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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】集塵装置
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/40 20060101AFI20240124BHJP
   B03C 3/47 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
B03C3/40 B
B03C3/47
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022535938
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2021130279
(87)【国際公開番号】W WO2022217909
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2022-06-13
(31)【優先権主張番号】202110403281.5
(32)【優先日】2021-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】冉 宏宇
(72)【発明者】
【氏名】章 燕
(72)【発明者】
【氏名】劉 義剛
(72)【発明者】
【氏名】路 尭遠
(72)【発明者】
【氏名】李 鴻強
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111167608(CN,A)
【文献】特表2021-500216(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105413874(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第104741236(CN,A)
【文献】中国実用新案第207338712(CN,U)
【文献】特開2008-296127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B03C3/00-11/00
F24F8/00-8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集塵装置であって、
収容室が形成された台体と、仕切板と、反発モジュールと、収集モジュールと、を備え、
前記仕切板は、間隔をあけて配列される複数の第1スロットと複数の第2スロットとを形成するように、前記収容室に設けられ、前記第1スロットは前記仕切板の一面に位置し、前記第2スロットは前記仕切板の他面に位置し、
前記反発モジュールは、平行配列される複数の反発極板を有し、前記複数の反発極板は前記複数の第1スロット内に設けられ、
前記収集モジュールは、平行配列される複数の第1収集極板を含む第1収集ユニットと、平行配列される複数の第2収集極板を含む第2収集ユニットとを有し、前記第1収集ユニットと前記第2収集ユニットとは取り外し可能に差し込まれ、前記複数の第1収集極板と前記複数の第2収集極板とは間隔をあけて配列され、前記複数の第1収集極板と前記複数の第2収集極板とがいずれも同一方向から前記複数の第2スロット内に差し込まれるように、前記収集モジュールは前記台体に取り外し可能に接続されることを特徴とする集塵装置。
【請求項2】
第1収集極板及び第2収集極板は何れも金属板であることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
各収集ユニットはそれぞれ2つの接続板を備え、前記2つの接続板はそれぞれ複数の収集極板の長辺の両端に位置するとともに、複数の収集極板の短辺に接続されることを特徴とする請求項2に記載の集塵装置。
【請求項4】
各収集極板の少なくとも1つの長辺には円管が設けられ、前記円管の軸方向は前記長辺の延伸方向に平行し、前記円管の外面は前記長辺に接続されることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項5】
