IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 北京小米移動軟件有限公司の特許一覧

特許7425890ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体
<>
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図1
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図2
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図3
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図4
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図5
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図6
  • 特許-ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/51 20230101AFI20240124BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240124BHJP
   H04W 72/40 20230101ALI20240124BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240124BHJP
【FI】
H04W72/51
H04W52/02 110
H04W72/40
H04W92/18
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022554413
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 CN2020079041
(87)【国際公開番号】W WO2021179263
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シン
【審査官】久松 和之
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-118545(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0090198(US,A1)
【文献】国際公開第2017/138378(WO,A1)
【文献】特表2019-521597(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法であって、端末により実行され、
論理チャンネルに対応する宛先アドレスの不連続受信DRXパラメータ及びDRX状態を決定するステップであって、前記論理チャンネルは、送信対象のデータを持つ論理チャンネルであるステップと、
前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するステップと、を含み、
前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するステップは、
前記宛先アドレスの数が1つ又は複数であり、前記1つ又は複数の宛先アドレスにDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある場合、
前記1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するステップを含む、
ことを特徴とするダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法。
【請求項2】
前記方法は、
指定されたダイレクトリンクライセンスリソースにおいて、前記宛先アドレスに対応する各論理チャンネル中の送信対象のデータを送信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法。
【請求項3】
前記指定されたダイレクトリンクライセンスリソースは、ダウンリンク制御情報に基づいて決定されるか、又は予め配置された情報に基づいて決定されるか、又は前記端末によって自律的に選択される、
ことを特徴とする請求項に記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法。
【請求項4】
前記方法は、
前記宛先アドレスにDRXパラメータが配置されてスリープ状態にある場合、DRXが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法。
【請求項5】
ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置であって、
論理チャンネルに対応する宛先アドレスの不連続受信DRXパラメータ及びDRX状態を決定するように構成される決定ユニットであって、前記論理チャンネルは、送信対象のデータを持つ論理チャンネルである決定ユニットと、
前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するように構成される選択ユニットと、を含み、
前記選択ユニットは、1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するために用いられ、前記宛先アドレスの数が1つ又は複数であり、前記1つ又は複数の宛先アドレスにDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある
ことを特徴とするダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置。
【請求項6】
プロセッサと、
プロセッサによって実行可能な指令を記憶するためのメモリとを含み、
前記プロセッサは、請求項1~のいずれかに記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法を実行するように構成される、
ことを特徴とする端末。
【請求項7】
憶媒体中の指令がモバイル端末のプロセッサによって実行される場合、モバイル端末が請求項1~のいずれかに記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法を実行できるようにする、
ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信技術分野に関し、特にダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
