(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240124BHJP
G06Q 30/0208 20230101ALI20240124BHJP
【FI】
G06Q30/0207 350
G06Q30/0208
(21)【出願番号】P 2021153123
(22)【出願日】2021-09-21
【審査請求日】2022-10-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514020389
【氏名又は名称】TIS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔一朗
(72)【発明者】
【氏名】亀川 摩耶
(72)【発明者】
【氏名】田中 翔也
(72)【発明者】
【氏名】太田 徹
(72)【発明者】
【氏名】山口 賢人
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-075947(JP,A)
【文献】特開2014-071814(JP,A)
【文献】特開2019-128795(JP,A)
【文献】特開2016-012296(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0068982(US,A1)
【文献】国際公開第2016/157427(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の期間のユーザの位置
と時間を含む第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの位置
と時間を含む第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの位置と前記第2の期間における前記ユーザの位置と
の所定の時間における変化の度合いを示す指標である第1類似性指標を特定する類似性特定部と、
前記第1の期間における前記第1のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動が前記第2の期間における前記第2のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動
と異なる行動であることを示す前記変化の度合いに関する基準を、前記第1類似性指標が満たすか否かを判定し、
前記第1類似性指標が前記基準を満たすと判定された場合、前記第1の期間において前記第2の期間と異なる行動を前記ユーザが取っていると判定する行動変化判定部と、
前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供する特典提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、前記第1の期間の過去において、前記ユーザが利用したサービスまたは購入した商品の少なくともいずれかの履歴を特定する履歴特定部をさらに備え、
前記特典提供部は、前記履歴に基づいて、前記ユーザが過去に利用したサービスまたは購入した商品の少なくともいずれかに関連する前記特典を提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、当該第1の期間の過去において、前記ユーザが利用したサービスまたは購入した商品の少なくともいずれかの履歴を特定する履歴特定部をさらに備え、
前記特典提供部は、前記履歴に基づいて、前記ユーザが過去に利用していないサービスまたは購入していない商品の少なくともいずれかに関連する前記特典を提供する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記特典提供部は、前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された時間の位置に対応するエリアのカテゴリーに基づいて、前記特典を提供する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記特典提供部は、過去における前記エリアのカテゴリーに基づき前記ユーザに提供された特典に関する情報と、当該特典を前記ユーザが利用したか否かに関する情報と、に基づき学習された学習済みモデルに、前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された時間の位置に対応するエリアのカテゴリーに関する情報を入力することによって前記学習済みモデルから出力される情報に基づいて、特典を提供する、
請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記類似性特定部は、前記第1のパラメータと、前記第2の期間よりも長い期間である第3の期間の前記ユーザの位置
と時間を含む第3のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの位置と前記第3の期間における前記ユーザの位置と
の所定の時間における変化の度合いを示す指標である第2類似性指標を特定し、
前記第1の期間における前記第1のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動が前記第3の期間における前記第3のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動
と異なる行動であることを示す前記変化の度合いに関する基準を、前記第2類似性指標が満たすか否かを判定し、
前記第2類似性指標が前記基準を満たすと判定された場合、前記第1の期間において前記第3の期間と異なる行動を前記ユーザが取っているか否かを判定し、
前記特典提供部は、前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていないと判定された場合、前記ユーザに対して、前記特典を提供する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記行動変化判定部で異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、前記ユーザの位置を示す情報である位置情報に基づいて、前記ユーザの端末装置の表示部に表示される地図上に、前記ユーザの位置を中心にした所定の範囲のエリアに対応する前記特典を表示させる表示処理部をさらに備える、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータが、
第1の期間のユーザの位置
と時間を含む第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの位置
と時間を含む第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの位置と前記第2の期間における前記ユーザの位置と
の所定の時間における変化の度合いを示す指標である類似性指標を特定することと、
