老眼用眼鏡が必要となる。
【0003】
5m以上の距離で測定される視力を遠見視力といい、近視に対する矯正に関しては、5mの距離での遠見視力が1.0程度になるようにレンズの焦点距離が調整される。処方箋に記載されるレンズ度数は、レンズの焦点距離の逆数である。一方、30cmの距離で測定される視力を近見視力という。30cmの距離で像がぼやけて見える人には、老眼鏡の使用が勧められる。実際には、ユーザの眼からユーザが見たい対象物までの距離は5m、30cmに固定されておらず、様々に変化する。ユーザが見たい対象物の大きさ、例えは10ポイントの活字と16ポイントの活字では、適切なレンズの焦点距離は異なる。従って、ユーザからユーザが見たい対象物をより明確に見るためには、ユーザの眼と対象物との距離に応じて眼鏡レンズの焦点距離は変更できることが好ましい。
【0004】
焦点距離が固定されたレンズに代えて、焦点距離が変更できる可変焦点レンズを使用した眼鏡が知られている。
【0005】
特許文献1は、硬質光学コンポーネントと透明な伸張性メンブレンとの間にキャビティを構成し、キャビティを満たす可変量の流体と、追加の流体を収容するリザーバとを有するレンズを有する可変焦点眼鏡を開示する。リザーバは、力又は衝撃に応答してキャビティ内への流体の注入又はキャビティからの流体の抜き出し動作を行うことにより焦点を変更することできる。
【0006】
特許文献2には、可変焦点レンズの焦点距離を変化させる駆動部と、駆動部を駆動する操作を行うスイッチと、スイッチの操作を受けて駆動部を制御する制御部を有する可変焦点メガネを開示する。ユーザは、視認対象物とーザとの距離に対応した適切なレンズ焦点距離をあらかじめ教示しておき、所望の焦点距離となるようユーザのスイッチ操作によって制御部が駆動部を制御することが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-045882号公報
【文献】特許第5255152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1は、ユーザが所望の対象物を明瞭に見るために、可変焦点眼鏡のレンズ焦点距離をユーザがどのように設定するかについては言及していない。
【0009】
また、特許文献2は、ユーザの眼から対象物までの距離が変化する都度、ユーザは焦点距離を変更せねばならず煩瑣である。
【0010】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、ユーザが所望の対象物を明瞭に見るための操作が容易な可変焦点眼鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明に係る可変焦点眼鏡は、可変焦点レンズと、可変焦点レンズの前方にある画像を撮像する撮像センサと、撮像された画像から対象物と可変焦点眼鏡との距離を検出する検出部と、距離を示す距離信号を送信する眼鏡送信部と、距離に関連する可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信する眼鏡受信部と、焦点信号に対応して、可変焦点レンズの焦点距離を調整する調整部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る可変焦点眼鏡は、検出部が、対象物候補の特徴を抽出し、特徴に基づいて対象物を判定する判定部を更に有し、可変焦点眼鏡と対象物と判定された対象物との距離を検出する、ことが好ましい。
【0013】
本発明に係る可変焦点眼鏡は、眼鏡送信部が、距離信号を、前記可変焦点眼鏡のユーザに関する登録データを記憶した携帯通信端末に送信し、携帯通信端末は、登録データを示す登録信号と距離信号をクラウドサーバに転送し、クラウドサーバは、クラウドサーバ上の焦点距離データベースを検索して、登録データと距離に対応する焦点距離を決定し、決定された焦点距離を示す焦点距離信号を携帯通信端末に送信し、携帯通信端末は、焦点距離信号を眼鏡受信部に転送する、ことが好ましい。
【0014】
本発明に係る可変焦点眼鏡は、投影部を更に有し、眼鏡送信部は、対象物の特徴を示す特徴信号を更に送信し、携帯通信端末は、特徴信号をクラウドサーバに更に転送し、クラウドサーバはクラウドサーバ上のコンテンツデータベースを検索して、特徴に対応するコンテンツデータを決定し、決定されたコンテンツデータを示すコンテンツ信号を携帯通信端末に更に送信し、携帯通信端末は、コンテンツ信号を眼鏡受信部に更に転送し、投影部は、可変焦点レンズにコンテンツデータを投影する、ことが好ましい。
【0015】
本発明に係る、可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡を制御する方法は、撮像センサが可変焦点レンズの前方にある画像を撮像することと、撮像センサに撮像された画像から対象物と可変焦点眼鏡との距離を検出することと、距離を示す距離信号を送信することと、距離に関連する可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信することと、焦点信号に対応して、記可変焦点レンズの焦点距離を調整することと、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る制御プログラムは、可変焦点レンズを有する可変焦点眼鏡を制御するプログラムであって、撮像センサが可変焦点レンズの前方にある画像を撮像することと、撮像センサに撮像された画像から対象物と前記可変焦点眼鏡との距離を検出することと、距離を示す距離信号を送信することと、距離に関連する可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信することと、焦点信号に対応して、可変焦点レンズの焦点距離を調整することと、を含む処理をプロセッサに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本開示に係る可変焦点眼鏡は、ユーザが所望の対象物を明瞭に見るための操作が容易な可変焦点眼鏡である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】可変焦点眼鏡と携帯通信端末とクラウドサーバの一例を示す図である。
【
図2】可変焦点眼鏡の一例を示す外観斜視図である。
【
図3】可変焦点眼鏡のブロック構成の一例を示す図である。
【
図4】2つの撮像センサを使用した可変焦点眼鏡から対象物までの距離を検出する方法の一例を説明する図である。
【
図5】可変焦点眼鏡の処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図6】携帯通信端末のブロック構成の一例を示す図である。
【
図7】端末記憶部に記憶される登録データファイルと状態データファイルの一例を示す図であり、(a)は登録データファイル、(b)は状態データファイルを示す図である。
【