端末間の直接通信を支援するために、ダイレクトリンク(Sidelink)通信方式を導入した。Sidelink通信方式では、Sidelinkの伝送はメディア介入制御(Medium Access Control、MAC)層のソース識別子と宛先識別子によってアドレッシングされ、伝送前にコネクションを確立する必要がない。
【0003】
関連技術では、Sidelink通信を行う端末間でデータ伝送のための複数の論理チャンネルを確立することができる。端末がSidelink送信ライセンスリソース(Sidelink grant)を受信した後、論理チャンネル優先度選択方法(Logical Channel Prioritization、LCP)により、論理チャンネルを選択してデータを送信する。
【0004】
端末の消費電力を節約するために、ネットワーク機器は、端末のために不連続受信(Discontinuous Reception、DRX)を配置することができ、DRX配置には、非アクティブタイマー(inactivity timer)、アウェイクタイマー(on duration timer)、サイクル(cycle)及び開始オフセットなどが含まれる。端末は、非アクティブタイマーの起動及びアウェイクの間だけ物理ダウリンク制御チャンネル(Physical downlink control channel、PDCCH)をモニタリングし、他の時間にPDCCHチャンネルをモニタリングしないようにすることができ、電力消費を節約することができる。端末がPDCCHで自身のC-RNTIを持つDCIを受信するたびに、非アクティブタイマーを起動する。端末も周期的にアウェイクタイマーを起動する。
【0005】
SidelinkにDRXが配置された後、LCPに基づいて論理チャンネルでデータを送信する方法を探すと、データ遅延やデータ損失が頻繁に発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、関連技術に存在する問題を克服するために、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法、装置及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施例の第1の態様によれば、端末に適用されるダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法が提供され、前記方法は、論理チャンネルに対応する宛先アドレスの不連続受信DRXパラメータ及びDRX状態を決定するステップであって、前記論理チャンネルは、送信対象のデータを持つ論理チャンネルであるステップと、前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するステップと、を含む。
【0008】
一態様において、前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するステップは、前記宛先アドレスの数が1つ又は複数であり、前記1つ又は複数の宛先アドレスにDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある場合、前記1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するステップを含む。
【0009】
別の実施形態において、前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するステップは、前記宛先アドレスにDRXパラメータが配置されておらず、又はDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある場合、送信対象のデータを持つ論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するステップを含む。
【0010】
別の実施形態において、前記優先度は、論理チャンネルのオリジナル優先度と論理チャンネルの優先度のオフセットとの和に基づいて決定される。
【0011】
別の実施形態において、前記論理チャンネルの優先度のオフセットは、論理チャンネルに基づいて決定されるか、又は宛先アドレスに基づいて決定される。
【0012】
別の実施形態において、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースにおいて、前記宛先アドレスに対応する各論理チャンネル中の送信対象のデータを送信する。
【0013】
別の実施形態において、前記指定されたダイレクトリンクライセンスリソースは、ダウンリンク制御情報に基づいて決定されるか、又は予め配置された情報に基づいて決定されるか、又は前記端末によって自律的に選択される。
【0014】
別の実施形態において、前記宛先アドレスにDRXパラメータが配置されてスリープ状態にある場合、DRXが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視する。
【0015】
本開示の実施例の第2の態様によれば、端末に適用されるダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置が提供され、前記選択装置は、論理チャンネルに対応する宛先アドレスの不連続受信DRXパラメータ及びDRX状態を決定するように構成される決定ユニットであって、前記論理チャンネルは、送信対象のデータを持つ論理チャンネルである決定ユニットと、前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するように構成される選択ユニットと、を含む。
【0016】
一実施形態において、前記選択ユニットは、前記宛先アドレスの数が1つ又は複数であり、前記1つ又は複数の宛先アドレスにDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある場合、前記1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するという方式を利用して前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択する。
【0017】
別の実施形態において、前記選択ユニットは、前記宛先アドレスにDRXパラメータが配置されておらず、又はDRXパラメータが配置されて前記DRX状態がアウェイク状態にある場合、送信対象のデータを持つ論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、前記トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するという方式利用して前記DRXパラメータ、前記DRX状態及び前記論理チャンネルの優先度に基づいて、前記送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択する。
