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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-01-24
(45)【発行日】2024-02-01
(54)【発明の名称】物品搬送装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20240125BHJP
【FI】
G01G19/387 D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020047871
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021148567
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋口 伸樹
(72)【発明者】
【氏名】石橋 剛
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-190856(JP,A)
【文献】特開2001-324378(JP,A)
【文献】特開2014-102113(JP,A)
【文献】特開2013-250143(JP,A)
【文献】特開2009-255961(JP,A)
【文献】国際公開第2019/080966(WO,A1)
【文献】特開2005-121512(JP,A)
【文献】特開平5-124630(JP,A)
【文献】特開2019-181813(JP,A)
【文献】特開2017-169822(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0305142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-9/00,19/00-23/48
B65B
B65G
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送する搬送部と、
前記搬送部から搬送された前記物品を受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するホッパと、
前記ホッパから排出された前記物品を下流へ排出する排出シュートと、
前記ホッパの排出動作の操作を受け付けるホッパ操作画像を表示する表示部と、を備える物品搬送装置であって、
前記排出シュートを通過する前記物品の状態を撮影する排出カメラを備え、
前記表示部は、前記ホッパ操作画像と共に、前記排出カメラにより撮影された排出画像を表示する、物品搬送装置。
【請求項2】
前記搬送部により搬送される前記物品の状態を撮影する搬送カメラを有し、
前記表示部は、前記搬送部の搬送動作の操作を受け付ける搬送操作画像を表示し、
前記表示部は、前記搬送操作画像と共に、前記搬送カメラにより撮影された搬送画像を表示し、
前記表示部は、
前記ホッパ操作画像と共に前記排出画像及び前記搬送画像を表示する場合、前記搬送画像よりも前記排出画像を強調して前記排出画像を表示し、
前記搬送操作画像と共に前記排出画像及び前記搬送画像を表示する場合、前記排出画像よりも前記搬送画像を強調して表示する請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記ホッパ操作画像が表示される画面に切り替わる場合、前記ホッパ操作画像と共に前記排出画像を表示する請求項1又は2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
前記排出カメラを含み、かつ前記物品の状態を撮影する複数のカメラを備え、
前記表示部は、前記ホッパ操作画像が表示されている場合、前記複数のカメラに撮影された画像のうち前記排出画像のみを表示する請求項1に記載の物品搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送部から搬送された物品を受け取り、受け取った物品を排出するホッパと、ホッパから排出された物品を下流へ排出する排出シュートと、ホッパの排出動作の操作を受け付けるホッパ操作画像を表示する表示部と、を備える物品搬送装置が知られている(例えば、特許文献1の段落0056参照)。これにより、作業者がホッパ操作画像から操作することにより、物品がホッパから排出される排出動作(例えば、排出タイミング)を制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-190856号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般的な物品搬送装置では、ホッパと排出シュートとの隙間が小さいため、排出シュートを通過する物品の状態を十分に確認することが難しかった。加えて、ホッパが物品を排出する際に動くため、作業者が物品搬送装置に近づき難く、物品の状態を十分に確認することが難しかった。このため、作業者が、排出シュートを通過する物品の状態に応じて、排出動作を適切に制御できないことがあった。
