(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】配達支援システムおよび配達支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20240125BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240125BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240125BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20240125BHJP
G06Q 10/083 20240101ALI20240125BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 B
G08G1/0969
B65G61/00 550
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2020058047
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000660
【氏名又は名称】Knowledge Partners弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 祐輔
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-274875(JP,A)
【文献】特開2001-311626(JP,A)
【文献】特開2015-224958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
G08G 1/00 - 99/00
B65G 61/00
G06Q 10/00 - 10/30
G06Q 30/00 - 30/08
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行う案内地点案内部と、
前記配達地点において荷卸を行うために前記配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行う駐車地点案内部と、を備え
、
前記案内地点案内部における案内の開始条件と、前記駐車地点案内部の案内における開始条件と、をそれぞれ充足する場合に、
前記駐車地点案内部は、
前記案内地点案内部において、前記配達地点に到達する前に通過する最後の前記案内地点の案内が終了した後に、前記駐車地点に関する案内を行う、
配達支援システム。
【請求項2】
前記案内地点は、
交差点である、
請求項1に記載の配達支援システム。
【請求項3】
前記案内地点案内部は、
前記配達車両の現在地を含む地図を表示部に表示させて案内を行い、
前記駐車地点案内部は、
前記現在地を含まない地図を前記表示部に表示させて案内を行う、
請求項1または請求項2に記載の配達支援システム。
【請求項4】
コンピュータを
複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行う案内地点案内部、
前記配達地点において荷卸を行うために前記配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行う駐車地点案内部、として機能させ
、
前記案内地点案内部における案内の開始条件と、前記駐車地点案内部の案内における開始条件と、をそれぞれ充足する場合に、
前記案内地点案内部において、前記配達地点に到達する前に通過する最後の前記案内地点の案内が終了した後に、前記駐車地点案内部が前記駐車地点に関する案内を行うように、コンピュータを機能させる、
配達支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配達支援システムおよび配達支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物の配達を支援するシステムが知られている。例えば、特許文献1においては、訪問先へのルート案内を行い、次の訪問先に対して既定距離に近づいた時に、自動で地図画面表示が最大縮尺に切り替わる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術においては、次の訪問先に対して既定距離に近づいた時に、自動で地図画面表示が最大縮尺に切り替わる。従って、ルート案内中であっても、自動で地図画面表示が切り替わってしまう。このため、案内対象地点に関するルート案内が行われる前に、次の訪問先までの距離が既定距離以下になれば、案内対象地点に関するルート案内が行われない。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、分かりやすい案内が行われる可能性を高めることが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、配達支援システムは、複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行う案内地点案内部と、配達地点において荷卸を行うために配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行う駐車地点案内部と、を備え、案内地点案内部における案内の開始条件と、駐車地点案内部の案内における開始条件と、をそれぞれ充足する場合に、駐車地点案内部は、案内地点案内部において、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了した後に、駐車地点に関する案内を行う。
