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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】給水装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20240125BHJP
   F04B 49/06 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
F04B49/10 311
F04B49/06 321B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019170317
(22)【出願日】2019-09-19
(65)【公開番号】P2021046836
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 哲則
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 章太
(72)【発明者】
【氏名】山崎 修平
(72)【発明者】
【氏名】佐渡島 茂
(72)【発明者】
【氏名】野々山 将行
【審査官】丹治 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-132175(JP,A)
【文献】国際公開第2012/081662(WO,A1)
【文献】特開2013-197615(JP,A)
【文献】特開2012-082805(JP,A)
【文献】特開2013-127256(JP,A)
【文献】特開2009-074541(JP,A)
【文献】特開2019-060334(JP,A)
【文献】特開2014-109220(JP,A)
【文献】特開2012-225349(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/00-51/00
F04C 11/00-15/06
F04D 15/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのポンプを含む第1群のポンプおよび少なくとも1つのポンプを含む第2群のポンプと、
前記第1群のポンプの回転速度を制御する第1群のインバータおよび前記第2群のポンプの回転速度を制御する第2群のインバータと、
前記第2群のインバータには接続されず、前記第1群のインバータを制御する第1の制御基板と、
前記第1群のインバータには接続されず、通常モードである第1の動作状態において、前記第1の制御基板から前記第2群のインバータを制御する指令を受信し、当該指令に基づき前記第2群のインバータを制御し、前記第1の制御基板に動作確認要求を送信し、バックアップモードである第2の動作状態において前記第2群のインバータを自律的に制御する第2の制御基板と
を具備し、
前記第1の制御基板は、前記第2の制御基板から前記動作確認要求を受信すると動作確認応答を返し、
前記第2の制御基板は、前記第1の動作状態において送信済みの前記動作確認要求に対応する動作確認応答を当該動作確認要求の送信から一定時間内に受信しない場合に、前記第1の制御基板の異常を検知して、前記第2の動作状態に遷移する、
給水装置。
【請求項2】
給水装置であって、
少なくとも1つのポンプを含む第1群のポンプおよび少なくとも1つのポンプを含む第2群のポンプと、
前記第1群のポンプの回転速度を制御する第1群のインバータおよび前記第2群のポンプの回転速度を制御する第2群のインバータと、
前記第2群のインバータには接続されず、推定末端圧力が一定となるように前記第1群のインバータを制御する第1の制御基板と、
前記第1群のインバータには接続されず、通常モードである第1の動作状態において前記第2群のインバータを自律的に制御せず、バックアップモードである第2の動作状態において推定末端圧力が一定となるように前記第2群のインバータを自律的に制御する第2の制御基板と
を具備し、
前記第2の制御基板は、前記第1の動作状態にある時に(a)稼働中のポンプの各々の流量が停止流量を超え、(b)前記稼働中のポンプの流量の合計が前記給水装置の定格流量以下であって、かつ(c)前記給水装置の吐出圧力が起動圧力以下の第1の圧力から定格流量時の設定圧力以上の第2の圧力までの範囲外にある状態が一定時間以上に亘って継続している場合に、前記第2の動作状態に遷移する、
給水装置。
【請求項3】
互いに異なる制御基板に搭載され、同一のソフトウェアを実行する第1のプロセッサおよび第2のプロセッサをさらに具備し、
前記第1のプロセッサは、前記ソフトウェアの実行開始後に、前記第1のプロセッサに接続されたディップスイッチの状態、または前記第1のプロセッサに設定された通信用局番に基づいて、前記第1のプロセッサを搭載する制御基板が異常を検知されるまでインバータを主導的に制御するメイン制御基板であることを確認し、
前記第2のプロセッサは、前記ソフトウェアの実行開始後に、前記第2のプロセッサに接続されたディップスイッチの状態、または前記第2のプロセッサに設定された通信用局番に基づいて、前記第2のプロセッサを搭載する制御基板が前記メイン制御基板の異常検知時にバックアップ運転するサブ制御基板であることを確認する、
請求項1または請求項2に記載の給水装置。
【請求項4】
前記給水装置の一次側に接続され、互いに連結された第1の受水槽および第2の受水槽の複数の異なる水位に対応する位置に取り付けられた複数ペアの水位検出電極にそれぞれ接続された複数の電極入力端子と、
(a)前記第1の受水槽の使用時にはアース電極と前記複数ペアの水位検出電極のうち前記第1の受水槽に取り付けられた複数の第1の水位検出電極のそれぞれとの間に電圧を印加し、前記複数の第1の水位検出電極のそれぞれの導通状態を検出し、検出結果に対応する前記第1の受水槽の水位を示す受水槽水位信号を生成し、(b)前記第2の受水槽の使用時には前記アース電極と前記複数ペアの水位検出電極のうち前記第2の受水槽に取り付けられた複数の第2の水位検出電極のそれぞれとの間に電圧を印加し、前記複数の第2の水位検出電極のそれぞれの導通状態を検出し、検出結果に対応する前記第2の受水槽の水位を示す受水槽水位信号を生成する導通検出回路と、
前記受水槽水位信号を論理演算し、前記受水槽水位信号が渇水よりも高い水位を示す場合には前記給水装置の運転を許可する運転制御信号を生成し、前記受水槽水位信号が前記渇水に対応する水位を示す場合には前記給水装置の運転を禁止する運転制御信号を生成する運転制御信号生成回路と、
前記運転制御信号を前記第1の制御基板および前記第2の制御基板へ出力する出力端子と
を備える水位検出基板をさらに具備する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の給水装置。
【請求項5】
前記第1群のインバータに接続された第1群の漏電しゃ断器および前記第2群のインバータに接続された第2群の漏電しゃ断器から複数のトリップ信号を受ける複数のトリップ入力端子と、前記第1群のポンプおよび前記第2群のポンプの各々の流量をそれぞれ検出する複数の流量センサおよび前記給水装置の吐出圧力を検出する複数の圧力センサから複数のセンシング信号を受ける複数のセンサ入力端子とを備え、前記第1の制御基板および前記第2の制御基板によって直流電力を供給される信号入力基板をさらに具備し、
前記複数のトリップ信号のうち前記第1群の漏電しゃ断器からのトリップ信号は、前記第1の制御基板へ送信され、
前記複数のトリップ信号のうち前記第2群の漏電しゃ断器からのトリップ信号は、前記第2の制御基板へ送信され、
