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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】地面を転がるように適合された転動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 21/22 20060101AFI20240125BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20240125BHJP
   H02K 11/20 20160101ALI20240125BHJP
   H02K 5/16 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H02K21/22 M
H02K11/30
H02K11/20
H02K5/16 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021502550
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2019068914
(87)【国際公開番号】W WO2020020673
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】1856876
(32)【優先日】2018-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521017217
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ ル アーブル ノルマンディ
(73)【特許権者】
【識別番号】521017228
【氏名又は名称】カシュー,フィリップ
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カシュー,フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】バラカト,ジョージズ
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0121676(US,A1)
【文献】特開2016-201961(JP,A)
【文献】特表2001-510677(JP,A)
【文献】特開2015-116033(JP,A)
【文献】特開2011-030341(JP,A)
【文献】特開2011-009627(JP,A)
【文献】特開2016-209049(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102008063788(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 21/22
H02K 11/30
H02K 11/20
H02K 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面上を転がるように適合された転動装置であって、少なくとも1つの電動ホイール(1)と、前記少なくとも1つの電動ホイール(1)を制御するためのケーシング(51)と、を備え、
前記少なくとも1つの電動ホイールは、
-円形スロット(13)を画定する本体(4)と、少なくとも2つの電磁コイル(16)が互いに向き合って配置されるように前記円形スロット(13)に配置された複数の電磁コイル(16)と、を備える円形固定子(2)と、
-内周(8)上に、側壁(34)および前記側壁(34)に接続された自由端縁(33)を有する円形ストリップ(45)を備える円形回転子(3)であって、前記円形回転子(3)が地面との接触面を備え、前記接触面が外周上に延在し、前記円形ストリップ(45)が、その側壁(34)に配置された磁気要素(28)を備える、円形回転子(3)と、
を備え、
記円形回転子(3)の前記円形ストリップ(45)は、前記円形ストリップ(45)の前記磁気要素(28)が前記円形固定子(2)の前記電磁コイル(16)の間に配置されるように、前記円形固定子(2)の前記円形スロット(13)に配置されており前記円形回転子(3)および前記円形固定子(2)は、前記円形固定子(2)に設けられた組み立て手段(17)によって組み立てられており、回転支持体(17)と呼ばれる前記組み立て手段(17)は、前記円形固定子(2)の前記内周(8)に配置されており、前記回転支持体(17)は、
-軸(21)と、
-前記軸(21)に取り付けられた2つの転がり軸受(22)と、
-前記転がり軸受(22)に取り付けられたローラ(23)と、
を備える転動装置。
【請求項2】
前記円形固定子(2)の前記本体(4)は、前記円形スロット(13)が連続するように互いに固定された2つの半固定子(5)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の転動装置。
【請求項3】
各半固定子(5)は、前記半固定子(5)を互いに固定することができる固定パッド(7)を備え、これらの固定パッド(7)は、前記半固定子(5)の前記内周(8)に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の転動装置。
【請求項4】
前記回転支持体(17)は、前記固定パッド(7)に配置されていることを特徴とする、請求項に記載の転動装置。