図8】携帯通信端末の処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図9】クラウドサーバのブロック構成の一例を示す概略図である。
【
図10】クラウドサーバで使用される焦点距離データベースの例を示す図である。
【
図11】クラウドサーバの処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図12】第2実施形態に係る可変焦点眼鏡の一例を示す図である。
【
図13】第2実施形態に係る可変焦点眼鏡のブロック構成の一例を示す図である。
【
図14】第2実施形態に係る可変焦点眼鏡の処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図15】第2実施形態に係るクラウドサーバのブロック構成の一例を示す概略図である。
【
図16】第2実施形態に係るクラウドサーバの処理の一例を示すフローチャート図である。
【
図17】第2実施形態に係る携帯通信端末のブロック構成の一例を示す図である。
【
図18】第2実施形態に係る携帯通信端末の処理の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の一側面に係る可変焦点眼鏡について、図を参照しつつ説明する。但し、本開示の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。尚、以下の説明及び図において、同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0020】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る可変焦点眼鏡と携帯通信端末とクラウドサーバの一例を示す図である。可変焦点眼鏡1は、焦点距離が変更可能な2つの例えば液晶レンズ111、112と、液晶レンズを保持する2つのレンズ枠121、122を有するフレーム12を有する。液晶レンズ111、112は、液晶層に印加する電圧により焦点距離を制御可能としたレンズである。可変焦点レンズは、液晶レンズに限られず液体間の境界面を変化させ、焦点を変更することができるものであればよい。
【0021】
フレーム12のフロント上端の左右には、2つの撮像センサ131、132が設けられている。撮像センサは、例えば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサである。2つの撮像センサ131、132は、可変焦点眼鏡1を装着したユーザの顔の反対側の可変焦点レンズ面の前方にある画像を撮像することになる。2つの撮像センサ131、132はステレオ撮像センサを構成するので、撮像された画像から可変焦点レンズ111、112の焦点距離を設定するための対象物Pを特定し、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離を検出するために使用することができる。
【0022】
2つの撮像センサ131、132の取り付け位置は、フレーム12のフロント上端の左右に限られず、例えば、フレーム下部でもよく、又、つる部123,124に取り付けられてもよい。
【0023】
フレーム12はつる部123、124を有し、例えば、つる部123には、眼鏡制御部(不図示)が内蔵されていて、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離を検出するための処理を行う。例えば、つる部124には、眼鏡制御部と接続された眼鏡通信インターフェース(不図示)が内蔵されていて、ユーザの携帯通信端末2と無線通信することができる。可変焦点眼鏡1と携帯通信端末間の無線通信方式は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、その他の近距離無線通信方式である。通信インターフェースは、対象物と可変焦点レンズとの距離を示す距離信号を携帯通信端末2に送信する。フレーム12には無線通信のためのアンテナ(不図示)が内蔵されている。携帯通信端末2は、例えば、スマートフォン、タブレット端末である。
【0024】
携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1と無線通信するための第1通信インターフェース21、インターネット上のクラウドサーバ3と無線通信するための第2通信インターフェース22を有する。携帯通信端末2は、第1通信インターフェース21、第2通信インターフェースに接続される端末制御部23を有する。第2通信インターフェース22の無線通信方式は、例えば、Wi-Fi、移動通信方式である。移動通信方式は、例えは、GSM,CDMA,第4世代移動通信(4G)、第5世代移動通信(5G)である。例えば、可変焦点眼鏡1と携帯通信端末2間の無線通信はブルートゥース(登録商標)、携帯通信端末2とクラウドサーバ3間の無線通信は、Wi-Fi及び4Gである。このとき携帯通信端末2は、ブルートゥース(登録商標)用アンテナ241、Wi-Fi用アンテナ242、及び4G用アンテナ243を有する。
【0025】
端末制御部23は、端末記憶部231と端末処理部232を有し、端末記憶部231にはユーザに関する登録データが記憶されている。ユーザに関する登録データは、例えば、ユーザ識別データ、ユーザの遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を含む。レンズ度数は右眼、左眼ごとに記憶される。右眼、左眼の視力が異なることがあるためである。なお、レンズ度数はレンズ焦点距離の逆数で表される。ユーザ識別データは、例えば、ユーザの携帯電話番号、メールアドレス、特定のサービス・アプリケーション利用のためのユーザID、その他のユーザ識別IDデータである。登録データは、その他のユーザに関する生体情報(年齢、性別、身長、体重等)を含んでもよい。
【0026】
携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1から、例えばブルートゥース(登録商標)を介して、対象物と可変焦点レンズとの距離を示す距離信号を受信する。携帯通信端末2は、受信した距離信号を移動通信方式のフォーマットに変換してインターネット上のクラウドサーバ3に転送する。通信端末2は、端末記憶部231からユーザの登録データ、例えば、携帯電話番号、ユーザの遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を呼出して登録信号として、距離信号と共にクラウドサーバ3に転送する。
【0027】
