(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20240125BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/04
G06Q10/00
(21)【出願番号】P 2022564417
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(86)【国際出願番号】 JP2022039340
【審査請求日】2022-10-21
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516380407
【氏名又は名称】ファーストアカウンティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004222
【氏名又は名称】弁理士法人創光国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】葛 鴻鵬
(72)【発明者】
【氏名】松田 顕
(72)【発明者】
【氏名】小俣 智
(72)【発明者】
【氏名】森 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】早川 将和
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特許第7041992(JP,B1)
【文献】特許第7072964(JP,B1)
【文献】特開2010-092300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用して送信される前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するために前記証憑データの作成が完了する前に入力された第1識別情報の入力を受け付ける受付部と、
前記第1識別情報に前記中継サービスにおいて定義された文字列を付加することにより、第2識別情報を作成する識別情報変換部と、
前
記中継サービスを利用する事業者
を識別するための識別情報が登録されているデータベースを参照し、
前記識別情報変換部が作成した前記第2識別情報に対応する前記送信先事業者が登録されているか否かを検索する検索部と、
前記受付部が
前記第1識別情報を受け付けたことを契機として、前記検索部が検索した検索結果を出力する出力部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記出力部は、作成された前記証憑データの一覧画面において前記証憑データごとに前記検索結果を示す情報を表示させ、
前記受付部は、前記一覧画面において送信する前記証憑データの選択を受け付け、
前記情報処理装置は、前記一覧画面において選択された前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信する送信部をさらに有する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報処理装置は、前記検索結果が前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されていることを示す場合に、前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信する送信部をさらに有する、
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されていることを示す前記検索結果には、前記中継サービスにおいて定められている複数の書類の形式のうち、前記送信先事業者が指定した書類の形式を示す情報が含まれ、
前記情報処理装置は、前記証憑データを前記送信先事業者が指定した書類の形式に変換する証憑データ変換部をさらに有し、
前記送信部は、前記証憑データ変換部が変換した前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記証憑データを作成するための証憑データ作成画面において前記証憑データを作成するための情報の入力を受け付け、
前記出力部は、前記検索部が検索した検索結果を、前記証憑データの作成が完了する前における前記証憑データ作成画面に出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する、
複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用して送信される前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するために前記証憑データの作成が完了する前に入力された第1識別情報の入力を受け付けるステップと、
前記第1識別情報に前記中継サービスにおいて定義された文字列を付加することにより、第2識別情報を作成するステップと、
前
記中継サービスを利用する事業者
を識別するための識別情報が登録されているデータベースを参照し、
作成した前記第2識別情報に対応する前記送信先事業者が登録されているか否かを検索するステップと、
前記第1識別情報を受け付けたことを契機として、検索した検索結果を出力するステップと、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータを、
複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用して送信される前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するために前記証憑データの作成が完了する前に入力された第1識別情報の入力を受け付ける受付部、