前記センシング信号は、前記第1の制御基板および前記第2の制御基板へ分岐して出力される、
請求項4に記載の給水装置。
【請求項6】
前記第1の制御基板および前記第2の制御基板に接続された表示器をさらに具備し、
前記第1の制御基板または前記第2の制御基板は、前記給水装置の設定パラメータと、前記第1群のポンプおよび前記第2群のポンプの運転データと、前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの内部データと、前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力の合計と、前記給水装置の総合効率とのうち少なくとも1つを前記表示器に表示させ、
前記第1の制御基板または前記第2の制御基板は、前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力の合計を前記表示器に表示させる場合に、前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの各々の消費電力から前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力の合計を演算し、
前記第1の制御基板または前記第2の制御基板は、前記給水装置の総合効率を前記表示器に表示させる場合に、前記給水装置の吐出圧力および前記第1群のポンプおよび前記第2群のポンプの流量に基づいて前記給水装置の理論動力を演算し、前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力を合算して前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力の合計を得て、前記理論動力を前記第1群のインバータおよび前記第2群のインバータの消費電力の合計によって除算して前記総合効率を得る、
請求項4または請求項5に記載の給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、並列運転可能な複数のポンプを備える給水装置が知られている。かかる給水装置には、例えば1台のポンプが故障した場合であっても、残りのポンプを並列運転することで100%給水を実現するものがある。
【0003】
並列運転可能な複数のポンプを備える給水装置では、運転するポンプの選択やポンプの起動/停止の制御の工夫により、ポンプ間で起動回数および運転時間を平準化させ部品交換や故障の頻度を低減することが可能である。
【0004】
並列運転可能な複数のポンプを備える給水装置は、さらに、これらのポンプをそれぞれの回転速度を制御する複数のインバータと、これらのインバータを制御する制御基板とを含む制御盤を備える。制御基板は、圧力センサおよび流量センサのセンシング信号に基づいて各インバータへのインバータ制御指令を発行し、当該インバータ制御指令をシリアル通信を用いて各インバータへ送信するプロセッサ、典型的にはCPU(Central Processing Unit)、を搭載する。
【0005】
CPUは、常に正常に動作するとは限らない。例えば、不正なアドレッシングによりCPUが暴走すること、CPU電源用コンデンサの容量抜けなどに起因して電源電圧が低下してCPUの動作が停止すること、外来ノイズなどに起因してCPUが通信プロトコルに準拠しない信号をインバータへ送信すること、などがあり得る。CPUのかかる異常時にはCPU-インバータ間のシリアル通信が停止し、最悪の場合には断水が生じるおそれがある。
【0006】
かかる事態に備えて、メイン制御基板と同一機能を持つ、換言すれば全てのインバータを制御可能なサブ制御基板を追加した給水装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2および特許文献3参照)。かかる給水装置によれば、メイン制御基板に搭載されたCPUに異常が生じた場合には、サブ制御基板に搭載されたCPUに全インバータの制御を肩代わりさせるバックアップ運転を行うことで、給水装置の運転を継続することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-225349号公報
【文献】特開2009-197792号公報
【文献】特開2013-174125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
メイン制御基板およびサブ制御基板は、典型的には量産品の制御基板のソフトウェアをメイン用およびサブ用に書き換え、同種の2枚の制御基板にそれぞれ実行させることで実現される。しかしながら、かかる実現法は、以下に説明するように制御盤の複雑化を招くことがある。
【0009】
まず、操作/表示基板も2枚設けられるので入力が煩雑となる。また、メイン制御基板の異常が検知されてから、サブ制御基板によるバックアップ運転に切り替わるまでの間隔を設定するためのタイマー回路を増設する必要がある。
【0010】
さらに、サブ制御基板によるバックアップ運転に切り替わるにあたって、メイン制御基板によるインバータの制御を停止する必要がある。特許文献2および特許文献3では、制御基板とインバータとの間の通信線上に通信をON/OFFするためのスイッチを追加することで、異常が発生した制御基板とインバータとの間の通信線を物理的に遮断している。なお、仮に、複数の制御基板間で制御対象となるインバータが競合しなければこのような問題は生じない。
【0011】
本発明は、複数の制御基板間で制御対象となるインバータが競合せず、一の制御基板が別の制御基板の異常を検知してバックアップ運転が可能な給水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、給水装置は、少なくとも1つのポンプを含む第1群のポンプおよび少なくとも1つのポンプを含む第2群のポンプと、第1群のポンプの回転速度を制御する第1群のインバータおよび第2群のポンプの回転速度を制御する第2群のインバータと、第1の制御基板と、第2の制御基板とを含む。第1の制御基板は、第2群のインバータには接続されず、第1群のインバータを制御する。第2の制御基板は、第1群のインバータには接続されず、第1の動作状態において第2群のインバータを自律的に制御せず第1の制御基板に動作確認要求を送信し、第2の動作状態において第2群のインバータを自律的に制御する。第1の制御基板は、第2の制御基板から動作確認要求を受信すると動作確認応答を返す。第2の制御基板は、第1の動作状態において送信済みの動作確認要求に対応する動作確認応答を動作確認要求の送信から一定時間内に受信しない場合に、第2の動作状態に遷移する。
【0013】
本発明の別の態様によれば、給水装置は、少なくとも1つのポンプを含む第1群のポンプおよび少なくとも1つのポンプを含む第2群のポンプと、第1群のポンプの回転速度を制御する第1群のインバータおよび第2群のポンプの回転速度を制御する第2群のインバータと、第1の制御基板と、第2の制御基板とを含む。第1の制御基板は、第2群のインバータには接続されず、推定末端圧力が一定となるように第1群のインバータを制御する。第2の制御基板は、第1群のインバータには接続されず、第1の動作状態において第2群のインバータを自律的に制御せず、第2の動作状態において推定末端圧力が一定となるように第2群のインバータを自律的に制御する。第2の制御基板は、第1の動作状態にある時に(a)稼働中のポンプの各々の流量が停止流量を超え、(b)稼働中のポンプの流量の合計が給水装置の定格流量以下であって、かつ(c)給水装置の吐出圧力が起動圧力以下の第1の圧力から定格流量時の設定圧力以上の第2の圧力までの範囲外にある状態が一定時間以上に亘って継続している場合に、第2の動作状態に遷移する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、複数の制御基板間で制御対象となるインバータが競合せず、一の制御基板が別の制御基板の異常を検知してバックアップ運転が可能な給水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る給水装置を例示するブロック図。