クラウドサーバ3は、焦点距離データベース322を有している。焦点距離データベース322は、遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数に関連し、対象物と可変焦点レンズとの距離ごとに設定される可変焦点レンズの焦点距離を記憶したデータベースである。クラウドサーバ3は、携帯通信端末2から取得した対象物と可変焦点レンズとの距離と、登録データに含まれる遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を検索条件として焦点距離データベース322を検索する。クラウドサーバ3は、検索によってレンズの焦点距離を決定し、決定されたレンズの焦点距離を示す焦点距離信号を携帯通信端末2に送信する。
【0028】
携帯通信端末2は、受信した焦点距離信号を通信フォーマット変換して、可変焦点眼鏡1に転送する。焦点距離信号を受信した可変焦点眼鏡1は、液晶レンズ111、112に印加する電圧を制御してレンズが適切な焦点距離となるようにすることができる。可変焦点眼鏡を装着した、ユーザは煩雑な調整操作をすることなく、所望の対象物を明瞭に見ることができる。
【0029】
[可変焦点眼鏡]
図2は、可変焦点眼鏡の一例を示す外観斜視図である。可変焦点眼鏡1は、装着するユーザの左右の眼に対応する2つの液晶レンズ111、112とフレーム12を有する。2つの液晶レンズ111、112は、フレーム12の2つのレンズ枠121、122にそれぞれはめ込まれている。液晶レンズ111、112は、各液晶レンズに印加される電圧によってレンズの焦点距離が変更できる可変焦点レンズである。
【0030】
フレーム12のフロント上端の左右には、2つの撮像センサ131、132が設けられている。2つ撮像センサは、ユーザの顔の反対側の可変焦点レンズ面の前方にある画像を撮像する。2つの撮像センサ131、132はステレオ撮像センサであり、撮像された画像から可変焦点レンズ111、112の焦点距離を設定するための対象物Pを特定し、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離を検出するために使用することができる。
【0031】
2つのつる部123、124のいずれかには、眼鏡操作部14が設けられる。眼鏡操作部14は、例えば、1つ又は複数のタッチスイッチ、プッシュスイッチ、スライドスイッチを有する。ユーザは、眼鏡操作部14を操作して、例えば、可変焦点眼鏡1から対象物までの距離検出処理をスタートさせる。つる部123、124のいずれかには、眼鏡操作部14と接続される眼鏡制御部15が内蔵されていて、例えば、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離を検出するための処理を行う。
【0032】
つる部123、124のいずれかには、眼鏡制御部15と接続された眼鏡通信インターフェース16と、眼鏡通信インターフェース16と接続された眼鏡アンテナ17が内蔵されていて、ユーザの携帯通信端末2と無線通信することができる。更につる部123、124のいずれかには、眼鏡制御部15に接続された電源部18が内蔵されている。各つる部123,124には電源部18と眼鏡制御部15に接続された2つの電圧回路191、192が内蔵されている。2つの電圧回路191、192は、それぞれ液晶レンズ111、112に接続され、液晶レンズに電圧を印加するために使用される。電源部18は、眼鏡制御部15を動作させるための電源と、液晶レンズ111,112に電圧を印加するための電源を、別々に有してもよい。
【0033】
図3は、可変焦点眼鏡のブロック構成の一例を示す図である。つる部123、124のいずれかに内蔵される眼鏡制御部15は、フレーム12のフロント上端の左右に設けられた撮像センサ131、132、及びつる部123、124のいずれかに設けられた眼鏡操作部14に接続している。眼鏡制御部15は、眼鏡通信インターフェース16と接続され、眼鏡通信インターフェース16は眼鏡アンテナ17と接続している。電源部18は、撮像センサ131、132、眼鏡制御部15、及び2つの電圧回路191と192に接続され、各部に電力を供給する。電圧回路191は、液晶レンズ111の電極117,118に接続される。同様に電圧回路192は、液晶レンズ112の電極117,118に接続される。
【0034】
眼鏡操作部14は、可変焦点眼鏡1の外部に設けられてもよい。例えば、腕に装着するスマートリング、スマートウォッチに眼鏡操作部14を設け、眼鏡操作部14は眼鏡通信インターフェース16を介して眼鏡制御部15を操作してもよい。又、眼鏡操作部14は、携帯通信端末2のソフトキーとして定義してもよい。
【0035】
眼鏡制御部15は、各電圧回路を制御して、各液晶レンズの電極117,118への印加電圧を変更することができる。各液晶レンズの電極117,118への印加電圧が変化すると、各液晶レンズの焦点が変化する。
【0036】
眼鏡制御部15は、眼鏡記憶部151と眼鏡処理部152を有する。眼鏡記憶部151は、1又は複数の半導体メモリにより構成される。例えば、RAMや、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリの少なくとも一つを有する。眼鏡記憶部151は、眼鏡処理部152による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0037】
例えば、眼鏡記憶部151は、ドライバプログラムとして、撮像センサ131、132を制御するデバイスドライバや、眼鏡通信インターフェース16を制御するデバイスドライバプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて眼鏡記憶部151にインストールされてもよい。また、プログラムサーバ等からダウンロードしてインストールしてもよい。
【0038】
更に、眼鏡記憶部151は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶することができる。眼鏡記憶部151は、液晶レンズの焦点距離を所定の値に設定するための印加電圧に関する焦点・電圧ファイル1511、対象物の特徴抽出のための特徴ファイル1512、携帯通信端末2とのペアリング等のための型名・識別IDファイル1513、通信パラメータや各種設定閾値を記憶するパラメータファイル1514等を記憶する。
【0039】
眼鏡処理部152は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。眼鏡処理部152は、可変焦点眼鏡1の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、MCU(Micro Controller Unit)である。
【0040】
眼鏡処理部152は、眼鏡記憶部151に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、眼鏡処理部152は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行してもよい。眼鏡処理部152は、操作処理部1521、モード切換部1522、検出部1523、判定部1524、距離検出部1525、眼鏡送信部1526、眼鏡受信部1527、調整部1528等を有する。