前記第1の期間における前記第1のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動が前記第2の期間における前記第2のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動
と異なる行動であることを示す前記変化の度合いに関する基準を、前記類似性指標が満たすか否かを判定し、
前記類似性指標が前記基準を満たすと判定された場合、前記第1の期間において前記第2の期間と異なる行動を前記ユーザが取っていると判定することと、
前記第1の期間と前記第2の期間とで異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することと、
を実行する情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
第1の期間のユーザの位置
と時間を含む第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの位置
と時間を含む第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの位置と前記第2の期間における前記ユーザの位置と
の所定の時間における変化の度合いを示す指標である類似性指標を特定することと、
前記第1の期間における前記第1のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動が前記第2の期間における前記第2のパラメータに含まれる位置に基づき特定される行動
と異なる行動であることを示す前記変化の度合いに関する基準を、前記類似性指標が満たすか否かを判定し、
前記類似性指標が前記基準を満たすと判定された場合、前記第1の期間において前記第2の期間と異なる行動を前記ユーザが取っていると判定することと、
前記第1の期間と前記第2の期間とで異なる行動を前記ユーザが取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの特定の行動を検出したときにユーザに提供するクーポンを生成するクーポン生成システムが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のクーポン生成システムは、ユーザの位置に対応する購入履歴に基づいてクーポンA(例えば、ワイン購入で記念品進呈クーポン)をユーザの端末装置に表示させる。クーポン生成システムは、ユーザがクーポンAを使用したこと(ユーザの特定の行動)を契機に、ユーザの位置に対応するクーポンB(例えば、チーズまとめ買い3割引クーポン)をユーザの端末装置に表示させる。これにより、クーポン生成システムは、関係性のある複数のクーポンを連鎖的にユーザに提供できる。
【0005】
しかしながら、クーポン生成システムでは、クーポンをユーザの位置に対応する購入履歴に基づいてユーザに提供しているため、ユーザがクーポンを欲しないタイミングでクーポンが提供されるという問題が生じる。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を鑑み、ユーザの行動に応じた適切なタイミングでユーザに、ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理システムは、第1の期間の前記ユーザの行動に関する第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの行動に関する第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの行動と前記第2の期間における前記ユーザの行動との類似性を示す指標を特定する類似性特定部と、前記類似性を示す指標に基づいて、前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定する行動変化判定部と、前記行動変化判定部で前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供する特典提供部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、第1の期間の前記ユーザの行動に関する第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの行動に関する第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの行動と前記第2の期間における前記ユーザの行動との類似性を示す指標を特定することと、前記類似性を示す指標に基づいて、前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定することと、前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することと、を実行する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、第1の期間の前記ユーザの行動に関する第1のパラメータと、前記第1の期間よりも前の期間である第2の期間の前記ユーザの行動に関する第2のパラメータと、に基づいて、前記第1の期間における前記ユーザの行動と前記第2の期間における前記ユーザの行動との類似性を示す指標を特定することと、前記類似性を示す指標に基づいて、前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定することと、前記ユーザが前記第1の期間に前記第2の期間とは異なる行動を取っていると判定された場合、前記ユーザに対して、前記ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ユーザの行動に応じた適切なタイミングでユーザに、ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】情報提供システムの構成の概要の一例を示す図である。
【
図2】情報提供システムの処理の概要の一例を示す図である。
【
図3】ユーザ情報D111の構成の一例を示す図である。
【
図4】購入情報D112の構成の一例を示す図である。
【
図5】特典情報D113の構成の一例を示す図である。
【
図6】事業者情報D114の構成の一例を示す図である。
【
図7】ユーザの行動パラメータをプロットした一例を示す図である。
【
図8】情報提供サーバの処理手順の一例を示すフロー図である。
【
図9】情報提供サーバの構成の変形例を示す図である。
【
図10】クーポン表示画面T10の一例を示す図である。
【
図11】コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態(以下、「本実施形態」という)について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。本実施形態において、「部」や「手段」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や「手段」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や「手段」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【0013】
