(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法、記憶媒体およびヘッドホン
(51)【国際特許分類】
G10K 11/178 20060101AFI20240125BHJP
H04R 1/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G10K11/178 120
H04R1/10 101A
(21)【出願番号】P 2022168726
(22)【出願日】2022-10-20
【審査請求日】2022-10-20
(31)【優先権主張番号】202111225489.9
(32)【優先日】2021-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522412976
【氏名又は名称】深▲セン▼市中科藍訊科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Bluetrum Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】1301-1 Building A, Zhihui Square, No.4068 Qiaoxiang Road, Gaofa Community, Shahe Street, Nanshan District, Shenzhen, 518052, Guangdong, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】韋莎麗
(72)【発明者】
【氏名】許崇銘
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼祥恩
【審査官】西村 純
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0086988(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第112289295(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/178
H04R 1/00-31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカーと、フィードフォワードマイクロホンと、フィードバックマイクロホンと、アクティブノイズリダクション機能を有するアクティブノイズリダクションフィルタと、を備えるヘッドホンにおけるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法であって、
ノイズ源がノイズ信号
を再生することにより生じた音波が前記ヘッドホンを通過した後に、
前記フィードバックマイクロホンにより受信される信号である物理的ノイズリダクション信号を取得することと、
前記スピーカーが、前記ノイズ源が同じ前記ノイズ信号
を再生
した場合に前記フィードフォワードマイクロホンにより受信される信号であるスルー信号を、前記アクティブノイズリダクション機能がオフにされたスルー状態
で再生するとき、前記フィードバックマイクロホンにより受信される信号である混合信号を取得することと、
前記混合信号
から前記物理的ノイズリダクション信号
を減算して入力信号を計算することと、
適応フィルタリングアルゴリズムにより、前記入力信号および前記物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得ることと、
前記伝達関数により、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含む
ことを特徴とするアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法。
【請求項2】
上述した前記伝達関数により、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記伝達関数により、FIRフィルタの周波数応答パラメータおよびその周波数応答曲線を計算することと、
前記FIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタのパラメータを生成することと、
前記n次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成し、ただし、nが正の整数であることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上述した前記FIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタのパラメータを生成することは、
前記FIRフィルタの周波数応答パラメータおよび設定されたフィルタ次数nから、離散逆フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、n次IIRフィルタのパラメータを生成することを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
上述した前記n次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記n次IIRフィルタのパラメータから、離散フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、前記n次IIRフィルタの周波数応答パラメータを計算することと、
前記n次IIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタの周波数応答曲線を生成することと、
前記n次IIRフィルタの周波数応答曲線に応じて、前記n次IIRフィルタのパラメータをm次IIRフィルタのパラメータに減次させ、ただし、mが正の整数かつ2<m<nであることと、