【0018】
別の実施形態において、前記優先度は、論理チャンネルのオリジナル優先度と論理チャンネルの優先度のオフセットとの和に基づいて決定される。
【0019】
別の実施形態において、前記論理チャンネルの優先度のオフセットは、論理チャンネルに基づいて決定されるか、又は宛先アドレスに基づいて決定される。
【0020】
別の実施形態において、前記装置は送信ユニットをさらに含み、前記送信ユニットは、さらに、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースにおいて、前記宛先アドレスに対応する各論理チャンネル中の送信対象のデータを送信するように構成される。
【0021】
別の実施形態において、前記指定されたダイレクトリンクライセンスリソースは、ダウンリンク制御情報に基づいて決定されるか、又は予め配置された情報に基づいて決定されるか、又は前記端末によって自律的に選択される。
【0022】
別の実施形態において、前記選択ユニットは、さらに、前記宛先アドレスにDRXパラメータが配置されてスリープ状態にある場合、DRXが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視するように構成される。
【0023】
本開示の実施例の第3の態様によれば、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置が提供され、前記選択装置は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な指令を記憶するためのメモリとを含み、前記プロセッサは、第1の態様又は第1の態様のいずれかの実施形態に記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法を実行するように構成される。
【0024】
本開示の実施例の第4の態様によれば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体が提供され、前記記憶媒体中の指令がモバイル端末のプロセッサによって実行される場合、モバイル端末が第1の態様又は第1の態様のいずれかの実施形態に記載のダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法を実行できるようにする。
【発明の効果】
【0025】
本開示の実施例に係る技術案は、以下の有益な効果を含むことができる。送信対象のデータを持つ論理チャンネルに対応する宛先アドレスのDRXパラメータ、DRX状態及び論理チャンネルの優先度に基づいて、送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択し、非アウェイクウィンドウでのデータ送信を回避し、ひいてはデータ遅延及びデータ損失を回避することができる。
【0026】
なお、以上の一般的な説明及び以下の詳細な説明は例示的かつ説明的なものであり、本開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
ここでの図面は明細書に組み込まれて本明細書の一部を構成し、本開示に一致する実施例が示され、明細書とともに本開示の原理を説明するために使用される。
図1】例示的な実施例に係るダイレクトリンクシステムの概略図である。
図2】例示的な実施例に係るダイレクトリンクプロトコルスタックの概略図である。
図3】例示的な実施例に係るMAC SL-SCHサブヘッドの構成図である。
図4】例示的な実施例に係るMAC PDUの概略構成図である。
図5】例示的な実施例に係るダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法の実施フローチャートである。
図6】例示的な実施例に係るダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置のブロック図である。
図7】例示的な実施例に係る装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
ここでは、例示的な実施例を詳細に説明し、その例を図面に示す。以下の説明が図面に関する場合、別段な表示がない限り、異なる図面中の同じ数字は、同じ又は類似の要素を表す。以下の例示的な実施例に説明する実施形態は、本開示に一致する全ての実施形態を表すものではない。むしろ、特許請求の範囲に詳述された、本開示のいくつかの態様に一致する装置及び方法の例に過ぎない。
【0029】
本開示の実施例に係るダイレクトリンク方法は、図1に示すダイレクトリンクシステムに適用することができる。図1に示すように、ダイレクトリンク機器間でダイレクトリンクを行うシナリオにおいて、ネットワーク機器は、ダイレクトリンク機器1にデータを伝送するための様々な伝送パラメータを配置する。ダイレクトリンク機器1は、データ送信側として、ダイレクトリンク機器2は、データ受信側として、両者は直接通信を行う。ネットワーク機器とダイレクトリンク機器との間で通信を行うリンクがアップダウンリンクであり、ダイレクトリンク機器とダイレクトリンク機器との間のリンクがダイレクトリンク(Sidelink)である。ここで、ダイレクトリンク機器と他の機器との間の通信は、基地局及びコアネットワークを介して中継を行い、すなわち、従来のセルラーネットワークにおける端末機器と基地局との間のアップダウンリンクによって通信を行うことができ、直接機器間のダイレクトリンクを介して通信することもできる。Sidelink通信は、Uuインタフェース通信に比べて、遅延が短く、オーバーヘッドが小さいなどの特徴があり、ダイレクトリンク機器と地理的に近い他の周辺機器とのダイレクトリンクに適している。
【0030】
本開示に係るダイレクトリンク機器間でダイレクトリンクを行うシナリオは、例えば、車両と他のノード(V2X)との間の車両用無線通信シナリオなどであってもよい。ここで、Vは車載機器を表し、Xは車載機器と対話する任意のオブジェクトを表す。現在のXには、主に車載機器、ハンドヘルド機器、交通路側インフラ及びネットワークが含まれている。V2Xインタラクションの情報パターンは、車車間(Vehicle to Vehicle、V2V)、路車間(Vehicle to Infrastructure、V2I)、車人間(Vehicle to Pedestrian、V2P)、車ネットワーク間(Vehicle to Network、V2N)のインタラクションを含む。本開示では、ダイレクトリンク機器間で直接通信する通信シナリオは、端末間(Device to Device、D2D)の通信シナリオであってもよい。本開示の実施形態において直接通信を行うダイレクトリンク機器は、無線通信機能を有する様々なハンドヘルド機器、車載機器、ウェアラブルデバイス、コンピューティングデバイス、又は無線モデムに接続された他の処理機器、及び様々な形態のユーザデバイス(User Equipment、UE)、移動局(Mobile Station、MS)、端末(terminal)、端末機器(Terminal Equipment)などを含むことができる。