【請求項5】
前記ローラ(23)は、前記円形回転子(3)の前記円形ストリップ(13)を受け入れることが意図される溝(27)を備え、前記溝(27)は、断面において、少なくとも部分的に前記自由端縁(33)と相補的形状であること特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の転動装置。
【請求項6】
前記円形回転子(3)の前記磁気要素(28)は、鉄とシリコン合金または強磁性合金を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の転動装置。
【請求項7】
前記円形回転子(3)の前記磁気要素(28)は、希土類を含まない永久磁石を含むことを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の転動装置。
【請求項8】
前記円形ストリップ(45)の前記側壁(34)は、前記磁気要素(28)を受け入れる1つ以上の開口(35)を備えることを特徴とする、請求項に記載の転動装置。
【請求項9】
前記円形固定子(2)から前記円形回転子(3)を分離する距離を調整するように前記回転支持体(17)の前記軸(21)の傾斜を変更することができる調整手段(24)を備えることを特徴とする、請求項3または4に記載の転動装置。
【請求項10】
前記回転支持体(17)の前記軸(21)の傾斜を変更することができる前記調整手段(24)は、前記軸(21)と前記固定パッド(7)との間のインターフェースを形成する2つの偏心軸受(24)であり、各偏心軸受(24)は、前記軸(21)の両側に取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載の転動装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの電動ホイール(1)を前記転動装置に固定するための点(42)の位置を調整する調整装置(37)を備え、前記調整装置(37)は接続軸に固定するための手段を備えることを特徴とする、請求項1から10に記載の転動装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの電動ホイール(1)の固定点(42)の位置を調整する前記調整装置(37)は、
-前記円形固定子(2)に固定された略平行な複数の案内ロッド(39)と、
-電気モータ(40)と、
-前記電気モータ(40)に結合されたウォームねじ(41)と、
-前記接続軸に固定するための手段を備える固定ランナー(42)であって、前記ウォームねじ(41)の回転によって前記案内ロッド(39)に沿った前記固定ランナー(42)の変位が可能になるように、前記固定ランナー(42)が、前記ウォームねじ(41)および前記案内ロッド(39)と機械的に結合されている、固定ランナー(42)と、
を備えることを特徴とする、請求項11に記載の転動装置。
【請求項13】
前記転動装置は、
-マイクロコントローラ(46)と、
-前記マイクロコントローラ(46)に接続されたパワーカード(47)と、
-前記パワーカード(47)に接続されたバッテリ(48)と、
-前記バッテリ(48)を充電することができるバッテリ充電器と、
を備え、
コンピュータプログラムが前記マイクロコントローラ(46)に実装され、前記マイクロコントローラ(46)は、前記円形固定子(2)の前記電磁コイル(16)に電流を連続的に供給して、前記円形回転子(3)の回転を可能にすることができることを特徴とする、請求項12に記載の転動装置。
【請求項14】
前記円形回転子(3)は、前記地面との接触面として機能する、前記円形回転子(3)の外周に分布したタイヤ(32)またはローラのセットをさらに備えることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の転動装置。
【請求項15】
前記制御ケーシング(51)は、前記マイクロコントローラに接続された傾斜センサを備え、前記傾斜センサは、前記転動装置(50)のベースを測定し、この測定値を前記マイクロコントローラ(46)に提供することができ、その結果、前記マイクロコントローラ(46)は、前記少なくとも1つの電動ホイール(1)の前記固定点の位置を調整するための前記調整装置(37)の前記電気モータ(40)を作動させることによって前記少なくとも1つの電動ホイール(1)の前記固定点の位置を変更することを特徴とする、請求項13に記載の転動装置。
【請求項16】
前記円形回転子(3)は、外縁(30)上に延在するリム(29)を備え、前記円形ストリップ(45)は前記自由端縁(33)を前記リム(29)に接続することを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の転動装置。
【請求項17】
前記ストリップ(45)の壁は、エポキシタイプの樹脂を含む炭素繊維カバーによって少なくともその端部(3A、3B)のレベルで補強されることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の転動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ホイールを含む電動装置の分野に関する。本発明はまた、任意の転動装置、より具体的には、電動ホイールを備えた車椅子に関する。
【0002】