前記m次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
上述した前記m次IIRフィルタパラメータ[フィルタのパラメータ]から、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記m次IIRフィルタのパラメータに対応する伝達関数を複数の2次IIRフィルタカスケードの二次分数モデルに変換することと、
複数の前記2次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記スルー信号は、フィードフォワードマイクロホンによりサンプリングされるノイズ信号であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記適応フィルタリングアルゴリズムは、正規化最小平均二乗アルゴリズムを含み、上述した適応フィルタリングアルゴリズムにより、前記入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行って伝達関数を得ることは、
正規化最小平均二乗アルゴリズムにより、前記入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得ることを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか一項に記載のアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を電子機器に実行させるためのコンピュータ実行可能なコマンドが記憶されることを特徴とする記憶媒体。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~6のいずれか一項に記載のアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を実行することができることを特徴とするヘッドホン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブノイズリダクションの技術分野に関し、具体的には、アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法、記憶媒体およびヘッドホンに関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブノイズリダクションヘッドホンは、ノイズ信号と同じ振幅で逆位相のアクティブノイズリダクション信号を生成することができ、アクティブノイズリダクション信号は、ノイズ信号を相殺することができ、それによりノイズリダクションの目的を達成することができる。
【0003】
図1を参照すると、アクティブノイズリダクションヘッドホンは、ノイズ源から人間の耳(ヘッドホン装着時)までの物理音響経路P(z)、およびヘッドホンスピーカーから人間の耳までの再生音響経路G(z)という2つの重要な音響経路を含み、ここで、アクティブノイズリダクションを実現するために、アクティブノイズリダクションフィルタのノイズリダクション音響経路はH(z)である。音響経路P(z)の伝達関数をH1、ノイズリダクション音響経路H(z)の伝達関数をH2、音響経路G(z)の伝達関数をH3とする場合、
図1から分かるように、3つの伝達関数の関係は、
である。
【0004】
【0005】
アクティブノイズリダクションヘッドホンのノイズリダクション機能をオンにすると、人間の耳が聞く残留ノイズ信号e(n)は、次式に示すとおりであり、理想的には、当該残留ノイズは、0となるべきであり、即ち、
ただし、
は
の時間領域表現式である。
【0006】
ノイズリダクション音響経路H(z)の伝達関数H2を得るために、通常、それぞれ伝達関数H1と伝達関数H3を求め、さらに伝達関数H1と伝達関数H3によって伝達関数H2を得るのが一般的であるが、このようなアプローチでは、まず伝達関数H1と伝達関数H3を取得する必要があり、しかし、P(z)が方向性に関連し、再生音源のスピーカボックスの位置および再生される音源の種類に関連するとともに、G(z)も人によって異なり、人々のヘッドホンの装着方式、耳介形状などの外的要因が異なり、G(z)も異なるので、精確なP(z)とG(z)を取得することが比較的困難である。したがって、正確なP(z)とG(z)を取得することが比較的困難であり、かつ、P(z)とG(z)の伝達路径を計測するときに2つの誤差が導入され、最終的に伝達関数H2を推定すると、P(z)とG(z)の誤差の重畳効果のため、伝達関数H2の推定誤差が大幅に増加することを引き起こす。
【発明の概要】
【0007】
本発明に係る実施例は、アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法、記憶媒体およびヘッドホンを提供し、上記従来技術が存在する技術的欠陥を解決するために用いられることを目的とする。
【0008】
第1の側面において、本発明に係る実施例は、アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を提供し、
ノイズ信号が前記ヘッドホン[ヘッドホン]を通過した後に、フィードバックマイクロホンにより受信される信号である物理的ノイズリダクション信号を取得することと、
同じ前記ノイズ信号が再生され、かつ前記ヘッドホンがスルー状態でスルー信号を再生するとき、前記フィードバックマイクロホンにより受信される信号である混合信号を取得することと、
前記混合信号および前記物理的ノイズリダクション信号から、入力信号を計算することと、
適応フィルタリングアルゴリズムにより、前記入力信号および前記物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得ることと、
前記伝達関数により、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含む。
