(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】振動チャンバを備えたアトマイザー組立品
(51)【国際特許分類】
B05B 17/06 20060101AFI20240124BHJP
A24F 40/42 20200101ALI20240124BHJP
【FI】
B05B17/06
A24F40/42
(21)【出願番号】P 2020562177
(86)(22)【出願日】2019-05-07
(86)【国際出願番号】 EP2019061741
(87)【国際公開番号】W WO2019219457
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-02
(32)【優先日】2018-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100158469
【氏名又は名称】大浦 博司
(72)【発明者】
【氏名】バヤット ダラ
(72)【発明者】
【氏名】ベサント ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥボシェ オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】クイェルベルク イーヴァル
(72)【発明者】
【氏名】ニーデルマン フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】プラッテ パスカル アンドレ ダニエル ジャン
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-066706(JP,A)
【文献】特表2015-522444(JP,A)
【文献】国際公開第2009/150619(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/084848(WO,A1)
【文献】特開2004-243115(JP,A)
【文献】特開2008-168222(JP,A)
【文献】特表2019-502364(JP,A)
【文献】特表2019-500897(JP,A)
【文献】国際公開第2017/076590(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/149093(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/199062(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/198879(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05B 17/00-17/08
A24F 40/00-47/00
B05D 1/00-7/26
A61L 9/00-9/22
A61M 11/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アトマイザー組立品であって、
振動チャンバであって、
霧状にされる液体を収容するくぼみ、
前記くぼみに前記霧状にされる液体の供給を提供するための液体入口、
弾性変形可能要素、および、
複数のノズルを含むメッシュ要素、を有する、振動チャンバと、
前記弾性変形可能要素を振動させるように配置されたアクチュエータと、を備え、
前記振動チャンバおよび前記振動チャンバの前記くぼみ内に収容される前記液体が、振動システムを形成し、
前記アクチュエータによる前記弾性変形可能要素の振動が、前記くぼみ内部の圧力を変化させ、
前記アクチュエータが、前記弾性変形可能要素を前記振動システムの共振周波数で振動させて、前記くぼみ内に収容される液体を、前記メッシュ要素の前記ノズルを通して前記くぼみから排出するように構成される、アトマイザー組立品。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記弾性変形可能要素を前記振動システムの第二の調波以上である前記振動システムの共振周波数で振動させるように構成される、請求項1に記載のアトマイザー組立品。
【請求項3】
前記振動チャンバが、前記霧状にされる液体を受けるための前記くぼみを画定する壁を含み、
前記壁のうちの第一の壁が、前記弾性変形可能要素を含み、
前記第一の壁の反対側の、前記壁のうちの第二の壁が、前記メッシュ要素を含み、
前記壁のうちの一つが前記液体入口を含む、請求項1または請求項2に記載のアトマイザー組立品。
【請求項4】
前記アクチュエータが、前記弾性変形可能要素を、前記メッシュ要素に向かって、および前記メッシュ要素から遠ざかるように振動させるように配置される、請求項3に記載のアトマイザー組立品。
【請求項5】
前記アクチュエータが圧電素子を含む、請求項1~4のいずれかに記載のアトマイザー組立品。
【請求項6】
予圧を行う要素をさらに備え、前記圧電素子が、前記予圧を行う要素と前記弾性変形可能要素との間に配置される、請求項5に記載のアトマイザー組立品。
【請求項7】
前記圧電素子が、前記予圧を行う要素と前記弾性変形可能要素との間で圧縮され、前記予圧を行う要素が、前記予圧を行う要素と前記弾性変形可能要素との間の前記圧電素子の前記圧縮を変化させるように調節可能である、請求項6に記載のアトマイザー組立品。
【請求項8】
前記振動チャンバの前記くぼみ内に収容される前記霧状にされる液体を加熱するように配置されたヒーターをさらに備える、請求項1~7のいずれかに記載のアトマイザー組立品。
【請求項9】
前記ヒーターが前記メッシュ要素にまたは前記メッシュ要素上に位置付けられる、請求項8に記載のアトマイザー組立品。
【請求項10】
エアロゾル発生システムであって、
請求項1~9のいずれか一項に記載のアトマイザー組立品と、
前記霧状にされる液体の供給を収容する液体貯蔵部であって、前記液体貯蔵部が、液体を前記液体貯蔵部から前記振動チャンバの前記くぼみに供給するために、前記振動チャンバの前記液体入口と流体連通する、液体貯蔵部と、を備える、エアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記
エアロゾル発生システムが、前記液体貯蔵部を含むカートリッジと、前記カートリッジを取り外し可能に受けるように適合されたエアロゾル発生装置とを備える、請求項10に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項12】
前記カートリッジが前記アトマイザー組立品を含む、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項13】
前記エアロゾル発生装置が、前記アトマイザー組立品を備える、請求項11に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項14】
前記エアロゾル発生装置が、前記カートリッジの前記液体貯蔵部内に収容される前記霧状にされる液体を識別するための液体識別システムをさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記カートリッジが、前記液体貯蔵部に収容される前記液体を識別するための識別子をさらに含み、前記エアロゾル発生装置の前記液体識別システムが、前記カートリッジが前記エアロゾル発生装置上に受けられた時に前記カートリッジの前記識別子を検出するための検出器を備える、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項16】
エアロゾル発生装置であって、
請求項1~9のいずれか一項に記載のアトマイザー組立品と、
電源と、
前記電源から前記アクチュエータへの電力の供給を制御するように配置されたコントローラと、
液体貯蔵部を受けるためのコネクターであって、液体を液体貯蔵部から前記液体入口へ供給するように配置される、コネクターと、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項17】
アトマイザー組立品の動作方法であって、前記アトマイザー組立品が、
振動チャンバであって、
霧状にされる液体を収容するくぼみ、
前記くぼみに前記霧状にされる液体の供給を提供するための液体入口、
弾性変形可能要素、および、
複数のノズルを含むメッシュ要素、を有する、振動チャンバと、
前記弾性変形可能要素を振動させるように配置されたアクチュエータと、を備え、
前記振動チャンバおよび前記振動チャンバの前記くぼみに収容される前記液体が振動システムを形成し、前記方法が、前記弾性変形可能要素を前記振動システムの共振周波数で振動させて、前記くぼみに収容される液体を前記メッシュ要素の前記ノズルを通して前記くぼみから排出するように、前記アクチュエータを駆動することを含む、動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアトマイザー組立品に関する。本発明はまた、アトマイザー組立品を備えるエアロゾル発生システム、アトマイザー組立品を備えるエアロゾル発生システムのためのエアロゾル発生装置、およびアトマイザー組立品でエアロゾルを発生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電池および制御電子回路を備える電源セクション、および貯蔵部分に保持された液体エアロゾル形成基体の供給と、電気的に作動するアトマイザー組立品とを備えるカートリッジから成る、手持ち式の電気的に作動するエアロゾル発生システムが公知である。一部の実施例では、アトマイザー組立品は、液体エアロゾル形成基体を加熱および気化することによってエアロゾルを発生するための電気発熱体を備えうる。
【0003】
一部の装置は、一つ以上のノズルを画定するメッシュ要素を備えるアトマイザー組立品を備え、ここで装置は液体エアロゾル形成基体をメッシュ要素の一方の側に供給するように配置される。メッシュ要素は液体エアロゾル形成基体の供給に対して振動されて、ノズルに液体エアロゾル形成基体の飛沫を通過させることによってエアロゾルを発生させうる。この配置は、能動的なメッシュ要素と呼ばれる場合がある。
【0004】
代替的な配置は、メッシュ要素に対して液体エアロゾル形成基体の供給を振動して、ノズルに液体エアロゾル形成基体の飛沫を通過させるように配置されたアクチュエータを備えうる。この配置は、受動的なメッシュ要素と呼ばれる場合がある。
【0005】