【0006】
さらに、上記の目的を達成するため、配達支援プログラムは、コンピュータを、複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行う案内地点案内部、配達地点において荷卸を行うために配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行う駐車地点案内部、として機能させ、案内地点案内部における案内の開始条件と、駐車地点案内部の案内における開始条件と、をそれぞれ充足する場合に、案内地点案内部において、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了した後に、駐車地点案内部が駐車地点に関する案内を行うように、コンピュータを機能させる。
【0007】
すなわち、配達支援システム、配達支援プログラムは、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了するまで案内地点に関する案内を行う状態を維持する。そして、配達支援システム、配達支援プログラムは、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了した後に、駐車地点に関する案内を行う。この結果、案内地点に関する案内が行われない状況が発生することが防止される。さらに、最後の案内地点の案内が終了した後には、駐車地点に関する案内も行われる。従って、分かりやすい案内が行われる可能性を高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
および配達支
【
図3】
図3Aは案内地点に関する案内の例を示す図、
図3Bは駐車地点案内の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)システム構成:
(1-1)サーバの構成:
(1-2)配達支援システムの構成:
(2)配達支援処理:
(3)他の実施形態:
【0010】
(1)システム構成:
図1は、本発明にかかる配達支援システム10の構成を示すブロック図である。本実施形態において配達支援システム10は、通信を介してサーバ100と協働する。配達支援システム10は、配達車両に搭載されて使用される端末である。サーバ100は、管理者端末101と通信することも可能である。本実施形態においては、複数の運転者のそれぞれが運転する配達車両が予め決められ、各配達車両で訪問すべき配達地点および訪問順序と、各配達地点に配達すべき荷物が予め決められる。
【0011】
管理者端末101は、複数の配達車両の運行管理を行う管理者が使用する端末である。管理者端末101は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部201と、記録媒体301と、他の装置と通信を行うための通信部401を備えている。制御部201は、記録媒体301やROM等に記録された図示しないプログラムを実行可能である。当該プログラムには、各配達車両の配達予定を示す予定情報300aと、各配達車両の運転者が各配達地点での配達のために配達車両を駐車させるための駐車地点に関する駐車地点情報300bを生成するためのプログラムが含まれる。
【0012】
制御部201が当該プログラムを実行すると、管理者は、図示しないキーボードやマウス等の入力装置を利用して、予定情報300aおよび駐車地点情報300bを生成する。
図2Aは、予定情報300aの一例を示す図である。本実施形態においては、配達車両の荷室に図示しないICタグの読取部が設けられており、荷物に取り付けられたICタグが読み取られることで荷室内の荷物が特定される。このため、本例の予定情報300aにおいては、各荷物に取り付けられるRFIDによって各配達地点に配達される予定の荷物が特定される。
【0013】
そして、予定情報300aにおいては、各荷物に取り付けられたICタグのRFIDに対して、配達車両に関連する情報と、配達地点に関連する情報と、商品に関連する情報とが対応づけられている。具体的には、配達車両に関連する情報としては、配達車両の識別情報と各配達車両で配達を行うべきコースのコース名、当該コース名に付与されたコース番号が含まれている。すなわち、1台の配達車両には予め決められたコースを巡回して配達を行うように配達予定が割り振られ、コースには名称と番号(識別情報)とが対応づけられる。例えば、
図2Aに示す配達車両「T001」には、コース名が「A地区1」、コース番号が「C001」であるコースが割り振られ、各荷物に対応づけられて予定情報300aに記述されている。
【0014】
配達地点に関連する情報には、配達地点への配達順序である路順、配達地点に付与された配達地点番号、配達地点の名称が含まれている。すなわち、各配達車両が配達地点に到達すべき順序は路順として決められており、各路順で到達すべき配達地点には番号が付与されている。また、本実施形態において配達地点は店舗であり名称があり、これらの情報が各荷物に対応づけられる。例えば、
図2Aに示す「店舗a」には配達地点番号「S001」が割り振られ、「店舗a」は配達車両「T001」で最初に到達すべき配達地点、すなわち、路順「01」であることが決められ、各荷物に対応づけられて予定情報300aに記述されている。
【0015】
商品に関連する情報には、商品名、カラーコードが含まれている。本実施形態において、荷物は、複数の商品を入れることができる箱(番重)であり、一つの箱には1種類の商品が入れられる。そこで、一つの荷物としての箱に入れられる商品の種類に対応した商品名が荷物を示すRFIDに対応づけられる。また、本実施形態においては、運転者が一見して荷物の種類を識別できるように、一定の大きさの矩形を一定の間隔で並べて着色し、色の並び順で商品を示すカラーコードが予め定義される。各荷物に対して商品を示すカラーコードが貼り付けられ、予定情報300aにも記述される。例えば、