===情報提供システム10の概要===
本実施形態における情報提供システム10は、ユーザについて普段の行動とは異なる行動を検知したときに、ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典をユーザに提供するシステムである。これにより、情報提供システム10は、ユーザのライフイベントの変化に応じて、ユーザのサービス利用および商品購入を促す特典を提供できる。ここで、情報提供システム10は、例えば、時間に関する情報(以下、「時間情報」という)と、ユーザの行動に関するパラメータ(以下、「行動パラメータ」という)とに基づいて、ユーザが普段の行動とは異なる行動を取っていることを検知する。すなわち、情報提供システム10は、ユーザが普段とは異なる行動を取ったことを、ライフイベントに変化が生じたことと推定して、特典を提供する。「特典」とは、例えば、商品を購入する際に利用可能なクーポンやポイント、マッサージなどのサービスを利用する際に利用可能なクーポンやポイント、ユーザにお勧めの商品の案内などである。「行動パラメータ」とは、例えば、ユーザの位置を示す情報(以下、「位置情報」という)、ユーザの歩数を示す情報などである。位置情報は、例えば、緯度および経度に関する情報である。
【0014】
<<構成>>
図1を参照して、情報提供システム10の構成の概要について説明する。
図1は、情報提供システム10の構成の概要の一例を示す図である。
図1に示すように、情報提供システム10は、例えば、情報提供サーバ100と、ユーザ端末200と、事業者サーバ300とを含む。
【0015】
情報提供サーバ100は、ユーザの行動の変化に応じて特典をユーザ端末200に送信する情報処理装置である。情報提供サーバ100は、ユーザ端末200、及び事業者サーバ300との間で通信可能に接続される。情報提供サーバ100は、所定のプログラムを実行することで、ユーザ端末200からユーザの行動パラメータを取得する。情報提供サーバ100は、事業者サーバ300からユーザのサービス利用および商品購入の履歴に関する情報(以下、「購入利用履歴情報」という)を取得する。情報提供サーバ100は、特典のうちユーザの行動に対応する特典に関する情報(以下、「特典情報」という)をユーザ端末200に送信する。
【0016】
ユーザ端末200は、情報提供サーバ100との通信が可能なスマートフォンやラップトップ端末などの端末装置である。ユーザ端末200は、所定のプログラムを実行することで、ユーザの行動に関する情報を情報提供サーバ100に送信する。また、ユーザ端末200は、例えば、情報提供サーバ100から提供される特典情報を表示部1007に表示させる。
【0017】
事業者サーバ300は、情報提供サーバ100、及び店舗端末(不図示)との間で通信可能に接続される。事業者サーバ300は、事業者がユーザに提供可能な特典情報、及び購入利用履歴情報を、情報提供サーバ100に送信する。
【0018】
<<処理>>
次に、
図2を参照して、情報提供システム10の処理の概要について説明する。
図2は、情報提供システム10の処理の概要の一例を示す図である。
【0019】
ステップS10において、事業者サーバ300は、事業者がユーザに提供する特典に関する特典情報、及び購入利用履歴情報を情報提供サーバ100に送信する。
【0020】
ステップS11において、情報提供サーバ100は、事業者サーバ300から特典情報および購入利用履歴情報を取得して、記憶部110に記憶する。
【0021】
ステップS12において、ユーザ端末200は、例えば、所定の時間ごと(例えば3秒ごと)に行動パラメータを情報提供サーバ100に送信する。
【0022】
ステップS13において、情報提供サーバ100は、ユーザ端末200から取得した行動パラメータを記憶部110に記憶する。
【0023】
ステップS14において、情報提供サーバ100は、時間情報および行動パラメータに基づいて、ユーザが普段の行動とは異なる行動を取ったかを判定する。判定方法については後述する。情報提供サーバ100は、ユーザが普段の行動とは異なる行動を取ったと判定した場合、ユーザ端末200に、行動パラメータや購入利用履歴情報に応じた特典を提供する。
【0024】
ステップS15において、ユーザ端末200は、表示部1007に特典情報を表示させる。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザに対して、その行動の変化に応じて特典を提供できるため、ユーザの商品購入およびサービス利用を促すことができる。
【0025】
===情報提供サーバ100の構成===
図1に戻り、情報提供サーバ100の構成について説明する。
図1に示すように、情報提供サーバ100は、例えば、記憶部110と、類似性特定部120と、行動変化判定部130と、履歴特定部140と、特典提供部150と、表示処理部160とを含む。
【0026】
記憶部110は、ユーザ情報D111、購入利用履歴情報D112、クーポン情報D113、及び事業者情報D114を記憶する。
【0027】
図3を参照して、ユーザ情報D111につき説明する。
図3は、ユーザ情報D111の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、ユーザ情報D111は、例えば、[ユーザID]、[時間]、[位置]、[行動区分]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に特定可能なユーザIDを記憶する。[時間]は時間を記憶する。[位置]はユーザの位置を示す緯度および経度を示す情報を記憶する。[行動区分]は例えば歩き、走り、停止などのユーザの行動を記憶する。
【0028】
図4を参照して、購入利用履歴情報D112につき説明する。
図4は、購入利用履歴情報D112の構成の一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ情報D112は、例えば、[ユーザID]、[事業者ID]、[日時]、[購入利用対象]、[価格]の項目を含んでいてもよい。[ユーザID]はユーザを一意に特定可能なユーザIDを記憶する。[事業者ID]は店舗を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[時間]は時間を記憶する。[購入利用対象]はユーザが購入した商品および利用したサービスを記憶する。[価格]はユーザが購入した商品または利用したサービスの価格を記憶する。
【0029】
図5を参照して、特典情報D113につき説明する。
図5は、特典情報D113の構成の一例を示す図である。
図5に示すように、特典情報D113は、例えば、[特典ID]、[事業者ID]、[特典発行位置]、[特典カテゴリー]、[特典]の項目を含んでいてもよい。[特典ID]は特典を一意に特定可能なユーザIDを記憶する。[事業者ID]は店舗を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[特典発行位置]は特典を取得可能な位置を記憶する。[カテゴリー]は特典のカテゴリー(以下、「特典カテゴリー」という)を記憶する。特典カテゴリーとは、例えば、食事、旅行、レジャー、買い物などのカテゴリーである。[特典]は特典に関する情報を記憶する。