前記第1識別情報に前記中継サービスにおいて定義された文字列を付加することにより、第2識別情報を作成する識別情報変換部、
前
記中継サービスを利用する事業者
を識別するための識別情報が登録されているデータベースを参照し、
前記識別情報変換部が作成した前記第2識別情報に対応する前記送信先事業者が登録されているか否かを検索する検索部、及び
前記受付部が
前記第1識別情報を受け付けたことを契機として、前記検索部が検索した検索結果を出力する出力部、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
請求書をオンラインで送受信する請求書管理システムが知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
昨今、受発注や請求にかかる電子文書をネットワーク上でやり取りするための標準化が進められている。我が国においても、電子インボイスの新たな標準仕様であるPEPPOL(Pan-European Public Procurement Online)に準拠させることが発表されている。
【0005】
事業者は、PEPPOLを利用するための情報をPEPPOLに登録することにより、PEPPOLを利用することができる。しかしながら、請求書をはじめとする証憑を電子化した電子データである証憑データの送信元の事業者は、証憑データの送信先の事業者がPEPPOLを利用可能であるか否かを把握していない場合、PEPPOLを介して証憑データの送信先の事業者に証憑データを送信できるか否かを確認するための作業を行わなければならず、負担が大きかった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、事業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様にかかる情報処理装置は、証憑データを作成するための情報の入力を受け付ける受付部と、前記受付部が前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するための情報を受け付けた場合に、複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用する事業者に関する情報が登録されているデータベースを参照し、前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されているか否かを検索する検索部と、前記検索部が検索した検索結果を出力する出力部と、を有する。
【0008】
前記情報処理装置は、前記受付部が前記中継サービス以外の他のサービスによって発行された前記送信先事業者の第1識別情報を受け付けた場合に、前記第1識別情報を、前記中継サービスによって発行される事業者の識別子の形式に変換して第2識別情報を作成する識別情報変換部をさらに有し、前記検索部は、前記事業者に関する情報として前記中継サービスにおいて前記事業者を識別するための識別情報が登録されている前記データベースを参照し、前記中継サービスにおいて前記識別情報変換部が作成した前記第2識別情報に対応する前記送信先事業者が登録されているか否かを検索してもよい。
【0009】
前記検索部は、前記受付部が前記送信先事業者の事業者名を受け付けた場合に、前記事業者に関する情報として前記中継サービスを利用する事業者の事業者名が登録されているデータベースを参照し、前記中継サービスにおいて前記受付部が受け付けた前記送信先事業者の事業者名に対応する前記送信先事業者が登録されているか否かを検索してもよい。
【0010】
前記出力部は、作成された前記証憑データの一覧画面において前記証憑データごとに前記検索結果を示す情報を表示させ、前記受付部は、前記一覧画面において送信する前記証憑データの選択を受け付け、前記情報処理装置は、前記一覧画面において選択された前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信する送信部をさらに有してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記検索結果が前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されていることを示す場合に、前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信する送信部をさらに有してもよい。
【0012】
前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されていることを示す前記検索結果には、前記中継サービスにおいて定められている複数の書類の形式のうち、前記送信先事業者が指定した書類の形式を示す情報が含まれ、前記情報処理装置は、前記証憑データを前記送信先事業者が指定した書類の形式に変換する証憑データ変換部をさらに有し、前記送信部は、前記証憑データ変換部が変換した前記証憑データを、前記中継サービスを介して当該証憑データに含まれる前記送信先事業者に送信してもよい。
【0013】
本発明の第2の態様にかかる情報処理方法は、コンピュータが実行する、証憑データを作成するための情報の入力を受け付けるステップと、前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するための情報を受け付けた場合に、複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用する事業者に関する情報が登録されているデータベースを参照し、前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されているか否かを検索するステップと、検索した検索結果を出力するステップと、を有する。