【0009】
選択的には、上述した前記伝達関数により、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記伝達関数により、FIRフィルタの周波数応答パラメータおよびその周波数応答曲線を計算することと、
前記FIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタのパラメータを生成することと、
前記n次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成し、ただし、nが正の整数であることと、を含む。
【0010】
選択的には、上述した前記FIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタのパラメータを生成することは、
前記FIRフィルタの周波数応答パラメータおよび設定されたフィルタ次数nから、離散逆フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、n次IIRフィルタのパラメータを生成することを含む。
【0011】
選択的には、上述した前記n次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記n次IIRフィルタのパラメータから、離散フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、前記n次IIRフィルタの周波数応答パラメータを計算することと、
前記n次IIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタの周波数応答曲線を生成することと、
前記n次IIRフィルタの周波数応答曲線により、前記n次IIRフィルタのパラメータをm次IIRフィルタのパラメータに減次させ、ただし、mが正の整数かつ2<m<nであることと、
前記m次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含む。
【0012】
選択的には、上述した前記m次IIRフィルタパラメータ[フィルタのパラメータ]から、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することは、
前記m次IIRフィルタのパラメータに対応する伝達関数を複数の2次IIRフィルタカスケードの二次分数モデルに変換することと、
複数の前記2次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成することと、を含む。
【0013】
選択的には、前記スルー信号は、フィードフォワードマイクロホンによりサンプリングされるノイズ信号である。
【0014】
選択的には、上述した前記混合信号および前記物理的ノイズリダクション信号から、入力信号を計算することは、
前記混合信号から前記物理的ノイズリダクション信号を減算して入力信号を得ることを含む。
【0015】
選択的には、前記適応フィルタリングアルゴリズムは、正規化最小平均二乗アルゴリズムを含み、上述した適応フィルタリングアルゴリズムにより、前記入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行って伝達関数を得ることは、
正規化最小平均二乗アルゴリズムにより、前記入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得ることを含む。
【0016】
第2の側面において、本発明に係る実施例は、上記アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を電子機器に実行させるためのコンピュータ実行可能なコマンドが記憶される記憶媒体を提供する。
【0017】
第3の側面において、本発明に係る実施例は、ヘッドホンを提供し、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに通信接続されるメモリと、を含み、
前記メモリには、前記少なくとも1つのプロセッサにより実行可能なコマンドが記憶され、前記コマンドが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されることで、前記少なくとも1つのプロセッサは、上記アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を実行することができる。
【0018】
本発明に係る実施例により提供されるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法において、ノイズ信号がヘッドホンを通過した後に、フィードバックマイクロホンにより受信される信号である物理的ノイズリダクション信号を取得し、同じノイズ信号が再生され、かつヘッドホンがスルー状態でスルー信号を再生するとき、フィードバックマイクロホンにより受信される信号である混合信号を取得し、混合信号および物理的ノイズリダクション信号から入力信号を計算し、適応フィルタリングアルゴリズムにより、入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行って伝達関数を得て、伝達関数によりアクティブノイズリダクションフィルタを生成するので、一方で、本実施例には、物理音響経路又は再生音響経路の伝達関数を精確に見積もる必要がなく、適応フィルタリングアルゴリズムに応じることでアクティブノイズリダクションフィルタを生成することができ、これにより、アクティブノイズリダクションを行うことができ、ノイズリダクション効率を向上させる。他方で、物理音響経路又は再生音響経路の伝達関数を見積もる必要がないので、これら両者の見積もる誤差を導入することがなく、ノイズリダクション精度およびノイズリダクション効果を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
