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特許7425929平面状のスプリットゲート不揮発性メモリセル、高電圧デバイス、及びFINFET論理デバイスを有するデバイスを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-23
(45)【発行日】2024-01-31
(54)【発明の名称】平面状のスプリットゲート不揮発性メモリセル、高電圧デバイス、及びFINFET論理デバイスを有するデバイスを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 41/10 20230101AFI20240124BHJP
   H10B 41/35 20230101ALI20240124BHJP
   H10B 41/42 20230101ALI20240124BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240124BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240124BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H10B41/10
H10B41/35
H10B41/42
H01L29/78 371
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023517707
(86)(22)【出願日】2021-01-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 US2021014244
(87)【国際公開番号】W WO2022060402
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】202010993707.2
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】17/151,944
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュンミン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、グオ シャン
(72)【発明者】
【氏名】シン、レオ
(72)【発明者】
【氏名】サン、ジャック
(72)【発明者】
【氏名】リウ、シアン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0326305(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0176459(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0176578(US,A1)
【文献】特表2018-533228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 41/10
H10B 41/35
H10B 41/42
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスを形成する方法であって、
上面を有し、第1、第2、及び第3のエリアを有するシリコン基板を提供するステップと、
前記上面を、前記シリコン基板の前記第1及び第2のエリアにおいて陥凹させるが、前記シリコン基板の前記第3のエリアにおいては陥凹させないステップと、
前記第1及び第2のエリアにおける前記上面の上方の、前記第1及び第2のエリアにおける前記上面から絶縁された第1のポリシリコン層を形成するステップと、
少なくとも第1のシリコンエッチングを使用して、前記第1のポリシリコン層を通して、前記第3のエリアではなく前記第1及び第2のエリアにおける前記シリコン基板内に第1のトレンチを形成するステップと、
前記第1のトレンチを絶縁材料で充填するステップと、
前記第1のトレンチの前記充填後に、少なくとも第2のシリコンエッチングを使用して、前記第3のエリアにおける前記シリコン基板内に第2のトレンチを形成して、上に延在し、かつ頂面で終端する、側面の1対を有する、前記シリコン基板の上向きに延在するフィンを形成するステップと、
前記フィンの前記形成後に、前記第1のエリアにおける前記第1のポリシリコン層の上方に材料のブロックの1対を形成するステップと、
前記第1のエリアにおける前記第1のポリシリコン層の一部を除去して、前記材料のブロックの対の一方の下に各々配設された前記第1のポリシリコン層の浮遊ゲートの1対を形成するステップと、
第1の注入を行って、前記浮遊ゲートの対間の前記第1のエリアにおける前記シリコン基板に第1のソース領域を形成するステップと、
前記第1、第2、及び第3のエリアにおける前記シリコン基板の上方に第2のポリシリコン層を形成するステップと、
前記第2のポリシリコン層の一部を除去して、
前記第1のエリアにおける前記第1のソース領域の上方に配設され、前記第1のエリアにおける前記第1のソース領域から絶縁された、前記第2のポリシリコン層の第1のポリシリコンブロックと、
前記第1のエリアにおける前記シリコン基板の上方に配設され、前記第1のエリアにおける前記シリコン基板から絶縁され、前記第1のエリアにおける前記浮遊ゲートの対の一方に隣接する、前記第2のポリシリコン層の第2のポリシリコンブロックと、
前記第1のエリアにおける前記シリコン基板の上方に配設され、前記第1のエリアにおける前記シリコン基板から絶縁され、前記第1のエリアにおける前記浮遊ゲートの対の別の1つに隣接する、前記第2のポリシリコン層の第3のポリシリコンブロックと、
前記第2のエリアにおける前記シリコン基板の上方に配設され、前記第2のエリアにおける前記シリコン基板から絶縁された、前記第2のポリシリコン層の第4のポリシリコンブロックと、
前記第3のエリアにおける前記フィンの前記側面の1対及び前記頂面の上方に配設され、前記第3のエリアにおける前記フィンの前記側面の1対及び前記頂面から絶縁された、前記第2のポリシリコン層の第5のポリシリコンブロックと、を形成するステップと、
1つ以上の注入を行って、
前記第2のポリシリコンブロックに隣接する前記シリコン基板の前記第1のエリアにおける第1のドレイン領域と、
前記第3のポリシリコンブロックに隣接する前記シリコン基板の前記第1のエリアにおける第2のドレイン領域と、
前記第4のポリシリコンブロックに隣接する前記シリコン基板の前記第2のエリアにおける第2のソース領域と、
前記第4のポリシリコンブロックに隣接する前記シリコン基板の前記第2のエリアにおける第3のドレイン領域と、