より一般的には、本発明は、自転車、オートバイ、原動機付き自転車、スクーター、三輪車、セグウェイ、自動車、飛行機、ロボットなど、地面を転がるように適合された任意のタイプの転動装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電動ホイールの設計が長い間知られている。電動ホイールは、一般に電動ホイールから離れた場所にあるモータによって動かされる。電動ホイールは、円形を有し、ハブに取り付けられている。
【0004】
その後、電動ホイールは改良されている。最初は、ホイールの外側に配置されモータがホイールに組み込まれていた。
【0005】
電動ホイールは、後者を可動にするために、異なる支持体に組み立てられることができる。このようにして、例えば自転車や車椅子など、異なる支持体に適応可能な電動ホイールが登場した。
【0006】
現在の電動ホイールは、電気モータを備えている。このモータは、一連のコイルを備えた固定子と、固定子に対して可動式の回転子とを備えている。回転子は、固定子のコイルによって誘導される磁場の影響下で回転する。この動きは、ホイールが回転するのを可能にする。
【0007】
電動ホイールは、大きな負荷を支持し且つ変位させることができる。したがって、それらは、かなりの低速トルクを生成する必要がある。
【0008】
特定の電動ホイールは、大きなトルクを発生するが、欠点は、これらが依然として高いエネルギ消費物であるということである。したがって、それらの効率は、特に低く、バッテリの寿命は、大きく影響を受ける。
【0009】
別の欠点は、ホイールの寸法にある。大きなトルクを発生させることを目的とした電動ホイールは、エンジンを中央のスペースに挿入することができるように厚い。これらの印象的な寸法により、自転車や車椅子などの用途向けの高出力に対して、これらの電動ホイールは不適格である。
【0010】
電動ホイールの別の欠点は、電動ホイールの質量と製造コストを大幅に増加させ、これらのギア減速機を構成する部品の数が多いためにそれらの信頼性を低下させ、さらに使用時の騒音を増加させる、ギア減速機が装備されていることである。
【0011】
これらの電動ホイールの別の欠点は、使用される磁気要素にある。これらの磁気要素は、一般に、希土類ベースで作られた永久磁石である。これらの希土類磁石は、いくつかの欠点を有する。希土類の採掘と利用は、環境に悪影響を及ぼす。さらに、希土類永久磁石の使用には問題がある。なぜなら、1.5テスラに到達する可能性のあるこれらの磁石の残留磁気誘導に起因して、電流の不存在下で希土類永久磁石が磁力を発生させるからである。手動でホイールを回転させる必要がある場合、これは望ましくない。実際、回転子は、このように体系的に磁気的平衡の位置に戻る傾向がある。希土類磁石を使用しているにもかかわらず、この磁気戻り力を減らすことができるが、これは、磁気要素の複雑な配置を必要とし、電動ホイールが大幅に複雑になり、製造がより困難になり、コストが増加する。
【0012】
電動ホイールの別の欠点は、これらの高さが固定されているという事実にある。実際、例えば、車椅子などの支持体へのホイールの固定は、実質的に、電動ホイールの中心に位置するゾーンの近くで行われる。電動ホイールを支持体に移動不能に固定すると、不快になる可能性がある。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、転動装置に関する上記の欠点の少なくとも1つを解消することを目的としている。この目的のために、地面上を転がるように適合された転動装置であって、転動装置は、少なくとも1つの電動ホイールと、少なくとも1つの電動ホイール(1)を制御するためのケーシング(51)とを備え、
少なくとも1つの電動ホイールは、
-円形スロットを画定する本体と、少なくとも2つの電磁コイルが互いに向き合って配置されるように円形スロットに配置された複数の電磁コイルと、を備える円形固定子と、
-内周上に、側壁および側壁(34)と接続された自由端縁を有する円形ストリップを備える円形回転子であって、円形回転子が地面との接触面を備え、接触面が外周上に延在し、円形ストリップが、その側壁に配置された磁気要素を備える、円形回転子と、を備え、円形回転子および円形固定子は、円形固定子に設けられた組み立て手段によって組み立てられ、円形回転子の円形ストリップは、円形ストリップの磁気要素が円形固定子の電磁コイルの間に配置されるように円形固定子の円形スロットに配置されている、転動装置が提案される。
【0014】
様々な追加的特徴が個別にまたは組み合わせて提供されることができ、
-円形固定子の本体は、円形スロットが連続するように互いに固定された2つの半固定子を備え、
-各半固定子は、半固定子を互いに固定することができる固定パッドを備え、これらの固定パッドは、半固定子の内周に配置されており、
-以下では回転支持体と呼ばれる組み立て手段は、円形固定子の内周に配置されており、
-回転支持体は、固定パッドに配置されており、
-回転支持体は、
-軸と、
-軸に取り付けられた2つの転がり軸受と、
-転がり軸受に取り付けられたローラと、
を備え、
-ローラは、円形回転子の円形ストリップを受け入れることを意図とした溝を備え、溝は、断面において、少なくとも部分的に、自由端縁と相補的形状であり、
-円形回転子の磁気要素は、鉄とシリコンの合金または強磁性合金、または希土類を含まない永久磁石を備え、
-円形ストリップ(45)の側壁(34)は、磁気要素(28)を受け入れる複数の開口(35)を含み、