【0005】
また、ホッパの位置と表示部の位置とが離れている場合には、当該隙間から物品の状態を覗くために物品搬送装置に近づくと、物品の状態を確認してから実際に操作するまでに時間がかかり、物品の状態を確認してから排出動作を制御するまでの時間が遅くなり易い。
【0006】
そこで、本発明は、ホッパの排出動作の操作を受け付けるホッパ操作画像を表示する表示部を備える物品搬送装置であって、作業者がホッパの排出動作を制御するまでの時間を短縮し易くなると共に排出動作を適切に制御できる物品搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様に係る物品搬送装置は、物品を搬送する搬送部と、前記搬送部から搬送された前記物品を受け取り、受け取った前記物品を下流へ排出するホッパと、前記ホッパから排出された前記物品を下流へ排出する排出シュートと、前記ホッパの排出動作の操作を受け付けるホッパ操作画像を表示する表示部と、を備える。物品搬送装置は、前記排出シュートを通過する前記物品の状態を撮影する排出カメラを備える。前記表示部は、前記ホッパ操作画像と共に、前記排出カメラにより撮影された排出画像を表示する。
【0008】
表示部には、ホッパ操作画像と共に、排出カメラにより撮影された排出画像が表示されるため、作業者は、排出シュートを通過する物品の状態を実際に見に行かなくても、ホッパ操作画像を確認する際に、排出シュートを通過する物品の状態を確認できる。加えて、作業者は、ホッパ操作画像が表示される画面と排出画像が表示される画面とを切り替えることなく、ホッパの排出動作を操作できるため、ホッパの排出動作を制御するまでの時間を短縮し易くなる。作業者は、排出シュートを通過する物品の状態を確認しながら、ホッパの排出動作を制御できるため、排出動作を適切に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る物品搬送装置の構造を示す側断面図である。
図2】実施形態に係る物品搬送装置の構造を示す上面図である。
図3】実施形態に係る物品搬送装置の計量制御に関する構成を示すブロック図である。
図4】本実施形態に係るタッチパネルにおけるホッパの排出動作に関する操作画面の一例を示す図である。
図5】本実施形態に係るタッチパネルにおける搬送動作に関する操作画面の一例を示す図である。
図6】変更例に係るタッチパネルにおける搬送動作に関する操作画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施形態に係る物品搬送装置について図面を参照しながら説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0011】
<物品搬送装置の構造>
本実施形態に係る物品搬送装置1の構造について、図1から図3を用いて説明する。実施形態では、物品搬送装置1は、組合せ計量装置である。図1及び図2に示すように、物品搬送装置1は、分散フィーダ2と、例えば24個のヘッド40と、排出シュート7とを備える。なお、本実施形態においてヘッド40の数が24個である一例について説明するが、ヘッド40の数は24個に限定されるものではない。ヘッド40は上面視において環状に配置されている。24個のヘッド40には1~24までの番号が上面視での反時計回りの順に割り当てられている。ヘッド40は、1番ヘッド40-1から24番ヘッド40-24までで構成されている。1番ヘッド40-1~24番ヘッド40-24は、番号順に反時計回りに配置されている。ここで「環状」とは、円環状や多角形環状などを含む。本実施形態では、一例として円環状に配置されたヘッド40について説明する。ヘッド40のそれぞれは、放射フィーダ3と、プールホッパ4と、計量ホッパ5と、ブースタホッパ6とを備える。従って、放射フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5、及びブースタホッパ6も上面視においてそれぞれ環状に配置されている。プールホッパ4、計量ホッパ5及びブースタホッパ6は、搬送部から搬送された物品を受け取り、受け取った物品を下流へ排出するホッパとして機能する。
【0012】
分散フィーダ2は、扁平な円錐状の部材である。分散フィーダ2の上方に設けられた供給コンベア90によって、分散フィーダ2に物品が供給される。分散フィーダ2は、分散フィーダ2の下部に設けられた図示しない電磁石によって分散フィーダ2の上面が振動する。分散フィーダ2は、上面に供給された物品を周方向に分散させながら径方向に搬送し、各放射フィーダ3に物品を供給する。
【0013】