【0041】
眼鏡処理部152が有するこれらの各部は、独立した集積回路、回路モジュール、マイクロプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はファームウェアとして眼鏡制御部15に実装されてもよい。
【0042】
図4は、2つの撮像センサを使用した可変焦点眼鏡から対象物までの距離を検出する方法の一例を説明する図である。2つの撮像センサをステレオカメラとして使用する例である。
【0043】
ユーザは可変焦点眼鏡1をとおして対象物Pを視認したとする。フレーム12のフロント上端の左右には、2つの撮像センサ131、132が設けられ、2つの撮像センサ間の距離はBである。各撮像センサは対象物P側に光学レンズを有する。光学レンズから撮像面までの焦点距離はFである。対象物Pからの光は右撮像センサ131の光学レンズの点Rをとおり撮像面上のR´に入射する。対象物Pからの光は左撮像センサ132の光学レンズの点Lをとおり撮像面上のL´に入射する。左撮像センサ132への入射線を平行移動させて右撮像センサ131の右撮像面に外挿した点をL´´とすると、撮像面を底面とする三角形RL´´R´ができる。線分L´´R´は視差と呼ばれDで表される。
【0044】
三角形RL´´R´は三角形PLRと相似であるので、可変焦点眼鏡から対象物までの距離Zは、撮像センサ間の距離B、焦点距離F、視差Dから、
Z=(B×F)/D
によって求められる。
【0045】
視差Dを検出するためには、対象物Pを特定する必要がある。本実施例では、対象物を特定するために、特徴がはっきりしている特定のマークを対象物として検出する。マークは、周囲のものとは異なる特徴を有する識別マーク、例えば、QRコード(登録商標)、合わせマーク、特定の文字又は文字列、カラーパターン配列、その他特定の形状を有する物である。識別マークは1つに限られず、複数のマークを組み合わせたものでもよい。例えば、QRコード(登録商標)は画像であるが、QRコード(登録商標)が示しているURL等のテキストデータに変換して特徴が検出される。対象物の特徴は、対象物の種類、例えば、新聞、写真、絵画、花に対応するコードとして示してもよい。例えば、照合のため識別マークは、眼鏡記憶部151の特徴ファイルにテキストデータ又は画像データとして記憶されていてもよい。対象物Pの検出は、SGM(Semi Global Matching)方式、SAD(Sum of Absolute Difference)方式を使用してもよい。
【0046】
対象物Pが検出されると、眼鏡制御部15は、対象物Pの画像データ又はテキストデータを対象物Pの特徴を示す特徴信号として携帯通信端末2に送信することができる。例えばQRコード(登録商標)は画像であるが、QRコード(登録商標)が示しているURL等のテキストデータに変換して特徴信号とすることができる。
【0047】
なお、2つの撮像センサが撮像した左右画像間で、視差Dを計測するための方法の一つにブロックマッチングと呼ばれる方法がある。ブロックマッチングは、一方の画像(左画像)のある点に注目し、その周囲の数ピクセルの矩形をブロックとし、もう一方の画像からそのブロックともっとも相関のある位置を探しだす方法である。例えば、左右の画像が、ゆがみなく、上下方向のずれや、光軸のずれなどがなく、真に左右のみの平行移動分のずれであるとすると、同一の対象物は画像中でも同じY座標に表れるはずである。従ってブロックの相関を検索する対象物は、同じY座標においてX方向にのみずらしていけばよくなり、最も相関の高かった位置(ずれ)を視差値とすることができる。
【0048】
図5は、可変焦点眼鏡の処理の一例を示すフローチャート図である。
図5に示す処理は、眼鏡記憶部151に予め記憶されたコンピュータプログラムに従って眼鏡制御部15にて実行される。
【0049】
眼鏡操作部14の例えばプッシュスイッチがユーザによって押されたことを、操作処理部1521がスイッチの押下を検出することにより本処理はスタートする。モード切換部1522は、撮像センサ131、132を起動させ、眼鏡制御部15を、省電力モードから動作モードに切換える(ST501)。検出部1523の判定部1524は、撮像センサ131、132の撮像画像から対象物候補の特徴を抽出し、抽出された特徴に基づいて対象物を判定する(ST502)。検出部1523の距離検出部1525は、撮像センサ131、132の撮像画像から判定された対象物と可変焦点眼鏡との距離を検出する(ST503)。
【0050】
眼鏡通信インターフェース16を介して眼鏡送信部1526は、対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を携帯通信端末2に送信する(ST504)。眼鏡通信インターフェース16を介して眼鏡受信部1527は、携帯通信端末2から可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信する(ST505)。調整部1528は、焦点信号に対応して、前記可変焦点レンズの焦点距離を調整する(ST506)。調整が終了すると、モード切換部1522は、撮像センサ131、132をOFFにし、眼鏡制御部15を、動作モードから省電力モードに切換える(ST507)。処理は終了する。
【0051】
[携帯通信端末]
携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1からの対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号をクラウドサーバに転送する処理を行う。携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1を装着したユーザに関する登録データを記憶している。距離信号を転送するとき、携帯通信端末2は、端末記憶部231からユーザの登録データ、例えば、携帯電話番号、ユーザの遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を呼出して登録信号とする。登録信号は、対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と共にクラウドサーバ3に転送する。携帯通信端末2は、対象物Pの特徴を示す特徴信号を受信し、クラウドサーバに転送することができる。携帯通信端末2は、例えばスマートフォン、タブレット端末である。
【0052】
