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特許7425753空気洗浄装置及び容器を洗浄するシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】空気洗浄装置及び容器を洗浄するシステム
(51)【国際特許分類】
   B08B 1/20 20240101AFI20240124BHJP
   B08B 5/00 20060101ALI20240124BHJP
   B08B 9/24 20060101ALI20240124BHJP
   B08B 13/00 20060101ALI20240124BHJP
   A61L 2/14 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B08B1/02
B08B5/00 A
B08B9/24
B08B13/00
A61L2/14
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020567882
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-11
(86)【国際出願番号】 US2019035566
(87)【国際公開番号】W WO2019236695
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-06-03
(31)【優先権主張番号】62/680,796
(32)【優先日】2018-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム マーク フェルドマン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム リック イメル
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー コリー
(72)【発明者】
【氏名】バーバラ ステフル
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ スティーブン プロウズ
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-509846(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0000220(US,A1)
【文献】特開2010-088751(JP,A)
【文献】特開平04-226011(JP,A)
【文献】特開平10-309553(JP,A)
【文献】特開平10-012581(JP,A)
【文献】特開2014-078491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 1/00 - 1/04
B08B 5/00
B08B 9/24
B08B 13/00
A61L 2/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気洗浄装置において、
所定の方向に横並びに配置された複数の第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、
前記第1の筐体内に配設された第2の筐体であって、該第2の筐体は、前記所定の方向に延設されており、第2の入口ポートと、前記第1の入口ポートの数に等しい複数の第2の出口ポートとを有し、該第2の出口ポートは、前記第1の筐体の前記第1の入口ポートと同じ面に前記所定の方向に横並びに配置され、前記第1の入口ポートの各々を通って延在する対応のノズルを備えている第2の筐体と、
1または複数のエアムーバーと
正イオンと負イオンとを生成する、前記第2の筐体内に配設されたイオナイザーとを具備し、
前記イオナイザーが、前記第2の筐体内で前記所定の方向に延びる高電圧ワイヤ、接地ワイヤおよび参照ワイヤを具備し、
前記1または複数のエアムーバーが、第1の空気を前記第2の入口ポートに圧送し、かつ、第2の空気を前記第1の出口ポートから引き出し、
前記第2の入口ポートから圧送された前記第1の空気が、前記第2の筐体内で前記正イオンと負イオンを取り込み、
前記第2の筐体が、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートに導き、前記第1の筐体が、前記第2の空気を前記第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導く空気洗浄装置。
【請求項2】
前記複数の第1の入口ポートと、前記複数の第2の出口ポートは一列に配置されている請求項に記載の空気洗浄装置。
【請求項3】
前記複数の第1の入口ポートと、前記複数の第2の出口ポートは2列に配置されている請求項に記載の空気洗浄装置。
【請求項4】
前記第1の入口ポートの各々は、該第1の入口ポートに流入する前記第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する請求項1に記載の空気洗浄装置。
【請求項5】