1つ又は複数の実施例をそれに対応する添付図面における図によって例示的に説明し、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、添付図面において、同じ参照符号を付した要素は、類似の要素を表し、添付の図面における各図は、特に明記されない限り、縮尺制限がなされるものではない。
【
図1】従来技術により提供される音響経路の構造図である。
【
図2】本発明に係る実施例により提供されるヘッドホンの構造模式図である。
【
図3】
図2に示されるヘッドホンの音響経路の構造図である。
【
図4】本発明に係る実施例により提供されるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法の流れ模式図である。
【
図6】
図4に示されるアクティブノイズリダクションフィルタを用いてノイズリダクションを行った第1の効果模式図である。
【
図7】
図4に示されるアクティブノイズリダクションフィルタを用いてノイズリダクションを行った第2の効果模式図である。
【
図8】本発明に係る実施例により提供されるヘッドホンの回路構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、技術方案および利点をより明確にするために、以下、添付の図面および実施例と組み合わせて、本発明をさらに詳細に説明する。ここに述べる具体的な実施例は、本発明を解釈するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことを理解されたい。本発明における実施例を基礎とし、当業者が創造的な労働を費やすことがない場合に得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0021】
矛盾がなければ、本発明の実施例における各特徴を互いに組み合わせることができ、いずれも本発明の保護範囲に含まれることに留意されたい。なお、装置模式図において機能モジュールの区画が行われ、フローチャートにおいて論理シーケンスが示されたが、いくつかの場合に、装置模式図におけるモジュール区画、又はフローチャートにおけるシーケンスとは異なるものにより、示された又は述べたステップを実行することができる。また、本発明で採用される「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、データおよび実行順序を限定するものではなく、機能および作用が基本的に同一である同一項又は類似項を区別するものに過ぎない。
【0022】
本発明に係る実施例は、ヘッドホンを提供する。
図2を参照すると、ヘッドホン100は、ケーシング10、並びにケーシング10に取り付けられたフィードフォワードマイクロホン11、アクティブノイズリダクションフィルタ12、スピーカー13、フィードバックマイクロホン14およびコントローラ15を含む。
【0023】
フィードフォワードマイクロホン11は、ヘッドホン100の筐体外部に取り付けられ、ノイズ源16により再生されるノイズ信号をサンプリングするために用いられ、ノイズ信号は、ケーシング10を介してフィードバックマイクロホン14により受信される。そのうち、ノイズ源16は、例えば、スピーカボックスなどの任意の形式のノイズ源であってもよい。ノイズ信号は、スイープノイズ又はピンクノイズなどのような任意の適切な形式のノイズであってもよい。
【0024】
ノイズ信号がケーシング10を通過した後の信号は、フィードバックマイクロホン14によりサンプリングされ、この信号は、物理的にノイズ低減された後の信号と見なすことができ、すなわち物理的ノイズリダクション信号であることが理解される。
【0025】
アクティブノイズリダクションフィルタ12がコントローラ15により制御され、スピーカー13によりアクティブノイズリダクション信号が生成され、そのうち、コントローラ15は、フィードフォワードマイクロホン11によりサンプリングされたノイズ信号に応じて、アクティブノイズリダクションフィルタ12の作動状態を制御し、例えば、フィードフォワードマイクロホン11がノイズ信号をサンプリングする場合、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12のアクティブノイズリダクション機能を起動することができ、フィードフォワードマイクロホン11がノイズ信号をサンプリングしない場合、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12のアクティブノイズリダクション機能をオフにすることができる。
【0026】
スピーカー13は、アクティブノイズリダクション信号を再生するために用いられ、理想的には、アクティブノイズリダクション信号とノイズ信号とは、振幅が等しく、位相が逆である。アクティブノイズリダクションフィルタ12のアクティブノイズリダクション機能がコントローラ15によりオフにされる場合、スルー信号は、アクティブノイズリダクションフィルタ12によりアクティブノイズリダクション処理されることなく、直接スピーカー13を介して外部に伝達することができる。アクティブノイズリダクションフィルタ12のアクティブノイズリダクション機能がコントローラ15により起動される場合、スルー信号は、アクティブノイズリダクションフィルタ12によりアクティブノイズリダクション処理され、アクティブノイズリダクション信号が得られ、アクティブノイズリダクション信号がスピーカー13を介して外部に伝達される。
【0027】
スピーカー13は、伝達関数を導入することができ、上述のように、アクティブノイズリダクションの目的を実現するために、従来技術では、この伝達関数を見積もる必要があることが理解される。
【0028】
フィードバックマイクロホン14は、ノイズ信号がケーシング10を通過した後の物理的ノイズリダクション信号、および/または、スピーカー13により再生されるアクティブノイズリダクション信号をサンプリングするために用いられる。