図2図1の第2の制御基板の動作例を示すフローチャート。
図3図1の第1の制御基板の動作例を示すフローチャート。
図4図1の第2の制御基板の動作例を示すフローチャート。
図5図1の制御盤の構成を例示する図。
図6図5の変形例を示す図。
図7図5の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら実施形態の説明を述べる。なお、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号を付し、重複する説明については基本的に省略する。
【0017】
(実施形態)
実施形態に係る給水装置は、例えば図1の給水装置であり得る。給水装置は、例えば、受水槽30に接続され、建造物に設けられた蛇口やシャワーヘッド等の供給先に給水する。
【0018】
図1に示されるように、この給水装置は、4台のポンプ11,12,21,22と、制御盤100と、図示されない吸込配管および吐出配管とを含む。4台のポンプ11,12,21,22の一部または全部が、制御盤100によって単独、交互または並列運転される。稼働中のポンプは、吸込配管を介して一次側、例えば受水槽30、にある水を取り込み、吐出配管を介して二次側へ給水する。吸込配管は、例えば、受水槽30から分岐され、各ポンプ11,12,21,22の吸込側を接続する。吐出配管は、ポンプ11,12,21,22の吐出し側とその二次側の給水先とを接続する。
【0019】
吐出配管には、図示されない圧力センサが取り付けられており、この圧力センサは給水装置の吐出圧力を検出可能である。なお、吐出配管には、メインの圧力センサに加えてサブの圧力センサが取り付けられてもよい。そして、サブの圧力センサの出力が異常値であってメインの圧力センサの出力が正常値である場合に、メインの圧力センサが故障しているおそれがあるので、制御盤100はサブの圧力センサの出力に基づいてインバータの制御を継続してもよい。また、両方の圧力センサの出力が異常値である場合には、後述される第1の制御基板200の圧力信号用の入力回路が故障しているおそれがあるので、後述されるCPU320がバックアップモードに遷移してもよい。このように圧力センサを冗長化することで、圧力センサの故障のみに起因するバックアップモードへの不必要な遷移および第1の制御基板200の不必要な交換、ならびに誤った圧力値に基づくインバータの不適切な制御を予防できる。
【0020】
制御盤100は、各ポンプ11,12,21,22のモータと電気的に接続され、当該ポンプを制御する。図5に例示されるように、制御盤100は、4台のインバータ111,112,121,122と、4台の漏電しゃ断器131,132,141,142と、通信線250を介して相互通信可能な第1の制御基板200および第2の制御基板300と、操作/表示基板701,702とを含む。
【0021】
ポンプ11,12,21,22およびインバータ111,112,121,122は一対一対応する。具体的には、インバータ111は、ポンプ11のモータを駆動、換言すればポンプ11の回転速度を制御する。インバータ112は、ポンプ12の回転速度を制御する。インバータ121は、ポンプ21の回転速度を制御する。インバータ122は、ポンプ22の回転速度を制御する。なお、図1および図5の例では、ポンプおよびインバータの台数は4台であるが、ポンプおよびインバータの台数が2~3台または5台以上である場合にも、実施形態は適用可能である。
【0022】
インバータ111およびインバータ112は、通信線241および通信線242を介して第1の制御基板200に接続されるが、第2の制御基板300には接続されない。他方、インバータ121およびインバータ122は、通信線341および通信線342を介して第2の制御基板300に接続されるが、第1の制御基板200には接続されない。
【0023】
制御基板のプロセッサ(典型的にはCPU)およびインバータとの間のシリアル通信には、インバータメーカー標準プロトコル、またはMODBUS RTU通信プロトコルが採用され得る。或いは、CPUは、シリアル通信を行わず、運転/停止指令、および直流電圧出力による速度指令を担当するインバータへ出力するとともに当該インバータから故障信号を取得してもよい。
【0024】
インバータ111およびインバータ112は、第1の制御基板200からインバータ制御指令を受け取る。インバータ111およびインバータ112は、このインバータ制御指令に応じて動作する。例えば、インバータ111およびインバータ112は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御指令に応じて運転を停止または開始し得る。また、インバータ111およびインバータ112は、回転速度制御信号に相当するインバータ制御指令に応じて、その担当するモータ、すなわちポンプ11およびポンプ12のモータの回転速度を制御し得る。また、インバータ111は、ポンプ11用の漏電しゃ断器131に接続される。同様に、インバータ112は、ポンプ12用の漏電しゃ断器132に接続される。
【0025】
他方、インバータ121およびインバータ122は、第2の制御基板300からインバータ制御指令を受け取る。インバータ121およびインバータ122は、このインバータ制御指令に応じて動作する。例えば、インバータ121およびインバータ122は、運転停止信号または運転開始信号に相当するインバータ制御指令に応じて運転を停止または開始し得る。また、インバータ121およびインバータ122は、回転速度制御信号に相当するインバータ制御指令に応じて、その担当するモータ、すなわちポンプ21およびポンプ22のモータ、の回転速度を制御し得る。また、インバータ121は、ポンプ21用の漏電しゃ断器141に接続される。同様に、インバータ122は、ポンプ22用の漏電しゃ断器142に接続される。
【0026】
第1の制御基板200は、図5に例示されるように、複数の圧力センサ入力端子201と、複数の流量センサ入力端子202と、複数のトリップ入力端子203と、複数の電極入力端子210と、複数の運転/故障信号出力端子211と、CPU220と、ディップスイッチ221と、AC電源入力231と、電源スイッチ232と、直流電源部233と、導通検出回路240とを含む。
【0027】
第1の制御基板200のCPU220は、第2の制御基板300と共有するメインとサブの2つの圧力センサからの圧力信号を、圧力センサ入力端子201を介して取得する。また、CPU220は、ポンプ11,12,21,22のそれぞれの流量センサからの流量信号およびポンプ11,12の漏電しゃ断器131,132からの漏電トリップ信号を流量センサ入力端子202およびトリップ入力端子203を介して取得する。そして、第1の制御基板200のCPU220は、各種センサからのセンシング信号に基づいて、インバータ111およびインバータ112を制御する。これにより、CPU220は、インバータ111およびインバータ112を介して、ポンプ11およびポンプ12の回転速度を制御する。また、CPU220は、第2の制御基板300のCPU320に増台指令、定速・変速運転指令、および減台指令を送出して、ポンプ21,22の回転速度を間接的に制御する。
【0028】