前記ノズルの各々は、前記第1の入口ポートの各々の前記錐台形状の開口部の短い方の底辺を通って延在する請求項に記載の空気洗浄装置。
【請求項6】
前記第1の筐体は、第1の面を有し、前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは前記第1の面上にあり、前記空気洗浄装置は、前記第1の面と同一平面に位置する拡張プレートを更に備える請求項1に記載の空気洗浄装置。
【請求項7】
前記第2の出口ポートはエアナイフを含む請求項1に記載の空気洗浄装置。
【請求項8】
前記1または複数のエアムーバーは、正の空気圧を前記第2の入口ポートに提供することにより、前記第1の空気を圧送するように構成される請求項1に記載の空気洗浄装置。
【請求項9】
前記1または複数のエアムーバーは、負の空気圧を前記第1の出口ポートに提供することにより、前記第2の空気を引き出すように構成される請求項1に記載の空気洗浄装置。
【請求項10】
容器洗浄システムにおいて、
開口部を有した容器を送る給送ラインであって、該給送ラインは、前記容器の移動方向に対して横断方向に第1の容器数の列で前記容器を送る給送ラインと、
前記給送ラインに隣接して配置される空気洗浄装置とを具備し、
該空気洗浄装置は、
前記横断方向に横並びに配置された前記第1の容器数の列に等しい数の第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、
前記第1の筐体内に配設された第2の筐体であって、該第2の筐体は、前記横断方向に延設されており、第2の入口ポートと、前記第1の容器数の列に等しい数の第2の出口ポートとを有し、該第2の出口ポートは、前記第1の筐体の前記第1の入口ポートと同じ面に前記横断方向に横並びに配置され、前記第1の入口ポートの各々を通って延在する対応のノズルを備えている第2の筐体と、
1または複数のエアムーバーと
正イオンと負イオンとを生成する、前記第2の筐体内に配設されたイオナイザーとを具備しており、
前記イオナイザーが、前記第2の筐体内で前記横断方向に延びる高電圧ワイヤ、接地ワイヤおよび参照ワイヤを具備し、
前記1または複数のエアムーバーが、第1の空気を前記第2の入口ポートに圧送し、かつ、前記第1の出口ポートを介して第2の空気を引き出し、
前記第2の入口ポートから圧送された前記第1の空気が、前記第2の筐体内で前記正イオンと負イオンを取り込み、
前記第2の筐体が、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートへ、そして前記容器内に導くように形成され、前記第1の筐体が、前記第2の空気を前記第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導き、前記容器から空気及び微粒子を引き出すように形成されている容器洗浄システム。
【請求項11】
前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは一列に配置される請求項10に記載の容器洗浄システム。
【請求項12】
前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは二列に配置される請求項10に記載の容器洗浄システム。
【請求項13】
前記第1の入口ポートのそれぞれは、該第1の入口ポートに入る前記第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する請求項10に記載の容器洗浄システム。
【請求項14】
前記ノズルの各々は、前記第1の入口ポートの各々の前記錐台形状の開口部の短い方の底辺を通って延在する請求項13に記載の容器洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、「Air Rinsing Apparatus and Systems for Rinsing Containers」と題する2018年6月5日に出願された米国仮特許出願第62/680,796号に対する優先権を主張する。米国仮特許出願第62/680,796号の全内容は、引用することにより本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、容器洗浄システムに関し、より詳細には、空気洗浄装置及び容器を洗浄するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
食品包装工場及び他のタイプの包装工場において、容器又は包装は、食品又は他の製品を包装に導入する前に、洗浄を必要とする場合がある。従来の包装洗浄システムは、重力によって包装から微粒子状物質を除去することができるように、包装を逆さにすることが必要であった。
【発明の概要】
【0004】
図のうちの少なくとも1つに示されるとともに、それらの図に関連して記載され、特許請求の範囲により完全に記載されるように、溶接のための一貫した電極状態をもたらす方法及びシステムが提供される。
【0005】