-転動装置は、円形回転子を円形固定子から分離する距離を調整するように、回転支持体の軸の傾斜を変更することができる調整手段を備え、
-回転支持体の軸の傾斜を変更することができる調整手段は、軸と固定パッドとの間のインターフェースを形成する2つの偏心軸受であり、各偏心軸受は、軸の両側に取り付けられており、
-装置は、前記少なくとも1つの電動ホイールを固定するための点の位置を調整する装置を備え、調整装置は、接続軸に固定するための手段を備え、
-電動ホイールの位置を調整する装置は、
-円形固定子に固定された略平行な複数の案内ロッドと、
-電気モータと、
-電気モータと結合されたウォームねじと、
-接続軸に固定するための手段を備える固定ランナーであって、ウォームねじの回転により、案内ロッドに沿った固定ランナーの変位が可能になるように、固定ランナーがウォームねじおよび案内ロッドと機械的に結合されている、固定ランナーと、
を備え、
-転動装置は、
-マイクロコントローラと、
-マイクロコントローラに接続されたパワーカードと、
-パワーカードに接続されたバッテリと、
-バッテリを充電することができるバッテリ充電器と、を備え、
コンピュータプログラムが、マイクロコントローラに実装されており、マイクロコントローラは、円形固定子の電磁コイルに連続的に供給して、円形回転子の回転を可能にすることができる。
【0015】
好ましくは、パワーカードは、電子電力変換器とすることができる。
【0016】
特に、2つの電動ホイールと、電動ホイールを制御するためのケーシングとを備える、例えば車椅子などの転動装置が提案される。
【0017】
様々な追加的特徴が個別にまたは組み合わせて提供されることができる:
制御ケーシングは、マイクロコントローラに接続された傾斜センサを備え、傾斜センサは、転動装置のベースを測定し、マイクロコントローラにこの測定値を提供することができ、その結果、マイクロコントローラは、電動ホイールの高さを調整する装置の電気モータを作動させることによって電動ホイールを固定する点の位置を変更する。
【0018】
より一般的には、本発明は、地上でサ-ビスを実行するために1人以上の人、動物、または財産もしくは機器を輸送することが意図された車両など、地面を転がるように適合された任意のタイプの転動装置を対象としている。
【0019】
本発明の範囲において、地面は、装置が転がることを意図されている転動面として定義される。例えば、道路や通り、小道や歩道、舗装、または被覆物によって覆われていない自然の地形とすることができる。
【0020】
本発明は、特に、自転車、スクーター、セグウェイ、小型自動車、原動機付き自転車、オートバイ、ロボットなどの電気自動車を対象としている。もちろん、本発明は、例示として与えられたこれらのいくつかの例に限定されるものではなく、より一般的には、電動化でき、地面を転がることによって移動することが意図された任意のタイプの車両を対象とする。
【0021】
本発明は、航空学の分野、特に飛行機の着陸帯、またはより一般的には、特にプロペラによって地上を移動するように適合され、後退することができないが後方に引っ張られることができる任意のタイプの車両に好ましい用途を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の他の特殊性および利点は、非限定的な例として与えられる以下の添付の図面に関連して以下の説明に現れるであろう。
【0023】
図1】本発明にかかる電動ホイールの斜視図である。
図2】電動ホイールの固定子の斜視図である。
図3】電動ホイールの回転支持体の斜視図である。
図4図3の回転支持体の分解斜視図である。
図5】電動ホイールに取り付けられた図3および図4の回転支持体の拡大斜視図である。
図6】本発明にかかる固定子の分解斜視図である。
図7】本発明にかかる固定子の斜視図である。
図8】本発明にかかる電動ホイールの別の斜視図である。
図9図1の平面IX-IXに沿った電動ホイールの断面図である。
図10】本発明にかかる回転子の分解斜視図である。
図11図10の回転子の斜視図である。
図12】複数の前図の電動ホイールを備える車椅子の斜視図である。
図13】バッテリおよび追加の電子要素を備えた、複数の前図の電動ホイールの斜視図である。
図14】偏心軸受の実施形態の例を示している。
図15】斜視図として、偏心軸受の作動による回転子と固定子との接触を表している。
図16】特定の実施形態にかかる回転子の一部を斜視図として且つ断面図で示している。
図17a】斜視図として、特定の実施形態にしたがう分離された回転子および固定子を示している。
図17b】斜視図として、特定の実施形態にしたがって組み立てられた回転子および固定子を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、電動ホイール1が示されている。電動ホイール1は、円形固定子2および円形回転子3を備える。円形固定子2は、本体4を備える。本体4は、2つの半固定子5のアセンブリによって作られている。半固定子は、複数の固定手段により、互いに一体になっている。各半固定子5は、固定パッド7を備える。固定パッド7は、半固定子5の内周8上に配置され、固定パッド7は、固定オリフィス9を備えている。固定パッド7の内側に、固定パッド7は、固定オリフィス9と略同心で固定された環状ハウジング10を備える。固定手段は、円筒形ロッド6の形態で提示される。円筒形ロッド6は、半固定子5の間に配置され、より具体的には、互いに向かい合って配置された固定パッド7の間に配置されている。固定ロッドの端部は、固定パッド7の環状ハウジングに収容されている。