放射フィーダ3は、それぞれステンレス鋼版を折り曲げて成形した板金製の部材である。放射フィーダ3は、分散フィーダ2の周囲に沿って放射状に配置されている。各放射フィーダ3は、放射フィーダ3の下部に設けられた図示しない電磁石によって搬送面が振動する。放射フィーダ3は、搬送面の振動によって供給された物品を外方へ搬送する。放射フィーダ3は、それ自身が属するヘッド40のプールホッパ4に物品を供給する。このように、各放射フィーダ3は、物品を搬送する搬送部として機能する。放射フィーダ3の搬送能力は、搬送面での振動強度(振動振幅)及び振動時間によって調整することができる。従って、振動強度及び振動時間を調整することによって、各プールホッパ4に供給される物品の重量を所定範囲内にすることができる。
【0014】
各プールホッパ4は、対応する放射フィーダ3の先端部の下方に配置されている。プールホッパ4は、放射フィーダ3から供給される物品を一時的に保持したり、排出したりする。プールホッパ4には、プールホッパ4の底部を開放及び閉鎖するゲート4aと、当該ゲート4aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられている。ゲート4aは、制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行う。プールホッパ4は、ゲート4aが閉じている状態では、プールホッパ4の内部に物品を保持し、ゲート4aが開いている状態では、自身が属するヘッド40の計量ホッパ5に物品を排出する。
【0015】
各計量ホッパ5は、対応するプールホッパ4の直下に配置されている。計量ホッパ50は、プールホッパ4から供給される物品を保持してその重量を計量する。計量ホッパ5には、計量ホッパ50の底部を開放及び閉鎖するゲート5a,5bと、当該ゲート5a,5bを駆動するステッピングモータ(図示せず)と、が設けられている。計量ホッパ5は、ゲート5a,5bがともに閉じている状態ではその内部に物品を保持する。計量ホッパ5は、ゲート5aが開いている状態では排出シュート7に物品を排出し、ゲート5bが開いている状態ではそれが属するヘッド40のブースタホッパ6に物品を排出する。
【0016】
各ブースタホッパ6は、対応する計量ホッパ5の、物品搬送装置1の中心寄りの下方に配置されている。ブースタホッパ6は、計量ホッパ5から供給された物品を一時的に保持したり、排出したりする。ブースタホッパ6には、ブースタホッパ6の底部を開放及び閉鎖するゲート6aと、当該ゲート6aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられている。ブースタホッパ6は、ゲート6aが閉じている状態ではその内部に物品を保持し、ゲート6aが開いている状態では排出シュート7に物品を排出する。
【0017】
排出シュート7は、ホッパ(具体的には、計量ホッパ5及びブースタホッパ6)から排出された物品を下流へ排出する。排出シュート7は、後述する組合せ計算により選択された計量ホッパ5又はブースタホッパ6から排出される物品を、一箇所に集合して下方に排出する。そして、排出シュート7から排出された物品は、後続の包装装置等へ供給される。
【0018】
<物品搬送装置の計量制御に関する構成>
本実施形態に係る物品搬送装置の計量制御に関する構成について、図1から図3を用いて説明する。なお、図3では、1番ヘッド40-1~24番ヘッド40-24に属するプールホッパ4をそれぞれプールホッパ4-1~4-24として示し、計量ホッパ5をそれぞれ計量ホッパ5-1~5-24として示し、ブースタホッパ6をそれぞれブースタホッパ6-1~6-24として示し、ロードセル20をそれぞれロードセル20-1~20-24で示している。
【0019】
図3に示すように、物品搬送装置1は、リモコン10と、制御部30と、カメラ100と、を備える。リモコン10と制御部30との間のデータ通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。なお、ノートPC、タブレット端末、又はスマートフォン等の端末装置に所定のアプリケーションプログラムをインストールすることにより、かかる端末装置をリモコン10として用いてもよい。
【0020】
制御部30は、ヘッド40を制御する。具体的には、制御部30は、各放射フィーダ3の搬送動作(具体的には、電磁石による搬送面の振動)を制御するとともに、各ホッパ(プールホッパ4、計量ホッパ5、ブースタホッパ6)のゲート開閉に関する動作を制御する。具体的には、制御部30は、プールホッパ4のゲート4aと、計量ホッパ5のゲート5a,5bと、ブースタホッパ6のゲート6aとを、それぞれ対応するステッピングモータを制御することによって、ゲート開閉動作を行う。各計量ホッパ5には、ロードセル20が設けられており、かかるロードセル20で物品の重量を計量する。各ロードセル20は、計量した重量を計量信号として制御部30に出力する。