【0029】
コントローラ15は、適応ノイズリダクションアルゴリズムモジュールが統合され、フィードフォワードマイクロホン11および/またはフィードバックマイクロホン14によりサンプリングされる信号に応じて、アクティブノイズリダクションフィルタ12を制御して適応フィルタリングおよびノイズリダクションを行わせ、例えば、まずノイズ源16のノイズ信号はケーシング10を通過した後にフィードバックマイクロホン14により受信され、すなわち、フィードバックマイクロホン14は物理的ノイズリダクション信号を受信し、コントローラ15は物理的ノイズリダクション信号を記録する。
【0030】
次に、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12のアクティブノイズリダクション機能をオフにし、すなわち、アクティブノイズリダクションフィルタ12の作動状態をスルー状態に設定し、スルー状態で、コントローラ15により生成されたスルー信号は、何ら処理されず、直接アクティブノイズリダクションフィルタ12によりスピーカー13に伝達され、さらにスピーカー13により外部に伝達される。
【0031】
次に、ノイズ源16は、同一のノイズ信号を再生し、フィードフォワードマイクロホン11がサンプリングされたノイズ信号をコントローラ15に伝達するとき、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12を同期制御してスルー状態でスピーカー13にスルー信号を送信させ、スピーカー13がスルー信号を再生し、そうすると、フィードバックマイクロホン14は、スルー信号と物理的ノイズリダクション信号により混合されてなる混合信号を受信し、すなわち、混合信号は、スルー信号と物理的ノイズリダクション信号により重畳されて得られるものであり、スルー信号は、フィードフォワードマイクロホン11により採集されるノイズ信号であってもよく、ランダムに選択される音声信号であってもよい。
【0032】
図3を参照すると、A(z)は、ノイズ信号u(n)がケーシング10を通過した後にフィードバックマイクロホンに伝達する音響経路であり、そのうち、A(z)は、未知のシステムの音響経路であってもよい。G(z)は、アクティブノイズリダクションフィルタ12がスルー状態にあり、ノイズ信号u(n)がフィードフォワードマイクロホン11によりサンプリングされた後に順次アクティブノイズリダクションフィルタ12およびスピーカー13に伝達される音響経路であり、ノイズ信号u(n)は、スルー信号とすることができる。
【0033】
時刻t1において、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12の作動を一時停止し、ノイズ信号u(n)が音響経路A(z)を経た後、物理的ノイズリダクション信号d(n)を得ることができ、フィードバックマイクロホン14は、前記物理的ノイズリダクション信号d(n)を受信することができる。
【0034】
時刻t2において、コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12の作動状態をスルー状態に設定し、かつノイズ源16を制御して時刻t1と同じノイズ信号u(n)を再生させる。フィードフォワードマイクロホン11は、ノイズ信号u(n)をサンプリングし、サンプリングされたノイズ信号u(n)が音響経路G(z)を経た後、混合信号f(n)を得ることができ、すなわち、サンプリングされたノイズ信号u(n)は、スルー信号としてアクティブノイズリダクションフィルタ12に出力され、アクティブノイズリダクションフィルタ12は、スルー状態でスルー信号をスピーカー13に伝達し、スピーカー13に前記スルー信号を出力させ、フィードバックマイクロホン14は、スルー信号と物理的ノイズリダクション信号により重畳されて形成される混合信号f(n)を同時にサンプリングし、混合信号f(n)をコントローラ15に伝達する。コントローラ15は、混合信号f(n)から物理的ノイズリダクション信号d(n)を減算し、入力信号x(n)を得る。
【0035】
コントローラ15は、アクティブノイズリダクションフィルタ12に対して1つのアクティブノイズリダクション音響経路B(z)を構築し、そのうち、アクティブノイズリダクション音響経路B(z)の伝達関数H0は、コントローラ15が入力信号x(n)と物理的ノイズリダクション信号d(n)から、適応フィルタリングアルゴリズムと組み合わせて計算して得られるものであり、かつ、コントローラ15は、伝達関数H0に基づいて、デジタルフィルタパラメータを計算し、デジタルフィルタパラメータをアクティブノイズリダクションフィルタ12に書き込み、例えば、コントローラ15は、入力信号x(n)から、適応フィルタリングアルゴリズムと組み合わせて基準出力y(n)を得て、基準出力y(n)から物理的ノイズリダクション信号d(n)を減算して誤差e(n)を得る。誤差e(n)をコントローラ15の適応フィルタリングアルゴリズムモジュールにフィードバックし、適応フィルタリングアルゴリズムモジュールは、誤差e(n)が0に近接し又は等しくなるまでアクティブノイズリダクション音響経路B(z)の伝達関数H0を再び調整し、この時の伝達関数H0を記録する。続いて、応用過程中に、ノイズ信号があれば、アクティブノイズリダクションフィルタ12は、ノイズ信号に対してアクティブノイズリダクションを効果的に行うことができ、ノイズ信号のユーザへの干渉を回避する。
【0036】
以上の記述から分かるように、従来技術に対して、本実施例は、2つの音響経路の伝達関数H1と伝達関数H3を見積もる必要がなく、1つの音響経路を計測又は調整すればよく、すなわち、アクティブノイズリダクションフィルタの伝達関数H0を見積もるだけで、アクティブノイズリダクションの目的を実現することができる。
【0037】