図2Aに示す例においては、赤をR,緑をG、青をBで示しており、商品が弁当Aである場合、RRGR(赤赤緑赤)の順に着色された矩形が並べられて示される。このため、予定情報300aにおいては、商品が弁当Aである荷物に当該カラーコードが対応づけられる。
【0016】
なお、本実施形態において、配達車両に関連する情報と、配達地点に関連する情報と、商品に関連する情報とのそれぞれには、複数の種類の情報が含まれているが、複数の種類の少なくとも1種が省略されてもよい。例えば、配達車両に関連する情報の中で、コース名またはコース番号のいずれかが省略されていてもよい。
【0017】
図2Bは、駐車地点情報300bの一例を示す図である。駐車地点情報300bは、配達地点において荷卸を実行するために配達車両を駐車させるべき駐車地点を案内するための情報である。本実施形態において、駐車地点情報300bは、複数の配達地点のそれぞれについて定義される。本実施形態においては、配達地点の周辺を示す地図上に配達地点と駐車地点とを表示することによって駐車地点案内を行う。また、本実施形態においては、駐車の際に注意すべき情報も案内される。
【0018】
これらの案内を行うため、本実施形態において駐車地点情報300bは、配達地点、駐車地点を示す情報を含む。また、注意すべき事項が存在する場合、注意地点に関する情報を含む。配達地点を示す情報は、配達地点の路順、配達地点の番号、配達地点の名称、電話番号と、配達地点の座標と、地図とともに表示すべきアイコンの識別情報を含む。
図2Bに示す例においては、配達地点の路順が05,番号がS005,名称が店舗e、電話番号が0311112222、座標が(X
1,Y
1)、アイコンの識別情報が0001である例を示している。
【0019】
駐車地点を示す情報は、駐車地点の座標と、地図とともに表示すべきアイコンの識別情報を含む。
図2Bに示す例においては、駐車地点の座標が(X
2,Y
2)、アイコンの識別情報が0002である例を示している。
【0020】
注意地点を示す情報は、注意地点の座標と、地図とともに表示すべき情報を示している。本実施形態において、地図とともに表示すべき情報は、アイコンまたは文字情報である。そこで、本実施形態においては、アイコンの識別情報または文字コードによってこれらのアイコンまたは文字情報が示されている。
図2Bに示す例においては、注意地点の座標が(X
3,Y
3),(X
4,Y
4)である例が示されており、文字コードという表記によって文字コードが対応づけられた様子を示している。
【0021】
なお、アイコンの識別情報は、表示されるアイコンの画像を示しているが、画像データは配達支援システム10に保存されていても良いし、サーバ100から配達支援システム10に送信されても良い。
【0022】
管理者によって予定情報300aおよび駐車地点情報300bが生成されると、管理者端末101は通信部401によってサーバ100と通信を行い、予定情報300aおよび駐車地点情報300bをサーバ100に対して送信する。サーバ100は、予定情報300aおよび駐車地点情報300bを記録媒体に記録する。
【0023】
(1-1)サーバの構成:
サーバ100は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部200、記録媒体300、通信部400を備えている。通信部400は、配達支援システム10および管理者端末101と情報の授受を行う回路を備えている。制御部200は、通信部400を介して配達支援システム10および管理者端末101と通信を行うことができる。
【0024】
また、記録媒体300には、予定情報300aと駐車地点情報300bと地図情報300cとが記録される。すなわち、管理者端末101から予定情報300a、駐車地点情報300bが送信されると、制御部200は、通信部400を介して予定情報300a、駐車地点情報300bを取得し、記録媒体300に記録する。
【0025】
地図情報300cは、ノードデータ,形状補間点データ,リンクデータ,道路やその周辺に存在する地物の位置等を示すデータ等を含んでいる。リンクデータにはリンクデータが示す道路区間毎のコストを示す情報が対応付けられている。地物を示すデータには、地物の属性(施設の種類等)が含まれている。本実施形態においては、これらの地物が配達地点となり得る。
【0026】
制御部200は、記録媒体300やROMに記憶されたプログラムを制御部200で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムとして配達支援プログラム210を実行可能である。配達支援プログラム210は、経路探索部210aを備えている。
【0027】
経路探索部210aは、配達車両が出発地(荷物の集積所等)から路順通りに配達地点を訪問する際の経路を探索する機能を制御部200に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において制御部200は、予定情報300aを参照し、各配達車両の経路を探索する。すなわち、制御部200は、予定情報300aを参照し、出発地から最初の配達地点までの経路を探索し、さらに次の配達地点までの経路を探索して経路を結合する処理を、最後の配達地点の経路が結合されるまで繰り返す。なお、最後の配達地点から出発地に戻る経路が探索され、結合されてもよい。
【0028】