前記収容室は、1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁を備え、前記第1側壁と前記第2側壁とは対向配置され、前記第3側壁と前記第4側壁とは対向配置され、前記第1側壁の一端は前記第3側壁の一端に接続され、前記第3側壁の他端は前記第2側壁の一端に接続され、前記第2側壁の他端は前記第4側壁の一端に接続され、前記第4側壁の他端は前記第1側壁の他端に接続され、前記第1側壁及び前記第2側壁にはそれぞれ前記仕切板が設けられることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項6】
前記第1側壁及び前記第2側壁の長さは、前記第3側壁及び前記第4側壁の長さより大きいことを特徴とする請求項5に記載の集塵装置。
【請求項7】
各第2スロット内には少なくとも1対の突起が設けられ、各対の突起は収集極板を挟持するように、対向配置されることを特徴とする請求項1に記載の集塵装置。
【請求項8】
各突起は何れも第1表面及び第2表面を備え、前記第1表面は第2スロットの開口に、前記第2表面は前記第2スロットの底面に対向し、前記第1表面は斜面であり、前記第1表面の、仕切板に接続される一端は、前記第2スロットの開口に近接し、前記第1表面の他端は前記第2スロットの開口から離れることを特徴とする請求項7に記載の集塵装置。
【請求項9】
前記第2表面は弧面であることを特徴とする請求項8に記載の集塵装置。
【請求項10】
前記第2表面は前記第2スロットの開口から離れる方向に湾曲することを特徴とする請求項9に記載の集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の援用>
本特許出願は2021年4月14日にて提出された中国特許出願2021104032815の優先権を主張し、これらの出願の全文は本出願に援用される。
本出願は空気清浄機器の技術分野に関し、具体的に、集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
静電集塵技術による空気清浄機器は一般的に、吸気口と排気口との間に配置される発生極及び収集極を備え、発生極は正電荷を付けるように空気分子を電離させ、空気分子は排気口に流れる過程で、他の粒子状物質と衝突することで、それに正電荷を付けさせ、これによって、空気中の他の粒子状物質、例えば塵を最終的に、負電荷付きの収集極に吸着させる。収集極は収集モジュールと反発モジュールとを備え、収集モジュールは、間隔をあけて配置される複数の収集極板を有し、反発モジュールは間隔をあけて配置される複数の反発極板を有し、複数の収集極板と複数の反発極板とは、相互の間隔内に互いに交差し、収集極板は負電荷を付けて、吸着作用を果たし、反発極板は正電荷を付けて、反発作用を果たし、塵は収集極を経る場合、吸着力と反発力との共同作用で、収集極板に運動する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空気清浄機器をしばらく使用した後、収集モジュールを取り外して、洗浄し除塵する必要がある。収集モジュールにおいて、複数の収集極板の間の間隔距離が小さいため、取り外された後、間隔内で操作し、収集極板の表面を洗浄し難い。ところが、洗浄が完成した後、組み立てる場合、ある収集極板は変形や外力のため、隣接する収集極板と同一の反発極板の間隔内に入る恐れがあるので、当該位置での収集極板は反発極板に貼合され、発火現象が生じる。従って、洗浄しやすいとともに、高い組立フォールトトレランスを有する集塵装置を必要とする。
【0004】
本出願は、洗浄しやすい問題と高い組立フォールトトレランスの問題とを両立させる集塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施例は以下のように実現し、
第1の態様によれば、本出願の実施例は集塵装置を提供し、
収容室が形成された台体と、仕切板と、反発モジュールと、収集モジュールと、を備え、
前記仕切板は、間隔をあけて配列される複数の第1スロットと複数の第2スロットとを形成するように、前記収容室に設けられ、前記第1スロットは前記仕切板の一面に位置し、前記第2スロットは前記仕切板の他面に位置し、
前記反発モジュールは、平行配列される複数の反発極板を有し、前記複数の反発極板は前記複数の第1スロット内に設けられ、