メッシュ要素を備えるアトマイザー組立品は、特定の液体エアロゾル形成基体のためのアトマイザー組立品によって生成されうる最小の飛沫サイズを示す。一般的には、エアロゾル化された液体エアロゾル形成基体の肺への送達を最大化するために小さな飛沫サイズが望ましい。肺への送達を最大化するために、直径が2.5マイクロメートル以下の飛沫サイズが望ましい場合がある。直径が2.5マイクロメートル以下の飛沫サイズでは、吸入時に少なくとも80パーセントの飛沫が肺の肺胞に達すると考えられる。
【0006】
メッシュ要素によって生成される飛沫サイズを低減するための一つの手段は、ノズルの断面サイズを低減することである。しかしながら、より小さなノズル断面サイズは、ノズルに液体エアロゾル形成基体を通過させるためにより大きな圧力を必要とする。したがって、メッシュ要素を備える公知のシステムでは、要求される液体圧力の増加が非常に大きい場合は、一般的にノズルの断面サイズのさらなる低減は防止される。メッシュ要素によって生成される飛沫サイズを低減するための別の手段は、ノズルの長さを低減することである。しかしながら、より小さなノズルの長さは、より薄いメッシュ要素を必要とし、これは、メッシュ要素の剛性を減少させ、メッシュ要素が耐えることができる最大圧力を減少させる。メッシュによって生成される飛沫サイズを低減するためのその他の手段が必要である。
【0007】
小さな飛沫サイズを呈するエアロゾルの発生を容易にするアトマイザー組立品を提供することが望ましい。例えば、直径が2.5マイクロメートル以下の飛沫サイズを呈するエアロゾルの発生を容易にするアトマイザー組立品を提供することが望ましい。組立品を動作させるために必要な電力を低減または最小化するアトマイザー組立品を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本発明の第一の態様によれば、アトマイザー組立品が提供される。アトマイザー組立品は、霧状にされる液体を収容するくぼみと、くぼみに霧状にされる液体の供給を提供するための液体入口と、弾性変形可能要素と、複数のノズルを含むメッシュ要素とを有する振動チャンバを備える。アトマイザー組立品はまた、弾性変形可能要素を振動させるように配置されたアクチュエータを備える。振動チャンバおよび振動チャンバのくぼみ内に収容される液体は、振動システムを形成し、アクチュエータによる弾性変形可能要素の振動は、くぼみ内部の圧力を変化させる。アクチュエータは、弾性変形可能要素を振動システムの共振周波数で振動させて、くぼみ内に収容される液体を、メッシュ要素のノズルを通してくぼみから排出するように構成される。
【0009】
アトマイザー組立品の使用中、霧状にされる液体は液体入口を通してくぼみに供給される。アクチュエータは、弾性変形可能要素を振動させて、メッシュ要素の複数のノズルに、くぼみ内の少なくとも一部の液体を通過させる。メッシュ要素の複数のノズルを通過させられた液体は、複数の飛沫を形成する。複数の飛沫を形成するために複数のノズルを通過させられた液体の運動量は、飛沫をメッシュ要素から遠ざけるように運ぶ。従って、使用中に、アトマイザー組立品は、メッシュ要素を通して排出される液体飛沫を含むエアロゾルを生成する。
【0010】
本明細書で使用される場合、「共振」という用語は、システムの固有周波数における強制振動を意味する。同様に、「共振周波数」という用語は、システムの固有周波数における駆動振動を意味する。言い換えれば、アトマイザー組立品のアクチュエータは、弾性変形可能要素を振動システムの固有周波数で振動させるように構成される。
【0011】
本発明のアトマイザー組立品は、共振で駆動されうる固有周波数を有する振動システムを備えることを本発明の発明者らは認識してきた。有利なことに、振動システムを共振で駆動させることによって、振動システムの振動の振幅がその他の周波数における振動と比較して増加する。この振動システムの振動の振幅の増加により、必要な速度で液体をメッシュ要素のノズルから排出するために必要な振動システムの振動の振幅は維持したまま、アクチュエータに供給される電圧または電流の振幅などの、アクチュエータに供給される駆動振動の振幅が減少する。有利なことに、アクチュエータに供給される駆動振動の振幅が減少することによって、弾性変形可能要素を振動させるために必要な電力の減少を可能にしうる。有利なことに、振動システムを共振で駆動することはまた、アクチュエータおよび弾性変形可能要素のサイズの低減を可能にしうるが、その他の周波数では、アクチュエータおよび弾性変形可能要素のうちの一つ以上は、必要な速度でメッシュ要素のノズルから液体を排出するために必要な振動振幅を達成するために、より大きいことが必要である場合がある。
【0012】
振動システムは、共振モードまたは調波と称されうる複数の固有周波数を有しうる。振動システムの最も低い固有周波数は通常、振動システムの基本周波数または第一の調波と称されうる。アクチュエータは、弾性変形可能要素を任意の適切な共振周波数または調波で振動させるように構成されうる。アクチュエータは、弾性変形可能要素を第一の調波に等しい振動システムの共振周波数で振動させるように構成されうる。アクチュエータは、弾性変形可能要素を振動システムの第二の調波以上である振動システムの共振周波数で振動させるように構成されうる。アクチュエータは、弾性変形可能要素を振動システムの最も高い調波で振動させるように構成されうる。
【0013】
有利なことに、振動システムの振動を第二の調波で駆動することによって、アトマイザー組立品が、システムが第一の調波で駆動される場合よりも高いレートで飛沫を排出することが可能になりうる。振動システムの振動を高調波で駆動することにより、アトマイザー組立品からの飛沫の排出レートがさらに増大しうる。アトマイザー組立品からの飛沫排出レートを増大させることによって、アトマイザー組立品によって生成されるエアロゾルの量を増大させることが可能になりうる。また、アトマイザー組立品からの飛沫排出レートを増大させることによって、アトマイザー組立品によって生成されるエアロゾルの量を減少させることなく、メッシュ要素に提供されるノズルの数を減少させることが可能になりうる。
【0014】
アクチュエータは、振動システムの共振を達成するために、弾性変形可能要素を任意の適切な周波数で振動させるように構成されうる。例えば、アクチュエータは、弾性変形可能要素を、約0.05MHz~約10.0MHz、約0.1MHz~約5.0MHz、約0.2MHz~約4.5MHz、約0.3MHz~約3MHz、約0.4MHz~約2.5MHz、または約0.5MHz~約2MHzの周波数で振動させるように構成されうる。
【0015】
振動システムの共振周波数または調波のうちの一つ以上は、較正段階で決定されうる。較正段階は、アトマイザー組立品が工場を出る前など、ユーザーによるアトマイザー組立品の最初の使用の前に実施されうる。較正段階では、弾性変形可能要素の振動の周波数は変化してもよく、各周波数における振動システムの振動の振幅が記録されうる。振動システムの共振周波数または調波は、振動システムの特定の周波数における振動の振幅のピークを識別することによって決定されうる。
【0016】
決定された共振周波数のうちの一つ以上は、共振周波数較正データとして保存されうる。いくつかの実施形態では、アトマイザー組立品は、共振周波数較正データを保存するメモリを備えうる。いくつかの実施形態では、制御回路をアトマイザー組立品と関連付けることができ、制御回路は、共振周波数較正データを保存するメモリを含みうる。制御回路は、アトマイザー組立品を備える、またはアトマイザー組立品で使用するために構成されたエアロゾル発生装置の制御回路でありうる。
【0017】
振動チャンバは、任意の適切な形態を取りうる。振動チャンバは、一般的に、アトマイザー組立品、メッシュ要素、弾性変形可能要素のハウジングから形成されうる。
【0018】
アトマイザー組立品はハウジングを備えうる。ハウジングは任意の適切な材料から形成されうる。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものであってもよい。
【0019】
アトマイザー組立品は、メッシュ要素と弾性変形可能要素との間にくぼみを少なくとも部分的に画定する一つ以上の壁を備えうる。アトマイザー組立品ハウジングは、少なくとも一つの側壁を含みうる。くぼみは、メッシュ要素、弾性変形可能要素、および少なくとも一つの側壁によって境界を与えられうる。液体入口は、少なくとも一つの側壁を通って延びてもよい。
【0020】
弾性変形可能要素は、メッシュ要素に対向して配置されることが好ましい。アクチュエータは、弾性変形可能要素を、メッシュ要素に向かって、およびメッシュ要素から遠ざかるように振動させるように配置されることが好ましい。
【0021】
アトマイザー組立品のくぼみは、任意の適切な形状およびサイズとしうる。アトマイザー組立品のくぼみは、実質的に円柱状でありうる。
【0022】
振動チャンバのくぼみの容量は、約0.30マイクロリットル~約50マイクロリットル、約0.35マイクロリットル~約25マイクロリットル、約0.40マイクロリットル~約12マイクロリットル、または約0.45マイクロリットル~約9マイクロリットルでありうる。
【0023】
いくつかの実施形態では、アトマイザー組立品のくぼみは、メッシュ要素と弾性変形可能要素との間の中央領域と、中央領域の半径方向外側の、弾性変形可能要素とアトマイザー組立品のハウジングとの間の半径方向外側領域とを含む。くぼみは、中央領域と半径方向外側領域との間に制限領域をさらに含みうる。制限領域は、中央領域と外側領域との間の、中央領域と半径方向外側領域との間の液体の流れを制限する狭い領域を含みうる。制限領域を提供することは、中央領域で生成された圧力が、制限領域を有さないくぼみの圧力よりも大きくなることを可能にしうる。制限領域はまた、弾性変形可能要素が振動した時に、くぼみ内の液体が液体入口を通してくぼみの外に強制的に出されるのを防止するのに役立ちうる。中央領域は実質的に円筒形でもよい。半径方向外側領域は、実質的に環状または管状であってもよい。半径方向外側領域は、アトマイザー組立品の少なくとも一つの側壁内に延びてもよい。半径方向外側領域は、液体がメッシュ要素のノズルを通して中央領域から排出された時に、中央領域を再供給するために直ちに利用可能な液体の供給を提供しうる。
【0024】
液体入口は、アトマイザー組立品ハウジングの少なくとも一つの側壁を通って半径方向外側領域に延びてもよい。液体入口は、液体入口がくぼみの中央領域からオフセットされるように、少なくとも一つの側壁内に配置されうる。