【0021】
制御部30は、24個の増幅器21と、CPU31と、ROM32と、RAM33と、マルチプレクサ34と、A/D変換器35と、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)36とを備える。CPU31は、主として物品搬送装置1での計量動作を制御する。増幅器21は、ロードセル20のそれぞれに対応して個別に設けられている。増幅器21は、ロードセル20からの計量信号を増幅してマルチプレクサ34に出力する。マルチプレクサ34は、DSP36の命令に従って、各増幅器21から受け取った増幅後の計量信号のうちから一つを選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、アナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換してDSP36に出力する。DSP36は、主にデジタル信号に変換後の計量信号に対してフィルタリングを行い、フィルタリング後の計量信号をCPU31に出力する。CPU31は、受け取った計量信号をRAM33に記憶する。なお、CPU31、ROM32、RAM33、及びDSP36は相互にバス接続されており、ROM32にはCPU31が動作するための動作プログラム等が記憶されている。
【0022】
リモコン10は、タッチパネル11と表示制御部12とを備える。タッチパネル11は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを含んでよい。タッチパネル11は、画像を表示する表示部111と、作業者が物品搬送装置1に関する各種設定を行う操作を検知する操作検知部112とを有してよい。オペレータは、タッチパネル11(表示部111)に表示されるボタン等を操作することにより物品搬送装置1に対して各種入力を行うことができる。表示制御部12は、タッチパネル11の表示制御を行ったり、タッチパネル11から入力されるデータをCPU31に出力したりする。
【0023】
カメラ100は、物品の状態を撮影する。カメラ100は、搬送部により搬送される物品の状態を撮影する搬送カメラ110と、排出シュートを通過する物品の状態を撮影する排出カメラ120と、を有する。従って、物品搬送装置1は、複数のカメラ100を備える。カメラ100により撮影された撮影画像は、制御部30に送られ、制御部30に記憶される。
【0024】
<物品搬送装置の計量動作>
本実施形態に係る物品搬送装置1の計量動作について、図1から図3を用いて説明する。
【0025】
物品は、供給コンベア90から落下し、分散フィーダ2上に供給される。このとき、分散フィーダ2は、CPU31の指示により振動しているため、物品は、分散フィーダ2から振動を受ける。これにより、物品は、分散フィーダ2上を外方へと移動し、各放射フィーダ3に到達する。
【0026】
CPU31は、24個のプールホッパ4-1~4-24のうち、空となるプールホッパ4-n(1≦n≦24)が存在する場合には、当該プールホッパ4-nに対応する放射フィーダ3-nの搬送面を振動させる。物品は、この振動を受けて放射フィーダ3-n上を外方へと移動し、空のプールホッパ4-n内に送られる。同様にして、プールホッパ4-n以外のプールホッパ4にも物品が供給される。
【0027】
また、CPU31は、24個の計量ホッパ5-1~5-24のうち、空となる計量ホッパ5-m(1≦m≦24)が存在する場合には、当該計量ホッパ5-mの上方に位置するプールホッパ4-mのゲート4aを開くことによって、当該計量ホッパ5-mへ物品を送る。それと同時に、計量ホッパ5-mに物品を供給した旨をDSP36に通知する。
【0028】
計量ホッパ5-mは、物品を受け取って保持すると、その保持する物品の重量をロードセル20-mにより計量する。そして計量ホッパ5-mは、計量した重量を計量信号として対応する増幅器21に出力し、増幅器21により増幅された計量信号は、マルチプレクサ34に入力される。同様にして、計量ホッパ5-m以外の計量ホッパ5からも計量信号が出力されて、増幅後にマルチプレクサ34に入力される。
【0029】
DSP36は、マルチプレクサ34に対して、ロードセル20-mからの計量信号を選択するように指示し、マルチプレクサ34はその指示に従って、入力される計量信号のうち、ロードセル20-mからの計量信号を選択してA/D変換器35に出力する。A/D変換器35は、DSP36から送られるタイミング信号に従ってアナログ信号である計量信号をデジタル信号に変換し、DSP36に出力する。DSP36は、デジタル信号の計量信号をフィルタリングしてCPU31へ出力し、CPU31は、フィルタリング後の計量信号を計量ホッパ5-mに保持される物品の重量としてRAM33に記憶する。
【0030】