以上のような経路探索は配達支援システム10が搭載された各配達車両について実施される。制御部200は、各配達車両に搭載された配達支援システム10に対して、通信部400を介して経路を送信する(後述する経路情報30d)。また、この際、制御部200は、通信部400を介して、予定情報300aおよび各配達車両の駐車地点情報300bを配達支援システム10に送信する。
【0029】
(1-2)配達支援システムの構成:
本実施形態にかかる配達支援システム10は、経路に沿って車両を誘導するナビゲーション機能と、駐車地点案内を行う機能を含む各種の機能を実行可能な端末である。配達支援システム10は、CPU,RAM,ROM等を備える制御部20、記録媒体30、通信部15、GNSS受信部16、車速センサ17、ジャイロセンサ18、ユーザI/F部19を備えている。
【0030】
通信部15は、他の装置と通信を行う回路を備えている。制御部20は、通信部15を介してサーバ100と通信を行うことが可能である。制御部20は、通信部15を介してサーバ100から予定情報300a、駐車地点情報300b、経路情報30dを取得し、記録媒体30に記録する。また、記録媒体30に、地図情報30cが記録されている。
【0031】
ユーザI/F部19は、利用者(運転者)の指示を入力し、また利用者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカ等の音声出力部を備えている。ユーザI/F部19は制御信号を制御部20から受信し、経路案内などの各種案内を行うための画像をタッチパネルディスプレイに表示する。
【0032】
予定情報300aは、サーバ100から送信され、記録媒体30に記録される情報であり、少なくとも配達支援システム10が搭載された配達車両についての予定を示す予定情報300aである。なお、配達支援システム10において、予定情報300aは、各種の目的で使用されてよい。
【0033】
例えば、予定情報300aは、誤配達の防止等に使用されてよく、この場合、制御部20は、現在地を特定し、現在の配達地点を特定する。また、制御部200は、予定情報300aに基づいて、現在の配達地点で荷卸しすべき荷物を特定し、ユーザI/F部19に表示させる。さらに、制御部20は、図示しないICタグの読取部を制御して荷室に積載された荷物の検出を行い、予定情報300aが示す荷物が荷卸しされたか否かを示す情報を、ユーザI/F部19に表示させる。運転者は、この情報に基づいて荷卸しすることにより、誤配達を防止することができる。
【0034】
駐車地点情報300bは、サーバ100から送信され、記録媒体30に記録される情報である。本実施形態においては、配達車両が出発する前に、その日に訪問すべき配達地点のそれぞれについての駐車地点情報300bがサーバ100から送信され、記録媒体30に記録される。地図情報30cは、上述の地図情報300cと同一の内容の情報であり、経路案内や地図の表示等に利用される。
【0035】
経路情報30dは、サーバ100から送信され、記録媒体30に記録される情報である。本実施形態においては、各配達車両が予定情報300aに従って配達を行う際に訪問すべき配達地点を、路順に従って訪問する際の経路がサーバ100で探索される。経路情報30dは、当該探索された経路を示す情報であり、経路が得られると、当該経路に沿って配達を行うべき各配達車両にその経路を示す経路情報が送信される。制御部20は、通信部15を介して当該経路情報を取得し、経路情報30dとして記録媒体30に記録する。
【0036】
GNSS受信部16は、Global Navigation Satellite Systemの信号を受信する装置であり、航法衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在地を算出するための信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在地を取得する。車速センサ17は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ18は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ17およびジャイロセンサ18等は、車両の走行軌跡を特定するために利用され、本実施形態においては、車両の出発位置と走行軌跡とに基づいて現在地が特定され、当該出発位置と走行軌跡とに基づいて特定された車両の現在地がGNSS受信部16の出力信号に基づいて補正される。
【0037】
制御部20は、経路に沿って車両を誘導するナビゲーション機能と、駐車地点案内を行う機能を実行するため、配達支援プログラム21を実行する。配達支援プログラム21は、案内地点案内部21aと駐車地点案内部21bとを備えている。
【0038】
案内地点案内部21aは、複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行う機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。本実施形態において、制御部20は、経路情報30dに基づいて、各配達地点までの経路案内を実行する。すなわち、制御部20は、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。
【0039】
また、制御部20は、当該現在地がユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイの既定位置に存在する地図を既定の縮尺で表示させるために必要な地図の描画範囲を特定する。そして、制御部20は、当該描画範囲の地図情報30cを参照し、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイに、現在地を含む地図を表示させる。この構成によれば、運転者は、配達車両の現在地を把握しながら経路を確認することができる。