前記第5のポリシリコンブロックに隣接する前記フィンにおける第3のソース領域と、
前記第5のポリシリコンブロックに隣接する前記フィンにおける第4のドレイン領域と、を形成するステップと、
前記第5のポリシリコンブロックを除去するステップと、
前記第3のエリアにおける前記フィンの前記側面の1対及び前記頂面に沿って、高K材料の層を形成するステップと、
前記第3のエリアにおける前記高K材料の層に金属材料のブロックを形成するステップであって、その結果、前記金属材料のブロックは、前記フィンの前記側面の1対及び前記頂面に沿って延在し、前記フィンの前記側面の1対及び前記頂面から絶縁されている、形成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記材料のブロックの対は、ポリシリコンで形成され、前記浮遊ゲートの対から絶縁されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料のブロックの対は、酸化物-窒化物-酸化物の層によって前記浮遊ゲートの対から絶縁されている、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記材料のブロックの対は、絶縁材料で形成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第2のトレンチの前記形成は、
前記第3のエリアにおける前記上面の上方に材料の層を形成するステップと、
前記材料の層に第3のトレンチを形成するステップと、
前記第3のトレンチに材料のスペーサを形成するステップと、
前記材料の層を除去するステップと、
前記材料のスペーサ間の前記シリコン基板の一部において前記第2のシリコンエッチングを行うステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第3のソース領域及び前記第4のドレイン領域の前記形成は、
前記第5のポリシリコンブロックを除去する前に、前記第5のポリシリコンブロックに隣接する前記フィンに材料をエピタキシャル成長させるステップであって、前記第3のソース領域及び前記第4のドレイン領域は、前記エピタキシャル成長させた材料に形成される、成長させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第2及び第3のポリシリコンブロックは、前記浮遊ゲートを前記上面から絶縁する絶縁材料の厚さよりも薄い厚さを有する絶縁材料によって、前記シリコン基板の前記上面から絶縁される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第4のポリシリコンブロックは、前記浮遊ゲートを前記上面から絶縁する絶縁材料の厚さとは異なる厚さを有する絶縁材料によって、前記シリコン基板の前記上面から絶縁される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1のトレンチは、前記第2のトレンチよりも深く前記シリコン基板内に延在している、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のトレンチは、前記第1のトレンチよりも深く前記シリコン基板内に延在している、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本特許出願は、2020年9月21日に出願した中国特許出願第202010993707.2号、名称「Method Of Forming A Device With Planar Split Gate Non-volatile Memory Cells,High Voltage Devices And FINFET Logic Device」、及び2021年1月19日出願した米国特許出願第17/151,944号、名称「Method Of Forming A Device With Planar Split Gate Non-volatile Memory Cells,High Voltage Devices And FINFET Logic Device」に対して優先権を主張するものである。
【0002】
(技術分野)
本発明は、不揮発性メモリセル、高電圧デバイス、及びFINFET論理デバイスを有するデバイスを形成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
選択ゲート、浮遊ゲート、制御ゲート、及び消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセルは、当該技術分野においてよく知られている。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第6,747,310号及び同第7,868,375号を参照されたい。選択線ゲート、浮遊ゲート、及び消去ゲートを有するスプリットゲート不揮発性フラッシュメモリセルも、当該技術分野においてよく知られている。例えば、参照によって本明細書に組み込まれる、米国特許第7,315,056号及び同第8,711,636号を参照されたい。同じシリコンチップに論理デバイス(すなわち、低電圧及び/又は高電圧論理デバイス)を形成すること、並びに、その際にメモリセル及び論理デバイスの両方の部分を形成する(例えば、同じポリシリコン堆積プロセスを使用して、メモリセル及び論理デバイスの両方のためのゲートを形成する)ための、いくつかの処理ステップを共有することも知られている。しかしながら、メモリセルを形成する他の処理ステップは、以前に製作された論理デバイスに悪影響を及ぼし、かつその逆もあり得るので、両方の型のデバイスを同じウェハに形成することは困難かつ複雑であり得る場合が多い。
【0004】
リソグラフィのサイズを縮小することによってチャネル幅を低減することに伴う問題を解決するために、FinFET型の構造体がメモリセル構造体のために提案されている。FinFET型の構造体において、半導体材料のフィン形部材は、ソース領域をドレイン領域に接続する。フィン形部材は、頂面と、2つの側面と、を有する。ソース領域からドレイン領域への電流は、次いで、フィン形部材の頂面及び2つの側面に沿って流れることができる。したがって、チャネル領域の有効幅が増加し、これにより電流の流れが増加する。しかしながら、チャネル領域を2つの側面に「折り畳む」ことによって、より多くの半導体の占有面積を犠牲にすることなくチャネル領域の有効幅が増加し、これによりチャネル領域の「フットプリント」を低減する。このようなFinFETを使用した不揮発性メモリセルが開示されている。先行技術のFinFET不揮発性メモリ構造のいくつかの例としては、米国特許第7,423,310号、同第7,410,913号、同第8,461,640号、及び同第9,985,042号、並びに米国特許出願第16/724,010号が挙げられ、各々の内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。これらの先行技術の参考文献が企図していないものは、改良された製作技術を用いて、両方とも非FinFET型構成である不揮発性メモリセル及び高電圧トランジスタデバイスの両方と同じウェハ基板に形成された論理デバイス用のFinFET型構成である。