【0025】
いくつかの実施形態では、アトマイザー組立品は、近位端と、近位端と反対側の遠位端と、近位端と遠位端との間に延びる長軸方向軸とを有しうる。メッシュ要素は、近位端に配置されてもよい。くぼみは、メッシュ要素と弾性変形可能要素との間に中央領域を含みうる。くぼみは、アトマイザー組立品の側壁に沿って、アトマイザー組立品の遠位端に向かって長軸方向軸の方向に少なくとも部分的に延びる半径方向外側領域をさらに含んでもよい。液体入口は、アトマイザー組立品の側壁を通ってくぼみの半径方向外側領域に延びうる。液体入口は、くぼみの中央領域から長軸方向軸に沿って間隙を介しうる。言い換えれば、液体入口はくぼみの中央領域からオフセットされうる。液体入口のこの配置により、弾性変形可能要素からの振動を受けた時に、液体が液体入口を通してくぼみの外に押し出される可能性が低減しうる。液体入口のこの配置はまた、空気が液体入口からくぼみの中央領域に入る可能性も低減しうる。
【0026】
弾性変形可能要素は、適切な任意の弾性変形可能材料を含みうる。例えば、弾性変形可能要素は、プラスチック、ゴムまたはシリコンを含みうる。いくつかの好ましい実施形態では、弾性変形可能要素はシリコンを含む。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、ニッケル、パラジウム、またはニッケルおよびパラジウムの合金などの金属または金属合金を含みうる。弾性変形可能要素は、白金またはチタンを含みうる。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、ステンレス鋼を含みうる。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、アトマイザーハウジングと同一の材料から形成される。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、アトマイザーハウジングとは異なる材料から形成される。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、メッシュ要素と同一の材料から形成される。
【0027】
好ましい実施形態では、弾性変形可能要素は、エアロゾル形成基体に対して化学的に不活性である材料から形成される。
【0028】
弾性変形可能要素は、実質的に平面であってもよい。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、実質的に一定の厚さを有する。いくつかの実施形態では、弾性変形可能要素は、弾性変形可能要素にわたって変化する厚さを有する。弾性変形可能要素の一部分は、アクチュエータと接触しうる。アクチュエータと接触する弾性変形可能要素の一部分は、弾性変形可能要素のその他の部分の厚さよりも大きい厚さを有しうる。
【0029】
振動チャンバのくぼみがメッシュ要素と弾性変形可能要素との間に中央領域を備える実施形態では、弾性変形可能要素は、メッシュ要素および中央領域の半径方向外側にある半径方向外側領域上に中央領域を有しうる。弾性変形可能要素の中央領域の厚さは、弾性変形可能要素の半径方向外側領域の厚さより大きくてもよい。これらの実施形態では、アクチュエータは、弾性変形可能要素の中央領域およびくぼみの中央領域の上にあってもよい。アクチュエータは、中央領域で弾性変形可能要素に接触しうる。
【0030】
アクチュエータは、任意の適切なタイプのアクチュエータを備えてもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータは圧電素子を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アクチュエータは超音波ソノトロードを含みうる。
【0031】
アトマイザー組立品は予圧を行う要素を備え、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間のアクチュエータを圧縮するように配置されうる。予圧を行う要素は、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間のアクチュエータの圧縮を変化させるように調節可能であってもよい。アクチュエータとして圧電素子を備える実施形態では、予圧を行う要素を使用して圧電素子を圧縮することで、アクチュエータによって生成される力が増大しうる。圧電素子の圧縮容量の半分で圧電素子を圧縮する、または「予圧を行う」ことにより、結果的に圧電素子が、圧縮されていない圧電素子によって生成される力の10倍の力を生成することが分かっている。予圧を行う要素は調節可能であってもよい。予圧を行う要素はねじを備えてもよい。予圧を行う要素は手動で調節可能であってもよい。予圧を行う要素は自動で調節可能であってもよい。アトマイザー組立品は、予圧を行う要素を動かして、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間のアクチュエータの圧縮を変化するように配置された、モーターを備えてもよい。
【0032】
予圧を行う要素は、アトマイザー組立品のハウジングに取り外し可能に固定されうる。アトマイザーハウジング組立品に対する予圧を行う要素の位置を変化させることは、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間のアクチュエータの圧縮を変化させうる。例えば、予圧を行う要素はオスねじ山を含んでもよく、アトマイザー組立品はメスねじ山を含んでもよく、アトマイザーハウジングに対して予圧を行う要素を回転させることにより、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間のアクチュエータの圧縮が変化しうる。
【0033】
特に、アクチュエータが圧電素子である実施形態では、圧電素子は、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間に配置されてもよい。圧電素子は、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間で圧縮されてもよい。予圧を行う要素は、予圧を行う要素と弾性変形可能要素との間の圧電素子の圧縮を変化させるように調節可能であってもよい。
【0034】
メッシュ要素は複数のノズルを含む。本明細書で使用される場合、「ノズル」という用語は、液体がメッシュ要素を通って移動するための通路を提供するメッシュ要素を通る開口部、穴または孔を意味する。
【0035】
メッシュ要素は、内表面および外表面を含んでもよく、ここで複数のノズルは内表面と外表面との間に延びる。メッシュ要素の内表面は、振動チャンバのくぼみに面してもよい。メッシュ要素の外表面は、振動チャンバのくぼみに背いて面してもよい。
【0036】
メッシュ要素は任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。メッシュ要素は、実質的に平面としうる。メッシュ要素は実質的に円形であってもよい。
【0037】
メッシュ要素の複数のノズルは、メッシュ要素にわたって任意の適切な方法で配置されうる。いくつかの実施形態では、複数のノズルが、メッシュ要素上に反復パターンで配置されてもよい。いくつかの実施形態では、複数のノズルが、メッシュ要素上にランダムに配置されてもよい。
【0038】
メッシュ要素は、内表面と外表面との間に厚さを含みうる。メッシュ要素の厚さは、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約2マイクロメートル、少なくとも約3マイクロメートル、少なくとも約4マイクロメートル、少なくとも約5マイクロメートル、少なくとも約6マイクロメートル、少なくとも約7マイクロメートル、少なくとも約8マイクロメートル、または少なくとも約9マイクロメートルであってもよい。メッシュ要素の厚さは、約50マイクロメートル未満、約45マイクロメートル未満、約40マイクロメートル未満、約35マイクロメートル未満、約30マイクロメートル未満、約25マイクロメートル未満、約20マイクロメートル未満、約15マイクロメートル未満、または約12マイクロメートル未満であってもよい。メッシュ要素は、約10マイクロメートルの厚さを有してもよい。
【0039】
各ノズルは長さを含んでもよく、ここで各ノズルの長さは、内表面と外表面との間のノズルに沿った最短距離である。各ノズルの長さは、メッシュ要素の厚さと同じであってもよい。各ノズルの長さは、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約2マイクロメートル、少なくとも約3マイクロメートル、少なくとも約4マイクロメートル、少なくとも約5マイクロメートル、少なくとも約6マイクロメートル、少なくとも約7マイクロメートル、少なくとも約8マイクロメートル、または少なくとも約9マイクロメートルであってもよい。各ノズルの長さは、約50マイクロメートル未満、約45マイクロメートル未満、約40マイクロメートル未満、約35マイクロメートル未満、約30マイクロメートル未満、約25マイクロメートル未満、約20マイクロメートル未満、約15マイクロメートル未満、または約12マイクロメートル未満であってもよい。各ノズルは、約10マイクロメートルの長さを有してもよい。
【0040】
各ノズルは、最大断面積を含みうる。各ノズルの最大断面は、ノズルの長さと直交してもよい。各ノズルの最大断面積は、少なくとも約0.01平方マイクロメートル、少なくとも約0.05平方マイクロメートル、少なくとも約0.1平方マイクロメートル、少なくとも約0.2平方マイクロメートル、少なくとも約0.3平方マイクロメートル、少なくとも約0.4平方マイクロメートル、少なくとも約0.5平方マイクロメートル、または少なくとも約0.6平方マイクロメートル、少なくとも約0.7平方マイクロメートル、または少なくとも約0.8マイクロメートルであってもよい。各ノズルの最大断面積は、約20平方マイクロメートル未満、約19平方マイクロメートル未満、約18平方マイクロメートル未満、約17平方マイクロメートル未満、約16平方マイクロメートル未満、約15平方マイクロメートル未満、約14平方メートル未満、約13平方マイクロメートル未満、約12平方マイクロメートル未満、約11平方マイクロメートル未満、または約10平方マイクロメートル未満であってもよい。
【0041】