【0014】
本発明の第3の態様にかかるプログラムは、コンピュータを、証憑データを作成するための情報の入力を受け付ける受付部、前記受付部が前記証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するための情報を受け付けた場合に、複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用する事業者に関する情報が登録されているデータベースを参照し、前記中継サービスにおいて前記送信先事業者が登録されているか否かを検索する検索部、及び前記検索部が検索した検索結果を出力する出力部、として機能させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、事業者の負担を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】情報処理システムの概要を説明する図である。
【
図2】登録事業者管理データベースの構成の一例を示す図である。
【
図3】情報処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図4】識別情報変換部が第2識別情報を作成する処理を模式的に表した図である。
【
図5】送信元事業者内の従業者が第1識別情報の種類を指定する操作の一例を模式的に表した図である。
【
図6】出力部が検索結果を出力する一例を模式的に表した図である。
【
図7】証憑データ一覧画面を模式的に表した図である。
【
図8】情報処理装置が実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[情報処理システムSの概要]
図1は、情報処理システムSの概要を説明する図である。情報処理システムSは、複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを介して証憑データを送信するために用いられるシステムである。
【0018】
中継サービスは、例えば、PEPPOLの仕様に準拠した証憑データを送受信するための電子インボイスネットワークNを介して、証憑データの送信元の事業者(以下、「送信元事業者」という。)が指定した証憑データの送信先の事業者(以下、「送信先事業者」という。)に証憑データを送信するサービスである。電子インボイスネットワークNは、インターネット又はイントラネット等、他のネットワークを含んでもよい。
【0019】
電子インボイスネットワークNでは、PEPPOLを利用する事業者ごとに設けられたアクセスポイントと、事業者に関する情報及びアクセスポイントを関連付けて管理する事業者情報管理データベースとが管理されている。事業者に関する情報は、例えば、中継サービスを利用するために事業者に割り当てられた情報であって、事業者を識別するための識別情報(ID:identification)を含む。
【0020】
例えば、送信元事業者が、送信先事業者を指定して証憑データを送信すると、当該証憑データは、電子インボイスネットワークNにおいて送信元事業者に関連付けられているアクセスポイントと、管理データにおいて送信先事業者に関連付けられているアクセスポイントとを経由して送信先事業者に送信される。情報処理システムSは、送信元端末1と、送信先端末2と、情報処理装置3とを有する。
【0021】
送信元端末1は、送信元事業者、具体的には、送信元事業者内の従業者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。送信元端末1は、情報処理装置3と通信可能である。送信元端末1は、アクセスポイントを介して電子インボイスネットワークNに証憑データを送信可能である。情報処理装置3がアクセスポイントとしても機能する場合、送信元端末1は、情報処理装置3を介して電子インボイスネットワークNに証憑データを送信可能である。
【0022】
送信先端末2は、送信先事業者、具体的には、送信先事業者内の従業者が使用する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータ等である。送信先端末2は、アクセスポイントを介して電子インボイスネットワークNから証憑データを受信可能である。
【0023】
情報処理装置3は、特定の送信元事業者によって使用される装置であり、例えば、サーバである。情報処理装置3は、登録事業者管理データベースDを参照し、送信先事業者が中継サービスを利用可能な事業者であるか否かを検索する。登録事業者管理データベースDは、中継サービスを利用する事業者に関する情報が登録されているデータベースである。中継サービスを利用可能な事業者は、登録事業者管理データベースDに事業者に関する情報が登録されている事業者である。
【0024】
図2は、登録事業者管理データベースDの構成の一例を示す図である。
図2に示す例において、登録事業者管理データベースDは、事業者IDと、事業者名と、書類の形式とを関連付けて記憶している。事業者名は、中継サービスを利用する事業者の名称である。書類の形式は、例えば、中継サービスにおいて定められている証憑データのデータ項目のデータセットの種類であって、中継サービスにおいて定められている複数の書類の形式のうちの事業者が指定した書類の形式を示す情報である。
【0025】