【0005】
米国特許第9,972,630号及び同第10,249,631号は、FinFET型論理デバイス及び非FinFETメモリセルを有するメモリデバイスを開示しており、各々の内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかしながら、これらの特許は、非FinFET型構成の高電圧トランジスタデバイスの同時形成を企図していない。
【発明の概要】
【0006】
上述した問題及び必要性は、デバイスを形成する方法によって対処され、この方法は、
上面を有し、第1、第2、及び第3のエリアを有するシリコン基板を提供するステップと、
この上面を、基板の第1及び第2のエリアにおいて陥凹させるが、基板の第のエリアにおいては陥凹させないステップと、
第1及び第2のエリアにおける上面の上方の、第1及び第2のエリアにおける上面から絶縁された第1のポリシリコン層を形成するステップと、
少なくとも第1のシリコンエッチングを使用して、第1のポリシリコン層を通して、第3のエリアではなく第1及び第2のエリアにおけるシリコン基板内に第1のトレンチを形成するステップと、
第1のトレンチを絶縁材料で充填するステップと、
第1のトレンチの充填後に、少なくとも第2のシリコンエッチングを使用して、第3のエリアにおけるシリコン基板内に第2のトレンチを形成して、上に延在し、かつ頂面で終端する、側面の1対を有する、シリコン基板の上向きに延在するフィンを形成するステップと、
フィンの形成後に、第1のエリアにおける第1のポリシリコン層の上方に材料のブロックの1対を形成するステップと、
第1のエリアにおける第1のポリシリコン層の一部を除去して、材料のブロックの対の一方の下に各々配設された第1のポリシリコン層の浮遊ゲートの1対を形成するステップと、
第1の注入を行って、浮遊ゲートの対間の第1のエリアにおけるシリコン基板に第1のソース領域を形成するステップと、
第1、第2、及び第3のエリアにおけるシリコン基板の上方に第2のポリシリコン層を形成するステップと、
第2のポリシリコン層の一部を除去して、
第1のエリアにおける第1のソース領域の上方に配設され、第1のエリアにおける第1のソース領域から絶縁された、第2のポリシリコン層の第1のポリシリコンブロックと、
第1のエリアにおけるシリコン基板の上方に配設され、第1のエリアにおけるシリコン基板から絶縁され、第1のエリアにおける浮遊ゲートの対の一方に隣接する、第2のポリシリコン層の第2のポリシリコンブロックと、
第1のエリアにおけるシリコン基板の上方に配設され、第1のエリアにおけるシリコン基板から絶縁され、第1のエリアにおける浮遊ゲートの対の別の1つに隣接する、第2のポリシリコン層の第3のポリシリコンブロックと、
第2のエリアにおけるシリコン基板の上方に配設され、第2のエリアにおけるシリコン基板から絶縁された、第2のポリシリコン層の第4のポリシリコンブロックと、
第3のエリアにおけるシリコンフィンの側面及び頂面の対の上方に配設され、第3のエリアにおけるシリコンフィンの側面及び頂面の対から絶縁された、第2のポリシリコン層の第5のポリシリコンブロックと、を形成するステップと、
1つ以上の注入を行って、
第2のポリシリコンブロックに隣接する基板の第1のエリアにおける第1のドレイン領域と、
第3のポリシリコンブロックに隣接する基板の第1のエリアにおける第2のドレイン領域と、
第4のポリシリコンブロックに隣接する基板の第2のエリアにおける第2のソース領域と、
第4のポリシリコンブロックに隣接する基板の第2のエリアにおける第3のドレイン領域と、
第5のポリシリコンブロックに隣接するフィンにおける第3のソース領域と、
第5のポリシリコンブロックに隣接するフィンにおける第4のドレイン領域と、を形成するステップと、
第5のポリシリコンブロックを除去するステップと、
第3のエリアにおけるフィンの側面及び頂面の対に沿って、高K材料の層を形成するステップと、
第3のエリアにおける高K材料の層に金属材料のブロックを形成するステップであって、その結果、金属のブロックが、フィンの側面及び頂面の対に沿って延在し、フィンの側面及び頂面の対から絶縁されている、形成するステップと、を含む。
【0007】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図1B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図1C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図2A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図2B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図2C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図3A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図3B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図3C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図4A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図4B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図4C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図5A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図5B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図5C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図6A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図6B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