CPU31は、ブースタホッパ6-mが空になると、計量ホッパ5-mのゲート5bを開けて、計量ホッパ5-m内の物品をブースタホッパ6mに供給する。同時に、RAM33に記憶されている計量ホッパ5-m内の物品の重量(計量信号)を、ブースタホッパ6-m内の物品の重量としてRAM33に記憶し、それまでRAM33に記憶されていた、計量ホッパ5-m内の物品の重量をリセットする。その後、計量ホッパ5-m内に物品が供給されると、RAM33は同様にしてその重量を記憶する。このようにして、RAM33には、各計量ホッパ5に保持されている物品の重量と、各ブースタホッパ6に保持されている物品の重量とが記憶される。
【0031】
また、CPU31は、RAM33に記憶されている物品の各重量の組合せ計算を行う。具体的には、RAM33に記憶されている、各計量ホッパ5内の物品の重量及び各ブースタホッパ6内の物品の重量の中から、予め設定された許容範囲内の合計重量となるような重量の組合せを求める。そして、CPU31は、計量ホッパ5及びブースタホッパ6の中から、求めた組合せを構成する重量の物品を保持する各ホッパを選択し、それらのゲートを開ける。なお、計量ホッパ5が選択される場合には、ゲート5a,5bのうちゲート5aのみが開けられる。これにより、組合せ計算の結果から選択された各ホッパ内の物品が排出シュート7に供給されて、所定の許容範囲内の重量を示す物品が包装装置等に送られる。
【0032】
<操作画面>
本実施形態に係る操作画面について、図4及び図5を用いて説明する。図4は、本実施形態に係るタッチパネル11におけるホッパの排出動作に関する操作画面(以下、ホッパ操作画面)の一例を示す図である。図5は、本実施形態に係るタッチパネル11における搬送動作に関する操作画面(以下、搬送操作画面)の一例を示す図である。図4に示すように、表示部111は、ホッパ操作画面に、ホッパの排出動作の操作を受け付けるホッパ操作画像HOGと共に、排出カメラ120により撮影された排出画像EGとを表示する。表示部111は、搬送カメラ110により撮影された搬送画像CGをさらに表示してよい。
【0033】
図4に示すように、ホッパ操作画像HOGは、パラメータ値調整領域Rを有する。パラメータ値調整領域Rは、ホッパのゲート開閉に関するパラメータを調整するための領域である。パラメータ値調整領域Rは、その中心に表示される円形領域Cと、円形領域Cから外側に向けて延びる複数の直線Lと、直線L上に表示される複数の調整ポイントPと、直線Lの外側端の近傍に表示される複数のヘッド番号Nとを有する。円形領域Cには、最小値を表す文字列「min」が表示される。直線Lの数はヘッド40の数と同数であり、複数の直線Lが放射線状に表示される。また、直線Lの並び順はヘッド40の並び順と同じである。
【0034】
調整ポイントPは、対応するヘッド40(放射フィーダ3)に対応するパラメータ値を調整するためのポイントであって、作業者のドラッグ操作により直線Lに沿って移動する。調整ポイントPの形状が円形である一例を図示しているが、調整ポイントPの形状は正方形や長方形、星形形状等の形状であってもよい。なお、調整ポイントPのドラッグ操作とは、作業者が調整ポイントPをタッチした状態を維持しながら調整ポイントPを移動させる操作をいう。直線L上の調整ポイントPの位置は、現在設定されているパラメータ値の大きさを表す。具体的には、調整ポイントPが内側(円形領域C)に近い程、パラメータ値が小さく、調整ポイントPが外側である程、パラメータ値が大きいことを意味する。
【0035】
タッチパネル11が調整ポイントPのドラッグ操作を受付けると、表示制御部12は、かかるドラッグ操作に関するデータをCPU31に出力する。ドラッグ操作に関するデータは、例えば、ドラッグ開始位置、ドラッグ方向、ドラッグ量、ドラッグ終了位置等である。CPU31は、表示制御部12から入力されたデータに基づいて、どの調整ポイントPがドラッグされたかを判定するとともに、調整ポイントPのドラッグ方向及びドラッグ量を判定する。CPU31は、ドラッグされた調整ポイントPに対応するホッパをパラメータ調整対象として選択する。さらに、CPU31は、判定したドラッグ方向に応じて、パラメータ値の調整方法(増加又は減少)を決定するとともに、判定したドラッグ量に応じて、パラメータ値の調整量(増加量又は減少量)を決定する。CPU31は、かかる決定に基づいて、選択したホッパに対応するパラメータ値を調整し、このホッパにおける動作を調整されたパラメータ値に基づき変更する。
【0036】
ホッパのゲート開閉に関するパラメータ値は、例えば、プールホッパ4、計量ホッパ5及びブースタホッパ6それぞれにおけるゲートが閉じた状態から開いた状態となるタイミングに関するパラメータ値となる。また、このパラメータ値は、計量ホッパ5のゲート開閉と、プールホッパ4のゲート開閉のタイミングに関する値であってよい。また、このパラメータ値は、ブースタホッパ6のゲート開閉と、計量ホッパ5のゲート開閉のタイミングに関する値であってよい。