図6は、携帯通信端末のブロック構成の一例を示す図である。携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1と無線通信するための第1通信インターフェース21、インターネット上のクラウドサーバ3と無線通信するための第2通信インターフェース22を有する。第1通信インターフェース21は、ブルートゥース(登録商標)用アンテナ241に接続している。第2通信インターフェース22は、Wi-Fi用アンテナ242、移動通信用アンテナ243に接続している。携帯通信端末2は、第1通信インターフェース21と第2通信インターフェースとに接続する端末制御部23を有する。携帯通信端末2は、GPS(Global Positioning System)からの電波を受信するGPSアンテナ244、GPSアンテナ244と接続するGPS受信部25を有し、GPS受信部25は端末制御部23と接続する。
【0053】
携帯通信端末2は、端末制御部23に接続する表示部26と端末操作部27とを有する。表示部26は、例えば液晶ディスプレイである。端末操作部27は、例えば、表示部と一体化したタッチパネルディスプレイである。携帯通信端末2は、端末制御部23に接続する外部記憶部28、例えば、SDメモリカードを有することができる。
【0054】
端末制御部23は、端末記憶部231と端末処理部232を有する。端末記憶部231は、1又は複数の半導体メモリにより構成される。例えば、RAMや、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性メモリの少なくとも一つを有する。端末記憶部231は、端末処理部232による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。
【0055】
例えば、端末記憶部231は、ドライバプログラムとして、表示部26を制御するデバイスドライバや、通信インターフェース21,22を制御するデバイスドライバプログラムを記憶する。コンピュータプログラムは、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリ等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて端末記憶部231にインストールされてもよい。また、プログラムサーバ等からダウンロードしてインストールすることができる。
【0056】
更に、端末記憶部231は、所定の処理に係る一時的なデータを一時的に記憶することができる。端末記憶部231は、ユーザに関する登録データファイル2311、可変焦点眼鏡1が使用されている状態を示す状態データファイル2312、可変焦点眼鏡1とのペアリング等のための型名・識別IDファイル2313、対象物の特徴を抽出した特徴抽出ファイル2314等を記憶する。
【0057】
端末処理部232は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。端末処理部232は、携帯通信端末2の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、MCU(Micro Controller Unit)である。
【0058】
端末処理部232は、端末記憶部231に記憶されているプログラム(オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行する。また、端末処理部232は、複数のプログラム(アプリケーションプログラム等)を並列に実行してもよい。端末処理部232は、端末受信部2321、登録データ取得部2322、状態データ取得部2323、端末送信部2324等を有する。
【0059】
端末処理部232が有するこれらの各部は、独立した集積回路、回路モジュール、マイクロプロセッサ、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はファームウェアとして眼鏡制御部15に実装されてもよい。
【0060】
図7は、端末記憶部に記憶される登録データファイルと状態データファイルの一例を示す図であり、(a)は登録データファイル、(b)は状態データファイルを示す図である。
【0061】
可変焦点眼鏡1を装着するユーザの登録データは、携帯通信端末2の表示部26と端末操作部27を使用してユーザが入力することができる。登録データは、ユーザ識別データ、ユーザの遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を含む。レンズ度数は右眼、左眼ごとに記憶される。右眼、左眼の視力が異なることがあるためである。なお、レンズ度数はレンズ焦点距離の逆数で表される。ユーザ識別データは、例えば、ユーザの携帯電話番号、メールアドレス、特定のサービス・アプリケーション利用のためのユーザID、その他のユーザ識別IDデータである。登録データは、その他のユーザに関する生体情報(年齢、性別、身長、体重等)を含む。登録データをクラウドサーバ3に送ることにより、可変焦点眼鏡1の焦点距離をユーザにとって見やすい焦点距離とすることが可能となる。
【0062】
登録データは、頻繁に変更されることはないので、携帯通信端末2から、クラウドサーバ3に送信されると、クラウドサーバ3は、登録データをユーザ登録データベース内に登録データを管理することができる。登録データが、クラウドサーバ3のユーザ登録データベースに登録された以降は、携帯通信端末2は、ユーザ識別コード、例えば携帯電話番号をクラウドサーバ3に送信すればよい。クラウドサーバ3は、ユーザ識別コードを用いて、ユーザ登録データベースを検索できるからである。
【0063】
携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡1が使用されている状態を状態データとして取得し、状態を示す状態信号をクラウドサーバ3に送信することができる。可変焦点眼鏡1が使用されている状態データは、例えば、使用されている時刻、使用されている場所、使用されている場所の天気、使用されている場所が屋外又は屋内、である。時刻は、GPS衛星、固定基地局からの電波信号に含まれる時刻を使用できる。場所は、GPS衛星からの信号に基づいて決定できる。天気は、使用されている場所に関する天気情報サービスを利用できる。屋外又は屋内であることは、例えばGPS衛星からの電波受信状況から検出することができる。
【0064】
状況信号をクラウドサーバ3に送ることにより、可変焦点眼鏡1の焦点距離をユーザにとって更に見やすい焦点距離とすることが可能となる。携帯通信端末2は、クラウドサーバ3に対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号を送信する都度、状態データを取得して状態データを送信することが好ましい。状態データの一部、例えば、場所や、天気データの取得は、定期的に取得して端末記憶部231に記憶しておいてもよい。取得に要する時間を短く、且つ、負荷を軽くすることができる。
【0065】
図8は、携帯通信端末の処理の一例を示すフローチャート図である。
図8に示す処理は、端末記憶部231に予め記憶されたコンピュータプログラムに従って端末制御部23にて実行される。
【0066】