【0025】
円筒形ロッド6は、ねじ付き内部オリフィス11を備える。ねじロッドの両側で、ねじ12が、円筒形ロッド6の内側オリフィス11内に固定オリフィス9を通して挿入される。こうして、半固定子5は、互いに一体になる。
【0026】
有利には、円筒形ロッド6は、固定オリフィス9よりも大きい直径を有する。これは、2つの半固定子5を一体にすることに加えて、ねじ付きロッドが追加の機能を果たすことを可能にする。この追加の機能は、半固定子5を互いに離隔して維持することからなる。2つの半固定子5は、決して直接接触しない。
【0027】
したがって、本体4は、円形スロット13を画定する。円形スロット13は、円形固定子2の全周にわたって連続している。換言すれば、円形スロット13は、いかなる障害物もない360°の円形経路を画定する。これは、特に、固定子2の本体4を得るために2つの半固定子5を使用することにより可能になる。
【0028】
各半固定子5は、複数の歯14を備える。歯14は、半固定子5の内面15に配置され、内面15から突出している。歯14は、立方体または直方体の形状を有する。歯14は、異なる形状を有することができる。したがって、固定子は、本体4の周囲に分布する複数対の歯14を備える。各対は、互いに向き合って配置された2つの歯14を備える。換言すれば、各対において、一方の半固定子5の一方の歯14は、他方の半固定子5の他方の歯14と対向している。
【0029】
円形固定子2は、電磁コイル16を備える。コイル16は、歯14に取り付けられている。したがって、固定子は、歯14と同じ数のコイル16を備える。歯14と同様に、一方の半固定子5のコイル16は、他方の半固定子5のコイル16と対向して配置されている。
【0030】
図に示される実施形態では、円形固定子は、36対の電磁コイル、すなわち72個の電磁コイルを備える。
【0031】
変形例によれば、電磁コイル16は、半固定子5(図示せず)の円周全体に分布するのではなく、1つ以上のコイル状のセグメントを形成するように固定子2の円周の1つ以上の部分にのみ分布している。
【0032】
例えば、コイルは、いわゆる「アーチ型」分布を形成するように、半固定子の円周の半分または4分の1のみに分布している。コイルのそのような分布は、有利には、重量に関して構造を軽量化することを可能にする。
【0033】
特定の実施形態によれば、コイルは、アクティブアーチと呼ばれるアクティブセグメントと非アクティブアーチと呼ばれる使用されていないセグメントとの交互を形成するように分布することができる。
【0034】
図2に示される実施形態によれば、7対のコイル16は、各対のコイルが互いに向き合うように1つの単一セグメントを形成することによって、2つの半固定子5に連続的に取り付けられる。
【0035】
図7に示される実施形態によれば、2つの半固定子は、一方の半固定子5の各歯14が他方の半固定子5の歯14と向かい合うように互いに鏡像関係で組み立てられる。
【0036】
図2図6図7に示される実施形態によれば、2つの半固定子5は、1つの同じ数の歯を有する。別の特定の実施形態によれば、2つの半固定子5は、それらが2つの鏡像関係の対になった半固定子を形成しないように、異なる数の歯を有する。2つの半固定子およびこれから生じる回転子のこの実施形態は、2つの半固定子の作用によって回転子にかかる軸方向の引力を低減し、また電磁起源の潜在的な振動を低減することを可能にする。
【0037】
別の特定の実施形態によれば、2つの半固定子5は、各半固定子によって加えられるトルクが反対になるように互いにオフセットして取り付けられる。
【0038】
代替の実施形態(図示せず)によれば、2つの半固定子は、互いに鏡像関係で組み立てられるが、コイル16は、一方の半固定子の各コイルが他方の半固定子に固定されたコイルと向かい合わないように、互いにオフセットして取り付けられることができる。この実施形態は、空隙(エアギャップ)の導磁率の変動に起因して回転子に加えられるギアトルクを低減することを可能にする。より具体的には、この方法は、回転子のいずれかの面のギアトルクに対抗することを可能にし、したがって、総ギアトルクを低減することを可能にする。
【0039】
固定子は、図3図5に示される、以下では回転支持体17と呼ばれる組み立て手段を備える。回転支持体17は、固定パッド7に適用されて取り付けられる。この目的のために、各固定パッド7は、回転支持体17の端部19を受け入れることが意図される支持オリフィス18を備える。固定パッド7は、支持オリフィス18の周りに作られた複数の調整オリフィス20を備える。各回転支持体は、図4に見られる複数の要素、すなわち、
-支持体の軸21と、
-支持体の軸21に取り付けられた2つの転がり軸受22と、
-転がり軸受22に取り付けられたローラ23と、
-支持体の軸21と固定パッド7との間のインターフェースを形成する2つの偏心軸受24と、
を備える。
【0040】
転がり軸受の内輪25は、支持体の軸21に取り付けられ、外輪26は、ローラ23に取り付けられている。したがって、ローラ23は、支持体の軸21に対して回転することができる。ローラ23は、ほぼU字形の案内溝27を備える。回転支持体は、図5に示されているように、互いに向かい合って配置された2つの固定パッド7に適用されて取り付けられている。