前記収集モジュールは、平行配列される複数の第1収集極板を含む第1収集ユニットと、平行配列される複数の第2収集極板を含む第2収集ユニットとを有し、前記第1収集ユニットと前記第2収集ユニットとは取り外し可能に差し込まれ、前記複数の第1収集極板と前記複数の第2収集極板とは間隔をあけて配列され、前記複数の第1収集極板と前記複数の第2収集極板とがそれぞれ前記複数の第2スロット内に差し込まれるように、前記収集モジュールは前記台体に取り外し可能に接続される。
【0006】
本出願の技術案において、洗浄を便利にするために、収集モジュールは、取り外し可能に差し込まれる第1収集ユニット及び第2収集ユニットとして配置され、収集モジュールを取り外した後、第1収集ユニット及び第2収集ユニットを分解することで、隣接する収集極板の間の間隔を大きくして、これによって、間隔内で操作し、収集極板の表面を清掃するのに便利であり、上記配置は、洗浄後の組立ステップを増やし、組立誤差率を大きくするが、台体における仕切板は収集モジュールと反発モジュールとを仕切り、収集極板と反発極板とはそれぞれ仕切板の両面に位置するため、組立誤差による発火現象の発生を避ける。
【0007】
つまり、本出願において、分離型の収集モジュールと仕切板を有する台体との結合によって、第1収集ユニットと第2収集ユニットとの組立不良による発火問題、及び、収集モジュールと反発モジュールとの組立不良による発火問題を避け、組立誤差を無視でき、高い組立フォールトトレランスを具備し、組立が便利であるという効果、及び洗浄しやすいという効果を備える。
【0008】
本出願の一つの実施例において、第1収集極板及び第2収集極板は何れも金属板である。
【0009】
金属板は変形しやすいため、組立誤差が生じやすく、従来技術において、収集極板は一般的に炭素繊維樹脂強化板から製造される。上記技術案は従来技術と反対し、組立フォールトトレランスが高い場合、第1収集極板及び第2収集極板を金属板として配置し、金属板の抵抗値が小さく、且つその表面抵抗値が均一であり、炭素繊維樹脂強化板に対して、集塵効率を向上させる。また、金属板の表面が滑らかであるため、洗浄及び乾燥に便利である。
【0010】
本出願の一つの実施例において、各収集ユニットはそれぞれ2つの接続板を備え、前記2つの接続板はそれぞれ複数の収集極板の長辺の両端に位置するとともに、複数の収集極板の短辺に接続される。
【0011】
上記技術案において、各収集ユニットにおける各収集極板は個別に取り外され及び交換されることができ、メンテナンスのコストを低減させ、ある収集極板の組立が不当であれば、取り外され、改めて取り付けられることができ、組立フォールトトレランスをさらに向上させる。
【0012】
本出願の一つの実施例において、各収集極板の少なくとも1つの長辺には円管が設けられ、前記円管の軸方向は前記長辺の延伸方向に平行し、前記円管の外面は前記長辺に接続される。
【0013】
上記技術案において、円管は収集極板の構成強度を向上させ、収集極板は変形し難くなり、組立誤差率を低減させる。
【0014】
本出願の一つの実施例において、前記収容室は、順に端から端まで接続される第1側壁、第2側壁、第3側壁、及び第4側壁を備え、前記第1側壁と前記第2側壁とは対向配置され、前記第3側壁と前記第4側壁とは対向配置され、前記第1側壁及び前記第2側壁にはそれぞれ前記仕切板が設けられる。
【0015】
上記技術案において、収集モジュール全体は収容室に挿入されることができ、これによって、各収集極板を第2スロット内に位置させ、組立は便利である。
【0016】
本出願の一つの実施例において、前記第1側壁及び前記第2側壁の長さは、前記第3側壁及び前記第4側壁の長さより大きい。
【0017】
上記技術案において、収集極板及び反発極板はそれぞれ収容室の長さ方向に沿って配列されることで、収集極板及び反発極板の長さが相対的に小さくて、収集極板の強度が相対的に高くて、変形し難く、組立誤差率を低減させる。
【0018】
本出願の一つの実施例において、各第2スロット内には少なくとも1対の突起が設けられ、各対の突起は収集極板を挟持するように、対向配置される。
【0019】
上記技術案において、各対の突起は係合し、収集極板をさらに固定し、反発極板と収集極板との間の距離を限定し、収集極板が組立てられた後、その間の距離が均一であるように保証することで、電界を均一且つ一致にして、各収集極板の集塵効率が相当し、高い集塵効率を保証する。