端末受信部2321は、第1通信インターフェース21を介して、可変焦点眼鏡1から送信される対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を受信する(ST801)。
【0067】
登録データ取得部2322は、端末記憶部231の登録データファイル2311から登録データを取得する(ST802)。状態データ取得部2323は、状態データファイルから状態データを取得する(ST803)。
【0068】
端末送信部2324は、第2通信インターフェース22を介して、クラウドサーバ3に対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を送信する(ST804)。端末送信部2324は、第2通信インターフェース22を介して、クラウドサーバ3に登録データを示す登録信号と状態データを示す状態信号を送信する(ST805)。
【0069】
端末受信部2321は、第2通信インターフェースを介してクラウドサーバ3から、クラウドサーバ3が決定した可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を受信する(ST806)。端末送信部2324は、第1通信インターフェースを介して可変焦点眼鏡1に、可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を送信する(ST807)。処理は終了する。
【0070】
[クラウドサーバ]
クラウドサーバ3は、例えば、対象物と可変焦点レンズとの距離と、登録データに含まれる遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数を検索条件として焦点距離データベース322を検索する。クラウドサーバ3は、検索によって決定したレンズの焦点距離を焦点信号として携帯通信端末2に送信する。携帯通信端末2は、可変焦点眼鏡に決定されたレンズの焦点距離を示す焦点信号を転送する。
【0071】
登録データはユーザ登録データベースとしてクラウドサーバ3に登録されていてよい。本例では、クラウドサーバ3は、焦点距離データベース322とユーザ登録データベース321を有するものとする。携帯通信端末2から、対象物と可変焦点レンズとの距離を示す距離信号と、登録データに含まれるユーザ識別コートを含む登録信号を受信したときの例について説明する。
【0072】
図9は、クラウドサーバのブロック構成の一例を示す概略図である。クラウドサーバ3は、クラウドネットワークを介して携帯通信端末2と通信するサーバ通信インターフェース31と、サーバ記憶部32と、サーバ処理部33とを有する。サーバ通信インターフェース31とサーバ記憶部32は、サーバ処理部33に接続している。
【0073】
サーバ記憶部32は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置及び光ディスク装置の内の少なくとも一つを有する。サーバ記憶部32は、サーバ処理部33による処理に用いられるドライバプログラム、オペレーティングシステムプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部32は、ドライバプログラムとして、サーバ通信インターフェース31を制御する通信デバイスドライバプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部32にインストールされてもよい。また、プログラムサーバ等からダウンロードしてインストールしてもよい。
【0074】
サーバ記憶部32は、データとして、ユーザ登録データベース321と、焦点距離データベース322等を記憶する。
【0075】
ユーザ登録データベース321は、携帯通信端末2から送信されるユーザ識別データを検索キーとして、各ユーザのレンズ度数と生体情報が検索可能なデータベースである。ユーザ識別データの種類には、例えば、ユーザの携帯電話番号、メールアドレス、特定のサービス・アプリケーション利用のためのユーザID等があるが、個々のユーザは、いずれか1つのユーザ識別データを使うことが可能である。例えは、ユーザAは、ユーザ識別データとして携帯電話番号を使用し、ユーザ識別データの他の種類については登録されていなくともよい。ユーザBは、メールアドレスを使用し、ユーザ識別データの他の種類については登録されていなくともよい。
【0076】
焦点距離データベース322は、個々のユーザのレンズ度数と、対象物と可変焦点眼鏡の距離を検索キーとして、対象物に対する適正な可変焦点レンズの焦点距離が検索可能なデータベースである。
【0077】
別の例として、焦点距離データベース322は、個々のユーザのレンズ度数、対象物と可変焦点眼鏡の距離、及び対象物の特徴を検索キーとして、対象物に対する適正な可変焦点レンズの焦点距離が検索可能なデータベースとすることができる。対象物と可変焦点眼鏡の距離が同じであっても、新聞を読むときと写真を見るときでは、異なる焦点距離に設定したほうがよいケースもあるからである。
【0078】
別の例として、焦点距離データベース322は、個々のユーザのレンズ度数、対象物と可変焦点眼鏡の距離、対象物の特徴、及び可変焦点眼鏡1が使用されている状態を検索キーとすることができる。対象物と可変焦点眼鏡の距離が同じであっても、新聞を読むときと写真を見るときでは、異なる焦点距離に設定したほうが明瞭に見えるケースもあるからである。
【0079】
サーバ処理部33は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部33は、クラウドサーバ3の全体的な動作を統括的に制御するものであり、例えば、CPU(central processing unit)である。サーバ処理部33は、クラウドサーバ3の各種処理がサーバ記憶部32に記憶されているプログラム等に基づいて適切な手順で実行されるように、サーバ通信インターフェース31等の動作を制御する。サーバ処理部33は、サーバ記憶部32に記憶されているオペレーティングシステムプログラムやドライバプログラム、アプリケーションプログラム等のプログラムに基づいて処理を実行する。また、サーバ処理部33は、アプリケーションプログラム等の複数のプログラムを並列に実行することができる。
【0080】
サーバ処理部33は、サーバ受信部331、ユーザ登録データベース検索部332、焦点距離データベース検索部333、及びサーバ送信部334を有する。サーバ処理部33が有するこれらの各部は、サーバ処理部33が有するプロセッサ上で実行されるプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、サーバ処理部33が有するこれらの各部は、独立した集積回路、マイクロプロセッサ、又はファームウェアとしてクラウドサーバ3に実装されてもよい。クラウドサーバ3は、1台のサーバ装置だけでなく、複数のサーバ装置によって構成することができる。例えば、ユーザ登録データベース321を有するサーバ装置と、焦点距離データベース322を有するサーバ装置が複合してクラウドサーバ3を構成してもよい。