産業デバイスに対する端末入力及び出力を提供する従来の手法の制限及び不都合点は、そのような手法を、図面を参照して、本開示の他の部分に記載の本装置及びシステムのいくつかの態様と比較することにより、当業者には明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本開示の態様に係る一例の容器洗浄システムを示す図である。
図2図1の空気洗浄器を実現するのに用いることができる一例の空気洗浄器の斜視図である。
図3図2の例の空気洗浄器の断面立面図である。
図4図2の例の空気洗浄器の底面図である。
図5図3の例の第2の筐体の斜視図である。
図6図3の例の空気洗浄器の動作の一例を示す図である。
図7】拡張プレートを備える、図2の例の空気洗浄器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照番号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0008】
開示の例の空気洗浄装置及び容器洗浄システムは、包装の開口部が上方に面する向きを含め、包装のいずれの向きでも、微粒子状物質を排除することを可能にしながら、容器等の包装からの微粒子状物質の排除を向上させる。開示の例の空気洗浄装置は、単一のエアムーバーとともに用いて、容器内への空気(又は他の気体)の送風並びに容器からの空気及び微粒子状物質の除去のための吸引の双方を行うことができる。
【0009】
開示の例の空気洗浄装置は、第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、第1の筐体内の第2の筐体であって、第2の筐体は第2の入口ポートと、第2の出口ポートとを有し、第2の出口ポートは、第1の筐体の第1の入口ポートと同じ面に配置される、第2の筐体と、1または複数のエアムーバーとを備える。エアムーバーは、第1の空気を第2の入口ポートに圧送し、第2の筐体が、第1の空気を第2の入口ポートから第2の出口ポートに導くような構成であるとともに、第2の空気を第1の出口ポートから引き出し、第1の筐体が、第2の空気を第1の入口ポートから第1の出口ポートに導くようになっている。
【0010】
いくつかの例の空気洗浄装置において、第1の筐体は、第1の入口ポートを含む複数の第1の入口ポートを有し、第2の筐体は、第2の出口ポートを含むとともに、第1の入口ポートの数に等しい複数の第2の出口ポートを有し、第1の筐体は、第2の空気を複数の第1の入口ポートから第1の出口ポートに導き、第2の筐体は、第1の空気を第2の入口ポートから複数の第2の出口ポートに導く。いくつかの例において、複数の第2の出口ポートは、複数の第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートを通って延在する対応のノズルを備える。いくつかの例において、複数の第1の入口ポート及び複数の第2の出口ポートは、一列に配置される。いくつかの例において、複数の第1の入口ポート及び複数の第2の出口ポートは、二列に配置される。
【0011】
いくつかの例の空気洗浄装置において、第1の入口ポートは、第1の入口ポートに入る第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する。いくつかの例において、第2の出口ポートは、第1の入口ポートの錐台形状の開口部の上底を通って延在するノズルを備える。いくつかの例において、第1の筐体は、第1の面を有し、第1の入口ポート及び第2の出口ポートは、第1の面上にあり、空気洗浄装置は、第1の面と同一平面に位置する拡張プレートを更に備える。いくつかの例において、第2の出口ポートは、エアナイフを含む。
【0012】
いくつかの例の空気洗浄装置は、第2の筐体内に配置され、陽イオン及び陰イオンを生成するイオナイザーを更に備え、第2の筐体は、第1の空気が陽イオン及び陰イオンを同伴するように、第1の空気を第2の入口ポートから第2の出口ポートに導く。いくつかの例において、1または複数のエアムーバーは、正の空気圧を第2の入口ポートにもたらすことにより、第1の空気を圧送する。いくつかの例において、1または複数のエアムーバーは、負の空気圧を第1の出口ポートにもたらすことにより、第2の空気を引き出す。
【0013】
開示の例の容器洗浄システムは、給送ライン及び空気洗浄装置を備える。給送ラインは、容器の移動方向に対して横断方向の容器の第1の数の列に、開口部を有する容器を導く。空気洗浄装置は、給送ラインに隣接して配置され、空気洗浄装置は、容器の第1の数の列に等しい数の第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、第1の筐体内の第2の筐体であって、第2の筐体は、第2の入口ポートと、容器の第1の数の列に等しい数の第2の出口ポートとを有し、第2の出口ポートは、第1の筐体の第1の入口ポートと同じ面に配置される、第2の筐体と、1または複数のエアムーバーであって、第1の空気を第2の入口ポートに圧送し、第2の筐体が、第1の空気を第2の入口ポートから第2の出口ポートに及び容器内に導くような構成であるとともに、第1の出口ポートを介して第2の空気を引き出し、第1の筐体が、第2の空気を第1の入口ポートから第1の出口ポートに導き、容器から空気及び微粒子を引き出す1または複数のエアムーバーとを備える。