図6C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図7A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図7B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図7C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図8A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図8B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図8C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図9A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図9B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図9C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図10A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図10B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図10C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図11A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図11B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図11C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図12A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図12B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図12C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図13A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図13B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図13C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図14A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図14B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図14C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図15A】半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図15B】半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図15C】半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図16】メモリセルエリアにおけるメモリセルの側断面図である。
図17】HVデバイスエリアにおける高電圧デバイスの側断面図である。
図18】論理デバイスエリアにおける論理デバイスの側断面図である。
図19】論理デバイスエリアにおける論理デバイスの側断面図である。
図20A】代替の実施形態による、半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図20B】代替の実施形態による、半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図20C】代替の実施形態による、半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図21A】代替の実施形態による、半導体基板のメモリセルエリアに不揮発性メモリセルを形成するステップを示す側断面図である。
図21B】代替の実施形態による、半導体基板のHVデバイスエリアに高電圧デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
図21C】代替の実施形態による、半導体基板の論理デバイスエリアに論理デバイスを形成するステップを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1A図15A図1B図15B、及び図1C図15Cを参照すると、半導体ウェハ基板(基板とも称される)10のメモリセルエリア2(第1のエリア)にメモリセルの対(図1A図15Aを参照)、基板10のHVデバイスエリア6(第2のエリア)に高電圧トランジスタデバイス(図1B図15Bを参照)、及び基板10の論理デバイスエリア4(第3のエリア)に論理デバイス(図1C図15Cを参照)を作製するプロセスにおけるステップの側断面図が示されている。プロセスは、基板10の平面状の表面10aに二酸化ケイ素(酸化物とも称される)12の層を形成することによって始まり、基板10は、P型単結晶シリコンで形成され得る。酸化物層12は、堆積によって、又は熱酸化によって、形成することができる。酸化物層12に窒化シリコン層14(窒化物層14とも称される)を形成する。次いで、フォトリソグラフィマスキングプロセスを使用して、窒化物層14及び酸化物層12をパターン化する(すなわち、層のいくつかの部分を選択的に除去するが、他の部分は除去しない)。フォトリソグラフィマスキングプロセスは、窒化物層14にフォトレジスト材料をコーティングすることを含み、その後、フォトレジストを露光及び現像して、フォトレジストを論理デバイスエリア4に維持しながらメモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6からフォトレジスト材料を除去する。次いで、窒化物及び酸化物エッチングを使用して、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6から露出した窒化物層14及び酸化物層12を除去し、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6において、基板10の上面10aを露出させたままにする(フォトレジストは、これらの層を論理デバイスエリア4におけるエッチングから保護する)。