【0020】
本出願の一つの実施例において、各突起は何れも第1表面及び第2表面を備え、前記第1表面は第2スロットの開口に向いて、前記第2表面は前記第2スロットの開口に対向し、前記第1表面は斜面であり、前記第1表面の、仕切板に接続される一端は、前記第2スロットの開口に近接し、前記第1表面の他端は前記第2スロットの開口から離れる。
【0021】
上記技術案において、第1表面はガイド効果を有し、2つの突起の間に入るように、収集極板を案内する。
【0022】
本出願の一つの実施例において、前記第2表面は弧面である。
【0023】
上記技術案において、第2表面は弧面であることで、突起はより弾性変形しやすくなり、収集極板は2つの突起をより容易に押し分けて、両者の間に入って、且つ2つの突起は跳ね返った後、収集極板をよりよく締め付け、組立を便利にして、組立安定性を向上させる。
【0024】
本出願の一つの実施例において、前記第2表面は前記第2スロットの開口から離れる方向に湾曲する。
【0025】
上記技術案において、収集極板が容易に入って、且つ意外に脱出し難くなるように、第2表面は下に湾曲し、組立安定性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本出願の実施例の技術案をより明らかに説明するために、以下は本出願の実施例の必要な図面を簡単に紹介し、ここで、以下の図面は本出願のいくつかの実施例のみを示すため、範囲に対する限定としてみなされるべきではなく、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づき、他の関連図面を取得できる。
図1】本出願の実施例が提供する集塵装置の構成模式図である。
図2】本出願の実施例が提供する集塵装置及び収集モジュールの分解図である
図3】本出願の実施例が提供する集塵装置の断面図である。
図4】本出願の実施例が提供する収集モジュールの構成模式図である。
図5】本出願の実施例が提供する第1収集ユニット及び第2収集ユニットの分解図である。
図6】本出願の実施例が提供する収集モジュールの組立構成図である。
図7】本出願の実施例が提供する収集モジュールの他の組立構成図である。
図8】本出願の実施例が提供する収集モジュールの別の組立構成図である。
図9】本出願の実施例が提供する収集モジュールのさらなる組立構成図である。
図10】A部分の拡大図である。
図11】出願の実施例が提供する反発モジュールの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の実施例の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下は本出願の実施例の図面を結合して、本出願の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例である。一般的に、ここで、図面に記載の本出願の実施例のユニットは、いろんな異なる配置で設置及び設計してもよい。
【0028】
従って、以下、図面に提供される本出願の実施例に対する詳しい記載は、保護を請求する本出願の範囲を限定していなく、ただ本出願の選定の実施例を示す。本出願の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例はいずれも本出願の保護範囲に該当する。
【0029】
ここで、類似する符号及び英文字は以下の図面において類似項目を表し、従って、ある一項が一つの図面において定義されれば、以降の図面においてそれをさらに定義及び解釈する必要がない。
【0030】
本出願の記載において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などが指示する方位、又は位置関係が図面による方位又は位置関係であり、或いは、当該出願製品を使用する際、通常の配置方位又は位置関係であれば、示される装置又は素子が特定の方位を具備し、特定の方位で構造及び操作されなければならないと指示又は暗示していなく、ただ本出願を記載し、及び記載を簡略化するため、本出願に対する限定として理解されるべきではない。また、本出願の記載には用語「第1」、「第2」があれば、相対的な重要性を指示又は暗示していなく、ただ区分し記載する。