各ノズルは、最小断面積を有してもよく、ここでノズルの最小断面積は、ノズルの最大断面積以下である。各ノズルの最小断面積は、少なくとも約0.01平方マイクロメートル、少なくとも約0.05平方マイクロメートル、少なくとも約0.1平方マイクロメートル、少なくとも約0.2平方マイクロメートル、少なくとも約0.3平方マイクロメートル、少なくとも約0.4平方マイクロメートル、少なくとも約0.5平方マイクロメートル、少なくとも約0.6平方マイクロメートル、少なくとも約0.7平方マイクロメートル、または少なくとも約0.8平方マイクロメートルであってもよい。各ノズルの最小断面積は、約20平方マイクロメートル未満、約19平方マイクロメートル未満、約18平方マイクロメートル未満、約17平方マイクロメートル未満、約16平方マイクロメートル未満、約15平方マイクロメートル未満、約14平方マイクロメートル未満、約13平方マイクロメートル未満、約12平方マイクロメートル未満、約11平方マイクロメートル未満、または約10平方マイクロメートル未満であってもよい。
【0042】
各ノズルは、任意の適切な断面形状を有してもよい。
【0043】
各ノズルは、ノズルの長さと平行な第二の線に沿った第一の断面形状を有しうる。各ノズルの第一の断面形状は、円形、楕円形、卵形、三角形、正方形、長方形、または任意のその他の多角形の形状でありうる。各ノズルの第一の断面形状は三角形であることが好ましい。「三角形の」という用語は本明細書で使用される場合、三角形または三角形の要素を含む形状を意味する。例えば、第一の断面形状は、三角形、切頂三角形、三角形の切頂部分から延びる正方形または長方形の部分を有する切頂三角形などを含みうる。有利なことに、三角形の第一の断面形状は、ノズルが収束流面積を有して提供されうる。有利なことに、収束流面積は、ノズルに液体を通過させるために必要な圧力を低減または最小化しうる一方、ノズルの所望の最小断面積をも提供しうる。
【0044】
各ノズルは、ノズルの第二の長さと直交する第二の断面形状を有しうる。言い換えれば、第二の断面形状は、ノズルの最大断面積を画定する。各ノズルの第二の断面形状は、円形、楕円形、卵形、三角形、正方形、長方形、または任意のその他の多角形の形状でありうる。各ノズルの第二の断面形状は円形であることが好ましい。
【0045】
各ノズルは、最大幅または直径を有してもよい。各ノズルの最大直径は、少なくとも約0.1マイクロメートル、少なくとも約0.25マイクロメートル、少なくとも約0.5マイクロメートル、少なくとも約0.75マイクロメートル、または少なくとも約1マイクロメートルであってもよい。各ノズルの最大直径は、約10マイクロメートル未満、約9マイクロメートル未満、約8マイクロメートル未満、約7マイクロメートル未満、約6マイクロメートル未満、約5マイクロメートル未満、または約4マイクロメートル未満であってもよい。
【0046】
各ノズルは、最小幅または最小直径を有してもよく、ここで各ノズルの最小直径は、ノズルの最大直径以下である。各ノズルの最小直径は、少なくとも約0.1マイクロメートル、少なくとも約0.25マイクロメートル、少なくとも約0.5マイクロメートル、少なくとも約0.75マイクロメートル、少なくとも約1マイクロメートルであってもよい。各ノズルの最小直径は、約10マイクロメートル未満、約9マイクロメートル未満、約8マイクロメートル未満、約7マイクロメートル未満、約6マイクロメートル未満、約5マイクロメートル未満、または約4マイクロメートル未満であってもよい。
【0047】
メッシュ要素が外表面および内表面を含む実施形態では、メッシュ要素は外表面上に疎水性被覆を含んでもよい。「疎水性」という用語は、本明細書では、90度より大きい水接触角を示す材料を意味するために使用される。有利なことに、水溶性の液体がメッシュ要素を通して分注される実施形態では、疎水性被覆は、有利なことに、水溶性の液体と外表面との間の接触角を増大または最大化する。有利なことに、増大したまたは最大化された接触角は、外表面からの液体飛沫の放出を改善する。有利なことに、外表面からの液体飛沫の放出を改善することは、液体飛沫のサイズの低減または最小化を容易にしうる。
【0048】
疎水性被覆は、外表面の一つ以上の領域上に提供されうる。例えば、疎水性被覆は、各ノズルを囲む疎水性材料の環状領域の少なくとも一つを含みうる。
【0049】
疎水性被覆は、メッシュ要素の全外表面上に提供されうる。
【0050】
疎水性被覆は、ポリウレタン(PU)、フルオロカーボン(PFC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および超疎水性金属のうちの少なくとも一つを含みうる。適切な過疎水性金属は、炭素鎖と官能化された微孔性金属および金属メッシュを含む。例示的な金属は、銅およびアルミニウムを含む。
【0051】
疎水性被覆は、表面改質によって形成されうる。例えば、外表面は、所望の程度の疎水性を提供するように化学修飾されてもよい。
【0052】
疎水性被覆は、外表面上への疎水性材料の堆積によって形成されうる。例えば、疎水性材料は、物理的蒸着プロセスおよび化学蒸着プロセスのうちの少なくとも一つを使用して、外表面上に堆積されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、メッシュ要素は、内表面上に親水性被膜を含む。メッシュ要素は、少なくとも一つのノズル表面上に親水性被覆を備えてもよい。
【0054】
「親水性」という用語は、本明細書では、90度未満の水接触角を示す材料を意味するために使用される。有利なことに、水溶性の液体がメッシュ要素を通して分注される実施形態では、親水性被覆は、第一の層に向かい、かつ少なくとも一つのチャネルおよび少なくとも一つのノズルを通る水溶性の液体の流れを促進しうる。
【0055】
親水性被覆は、三つのポリアミド、ポリ酢酸ビニル(PVA)、酢酸セルロース、綿、および一つ以上の親水性酸化物のうちの少なくとも一つを含みうる。適切な親水性酸化物には、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化チタン、および5酸化タンタルが含まれる。
【0056】
親水性被膜は、表面改質によって形成されうる。例えば、表面は、所望の程度の親水性を提供するように化学修飾されてもよい。親水性被覆が少なくとも一つの親水性酸化物を含む実施形態では、親水性被覆は、メッシュ要素を形成する材料の酸化によって形成されうる。
【0057】
親水性被覆は、メッシュ要素の表面上への親水性材料の堆積によって形成されうる。例えば、親水性材料は、物理的蒸着プロセスおよび化学蒸着プロセスのうちの少なくとも一つを使用して堆積されてもよい。
【0058】
メッシュ要素の外表面は、各ノズルの周りに延びる環状部分を画定してもよく、ここで各環状部分におけるメッシュ要素の厚さは、隣接した環状部分の間のメッシュ要素の厚さよりも大きい。有利なことに、環状部分は、各ノズルの内側に残る液体からの液体飛沫の分離を容易にしうる。メッシュ要素が疎水性被覆を備える実施形態では、疎水性被覆の少なくとも一部が環状部分上に提供されることが好ましい。疎水性被覆が、疎水性材料の環状領域の一つ以上を備える実施形態では、疎水性材料の各環状領域は、環状部分上に位置付けられることが好ましい。
【0059】
環状部分は丸みのある形状を有してもよい。有利なことに、丸みのある形状は、ノズルの内側に残る液体からの液体飛沫の分離をさらに容易にしうる。環状部分は、半円形の断面形状を有してもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、メッシュ要素は、第一の層および第二の層を含みうる。第二の層は、第一の層の上にあってもよい。第一の層は、少なくとも一つのチャネルを画定しうる。第二の層は、複数のノズルを画定してもよい。各ノズルは、少なくとも一つのチャネルの上にあってもよい。少なくとも一つのチャネルは、最小断面積を含んでもよい。各ノズルは、最大断面積を含みうる。各ノズルの最大断面積は、少なくとも一つのチャネルの最小断面積より小さくてもよい。
【0061】
第一の層は、第一の表面および第二の表面を含み、ここで少なくとも一つのチャネルは第一の表面と第二の表面との間に延びる。第二の層は、内表面および外表面を含んでもよく、ここで少なくとも一つのノズルは内表面と外表面との間に延びる。第二の層の内表面は、第一の層の第二の表面に面することが好ましい。第二の層の外表面は、第一の層に背いて面することが好ましい。
【0062】
少なくとも一つのチャネルは、第一の長さを有してもよい。第一の長さは、第一の表面と第二の表面との間の少なくとも一つのチャネルに沿った最短距離である。少なくとも一つのチャネルの第一の長さは、ノズルの第二の長さよりも大きい。
【0063】
第一の層は、第一の表面と第二の表面との間に延びる第一の厚さを備えることが好ましい。第二の層は、内表面と外表面との間に延びる第二の厚さを備えることが好ましい。第一の厚さは第二の厚さよりも大きいことが好ましい。
【0064】
第一の層は、少なくとも約0.1ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.15ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.2ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.25ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.3ミリメートルの第一の厚さを有することが好ましい。第一の層は、約1ミリメートル未満、好ましくは約0.95ミリメートル未満、好ましくは約0.9ミリメートル未満、好ましくは約0.85ミリメートル未満、好ましくは約0.8ミリメートル未満、好ましくは約0.75ミリメートル未満、好ましくは約0.7ミリメートル未満、好ましくは約0.65ミリメートル未満、好ましくは約0.6ミリメートル未満の第一の厚さを有することが好ましい。
【0065】