残りのフォトレジストが論理デバイスエリア4から除去された後、シリコン酸化のみ、又はシリコンエッチングと組み合わせたシリコン酸化を使用して、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6における基板10の露出した上面10aを陥凹させる。例えば、シリコン酸化は、基板の上面10aにおいてシリコンを消費する熱酸化であり得る。酸化物層12及び窒化物層14は、この酸化/エッチングから論理デバイスエリア4を保護する。次いで、酸化物エッチングを使用して、熱酸化によって作成された酸化物を除去する。結果的に得られた構造体を、図1A図1Cに示し、HVエリア/メモリセルエリアにおける基板10の上面10aは、論理デバイスエリア4における基板10の表面10aの下に陥凹量Rだけ陥凹している。陥凹量Rの非限定的な例は、およそ20~70nmを含むことができる。
【0018】
窒化物層14及び酸化物層12は、論理デバイスエリア4から除去され(例えば、1回以上のエッチングによって)、基板10の表面10aを露出させたままにする。この段階での基板10の上面10aは、階段状であり、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6における基板10の上面10aの部分は、論理デバイスエリア4における基板10の上面10aの一部に対して、陥凹量Rだけ陥凹している(すなわち、より低い)。次いで、酸化物(絶縁材料)層16は、3つのエリア2/4/6の全てにおいて基板10の表面10aに(例えば、堆積又は熱酸化物によって)形成され、続いて、酸化物層16へのポリ堆積によってポリシリコン(ポリとも称される)層18(第1のポリシリコン層)が形成される。フォトリソグラフィマスキングプロセスを使用して、構造体をフォトレジストで覆い、論理デバイスエリア4からフォトレジストを除去する。次いで、ポリシリコンエッチングを使用して、論理デバイスエリア4からポリ層18を除去する。結果的に得られた構造体を、図2A図2C(フォトレジスト除去後)に示す。このポリ層18は、最終的に、メモリセルエリア2におけるメモリセルの浮遊ゲートを形成するために使用される。
【0019】
酸化物層20は、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6におけるポリ層18に、並びに論理デバイスエリア4における酸化物層16に形成され、窒化物層22は、酸化物層20に形成されている。フォトリソグラフィマスキングステップを使用して、構造体をフォトレジストで覆い、次いで、フォトレジストの一部を選択的に除去して、下地窒化物層22の選択部分を露出させたままにする。次いで、これらの選択エリアで1回以上のエッチングを行って、窒化物層22、酸化物層20、ポリ層18、酸化物層16を通って、かつメモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6における基板10内に延在する、トレンチ23を形成する。フォトレジスト除去後、構造体は、酸化物(すなわち、シャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation、STI)酸化物)24の層において覆われ、トレンチ23を酸化物24で充填する。次いで、窒化物層22の頂面を露出させるために、この構造体を(例えば、化学機械研磨-(Chemical Mechanical Polish)CMPによって)平面化する。結果的に得られた構造体を、図3A図3Cに示す。
【0020】
材料(例えば、ポリシリコン)の層26は、酸化物層22に形成される。図4A図4Cに示されるように、フォトレジスト28を形成し、論理デバイスエリア4におけるフォトレジスト28のストリップを選択的に除去し、層26の下地露出部分を除去して、下地窒化物層22まで下に延在して露出する論理デバイスエリア4における層26にトレンチ30を形成することによって、材料の層26をパターン化する。フォトレジスト除去後、次いで、スペーサ29をトレンチ30内に形成する。スペーサの形成は、当該技術分野においてよく知られており、構造体の輪郭の上方に材料を堆積した後、異方性エッチング処理することを含み、それによって、材料は、構造体の水平面からは除去される一方、材料は、構造体(丸みを帯びた上面を有することが多い)の垂直配向面においては大部分がそのまま残存する。この場合、スペーサ29は、トレンチ30の側壁に沿って形成され、酸化物又は窒化物で形成されることが好ましい。次に、層26の残りの部分がエッチングによって除去される。次に、この構造体をフォトレジストで覆い、露光及び現像して、論理デバイスエリア4からフォトレジストを除去する。次いで、窒化物エッチングを使用して、論理デバイスエリアにおけるスペーサ29間の窒化物層22の露出部分を除去し、続いて酸化物エッチングを使用して、論理デバイスエリア4における酸化物層20及び16、並びにメモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6における酸化物層20の露出部分を除去する。次いで、シリコンエッチングを使用して、論理デバイスエリア4における基板10の露出面を陥凹させ、基板10内に延在するトレンチ31を形成し、シリコン基板のフィン10bをトレンチ31間に形成する。各フィン10bは、図19に関して以下で更に説明されるように、上に延在し、頂面10dで終端する、側面10cの1対を有する、上向きに延在する部材である。結果的に得られた構造体を、図5A図5C(フォトレジスト除去後)に示す。
【0021】
スペーサ29は、エッチングによって除去される。フィン10b間の空間をSTI酸化物32で充填するために、酸化物堆積及びCMPが使用される。HVデバイスエリアは、PMOS領域及びNMOS領域を有することができる。フォトレジストを、構造体の上方に形成し、HVデバイスエリア6のPMOS領域から除去する。次いで、基板10内に注入を行って、Nウェル(N well、NW)を形成する。次いで、エッチングを行って、HVデバイスエリア6の酸化物24を陥凹させ、窒化物層22を除去する。フォトレジスト除去後、フォトレジストが構造体の上方に形成され、HVデバイスエリア6のNMOS領域及びメモリセルエリア2から除去される。次いで、基板10内に注入を行って、Pウェル(P well、PW)を形成する。次いで、エッチングを行って、メモリセルエリア2の酸化物24を陥凹させ、窒化物層22を除去する。結果的に得られた構造体を、図6A図6C(フォトレジスト除去後)に示す。
【0022】