【0041】
偏心軸受24の実施形態の例を図14に示す。軸受は、中心から外れたハウジング240を有するまたは軸受A24の回転軸に対して偏心を有するという意味で「偏心」であり、このハウジングは、支持軸21の端部を受け入れることが意図されている。したがって、ハウジングA240の対称軸を通過する偏心ハウジング240の中心は、軸受A24の回転軸を通過する軸受24の中心と一致しない。それは、ローラ23の回転軸が、符号「e」によって表されるような偏心値にしたがって、軸受24の回転軸に対して偏心していることを確実にする。例えば、偏心の実際の値は、5/10mmであり、これは、+/-1mmのずれである。
【0042】
支持体の軸21の端部は、それぞれ、固定パッド7の支持オリフィス18に挿入される。次に、偏心軸受24は、固定パッド7の外側に適用され、支持オリフィス18に挿入される。したがって、支持体の軸21は、固定パッド7の調整オリフィス20の偏心軸受24を通して挿入された、複数のねじによって、それ自体が固定パッド7に固定されている偏心軸受24に挿入される。ローラ23は、偏心軸受24に対して自由に回転する。図に示される実施形態では、電動ホイール1は、互いから約120°で配置された3つの回転支持体17を備える。
【0043】
上記のように、電動ホイール1は、円形回転子3を備える。円形回転子3は、
-外縁30上に延在するリム29と、
-内縁31上に延在する円形ストリップ45と、
を備える。
【0044】
円形回転子は、地面(図には示されていない)との接触面として機能するタイヤ32をさらに備える。例えば、図9図17aおよび図17bに示されるこのタイヤ32は、道路、小道、トレイル、またはタイヤが転がることができる任意のタイプの転動地形または面上を転がることが意図されている。
【0045】
変形例(図示せず)によれば、タイヤ32は、地面上を転がるように回転子3の外周、より具体的には地面との接触面上に分布するローラのセットによって置き換えることができる。例えば、ローラは、一般に「オムニホイール」または「全方向ホイール」と呼ばれるタイヤのない全方向ホイールのローラである。
【0046】
したがって、回転子3は、電動ホイールが「ホイールモータ」、すなわち、回転子がホイールとして機能するモータと見なすことができるように、リム29と、リム上のタイヤ32または地面で転がるように適合されたタイヤに代わる任意の代替物とを直接担持する。
【0047】
その結果、現在のホイールの全部または一部を、本発明にかかる少なくとも1つの電動ホイールまたは「ホイールモータ」に単に置き換えることによって、転動車両を電動化することが可能である。
【0048】
円形ストリップ45は、例えば、溶接または接着によってリム29に固定されている。円形ストリップ45は、自由端縁33および側壁34を備える。自由端縁33は、少なくとも部分的に、ローラ23の溝27とほぼ相補的である。円形ストリップ45は、薄いリング状のプレ-トである。円形ストリップ45の側壁34は、磁気要素を受け入れることが意図される複数の開口35を備える。
【0049】
回転子3および固定子は、回転子3のストリップがスロット13に配置されるように組み立てられる。したがって、回転子3の磁気要素は、固定子の電磁コイル16の間に配置されている。図に示される実施形態では、回転子3は、24個の磁気要素28を備える。円形ストリップ45の自由端縁33は、固定子が3つの回転支持体17を支えるように、溝27内に収容されている。したがって、溝27は、円形ストリップ45の回転を案内することを可能にし、その結果、円形回転子3の回転を案内することを可能にする。
【0050】
溝27が少なくとも部分的に溝27とほぼ相補的であるという事実は、自由端縁33が溝27内で変位することができないことを防ぐことを可能にする。したがって、ホイールは、より適切に案内され、これは、さらに、回転子の脱線を回避することを可能にする。
【0051】
固定子7を半固定子の内周8に配置することにより、半固定子5間に十分に大きなスペースを空けて、固定子内での回転子の可能な限りコンパクトな組み立てを可能にする一方で空隙の低減に貢献することができる。
【0052】
回転支持体17を内周、より具体的には固定パッド7上に配置することにより、回転子および固定子のアセンブリは、よりコンパクトで、機械的強度がより向上される。
【0053】
円形回転子3が回転されると、回転支持体17に支持されている円形ストリップ45は、問題なく回転することができる。
【0054】
電磁コイル16は、ホイール軸Xに沿って配向されている。これは、コイル16の中心を通過する軸がほぼ軸Xに沿って配向されていることを意味する。これは、異なる配向に反して、ホイールの厚みを減らすことを可能にする。
【0055】
有利には、回転子3の磁気要素28は、鉄とシリコンの合金などの磁極質量体を備える。
【0056】
好ましくは、磁極質量体は、強磁性合金を含む。
【0057】
回転子3への磁極質量体の挿入は、回転子が電磁源を含まないという意味で、回転子を電磁的に受動的にするために特に有利である。実際、半固定子5上に配置された電磁コイル16のみが電流源によって供給される。
【0058】