【0040】
さらに、制御部20は、経路情報30dを参照し、車両の現在地から次の配達地点までの経路を特定する。そして、制御部20は、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイに表示された地図上で当該経路を強調表示させる。
図3Aは、当該地図の表示例を示す図である。本例においては、配達車両の現在地Cから延びる太い線によって経路を示し、Gと示されたアイコンによって配達地点を示している。
【0041】
本実施形態において制御部20は、このように、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイに地図を表示させながら、経路上の交差点で非直進方向に進行すべき場合に、進行方向を音声案内する。本実施形態においては、このような音声案内の対象となる交差点を案内地点と呼ぶ。制御部20は、地図情報30cおよび経路情報30dに基づいて、経路上で非直進方向に進行する交差点を特定し、案内地点とする。なお、非直進方向に進行する交差点は、種々の手法で特定されて良く、例えば、交差点への進入方向と交差点からの退出方向とにおける鋭角側の交差角の絶対値が閾値以上である交差点等が挙げられる。
【0042】
そして、制御部20は、地図情報30cを参照し、現在地と案内地点との間の経路に沿った距離が第1距離以下になると、ユーザI/F部19の音声出力部を制御し、案内地点としての交差点の進行方向を音声案内する。また、制御部20は、現在地と案内地点との間の経路に沿った距離を監視し、第1距離より小さい第2距離になると、ユーザI/F部19の音声出力部を制御し、案内地点としての交差点の進行方向を、再度、音声案内する。さらに、制御部20は、現在地が案内地点との直前(第3距離以下)になると、ユーザI/F部19の音声出力部を制御し、案内地点としての交差点の進行方向を、再度、音声案内する。すなわち、案内地点としての交差点においては、現在地と交差点との間の距離が第1距離以下になると、交差点進入直前まで案内地点に関する案内が行われ得る状態になる。
【0043】
駐車地点案内部21bは、配達地点において荷卸を行うために配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行う機能を制御部20に実行させるプログラムモジュールである。すなわち、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。また、制御部20は、駐車地点情報300bを参照し、予定情報300aおよび現在地に基づいて、次の配達地点の駐車地点を特定する。
【0044】
そして、現在地と次の配達地点との直線距離が第4距離以下になると経路案内を一時中断し、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイを制御して駐車地点案内を表示させる。具体的には、制御部20は、地図情報30cを参照し、配達地点および駐車地点がタッチパネルディスプレイ上の地図表示範囲に含まれる縮尺を特定する。そして、制御部20は、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイを制御して、配達地点および駐車地点が含まれる地図を表示させる。
【0045】
次の配達地点の駐車地点情報300bに注意地点が含まれる場合、制御部20は、地図情報30cを参照し、配達地点、駐車地点および注意地点がタッチパネルディスプレイ上の地図表示範囲に含まれる縮尺を特定する。そして、制御部20は、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイを制御して、当該縮尺によって、配達地点、駐車地点および注意地点が含まれる地図を表示させる。
【0046】
さらに、制御部20は、駐車地点情報300bを参照し、配達地点および駐車地点の座標に対応づけて配達地点および駐車地点のアイコンを表示させる。また、次の配達地点の駐車地点情報300bに注意地点が含まれる場合、制御部20は、注意地点の座標に対応づけてアイコンや文字情報を表示させる。
【0047】
図3Bにおいては、駐車地点案内の例を示している。本例においては、太い線によって経路を示している。また、Gと示されたアイコンは配達地点を示している。制御部20は、配達地点の座標に相当する地図上の位置に当該アイコンを表示させる。また、駐車地点は経路の先端に位置するアイコンIである。制御部20は、駐車地点の座標に相当する地図上の位置に当該アイコンIを表示させ、当該アイコンIまで延びる太い線を道路上に描画させる。
【0048】
さらに、
図3Bに示す例において、吹き出しF
1,F
2は、注意地点の座標を指す吹き出しである。これらの吹き出しF
1,F
2においては、内部に注意地点を示すアイコンや文字情報が表示される。制御部20は、注意地点の座標に相当する地図上の位置を指す吹き出しを表示させ、当該吹き出しの内部にアイコンや文字情報を表示させる。なお、この例において、吹き出しF
1は駐車禁止、吹き出しF
2は騒音に対する注意喚起を示している。
【0049】
なお、本実施形態においては、配達地点および駐車地点が含まれる地図が表示され、注意地点が存在する場合には当該注意地点が含まれる地図が表示される。従って、地図には必ずしも現在地が含まれない。しかし、配達地点に駐車する際の駐車地点および配達地点、注意地点が表示されるため、運転者は駐車地点を容易に見つけることができる。また、注意地点の場所も容易に確認することができる。