【0014】
いくつかの例の容器洗浄システムにおいて、第2の出口ポートの数は、第1の入口ポートの数に等しく、第1の筐体は、第2の空気を第1の入口ポートから第1の出口ポートに導き、第2の筐体は、第1の空気を第2の入口ポートから第2の出口ポートに導く。いくつかの例において、第2の出口ポートは、第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートを通って延在する対応のノズルを備える。いくつかの例において、第1の入口ポート及び第2の出口ポートは、一列に配置される。いくつかの例において、第1の入口ポート及び第2の出口ポートは二列に配置される。
【0015】
いくつかの例の容器洗浄システムにおいて、第1の入口ポートのそれぞれは、第1の入口ポートに入る第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する。いくつかの例の容器洗浄システムにおいて、第2の出口ポートのそれぞれは、第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートの錐台形状の開口部の上底を通って延在するノズルを備える。いくつかの例において、第1の筐体は、第1の面を有し、第1の入口ポート及び第2の出口ポートは、第1の面上にあり、空気洗浄装置は、第1の面と同一平面に位置する拡張プレートを更に備える。
【0016】
図1は、一例の容器洗浄システム100のブロック図である。システム100は、システム100の適用物(applications)104を移動方向106に搬送するコンベヤ又は給送ライン102を備える。例としての適用物104は、単一の開口部を有する容器(例えば、缶、カップ、箱等)及び/又は他の任意のタイプの包装を含む。適用物104は、移動方向106に対して横断方向に位置する複数の給送ラインによって搬送することができる。図2図6を参照して以下に記載する例は、4つの並列の給送ラインから微粒子状物質を除去するように構成されるが、任意の数の並列の給送ラインを用いることができる。
【0017】
システム100は、適用物104が給送ライン102に沿って移動する際に、適用物104の移動経路に隣接して位置する空気洗浄器108を備える。空気洗浄器108は、適用物104内に空気を送風すると同時に、適用物104に隣接して吸引を行う。この吸引により、微粒子状物質が適用物104から除去され、微粒子状物質は、適用物104の内面から離れ、空気洗浄器108から送風される空気によって適用物104内に発生した空気流に同伴される。
【0018】
いくつかの例において、空気洗浄器108は、陽イオン及び陰イオンを発生させ、送風される空気によって、陽イオン及び陰イオンを適用物104に導く。このために、本例のシステム100は、以下により詳細に記載されるように、陽イオン及び陰イオンの発生を可能にするように空気洗浄器108に電気接続された高圧電源110を備えることができる。
【0019】
エアムーバー112が、適用物104に空気を送風するために、正の空気圧を空気洗浄器108にもたらし、適用物104から微粒子状物質を含む空気を除去するために、負の空気圧を空気洗浄器108にもたらす。単一のエアムーバー112を用いることにより、システム100の複雑性及びメンテナンスコストが低減される。さらに、単一のエアムーバー112を用いることで、適用物104に送風される空気の流量及び適用物104から除去される空気の流量を、一貫して等しくすることが可能である。空気洗浄器108とエアムーバー112の負圧源との間に1つ以上のフィルター114が設けられ、適用物104から除去された微粒子状物質を濾過する。
【0020】
他の例において、第1のエアムーバーを、空気洗浄器108に正圧をもたらすのに用いることができ、第2のエアムーバーを、空気洗浄器108に負圧をもたらすのに用いることができる。
【0021】
図2は、図1の空気洗浄器108を実現するのに用いることができる一例の空気洗浄器200の斜視図である。図3は、本例の空気洗浄器200の断面立面図であり、図4は、本例の空気洗浄器200の底面図である。空気洗浄器200は、第1の筐体202を備え、第1の筐体202内に、第2の筐体204が取り付けられる。図5は、本例の第2の筐体204の斜視図である。
【0022】
第1の筐体202は、第1の出口ポート206(例えば、微粒子出口ポート)を介して負圧空気源(例えば、図1のエアムーバー112)に接続される。負の空気圧により、第1の筐体202は、第1の入口ポート208を介して空気(及び空気に同伴される微粒子状物質)を引き込む。本例の入口ポート208は、空気洗浄器200を介して洗浄される適用物を搬送する並列の給送ラインの数(例えば、4つ)に基づいた数になっている。図示の例では、第1の入口ポート208は、円錐台形状を有し、ここでは、円錐台の長い方の底辺から短い方の底辺に向かって空気が引き込まれる。第1の入口ポート208の錐台形状により、空気流が第1の筐体202の内部に近づくにつれて空気速度が増大する。錐台の下底は、適用物104の開口部(例えば、容器の開口部)と合致して、適用物104からの微粒子収集を向上することができる。単純な開口部と比較して、錐台形状は、微粒子状物質が第1の筐体202から逆戻りし得る表面積も低減する。しかしながら、第1の入口ポート208は、単純な開口部等の他の形状を有してもよい。