登録事業者管理データベースDと、電子インボイスネットワークNが管理している事業者情報管理データベースとは、同じデータベースであってもよいし、異なるデータベースであってもよい。登録事業者管理データベースDと事業者情報管理データベースとが同じデータベースである場合、登録事業者管理データベースDは、事業者に関連付けられているアクセスポイントを示す情報(例えば、アクセスポイントの名称、アクセスポイントのID、又はアクセスポイントのURL(Uniform Resource Locator)等)をさらに関連付けて記憶していてもよい。
【0026】
図1に戻り、情報処理装置3は、登録事業者管理データベースD、電子インボイスネットワークN及び送信元端末1と通信可能である。
以下において、情報処理システムSが実行する処理を説明する。
【0027】
図1に示す例において、まず、送信元事業者内の従業者が送信元端末1において証憑データを作成するための操作を行うと、送信元端末1は、証憑データを作成するための証憑データ作成画面を表示部に表示させる。送信元事業者内の従業者が送信元端末1に表示された証憑データ作成画面において証憑データを作成するための情報を入力すると、情報処理装置3は、情報の入力を受け付ける(
図1における(1))。情報処理装置3が入力を受け付ける情報には、事業者特定情報が含まれる。詳細については後述するが、事業者特定情報は、送信先事業者を特定するための情報である。
【0028】
情報処理装置3は、送信元事業者内の従業者による事業者特定情報の入力を受け付けた場合に、登録事業者管理データベースDを参照し、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否か、すなわち、送信先事業者が中継サービスを利用可能な事業者であるか否かを検索する(
図1における(2))。そして、情報処理装置3は、検索した検索結果を出力する(
図1における(3))。
【0029】
このようにすることで、情報処理システムSは、送信元事業者(送信元事業者内の従業者)に対して、送信先事業者が中継サービスを利用可能な事業者であるか否かを認識させることができる。これにより、情報処理システムSは、送信元事業者が中継サービスを介して送信先事業者に証憑データを送信できるか否かを確認するための作業を省くことができる。その結果、情報処理システムSは、送信元事業者の負担を軽減することができる。
【0030】
その後、送信元事業者内の従業者は、作成した証憑データを検索結果に応じた方法で送信先事業者に送信する。例えば、検索結果が、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていることを示す場合、送信元事業者内の従業者は、中継サービスを介して証憑データを送信先事業者に送信する。具体的には、送信元事業者内の従業者が送信元端末1において証憑データを送信する操作を行うと、情報処理装置3は、中継サービスを介して証憑データを送信先端末2に送信する(
図1における(4))。
【0031】
一方、検索結果が、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていないことを示す場合、送信元事業者内の従業者は、中継サービスを介して証憑データを送信する方法以外の方法(例えば、電子メール又は郵送等)で証憑データ又は証憑データを印刷した証憑を送信先事業者に送信する。
以下、情報処理装置3の構成について説明する。
【0032】
[情報処理装置3の構成]
図3は、情報処理装置3の構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31、記憶部32及び制御部33を有する。制御部33は、受付部331と、検索部332と、識別情報変換部333と、出力部334と、送信部335と、証憑データ変換部336とを有する。
【0033】
通信部31は、登録事業者管理データベースD、電子インボイスネットワークN、インターネット又はイントラネット等のネットワークを介して他の装置と通信するための通信インターフェースである。記憶部32は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33を機能させるための各種のプログラムを記憶する。
【0034】
制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部33は、記憶部32に記憶されている制御プログラムを実行することにより、受付部331、検索部332、識別情報変換部333、出力部334、送信部335及び証憑データ変換部336として機能する。
【0035】
受付部331は、証憑データを作成するための情報の入力を受け付ける。例えば、まず、送信元事業者内の従業者が送信元端末1において証憑データ作成画面を表示させるための操作を行うと、出力部334は、送信元端末1の表示部に証憑データ作成画面を表示させる。そして、送信元事業者内の従業者が送信元端末1に表示された証憑データ作成画面において証憑データを作成するための情報を入力すると、受付部331は、従業者が入力した情報を受け付ける。
【0036】
なお、送信元端末1には、証憑データを作成するためのアプリケーションプログラム(以下、「作成アプリ」という。)がインストールされており、従業者が送信元端末1において作成アプリを起動する操作を行うと、送信元端末1は、表示部に証憑データ作成画面を表示させてもよい。
【0037】