【0050】
以上のように、本実施形態においては、第1距離に基づいて案内地点の案内が開始され、第4距離に基づいて駐車地点の案内が開始される。第1距離と第4距離とは互いに独立に決められているため、案内地点の案内と駐車地点の案内との双方の開始条件が充足する場合がある。
図3Aにおいては、このような状況が生じる例を示している。すなわち、
図3Aに示すL
4は第4距離であり、L
1は第1距離である。
【0051】
この例においては、交差点Piと配達地点Gが近いため、配達車両は、交差点Piから第1距離L1の地点に達する前に配達地点Gから第4距離L4の地点に達してしまう。このような場合において、経路案内が一時的に停止され、駐車地点の案内が開始されると、運転者が交差点の進行方向を知ることができなくなってしまう。
【0052】
そこで、本実施形態においては、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了した後に、駐車地点の案内が行われる構成が採用されている。具体的には、駐車地点まで第4距離以下となって、駐車地点案内のトリガが発生した場合、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、次の配達地点までの経路における最後の案内地点を通過したか否か判定する。
【0053】
次の配達地点までの経路における最後の案内地点を通過したと判定されない場合、制御部20は、駐車地点の案内を開始しない。一方、次の配達地点までの経路における最後の案内地点を通過したと判定された場合、制御部20は、駐車地点の案内を開始する。以上の構成によれば、駐車地点の案内が開始されたことによって交差点の経路案内が行われない状況が発生することが防止される。さらに、配達地点到達前の最後の交差点の経路案内が終了した後には、駐車地点に関する案内も行われる。従って、分かりやすい案内が行われる可能性を高めることが可能である。
【0054】
(2)配達支援処理:
次に、制御部20が実行する配達支援処理を説明する。
図4は、制御部20が実行する配達支援処理を示すフローチャートである。当該配達支援処理は、予定情報300a、駐車地点情報300bおよび経路情報30dが生成され、配達支援システム10に保存された状態で実行される。また、配達支援処理は、配達車両の荷室に対する荷物の積込が行われ、各配達地点に向けて出発する前に実行される。
【0055】
配達支援処理が実行されると、制御部20は、案内地点案内部21aの機能により、経路案内を開始する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。また、制御部20は、地図情報30cを参照し、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイを制御して当該現在地を含む地図を表示させる。さらに、制御部20は、経路情報30dを参照し、当該地図上で現在地から延びる経路となる道路区間を強調表示する。
【0056】
次に、制御部20は、案内地点案内部21aの機能により、案内地点まで第1距離以下であるか否かを判定する(ステップS105)。すなわち、制御部20は、地図情報30cおよび経路情報30dに基づいて、経路上で非直進方向に進行する交差点を特定し、案内地点とする。さらに、制御部20は、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。そして、制御部20は、地図情報30cに基づいて、現在地の前方に存在する最も近い案内地点としての交差点を特定し、当該交差点と現在地との間の経路上の距離を特定する。そして、制御部20は、当該距離が予め決められた第1距離以下であるか否かを判定する。
【0057】
ステップS105において、案内地点まで第1距離以下であると判定された場合、制御部20は、案内地点の案内を実行する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、案内地点案内部21aの機能により、案内地点としての交差点と現在地との距離に応じた音声データを取得し、ユーザI/F部19の音声出力部に案内音声を出力させる。なお、案内は、上述のように、案内地点としての交差点と現在地との距離が、第1距離、第2距離、第3距離以下になった場合に実行される。
【0058】
次に、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、案内地点を通過したか否か判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、地図情報30cおよび経路情報30dに基づいて、ステップS105で第1距離以下であると判定された案内地点よりも現在地が経路進行方向前方に存在する場合に案内地点を通過したと判定する。ステップS115において、案内地点を通過したと判定されない場合、制御部20は、ステップS110以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部20は、案内地点に関する案内を継続する。
【0059】
ステップS115において、案内地点を通過したと判定された場合、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、通過した案内地点が最後の案内地点であるか否かを判定する(ステップS117)。すなわち、制御部20は、地図情報30cおよび経路情報30dに基づいて、次の配達地点までの経路上で次の配達地点に最も近く、かつ、非直進方向に進行する交差点を、最後の案内地点として特定する。そして、ステップS115で通過したと判定された案内地点が最後の案内地点でない場合、ステップS105以降の処理を繰り返す。すなわち、経路案内を継続させる。