電極入力端子210は、給水装置の一次側に接続された受水槽30の複数の異なる水位、例えば、渇水、ON、減水、および満水、に対応する位置に取り付けられた複数の水位検出電極にそれぞれ接続される。
【0029】
第1の制御基板200に搭載された導通検出回路240は、電極入力端子210を介して、アース電極と、これら複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路240は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する受水槽30の水位を示す受水槽水位信号、例えば受水槽30が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。
【0030】
なお、導通検出回路240は、パルス状の直流電圧、例えば500ms毎に10ms幅の12V直流パルス電圧を印加してもよい。かかる電圧を印加することで、電極間で水の電気分解が発生して電極が腐食するのを防ぐことができる。
【0031】
第1の制御基板200に搭載された運転制御信号生成回路(論理回路)は、受水槽水位信号を論理演算し、受水槽水位信号が渇水よりも高い水位を示す場合には給水装置の運転を許可する運転制御信号を生成し、受水槽水位信号が渇水に対応する水位を示す場合には給水装置の運転を禁止する運転制御信号を生成する。例えば、運転制御信号生成回路は、NOTゲートであってよく、渇水信号を論理反転することで運転制御信号を生成してもよい。そして、この運転制御信号は、通信線251を介して第1の制御基板200から第2の制御基板300へ送信される。
【0032】
なお、給水装置の一次側に、単一の受水槽30の代わりに、互いに連結された第1の受水槽および第2の受水槽が接続されている場合には、これら受水槽の複数の異なる水位、例えば、渇水、ON、減水、および満水、に対応する位置には、複数ペアの水位検出電極にそれぞれ接続され得る。そして、複数の電極入力端子210および導通検出回路240は以下に説明するように変形され得る。
【0033】
まず、複数の電極入力端子210は、これら複数ペアの水位検出電極にそれぞれ接続される。すなわち、ある電極入力端子210は、第1の受水槽のある水位、例えば渇水、に対応する位置に取り付けられた電極と、第2の受水槽の同水位に対応する位置に取り付けられた電極とに接続される。
【0034】
そして、導通検出回路240は、(a)第1の受水槽の使用時には、電極入力端子210を介して、アース電極と、これら複数対の水位検出電極のうち第1の受水槽に取り付けられた複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路240は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する第1の受水槽の水位を示す受水槽水位信号、例えば第1の受水槽が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。他方、導通検出回路240は、(b)第2の受水槽の使用時には、電極入力端子210を介して、アース電極と、これら複数対の水位検出電極のうち第2の受水槽に取り付けられた複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路240は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する第2の受水槽の水位を示す受水槽水位信号、例えば第2の受水槽が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。
【0035】
このように、第1の受水槽の導通検出と第2の受水槽の導通検出とを時分割で行うことで、CPU220の入力ポート数および電極入力端子210の数を給水装置の一次側に単一の受水槽が接続される場合と同数に抑えることができる。
【0036】
第1の制御基板200のCPU220は、担当するポンプ、すなわちポンプ11,12の運転/故障信号を生成し、運転/故障信号出力端子211を介して出力する。
【0037】
第2の制御基板300は、図5に例示されるように、複数の圧力センサ入力端子301と、複数の流量センサ入力端子302と、複数のトリップ入力端子303と、複数の運転/故障信号出力端子311と、CPU320と、ディップスイッチ321と、AC電源入力331と、電源スイッチ332と、直流電源部333とを含む。
【0038】
第2の制御基板300のCPU320は、第1の制御基板200と共有するメインとサブの2つの圧力センサからの圧力信号を圧力センサ入力端子301を介して取得する。また、CPU320は、ポンプ11,12,21,22のそれぞれの流量センサからの流量信号およびポンプ21,22の漏電しゃ断器141,142からの漏電トリップ信号を流量センサ入力端子302およびトリップ入力端子303を介して取得する。第2の制御基板300のCPU320は、通常モードおよびバックアップモードを含む複数の動作状態を有する。
【0039】
第2の制御基板300のCPU320は、通常モード時には、インバータ121およびインバータ122を自律的には制御しない。ここで、CPU320が通常モードである時には、第1の制御基板200のCPU220が正常であることを報知するために操作/表示基板701に設けられたCPUの運転を表示するLED(Light Emitting Diode)を点灯させてもよい。
【0040】
なお、第2の制御基板300のCPU320が、通常モード時に、インバータ121およびインバータ122を他律的に制御することはあり得る。具体的には、CPU320は、第1の制御基板200によって発行された増台指令、定速・変速運転指令、および減台指令に基づいて、インバータ121および/またはインバータ122の運転を開始したり、回転速度を制御したり、運転を停止したりすることができる。
【0041】
他方、第2の制御基板300のCPU320は、バックアップモード時に、各種センサからのセンシング信号に基づいて、インバータ121およびインバータ122を自律的に制御する。これにより、CPU320は、インバータ121および/またはインバータ122を介して、ポンプ21および/またはポンプ22の回転速度を制御する。
【0042】
なお、第2の制御基板300のCPU320は、通常モードからバックアップモードに遷移する場合に、第1の制御基板200の異常を報知してもよい。例えば、CPU320は、例えば操作/表示基板702に設けられたLEDまたはデジタル表示部に異常を示す表示を行ったり、外部警報を出力したりしてもよい。また、CPU320は、通常モードからバックアップモードに遷移する場合に、操作/表示基板702に設けられたCPU運転を表示するLEDを点滅させてもよい。
【0043】
また、第2の制御基板300のCPU320は、通常モードからバックアップモードに遷移する場合に、第1の制御基板200の担当するインバータに接続された漏電しゃ断器、すなわちインバータ111,112に接続された漏電しゃ断器131,132、をOFFにしてもよい。これによりインバータ111,112の電源が喪失するので、第1の制御基板200が暴走してインバータ111,112に対して異常な運転指令を発行したとしても、第2の制御基板300による自律的なインバータ制御は妨害されない。故に、例えば、ポンプ11,12の回転速度が誤って制御され給水装置の吐出圧力が異常に高くなるなどの不具合を防止できる。
【0044】
第2の制御基板300のCPU320は、その担当するポンプ、すなわちポンプ21,22の運転/故障信号を生成し、運転/故障信号出力端子311を介して出力する。