【0031】
4G時代には、Sidelink通信方式が導入される。Sidelink通信方式のプロトコルスタックは図2に示すように、パケットデータコンバージェンスプロトコル(Packet Data Convergence Protocol、PDCP)層、無線リンク制御層(Radio Link Control、RLC)、MAC層、及び物理層(Physical、PHY)を含む。ここで、端末と端末との間のインタフェースはPC-5である。Sidelinkの伝送は、MAC層のソース識別子とターゲット識別子によってアドレス指定を可能にし、伝送前に接続を確立する必要がない。Sidelinkにはデータを送信するためのデータ無線ベアラ(data radio bearer、DRB)しかなく、各DRBは1つの論理チャンネルに対応している。ソース端末と宛先端末との間には、データ伝送のために複数の論理チャンネルが確立されてもよい。
【0032】
Sidelinkの伝送は、MAC SL-SCHサブヘッドが持っているソース識別子及びターゲット識別子によってアドレス指定され、伝送の前に接続を確立する必要がない。MAC SL-SCHサブヘッドの構造を図3に示すが、ここで、ソース(source、SRC)はソース端末のレイヤ2識別子であり、宛先(destination、DST)は宛先端末のレイヤ2識別子である。レイヤ2識別子は、アプリケーション層によって生成され、Sidelink端末を識別するためにアクセス層(Access Stratum、AS)に提供される。
【0033】
Sidelinkには、ネットワーク機器が動的にスケジューリングする方式と、ネットワーク機器がブロードキャストするリソースプールの中から端末が自律的に選択する方式の2つのリソース割り当て方式がある。このうち、動的スケジューリングは、ネットワーク機器が端末のキャッシュデータの報告に基づいて、Sidelinkにおける送信リソースを動的に端末に割り当てることであり、自律選択は、端末自らがネットワーク機器のブロードキャスト又は予め配置されたリソースプールの中から送信リソースをランダムに選択することである。動的スケジューリング方式のリソースプールと自律選択方式のリソースプールは分離されており、動的スケジューリングはネットワーク機器が一括してリソースを割り当てるため、合理的なアルゴリズムにより、異なる端末の衝突を回避することができる。
【0034】
各MAC PDUは1つの宛先端末にしか送信できず、各メディアアクセス制御プロトコルデータユニット(Medium Access Control Packet Data Unit、MACPDU)は1つのSidelink共有チャンネル(Sidelink shared channel、SL-SCH)MACサブヘッドのみを含み、図4に示すような構造となっている。図4においてMACヘッドにはMACサブヘッドが含まれ、MAC負荷(payload)にはMACサービスデータユニット(Service Data Unit、SDU)及びパディング(padding)が含まれる。
【0035】
5G時代には、強化されたV2Xのサービスをサポートし、より高い伝送速度とより高い信頼性をサポートするためには、Sidelinkでユニキャスト(unicast)接続を確立する必要がある。ユニキャスト接続の確立及び管理をサポートするために、ユニキャスト接続を確立及び管理するための制御シグナリングを伝送するためのSidelinkシグナリング無線ベアラ(Sidelink Signaling Radio Bearer、SRB)が導入されている。各SRBは、論理チャンネル(Logical Channel、LCH)にも対応する。
【0036】
各論理チャンネルは、論理チャンネルスケジューリングのための優先度を有し、この優先度は、ネットワーク機器によって配置され、ネットワーク機器は専用シグナリングを介して接続状態にある端末に配置され、ブロードキャストを介してアイドル状態にある端末に配置される。ネットワーク機器は、論理チャンネルのベアラデータのサービス品質(Quality of Service、QoS)に基づいて、この論理チャンネルに優先度を配置する。
【0037】
端末がSidelink送信ライセンスリソース(Sidelink grant)を1つ受信したら、端末は以下の論理チャンネル優先度選択方法(Logical Channel Prioritization、LCP)により、送信データを選択する。まず、最も高い優先度を持つ論理チャンネルを選択し、その論理チャンネル中の送信対象のデータをMAC PDUに入れる。そして、選択された論理チャンネルが属する宛先端末の他の論理チャンネルでは、最も優先度の高い論理チャンネルを選択し、この論理チャンネルの送信対象のデータをMAC PDUに入れる。この論理チャンネルの送信対象のデータをMAC PDUに入れることは、この宛先端末のすべての論理チャンネルの送信対象のデータがMAC PDUに入るか、又はSidelink grantがこれ以上のデータを入れることができなくなるまで繰り返される。MAC PDUを物理層に渡して送信する。
【0038】
Uuインタフェースにおいて、端末は、論理チャンネルデータを選択して、トークンバケットアルゴリズムを介してMAC PDUに入れる。ネットワーク機器は論理チャンネルごとに、論理チャンネル優先度(logical channel priority)、優先伝送レート(prioritized bit rate、単位はbit/s)、トークンバケット最大容量(bucket size duration、単位はs)のパラメータを配置する。端末は、論理チャンネルごとに1つのバケット容量(Bj、単位はbit)を維持し、サービス優先度は最初は0である。端末が送信ライセンスリソースを取得するごとに、各論理チャンネルのサービス優先度を「優先伝送レート*送信ライセンスリソースの時間長さ」だけ増加させ、各論理チャンネルのサービス優先度は「優先伝送レート*トークンバケット容量」を超えてはならない。
【0039】