【0060】
ステップS117において、通過した案内地点が最後の案内地点であると判定された場合、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、駐車地点まで第4距離以下であるか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。また、制御部20は、現在地および駐車地点情報300bに基づいて、次の配達地点を特定する。さらに、制御部20は、現在地と次の配達地点との直線距離を特定する。そして、制御部20は、当該距離が予め決められた第4距離以下であるか否かを判定する。ステップS120において、駐車地点まで第4距離以下であると判定されない場合、制御部20は、ステップS105以降の処理を繰り返す。
【0061】
一方、ステップS105において、案内地点まで第1距離以下であると判定されない場合、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、駐車地点まで第4距離以下であるか否かを判定する(ステップS125)。当該判定のための処理は、ステップS120における判定と同一である。ステップS125において、駐車地点まで第4距離以下であると判定されない場合、制御部20は、ステップS105以降の処理を繰り返す。
【0062】
ステップS120またはステップS125において駐車地点まで第4距離以下であると判定された場合、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、駐車地点を案内する(ステップS130)。すなわち、制御部20は、駐車地点情報300bを参照し、配達地点および駐車地点の位置を取得する。駐車地点情報300bに注意地点が含まれる場合、制御部20は、注意地点も取得する。
【0063】
さらに、制御部20は、ユーザI/F部19のタッチパネルディスプレイを制御し、地図情報30cに基づいて、各地点が存在する地図を表示させる。さらに、制御部20は、駐車地点情報300bに基づいて、各地点の位置に相当する地図上の位置にアイコンや文字情報を表示させる。なお、当該駐車地点の案内が実行されると経路案内は中断され、駐車地点の案内が終了すると(駐車地点への駐車後に配達が完了して配達車両が再出発すると)、経路案内が再開される。
【0064】
以上の構成により、案内地点まで第1距離以下であれば、ステップS105,S110の処理により、案内地点の案内が優先的に実施される。案内地点まで第1距離以下でない場合、駐車地点まで第4距離以下であれば、ステップS125の判定により、駐車地点の案内が実行される。案内地点まで第1距離以下である場合、駐車地点まで第4距離以下になるだけでは駐車地点の案内は開始されない。すなわち、案内地点まで第1距離以下になったことに応じて案内地点の案内が行われた場合、案内地点を通過することにより案内地点に関する案内が終了し、かつ、通過した案内地点が最後の案内地点であるならば、駐車地点まで第4距離以下になったことに応じて駐車地点が案内される。
【0065】
ステップS130において駐車案内が行われると、制御部20は、駐車地点案内部21bの機能により、配達車両が駐車地点に駐車したか否か判定する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、GNSS受信部16,車速センサ17,ジャイロセンサ18の出力信号に基づいて、配達車両の現在地を取得する。そして、現在地と駐車地点との距離が閾値以下になった場合、制御部20は、配達車両が駐車地点に駐車したと判定する。なお、閾値は、現在地が駐車地点と一致したか否か判定するために予め決められた値である。
【0066】
ステップS135において、配達車両が駐車地点に駐車したと判定されない場合、制御部20は、ステップS130以降の処理を繰り返す。一方、ステップS135において、配達車両が駐車地点に駐車したと判定された場合、制御部20は、予定情報300aに基づいて、配達を行った配達地点が最終地点であるか否か判定する(ステップS140)。ステップS140において、最終地点であると判定されない場合、制御部20は、ステップS105以降の処理を繰り返す。一方、ステップS140において、最終地点であると判定された場合、制御部20は、配達支援処理を終了する。
【0067】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、
図3A,
図3Bに示す案内は一例であり、情報の案内態様が異なっていてもよい。また、駐車地点案内を行うべきか否かを判定する際に、上述の実施形態においては、現在地と次の配達地点との直線距離が第4距離以下であるか否か判定するが、両地点の距離は経路沿いの距離であっても良い。
【0068】
上述の実施形態を構成する各システムは、より少ない装置で構成されても良い。このような例としては、
図1に示す少なくとも1台の装置が、他の1台以上の装置と同一の装置で構成される例が挙げられる。例えば、配達支援システム10とサーバ100とが一体の装置で構成されていても良いし、配達支援システム10の一部の機能がサーバ100で実現されても良いし、サーバ100の一部の機能が配達支援システム10で実現されても良い。例えば、配達車両の現在地がサーバ100に送信され、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点を通過したか否かの判断等がサーバ100で実施されてもよい。
【0069】
むろん、配達支援システム10は、車両に備えられていても良いし、可搬型の端末等であっても良い。さらに、