検索部332は、受付部331が送信先事業者を特定するための事業者特定情報を受け付けた場合に、登録事業者管理データベースDを参照し、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。例えば、証憑データ作成画面には、事業者特定情報を入力するための入力項目が設けられており、検索部332は、受付部331が事業者特定情報に対応する入力項目において情報の入力を受け付けた場合に、登録事業者管理データベースDを参照し、入力項目に入力された情報に基づいて、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。
【0038】
検索部332は、例えば、事業者特定情報として、中継サービス以外の他のサービスによって発行された送信先事業者の識別情報に基づいて、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。他のサービスは、行政サービス又は民間サービス等である。他のサービスによって発行された送信先事業者の識別情報は、例えば、国税庁が事業者を適格請求書発行事業者として登録したときに発行される登録番号、法人に付与される法人番号、所定の商工会議所が発行する企業コード(例えば、東京商工会議所におけるTSR(Tokyo Shoko Research)企業コード)、所定の企業が発行する企業コード(例えば、帝国データバンク(登録商標)が発行するTBD(Teikoku Databank)企業コード、調査会社が発行するコード等)等である。
【0039】
具体的には、情報処理装置3は、以下の2つのステップを実行することにより、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。第1のステップとして、識別情報変換部333は、受付部331が他のサービスよって発行された送信先事業者の第1識別情報を事業者特定情報として受け付けた場合に、第1識別情報を、中継サービスによって発行される事業者の識別子の形式に変換して第2識別情報を作成する。
【0040】
図4は、識別情報変換部333が第2識別情報を作成する処理を模式的に表した図である。
図4(A)は、送信元端末1に表示された証憑データ作成画面の一例を示す図である。証憑データ作成画面には、複数の入力項目(入力項目D1、D2、D3)が設けられており、例えば、入力項目D1が、事業者特定情報に対応する入力項目に該当する。この場合において、識別情報変換部333は、受付部331が入力項目D1において第1識別情報の入力を受け付けた場合に、第1識別情報を用いて第2識別情報を作成する。
【0041】
図4(B)は、中継サービスによって発行される事業者の識別子の形式の一例を示す図である。
図4(B)に示す例において、中継サービスによって発行される事業者の識別子の形式には、3つの文字列が含まれる。第1文字列は、中継サービスにおいて定義された固定の文字列である。第2文字列は、中継サービスにおいて定義された文字列であって、第1識別情報の種類(第1識別情報を発行した他のサービス、第1識別情報を発行した機関又は第1識別情報を発行した企業等)を識別するための文字列である。第3文字列は、第1識別情報である。
【0042】
例えば、情報処理装置3には、第1文字列と第2文字列とが予め記憶されている。この場合において、識別情報変換部333は、第1文字列と、第2文字列と、受付部331が入力項目D1において入力を受け付けた第1識別情報である第3文字列とを連結させることにより、第2識別情報を作成する。
【0043】
第1識別情報に複数の種類がある場合、識別情報変換部333は、送信元事業者内の従業者が指定した第1識別情報の種類に基づいて特定した第2文字列を含む第2識別情報を作成してもよい。
図5は、送信元事業者内の従業者が第1識別情報の種類を指定する操作の一例を模式的に表した図である。
【0044】
図5に示す証憑データ作成画面には、第1識別情報の種類を指定するための入力項目D4がさらに設けられている。入力項目D4は、例えば、複数の第1識別情報の種類のうちのいずれかを選択する選択項目である。例えば、情報処理装置3には、第1識別情報の種類ごとに当該種類に対応する第2文字列が記憶されている。
【0045】
この場合において、識別情報変換部333は、第1文字列と、受付部331が入力項目D4において選択を受け付けた第1識別情報の種類に対応する第2文字列と、受付部331が入力項目D1において入力を受け付けた第1識別情報である第3文字列とを連結させることにより、第2識別情報を作成する。このようにすることで、情報処理装置3は、第1識別情報に複数の種類がある場合に、送信元事業者の従業者が第2文字列を入力することなく第2識別情報を作成することができる。
【0046】
第2のステップとして、検索部332は、登録事業者管理データベースDを参照し、中継サービスにおいて識別情報変換部333が作成した第2識別情報に対応する送信先事業者が登録されているか否かを検索する。検索部332は、例えば、登録事業者管理データベースDにおいて、識別情報変換部333が作成した第2識別情報と一致する事業者IDが記憶されているか否かを検索する。このようにすることで、情報処理装置3は、送信元事業者内の従業者が送信先事業者の第2識別情報を知らない場合であっても、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索することができる。
【0047】
検索部332は、事業者特定情報として、送信先事業者の事業者名に基づいて、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索してもよい。具体的には、検索部332は、受付部331が送信先事業者の事業者名を事業者特定情報として受け付けた場合に、登録事業者管理データベースDを参照し、中継サービスにおいて受付部331が受け付けた送信先事業者の事業者名に対応する送信先事業者が登録されているか否かを検索する。