【0023】
本例の第2の筐体204は、第2の入口ポート210を介して正圧空気源(例えば、図1のエアムーバー112)に接続され、第2の出口ポート212を介して空気を放出する。例えば、第2の筐体204は、第2の入口ポート210を介して正の空気圧を受け取り、第2の出口ポート212を介して受け取った空気を分配するマニホールドとすることができる。
【0024】
第2の出口ポート212は、第1の入口ポート208のそれぞれの第1の入口ポートを通って少なくとも部分的に突出するノズル214を備える。したがって、第1の入口ポート208及び第2の出口ポート212は、第1の筐体202の同じ面216に配置される。例えば、図2及び図3に示されているように、ノズル214は、第1の筐体202の内部から錐台の上底を通って延在するが、錐台の下底、すなわち第1の筐体202の面216を越えて延在はしない。
【0025】
図3の例の第2の筐体204は、イオナイザー218を更に備える。イオナイザー218は、図1の高圧電源110に連結される。動作時、イオナイザー218は、陽イオン及び陰イオンを発生させる。このイオンは、第2の入口ポート210から第2の出口ポート212に移動する空気流内に移動し、第2の出口ポート212において、イオンが適用物104に吹き付けられる。このイオンは、微粒子状物質及び/又は適用物104上に存在し、微粒子状物質が空気流によって除去されるのではなく適用物104への付着を引き起こし得る静電荷を中和することができる。イオナイザー118は、コロナワイヤ、個別のイオンエミッター、及び/又は他の任意の方法を用いて実現することができる。
【0026】
図5に示されているように、イオナイザー218には、高電圧ワイヤ220を介して高電圧を提供し、基準電圧ワイヤ222を介して基準電圧を提供し、及び/又は接地ワイヤ224によって接地基準を提供することができる。ワイヤ220~224は、第1の筐体202を通って延在する。ワイヤプラグ226により、ワイヤ220~224が第1の筐体202を貫通する場所において、第1の筐体202に空気シールがもたらされる。
【0027】
図2図5の例の第2の筐体204は、個別の出口ポート212を有するが、他の例では、出口ポート212は、エアナイフに置き換えることができる。そのような例において、第1の入口ポート208は、第1の入口ポート208と同様に吸引を行うように構成された単一の第1の入口ポートに置き換えることもできる。例えば、単一の第1の入口ポートは、第1の筐体202の内方にテーパー状になっており、第1の入口ポート208の錐台形状と同様の利益をもたらすことができる。
【0028】
図2の例の空気洗浄器200は、単一の列の第1の入口ポート208及び第2の出口ポート212を有するが、他の例では、第1の入口ポート208及び第2の出口ポート212と同一の第2の列の入口ポート及び出口ポートを有することができる。第2の列の入口ポート及び出口ポートは、適用物104からの微粒子の洗浄及び収集を更に向上することができる。
【0029】
図6は、図2図5の例の空気洗浄器200の動作の一例を示している。図6において、空気洗浄器200は、図1の並列の給送ライン102上を搬送される4つの直立した容器602、604、606、608に隣接して示されている。本例の空気洗浄器200は、容器602~608が空気洗浄器200との流体連通を確立及び解除するように移動しながら、連続的に稼働することができる。図6に示されているように、適用物104(例えば、容器602~608)の頂部との間の離隔距離は、第2の出口ポート212と、第1の入口ポート208と、容器602~608との間の流体連結を向上するように制限することができ、それにより、空気洗浄器200によって捕捉される微粒子の割合が向上し、空気洗浄器200及び/又はシステム100の周囲の環境に流出し得る微粒子の量が低減される。
【0030】
第1の空気流610は、図1のエアムーバー112からの正圧によって発生し、第2の入口ポート210を介して第2の筐体204に入る。第1の空気流610は、イオナイザー218によって発生した陽イオン及び陰イオン(図6において、+記号及び-記号によって示されている)を同伴し、イオンとともにノズル214から出て容器602~608に入る。本例の第1の空気流610は、容器602~608の反対側の端部に達し、及び/又は、容器602~608内の微粒子状物質612が容器602~608から離れるように、容器602~608内に実質的な乱流をもたらすように、十分な速度でノズル214を出る。
【0031】
第2の空気流614は、第1の出口ポート206を介したエアムーバー112からの負圧によって発生する。第2の空気流614は、第1の空気流610と実質的に同じ空気を含み、遊離した微粒子状物質612を同伴している。第2の空気流614は、容器602~608から第1の入口ポート208を通って第1の筐体202内に流れる。第1の筐体202からは、負圧により、第2の空気流614が、第1の筐体202から第1の出口ポート206を通ってエアムーバー112に流れる。