【0045】
インバータの自律的な制御を行う制御基板のCPUは、圧力信号に基づいて、ポンプの運転中に例えば推定末端圧力一定制御または目標圧力一定制御を行い得る。また、かかるCPUは、ポンプの運転中にモータを所望の回転速度に制御することができ、必要に応じてモータの回転速度を増減させる。ここで、通常は第1の制御基板200がインバータの自律的な制御を行う制御基板に相当するが、CPU320がバックアップモードにある時には第2の制御基板300がインバータの自律的な制御を行う制御基板に相当する。
【0046】
また、インバータの自律的な制御を行う制御基板のCPUは、ポンプ11,12,21,22の二次側の配管に取り付けられ当該配管に流れる水の流量を検出可能な流量センサからの流量信号に基づいて、稼働中のポンプの二次側の流量が小水量であることを検知すると当該ポンプを停止させ得る。そして、かかるCPUは、圧力信号に基づいて給水装置の二次側の圧力が予め定められた起動圧力以下に低下したことを検知すると、いずれかのポンプを起動する。
【0047】
CPU220は、第1の制御基板200に搭載されたメモリに保存されたソフトウェアを実行することで、入出力制御、通信制御、ポンプ制御などを行う。同様に、CPU320は、第2の制御基板300に搭載されたメモリに保存されたソフトウェアを実行することで、入出力制御、通信制御、ポンプ制御などを行う。
【0048】
CPU220およびCPU320が実行するソフトウェアは同一であってもよい。そして、CPU220は、その電源がONにされソフトウェアの実行を開始した後に、CPU220に接続されたディップスイッチ221の状態または、CPU220に設定された通信用局番に基づいて、当該第1の制御基板200がどの役割を持つか、すなわち第1の制御基板200がその異常を検知されるまでインバータを主導的に制御するメイン制御基板であること、を確認してもよい。同様に、CPU320は、その電源がONにされソフトウェアの実行を開始した後に、CPU320に接続されたディップスイッチ321の状態または、CPU320に設定された通信用局番に基づいて、当該第2の制御基板300がどの役割を持つか、すなわち第2の制御基板300がメイン制御基板の異常検知時にバックアップ運転するサブ制御基板であること、を確認してもよい。
【0049】
第1の制御基板200に搭載されたメモリは、給水装置の設定パラメータおよびポンプ11,12,21,22の運転データを保存可能である。第2の制御基板300に搭載されたメモリは、給水装置の設定パラメータおよびポンプ11,12,21,22の運転データを保存可能である。ここで、設定パラメータは、停止流量、ポンプ1台あたりの定格流量、最大並列運転台数、運転可能ポンプ台数、給水装置の定格流量時の設定圧力、停止流量時の推定末端圧力、および起動圧力のうちの一部または全部を含み得る。また、運転データは、各ポンプの運転号機、積算起動回数、積算運転時間、および故障履歴のうちの一部または全部を含み得る。
【0050】
第1の制御基板200のCPU220は、設定パラメータおよび運転データに関する追加、変更または削除が生じた時に、第1の制御基板200のメモリに加えて第2の制御基板300のメモリにも同様の書き込みを行う。また、第2の制御基板300のCPU320は、設定パラメータおよび運転データに関する追加、変更または削除が生じた時に、第2の制御基板300のメモリに加えて第1の制御基板200のメモリにも同様の書き込みを行う。
【0051】
これにより、第2の制御基板300のCPU320は、バックアップモードに遷移する場合に、その時点での第1の制御基板200のメモリに保存された設定データと同一の設定データを当該第2の制御基板300のメモリから読み出すことができる。すなわち、CPU320は、直前の給水装置の設定パラメータを参照できるので、インバータの制御を迅速に再開することができる。なお、CPU320は、第1の制御基板200が担当するポンプ11,12を制御することはできないので、ポンプ11,12の運転データはバックアップモードへの遷移と共に読み出す必要はなく、一定時間経過後に読み出せばよい。
【0052】
第2の制御基板300のCPU320は、(1)制御基板間の通信の異常、(2)流量信号および圧力信号から判定される、第1の制御基板200によるインバータ制御の異常、または(3)(1)および(2)の組み合わせに基づいて第1の制御基板200の異常を検知してバックアップモードに遷移してもよい。
【0053】
上記(1)に関して、第1の制御基板200と第2の制御基板300との間で定期的に信号をやり取りし、信号のやり取りが停止したことをトリガとして第1の制御基板200または第2の制御基板300の異常を検知することができる。
【0054】
具体的には、第2の制御基板300のCPU320は、通常モード時には、所定周期で、例えば1秒おきに、第1の制御基板200へ動作確認要求を通信線250を介して送信し、第1の制御基板200のCPU220は、第2の制御基板300から動作確認要求を受信すると動作確認応答を通信線250を介して返すこととする。この前提の下で、CPU320は、送信済みの動作確認要求に対応する動作確認応答を、当該動作確認要求の送信から一定時間、例えば1秒、以内に受信しない場合に、第1の制御基板200の異常を検知して、バックアップモードに遷移し得る。
【0055】
例えば、第2の制御基板300のCPU320は、図2に示されるように動作可能である。まず、CPU320は、第1の制御基板200へ動作確認要求を通信線250を介して送信する(ステップS401)。
【0056】
そして、第2の制御基板300のCPU320は、一定時間、例えば1秒、第1の制御基板200からの動作確認応答を待ち受ける(ステップS402およびステップS403)。一定時間内に動作確認応答を受信すれば処理はステップS404へ進み、動作確認応答を受信しないまま一定時間が経過(タイムアウト)すれば、処理はステップS405へ進む。ステップS404において、CPU320は次の動作確認要求の送信タイミングまで待機し、処理はステップS401に戻る。
【0057】
ステップS405において、第2の制御基板300のCPU320は、第1の制御基板200の異常を報知する。また、ステップS406において、CPU320は、第1の制御基板200の担当するインバータに接続された漏電しゃ断器、すなわち漏電しゃ断器131および漏電しゃ断器132、をOFFにする。さらに、ステップS407において、CPU320は、通常モードからバックアップモードに遷移する。ステップS405乃至ステップS407の処理は、図2とは異なる順序で実行されてもよいし、並列に実行されてもよい。
【0058】
ところで、第1の制御基板200のCPU220は、動作確認応答の送信から一定時間、例えば10秒、以内に第2の制御基板300から新たな動作確認要求を受信しない場合に、第2の制御基板300の異常を報知してもよい。例えば、CPU220は、操作/表示基板701に設けられたLEDまたはデジタル表示部に異常を示す表示を行ったり、外部警報を出力したりしてもよい。これにより、第2の制御基板300がインバータ121およびインバータ122を自律的に制御する機能を喪失したこと、換言すればバックアップモードへの遷移が不可能であること、を早期に報知することが可能となる。
【0059】
例えば、第1の制御基板200のCPU220は、図3に示されるように動作可能である。まず、CPU220は、一定時間、例えば10秒、第2の制御基板300からの動作確認要求を待ち受ける(ステップS501およびステップS502)。一定時間内に動作確認要求を受信すれば処理はステップS503へ進み、動作確認要求を受信しないまま一定時間が経過(タイムアウト)すれば、処理はステップS504へ進む。