酸化物エッチングを使用して、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6から酸化物層20を除去する(かつ、これらのエリアにおける酸化物24の上面を低下させる)。好ましくは酸化物、窒化物、及び酸化物の3つの副層(例えば、ONO層)を含む絶縁層34は、構造体の上方に形成される。第2のポリシリコン堆積によって、ONO層34に、ポリ層36を形成する。ハードマスク層(例えば、窒化物又は他の適切な絶縁材料)38は、ポリ層36に形成される。結果的に得られた構造体を、図7A図7Cに示す。フォトレジストが構造体の上方に形成され、部分的に除去されて、論理デバイスエリア4を完全に露出させ、HVデバイスエリア6を完全に露出させ、メモリセルエリア2の一部を露出させ、ハードマスク層38の一部を露出させたままにする。窒化物エッチングを使用して、ハードマスク層38の露出部分を除去し、ポリ層36の一部を露出させる。ポリエッチングを使用して、ポリ層36の露出部分を除去し、絶縁層34の一部を露出させる。エッチングを使用して、絶縁層34の露出部分を除去し、ポリ層18の一部を露出させる。フォトレジスト除去後、ON(酸化物及び窒化物)スペーサ40/42は、酸化物堆積、窒化物堆積、次いで、窒化物異方性エッチング及び酸化物異方性エッチングによって形成される。結果的に得られた構造体を、図8A図8Cに示す。図8Aに示されるように、スタック構造体S1及びS2の対がメモリセルエリア2に形成され、これらは、絶縁層34から残っている絶縁34aのブロックの上の、ポリ層36から残っているポリシリコン36aのブロックの上の、ハードマスク層38から残っているハードマスク材料38aのブロック、を含み、スタック構造体S1及びS2の側面に沿った酸化物スペーサ40及び窒化物スペーサ42を有する。スタック構造体S1/S2の各対について、スタック構造体S1とS2との間のエリアは、本明細書では内側領域IRと称され、スタック構造体S1及びS2の反対側のエリアは、本明細書では外側領域ORと称される。
【0023】
次いで、ポリエッチングを使用して、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6におけるポリ層18の露出部分(すなわち、スタック構造体S1及びS2によって保護された部分を除く全ての部分)を除去する。次いで、酸化物スペーサ44が、酸化物堆積及び異方性エッチングによって、スタック構造体S1及びS2の側面に形成される。スタック構造体S1及びS2は、ここでは更に、ポリ層18から残っているポリブロック18aをその下部に含む。フォトレジストを、構造体の上方に形成し、HVデバイスエリア6からのみ除去する。HVデバイスエリア6における基板10内に任意選択的な注入を行うことができる。次いで、酸化物エッチングを使用して、HVデバイスエリア6から酸化物層16を除去する。酸化物層46は、HVデバイスエリア6における露出した基板表面10aに(例えば、熱酸化又は堆積によって)形成され、このエリアに形成されるHVデバイスの動作に適切な厚さを有する。結果的に得られた構造体を、図9A図9C(フォトレジスト除去後)に示す。
【0024】
次いで、この構造体をフォトレジストで覆い、フォトレジストを選択的に除去して、メモリセルエリア2におけるスタック構造体S1及びS2の対との間の内側領域IRを露出させる。次いで、注入を行って、スタック構造体S1及びS2の対の、各々の間の基板10におけるメモリセルエリア2にソース領域48を形成する。次いで、酸化物エッチングを使用して、スタック構造体S1及びS2の内側壁(すなわち、内側領域IRにおいて互いに対向する側壁)の酸化物スペーサ44を除去する。酸化物(トンネル酸化物)の層50は、スタック構造体S1及びS2の内側壁に、並びにスタック構造体S1とS2との間の基板表面10aに(例えば、熱酸化及び/又は酸化物堆積によって)形成され、電子トンネリングに好適な厚さを有する。ソース領域48の熱酸化及び高ドーパント濃度は、酸化物層50を基板表面10aでより厚くすることができる。この構造体は、フォトレジストによって覆われ、フォトレジストはメモリセルエリア2における外側領域ORから除去される。外側領域ORにおける基板10に、注入が行われる(ワード線電圧注入と称される)。酸化物エッチングを使用して、メモリセルエリア2におけるOR領域から酸化物層16を除去する。結果的に得られた構造体を、図10A図10C(フォトレジスト除去後)に示す。
【0025】
フォトレジストを、構造体に形成し、論理デバイスエリア4から除去する。エッチングを使用して、論理デバイスエリア4から窒化物層22を除去する。論理デバイスエリア4における基板10にウェルを作成するために、注入が行われる。酸化物エッチングを使用して、論理デバイスエリア4から酸化物層20及び16を除去し、フィン10bを取り囲むトレンチ31の酸化物32を陥凹させる。フォトレジスト除去後、誘電体(絶縁)層52が、メモリセルエリア2及び論理デバイスエリア4における基板の露出面10aに、かつ論理デバイスエリア4におけるフィン10bの側面に沿って形成される。誘電体層52はまた、HVデバイスエリア6における酸化物層46の一部となる。誘電体層52は、酸化物、酸窒化物、又は他の好適な絶縁材料とすることができる。次いで、論理デバイスエリア4におけるフィン10bの側面の周囲を含む構造体にポリシリコンの層54(第2のポリシリコン層)が堆積される。CMP及びエッチバックプロセスを使用して、ポリシリコン層54の厚さを低減させる(すなわち、ポリ層54の上面が、メモリセルエリア2におけるスタック構造体S1/S2の頂部と同じ高さになるか、又はそれを下回るようにする)。結果的に得られた構造体を、図11A図11Cに示す。
【0026】
ハードマスク層56が構造体に形成され、これは材料の単一層又は材料の複数層(図では2つの層が示されている)とすることができる。ハードマスク層56は、1回以上のフォトリソグラフィプロセスを使用してパターン化され、ハードマスク層56の一部を露出させたままにする。ハードマスク層56の露出部分は、1回以上のエッチングによって除去され、ポリ層54の一部を露出させたままにする。ポリ層54の露出部分は、1回以上のエッチングによって除去され、ハードマスク56の残りの部分の下にあってこれらによって保護されるポリ層54の部分は、1回以上のエッチングから保護され、残る。結果的に得られた構造体を、図12A図12Cに示し、図12Cは、図11Cの線A-Aに沿った、図1C図11Cの図に直交するフィン10bの断面図である。ハードマスク及びポリ層のパターン化は、2段階で行うことができる。例えば、第1のハードマスクエッチングは、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6において、及び論理デバイスエリア4における部分的なエリアにおいて行うことができ、その後、論理デバイスエリア4における部分的なエリアのみに対して別個の第2のハードマスクエッチングを行うことができる。フォトレジスト除去後、次いで、別個のポリエッチングが行われる。結果的に得られた構造体は、ソース領域48のうちの1つの上方に各々配設されたポリ層54から残っている第1のポリブロック54aと、スタック構造体S1/S2のうちの1つに隣接する外側領域ORのうちの1つに各々配設されたポリ層54から残っている第2及び第3のポリブロック54bと、HVデバイスエリア6に各々配設されたポリ層54から残っている第4のポリブロック54cと、論理デバイスエリア4に各々配設されたポリ層54から残っている第5のポリブロック54dと、を有する。第5のポリブロック54dの各々は、フィン10bの周囲に配置されている。