第二の層は、少なくとも約1マイクロメートル、好ましくは少なくとも約2マイクロメートル、好ましくは少なくとも約3マイクロメートル、好ましくは少なくとも約4マイクロメートル、好ましくは少なくとも約5マイクロメートル、好ましくは少なくとも約6マイクロメートル、好ましくは少なくとも約7マイクロメートル、好ましくは少なくとも約8マイクロメートル、好ましくは少なくとも約9マイクロメートルの第二の厚さを有することが好ましい。第二の層は、約50マイクロメートル未満、好ましくは約45マイクロメートル未満、好ましくは約40マイクロメートル未満、好ましくは約35マイクロメートル未満、好ましくは約30マイクロメートル未満、好ましくは約25マイクロメートル未満、好ましくは約20マイクロメートル未満、好ましくは約15マイクロメートル未満、好ましくは約12マイクロメートル未満の第二の厚さを有することが好ましい。第二の層は、約10マイクロメートルの第二の厚さを有してもよい。
【0066】
少なくとも一つのチャネルは第一の長さを有し、ここで第一の長さは、第一の表面と第二の表面との間の少なくとも一つのチャネルに沿った最短距離であることが好ましい。第一の層が第一の厚さを備える実施形態では、少なくとも一つのチャネルの第一の長さは、第一の層の第一の厚さと同一であってもよい。第一の長さは、少なくとも約0.1ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.15ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.2ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.25ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.3ミリメートルであることが好ましい。第一の長さは、約1ミリメートル未満、好ましくは約0.95ミリメートル未満、好ましくは約0.9ミリメートル未満、好ましくは約0.85ミリメートル未満、好ましくは約0.8ミリメートル未満、好ましくは約0.75ミリメートル未満、好ましくは約0.7ミリメートル未満、好ましくは約0.65ミリメートル未満、好ましくは約0.6ミリメートル未満であることが好ましい。少なくとも一つのチャネルの最小断面は、少なくとも一つのチャネルの第一の長さと直交することが好ましい。
【0067】
少なくとも一つのノズルは、第二の長さを有し、ここで第二の長さは、内表面と外表面との間の少なくとも一つのノズルに沿った最短距離であることが好ましい。第二の層が第二の厚さを備える実施形態では、少なくとも一つのノズルの第二の長さは、第二の層の第二の厚さと同一であってもよい。第二の長さは、少なくとも約1マイクロメートル、好ましくは少なくとも約2マイクロメートル、好ましくは少なくとも約3マイクロメートル、好ましくは少なくとも約4マイクロメートル、好ましくは少なくとも約5マイクロメートル、好ましくは少なくとも約6マイクロメートル、好ましくは少なくとも約7マイクロメートル、好ましくは少なくとも約8マイクロメートル、好ましくは少なくとも約9マイクロメートルであることが好ましい。第二の長さは、約50マイクロメートル未満、好ましくは約45マイクロメートル未満、好ましくは約40マイクロメートル未満、好ましくは約35マイクロメートル未満、好ましくは約30マイクロメートル未満、好ましくは約25マイクロメートル未満、好ましくは約20マイクロメートル未満、好ましくは約15マイクロメートル未満、好ましくは約12マイクロメートル未満であることが好ましい。第二の層は、約10マイクロメートルの第二の厚さを有してもよい。少なくとも一つのノズルの最大断面は、少なくとも一つのノズルの第二の長さと直交することが好ましい。
【0068】
少なくとも一つのチャネルの第一の長さは、少なくとも一つのノズルの第二の長さよりも大きいことが好ましい。
【0069】
複数のノズルは、少なくとも一つのチャネルの上にあってもよい。
【0070】
少なくとも一つのチャネルは単一のチャネルであってもよく、ここで複数のノズルは単一のチャネルの上にある。
【0071】
少なくとも一つのチャネルは、複数のチャネルを備えてもよく、ここで各チャネルは少なくとも二つのノズルの下にある。複数のチャネルは、第一の複数のノズルの下にある第一のチャネルと、第二の複数のノズルの下にある第二のチャネルとを備えうる。
【0072】
有利なことに、各チャネルの上にある複数のノズルを提供することは、第一の層で必要とされるチャネルの数を減少させることによって、メッシュ要素の製造を簡略化しうる。
【0073】
各チャネルは、少なくとも約5ノズル、好ましくは少なくとも約10ノズル、好ましくは少なくとも約15ノズル、好ましくは少なくとも約20ノズルの下にあることが好ましい。各チャネルは、約150ノズル未満、好ましくは約140ノズル未満、好ましくは約130ノズル未満、好ましくは約120ノズル未満、好ましくは約110ノズル未満、好ましくは約100ノズル未満の下にあることが好ましい。
【0074】
少なくとも一つのチャネルの最小断面積は、少なくとも約0.01平方ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.02平方ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.03平方ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.04平方ミリメートル、好ましくは少なくとも約0.05平方ミリメートルであることが好ましい。少なくとも一つのチャネルの最小断面積は、約0.5平方ミリメートル未満、好ましくは約0.45平方ミリメートル未満、好ましくは約0.4平方ミリメートル未満、好ましくは約0.35平方ミリメートル未満、好ましくは約0.3平方ミリメートル未満であることが好ましい。
【0075】
少なくとも一つのチャネルは、任意の適切な断面形状を有してもよい。
【0076】
少なくとも一つのチャネルは、少なくとも一つのチャネルの第一の長さと平行な第一の線に沿った第一の断面形状を有しうる。少なくとも一つのチャネルの第一の断面形状は円形、楕円形、卵形、三角形、正方形、長方形、または任意のその他の多角形の形状でありうる。少なくとも一つのチャネルの第一の断面形状は、正方形または長方形であることが好ましい。
【0077】
少なくとも一つのチャネルは、少なくとも一つのチャネルの第一の長さと直交する第二の断面形状を有しうる。言い換えれば、第二の断面形状は、少なくとも一つのチャネルの最小断面積を画定する。少なくとも一つのチャネルの第二の断面形状は円形、楕円形、卵形、三角形、正方形、長方形、または任意のその他の多角形の形状でありうる。少なくとも一つのチャネルの第二の断面形状は円形であることが好ましい。少なくとも一つのチャネルは、最小直径を有してもよい。少なくとも一つのチャネルの最小直径は、少なくとも約0.1ミリメートル、少なくとも約0.15ミリメートル、少なくとも約0.2ミリメートル、または少なくとも約0.25ミリメートルであってもよい。少なくとも一つのチャネルの最小直径は、約1ミリメートル未満、約0.95ミリメートル未満、約0.9ミリメートル未満、約0.85ミリメートル未満、約0.8ミリメートル未満、約0.75ミリメートル未満、約0.7ミリメートル未満、約0.65ミリメートル未満、または約0.6ミリメートル未満であってもよい。
【0078】
第一の層および第二の層は、一体的に形成されてもよい。言い換えれば、第一の層および第二の層は、単一の要素として形成されうる。
【0079】
第二の層は、第一の層とは別個に形成されてもよい。第二の層は第一の層に固定されることが好ましい。例えば、第二の層は、締まりばめ、接着剤、および溶接のうちの少なくとも一つによって第一の層に固定されうる。
【0080】
メッシュ要素は、任意の適切な材料を含みうる。例えば、メッシュ要素はシリコン・オン・インシュレーターウェハーを含んでもよい。第一の層および第二の層を有するメッシュ要素を備える実施形態では、第一の層は第一のシリコンウェハーを含んでもよく、第二の層は第二のシリコンウェハーを含んでもよい。メッシュ要素は、第一のシリコンウェハーと第二のシリコンウェハーとの間に埋め込み酸化物層を備えてもよい。埋め込み酸化物層は、第一および第二のシリコンウェハーが相互に結合する前に、第一のシリコンウェハーおよび第二のシリコンウェハーのうちの少なくとも一つの表面の酸化によって形成されてもよい。
【0081】
複数のノズルは、任意の適切なプロセスを使用してメッシュ要素内に形成されてもよい。複数のノズルは、レーザー穿孔、および放電加工のうちの少なくとも一つを使用して形成されてもよい。
【0082】
第一の層および第二の層を有するメッシュ要素を備える実施形態では、少なくとも一つのチャネルは、任意の適切なプロセスを使用して第一の層内に形成されうる。少なくとも一つのチャネルは、レーザー穿孔および放電加工のうちの少なくとも一つを使用して形成されてもよい。
【0083】
霧状にされる液体は、液体エアロゾル形成基体であってもよい。液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。ニコチンを含有する液体エアロゾル形成基体はニコチン塩マトリクスであってもよい。液体エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0084】
液体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に、高密度かつ安定したエアロゾルの形成を容易にする、任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)であってもよい。液体エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。
【0085】
液体エアロゾル形成基体は水を含んでもよい。
【0086】
液体エアロゾル形成基体は、ニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体はグリセリンを含んでもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールを含んでもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンおよびプロピレングリコールの両方を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は、約2%~約10%のニコチン濃度を有してもよい。
【0087】
振動システムの固有周波数が、霧状にされる液体の特徴および特性に依存することを本発明の発明者らは認識してきた。特に、固有周波数は、霧状にされる液体の粘性に依存する。
【0088】