【0060】
ステップS503において、第1の制御基板200のCPU220は第2の制御基板300へ動作確認応答を通信線250を介して送信し、処理はステップS501に戻る。ステップS504において、CPU220は、第2の制御基板300の異常を報知する。
【0061】
上記(2)に関して、第2の制御基板300のCPU320は、通常モード時に、取得した圧力信号および流量信号に基づいて、第1の制御基板200によるインバータ制御が正常になされているか否かを判定し、第1の制御基板200によるインバータ制御が正常になされていないと判定した場合に第1の制御基板200の異常を検知し得る。
【0062】
具体的には、第1の制御基板200のCPU220および第2の制御基板300のCPU320が推定末端圧力一定制御を行うことを前提とすると、CPU320は、通常モード時に(a)稼働中のポンプの各々の流量が停止流量を超え、(b)稼働中のポンプの流量の合計が給水装置の定格流量以下であって、かつ(c)給水装置の吐出圧力が起動圧力以下の第1の圧力から定格流量時の設定圧力以上の第2の圧力までの範囲外にある状態が一定時間以上に亘って継続している場合に、バックアップモードに遷移し得る。
【0063】
以下、第1の制御基板200のCPU220および第2の制御基板300のCPU320が推定末端圧力一定制御を行う場合の具体例を説明する。給水装置には、設定パラメータとして、停止流量Q(例えば10[L/min])、ポンプ1台あたりの定格流量Q(例えば0.38[m/min])、最大並列運転台数N、運転可能ポンプ台数M、給水装置の定格流量N・Q時の設定圧力P、停止流量Q時の推定末端圧力P、起動圧力PONなどが定められる。なお、これらのパラメータは、人間による手動設定可能であってもよい。
【0064】
最大並列運転台数Nは、運転可能ポンプ台数Mから予備台数Lを差し引いた値に等しい。例えば、運転可能ポンプ台数が4台、かつ予備台数が1台であれば、最大並列運転台数は3台である。
【0065】
また、推定末端圧力Pは、設定圧力P、に、係数k(<1)を乗じることで自動設定されてよい。すなわち、P=k・Pと算出され得る。これにより、給水装置の出荷時におけるパラメータの設定負担を軽減できる。具体的には、配管損失を末端揚程の約10%程度と見積もるとすれば、係数k=0.9に定められる。例えば、設定圧力Pを250[m]とすれば、推定末端圧力Pは225[m]に自動設定可能である。また、起動圧力PONは、推定末端圧力Pから一定差圧分、例えば4[m]、低く設定され得る。故に、推定末端圧力P=225[m]、一定差圧=4[m]とすれば、起動圧力PONは、221[m]に自動設定可能である。
【0066】
インバータの自律的な制御を行う制御基板のCPUは、稼働中のポンプにそれぞれ対応する流量信号を取得し、当該流量信号に対応する瞬時流量Qを算出する。さらに、かかるCPUは、稼働中の各ポンプの瞬時流量Qを合計して給水装置全体の流量、すなわち給水量ΣQを算出するとともに、推定末端圧力を一定に制御するために必要な目標圧力Pを算出する。また、かかるCPUは、給水装置の停止中に、その二次側の圧力が起動圧力PON、例えば221[m]、まで低下した場合に、先発ポンプを起動する。
【0067】
第2の制御基板300のCPU320は、通常モード時に、稼働中のポンプにそれぞれ対応する流量信号を取得し、当該流量信号に対応する(瞬時)流量Qを算出する。そして、CPU320は、(a)稼働中のポンプそれぞれの流量Qが停止流量Q、例えば10[L/min]超であるか否かを判定する。また、CPU320は、(b)稼働中の各ポンプの流量Qの合計ΣQが、給水装置の定格流量N・Q、例えば2・0.38=0.76[m/min]以下であるか否かを判定する。
【0068】
さらに、第2の制御基板300のCPU320は、通常モード時に、圧力センサから圧力信号を取得し、給水装置の吐出圧力を算出する。そして、CPU320は、(c)給水装置の吐出圧力が、吐出圧力が起動圧力PON以下である第1の圧力Pから設定圧力P以上である第2の圧力Pまでの範囲P~Pの範囲外にある状態が一定時間、例えば3秒、以上に亘って継続しているか否かを判定する。ここで、PとPONとの差、およびPとPとの差は、それぞれ任意に設定可能なマージンであるが、このマージンは0であってもよい。例えば、PON=221[m]、P=210[m]、P=250[m]、P=260[m]のように定めることができる。
【0069】
第2の制御基板300のCPU320は、上記条件(a)~(c)のいずれも真である場合に、第1の制御基板200によるインバータ制御が何らかの要因で乱れているとして、第1の制御基板200の異常を検知して、バックアップモードに遷移してもよい。これにより、例えば第1の制御基板200のCPU220および通信線250は正常であり上記(1)による異常検知はなされていないが、例えば圧力信号用の入力回路などの他の周辺回路の故障などにより第1の制御基板200がインバータを正常に制御していない場合であっても、CPU320が第1の制御基板200の異常を検知してバックアップモードに遷移してインバータの自律的な制御を開始できる。
【0070】
例えば、第2の制御基板300のCPU320は、図4に示されるように動作可能である。まず、CPU320は、圧力センサ入力端子301および流量センサ入力端子302を介して圧力信号およびポンプ11,12,21,22の流量信号を取得する(ステップS601)。
【0071】
第2の制御基板300のCPU320は、ステップS601において取得した流量信号に基づいて算出される稼働中の各ポンプの流量が停止流量Qを超えているか否かを判定する(ステップS602)。また、CPU320は、ステップS601において取得した流量信号に基づいて算出される稼働中の各ポンプの流量の合計が定格流量N・Q以下であるか否かを判定する(ステップS603)。さらに、CPU320は、ステップS601において取得した圧力信号に基づいて算出される給水装置の吐出圧力が所定範囲P~P外にある状態が一定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS604)。
【0072】
ステップS602乃至ステップS604の判定結果の全てが真である場合に、処理はステップS605へ進む。他方、ステップS602乃至ステップS604の判定結果の少なくとも1つが偽である場合に、新たなセンシング信号に基づく判定を行うために処理はステップS601に戻る。なお、ステップS602乃至ステップS604の処理は、図4とは異なる順序で実行されてもよいし、並列に実行されてもよい。
【0073】
ステップS605において、第2の制御基板300のCPU320は、第1の制御基板200の異常を報知する。また、ステップS606において、CPU320は、第1の制御基板200の担当するインバータに接続された漏電しゃ断器、すなわち漏電しゃ断器131および漏電しゃ断器132をOFFにする。さらに、ステップS607において、第2の制御基板300のCPU320は、通常モードからバックアップモードに遷移する。ステップS605乃至ステップS607の処理は、図4とは異なる順序で実行されてもよいし、並列に実行されてもよい。
【0074】
以上説明したように、実施形態に係る給水装置は、互いに異なるインバータを制御する第1の制御基板および第2の制御基板を備えている。この第2の制御基板のプロセッサ(典型的にはCPU)は、制御基板間の通信の異常および/または第1の制御基板によるインバータ制御の異常に基づいて第1の制御基板の異常を検知すると、第2の制御基板の担当するインバータを自律的に制御するバックアップモードに遷移する。故に、この実施形態によれば、複数の制御基板間で制御対象となるインバータが競合せず、一の制御基板が別の制御基板の異常を検知してバックアップ運転が可能な給水装置を提供することができる。