【0037】
排出画像EGは、排出カメラ120により撮影された、排出シュート7を通過する物品の状態(以下、排出状態)を示す。図4に示すように、排出画像EGは、排出シュート7から物品が排出される排出口72を示してよい。また、排出画像EGは、物品が滑落する排出シュート7の内壁面を示してよい。作業者は、排出画像EGを視認することで、排出状態を確認できる。
【0038】
表示部111には、ホッパ操作画像HOGと共に、排出カメラ120により撮影された排出画像EGが表示されるため、作業者は、排出シュート7を通過する物品の状態を実際に見に行かなくても、ホッパ操作画像HOGを確認する際に、排出シュート7を通過する物品の状態を確認できる。加えて、作業者は、ホッパ操作画像HOGが表示される画面と排出画像EGが表示される画面とを切り替えることなく、ホッパの排出動作を操作できるため、ホッパの排出動作を制御するまでの時間を短縮し易くなる。作業者は、排出シュート7を通過する物品の状態を確認しながら、ホッパの排出動作を制御できるため、排出動作を適切に制御できる。
【0039】
搬送画像CGは、搬送カメラ110により撮影された、搬送部(放射フィーダ3)により搬送される物品の状態(以下、搬送状態)を示す。図4に示すように、排出画像EGは、排出シュート7から物品が排出される排出口72を示してよい。また、排出画像EGは、物品が滑落する排出シュート7の内壁面を示してよい。作業者は、排出画像EGを視認することで、排出状態を確認できる。放射フィーダ3を示してよい。作業者は、搬送画像CGを視認することで、搬送状態を確認できる。
【0040】
表示制御部12は、ホッパ操作画像HOGを表示する操作が行われた場合に、制御部30からカメラ100の撮影画像を取得してもよいし、当該操作の前から事前に撮影画像を取得してもよい。CPU31は、表示制御部12からの指示に基づいて、撮影画像を表示制御部12に出力する。
【0041】
図4に示すように、ホッパ操作画像HOGと共に排出画像EG及び搬送画像CGを表示する場合、搬送画像CGよりも排出画像EGを強調して表示してよい。実施形態では、排出画像EGの大きさが、搬送画像CGの大きさよりも大きくてよい。また、強調の他の例として、排出画像EGの解像度が、搬送画像CGの解像度よりも高くてよい。また、排出画像EGの周囲に外枠が表示され、搬送画像CGの週には外枠が表示されなくてよい。
【0042】
図5に示すように、表示部111は、搬送操作画面に、搬送動作の操作を受け付ける搬送操作画像COGと共に、搬送画像CGを表示してよい。表示部111は、排出画像EGをさらに表示してよい。搬送操作画像COGは、ホッパ操作画像HOGと同様に、パラメータ値調整領域Rを有する。搬送操作画像COGは、振動時間選択ボタンB1と、振動強度選択ボタンB2とをさらに有する。
【0043】
搬送操作画像COGにおけるパラメータ値調整領域Rは、搬送部(各放射フィーダ3)の搬送動作に関するパラメータを調整するための領域である。パラメータ値が調整される対象が搬送部であることを除いて、ホッパ操作画像HOGのパラメータ値調整領域Rと同様であるため、説明を省略する。なお、CPU31は、パラメータ調整対象として選択した放射フィーダ3に対応するパラメータ値を調整し、この放射フィーダ3における動作を調整されたパラメータ値に基づき変更する。
【0044】
振動時間選択ボタンB1は、オペレータが、調整対象のパラメータ項目として、放射フィーダ3の振動時間を選択するためのボタンである。表示制御部12は、振動時間選択ボタンB1がタッチされると、振動時間選択ボタンB1の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部12は、振動時間選択ボタンB1が選択されたことを示すために、振動時間選択ボタンB1の表示色を変化させたり、振動時間選択ボタンB1に選択マークを付加して表示したりする。CPU31は、表示制御部12から入力されるデータに基づいて、振動時間選択ボタンB1がタッチされたことを検知すると、現在設定されている各放射フィーダ3の振動時間の値を取得して表示制御部12に出力する。表示制御部12は、CPU31から入力された各放射フィーダ3の振動時間の設定値を調整ポイントPの位置で示す。振動時間選択ボタンB1が選択された状態では、CPU31は、調整ポイントPのドラッグ操作を放射フィーダ3の振動時間の設定値の調整操作と解釈し、かかるドラッグ操作に応じて放射フィーダ3の振動時間の設定値を調整する。
【0045】