いくつかの実施形態では、霧状にされる液体は特定の粘性を有しうる。例えば、霧状にされる液体は、摂氏20度において、約40センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約35センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約30センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約25センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約20センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約15センチポアズ(mPas)以下の粘性を有しうる。
【0089】
本明細書で使用される粘性値は、所定の速度またはせん断速度で、流体中のスピンドルの回転に対する抵抗を測定することによって流体の粘性を測定する、従来のブルックフィールド粘度計を使用して測定される粘性を意味する。特に明記しない限り、本明細書で列挙した粘性値は、円筒形SC4-13Rサンプルチャンバと円筒SC4-21スピンドルを備えるブルックフィールドRVDV-II+Pro粘度計を100回転/分(rpm)の速度で使用して測定した、8ミリリットル(mL)のサンプル量の液体エアロゾル形成基体の粘性である。
【0090】
アトマイザー組立品は、霧状にされる液体の温度を制御して、液体の粘性を制御するように構成されうる。有利なことに、霧状にされる液体の粘性を低減することで、メッシュ要素のノズルに液体を通過させるために必要な圧力が低減される。霧状にされる液体の温度を増大させると、液体の粘性が低減しうる。アトマイザー組立品には、霧状にされる液体を加熱するためのヒーターが提供されてもよい。ヒーターは、くぼみ内の霧状にされる液体を所定の温度に加熱するように構成されうる。所定の温度は摂氏約20度~摂氏約100度、摂氏約70度~摂氏約90度であってもよく、摂氏約80度であることが好ましい。
【0091】
液体エアロゾル形成基体は、摂氏80度において、約20センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約15センチポアズ(mPas)、好ましくは約10センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約7センチポアズ(mPas)以下、好ましくは約5センチポアズ(mPas)以下の粘性を有しうる。
【0092】
アトマイザー組立品は、くぼみ内の液体を加熱するためのヒーターを備えうる。ヒーターは、くぼみ内の液体を所定の温度に加熱して液体の粘性を制御するように構成されうる。ヒーターは、適切な任意のタイプのヒーターとし得る。ヒーターは電気ヒーターであることが好ましい。
【0093】
有利なことに、液体を加熱することは、液体の粘性を低減しうる。有利なことに、液体の粘性を低減することは、ノズルに液体を通過させることによって形成される液体飛沫のサイズを低減または最小化しうる。
【0094】
メッシュ要素は、メッシュ要素の表面上に位置付けられる電気発熱体を備えうる。有利なことに、電気発熱体は、メッシュ要素のノズルを通して排出される液体を加熱するために使用されうる。
【0095】
電気発熱体は、複数のノズルを通して排出される液体を直接的に加熱するように配置されうる。電気発熱体は、メッシュ要素の外表面上に位置付けられてもよい。第一の層および第二の層を有するメッシュ要素を備える実施形態では、電気発熱体は、第二の層の外表面上に位置付けられうる。その他の実施形態では、電気発熱体は、第一の層の第一の表面上に位置付けられてもよい。
【0096】
電気発熱体は、ノズルを通して排出される液体を間接的に加熱するように配置されうる。電気発熱体は、第二の層の外表面上に位置付けられてもよい。
【0097】
電気発熱体は、任意の適切なタイプの発熱体を含みうる。例えば、電気発熱体は、微小電気機械システム発熱体を含みうる。
【0098】
電気発熱体は、接着層を含んでもよい。接着層は、電気発熱体のメッシュ要素への接着を容易にしうる。接着層は、任意の適切な材料を含みうる。接着層は金属を含んでもよい。接着層はタンタルを含んでもよい。
【0099】
電気発熱体は、一つ以上の抵抗加熱トラックを備えうる。一つ以上の抵抗加熱トラックは、金属を含んでもよい。一つ以上の抵抗加熱トラックは、プラチナ、ニッケル、およびポリシリコンのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0100】
電気発熱体は、不動態化層を含んでもよい。不動態化層は、金属酸化物および金属窒化物のうちの少なくとも一つを含んでもよい。不動態化層は、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、および酸化アルミニウムのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0101】
本発明の第二の態様によれば、本発明の第一の態様によるアトマイザー組立品を備えるエアロゾル発生システムが提供される。エアロゾル発生システムは、霧状にされる液体の供給を収容する液体貯蔵部をさらに備える。
【0102】
いくつかの実施形態では、液体貯蔵部およびアトマイザーは、同一のユニット内に含まれる。これらの装置では、液体貯蔵部の液体出口は、振動チャンバの液体入口と流体連通して、液体を液体貯蔵部から振動チャンバのくぼみの中へと供給する。
【0103】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生システムは、液体貯蔵部と、カートリッジを取り外し可能に受けるように構成されたエアロゾル発生装置とを含むカートリッジを備える。エアロゾル発生装置は、カートリッジを受けるための装置コネクターを備えうる。
【0104】
いくつかの特定の実施形態では、カートリッジはアトマイザー組立品をさらに含みうる。これらの特定の実施形態では、液体貯蔵部の液体出口は、アトマイザー組立品の液体入口と流体連通しうる。アトマイザー組立品のアクチュエータは、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受けられた時に、エアロゾル発生装置に電気的に接続可能であってもよい。アトマイザー組立品が電気ヒーターを備える場合、電気ヒーターはまた、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受けられた時に、エアロゾル発生装置に電気的に接続可能であってもよい。これらの特定の実施形態では、カートリッジは、カートリッジをエアロゾル発生装置に電気的に接続するための一つ以上の電気コネクターを含む装置コネクターを含みうる。エアロゾル発生装置は、装置をカートリッジに電気的に接続するための一つ以上の電気コネクターを含む対応する装置コネクターを備えうる。
【0105】
一部の特定の実施形態では、エアロゾル発生装置はアトマイザー組立品を含みうる。これらの特定の実施形態では、カートリッジの液体貯蔵部は、カートリッジがエアロゾル発生装置によって受けられた時に、エアロゾル発生装置のアトマイザー組立品の液体入口と流体連通するように配置可能な液体出口を有してもよい。これらの特定の実施形態では、カートリッジは、カートリッジをエアロゾル発生装置に流体接続するための一つ以上の液体出口を含む装置コネクターを含みうる。エアロゾル発生装置は、装置をカートリッジに流体接続するための一つ以上の液体入口を含む対応する装置コネクターを備えうる。
【0106】
エアロゾル発生装置およびカートリッジの装置コネクターは、バヨネットコネクター、ねじコネクター、磁気コネクター、および締まりばめコネクターのうちの少なくとも一つを含みうる。
【0107】
液体貯蔵部は容器を含んでもよく、ここで霧状にされる液体は容器内に保持される。容器は任意の適切な材料から形成されうる。容器は、ガラス、金属、およびプラスチックのうちの少なくとも一つから形成されうる。容器は透明であってもよい。容器は半透明であってもよい。
【0108】
容器は、液体エアロゾル形成基体が通って容器から流れうる開口部を画定しうる。液体貯蔵部は、容器内に液体エアロゾル形成基体を封着するために開口部の上を覆うシールを備えることが好ましい。シールは、取り外し可能である、および壊れやすいの少なくとも一つであることが好ましい。エアロゾル発生装置は、液体貯蔵部が装置コネクターによって少なくとも部分的に受けられる時にシールを貫通するように配置された貫通要素を備えうる。
【0109】
エアロゾル発生装置は、電源、および電源からアトマイザー組立品のアクチュエータへの電力の供給を制御するよう配置されたコントローラを備える。
【0110】
使用中に、コントローラは、本明細書で説明した通り、電源からアクチュエータへの電力の供給を制御して、メッシュ要素を通して液体の飛沫を排出する。
【0111】
アトマイザー組立品が電気発熱体を備える実施形態では、コントローラは、電源から電気発熱体への電力の供給を制御するように配置されることが好ましい。エアロゾル発生装置は使用中に、摂氏約20度~摂氏約100度、または約70度~約90度の温度など、任意の適切な温度に電気発熱体を加熱するように配置されうる。エアロゾル発生装置は、電気発熱体を使用中に摂氏約80度の温度まで加熱するように配置されることが好ましい。
【0112】
電源はDC電圧源であってもよい。好ましい実施形態において、電源は電池である。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置を備えてもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一つ以上の液体貯蔵部を有するエアロゾル発生装置の使用のために十分なエネルギーを蓄積できる容量を有してもよい。
【0113】
エアロゾル発生装置は、ハウジングを備え得る。コントローラおよび電源は、ハウジング内に配置されうる。液体貯蔵部を受けるための装置コネクターは、ハウジング内に配置されてもよい。装置がアトマイザー組立品を備える実施形態では、アトマイザー組立品はハウジング内に配置されうる。
【0114】