本発明に係る実施例の別の側面として、本発明に係る実施例は、アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を提供する。
図4を参照すると、アクティブノイズリダクションフィルタの生成方法S300は、以下を含む。
S31、ノイズ信号がヘッドホンを通過した後に、フィードバックマイクロホンにより受信される信号である物理的ノイズリダクション信号を取得する。
S32、同じノイズ信号が再生され、かつヘッドホンがスルー状態でスルー信号を再生するとき、フィードバックマイクロホンにより受信される信号である混合信号を取得する。
【0038】
一例として、限定されるものではないが、スルー信号は、ヘッドホンがスルー状態で再生される音声信号であり、そのうち、スルー信号は、フィードフォワードマイクロによりホンサンプリングされるノイズ信号であってもよく、フィードフォワードマイクロホンによりサンプリングされるノイズ信号と、物理的ノイズリダクション信号とは、伝達環境又は媒体が同じであるので、続くステップにおいて最適な伝達関数を速やかで効率的に算出可能であることに役立つ。スルー信号は、任意に選択される音声信号であってもよいことが理解される。
S33、混合信号および物理的ノイズリダクション信号から、入力信号を計算する。
【0039】
いくつかの実施例において、ヘッドホンは、入力信号を得るように、混合信号および物理的ノイズリダクション信号に対して任意の適切な処理を行うことができる。いくつかの実施例において、ヘッドホンは、混合信号から物理的ノイズリダクション信号を減算して入力信号を得る。
S34、適応フィルタリングアルゴリズムにより、入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得る。
【0040】
いくつかの実施例において、適応フィルタリングアルゴリズムは、正規化最小平均二乗アルゴリズムを含み、S34は、正規化最小平均二乗アルゴリズムにより、入力信号および物理的ノイズリダクション信号に対して適応フィルタリングを行い、伝達関数を得ることを含み、例えば、
【0041】
図3と組み合わせて、基準出力y(n)は、以下のとおり表される。
ただし、
はアクティブノイズリダクションフィルタの重み係数であり、アクティブノイズリダクションフィルタにより出力される基準出力と物理的ノイズリダクション信号との間の誤差信号は、以下のとおりである。
【0042】
フィルタの最適化設計において、ある最小費用関数又はあるパフォーマンス指標を用いてフィルタの良し悪しを評価し、最も一般的に使用される指標は、平均二乗誤差であり、このようなフィルタの良し悪しを評価する方法は、平均二乗誤差基準とも呼ばれる。数式で以下のように示される。
【0043】
重みベクトルを導出して平均二乗誤差の勾配
を得る:
【0044】
【0045】
次のアクティブノイズリダクションフィルタのタップパラメータの更新方式が得られる。
【0046】
平均二乗誤差が最も小さいとき、最適なフィルタ重み係数ベクトル
が得られ、すなわち、出力信号ベクトルが
であり、伝達関数が
であり、FIRフィルタが使用され、フィルタパラメータb=W、a=1が得られるので、フィルタパラメータaとnにより形成される伝達関数を得ることができる。
S35、伝達関数により、アクティブノイズリダクションフィルタを生成する。
【0047】
以上をまとめて、一方で、本実施例には、物理音響経路又は再生音響経路の伝達関数を精確に見積もる必要がなく、適応フィルタリングアルゴリズムによりアクティブノイズリダクションフィルタを生成することができ、これにより、アクティブノイズリダクションを行うことができ、ノイズリダクション効率を向上させる。他方で、物理音響経路又は再生音響経路の伝達関数を見積もる必要がないので、これら両者の見積もる誤差を導入することがなく、ノイズリダクション精度およびノイズリダクション効果を向上させる。
【0048】
いくつかの実施例において、
図5を参照すると、S35は、以下を含む。
S351、伝達関数により、FIRフィルタの周波数応答パラメータおよびその周波数応答曲線を計算する。
S352、FIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタのパラメータを生成する。
S353、n次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成し、ただし、nが正の整数である。
【0049】
ステップS351において、いくつかの実施例において、ヘッドホンは、伝達関数により、離散フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、FIRフィルタの周波数応答パラメータを計算し、FIRフィルタの周波数応答パラメータから、FIRフィルタの周波数応答曲線を作成することができる。
【0050】
ステップS352において、いくつかの実施例において、ヘッドホンは、FIRフィルタの周波数応答パラメータおよび設定されたフィルタ次数nから、離散逆フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、n次IIRフィルタのパラメータを生成する。ただし、周波数応答パラメータは、h1パラメータとw1パラメータを含み、h1は、離散系の対応区間におけるN個の周波数等分点の周波数応答を含み、Nが正の整数であり、w1がN個の周波数等分点の値であり、そしてh1とw1に応じて、所望のIIRフィルタ次数nを設定し、離散逆フーリエ変換を行い、新たなIIRフィルタパラメータb_new、a_newを得て、すなわち、IIRフィルタのパラメータb_newとa_newは、n次IIRフィルタを形成することができる。
【0051】