【0048】
検索部332は、例えば、登録事業者管理データベースDにおいて、受付部331が受け付けた事業者名と一致する事業者名が記憶されているか否かを検索する。このようにすることで、情報処理装置3は、送信元事業者内の従業者が送信先事業者の第2識別情報を知らない場合であっても、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索することができる。
【0049】
検索部332は、入力項目D1において入力された情報が英数字である場合に、識別情報変換部333が作成した第2識別情報に基づいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。検索部332は、入力項目D1において入力された情報が英数字以外の文字(例えばかな文字)である場合に、送信先事業者の事業者名に基づいて、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する。
【0050】
検索部332は、送信元事業者内の従業者による選択に応じて、第2識別情報に基づいて検索するか、事業者名に基づいて検索するかを決定してもよい。例えば、送信元事業者内の従業者が入力項目D4において第1識別情報の種類を選択した場合、識別情報変換部333は、入力項目D1において入力された第1識別情報と、入力項目D4において選択された第1識別情報の種類に対応する文字列とを含む第2識別情報を作成する。そして、検索部332は、識別情報変換部333が作成した第2識別情報に基づいて、送信先事業者が登録されているか否かを検索する。また、例えば、送信元事業者内の従業者が入力項目D4において事業者名を選択した場合、検索部332は、入力項目D1において入力された事業者名に基づいて、送信先事業者が登録されているか否かを検索する。
【0051】
出力部334は、検索部332が検索した検索結果を出力する。出力部334は、例えば、証憑データ作成画面に検索部332が検索した検索結果を表示させる。出力部334は、例えば、受付部331が事業者特定情報を受け付けたことを契機として、検索部332が検索した検索結果を出力する。
図6は、出力部334が検索結果を出力する一例を模式的に表した図である。
図6に示すように、出力部334は、検索部332が検索した検索結果を示すメッセージMを証憑データ作成画面に表示させる。なお、出力部334は、受付部331が
図6に示す作成ボタンの押下を受け付けたことを契機として、検索部332が検索した検索結果を出力してもよい。
【0052】
送信部335は、中継サービスを介して証憑データを送信先事業者に送信する。具体的には、送信部335は、検索部332が検索した検索結果が中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていることを示す場合に、証憑データを、中継サービスを介して当該証憑データに含まれる送信先事業者に送信する。送信部335は、例えば、送信元事業者内の従業者が証憑データ作成画面に設けられた作成ボタンを押下する操作を行い、かつ、検索部332が検索した検索結果が中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていることを示す場合に、証憑データを、中継サービスを介して当該証憑データに含まれる送信先事業者に送信する。このようにすることで、情報処理装置3は、送信元事業者内の従業者が行う作業を早めることができる。
【0053】
出力部334は、送信部335が中継サービスを介して証憑データを送信先事業者に送信した場合、検索部332が検索した検索結果として、中継サービスを介して証憑データを送信した旨のメッセージを出力してもよい。なお、出力部334が、送信部335によって実行される機能をさらに有し、検索部332が検索した検索結果の出力として、中継サービスを介して証憑データを送信先端末2に送信してもよい。
【0054】
上記において、送信部335が、送信元事業者内の従業者によって証憑データ作成画面に設けられた作成ボタンを押下する操作が行われたことを契機として証憑データを送信する例を説明したが、これに限らない。例えば、証憑データ作成画面又は作成された複数の証憑データが表示される証憑データ一覧画面には、証憑データを送信するための送信ボタンが設けられており、送信部335は、送信元事業者内の従業者が送信ボタンを押下する操作を行ったことを契機として証憑データを送信してもよい。
【0055】
送信部335は、中継サービスにおいて送信先事業者が指定した書類の形式に変換された証憑データを、中継サービスを介して送信先事業者に送信してもよい。例えば、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていることを示す検索結果には、中継サービスにおいて定められている複数の書類の形式のうち、送信先事業者が指定した書類の形式を示す情報が含まれる。また、例えば、情報処理装置3には、中継サービスにおいて定められている書類の形式ごとに、当該書類の形式と、証憑データ作成画面に設けられている入力項目とが関連付けられている。
【0056】
これらの場合において、まず、証憑データ変換部336は、証憑データを、検索結果に含まれる送信先事業者に対応する書類の形式(送信先事業者が指定した書類の形式)に変換する。証憑データ変換部336は、例えば、証憑データ作成画面に設けられている複数の入力項目それぞれに入力された情報の中から、検索結果に含まれる送信先事業者に対応する書類の形式に関連付けられている入力項目に入力された情報を抽出することにより、証憑データを送信先事業者が指定した書類の形式に変換する。