【0075】
(変形例1)
図5に例示した第1の制御基板200および第2の制御基板300は、ハードウェアの一部において異なる。具体的には、第1の制御基板200が電極入力端子210、および導通検出回路240を備えているのに対し、第2の制御基板300は対応する構成を備えていない。かかる構成を、第1の制御基板200および第2の制御基板300とは独立の基板に設けることで、第1の制御基板200および第2の制御基板300のハードウェアを共通化すると共にコンパクト化することができる。
【0076】
具体的には、図5の制御盤100は、図6に例示されるように第1の制御基板200および第2の制御基板300のハードウェアを共通化すると共にコンパクト化することができる。図6の制御盤100は、4台のインバータ111,112,121,122と、4台の漏電しゃ断器131,132,141,142と、通信線250を介して相互通信可能な第1の制御基板200および第2の制御基板300と、操作/表示基板701,702と、水位検出基板800と、信号入力基板900と、受水槽水位表示基板1001と、液晶表示器1002とを含む。
【0077】
図6の第1の制御基板200は、CPU220と、ディップスイッチ221と、直流電源部233とを含む。図6の第2の制御基板300は、CPU320と、ディップスイッチ321と、直流電源部333とを含む。
【0078】
図6の第1の制御基板200および第2の制御基板300は、同一のハードウェアで構成可能である。そして、CPU220はディップスイッチ221の状態、またはCPU220に設定された通信用局番に基づいて、第1の制御基板200がどの役割を持つかを確認し、CPU320はディップスイッチ321の状態、またはCPU320に設定された通信用局番に基づいて、第2の制御基板300がどの役割を持つかを確認する。
【0079】
第2の制御基板300(サブ制御基板)は、第1の制御基板200(メイン制御基板)と同一のハードウェアを有する。故に、異常を検知された第1の制御基板200の交換時に、ディップスイッチ321の状態、またはCPU320に設定された通信用局番を変更することで、第2の制御基板300をメイン制御基板にコンバートして運用し、交換後の第1の制御基板200をサブ制御基板として運用することも可能である。これにより、稼働時間のより短い制御基板がサブ制御基板として運用されるので、メイン制御基板よりもサブ制御基板が先に故障する確率が低くなる。すなわち、同一の制御基板をサブ制御基板として使用し続ける場合に比べて、メイン制御基板の異常検知の信頼性を高めることができる。
【0080】
また、例えば、第2の制御基板300(サブ制御基板)は、バックアップモード時に、ディップスイッチ321の状態または通信用局番を定期的に確認し、メイン制御基板に対応するディップスイッチ321の状態または通信用局番への切り替わりを検出したことを条件に、メイン制御基板としての振る舞いを開始してもよい。例えば、第2の制御基板300(メイン制御基板)は、交換後の第1の制御基板200(サブ制御基板)に対して、増台指令、定速・変速運転指令、および減台指令を発行してもよい。
【0081】
さらに、第2の制御基板300は、メイン制御基板としての振る舞いを開始する場合に、操作/表示基板702に設けられたCPU運転を表示するLEDを点滅から点灯へ切り替えてもよい。これにより、このLEDは、その消灯により第1の制御基板200がメイン制御基板として正常に稼働していること、その点滅により第2の制御基板300がサブ制御基板としてバックアップ運転していること、その点灯により第2の制御基板300がメイン制御基板として稼働していること、をそれぞれ表現できる。
【0082】
水位検出基板800は、複数の電極入力端子810と、複数の運転/故障信号出力端子811と、AC電源入力831と、メイン制御基板用AC電源832と、サブ制御基板用AC電源833と、導通検出回路840とを含む。水位検出基板800は、第1の制御基板200、第2の制御基板300および受水槽水位表示基板1001との間で信号の送受信が可能である。
【0083】
電極入力端子810は、給水装置の一次側に接続された受水槽30の複数の異なる水位、例えば、渇水、ON、減水、および満水、に対応する位置に取り付けられた複数の水位検出電極にそれぞれ接続される。
【0084】
導通検出回路840は、電極入力端子810を介して、アース電極と、これら複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路840は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する受水槽30の水位を示す受水槽水位信号、例えば受水槽30が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。
【0085】
なお、導通検出回路840は、パルス状の直流電圧、例えば500ms毎に10ms幅の12V直流パルス電圧を印加してもよい。かかる電圧を印加することで、電極間で水の電気分解が発生して電極が腐食するのを防ぐことができる。
【0086】
水位検出基板800に搭載された運転制御信号生成回路(論理回路)は、受水槽水位信号を論理演算し、受水槽水位信号が渇水よりも高い水位を示す場合には給水装置の運転を許可する運転制御信号を生成し、受水槽水位信号が渇水に対応する水位を示す場合には給水装置の運転を禁止する運転制御信号を生成する。例えば、運転制御信号生成回路は、NOTゲートであってよく、渇水信号を論理反転することで運転制御信号を生成してもよい。そして、この運転制御信号は、水位検出基板800に搭載された運転制御信号出力端子を介して、第1の制御基板200および第2の制御基板300へ送信される。
【0087】
なお、給水装置の一次側に、単一の受水槽30の代わりに、互いに連結された第1の受水槽および第2の受水槽が接続されている場合には、これら受水槽の複数の異なる水位、例えば、渇水、ON、減水、および満水、に対応する位置には、複数ペアの水位検出電極にそれぞれ接続され得る。そして、複数の電極入力端子810および導通検出回路840は以下に説明するように変形され得る。
【0088】
まず、複数の電極入力端子810は、これら複数ペアの水位検出電極にそれぞれ接続される。すなわち、ある電極入力端子810は、第1の受水槽のある水位、例えば渇水、に対応する位置に取り付けられた電極と、第2の受水槽の同水位に対応する位置に取り付けられた電極とに接続される。
【0089】
そして、導通検出回路840は、(a)第1の受水槽の使用時には、電極入力端子810を介して、アース電極と、これら複数対の水位検出電極のうち第1の受水槽に取り付けられた複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路840は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する第1の受水槽の水位を示す受水槽水位信号、例えば第1の受水槽が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。他方、導通検出回路840は、(b)第2の受水槽の使用時には、電極入力端子810を介して、アース電極と、これら複数対の水位検出電極のうち第2の受水槽に取り付けられた複数の水位検出電極のそれぞれとの間に(交流)電圧を印加する。導通検出回路840は、電圧印加時における各水位検出電極とアース電極との導通状態を検出し、検出結果に対応する第2の受水槽の水位を示す受水槽水位信号、例えば第2の受水槽が渇水状態にあることを示す渇水信号、を生成する。