端末がSidelink送信ライセンスリソース(Sidelink grant)を受信した後、端末は以下の論理チャンネル優先度選択方法(Logical Channel Prioritization、LCP)により、送信データを選択する。すべてのトークンバケット容量>0の論理チャンネルにおいて、論理チャンネル優先度の高い順に各論理チャンネル中のトークンバケット容量サイズのデータをMAC PDUに入れる。論理チャンネルの同容量から、MAC PDUに入れるデータサイズを差し引く。上記のステップの実行が完了した後もデータの送信を継続することが可能であれば、各論理チャンネルにおけるデータは、トークンバケット容量に関係なく、論理チャンネル優先度の高い順にMAC PDUに送信される。
【0040】
端末の消費電力を節約するために、ネットワーク機器は、端末のために、非アクティブタイマー、アウェイクタイマー、サイクル、開始オフセットなどを含むDRXパラメータを配置することができる。端末は、非アクティブタイマーの起動及びアウェイクの間だけPDCCHをモニタリングし、他の時間にPDCCHチャンネルをモニタリングしないようにすることができ、電力消費を節約することができる。端末がPDCCHで自セルの無線ネットワーク一時識別子(Cell-Radio Network Temporary Identifier、C-RNTI)を持つダウリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)を受信するたびに、非アクティブタイマーを起動する。端末も周期的にアウェイクタイマーを起動する。
【0041】
Sidelink上にDRXを配置すると、ある宛先端末(受信端末)に対して、送信端末は、宛先端末のアウェイクウィンドウでデータを送信して初めて、宛先端末がデータを受信できることを保証することができる。しかしながら、LCPに基づいて論理チャンネルの宛先アドレスを選択する現在の方式では、宛先端末のアウェイクウィンドウを考慮しておらず、宛先端末がスリープしているときに宛先端末にデータを送信すると、データが失われてしまう。また、宛先端末のアウェイクウィンドウでは、宛先端末の論理チャンネルに最高の優先度がない場合、アウェイクウィンドウを見逃し、次のアウェイクウィンドウまで待つことになり、データ送信の遅延を招くことになる。
【0042】
この点を踏まえて、本開示の実施例は、Sidelinkにおける宛先アドレスの選択方法を提供し、送信端末は、送信対象のデータを持つ論理チャンネルの宛先アドレスのDRXパラメータ、DRX状態及び論理チャンネルの優先度に基づいて、データを送信するための宛先アドレスを選択し、非アウェイクウィンドウでのデータ送信を回避し、ひいてはデータ遅延及びデータ損失の発生を回避することができる。
【0043】
図5は、例示的な実施例に係るダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法のフローチャートである。図5に示すように、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択方法は、Sidelinkに送信対象のデータを持つ端末であってもよい端末に適用され、以下のステップを含む。
【0044】
ステップS11において、論理チャンネルに対応する宛先アドレスのDRXパラメータ及びDRX状態を決定する。
【0045】
ここで、本発明の実施例において、端末がSidelink送信ライセンスを取得する際に、送信データの宛先アドレスを選択する際に、宛先端末(送信対象のデータを持つ論理チャンネルの宛先アドレス)のDRXパラメータ及びDRX状態を決定する必要がある。
【0046】
ステップS12において、DRXパラメータ、DRX状態及び論理チャンネルの優先度に基づいて、送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択する。
【0047】
本開示の実施例において、端末は、各宛先アドレスのDRXパラメータをローカルに記憶し、DRXパラメータに基づいて、アウェイク状態にあるか否かを含むことができる宛先アドレスのDRX状態をリアルタイムで計算することができる。ここで、宛先アドレスは、1つの端末又は1つの端末グループと理解することができる。
【0048】
本開示の実施例において、送信端末は、送信対象のデータを持つ論理チャンネルの宛先アドレスのDRXパラメータ、DRX状態及び論理チャンネルの優先度に基づいて、データを送信するための宛先アドレスを選択し、宛先端末のアウェイクウィンドウでのデータ送信を実現し、非アウェイクウィンドウでのデータ送信を回避し、ひいてはデータ遅延及びデータ損失の発生を回避することができる。
【0049】
本開示の実施例は、以下、上記実施例に係るSidelinkにおける宛先アドレスの選択方法について、実際の適用を組み合わせて説明する。
【0050】
本開示の実施例の一実施形態において、端末がSidelink送信ライセンスを取得すると、送信対象のデータを持つ論理チャンネルに対応する1つ又は複数の宛先アドレスにDRXが配置されてDRXの状態がアウェイク状態にある場合、1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいて、Bjが0より大きい論理チャンネルを決定し、これらのBjが0より大きい論理チャンネルにおいて、論理チャンネルの優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択し、この宛先アドレスの論理チャンネルにおける送信対象のデータをSidelinkライセンスに入れることができる。
【0051】
本開示の実施例の別の実施形態において、端末がSidelink送信ライセンスを取得すると、送信対象のある論理チャンネルに対応する宛先アドレスにDRXパラメータが配置されておらず、又はDRXパラメータが配置されてDRX状態がアウェイク状態にある場合、送信対象のデータを持つ論理チャンネルにおいてBjが0より大きい論理チャンネルを決定し、これらのBjが0より大きい論理チャンネルにおいて論理チャンネルの優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択し、この宛先アドレスの論理チャンネルにおける送信対象のデータをSidelinkライセンスに入れる。
【0052】