【0057】
そして、送信部335は、証憑データ変換部336が変換した証憑データを、中継サービスを介して当該証憑データに含まれる送信先事業者に送信する。このようにすることで、情報処理装置3は、送信先事業者が指定した書類の形式で証憑データを送信することができる。
【0058】
送信部335は、中継サービスを介して、作成された複数の証憑データをまとめて送信してもよい。具体的には、まず、出力部334は、作成された証憑データの証憑データ一覧画面において証憑データごとに検索結果を示す情報を表示させる。受付部331は、証憑データ一覧画面において送信する証憑データの選択を受け付ける。そして、送信部335は、証憑データ一覧画面において選択された証憑データを、中継サービスを介して当該証憑データに含まれる送信先事業者に送信する。
【0059】
図7は、証憑データ一覧画面を模式的に表した図である。
図7に示す例において、一覧画面には、証憑データを送信する送信対象を選択するためのチェックボックスと、証憑名と、送信先事業者と、作成者と、中継サービス利用可否とが表示されている。中継サービス利用可否は、検索部332が検索した検索結果を示す情報であり、例えば、「〇」が中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていることを示し、「×」が中継サービスにおいて送信先事業者が登録されていないことを示す。
【0060】
図7に示す例において、送信元事業者内の従業者が送信元端末1において、証憑名「〇請求書」及び証憑名「×発注書」それぞれのチェックボックスにチェックを入れて送信ボタンを押下する操作を行ったとする。この場合において、送信部335は、証憑名「〇請求書」に対応する証憑データを、中継サービスを介して送信先事業者「X社」に送信し、証憑名「×請求書」に対応する証憑データを、中継サービスを介して送信先事業者「Z社」に送信する。このようにすることで、情報処理装置3は、証憑データに対して1つ1つ送信する操作を行う送信元事業者内の従業者の作業の負担を軽減することができる。
【0061】
[情報処理装置3の処理の流れ]
続いて、情報処理装置3が実行する処理の流れについて説明する。
図8は、情報処理装置3が実行する処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートは、受付部331が、他のサービスよって発行された送信先事業者の第1識別情報を事業者特定情報として受け付けたことを契機として開始する(S1)。
【0062】
識別情報変換部333は、受付部331が受け付けた第1識別情報を、中継サービスによって発行される事業者の識別子の形式に変換して第2識別情報を作成する(S2)。検索部332は、登録事業者管理データベースDを参照し、中継サービスにおいて識別情報変換部333が作成した第2識別情報に対応する送信先事業者が登録されているか否かを検索する(S3)。
【0063】
情報処理装置3は、送信先事業者が登録されていることを検索結果が示すか否かを判定する(S4)。送信先事業者が登録されていないことを検索結果が示す場合(S4においてNOの場合)、出力部334は、検索部332が検索した検索結果として、送信先事業者が登録されていないことを示す第1メッセージ(例えば、中継サービスを介して証憑データを送信することができない旨のメッセージ)を出力する(S5)。
【0064】
一方、送信先事業者が登録されていることを検索結果が示す場合(S4においてYESの場合)、送信部335は、証憑データを、中継サービスを介して当該証憑データに含まれる送信先事業者に送信する(S6)。そして、出力部334は、検索部332が検索した検索結果として、送信先事業者が登録されていることを示す第2メッセージ(例えば、中継サービスを介して証憑データを送信した旨のメッセージ)を出力する(S7)。
【0065】
[本実施の形態における効果]
以上説明したとおり、情報処理装置3は、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索し、検索した検索結果を出力する。このようにすることで、情報処理装置3は、送信元事業者(送信元事業者内の従業者)に対して、送信先事業者が中継サービスを利用可能な事業者であるか否かを認識させることができる。これにより、情報処理装置3は、送信元事業者が中継サービスを介して送信先事業者に証憑データを送信できるか否かを確認するための作業を省くことができる。その結果、情報処理装置3は、送信元事業者の負担を軽減することができる。
【0066】
以上、実施の形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0067】
1 送信元端末
2 送信先端末
3 情報処理装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
331 受付部
332 検索部
333 識別情報変換部
334 出力部
335 送信部
336 証憑データ変換部
S 情報処理システム
【要約】
情報処理装置3は、証憑データを作成するための情報の入力を受け付ける受付部331と、受付部331が証憑データの送信先の事業者である送信先事業者を特定するための情報を受け付けた場合に、複数の事業者の間における証憑データの送受信を中継する中継サービスを利用する事業者に関する情報が登録されているデータベースを参照し、中継サービスにおいて送信先事業者が登録されているか否かを検索する検索部332と、検索部332が検索した検索結果を出力する出力部334と、を有する。