【0031】
また、本出願の記載には「水平」、「垂直」などの用語があれば、部品が絶対に水平又は懸垂であるように要求していなく、少し傾斜してもよい。例えば、「水平」は、ただその方向が「垂直」より、水平であることを指し、当該構成が完全に水平でなければならないという意味ではなく、少し傾斜してもよい。
【0032】
また、本出願の記載において、明らかな規定及び限定がない限り、用語「配置」、「取付」、「連結」、「接続」は、広義に解され、例えば、固定接続、取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよいし、機械接続、電気接続であってもよいし、直接連結、中間媒体による間接連結、又は2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に基づき、上記用語の、本出願での具体的な意味を理解すればよい。
【0033】
実施例
本出願は集塵装置を提供し、洗浄しやすいという特点、及び高い組立フォールトトレランスを具備するため、当該集塵装置はいつでも取り外され、洗浄されることができ、洗浄後の組立が便利であり、組立誤差による発火問題が生じ難い。
【0034】
図1及び図2に示すように、集塵装置は台体1、反発モジュール2及び収集モジュール3を備える。
【0035】
台体1内には収容室が形成され、収容室は順に端から端まで接続される第1側壁11、第2側壁12、第3側壁13、及び第4側壁14を備え、第1側壁11と第2側壁12とは対向し、第3側壁13と第4側壁14とは対向する。
【0036】
図3に示すように、第1側壁11及び第2側壁12にはそれぞれ仕切板15が設けられ、仕切板15は、所在する側壁の表面に突出し、S字状を呈し、間隔をあけて配列される複数の第1スロット151と複数の第2スロット152とを形成する。
【0037】
第1スロット151は仕切板15の一面に位置し、第2スロット152は仕切板15の他面に位置する。
【0038】
反発モジュール2は平行配列される複数の反発極板21を備え、各反発極板21はそれぞれ第1スロット151内に設けられる。
【0039】
収集モジュール3は台体1に取り外し可能に接続され、図4及び図5に示すように、収集モジュール3は第1収集ユニット31と第2収集ユニット32とを備える。
【0040】
第1収集ユニット31は平行配列される複数の第1収集極板311を備え、隣接する第1収集極板311の間の距離は2Lである。
【0041】
第2収集ユニット32は平行配列される複数の第2収集極板321を備え、隣接する第2収集極板321の間の距離は2Lである。
【0042】
本出願の実施例に言及される第1収集極板311及び第2収集極板321は何れも負電荷付きの収集極板であり、塵などの粒子状物質の構成を収集する。
【0043】
第1収集ユニット31及び第2収集ユニット32は取り外し可能に差し込まれることで、複数の第1収集極板311は複数の第2収集極板321の間隔内に交差し、第1収集極板311と、隣接する第2収集極板321との間の距離はLである。
【0044】
収集モジュール3は台体1に接続される場合、各収集極板はそれぞれ第2スロット152内に差し込まれることで、複数の収集極板と複数の反発極板21とは交差するように間隔をあける。
【0045】
本出願の実施例が提供する集塵装置を洗浄しようとする場合、まず、収集モジュール3を台体1から取り外し、そして、収集モジュール3を第1収集ユニット31及び第2収集ユニット32に分解することで、収集極板の間の間隔距離をLから2Lに増加させ、ブラシ、雑巾などの工具を利用して、間隔に入り込んで、収集極板の表面を清掃できる。
【0046】
洗浄が完成した後、収集モジュール3を台体1に組み立てる前、まず、第1収集ユニット31と第2収集ユニット32とを収集モジュール3に組み合わせ、分解後、組立のステップを増やすため、第1収集極板311と第2収集極板321とが交互に間隔をあけて差し込まれていないという組立誤差という状況が生じやすい。組立誤差が存在する場合、2つの収集極板は同時に2つの反発極板21の間に位置する恐れがあり、発火現象を招致しやすい。
【0047】