一例では、本開示の実施例は、端末1が宛先アドレス001,010,011を有し、001及び010にDRXが配置されていると仮定する。ここで、宛先アドレス001は論理チャンネル(LCH1,LCH2)に対応し、宛先アドレス010は論理チャンネル(LCH3,LCH4)に対応し、宛先アドレス011は論理チャンネル(LCH5,LCH6)に対応する。端末1は、ネットワーク機器から送信されたDCIを受信し、DCIにはSidelink送信ライセンスが指示されるとともに、このSidelink送信ライセンスがDRX宛先アドレス送信用であることが指示される。端末1は、現在送信対象のデータを持つ論理チャンネルと対応するBjをそれぞれ(LCH1,Bjが5)、(LCH3,Bjが3)、(LCH4,Bjが6)、(LCH5,Bjが8)と判断し、001と010に対応する宛先アドレスがDRXアウェイク状態にある場合、DRXアウェイク状態にあるLCH1、LCH3、LCH4の中からBjが最大のLCH4に対応する宛先アドレス010を選択する。宛先アドレス010における各論理チャンネル(LCH3とLCH4)の送信対象のデータをLCPルールに従ってMAC PDUを形成してSidelink送信ライセンスに入れる。
【0053】
さらに、本開示の実施例において、ネットワーク機器は、DRXパラメータが配置されてアウェイク状態にある宛先アドレスでデータを優先的に送信し、次にDRXパラメータが配置されていない宛先アドレスでデータを送信することを可能にするために、端末のために論理チャンネルの優先度のオフセットを配置することができる。ここで、論理チャンネルの優先度のオフセットは、論理チャンネルごとに個別に配置されてもよいし、宛先アドレスごとに配置されてもよい。ここで、論理チャンネルの優先度のオフセットが宛先アドレスごとに配置されている場合、この宛先アドレスに対応するすべての論理チャンネルに同じ優先度オフセットが適用される。端末が優先度に基づいて宛先アドレスの選択を行う場合、論理チャンネル決定に基づいて決定するか、又は宛先アドレスに基づいて論理チャンネルの優先度のオフセットを決定し、最終的に宛先アドレスの選択を行う際に使用される優先度として、論理チャンネルのオリジナル優先度と論理チャンネルの優先度のオフセットとの和を使用することができる。
【0054】
なお、ネットワーク機器は、DRXパラメータが配置されてアウェイク状態にある宛先アドレスでデータを優先的に送信し、次にDRXパラメータが配置されていない宛先アドレスでデータを送信することを可能にするために、送信優先度に基づいて端末の異なる論理チャンネルに異なる論理チャンネルの優先度のオフセットを配置することができる。一例では、端末1は宛先アドレス001,010,011を有し、001及び010にDRXが配置されていると仮定する。ここで、宛先アドレス001は論理チャンネル(LCH1,LCH2)に対応し、宛先アドレス010は論理チャンネル(LCH3,LCH4)に対応し、宛先アドレス011は論理チャンネル(LCH5,LCH6)に対応する。ネットワーク機器が端末に対して配置する論理チャンネルの優先度のオフセット(Bjオフセット)は、(001,+4)、(LCH5、-1)である。端末1は、ネットワーク機器から送信されたDCIを受信し、DCIにはSidelink送信ライセンスが指示されるとともに、このSidelink送信ライセンスがDRX宛先アドレス送信用であることが指示される。端末1は、現在送信対象のデータを持つ論理チャンネルと対応するBjをそれぞれ(LCH1,Bjは5)、(LCH2,Bjは3)、(LCH4,Bjは6)、(LCH5,Bjは8)と判断し、001に対応する宛先アドレスは現在DRXアウェイク状態にあり、010に対応する宛先アドレスは現在DRXスリープ状態にある。論理チャンネルの優先度のオフセットに基づいてLCH1、LCH2及びLCH5のBjをそれぞれ5+4=9、3+4=7と8-1=7と更新し、更新後のBjが最大となるLCH1に対応する宛先アドレス001を選択し、LCH1とLCH2の送信対象のデータをLCPルールに従ってMAC PDUを形成してSidelink送信ライセンスに入れる。
【0055】
さらに、本開示の実施例において、宛先アドレスが選択された後、宛先アドレスに対応する各論理チャンネルにおける送信対象のデータを、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースで送信することができる。ここで、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースは、ネットワーク機器によって送信されたDCIに基づいて決定されてもよいし、予め配置された情報に基づいて決定されてもよいし(例えば、プロトコルによって事前に規定されている)、端末によって自律的に選択される。
【0056】
本開示の実施例の一実施形態において、端末がSidelink送信ライセンスを取得すると、送信対象のデータを持つ論理チャンネルに対応する1つ又は複数の宛先アドレスにDRXが配置されてDRXの状態がスリープ状態にある場合、送信宛先アドレスを選択する際に、DRXパラメータが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視し、スリープ状態にある宛先アドレスでデータが送信されることを回避する。
【0057】
本開示の実施例において、送信対象のデータを持つ論理チャンネルに対応する宛先アドレスにDRXパラメータが配置されているか否か、及びDRX状態がアウェイク状態にあるか否かに基づいて、異なる宛先アドレスの選択方法を提供し、DRXパラメータが配置されてアウェイク状態にある宛先アドレスでデータを優先的に送信し、次にDRXパラメータが配置されていない宛先アドレスでデータを送信し、DRXパラメータが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視してスリープ状態の宛先アドレスでデータを送信しないようにする。本開示により、データ遅延及びデータ損失を回避することができる。
【0058】
同じ発想に基づいて、本開示の実施例は、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置も提供する。
【0059】
なお、本開示の実施例に係るダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置は、上述した機能を実現するために、それぞれの機能を実行するためのハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールを含む。本開示の実施例に開示された様々な例のユニット及びアルゴリズムステップを組み合わせて、本開示の実施例は、ハードウェア又はハードウェアとコンピュータソフトウェアとの組み合わせで実現することができる。ある機能は、ハードウェアによって実行されるのか、コンピュータソフトウェアがハードウェアを駆動することによって実行されるのかは、技術案の特定の応用と設計の制約条件に依存する。当業者は、特定の用途ごとに異なる方法を使用して記載された機能を実現することができるが、このような実現は、本開示の実施例の技術案の範囲を超えるとは考えられない。
【0060】