【0081】
図10は、クラウドサーバ3で使用される焦点距離データベースの例を示す図である。
【0082】
表T1は、焦点距離データベースに含まれる表であって、遠見視力に関する矯正のためのレンズ度数DD1、近見視力に関する矯正のためのレンズ度数ND1のときの、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離に対するレンズの焦点距離fを示す表である。対象物と可変焦点眼鏡の距離が10cm以上50cm未満のときは、10cm毎にレンズの焦点距離が設定され、対象物と可変焦点眼鏡の距離が100cm以上のときは100cm毎にレンズの焦点距離が設定されている。表T1は、レンズ度数DD1、DND2を有する複数ユーザのデータを元に、統計的方法、例えば、平均値、最頻値を用いて作成される。例えば、対象物と可変焦点眼鏡との距離が40cm以上50cm未満のときは、焦点距離f14は推奨される。
【0083】
表T2は、焦点距離データベースに含まれる表であって、遠見視力のレンズ度数DD1、近見視力レンズ度数ND1に加え、対象物の特徴として、例えば対象物が花のときの、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離に対するレンズの焦点距離fを示す表である。表T1は、レンズ度数DD1、DND2を有する複数ユーザがいろいろな花を見たときのデータを元に、統計的方法、例えば、平均値、最頻値を用いて作成される。例えば、対象物と可変焦点眼鏡との距離が40cm以上50cm未満のときは、焦点距離f24が推奨される。
【0084】
表T3は、焦点距離データベースに含まれる表であって、レンズ度数がDD1、ND1、対象物対象物が花、可変焦点眼鏡1が公園で使用されているときの、対象物Pと可変焦点眼鏡1との距離に対するレンズの焦点距離fを示す表である。表T3は、レンズ度数DD1、DND2を有する複数ユーザがいろいろな花を公園で見たときのデータを元に、統計的方法、例えば、平均値、最頻値を用いて作成される。例えば、対象物と可変焦点眼鏡との距離が40cm以上50cm未満のときは、焦点距離f34が推奨される。
【0085】
焦点距離データベースは、大量のデータを収集して分析する人工知能(AI:artificial intelligence)学習によって作成されてもよい。例えば、表T、T2,T2のレンズの焦点距離fの設定幅は同一として説明したが、AI学習によるクラスタリング手法を用いて様々な検索条件に対応した焦点距離fの設定幅とすることができる。更に、検索条件としてユーザの生体情報を使用してもよい。生体情報が近しいユーザ間は、同じレンズ焦点距離設定が好ましいケースがあるからである。
【0086】
図11は、クラウドサーバの処理の一例を示すフローチャート図である。
図11に示す処理は、サーバ記憶部32に予め記憶されたコンピュータプログラムに従ってサーバ処理部33にて実行される。
【0087】
サーバ受信部331は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2から送信される対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を受信する(ST1101)。サーバ受信部331は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2から送信されるユーザ識別コードを含む登録信号と状態信号を受信する(ST1102)。
【0088】
ユーザ登録データベース検索部332は、ユーザ識別コードを検索キーとしてサーバ記憶部32のユーザ登録データベース321からユーザ登録データを取得する(ST1103)。焦点距離データベース検索部333は、取得されたユーザ登録データに含まれるユーザのレンズ度数と、対象物と可変焦点眼鏡の距離を検索キーとして、サーバ記憶部32の焦点距離データベース322から可変焦点レンズの焦点距離を取得する(ST1104)。
【0089】
サーバ送信部334は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2に取得した対象物に対する適正な可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を送信する(ST1105)。送信後、処理は終了する。
【0090】
[第2実施形態]
第1実施形態は、可変焦点眼鏡から、対象物と可変焦点眼鏡との距離と対象物の特徴を、携帯通信端末を経由して、クラウドサーバから適切なレンズ焦点距離を得る例を説明した。第2実施形態は、更に対象物に関連するコンテンツ画像を可変焦点レンズに投影する例を説明する。
【0091】
図12は、第2実施形態に係る可変焦点眼鏡の一例を示す図である。可変焦点眼鏡1´は、第1実施形態で説明した可変焦点眼鏡1にAR(AR:Augmented Reality)投影部10を更に備え、可変焦点レンズ表面上に対象物に関連するコンテンツ画像101を投影することができる。なお、ARとは、「拡張現実感(Augmented Reality)」の略で、実際の対象物、景色、地形等に、コンピュータを使ってさらに情報を加える技術を指す。以下、第1実施形態1と異なる部分を中心に説明する。対象物の関連するコンテンツとは、例えば、対象物の説明、対象物の解説、対象物の広告、対象物の購入方法、対象物の使い方等である。対象物に関連するコンテンツ画像101は静止画、動画像いずれでもよい。
【0092】
図13は、第2実施形態に係る可変焦点眼鏡のブロック構成の一例を示す図である。可変焦点眼鏡1´は、AR投影部10を有し、AR投影部10は、眼鏡制御部15と接続している。眼鏡処理部152は、AR投影部10が対象物Pに関連するコンテンツ画像101を投影するようにAR投影部10を制御するAR部1529を有する。眼鏡受信部1527は、眼鏡通信インターフェース16を介して、携帯通信端末2から対象物に関連するコンテンツ画像を示すコンテンツ信号を更に受信する。
【0093】
図14は、第2実施形態に係る可変焦点眼鏡の処理の一例を示すフローチャート図である。
図14に示す処理は、眼鏡記憶部151に予め記憶されたコンピュータプログラムに従って眼鏡制御部15にて実行される。
【0094】
眼鏡操作部14の例えばプッシュスイッチがユーザによって押されたことを、操作処理部1521がスイッチの押下を検出することにより本処理はスタートする。モード切換部1522は、撮像センサ131、132を起動させ、眼鏡制御部15を、省電力モードから動作モードに切換える(ST1401)。検出部1523の判定部1524は、撮像センサ131、132の撮像画像から対象物候補の特徴を抽出し、抽出された特徴に基づいて対象物を判定する(ST1402)。検出部1523の距離検出部1525は、撮像センサ131、132の撮像画像から判定された対象物と可変焦点眼鏡との距離を検出する(ST1403)。