ステップS353において、いくつかの実施例において、ヘッドホンは、n次IIRフィルタのパラメータから、離散フーリエ変換アルゴリズムと組み合わせて、n次IIRフィルタの周波数応答パラメータを計算し、n次IIRフィルタの周波数応答パラメータから、n次IIRフィルタの周波数応答曲線を生成し、n次IIRフィルタの周波数応答曲線に応じて、n次IIRフィルタのパラメータをm次IIRフィルタのパラメータに減次させ、ただし、mが正の整数で2<m<nであり、m次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成する。
【0052】
例えば、ステップS352において、n次IIRフィルタのパラメータb_newとa_newを得て、離散フーリエ変換を行って離散系のh21とw21からなる周波数応答パラメータを求め、周波数応答曲線が作成される。nよりも小さいIIRフィルタ次数iを設定し、周波数応答パラメータおよび設定されたフィルタ次数iから、離散逆フーリエ変換を行ってi次IIRフィルタパラメータを得て、得られたi次IIRフィルタのパラメータがb_new21とa_new21である。i次IIRフィルタのパラメータb_new21とa_new21から、離散フーリエ変換を行ってその周波数応答パラメータh31とw31を求め、周波数応答曲線を作成する。
【0053】
i次IIRフィルタ周波数応答曲線とn次IIRフィルタ周波数応答曲線とを類似比較し、類似度が予め設定された閾値以下である場合、i値を増大させて新たなi値を得て、そして上記方法を使用して新たなi次IIRフィルタ周波数応答曲線を得る。
【0054】
新たなi次IIRフィルタ周波数応答曲線とn次IIRフィルタ周波数応答曲線とを類似比較し、IIRフィルタの次数をmに下げるまで類推する。類似度が予め設定された類似閾値よりも大きい場合、減次に成功し、iがmに等しいか否かを判断し、mに等しいと、i=mを記録する。mに等しくないと、n=iを代入し、iをユーザが所望する次数に設定し、さらに上記方法を使用し、新たなi次IIRフィルタ周波数応答曲線を得ることができる。
【0055】
例えば、ヘッドホンは、FIRフィルタ周波数応答曲線に応じて、512次IIRフィルタ周波数応答曲線を生成する。ヘッドホンは、まずi=64を設定し、上記方法によって、64次IIRフィルタ周波数応答曲線を得る。
【0056】
ヘッドホンは、512次IIRフィルタ周波数応答曲線と64次IIRフィルタ周波数応答曲線の類似度を比較し、類似度が予め設定された類似閾値以下であれば、減次が失敗し、その原因は、64次IIRフィルタと512次IIRフィルタとの次数差が大きすぎ、512次IIRフィルタを64次IIRフィルタで表すことができないことであり、そのため、フィッティングのフィルタ次数を増加させる。
【0057】
そうすると、64次を128次に増やし、128次IIRフィルタ周波数応答曲線を用いて512次IIRフィルタ周波数応答曲線をフィッティングし、類似度が予め設定された類似閾値よりも大きい場合、減次に成功する。
【0058】
実用上、128次IIRフィルタは消費が大きく、実現が依然として困難であるため、以上のステップを繰り返す必要があり、先ほど得られた128次IIRフィルタを再び64次まで削減し、64次をさらに16次に変換し、順次類推する。
【0059】
いくつかの実施例において、m=16であり、16次IIRフィルタは工学的に実現することが困難であるため、16次IIRフィルタをカスケード形式の複数の2次IIRフィルタに変換する必要があり、いくつかの実施例において、ヘッドホンは、m次IIRフィルタのパラメータに対応する伝達関数を複数の2次IIRフィルタカスケードの二次分数モデルに変換し、複数の2次IIRフィルタのパラメータから、アクティブノイズリダクションフィルタを生成し、例えば、ヘッドホンは、関数tf2sosによりm次IIRフィルタをカスケード形式の複数の2次IIRフィルタに変換し、複数の2次IIRフィルタのパラメータからアクティブノイズリダクションフィルタを生成する。
【0060】
本実施例により提供されるアクティブノイズリダクションフィルタを使用するノイズリダクション効果を表現するために、
図6と
図7を組み合わせてそれぞれ説明し、そのうち、
図6において、第1曲線51は、物理的ノイズリダクション人工内耳を介して受信された外部ノイズを示し、第2曲線52は、フィードバックマイクロホンがアクティブノイズリダクションフィルタの作用下で受信した残留ノイズを示す。
図7において、第3曲線61は、物理的ノイズリダクション人工内耳を介して受信された外部ノイズを示し、第4曲線62は、フィードバックマイクロホンがアクティブノイズリダクションフィルタの作用下で受信した残留ノイズを示す。
【0061】
アクティブノイズリダクションヘッドホンのパフォーマンス指標は、一般的にノイズリダクション帯域幅およびノイズリダクション深さがあり、ノイズリダクション帯域幅は、ヘッドホンがノイズ周波数を処理できる範囲を指す。音の種類によって周波数が異なるため、ノイズリダクション帯域幅が大きいほど、カバーする周波数が多くなり、ヘッドホンがノイズ低減できる音の種類も多くなる。ノイズリダクション深さは、ある周波数のノイズに対して、どれだけ音量を下げることができるかを指し、数値が大きいほど、ノイズリダクション効果が良好であることを意味する。一般的には、ノイズリダクション深さの最大値をヘッドホン全体のノイズリダクション深さとして用いる。ノイズリダクション帯域幅は、処理できる音の種類を表し、実際の処理後のノイズリダクションの效果の良否は、当該周波数でのノイズリダクション深さによって決定される。
図6と
図7から分かるように、ノイズリダクション帯域幅は、それぞれ50hz~5khz、50hz~10khzの間であり、ノイズリダクション深さは、大体20~35dBの範囲内である。当該アクティブノイズリダクションアルゴリズムは、ノイズリダクション帯域幅とノイズリダクション深さの両方が非常に大きく、一定の実用的な価値を持っている。
【0062】
上記各実施形態において、上記各ステップの間に必ずしも一定の順序があるとは限らないことに注意されたい。当業者は、本発明の実施形態の説明によれば、異なる実施形態において、上記各ステップを異なる順序で実行してもよく、すなわち、並列に実行してもよく、交換して実行してもよいなどのことを理解できる。