図6は、例示的な実施例に係るダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置のブロック図である。図6を参照すると、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置100は、端末に適用され、決定ユニット101及び選択ユニット102を含む。ここで、決定ユニット101は、論理チャンネルに対応する宛先アドレスの不連続受信DRXパラメータ及びDRX状態を決定するように構成され、論理チャンネルは、送信対象のデータを持つ論理チャンネルである。選択ユニット102は、DRXパラメータ、DRX状態及び論理チャンネルの優先度に基づいて、送信対象のデータを送信するための宛先アドレスを選択するように構成される。
【0061】
一実施形態において、選択ユニット102は、宛先アドレスの数が1つ又は複数であり、1つ又は複数の宛先アドレスにDRXパラメータが配置されてDRX状態がアウェイク状態にある場合、1つ又は複数の宛先アドレスに対応する論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するように構成される。
【0062】
別の実施形態において、選択ユニット102は、宛先アドレスにDRXパラメータが配置されておらず、又はDRXパラメータが配置されてDRX状態がアウェイク状態にある場合、送信対象のデータを持つ論理チャンネルにおいてトークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルを決定し、トークンバケット容量が0より大きい論理チャンネルにおいて優先度が最も高い論理チャンネルに対応する宛先アドレスを選択するように構成される。
【0063】
別の実施形態において、優先度は、論理チャンネルのオリジナル優先度と論理チャンネルの優先度のオフセットとの和に基づいて決定される。
【0064】
別の実施形態において、論理チャンネルの優先度のオフセットは、論理チャンネルに基づいて決定されるか、又は宛先アドレスに基づいて決定される。
【0065】
別の実施形態において、ダイレクトリンクにおける宛先アドレスの選択装置100は、送信ユニット103をさらに含み、送信ユニット103は、さらに、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースにおいて、宛先アドレスに対応する各論理チャンネル中の送信対象のデータを送信するように構成される。
【0066】
別の実施形態において、指定されたダイレクトリンクライセンスリソースは、ダウンリンク制御情報に基づいて決定されるか、又は予め配置された情報に基づいて決定されるか、又は端末によって自律的に選択される。
【0067】
別の実施形態において、選択ユニット102は、さらに、宛先アドレスにDRXパラメータが配置されてスリープ状態にある場合、DRXが配置されてスリープ状態にある宛先アドレスを無視するように構成される。
【0068】
上記実施例中の装置について、各モジュールが操作を実行する具体的な形態は、当該方法に関する実施例において詳細に説明したので、ここでは詳しく説明しない。
【0069】
図7は、例示的な一実施例に係るダイレクトリンク宛先アドレス選択用の装置200のブロック図である。例えば、装置200は、携帯電話、コンピュータ、デジタル放送端末、メッセージングデバイス、ゲームコンソール、タブレットデバイス、医療デバイス、フィットネスデバイス、携帯情報端末などであってもよい。
【0070】
図7を参照すると、装置200は、処理コンポーネント202、メモリ204、電力コンポーネント206、マルチメディアコンポーネント208、オーディオコンポーネント210、入力/出力(I/O)インタフェース212、センサコンポーネント214、及び通信コンポーネント216の1つ又は複数を含むことができる。
【0071】
処理コンポーネント202は、通常、表示、電話呼び出し、データ通信、カメラ操作及び記録操作に関連する操作など、装置200の全体的な操作を制御する。処理コンポーネント202は、指令を実行して上記方法の全部又は一部のステップを完成するための1つ又は複数のプロセッサ220を含むことができる。また、処理コンポーネント202は、処理コンポーネント202と他のコンポーネントとの間のインタラクションを容易にするための1つ又は複数のモジュールを含むことができる。例えば、処理コンポーネント202は、マルチメディアコンポーネント208と処理コンポーネント202との間のインタラクションを容易にするためのメディアモジュールを含むことができる。
【0072】
メモリ204は、装置200での操作を支援するように、様々なデータを記憶するように構成される。これらのデータの例は、連絡先データ、電話帳データ、メッセージ、画像、動画などの装置200で操作するためのいずれかのアプリケーション又は方法の指令を含む。メモリ204は、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、電気消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)、プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、ディスク、光ディスクなどの任意のタイプの一時的又は非一時的な記憶媒体、又はそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0073】
電力コンポーネント206は、装置200の様々なコンポーネントに電力を提供する。電力コンポーネント206は、電源管理システム、1つ又は複数の電源、及び装置200の電力の生成、管理及び分配に関連する他のコンポーネントを含むことができる。
【0074】
マルチメディアコンポーネント208は、前記装置200とユーザとの間に1つの出力インタフェースを提供するスクリーンを含む。いくつかの実施例において、スクリーンは、液晶ディスプレイ(LCD)及びタッチパネル(TP)を含むことができる。スクリーンは、タッチパネルを含む場合、ユーザからの入力信号を受信するためのタッチスクリーンとして実現することができる。タッチパネルは、タッチ、スライド及びタッチパネル上のジェスチャーを検知するための1つ又は複数のタッチセンサを含む。タッチセンサは、タッチ又はスライド動作の境界線を検知するだけではなく、タッチ又はスライド操作に関連する持続時間及び圧力も検出する。いくつかの実施例において、マルチメディアコンポーネント208は、1つのフロントカメラ及び/又はリアカメラを含む。フロントカメラ及び/又はリアカメラは、装置200が、撮影モード又はビデオモードなどの操作モードにある場合、外部のメディアデータを受信することができる。各フロントカメラ及びリアカメラは、1つの固定する光学レンズ系であってもよいし、焦点距離及び光学ズーム能力を有してもよい。