図1に示すシステムがより多数のシステムで構成されても良い。例えば、配達支援システム10やサーバ100の少なくとも一部の機能がクラウドサーバで構成されても良い。
【0070】
また、サーバ100を構成する各部(経路探索部210a)や、配達支援システム10を構成する各部(案内地点案内部21a、駐車地点案内部21b)の少なくとも一部が複数の装置に分かれて存在していても良い。また、上述の実施形態の一部の構成が省略される構成や、処理が変動または省略される構成も想定し得る。
【0071】
また、配達地点または他の施設において荷物の荷積み(集荷等)が行われてもよい。この場合、任意の位置から集荷が行われる場所に向けた出発が開始される経路案内が行われ、最後の案内地点である交差点の通過後に、集荷が行われる場所での駐車地点案内が案内される構成であってもよい。配達地点への配達順序は、予め決められていてもよいし、配達過程で順次決められてもよい。後者としては、例えば、配達地点まで走行する際の距離や所要期間等に基づいて決められる構成等を採用可能である。
【0072】
さらに、上述の実施形態は、経路情報30dや駐車地点情報300b、予定情報300aが、配達車両に予め送信される構成であるが、必要に応じて順次送信される構成であっても良い。例えば、次の配達地点までの経路を示す経路情報30dが配達車両に送信され、当該配達地点での作業が終了したことに応じて、その次の配達地点までの経路を示す経路情報30dが送信される構成等を採用可能である。また、駐車地点案内を開始する際に、その駐車地点に関する駐車地点情報300bが送信される構成等を採用可能である。
【0073】
案内地点案内部は、複数の配達地点のそれぞれに荷物を配達する配達車両の経路上の案内地点に関する案内を行うことができればよい。すなわち、案内地点案内部は、配達車両が経路上を進行することを支援するための各種の案内を行うことができればよい。案内地点は、経路上に設定された地点であり、当該地点に関する案内が行われることで経路の走行が支援される各種の地点が該当する。案内地点に関する案内としては、種々の種類が想定される。すなわち、案内は、経路案内以外にも、車線案内、交通情報(渋滞等)の案内、事故案内、天候案内など、各種の案内が想定され得る。従って、案内地点は交差点に限定されず、経路上の各種の地点であって良い。
【0074】
配達地点は、荷物が配達される場所(荷物に対応づけられた宛先)であれば良く、店舗や事務所等の施設であっても良いし、個人宅であっても良い。むろん、配達地点は自然人、法人のいずれに属していても良い。配達車両は荷物を配達地点に配達するための車両であれば良く、トラック以外の車両(例えば、バンやワゴン、乗用車等)であっても良い。
【0075】
駐車地点案内部は、配達地点において荷卸を行うために配達車両を駐車させる駐車地点に関する案内を行うことができればよい。すなわち、配達車両の運転者は、1カ所以上の配達地点に荷物を配達するため、配達地点の敷地内または周囲において荷卸のために配達車両を駐車させる。当該駐車を行う位置は、一般に配達地点毎に異なるため、運転者に対して駐車地点が案内される。
【0076】
駐車地点は、配達車両が駐車される位置であれば良く、駐車場や道路によって駐車地点が示される構成以外にも、種々の構成が採用されてよい。例えば、駐車場内の駐車枠や、駐車枠番号等が駐車地点として定義されていても良い。また、駐車地点に関する案内は、駐車地点を示す案内以外にも、種々の案内が想定される。例えば、駐車地点に配達車両を近づける際に注意すべき事項や進行方向に関する警告、駐車地点までの経路や現在地等が駐車地点に関する案内に含まれていても良い。
【0077】
駐車地点案内部は、少なくとも、駐車地点に関する案内を行うタイミングを制御する。この際、案内地点案内部において、配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点の案内が終了した後に、駐車地点に関する案内を行うことができればよい。すなわち、案内地点に関する案内を優先し、案内の重複を避けて駐車地点に関する案内を実行することができればよい。
【0078】
配達地点に到達する前に通過する最後の案内地点は、配達地点毎に決められて良い。すなわち、複数の配達地点が存在する場合、各配達地点への経路上で最後に案内される案内地点が定義され得る。各配達地点の駐車地点に関する案内は、各配達地点への経路上で最後に案内される案内地点のそれぞれについての案内が終了した後に実行される。
【0079】
さらに、本発明は、プログラムや方法としても適用可能である。また、以上のようなシステム、プログラム、方法は、単独の装置として実現される場合もあれば、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムで実現される方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし半導体メモリであってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【符号の説明】
【0080】
10…配達支援システム、15…通信部、16…GNSS受信部、17…車速センサ、18…ジャイロセンサ、19…ユーザI/F部、20…制御部、21…配達支援プログラム、21a…案内地点案内部、21b…駐車地点案内部、30…記録媒体、30c…地図情報、30d…経路情報、100…サーバ、101…管理者端末、200…制御部、201…制御部、210…配達支援プログラム、210a…経路探索部、300…記録媒体、300a…予定情報、300b…駐車地点情報、300c…地図情報、301…記録媒体、400…通信部、401…通信部