即ち、まず、第1収集ユニット31及び第2収集ユニット32の組立際、組立誤差が発生し、そして、収集モジュール3及び台体1の組立際、組立誤差が発生し、組立誤差が発生する機会は2回あり、組立誤差率は大きくなる可能性がある。
【0048】
このような分離型収集モジュール3と本実施例が提供する仕切板15とを組み合わせることで、組立誤差率が大きくなるという問題を解決できる。仕切板15は収容室における収集モジュール3と反発モジュール2とを仕切り、収集極板及び反発極板21はそれぞれ仕切板15の両面に位置するため、収集極板には組立誤差が存在しても、反発極板21と接触することなく、発火現象を避ける。
【0049】
このように、本出願が提供する集塵装置のフォールトトレランスが高く、分離型収集モジュール3の組立誤差率が高いという問題を効果的に解決し、洗浄しやすい効果、及び組立が便利であるという効果を同時に具備する。
【0050】
好ましくは、第1側壁11及び第2側壁12の長さは、第3側壁13及び第4側壁14の長さより大きい。収集極板及び反発極板21はそれぞれ収容室の長さ方向に沿って配列されることで、収集極板及び反発極板21の長さは相対的に小さくされてもよく、収集極板の構成強度を向上させ、相対的に変形し難くなり、組立誤差率を低減させる。
【0051】
金属板が変形しやすいという問題を考えると、分離型収集モジュール3に対して、金属板製の収集極板には組立誤差がより生じやすく、これによって、発火が発生し、金属の収集極板の発火問題を如何に解決するかということは、当分野の技術障害であるため、従来技術において、一般的に、炭素繊維樹脂強化板を利用して収集極板を製造する。
【0052】
炭素繊維樹脂強化板は導電性繊維(即ち、炭素繊維、金属繊維など)と樹脂基材とを混合した後、凝固成形され、マクロ的に、導電性繊維はバイパス、遷移などの方式で板材の導電を実現するが、ミクロ的に、樹脂の被覆のため、収集極板の表面抵抗が不均一になり、収集極板の表面には導電しない点が存在し、発生極の、極板に対するコロナ効率、及び収集極板の集塵効率を低減させ、実験によって、集塵効率は5%~10%低下することを証明する。
【0053】
本出願の実施例は従来技術と反対し、金属板を利用して収集極板を製造する。本実施例が提供する集塵装置は高い組立フォールトトレランスを備えるため、金属板を採用しても、組立誤差によって発火し難い。
【0054】
本出願の実施例の収集極板は金属板を採用するため、抵抗値が小さく、抵抗値が均一であるという特点を具備し、集塵効率を向上させる。また、収集極板の表面がより滑らかで、疎水性がより高く、表面に付着される塵などの粒子状物質をより容易に洗浄にできる。洗浄後、収集極板の表面には僅かな水滴が残留し、常温の25℃で、10~30分があれば、乾燥でき、又は直接的に乾いたタオルで乾かしてもよい。
【0055】
収集極板は金属板を利用して鍛造成形されることで、より薄い厚さを取得し、抵抗値をさらに低減させ、集塵効率を向上させる。
【0056】
収集極板の少なくとも1つの長辺には円管4が設けられ、円管4の軸方向は長辺の延伸方向に平行し、円管4の外面は長辺に接続されることで、収集極板の構成強度を向上させ、収集極板は変形し難くなり、組立誤差率を低減させる。
【0057】
円管4と収集極板とは一体成形される。例えば、金属板を利用して、収集極板を加工し製造する場合、長辺の縁をまくって、円管4を形成する。
【0058】
好ましくは、円管4は個別に成形された後、収集極板の長辺の縁に溶接されてもよい。
【0059】
炭素繊維樹脂補強材料を利用して収集板を製造する場合、一般的に、収集モジュール3全体はいずれも炭素繊維樹脂補強材料を利用し、一体としてダイカスト成形され、収集モジュール3におけるある収集極片が損壊すると、収集モジュール3全体を交換しなければならない。
【0060】
本実施例における各収集ユニットはそれぞれ2つの接続板を備え、2つの接続板はそれぞれ複数の収集極板の長辺の両端に位置するとともに、複数の収集極板の短辺に接続される。各収集ユニットにおける各収集極板は個別に取り外されることができ、ある収集極板の組立が不当であれば、取り外され、改めて取り付けられることができ、組立フォールトトレランスを向上させ、ある収集極板が損壊し、又はきれいに清掃されることができないと、個別に取り外され、交換されることができ、メンテナンスのコストを低減させる。
【0061】