【0032】
図7は、拡張プレート702、704を備える、図2の例の空気洗浄器200を示している。拡張プレート702、704は、空気洗浄器200によって洗浄を行う前及び/又は行った後に、或る距離にわたって適用物104を覆う。特に、拡張プレート702、704は、ノズル214と、適用物104と、空気洗浄器200の外部の環境との間に空気経路が形成されることを低減又は防止する。例えば、適用物104が最初にノズル214と流体連通する際、空気流(及び微粒子)は、適用物104を介して外部環境と流体連通しているノズル214によって、第1の筐体202内に吸引されることから逃れることができる。拡張プレート702、704は、任意の適切な取付け技法を用いて、一体化、恒久取付け、又は取外し可能とすることができる。
【0033】
拡張プレート702、704に対する一代替形態として、第1の筐体202の寸法を調整し、拡張プレート702、704と同様の領域を覆うように、第1の筐体202の面216を拡張することができる。
【0034】
本明細書で使用する「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上の項目を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書で使用する「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書で使用する「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。
【0035】
本装置及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本装置及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本装置及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本装置及び/又はシステムは、字義どおりにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
本発明の態様の一部を以下記載する。
[態様1]
空気洗浄装置において、
第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、
前記第1の筐体内の第2の筐体であって、該第2の筐体は、第2の入口ポートと、第2の出口ポートとを有し、該第2の出口ポートは、前記第1の筐体の前記第1の入口ポートと同じ面に配置される第2の筐体と、
1または複数のエアムーバーとを具備し、
該1または複数のエアムーバーが、
第1の空気を前記第2の入口ポートに圧送し、前記第2の筐体が、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートに導き、
第2の空気を前記第1の出口ポートから引き出し、前記第1の筐体が、前記第2の空気を前記第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導く空気洗浄装置。
[態様2]
前記第1の筐体は、前記第1の入口ポートを含む複数の第1の入口ポートを具備し、前記第2の筐体は、前記第2の出口ポートと、前記第1の入口ポートの数に等しい複数の第2の出口ポートとを含む第2の出口ポートを具備し、前記第1の筐体は、前記第2の空気を前記複数の第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導き、前記第2の筐体は、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記複数の第2の出口ポートに導く態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様3]
前記複数の第2の出口ポートは、前記複数の第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートを通って延在する対応のノズルを備える態様2に記載の空気洗浄装置。
[態様4]
前記複数の第1の入口ポートと、前記複数の第2の出口ポートは一列に配置されている態様3に記載の空気洗浄装置。
[態様5]
前記複数の第1の入口ポートと、前記複数の第2の出口ポートは2列に配置されている態様3に記載の空気洗浄装置。
[態様6]
前記第1の入口ポートは、該第1の入口ポートに流入する前記第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様7]
前記第2の出口ポートは、前記第1の入口ポートの前記錐台形状の開口部の短い方の底辺を通って延在するノズルを備える態様6に記載の空気洗浄装置。
[態様8]
前記第1の筐体は、第1の面を有し、前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは前記第1の面上にあり、前記空気洗浄装置は、前記第1の面と同一平面に位置する拡張プレートを更に備える態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様9]