【0027】
絶縁スペーサ(例えば、窒化物)58は、堆積及び異方性エッチングによって構造体の側面に形成される。メモリセルエリア2におけるポリブロック54bに隣接する基板10にドレイン領域60を形成し、HVデバイスエリア6におけるポリブロック54cに隣接する基板10にソース領域62及びドレイン領域64を形成し、ポリブロック54dに隣接する基板10にソース領域66及びドレイン領域68を形成するために、一連のマスキングステップ及び注入が行われる。論理デバイスエリア4におけるソース領域66及びドレイン領域68の形成は、ポリブロック54dに隣接するフィン10bの一部を除去するステップと、それらをエピタキシャル成長材料で置き換えるステップと、を含むことができ、ソース領域66及びドレイン領域68は、フィン10bのエピタキシャル成長材料部分である。任意選択的に、メモリセルエリア2におけるドレイン領域60、及び/又はHVデバイスエリア6におけるソース領域62及びドレイン領域64も、同様の方法で、エピタキシャル成長材料で置き換えることができる。追加の酸化物スペーサ70及び窒化物スペーサ72を、窒化物スペーサ58に沿って形成することができる。結果的に得られた構造体を、図13A図13Cに示す。
【0028】
材料のエッチング停止層74を構造体の上方に形成する。絶縁材料(ILD酸化物)の厚い層76を構造体の上方に形成する。次いで、図14A図14Cに示されるように、化学機械研磨及びエッチングを行って、ILD層76を低下させ、ハードマスク層56を除去し、ポリブロック54a、54b、54c、及び54dを露出させる(例えば、ポリブロック54a~54dが露出した後にCMPを停止する)。エッチングを使用して、ポリブロック54dを除去し(誘電体層52を露出させ)、論理デバイスエリア4から露出した誘電体層52を除去する。高K(すなわち、HfO2、ZrO2、TiO2、Ta2O5、又は他の適切な材料などの二酸化ケイ素より大きい誘電率Kを有する)材料の層78を、構造体に形成する。金属材料の層を構造体の上方に形成する。CMPを使用して、フィン10bの上方に配設され、かつ高K材料の層78によってフィン10bから絶縁された、金属のブロック80を除いて、金属材料及び高K材料層を除去する。ILD絶縁層82が構造体の上方に形成され、コンタクトホールがILD及び他の絶縁層に形成されて、様々なソース領域及びドレイン領域、ポリブロック、及び金属ブロックを露出させる。次いで、コンタクトホールを金属などのコンタクト材料で充填して、電気的コンタクト84を形成する。最終構造体を図15A図15Cに示す。
【0029】
図16は、メモリセルエリア2に形成された不揮発性メモリセル100の1対を示す断面図である。不揮発性メモリセル100の各対は、(第1の)ソース領域48と、2つの(第1及び第2の)ドレイン領域60と、を含み、これらは、それらの間の基板10に平面状のチャネル領域90を画定する。各不揮発性メモリセル100に対して、ポリブロック18aによって形成された浮遊ゲートは、チャネル領域90の第1の部分の上方に配設され、チャネル領域90の第1の部分を制御し、ポリブロック54bによって形成されたワード線(選択)ゲートは、チャネル領域90の第2の部分の上方に配設され、チャネル領域90の第2の部分を制御する。ポリシリコンブロック36aから形成された制御ゲートは、ポリブロック18aによって形成された浮遊ゲートの上方に配設され、ポリブロック54aによって形成された消去ゲートは、ソース領域48の上方に配設される。不揮発性メモリセル100は、端から端まで対で形成され、各メモリセルの対は、共通ドレイン領域60を共有し、不揮発性メモリセル100の隣接する対は、ポリブロック54a及びソース領域48によって形成された共通消去ゲートを共有する。ポリブロック54bによって形成されたワード線ゲートの下の誘電体層52は、より良好なワード線ゲート性能のために、ポリブロック18aによって形成された浮遊ゲートの下の酸化物層16よりも薄いことが好ましい。
【0030】
図17は、HVデバイスエリア6に形成されたHV(高電圧)デバイス102の断面図を含む。各HVデバイス102は、(第2の)ソース領域62及び(第3の)ドレイン領域64を含み、これらの領域は、ソース領域62とドレイン領域64との間の基板10に平面状のチャネル領域92を画定する。ポリブロック54cによって形成されたHVゲートは、平面状のチャネル領域92の上方に配置され、平面状のチャネル領域92の導電率を制御する。ポリブロック54cによって形成されたHVゲートは、酸化物層46によって基板から絶縁され、酸化物層46は、HVデバイス102の改良された性能のために別個に形成されるので、酸化物層16(ポリブロック18aによって形成された浮遊ゲート用)及び誘電体層52(ポリブロック54bによって形成されたワード線ゲート用)とは異なる厚さを有することができる。
【0031】
図18及び図19は、論理デバイスエリア4に形成された論理デバイス104の断面図である。各論理デバイス104は、(第3の)ソース領域66及び(第4の)ドレイン領域68を含み、これらの領域は、ソース領域66とドレイン領域68との間のフィン10bにチャネル領域94を画定する。図19に最良に示されるように、チャネル領域94は、フィン10bの頂部に沿って延在する頂面部分94aと、フィン10bの側面に沿って延在する側面部分94bと、を含む。論理ゲート80は、フィン10bの周囲に配置されている(すなわち、金属のブロック80から形成された論理ゲートは、チャネル領域94の導電性を制御するために、チャネル領域94の頂面部分の上方に、具体的には頂面部分94aの上方に、側面部分94bに横方向に隣接して配設されている)。
【0032】
2つの不揮発性メモリセル100、2つのHVデバイス102、及び2つの論理デバイス104のみが図に示されているが、当業者であれば、各タイプの多くのデバイスが、それぞれのエリアに同時に形成されることを理解するであろう。