図6は収集モジュール3の組立構成図を示し、接続板100aには2つのタング300aが形成され、2つのタング300aはそれぞれ接続板100aの両端に向かって逆方向に張り出し、収集極板200aの一端には2つの延伸部400aが形成され、2つの延伸部400aは逆方向に折り曲げられた後、2つのタング300aにそれぞれ引っ掛けられ、リベット押圧固定される。
【0062】
図7は収集モジュール3の他の組立構成図を示し、接続板100bには貫通隙間300bが形成され、収集極板200bの一端には延伸部400bが形成され、延伸部400bは挿通隙間リベット押し工程を採用し、貫通隙間300bに接続される。
【0063】
図8は収集モジュール3の別の組立構成図を示し、接続板100cにはタング300cが形成され、タング300cは接続板100cの一端に張り出し、収集極板200cの一端にはフック400cが形成され、フック400cはタング300cに引っ掛けられ、リベット押圧固定される。
【0064】
図9は収集モジュール3のさらなる組立構成図を示し、接続板100dにはピン穴300dが形成され、収集極板200dの一端にはリベット400dが形成され、リベット400dとピン穴300dとはピン穴リベット膨張工程で接続される。
【0065】
第1収集ユニット31は2つの第1接続板312を備え、2つの第1接続板312はそれぞれ複数の第1収集極板311の長辺の両端に位置するとともに、複数の収集極板の短辺に取り外し可能に接続され、第2収集ユニット32は2つの第2接続板322を備え、2つの第2接続板322はそれぞれ複数の第2収集極板321の長辺の両端に位置するとともに、複数の収集極板の短辺に取り外し可能に接続される。第1収集ユニット31及び第2収集ユニット32はそれぞれ図6図9の何れか1つの接続方式で接続成形されてもよいし、無論、他の方式で接続されてもよい。
【0066】
いくつかの実施例において、第1収集極板311はT字状を呈することで、第1収集極板311の両端に翼部313を形成し、第2接続板322には、翼部313を収容するためのスロット323が形成されることで、第1収集ユニット31と第2収集ユニット32とを便利に組み立てる。
【0067】
図5を参照し、翼部313は第1収集極板311の短辺の、より上側に位置し、第1接続板312は翼部313に接続され、第2接続板322は第2収集極板321の短辺の、より上側に位置し、第2接続板322でのスロット323は、第1接続板312の翼部313が入ることを許可するように、上向きの開口を具備する。
【0068】
第1接続板312及び第2接続板322には導電材料が設けられることで、各収集極板は並列接続されるように導通され、台体1での収集極電位接続部品16は、第1接続板312及び第2接続板322と同時に導通する。
【0069】
好ましくは、第1接続板312は第2接続板322の、第2収集極板321から離れる一面に貼合されることで、接続の安定性を強化させ、収集極電位接続部品16に接続されるのに便利である。
【0070】
いくつかの実施例において、台体1には凹溝18が形成され、凹溝18は収容室の側壁を貫通し、凹溝18内にはファスナ19が設けられ、第1接続板312には、凹溝18内に差し込まれるための差込部材314が形成され、ファスナ19は、差込部材314が上に脱出することを制限することで、台体1と収集モジュール3とを固定する。
【0071】
ファスナ19はU字状を呈し、U字状の両アームはねじりバネによって、凹溝18の側壁に接続され、凹溝18の開口を閉塞する。
【0072】
図1及び図3を結合し、2つの第1接続板312はそれぞれ収容室の第1側壁11及び第2側壁12に対応し、第1側壁11及び第2側壁12にはそれぞれファスナ19が設けられる。
【0073】
第1収集ユニット31と第2収集ユニット32とを収集モジュール3に組み立てた後、収集モジュール3を収容室に入れて、複数の第1収集極板311及び複数の第2収集極板321はそれぞれ複数の第2スロット152に入って、その同時、第1接続板312での差込部材314は、凹溝18に入るように、ファスナ19を押し出し、ファスナ19は復帰し、収集モジュール3と台体1との離間を制限する。
【0074】
いくつかの実施例において、仕切板15には複数の突起5が形成され、図10に示すように、各第2スロット152はそれぞれ1対の突起5を有し、各対の突起5は対向配置され、収集極板を挟持する。