【0090】
このように、第1の受水槽の導通検出と第2の受水槽の導通検出とを時分割で行うことで、電極入力端子810の数を給水装置の一次側に単一の受水槽が接続される場合と同数に抑えることができる。
【0091】
運転/故障信号出力端子811は、ポンプ11,12,21,22の各々の運転/故障信号を出力する。また、水位検出基板800には、他の外部向けの出力端子および/または出力回路が集約されてもよい。例えば、水位検出基板800は、前述の受水槽水位信号に基づく警報信号を出力するリレー出力回路、給水装置の流入電動弁の開閉信号を出力するリレー出力回路、および/または運転/故障信号出力端子811に接続されたリレー出力回路を備えてもよい。
【0092】
信号入力基板900は、複数の圧力センサ入力端子901と、複数の流量センサ入力端子902と、複数のトリップ入力端子903とを含む。信号入力基板900は、第1の制御基板200および第2の制御基板300との間で信号の送受信が可能である。
【0093】
圧力センサ入力端子901は、第1の制御基板200および第2の制御基板300が共有する圧力センサからの圧力信号を受け取る。この圧力信号は、第1の制御基板200および第2の制御基板300に送信される。
【0094】
流量センサ入力端子902は、ポンプ11,12,21,22のそれぞれの流量センサからの流量信号を受け取る。この流量信号は、第1の制御基板200および第2の制御基板300に送信される。
【0095】
トリップ入力端子903は、ポンプ11,12の漏電しゃ断器131,132からの漏電トリップ信号を受け取る。この漏電トリップ信号は、第1の制御基板200に送信される。また、トリップ入力端子903は、ポンプ21,22の漏電しゃ断器141,142からの漏電トリップ信号を受け取る。この漏電トリップ信号は、第2の制御基板300に送信される。
【0096】
なお、信号入力基板900は、第1の制御基板200の直流電源部233および第2の制御基板300の直流電源部333によって直流電力を供給される。すなわち、信号入力基板900は、直流電源部233および直流電源部333のうち一方が故障したとしても正常である他方から直流電圧を印加されるので、直流電源部の故障に起因した圧力センサおよび/または流量センサの異常を回避できる。
【0097】
液晶表示器1002は、第1の制御基板200および第2の制御基板300に接続される。第1の制御基板200のCPU220または第2の制御基板300のCPU320は、現在圧力、給水装置の設定パラメータ(例えば、設定圧力)、ポンプ11,12,21,22の運転データ、インバータ111,112,121,122の内部データ(例えば、電流、運転周波数、制御回路コンデンサ寿命、冷却ファン寿命、消費電力、など)、などの種々のデータを液晶表示器1002にデジタル表示させることができる。
【0098】
また、CPU220またはCPU320は、液晶表示器1002に、インバータ111,112,121,122の消費電力の合計をデジタル表示させてもよい。この場合に、CPU220またはCPU320は、インバータ111,112またはCPU220から取得したインバータ111,112の消費電力とCPU320またはインバータ121,122から取得したインバータ121,122の消費電力とからインバータ111,112,121,122の消費電力の合計を演算(合算)することができる。
【0099】
さらに、CPU220またはCPU320は、液晶表示器1002に、給水装置の総合効率をデジタル表示させてもよい。この場合に、CPU220またはCPU320は、圧力信号に対応する給水装置の吐出圧力および流量信号に対応するポンプ11,12,21,22の流量に基づいて給水装置の理論動力を演算し、インバータ111,112またはCPU220から取得したインバータ111,112の消費電力とCPU320またはインバータ121,122から取得したインバータ121,122の消費電力とからインバータ111,112,121,122の消費電力の合計を演算し、理論動力を複数のインバータの消費電力の合計によって除算して総合効率を得ることができる。
【0100】
液晶表示器1002がこれら種々のデータを表示することで、作業者は給水装置の運転状況を詳細に把握し、設定圧力の調整および/または最大並列運転台数などを行ってさらなる省エネルギー化を図ることができる。
【0101】
(変形例2)
制御盤100のさらなる変形例を図7に示す。図7の制御盤100は、図6の制御盤100と比べて、操作/表示基板701および操作/表示基板702が操作/表示基板1100に統合されている点で異なる。これにより、作業者は1つの操作/表示基板に備えられた表示部およびLEDの表示により全ポンプの運転/故障状態を把握することが可能となる。また、図7の制御盤100は、図6の制御盤100と比べて、ポンプ台数が削減されている、具体的には第2の制御基板300の担当するポンプ22およびインバータ122、ならびにこれらに接続された漏電しゃ断器142が存在しない、点でも異なる。
【0102】
上述の実施形態は、本発明の概念の理解を助けるための具体例を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図されていない。実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な構成要素の付加、削除または転換をすることができる。
【0103】
上記各実施形態の処理の少なくとも一部は、例えば汎用のコンピュータに搭載されたCPUおよび/またはGPU、マイコン、FPGA、またはDSP、などのプロセッサを基本ハードウェアとして用いることでも実現可能である。上記処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記録媒体に記憶される。記録媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD-ROM、CD-R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記録媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
【符号の説明】
【0104】
11,12,21,22・・・ポンプ、30・・・受水槽、100・・・制御盤、111,112,121,122・・・インバータ、131,132,141,142・・・漏電しゃ断器、200・・・第1の制御基板、201,301,901・・・圧力センサ入力端子、202,302,902・・・流量センサ入力端子、203,303,903・・・トリップ入力端子、210,810・・・電極入力端子、211,311,811・・・運転/故障信号出力端子、220,320・・・CPU、221,321・・・ディップスイッチ、231,331,831・・・AC電源入力、232,332・・・電源スイッチ、233,333・・・直流電源部、240,840・・・導通検出回路、241,242,250,341,342・・・通信線、300・・・第2の制御基板、701,702,1100・・・操作/表示基板、800・・・水位検出基板、832・・・メイン制御基板用AC電源、833・・・サブ制御基板用AC電源、900・・・信号入力基板、1001・・受水槽水位表示基板、1002・・・液晶表示器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7