好ましくは、磁極質量体は、図16に示されるように、回転子3の側壁内に配置される。円形ストリップ45は、案内サークリップ33をリム29に接続する。例えば、円形ストリップ45は、磁極質量体28などの磁気要素を固定することが意図されるスロットまたはノッチなどの固定手段35を備える。有利には、これらの固定手段は、磁極質量体を等距離に固定または取り付けるように、円形ストリップの円周の全部または一部にわたって一定の間隔で分布している。
【0059】
円形ストリップの回転子3の側壁は、ガラス繊維などの非導電性材料から構成されている。
【0060】
図16の例では、磁極質量体28を含む回転子3の2つの側壁は、回転子3を補強または剛性化するように適合された機械的特性を有する材料を含むカバ-によって少なくとも部分的に覆われている。例えば、この材料は、場合によりエポキシタイプの樹脂が添加されている炭素繊維である。例えば、この材料は、図16の符号3Aおよび3Bによって示されるように、円形ストリップ45の周辺ゾ-ンに提供される。
【0061】
したがって、磁気要素28は、希土類元素を有さず、固定子2に対する回転子3の手動変位を妨げない。
【0062】
変形例では、希土類を含まない永久磁石を使用することは全て同じように可能であるが、この選択は、手動使用のための残留破壊を伴うので、好ましい実施形態を構成しないことに留意されたい。
【0063】
空隙は、回転子3を固定子から分離する距離である。この距離の調整は、偏心軸受24を使用して行われる。偏心軸受24を上向きまたは下向きに変位させることにより、支持体の軸21が傾斜し、自由端縁33上のローラ23の溝27の作用により、円形ストリップ45の軌道を変更することが可能になる。したがって、空隙は、電動ホイール1の性能を向上させるために、特に停止時のトルクを改善するために、したがって軸Xに沿ったその薄い厚さにもかかわらず大きな負荷を変位させるために調整されることができる。
【0064】
図15は、斜視図として、2つの半固定子5の間の回転支持体17のローラ23の溝27に対する回転子3の自由端33(すなわち、転動サークリップ)の配置を示している。偏心軸受24の位置は、それらが半固定子5の開口18に係合しているとき、回転によって調整することができる。この目的のため、偏心軸受を回転させるために、軸受24の外面にスロット242が設けられている。
【0065】
したがって、各半固定子5上の2つの軸受24の同時回転は、偏心軸受24のそれぞれに設けられた偏心ハウジング240によって、案内ローラ23を回転子3の転動サークリップ33に近付けたり遠ざけたりすることを可能にする。2つの軸受24を接続する支持体21の位置は、軸受24の回転によって調整される。
【0066】
図15aに示されるような「遠隔」位置では、回転子3は、固定子2と接触していない。偏心軸受24は、いわゆる遠隔位置にある。例えば、この位置は、スロット242の斜めの向きによって実現される。
【0067】
図15bに示されるような「接触」位置では、回転子3は、固定子2と接触している。この位置は、図14に定義されているように、偏心軸受24をそれらの回転軸A24の周りで回転させることによって得られる。例えば、このいわゆる「接触」位置は、スロット242の水平方向によって実現される。ハウジング240の偏心に起因して、軸受24の回転は、案内サークリップの自由端33がローラ23のスロットと接触するように、軸21を変位させる効果を有する。
【0068】
したがって、偏心軸受24の回転は、回転子3の動作クリアランスを半径方向および軸方向に調整することを可能にする。
【0069】
図17aは、回転子3と固定子5を並べて示している。回転子3は、円形ストリップ45と、上述したように開口35に固定することによって円形ストリップ45上に一定の間隔で分布する磁極質量体28とを備える。説明を明確にするために、磁極質量体28は、自由に見える、すなわち、ストリップ45のいずれの側も覆われていない。
【0070】
固定子2は、コイル16が周りに巻かれた歯の間に画定されたスロットを有する。この実施形態では、コイル16は、スロットの中心に向かって延在する歯の端部を超えないように、歯の周りに巻かれている。したがって、互いに向き合う2つの歯の上部を分離する距離に等しい幅の連続スロットが形成される。
【0071】
図17bは、図17aの回転子3および固定子2のアセンブリを示しており、より具体的には、回転子3の案内サークリップ33は、固定子2の軸受23と接触している場合である。
【0072】
したがって、電動ホイールは、電動ホイール1の様々な動作および制御要素を収容するために使用されることができる中央ゾ-ンを備える。
【0073】
電動ホイール1は、
-マイクロコントローラ46と、
-例えばマイクロコントローラ46に接続されたパワーカード47などのパワーエレクトロニクスと、
-パワーカード47に接続されたバッテリ48と、
-パワーカード47に接続されたバッテリ充電器(表示されていない)と、
を備える。
【0074】
好ましくは、上記カードは、モータに電力供給し、バッテリ充電器を制御するように適合された電子電力変換器47である。これらの2つの機能は、同じ電子基板内に実装されることができる。
【0075】
電動ホイール1は、電圧および交流を生成するための、例えば48Vおよび500Wのインバータをさらに備える。
【0076】
マイクロコントローラは、ユーザによって表現される希望に応じた移動方向、回転速度などの情報を提供することができる制御ケーシング51に接続されている。制御ケーシング51は、適切なケーブル接続または無線の方法を使用してマイクロコントローラに接続されることができ、後者の場合、マイクロコントローラは、データ送信/受信手段を備えている。