【0075】
1対の突起5の挟持で、収集極板は第2スロット152内で揺動し難く、組立後、収集極板の間の距離が均一になり、各収集極板と隣接する反発極板21との間の距離が一定になり、均一且つ一致する電界を形成でき、各収集極板の集塵効率が相当し、ある収集極板の集塵効率が非常に低いため、全体の集塵効率を低減させることを避け、高い集塵効率を保証する。
【0076】
各突起5はいずれも第1表面51及び第2表面52を備え、第1表面51と第2表面52とは接続され、第1表面51は突起5の、第2スロット152の開口に近接する1側に位置し、第2表面52は突起5の、第2スロット152の開口に対向する1側に位置する。
【0077】
第1表面51は斜面として配置され、第1表面51の、仕切板15に接続される一端は、相対的に第2スロット152の開口に近接し、第1表面51の、第2表面52に接続される一端は、相対的に第2スロット152の開口から離れる。
【0078】
2つの突起5の第1表面51は、2つの突起5の間に入るように、収集極板を案内することで、組立抵抗を低減させ、組立を速めにする。
【0079】
第2表面52は弧面として配置されることで、突起5に優れた弾性変形能力を具備させ、収集極板は2つの突起5をより容易に押し分けて、両者の間に入る。2つの突起5は跳ね返った後、収集極板をよりよく締め付け、組立を便利にして、組立安定性を向上させる。
【0080】
好ましくは、第2表面52は下に湾曲し、即ち、第2表面52は、第2スロット152の開口から離れる方向に湾曲し、第2表面52の軸心線は突起5の、第2スロット152の開口から離れる1側に位置する。これによって、突起5は下に変形しやすくなり、上に変形し難くなり、収集極板は第1表面51に沿って2つの突起5の間に滑り込みやすいが、収集極板は第2スロット152の開口方向に移動する場合、2つの突起5は収集極板に噛み合うことができ、これによって、収集極板は意外に脱出し難く、一定の外力を付与する場合のみ、引き抜かれることができ、組立安定性を向上させる。
【0081】
発火をさらに防止するために、図11に示すように、各反発極板21にはそれぞれ絶縁スリーブ22が設けられる。
【0082】
絶縁スリーブ22は熱収縮工程で、反発極板21に外嵌されることで、反発極板21の両面は何れも絶縁材料で被覆され、反発極板21の両端のみが露出し、反発極板21の両端は接続ストリップ23によって並列接続されるように導通され、台体1に取り付けられる反発極電位接続部品17に接続される。反発極板21の両端は主に第1スロット151に差し込まれ、反発極板21の中部位置は絶縁スリーブ22で被覆されるため、反発極板21が収集極板と接触することによって、発火が発生する確率をさらに低減させる。
【0083】
以上は本出願を限定していなく、本出願の好適な実施例のみであり、当業者にとって、本出願はいろんな変更及び変化を有してもよい。本出願の精神及び原則内、完成した任意の補正、等価差替、改良などは、いずれも本出願の保護範囲内に該当すべきである。
【符号の説明】
【0084】
1 台体、
11 第1側壁、
12 第2側壁、
13 第3側壁、
14 第4側壁、
15 仕切板、
151 第1スロット、
152 第2スロット、
16 収集極電位接続部品、
17 反発極電位接続部品、
18 凹溝、
19 ァスナ、
2 反発モジュール、
21 反発極板、
22 絶縁スリーブ、
23 接続ストリップ、
3 収集モジュール、
31 第1収集ユニット、
311 第1収集極板、
312 第1接続板、
313 翼部、
314 差込部材、
32 第2収集ユニット、
321 第2収集極板、
322 第2接続板、
323 スロット、
4 円管、
5 突起、
51 第1表面、
52 第2表面、
100a 接続板、
200a 収集極板、
300a タング、
400a 延伸部、
100b 接続板、
200b 収集極板、
300b 貫通隙間、
400b 延伸部、
100c 接続板、
200c 収集極板、
300c タング、
400c フック、
100d 接続板、
200d 収集極板、
300d ピン穴、
400d リベット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11