【0030】
図6を参照して、事業者情報D114につき説明する。
図6は、事業者情報D114の構成の一例を示す図である。
図6に示すように、事業者情報D114は、例えば、[事業者ID]、[場所]、[店名]、[行動区分]の項目を含んでいてもよい。[事業者ID]は事業者または事業者の店舗を一意に特定可能な事業者IDを記憶する。[場所]は事業者または事業者の店舗の所在地を示す情報を記憶する。[店名]は事業者または事業者の店舗の名称を示す情報を記憶する。[行動区分]は例えば歩き、走り、停止、登山、食事などのユーザの状態に関する情報を記憶する。
【0031】
類似性特定部120は、ユーザが普段とは異なる行動をしたか否かを判定するための指標を特定する。類似性特定部120は、例えば、第1の期間の行動パラメータと、第1の期間よりも前の期間である第2の期間の行動パラメータと、に基づいて、第1の期間におけるユーザの行動と第2の期間におけるユーザの行動との類似性を示す指標(以下、「類似性指標」という)を特定する。期間とは、一定の時間の幅を有する「日」、「週」、「月」などである。第1の期間は、第2の期間と連続した期間であってもよいし、そうでなくてもよい。以下、便宜上、第1の期間を「現在期間」とし、第2の期間を「過去期間」として説明する。
【0032】
まず、
図7を参照して、期間が「日」であるときの類似性指標の特定方法の一例について説明する。
図7は、ユーザの行動パラメータをプロットした一例を示す図である。
図7において、X軸は「時間」を示し、Y軸は行動パラメータの一例である「緯度および経度」を示し、Z軸は「日」を示す。以下、便宜上、「緯度および経度」を「位置」という。
【0033】
類似性特定部120は、例えば、現在期間である第1の日における所定の時間の位置を示す点と、過去期間である第2の日における所定の時間の位置を示す点とのユークリッド距離を特定する。そして、類似性特定部120は、第1の日における所定の時間の位置と、第2の日における所定の時間の位置とに変化がない場合のユークリッド距離を、基準値とする。類似性特定部120は、例えば、基準値と、特定されたユークリッド距離との差に基づいて、類似性指標を特定する。類似性指標は、例えば、基準値との差が大きいほど小さい値を示す。
【0034】
具体的には、類似性特定部120は、
図7に示すように、例えば、8月21日の14時00分の位置を示す点P1と、8月20日の14時00分の位置を示す点P2とのユークリッド距離L1(二点鎖線)を特定する。類似性特定部120は、例えば、8月20日の14時00分の位置を示す点P2と、8月21日の14時00分の位置と同じである場合の点P3とのユークリッド距離L2(一点鎖線)を特定する。類似性特定部120は、ユークリッド距離L1とユークリッド距離L2との差D1を特定する。類似性特定部120は、特定した差D1に対応する類似性指標(例えば、0.5)を特定する。
【0035】
なお、類似性特定部120は、例えば、第1の日における各時間それぞれの位置の24時間の平均値が示す点と、第2の日における各時間それぞれの位置の24時間の平均値が示す点とのユークリッド距離と、基準値との差に基づいて、類似性指標を特定してもよい。また、平均値に代えて、24時間の中央値または最大値を用いてもよい。ただし、上記の類似性指標を特定する方法は一例であって、類似性特定部120における類似性指標を特定する方法は特に限定されない。以下、便宜上、類似性指標は、「0」から「1」の間の値を示すものとして説明する。
【0036】
次に、期間が「週」であるときの類似性指標の特定方法の一例について説明する。類似性特定部120は、例えば、第1の週において平均した所定の時間の第1の位置を示す点と、第2の週において平均した所定の時間の第2の位置を示す点とのユークリッド距離を特定する。そして、期間が「日」の場合と同様に、類似性特定部120は、基準値と、特定されたユークリッド距離との差に基づいて、類似性指標を特定する。期間が「月」である場合についても同様に、類似性指標を特定できる。すなわち、類似性特定部120は、任意の期間における類似性指標を特定できる。
【0037】
なお、類似性特定部120は、例えば、現在期間を「日」とし過去期間を「月」とするように、現在期間のレンジと過去期間のレンジとを異なるレンジとして類似性指標を特定してもよい。具体的には、類似性特定部120は、
図7に示すグラフ上において、現在期間である第1の日の所定の時間の位置と、過去期間である第2の月において平均した所定の時間の位置とのユークリッド距離に基づいて、類似性指標を特定してもよい。
【0038】
また、類似性指標の特定方法は、上記に限定されない。類似性特定部120は、種々の手法によって類似性指標を特定してもよく、例えばパーシステント図(不図示)を用いて類似性指標を特定してもよい。この場合、類似性特定部120は、例えば、
図7に示す3次元の点の半径を徐々に大きくしていく。類似性特定部120は、複数の点によって囲まれた空間が生成されたときの時刻を「発生時刻」とする。また、さらに点を大きくして、空間が消滅したときの時刻を「消滅時刻」とする。類似性特定部120は、例えば、X軸を「発生時刻」とし、Y軸を「消滅時刻」としてプロットすることでパーシステント図を生成する。類似性特定部120は、例えば、パーシステント図に、基準となる基準線をプロットする。類似性特定部120は、基準線と、発生時刻および消滅時刻が示す点とのユークリッド距離に基づいて、類似性指標を特定してもよい。
【0039】
行動変化判定部130は、ユーザが普段とは異なる行動を取ったか否かを判定する。例えば、行動変化判定部130は、類似性指標に基づいて、ユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定する。例えば、行動変化判定部130は、類似性指標が所定の閾値を下回っている場合、ユーザが普段とは異なる行動を取ったと判定してもよい。また、行動変化判定部130は、所定の期間、類似性指標が所定の閾値を下回らない場合、ユーザが普段の行動を長く継続していると判定してもよい。
【0040】
履歴特定部140は、有益な特典をユーザに提供するべく、ユーザがサービスを利用した履歴および商品を購入した履歴を特定する。例えば、履歴特定部140は、行動変化判定部130でユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、購入利用履歴情報D112を参照して、当該現在期間の過去における、ユーザがサービスを利用した履歴および商品を購入した履歴(以下、「購入利用履歴」という)を特定する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザの過去の購入利用履歴に基づきクーポンを発行できる。
【0041】
特典提供部150は、ユーザの購入利用履歴や位置に応じた特典をユーザに提供する。例えば、特典提供部150は、行動変化判定部130でユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、ユーザに提供する特典を特定する。