装置ハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものであってもよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、装置ハウジングは、エアロゾル発生装置の使用中にメッシュ要素から排出される液体飛沫を受けるように配置されたエアロゾルチャンバを画定しうる。エアロゾル発生装置は、エアロゾルチャンバと流体連通する空気吸込み口を含みうる。エアロゾル発生装置は、エアロゾルチャンバと流体連通する空気出口を含みうる。
【0116】
カートリッジはハウジングを備えてもよい。カートリッジハウジングは、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例としては、金属、合金、プラスチック、もしくはこれらの材料のうちの一つ以上を含有する複合材料、または食品もしくは医薬品用途に適切な熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、およびポリエチレンが挙げられる。材料は軽量であり、脆くないものであってもよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、カートリッジハウジングは、エアロゾル発生装置の使用中にメッシュ要素から排出される液体飛沫を受けるように配置されたエアロゾルチャンバを画定しうる。これらの実施形態では、カートリッジは、エアロゾルチャンバと流体連通する空気吸込み口を含む。カートリッジは、エアロゾルチャンバと流体連通する空気出口を含みうる。
【0118】
エアロゾル発生装置は、空気出口と流体連通するマウスピースを備えうる。マウスピースはハウジングと一体に形成されうる。マウスピースは、ハウジングから取り外し可能でありうる。
【0119】
使用中に、ユーザーはマウスピースを吸って、空気吸込み口を介してエアロゾルチャンバ内に空気を引き込む。空気は、エアロゾルチャンバを通って流れ、ここではメッシュ要素から排出された液体飛沫が気流内に混入され、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、空気出口を通ってエアロゾルチャンバから流れ出て、マウスピースを通してユーザーに送達される。
【0120】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが吸煙していることを示す気流を検出するためのセンサーを備えてもよい。気流センサーは電気機械装置であってもよい。気流センサーは、機械式装置、光学式装置、光学機械式装置、および微小電気機械システム(MEMS)ベースのセンサーのうちのいずれかであってもよい。コントローラは、ユーザーが吸煙していることを示す気流センサーからの信号に応答して、電源からアトマイザー組立品のアクチュエータに電力を供給するように配置されうる。
【0121】
いくつかの実施形態では、エアロゾル発生装置は、カートリッジの液体貯蔵部に収容される霧状にされる液体を識別するための液体識別システムをさらに備える。液体識別システムは、任意の適切なタイプの識別システムを含みうる。
【0122】
カートリッジは、液体貯蔵部内に収容される液体を識別するための識別子をさらに含みうる。エアロゾル発生装置の液体識別システムは、カートリッジがエアロゾル発生装置上に受けられた時にカートリッジの識別子を検出するための検出器を備えうる。例えば、カートリッジはRFIDタグを含んでもよく、装置はRFIDセンサーを含んでもよい。例えば、カートリッジはバーコードを含んでもよく、装置は光学センサーを備えてもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、液体識別システムは、霧状にされる液体の特性または特徴を感知するためのセンサーを備えうる。センサーには、カートリッジの液体貯蔵部から霧状にされる液体のサンプルが提供されうる。
【0124】
エアロゾル発生装置のコントローラは、識別システムからコントローラによって受信された情報に基づいて、電源からアトマイザー組立品への電力供給を制御するように構成されうる。
【0125】
カートリッジが識別子を含む実施形態では、既知の識別子に対応する基準データは、コントローラのメモリ上に保存されてもよい。これらの実施形態では、コントローラは、識別システムから受信した情報を保存した基準データと比較して、識別システムによって検出した識別子が既知の識別子であるかどうかを判定するように構成されうる。
【0126】
識別システムから受信した情報が既知の識別子に対応する場合、これは、カートリッジが、霧状にされる適切な液体を収容する、製造者の真正な、または承認されたカートリッジであることを示す。識別システムから受信した情報が既知の識別子に対応する場合、コントローラは、電源から電力をアトマイザー組立品に供給するように構成されうる。
【0127】
識別子が既知の識別子ではない場合、コントローラは、カートリッジが、適切な、または承認された霧状にされる液体を収容しない場合があり、真正ではない、または承認されていないカートリッジであると判定しうる。情報検出システムから受信した情報が既知の識別子に対応しない場合、コントローラは、電源から電力がアトマイザー組立品に供給されることを防止するように構成されうる。
【0128】
いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の既知の識別子に対応する基準データを保存してもよい。また、既知の識別子それぞれは、霧状にされる特定の液体に関連付けられてもよく、これは、特定の電力を電源からアトマイザー組立品に供給することを必要とする。コントローラは、識別システムによって検出されたと判定された特定の識別子に基づいて、特定の電力をアトマイザー組立品に供給するように構成されうる。
【0129】
カートリッジの液体貯蔵部に保存された特徴または特性が識別システムによって感知または検出される実施形態では、コントローラは、識別システムから受信した情報を一つ以上の所定の閾値と比較して、液体貯蔵部に保存された液体がアトマイザー組立品で使用されるのに適している、およびアトマイザー組立品に電力を供給するかどうかのうちの少なくとも一つを判定するように構成されうる。
【0130】
エアロゾル発生装置は、ユーザーが吸煙を開始するための手動スイッチを備えてもよい。コントローラは、手動で動作可能なスイッチからの信号に応答して、電源からアトマイザー組立品のアクチュエータに電力を供給するように配置されうる。
【0131】
エアロゾル発生装置は、電力が電源からアトマイザー組立品のアクチュエータに供給されている時を示すためのインジケータを備えることが好ましい。インジケータは、電力が電源からアトマイザー組立品のアクチュエータに供給されている時に点灯するように配置された光源を含みうる。
【0132】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別の電気的な装置に接続することを可能にする、外部プラグまたはソケットのうちの少なくとも一つと、少なくとも一つの外部電気接点とを備えてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置を別のUSB使用可能装置に接続することを可能にする、USBプラグまたはUSBソケットを備えてもよい。USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置をUSB充電装置に接続して、エアロゾル発生装置内の再充電可能電源を充電することを可能にしうる。USBプラグまたはソケットは、エアロゾル発生装置へのデータ転送、もしくはエアロゾル発生装置からのデータ転送、またはその両方を支持し得る。データをエアロゾル発生装置に転送するために、エアロゾル発生装置はコンピュータに接続可能であってもよい。
【0133】
エアロゾル発生装置がUSBプラグまたはソケットを備える実施形態において、エアロゾル発生装置は、使用されていない時にUSBプラグまたはソケットを覆う取り外し可能なカバーをさらに備えてもよい。USBプラグまたはソケットがUSBプラグである実施形態において、USBプラグは追加的に、または別の方法として、装置内に選択的に格納可能であってもよい。
【0134】
本発明の第三の態様によれば、本発明の第一の態様によるアトマイザー組立品を備えるエアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置はまた、電源、および電源からアトマイザー組立品のアクチュエータへの電力の供給を制御するよう配置されたコントローラを備える。エアロゾル発生装置はまた、液体貯蔵部を受けるための装置コネクターを備え、液体を液体貯蔵部からアトマイザー組立品の液体入口に供給するように配置される。
【0135】
本発明の第四の態様によれば、アトマイザー組立品の動作方法が提供される。アトマイザー組立品は、霧状にされる液体を収容するくぼみ、くぼみに霧化される液体の供給を提供するための液体入口、弾性変形可能要素、および複数のノズルを含むメッシュ要素を有する振動チャンバと、弾性変形要素を振動させるように配置されたアクチュエータとを備える。方法は、弾性変形可能要素を振動システムの共振周波数で振動させて、くぼみ内に収容される液体をメッシュ要素のノズルを通してくぼみから排出するように、アクチュエータを駆動することを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、方法は、弾性変形可能要素を振動システムの第二の調波以上である振動システムの共振周波数で振動させるようにアクチュエータを駆動することを含む。
【0137】
当然のことながら、本発明の一態様に関して説明した任意の特徴は、本発明の他の態様にも等しく適用されてもよい。第一の態様に関連して説明した任意の態様は、第二の態様、第三の態様および第四の態様にも等しく適用されてもよく、その逆もまた可能である。第二の態様に関連して説明した任意の態様は、第三の態様および第四の態様にも等しく適用されてもよく、その逆もまた可能である。第三の態様に関連して説明した任意の態様は、第四の態様にも等しく適用されてもよく、その逆もまた可能である。
【0138】
本発明を、添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態によるアトマイザー組立品のメッシュ要素の断面図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のメッシュ要素の一部分の拡大断面図を示す。
【
図4】
図4は、
図1のメッシュ要素の単一のノズルの断面図を示す。
【
図5】
図5は、第二の層の代替的な外表面を図示する、