【0033】
上で説明されたメモリデバイス方法及び結果的に得られた構造体は、平面状の不揮発性メモリセル100(すなわち、基板10の平面状の領域に形成され、平面状のチャネル領域90を有する不揮発性メモリセル100)及び平面状のHVデバイス102(すなわち、基板10の平面状の領域に形成され、平面状のチャネル領域92を有するデバイス)の高い動作性能及び製造の容易さの利点を含む多くの利点を、論理デバイス104が凝縮された非平面状の論理デバイス(すなわち、フィン10bに形成され、フィン10bを取り囲み、非平面状であるチャネル領域94を有する論理デバイス)である埋め込み論理デバイスとメモリデバイスとの高度な組み合わせの利点とともに提供する。論理デバイス104のFinFETトランジスタアーキテクチャは、トライゲート構成を用いた強化されたチャネル制御を提供し、トランジスタ寸法の更なるスケーリングを可能にする。
【0034】
別の利点は、基板10の上面10aが、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6において、論理デバイスエリア4に対して陥凹していることである。具体的には、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6におけるチャネル領域を構成する基板10の平面状の上面10aは、図1A図1Cに示されるように、陥凹量Rだけ論理デバイスエリア4におけるフィン10bの頂部の下に陥凹している高さを有し、これは、論理デバイス104に対してより高いゲートスタック厚並びにメモリセル100及びHVデバイス102のトポロジに対応する。加えて、論理デバイスエリア4並びにメモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6における共通の処理が容易になる。例えば、メモリセルエリアにおける基板表面の高さの上に立ち上がるフィン10bを論理デバイスエリア4に有することは、ポリ層54、ハードマスク層56、及びスペーサ58/70/72のブロックの共通の形成ステップを簡略化する。同様に、共通の注入ステップを使用して、メモリセルドレイン領域60、HVデバイスソース領域62/ドレイン領域64、及び論理デバイスソース領域66/ドレイン領域68を形成することができる。更に、ポリブロック54aによって形成された消去ゲート、ポリブロック54bによって形成されたワード線ゲート、ポリブロック54cによって形成されたHVゲート、及びダミーポリブロック54dは全て、同じポリシリコン堆積処理を使用して形成される。更に別の利点は、ポリ層54のポリブロック54dをダミーブロックとして使用することであり、ダミーブロックは除去され、高K材料及び金属ゲート80で置き換えられる。これは、単一のポリシリコン層を使用して、メモリセルエリア2においてポリブロック54aによって形成された消去ゲート及びポリブロック54bによって形成されたワード線ゲート、HVデバイスエリア6においてポリブロック54cによって形成された高電圧ゲート、並びに論理エリア4におけるダミーポリブロック54dを形成することを意味する。メモリセル及びHVデバイスのためのプロセス製作(メモリセル及びHVデバイスのゲートの全てのポリブロックの形成を含む)の大部分は、論理ゲートの形成の前に行われ、これは、CMOSベースラインへの処理の影響を低減する。メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6のためのSTI絶縁は、フィン10bが論理デバイスエリア4に形成される前に形成され、これは、基板内に延在するSTIの深さを、メモリセルエリア2及びHVデバイスエリア6と論理デバイスエリアとの間で変え得ることを意味する(すなわち、トレンチ23は、トレンチ31よりも基板10内により深く延在し得、逆もまた可能である)。
【0035】
図20A図20C及び図21A~21Cは、図6A図6Cの構造から始まる代替の一実施形態を例解する。この代替の実施形態では、図20A図20Cに示されるように、ハードマスク層38がポリ層18に直接形成されるように絶縁層34及びポリ層36の形成が省略されることを除いて、図7A図7Cに関して上で説明したステップが行われる。残りの処理ステップは、絶縁層34及びポリ層36を対象としたすべてのステップを除いて、上で説明したように行われ、図21A図21Cに示される最終構造体をもたらす。この第1の代替の実施形態における最終構造体の唯一の重要な違いは、メモリセルエリア2におけるポリブロック18aによって形成された浮遊ゲートの上方に制御ゲート(ポリ層36からの材料のブロック)が存在しないことである。その代わりに、各メモリセルは、3つのゲート(ポリブロック18aによって形成された浮遊ゲート、ポリブロック54bによって形成されたワード線ゲート、及びポリブロック54aによって形成された消去ゲート)のみを含む。本実施形態では、浮遊ゲートの上方の材料のブロックは、窒化物層38のブロックである。制御ゲートの省略により、メモリセルの高さを更に低減させることができる。
【0036】
本発明は、上で説明され、かつ本明細書に例解される実施形態に限定されないことが理解されるべきである。例えば、本明細書で本発明に言及することは、いかなる特許請求項又は特許請求項の用語の範囲を限定することも意図しておらず、代わりに、単に、1つ以上の特許請求項によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するものである。上で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。更に、特許請求の範囲及び明細書から明らかであるように、全ての方法ステップが例解又は特許請求される正確な順序で行われる必要はないが、むしろ本発明のメモリセル及び論理デバイスの適切な形成を可能にする任意の順序で(任意の順序における明示的に列挙された制限がない限り)行われる。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0037】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語はともに、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に接続している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。
図1A-1C】
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B-5C】
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C