【0075】
オーディオコンポーネント210は、オーディオ信号を出力及び/又は入力するように構成される。例えば、オーディオコンポーネント210は、1つのマイクロフォン(MIC)を含み、マイクロフォンは、装置200が呼び出しモード、記録モード及び音声認識モードなどの操作モードにある場合、外部オーディオ信号を受信するように構成される。受信されたオーディオ信号は、メモリ204にさらに記憶されるか、又は通信コンポーネント216を介して送信されてもよい。いくつかの実施例において、オーディオコンポーネント210は、オーディオ信号を出力するためのスピーカーをさらに含む。
【0076】
I/Oインタフェース212は、処理コンポーネント202と周辺インタフェースモジュールとの間にインタフェースを提供し、上記周辺インタフェースモジュールは、キーパッド、クリックホイール、ボタンなどであってもよい。これらのボタンは、ホームボタン、音量ボタン、起動ボタン及びロックボタンを含むが、これらに限定されない。
【0077】
センサコンポーネント214は、装置200のために様々な方面の状態評価を提供するための1つ又は複数のセンサを含む。例えば、センサコンポーネント214は、装置200のオン/オフ状態、コンポーネントの相対的な位置付けを検出することができ、例えば、コンポーネントが装置200のディスプレイ及び小キーパッドであり、センサコンポーネント214は、装置200又は装置200の1つのコンポーネントの位置変化、ユーザと装置200との接触の有無、装置200の方位又は加速/減速及び装置200の温度変化を検出することもできる。センサコンポーネント214は、いずれかの物理接触もない場合、近傍の物体の存在を検出するための接近センサを含むことができる。センサコンポーネント214は、撮像アプリケーションで使用するためのCMOS又はCCD画像センサなどの光センサをさらに含むことができる。いくつかの実施例において、当該センサコンポーネント214は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、圧力センサ又は温度センサをさらに含むことができる。
【0078】
通信コンポーネント216は、装置200と他のデバイスとの有線又は無線方式の通信を容易にするように構成される。装置200は、WiFi、2G又は3G、又はそれらの組み合わせなどの通信標準に基づく無線ネットワークにアクセスすることができる。例示的な一実施例において、通信コンポーネント216は、放送チャンネルを介して外部放送管理システムからの放送信号又は放送に関連する情報を受信する。例示的な一実施例において、通信コンポーネント216は、近距離通信を容易にするために、近距離通信(NFC)モジュールをさらに含む。例えば、NFCモジュールは、無線周波数認識(RFID)技術、赤外線データ協会(IrDA)技術、超広帯域(UWB)技術、ブルートゥース(登録商標)(BT)技術、及び他の技術に基づいて実現することができる。
【0079】
例示的な実施例において、装置200は、上記方法を実現するために、1つ又は複数のアプリケーション特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又は他の電子部品によって実現することができる。
【0080】
例示的な実施例において、指令を含む非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、例えば、指令を含むメモリ204をさらに提供し、上記指令は、上記方法を完成するように、装置200のプロセッサ220によって実行することができる。例えば、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、CD-ROM、磁気テープ、フロッピーディスク、光データ記憶装置などであってもよい。
【0081】
なお、本開示では、「複数」は2つ以上のことを意味し、他の助数詞も同様である。「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの関連関係を記述し、3つの関係が存在できることを示す。例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、AとBが同時に存在し、Bが単独で存在するという3つの状況を表すことができる。文字「/」は、一般に前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示す。単数形の「1つ」、「前記」及び「当該」は、文脈がはっきりと他の意味を示さない限り、多数の形を含むことを意図している。
【0082】
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、様々な情報を説明するために使用されるが、これらの情報は、これらの用語に限定されるべきではないことを理解することができる。これらの用語は、同じタイプの情報を区別するためにのみ使用され、特定の順序や重要度を示すものではない。実際には、「第1」、「第2」などの表現は完全に入れ替わって使うことができる。例えば、本開示の範囲を逸脱しない限り、第1の情報を第2の情報と称することもでき、同様に第2の情報を第1の情報と称することもできる。
【0083】
さらに、なお、本開示の実施例では動作を図面において特定の順序で説明したが、これらの動作が示された特定の順序又はシリアル順序で実行されることを要求すること、又は所望の結果を得るために示された全ての動作が実行されることを要求することとして理解すべきではない。特定の環境では、マルチタスク及び並列処理が有利になる場合がある。
【0084】
当業者であれば、明細書を考慮して本明細書に開示された開示を実践した後、本開示の他の実施形態を容易に想到し得る。本開示は、本開示のいかなる変形、用途又は適応的な変化をカバーすることを意図し、これらの変形、用途又は適応的な変化は、本開示の一般的な原理に従い、本開示に開示されていない当分野における周知技術又は慣用的な技術手段を含む。明細書及び実施例は、例示的なものとしてのみ見なされ、本開示の真の範囲及び精神は、本開示の請求項によって示される。
【0085】
本開示は、以上に説明され、図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲を逸脱することなく、様々な修正及び変更が可能であることを理解すべきである。本開示の範囲は、添付された特許請求の範囲のみによって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7