振動強度選択ボタンB2は、オペレータが、調整対象のパラメータ項目として、放射フィーダ3の振動強度を選択するためのボタンである。表示制御部12は、振動強度選択ボタンB2がタッチされると、振動強度選択ボタンB2の表示態様を変化させる。例えば、表示制御部12は、振動強度選択ボタンB2が選択されたことを示すために、振動強度選択ボタンB2の表示色を変化させたり、振動強度選択ボタンB2に選択マークを付加して表示したりする。CPU31は、表示制御部12から入力されるデータに基づいて、振動強度選択ボタンB2がタッチされたことを検知すると、現在設定されている各放射フィーダ3の振動強度の値を取得して表示制御部12に出力する。表示制御部12は、CPU31から入力された各放射フィーダ3の振動強度の設定値を調整ポイントPの位置で示す。振動強度選択ボタンB2が選択された状態では、CPU31は、調整ポイントPのドラッグ操作を放射フィーダ3の振動強度の設定値の調整操作と解釈し、かかるドラッグ操作に応じて放射フィーダ3の振動強度の設定値を調整する。
【0046】
図5に示すように、排出操作画像EOGと共に排出画像EG及び搬送画像CGを表示する場合、排出画像EGよりも搬送画像CGを強調して表示してよい。実施形態では、搬送画像CGの大きさが、排出画像EGの大きさよりも大きくてよい。
【0047】
上述の通り、作業者が、ホッパ操作画像HOGによりホッパの排出動作を操作する場合、排出画像EGが強調して表示されるため、ホッパの排出動作を操作する際に確認すべき画像を把握し易くなる。同様に、作業者が、搬送操作画像COGにより搬送動作を操作する場合、搬送画像CGが強調して表示されるため、搬送動作を操作する際に確認すべき画像を把握し易くなる。従って、作業者は、表示されている操作画面に関連する画像を迷わずに把握し易くなり、ホッパの排出動作又は搬送部の搬送動作を制御するまでの時間を短縮し易い。また、排出画像EG及び搬送画像CGが表示されるため、作業者が、排出シュート7を通過する物品の状態と搬送部により搬送される物品の状態との両方を把握し易くなる。これにより、作業者が、物品の状態の変化に気づき易くなり、排出動作の操作又は搬送動作の操作を早めに開始し易くできる。
【0048】
また、表示部111は、ホッパ操作画面以外の画面からホッパ操作画面に切り替わる場合、ホッパ操作画像HOGと共に排出画像EGを表示してよい。例えば、表示部111は、搬送操作画面からホッパ操作画面に切り替わる場合、ホッパ操作画像HOGと共に排出画像EGを表示してよい。これにより、ホッパ操作画面に切り替わった場合に、作業者が、排出画像EGを介して排出シュート7を通過する物品の状態を素早く確認できる。作業者は、排出動作の操作を制御すべきと判断した場合に、ホッパ操作画像HOGにより、ホッパの排出動作の操作をすぐに実行できるため、ホッパの排出動作を制御するまでの時間を短縮できる。
【0049】
<変更例>
変更例に係る操作画面について、図6を用いて説明する。図6に示すように、表示部111は、ホッパ操作画像HOGが表示されている場合、複数のカメラ100に撮影された画像のうち排出画像EGのみを表示してよい。これにより、作業者は、ホッパの排出を操作する際に確認すべき画像をすぐに把握でき、ホッパの排出動作を制御するまでの時間を短縮し易くなる。
【0050】
<その他の実施形態>
上記のように実施形態について記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0051】
上述した実施形態において、物品搬送装置1が組合せ計量装置である一例について説明したが、これに限られない。また、上述した実施形態において、複数のヘッド40が環状に配置されている一例について説明した。しかしながら、複数のヘッド40が直列状に配置されていてもよい。
【0052】
上述した実施形態において、カメラ100は、撮影画像を制御部30へ送っていたが、これに限られない。例えば、カメラ100は、表示制御部12へ撮影画像を送ってもよい。
【0053】
また、上述した実施形態では、排出シュート7へ物品を排出するホッパとして、計量ホッパ5及びブースタホッパ6を説明したが、これに限られない。物品搬送装置1は、ブースタホッパ6を備えなくてもよい。この場合、計量ホッパ5のみが、排出シュート7へ物品を排出してよい。
【0054】
なお、上述したリモコン10における各処理を端末装置に実行させるプログラムが提供されてもよい。また、プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 :物品搬送装置
2 :分散フィーダ
3 :放射フィーダ
4 :プールホッパ
5 :計量ホッパ
6 :ブースタホッパ
7 :排出シュート
10 :リモコン
11 :タッチパネル
12 :表示制御部
20 :ロードセル
30 :制御部
40 :ヘッド
50 :計量ホッパ
90 :供給コンベア
100 :カメラ
110 :搬送カメラ
111 :表示部
112 :操作検知部
120 :排出カメラ
CG :搬送画像
COG :搬送操作画像
EG :排出画像
EOG :排出操作画像
HOG :ホッパ操作画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6