前記第2の出口ポートはエアナイフを含む態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様10]
前記空気洗浄装置は前記第2の筐体内に配置され、陽イオン及び陰イオンを生成するイオナイザーを更に備え、前記第2の筐体は、前記第1の空気が前記陽イオン及び前記陰イオンを同伴するように、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートに導く態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様11]
前記1または複数のエアムーバーは、正の空気圧を前記第2の入口ポートに提供することにより、前記第1の空気を圧送するように構成される態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様12]
前記1または複数のエアムーバーは、負の空気圧を前記第1の出口ポートに提供することにより、前記第2の空気を引き出すように構成される態様1に記載の空気洗浄装置。
[態様13]
容器洗浄システムにおいて、
開口部を有した容器を送る給送ラインであって、該給送ラインは、前記容器の移動方向に対して横断方向に第1の容器数の列で前記容器を送る給送ラインと、
前記給送ラインに隣接して配置される空気洗浄装置とを具備し、
該空気洗浄装置は、
前記第1の容器数の列に等しい数の第1の入口ポートと、第1の出口ポートとを有する第1の筐体と、
前記第1の筐体内の第2の筐体であって、該第2の筐体は、第2の入口ポートと、前記第1の容器数の列に等しい数の第2の出口ポートとを有し、該第2の出口ポートは、前記第1の筐体の前記第1の入口ポートと同じ面に配置される、第2の筐体と、
1または複数のエアムーバーとを具備し、
該1または複数のエアムーバーが、
第1の空気を前記第2の入口ポートに圧送し、前記第2の筐体が、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートへ、そして前記容器内に導くように形成され、かつ、
前記第1の出口ポートを介して第2の空気を引き出し、前記第1の筐体が、前記第2の空気を前記第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導き、前記容器から空気及び微粒子を引き出すように形成されている容器洗浄システム。
[態様14]
前記第2の出口ポートの数は前記第1の入口ポートの数に等しく、前記第1の筐体は、前記第2の空気を前記第1の入口ポートから前記第1の出口ポートに導き、前記第2の筐体は、前記第1の空気を前記第2の入口ポートから前記第2の出口ポートに導く態様13に記載の容器洗浄システム。
[態様15]
前記第2の出口ポートは、前記第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートを通って延在する対応のノズルを備える態様14に記載の容器洗浄システム。
[態様16]
前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは一列に配置される態様15に記載の容器洗浄システム。
[態様17]
前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは二列に配置される態様15に記載の容器洗浄システム。
[態様18]
前記第1の入口ポートのそれぞれは、該第1の入口ポートに入る前記第2の空気を加速する錐台形状の開口部を有する態様13に記載の容器洗浄システム。
[態様19]
前記第2の出口ポートのそれぞれは、前記第1の入口ポートのそれぞれの第1の入口ポートの前記錐台形状の開口部の短い方の底辺を通って延在するノズルを備える態様18に記載の容器洗浄システム。
[態様20]
前記第1の筐体は第1の面を有し、前記第1の入口ポート及び前記第2の出口ポートは前記第1の面上に設けられ、前記空気洗浄装置は、前記第1の面と同一平面に位置する拡張プレートを更に備える態様13に記載の容器洗浄システム。
【符号の説明】
【0036】
100 容器洗浄システム
102 給送ライン
104 適用物
106 移動方向
108 空気洗浄器
110 高圧電源
112 エアムーバー
114 フィルター
118 イオナイザー
200 空気洗浄器
202 第1の筐体
204 第2の筐体
206 第1の出口ポート
208 第1の入口ポート
210 第2の入口ポート
212 第2の出口ポート
214 ノズル
216 面
218 イオナイザー
220 高電圧ワイヤ
220 ワイヤ
221 ワイヤ
222 基準電圧ワイヤ
223 ワイヤ
224 接地ワイヤ
226 ワイヤプラグ
602 容器
603 容器
604 容器
605 容器
606 容器
607 容器
608 容器
610 第1の空気流
612 微粒子状物質
614 第2の空気流
702 拡張プレート
704 拡張プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7