【0077】
ここで、電動ホイール1の動作原理について説明する。
【0078】
ユーザによって表現される希望に応じて、マイクロコントローラは、電磁コイル16の供給を管理する。
【0079】
電動ホイール1は、バッテリからの電流のおかげで、電磁コイル16に供給することによって移動する。マイクロコントローラは、電磁コイル16(対)に交互に供給する。この交互作用は、磁場の回転を引き起こし、したがって、回転子3の動きをもたらし、電動ホイール1を前進させる。
【0080】
以下に、電動ホイールの用途例について説明する。一例として、2つの電動ホイールが車椅子の接続軸に取り付けられている。以下の表は、電動ホイールに接続された制御ケーシング51における、ユーザによって表現される希望に応じた電動ホイールの動作を要約したものである。
【0081】
【0082】
一般に、制御ケーシングは、制御信号を電動ホイールに送信して、電動ホイール1が取り付けられている転動装置をユーザが制御することを可能にすることが意図されるマン-マシンインターフェースを備える。例示的な例として、制御ケーシング51は、ステアリングホイールおよび/またはジョイスティックを備える。それは、転動装置が移動する環境に関連する情報を提供することが意図される、ジャイロスコ-プ、加速度計などの1つ以上のセンサに接続されることができる。
【0083】
有利には、電動ホイール1は、図1および図8に示されるように、ホイールの位置を調整するための装置37を備える。より具体的には、装置37は、地面の構成(例えば、転動面の傾斜または傾きの程度)に応じて転動装置の地面での最適な保持を維持するように、転動装置上の電動ホイール1の取付点または固定点42の位置をリアルタイムに調整することを可能にする。したがって、転動装置の安定性は、特に装置が地面を転がっているとき、各瞬間において、地面での保持が改善されることによって保証される。
【0084】
調整装置37は、固定子に固定された2本の案内ロッド39が設けられたレール38を備える。案内ロッド39は、固定子の直径に沿って配向され、この直径の両側に配置される。2本の案内ロッド39は、略平行である。この装置は、ウォームねじ41に機械的に結合された電気モータ40を備える。ウォームねじ41は、案内ロッド39の間に配置されている。この装置は、固定ランナー42をさらに備える。固定ランナー42は、接続軸への機械的結合インターフェースを備える。
【0085】
接続軸を使用すると、図13を参照して説明するように、ホイール内のスペースを空けて、バッテリおよび1つ以上の電子基板、例えば、非接触充電用の誘導バッテリ充電器をそこに設置することが有利に可能になる。
【0086】
さらに、ランナー42は、案内ロッド39を受け入れることが意図される案内オリフィス43と、ねじ付きウォームねじ41を受け入れることが意図されるタップ加工されたオリフィス44とを備える。ウォームねじ41が回転すると、ランナーは、案内ロッドに沿って変位する。適合されたウォームねじ41は、例えば、ボールねじである。
【0087】
有利には、ケーシング51は、マイクロコントローラに接続された傾斜センサを備える。傾斜センサは、車椅子50のベースを判定することを可能にし、それにより、ベースの測定値または車椅子の傾斜の程度などの必要な情報をマイクロコントローラに提供することを可能にし、その結果、あらゆる状況において、車椅子に座っているユーザに対して水平位置を確保するために、マイクロコントローラは、電動ホイール1のウォームねじ41に沿って固定ランナー42の位置に作用することができる。例えば、車椅子が傾斜した傾斜道路に係合されている場合、マイクロコントローラは、固定ランナーを持ち上げ、車椅子の座席を水平位置に保持するために、電気モータ40をトリガーする。
【0088】
電動ホイールには、障害物検出器、距離検出器、およびGPSチップが有利に装備されている。マイクロコントローラに接続されたこれらの要素は、電動ホイールがアパートなどの限られた場所で自律的にバッテリ充電ステーションに行くことを可能にする。
【0089】
上述した電動ホイールは、多くの利点を有する、すなわち:
-それは、特に円形スロット内の円形ストリップ45の配置により、多くのエネルギを消費することなく、かなりの低速トルクを発生させ、
-厚みが薄く、車椅子や自転車での使用に適しており、
-ギア減速機を使用する必要がないため、使用中の騒音を低減しながら、質量、製造コストを大幅に削減し、信頼性を向上させ、
-希土類永久磁石を使用していないため、困難なく手動でホイールを回転させることができ、例えば、車椅子や自転車などに最適である。
【0090】
本発明は、車椅子の範囲で詳細に説明されてきたが、もちろん、この用途に限定されるものではない。それは、より一般的には、地面上を転がることを意図し、上述したような少なくとも1つの電動ホイールを備える装置を目的としている。
【0091】
特に、転動装置は、自転車または電動自転車、電動スクーター、セグウェイ、小型電気自動車、原動機付き自転車または電動オートバイ、ロボットなどの任意のタイプの電動車両とすることができる。このリストは、説明の目的で提供されており、いかなる場合でも、限定的な方法で解釈してはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17a
図17b