【0042】
具体的には、特典提供部150は、履歴特定部140で特定された購入利用履歴に基づいて、ユーザに提供する特典を特定してもよい。例えば、特典提供部150は、購入利用履歴のうち現在から過去の所定の日数以内(例えば、1週間以内)にユーザが利用したサービスおよび購入した商品を特定する。特典提供部150は、サービスおよび商品と行動のカテゴリーとを対応づけるデータベース(不図示)を参照して、例えば、特定した商品(例えば、登山靴)に対応するユーザの行動のカテゴリー(例えば、登山)を特定する。特典提供部150は、特典情報D113を参照して、特定した行動のカテゴリーに対応する特典カテゴリー(例えば、登山、レジャーなど)を特定する。特典提供部150は、特定した特典カテゴリーに対応する特典(例えば、レジャーグッズ割引券など)を特定する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザが過去に利用したサービスおよび購入した商品に関連するサービスや商品に関連する特典をユーザに提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0043】
また、特典提供部150は、ユーザが過去に利用していないサービスおよび購入していない商品に関する特典を特定してもよい。例えば、特典提供部150は、購入利用履歴のうち現在から過去の所定の日数以内(例えば、半年以内)に、ユーザが利用したサービスおよび購入した商品を特定する。特典提供部150は、特定したサービスおよび商品に基づき、当該サービスおよび商品の特典カテゴリーを特定する。特典提供部150は、特典情報D113を参照して、特定した特典カテゴリーとは異なる特典カテゴリーに対応する特典を特定する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザが過去に利用していないサービスおよび購入していない商品に関連するサービスや商品に関連する特典をユーザに提供することによって、ユーザに新たな行動を惹起させて、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0044】
また、特典提供部150は、ユーザの位置に対応するエリアのカテゴリーに基づいて、ユーザに提供する特典を特定してもよい。エリアのカテゴリーとは、例えば、キャンプ場、ショッピングモール、ドラッグストアなどそのエリアの特徴を示す情報である。例えば、特典提供部150は、エリアのカテゴリーが「キャンプ場」である場合、特典情報D113を参照して、当該エリアのカテゴリーに関連する特典カテゴリー(ここでは、キャンプ)を特定する。特典提供部150は、特定した特典カテゴリーに関する商品の割引券などの特典を特定してもよい。これにより、情報提供サーバ100は、適切なタイミングおよび内容でユーザが位置するエリアに関連する特典を提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0045】
また、特典提供部150は、ユーザの位置を中心にして所定の範囲内(例えば、半径100mの範囲内)に対応する特典を特定してもよい。例えば、特典提供部150は、ユーザ情報D111を参照して、ユーザの位置を特定する。特典提供部150は、事業者情報D114を参照して、ユーザの位置を中心として所定の範囲内に存する事業者を特定する。特典提供部150は、特典情報D113を参照して、特定した事業者に対応する特典を特定する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザの行動の変化をとらえて、ユーザの位置から、例えば、歩いて到達可能な位置でクーポンが取得できることをユーザに示すことによって、ユーザに行動を喚起するとともに、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0046】
また、特典提供部150は、ユーザの行動の状況に対応する特典を特定してもよい。例えば、特典提供部150は、ユーザ情報D111を参照して、ユーザの行動区分(例えば、「走り」)を特定する。特典提供部150は、事業者情報D114を参照して、ユーザの行動区分と同様の行動区分(ここでは、「走り」)が設定されている事業者を特定する。特典提供部150は、特典情報D113を参照して、特定した事業者に対応する特典を特定する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザの行動の状況に応じた適切な内容の特典をユーザに提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0047】
また、特典提供部150は、行動変化判定部130において、現在期間である第1の期間(例えば、「日」)に、過去期間である第2の期間であって、現在期間よりも長い期間(例えば、「週」や「月」)の行動とは異なる行動を取っていないと判定された場合、ユーザに提供する特典を特定してもよい。換言すると、特典提供部150は、行動変化判定部130において、所定の期間(例えば、1ケ月)、ユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていないと判定された場合、ユーザに提供する特典を特定してもよい。この場合、特典提供部150は、例えば、上記のように、購入利用履歴に基づいて特典を特定してもよいし、ユーザの位置に基づいて特典を特定してもよい。これにより、情報提供サーバ100は、過去の一定の期間において行動に変化がないユーザに対して行動を促すことによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0048】
表示処理部160は、ユーザ端末200の表示部に表示させる画面を生成する。表示処理部160は、特典提供部150で特定された特典の特典情報を含む画面を、ユーザ端末200に送信する。画面を送信するとは、例えば、情報提供サーバ100が、ユーザ端末200に画面を送信することが含まれ、また、ユーザ端末200側のブラウザに画面表示用のデータを送信することが含まれてもよい。
【0049】
===情報提供サーバ100の処理手順===
図8を参照して、情報提供サーバ100の処理手順について説明する。
図8は、情報提供サーバ100の処理手順の一例を示すフロー図である。
図8では、一例として、ユーザが平日(例えば8月16日~8月20日)に東京の会社で勤務をして、週末の土曜日(例えば8月21日)に登山する状況における、情報提供サーバ100の処理手順について説明する。
【0050】
ステップS100において、情報提供サーバ100は、例えば、ユーザ端末200から所定の時間間隔で行動パラメータを取得する。情報提供サーバ100は、取得した行動パラメータ(例えば、「緯度および経度」や「歩数」など)を記憶部110のユーザ情報D111に記憶する。
【0051】
ステップS101において、情報提供サーバ100は、ユーザ情報D111を参照して、ユーザが普段とは異なる行動を取っているか否かを判定する。
【0052】