図1のメッシュ要素の単一のノズルの断面図を示す。
【
図6】
図6は、
図1のメッシュ要素を有する本発明の実施形態によるアトマイザー組立品の斜視断面図を示す
【
図7】
図7は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生システムの部分的な分解断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0140】
図1および
図2は、本発明の実施形態によるアトマイザー組立品のためのメッシュ要素10を示す。メッシュ要素10は、複数の円柱状チャネル14を画定する第一の層12と、複数のノズル18を画定する第二の層16とを備える。ノズル18は群で配置され、ここでノズル18の各群はチャネル14の一つの上にある。
【0141】
メッシュ要素10はまた、第二の層16上に位置付けられる電気発熱体19を備える。使用中に、電気発熱体19はメッシュ要素10を加熱し、これがノズル18を通して排出されている液体を加熱する。
【0142】
図3および4は、チャネル14のうちの一つと、ノズル18のうちの一つとの拡大断面図を示す。第一の層12は、第一の表面20および第二の表面22を備える。第二の層16は、第一の層12の第二の表面22に面する内表面24を備える。第二の層16はまた、疎水性被覆28がその上に提供される外表面26を備える。第一の層12および第二の層16は、シリコンウェハーから形成される。埋め込み酸化物層30は、第一の層12および第二の層16がメッシュ要素10の製造中に一緒に結合される前に、第一の層12の第二の表面22の酸化によって形成される。
【0143】
各チャネル14は、最小直径32および第一の層12の厚さ33に対応する長さを有する。各チャネル14の最小直径32は、各上にあるノズル18の最大直径34よりも大きい。したがって、各チャネル14は、各ノズル18の最大断面積よりも大きな最小断面積を有する。そのため、チャネル14の長さは、各ノズル18に所与の液体を通過させるのに必要な圧力を決定するときに、各ノズル18の長さに寄与しない。有利なことに、第一の層12の厚さ33は、ノズル18から液体飛沫を排出するのに必要な圧力に影響を与えることなく、メッシュ要素を所望の強度および剛性で提供するように選択されうる。
【0144】
各ノズル18は、各ノズル18が第二の層16の内表面24における最大直径34および第二の層16の外表面26における最小直径36を有するように、三角形の断面形状を有する。各ノズル18の最小直径36は、使用中にノズル18を通して排出される液体飛沫の所望のサイズに従って選択される。各ノズル18は、第二の層16の厚さ38に対応する長さを有する。第二の層16の厚さ38は、各ノズル18の長さを最小化するために第一の層12の厚さ33よりも有意に小さい。各ノズル18の三角形の断面形状および各ノズル18の最小化された長さは、各ノズル18に所与の液体を通過させるのに必要な圧力を低減または最小化する。
【0145】
図5に示すように、第二の層16の外表面26は、各ノズル18を囲む増加された厚さの環状部分40を備えうる。各環状部分40の半円形断面形状は、使用中に各ノズル18内に残っている液体から液体飛沫を分離することを容易にする。
【0146】
図6は、
図1のメッシュ要素10を備えるアトマイザー組立品50の斜視断面図を示す。メッシュ要素10は、メッシュ要素ハウジング52内に受けられる。アトマイザー組立品50はまた、弾性変形可能要素54と、弾性変形可能要素54を振動するように配置されたアクチュエータ56とを備える。アクチュエータ56は圧電アクチュエータである。
【0147】
アトマイザー組立品50は予圧を行う要素58を備え、予圧を行う要素58と弾性変形可能要素54との間のアクチュエータ56を圧縮するように配置される。予圧を行う要素58、アクチュエータ56、および弾性変形可能要素54は、アクチュエータハウジング60内に配置される。アクチュエータハウジング60は、メッシュ要素ハウジング52に取り付けられ、メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間のくぼみ62を画定する。アクチュエータハウジング60は、霧状にされる液体のくぼみ62への供給を提供するための液体入口64を画定する。
【0148】
弾性変形可能要素54は、メッシュ要素10の半径方向外側に、メッシュ要素ハウジング52上にアクチュエータハウジング60へと延びる。メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間のくぼみ62の領域は、実質的に環状の円筒形である。メッシュ要素ハウジング52は、メッシュ要素ハウジング52と弾性変形可能要素54との間のギャップがメッシュ要素10の周囲で狭窄するように、メッシュ要素10の周囲に隆起領域63を含む。メッシュ要素ハウジング52の隆起領域63と弾性変形可能要素54との間の狭いギャップは、メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間のくぼみ62の領域への、またはくぼみ62の領域からの液体の流れを制限し、これはこの領域における液体の高圧の生成を促進する。メッシュ要素ハウジング52の隆起領域63から半径方向外側にあるくぼみ62の外側領域は、アクチュエータハウジング60内に部分的に延び、メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間の領域の外側に少量の液体を保持することができるくぼみ62の領域を提供する。くぼみ62のこの外側領域は、動作中に液体がその領域から枯渇すると、メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間の領域への液体の予備供給を提供する。液体入口64は、アクチュエータハウジング60内に提供され、液体をくぼみ62の外側領域に供給する。液体入口64は、メッシュ要素10と弾性変形可能要素54との間のくぼみ62の領域からオフセットされて配置される。液体入口のこの配置により、弾性変形可能要素からの振動を受けた時に、液体が液体入口を通してくぼみの外に押し出される可能性が低減しうる。これはまた、空気が液体入口64からその領域に直接引き出される可能性を低減しうる。
【0149】
使用中、霧状にされる液体は液体入口64を通してくぼみ62に供給される。アクチュエータ56は弾性変形可能要素54を振動させて、メッシュ要素10のチャネル14およびノズル18に、くぼみ62内の少なくとも一部の液体を通過させる。メッシュ要素10のノズル18を通過させられた液体は、飛沫を形成する。飛沫を形成するためにノズル18を通過させられた液体の運動量は、飛沫をメッシュ要素10から遠ざかるように運ぶ。したがって、使用中に、アトマイザー組立品50は、メッシュ要素10を通して排出される液体飛沫を含むエアロゾルを生成する。
【0150】
図7は、本発明の任意の実施形態によるエアロゾル発生システム70の断面図を示す。エアロゾル発生システム70は、エアロゾル発生装置72と液体貯蔵部74とを備える。
【0151】
エアロゾル発生装置72は、第一のハウジング部分78および第二のハウジング部分80を備えるハウジング76を備える。コントローラ82および電池を備える電源84が、第一のハウジング部分78内に位置付けられる。マウスピースチャネル87を画定するマウスピース85は、第二のハウジング部分80に接続可能である。
【0152】
第二のハウジング部分80は、液体貯蔵部74を受けるための液体貯蔵チャンバ86を画定する。第一のハウジング部分78は、第二のハウジング部分80から取り外し可能であり、そのため液体貯蔵部74は交換可能である。
【0153】
エアロゾル発生装置72はまた、液体貯蔵部74の一部を形成する貯蔵部コネクター90と係合するための、液体貯蔵チャンバ86内に位置付けられた装置コネクター88を備える。
【0154】
エアロゾル発生装置72は、第二のハウジング部分80内に位置付けられた
図6のアトマイザー組立品50を備える。アトマイザー組立品50の液体入口64は、装置コネクター88と流体連通する。アトマイザー組立品50のメッシュ要素10は、第二のハウジング部分80によって画定されるエアロゾルチャンバ92内に位置付けられる。
【0155】
液体貯蔵部74は容器94を備え、液体エアロゾル形成基体96は容器94内に位置付けられる。貯蔵部コネクター90が装置コネクター88と係合する時、液体貯蔵部74からの液体エアロゾル形成基体96は、貯蔵部コネクター90、装置コネクター88、およびアトマイザー組立品50の液体入口64を通ってアトマイザー組立品50のくぼみ62に供給される。
【0156】
第一のハウジング部分78が第二のハウジング部分80に接続された時、コントローラ82は、電源84からアクチュエータ56への電力の供給を制御して、液体エアロゾル形成基体96の飛沫をメッシュ要素10からエアロゾルチャンバ92の中へと排出する。コントローラ82は、周波数較正データを保存するメモリを含む。周波数較正データは、弾性変形可能要素54を振動システムの共振周波数で振動させるためにアクチュエータ56に供給する必要のある電力に対応する情報を含む。動作中、コントローラ82は、メモリに保存された周波数較正データにアクセスし、弾性変形可能要素54が振動システムの共振周波数で振動するように、周波数較正データに基づいてアクチュエータ56に供給される電力を制御する。
【0157】
第二のハウジング部分80は、それぞれエアロゾルチャンバ92と流体連通する空気吸込み口98および空気出口100を画定する。使用中に、ユーザーはマウスピース85を吸って、空気吸込み口98を介してエアロゾルチャンバ92内に空気を引き込む。空気は、エアロゾルチャンバ92を通って流れ、ここでメッシュ要素10から排出された液体エアロゾル形成基体96の飛沫が気流内に混入され、エアロゾルを形成する。エアロゾルは、空気出口100を通ってエアロゾルチャンバ92から流れ出て、マウスピースチャネル87を通してユーザーに送達される。
【0158】
エアロゾル発生装置72はまた、エアロゾルチャンバ92内に位置付けられた気流センサー102を備える。気流センサー102は、マウスピース85でのユーザー吸い込みを示す信号をコントローラ82に提供するように配置される。コントローラ82は、マウスピース85でのユーザー吸い込みを示す気流センサー102からの信号をコントローラが受信する時のみ、電源84からアトマイザー組立品50のアクチュエータ56へ電力を供給するように配置される。