【0095】
眼鏡通信インターフェース16を介して眼鏡送信部1526は、対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を携帯通信端末2に送信する(ST1404)。眼鏡通信インターフェース16を介して眼鏡受信部1527は、携帯通信端末2から可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号と、対象物に関連するコンテンツ画像を示すコンテンツ信号を受信する(ST1405)。調整部1528は、焦点信号に対応して、前記可変焦点レンズの焦点距離を調整する(ST1406)。AR部1529は、AR投影部10にコンテンツ画像を投影させる(ST1407)。投影が終了すると処理は終了する。
【0096】
図15は、第2実施形態に係るクラウドサーバのブロック構成の一例を示す概略図である。サーバ記憶部32は、更に対象物に関連するコンテンツデータを含むコンテンツデータベースを記憶する。サーバ処理部33は、更にコンテンツデータベース検索部335を有する。コンテンツデータベース検索部335は、対象物の特徴を主検索キーとして検索し、ユーザ登録データと状態データを副検索キーとして使用することができる。
【0097】
サーバ送信部334は、コンテンツデータベース検索により得られたコンテンツデータをコンテンツ信号として、サーバ通信インターフェース31を介して携帯通信端末2に送信する。
【0098】
図16は、第2実施形態に係るクラウドサーバの処理の一例を示すフローチャート図である。
図16に示す処理は、サーバ記憶部32に予め記憶されたコンピュータプログラムに従ってサーバ処理部33にて実行される。
【0099】
サーバ受信部331は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2から送信される対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を受信する(ST1601)。サーバ受信部331は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2から送信されるユーザ識別コードを含む登録信号と状態信号を受信する(ST1602)。
【0100】
ユーザ登録データベース検索部332は、ユーザ識別コードを検索キーとしてサーバ記憶部32のユーザ登録データベース321からユーザ登録データを取得する(ST1603)。焦点距離データベース検索部333は、取得されたユーザ登録データに含まれるユーザのレンズ度数と、対象物と可変焦点眼鏡の距離を検索キーとして、サーバ記憶部32の焦点距離データベース322から可変焦点レンズの焦点距離を取得する(ST1604)。
【0101】
コンテンツデータベース検索部335は、取得された対象物の特徴、ユーザ登録データ状態データを検索キーとして、サーバ記憶部32のコンテンツデータベース323から対象物に関連するコンテンツを取得する(ST1605)。
【0102】
サーバ送信部334は、サーバ通信インターフェース31を介して、携帯通信端末2に取得した対象物に対する適正な可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号とコンテンツを示すコンテンツ信号を送信する(ST1606)。送信後、処理は終了する。
【0103】
図17は、第2実施形態に係る携帯通信端末のブロック構成の一例を示す図である。端末処理部は、更にコンテンツ取得部2325を有する。第2通信インターフェースを介して、端末受信部2321は、クラウドサーバ3からコンテンツ信号を受信する。コンテンツ取得部2325は、コンテンツ信号からコンテンツデータを取得し、例えば、外部記憶部28に記憶させることができる。例えば、コンテンツデータが動画像である場合は、適宜、可変焦点眼鏡1´に送信でき、可変焦点眼鏡1´の負荷を軽くすることができる。コンテンツデータは端末記憶部231に記憶してもよい。
【0104】
図18は、第2実施形態に係る携帯通信端末の処理の一例を示すフローチャート図である。
図18に示す処理は、端末記憶部231に予め記憶されたコンピュータプログラムに従って端末制御部23にて実行される。
【0105】
端末受信部2321は、第1通信インターフェース21を介して、可変焦点眼鏡1´から送信される対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を受信する(ST1801)。
【0106】
登録データ取得部2322は、端末記憶部231の登録データファイル2311から登録データを取得する(ST1802)。状態データ取得部2323は、状態データファイルから状態データを取得する(ST1803)。
【0107】
端末送信部2324は、第2通信インターフェース22を介して、クラウドサーバ3に対象物と可変焦点眼鏡との距離を示す距離信号と対象物の特徴を示す特徴信号を送信する(ST1804)。端末送信部2324は、第2通信インターフェース22を介して、クラウドサーバ3に登録データを示す登録信号と状態データを示す状態信号を送信する(ST1805)。
【0108】
端末受信部2321は、第2通信インターフェースを介してクラウドサーバ3から、クラウドサーバ3が決定した可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号とコンテンツ信号を受信する(ST1806)。コンテンツ取得部2325は、コンテンツデータを取得し外部記憶部に記憶する(ST1807)。端末送信部2324は、第1通信インターフェースを介して可変焦点眼鏡1´に、可変焦点レンズの焦点距離を示す焦点信号を送信する(ST1808)。端末送信部2324は、第1通信インターフェースを介して可変焦点眼鏡1´に、外部記憶部28に記憶されたコンテンツデータを示すコンテンツ信号を送信する(ST1808)。処理は終了する。
【0109】
当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換、及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0110】
1,1´ 可変焦点眼鏡
111、112 可変焦点レンズ
12 フレーム
131、132 撮像センサ
14 眼鏡操作部
15 眼鏡制御部
16 眼鏡通信インターフェース
18 電源部
191、192 電圧回路
10 AR投影部
2 携帯通信端末
21 第1通信インターフェース
22 第2通信インターフェース
23 端末制御部
241、242、243、244 アンテナ
25 GPS受信部25
26 表示部
27 端末操作部
3 クラウドサーバ
31 サーバ通信インターフェース
32 サーバ記憶部
33 サーバ処理部