情報提供サーバ100は、ユーザが普段と異なる行動を取っていると判定された場合(ステップS101:YES)、ステップS103に処理を移行する。具体的には、情報提供サーバ100は、週末においてはユーザが普段と異なる行動を取っているため、
図7に示すように、8月20日(出発前)のそれぞれの時間と8月21日のそれぞれの時間との間のユークリッド距離L1が、ユーザの行動に変化がないときのユークリッド距離L2よりも大きくなるため、類似性指標(例えば、「0.5」)が小さくなる。情報提供サーバ100は、類似性指標が閾値未満と判定して、ユーザが普段と異なる行動を取っていると判定する。
【0053】
情報提供サーバ100は、ユーザが普段と異なる行動を取っていないと判定された場合(ステップS101:NO)、ステップS102に処理を移行する。具体的には、情報提供サーバ100は、平日においてはユーザが普段通りのルートで会社に行き普段通りのルートで会社から帰宅するため、
図7に示すように、8月19日のそれぞれの時間と8月20日のそれぞれの時間との間の類似性指標はほぼ「1」となる。情報提供サーバ100は、類似性指標が閾値以上と判定して、ユーザが普段と異なる行動を取っていないと判定する。
【0054】
ステップS102において、情報提供サーバ100は、ユーザが普段と異なる行動を取っていない日が所定の日数を経過したか否かを判定する。情報提供サーバ100は、所定の日数(例えば、2週間)を経過していないと判定した場合、ステップS101から処理を繰り返す。情報提供サーバ100は、ユーザが普段と異なる行動を取っていない日が所定の日数(例えば、2週間)を経過したと判定した場合、ステップS103に処理を移行する。この場合、情報提供サーバ100は、ユーザに単調な日々に変化を加えたいという欲求が生じていると評価して、例えば、ユーザに外出を促す特典を送信する。
【0055】
ステップS103において、情報提供サーバ100は、ユーザ端末200に特典を特定する。具体的には、情報提供サーバ100は、特典提供部150において、例えば、ユーザが普段と異なる行動を取っていると判定された時点の、ユーザの緯度および経度、ユーザの購入利用履歴、ユーザの行動区分、またはユーザの位置するエリアのカテゴリーの少なくともいずれかに基づいて、特典を特定する。例えば、情報提供サーバ100は、ユーザの行動パラメータに基づきエリアのカテゴリーが例えば「登山」であると特定された場合、特典情報D113を参照して、エリアのカテゴリーに対応する特典カテゴリーを特定してもよい。情報提供サーバ100は、特定した特典カテゴリーに対応する特典として、例えば、登山グッズやお土産などに関する特典(例えば、割引クーポン)などを特定してもよい。
【0056】
ステップS104において、情報提供サーバ100は、表示処理部160において、特典情報を含む画像を生成する。情報提供サーバ100は、ユーザ端末200に当該画像を送信する。これにより、ユーザは、自らのユーザ端末200を通じて特典を取得することができる。
===情報提供サーバ100の変形例===
【0057】
図9を参照して、情報提供サーバ100aの変形例について説明する。
図9は、情報提供サーバ100aの構成の変形例を示す図である。なお、
図9において、
図1と同じ符号を付した構成要素については、情報提供サーバ100の構成要素と同じものであるとして、その説明を省略する。
図9に示すように、情報提供サーバ100aは、学習部170aをさらに備えていてもよい。学習部170aは、ユーザの過去の特典の利用状況に基づき、ユーザに最適な特典を提供するため学習済みモデルを学習させる機能である。学習済みモデルは、過去におけるエリアのカテゴリーに基づきユーザに提供された特典に関する情報と、当該特典をユーザが利用したか否かに関する情報とに基づき学習されるモデルである。具体的には、学習部170aは、過去におけるエリアのカテゴリーに基づきユーザに提供された特典情報に、当該特典をユーザが利用したか否かの結果を示す情報を正解ラベルとして付けて、教師データを生成する。学習部170aは、教師データによってモデルを学習させることで、学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、例えば、ランダムフォレスト、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン、ニューラルネットワークなどで構成されていてもよい。情報提供サーバ100aの特典提供部150は、行動変化判定部130でユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、ユーザが位置するエリアのカテゴリーに関する情報を学習済みモデルに入力する。特典提供部150は、学習済みモデルから出力される情報に基づいて、当該ユーザに提供すべき適当な特典を特定する。表示処理部160aは、特定された特典に関する特典情報を含む画像を、ユーザ端末200に送信する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザの位置において当該ユーザにとって適切な特典を提供できるため、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0058】
また、情報提供サーバ100aは、表示処理部160aにおいて、ユーザ端末200の表示部1007に表示される画面であって、地図上にクーポンを表示させた画面を生成してもよい。この場合、特典提供部150aは、例えば、行動変化判定部130でユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、ユーザの行動パラメータ(ここでは、緯度および経度を示す情報)に基づいて、ユーザを中心として所定の半径の範囲内(例えば、半径100mの範囲内)に対応する特典を特定する。表示処理部160aは、例えば、行動変化判定部130でユーザが現在期間に過去期間の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、ユーザの行動パラメータに基づいて、ユーザ端末200の表示部に表示される地図上に、ユーザを中心として所定の半径の範囲内(例えば、半径100mの範囲内)に対応する特典を示すアイコンが表示されるクーポン表示画面T10を生成する。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザに視覚的にクーポンを取得できる位置を知らせることによって、ユーザが特典を取得することについての趣向性を向上できる。
【0059】
ここで、
図10を参照して、表示処理部160aで生成される特典表示画面T10について説明する。
図10は、特典表示画面T10の一例を示す図である。特典表示画面T10は、例えば、ユーザ端末200の表示部1007に表示させる画面である。