【0063】
図8を参照すると、
図8は、本発明の実施例により提供されるヘッドホンの回路構造模式図である。
図8に示すように、ヘッドホン700は、1つ又は複数のプロセッサ71およびメモリ72を含む。そのうち、
図8には1つのプロセッサ71を例示する。
【0064】
プロセッサ71およびメモリ72は、バス又は他の方式により接続することができ、
図8では、バスで接続することを例示する。
【0065】
メモリ72は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、不揮発性ソフトウェアプログラム、不揮発性コンピュータ実行可能なプログラムおよびモジュール、例えば、本発明の実施例におけるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法に対応するプログラムコマンド/モジュールを記憶するために用いられることができる。プロセッサ71は、メモリ72に記憶される不揮発性ソフトウェアプログラム、コマンドおよびモジュールを実行することにより、上記方法における実施例が提供するアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法の機能を実現する。
【0066】
メモリ72は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリ、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施例において、メモリ72は、プロセッサ71に対して遠隔に設けられるメモリを選択的に含んでもよく、これらのリモートメモリは、ネットワークによってプロセッサ71に接続することができる。上記ネットワークの実例は、インターネット、企業内ネットワーク、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワークおよびそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0067】
前記プログラムコマンド/モジュールは、前記メモリ72に記憶され、前記1つ又は複数のプロセッサ71により実行されるとき、上記任意の方法の実施例におけるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法が実行される。
【0068】
本発明に係る実施例は、記憶媒体をさらに提供し、前記記憶媒体には、コンピュータ実行可能なコマンドが記憶され、当該コンピュータ実行可能なコマンドは、1つ又は複数のプロセッサにより実行され、例えば、
図8における1つのプロセッサ71によって、上記1つ又は複数のプロセッサは、上記任意の方法の実施例におけるアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を実行することができる。
【0069】
本発明に係る実施例は、コンピュータプログラム製品を提供し、前記コンピュータプログラム製品は、不揮発性コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されるコンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムは、プログラムコマンドを含み、前記プログラムコマンドがヘッドホンにより実行されるとき、前記ヘッドホンにいずれかいずれか一つの実施例に記載のアクティブノイズリダクションフィルタの生成方法を実行させる。
【0070】
以上に述べた装置又は設備の実施例は、例示的なものに過ぎず、その中に個別の部品として説明される前記ユニットモジュールは、物理的に分離されるものであってもよく、分離されないものであってもよく、モジュールユニットとして示される部品は、物理的なユニットであってもよく、物理的なユニットではなくてもよく、すなわち、同一の箇所に位置してもよく、又は複数のネットワークモジュールユニットに分散してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又はすべてのモジュールを選択して本実施例の方案の目的を実現することができる。
【0071】
以上の実施形態の説明により、当業者であれば、各実施形態がソフトウェアおよび汎用のハードウェアプラットフォームの方式により実現することができ、もちろん、ハードウェアにより実現できることを明らかに理解することができる。このような理解に基づいて、上記技術方案は、本質的に、又は関連技術に貢献する部分が、ソフトウェア製品の形式で具現化することができ、当該コンピュータソフトウェア製品は、ROM/RAM、磁気ディスク、光学ディスクなどのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することができ、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ、又はネットワーク機器などであってもよい)に各実施例又は実施例の一部に記載の方法を実行させるためのいくつかのコマンドを含む。
【0072】
最後に説明すべきことは、以上の実施例は、本発明の技術方案を説明するためのものに過ぎず、それを制限するものではなく、本発明の文脈では、以上の実施例又は異なる実施例における技術特徴の間を組み合わせることができ、任意の順序でステップを実現することができ、上述のような本発明の異なる側面の他の変化が多く存在するが、簡略化のために、細部には提供されず、前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者は、依然として前述の各実施例に記載の技術方案を補正し、又は一部の技術特徴に対して等価の置換を行うことができ、これらの補正および置換は、対応する技術方案の本質を本発明の各実施例の技術方案の範囲から逸脱させないと理解すべきである。