図10に示すように、特典表示画面T10は、例えば、地図画像T11と、特典説明画像T12とを含む。地図画像T11は、地図データ上に、ユーザの位置を中心として特典を取得可能な位置を表示する画像である。地図画像T11は、例えば、地図データ上に、現在地オブジェクトT11aと、特典オブジェクトT11bと、特典名オブジェクトT11cとを含む。現在地オブジェクトT11aは、ユーザの現在地を示すオブジェクトである。特典オブジェクトT11bは、例えば、ユーザに特典が付与される位置を示すオブジェクトである。特典オブジェクトT11bは、特典を利用可能な店舗の位置に対応して表示されてもよい。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザを特典が付与される店舗まで移動させることによって、ユーザの健康の改善を図ることができる。特典名オブジェクトT11cは、特典の名称を吹き出し表示するオブジェクトである。特典説明画像T12は、ユーザによって選択された特典オブジェクトT11bの特典内容を表示するオブジェクトである。特典説明画像T12は、例えば、特典名欄オブジェクトT12aおよび特典内容オブジェクトT12bを含む。特典名欄オブジェクトT12aは、特典の名称を表示する欄である。特典内容オブジェクトT12bは、特典の内容を表示する欄である。これにより、情報提供サーバ100は、ユーザが気になる特典をタップすることによって、当該特典の内容を確認できるため、ユーザを特典が付与される位置に誘導できる。
【0060】
===ユーザ端末200の構成===
図1に戻り、ユーザ端末200の構成について説明する。ユーザ端末200は、例えば、情報提供サーバ100から取得した情報に基づき、各種画像を表示部1007に表示させる。ユーザは、ユーザ端末200の表示部1007に表示される特典情報を使用して、事業者の店舗などで特典を利用することができる。ユーザ端末200は、例えば、記憶部210と、取得部220と、表示処理部230と、送信部240とを含む。記憶部210は、例えば各種情報を記憶する。取得部220は、例えば、各種画像を情報提供サーバ100から取得する。表示処理部230は、例えば、情報提供サーバ100から取得した各種画像に関する情報を表示部1007に表示させる。送信部240は、例えば各種情報を情報提供サーバ100に送信する。
【0061】
===事業者サーバ300の構成===
図1に戻り、事業者サーバ300の構成について説明する。事業者サーバ300は、例えば、情報提供サーバ100に事業者の店舗におけるユーザの購入情報を送信する。事業者サーバ300は、例えば、記憶部310と、取得部320と、送信部330とを含む。記憶部310は、例えば各種情報を記憶する。取得部320は、例えば、情報提供サーバ100から各種情報を取得する。送信部330は、例えば各種情報を情報提供サーバ100に送信する。
【0062】
===ハードウェア構成===
情報提供システム10は、上記で記載する機能を実現できる情報処理装置であればどのような装置であってもよい。情報提供システム10は、限定でなく例として、クラウドコンピュータ、サーバコンピュータ、パーソナルコンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、あるいは他種のコンピュータなどで構成されていてもよい。なお、情報提供システム10における処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータ(限定ではなく例として、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティング)により実現されていてもよいし、そうでなくてもよい。
【0063】
図11を参照して、情報提供システム10をコンピュータで実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。
図11は、コンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0064】
図11に示すように、コンピュータ1000は、プロセッサ1001と、メモリ1002と、記憶装置1003と、入力I/F部1004と、データI/F部1005と、通信I/F部1006、及び表示部1007を含む。
【0065】
プロセッサ1001は、メモリ1002に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ1000における各種の処理を制御する制御部である。
【0066】
メモリ1002は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ1002は、プロセッサ1001によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0067】
記憶装置1003は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置1003は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。
【0068】
入力I/F部1004は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部1004の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサー、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部1004は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続されても良い。
【0069】
データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部1005の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部1005は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部1005は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000へと接続される。
【0070】
通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部1006は、コンピュータ1000の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部1006は、例えばUSB等のインターフェースを介してコンピュータ1000に接続される。
【0071】
表示部1007は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示部1007の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示部1007は、コンピュータ1000の外部に設けられても良い。その場合、表示部1007は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ1000に接続される。また、入力I/F部1004としてタッチパネルが採用される場合には、表示部1007は、入力I/F部1004と一体化して構成することが可能である。
【0072】
===まとめ===
本実施形態における情報提供システム10は、現在期間(第1の期間)(例えば、1日、複数日、週の中央値、週の平均など)のユーザの行動に関する行動パラメータ(第1のパラメータ)(例えば、緯度経度、歩数など)と、現在期間(第1の期間)よりも前の期間である過去期間(第2の期間)(例えば、1日、複数日、週の中央値、週の平均など)のユーザの行動に関する行動パラメータ(第2のパラメータ)(例えば、緯度経度、歩数など)と、に基づいて、現在期間(第1の期間)におけるユーザの行動と過去期間(第2の期間)におけるユーザの行動との類似性を示す類似性指標(指標)を特定する類似性特定部120と、類似性を示す類似性指標(指標)に基づいて、ユーザが現在期間(第1の期間)に過去期間(第2の期間)の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定する行動変化判定部130と、行動変化判定部130でユーザが現在期間(第1の期間)に過去期間(第2の期間)の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、ユーザに対して、ユーザが利用するサービスまたは購入する商品の少なくともいずれかに利用可能な特典を提供する特典提供部150と、を備える。これにより、ユーザの行動に応じた適切なタイミングでユーザに特典を提供することができるため、ユーザにサービスの利用意欲や商品の購入意欲が生じたタイミングを逃さず、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。さらに、情報提供システム10は、ユーザのライフタイムイベントをとらえることができるため、ユーザを過去の購入利用履歴には無いサービス群の利用や商品群の購入にアクセスさせることができる。また、情報提供システム10は、事業者の顧客リストのみならず、情報提供サーバ100の記憶部110に記憶されているユーザに特典情報を配信可能となるため、事業者の集客力を向上できる。
【0073】
また、本実施形態における情報提供システム10は、行動変化判定部130でユーザが現在期間(第1の期間)に過去期間(第2の期間)の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、現在期間(第1の期間)の過去において、ユーザが利用したサービスまたは購入した商品の少なくともいずれかの履歴を特定する履歴特定部140をさらに備え、特典提供部150は、購入利用履歴情報D112(履歴)に基づいて、特典を提供する。これにより、情報提供システム10は、ユーザに適切なタイミングおよび内容で特典を提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0074】
また、本実施形態における情報提供システム10の特典提供部150は、購入利用履歴情報D112(履歴)に基づいて、ユーザが過去に利用していないサービスまたは購入していない商品の少なくともいずれかに関連する特典を提供する。これにより、情報提供システム10は、ユーザに新たな行動を惹起させて、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0075】
また、本実施形態における情報提供システム10の現在期間(第1の期間)の行動パラメータ(第1のパラメータ)および過去期間(第2の期間)の行動パラメータ(第2のパラメータ)は、ユーザの位置を示す情報である位置情報(例えば、緯度および経度に関する情報)であり、特典提供部150は、位置に対応するエリアのカテゴリーに基づいて、特典を提供する。これにより、情報提供システム10は、適切なタイミングおよび内容でユーザが存するエリアに関連する特典をユーザに提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0076】
また、本実施形態における情報提供システム10の特典提供部150は、過去におけるエリアのカテゴリーに基づきユーザに提供された特典に関する情報と、当該特典をユーザが利用したか否かに関する情報と、に基づき学習された学習済みモデルに、位置に対応するエリアのカテゴリーに関する情報を入力することによって学習済みモデルから出力される情報に基づいて、特典を提供する。これにより、情報提供システム10は、ユーザの位置において当該ユーザにとって適切な特典を提供することによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0077】
また、本実施形態における情報提供システム10の類似性特定部120は、第1の期間の行動パラメータ(第1のパラメータ)と、第2の期間よりも長い期間である第3の期間のユーザの行動に関する行動パラメータ(第3のパラメータ)と、に基づいて、第1の期間におけるユーザの行動と第3の期間におけるユーザの行動との類似性を示す類似性指標を特定し、行動変化判定部130は、第1の期間におけるユーザの行動と第3の期間におけるユーザの行動との類似性を示す類似性指標に基づいて、ユーザが第1の期間に第3の期間の行動とは異なる行動を取っているか否かを判定し、特典提供部150は、行動変化判定部130において、ユーザが第1の期間に第3の期間の行動とは異なる行動を取っていないと判定された場合、ユーザに対して、特典を提供する。これにより、情報提供システム10は、過去の一定の期間において行動に変化がないユーザに対して行動を促すことによって、ユーザに対してサービス利用や商品購入を喚起させる。
【0078】
また、本実施形態における情報提供システム10は、行動変化判定部130でユーザが現在期間(第1の期間)に過去期間(第2の期間)の行動とは異なる行動を取っていると判定された場合、位置を示す情報である位置情報に基づいて、ユーザのユーザ端末200(端末装置)の表示部1007に表示される地図上に、ユーザの位置を中心にした所定の範囲のエリアに対応する特典を表示させる表示処理部160aをさらに備える。これにより、情報提供システム10は、ユーザに視覚的にクーポンを取得できる位置を知らせることによって、ユーザが特典を取得することについての趣向性を向上できる。
【0079】
なお、本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。また、上記実施の形態で記載された情報提供システム10における、情報提供サーバ100、ユーザ端末200、および事業者サーバ300が備える構成要素は、記憶装置1003に格納されたプログラムがプロセッサ1001によって実行されることで、定められた処理が他のハードウェアと協働して実現されるものとする。また、言い換えれば、これらの構成要素は、ソフトウェア又はファームウェアとしても、それと対応するハードウェアとしても想定され、その双方の概念において、「機能」、「手段」、「部」、「処理回路」、「ユニット」、又は「モジュール」等とも記載され、またそれぞれに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0080】
10…情報提供システム、100…情報提供サーバ、110…記憶部、120…類似性特定部、130…行動変化判定部、140…履歴特定部、150…特典提供部、160…表示処理部、200…ユーザ端末、300…事業者サーバ。